JP6276007B2 - 蒸着装置、成膜方法及び有機el装置の製造方法 - Google Patents

蒸着装置、成膜方法及び有機el装置の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6276007B2
JP6276007B2 JP2013243885A JP2013243885A JP6276007B2 JP 6276007 B2 JP6276007 B2 JP 6276007B2 JP 2013243885 A JP2013243885 A JP 2013243885A JP 2013243885 A JP2013243885 A JP 2013243885A JP 6276007 B2 JP6276007 B2 JP 6276007B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carrier gas
unit
aerosol
vapor deposition
powder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013243885A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015101770A (ja
Inventor
広昌 下舘
広昌 下舘
祐介 川村
祐介 川村
木村 俊彦
俊彦 木村
大地 上山
大地 上山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kaneka Corp
Original Assignee
Kaneka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kaneka Corp filed Critical Kaneka Corp
Priority to JP2013243885A priority Critical patent/JP6276007B2/ja
Publication of JP2015101770A publication Critical patent/JP2015101770A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6276007B2 publication Critical patent/JP6276007B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Description

本発明は、蒸着装置に関するものである。本発明は、特に有機EL(ElectroLuminesence)装置の製造に用いる蒸着装置として好適である。
また本発明は、成膜方法及び有機EL装置の製造方法に関するものである。
近年、白熱灯や蛍光灯に変わる照明装置として有機EL装置が注目され、多くの研究がなされている。また、テレビに代表されるディスプレイ部材においても液晶方式やプラズマ方式に変わる方式として有機EL方式が注目されている。
ここで有機EL装置は、ガラス基板や透明樹脂フィルム等の基材に、有機EL素子を積層したものである。
また、有機EL素子は、一方又は双方が透光性を有する2つの電極を対向させ、この電極の間に有機化合物からなる発光層を積層したものである。有機EL素子は、電気的に励起された電子と正孔との再結合のエネルギーによって発光する。
有機EL装置は、自発光デバイスであるため、ディスプレイ材料として使用すると高コントラストの画像を得ることができる。また、発光層の材料を適宜選択することにより、種々の波長の光を発光することができる。また、白熱灯や蛍光灯に比べて厚さが極めて薄く、かつ、面上に発光するので、設置場所の制約が少ない。
有機EL装置の代表的な層構成は、図6の通りである。図6に示される有機EL装置100は、ボトムエミッション型と称される構成であり、ガラス基板110に、透明電極層120と、機能層130と、裏面電極層140が積層され、これらが封止部150によって封止されたものである。
また、機能層130は、複数の有機化合物の薄膜が積層されたものである。代表的な機能層130は、正孔注入層131、正孔輸送層132、発光層133、及び電子輸送層134を有している。
有機EL装置100は、ガラス基板110上に、前記した層を順次成膜することによって製造される。
