JP2021085375A - 車両制御システム、および、車両制御装置 - Google Patents

車両制御システム、および、車両制御装置 Download PDF

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裕昌 太場
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平司郎 豊田
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Abstract

【課題】 駐車場において、誤踏み操作による事故を適正に低減する。【解決手段】 駆動力ECU20は、駐車場の入口通信機100Aから送信されたDSRC信号を車載通信機71が受信することによって自車両の駐車場への入場を検知し、駐車場の出口通信機100Bから送信されたDSRC信号を車載通信機71が受信することによって自車両の駐車場からの退場を検知する。駆動力ECU20は、自車両の駐車場への入場が検知されてから自車両の駐車場からの退場が検知されるまでの期間中、アクセルペダル操作に応じて発生する自車両の駆動力を抑制する、あるいは、自車両の車速を低車速上限値以下に制限する。【選択図】 図1

Description

本発明は、ドライバーの誤ったペダル操作による事故を低減する車両制御システム、および、車両制御装置に関する。
従来から、ドライバーがブレーキペダルを踏む意図を有しながら誤ってアクセルペダルを踏み込んでしまう操作である誤踏み操作が行われたか否かを判定し、誤踏み操作が行われたと判定された場合に、車両の駆動力を抑制する車両制御装置が知られている。例えば、特許文献1に提案された運転支援装置は、車両の急発進が検知された場合に、誤踏み操作が行われた可能性があるとして、駆動力を抑制する。
特開2013−155631号公報
しかしながら、ドライバーが意図して行ったアクセルペダル操作なのか、誤踏み操作なのかを正しく判定することは難しい。例えば、特許文献1に提案された装置では、ドライバーが車両を急加速させようとしてアクセルペダルを強く踏み込んだ場合には、誤踏み操作と判定されてしまい、ドライバーの望む加速が得られない。
誤踏み操作による事故は、主に、駐車場で発生している。
そこで、本発明は、駐車場において、誤踏み操作による事故を適正に低減することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の車両制御システムの特徴は、
ドライバーのアクセルペダル操作に応じた駆動力を発生する車両に適用される車両制御システムにおいて、
狭域通信システムを使って、自車両の駐車場への入場と、前記自車両の前記駐車場からの退場とを検知する入退場検知手段(100A,100B,70,71,S12,S14)と、
前記入退場検知手段によって前記自車両の駐車場への入場が検知されてから前記自車両の前記駐車場からの退場が検知されるまでの期間中、前記アクセルペダル操作に応じて発生する前記自車両の駆動力を抑制する、あるいは、前記自車両の車速を低車速上限値以下に制限する駆動制限手段(20,S22,S42)と
を備えたことにある。
本発明の車両制御システムは、ドライバーのアクセルペダル操作に応じた駆動力を発生する車両に適用され、入場検知手段と、駆動制限手段とを備えている。入場検知手段は、狭域通信システムを使って、自車両の駐車場への入場と、自車両の駐車場からの退場とを検知する。狭域通信システムは、DSRC(狭域通信:Dedicated Short Range Communication)システムと呼ばれ、車載器と路側機との間を無線通信で結ぶことにより、各種のサービスを行うシステムである。例えば、ETC(Electronic Toll Collection)は、その代表例である。
従って、車載器と、駐車場に設けられた路側機との間の、狭いエリアにおける無線通信によって、自車両の駐車場への入場と、自車両の駐車場からの退場とを検知することができる。
誤踏み操作による事故は、主に駐車場内で発生する。誤踏み操作が行われた状況においては、ドライバーは、ブレーキペダルを踏んでいるつもりでいるため、アクセルペダルを強く踏み込んでしまう。そのため、ドライバーの意に反して自車両が急加速してしまう。そこで、駆動制限手段は、入退場検知手段によって自車両の駐車場への入場が検知されてから自車両の駐車場からの退場が検知されるまでの期間中、アクセルペダル操作に応じて発生する自車両の駆動力を抑制する、あるいは、自車両の車速を低車速上限値以下に制限する。
入退場検知手段によって自車両の駐車場への入場が検知されてから自車両の駐車場からの退場が検知されるまでの期間中は、自車両が駐車場に存在している期間である。従って、自車両が駐車場に存在している期間中は、アクセルペダル操作に応じて発生する自車両の駆動力が抑制される。つまり、通常時に比べて、アクセルペダル操作量に応じて決定される駆動力が小さくなる。従って、ドライバーが強くアクセルペダルを踏み込んでも自車両が急加速しない。
あるいは、自車両が駐車場に存在している期間中は、自車両の車速が低車速上限値を超えないように制限される。この低車速上限値は、駐車場で誤踏み操作が発生しても、大事故とならないような予め設定した上限車速である。例えば、低車速上限値は、時速15km程度である。従って、ドライバーが強くアクセルペダルを踏み込んでも、車速は、低車速上限値を超えない。尚、駆動制限手段は、アクセルペダル操作に応じて発生する自車両の駆動力抑制と、自車両の車速を低車速上限値以下に制限する車速制限との両方を実施してもよい。
