JP2007069648A - 車両の走行制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
本発明は、追従走行制御が実行可能な車両の走行制御装置において、目標車間距離を設定する際に、運転者が前方の先行車両に対して違和感を感じることを回避することが可能な走行制御装置を提供することを課題とする。
【解決手段】
CCDカメラ7により自車両Aの前方に先行車両Bの存在が検知された場合は、自車両Aと先行車両Bとの実際の車間距離をレーダ8で計測して、該車間距離を設定車速の値で割って車間時間を算出し、制御ユニット50が予め記憶している「長」、「中」、「短」の3段階の目標車間時間の中から最も実際の車間距離と近い目標車間時間を設定して、車間時間を目標車間時間に維持した上で自車両Aを先行車両Bに対して追従走行させ、前方に先行車両Bの存在が検知されない場合は、目標車間時間を「長」に設定して自車両Aを追従走行させる。
【選択図】 図7
本発明は、追従走行制御が実行可能な車両の走行制御装置において、目標車間距離を設定する際に、運転者が前方の先行車両に対して違和感を感じることを回避することが可能な走行制御装置を提供することを課題とする。
【解決手段】
CCDカメラ7により自車両Aの前方に先行車両Bの存在が検知された場合は、自車両Aと先行車両Bとの実際の車間距離をレーダ8で計測して、該車間距離を設定車速の値で割って車間時間を算出し、制御ユニット50が予め記憶している「長」、「中」、「短」の3段階の目標車間時間の中から最も実際の車間距離と近い目標車間時間を設定して、車間時間を目標車間時間に維持した上で自車両Aを先行車両Bに対して追従走行させ、前方に先行車両Bの存在が検知されない場合は、目標車間時間を「長」に設定して自車両Aを追従走行させる。
【選択図】 図7
Description
本発明は、車両の走行制御装置に関し、運転性能向上の技術分野に属する。
近年では、自車両の前方を先行車両が走行している場合に、自車両と該先行車両との間の車間距離を制御しつつ自車両を先行車両に対して追従走行させるための車両の走行制御装置が用いられつつあり、このような装置として、例えば特許文献1に開示されているようなものがある。この装置は、運転者が、自車両と先行車両との間の目標車間距離を設定することができるように構成されており、車間距離を運転者が設定した目標車間距離に維持するように自車両の走行の制御を行い、運転席近傍の表示器に現在設定されている目標車間距離を表示することで運転者に該目標車間距離を一目で認知させるものである。
特開平11−42957号公報
ところで、従来の走行制御装置では、自車両と先行車両との間で衝突が発生するのを回避するために、追従走行制御の開始スイッチをオンにしたときに、長目の目標車間距離が設定されるようになっている。前記特許文献1に開示されている装置のように運転者が目標車間距離を設定可能なものでも、乗員の安全を確保するために制御システムの初期状態では長目の目標車間距離が設定されるようになっている。
しかし、このように構成した場合、例えば自車両と先行車両とが接近した状態、つまり両者の車間距離が比較的短い状態で走行制御装置の設定スイッチをオンにして起動させると、長目の目標車間距離に設定されて、前方の先行車両との車間距離が次第に大きくなり、車間距離が大きく変化して、自車両の運転者から見ると自分の望む車間距離と異なる車間距離になり、違和感を感じてしまうという問題がある。
そこで、本発明は、追従走行制御が実行可能な車両の走行制御装置において、目標車間距離を設定する際に、運転者が前方の先行車両との間の車間距離に対して違和感を感じることを回避することが可能な走行制御装置を提供することを課題とする。
すなわち、前記課題を解決するため、本願の請求項1に記載の発明は、自車両の前方の先行車両を認識する先行車両認識手段と、該先行車両認識手段が認識した先行車両と自車両との車間距離を検知する車間距離検知手段と、目標車間距離を維持するように自車両を先行車両に対して追従走行させる追従走行制御手段とを備えた車両の走行制御装置であって、所定の複数の目標車間距離を記憶した目標車間距離記憶手段と、前記追従走行制御手段による追従走行制御の開始時に前記車間距離検知手段が検知した車間距離と前記目標車間距離記憶手段が記憶する所定の複数の目標車間距離とを比較し、その比較結果に基づいて所定の複数の目標車間距離の中から前記車間距離検知手段が検知した車間距離と最も近い目標車間距離を追従走行制御中の目標車間距離に設定する目標車間距離設定手段とを備えていることを特徴とする。
