JP6273789B2 - 運転支援装置 - Google Patents

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Description

本発明は、駐車のための車両運転を支援する運転支援の技術に関する。
特許文献1に記載された従来技術では、地図情報を参照し、自車両が道路から外れた駐車場内にあると判定した場合、アクセルの踏み込みがあっても、これを踏み間違いであると判断し、スロットル制御によって自車両の加速を抑制している。
特開2003−137001号公報
しかしながら、自車両が駐車場内にあると判定した場合、アクセルの踏み込みがあっても、これを踏み間違いであると判断し、スロットル制御によって自車両の加速を抑制する構成では、例えば、駐車場内を自車両が駐車する駐車スペースに対して移動している場合、すなわち運転者が踏み間違いを起こしていないような場合においても、自車両の加速が抑制されてしまう可能性があり、運転者へ違和感を与える可能性がある。
本発明は、自車両がアクセルの踏み間違いを行う状況かどうかを適切に判定することにより、踏み間違いに対する適切な運転支援を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、自車両周囲の路面を含む撮像画像から、数字を含む記号を抽出する。そして、複数の上記記号を抽出した場合、これらの記号の有する数字が連番であると判定した場合、上記記号から所定の位置に駐車枠があると推定する。更に、上記推定された駐車枠が、上記自車両の進行方向前方に存在すると判定した場合、加速操作子に応じて自車両に発生させる加速を低減する。
本発明によれば、駐車枠へ対して進行しているときに、踏み間違いの可能性が高い場合には、自車両の加速が低減されるため、運転者へ違和感を与える可能性を低くすることができる。
本発明に基づく実施形態に係る車両の構成を示す概念図である。 本発明に基づく実施形態に係る走行制御コントローラの構成を説明するための図である。 カメラによる撮像の例を示す斜視図である。 車両周囲の撮像領域の例を示す平面図である。 周囲環境認識情報演算部の構成を示す図である。 駐車枠線情報処理部の処理を示す図である。 カメラで撮像した撮像画像のうちの俯瞰変換する部分を示す概念平面図である。 図7の画像を俯瞰画像に変換した状態を示す概念平面図である。 取得する俯瞰画像の連続したフレーム位置を示す図である。 放射状線の検出を説明する図である。 放射状線を説明する図である。 放射状線の判定を説明する図である。 立体物の線の判定を説明する図である。 踏切関連表示線に対応する線を検出する処理例を説明する図である。 記号抽出部の処理を説明する図である。 記号群抽出部の処理を説明する図である。 連番判定部の処理を説明する図である。 加速抑制作動条件判断部の処理を説明するための図である。 自車両と駐車枠、自車両と駐車枠との距離を説明する図である。 加速抑制量演算部の処理を説明する図である。 ステップS630の処理の具体例を示す図である。 第2加速抑制量の例を示す図である。 第1加速抑制量の例を説明する図である。 目標スロットル開度演算部の処理を説明する図である。 第1実施形態におけるタイムチャート例を示す図である。 立体物の線の俯瞰画像でのフレーム間の移動例を示す図である。 踏切に表示されている踏切関連表示線を示す概要模式図である。 俯瞰画像から検出した踏切関連表示線に対応する線の例示を示す図である。 踏切に表示されている踏切関連表示線を示す他の例の概要模式図である。 本実施形態で検出する駐車枠の例を示す図である。 数字列から推定して抽出される駐車枠の例を示す模式図である。 アクセル操作量に応じた加速抑制量の遷移を示す図である。 総合確信度TLVLを求め方を説明する図である。 図24の総合確信度TLVLを使用した駐車支援制御を説明する図である。 本発明に基づく第2実施形態に係るステップS586の処理を説明する図である。 自車両予想軌道枠線重複量を説明する図である。 自車両予想軌道駐車枠入り口重複率を説明する図である。 第2実施形態におけるタイムチャート例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
「第1実施形態」
(構成)
車両は、制動力を発生する制動装置、及び駆動力を発生する駆動装置を備える。
制動装置は、図1に示すように、車輪11に設けられるブレーキ装置12と、その各ブレーキ装置12に接続する配管を含む流体圧回路13と、ブレーキコントローラ14とを備える。ブレーキコントローラ14は、流体圧回路13を介して各ブレーキ装置12で発生する制動力を、制動力指令値に応じた値に制御する。ブレーキ装置12は、流体圧で制動力を付与する装置に限定されず、電動ブレーキ装置等であっても良い。
駆動装置は、図1に示すように、駆動源としてのエンジン15と、エンジン15で発生するトルク(駆動力)を制御するエンジンコントローラ16とを備える。駆動装置の駆動源は、エンジン15に限定されず、電動モータであっても良いし、エンジン15とモータを組み合わせたハイブリッド構成であっても良い。
ブレーキコントローラ14とエンジンコントローラ16は、それぞれ上位コントローラである走行制御コントローラ10からの制動指令、駆動指令(加速指令値)の各指令値を受け付ける構成とする。ブレーキコントローラ14とエンジンコントローラ16は、加減速制御装置を構成する。
また車両は、図1及び図2に示すように、周囲環境認識センサ1と、車輪速センサ2と、操舵角センサ3と、シフトポジションセンサ4と、ブレーキ操作検出センサ5と、アクセル操作検出センサ6と、ナビゲーション装置7と、ワイパー検出センサ8とを備える。また、車両は、走行制御コントローラ10を備える。
周囲環境認識センサ1は、自車両MM周囲の障害物や路面を認識し、認識した周囲の状態を走行制御コントローラ10に出力する。本実施形態の周囲環境認識センサ1は、車両周囲を撮像可能な1又は2台以上のカメラから構成される。カメラ1は例えばサイドミラーの位置や、車両の前部、後部、屋根部などに設けられる。各カメラ1は、予め設定した撮像間隔時間毎に車両周囲の路面を撮像して撮像画像を取得する。
本実施形態では、図3に示すように、前後左右の4箇所に周囲環境認識センサ1としてのカメラをそれぞれ配置している。そして、平面視である図4に示すように、車両周囲の領域をARA1〜ARA4に4分割し、各カメラ1でそれぞれの領域ARA1〜ARA4を撮像するようにしている。各カメラ1での撮像領域は重複部分が存在していても良い。また車両遠方(例えば100mまで)を撮像するための個別のカメラを備えていても良い。なお、撮像画像は、カメラ1で撮像した全領域の画像である必要は無く、カメラ1が撮像した映像から切り出した画像であっても良い。
ここで、本実施形態では、一例として、自車両MMの進行方向前方の領域を、駐車枠を検出する情報を取得する領域としている。以下の説明では、例示として、自車両前方の領域ARA1を撮像した撮像画像に基づき駐車枠を検出する場合で説明する。車両後退によって駐車枠に進入する場合には、領域ARA2の撮像画像を使用して駐車枠を検出すれば良い。
車輪速センサ2は、車輪速を検出し、検出した車輪速情報を走行制御コントローラ10に出力する。車輪速センサ2は、例えば車輪速パルスを計測するロータリエンコーダなどのパルス発生器で構成する。
操舵角センサ3は、ステアリングホイール20の操舵角を検出し、検出した操舵角情報を走行制御コントローラ10に出力する。操舵角センサ3は、ステアリング軸などに設けられる。操向輪の転舵角を操舵角情報として検出しても良い。
シフトポジションセンサ4は、シフト位置(駆動指示位置、駐車指示位置、ニュートラル位置など)のシフト情報を検出し、検出信号を走行制御コントローラ10に出力する。
ブレーキ操作検出センサ5は、ブレーキペダル18の操作の有無や操作量を検出する。検出されたブレーキペダル操作量は走行制御コントローラ10に出力される。ブレーキペダル18は、運転者が操作する減速指示用の操作子である。
アクセル操作検出センサ6は、アクセルペダル19の操作量を検出する。検出されたアクセルペダル操作量は走行制御コントローラ10に出力される。アクセルペダル19は運転者が操作する加速指示用の加速操作子である
ナビゲーション装置7は、GPS受信機、地図データベース、および表示モニタ等を備えており、経路探索および経路案内等を行う装置である。ナビゲーション装置7は、GPS受信機を通じて得られる自車両MMの現在位置と地図データベースに格納された道路情報に基づいて、自車両MMが走行する道路の種別や道路幅員等の情報を取得することができる。
ワイパー検出センサ8は、ワイパーの作動を検出する。検出されたワイパーの作動情報は走行制御コントローラ10に出力される。
情報呈示装置は、走行制御コントローラ10からの制御信号に応じて警報その他の呈示を音声や画像によって出力する。情報呈示装置は、例えば、ブザー音や音声により運転者への情報提供を行うスピーカと、画像やテキストの表示により情報提供を行う表示ユニットとを備える。表示ユニットは、例えばナビゲーション装置7の表示モニタを流用しても良い。
走行制御コントローラ10は、CPUと、ROMおよびRAM等のCPU周辺部品とから構成される電子制御ユニットである。その走行制御コントローラ10は、駐車のための運転支援処理を行う駐車運転支援部を備える。走行制御コントローラ10の処理のうち駐車運転支援部は、機能的には、図2に示すように、周囲環境認識情報演算部10A、自車両車速演算部10B、操舵角演算部10C、操舵角速度演算部10D、シフトポジション演算部10E、ブレーキペダル操作情報演算部10F、アクセル操作量演算部10G、アクセル操作速度演算部10H、加速抑制作動条件判断部10I、加速抑制量演算部10J、及び目標スロットル開度演算部10Kの処理を備える。これらの機能は、1又は2以上のプログラムで構成される。
周囲環境認識情報演算部10Aは、周囲環境認識センサ1が撮像した撮像画像に基づき車両周囲の路面環境を認識する。周囲環境認識情報演算部10Aは、図5に示すように、駐車枠線情報処理部110と、駐車記号情報処理部120とを有する。
自車両車速演算部10Bは、車輪速センサ2からの信号に基づき車速を演算する。
操舵角演算部10Cは、操舵角センサ3からの信号に基づき操舵角を演算する。
操舵角速度演算部10Dは、操作角センサからの信号を微分処理することで操舵角速度を演算する。