この結果、本発明の車両制御システムによれば、自車両が駐車場内に存在していることを適切に認識することができ、駐車場内における誤踏み操作による事故を低減する(事故の発生頻度を低減する、あるいは、事故の被害程度を小さくする)ことができる。
本発明の車両制御システムは、更に、以下のように構成されていることが好ましい。
例えば、
前記駐車場には、前記駐車場の入口エリアと出口エリアとに狭域通信信号(狭域通信システムで使用される無線信号)を送信する外部通信手段(例えば、路側機)が設けられ、
前記自車両は、前記外部通信装置から送信された狭域通信信号を受信する車載通信手段を備え、
前記入退場検知手段は、前記車載通信手段が前記駐車場の入口エリアで前記狭域通信信号を受信することによって前記自車両の駐車場への入場を検知し、前記車載通信手段が前記駐車場の出口エリアで前記狭域通信信号を受信することによって前記自車両の駐車場からの退場を検知するように構成されているとよい。
本発明は、車両制御システムに限らず、車両に搭載される車両制御装置に適用することができる。
本発明の車両制御装置の特徴は、
ドライバーのアクセルペダル操作に応じた駆動力を発生する車両に搭載される車両制御装置において、
駐車場の入口エリアと出口エリアとに狭域通信信号を送信する外部通信装置が送信した前記狭域通信信号を受信する車載通信手段(71)と、
前記車載通信手段が受信した前記狭域通信信号に基づいて、自車両の前記駐車場への入場と、前記自車両の前記駐車場からの退場とを検知する入退場検知手段(S12,S14)と、
前記入退場検知手段によって前記自車両の駐車場への入場が検知されてから前記自車両の前記駐車場からの退場が検知されるまでの期間中、前記アクセルペダル操作に応じて発生する前記自車両の駆動力を抑制する、あるいは、前記自車両の車速を低車速上限値以下に制限する駆動制限手段(20,S22,S42)と
を備えたことにある。
本発明の車両制御装置は、ドライバーのアクセルペダル操作に応じた駆動力を発生する車両に搭載され、車載通信手段と入退場検知手段と駆動制限手段とを備えている。車載通信手段は、外部通信装置が送信した狭域通信信号を受信する。外部通信装置は、自車両の外部に設けられた通信装置であって、駐車場の入口エリアと出口エリアとに狭域通信信号を送信する。例えば、外部通信装置は、駐車場の入口と出口とにそれぞれ設けられる。例えば、駐車場の入口に設けられる外部通信装置は、自車両が駐車場の入口を通過したことを表す狭域通信信号を送信する。また、例えば、駐車場の出口に設けられる外部通信装置は、自車両が駐車場の出口を通過したことを表す狭域通信信号を送信する。
入退場検知手段は、車載通信手段が受信した狭域通信信号に基づいて、自車両の駐車場への入場と、自車両の前記駐車場からの退場とを検知する。
駆動制限手段は、入退場検知手段によって自車両の駐車場への入場が検知されてから自車両の駐車場からの退場が検知されるまでの期間中、アクセルペダル操作に応じて発生する自車両の駆動力を抑制する、あるいは、自車両の車速を低車速上限値以下に制限する。従って、ドライバーが強くアクセルペダルを踏み込んでも自車両が急加速しない。あるいは、ドライバーが強くアクセルペダルを踏み込んでも、車速は、低車速上限値を超えない。
この結果、本発明の車両制御装置によれば、自車両が駐車場内に存在していることを適切に認識することができ、駐車場内における誤踏み操作による事故を低減する(事故の発生頻度を低減する、あるいは、事故の被害程度を小さくする)ことができる。
本発明の車両制御装置は、更に、以下のように構成されていることが好ましい。
例えば、
車両制御装置は、
前記車載通信手段が受信した狭域通信信号に基づいて、前記自車両の前記駐車場への入場を検知した場合には、前記自車両の前記駐車場への入場を検知したことを表す情報をイグニッションスイッチがオフした後も記憶保持する入場情報記憶保持手段(S13)
を備えているとよい。
自車両が駐車場に入場してから退場するまでの間には、イグニッションスイッチがオフすることが考えられる。そこで、入場情報記憶保持手段が、車載通信手段が受信した狭域通信信号に基づいて、自車両の駐車場への入場を検知した場合には、自車両の駐車場への入場を検知したことを表す情報をイグニッションスイッチがオフした後も記憶保持する。これにより、自車両の駐車場への入場が検知されてから自車両の駐車場からの退場が検知されるまでの期間を適切に検知することができる。
本発明の車両制御装置は、更に、以下のように構成されていることが好ましい。
例えば、
車両制御装置は、
前記駆動制限手段を機能させないようにするためのキャンセル操作手段(35)を備え、
前記キャンセル操作手段は、前記入退場検知手段によって前記自車両の駐車場への入場が検知されてから前記自車両の前記駐車場からの退場が検知されるまでの期間中に限って、その操作が受け付けられるように構成されている(S53)とよい。
例えば、駐車場内に急な登勾配がある場合などでは、大きな駆動力を要することがある。また、広い駐車場を走行する場合などでは、低車速上限値よりも高い車速で自車両を移動させたいとの要求がある。そこで、駆動制限手段を機能させないようにするためのキャンセル操作手段を備えているとよい。このキャンセル操作手段は、入退場検知手段によって自車両の駐車場への入場が検知されてから自車両の駐車場からの退場が検知されるまでの期間中に限って、キャンセル操作を受け付けて駆動制限手段を機能させないようにする。従って、ドライバーが、常に駆動制限手段を機能させないように設定することはできない。このため、使い勝手の向上を図りつつ、駐車場内における誤踏み操作による事故を低減することができる。
