JP6031973B2 - 車両用加速抑制装置 - Google Patents

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Description

本発明は、駐車のための車両運転を支援する技術に関する。
乗物の速度を制御する装置としては、例えば特許文献1に記載の安全装置がある。この安全装置では、ナビゲーション装置の地図データと現在位置の情報から乗物が道路から外れた位置にあることを検出し、乗物の走行速度を増加させる方向のアクセル操作があり且つ乗物の走行速度が所定の値より大きいと判断されたときは、アクセルの操作に拘わらずスロットルを減速方向に制御する。
特開2003−137001号公報
上記特許文献1は、アクセル操作の誤操作があっても運転者の意図しない車両の加速を防止することを目的としている。このとき、アクセルの操作が誤操作であるか否かの判断が課題となる。そして、上記特許文献1では、地図情報に基づき自車両が道路から外れた位置にあり且つ所定値以上の走行速度を検出しているときのアクセル踏込み操作を、アクセル誤操作の可能性があるとし、上記条件をスロットル抑制の作動条件としている。
しかし、上述の作動条件では、道路から外れて駐車場と推定される領域に進入するだけで、車速によってはスロットル抑制が作動してしまい、駐車場内での運転性を悪化させるのに加えて、駐車場では無かった場合にも運転性を悪化させてしまう。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、加速抑制制御の作動精度を向上させることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、自車両周囲の撮像画像から駐車枠を抽出し、抽出した駐車枠に基づき、自車両の運転者が操作して該自車両の駆動力を指示する駆動力指示操作子の操作量である駆動力操作量に応じた加速を抑制する処理である加速抑制制御を実施する。さらに、自車両が駐車領域以外の領域である非駐車領域を走行している状態から、予め設定した第1旋回条件の成立する旋回動作を行ったと判定すると、自車両が駐車領域と推定される領域である推定駐車領域を走行していると判定する。この判定により、予め設定した非駐車領域の路面上に類似の形状が存在する特定形状の駐車枠を、駐車枠の検出対象から除外する。
本発明は、自車両が非駐車領域を走行している状態から旋回動作を行って駐車領域と推定される推定駐車領域を走行していると判定すると、非駐車領域に類似の形状が存在する特定形状の駐車枠線を駐車枠の検出対象から除外する。これによって、旋回した先が非駐車領域だった場合における、特定形状の駐車枠の誤検出による加速抑制制御の誤作動を低減することが可能となる。
車両用加速抑制装置を備える車両の構成を示す概念図である。 車両用加速抑制装置の概略構成を示すブロック図である。 加速抑制制御内容演算部の構成を示すブロック図である。 駐車枠確信度設定部が駐車枠確信度の設定対象とする駐車枠のパターンを示す図である。 加速抑制作動条件判断部が、加速抑制作動条件が成立するか否かを判断する処理を示すフローチャートである。 自車両と、駐車枠と、自車両と駐車枠との距離を説明する図である。 走行領域判定部35が自車両Vの走行領域を判定する処理を示すフローチャートである。 駐車枠確信度設定部が駐車枠確信度を設定する処理を示すフローチャートである。 駐車枠確信度設定部が行う処理の内容を示す図である。 駐車枠確信度設定部が行う処理の内容を示す図である。 駐車枠進入確信度設定部が駐車枠進入確信度を設定する処理を示すフローチャートである。 自車両の予想軌跡と駐車枠とのずれ量を検出する処理の内容を示す図である。 総合確信度設定マップを示す図である。 加速抑制条件演算マップを示す図である。 加速抑制指令値演算部が行う処理を示すフローチャートである。 目標スロットル開度演算部が行う処理を示すフローチャートである。 自車両Vが公道を走行している状態から左折を行って駐車場に進入した場合の動作例を説明する図である。 自車両Vが公道を走行している状態から交差点を左折した場合の動作例を説明する図である。 変形例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(構成)
まず、図1を用いて、本実施形態の車両用加速抑制装置を備える車両の構成を説明する。
図1は、本実施形態の車両用加速抑制装置1を備える車両Vの構成を示す概念図である。
図1中に示すように、自車両Vは、車輪W(右前輪WFR、左前輪WFL、右後輪WRR、左後輪WRL)と、ブレーキ装置2と、流体圧回路4と、ブレーキコントローラ6を備える。これに加え、自車両Vは、エンジン8と、エンジンコントローラ12を備える。
ブレーキ装置2は、例えば、ホイールシリンダを用いて形成し、各車輪Wにそれぞれ設ける。なお、ブレーキ装置2は、流体圧で制動力を付与する装置に限定するものではなく、電動ブレーキ装置等を用いて形成してもよい。
流体圧回路4は、各ブレーキ装置2に接続する配管を含む回路である。
ブレーキコントローラ6は、上位コントローラである走行制御コントローラ10から入力を受けた制動力指令値に基づき、各ブレーキ装置2で発生する制動力を、流体圧回路4を介して、制動力指令値に応じた値に制御する。すなわち、ブレーキコントローラ6は、減速制御装置を形成する。なお、走行制御コントローラ10に関する説明は、後述する。
したがって、ブレーキ装置2、流体圧回路4およびブレーキコントローラ6は、制動力を発生する制動装置を形成する。
エンジン8は、自車両Vの駆動源を形成する。
エンジンコントローラ12は、走行制御コントローラ10から入力を受けた目標スロットル開度信号(加速指令値)に基づき、エンジン8で発生するトルク(駆動力)を制御する。すなわち、エンジンコントローラ12は、加速制御装置を形成する。なお、目標スロットル開度信号に関する説明は、後述する。
したがって、エンジン8およびエンジンコントローラ12は、駆動力を発生する駆動装置を形成する。
なお、自車両Vの駆動源は、エンジン8に限定するものではなく、電動モータを用いて形成してもよい。また、自車両Vの駆動源は、エンジン8と電動モータを組み合わせて形成してもよい。
次に、図1を参照しつつ、図2を用いて、車両用加速抑制装置1の概略構成を説明する。
図2は、本実施形態の車両用加速抑制装置1の概略構成を示すブロック図である。
車両用加速抑制装置1は、図1および図2中に示すように、周囲環境認識センサ14と、車輪速センサ16と、操舵角センサ18と、シフトポジションセンサ20と、ブレーキ操作検出センサ22と、アクセル操作検出センサ24を備える。これに加え、車両用加速抑制装置1は、ナビゲーション装置26と、走行制御コントローラ10を備える。
周囲環境認識センサ14は、自車両Vの周囲の画像を撮像し、撮像した各画像に基づき、複数の撮像方向に対応した個別の画像を含む情報信号(以降の説明では、「個別画像信号」と記載する場合がある)を生成する。そして、生成した個別画像信号を、走行制御コントローラ10へ出力する。
なお、本実施形態では、一例として、周囲環境認識センサ14を、前方カメラ14Fと、右側方カメラ14SRと、左側方カメラ14SLと、後方カメラ14Rを用いて形成した場合を説明する。ここで、前方カメラ14Fは、自車両Vの車両前後方向前方を撮像するカメラであり、右側方カメラ14SRは、自車両Vの右側方を撮像するカメラである。また、左側方カメラ14SLは、自車両Vの左側方を撮像するカメラであり、後方カメラ14Rは、自車両Vの車両前後方向後方を撮像するカメラである。
また、本実施形態では、周囲環境認識センサ14は、例えば、自車両Vの周囲の路面が入る画角で各カメラの最大撮影範囲(例えば100[m])の距離範囲を撮像する。
車輪速センサ16は、例えば、車輪速パルスを計測するロータリエンコーダ等のパルス発生器を用いて形成する。
また、車輪速センサ16は、各車輪Wの回転速度を検出し、この検出した回転速度を含む情報信号(以降の説明では、「車輪速信号」と記載する場合がある)を、走行制御コントローラ10に出力する。
操舵角センサ18は、例えば、ステアリングホイール28を回転可能に支持するステアリングコラム(図示せず)に設ける。
また、操舵角センサ18は、操舵操作子であるステアリングホイール28の現在の回転角度(操舵操作量)である現在操舵角を検出し、この検出した現在操舵角を含む情報信号(以降の説明では、「現在操舵角信号」と記載する場合がある)を、走行制御コントローラ10に出力する。なお、操向輪の転舵角を含む情報信号を、操舵角を示す情報として検出してもよい。
また、操舵操作子は、運転者が回転させるステアリングホイール28に限定するものではなく、例えば、運転者が手で傾ける操作を行うレバーとしてもよい。この場合、中立位置からのレバーの傾斜角度を、現在操舵角信号に相当する情報信号として出力する。
シフトポジションセンサ20は、シフトノブやシフトレバー等、自車両Vのシフト位置(例えば、「P」、「D」、「R」等)を変更する部材の現在位置を検出する。そして、検出した現在位置を含む情報信号(以降の説明では、「シフト位置信号」と記載する場合がある)を、走行制御コントローラ10に出力する。
ブレーキ操作検出センサ22は、制動力指示操作子であるブレーキペダル30に対し、その開度を検出する。そして、検出したブレーキペダル30の開度を含む情報信号(以降の説明では、「ブレーキ開度信号」と記載する場合がある)を、走行制御コントローラ10に出力する。
ここで、制動力指示操作子は、自車両Vの運転者が操作可能であり、且つ開度の変化により自車両Vの制動力を指示する構成である。なお、制動力指示操作子は、運転者が足で踏込み操作を行うブレーキペダル30に限定するものではなく、例えば、運転者が手で操作するレバーとしてもよい。
アクセル操作検出センサ24は、駆動力指示操作子であるアクセルペダル32に対し、その開度を検出する。そして、検出したアクセルペダル32の開度を含む情報信号(以降の説明では、「アクセル開度信号」と記載する場合がある)を、走行制御コントローラ10に出力する。
ここで、駆動力指示操作子は、自車両Vの運転者が操作可能であり、且つ開度の変化により自車両Vの駆動力を指示する構成である。なお、駆動力指示操作子は、運転者が足で踏込み操作を行うアクセルペダル32に限定するものではなく、例えば、運転者が手で操作するレバーとしてもよい。
ナビゲーション装置26は、GPS(Global Positioning System)受信機、地図データベースと、表示モニタ等を有する情報呈示装置を備え、経路探索および経路案内等を行う装置である。
また、ナビゲーション装置26は、GPS受信機を用いて取得した自車両Vの現在位置と、地図データベースに格納された道路情報に基づいて、自車両Vが走行する道路の種別や幅員等の道路情報を取得することが可能である。
また、ナビゲーション装置26は、GPS受信機を用いて取得した自車両Vの現在位置を含む情報信号(以降の説明では、「自車位置信号」と記載する場合がある)を、走行制御コントローラ10に出力する。これに加え、ナビゲーション装置26は、自車両Vが走行する道路の種別や道路幅員等を含む情報信号(以降の説明では、「走行道路情報信号」と記載する場合がある)を、走行制御コントローラ10に出力する。
情報呈示装置は、走行制御コントローラ10からの制御信号に応じて、警報その他の呈示を音声や画像によって出力する。また、情報呈示装置は、例えば、ブザー音や音声により運転者への情報提供を行うスピーカと、画像やテキストの表示により情報提供を行う表示ユニットを備える。また、表示ユニットは、例えば、ナビゲーション装置26の表示モニタを流用してもよい。
走行制御コントローラ10は、CPUと、ROMおよびRAM等のCPU周辺部品から構成される電子制御ユニットである。
また、走行制御コントローラ10は、駐車のための運転支援処理を行う駐車運転支援部を備える。
走行制御コントローラ10の処理のうち駐車運転支援部は、機能的に、図2中に示すように、周囲環境認識情報演算部10A、自車両車速演算部10B、操舵角演算部10C、操舵角速度演算部10Dの処理を備える。これに加え、駐車運転支援部は、機能的に、シフトポジション演算部10E、ブレーキペダル操作情報演算部10F、アクセル操作量演算部10G、アクセル操作速度演算部10H、加速抑制制御内容演算部10Iの処理を備える。さらに、駐車運転支援部は、機能的に、加速抑制指令値演算部10J、目標スロットル開度演算部10Kの処理を備える。これらの機能は、一または二以上のプログラムで構成される。
周囲環境認識情報演算部10Aは、周囲環境認識センサ14から入力を受けた個別画像信号に基づき、自車両Vの上方から下方を見た自車両Vの周囲の画像(俯瞰画像)を形成する。そして、形成した俯瞰画像を含む情報信号(以降の説明では、「俯瞰画像信号」と記載する場合がある)と、この俯瞰画像信号に対応する個別画像信号とを、加速抑制制御内容演算部10Iへ出力する。
ここで、俯瞰画像は、例えば、各カメラ(前方カメラ14F、右側方カメラ14SR、左側方カメラ14SL、後方カメラ14R)で撮像した画像を合成して形成する。また、俯瞰画像には、例えば、路面上に表示された駐車枠の線(以降の説明では、「駐車枠線」と記載する場合がある)等の道路標示を示す画像を含む。
自車両車速演算部10Bは、車輪速センサ16から入力を受けた車輪速信号に基づき、車輪Wの回転速度から自車両Vの速度(車速)を演算する。そして、演算した速度を含む情報信号(以降の説明では、「車速演算値信号」と記載する場合がある)を、加速抑制制御内容演算部10Iへ出力する。
操舵角演算部10Cは、操舵角センサ18から入力を受けた現在操舵角信号に基づき、ステアリングホイール28の現在の回転角度から、ステアリングホイール28の中立位置からの操作量(回転角)を演算する。そして、演算した中立位置からの操作量を含む情報信号(以降の説明では、「操舵角信号」と記載する場合がある)を、加速抑制制御内容演算部10Iへ出力する。
操舵角速度演算部10Dは、操舵角センサ18から入力を受けた現在操舵角信号が含む現在操舵角を微分処理することにより、ステアリングホイール28の操舵角速度を演算する。そして、演算した操舵角速度を含む情報信号(以降の説明では、「操舵角速度信号」と記載する場合がある)を、加速抑制制御内容演算部10Iへ出力する。
シフトポジション演算部10Eは、シフトポジションセンサ20から入力を受けたシフト位置信号に基づき、現在のシフト位置を判定する。そして、演算した現在のシフト位置を含む情報信号(以降の説明では、「現在シフト位置信号」と記載する場合がある)を、加速抑制制御内容演算部10Iへ出力する。
ブレーキペダル操作情報演算部10Fは、ブレーキ操作検出センサ22から入力を受けたブレーキ開度信号に基づき、踏込み量が「0」である状態を基準とした、ブレーキペダル30の踏込み量を演算する。そして、演算したブレーキペダル30の踏込み量を含む情報信号(以降の説明では、「制動側踏込み量信号」と記載する場合がある)を、加速抑制制御内容演算部10Iへ出力する。