そして、本願の請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記目標車間距離記憶手段に記憶された所定の複数の目標車間距離は、それぞれ「遠」、「中」、「近」の3段階の車間距離を示すものであることを特徴とする。
次に、本願の請求項3に記載の発明は、前記請求項1又は2に記載の発明において、前記目標車間距離設定手段が設定した目標車間距離を図で表示する車間表示手段を備えていることを特徴とする。
そして、本願の請求項4に記載の発明は、前記請求項1から3のいずれかに記載の発明において、追従走行制御の開始時に前記先行車両認識手段によって自車両の前方に先行車両が認識されない場合には、目標車間距離設定手段は、所定の複数の目標車間距離の中から車間距離が最も大きいことを示す目標車間距離を設定することを特徴とする。
まず、請求項1に記載の発明によれば、追従走行制御の開始時に、自車両と先行車両との間の実際の車間距離と目標車間距離記憶手段が記憶する所定の複数の目標車間距離との比較を行い、その比較結果に基づいて目標車間距離記憶手段が記憶する所定の複数の目標車間距離の中から前記車間距離検知手段が検知した車間距離と最も近い目標車間距離を追従走行制御中の目標車間距離に設定するようにしたから、目標車間距離の設定の時点で実際の車間に応じた最適な車間距離が設定されることになり、車間距離の変化量が少なくて済むため、自車両の乗員が運転中に違和感を感じることを回避することが可能となる。
次に、請求項2に記載の発明によれば、前記目標車間距離記憶手段に記憶された所定の複数の目標車間距離は、それぞれ「遠」、「中」、「近」の3段階の車間距離を示すものであるから、自車両と先行車両との車間距離に応じて目標移車間距離を具体的に設定した上で、車間制御を行い、運転中の乗員が違和感を感じることを回避することが可能となる。
また、請求項3に記載の発明によれば、前記目標車間距離設定手段が設定した目標車間距離を図で表示するようにしたから、現時点で設定されている目標車間距離を運転者が認知することが容易となる。
そして、請求項4に記載の発明によれば、前記先行車両検知手段によって自車両の前方に先行車両が検知されない場合には、目標車間距離設定手段は、所定の複数の目標車間距離の中から車間距離が最も大きいことを示す目標車間距離を設定するようにしたから、例えば、万が一、自車両の前方に側方から突然先行車両が割り込んできた場合でも、該先行車両との間に十分な車間距離を維持して乗員の安心感及び安全を確保することができる。
以下に、本発明の実施形態に係る車両の走行制御装置について説明する。
まず、図1は、本実施形態に係る車両の走行制御装置1が設けられた車両を示しており、運転席の前方には速度計や回転計等の計器を含むメータユニット2が設けられており、運転席のステアリングホイールには、該走行制御装置1の操作部3が設けられている。そして、自車両前方を走行する先行車両を撮像するCCDカメラ4が設けられており、自車両と該先行車両との間の車間距離を計測するレーダ5が設けられており、運転者がブレーキペダルを踏んだことを検知するブレーキセンサ6が設けられており、自車両の運転者が前記走行制御装置1により設定する目標車間距離や車速に基づいて自車両の走行を制御するためのブレーキ、スロットル及びステアリング等のオートアクチュエータ7が設けられている。
次に、図2は、前記メータユニット2の構成を示しており、該メータユニット2の上側中央部には、前記走行制御装置1による制御の状態を運転者が認識するための表示部8が設けられている。該メータユニット2は、車両前方のインスツルメントパネル9内に設けられており、運転中の運転者が表示部8や他の計器等を視線を大きく動かすことなく見ることができるように構成されている。
そして、図3は、本実施形態に係る走行制御装置1が設けられた車両の前方のステアリングホイール10を示しており、該ステアリングホイール10の右側中央部には、前記図1で説明した操作部3が設けられている。この操作部3は、4つの操作スイッチから構成されており、左上には本実施形態に係る車両の走行制御装置1を作動状態又は非作動状態にするメインスイッチ3aが設けられており、該メインスイッチ3aの右側には走行制御装置1による制御をキャンセルするキャンセルスイッチ3bが設けられており、該キャンセルスイッチ3bの下側には、自車両と前方の先行車両との目標車間距離を設定するための目標車間距離設定スイッチ3cが設けられており、該目標車間距離設定スイッチ3cの左側には、自車両の車速を設定する車速設定スイッチ3dが設けられている。