本発明の車両制御装置は、更に、以下のように構成されていることが好ましい。
例えば、
車両制御装置は、
前記駆動制限手段は、前記入退場検知手段によって前記自車両の駐車場への入場が検知されてから前記自車両の前記駐車場からの退場が検知されるまでの期間中、前記アクセルペダル操作に応じて発生する前記自車両の駆動力を抑制するように構成され、
前記自車両の傾斜勾配を検知する勾配検知手段(34)と、
前記勾配検知手段によって設定勾配よりも大きな登勾配が検知されている場合は、前記駆動制限手段による駆動力の抑制程度を小さくする駆動力抑制低減手段(S33)と
を備えているとよい。
例えば、駐車場内に急な登勾配がある場合などでは、大きな駆動力を要する。そこで、勾配検知手段は、自車両の傾斜勾配を検知する。駆動力抑制低減手段は、勾配検知手段によって設定勾配よりも大きな登勾配が検知されている場合は、駆動制限手段による駆動力の抑制程度を小さくする。この「駆動力の抑制程度を小さくする」とは、駆動力の抑制を行わない構成も含んでもよい。また、例えば、登勾配が大きいほど、駆動力の抑制程度を小さくしてもよい。これにより、立体駐車場など駐車場内に急な登勾配がある場合でも、自車両を登勾配に打ち勝って走行させることができる。
上記説明においては、発明の理解を助けるために、実施形態に対応する発明の構成要件に対して、実施形態で用いた符号を括弧書きで添えているが、発明の各構成要件は、前記符号によって規定される実施形態に限定されるものではない。
本発明の実施形態に係る車両制御システムの概略構成図である。 車両制御システムが設けられる駐車場の平面図である。 駐車場DSRC通信機の設置状態を表す正面図である。 目標開度マップ(通常目標開度マップ、駆動力抑制目標開度マップ)を表すグラフである。 他の駆動力抑制目標開度マップを表すグラフである。 駐車場内判定ルーチンを表すフローチャートである。 駆動力制御切替ルーチンを表すフローチャートである。 駆動力抑制目標開度マップ(勾配小駆動力抑制目標開度マップ、勾配大駆動力抑制目標開度マップ)を表すグラフである。 駆動力抑制マップ選択ルーチンを表すフローチャートである。 車速上限切替ルーチンを表すフローチャートである。 キャンセル操作受け付けルーチンを表すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態に係る車両制御システムについて図面を参照しながら説明する。
本発明の実施形態に係る車両制御システム1は、車両(以下において、他の車両と区別するために、「自車両」と呼ぶこともある。)に適用され、図1に示すように、車両制御装置10と、駐車場DSRC通信機100Aと、駐車場DSRC通信機100Bとから構成される。車両制御装置10は、自車両に搭載される。駐車場DSRC通信機100Aは、図2に示すように、駐車場110の入口120Aに設けられ、駐車場DSRC通信機100Bは、駐車場110の出口120Bに設けられる。
車両制御装置10から説明する。車両制御装置10は、自車両の駆動力を制御する駆動力ECU20を備えている。駆動力ECU20は、マイクロコンピュータを主要部として備える電気制御装置(Electronic Control Unit)であり、図示しないCAN(Controller Area Network)を介して、他のECU(例えば、ブレーキ制動力を制御するブレーキECU)などと相互に情報を送信可能および受信可能に接続されている。本明細書において、マイクロコンピュータは、CPU、ROM、RAM、不揮発性メモリおよびインターフェースI/F等を含む。CPUはROMに格納されたインストラクション(プログラム、ルーチン)を実行することにより各種機能を実現するようになっている。
駆動力ECU20には、アクセル操作量センサ30、車速センサ31、加速度センサ32、シフトポジションセンサ33、傾斜センサ34、キャンセルスイッチ35、スロットルモータ41、変速アクチュエータ51、表示器60、および、通信ECU70が接続されている。尚、各センサは、駆動力ECU20以外のECUに接続されていてもよい。その場合、駆動力ECU20は、センサが接続されたECUからCANを介してそのセンサの検出信号を受信する。
アクセル操作量センサ30は、自車両のアクセルペダル(図示略)の操作量AP(踏み込み量)を検出し、アクセルペダル操作量APを表す信号を出力する。アクセルペダルは、自車両の駆動装置40(本実施形態においては、エンジン)が発生する駆動力を増加させるために運転者により操作される。以下、アクセル操作量センサ30により検出されるアクセルペダル操作量APを「アクセル操作量AP」と呼び、アクセルペダルを踏み込む操作を「アクセル操作」と呼ぶ。アクセル操作量APは、運転者がアクセル操作を行っていないとき(即ち、運転者がアクセルペダルから足を離しているとき)に「0」になり、アクセルペダルの踏み込み量が大きいほど大きくなる。
車速センサ31は、自車両の走行速度である車速Vを表す信号を出力する。
加速度センサ32は、自車両の前後方向および左右方向の加速度を表す加速度信号を出力する。