ここで上記した各層の内、透明電極層120は、酸化インジウム錫(ITO)等の透明導電膜であり、主にスパッタ法あるいはCVD法によって成膜される。
機能層130は、前記した様に複数の有機化合物の薄膜が積層されたものであり、各薄膜は真空蒸着法によって成膜されることが一般的である。
裏面電極層140は、アルミニウム等の金属薄膜であり、この層も真空蒸着法によって成膜されることが多い。
この様に有機EL装置を製造する際には、真空蒸着法が多用される。ここで真空蒸着法は、例えば特許文献1に開示された様な蒸着装置を使用して成膜する技術である。
すなわち、蒸着装置は、真空室と、薄膜材料を蒸発させる気化部によって構成されるものである。真空室は、例えばガラス基板等の基材を設置することができるものである。
気化部は電気抵抗や電子ビームを利用した加熱装置と、薄膜材料を入れる坩堝とによって構成されている。
特許文献2,3には、気化部に薄膜材料を定量供給し、気化部の加熱装置または加熱されたキャリアガスによって薄膜材料の一部または全部を蒸発させ材料ガスとし、真空室に材料ガスを移送し成膜する、いわゆるフラッシュ蒸着による方法が開示されている。
また、特許文献4は、微粉体供給方法であって、加圧下に微粉体を貯留ドラムに供給し、貯留ドラム側壁に設けた複数個の排出口から前記粉流体を複数個のノズルに供給することを開示しており、この際、材料を微量供給する方法として、定量供給機で供給される微粉体を貯留ドラムに供給し、さらに循環ブロワを介して粉流体を循環させる循環経路の配管が貯留ドラムに設置される構造で、循環管路を経て貯留ドラム内に微粉体を分散させてエアロゾル化する方法を採用しており、排出口のノズルに安定量の微粉体を供給することができるとしている。
特開2012−52187号公報 WO2009/034938号公報 WO2010/123027号公報 特開昭63−20027号公報
上記特許文献1に記載されている真空蒸着方法においては、一定の生産性を得るため、生産中は薄膜材料を常に加熱保持している必要があり、加熱による薄膜材料の変質、いわゆる材料劣化を抑えることが困難であった。
また、上記特許文献2,3に記載されている真空蒸着方法においては、薄膜材料を生産に使用するまで常温で保持することが可能である。しかしながら、基材への成膜速度が気化部への材料供給速度に依存するため、例えば数nmの薄膜を形成する場合には、必要な薄膜材料が著しく少なく、薄膜材料を微量供給し、低速度で成膜して安定した膜厚を得ることが困難であった。
また、特許文献4の方法、すなわち、循環ブロワを用いることは、真空を必要とする有機EL装置の蒸着装置に採用することは構造的に困難であり、前記循環構造を用いずに、薄膜材料を安定して微量供給可能である真空蒸着装置が望まれた。
そこで本発明は、従来技術の上記した問題点に注目し、薄膜材料の成膜中の材料劣化を抑え、所望の蒸着速度で安定した膜厚が得られる蒸着装置を提供することを課題とするものである。
本願発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意検討の結果、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は、基材を設置可能な真空室を有し、該真空室内に基材を設置し、材料ガス供給機構から供給された材料ガスに含まれる薄膜材料を前記基材に着膜させる蒸着装置であって、該材料ガス供給機構は、エアロゾル供給機構が接続された気化部を含み、該材料ガスは、該気化部において該エアロゾル供給機構から供給されたエアロゾルに含まれる粉体が気化されてなる該薄膜材料の蒸気を含み、該エアロゾル供給機構が、該エアロゾルから該粉体を分離する粉体分離部、分離され回収された該粉体を貯蔵する粉体貯蔵部、及び該粉体貯蔵部から供給された該粉体から該エアロゾルを形成するエアロゾル形成部を含み、かつ、該エアロゾル供給機構全体が、大気の流入から遮断可能に構成されてなる蒸着装置、に関する。
また、本発明は、前記材料ガス供給機構が、さらに、キャリアガス供給部を含み、前記材料ガス中の、前記薄膜材料の蒸気の濃度が、該キャリアガス供給部から供給されるキャリアガスにより希釈可能に構成されてなる蒸着装置、に関する。
また、本発明は、前記材料ガス供給機構が、前記気化部に接続されたキャリアガス供給部(1)を含み、該キャリアガス供給部(1)が、供給された前記キャリアガスを加熱して、加熱されたキャリアガスとして前記気化部に供給可能に構成されてなる、蒸着装置に関する。