なお、車速設定スイッチ3dは、上側又は下側にレバーを倒して自車両の車速を設定するだけではなく、該車速設定スイッチ3dにより車速を設定する前に車速設定モードにモード変更するためのセットスイッチ3eと、前記キャンセルスイッチ3bが押されたときに、運転者が前回に設定した車速で自車両の走行の制御を行うためのリジュ−ムスイッチ3fとの2つのスイッチも兼用している。
次に、図4は、前記図2を用いて説明した表示部8近傍の拡大図を示しており、該表示部8の左側上部には、自車両前方の先行車両との衝突可能性を知らせるためのプリクラッシュインジケータ8aが設けられており、該プリクラッシュインジケータ8aの下側には、前記図3を用いて説明したメインスイッチ3aをオン状態にして走行制御装置を作動状態にしたときにオン表示をし、メインスイッチ3aをオフ状態にして走行制御装置を非作動状態にしたときにオフ表示をする作動状態インジケータ8bが設けられている。
そして、該作動状態インジケータ8bの下側には、ブレーキペダルを踏んだときにブレーキが作動状態であることを表示するブレーキインジケータ8cが設けられており、該ブレーキインジケータ8cの右側には、前記図3で説明した車速設定スイッチ8dにより運転者が設定した車速を表示する設定車速インジケータ8dが設けられており、該設定車速インジケータ8dの右側には、前記図2で説明した目標車間距離設定スイッチ3cにより設定した目標車間距離を表示する目標車間距離インジケータ8e,8fが設けられている。なお、目標車間距離インジケータ8eは、遠距離の車間距離を表示しており、目標車間距離インジケータ8fは、近距離の車間距離を表示している。
また、該目標車間距離インジケータ8fの上側には、メインスイッチ3aが押される前に走行制御装置が待機状態であることを表示する待機状態インジケータ8gが設けられており、前記設定車速インジケータ8dの上側には、前記図3で説明した目標車間距離設定スイッチ3cにより設定した目標車間距離に応じて点灯表示する白線形状の設定車間距離インジケータ8h1…8h3,8h1…8h3が左右両側に3本ずつ設けられており、該設定車間距離インジケータ8h1…8h3,8h1…8h3の内側には、自車両との車間距離が、それぞれ下から順に「遠」、「中」、「近」の範囲にある先行車両を表示する先行車両インジケータ8i…8iが設けられている。
次に、図5は、本実施形態に係る走行制御装置1のブロック図を示しており、まずメインスイッチ3aから制御ユニット50に信号が入力されて、走行制御装置が作動状態になり、キャンセルスイッチ3bから信号が入力されて、走行制御装置が非作動状態となり、該制御ユニット50が作動状態インジケータ8b及び待機状態インジケータ8gに制御信号を出力する。そして、車間距離設定スイッチ3cから制御ユニット50に信号が入力されると、該制御ユニット50が目標車間距離インジケータ8e,8f及び設定車間距離インジケータ8h…8hに対して制御信号を出力する。
また、車速設定スイッチ3d及びセットスイッチ3eから制御ユニット50に信号が入力されると、該制御ユニット50が、設定車速インジケータ8d及びオートアクチュエータ7に対して制御信号を出力し、リジュ−ムスイッチ3fから制御ユニット50に信号が入力された場合においても、該制御ユニット50が設定車速インジケータ8d及びオートアクチュエータ7に対して制御信号を出力する。
そして、ブレーキセンサ6から制御ユニット50に信号が入力されると、該制御ユニット50がブレーキインジケータ8cに制御信号が出力される。また、制御ユニット50には、後で説明する「長」、「中」、「短」の3段階の目標車間時間が予め記憶されており、CCDカメラ4及びレーダ5から制御ユニット50に信号が入力されると、該制御ユニット50は、レーダ5により計測された自車両と前方の先行車両との間の車間距離を用いて車間時間を算出し、該車間時間と前記3段階の目標車間時間との比較を行い、該車間時間に最も近い目標車間時間を前記3段階の目標車間時間の中から選択して設定を行い、先行車両インジケータ8i…8iに制御信号を出力する。