シフトポジションセンサ33は、運転者によって操作されるシフトレバー(図示略)の位置(以下、「シフトポジション」と呼ぶ)を検出し、検出したシフトポジションSPを表す信号を出力する。シフトポジションSPは、駐車レンジ「P」のポジション、前進レンジ「D」のポジション、後退レンジ「R」のポジション(リバースポジションR)及びニュートラルレンジ「N」のポジション等を含む。
傾斜センサ34は、自車両の前後方向における傾斜勾配(以下、傾斜勾配θと呼ぶ)を表す信号を出力する。
キャンセルスイッチ35は、後述する駆動力抑制制御(車速制限制御も含む)の実行を禁止するか許可するかについてドライバーが選択する操作スイッチである。駆動力抑制制御の実行が許可されているときにキャンセルスイッチ35が操作されると、駆動力抑制制御の実行が禁止され、駆動力抑制制御の実行が禁止されているときにキャンセルスイッチ35が操作されると、駆動力抑制制御の実行が許可される。
スロットルモータ41は、駆動力ECU20からのバルブ調整信号を受信し、受信したバルブ調整信号に基づいて駆動装置40(エンジン)のスロットルバルブ42の開度を調整する。このバルブ調整信号は、スロットルバルブ42の目標開度を含む。目標開度は、アクセル操作量APに対応したドライバー要求駆動力が大きいほど大きくなるように設定される。
スロットルモータ41は、スロットルバルブ42の開度がバルブ調整信号に含まれる目標開度と一致するようにスロットルバルブ42を回転させる。従って、目標開度が大きいほど、スロットルバルブ42の開度が大きくなるため、駆動装置40に取り込まれる空気量(吸入空気量)が大きくなる。このため、アクセル操作量APが大きいほど、駆動装置40が発生するトルク(車両の駆動力)が大きくなる。
変速アクチュエータ51は、自車両の変速機50の変速段を変更する装置である。駆動力ECU20は、シフトポジションSP、アクセル操作量AP、および、車速Vに基づいて変速段を決定し、その変速段に基づいて変速アクチュエータ51の駆動を制御する。
表示器60は、駆動力ECU20から表示信号を受信し、その表示信号が示す表示情報を表示する。この表示器60は、例えば、インストルメントパネルに設けられたメータディスプレイ、あるいは、フロントガラスの一部の領域(表示領域)に表示するヘッドアップディスプレイである。
通信ECU70は、車載DSRC通信機71と接続され、車載DSRC通信機71と自車両の外部に設けられた通信装置(路側機と呼ぶ)との間で双方向無線通信を行う制御装置である。車載DSRC通信機71は、アンテナを備え、DSRC(狭域通信:Dedicated Short Range Communication)システムで規定された電波(DSRC信号と呼ぶ)の送受信を行う。以下、車載DSRC通信機71を、車載通信機71と呼ぶ。尚、本実施形態においては、車載通信機71は、少なくともDSRC信号の受信機能を備えていればよく、必ずしも、送信機能を備えていなくてもよい。
次に、駐車場DSRC通信機100A、駐車場DSRC通信機100Bについて説明する。駐車場DSRC通信機100Aは、例えば、図3(a)に示すように、駐車場110の入口120Aに設けられた支柱130Aに固定され、入口120Aを通過する車両の車載通信機71との間でDSRC信号を送受信する。駐車場DSRC通信機100Bは、例えば、図3(b)に示すように、駐車場110の出口120Bに設けられた支柱130Bに固定され、出口120Bを通過する車両の車載通信機71との間でDSRC信号を送受信する。この駐車場110は、不特定多数の人が利用する駐車場であって、例えば、大型商店、病院、図書館、公民館、競技場などの施設の駐車場、および、コインパーキングなどである。尚、本実施形態においては、駐車場DSRC通信機100A、および、駐車場DSRC通信機100Bは、少なくともDSRC信号の送信機能を備えていればよく、必ずしも、受信機能を備えていなくてもよい。
駐車場DSRC通信機100Aは、駐車場への入場を表すDSRC信号(以下、入場信号と呼ぶ)を送信する。駐車場DSRC通信機100Bは、駐車場からの退場を表すDSRC信号(以下、退場信号と呼ぶ)を送信する。入場信号は、入口120A付近の狭い領域である入口エリアにスポット的に送信され、それ以外の領域には送信されない。退場信号は、出口120B付近の狭い領域である出口エリアにスポット的に送信され、それ以外の領域には送信されない。従って、入場信号は、車両が入口120Aを通過しているとき(通過直前、通過直後を含んでいてもよい)にのみ車載通信機71に受信される。また、退場信号は、車両が出口120Bを通過しているとき(通過直前、通過直後を含んでいてもよい)にのみ車載通信機71に受信される。
以下、駐車場DSRC通信機100Aを入口通信機100Aと呼び、駐車場DSRC通信機100Bを出口通信機100Bと呼ぶ。また、入口通信機100Aと出口通信機100Bとを区別する必要が無い場合には、それらを駐車場通信機100と総称する。
<駆動力抑制制御>
ドライバーがブレーキペダルを踏む意図を有しながら誤ってアクセルペダルを踏み込んでしまう操作を誤踏み操作と呼ぶ。誤踏み操作による事故は、主に駐車場内で発生する。そこで、駆動力ECU20は、自車両が駐車場110内に存在しているか否かについて判定し、自車両が駐車場110内に存在していると判定した場合に、アクセルペダル操作に応じて発生する自車両の駆動力を抑制する。つまり、駆動力ECU20は、通常時に比べて、アクセルペダル操作量に応じて決定される駆動力を小さくする。自車両の駆動力を抑制する制御を駆動力抑制制御と呼ぶ。