また、本発明は、前記エアロゾル供給機構が、前記エアロゾル形成部に接続されたキャリアガス供給部(2)を含み、該キャリアガス供給部(2)が、該キャリアガス供給部(2)及び前記エアロゾル形成部の接続部において、前記キャリアガスを標準状態換算で0.1m/秒以上の線速にて供給可能に構成されてなる蒸着装置に関する。
また、本発明は、前記気化部に接続するキャリアガス供給部(1)、及び前記エアロゾル形成部に流送するキャリアガス供給部(2)へ、前記キャリアガスが、共通のキャリアガス供給路から、各々への流量を独立に制御可能なキャリアガス分岐部を介して供給される蒸着装置に関する。
また、本発明は、前記気化部、及び前記粉体分離部へ、前記エアロゾルが、前記エアロゾル形成部から、各々への流量を独立に制御可能なエアロゾル分岐部を介して供給される蒸着装置に関する。
また、本発明は、前記粉体貯蔵部が、前記エアロゾル形成部へ前記粉体を供給する粉体供給機構を含み、該粉体供給機構が、前記粉体を、0.001〜1000mg/秒の範囲で、かつ、一定速度で供給可能な蒸着装置に関する。
また、本発明は、前記粉体分離部が、遠心分離装置を含む蒸着装置に関する。
また、本発明は、前記粉体供給機構が、ギアフィーダを含む蒸着装置に関する。
また、本発明は、前記粉体分離部において、前記エアロゾルから前記粉体が分離された残りの、前記キャリアガスを含む分離後ガスが、真空ポンプにて系外に排気される蒸着装置に関する。
また、本発明は、前記蒸着装置を用いて、前記エアロゾルに含まれる薄膜材料の濃度を、0.001μg/sccm〜1000μg/sccmとして蒸着する工程を含む有機EL装置の製造方法に関する。
また、本発明は、前記有機EL装置の製造方法であって、前記材料ガスに含まれる薄膜材料の濃度を、0.0001μg/sccm〜100μg/sccmとして蒸着する工程を含む有機EL装置の製造方法に関する。
また、本発明は、基材上に少なくとも第1電極層と、複数の有機化合物の薄膜からなり発光層を含む機能層と、第2電極層を順次積層して製造し、かつ、前記蒸着工程を含む有機EL装置の製造方法であって、該蒸着工程が、前記薄膜材料をドーパントとして共蒸着する工程である、有機EL装置の製造方法に関する。
本発明の蒸着装置では、気化部の外部となる粉体貯蔵部に薄膜材料を粉体として、気化温度よりはるかに低温の、例えば、常温保持しているため、材料劣化は殆ど起こらない。また、気化部に導入されず蒸着に使用されなかった粉体の薄膜材料は、粉体貯蔵部に還流されることから、薄膜材料の利用効率が高い。
本発明の蒸着装置を用いれば、エアロゾルに含まれる薄膜材料の希釈濃度、粉体供給機構からの粉体供給速度、気化部と粉体分離部に流送されるエアロゾルの分配率を適宜調整することで、容易に成膜速度をコントロールすることが可能であり、例えば0.01Å/秒程度の低速の成膜速度をフラッシュ蒸着で安定的に得ることができる。
本発明の蒸着装置を用いれば、1つの蒸着装置で複雑な構造のデバイスであっても製造することができる。
本発明の蒸着装置の構成図である。 図1の真空室及び排気部の構成詳細図である。 図1の薄膜材料蒸発部の構成詳細図である。 2以上の薄膜材料を供給することが可能な薄膜材料蒸発部の参考図である。 材料ガス供給機構の概念図である。 有機EL装置の代表的なデバイス構成を示す断面図である。
以下さらに本発明の実施形態の例について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、当業者の技術常識内で種々変更が可能である。
本発明の蒸着装置1は、図1に示すように、真空室及び排気部2、及び本発明に係る材料ガス供給機構を含み、この材料ガス供給機構は、少なくとも、エアロゾル供給機構、及び気化部411含む薄膜材料蒸発部4を含み、他に、キャリアガス供給部5、及びキャリアガス導入部6を含むことが好ましく、さらに、ガス混合部3を含むようにすることができる。ここで、前記エアロゾル供給機構が、粉体分離部451、粉体貯蔵部421、及びエアロゾル形成部902を含み、このエアロゾル供給機構全体が、大気の流入から遮断可能に構成されてなることが本発明の特徴の一つである。