次に、本実施形態に係る車両の走行制御装置による制御について図6〜図8のフローチャートを用いて説明する。なお、以下の説明において、ACC(Adaptive Cruise Control)は、自車両の前方を先行車両が走行している場合に、該自車両と先行車両との車間距離を目標車間距離に維持して走行するように自車両を制御することを意味する。
まず、ステップS1で、IGキーをオン状態にして、次のステップS2で、制御ユニット50の初期化を行う。そして、ステップS3で、自車両の車速がACC設定が可能な車速であるか否かの判定が行われる。ACC設定が可能な車速である場合(YES)は、次のステップS4で、ACCのメインスイッチ5aがオン状態であるか否かの判定が行われて、ACC設定が可能な車速ではない場合(NO)は、ステップS3で判定をやり直す。
そして、ステップS4で、ACCのメインスイッチ5aがオン状態である場合(YES)は、次のステップS5でACCが待機状態となり、ACCのメインスイッチ5aがオン状態ではない場合(NO)には、ステップS3に戻って判定をやり直す。
次に、ステップS5でACCが待機状態を経た後には、ステップS6で、自車両の車速がACCの制御が可能な車速であるか否かの判定が行われる。ACCの制御が可能な車速である場合(YES)は、次のステップS7で、ACCのメインスイッチ5aがオン状態であるか否かの判定が行われて、ACCの制御が可能な車速ではない場合(NO)は、前記ステップS3に戻って判定をやり直す。
なお、前記ステップS3とステップS6とで同じ制御を繰り返すのは、ACCが待機状態を経て後で説明するステップS9でACCの車速設定スイッチ5dが押されるまでの間に自車両の車速の値が変わってしまうことがあり、その都度ACC設定が可能な車速であるか否かの判定を行う必要があるためである。ここで、ACC設定が可能な自車両の車速は、例えば40[km/h]以上である。
そして、前記ステップS7で、ACCのメインスイッチ5aがオン状態である場合(YES)は、ステップS8で、ブレーキが踏まれたか否かの判定が行われる。ブレーキが踏まれていない場合(NO)は、再びステップS3に戻って判定をやり直し、ブレーキが踏まれている場合(YES)は、次のステップS9で、ACCの車速設定スイッチ5dが押されたか否かの判定が行われる。車速設定スイッチ5cが押されていない場合(NO)は、ステップS6に戻って自車両の車速がACC制御が可能な車速であるか否かの判定が行われ、車速設定スイッチ5cが押されている場合(YES)は、次のステップS10で、該車速設定スイッチ5cにより設定した車速を記憶する。なお、このとき設定した車速の値は、前記図3を用いて説明した設定車速インジケータ2dに表示されることになり、このとき該インジケータ2dに表示された数値を超えない車速でACCの制御が行われる。
次に、ステップS11で、自車両と前方の先行車両との間の実際の車間距離の計測を行い、ステップS12で、ACCの対象となる先行車両が自車両の前方に存在するか否かの判定が行われる。制御の対象となる先行車両が存在しない場合(NO)は、ステップS20で、自車両と先行車両との間の目標車間時間を、前記制御ユニット50が予め記憶している「長」、「中」、「短」の3段階の目標車間時間のうちの所定の目標車間時間に設定した後、ステップS17で、ブレーキが踏まれたか否かの判定が行われる。
そして、前記ステップS12で、制御の対象となる先行車両が存在する場合(YES)は、次のステップS13で、自車両と先行車両との間の車間時間を算出する。ここで、この車間時間とは、前記ステップS12で計測した自車両と先行車両との間の車間距離の実測値を車速で割ることで得られる値であり、車間距離と車速の両方の値で変化するパラメータである。
ステップS13で車間時間を算出した後は、該車間時間と前記制御ユニット50が予め記憶している「長」、「中」、「短」の3段階の目標車間時間との比較を行い、該車間時間が3段階の目標車間時間のうちのどの範囲に含まれるかを照合する。
ここで、制御ユニット50が予め記憶している3段階の目標車間時間について