シフトポジション演算部10Eは、シフトポジションセンサ4からの信号に基づき、シフト位置を判定する。
ブレーキペダル操作情報演算部10Fは、ブレーキ操作検出センサ5からの信号に基づきブレーキ操作量を判定する。
アクセル操作量演算部10Gは、アクセル操作検出センサ6からの信号に基づきアクセルペダル19の操作量を演算する。
アクセル操作速度演算部10Hは、アクセル操作検出センサ6からの信号を微分処理することでアクセルペダル19の操作速度を演算する。
加速抑制作動条件判断部10Iは、周囲環境認識情報演算部10Aからの路面環境情報に基づき、車両の制駆動力制御に対する加速抑制作動条件の判断を行う。
次に、駐車枠線情報処理部110の処理について、図6を参照しながら説明する。駐車枠線情報処理部110は、図6に示す処理を予め設定したサンプリング時間毎に行う。
駐車枠線情報処理部110は、ステップS10にて、周囲環境認識センサ1が撮像した撮像画像を取得する。本実施形態では、図7に示すように、自車両進行方向の領域ARA1を撮像した撮像画像を使用する。
次に、ステップS20にて、ステップS10で取得した撮像画像を俯瞰変換して俯瞰画像を取得する。
なお、俯瞰画像の取得は、例えば、取得した撮像画像から、自車周囲に予め設定した俯瞰エリアとする部分の画像部分を切り出し(図7参照)、その切り出した画像を俯瞰変換して、図8に示すような俯瞰画像を得る。撮像画像では、遠方の領域の物体ほど小さく映ることから、平行な線であっても、図7のように非平行線として映っている。これを俯瞰変換することで、図8に示すように、俯瞰画像上では平行な線として検出される。なお、俯瞰変換は、各カメラが撮像した撮像画像毎に、そのカメラが担当する俯瞰エリア部分の画像を俯瞰変換して俯瞰画像を取得するようにしても良い。
ここで、俯瞰画像は、真上から見下ろす位置に設置したと仮定した仮想的なカメラから路面環境を見た画像である。俯瞰変換処理は、幾何変換などの公知の変換手法を採用すれば良い。そして、俯瞰変換は、画像の視点を上方から下方に向けた方向に画像の座標変換を行う。
次に、ステップS30にて、俯瞰画像上に存在する線を検出する。具体的には、ステップS20で取得した俯瞰画像のうち、自車両の進行方向に沿った方向の路面の俯瞰画像部分(以下、路面俯瞰画像とも呼ぶ。)に対して線の抽出を行うための画像処理を行う。画像処理は、路面俯瞰画像に対してエッジ処理等の公知の線検出処理を行って当該路面俯瞰画像上に存在する線を検出する。本実施形態では車両前方を車両の進行方向とした場合を例示している。
ここで、図9に示すように、自車両の移動に伴い、順次取得する路面俯瞰画像には、車両進行方向前方の路面が順次映り出される。そして、順次取得する路面俯瞰画像内の線のうち、画像のウインドウ領域外に延びる線(車両進行方向に延びていると推定される線)についてはトラッキングを行う。すなわち、異なる路面俯瞰画像間における線の照合処理を行い、順次取得する路面俯瞰画像間における線について、同一の線か否かの判定を行っている。
次に、ステップS40では、検出した線に対する属性付与処理を行う。
その属性付与処理を次に説明する。
検出した各線に対して、下記のような属性に該当するか判定し、該当する場合には、その属性を検出した線に対して付与する。各属性毎に付与判定を行う。
付与する属性の一例を次に示す。
・放射状線(カメラの受光部1aを中心として放射状に延びる線)
・立体物線(立体物を示す線)
・輝度対称性(検出した線の幅方向両端部の輝度の対称性)
・路面との輝度差
・左右輝度差(検出した線の幅方向両端部外側の輝度の対称性)
・固着物(長)(汚れによって線が分断された端点発生:分断が長い場合)
・固着物(短)(汚れによって線が分断された端点発生:分断が短い場合)
・固着物(レンズ)(レンジへの付着物によってエッジ発生)
ここでは、属性付与処理部の処理として、放射状の線(放射状線とも呼ぶ)及び立体物線の属性処理について説明する。
まず、放射状線の属性付与の処理について図10を参照しつつ説明する。
ここで、直前に処理した俯瞰画面と今回処理した俯瞰画面が同じと判定した場合には、次の放射状線の属性付与の処理は実施しないようにしても良い。直前の俯瞰画面と今回の俯瞰画面とが同じ場合とは、車両が停止している場合、実質車両が停止していると見なせる場合である。すなわち、例えば車両移動が実質止まっていると推定される速度か否かで、直前に処理した俯瞰画面と今回処理した俯瞰画面が同じか判定可能である。
放射状線の属性付与の処理は、まず、俯瞰画像において、現在の路面俯瞰画像上の線のうち、図11に示すように、その画像を撮像したカメラ1の撮像中心1a(受光部1a)を中心とする放射状の線L3を検出する(ステップS41a)。
このとき、撮像誤差を考慮して、放射状の線か否かは次のように判定する。すなわち、図12のように、路面俯瞰画像上における線の上端点と撮像中心とを結ぶ直線との差が予め設定した放射状線判定閾値角θ以内の場合には、放射状の線L3と判定する。撮像誤差は、車両挙動変化(ピッチングなど)によって発生する。
ここで、上記対象とする線が初めて検出された線の場合には、放射状線判定閾値角θとしてオン閾値角(例えば±5度)を採用し、既に検出されている線の場合には、放射状線判定閾値角θとしてオン閾値角よりも広いオフ閾値角(例えば±7度)を採用する。
また、自車両周囲の路面が反射し易いか否かを判定し、反射が起こり易い路面状態の場合には、放射状線判定閾値角θとして、上述のような初期値の角度よりも大きな角度を使用する。若しくは、連続照合判定(後述のステップS65)のカウントnの閾値として小さな値を使用する。例えば、オン閾値角(例えば±7度)、オフ閾値角(例えば±8度)とする。
反射が起こり易い路面状態とは、例えば次のようなものが例示出来る。
・降雨、降雪などでワイパー作動時(例えばワイパー検出センサ8からの信号で判定できる)。
・μが低くなっている(例えばスリップ量で判定出来る)。
・太陽光がレンズに入射している(例えば画像の輝度で判定できる)。
次に、放射状の線と判定した線L3が、今回の路面俯瞰画像で初めて検出した線か判定し(ステップSS41b)、今回初めて検出した線の場合には、当該線L3に放射状線の属性FF(1)の属性を付与する(ステップS41c)。ここで、放射状線属性FF(n)のnは放射状線と判定される度にカウントアップされる。
一方、放射状線と判定した線L3が、直前の路面俯瞰画像でも検出されていると判定した場合には、その線L3に放射状線属性FF(n)が付与されているか判定し(ステップS41d)、付与されていると判定した場合には、放射状線の属性FF(n)のカウンタ値nをカウントアップする。すなわち当該線に放射状線FF(n+1)の属性を付与する(ステップS41e)。
ここで、図10に示すステップS41b〜S41eの処理を、後述のステップS50で実施しても良い。この場合には、ステップS40では、放射状線と判定されれば、常に放射状線の属性付与し、ステップS50では、過去に非放射状線と判定された線か否かを判定して、過去に非放射状線と判定していた場合には、放射状線の属性付与の情報を無視して駐車枠判定を行う。若しくは放射状線の属性をOFFとする。またステップS55の処理にて、予め設定した継続時間以上、同一の線が連続して放射状線と判定されたか判定することとなる。
また、連続して放射状線(n)の属性と判定された線L3に対し、その線L3が映っている2枚の路面俯瞰画像での当該線L3の位置間の差分(線状の特定の位置での差分)と、車両運動の情報とに基づき、車両運動に沿ってその線が立体物のエッジとして移動していると判定すると、その線に対し立体物線の属性FRも付与する。
また、連続して放射状線(n)の属性と判定された線に対し、その線が映っている2枚の路面俯瞰画像での当該線の位置間の差分(線状の特定の位置での差分)と、車両運動の情報とに基づき、車両運動に沿ってその線が路面上の表示として移動していると判定すると、その線に対し放射状線として見なさない処理を追加しても良い。
次に、立体物線の属性付与処理について図13を参照して説明する。
連続して取得する路面俯瞰画像に基づき、線の両端部のうち少なくとも上端若しくは下端が検出できた線について、その検出した端部を基準として特定される当該線上の2点をトラッキングする点として選定し(ステップS42a)、車両の移動に伴う当該2点の各移動量を算出する(ステップS42b)。移動量は、自車両の移動に伴い取得した2つの俯瞰画像間での上記2点の変位量を各移動量とすればよい。そして、その2点の移動量の関係が車両の移動に伴う立体物に沿った移動と判定し(ステップS42c)、その判定条件を満足した場合には、当該線に対して立体物線の属性FR=1を付与する(ステップS42d)。上記立体物は、静止した車両や壁などの静止物とする。トラッキングする2点の移動量の関係が、例えば自車両に近い側の点(下側の点)の移動量が相対的に遠い点(上側の点)の移動量よりも小さい場合に、立体物の線と判定する。立体物の線は、通常は、立体物のエッジ部分の線である。
ここで、立体物線の属性を付与した線を検出した場合には、路面俯瞰画像において、立体物線の属性FRが付加された線とカメラの受光部1aとの間にある立体物線の属性FRが付加されていない線を検出し、その検出した線のうち、上記立体物の属性FRが付加された線との離隔距離が予め設定した設定離隔距離(例えば1m)以内の線があった場合には、その線に対して優先枠候補の属性PRRを付与する。なお、予め設定した距離内で複数の立体物線が存在するか判定を行い、その複数の立体物線から立体物の存在位置を推定し、その推定した立体物における車両側の位置におけるその推定した立体物との離隔距離が予め設定した設定離隔距離以内の線に対して、優先枠候補の属性PRRを付与することにしても良い。この処理はステップS40やステップS50などで実施すればよい。
次に図6に示されるステップS50では、駐車枠認定の前処理として、放射状線FF(n)(n:例えばn=3以上)の属性、若しくは立体状線の属性FRが付与されている線を、枠線候補の線から除外する。
次に、ステップS52では、線の補間処理を行う。これは線のかすれを補間する処理である。すなわち、同一の仮想の直線上に沿って検出された複数の線、つまり同一線の可能性がある線同士の補間処理を行う。
この線の補間処理を、図14を参照しつつ説明する。