なお、加熱されたキャリアガスと接触する各機器、配管、バルブ等は、材料ガスの固着及び材料劣化を抑制するため、適宜必要なリボンヒーターやジャケットヒーター等によって加熱し、適当な制御方法で各部の温度制御が可能な構造である。
真空室及び排気部2は、図2に示すように、真空室21、真空排気ポンプ22、及び排気バルブ201よりなる。
真空室21は気密性を有し、真空室内に基材保持機構211、蒸着ヘッド212、ゲートバルブ213、材料回収部214を有する。
本実施形態では、基材9がゲートバルブ213を介して真空室21内に導入され、基材保持機構211に載置される。基材9は、例えばガラス等の透明な材料からなる。基材上の透明電極層120は、ITO(Indium Tin Oxide)等の透明な導電性材料からなる。なお、透明電極層120は例えばスパッタリング法などにより形成される。
次に、材料ガスが蒸着ヘッド212を介して基材に向かって吐出されることで、成膜が実施される。蒸着ヘッドの吐出部は適度な開孔パターンを有し、基材成膜面に均一に材料ガスを吐出する構造であると好ましい。また、基材保持機構211は、加熱された蒸着ヘッド212の輻射熱等による基材温度の上昇を抑制するため、例えば冷媒等を内部に流通させ、基板を冷却できる構造(215)であると好ましい。
なお、材料ガスは、本発明に係る材料ガス供給機構から、蒸着ヘッド212と材料回収部214にそれぞれ流送することが可能であり、例えば材料蒸発が不安定な間は材料回収部214に流送し、材料蒸発安定後に蒸着ヘッドへ流送することができる。
材料回収部214は真空室内に設置する必要は特になく、例えば真空室外でコールドトラップ等により回収してもよい。
真空室21は外部に接続されるドライポンプ等の真空排気ポンプで排気される。さらに、TMP(ターボ分子ポンプ)やCP(クライオポンプ)を用いて、真空室21内を高真空排気できる構造とすれば、真空室内部や薄膜材料蒸発部内の残留水分等を除去可能となり、品質向上の観点から好ましい。またさらに、排気バルブ201は、開度コントロールが可能なバルブである方が、真空室内部の圧力調整により成膜速度等をコントロールできるので好ましい。
ガス混合部3は、ガスミキサー311、真空室21の蒸着ヘッド212または薄膜材料回収部214に供給先を切り替えるためのバルブ321、322よりなる。薄膜材料蒸発部4及びキャリアガス供給部5より流送されるキャリアガス及び薄膜材料の蒸気は、ガスミキサー311で均一に混合され、場合によっては後述するキャリアガス供給部(3)から供給されたキャリアガスと混合され、最終的に本発明に係る材料ガスとして真空室に、具体的には、真空室の蒸着ヘッド212または材料回収部214に供給されることが好ましい。ミキサー311は、例えばスタティックミキサー等が用いられ、キャリアガス中に蒸発した材料を均一に分散させる。
本発明に係る材料ガス供給機構は、1つまたは複数の薄膜材料蒸発ユニット7、8からなる薄膜材料蒸発部4を含む。ここで、薄膜材料蒸発ユニット7を代表例として構造の詳細を説明する。図1では2つの薄膜材料蒸発ユニット7、8よりなる薄膜材料蒸発部4について示しているが、それぞれの薄膜材料蒸発ユニットの構造や系列数を限定するものではない。
薄膜材料蒸発ユニット7は図3及び図5に示すように、少なくとも、エアロゾル供給機構10、材料蒸発を実施する気化部411を含み、さらに、キャリアガス供給部12、13、キャリアガス分岐部903を含むことが好ましい。また、各部を仕切るバルブ461、462、463、464、465、466、467、468、469が設けられる。
さらにエアロゾル供給機構10は、少なくとも、エアロゾルを粉体材料とキャリアガスに分離する粉体分離部451、粉体材料を供給する粉体貯蔵部421、エアロゾル形成部902、及びエアロゾル分岐部901を含み、流量を制御するマスフローコントローラー433、434を含むことが好ましい。
粉体貯蔵部421より粉体として供給された薄膜材料は、エアロゾル形成部902に接続されたキャリアガス供給部(2)であるキャリアガス供給部12より流送されるキャリアガスとエアロゾル形成部902で混合されエアロゾル化し、エアロゾル分岐部901を通じて、気化部411及び粉体分離部451に、マスフローコントローラー433及び434で分配比率を制御して流送される。このキャリアガスは加熱されていないことが好ましい。この場合、マスフローコントローラー433で粉体詰まりが発生する場合は、マスフローコントローラーの代わりに短管を用いて、配管径を変更することで分配比率を制御してもよい。粉体分離部451に供給されたエアロゾルは、粉体材料とキャリアガスに分離され、粉体材料は粉体貯蔵部421に還流され、分離後ガスはマスフローコントローラー434を介して排出される。