アクセル操作量演算部10Gは、アクセル操作検出センサ24から入力を受けたアクセル開度信号に基づき、踏込み量が「0」である状態を基準とした、アクセルペダル32の踏込み量を演算する。そして、演算したアクセルペダル32の踏込み量を含む情報信号(以降の説明では、「駆動側踏込み量信号」と記載する場合がある)を、加速抑制制御内容演算部10Iと、加速抑制指令値演算部10Jと、目標スロットル開度演算部10Kへ出力する。
アクセル操作速度演算部10Hは、アクセル操作検出センサ24から入力を受けたアクセル開度信号が含むアクセルペダル32の開度を微分処理することにより、アクセルペダル32の操作速度を演算する。そして、演算したアクセルペダル32の操作速度を含む情報信号(以降の説明では、「アクセル操作速度信号」と記載する場合がある)を、加速抑制指令値演算部10Jへ出力する。
加速抑制制御内容演算部10Iは、上述した各種の情報信号(俯瞰画像信号、個別画像信号、車速演算値信号、操舵角信号、操舵角速度信号、現在シフト位置信号、制動側踏込み量信号、駆動側踏込み量信号、自車位置信号、走行道路情報信号)の入力を受ける。そして、入力を受けた各種の情報信号に基づいて、後述する加速抑制作動条件判断結果、加速抑制制御開始タイミング、加速抑制制御量を演算する。さらに、これらの演算したパラメータを含む情報信号を、加速抑制指令値演算部10Jへ出力する。
なお、加速抑制制御内容演算部10Iの詳細な構成と、加速抑制制御内容演算部10Iで行う処理については、後述する。
加速抑制指令値演算部10Jは、上述した駆動側踏込み量信号およびアクセル操作速度信号の入力と、後述する加速抑制作動条件判断結果信号、加速抑制制御開始タイミング信号および加速抑制制御量信号の入力を受ける。そして、アクセルペダル32の踏込み量(駆動力操作量)に応じた加速指令値を抑制するための指令値である加速抑制指令値を演算する。さらに、演算した加速抑制指令値を含む情報信号(以降の説明では、「加速抑制指令値信号」と記載する場合がある)を、目標スロットル開度演算部10Kへ出力する。
また、加速抑制指令値演算部10Jは、入力を受けた加速抑制作動条件判断結果信号の内容に応じて、通常の加速制御で用いる指令値である通常加速指令値を演算する。さらに、演算した通常加速指令値を含む情報信号(以降の説明では、「通常加速指令値信号」と記載する場合がある)を、目標スロットル開度演算部10Kへ出力する。
なお、加速抑制指令値演算部10Jで行う処理については、後述する。
目標スロットル開度演算部10Kは、駆動側踏込み量信号と、加速抑制指令値信号または通常加速指令値信号の入力を受ける。そして、アクセルペダル32の踏込み量と、加速抑制指令値または通常加速指令値に基づいて、アクセルペダル32の踏込み量または加速抑制指令値に応じたスロットル開度である目標スロットル開度を演算する。さらに、演算した目標スロットル開度を含む情報信号(以降の説明では、「目標スロットル開度信号」と記載する場合がある)を、エンジンコントローラ12へ出力する。
また、目標スロットル開度演算部10Kは、加速抑制指令値が後述する加速抑制制御開始タイミング指令値を含む場合、後述する加速抑制制御開始タイミングに基づいて、目標スロットル開度信号をエンジンコントローラ12へ出力する。
なお、目標スロットル開度演算部10Kで行う処理については、後述する。
(加速抑制制御内容演算部10Iの構成)
次に、図1および図2を参照しつつ、図3および図4を用いて、加速抑制制御内容演算部10Iの詳細な構成について説明する。
図3は、加速抑制制御内容演算部10Iの構成を示すブロック図である。
図3中に示すように、加速抑制制御内容演算部10Iは、加速抑制作動条件判断部34と、走行領域判定部35と、駐車枠確信度設定部36と、駐車枠進入確信度設定部38と、総合確信度設定部40を備える。これに加え、加速抑制制御内容演算部10Iは、加速抑制制御開始タイミング演算部42と、加速抑制制御量演算部44を備える。
加速抑制作動条件判断部34は、加速抑制制御を作動させる条件が成立するか否かを判断し、その判断結果を含む情報信号(以降の説明では、「加速抑制作動条件判断結果信号」と記載する場合がある)を、加速抑制指令値演算部10Jへ出力する。ここで、加速抑制制御とは、アクセルペダル32の踏込み量に応じて自車両Vを加速させる加速指令値を、抑制する制御である。
また、加速抑制作動条件判断部34が加速抑制制御を作動させる条件が成立するか否かを判断する処理については、後述する。
走行領域判定部35は、自車両Vが走行している走行領域を判定し、この判定結果に基づき走行領域の種別に応じたフラグを設定する。
本実施形態では、走行領域の種別に応じたフラグとして、非駐車領域走行フラグ、推定駐車領域走行フラグおよび確定駐車領域走行フラグを備えている。
また、本実施形態では、自車両Vが走行している駐車場等の駐車を行う領域(以降の説明で、「駐車領域」と記載する場合がある)以外の領域(例えば、公道)を「非駐車領域」と定義する。なお、駐車を行う領域とは、少なくとも車両を駐車する駐車枠が存在する領域である。また、後述する判定処理によって駐車領域と推定される領域を「推定駐車領域」と定義する。また、後述する判定処理によって駐車領域と確定できる領域を「確定駐車領域」と定義する。
また、非駐車領域走行フラグは、自車両Vが非駐車領域を走行しているか否かを判断するためのフラグである。非駐車領域走行フラグがON(例えば、「1」)に設定されている場合は、自車両Vが非駐車領域を走行している状態であることを示す。一方、非駐車領域走行フラグがOFFに設定されている場合は、自車両Vが非駐車領域以外の領域を走行している状態であることを示す。
また、推定駐車領域走行フラグは、自車両Vが推定駐車領域を走行しているか否かを判断するためのフラグである。推定駐車領域走行フラグがONに設定されている場合は、自車両Vが推定駐車領域を走行している状態であることを示す。一方、推定駐車領域走行フラグがOFFに設定されている場合は、自車両Vが推定駐車領域を走行していない状態であることを示す。
また、確定駐車領域走行フラグは、自車両Vが確定駐車領域を走行しているか否かを判断するためのフラグである。確定駐車領域走行フラグがONに設定されている場合は、自車両Vが確定駐車領域を走行している状態であることを示す。一方、確定駐車領域走行フラグがOFFに設定されている場合は、自車両Vが確定駐車領域を走行していない状態であることを示す。
なお、走行領域判定部35が走行領域を判定し、この判定結果に基づき走行領域の種別に応じたフラグを設定する処理についての詳細は、後述する。
駐車枠確信度設定部36は、自車両Vの進行方向に駐車枠が存在する確信度である駐車枠確信度を設定する。そして、設定した駐車枠確信度を含む情報信号(以降の説明では、「駐車枠確信度信号」と記載する場合がある)を、総合確信度設定部40へ出力する。
ここで、駐車枠確信度設定部36は、俯瞰画像信号、個別画像信号、車速演算値信号、現在シフト位置信号、自車位置信号および走行道路情報信号が含む各種情報を参照して、駐車枠確信度を設定する。
また、駐車枠確信度設定部36が確信度の設定対象とする駐車枠には、例えば、図4中に示すように、複数のパターンがある。なお、図4は、駐車枠確信度設定部36が駐車枠確信度の設定対象とする駐車枠のパターンを示す図である。本実施形態において、これら駐車枠の形状パターンを特定するための情報(以降の説明で、「形状情報」と記載する場合がある」)は、不図示のROM等のメモリに予め記憶している。
駐車枠進入確信度設定部38は、自車両Vが駐車枠へ進入する確信度である駐車枠進入確信度を設定する。そして、設定した駐車枠進入確信度を含む情報信号(以降の説明では、「駐車枠進入確信度信号」と記載する場合がある)を、総合確信度設定部40へ出力する。
ここで、駐車枠進入確信度設定部38は、俯瞰画像信号、車速演算値信号、現在シフト位置信号および操舵角信号が含む各種情報を参照して、駐車枠進入確信度を設定する。
なお、駐車枠進入確信度設定部38が駐車枠進入確信度を設定する処理については、後述する。
総合確信度設定部40は、駐車枠確信度信号および駐車枠進入確信度信号の入力を受け、駐車枠確信度および駐車枠進入確信度に対応する確信度である総合確信度を設定する。そして、設定した総合確信度を含む情報信号(以降の説明では、「総合確信度信号」と記載する場合がある)を、加速抑制制御開始タイミング演算部42および加速抑制制御量演算部44へ出力する。
なお、総合確信度設定部40が総合確信度を設定する処理については、後述する。
加速抑制制御開始タイミング演算部42は、加速抑制制御を開始するタイミングである加速抑制制御開始タイミングを演算する。そして、演算した加速抑制制御開始タイミングを含む情報信号(以降の説明では、「加速抑制制御開始タイミング信号」と記載する場合がある)を、加速抑制指令値演算部10Jへ出力する。
ここで、加速抑制制御開始タイミング演算部42は、総合確信度信号、制動側踏込み量信号、車速演算値信号、現在シフト位置信号および操舵角信号が含む各種情報を参照して、加速抑制制御開始タイミングを演算する。
なお、加速抑制制御開始タイミング演算部42が加速抑制制御開始タイミングを演算する処理については、後述する。
加速抑制制御量演算部44は、アクセルペダル32の踏込み量に応じた加速指令値を抑制するための制御量である加速抑制制御量を演算する。そして、演算した加速抑制制御量を含む情報信号(以降の説明では、「加速抑制制御量信号」と記載する場合がある)を、加速抑制指令値演算部10Jへ出力する。
ここで、加速抑制制御量演算部44は、総合確信度信号、制動側踏込み量信号、車速演算値信号、現在シフト位置信号および操舵角信号が含む各種情報を参照して、加速抑制制御量を演算する。
なお、加速抑制制御量演算部44が加速抑制制御量を演算する処理については、後述する。
(加速抑制制御内容演算部10Iで行う処理)
次に、図1から図4を参照しつつ、図5から図13を用いて、加速抑制制御内容演算部10Iで行う処理について説明する。
・加速抑制作動条件判断部34が行なう処理
図1から図4を参照しつつ、図5および図6を用いて、加速抑制作動条件判断部34が加速抑制制御を作動させる条件(以降の説明では、「加速抑制作動条件」と記載する場合がある)が成立するか否かを判断する処理について説明する。
図5は、加速抑制作動条件判断部34が、加速抑制作動条件が成立するか否かを判断する処理を示すフローチャートである。なお、加速抑制作動条件判断部34は、予め設定したサンプリング時間(例えば、10[msec])毎に、以下に説明する処理を行う。
図5中に示すように、加速抑制作動条件判断部34が処理を開始(START)すると、まず、ステップS100において、駐車枠確信度設定部36が設定した駐車枠確信度を取得する処理(図中に示す「駐車枠確信度取得処理」)を行う。ステップS100において、駐車枠確信度を取得する処理を行うと、加速抑制作動条件判断部34が行う処理は、ステップS102へ移行する。
ステップS102では、ステップS100で取得した駐車枠確信度に基づいて、駐車枠の有無を判断する処理(図中に示す「駐車枠有無判断処理」)を行う。
本実施形態において、駐車枠の有無を判断する処理は、駐車枠確信度に基づいて行う。具体的に、駐車枠確信度が、予め設定した最低値(レベル0)であると判定すると、例えば、自車両Vを基準として予め設定した距離や領域(エリア)内に、駐車枠が無い(図中に示す「No」)と判断する。この場合、加速抑制作動条件判断部34が行う処理は、ステップS120へ移行する。
一方、駐車枠確信度が、予め設定した最低値以外の値であると判定すると、自車両Vを基準として予め設定した距離や領域(エリア)内に、駐車枠が有る(図中に示す「Yes」)と判断する。この場合、加速抑制作動条件判断部34が行う処理は、ステップS104へ移行する。
ステップS104では、自車両車速演算部10Bから入力を受けた車速演算値信号を参照して、自車両Vの車速を取得する処理(図中に示す「自車両車速情報取得処理」)を行う。ステップS104において、自車両Vの車速を取得する処理を行うと、加速抑制作動条件判断部34が行なう処理は、ステップS106へ移行する。
ステップS106では、ステップS104で取得した車速に基づいて、自車両Vの車速が、予め設定した閾値車速未満である条件が成立しているか否かを判断する処理(図中に示す「自車両車速条件判断処理」)を行う。
なお、本実施形態では、一例として、閾値車速を15[km/h]とした場合について説明する。また、閾値車速は、15[km/h]に限定するものではなく、例えば、自車両Vの制動性能等、自車両Vの諸元に応じて変更してもよい。また、例えば、自車両Vが走行する地域(国等)の交通法規等に応じて変更してもよい。
ステップS106において、自車両Vの車速が閾値車速未満である条件が成立している(図中に示す「Yes」)と判断した場合、加速抑制作動条件判断部34が行なう処理は、ステップS108へ移行する。
一方、ステップS106において、自車両Vの車速が閾値車速未満である条件が成立していない(図中に示す「No」)と判断した場合、加速抑制作動条件判断部34が行なう処理は、ステップS120へ移行する。
ステップS108では、ブレーキペダル操作情報演算部10Fから入力を受けた制動側踏込み量信号を参照して、ブレーキペダル30の踏込み量(操作量)の情報を取得する処理(図中に示す「ブレーキペダル操作量情報取得処理」)を行う。ステップS108において、ブレーキペダル30の踏込み量(操作量)の情報を取得する処理を行うと、加速抑制作動条件判断部34が行なう処理は、ステップS110へ移行する。
ステップS110では、ステップS108で取得したブレーキペダル30の踏込み量に基づいて、ブレーキペダル30が操作されているか否かを判断する処理(図中に示す「ブレーキペダル操作判断処理」)を行う。
ステップS110において、ブレーキペダル30が操作されていない(図中に示す「No」)と判断した場合、加速抑制作動条件判断部34が行なう処理は、ステップS112へ移行する。
一方、ステップS110において、ブレーキペダル30が操作されている(図中に示す「Yes」)と判断した場合、加速抑制作動条件判断部34が行なう処理は、ステップS120へ移行する。
ステップS112では、アクセル操作量演算部10Gから入力を受けた駆動側踏込み量信号を参照して、アクセルペダル32の踏込み量(操作量)の情報を取得する処理(図中に示す「アクセルペダル操作量情報取得処理」)を行う。ステップS112において、アクセルペダル32の踏込み量(操作量)の情報を取得する処理を行うと、加速抑制作動条件判断部34が行なう処理は、ステップS114へ移行する。
ステップS114では、アクセルペダル32の踏込み量(操作量)が、予め設定した閾値アクセル操作量以上である条件が成立しているか否かを判断する処理(図中に示す「アクセルペダル操作判断処理」)を行う。ここで、ステップS114の処理は、ステップS112で取得したアクセルペダル32の踏込み量に基づいて行なう。
なお、本実施形態では、一例として、閾値アクセル操作量を、アクセルペダル32の開度の3[%]に相当する操作量に設定した場合について説明する。また、閾値アクセル操作量は、アクセルペダル32の開度の3[%]に相当する操作量に限定するものではなく、例えば、自車両Vの制動性能等、自車両Vの諸元に応じて変更してもよい。
ステップS114において、アクセルペダル32の踏込み量(操作量)が閾値アクセル操作量以上である条件が成立している(図中に示す「Yes」)と判断した場合、加速抑制作動条件判断部34が行なう処理は、ステップS116へ移行する。