まず、同一仮想線上に沿って互いに隣り合う2本の線の間の空白の長さ(途切れ長さとも呼ぶ。)が予め設定した補間長さ以下か判定し(ステップS110)、途切れ長さが補間長さ以下の場合には、線の補間を行ってその2本の線の一本の線と見なす処理を行う(ステップS120)。補間長さは、踏切における線路幅(線路を通過する車輪分の余裕代を含む。)よりも短い値に設定する。補間長さは例えば20cmに設定する。
また、途切れ長さが補間長さを超える線間について、次のように処理を行う。
まず途切れ長さが予め設定した最大補間長さ(例えば1m)を超えるか判定して(ステップS130)、最大補間長さをこえ場合には、補間処理を行わない。すなわち別の線として処理する。
一方、途切れ長さが20cmより長く且つ最大補間長さ以内の線間について、次のような補間処理の適否の判断を行う。
すなわち、上記空白を構成する2本の線の少なくとも一方の線が駐車線レベルFLVLが1以上の線か否かを判定する(ステップS140)。駐車線レベルFLVLが1以上の線でない場合には補間しない。
次に、駐車線レベルFLVLが1以上の線、つまり対を成す枠線候補の線が検出されている場合には、上記空白を構成する2本の線のうちの両端が分かる側の線(検討線と呼ぶ。)について、その線と対(ペア)をなすペア線との比較を行う。検討線は、通常は先に検出された線である。
そして、検討線とペア線の長さが近似しており(ステップS150)、ペア線側の長手方向で隣り合う線と線との間の途切れ長さが、検討線側の途切れ長さと近似している場合には(ステップS160)、両方の線の補間を行ってその2本の線の一本の線と見なす処理を行うと共に非枠線候補の情報を当該線に付加する(ステップS170)。検討線とペア線の長さが近似とは実質同じ長さと見なせる場合であって、例えば検討線とペア線との長さの差が予め設定した閾値以下の場合に近似と判定する。途切れ長さが近似とは、途切れ長さが実質同じ長さと見なせる場合であって、例えば途切れ長さの差が予め設定した閾値以下の場合に近似と判定する。
次に、図6におけるステップS55では、連続して取得する路面俯瞰画像の処理で検出されている線に対して、枠線候補の線か否かの処理を行う。
ここでは、下記に示すような予め設定した駐車枠条件を満足するか否かで判定する。枠線候補の線か否かの処理は、例えば、自車両に対して予め設定した駐車枠存在判定領域(例えば自車両を中心とした半径10m以内の領域)に位置する線に対して行う。
すなわち、ステップS55では、下記の駐車枠線条件の全てを満足する場合に駐車枠線候補の線と判定する。駐車枠候補の線と判定した場合には、ステップS60にて、その線の属性情報としての駐車線レベルFLVLに「1(n)」を設定する。なお、駐車線レベルFLVLの初期値は「0」とする。またLVL1(n)のnは、初めて駐車枠線候補と判定された場合にn=1となり、駐車枠線候補と判定される度にカウントアップさせる。逆に一度、駐車線レベルFLVLが「1(n)」と判定された線について、駐車枠線条件を満足しないと判定される度にカウントダウンさせる。
「駐車枠線条件」
・線が直線と推定される線である。
・線幅が予め設定した線の範囲(駐車枠の線と見なされる線の太さの範囲、例えば2cm〜4cm)である。
・予め設定した離隔範囲(駐車枠の対となる線と見なすことができる範囲、例えば1.5m〜2.5m))に対となる線が存在する。
・対となる線同士の平行度が予め設定した許容角度以内(例えば4度以内)となっている。
・対となる線の対応する端部が検出されている場合に、その両方の端点における線の延長方向のズレ量が予め設定したズレ量(例えば50cm)以下である。
・対となる線同士の線幅寸法の差が予め設定した値(例えば8mm)以下である。
・線の長さが予め設定した最大長(例えば9m)以下である。
・非枠線候補の情報を有しない線である。
ここで、駐車枠の線として検出する線は、車両を駐車した場合における当該車の前後方向に沿った方向の線(駐車時に車両の側方に存在する線)と推定される線である。尚、線幅を確認しているので、線の端部の形状などは検出可能である。
ここで、対象とする線が優先枠候補の属性PRRを有する場合には、下記の駐車枠線条件の条件を緩和して駐車枠線候補か否かを判定する。緩和とは、例えば下記設定される値を広めにして判定する。例えば平行度の許容角度を例えば6度以内などにして判定する。
次に、ステップS65では、駐車線レベルFLVLが「1(n)」の線について、変数nが予め設定した閾値以上(例えば、サンプリング周期100msecでn=3以上)か否かを判定する。そして、上記線がその条件を満足する場合には、ステップS70にて、予め設定した閾値以上の線について、駐車線レベルFLVLを2に設定変更する。予め設定した閾値は、例えば線の長さとして予め設定した長さ(例えば2m)以上検出可能な値に設定する。ここで、カウンタnの大きさで判定する代わりに、線の長さが予め設定した長さ以上まで検出したか否かで判定し、線の長さが予め設定した長さ(例えば2m)以上まで検出できたと推定された線であって駐車線レベルFLVLが「1(n)」の場合に、駐車線レベルFLVLを2に設定変更するようにしても良い。または車両の移動距離が予め設定した設定移動距離の間、同一の直線と判定した場合に、駐車線レベルFLVLが「1(n)」の線を、駐車線レベルFLVL2に設定変更するようにしても良い。
なお、線の長さが予め設定した最大長さ(例えば9m)以上の場合には、駐車線レベルFLVLのレベルに関係無く、駐車線レベルFLVLを「0」に強制的に変更する。
次に、ステップS75では、駐車線レベルFLVLが2の線について、その両端部の一方が検出されている場合にはステップS80に移行して、当該ステップS80にて駐車線レベルFLVLを3に変更する。
ここで、端部の検出は、端部形状が予め設定した特定形状の場合のみ端部と認定するようにしても良い。特定形状の例は、単なる線の端部、U字状、T字状の端部形状などである。
次に、ステップS85では、駐車線レベルFLVLが3の線について、その両端部がともに検出されている場合には、ステップS90に移行し、当該ステップS90にて駐車線レベルFLVLを4に変更する。
駐車記号情報処理部120は、図5に示すように、記号抽出部120A、記号群抽出部120B、連番判定部120C、及び駐車枠推定部120Dを備える。
次に、記号抽出部120Aの処理を、図15を参照して説明する。
記号抽出部120Aは、ステップS210にて、上述の駐車枠線情報処理部110がステップS10及びS20の処理によって取得した俯瞰画像を定期的に入力する。
次にステップS220にて、入力した俯瞰画像中における路面上と推定されるエリア内にある記号を抽出する。
次に、ステップS230では、ステップS220で抽出した記号に対し、予め設定した大きさ以下の記号だけを抽出する。予め設定した大きさ以下とは、通常、駐車枠に記載されている記号の最大の大きさ以下であって、例えば50cm×50cm以下である。大きさの下限値(駐車枠に記載されている記号の最小の大きさ)を規定しても良い。例えば、15cm×15cm以上の大きさの記号だけを抽出対象としても良い。
次に、ステップS240では、パターンマッチングなどの公知の処理によって、ステップS230で抽出した記号内に数字があるか判定する。数字を含まない場合にはステップS270に移行する。本実施形態では、記号として、数字と文字(アルファベット等)と「−」のうちの少なくとも数字を含む記号を抽出対象の記号とする。なお、パターンマッチング処理の際に、例えば数字の向き(上下方向など)も特定することが可能である。
ステップS250では、抽出した記号内の数字が、横縦比(数字の横幅に対する縦幅の比)からみて歪みが無いか、あっても横縦比が基準比以下で歪みが小さいか判定する。例えば横縦比の基準比として0.7以上2以下に設定する。数字が二桁以上の場合には、各数字毎に横縦比を判定しても良いし、ひとまとまりの数字全体での横縦比で判定しても良い。
これは、路面に記載されている交通上の標示を除外するためである。交通標示は、所定速度以上走行中の車から運転者が認識し易いように横縦比が大きく設定されていて、俯瞰画像では縦長に歪まして記載されている。本ステップによって、このような交通上の標示を除外出来る。
全数字の横縦比が基準比以下の場合には、ステップS260に移行する。数字の横縦比が基準比を超える場合には、ステップS270に移行する。
ステップS260では、ステップS250で数字の横縦比が基準比以下の記号の周りに抽出対象外の記号がないか判定する。満足する場合にはステップS270に移行する。そうでない場合にも、現在の記号を抽出対象外として、ステップS270に移行する。これによって、時刻標示などのある記号などを排除することが出来る。
対象外の記号サーチする、上記記号の周囲エリアは、例えば記号の中央位置から記号の前方向に2m、幅方向に1mそれぞれ取った範囲とする(図31のM−AREA参照)。記号の中央位置から半径1mの円内などでも良いし、記号から所定距離だけ離れた位置までのエリアなどであっても良い。この周囲エリアは、幅方向で駐車枠の縦線を含まないであろう範囲であり、駐車位置を示す記号(数字など)の上側には記号がないであろうとの推定から周囲エリアを設定している。尚、周囲エリアにある記号のうち、直線を抽出対象外の記号から除外するようにしておくことが好ましい。直線を除外することで、駐車枠の一部の線を除外可能となる。また周囲エリアは、記号の前方向2mだけのエリアとしても良い。
ここで、本実施形態で検出する記号は、所定以上の線幅からなる記号とする。特に数字の線幅は例えば0.7cm以上3cm以下のものだけを検出するとする。
また、ステップS270では、処置した記号に対して、抽出象外か否かのフラグや位置情報などを付加する。これによって、記号の位置判定は可能である。
次に、記号群抽出部120Bの処理について説明する。
記号群抽出部120Bは、記号抽出部120Aが駐車枠を特定可能な記号(以下、駐車指示記号候補とも呼ぶ)を抽出する度に、その記号の情報を取得し、2つ以上の駐車指示記号候補の間の関係について、図16に示すような処理を実行する。なお、対象とする駐車指示記号候補は、特定エリアの存在する記号、例えば自車両を中心とした半径10m以内のエリアに存在する記号としたり、現在を基準に過去予め設定した時間範囲(例えば現在から10分以内)で検出した記号などを対象として、処理対象を絞っても良い。