粉体貯蔵部421の粉体供給機構は、粉体材料を比較的微量でも安定的に供給できるギアフィーダが好ましいが、スクリューフィーダやサークルフィーダであってもよい。また、粉体貯蔵部内の材料を脱気するため、粉体貯蔵部421に直接接続する配管及び仕切りバルブが設置されていてもよい。
粉体分離部451は、粉体材料の回収率と装置の簡易性の観点から遠心分離装置を用いることが好ましいが、ろ過集塵機や電気集塵機を用いてもよいし、回収率を高めるためにそれらを併用してもよい。
また、好ましくは、マスフローコントローラー434の上流側にガスフィルター471が設置されていると、マスフローコントローラー434の粉体詰まりが抑制できる。さらに、マスフローコントローラー434の下流側に逆流防止弁481が設置されていると、材料ガス供給機構に異物が逆流して混入することを防止できるので好ましい。またさらに、マスフローコントローラー434が圧力コントローラーであると、材料ガス供給機構内、又は薄膜材料蒸発ユニット内の圧力を安定させることができるので、エアロゾルの供給、分配が安定するため好ましい。
キャリアガス供給部12はキャリアガス流量を制御するマスフローコントローラー431よりなる。
気化部411に接続するキャリアガス供給部(1)であるキャリアガス供給部13はキャリアガス流量を制御するマスフローコントローラー432及びキャリアガスを所定の温度まで加熱する熱交換機441よりなる。
キャリアガス導入部6より、キャリアガス供給部5の一部であるキャリアガス分岐部903を介して、キャリアガス供給部12に供給されたキャリアガスは、マスフローコントローラー431で流量制御し、エアロゾル供給機構10に流送される。また、キャリアガス導入部6より、キャリアガス供給部5の一部であるキャリアガス分岐部903を介して、キャリアガス供給部13に供給されたキャリアガスは、マスフローコントローラー432で流量が、熱交換機441で加熱され温度が制御されて、気化部411に流送される。
気化部411では、エアロゾル供給機構10より供給されたエアロゾルに含まれる薄膜材料が、キャリアガス供給部13より流送される加熱キャリアガスにより蒸発し、例えば、ガス混合部3に流送され、最終的には材料ガスとして真空室に供給される。
気化部排出部を仕切るバルブ461は、気化部内の圧力コントロールにより、気化部411での材料蒸発効率を向上するため、開度調整が可能である方が好ましい。
キャリアガス供給部5は、マスフローコントローラー435、熱交換器442、各部との仕切りバルブ501、502よりなるキャリアガス供給部(3)を含むようにでき、ガス混合部3にて、又は、真空室に供給される直前にてキャリアガスを材料ガスに混合できるようにすることが好ましい。マスフローコントローラー435及び熱交換器442でキャリアガスを所定流量及び温度に制御し、例えば、ガス混合部3に流送する構造である。
キャリアガス導入部6は、キャリアガス供給部5を介して、薄膜材料蒸発部4、及びガス混合部3や真空室21にキャリアガスを供給する。キャリアガスはフィルター等で異物除去して流送する構造であることが好ましい。さらに、例えばマスフローメーター611を介してキャリアガスを流送する構造であると、キャリアガス供給部5や薄膜材料蒸発部4の各マスフローコントローラーに流量異常が発生した場合、早期発見できるので好ましい。
以下、本発明の蒸着装置を用いた、成膜方法の具体例を説明する。
まず、粉体貯蔵部421に粉体の薄膜材料を適量充填する。次に、真空排気ポンプ22を用いて真空室21内を真空排気する。さらに、キャリアガス導入部6から真空室に至る全プロセス内を真空排気すると共に、材料脱気を実施する。真空排気は、ターボ分子ポンプやクライオポンプを用いて高真空排気を実施し、有機ELデバイスの特性低下に繋がる残留水分等を極力除去することが好ましい。
次に各部に設置したヒーターで各部を所定温度に昇温する。設定温度は、装置の運用方法や特徴に合わせて適宜設定すればよい。気化された薄膜材料を含むガスが流通する領域においてはが、薄膜材料の沸点を下回らない範囲で、なるべく低い温度に設定すると、材料ガスの固着及び材料劣化防止の観点から好ましく、それと同時に、本発明に係るエアロゾルや粉体が流通する領域においては、粉体粒子等が溶融しない程度の温度に維持可能となるように、必要に応じて加熱、冷却等の温度制御をすることが好ましい。