一方、ステップS114において、アクセルペダル32の踏込み量(操作量)が閾値アクセル操作量以上である条件が成立していない(図中に示す「No」)と判断した場合、加速抑制作動条件判断部34が行なう処理は、ステップS120へ移行する。
ステップS116では、自車両Vが駐車枠へ進入するか否かを判断するための情報を取得する処理(図中に示す「駐車枠進入判断情報取得処理」)を行う。ここで、本実施形態では、一例として、ステアリングホイール28の操舵角と、自車両Vと駐車枠とのなす角度と、自車両Vと駐車枠との距離に基づいて、自車両Vが駐車枠へ進入するか否かを判断する場合を説明する。ステップS116において、自車両Vが駐車枠へ進入するか否かを判断するための情報を取得する処理を行うと、加速抑制作動条件判断部34が行なう処理は、ステップS118へ移行する。
ここで、ステップS116で行なう処理の具体例を説明する。
ステップS116では、操舵角演算部10Cから入力を受けた操舵角信号を参照して、ステアリングホイール28の回転角(操舵角)を取得する。これに加え、周囲環境認識情報演算部10Aから入力を受けた俯瞰画像信号が含む自車両Vの周囲の俯瞰画像に基づき、自車両Vと駐車枠L0とのなす角度αと、自車両Vと駐車枠L0との距離Dを取得する。
ここで、角度αは、例えば、図6中に示すように、直線Xと、枠線L1および駐車枠L0側の線との交角の絶対値とする。なお、図6は、自車両Vと、駐車枠L0と、自車両Vと駐車枠L0との距離Dを説明する図である。
また、直線Xは、自車両Vの中心を通る自車両Vの前後方向の直線(進行方向に延びる直線)であり、枠線L1は、駐車枠L0に駐車が完了した際に自車両Vの前後方向と平行または略平行になる駐車枠L0部分の枠線である。また、駐車枠L0側の線とは、L1の延長線からなる駐車枠L0側の線である。
また、距離Dは、例えば、図6中に示すように、自車両Vの前端面の中心点PFと駐車枠L0の入り口L2の中心点PPとの距離とする。ただし、距離Dは、自車両Vの前端面が駐車枠L0の入り口L2を通過した後は、負の値とする。なお、距離Dは、自車両Vの前端面が駐車枠L0の入り口L2を通過した後は、ゼロに設定してもよい。
ここで、距離Dを特定するための自車両V側の位置は、中心点PFに限定するものではなく、例えば、自車両Vに予め設定した位置と、入り口L2の予め設定した位置としてもよい。この場合、距離Dは、自車両Vに予め設定した位置と、入り口L2の予め設定した位置との距離とする。
以上説明したように、ステップS116では、自車両Vが駐車枠L0へ進入するか否かを判断するための情報として、操舵角、自車両Vと駐車枠L0の角度α、自車両Vと駐車枠L0の距離Dを取得する。
ステップS118では、ステップS116で取得した情報に基づいて、自車両Vが駐車枠へ進入するか否かを判断する処理(図中に示す「駐車枠進入判断処理」)を行う。
ステップS118において、自車両Vが駐車枠へ進入しない(図中に示す「No」)と判断した場合、加速抑制作動条件判断部34が行なう処理は、ステップS120へ移行する。
一方、ステップS118において、自車両Vが駐車枠へ進入する(図中に示す「Yes」)と判断した場合、加速抑制作動条件判断部34が行なう処理は、ステップS122へ移行する。
ここで、ステップS118で行なう処理の具体例を説明する。
ステップS118では、例えば、以下に示す三つの条件(A1〜A3)を全て満足した場合に、自車両Vが駐車枠へ進入すると判断する。
条件A1.ステップS116で検出した操舵角が予め設定した設定舵角値(例えば、45[deg])以上の値となってから経過した時間が、予め設定した設定時間(例えば、20[sec])以内である。
条件A2.自車両Vと駐車枠L0の角度αが、予め設定した設定角度(例えば、40[deg])以下である。
条件A3.自車両Vと駐車枠L0の距離Dが、予め設定した設定距離(例えば、3[m])以下である。
なお、自車両Vが駐車枠へ進入するか否かを判断する処理としては、駐車枠進入確信度設定部38が駐車枠進入確信度を設定する際に行なう処理を用いてもよい。
また、自車両Vが駐車枠へ進入するか否かの判断に用いる処理は、上記のように複数の条件を用いた処理に限定するものではなく、上述した三つの条件のうち一つ以上の条件で判断する処理を用いてもよい。また、自車両Vの車速を用いて、自車両Vが駐車枠へ進入するか否かを判断する処理を用いてもよい。
ステップS120では、加速抑制作動条件判断結果信号を、加速抑制制御作動条件が成立しない判断結果を含む情報信号として生成する処理(図中に示す「加速抑制作動条件非成立」)を行う。ステップS120において、加速抑制制御作動条件が成立しない判断結果を含む加速抑制作動条件判断結果信号を生成する処理を行うと、加速抑制作動条件判断部34が行なう処理は、ステップS124へ移行する。
ステップS122では、加速抑制作動条件判断結果信号を、加速抑制制御作動条件が成立する判断結果を含む情報信号として生成する処理(図中に示す「加速抑制作動条件成立」)を行う。ステップS122において、加速抑制制御作動条件が成立する判断結果を含む加速抑制作動条件判断結果信号を生成する処理を行うと、加速抑制作動条件判断部34が行なう処理は、ステップS124へ移行する。
ステップS124では、ステップS120またはステップS122で生成した加速抑制作動条件判断結果信号を、加速抑制指令値演算部10Jへ出力する処理(図中に示す「加速抑制作動条件判断結果出力」)を行う。ステップS124において、加速抑制作動条件判断結果信号を加速抑制指令値演算部10Jへ出力する処理を行うと、加速抑制作動条件判断部34が行なう処理は、ステップS100の処理へ復帰(RETURN)する。
・走行領域判定部35が行う処理
図1から図6を参照しつつ、図7を用いて、走行領域判定部35が自車両Vの走行領域を判定する処理について説明する。
図7は、走行領域判定部35が自車両Vの走行領域を判定する処理を示すフローチャートである。なお、走行領域判定部35は、予め設定したサンプリング時間(例えば、10[msec])毎に、以下に説明する処理を行う。
図7中に示すように、走行領域判定部35が処理を開始(START)すると、まず、ステップS600において、自車両Vの初期状態を検出したか否かを判定する処理(図中に示す「初期状態検出?」)を行う。本実施形態では、具体的に、エンジンON(イグニッションON)を検出した場合と、シフト位置が「P」レンジの状態で5秒間以上経過したことを検出した場合とに、自車両Vの初期状態を検出したと判定する。
ステップS600において、初期状態を検出したと判定した場合、走行領域判定部35が行う処理は、ステップS602へ移行する。
一方、ステップS600において、初期状態を検出しなかったと判定した場合、走行領域判定部35の処理は、ステップS612へ移行する。
ステップS602では、自車両Vが非駐車領域を走行しているか否かを判定するための情報を取得する処理(図中に示す「非駐車領域走行判定用情報取得処理」)を行う。ステップS602において、自車両Vが非駐車領域を走行しているか否かを判定するための情報を取得する処理を行うと、走行領域判定部35が行う処理は、ステップS604へ移行する。
ここで、本実施形態では、自車両Vが公道等の非駐車領域を走行している否かを判定するための処理として、以下の(a)から(f)の六つの判定処理を行う。
(a)自車両Vの車速が30[km/h]以上となっているか否かを判定する。
(b)自車両Vの連続走行距離が100[m]以上となっているか否かを判定する。
(c)駐車枠線の候補として抽出された線のうち、予め設定した第1線間距離範囲(例えば、実距離3〜5[m]に相当する長さ)内の線間距離で隣り合う二本の線の組の中に、予め設定した第1線長閾値(例えば、実距離7[m]に相当する長さ)以上の長さを有する線の組が含まれているか否かを判定する。
(d)駐車枠線の候補として抽出された線のうち、予め設定した第2線間距離範囲(例えば、実距離2.5〜5[m]に相当する長さ)内の隣り合う二本の線の組の中に、予め設定した第2線長閾値(例えば、実距離15[m]に相当する長さ)以上の長さを有する線の組が含まれているか否かを判定する。
(e)駐車枠線の候補として抽出された線の中に、予め設定した第3線長閾値(例えば、実距離15[m]に相当する長さ)以上の長さを有する線が含まれているか否かを判定する。
(f)交差点(交差点そのもの、または、交差点を構成すると推定される要素)を検出したか否かを判定する。
従って、ステップS602では、上記(a)から(f)の判定処理を行うために必要な情報を取得する。例えば、自車両Vの現在の車速、自車両Vの前方の俯瞰画像等を含む情報を取得する。
ステップS604では、ステップS602で取得した情報に基づき、自車両Vが非駐車領域を走行しているか否かを判定する処理(図中に示す「非駐車領域を走行中?」)を行う。具体的に、下記に示す六つの条件(条件B1〜B6)のうち1つでも満足していれば、自車両Vが非駐車領域を走行していると判定し、1つも満足していなければ、自車両Vが非駐車領域を走行していないと判定する。
条件B1.自車両Vの車速が30[km/h]以上となっている。
条件B2.自車両Vの連続走行距離が100[m]以上となっている
条件B3.駐車枠線の候補として抽出された線のうち、予め設定した第1線間距離範囲内の線間距離で隣り合う二本の線の組の中に、予め設定した第1線長閾値以上の長さを有する線の組が含まれている。
条件B4.駐車枠線の候補として抽出された線のうち、予め設定した第2線間距離範囲以内の隣り合う二本の線の組の中に、予め設定した第2線長閾値以上の長さを有する線の組が含まれている。
条件B5.駐車枠線の候補として抽出された線の中に、予め設定した第3線長閾値以上の長さを有する線が含まれている。
条件B6.交差点を検出した。
ステップS604において、自車両Vが非駐車領域を走行している(図中に示す「Yes」)と判定した場合、走行領域判定部35が行う処理は、ステップS606へ移行する。
一方、ステップS604において、自車両Vが非駐車領域を走行していない(図中に示す「No」)と判定した場合、走行領域判定部35が行う処理は、終了(END)する。
ステップS606では、非駐車領域走行フラグをONに設定する処理(図中に示す「秘中車領域走行フラグをONに設定」)を行う。ステップS606において、非駐車領域走行フラグをONに設定する処理を行うと、走行領域判定部35が行う処理は、ステップS608へ移行する。
ステップS608では、推定駐車領域走行フラグをOFFに設定する処理(図中に示す「推定駐車領域走行フラグをOFFに設定」)を行う。ステップS608において、推定駐車領域走行フラグをOFFに設定する処理を行うと、走行領域判定部35が行う処理は、ステップS610へ移行する。
具体的に、ステップS608の処理は、以降のステップS626の「No」の分岐に対応している。この場合、推定駐車領域走行フラグがONに設定されている状態において、非駐車領域の走行判定を行う。そのため、非駐車領域を走行していると判定すると、推定駐車領域走行フラグをOFFに設定する。
ステップS610では、確定駐車領域走行フラグをOFFに設定する処理(図中に示す「確定駐車領域走行フラグをOFFに設定」)を行う。ステップS608において、確定駐車領域走行フラグをOFFに設定する処理を行うと、走行領域判定部35が行う処理は、終了(END)する。
具体的に、ステップS610の処理は、以降のステップS634の「No」の分岐に対応している。つまり、確定駐車領域走行フラグがONに設定されている状態において、非駐車領域の走行判定を行う。そのため、非駐車領域を走行していると判定すると、確定駐車領域走行フラグをOFFに設定する。
ステップS612では、非駐車領域走行フラグがONに設定されているか否かを判定する処理(図中に示す「非駐車領域走行フラグはON?」)を行う。
ステップS612において、非駐車領域走行フラグがONに設定されている(図中に示す「Yes」)と判定した場合、走行領域判定部35が行う処理は、ステップS614へ移行する。
一方、ステップS612において、非駐車領域走行フラグはONに設定されていない(図中に示す「No」)と判定した場合、走行領域判定部35が行う処理は、ステップS622へ移行する。
ステップS614では、自車両Vの旋回半径および旋回角度を演算するための情報である旋回判定用情報の取得処理(図中に示す「旋回判定用情報取得処理」)を行う。ステップS614において、旋回判定用情報の取得処理を行うと、走行領域判定部35が行う処理は、ステップS616へ移行する。
ここで、ステップS614では、旋回判定用情報として、例えば、車速、操舵角、車両諸元(スタビリティファクター、ホイールベースなど)等を含む情報を取得する。
ステップS616では、ステップS614で取得した旋回判定用情報を用いて、自車両Vの旋回半径および旋回角度を演算する。そして、演算した旋回半径および旋回角度に基づき、自車両Vが第1旋回条件を満たす旋回動作を行ったか否かを判定する処理(図中に示す「第1旋回条件を満たす旋回動作を行った?」)を行う。
本実施形態では、具体的に、上述した旋回判定用情報に基づき、公知の演算方法によって、自車両Vの旋回半径および旋回角度を演算する。そして、車速の情報と、演算した旋回半径および旋回角度の情報とに基づき、自車両Vが、例えば、時速30[km/h]未満の車速で、旋回半径30[m]以下、かつ旋回角度40[°]以上の旋回動作を行った場合に、第1旋回条件を満たすと判定する。この第1旋回条件は、例えば、非駐車領域を走行している車両が駐車領域内に車両を進入させる際に行う旋回動作を想定して決定している。つまり、非駐車領域を走行中に第1旋回条件を満たす旋回動作が行われた場合に、自車両Vは駐車領域と推定される領域に進入したと判断する。
ステップS616において、自車両Vが第1旋回条件を満たす旋回動作を行った(図中に示す「Yes」)と判定した場合、走行領域判定部35が行う処理は、ステップS618へ移行する。
一方、ステップS616において、自車両Vが第1旋回条件を満たす旋回動作を行っていない(図中に示す「No」)と判定した場合、走行領域判定部35が行う処理は、終了(END)する。
ステップS618では、推定駐車領域走行フラグをONに設定する処理(図中に示す「推定駐車領域走行フラグをONに設定」)を行う。ステップS618において、推定駐車領域走行フラグをONに設定する処理を行うと、走行領域判定部35が行う処理は、ステップS620へ移行する。
ステップS620では、現在ONに設定されている非駐車領域走行フラグをOFFに設定する処理(図中に示す「非駐車領域走行フラグをOFFに設定」)を行う。非駐車領域走行フラグをOFFに設定する処理を行うと、走行領域判定部35が行う処理は、終了(END)する。
一方、ステップS622では、推定駐車領域走行フラグがONに設定されているか否かを判定する処理(図中に示す「推定駐車領域走行フラグはON?」)を行う。
ステップS622において、推定駐車領域走行フラグがONに設定されている(図中に示す「Yes」)と判定した場合、走行領域判定部35が行う処理は、ステップS624へ移行する。