記号群抽出部120Bは、図16に示すように、記号抽出部120Aから新たに駐車指示記号候補の情報を取得すると、まずステップS310で、それまでに抽出された複数の駐車指示記号候補の位置情報を参照して、その新たな駐車指示記号候補から予め設定した距離に他の駐車指示記号候補が存在しているか否かを判定する。予め設定した距離とは、駐車枠の幅相当の値であり、例えば1.5m以上2.5m以下の範囲の距離に設定される。予め設定した距離として、上限値だけを設定しても良い。
予め設定した距離範囲内に他の駐車指示記号候補が存在していない場合には、それまでに抽出された駐車指示記号候補の一つとして扱うようにして、処理を終了する。
予め設定した距離範囲内に他の駐車指示記号候補が存在している場合には、ステップS320に移行する。ここで、予め設定した距離範囲内に存在していた他の駐車指示記号候補を他の駐車指示記号候補(他)と呼ぶ。
ステップS320では、そのその他の駐車指示記号候補(他)と新たな駐車指示記号候補との記号中の数字の向きが同一方向を向き、且つその向きが2つの駐車指示記号候補の並列方向と交差しているか判定する。交差の交差角は例えば30度以上とする。交差を条件としているのは、上下に並列する数字列を排除するためである。
判定条件を満足する場合には、ステップS330に移行する。
判定条件を満足しない場合には、その他の駐車指示記号候補(他)とは記号群を形成するペアでは無いので、それまでに抽出された駐車指示記号候補の一つとして扱うようにして、処理を終了する。
ステップS330では、その他の駐車指示記号候補(他)と新たな駐車指示記号候補とがペアの記号群である旨のフラグを設定する。
ここで、予め設定した距離範囲内に2以上他の駐車指示記号候補が存在している場合には、ステップS320〜ステップS330の処理をその他の駐車指示記号候補の数だけ実施する。新たな駐車指示記号候補とペアとなる、その他の駐車指示記号候補の数は最大、2組である。
次に、連番判定部120Cの処理について説明する。
ここで、各駐車指示記号候補の情報として駐車記号レベルSLVLを有し、その駐車記号レベルSLVLの初期値は「0」に設定される。例えばイグニッションがオンになったときに、初期処理が実行される。ここで、一旦、先に設定された駐車記号レベルSLVLを小さくする処理は実行しない。すなわち、一度、別の駐車指示記号候補の関係で駐車記号レベルSLVLに「2」を設定した後に、今回の処理で「1」を設定すると判定されても、駐車記号レベルSLVLを「1」に減少した値に設定することは実施しない。ここで、本実施形態では、駐車記号レベルSLVLが2以上の場合を連番性が高いとする(連番であるとみなす)。
連番判定部120Cは、記号群抽出部120Bが新たな駐車指示記号候補が記号群を形成するペアの他の駐車指示記号候補(他)があると判定されると、図17に示すような処理を行う。
すなわち、連番判定部120Cは、ステップS410にて、新たな駐車指示記号候補と記号群抽出部120Bでペアの記号群と判定された駐車指示記号候補(他)と、当該新たな駐車指示記号候補との数字部分が連番と判定した場合には、ステップS420に移行して、その2つのペアの駐車指示記号候補に対して駐車記号レベルSLVL=2を設定する。
例えば、ペアの記号群が次のような場合に、連番と判定される。
・「A12」と「A13」
・「B40-1」と「B40-2」(:枝番が連番の場合の例)
更に、ステップS430にて、そのペアの駐車指示記号候補(他)が別の駐車指示記号候補とペアを形成しており、新たな駐車指示記号候補を含む3つの駐車指示記号候補の数字が、記号の並び順に連番になっていると判定した場合には、ステップS440にて、その3つの駐車指示記号候補の駐車記号レベルSLVL=3を設定する。
一方、上記いずれの条件も満足しない場合には、そのペアの駐車指示記号候補の駐車記号レベルSLVL=1を設定する。
次に、ステップS450では、駐車枠線情報処理部の処理結果に基づき、新たな駐車指示記号候補と記号群抽出部120Bでペアの記号群と判定された駐車指示記号候補(他)との中間位置に、新たな駐車指示記号候補中の数字の向きと同方向に延びる駐車枠線候補があるか判定する。判定条件を満足する場合には、ステップS460にて、駐車記号レベルSLVLに「2」を設定する。上記中間の線は駐車枠の縦線の可能性が高い為である。
次に、ステップS470では、ナビ情報に基づき、新たな駐車指示記号候補と記号群抽出部120Bでペアの記号群と判定された駐車指示記号候補(他)との位置が、駐車場のあると判定した場合には、ステップS480にて、その新たな駐車指示記号候補と記号群抽出部120Bでペアの記号群と判定された駐車指示記号候補(他)について、駐車記号レベルSLVLに「2」を設定する。駐車場か否かの判定は、ナビ情報に限定されない。例えば、駐車場などの駐車場の入口を示す文字を認識すると、その場所を出るまでは、駐車場内と認定するようにしても良い。
これらのステップS410〜S480の処理を、新たな駐車指示記号候補とペアになった他の駐車指示記号候補(他)毎に順番に実施する。他の駐車指示記号候補(他)は最大2個である。
次に、駐車枠推定部120Dの処理について説明する。
駐車枠推定部120Dは、駐車記号レベルSLVLが2以上に設定変更された駐車指示記号候補について、駐車指示記号候補の記号の位置から予め設定した範囲を仮想の駐車枠として推定する。
通常、駐車枠を特定するための記号は、駐車枠の手前側に記載されており、また駐車枠の幅方向中央位置に存在しているので、その点を考慮して仮想の駐車枠の縦線を推定する。例えば、図31の破線のように、ペアの駐車指示記号候補間の中心位置に駐車枠の縦線があると推定する。そして、その推定した縦線と記号の位置及び向きから、各記号に対応した駐車枠を推定して、仮想の駐車枠として設定する。上記縦線は、例えば、駐車指示記号候補の記号位置の横幅位置(並び方向)から例えば長さ4mの縦線を仮想の駐車枠として設定する。さらに記号の中心位置を中心として、上記推定した縦線と対になる縦線を推定する。そして、一対の縦線の端部間を繋ぐように横線の位置を推定する。
この駐車枠推定部120Dの処理の処理は、例えば、後述のステップS525で駐車記号レベルSLVLが2以上と判定したときに実行するようにしても良い。
次に、加速抑制作動条件判断部10Iの処理について、図面を参照しながら説明する。加速抑制作動条件判断部10Iは、図18に示す処理を予め設定したサンプリング時間毎に行う。
ステップS510では、加速抑制作動条件判断部10Iは、周囲環境認識情報演算部10Aで演算した路面環境認識情報として駐車線レベルFLVLが1以上の枠線情報を取得する。
次にステップS520では、ステップS110で取得した枠線情報に基づいて、駐車枠の有無を判断する。駐車線レベルFLVLが2以上の枠線情報がある場合には駐車枠が有ると判断してステップS530に移行する。一方、駐車線レベルFLVLが2以上の枠線情報が無いため、信頼性の高い駐車枠が無いと判断した場合には、加速抑制作動条件非成立と判断してステップS525に移行する。
駐車線レベルFLVLが2以上の枠線情報が無いため、信頼性の高い駐車枠が無いと判断してステップS525に移行すると、現在認識している記号が駐車記号レベルSLVLが「2」以上の駐車指示記号候補か否かを判定する。「2」以上の駐車指示記号候補と判定した場合には、記号から推定した駐車枠線の駐車線レベルFLVLに駐車記号レベルSLVLと同じ値を設定し、その駐車指示記号候補の仮想の駐車枠の線を駐車枠線とみなしてステップS530に移行する。現在認識している記号が駐車記号レベルSLVLが「2」以上の駐車指示記号候補でない場合には、ステップS590に移行し、ステップS590において、加速抑制作動条件判断結果(=加速抑制作動条件非成立)を加速度制限値演算部に出力する。
次にステップS530では、自車両車速演算部10Bより自車両MMの車速を取得する。
次にステップS540では、ステップS530で取得した自車両車速に基づいて、自車両車速条件判断を行う。例えば自車両車速が予め設定した値未満の場合にはステップS550に移行し、自車両車速が予め設定した値以上の場合には、加速抑制作動条件非成立と判断してステップS590に移行し、ステップS590にて加速抑制作動条件判断結果(=加速抑制作動条件非成立)を加速抑制量演算部10Jに出力する。予め設定した値は、例えば15[km/h]とする。
次にステップS550では、ブレーキペダル操作情報演算部10Fから、ブレーキペダル操作情報を取得する。
次にステップS560では、ステップS550で取得したブレーキペダル操作情報に基づいて、ブレーキペダル操作の判断を行う。ブレーキペダル操作がないと判断した場合にはステップS570に移行する。一方、ブレーキペダル操作があると判断した場合には、加速抑制作動条件非成立と判断してステップS590に移行し、ステップS590にて、加速抑制作動条件判断結果(=加速抑制作動条件非成立)を加速抑制量演算部10Jに出力する。
ステップS570では、アクセル操作量演算部10Gから、アクセル操作量を取得する。
次にステップS580では、ステップS570で取得したアクセル操作量に基づいて、アクセル操作量の判断を行う。例えばアクセル操作量が予め設定した値以上の場合は加速抑制作動条件成立と判断する。一方、アクセルペダル操作が予め設定した値未満の場合には、加速抑制作動条件非成立と判断してステップS590に移行し、ステップS590にて、加速抑制作動条件判断結果を加速抑制量演算部10Jに出力する。ここで、予め設定した値は、例えば、アクセルペダル19のアクセル開度の3[%]に相当する操作量に設定する。
次にステップS583では、駐車枠進入判断情報を取得する。ここで、本実施形態では、操舵角と、自車両MMと駐車枠の角度と、自車両MMと駐車枠の距離と、に基づいて駐車枠進入判断を行う場合とする。
具体的には、ステップS583では、操舵角演算部10Cから操舵角を取得する。またステップS583では、周囲環境認識情報演算部10Aが演算した自車両周囲画像に基づき、自車両MMと駐車枠L0の角度α、自車両MMと駐車枠L0の距離Dを取得する。ここで、自車両MMと駐車枠L0の角度αは、例えば、図19に示すように、車両の中心を通る車両の前後方向の直線(進行方向に延びる直線)Xと、駐車枠L0に駐車が完了した際に車両の前後方向と平行若しくは略平行になる駐車枠L0部分の枠線L1及びその延長線からなる駐車枠L0側の線との交角の絶対値とする。また、自車両MMと駐車枠L0の距離Dは、例えば、図19に示すように、自車両前端面の中心点と駐車枠L0の入り口L2の中心点との距離とする。但し、自車両MMと駐車枠L0の距離Dは、自車両前端面が駐車枠L0の入り口L2を通過した後は、負の値とする。自車両MMと駐車枠L0の距離Dは、自車両前端面が駐車枠L0の入り口L2を通過した後は、ゼロに設定しても良い。