次に、ゲートバルブ213を介して真空室21に基材9を投入し、基板保持機構211に載置する。また、必要に応じて、基板保持機構211内に冷媒を流通させ(215)基板冷却を実施する。冷媒には例えばエチレングリコール等が用いられる。
次に、マスフローコントローラー432及び熱交換器441でキャリアガスを所定の流量及び温度に制御して気化部411を介して、ガス混合部3に流送する。また、マスフローコントローラー431、433、434でキャリアガスを流量制御し、気化部411に流送する。さらにまた、加熱キャリアガス供給部5より、マスフローコントローラー435及び熱交換器442で、キャリアガスを所定の流量及び温度に制御してガス混合部3に流送することもできる。
次に、粉体貯蔵部421から薄膜材料を供給する。エアロゾル形成部902でキャリアガスと混合し、エアロゾル化された薄膜材料は、エアロゾル分岐部901を介して気化部411に供給され、さらに加熱されたキャリアガスと混合して気化され、好ましくはガス混合部3に流送され、最終的に材料ガスとして真空室に供給される。この時、エアロゾル分岐部901で分岐される一部のエアロゾルは、粉体分離部451を介し分離され、回収した薄膜材料は粉体貯蔵部421に還流される。
この場合、加熱されたキャリアガスの流量及び温度を、気化部に供給されるエアロゾルに含まれる薄膜材料を全量気化させるために十分な条件に設定すると、粉体貯蔵部からの薄膜材料供給速度、エアロゾル中の薄膜材料希釈濃度、エアロゾル分岐部901での分配比率で成膜速度を制御することができるので好ましい。また、エアロゾル形成部より、マスフローコントローラー433及び粉体分離部451までの粉体移送は、キャリアガスを標準状態換算で0.1m/秒以上の線速とすることで、工程途中で堆積することなく安定的に粉体を移送できるので好ましい。
ガス混合部3で、薄膜材料蒸発部4及びキャリアガス供給部5より流送される材料ガスとキャリアガスを混合して真空室21内の蒸着ヘッド212を通じ、薄膜材料は基材9に成膜される。この際に流送されるキャリアガスは加熱されていることが好ましい。特に、基材9への着膜量を精密にコントロールする場合には、最初は材料ガスを材料回収部214に供給し、気化部411での材料気化が安定後に蒸着ヘッドへ供給して一定時間成膜し、蒸着終了後は材料回収部に供給する方法が好ましい。
成膜終了後は、まず粉体材料の供給を停止させ、キャリアガスの流送を停止し、適宜バルブを閉めるとよい。
例えば、2種類の薄膜材料を用いて2層を積層する場合や共蒸着を実施する場合には、薄膜材料蒸発ユニット7、8でそれぞれの薄膜材料を気化し、前述した蒸着方法を用いて実施するとよい。このように、適当な数の薄膜材料蒸発ユニットを設置すれば、複数の材料を用いて、多層積層や多材料での共蒸着を実施することが可能であり、例えば図6の機能層130を構成する各層も、本発明の蒸着装置1台で全て成膜できる。
また、図4に示すような2以上の薄膜材料を個別に気化部412に供給することが可能である材料ガス供給機構を用いれば、複数の薄膜材料を順次または同時に蒸発させることが可能であり、例えば1つの真空室のみで、複数層の積層及び共蒸着を実施することができる。
1 蒸着装置
2 真空室及び排気部
3 ガス混合部
4 薄膜材料蒸発部
5 キャリアガス供給部
6 キャリアガス導入部
7、8 薄膜材料蒸発ユニット
9 基材
10 エアロゾル供給機構
12、13 キャリアガス供給部
21 真空室
22 真空排気ポンプ
100 有機EL装置
110 ガラス基板
120 透明電極層
130 機能層
140 裏面電極層
150 封止部
201 排気バルブ
211 基材保持機構
212 蒸着ヘッド
213 ゲートバルブ
214 薄膜材料回収機構
215 冷媒流通部
311 ガスミキサー
400 薄膜材料
411、412 気化部
421 粉体貯蔵部
431、432、433、434、435 マスフローコントローラー
441、442 熱交換器
451 粉体分離部
611 マスフローメーター
901 エアロゾル分岐部
902 エアロゾル形成部
903 キャリアガス分岐部