一方、ステップS622において、推定駐車領域走行フラグがONに設定されていない(図中に示す「No」)と判定した場合、走行領域判定部35が行う処理は、ステップS632へ移行する。
ステップS624では、自車両Vの旋回半径および旋回角度を演算するための情報である旋回判定用情報の取得処理(図中に示す「旋回判定用情報取得処理」)を行う。ステップS624において、旋回判定用情報の取得処理を行うと、走行領域判定部35が行う処理は、ステップS626へ移行する。
本実施形態では、上述したステップS614と同様に、旋回判定用情報として、例えば、車速、操舵角、車両諸元(スタビリティファクター、ホイールベースなど)等を含む情報を取得する。
ステップS626では、ステップS624で取得した旋回判定用情報を用いて、自車両Vの旋回半径および旋回角度を演算する。そして、演算した旋回半径および旋回角度に基づき、自車両Vが第2旋回条件を満たす旋回動作を行ったか否かを判定する処理(図中に示す「第2旋回条件を満たす旋回動作を行った?」)を行う。
本実施形態では、具体的に、上述した旋回判定用情報に基づき、公知の演算方法によって、自車両Vの旋回半径および旋回角度を演算する。そして、車速の情報と、演算した旋回半径および旋回角度の情報とに基づき、自車両Vが、時速15[km/h]未満の車速で、旋回半径15[m]以下、かつ旋回角度40[°]以上の旋回動作を行ったと判定すると、第2旋回条件を満たすと判定する。なお、この第2旋回条件は、例えば、駐車領域を走行している車両が駐車枠内に車両を駐車する際に行う旋回動作を想定して決定している。つまり、第2旋回条件を満たす旋回動作が行われた場合に、自車両Vは駐車中であると判断して、自車両Vの走行している領域を駐車領域であると確定する。
なお、第2旋回条件の成立だけに限らず、自車両Vのシフト位置「R」レンジを検出した場合や、シフト位置「R」レンジの状態が予め設定した時間以上経過したことを検出した場合なども確定駐車領域走行フラグをONに設定する条件を満たすようにしてもよい。
ステップS626において、自車両Vが第2旋回条件を満たす旋回動作を行った(図中に示す「Yes」)と判定した場合、走行領域判定部35が行う処理は、ステップS628へ移行する。
一方、ステップS626において、自車両Vが第2旋回条件を満たす旋回動作を行っていない(図中に示す「No」)と判定した場合、走行領域判定部35が行う処理は、ステップS602へ移行する。
ステップS628では、確定駐車領域走行フラグをONに設定する処理(図中に示す「確定駐車領域走行フラグをONに設定」)を行う。ステップS628において、確定駐車領域走行フラグをONに設定する処理を行うと、ステップS630へ移行する。
ステップS630では、確定駐車領域走行フラグをONに設定してからの自車両Vの走行距離を検出する処理を開始して、ステップS632へ移行する。
ステップS632では、現在ONに設定されている推定駐車領域走行フラグをOFFに設定する処理(図中に示す「確定駐車領域走行フラグをONに設定」)を行う。ステップS632において、推定駐車領域走行フラグをOFFに設定する処理を行うと、走行領域判定部35が行う処理は、終了(END)する。
また、ステップS634では、確定駐車領域走行フラグをONに設定してからの自車両Vの走行距離が、予め設定した駐車場内距離閾値以上か否かを判定する処理(図中に示す「走行距離は駐車場内距離閾値以上か?」)を行う。
本実施形態では、駐車場内距離閾値を、例えば、「30[m]」に設定する。
ステップS634において、確定駐車領域走行フラグをONに設定してからの自車両Vの走行距離が駐車場内閾値以上であると判定した場合、走行領域判定部35が行う処理は、ステップS636へ移行する。
一方、ステップS634において、確定駐車領域走行フラグをONに設定してからの自車両Vの走行距離が駐車場内閾値以上ではないと判定した場合、走行領域判定部35が行う処理は、ステップS602へ移行する。
ステップS636では、確定駐車領域走行フラグをOFFに設定する処理(図中に示す「確定駐車領域走行フラグをOFFに設定」)を行う。ステップS636において、確定駐車領域走行フラグをOFFに設定する処理を行うと、走行領域判定部35が行う処理は、ステップS638に移行する。
ステップS638では、推定駐車領域走行フラグをONに設定する処理(図中に示す「推定駐車領域走行フラグをONに設定」)を行う。ステップS638において、推定駐車領域走行フラグをONに設定する処理を行うと、走行領域判定部35が行う処理は、ステップS640へ移行する。
ステップS640では、確定駐車領域走行フラグをONに設定してからの自車両Vの走行距離を0[m]へとクリアする処理(図中に示す「走行距離をクリア」)を行う。ステップS640において、確定駐車領域走行フラグをONに設定してからの自車両Vの走行距離を0[m]へとクリアする処理を行うと、走行領域判定部35が行う処理は、終了(END)する。
・駐車枠確信度設定部36が行う処理
図1から図7を参照しつつ、図8から図10を用いて、駐車枠確信度設定部36が駐車枠確信度を設定する処理について説明する。
図8は、駐車枠確信度設定部36が駐車枠確信度を設定する処理を示すフローチャートである。
図8中に示すように、駐車枠確信度設定部36が処理を開始(START)すると、まず、ステップS200において、駐車枠確信度のレベルを最低値(レベル0)に設定する処理(図中に示す「レベル0に設定」)を行う。ステップS200において、駐車枠確信度をレベル0に設定する処理を行うと、駐車枠確信度設定部36が行う処理は、ステップS202へ移行する。
ステップS202では、周囲環境認識情報演算部10Aから入力を受けた俯瞰画像信号が含む自車両Vの周囲の俯瞰画像を取得する処理(図中に示す「周囲画像取得処理」)を行う。ステップS202において、自車両Vの周囲の俯瞰画像を取得する処理を行うと、駐車枠確信度設定部36が行う処理は、ステップS204へ移行する。
ステップS204では、まず、ステップS202で取得した俯瞰画像から、駐車枠確信度を設定するために用いる駐車枠線の候補となる路面上に位置する線を抽出する処理(図中に示す「駐車枠線候補抽出処理」)を行う。
次に、取得した線の状態が、例えば、以下に示す三つの条件(C1〜C3)を全て満足した場合に、その線を、駐車枠線候補として抽出する。
条件C1.路面上に標示されている線に破断部分がある場合、その破断部分が、標示されていた線がかすれている部分(例えば、線よりも明瞭度が低く、且つ路面よりも明瞭度が高い部分)である。
条件C2.路面上に標示されている線の幅が、予め設定した設定幅(例えば、10[cm])以上である。
条件C3.路面上に標示されている線の長さが、予め設定した設定標示線長さ(例えば、2.5[m])以上である。
ここで、駐車枠線候補とは、駐車枠線等、路面上に標示されている線(白線等)であり、本実施形態では、まず、俯瞰画像の画素を水平方向にスキャンして、予め設定した輝度閾値以上の輝度差を有するエッジ画素を抽出する。従って、本実施形態において、輝度閾値は輝度差の閾値となる。そして、このエッジ画素によって構成される線を取得する。具体的に、隣接する画素との差分を計算し、この差分の絶対値が輝度閾値以上となる画素をエッジ画素として抽出する。
次に、同一の俯瞰画像から抽出した駐車枠線候補から、該俯瞰画像内において隣り合う二本の線を一つの組として特定(以降の説明では、「ペアリング」と記載する場合がある)する。なお、同一の俯瞰画像から三本以上の線が抽出されている場合は、三本以上の線に対し、それぞれ、隣り合う二本の線により、二つ以上の組を特定する。ステップS204において、俯瞰画像から駐車枠線候補を抽出する処理および抽出した駐車枠線候補のペアリングをする処理を行うと、駐車枠確信度設定部36が行う処理は、ステップS206へ移行する。
ステップS206では、走行領域判定結果情報として、走行領域判定部35によって設定された各種フラグの設定情報を取得する処理(図中に示す「走行領域判定結果情報取得処理」)を行う。ステップS206において、走行領域判定結果情報を取得する処理を行うと、駐車枠確信度設定部36が行う処理は、ステップS208へ移行する。
ここで、ステップS206では、具体的に、非駐車領域走行フラグ、推定駐車領域走行フラグおよび確定駐車領域走行フラグそれぞれのON又はOFFの設定情報を含む走行領域判定結果情報を取得する処理を行う。
ステップS208では、ステップS204の抽出結果と、ステップS206で取得した走行領域判定結果情報とに基づき、抽出した駐車枠線候補の組が、駐車枠を形成する線の条件に適合しているか否かを判断する処理を行う。この処理は、図中に示す「駐車枠条件適合?」に対応する。
ステップS208において、駐車枠線候補の組が、駐車枠を形成する線の条件に適合していない(図中に示す「No」)と判断した場合、駐車枠確信度設定部36が行う処理は、ステップS202へ移行する。
一方、ステップS208において、駐車枠線候補の組が、駐車枠を形成する線の条件に適合している(図中に示す「Yes」)と判断した場合、駐車枠確信度設定部36が行う処理は、ステップS210へ移行する。なお、ステップS208で行う処理は、例えば、周囲環境認識情報演算部10Aから入力を受けた俯瞰画像信号を参照して行う。
ここで、図9を用いて、ステップS208で行う処理の具体例を説明する。なお、図9は、駐車枠確信度設定部36が行う処理の内容を示す図である。また、図9中には、俯瞰画像のうち前方カメラ14Fで撮像した画像を示す領域を、符号「PE」と示す。
ステップS208では、まず、走行領域判定結果情報に基づき、確定駐車領域走行フラグがONに設定されているか否かを判定する。ここで、確定駐車領域走行フラグがONに設定されていると判定すると、駐車枠線候補の組であるペアリングした二本の線に対し、例えば、以下に示す四つの条件(D1〜D4)を全て満足した場合に、駐車枠線候補の組が、駐車枠を形成する線の条件に適合していると判断する。
条件D1.図9(a)中に示すように、ペアリングした二本の線(図中では、符合「La」、符合「Lb」で示す)間の幅WLが、予め設定した設定ペアリング幅(例えば、2.5[m])以下である。
条件D2.図9(b)中に示すように、線Laと線Lbとのなす角度(平行度合い)が、予め設定した設定角度(例えば、3[°])以内である。
なお、図9(b)中には、基準線(領域PEの垂直方向に延在する線)を、符合「CLc」を付した点線で示し、線Laの中心軸線を、符合「CLa」を付した破線で示し、線Lbの中心軸線を、符合「CLb」を付した破線で示す。また、基準線CLcに対する中心軸線CLaの傾斜角を符号「θa」で示し、基準線CLcに対する中心軸線CLbの傾斜角を符号「θb」で示す。
したがって、|θa−θb|≦3[°]の条件式が成立すると、条件C2を満足することとなる。
条件D3.図9(c)中に示すように、線Laの自車両V側の端部(図中では、下方側の端部)と線Lbの自車両V側の端部を結ぶ直線と、自車両Vに近い側の線Lとのなす角度θが、予め設定した設定ずれ角度(例えば、45[°])以上である。
条件D4.図9(d)中に示すように、線Laの幅W0と線Lbの幅W1との差の絶対値(|W0−W1|)が、予め設定した設定線幅(例えば、10[cm])以下である。
なお、上述した四つの条件(D1〜D4)を満足するか否かを判定する処理では、線La,Lbのうち少なくとも一方の長さが、例えば、2[m]程度で途切れている場合、さらに、2[m]程度の仮想線を延長した4[m]程度の線として、処理を継続する。
上記条件D1〜D4を満たす場合、図4に示す形状の駐車枠が全て検出対象となる。
本実施形態では、確定駐車領域走行フラグがONに設定されている場合は、検出対象とする駐車枠の形状に制限を設けない。つまり、自車両Vが、駐車場等の駐車領域と確定できる領域を走行していると判定される場合は、検出対象として予め設定した全ての形状情報に対応する駐車枠形状を、加速抑制制御の制御対象とする。
一方、確定駐車領域走行フラグがOFFに設定されている場合、次に、推定駐車領域走行フラグがONに設定されているか否かを判定する。ここで、推定駐車領域走行フラグがONに設定されていると判定すると、駐車枠線候補の組であるペアリングした二本の線に対し、上述した四つの条件D1〜D4に加えて、以下の条件E1を満たすか否かを判定する。
条件E1.ペアリングした二本の線の形状が、平行な2本の直線のみで構成されたオープン形状(図4(a)に示す形状)の駐車枠を構成する線では無い。
なお、条件E1の判定は、例えば、ペアリングした二本の線の端点の形状が、直線の端点と異なるか否かを判定することで行う。具体的に、ペアリングした二本の線の端点が、例えば、図4(g)から(k)に示すようなU字状の端点となっているか否かを判定することで行う。U字状の端点となっていると判定した場合は、条件E1を満たすと判定する。
さらに、条件E1の判定は、例えば、ペアリングした二本の線に対して、同じ側の端点を結ぶ横線または二本の線の途中で交差する横線があるか否かを判定する。いずれかの横線があると判定した場合は、条件E1を満たすと判定する。
つまり、ペアリングした二本の線の形状が、図4(a)に示す駐車枠の形状以外の形状を有するか否かを判定する。
そして、上述した条件E1を満たさなかった場合は、処理対象の駐車枠線候補の組が、駐車枠を形成する線の条件に適合していないと判断する。
また、上述した四つの条件D1〜D4を満たし、かつ、上述した条件E1を満たした場合は、処理対象の駐車枠線候補の組が、駐車枠を形成する線の条件に適合していると判断する。
つまり、本実施形態では、推定駐車領域走行フラグがONに設定されている場合、図4(a)に示す特定形状の駐車枠を、駐車枠の検出対象から除外する。その理由は、公道等の非駐車領域に、図4(a)に示す駐車枠の形状と類似する形状の線が多く存在するためである。つまり、自車両Vが、駐車領域とは確定できないが、推定はできる領域を走行している場合、図4(a)に示す形状の駐車枠を、加速抑制制御の制御対象から除外する。これにより、推定駐車領域が非駐車領域であった場合の加速抑制制御の誤作動を低減することが可能である。なお、図4(a)に示す形状は代表的な例であり、非駐車領域に類似の形状が存在する駐車枠形状で有れば、他の形状も特定形状として設定してもよい。
また、本実施形態において、確定駐車領域走行フラグ及び推定駐車領域走行フラグが共にOFFに設定され、非駐車領域走行フラグがONに設定されていると判定した場合は、終了条件が成立したと判定して、処理を終了(END)する。即ち、自車両Vが非駐車領域を走行していると判定した場合、駐車枠を検出する処理を行わずに一連の処理を終了する。
ステップS210では、駐車枠確信度のレベルを最低値(レベル0)よりも一段階上のレベル(レベル1)に設定する処理(図中に示す「レベル1に設定」)を行う。ステップS210において、駐車枠確信度をレベル1に設定する処理を行うと、駐車枠確信度設定部36が行う処理は、ステップS212へ移行する。
ステップS212では、ステップS208の処理を開始してから自車両Vの移動距離が予め設定した設定移動距離となるまでに、ステップS208の処理が連続して照合するか否かを判断する処理(図中に示す「連続照合適合?」)を行う。なお、設定移動距離は、自車両Vの諸元や、前進または後退の状態に応じて、例えば、1〜2.5[m]の範囲内に設定する。また、ステップS212で行う処理は、例えば、周囲環境認識情報演算部10Aから入力を受けた俯瞰画像信号と、自車両車速演算部10Bから入力を受けた車速演算値信号を参照して行う。