ここで、距離Dを特定するための自車両MM側の位置は、自車両前端面の中心点である必要はない。自車両MMに予め設定した位置と、入り口L2の予め設定した位置との距離をDとすれば良い。
このように、ステップS583では、駐車枠進入判断情報として、操舵角、自車両MMと駐車枠L0の角度α、及び自車両MMと駐車枠L0の距離Dを取得する。
次にステップS586では、ステップS583で取得した駐車枠進入判断情報に基づいて、駐車枠進入判断を行う。駐車枠進入と判断した場合には、加速抑制作動条件成立と判断する。一方、駐車枠進入と判断しなかった場合には、加速抑制作動条件非成立と判断する。その後、ステップS590に移行し、加速抑制作動条件判断結果を加速抑制量演算部10Jに出力する。
駐車枠進入の判断は、例えば次のようにして実施する。すなわち、ステップS586では、次の3つの条件(a〜c)を全て満足した場合に駐車枠進入と判断する。
a:ステップS583で検出した操舵角が予め設定した設定舵角値(例えば45[deg])以上の値となってから予め設定した設定時間(例えば20[sec])以内
b:自車両MMと駐車枠L0の角度αが予め設定した設定角度(例えば40[deg])以下
c:自車両MMと駐車枠L0の距離Dが予め設定した設定距離(例えば3[m])
ここでは、駐車枠進入判断に複数の条件を使用した場合を例示したが、上記条件の中の1つ以上の条件で判断を行っても良い。また自車両MMの車速の状態によって駐車枠L0への進入か否かを判定しても良い。
次に、加速抑制量演算部10Jの処理について、図面を参照しながら説明する。加速抑制量演算部10Jは、図20に示す処理を予め設定したサンプリング時間毎に行う。
ステップS610では、加速抑制作動条件判断部10Iから加速抑制作動条件判断結果を取得する。
次にステップS620では、加速抑制処理選択情報を取得する。ステップS620は、例えばアクセル操作量演算部10Gからアクセル操作量を、アクセル操作速度演算部10Hからアクセル操作速度を、加速抑制作動条件判断部10Iから加速抑制作動条件判断結果を取得する。
次にステップS630では、ステップS620で取得した加速抑制処理選択情報に基づいて、加速抑制処理を選択する。具体的には、第2加速抑制処理の作動条件が成立したと判断した場合はステップS640に移行する。第2加速抑制処理の作動条件が成立せず且つ第1加速抑制処理の作動条件が成立したと判断した場合にはステップS650に移行する。更に、第2加速抑制処理及び第1加速抑制処理の作動条件がともに成立していない場合には、ステップS660に移行する。
ステップS630の処理、特に第2加速抑制処理の作動条件、第1加速抑制処理の作動条件の判定について図21を参照して説明する。
まずステップS631において、前回の制御サイクルでの判定処理時に第2加速抑制処理が作動していたか否かを判断する。前回の制御サイクルでの判定で第2加速抑制処理が作動していた場合にはステップS633へ移行する。前回の制御サイクルでの判定で第2加速抑制処理が作動していなかった場合にはステップS635へ移行する。
ステップS633では、前回第2加速抑制処理が作動していた場合の第2加速抑制処理の作動終了判断を行う。具体的には、ステップS620で取得したアクセル操作量に基づいてアクセル操作が行われていると判断した場合は、第2加速抑制の作動を継続すると判定してステップS640へ移行する。一方、アクセル操作が行われていないと判断した場合は、再度作動条件判断を行うためにステップS635に移行する。
ステップS635では、第1加速抑制処理の作動条件の判断を行う。例えば、ステップS610で取得した加速抑制作動条件判断結果が条件成立と判断している場合には、第1加速抑制処理の作動条件成立と判断してステップS637に移行する。一方、加速抑制作動条件判断結果が条件非成立と判断している場合には、ステップS660に移行する。
ステップS637では、第2加速抑制処理作動条件の判断を行う。例えば、下記条件(d〜f)を全て満足する場合には、第2加速抑制処理の作動を行うと判定してステップS640に移行する。それ以外の場合はステップS650に移行する。
d:ステップS610で取得した加速抑制作動条件判断結果が条件成立
e:ステップS620で取得したアクセル操作量が予め設定した設定操作量(例えばアクセル開度が50[%])以上
f:アクセル操作速度が予め設定した操作速度(例えば200[%/sec])以上
そして、図20におけるステップS640では、ステップS620で取得した情報に基づいて第2加速抑制量を演算し、ステップS670に移行する。
第2加速抑制量の演算方法は、例えば次のように実施する。すなわち、ステップS620で取得したアクセル操作量に基づいて、加速抑制量が予め設定した設定抑制量より大きくならないような加速抑制量を演算し、ステップS670に移行する。具体的には、図22に示すように、予め設定した値未満の加速操作量に対しては加速操作に応じたスロットル開度を演算し、予め設定した値以上の加速操作(アクセル操作)に対しては加速操作に拘わらず加速スロットル開度(加速指令値)が10[%]より大きくならないように加速抑制量を演算する。図22中、実線が、通常時つまり抑制をしていない状態での、アクセル操作量とスロットル開度とを示す。また一点鎖線が、第2加速抑制を実施した場合におけるアクセル操作とスロットル開度の関係を示す。すなわち、検出したアクセル操作量における、実線と一点鎖線との差分が第2加速抑制量となる。
またステップS650では、ステップS620で取得した情報に基づいて第1加速抑制量を演算し、ステップS670に移行する。第1加速抑制量の演算方法について説明する。ステップS620で取得したアクセル操作量に基づいて、アクセル操作量に応じてスロットル開度が大きくなるように演算するように第1加速抑制量を演算し、ステップS670に移行する。具体的には、図23に示すように、アクセル操作量が大きくなることに応じてスロットル開度(加速指令値)が大きくなるように演算する。ここで、第1加速抑制量は、アクセル操作量に対して第2加速抑制量より抑制量が小さく加速が大きい加速抑制量、抑制を行っていない通常時より抑制量が大きく加速が小さいスロットル開度になるように加速抑制量を演算する。図23中、実線が、通常時つまり抑制をしていない状態での、アクセル操作量とスロットル開度とを示す。また一点鎖線が、第2加速抑制を実施した場合におけるアクセル操作とスロットル開度の関係を示す。すなわち、検出したアクセル操作量における、実線と二点鎖線との差分が第1加速抑制量となる。
ここで、図23に示すように、第2加速抑制量は第1加速抑制量よりも大きく、図22及び図23に示すように、第1加速抑制量及び第2加速抑制量は、ともにアクセル操作量が大きいほど大きくなるように設定されている。
またステップS660では、アクセルの操作に対して加速抑制を行わない加速抑制量を演算し、ステップS670に移行する。本実施形態では、加速抑制を行わない加速抑制量はゼロに設定する。
ステップS670では、ステップS602で演算した加速抑制量を目標スロットル開度演算部10Kに出力する。
次に、目標スロットル開度演算部10Kの処理について、図面を参照しながら説明する。目標スロットル開度演算部10Kは、図24に示す処理を予め設定したサンプリング時間毎に行う。
まずステップS710では、加速抑制作動条件判断部10Iから、加速抑制作動条件判断結果を取得する。
次にステップS720では、アクセル操作量演算部10Gから、アクセル操作量を取得する。
次にステップS730では、加速抑制量演算部10Jから、加速抑制量を取得する。
次にステップS740では、ステップS710で取得した加速抑制作動条件判断結果と、ステップS720で取得したアクセル操作量と、ステップS730で取得した加速抑制量に基づいて、目標スロットル開度を演算する。例えば、加速抑制作動条件が非成立である場合は、加速抑制を行わない通常通りのアクセル操作量に基づいたスロットル開度を目標スロットル開度とする。一方、加速抑制作動条件が成立している場合は、加速抑制量に基づいたスロットル開度を目標スロットル開度とする。
例えば下記式によって、目標スロットル開度θを求める。
θ = θ1−Δθ
ここで、θ1は、アクセル操作量に応じたスロットル開度を示し、Δθは、加速抑制量を示す。
次にステップS750では、ステップS340で演算された目標スロットル開度θをエンジンコントローラ16に出力する。
エンジンコントローラ16は、取得した目標スロットル開度θとなるように、スロットル開度を制御する事で、駆動源であるエンジンを制御する。
(動作その他)
本実施形態の処理によるタイムチャートの例を図25に示す。
この例は、駐車枠進入操作検出処理が、自車両MMと駐車枠L0の角度α(条件b)、及び自車両MMと駐車枠L0の距離D(条件c)に基づいて駐車枠L0への進入操作を検出する例である。
この図25に示す例では、予め設定した確からしさ(確信度)を有する駐車枠L0を検出、若しくは特定の記号群についての記号から駐車枠を推定し(t1)、且つ車速が予め設定した設定速度以下の状態になると(t2)、駐車枠L0への進入操作の判定を行う。
ここで予め設定した確からしさ(確信度)を有する駐車枠L0を検出する際に、図11に示すような放射状線の属性FF(n)を持つ線、及び立体物線の属性を持つ線(立体物のエッジの線)を除外して、駐車枠判定を行っている。
このとき、凍結路面や水溜まりなどには、近傍の構造物(立体物の表面部分)が反射して、その反射物のエッジが俯瞰画面上に線として映り込んでいる場合がある。このような路面で反射した線は、車両が移動しても常に車両に向かう光線であることから、俯瞰画像上では、通常、カメラの受光部1aを中心とした放射状線として認識される。また、路面から垂直に延びる立体物のエッジ線も俯瞰画像上では放射状の線として認識される。
このような事に基づいて、放射状の線を駐車枠候補から外すことで、反射線による誤認識が抑制されて、駐車枠判定の精度が向上する。