Claims (13)

  1. 基材を設置可能な真空室を有し、該真空室内に基材を設置し、材料ガス供給機構から供給された材料ガスに含まれる薄膜材料を該基材に着膜させる蒸着装置であって、
    該材料ガス供給機構は、エアロゾル供給機構が接続された気化部を含み、
    該材料ガスは、該気化部において該エアロゾル供給機構から供給されたエアロゾルに含まれる粉体が気化されてなる該薄膜材料の蒸気を含み、
    該エアロゾル供給機構が、該エアロゾルから該粉体を分離する粉体分離部、分離され回収された該粉体を貯蔵する粉体貯蔵部、及び該粉体貯蔵部から供給された該粉体から該エアロゾルを形成するエアロゾル形成部を含み、かつ、
    該エアロゾル供給機構全体が、大気の流入から遮断可能に構成されてなる、蒸着装置。
  2. 前記材料ガス供給機構が、さらに、キャリアガス供給部を含み、
    前記材料ガス中の、前記薄膜材料の蒸気の濃度が、該キャリアガス供給部から供給されるキャリアガスにより希釈可能に構成されてなる、請求項1に記載の蒸着装置。
  3. 前記材料ガス供給機構が、前記気化部に接続されたキャリアガス供給部(1)を含み、該キャリアガス供給部(1)が、供給された前記キャリアガスを加熱して、加熱されたキャリアガスとして前記気化部に供給可能に構成されてなる、請求項2に記載の蒸着装置。
  4. 前記エアロゾル供給機構が、前記エアロゾル形成部に接続されたキャリアガス供給部(2)を含み、該キャリアガス供給部(2)が、該キャリアガス供給部(2)及び前記エアロゾル形成部の接続部において、前記キャリアガスを標準状態換算で0.1m/秒以上の線速にて供給可能に構成されてなる、請求項2、又は3に記載の蒸着装置。
  5. 前記キャリアガス供給部(1)、及び前記キャリアガス供給部(2)へ、前記キャリアガスが、共通のキャリアガス供給路から、各々への流量を独立に制御可能なキャリアガス分岐部を介して供給される、請求項4に記載の蒸着装置。
  6. 前記気化部、及び前記粉体分離部へ、前記エアロゾルが、前記エアロゾル形成部から、各々への流量を独立に制御可能なエアロゾル分岐部を介して供給される、請求項1〜5のいずれかに記載の蒸着装置。
  7. 前記粉体貯蔵部が、前記エアロゾル形成へ前記粉体を供給する粉体供給機構を含み、該粉体供給機構が、前記粉体を、0.001〜1000mg/秒の範囲で、かつ、一定速度で供給可能な、請求項1〜6のいずれかに記載の蒸着装置。
  8. 前記粉体分離部が、遠心分離装置を含む、請求項1〜7のいずれかに記載の蒸着装置。
  9. 前記粉体供給機構が、ギアフィーダを含む、請求項7に記載の蒸着装置。
  10. 前記粉体分離部において、前記エアロゾルから前記粉体が分離された残りの、前記キャリアガスを含む分離後ガスが、真空ポンプにて系外に排気される、請求項2〜のいずれかに記載の蒸着装置。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の蒸着装置を用いて、前記エアロゾルに含まれる薄膜材料の濃度を、0.001μg/sccm〜1000μg/sccmとして蒸着する工程を含む、有機EL装置の製造方法。
  12. 請求項11に記載の有機EL装置の製造方法であって、前記材料ガスに含まれる薄膜材料の濃度を、0.0001μg/sccm〜100μg/sccmとして蒸着する工程を含む、有機EL装置の製造方法。
  13. 基材上に少なくとも第1電極層と、複数の有機化合物の薄膜からなり発光層を含む機能層と、第2電極層を順次積層して製造し、かつ、請求項11又は12に記載の蒸着工程を含む有機EL装置の製造方法であって、
    該蒸着工程が、前記薄膜材料をドーパントとして共蒸着する工程である、有機EL装置の製造方法。
JP2013243885A 2013-11-26 2013-11-26 蒸着装置、成膜方法及び有機el装置の製造方法 Active JP6276007B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013243885A JP6276007B2 (ja) 2013-11-26 2013-11-26 蒸着装置、成膜方法及び有機el装置の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013243885A JP6276007B2 (ja) 2013-11-26 2013-11-26 蒸着装置、成膜方法及び有機el装置の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015101770A JP2015101770A (ja) 2015-06-04
JP6276007B2 true JP6276007B2 (ja) 2018-02-07