ステップS212において、ステップS208の処理が連続して照合していない(図中に示す「No」)と判断した場合、駐車枠確信度設定部36が行う処理は、ステップS202へ移行する。
一方、ステップS212において、ステップS208の処理が連続して照合している(図中に示す「Yes」)と判断した場合、駐車枠確信度設定部36が行う処理は、ステップS214へ移行する。
ここで、ステップS212で行う処理では、例えば、図10中に示すように、ステップS208の処理が照合された状態と、ステップS208の処理が照合されない状態に応じて、自車両Vの移動距離を仮想的に演算する。なお、図10は、駐車枠確信度設定部36が行う処理の内容を示す図である。また、図10中には、「照合状態」と記載した領域において、ステップS208の処理が照合された状態を「ON」と示し、ステップS208の処理が照合されない状態を「OFF」と示す。また、図10中には、仮想的に演算した自車両Vの移動距離を、「仮想走行距離」と示す。
図10中に示すように、ステップS208の処理が照合された状態が「ON」であると、仮想走行距離が増加する。一方、ステップS208の処理が照合された状態が「OFF」であると、仮想走行距離が減少する。
なお、本実施形態では、一例として、仮想走行距離が増加する際の傾き(増加ゲイン)を、仮想走行距離が減少する際の傾き(減少ゲイン)よりも大きく設定した場合について説明する。すなわち、「照合状態」が「ON」である状態と「OFF」である状態が同時間であれば、仮想走行距離は増加することとなる。
そして、仮想走行距離が初期値(図中では、「0[m]」と示す)に戻ることなく、設定移動距離に達すると、ステップS208の処理が連続して照合していると判断する。
ステップS214では、駐車枠確信度のレベルを最低値(レベル0)よりも二段階上のレベル(レベル2)に設定する処理(図中に示す「レベル2に設定」)を行う。ステップS214において、駐車枠確信度をレベル2に設定する処理を行うと、駐車枠確信度設定部36が行う処理は、ステップS216へ移行する。
ステップS216では、ステップS208の処理が連続して照合している線La,Lbに対し、それぞれ、自車両Vを基準として同じ側に位置する端点(近い側の端点、または、遠い側の端点)を検出する。そして、同じ側に位置する端点同士が、幅WLの方向に沿って対向しているか否かを判断する処理(図中に示す「遠近端点対向適合?」)を行う。なお、ステップS216で行う処理は、例えば、周囲環境認識情報演算部10Aから入力を受けた俯瞰画像信号と、自車両車速演算部10Bから入力を受けた車速演算値信号を参照して行う。
ステップS216において、同じ側に位置する端点同士が、幅WLの方向に沿って対向していない(図中に示す「No」)と判断した場合、駐車枠確信度設定部36が行う処理は、ステップS218へ移行する。
一方、ステップS216において、同じ側に位置する端点同士が、幅WLの方向に沿って対向している(図中に示す「Yes」)と判断した場合、駐車枠確信度設定部36が行う処理は、ステップS202へ移行する。
ステップS218では、駐車枠確信度のレベルを最低値(レベル0)よりも三段階上のレベル(レベル3)に設定する処理(図中に示す「レベル3に設定」)を行う。ステップS218において、駐車枠確信度をレベル3に設定する処理を行うと、駐車枠確信度設定部36が行う処理は、ステップS220へ移行する。
ステップS220では、ステップS216の処理において、同じ側に位置する端点同士が幅WLの方向に沿って対向していると判断した線La,Lbに対し、さらに、他方の側に位置する端点を検出する。すなわち、ステップS216の処理において、線La,Lbに対して近い側(一方の側)の端点を検出した場合、ステップS220では、線La,Lbに対して遠い側(他方の側)の端点を検出する。そして、他方の側に位置する端点同士が、幅WLの方向に沿って対向しているか否かを判断する処理(図中に示す「両端端点対向適合?」)を行う。なお、ステップS224で行う処理は、例えば、周囲環境認識情報演算部10Aから入力を受けた俯瞰画像信号と、自車両車速演算部10Bから入力を受けた車速演算値信号を参照して行う。
なお、線La,Lbの端点を検出する際には、例えば、図4(a)中に示す線の端点のような直線の端点と、図4(g)中に示す線の上端点のようなU字状の端点と、図4(o)中に示す二重線と横線との交点を、全て、一本の直線の端点として処理する。同様に、図4(h)中に示す線の上端点のような二重線の端点と、図4(m)中に示す線の上端点のようなU字状の曲線に空隙部が形成されている端点も、全て、一本の直線の端点として処理する。
また、線La,Lbの端点を検出する際には、例えば、図4(n)中に示す上下方向に延在する傾斜した二重線と、左右方向に延在する一本の直線との交点は、端点として処理(認識)しない。これは、端点を検出する際には、撮像した画像を示す領域において、横方向への走査を行うことにより端点を検出するためである。また、例えば、図4(p)中に白枠の四角形で示す領域は、柱等の路上物体を示しているため、この物体の端点も検出しない。
ステップS220において、他方の側に位置する端点同士が、幅WLの方向に沿って対向していない(図中に示す「No」)と判断した場合、駐車枠確信度設定部36が行う処理は、ステップS202へ移行する。
一方、ステップS220において、他方の側に位置する端点同士が、幅WLの方向に沿って対向している(図中に示す「Yes」)と判断した場合、駐車枠確信度設定部36が行う処理は、ステップS222へ移行する。
ステップS222では、駐車枠確信度のレベルを最低値(レベル0)よりも四段階上のレベル(レベル4)に設定する処理(図中に示す「レベル4に設定」)を行う。ステップS222において、駐車枠確信度をレベル4に設定する処理を行うと、駐車枠確信度設定部36が行う処理は、ステップS224へ移行する。
したがって、駐車枠確信度をレベル3に設定する処理では、図4中に示す駐車枠のうち、(d),(e),(j),(k)のパターンに対し、駐車枠確信度を設定することとなる。また、駐車枠確信度をレベル4に設定する処理では、図4中に示す駐車枠のうち、(d),(e),(j),(k)を除くパターンに対し、駐車枠確信度を設定することとなる。
ステップS224では、予め設定した、駐車枠確信度設定部36が行う処理の終了条件が成立したか否かを判定する処理(図中に示す「終了条件成立?」)を行う。
具体的に、例えば、シフトポジションセンサ20から入力を受けたシフト位置信号に基づき、シフトポジションがパーキング(「P」)のシフト位置にあるか否か、イグニッションON→OFFの検出等に基づき終了条件を満足したか否かなどを判定する。
ステップS224において、終了条件を満足したと判定した場合、駐車枠確信度設定部36が行う処理は終了(END)する。
一方、ステップS224において、終了条件を満足していないと判定した場合、駐車枠確信度設定部36が行う処理は、ステップS202へ移行する。
なお、駐車枠確信度設定部36が行う上記一連の処理は、開始条件が成立する毎に繰り返し実施される。
・駐車枠進入確信度設定部38が行う処理
図1から図10を参照しつつ、図11および図12を用いて、駐車枠進入確信度設定部38が駐車枠進入確信度を設定する処理について説明する。
図11は、駐車枠進入確信度設定部38が駐車枠進入確信度を設定する処理を示すフローチャートである。なお、駐車枠進入確信度設定部38は、予め設定したサンプリング時間(例えば、10[msec])毎に、以下に説明する処理を行う。
図11中に示すように、駐車枠進入確信度設定部38が処理を開始(START)すると、まず、ステップS300において、自車両Vの予想軌跡と駐車枠とのずれ量を検出する処理(図中に示す「ずれ量検出」)を行う。ステップS300において、自車両Vの予想軌跡と駐車枠とのずれ量を検出する処理を行うと、駐車枠進入確信度設定部38が行う処理は、ステップS302へ移行する。なお、本実施形態では、一例として、ステップS300で検出するずれ量の単位を[cm]とした場合について説明する。また、本実施形態では、一例として、駐車枠の幅を2.5[m]とした場合について説明する。
ここで、ステップS300で行なう処理では、例えば、図12中に示すように、自車両Vの後輪予想軌跡TRを算出し、算出した後輪予想軌跡TRと駐車枠L0の入り口L2との交点TPを算出する。さらに、駐車枠L0の左側枠線L1lと交点TPとの距離Lflと、駐車枠L0の右側枠線L1rと交点TPとの距離Lfrを算出し、距離Lflと距離Lfrを比較する。そして、距離Lflと距離Lfrのうち長い方の距離を、自車両Vの後輪予想軌跡TRと駐車枠L0とのずれ量として検出する。なお、図12は、自車両Vの後輪予想軌跡TRと駐車枠L0とのずれ量を検出する処理の内容を示す図である。
また、自車両Vの後輪予想軌跡TRを算出する際には、自車両Vのうち、右後輪WRRと左後輪WRLとの車幅方向における中心点PRを、自車両Vの基準点として設定する。そして、俯瞰画像のうち前方カメラ14Fおよび左側方カメラ14SLで撮像した画像と、自車両Vの車速と、ステアリングホイール28の回転角(操舵角)を用いて、中心点PRの仮想移動経路を演算し、後輪予想軌跡TRを算出する。
ステップS302では、例えば、俯瞰画像のうち前方カメラ14Fで撮像した画像を用いて、直線Xと駐車枠L0の長さ方向(例えば、奥行き方向)との平行度を検出する処理(図中に示す「周囲画像取得」)を行う。ステップS302において、直線Xと駐車枠L0の長さ方向との平行度を検出する処理を行うと、駐車枠進入確信度設定部38が行なう処理は、ステップS304へ移行する。
ここで、ステップS302で検出する平行度は、図12中に示すように、駐車枠L0の中心線Yと直線Xとのなす角度θapとして検出する。
なお、ステップS302では、自車両Vが後退しながら駐車枠L0へ移動する場合、例えば、俯瞰画像のうち後方カメラ14Rで撮像した画像を用いて、直線Xと駐車枠L0の長さ方向との平行度を検出する処理を行う。ここで、自車両Vの移動方向(前進、後退)は、例えば、現在シフト位置信号を参照して検出する。
ステップS304では、自車両Vの車速と、ステアリングホイール28の回転角(操舵角)を用いて、自車両Vの旋回半径を演算する処理(図中に示す「旋回半径演算」)を行う。ステップS304において、自車両Vの旋回半径を演算する処理を行うと、駐車枠進入確信度設定部38が行なう処理は、ステップS306へ移行する。
ステップS306では、ステップS302で検出した平行度(θap)が、予め設定した平行度閾値(例えば、15[°])未満であるか否かを判断する処理(図中に示す「平行度<平行度閾値?」)を行う。
ステップS306において、ステップS302で検出した平行度(θap)が平行度閾値以上である(図中に示す「No」)と判断した場合、駐車枠進入確信度設定部38が行なう処理は、ステップS308へ移行する。
一方、ステップS306において、ステップS302で検出した平行度(θap)が平行度閾値未満である(図中に示す「Yes」)と判断した場合、駐車枠進入確信度設定部38が行なう処理は、ステップS310へ移行する。
ステップS308では、ステップS304で検出した旋回半径が、予め設定した旋回半径閾値(例えば、100[R])以上であるか否かを判断する処理(図中に示す「旋回半径≧旋回半径閾値?」)を行う。
ステップS308において、ステップS304で検出した旋回半径が旋回半径閾値未満である(図中に示す「No」)と判断した場合、駐車枠進入確信度設定部38が行う処理は、ステップS312へ移行する。
一方、ステップS308において、ステップS304で検出した旋回半径が旋回半径閾値以上である(図中に示す「Yes」)と判断した場合、駐車枠進入確信度設定部38が行う処理は、ステップS310へ移行する。
ステップS310では、ステップS300で検出したずれ量が、予め設定した第一閾値(例えば、75[cm])以上であるか否かを判断する処理(図中に示す「ずれ量≧第一閾値?」)を行う。
ステップS310において、ステップS300で検出したずれ量が第一閾値以上である(図中に示す「Yes」)と判断した場合、駐車枠進入確信度設定部38が行う処理は、ステップS314へ移行する。
一方、ステップS310において、ステップS300で検出したずれ量が第一閾値未満である(図中に示す「No」)と判断した場合、駐車枠進入確信度設定部38が行う処理は、ステップS316へ移行する。
ステップS312では、ステップS300で検出したずれ量が、予め設定した第二閾値(例えば、150[cm])以上であるか否かを判断する処理(図中に示す「ずれ量≧第二閾値?」)を行う。ここで、第二閾値は、上述した第一閾値よりも大きな値とする。
ステップS312において、ステップS300で検出したずれ量が第二閾値以上である(図中に示す「Yes」)と判断した場合、駐車枠進入確信度設定部38が行う処理は、ステップS318へ移行する。
一方、ステップS312において、ステップS300で検出したずれ量が第二閾値未満である(図中に示す「No」)と判断した場合、駐車枠進入確信度設定部38が行う処理は、ステップS314へ移行する。
ステップS314では、駐車枠進入確信度を低いレベルに設定する処理(図中に示す「進入確信度=低」)を行う。ステップS314において、駐車枠進入確信度を低いレベルに設定する処理を行うと、駐車枠進入確信度設定部38が行う処理は終了(END)する。
ステップS316では、駐車枠進入確信度を高いレベルに設定する処理(図中に示す「進入確信度=高」)を行う。ステップS316において、駐車枠進入確信度を高いレベルに設定する処理を行うと、駐車枠進入確信度設定部38が行う処理は終了(END)する。
ステップS318では、駐車枠進入確信度のレベルを最低値(レベル0)に設定する処理(図中に示す「進入確信度=レベル0」)を行う。ステップS318において、駐車枠進入確信度をレベル0に設定する処理を行うと、駐車枠進入確信度設定部38が行う処理は終了(END)する。
以上説明したように、駐車枠進入確信度設定部38は、駐車枠進入確信度を、最低値の「レベル0」、レベル0よりも高いレベルの「レベル低」、レベル低よりも高いレベルの「レベル高」のうち、いずれかのレベルに設定する処理を行う。
・総合確信度設定部40が行う処理
図1から図12を参照しつつ、図13を用いて、総合確信度設定部40が総合確信度を設定する処理について説明する。
総合確信度設定部40は、駐車枠確信度信号および駐車枠進入確信度信号の入力を受け、駐車枠確信度信号が含む駐車枠確信度と、駐車枠進入確信度信号が含む駐車枠進入確信度を、図13中に示す総合確信度設定マップに適合させる。そして、駐車枠確信度と駐車枠進入確信度に基づき、総合確信度を設定する。
なお、図13は、総合確信度設定マップを示す図である。また、図13中では、駐車枠確信度を「枠確信度」と示し、駐車枠進入確信度を「進入確信度」と示す。また、図13中に示す総合確信度設定マップは、自車両Vの前進走行時に用いるマップである。