同様に立体物のエッジ線についても駐車枠候補から外すことで、立体物の映り込みによる誤認識が抑制されて駐車枠判定の精度が向上する。ここで立体物のエッジ線は、図26に示すように、車両の移動に伴う、見かけ上の線の移動が、路面上に描かれた線の移動の場合とは異なる。これによって立体物の線か否かを判定することが出来る。
また、線がかすれて途中で途切れている2本の線を同一の線と補間することでも、駐車枠判定の精度が向上する。
このとき、線間の途切れがかすれによるとは考え難いほど離れていても、対を成す線が共に近似した長さで且つ途切れ長さの間隔も近似している場合には、その途切れ部分を補間して2本の線を同一の線と見なすと共に非枠候補として扱う。
ここで、踏切においては、図27に示すように、線路位置で分断された一対の線Lsが連続する。これを俯瞰画像の線L5では、図28に示すように、連続した分断線として検出される。この線L5を本実施形態では、一本の線と見なすことで、個々の線を個別に駐車枠の候補線として扱われる事を回避する。なお、この線に対して駐車枠の非候補との属性を付加している。また、図29に示すような、踏切が線路を斜めに横断する場合もあるが、対を成す線は近似の長さの線の断続線として検出されるので問題はない。
更に、本実施形態では、駐車枠がかすれて枠の線自体が不明であっても、特定の駐車枠を特定すると推定される、数字を含む記号を複数検出、つまり記号群を検出すると、その記号群における、数字の大きさや数字の連番性や、各記号の並び方向から駐車枠位置を推定して、推定した駐車枠L0への進入操作を検出することで上記運転支援を行っている。
ここで、本実施形態の駐車枠判定で駐車枠として検出される例を図30に示す。
また、数字を含む記号から駐車枠を推定して当該駐車枠を抽出した場合の例を、図31に示す。図31中、破線は、推定した駐車枠の横線及び縦線の位置を示す。図31のように、対象とする記号の位置及び記号群の並びに応じて駐車枠を推定する。
次に時刻t2の後、図19に示す例では、自車両MMと駐車枠L0の距離D(条件c)が予め設定した距離以下となり(t3)、更に自車両MMと駐車枠L0の角度α(条件b)が予め設定した角度以下になると(t4)、駐車枠L0への進入操作と判定して加速抑制の作動状態となる。
この加速抑制の作動状態のときに、運転者がアクセル操作を行うと、そのアクセル操作に応じた加速指令値(スロットル開度)を抑制する。更に、この加速抑制を実施している状態で、アクセル操作量が予め設定した操作量以上となると(t5)、加速指令値の抑制量を増大する。本実施形態では、予め設定したスロットル開度以下抑えるように加速抑制を行う結果、図32に示すように、アクセル操作量が予め設定した操作量を越える前に比較して、実際のスロットル開度が小さく抑制される。この結果、運転者によるアクセルペダル19の誤操作に対する加速抑制がより有効に実行されることとなる。
ここで、図32は、アクセルペダルの操作量に応じた加速抑制御のスロットル開度(加速指示量)の遷移の例を示す。図32に示す例では、加速抑制処理が第2加速抑制処理に移行してもアクセルペダルが戻されて、第1加速抑制処理の加速抑制量と第2加速抑制処理の加速抑制量が等しくなった時点で、第1加速抑制処理に遷移する。
以上のように、予め設定した確信度以上の駐車枠としての確からしさを有する駐車枠L0への進入操作を検出、つまり自車両MMが駐車枠L0に進入することを検出することを、加速抑制の作動条件とする。この結果、自車両MMが例えば道路から外れて駐車場に進入しても、駐車枠L0への進入操作を検出するまでは加速抑制を行わないので、その分、運転性の低下を抑えることが出来る。更に、駐車枠L0への進入操作をした後は、加速抑制を行うことで、アクセルペダル誤操作時の加速抑制効果の高い加速抑制を実現することが可能となる。
また、駐車枠L0への進入操作を検出した場合と、その後さらに加速操作が行われてアクセルペダル誤操作の可能性がより高い場合とに分けて、2段階の加速抑制を行う。この結果、運転性の低下を抑えながらアクセルペダル誤操作時の加速抑制効果の高い加速抑制を行うことが可能となる。
また、駐車枠L0に進入している状態でも、加速操作量に応じてスロットル開度が大きくなるが、通常よりスロットル開度が小さくなるように加速抑制を行う。すなわち、加速操作量が大きくなるにつれて加速抑制量を大きくすることで、運転性の低下が少なく、加速の抑制効果の高い加速抑制を行うことが可能となる。加速操作が小さい状態では加速抑制量が小さいので運転性低下が少なく、加速操作が大きい状態で加速抑制量が大きくなって加速抑制効果が高くなる。
更に、大きな加速操作を行って、第2加速抑制状態となると、予め設定した値(第1加速状態と判定した加速操作量より大きな所定量)以上にはスロットル開度が大きくならないように加速抑制を行う。この結果、加速操作の誤操作によって運転者の意図しない加速が発生することを抑制でき、事故を回避・軽減する効果の高い加速抑制を行うことが可能となる。なお、第2加速抑制状態となっても、加速操作量が予め設定した値未満まで小さくなれば、第1加速抑制状態となる。
このように、駐車枠L0に進入している状態で大きな加速操作を行った場合には、第1の加速度抑制処理による加速抑制量よりも抑制量の大きい加速抑制を第2加速抑制処理として行うことによって、運転者の加速操作の誤操作による意図しない加速が発生することを抑制でき、より目的とする駐車位置に駐車させる効果の高い加速抑制を行うことが可能となる。
また、加速操作量としてアクセルペダル19の操作量とアクセルペダル操作の速度を検出することにより、加速操作の誤操作と通常操作との区別をより精度良く行うことができ、運転性の低下が少なく、加速の抑制効果の高い加速抑制を実現することが可能となる。
また、自車両MMの車速と、自車両MMの操舵角と、自車両MMと駐車枠L0の角度α、自車両MMのいずれかのポイントと駐車枠L0の入り口L2の距離D、から駐車枠L0への進入操作を検出することによって、運転者が駐車枠L0を通り過ぎる走行をしているのか、駐車枠L0に駐車しようとしているのかを周囲環境認識処理から区別することができ、より運転性の低下の少ない駐車支援が可能となる。
このとき、自車両MMの進行方向と駐車枠L0への駐車方向とのなす角度αを自車両MMと駐車枠L0の角度αとすることにより、検出している駐車枠L0への侵入操作の進行具合(駐車枠への進入の確信度)を検出することが可能となる。この結果、その検出値によって駐車枠L0に駐車しようとしていることを精度よく判断することができ、より運転性の低下の少ない駐車支援が可能となる。
(変形例)
(1)上記実施形態では、駐車線レベルFLVLが2以上の場合に駐車枠有りとしている。駐車線レベルFLVLが3以上を駐車枠有りとしても良い。
(2)また、上記実施形態では、ステップS586で、駐車枠進入判断として、駐車枠進入有りか無しかの2値化で加速抑制制御の開始判定を行っている。これに対し、駐車枠進入有りの場合について、その駐車枠への進入の確からしさを示す進入確信度ALVLを使用して複数段階で駐車枠への進入の確からしさを判定しても良い。そして、その進入確信度ALVLと駐車線レベルFLVLに応じて、上記加速抑制制御の内容を変更しても良い。
例えば、駐車枠進入有りのときの進入確信度ALVLとして「低」と「高」の2段階に区分し、その確信度ALVLと駐車線レベルFLVLとの組合せで、図33に示すような総合的な駐車支援の総合確信度TLVLを算出する。そして、その駐車支援の総合確信度TLVLに基づき、図25のような駐車支援の制御を行うようにしても良い。
図34に示す駐車支援の制御は、総合確信度TLVLが「極低」の場合には、アクセル開度が80%以上となると加速抑制を開始して、予め設定した量(小さい量)だけアクセル抑制を行う。また、総合確信度TLVLが「低」の場合には、アクセル開度が80%以上となると加速抑制を開始して、予め設定した量(総合確信度TLVLが「極低」よりも大きな値)だけアクセル抑制を行うと共に運転者へのアクセル抑制の報知処理を行う。また、総合確信度TLVLが「高」の場合には、アクセル開度が50%以上となると加速抑制を開始して、予め設定した量(総合確信度TLVLが「極低」よりも大きな値)だけアクセル抑制を行うと共に運転者へのアクセル抑制の報知処理を行う。また、総合確信度TLVLが「極高」の場合には、アクセル開度が50%以上となると加速抑制を開始して、予め設定した量(総合確信度TLVLが「高」よりも大きな値)だけアクセル抑制を行うと共に運転者へのアクセル抑制の報知処理を行う。図34に示される加速抑制実施条件(アクセル開度)のパーセントは例示である。
(3)また上記実施形態では、検出した駐車枠に基づく制駆動力制御として、加速抑制制御を例示した。検出した駐車枠に基づく制駆動力制御はこれに限定されない。例えば、検出した駐車枠への誘導支援を行うための制駆動力制御等であっても良い。
また検出した駐車枠への進入支援のための制駆動力制御に限定されない。検出した駐車枠に基づく制駆動力制御は、検出した駐車枠からの車両の発進制御であっても良い。
また、上記説明では、俯瞰変換した俯瞰画像に基づき線を検出しているが、俯瞰変換する前の撮像画像から直接、線の検出をしても良い。
ここで、周囲環境認識情報演算部10Aは撮像部を構成する。ステップS20は俯瞰画像取得部を構成する。加速抑制作動条件判断部10I、加速抑制量演算部10J、及び目標スロットル開度演算部10Kは、加速抑制制御を行う制駆動力制御部を構成する。ナビ7が駐車場位置検出部を構成する。加速抑制量演算部10Jは加速度抑制部を構成する。
(本実施形態の効果)
本実施形態によれば、次の効果を奏する。
(1)記号抽出部120Aは、自車両周囲の路面を含む撮像画像から、少なくとも数字を含む記号を抽出する。連番判定部は、記号抽出部により複数の記号を抽出した場合、これらの記号の有する数字が連番であるかどうかを判定する。駐車枠推定部は、連番判定部が連番であると判定した場合、上記記号から所定の位置に駐車枠があると推定する。そして、自車両の進行方向前方に上記駐車枠推定部が推定した駐車枠があると判定すると、加速操作子に応じて自車両の発生させる加速を低減させる。
この構成によれば、特定の記号から駐車枠を推定しているので、駐車枠へ対して進行しているときに、踏み間違いの可能性が高い場合には、自車両の加速が低減されるため、運転者へ違和感を与える可能性を低くすることができる。