、例えば自車両の車速が100[km/h]の場合における目標車間時間「長」、「中」、「短」をそれぞれ2.5[s],2.0[s],1.5[s]とすると、車間時間が0〜1.75[s]のときを目標車間時間「短」の範囲として制御ユニット50は目標車間時間が1.5[s]になるように車間制御を行う。そして、車間時間が1.75〜2.25[s]のときを目標車間時間「中」の範囲として制御ユニット50は目標車間時間が2.0[s]になるように車間制御を行い、車間時間が2.25[s]以上のときを目標車間時間「長」の範囲として制御ユニット50は目標車間時間が2.5[s]になるように車間制御を行う。すなわち、車間時間の長さに関らず「長」、「中」、「短」の3段階の目標車間時間のうちで、実際の車間時間と最も近い目標車間時間になるように車間制御を行う。
、例えば自車両の車速が100[km/h]の場合における目標車間時間「長」、「中」、「短」をそれぞれ2.5[s],2.0[s],1.5[s]とすると、車間時間が0〜1.75[s]のときを目標車間時間「短」の範囲として制御ユニット50は目標車間時間が1.5[s]になるように車間制御を行う。そして、車間時間が1.75〜2.25[s]のときを目標車間時間「中」の範囲として制御ユニット50は目標車間時間が2.0[s]になるように車間制御を行い、車間時間が2.25[s]以上のときを目標車間時間「長」の範囲として制御ユニット50は目標車間時間が2.5[s]になるように車間制御を行う。すなわち、車間時間の長さに関らず「長」、「中」、「短」の3段階の目標車間時間のうちで、実際の車間時間と最も近い目標車間時間になるように車間制御を行う。
そして、次のステップS14で、車間時間が目標車間時間「長」の範囲に含まれるか否かの判定が行われる。車間時間が目標車間時間「長」の範囲に含まれる場合(YES)は、ステップS19で、目標車間時間を「長」に設定した後に、ステップS17で、ブレーキが踏まれたか否かの判定が行われる。
そして、車間時間が「長」の範囲に含まれない場合(NO)は、次のステップS15で、車間時間が目標車間時間「中」の範囲に含まれるか否かの判定が行われる。車間時間が「中」の範囲に含まれる場合(YES)は、ステップS18で、目標車間時間を「中」に設定した後に、ステップS17で、ブレーキが踏まれたか否かの判定が行われ、車間時間が「短」の範囲に含まれない場合(NO)は、ステップS16で、目標車間時間を「短」に設定した後に、ステップS17で、ブレーキが踏まれたか否かの判定が行われる。
そして、ステップS17で、ブレーキが踏まれた場合(YES)は、ステップS3に戻って制御をやり直し、ブレーキが踏まれていない場合(NO)は、次のステップS21で、ACCのリジュ−ムスイッチ5fがオン状態となっているか否かの判定が行われる。リジュ−ムスイッチ5fがオン状態である場合(YES)は、前回ステップS10で設定した車速でステップS11の制御からやり直し、リジュ−ムスイッチ5fがオン状態ではない場合(NO)は、次のステップS22で、キャンセルスイッチ5bが押されたか否かの判定が行われる。
ステップS22で、キャンセルスイッチ5bが押された場合(YES)は、ステップS3に戻って制御をやり直し、キャンセルスイッチ5bが押されていない場合(NO)は、次のステップS23で、目標車間時間及び設定車速に応じて車間制御を行い、次のステップS24で、既存のACC制御を行った後にエンドとなる。
ここで、前記図7のステップS14,S15では、車間時間が、制御ユニット50が予め記憶している「長」、「中」、「短」の目標車間時間の中のいずれの範囲に含まれるかの判定を行うが、この目標車間時間「長」、「中」、「短」は、それぞれ目標車間距離「遠」、「中」、「近」に対応しており、ステップS11で計測した車間距離が該目標車間距離「遠」、「中」、「近」のいずれの範囲に含まれるかの判定を行っても構わない。
この「遠」、「中」、「近」の3段階の目標車間距離は、図9に示すように、例えば自車両の車速が100[km/h]の場合において、それぞれ70[m],55[m],40[m]とすると、実際の車間距離が0〜47.5[m]のときを目標車間距離「近」の範囲として制御ユニット50は目標車間距離が40[m]になるように車間制御を行う。そして、実際の車間距離が47.5〜62.5[m]のときを目標車間距離「中」の範囲として制御ユニット50は目標車間距離が55[m]になるように車間制御を行い、実際の車間距離が62.5[m]以上のときを目標車間距離「長」の範囲として制御ユニット50は目標車間距離が70[m]になるように車間制御を行う。