駆動力ECU20は、図4に示す目標開度マップを記憶している。図4(a)が通常時における目標開度マップ(通常目標開度マップMPaと呼ぶ)であり、図4(b)が駆動力抑制制御を実施する場合の目標開度マップ(駆動力抑制目標開度マップMPbと呼ぶ)である。尚、図4(b)には、比較のために、通常目標開度マップMPaの特性も破線にて記載されている。
駆動力ECU20は、駆動力抑制制御を実施しない通常時においては、通常目標開度マップMPaを参照して、アクセル操作量APに対するスロットルバルブ42の目標開度SL*を決定する。目標開度SL*は、アクセル操作量APが大きくなるほど大きくなるように設定されている。駆動力ECU20は、スロットルバルブ42の開度が目標開度SL*に一致するようにスロットルモータ41を制御する。
駆動力ECU20は、駆動力抑制制御を実施する場合、駆動力抑制目標開度マップMPbを参照して、アクセル操作量APに対するスロットルバルブ42の目標開度SL*を決定し、スロットルバルブ42の開度が目標開度SL*に一致するようにスロットルモータ41を制御する。駆動力抑制目標開度マップMPbで決定される目標開度SL*は、通常目標開度マップMPaで決定される目標開度SL*に比べて小さな値に設定されている。例えば、アクセル操作量APxのとき、駆動力抑制目標開度マップMPbで決定される目標開度SL*の値SLbは、通常目標開度マップMPaで決定される目標開度SL*の値SLaよりも小さい。
この駆動力抑制目標開度マップMPbの例は、アクセル操作量APが所定値AP1以下の範囲では、アクセル操作量APの増加に合わせて目標開度SL*の値も増加するが、アクセル操作量APが所定値AP1を超える範囲では、目標開度SL*は、一定値SLmax1に制限される。尚、通常目標開度マップMPaおよび駆動力抑制目標開度マップMPbの特性については、任意に設定することができる。例えば、図5に示すように、アクセル操作量APが所定値AP1を超える範囲であっても、アクセル操作量APの増加に合わせて目標開度SL*の値が増加する特性に設定された駆動力抑制目標開度マップMPb’であってもよい。
スロットルバルブ42の開度の大きさは、自車両の駆動力の大きさに対応する。従って、駆動力抑制制御が実施されている場合には、アクセル操作量APに応じて発生する自車両の駆動力は、通常時に比べて小さくなる。このため、ドライバーがアクセルペダルを強く踏み込んでも自車両は急加速しない。
駆動力抑制制御は、自車両が駐車場110内に存在している期間中において実施される。従って、自車両が駐車場110内に存在している期間中であるか否かを判定する必要がある。
<駐車場内判定ルーチン>
そこで、駆動力ECU20は、DSRCシステムを利用して、自車両が駐車場110内に存在している期間中であるか否かについて判定する。図6は、駐車場内判定ルーチンを表す。駆動力ECU20は、イグニッションスイッチがオンしている期間中、駐車場内判定ルーチンを所定の演算周期で繰り返し実施する。
駐車場内判定ルーチンが起動すると、駆動力ECU20は、ステップS11において、フラグFが値「0」であるか否かについて判定する。このフラグFは、値「0」により、自車両が駐車場110の外に存在していることを表し、値「1」により、自車両が駐車場110の中に存在していることを表す。フラグFの初期値は、「0」である。
駆動力ECU20は、ステップS11において、フラグFが値「0」であると判定した場合、その処理をステップS12に進め、車載通信機71にて入場信号を受信したか否かについて判定する。自車両が駐車場110の入口120Aを通過しない限り、「Yes」とは判定されない。この場合、駆動力ECU20は、駐車場内判定ルーチンを一旦終了する。駆動力ECU20は、駐車場内判定ルーチンを所定の演算周期で繰り返す。
自車両が駐車場110の入口120Aを通過すると、車載通信機71が、入口通信機100Aから送信された入場信号を受信する。この入場信号は、通信ECU70を介して駆動力ECU20に供給される。これにより、駆動力ECU20は、ステップS12において、「Yes」と判定し、その処理をステップS13に進めて、フラグFを値「1」に設定して、駐車場内判定ルーチンを一旦終了する。
駆動力ECU20は、フラグFを値「1」に設定した場合、そのフラグFの値を不揮発性メモリに記憶する。従って、イグニッションスイッチがオフしても、フラグFの値「1」が記憶保持される。
例えば、ドライバーは、駐車場110に自車両を停止させた場合には、イグニッションスイッチをオフにしてから自車両を降りて目的地まで歩く。この場合、イグニッションスイッチのオフ操作とともにフラグFの値が消去されてしまうと、自車両が駐車場110に存在しているという情報が消去されてしまい、駐車場110内での駆動力抑制制御を適切に実施できなくなる。そこで、フラグFの値は、不揮発性メモリに記憶される。
フラグFが値「1」に設定された後は、ステップS11の判定が「No」となり、駆動力ECU20は、その処理をステップS14に進め、車載通信機71にて退場信号を受信したか否かについて判定する。自車両が駐車場110の出口120Bを通過しない限り、「Yes」とは判定されない。この場合、駆動力ECU20は、駐車場内判定ルーチンを一旦終了する。駆動力ECUは、駐車場内判定ルーチンを所定の演算周期で繰り返す。