総合確信度設定部40が総合確信度を設定する処理の一例として、駐車枠確信度が「レベル3」であり、駐車枠進入確信度が「レベル高」である場合では、図13中に示すように、総合確信度を「高」に設定する。
なお、本実施形態では、一例として、総合確信度設定部40が、総合確信度を設定する処理を行うと、設定した総合確信度を、イグニッションスイッチをオフ状態としてもデータが消去されない記憶部に記憶する処理を行う場合について説明する。ここで、イグニッションスイッチをオフ状態としてもデータが消去されない記憶部とは、例えば、ハードディスクやフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリである。
したがって、本実施形態では、自車両Vの駐車完了後にイグニッションスイッチをオフ状態とし、自車両Vの再発進時にイグニッションスイッチをオン状態とした時点では、直前に設定した総合確信度が記憶されている。このため、自車両Vの再発進時にイグニッションスイッチをオン状態とした時点から、直前に設定した総合確信度に基づく制御を開始することが可能となる。
・加速抑制制御開始タイミング演算部42が行う処理
図1から図13を参照しつつ、図14を用いて、加速抑制制御開始タイミング演算部42が加速抑制制御開始タイミングを演算する処理について説明する。
加速抑制制御開始タイミング演算部42は、総合確信度信号の入力を受け、総合確信度信号が含む総合確信度を、図14中に示す加速抑制条件演算マップに適合させる。そして、総合確信度に基づき、加速抑制制御開始タイミングを演算する。
なお、図14は、加速抑制条件演算マップを示す図である。また、図14中では、「加速抑制条件」の欄において、加速抑制制御開始タイミングを「抑制制御開始タイミング(アクセル開度)」と示す。
加速抑制制御開始タイミング演算部42が行う処理の一例として、総合確信度が「高」である場合では、図14中に示すように、加速抑制制御開始タイミングを、アクセルペダル32の開度が増加して「50%」に達したタイミングに設定する。なお、アクセルペダル32の開度は、アクセルペダル32を最大値まで踏み込んだ(操作した)状態を100%として設定する。
・加速抑制制御量演算部44が行う処理
図1から図14を参照して、加速抑制制御量演算部44が加速抑制制御量を演算する処理について説明する。
加速抑制制御量演算部44は、総合確信度信号の入力を受け、総合確信度信号が含む総合確信度を、図14中に示す加速抑制条件演算マップに適合させる。そして、総合確信度に基づき、加速抑制制御量を演算する。なお、図14中では、「加速抑制条件」の欄において、加速抑制制御量を「抑制量」と示す。
加速抑制制御量演算部44が行う処理の一例として、総合確信度が「高」である場合では、図14中に示すように、加速抑制制御量を、実際のアクセルペダル32の開度に対して、「中」レベルのスロットル開度に抑制される制御量に設定する。なお、本実施形態では、一例として、「中」レベルのスロットル開度を、実際のアクセルペダル32の開度が25%に抑制されるスロットル開度とする。同様に、「小」レベルのスロットル開度を、実際のアクセルペダル32の開度が50%に抑制されるスロットル開度とし、「大」レベルのスロットル開度を、実際のアクセルペダル32の開度が10%に抑制されるスロットル開度とする。
また、加速抑制制御量演算部44は、総合確信度を加速抑制条件演算マップに適合させ、警告音を出力する制御の有無を設定する。なお、警告音を出力する場合、例えば、ナビゲーション装置26が備える表示モニタに、加速抑制制御を作動させている内容の文字情報や記号・発光等の視覚情報を表示してもよい。
(加速抑制指令値演算部10Jで行う処理)
次に、図1から図14を参照しつつ、図15を用いて、加速抑制指令値演算部10Jで行う処理について説明する。
図15は、加速抑制指令値演算部10Jが行う処理を示すフローチャートである。なお、加速抑制指令値演算部10Jは、予め設定したサンプリング時間(例えば、10[msec])毎に、以下に説明する処理を行う。
図15中に示すように、加速抑制指令値演算部10Jが処理を開始(START)すると、まず、ステップS400において、加速抑制制御内容演算部10Iから入力を受けた加速抑制作動条件判断結果信号を参照する。そして、加速抑制作動条件判断結果を取得する処理(図中に示す「加速抑制作動条件判断結果取得処理」)を行う。ステップS400において、加速抑制作動条件判断結果を取得する処理を行うと、加速抑制指令値演算部10Jが行う処理は、ステップS402へ移行する。
ステップS402では、ステップS400において取得した加速抑制作動条件判断結果に加え、加速抑制指令値を演算するための情報を取得する処理(図中に示す「加速抑制指令値演算情報取得処理」)を行う。ステップS402において、加速抑制指令値を演算するための情報を取得する処理を行うと、加速抑制指令値演算部10Jが行なう処理は、ステップS404へ移行する。
なお、加速抑制指令値を演算するための情報とは、例えば、上述した加速抑制制御開始タイミング信号、加速抑制制御量信号、駆動側踏込み量信号、アクセル操作速度信号が含む情報である。
ステップS404では、ステップS400で取得した加速抑制作動条件判断結果が、加速抑制制御作動条件が成立する判断結果か否かを判断する処理(図中に示す「加速抑制制御作動条件成立?」)を行う。
ステップS404において、加速抑制制御作動条件が成立する判断結果である(図中に示す「Yes」)と判断した場合、加速抑制指令値演算部10Jが行なう処理は、ステップS406へ移行する。
一方、ステップS404において、加速抑制制御作動条件が成立しない判断結果である(図中に示す「No」)と判断した場合、加速抑制指令値演算部10Jが行なう処理は、ステップS408へ移行する。
ステップS406では、ステップS402で取得した加速抑制指令値を演算するための情報に基づき、加速抑制制御を行うための加速指令値である加速抑制指令値を演算する処理(図中に示す「加速抑制制御用指令値演算」)を行う。ステップS406において、加速抑制指令値を演算する処理を行うと、加速抑制指令値演算部10Jが行なう処理は、ステップS410に移行する。
ここで、加速抑制指令値を演算する処理では、駆動側踏込み量信号が含むアクセルペダル32の踏込み量と、加速抑制制御量信号が含む加速抑制制御量を参照する。そして、スロットル開度を、実際のアクセルペダル32の開度に対して加速抑制制御量に応じた抑制度合い(図14参照)とする加速抑制制御量指令値を演算する。
さらに、加速抑制指令値を演算する処理では、駆動側踏込み量信号が含むアクセルペダル32の踏込み量と、加速抑制制御開始タイミング信号が含む加速抑制制御開始タイミングを参照する。そして、加速抑制制御開始タイミングを、実際のアクセルペダル32の開度に応じたタイミング(図14参照)とする加速抑制制御開始タイミング指令値を演算する。
そして、加速抑制指令値を演算する処理では、上記のように演算した加速抑制制御量指令値及び加速抑制制御開始タイミング指令値を含む指令値を、加速抑制指令値として演算する。
ステップS408では、加速抑制制御を行なわない駆動力制御、すなわち、通常の加速制御で用いる加速指令値である通常加速指令値を演算する処理(図中に示す「通常加速制御用指令値演算」)を行う。ステップS408において、通常加速指令値を演算する処理を行うと、加速抑制指令値演算部10Jが行なう処理は、ステップS412に移行する。
ここで、通常加速指令値を演算する処理では、駆動側踏込み量信号が含むアクセルペダル32の踏込み量に基づいてスロットル開度を演算する指令値を、通常加速指令値として演算する。
ステップS410では、ステップS406で演算した加速抑制指令値を含む加速抑制指令値信号を、目標スロットル開度演算部10Kに出力する処理(図中に示す「加速抑制指令値出力」)を行う。ステップS410において、加速抑制指令値信号を出力する処理を行うと、加速抑制指令値演算部10Jが行なう処理は終了(END)する。
ステップS412では、ステップS408で演算した通常加速指令値を含む通常加速指令値信号を、目標スロットル開度演算部10Kに出力する処理(図中に示す「通常加速指令値出力」)を行う。ステップS412において、通常加速指令値信号を出力する処理を行うと、加速抑制指令値演算部10Jが行なう処理は終了(END)する。
(目標スロットル開度演算部10Kで行う処理)
次に、図1から図15を参照しつつ、図16を用いて、目標スロットル開度演算部10Kで行う処理について説明する。
図16は、目標スロットル開度演算部10Kが行う処理を示すフローチャートである。なお、目標スロットル開度演算部10Kは、予め設定したサンプリング時間(例えば、10[msec])毎に、以下に説明する処理を行う。
図16中に示すように、目標スロットル開度演算部10Kが処理を開始(START)すると、まず、ステップS500において、アクセル操作量演算部10から入力を受けた駆動側踏込み量信号を参照する。そして、駆動側踏込み量信号が含むアクセルペダル32の踏込み量(操作量)を取得する処理(図中に示す「アクセル操作量取得処理」)を行う。ステップS500において、アクセルペダル32の踏込み量(操作量)を取得する処理を行うと、目標スロットル開度演算部10Kが行う処理は、ステップS502へ移行する。
ステップS502では、加速抑制指令値演算部10Jから入力を受けた情報信号に基づき、抑制有加速抑制指令値(ステップ408参照)、加速抑制指令値(ステップS414参照)または通常加速指令値(ステップS418参照)を取得する処理(図中に示す「指令値取得処理」)を行う。ステップS502において、加速抑制指令値または通常加速指令値を取得する処理を行うと、目標スロットル開度演算部10Kが行う処理は、ステップS504へ移行する。
ステップS504では、ステップS500で取得したアクセルペダル32の踏込み量と、ステップS502で取得した指令値に基づき、目標スロットル開度の演算(図中に示す「目標スロットル開度演算」)を行う。ステップS506において、目標スロットル開度を演算すると、目標スロットル開度演算部10Kが行う処理は、ステップS506へ移行する。
ここで、ステップS504では、ステップS502で取得した指令値が通常加速指令値である場合(加速抑制作動条件が非成立である場合)は、アクセルペダル32の踏込み量に応じたスロットル開度を、目標スロットル開度として演算する。
一方、ステップS502で取得した指令値が加速抑制指令値である場合(加速抑制作動条件が成立している場合)は、加速抑制制御量指令値に応じたスロットル開度を、目標スロットル開度として演算する。
目標スロットル開度は、例えば、以下の式(1)を用いて演算する。
θ*=θ1−Δθ … (1)
上式(1)中では、目標スロットル開度を「θ*」で示し、アクセルペダル32の踏込み量に応じたスロットル開度を「θ1」で示し、加速抑制制御量を「Δθ」で示す。
ステップS506では、ステップS504で演算した目標スロットル開度θ*を含む目標スロットル開度信号を、エンジンコントローラ12に出力(図中に示す「目標スロットル開度出力」)する。ステップS506において、目標スロットル開度信号をエンジンコントローラ12に出力する処理を行うと、目標スロットル開度演算部10Kが行う処理は終了(END)する。
ここで、ステップS506では、ステップS502で取得した指令値が抑制有加速抑制指令値または加速抑制指令値である場合は、アクセルペダル32の開度(踏み込み量)が加速抑制制御開始タイミングに応じた開度に達したタイミングで、目標スロットル開度信号を出力する。
(動作)
次に、図1から図16を参照しつつ、図17および図18を用いて、本実施形態の車両用加速抑制装置1を用いて行う動作の一例を説明する。
まず、駐車場内を走行する自車両Vが、運転者の選択した駐車枠L0に進入する例を説明する。
駐車場内を走行する自車両Vの車速が、閾値車速である15[km/h]以上の状態では、加速抑制制御作動条件が成立しないため、自車両Vには加速抑制制御が作動することなく、運転者の加速意図を反映した通常の加速制御を行う。
車速が閾値車速未満となり、駐車枠L0を検出し、さらに、ブレーキペダル30が操作されておらず、アクセルペダル32の踏込み量が閾値アクセル操作量以上であると、自車両Vが駐車枠L0へ進入するか否かの判断を行う。
また、自車両Vの走行中には、駐車枠確信度設定部36が駐車枠確信度を設定し、駐車枠進入確信度設定部38が駐車枠進入確信度を設定する。そして、総合確信度設定部40が、駐車枠確信度および駐車枠進入確信度に基づく総合確信度を設定する。
さらに、自車両Vの走行中には、総合確信度設定部40が設定した総合確信度に基づき、加速抑制制御開始タイミング演算部42が加速抑制制御開始タイミングを演算し、加速抑制制御量演算部44が加速抑制制御量を演算する。
そして、自車両Vが駐車枠L0へ進入すると判断し、加速抑制制御作動条件が成立すると判断すると、加速抑制指令値演算部10Jが、加速抑制指令値信号を目標スロットル開度演算部10Kへ出力する。さらに、目標スロットル開度演算部10Kが、目標スロットル開度信号をエンジンコントローラ12へ出力する。
このため、加速抑制制御作動条件が成立した状態で、運転者がアクセルペダル32を操作すると、アクセルペダル32の踏み込み量に応じたスロットル開度を、加速抑制制御量指令値に応じた開度に抑制する。これに加え、アクセルペダル32の踏み込み量に応じたスロットル開度を抑制する開始タイミングを、加速抑制制御開始タイミング指令値に応じたタイミングとする。
したがって、自車両Vが駐車枠L0内で駐車に適した位置に近づいた状態等、制動操作が適切な運転操作である状況で、誤操作等によりアクセルペダル32が操作された場合であっても、総合確信度に応じてスロットル開度を抑制することが可能となる。すなわち、総合確信度が低い状態では、加速抑制量(スロットル開度の抑制度合い)が小さいため、運転性の低下を少なくすることが可能となり、総合確信度が高い状態では、加速抑制量が大きいため、自車両Vの加速抑制効果を高くすることが可能となる。
以上説明したように、本実施形態では、駐車時において、駐車枠L0への進入を行う前には駐車場内における運転性低下を抑制することが可能であるとともに、アクセルペダル32の誤操作時における自車両Vの加速を抑制することが可能となる。
また、本実施形態では、総合確信度が高いほど、加速抑制制御量を大きくすることにより、自車両Vの加速を抑制して、安全性を向上させる。また、総合確信度が低いほど、加速抑制制御開始タイミングを遅くして、運転性の低下を抑制する。これにより、以下に示す状況下において、安全性の向上と運転性低下の抑制が可能となる。
例えば、路上において、走行路の脇に縦列駐車用の駐車枠L0が標示されている付近に待機している自車両Vを発進させる状況では、ある程度の加速を許容する必要がある。
また、以下に示す状況下においても、ある程度の加速を許容する必要がある。これは、自車両Vを駐車させる駐車枠L0の両脇(左右の駐車枠)に他車両が存在し、その向かい側(各駐車枠から離れた側)に多少のスペースに自車両Vを前側から進入させる。その後、自車両Vを駐車させる駐車枠L0に自車両Vを後側から進入させて駐車を行う状況である。