Family

ID=53377739

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013243885A Active JP6276007B2 (ja) 2013-11-26 2013-11-26 蒸着装置、成膜方法及び有機el装置の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6276007B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7129280B2 (ja) * 2018-08-28 2022-09-01 株式会社カネカ ガスキャリア蒸着装置
JP7129310B2 (ja) * 2018-10-17 2022-09-01 株式会社カネカ 蒸着装置

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0620530B2 (ja) * 1986-07-09 1994-03-23 日立造船株式会社 微粉体供給方法
JP2002033191A (ja) * 2000-05-12 2002-01-31 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 発光装置の製造方法
JP4526162B2 (ja) * 2000-06-06 2010-08-18 独立行政法人産業技術総合研究所 セラミック構造物作製装置
JP4802342B2 (ja) * 2005-08-24 2011-10-26 独立行政法人産業技術総合研究所 粉体回収方法及び装置、ならびに粉体回収装置付き成膜装置
JP4789551B2 (ja) * 2005-09-06 2011-10-12 株式会社半導体エネルギー研究所 有機el成膜装置
JP4974504B2 (ja) * 2005-10-13 2012-07-11 株式会社半導体エネルギー研究所 成膜装置、発光装置の作製方法
JP5341986B2 (ja) * 2009-04-24 2013-11-13 東京エレクトロン株式会社 蒸着処理装置および蒸着処理方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015101770A (ja) 2015-06-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5373221B2 (ja) 蒸着粒子射出装置および蒸着装置並びに蒸着方法
US20070248753A1 (en) Vapor deposition of a layer
JP2009087931A (ja) 成膜方法、蒸着装置、有機el製造装置
JP2007070679A (ja) 成膜装置、成膜装置系、成膜方法、及び電子機器または有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法
JP2003077662A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法および製造装置
US11196030B2 (en) High efficiency vapor transport sublimation source using baffles coated with source material
JP5091678B2 (ja) 成膜用材料の推定方法、解析方法、及び成膜方法
WO2012046795A1 (ja) 蒸着装置、薄膜の成膜方法、並びに、有機el装置の製造方法
JP4602054B2 (ja) 蒸着装置
JP6276007B2 (ja) 蒸着装置、成膜方法及び有機el装置の製造方法
JP2012046814A (ja) 蒸着装置
JP2012046814A5 (ja)
WO2007037268A1 (ja) 原料供給装置および蒸着装置
JP6282852B2 (ja) 蒸着装置、成膜方法及び有機el装置の製造方法
JP2003301255A (ja) 薄膜堆積用分子線源セルと薄膜堆積方法
JP7129310B2 (ja) 蒸着装置
JP6549835B2 (ja) 蒸着装置、及び有機el装置の製造方法
JP6271241B2 (ja) 蒸着装置、及び有機el装置の製造方法
JPH10270164A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法およびその製造装置
JP7129280B2 (ja) ガスキャリア蒸着装置
JP5557700B2 (ja) 蒸着装置及び有機el装置の製造方法
JP2019131869A (ja) 蒸着装置
CN101278073B (zh) 原料供应装置及蒸镀装置
JP2022003159A (ja) 蒸着装置
KR20220124148A (ko) 증발 방법, 증발 장치, 및 증발 소스

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160920

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170622

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170704

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170724

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171226

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180111

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6276007

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250