自車両が駐車場110の出口120Bを通過すると、車載通信機71が、出口通信機100Bから送信された退場信号を受信する。この退場信号は、通信ECU70を介して駆動力ECU20に供給される。これにより、駆動力ECU20は、ステップS14において、「Yes」と判定し、その処理をステップS15に進めて、フラグFを値「0」に設定して、駐車場内判定ルーチンを一旦終了する。
駆動力ECU20は、こうした駐車場内判定ルーチンを繰り返し実施することによって、自車両が駐車場110内に存在している期間(フラグFが値「1」となる期間)を認識することができる。
<駆動力制御切替ルーチン>
図7は、駆動力制御切替ルーチンを表す。駆動力ECU20は、イグニッションスイッチがオンしている期間中、駐車場内判定ルーチンと並行して駆動力制御切替ルーチンを所定の演算周期で繰り返し実施する。
駆動力制御切替ルーチンを開始すると、駆動力ECU20は、ステップS21において、フラグFが値「1」であるか否かについて判定する。駆動力ECU20は、フラグFが値「1」である場合(S21:Yes)には、その処理をステップS22に進めて、駆動力抑制制御を選択する。従って、駆動力抑制制御が実施される。この場合、駆動力ECU20は、駆動力抑制目標開度マップMPbを参照して、アクセル操作量APに対するスロットルバルブ42の目標開度を決定し、スロットルバルブ42の開度が目標開度に一致するようにスロットルモータ41を制御する。
一方、フラグFが値「0」である場合(S21:No)、駆動力ECU20は、その処理をステップS23に進めて、通常駆動力制御を選択する。従って、通常駆動力制御が実施される。この場合、駆動力ECU20は、通常目標開度マップMPaを参照して、アクセル操作量APに対するスロットルバルブ42の目標開度を決定し、スロットルバルブ42の開度が目標開度に一致するようにスロットルモータ41を制御する。
従って、駆動力制御切替ルーチンによれば、自車両が駐車場110内に存在している期間中においては通常駆動力制御に代わって駆動力抑制制御が実施され、自車両が駐車場110から退場すると駆動力抑制制御に代わって通常駆動力制御が実施される。これにより、ドライバーが駐車場110内で誤ってアクセルペダルを強く踏み込んでも(誤踏み操作を行っても)、自車両は急加速しない。この結果、駐車場110内における誤踏み操作による事故を低減する(事故の発生頻度を低減する、あるいは、事故の被害程度を小さくする)ことができる。
尚、駆動力ECU20は、駆動力抑制制御の実施中において、駆動力が抑制されるモードに設定されている旨の表示(文字メッセージ、アイコンなど)を表示器60に表示する。これにより、ドライバーに対して違和感を与えないようにすることができる。
<変形例1:傾斜対応駆動力抑制制御>
例えば、立体駐車場など駐車場内に急な登勾配がある場合などでは、駆動力抑制制御が実施されると、その勾配を登り切れないおそれがある。そこで、この変形例では、傾斜センサ34によって、自車両の傾斜勾配θを検知し、傾斜勾配θに基づいて駆動力抑制目標開度マップを選択する。
例えば、駆動力ECU20は、図8に示すように、特性の異なる2種類の駆動力抑制目標開度マップを記憶している。その一つは、勾配小駆動力抑制目標開度マップMPcであり、もう一つは、勾配大駆動力抑制目標開度マップMPdである。勾配小駆動力抑制目標開度マップMPcは、上述した実施形態における駆動力抑制目標開度マップMPbと同一である。勾配大駆動力抑制目標開度マップMPdは、勾配小駆動力抑制目標開度マップMPcに比べて、駆動力抑制程度が小さくなるように、アクセル操作量APに対するスロットルバルブの目標開度SL*が設定されている。
この図8に示す例では、勾配大駆動力抑制目標開度マップMPdは、アクセル操作量APが所定値AP1以下の範囲においては、勾配小駆動力抑制目標開度マップMPcと同一の特性を有するが、アクセル操作量APが所定値AP1を超える範囲において、勾配小駆動力抑制目標開度マップMPcの特性と相違する。勾配大駆動力抑制目標開度マップMPdは、アクセル操作量APが所定値AP1よりも大きな所定値AP2以下となる範囲では、アクセル操作量APの増加に合わせて目標開度SL*の値も増加するように設定され、アクセル操作量APが所定値AP2を超える範囲では、目標開度SL*は、一定値SLmax2に制限される。
駆動力ECU20は、駆動力抑制制御を実施しているあいだ(F=1)、図9に示す駆動力抑制マップ選択ルーチンを所定の演算周期で繰り返し実施する。駆動力抑制マップ選択ルーチンが起動すると、駆動力ECU20は、ステップS31において、傾斜センサ34によって検知されている現在の前後方向の傾斜勾配θを表す情報を取得する。続いて、駆動力ECU20は、ステップS32において、傾斜勾配θが閾値θ1を超える登勾配であるか否について判定する。
駆動力ECU20は、傾斜勾配θが閾値θ1を超える登勾配である場合(θ>θ1)、ステップS33において、勾配大駆動力抑制目標開度マップMPdを選択し、傾斜勾配θが閾値θ1を超えない場合(θ≦θ1)、ステップS34において、勾配小駆動力抑制目標開度マップMPcを選択する。
駆動力ECU20は、何れかの駆動力抑制目標開度マップを選択すると、駆動力抑制マップ選択ルーチンを一旦終了する。駆動力ECU20は、駆動力抑制マップ選択ルーチンを所定の演算周期で繰り返し実施する。
駆動力ECU20は、駆動力抑制制御を実施する場合には、この駆動力抑制マップ選択ルーチンで選択された駆動力抑制目標開度マップに基づいて、アクセル操作量APに対するスロットルバルブ42の目標開度SL*を決定する。これにより、駐車場110内に急な登勾配があっても、駆動力の抑制程度が小さく抑えられるため、自車両を登勾配に打ち勝って走行させることができる。