前記実施形態は、車間時間に基づいて追従走行を行うようにしたが、車間距離に基づいて追従走行を行うようにしても良い。その場合、図10に示すように、自車両の車速と目標車間距離との関係については、車速の値が大きくなるに伴って3段階の目標車間距離「遠」、「中」、「近」の値も大きくなるように設定する。ここで、前記3段階の目標車間距離は、目標車間距離「遠」が目標車間時間「長」に、目標車間距離「中」が目標車間時間「中」に、そして、目標車間距離「近」が目標車間時間「短」にそれぞれ対応している。但し、車間時間は、車間距離を車速で割った値であり、車速の高低に関らず、例えば目標車間時間「長」を2.5[s],目標車間時間「中」を2.0[s],目標車間時間「短」を1.5[s]等と一律に設けることができる。
次に、本実施の形態における自車両と前方の先行車両との間の車間制御について図11〜図17を用いて具体的に説明する。
まず、自車両と先行車両との間の実際の車間距離と制御ユニット50が予め記憶している「長」、「中」、「短」の3段階の目標車間時間とを比較して、車間時間が目標車間時間「長」の範囲に含まれる場合(前記図7のステップS14のYESの場合)には、制御ユニット50が、目標車間時間を「長」に設定し(前記図7のステップS19の制御に相当する)、図11(a)に示すように、自車両Aと先行車両Bとの間の車間距離については、目標車間時間「長」が維持されるように車間制御を行う。
このとき、図12に示すように、前記表示部8において、左右両側の6つの目標車間距離インジケータ8h1…8h3,8h1…8h3が点灯表示され、自車両との車間距離が「遠」の範囲であることを示す先行車両インジケータ8iが点灯表示される。そして、下側の設定車速インジケータ8dには、運転者が設定した車速(ここでは、100[km/h])が表示される。
次に、自車両と先行車両との間の実際の車間距離と制御ユニット50が予め記憶している「長」、「中」、「短」の3段階の目標車間時間とを比較して、車間時間が目標車間時間「中」の範囲に含まれる場合(前記図7のステップS15のYESの場合)には、制御ユニット50が、目標車間時間を「中」に設定し(前記図7のステップS18の制御に相当する)、図11(b)に示すように、自車両Aと先行車両Bとの間の車間距離については、目標車間時間「中」が維持されるように車間制御を行う。
このとき、図13に示すように、前記表示部2において、左右両側の最下段と中段との4つの目標車間距離インジケータ8h2,8h2,8h3,8h3が点灯表示され、自車両との車間距離が「中」の範囲であることを示す先行車両インジケータ8iが点灯表示される。そして、下側の設定車速インジケータ8dには、運転者が設定した車速が表示される。
次に、自車両と先行車両との間の実際の車間距離と制御ユニット50が予め記憶している「長」、「中」、「短」の3段階の目標車間時間とを比較して、車間時間が目標車間時間「短」の範囲に含まれる場合(前記図7のステップS15のNOの場合)には、制御ユニット50が、目標車間時間を「短」に設定し(前記図7のステップS16の制御に相当する)、図11(c)に示すように、自車両Aと先行車両Bとの間の車間距離については、目標車間時間「短」が維持されるように車間制御を行う。
このとき、図14に示すように、前記表示部8において、左右両側の最下段の2つの目標車間距離インジケータ8h3,8h3が点灯表示され、自車両との車間距離が「近」の範囲であることを示す先行車両インジケータ8iが点灯表示される。そして、下側の設定車速インジケータ8dには、運転者が設定した車速が表示される。
次に、自車両の前方に先行車両が存在しない場合(前記図7のステップS12でNOの場合)には、制御ユニット50は、自車両の前方に先行車両が存在すると仮定して、予め記憶している3段階の目標車間時間「長」、「中」、「短」の中からいずれかの設定を行い、車間制御を行う(前記図7のステップS20の制御に相当する)。
このとき、前記表示部8では、目標車間時間「長」が設定された場合には、図15に示すように、左右両側の全ての目標車間距離インジケータ8h1…8h3,8h1…8h3が点灯表示され、目標車間時間「中」が設定された場合には、図16に示すように、最下段及び中段の4つの目標車間距離インジケータ8h2,8h2,8h3,8h3が点灯表示され、目標車間時間「短」が設定された場合には、図17に示すように、最下段の2つの目標車間距離インジケータ8h3,8h3が点灯表示される。