(2)記号抽出部120Aは、自車両周囲の路面を含む撮像画像から、路面上に位置すると共に、数字を含む記号であって、駐車枠に記載されていると想定される範囲の寸法の記号を抽出する。記号群抽出部120Bは、抽出された複数の記号に対し、その隣り合う記号の間隔が予め設定した距離の離隔距離をもって並列していると共に、各記号の向きが上記記号の並び方向に交差する方向で且つ互いに同方向を向いている複数の記号からなる記号群を抽出する。連番判定部120Cは、記号群抽出部120Bが抽出した記号群において、隣り合う記号の数字同士の連番か否かを判定する。駐車枠推定部120Dは、連番判定部120Cが連番と判定した記号群について、その記号群の各記号の位置から駐車枠の位置を推定する。走行制御コントローラ10は、駐車枠推定部120Dが抽出した駐車枠に基づき、自車両の進行方向前方に上記駐車枠推定部が推定した駐車枠があると判定すると、加速操作子に応じて自車両の発生させる加速を低減させる。
この構成によれば、駐車枠を構成する線がかすれたりして線から駐車枠が認識されない状況においても、駐車枠の位置を推定することが可能となる。この結果、駐車枠検出の信頼性が向上して、駐車に対する運転支援の精度を向上させることが可能となる。
特定の数字を含む記号が所定間隔で並んでいれば、駐車枠の番号を示す記号であると推定可能である。
またこの構成によれば、駐車枠に向かう際に、仮にブレーキペダルとアクセルペダルを踏み間違えても、自車両の加速が抑制される。
(3)記号抽出部120Aは、俯瞰変換した俯瞰画像に基づき記号を抽出し、記号中の数字の横縦比が予め設定した基準比以下の歪みが小さい記号だけを抽出する。
この構成によれば、車道に標示されている、車速などの交通法規上の数字を排除することが可能となる。一般に車道に標示されている数字は、走行中の車両から視認し易いように、横縦比が大きく設定されている。このような数字を含む記号を排除可能となる。
また俯瞰図面にから判定するので、縦横比をより精度良く求めることが出来ると共に、自車両近傍の記号に基づき車両の加速抑制制御を行うようになる。
(4)記号抽出部120Aは、抽出した記号の周囲であって上記記号位置を基準として予め設定した周囲エリア内に抽出対象外の記号がある場合には、その抽出した記号を抽出対象の記号から外す。
この構成によれば、例えばスクールゾーンの数字の近傍に記載される時刻標示などがある場合には、そのような記号を除外できて、記号抽出の精度が向上する。
(5)連番判定部120Cは、記号群抽出部120Bが抽出した記号群において、隣り合う2つの記号の中間位置に当該記号の向きと同方向に延在する直線を検出すると、隣り合う記号の数字同士が連番でなくても連番性とみなす。
所定大きさの数字を含む記号が所定間隔で並んでおり、且つ記号同士の中間位置にであって記号の数字と同方向に延在する直線があれば、その記号は、駐車枠を特定する記号の可能性が高い。従って、この構成によれば、隣り合う記号の数字同士が連番性が低くても、駐車枠を推定可能となる。例えば所定間隔で並んでいる数字が「12」「12−A」のように、数字自体に連番性が低い場合でも、駐車枠を推定可能となる。
(6)連番判定部120Cは、記号群抽出部120Bが抽出した記号群の各記号が駐車場内に位置していると判定すると、隣り合う記号の数字同士が連番性が低くても連番とみなす。
駐車場内において、所定大きさの数字を含む記号が所定間隔で並んでいる場合、記号は、駐車枠を特定する記号の可能性が高い。従って、この構成によれば、隣り合う記号の数字同士が連番性が低くても、駐車枠を推定可能となる。
(7)走行制御コントローラ10は、撮像部(カメラ)が撮像した撮像画像を俯瞰変換して俯瞰画像とする。走行制御コントローラ10は、撮像部が撮像した撮像画像から路面上に位置する線を検出する。走行制御コントローラ10は、俯瞰画像において、撮像部の受光部1aを中心とする放射状の線を抽出する。走行制御コントローラ10は、線検出部が検出した線のうち抽出した放射状の線に対応する線に対し、駐車枠候補でないことを示すノイズ情報(放射状線の属性FF)を付加する。走行制御コントローラ10は、検出した路面上に位置する線とノイズ情報(放射状線の属性FF)に基づき駐車枠を抽出する。走行制御コントローラ10は、抽出した駐車枠に基づき車両の制駆動力を制御する。
この構成によれば、俯瞰画像において、撮像部の受光部1aを中心とする放射状の線を駐車枠の候補線から除外する。路面から反射した線は、俯瞰画像では放射状の線として認識される。このため、当該線を除外することで、路面に反射した線を駐車枠を構成する線と判定されることを抑制出来る。この結果、駐車枠検出の信頼性が向上して、駐車に対する運転支援の精度を向上させることが可能となる。
(8)走行制御コントローラ10は、予め設定した時間以上継続して放射状の線と認定された線を駐車枠を構成する線の候補から除外する。
この構成によれば、より確実に反射線に対応する線を検出可能となる。これによって、駐車枠検出の信頼性が向上して、駐車に対する運転支援の精度を向上させることが可能となる。
(9)走行制御コントローラ10は、反射し易い路面と推定すると、放射状線を検出するための判定条件を緩和する。
これによって、路面反射の線をより確実に検出可能となる。これによって、駐車枠検出の信頼性が向上して、駐車に対する運転支援の精度を向上させることが可能となる。
(10)走行制御コントローラ10は、予め設定した時間毎に俯瞰画像から放射状の線を抽出し、線検出部が検出した線が、放射状線検出部で放射状の線でないとして抽出されると、その線に非放射状線情報を付加する。そして、駐車枠判定部は、ノイズ情報判断部がノイズ情報を付加した線であっても、そのノイズ情報が付加される前に非放射状線情報が付加されている場合には、その線を駐車枠線の候補の線として駐車枠判定の処理を行う。
これによって、路面で反射した線で無い線を路面で反射した線と誤認することを抑制可能となる。
(11)走行制御コントローラ10は、俯瞰画像から路面上に位置する線を検出する。
これによって、同一画面上で線検出と反射線の検出を行うので、検出した線と反射したと推定した線の照合に座標変換などが不要となり、当該照合処理等が簡易となる。
また、俯瞰画像での線の判定の為、他の線との平行性などの判定も簡易となる。
(12)走行制御コントローラ10は、周囲環境認識センサの検出情報(カメラが撮像した画像情報)に基づき自車両周囲の環境を認識する。走行制御コントローラ10は、運転者が加速指示するために操作する加速操作子(アクセルペダル)の状態から加速操作量を検出する。走行制御コントローラ10は、自車両MMの状態を検出する。走行制御コントローラ10は、周囲環境と自車両MMの走行状態とに基づいて、自車両MMが駐車枠L0に進入することを検出する。走行制御コントローラ10は、自車両MMが駐車枠L0に進入すると判定すると、上記加速操作子の操作量に応じた加速指令値(スロットル開度)を抑制する。走行制御コントローラ10は、加速指令値を抑制しているときに予め設定した設定加速操作量以上の加速操作を検出したら、加速指令値の抑制を増大する。
この構成によれば、運転者が駐車枠L0への進入操作を行うことで自車両MMの駐車枠L0への進入の検出を加速抑制の作動条件とする。これによって、運転性の低下を抑えながらアクセルペダル誤操作時の加速抑制効果の高い加速抑制を行うことが可能となる。
また、駐車枠L0に進入する場合と、進入操作後さらに加速操作が行われた場合との2段階に分けて加速抑制を行うことによって、運転性の低下を抑えながらアクセルペダル誤操作時の加速抑制効果がより高い加速抑制を行うことが可能となる。
(13)走行制御コントローラ10は、加速指令値を抑制しているときに予め設定した設定加速操作量以上の加速操作を検出したら、加速指令値を予め設定した上限加速指令値以下に抑える。
この構成によれば、運転者が大きな加速操作を行っても、その加速操作による加速指令値を、予め設定した値以上には大きくならないように加速抑制を行う、これによって、加速操作の誤操作によって運転者の意図しない加速が発生することを抑制できる。この結果、より駐車枠L0内への駐車を支援可能となる。
(14)走行制御コントローラ10は、加速操作子の操作量及び当該加速操作子の操作速度の少なくとも一つを加速操作量として検出する。
この構成によれば、加速操作量として、アクセルペダル19の操作量及びアクセルペダル操作の操作速度を検出する。これによって、加速操作の誤操作と通常操作との区別をより精度良く行うことができる。この結果、運転性の低下が少なく、加速の抑制効果の高い加速抑制を実現することが可能となる。
(15)走行制御コントローラ10は、駐車枠L0を検出すると、自車両MMの車速または自車両MMの操舵角と、自車両MMと駐車枠L0の角度α、自車両MMと駐車枠L0の入り口L2の距離D、及び自車両MMの予想軌道と駐車枠L0の位置関係のうちの少なくとも1つの情報とに基づき、駐車枠L0への進入操作を検出し、その検出した進入操作によって自車両MMが駐車枠L0に進入することを検出する。
この構成によれば、自車両MMの車速、自車両MMの操舵角、自車両MMと駐車枠L0の角度α、自車両MMと駐車枠L0の入り口L2の距離D、及び自車両MMの予想軌道と駐車枠L0の位置関係のうちの少なくとも1つの情報を使用することで、自車両MMが、検出した駐車枠L0を通り過ぎる走行をしているのか、駐車枠L0に駐車しようとしているのかを区別することができる。このように、駐車枠L0への進入操作を検出することが可能となる。
(16)走行制御コントローラ10は、自車両MMの進行方向と駐車枠L0への駐車方向とのなす角度αを自車両MMと駐車枠L0の角度αとし、その自車両MMと駐車枠L0の角度αに基づき駐車枠L0への進入操作を検出する。
この構成によれば、自車両MMの進行方向と駐車枠L0への駐車方向とのなす角度αを自車両MMと駐車枠L0の角度αとすることにより、検出している駐車枠L0への進入操作の進行具合を検出することが可能となる。従って、その検出値によって、自車両MMが駐車枠L0に駐車しようとしているか否かを精度よく判断することができる。この結果、運転性の低下が少なく、加速の抑制効果の高い運転支援を実現することが可能となる。
「第2実施形態」
次に、第2実施形態について図面を参照して説明する。ここで、第1実施形態と同様な構成には同一の符号を付して説明する。
(構成)
本実施形態の基本構成は、第1実施形態と同様である。ただし、本実施形態は、自車両MMの予想軌道と駐車枠L0の入り口位置、枠範囲に基づいて駐車枠L0への進入判断を行う場合の例である。