<変形例2:車速上限切替制御>
上述した実施形態および変形例1では、自車両が駐車場110に存在していると判定されている場合には、駆動力抑制制御が実施されたが、駆動力抑制制御に代えて、自車両の車速上限値Vlimを低くする車速上限切替制御を実施してもよい。車速上限値Vlimは、スピードリミッターと呼ばれ、その車両が走行できる車速の上限値を表し、通常時においては、例えば、時速180kmなど高い値に設定される。駆動力ECU20は、この車速上限値Vlimを超えないように自車両の駆動力を制御する。以下、通常時における車速上限値Vlimを、通常車速上限値Vlimaと呼ぶ。
この変形例2では、自車両が駐車場110に存在していると判定されている場合、この車速上限値Vlimを低車速上限値Vlimbに切り替える。例えば、低車速上限値Vlimbは、時速15kmである。低車速上限値Vlimbは、駐車場で誤踏み操作(急激なアクセル踏み込み操作)が発生しても、大事故とならないような予め設定した上限車速である。低車速上限値Vlimbは、前進および後退の両方に適用される。
駆動力ECU20は、駆動力制御切替ルーチン(図7)に代えて、図10に示す車速上限切替ルーチンを実施する。駆動力ECU20は、イグニッションスイッチがオンしている期間中、駐車場内判定ルーチンと並行して車速上限切替ルーチンを所定の演算周期で繰り返し実施する。
駆動力ECUは、車速上限切替ルーチンを開始すると、ステップS41において、フラグFが値「1」であるか否かについて判定する。駆動力ECUは、フラグFが値「1」である場合(S41:Yes)には、その処理をステップS42に進めて、車速上限値Vlimを低車速上限値Vlimbに設定する。従って、駆動力ECU20は、この低車速上限値Vlimbを超えないように自車両の駆動力を制御する。
一方、フラグFが値「0」である場合(S41:No)、駆動力ECU20は、その処理をステップS43に進めて、車速上限値Vlimを通常車速上限値Vlimaに設定する。従って、駆動力ECU20は、車速センサ31によって検知される車速Vが、通常車速上限値Vlimaを超えないように自車両の駆動力を制御する。
この車速上限切替ルーチンによれば、自車両が駐車場110内に存在している期間中においては車速上限値Vlimが低車速上限値Vlimbに設定され、自車両が駐車場から退場すると車速上限値Vlimが通常車速上限値Vlimaに戻される。これにより、ドライバーが駐車場110内で誤ってアクセルペダルを強く踏み込んでも(誤踏み操作を行っても)、車速は低車速上限値Vlimbを超えない。この結果、駐車場110内における誤踏み操作による事故を低減することができる。
尚、駆動力ECU20は、車速上限値Vlimが低車速上限値Vlimbに設定されている場合には、その期間中、車速制限されている旨の表示(文字メッセージ、アイコンなど)を表示器60に表示する。これにより、ドライバーに対して違和感を与えないようにすることができる。
<変形例3:キャンセル制限>
キャンセルスイッチ35は、駆動力抑制制御の実行を禁止するか許可するかについてドライバーが選択する操作スイッチであるが、変形例2にも適用することができる。つまり、キャンセルスイッチは、車速上限値Vlimを低車速上限値Vlimbに切り替えることを禁止するか許可するかについてドライバーが選択する操作スイッチとして用いられる。この場合の初期設定は、「車速上限値を低車速上限値に切り替えることを許可する」である。
例えば、駐車場110内に急な登勾配がある場合などでは、大きな駆動力を要することがある。また、駐車場110が広い場合などでは、低車速上限値Vlimbよりも高い車速で自車両を移動させたいとの要求がある。こうしたケースでは、キャンセルスイッチ35を操作して、「駆動力抑制制御の実行を禁止する」あるいは「車速上限値Vlimを低車速上限値Vlimbに切り替えることを禁止する」設定にすれば、駆動力制限あるいは車速制限が解除されるため、ユーザーにとって使い勝手が良い。
このキャンセルスイッチ35の操作については、いつでも受け付けられるようにしてもよい。但し、キャンセルスイッチ35の操作をいつでも受け付けられるようにすると、誤踏み操作を行いやすい高齢者が運転する場合でも、駆動力抑制制御あるいは車速上限値切替制御が実施されなくなってしまうおそれがある。そこで、この変形例3においては、自車両が駐車場110に存在していると判定されている場合に限って、キャンセルスイッチ35の操作が受け付けられるように構成されている。
駆動力ECUは、図11に示すキャンセル操作受け付けルーチンを実施する。駆動力ECU20は、イグニッションスイッチがオンしている期間中、キャンセル操作受け付けルーチンを所定の演算周期で繰り返し実施する。
駆動力ECU20は、キャンセル操作受け付けルーチンを開始すると、ステップS51において、キャンセルスイッチ35の操作が検出されたか否かについて判定する。キャンセルスイッチ35の操作が検出されなければ、キャンセル操作受け付けルーチンを一旦終了する。駆動力ECU20は、キャンセル操作受け付けルーチンを所定の演算周期で繰り返し実施する。
こうした処理が繰り返され、キャンセルスイッチ35の操作が検出された場合(S51:Yes)、駆動力ECU20は、その処理をステップS52に進めて、フラグFが値「1」であるか否かについて判定する。駆動力ECU20は、フラグFが値「1」である場合(S52:Yes)、つまり、自車両が駐車場110内に存在していると判定されている場合、その処理をステップS53に進めて、キャンセルスイッチ35の操作を受け付ける。