これらの状況に対し、総合確信度に基づいて加速抑制制御開始タイミングと加速抑制制御量を制御することにより、自車両Vの加速を抑制して、安全性を向上させることが可能となる。これに加え、自車両Vの加速を許容して、運転性低下を抑制することが可能となる。
次に、自車両Vが公道(非駐車領域)を走行している状態から左折を行った場合の動作例を説明する。
ここで、図17は、自車両Vが公道を走行している状態から左折を行って駐車場に進入した場合の動作例を説明する図である。また、図18は、自車両Vが公道を走行している状態から交差点を左折した場合の動作例を説明する図である。
自車両Vが、図17の(1)に示すように、例えば、時速30[km/h]以上の車速で公道を直進しているとする。この場合は、既に非駐車領域走行フラグがONとなっている状況となる(ステップS612の「Yes」)。この状況において、自車両Vが、図17の(2)に示すように、第1旋回条件を満たす旋回動作(左折)を行って、道路に面した駐車場PAに進入する動作を行ったとする(ステップS616の「Yes」)。これにより、推定駐車領域走行フラグがONに設定される(ステップS618)。また、推定駐車領域走行フラグがONに設定されると、非駐車領域走行フラグがOFFに設定される(ステップS620)。
その後、自車両Vが、図17の(3)に示すように、駐車場PA内において、第2旋回条件を満たす旋回動作(左折)を行って、駐車場PAの備える駐車枠内へと進入する動作を行ったとする(ステップS626の「Yes」)。これにより、確定駐車領域走行フラグがONに設定される(ステップS626)。さらに、確定駐車領域走行フラグがONに設定されると、該ONに設定されてからの自車両Vの走行距離を検出する処理が開始される(ステップS630)。その後、推定駐車領域走行フラグがOFFに設定される(ステップS632)。
これにより、ROM等のメモリに記憶された形状情報に対応する全ての形状パターンが駐車枠の検出対象となる。そのため、図17中の駐車場PA内に存在する図4(a)に示す形状の駐車枠に対してレベル1以上の駐車枠確信度が設定される。
この場合、進入確信度が「0」以外に設定されることで、加速抑制制御作動条件が成立すると判断され、加速抑制指令値演算部10Jが、加速抑制指令値信号を目標スロットル開度演算部10Kへ出力する。さらに、目標スロットル開度演算部10Kが、目標スロットル開度信号をエンジンコントローラ12へ出力する。
このように、加速抑制制御作動条件が成立した状態で、運転者がアクセルペダル32を操作すると、アクセルペダル32の踏み込み量に応じたスロットル開度を、加速抑制制御量指令値に応じた開度に抑制する。これに加え、アクセルペダル32の踏み込み量に応じたスロットル開度を抑制する開始タイミングを、加速抑制制御開始タイミング指令値に応じたタイミングとする。
したがって、自車両Vが駐車枠内で駐車に適した位置に近づいた状態等、制動操作が適切な運転操作である状況で、誤操作等によりアクセルペダル32が操作された場合であっても、総合確信度に応じてスロットル開度を抑制することが可能となる。
つまり、駐車領域であると確定できる領域において、図4に示す形状を含むROM等のメモリに記憶された形状情報に対応する全ての駐車枠に対して、加速抑制制御を作動することが可能となる。
なお、駐車領域PAに進入した自車両Vが、例えば、進入した側の道路とは反対側の道路へ抜ける等して、確定駐車領域走行フラグがONに設定されてからの自車両Vの走行距離(但し、時速30[km/h]未満で走行時)が駐車場内距離閾値(例えば、30[m])以上になったと判定したとする(ステップS634の「Yes」)。これにより、確定駐車領域走行フラグがOFFに設定される(ステップS636)と共に、推定駐車領域走行フラグがONに設定される(ステップS638)。つまり、本実施形態では、確定駐車領域走行フラグがONになってからの走行距離が30[m]以上になった場合、自車両Vの走行領域が、駐車領域として確定できない領域である(換言すると第2旋回条件を満たす旋回動作は駐車のために行われた動作ではない)と判断する。そして、確定駐車領域走行フラグをOFFに設定し、推定駐車領域走行フラグをONに設定して、図4(a)に示す、特定形状の駐車枠(非駐車領域に類似の形状の道路標示が存在する駐車枠)を、駐車枠の検出対象から除外する。
このように、自車両Vが駐車動作と思われる旋回動作を行っても、その後、確定駐車領域走行フラグがONの状態で、駐車場内距離閾値以上の距離を走行した場合に、自車両Vが確定駐車領域を走行していないと判定する。そして、確定駐車領域走行フラグをOFFに設定し、推定駐車領域走行フラグをONに設定する設定変更を行う。これにより、自車両Vの走行領域が駐車領域ではなくて非駐車領域だった場合に、特定形状の駐車枠の誤検出による加速抑制制御の誤作動を低減することが可能となる。
一方、自車両Vが、図18の(1)に示すように、例えば、時速30[km/h]以上の車速で公道を直進しているとする。この場合は、既に非駐車領域走行フラグがONとなっている状況となる(ステップS612の「Yes」)。この状況において、自車両Vが、図18の(2)に示すように、第1旋回条件を満たす旋回動作を行って、交差点を左折する動作を行ったとする。これにより、推定駐車領域走行フラグがONに設定される(ステップS616)。また、左折した先の道路上には、破線の道路白線が標示されているため、自車両Vの前方の俯瞰画像からは、図18中の一点鎖線で囲った拡大図に示すように、図4(a)に示すオープンタイプの駐車枠に類似した形状の道路白線OPLが駐車枠線候補の組として抽出される。そのため、通常では、この道路白線OPLを駐車枠として誤検出する可能性がある。しかし、推定駐車領域走行フラグがONに設定されているため、道路白線OPLは、上述した条件E1を満たす線の組となる。そのため、駐車枠の検出候補から除外される。従って、自車両Vが左折した先において、加速抑制制御作動条件が成立しないため、自車両Vには加速抑制制御が作動することなく、運転者の加速意図を反映した通常の加速制御が行われる。
つまり、駐車領域と確定はできないが推定はできる領域において、非駐車領域に類似の形状が存在する特定形状(例えば、図4(a)に示す形状)の駐車枠を、駐車枠の検出対象から除外する。そして、該特定形状以外の形状の駐車枠を検出した場合にのみ加速抑制制御を作動するようにした。これにより、自車両Vの走行領域が非駐車領域だった場合に、特定形状の駐車枠の誤検出による加速抑制制御の誤作動を低減することが可能となる。
ここで、上述した周囲環境認識センサ14は、撮像部に対応する。
また、上述した駐車枠確信度設定部36が行う駐車枠線候補抽出処理(ステップS204)は、駐車枠線候補抽出部に対応する。
また、上述した駐車枠確信度設定部36が行う駐車枠を検出して駐車枠確信度を設定する一連の処理(ステップS212〜S226)は、駐車枠検出部に対応する。
また、上述したアクセル操作検出センサ24およびアクセル操作量演算部10Gは、駆動力操作量検出部に対応する。
また、上述した加速抑制制御開始タイミング演算部42と、加速抑制制御量演算部44と、加速抑制指令値演算部10Jと、目標スロットル開度演算部10Kは、加速抑制制御部に対応する。
また、上述した自車両車速演算部10B、操舵角演算部10C、走行領域判定部35、駐車枠確信度設定部36は、車両走行状態検出部に対応する。
また、上述した走行領域判定部35が行う非駐車領域を走行中か否かを判定する処理(ステップS602〜S604)は、第1走行領域判定部に対応する。
また、上述した走行領域判定部35が行う第1旋回条件を満たす旋回動作を行ったか否かを判定する処理(ステップS616)は、第2走行領域判定部に対応する。
また、上述した走行領域判定部35が行う第2旋回条件を満たす旋回動作を行ったか否かを判定する処理(ステップS626)は、第2走行領域判定部に対応する。
(実施形態の効果)
本実施形態であれば、以下に記載する効果を奏することが可能となる。
(1)上述した自車両車速演算部10B、操舵角演算部10C、走行領域判定部35、駐車枠確信度設定部36が、自車両Vの走行状態を検出する。走行領域判定部35が、車両走行状態の検出結果に基づき、自車両Vが駐車を行う領域である駐車領域以外の走行領域である非駐車領域を走行しているか否かを判定する。走行領域判定部35が、走行状態の検出結果と、非駐車領域を走行しているか否かの判定結果とに基づき、自車両Vが非駐車領域を走行していると判定している状態(非駐車領域走行フラグがONに設定されている状態)から、予め設定した第1旋回条件の成立する旋回動作を行ったか否かを判定する。走行領域判定部35が、第1旋回条件の成立する旋回動作を行ったと判定すると、自車両Vが駐車領域と推定される領域である推定駐車領域を走行していると判定する(推定駐車領域走行フラグをONに設定する)。周囲環境認識センサ14が、自車両周囲の領域を撮像した撮像画像を取得する。駐車枠確信度設定部36が、撮像画像から路面上に位置する線を駐車枠線の候補として抽出する。駐車枠確信度設定部36が、推定駐車領域の走行判定結果と、ROM等のメモリに予め記憶されている非駐車領域の路面上に類似の形状が存在する特定形状の駐車枠の形状情報を含む、予め設定した複数種類の検出対象の駐車枠の形状情報とに基づき、抽出した駐車枠線候補から駐車枠を検出する。アクセル操作検出センサ24およびアクセル操作量演算部10Gが、アクセルペダル32の操作量(駆動力操作量)を検出する。加速抑制制御開始タイミング演算部42と、加速抑制制御量演算部44と、加速抑制指令値演算部10Jと、目標スロットル開度演算部10Kが、駐車枠確信度設定部36で抽出した駐車枠に基づき、アクセル操作検出センサ24およびアクセル操作量演算部10Gが検出した駆動力操作量に応じた加速指令値(スロットル開度)を抑制する加速抑制制御を実施する。駐車枠確信度設定部36が、自車両Vが推定駐車領域を走行していると判定(推定駐車領域走行フラグがONに設定されていると判定)すると、ROM等のメモリに記憶された複数種類の検出対象の駐車枠の形状情報のうち、特定形状の駐車枠の形状情報に対応する駐車枠を、駐車枠の検出対象から除外する。
つまり、自車両Vが駐車領域と推定される領域を走行していると判定すると、非駐車領域に類似の形状が存在する特定形状の駐車枠を、駐車枠の検出対象から除外することで、特定形状の駐車枠を加速抑制制御の制御対象から除外する。
これによって、自車両Vが走行している領域が駐車領域ではなく非駐車領域だった場合における、特定形状の駐車枠の誤検出による加速抑制制御の誤作動を低減することが可能となる。
(2)前記駐車枠確信度設定部36が、走行領域判定部35の判定結果に基づき、自車両Vが非駐車領域を走行していると判定すると、駐車枠の検出を行わないようになっている。
これによって、自車両Vが非駐車領域を走行していると判定中は、加速抑制制御が実施されなくなるので、自車両Vが非駐車領域を走行中に加速抑制制御が誤作動するのを防ぐことが可能となる。
(3)走行領域判定部35が、自車両Vが推定駐車領域を走行していると判定している状態から、予め設定した第2旋回条件の成立する旋回動作を行ったと判定すると、自車両Vが駐車領域と確定できる領域である確定駐車領域を走行していると判定する。駐車枠確信度設定部36が、自車両Vが確定駐車領域を走行していると判定すると、ROM等のメモリに予め記憶されている全ての形状情報に対応する駐車枠を、駐車枠の検出対象とする。
これによって、推定駐車領域では、特定形状の駐車枠に対して加速抑制制御を実施しないように制限しつつ、駐車領域であると確定できる確定駐車領域では、検出対象の全ての駐車枠に対して、加速抑制制御を適切に実施することが可能となる。
(4)走行領域判定部35が、自車両Vが確定駐車領域を走行していると判定している状態中の該自車両Vの走行距離を検出し、この検出結果に基づき、該走行距離が予め設定した駐車場内距離閾値(例えば、30[m])以上であると判定すると、自車両Vが確定駐車領域を走行しているという判定内容を、自車両Vが推定駐車領域を走行しているという判定内容に変更する。
つまり、自車両Vが第2旋回条件を満たす旋回動作を行って確定駐車領域を走行していると判定されても、その後、自車両Vが駐車場内距離閾値以上の距離を走行した場合に、自車両Vが駐車領域とは確定できない領域(推定駐車領域)を走行していると判定する。このように、自車両Vが確定駐車領域を走行していると判定した場合でも、その後の走行距離に応じて、判定内容を変更するようにしたので、自車両Vが非駐車領域を走行している場合の特定形状の駐車枠の誤検出による加速抑制制御の誤作動をより低減することが可能となる。
(5)走行領域判定部35が、運転者が操舵をするために操作するステアリングホイール28の回転角(操舵角)等を含む旋回判定用情報を取得し、取得した旋回判定用情報に基づき、旋回状態として、自車両Vの旋回半径及び旋回角度を検出する。そして、第1旋回条件を、自車両Vの旋回半径が予め設定した第1半径閾値(例えば、30[m])以下で且つ自車両Vの旋回角度が予め設定した第1旋回角度閾値(例えば、40[°])以上になったと判定すると成立するようにした。また、第2旋回条件を、自車両Vの旋回半径が予め設定した第1半径閾値よりも小さい第2半径閾値(例えば、15[m])以下で且つ自車両の旋回角度が予め設定した第2旋回角度閾値(例えば、40[°])以上になったと判定すると成立するようにした。
ここで、例えば、公道を走行している状態の車両が道路に面した駐車場に進入するために行う旋回動作と、車両が駐車場内において駐車枠内に自車両を駐車するために行う旋回動作とは、少なくとも旋回半径が異なる。つまり、駐車場に進入する際の旋回半径の方が、駐車枠内に駐車をする際の旋回半径よりも大きくなる。従って、少なくとも第1半径閾値を第2半径閾値よりも大きな適切な値に設定することで、自車両Vが推定駐車領域または確定駐車領域を走行しているか否かの判定精度を向上することが可能となる。
(6)特定形状の駐車枠に対応する形状情報として、対向する平行な2本の線のみから構成される駐車枠に対応する形状情報を含むようにした。
ここで、公道の路面上には、破線の道路白線などの対向する平行な2本の線のみから構成される駐車枠に類似の道路標示が比較的多く存在する。このような道路標示を特定形状の駐車枠に対応する形状情報として含ませることで、推定駐車領域として判定した領域が非駐車領域だった場合において、加速抑制制御が誤作動する確率をより低減することが可能となる。
(7)走行領域判定部35が、自車両の車速が予め設定した車速閾値(例えば、30[km/h])以上であると判定すると、自車両Vが非駐車領域を走行していると判定する。
つまり、駐車領域内、特に駐車動作を行っているときには車両の車速は比較的低速となる。従って、例えば、時速30[km/h]以上等の駐車動作中では通常発生しない速度で走行しているような場合に、非駐車領域を走行していると判定することで、容易にかつ比較的高い精度で自車両Vが非駐車領域を走行していることを判定することが可能となる。
(8)走行領域判定部35が、自車両Vの前方に存在する交差点を検出したと判定すると、自車両Vが非駐車領域を走行していると判定する。
自車両Vの前方に交差点がある場合、車両は、比較的高い確率で公道等の非駐車領域を走行している状態にある。従って、自車両の前方に交差点を検出した場合に、非駐車領域を走行していると判定することで、容易にかつ比較的高い精度で自車両Vが非駐車領域を走行していることを判定することが可能となる。