以上のように構成したことにより、追従走行制御の開始時に、自車両Aと先行車両Bとの間の車間時間と制御ユニット50が予め記憶する「長」、「中」、「短」の3段階の目標車間時間との比較を行い、その比較に基づいて制御ユニット50が記憶する前記3段階の複数の目標車間時間の中から実際の車間時間と最も近い目標車間時間を設定して車間制御を行うようにしたから、目標車間時間の設定の時点で実際の車間時間に最も近い目標車間時間が設定された上で車間制御が行われることになり、車間時間の変化量が少なくて済むため、運転時に自車両の乗員が視覚的に違和感を感じることを回避することが可能となる。
そして、前記制御ユニット50が、車間パラメータとして「遠」、「中」、「近」の3段階の目標車間距離を予め記憶するようにしたから、自車両Aと先行車両Bとの間の実際の車間距離に応じて目標移車間距離を具体的に設定した上で、乗員が違和感を感じることを回避することが可能となる。
また、前記制御ユニット50が設定する目標車間時間に対応して該設定された目標車間距離を意味する設定車間距離インジケータ8h1…8h3,8h1…8h3を表示するようにしたから、現時点で設定されている目標車間距離を運転者が認知することが容易となる。
そして、前記CCDカメラ7によって自車両Aの前方に先行車両Bが検知されない場合には、制御ユニット50が、「長」、「中」、「短」の3段階の目標車間時間の内のいずれかを選択して設定するようにし、特に目標車間時間「長」を設定することで、仮に、自車両Aの前方に先行車両Bが突然割り込んできた場合でも、運転者が意図しない追従走行制御が行われることを回避して、該先行車両Bとの間に十分な車間時間を維持して乗員の安全を確保することができる。
以上、具体例を挙げて詳しく説明したように、本発明は、追従走行制御が可能な車両の走行制御装置において、目標車間距離を設定する際に、運転者が前方の先行車両に対して違和感を感じることを回避できる走行制御装置を提供することが可能となり、運転性能向上の技術分野において幅広い産業上の利用可能性を有する。
1 追従走行制御装置
4 CCDカメラ(先行車両認識手段)
5 レーダ(車間距離検知手段)
8 表示部
8h 目標車間距離インジケータ(車間表示手段)
50 制御ユニット(目標車間距離記憶手段、目標車間距離設定手段)
A 自車両
B 先行車両
4 CCDカメラ(先行車両認識手段)
5 レーダ(車間距離検知手段)
8 表示部
8h 目標車間距離インジケータ(車間表示手段)
50 制御ユニット(目標車間距離記憶手段、目標車間距離設定手段)
A 自車両
B 先行車両
Claims (4)
- 自車両の前方の先行車両を認識する先行車両認識手段と、該先行車両認識手段が認識した先行車両と自車両との車間距離を検知する車間距離検知手段と、目標車間距離を維持するように自車両を先行車両に対して追従走行させる追従走行制御手段とを備えた車両の走行制御装置であって、
所定の複数の目標車間距離を記憶した目標車間距離記憶手段と、
前記追従走行制御手段による追従走行制御の開始時に前記車間距離検知手段が検知した車間距離と前記目標車間距離記憶手段が記憶する所定の複数の目標車間距離とを比較し、その比較結果に基づいて所定の複数の目標車間距離の中から前記車間距離検知手段が検知した車間距離と最も近い目標車間距離を追従走行制御中の目標車間距離に設定する目標車間距離設定手段とを備えていることを特徴とする車両の走行制御装置。 - 前記請求項1に記載の車両の走行制御装置において、
前記目標車間距離記憶手段に記憶された所定の複数の目標車間距離は、それぞれ「遠」、「中」、「近」の3段階の車間距離を示すものであることを特徴とする車両の走行制御装置。 - 前記請求項1又は2に記載の車両の走行制御装置において、
前記目標車間距離設定手段が設定した目標車間距離を図で表示する車間表示手段を備えていることを特徴とする車両の走行制御装置。 - 前記請求項1から3のいずれかに記載の車両の走行制御装置において、
追従走行制御の開始時に前記先行車両認識手段によって自車両の前方に先行車両が認識されない場合には、目標車間距離設定手段は、所定の複数の目標車間距離の中から車間距離が最も大きいことを示す目標車間距離を設定することを特徴とする車両の走行制御装置。
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- 2005-09-05 JP JP2005256115A patent/JP2007069648A/ja active Pending
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