例えば、駆動力抑制制御の実行(以下、低車速上限値への切替を含む)が許可されているときにキャンセルスイッチ35が操作されると、「駆動力抑制制御の実行が禁止される」設定に切り替えられ、駆動力抑制制御の実行(以下、低車速上限値への切替を含む)が禁止されているときにキャンセルスイッチ35が操作されると、「駆動力抑制制御の実行が許可される」設定に切り替えられる。尚、イグニッションスイッチがオンしたときの初期設定状態は、「駆動力抑制制御の実行が許可される」である。
一方、フラグFが値「0」である場合(S52:No)、つまり、自車両が駐車場110内に存在していると判定されていない場合、駆動力ECU20は、その処理をステップS54に進めて、キャンセルスイッチ35の操作を受け付けない。この場合、駆動力ECU20は、キャンセルスイッチ35の操作が受け付けられなかった旨のメッセージなどを表示器60に表示するとよい。
尚、駆動力ECU20は、キャンセルスイッチ35の操作を検知して「駆動力抑制制御の実行が禁止される」設定に切り替えた場合でも、自車両が駐車場110の外に出た時点(フラグFが「0」に切り替わった時点)で初期設定状態、つまり、「駆動力抑制制御の実行が許可される」設定に戻す。
駆動力ECU20は、ステップS53あるいはステップS54の処理を実施すると、キャンセル操作受け付けルーチンを一旦終了する。
この変形例3によれば、イグニッションスイッチがオンしたときには、必ず、「駆動力抑制制御の実行が許可される」の設定状態となっており、自車両が、駐車場110内に存在している期間中においてのみ、キャンセルスイッチ35の操作が受け付けられる。従って、キャンセルスイッチ35を使って、前もって、常に駆動力抑制制御の実行を禁止するように設定しておくことはできない。このため、使い勝手の向上を図りつつ、駐車場110内における誤踏み操作による事故を低減することができる。
以上、本実施形態および変形例に係る車両制御システムについて説明したが、本発明は上記実施形態および変形例に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、本実施形態においては、駆動装置としてエンジンを備えた車両について説明しているが、ハイブリッド車両、電気自動車などに適用することもできる。
例えば、本実施形態における駆動力抑制制御と変形例3における車速上限切替制御との両方を実施する構成であってもよい。例えば、駆動力ECU20は、自車両が駐車場の存在している期間中においては、駆動力抑制目標開度マップMPbを参照して、アクセル操作量APに対するスロットルバルブ42の目標開度を決定し、スロットルバルブ42の開度が目標開度に一致するようにスロットルモータ41を制御するとともに、車速Vが低車速上限値Vlimbを超える場合には、車速Vが低車速上限値Vlimbにまで低下するように、スロットルバルブ42の開度を減らす方向に調整する。
1…車両制御システム、10…車両制御装置、20…駆動力ECU、30…アクセル操作量センサ、31…車速センサ、32…加速度センサ、33…シフトポジションセンサ、34…傾斜センサ、35…キャンセルスイッチ、40…駆動装置、41…スロットルモータ、42…スロットルバルブ、50…変速機、51…変速アクチュエータ、60…表示器、71…車載DSRC通信機、70…通信ECU、100A,100B…駐車場DSRC通信機、110…駐車場、120A…入口、120B…出口、F…フラグ、MPa…通常目標開度マップ、MPb…駆動力抑制目標開度マップ、MPc…勾配小駆動力抑制目標開度マップ、MPd…勾配大駆動力抑制目標開度マップ、SL*…目標開度、Vlim…車速上限値、Vlima…通常車速上限値、Vlimb…低車速上限値。

Claims (2)

  1. ドライバーのアクセルペダル操作に応じた駆動力を発生する車両に適用される車両制御システムにおいて、
    狭域通信システムを使って、自車両の駐車場への入場と、前記自車両の前記駐車場からの退場とを検知する入退場検知手段と、
    前記入退場検知手段によって前記自車両の駐車場への入場が検知されてから前記自車両の前記駐車場からの退場が検知されるまでの期間中、前記アクセルペダル操作に応じて発生する前記自車両の駆動力を抑制する、あるいは、前記自車両の車速を低車速上限値以下に制限する駆動制限手段と
    を備えた車両制御システム。
  2. ドライバーのアクセルペダル操作に応じた駆動力を発生する車両に搭載される車両制御装置において、
    駐車場の入口エリアと出口エリアとに狭域通信信号を送信する外部通信装置が送信した前記狭域通信信号を受信する車載通信手段と、
    前記車載通信手段が受信した前記狭域通信信号に基づいて、自車両の前記駐車場への入場と、前記自車両の前記駐車場からの退場とを検知する入退場検知手段と、
    前記入退場検知手段によって前記自車両の駐車場への入場が検知されてから前記自車両の前記駐車場からの退場が検知されるまでの期間中、前記アクセルペダル操作に応じて発生する前記自車両の駆動力を抑制する、あるいは、前記自車両の車速を低車速上限値以下に制限する駆動制限手段と
    を備えた車両制御装置。
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