(9)走行領域判定部35が、駐車枠確信度設定部36が抽出した駐車枠線候補に基づき路面上に位置する対向する平行な2本の線の線間距離及び線長を抽出する。走行領域判定部35が、線間距離が予め設定した第1線間距離範囲(例えば、3.0[m]〜5.0[m])内となり且つ線長が予め設定した第1線長閾値(例えば、7[m])以上となる前記2本の線を抽出したと判定したとする。または、走行領域判定部35が、線間距離が予め設定した第1線間距離範囲よりも広い第2線間距離範囲(例えば、2.5[m]〜5.0[m])内となり且つ線長が予め設定した第1線長閾値よりも長い第2線長閾値(例えば、15[m])以上となる前記2本の線を抽出したと判定したとする。走行領域判定部35が、これらの少なくとも一方が成立した場合に、自車両Vが非駐車領域を走行していると判定する。
ここで、路面上に位置する、駐車枠の幅の範囲内の2本の線の線長が、駐車枠を構成する線の長さと比較して十分に長い場合、その2本の線は駐車枠の可能性が低く、路面上の道路白線の可能性が高い。このような2本の線を抽出したと判定した場合に、自車両Vが非駐車領域を走行していると判定するようにした。これにより、自車両Vが非駐車領域を走行していることを比較的高い精度で判定することが可能となる。
(10)走行領域判定部35が、駐車枠確信度設定部36が抽出した駐車枠線候補に基づき路面上に位置する線の線長を検出する。走行領域判定部35が、線間距離が予め設定した第2線長閾値よりも長い第3線長閾値(例えば、15[m])以上となる線を検出したと判定すると、自車両Vが非駐車領域を走行していると判定する。
つまり、路上に位置する線から道路中央線のような一続きの長い線を検出した場合に、自車両Vが非駐車領域を走行していると判定するようにした。これにより、自車両Vが非駐車領域を走行していることを比較的高い精度で判定することが可能となる。
(11)走行領域判定部35が、自車両Vの連続走行距離が予め設定した走行距離閾値(例えば、100[m])以上であると判定すると、自車両Vが非駐車領域を走行していると判定する。
一般に、駐車を行おうとしている車両の連続走行距離は比較的短くなる。従って、走行距離閾値として例えば100[m]等の比較的長い距離値を設定し、自車両Vがこの走行距離閾値以上の連続走行距離を走行したと判定した場合に、自車両Vが非駐車領域を走行していると判定するようにした。これにより、自車両Vが非駐車領域を走行していることを容易かつ比較的高精度に判定することが可能となる。
(変形例)
(1)本実施形態では、自車両Vが、非駐車領域を走行していると判定中に第1旋回条件を満たす旋回動作を行ったと判定すると、自車両Vが推定駐車領域を走行していると判定する。加えて、自車両Vが推定駐車領域を走行していると判定中に第2旋回条件を満たす旋回動作を行ったと判定すると、確定駐車領域を走行していると判定する構成としたが、これに限定するものではない。例えば、自車両Vが、非駐車領域を走行していると判定中に、駐車支援装置の作動スイッチが押された際に、自車両Vが推定駐車領域を走行している判定内容へと補正する構成としてもよい。また、自車両Vが、推定駐車領域を走行していると判定中に駐車支援装置の作動スイッチが押された際に、自車両Vが確定駐車領域を走行している判定内容へと補正する構成としてもよい。ここで、駐車支援装置は、例えば、駐車をするための画面表示の切り替えを行う装置(AVM(Around View Monitor)、駐車ガイド等)が該当する。また、駐車支援装置は、例えば、駐車行為をアシストする制御をする装置もしくはアシスト制御をする設定画面を表示する装置(IPA(Intelligent Parking Assist ))などが該当する。具体的には、これらの駐車支援装置のスイッチ(機械式スイッチ、タッチパネル、GUIによる画像上のスイッチ等を含む)が押されたことによって、公道等の非駐車領域から駐車領域と推定できる推定駐車領域へ、または推定駐車領域から駐車領域と確定できる確定駐車領域へと移行するように設定をする。なお、非駐車領域から、推定駐車領域を経由せずに、いきなり確定駐車領域へと移行する構成としてもよい。
(2)本実施形態では、総合確信度設定部40が設定した総合確信度に基づいて、加速抑制制御開始タイミングと加速抑制制御量を演算したが、これに限定するものではない。すなわち、駐車枠確信度設定部36が設定した駐車枠確信度のみに基づいて、加速抑制制御開始タイミングと加速抑制制御量を演算してもよい。この場合、加速抑制制御開始タイミングと加速抑制制御量は、駐車枠確信度を、例えば、図19中に示す加速抑制条件演算マップに適合させて演算する。なお、図19は、本実施形態の変形例を示す図である。
(3)本実施形態では、駐車枠確信度設定部36の構成を、自車両Vの周囲の俯瞰画像(環境)と自車両Vの車速(走行状態)に基づいて、駐車枠確信度を設定する構成としたが、駐車枠確信度設定部36の構成は、これに限定するものではない。すなわち、駐車枠確信度設定部36の構成を、自車両Vの周囲の俯瞰画像と車速に加え、さらに、自車位置信号が含む自車両Vの現在位置と、走行道路情報信号が含む自車両Vが走行する道路の種別(道路種別)を用いて、駐車枠確信度を設定する構成としてもよい。
この場合、例えば、自車位置信号および走行道路情報信号が含む情報に基づき、自車両Vの現在位置が公道上であることを検出すると、自車両Vの周囲に駐車枠L0が存在しないと判断し、駐車枠確信度を「レベル0」に設定する。
これにより、例えば、公道上で道路端に配置された駐車枠等、加速抑制制御の作動が好ましくない駐車枠へ自車両Vが進入する際に、自車両Vの運転性低下を抑制することが可能となる。
(4)本実施形態では、駐車枠確信度設定部36が、線La,Lbに対し、それぞれ、端点同士が幅WLの方向に沿って対向していると判断すると、駐車枠確信度をレベル3またはレベル4に設定する処理を行う(ステップS230参照)。しかしながら、駐車枠確信度をレベル3またはレベル4に設定する処理は、これに限定するものではない。すなわち、線Lの端点形状が、例えば、U字状(図4(g)〜(k)、(m)、(n)を参照)である場合等、公道上に標示されていない形状であることを認識すると、駐車枠確信度をレベル3またはレベル4に設定してもよい。
(5)本実施形態では、駐車枠確信度設定部36の構成を、自車両Vの周囲の俯瞰画像(環境)と自車両Vの車速(走行状態)に基づいて、駐車枠確信度を設定する構成としたが、駐車枠確信度設定部36の構成は、これに限定するものではない。すなわち、自車両Vの構成が、例えば、運転者に対して駐車枠L0への操舵操作を支援する装置(駐車支援装置)を備える構成である場合、駐車支援装置がON状態であれば、駐車枠確信度のレベルが上がりやすくなる構成としてもよい。ここで、駐車枠確信度のレベルが上がりやすくなる構成とは、例えば、上述した設定移動距離を通常よりも短い距離に設定する等の構成である。
(6)本実施形態では、総合確信度に基づいて、加速抑制制御量および加速抑制制御開始タイミングを変化させ、加速指令値の抑制度合いを変化させるが、これに限定するものではない。すなわち、総合確信度に応じて、加速抑制制御開始タイミングのみ、または、加速抑制制御量のみを変化させ、加速指令値の抑制度合いを変化させてもよい。この場合、例えば、総合確信度が高いほど、加速抑制制御量の大きく設定し、加速抑制制御開始タイミングは変化させずに、加速指令値の抑制度合いを高くしてもよい。
(7)本実施形態では、加速指令値を制御して、アクセルペダル32の踏込み量(駆動力操作量)に応じた自車両Vの加速を抑制したが、これに限定するものではない。すなわち、例えば、アクセルペダル32の踏込み量(駆動力操作量)に応じたスロットル開度を目標スロットル開度とし、さらに、上述した制動装置により制動力を発生させて、駆動力操作量に応じた自車両Vの加速を抑制してもよい。
(8)本実施形態は、本発明の好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、上記の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。また、上記の説明で用いる図面は、図示の便宜上、部材ないし部分の縦横の縮尺は実際のものとは異なる模式図である。また、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良、均等物等は本発明に含まれるものである。
1 車両用加速抑制装置
2 ブレーキ装置
4 流体圧回路
6 ブレーキコントローラ
8 エンジン
10 走行制御コントローラ
10A 周囲環境認識情報演算部
10B 自車両車速演算部
10C 操舵角演算部
10D 操舵角速度演算部
10E シフトポジション演算部
10F ブレーキペダル操作情報演算部
10G アクセル操作量演算部
10H アクセル操作速度演算部
10I 加速抑制制御内容演算部
10J 加速抑制指令値演算部
10K 目標スロットル開度演算部
12 エンジンコントローラ
14 周囲環境認識センサ(前方カメラ14F、右側方カメラ14SR、左側方カメラ14SL、後方カメラ14R)
16 車輪速センサ
18 操舵角センサ
20 シフトポジションセンサ
22 ブレーキ操作検出センサ
24 アクセル操作検出センサ
26 ナビゲーション装置
28 ステアリングホイール
30 ブレーキペダル
32 アクセルペダル
34 加速抑制作動条件判断部
36 駐車枠確信度設定部
38 駐車枠進入確信度設定部
40 総合確信度設定部
42 加速抑制制御開始タイミング演算部
44 加速抑制制御量演算部
V 自車両
W 車輪(右前輪WFR、左前輪WFL、右後輪WRR、左後輪WRL)

Claims (10)

  1. 自車両が駐車を行う領域である駐車領域以外の走行領域である非駐車領域を走行しているか否かを判定する第1走行領域判定部と、
    前記第1走行領域判定部の判定結果に基づき、自車両が前記非駐車領域を走行していると判定している状態から、予め設定した第1旋回条件の成立する旋回動作を行ったと判定すると、自車両が前記駐車領域と推定される領域である推定駐車領域を走行していると判定する第2走行領域判定部と、
    自車両周囲の領域を撮像した撮像画像を取得する撮像部と、
    前記撮像画像から路面上に位置する線を駐車枠線の候補として抽出する駐車枠線候補抽出部と
    記第2走行領域判定部の判定結果に基づき、前記駐車枠線候補抽出部で抽出した前記駐車枠線候補から駐車枠を検出する駐車枠検出部と、
    自車両の運転者が操作して該自車両の駆動力を指示する駆動力指示操作子の操作量である駆動力操作量を検出する駆動力操作量検出部と、
    前記駐車枠検出部が検出した前記駐車枠に基づき、前記駆動力操作量検出部が検出した駆動力操作量に応じた加速を抑制する制御である加速抑制制御を実施する加速抑制制御部と、を備え、
    前記第2走行領域判定部は、自車両が前記推定駐車領域を走行していると判定している状態から、予め設定した第2旋回条件の成立する旋回動作を行ったと判定すると、自車両が前記駐車領域と確定できる領域である確定駐車領域を走行していると判定し、
    前記駐車枠検出部は、自車両が前記推定駐車領域を走行していると判定すると、前記非駐車領域の路面上に存在する道路標示の形状と類似する形状の駐車枠を、前記駐車枠検出する対象から除外し、
    自車両が前記確定駐車領域を走行していると判定すると、前記道路標示の形状と類似する形状の駐車枠を含む駐車枠を検出対象とする、
    ことを特徴とする車両用加速抑制装置。
  2. 前記駐車枠検出部は、前記第1走行領域判定部の判定結果に基づき、自車両が前記非駐車領域を走行していると判定すると、前記駐車枠の検出を行わないようになっていることを特徴とする請求項1に記載の車両用加速抑制装置。
  3. 前記第2走行領域判定部は、前第2走行領域判定部が前記確定駐車領域を走行していると判定している状態中の自車両の走行距離が予め設定した第1走行距離閾値以上であると判定すると、自車両が前記確定駐車領域を走行しているという判定内容を、自車両が前記推定駐車領域を走行しているという判定内容に変更することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用加速抑制装置。
  4. 前記第1旋回条件は、操舵操作子の操舵操作量に基づき検出した自車両の旋回半径が予め設定した第1半径閾値以下で且つ前記操舵操作量に基づき検出した自車両の旋回角度が予め設定した第1旋回角度閾値以上になったと判定すると成立し、
    前記第2旋回条件は、自車両の旋回半径が予め設定した前記第1半径閾値よりも小さい第2半径閾値以下で且つ自車両の旋回角度が予め設定した第2旋回角度閾値以上になったと判定すると成立することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の車両用加速抑制装置。
  5. 前記道路標示の形状と類似する形状の駐車枠は、対向する平行な2本の線のみから構成される駐車枠であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の車両用加速抑制装置。
  6. 前記第1走行領域判定部は、自車両の車速が予め設定した車速閾値以上であると判定すると、自車両が前記非駐車領域を走行していると判定することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の車両用加速抑制装置。
  7. 前記第1走行領域判定部は、自車両の前方に存在する交差点を検出したと判定すると、自車両が前記非駐車領域を走行していると判定することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の車両用加速抑制装置。
  8. 前記第1走行領域判定部は、前記駐車枠線候補抽出部が抽出した路面上に対向する平行な2本の線の間の距離である線間距離が予め設定した第1線間距離範囲内となり且つ前記2本の線の線長が予め設定した第1線長閾値以上となると判定するか、または、前記線間距離が予め設定した前記第1線間距離範囲よりも広い第2線間距離範囲内となり且つ前記線長が予め設定した前記第1線長閾値よりも長い第2線長閾値以上となると判定すると、自車両が前記非駐車領域を走行していると判定することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の車両用加速抑制装置。
  9. 前記第1走行領域判定部は、前記線間距離が予め設定した前記第2線長閾値よりも長い第3線長閾値以上となる線を検出したと判定すると、自車両が前記非駐車領域を走行していると判定することを特徴とする請求項に記載の車両用加速抑制装置。
  10. 前記第1走行領域判定部は、自車両の連続走行距離が予め設定した第2走行距離閾値以上であると判定すると、自車両が前記非駐車領域を走行していると判定することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の車両用加速抑制装置。
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