すなわち、加速抑制作動条件判断部10IにおけるステップS583及びS586の処理、特にステップS586の処理が異なる。その他の処理は、第1実施形態と同様である。
次に、その構成の相違点について説明する。
加速抑制作動条件判断部10Iにおいて、ステップS583は、操舵角、操舵角速度、自車両MMの車速、シフトポジション、駐車枠線位置、駐車枠L0の入り口位置を取得する。
次に、本実施例におけるステップS586の処理を、図面を参照しながら説明する。
本実施形態のステップS186は、図35に示すように、S586A〜S586Dの処理からなる。
ステップS586Aでは、自車両予想軌道を演算する。例えばステップS580Aで取得した操舵角、操舵角速度、シフトポジションに基づいて自車両予想軌道を演算する。ここで、自車両の予想軌道の演算方法は種々存在しており、本実施形態では、特に自車両の予想軌道の演算方法について限定しない。例えばシフトポジションにて自車両MMの進行方向を特定し、現在の操舵角、操舵角速度で特定される操向輪の向きによって、自車両MMの予想軌道を求める。
ステップS586Bでは、ステップS586Aで演算した自車両予想軌道と、ステップS580Aで取得した駐車枠線位置に基づいて、自車両予想軌道枠線重複率を演算する。例えば、図36に示すように、対象とする駐車枠L0の面積に対する、当該駐車枠L0内を通過する自車両予想軌道Sが占める面積S0の割合を、自車両予想軌道枠線重複率として演算する。
ステップS586Cでは、ステップS586Aで演算した自車両予想軌道と、ステップS580Aで取得した駐車枠L0の入り口位置に基づいて、自車両予想軌道駐車枠入り口重複率を演算する。例えば、図37に示すように、駐車枠L0の入り口L2となる枠線一辺の長さの中で、自車両軌道と重複している部分Hの長さの割合を自車両予想軌道駐車枠入り口重複率として演算する。
なお予測軌道は、例えば後輪が通過する範囲とする。前輪が通過する範囲でも良い。
ステップS586Dでは、ステップS586Bで演算された自車両予想軌道枠線重複率と、ステップS586Cで演算された自車両予想軌道駐車枠入り口重複率とに基づいて、自車両駐車枠進入判断を行う。
例えば、自車両予想軌道枠線重複率が予め設定した値以上であり、かつ、自車両予想軌道駐車枠入り口重複率が予め設定した値以上の場合に、自車両MMが駐車枠L0に進入すると判断する。具体的には自車両予想軌道枠線重複率が40[%]以上、自車両予想軌道駐車枠入り口重複率が30[%]以上の場合に、自車両MMが駐車枠L0に進入すると判断する。ここで、自車両予想軌道枠線重複率と自車両予想軌道駐車枠入り口重複率の何れかのみで自車両駐車枠進入の判断を行う構成としてもよい。
また自車両予想軌道枠線重複率によって、駐車枠への進入の確からしさを示す進入確信度ALVLを2以上の段階で設定するようにしても良い。
また、左右後輪間の幅方向中央部の予測軌跡が対象とする駐車枠にどの程度進入するかの進行度合によって、駐車枠への進入の確からしさを判定しても良い。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。
(動作その他について)
本実施形態の処理によるタイムチャートの例を図38に示す。
この例は、走行制御コントローラ10が、自車両MMの予測軌道と駐車枠L0との位置関係に基づいて駐車枠L0への進入操作を検出する例である。
この図38に示す例では、予め設定した確からしさ(確信度)を有する駐車枠L0を検出し(t1)且つ車速が予め設定した設定速度以下の状態になると(t2)、駐車枠L0への進入操作の判定を行う。そして、図38に示す例では、自車両予想軌道枠線重複率が予め設定した値以上となり(t3)、且つ自車両予想軌道駐車枠入り口重複率が予め設定した値以上となったことを検出すると(t7)、駐車枠L0への進入操作と判定して加速抑制の作動状態となる。
この加速抑制の作動状態のときに、運転者がアクセル操作を行うと、そのアクセル操作に応じた加速指令値(スロットル開度)を抑制する。更に、この加速抑制を実施している状態で、アクセル操作量が予め設定した操作量以上となると(t8)、加速指令値の抑制量を増大する。本実施形態では、予め設定したスロットル開度以下抑えるように加速抑制を行う結果、図32に示すように、アクセル操作量が予め設定した操作量を越える前に比較して、実際のスロットル開度が小さく抑制される。この結果、運転者によるアクセルペダル19の誤操作に対する加速抑制がより有効に実行されることとなる。
本実施形態では、自車両予想軌道枠線重複率と自車両予想軌道駐車枠入り口重複率に基づいて駐車枠進入判断を行うことにより、より正確に駐車操作を検出することができ、より運転性の低下が少ない支援システムを実現することが可能となる。
(本実施形態の効果)
本実施形態によれば、第1実施形態による効果に加えて次の効果を奏する。
(1)走行制御コントローラ10は、自車両MMの操舵角、自車両MMの操舵角速度、自車両MMの車速、及び自車両MMのシフトポジションの情報と、駐車枠L0の枠線位置及び駐車枠L0の入り口位置の少なくとも1つの情報とに基づいて、自車両MMの予想軌道と駐車枠L0の位置関係を検出し、検出した自車両MMの予想軌道と駐車枠L0の位置関係に基づいて駐車枠L0への進入操作を検出する。
自車両MMの操舵角、自車両MMの操舵角、自車両MMの操舵角速度、自車両MMの車速、及び自車両MMのシフトポジションの情報を使用することで自車両MMの予想軌道を求めることが出来る。そして、求めた自車両MMの予想軌道と駐車枠L0の枠線位置及び駐車枠L0の入り口位置の少なくとも1つの情報とから、自車両MMの予想軌道と駐車枠L0の位置関係を検出する。これによって、より精度良く自車両MMの駐車枠L0への進入操作を検出することができる。
(2)走行制御コントローラ10は、自車両MMの予想軌道と駐車枠L0との重なり度合に基づき、駐車枠L0への進入操作を検出する。
これによって、重なり度合が大きいほど、自車両MMが駐車枠L0に向かっていることが検出できるので、より精度良く自車両MMの駐車枠L0への進入操作を検出することができる。
(3)走行制御コントローラ10は、自車両MMの予想軌道と駐車枠L0の入り口L2との重なり度合に基づき、駐車枠L0への進入操作を検出する。
重なり度合によって、自車両MMが駐車枠L0に向けて移動していることが検出出来る。この結果、より精度良く自車両MMの駐車枠L0への進入操作を検出することができる。
1 周囲環境認識センサ(撮像部)
1a 受光部
8 ワイパー検出センサ
10 走行制御コントローラ
10A 周囲環境認識情報演算部
110 駐車枠線情報処理部
120 駐車記号情報処理部
120A 記号抽出部
120B 記号群抽出部
120C 連番判定部
120D 駐車枠推定部
10B 自車両車速演算部
10C 操舵角演算部
10D 操舵角速度演算部
10E シフトポジション演算部
10F ブレーキペダル操作情報演算部
10G アクセル操作量演算部
10H アクセル操作速度演算部
10I 加速抑制作動条件判断部
10J 加速抑制量演算部
10K 目標スロットル開度演算部
ALVL 進入確信度
FLVL 駐車線レベル
SLVL 駐車記号レベル
TLVL 総合確信度
ARA1〜4 俯瞰画像とする領域
FF 放射状線属性
FR 立体物線の属性
L0 駐車枠

Claims (3)

  1. 運転者が加速指示するために操作する加速操作子と、
    上記加速操作子の加速操作量を検出する加速操作量検出部と、
    上記加速操作量検出部が検出した加速操作量に応じた加速を自車両に発生させる制駆動力制御部と、
    上記自車両周囲の路面を含む撮像画像を取得する撮像部と、
    上記撮像部が取得した撮像画像を俯瞰変換して俯瞰画像とする俯瞰画像取得部と、
    俯瞰変換した上記俯瞰画像に基づき、予め設定した基準比以下の横縦比の数字を少なくとも含む記号だけを抽出する記号抽出部と、
    上記記号抽出部により複数の記号を抽出した場合、これらの記号の有する数字が連番であるかどうかを判定する連番判定部と、
    上記連番判定部が連番であると判定した場合、上記連番であると判定された各記号から所定の位置に駐車枠があると推定する駐車枠推定部と、
    上記駐車枠推定部により推定された駐車枠が、上記自車両の進行方向前方に存在すると判定した場合、上記制駆動力制御部が制御する上記加速を低減させる加速度抑制部と、
    を備えることを特徴とする運転支援装置。
  2. 駐車場の位置を検出する駐車場位置検出部を備え、
    上記連番判定部は、上記記号抽出部により抽出された、駐車枠相当の距離離れた上記複数の記号の有する数字が連番であるかどうかを判定し、
    上記連番判定部は、上記駐車場位置検出部の検出に基づき上記駐車枠相当の距離離れた上記複数の記号が駐車場位置に位置していると判定すると、これらの記号の有する数字が連番でなくても、連番であるとみなすことを特徴とする請求項1に記載の運転支援装置。
  3. 運転者が加速指示するために操作する加速操作子と、
    上記加速操作子の加速操作量を検出する加速操作量検出部と、
    上記加速操作量検出部が検出した加速操作量に応じた加速を自車両に発生させる制駆動力制御部と、
    上記自車両周囲の路面を含む撮像画像を取得する撮像部と、
    上記撮像画像から、少なくとも数字を含む記号を抽出する記号抽出部と、
    上記記号抽出部により複数の記号を抽出した場合、駐車枠相当の距離離れた上記複数の記号の有する数字が連番であるかどうかを判定する連番判定部と、
    上記連番判定部が連番であると判定した場合、上記連番であると判定された各記号から所定の位置に駐車枠があると推定する駐車枠推定部と、
    上記駐車枠推定部により推定された駐車枠が、上記自車両の進行方向前方に存在すると判定した場合、上記制駆動力制御部が制御する上記加速を低減させる加速度抑制部と、
    駐車場の位置を検出する駐車場位置検出部と、
    を備え、
    上記連番判定部は、上記駐車場位置検出部の検出に基づき、上記駐車枠相当の距離離れた上記複数の記号が駐車場位置に位置していると判定すると、これらの記号の有する数字が連番でなくても、連番であるとみなすことを特徴とする運転支援装置。
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