本発明の一態様による空気調和機は、吸込口より吸い込んだ空気を熱交換して吹出口より吹出す壁掛け式空気調和機の室内機に、人の在否を検知する人体検知装置と、一対の音出力装置とを設け、前記室内機の幅方向の両端部にそれぞれ設けた音出力装置の間に、前記人体検知装置を配置した構成としてある。
これにより、室内機の内部空間に音出力装置などを空間効率よく設置できるとともに、左右2つの音出力装置からステレオフォニック再生することにより、空間的広がりのある音を発生させることができる。
第2の形態は、第1の形態において、前記音出力装置の音軸は、前記人体検知装置の上下方向の検知範囲のうち中心より下方の領域に含まれる構成としてある。
これにより、人が存在する可能性の高い領域であって、特に室内機からの冷風や温風が快適に感じられる位置にいる人に対して、良質の音を発生させることができる。
第3の形態は、第1または第2の形態において、前記音出力装置は、開口部を備えた筐体と、前記筐体の内部に前記開口部と対向して設けられた振動板とを備え、前記開口部の周囲を緩衝材で覆い、前記緩衝材と前記室内機の外殻の内面とを密着させた構成としてある。
これにより、室内機の外殻の内面で結露した水分が、開口部から筐体内部に侵入することを低減できる。
第4の形態は、第1〜第3の形態において、前記音出力装置は、前記開口部の前方を、空気を透過するシートで覆った構成としてある。
これにより、吹出口より吹出される空気に含まれる水分などが、振動板で結露することを防止できる。
以下、本発明の空気調和機に係る実施の形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
なお、以下の実施の形態の空気調和機においては、具体的な構成について説明するが、
本発明は、以下の実施の形態の具体的な構成に限定されるものではなく、同様の技術的思想に基づく構成が適用された各種空気調和機を含むものである。
(実施の形態1)
本実施の形態に係る空気調和機は、室内機と室外機とを配管等で接続したセパレータ型の空気調和機である。室外機には、圧縮機や熱交換器や減圧装置などが収納されている。図1〜図3は、本実施の形態に係る壁掛け式空気調和機の室内機の全体構成を示す。同図1〜図3において、室内機本体1は、内部に熱交換器2、送風ファン3を備えている。室内機本体1に設けられた熱交換器2と、室外機に設けられた圧縮機、熱交換器、減圧装置等を配管によって接続することで、冷凍サイクルを構成している。また、室内機本体1は、上方および前方に吸込口4を下方に吹出口5をそれぞれ有しており、吸込口4から吸い込んだ空気は熱交換器2を通過し、これと熱交換して吹出口5から室内に送風するように構成されている。吸込口4と熱交換器2との間には、熱交換器2を通過する空気の粉塵を除去するためにエアフィルタ6が設けられている。
エアフィルタ6の前面(前方および上方)には、エアフィルタ6の表面に付着した塵埃を除去するエアフィルタ清掃装置35が設けられている。エアフィルタ清掃装置35は、エアフィルタ6の上下端に設けられた一対のガイドレールに沿って、室内機の幅方向(左右方向)に移動する吸引ノズルと、吸引ノズルの下端に接続された吸引ダクトと、吸引ダクトの他端側に接続された吸引装置等から構成されている。
エアフィルタ6の清掃開始が指示されると、吸引ノズルがエアフィルタ6の表面に沿って移動するとともに、吸引装置が吸引を開始する。これによって、エアフィルタ6の表面に付着した塵埃は、吸引ノズル、吸引ダクト内を通って吸引装置へと吸引される。
なお、エアフィルタ清掃装置35は、エアフィルタ6を移動可能に保持するエアフィルタ搬送装置と、エアフィルタ6の表面に付着した塵埃を除去するブラシと、ブラシが除去した塵埃を収納する塵埃収納部等から構成されていてもよい。
この場合には、エアフィルタ6の清掃開始が指示されると、エアフィルタ6がブラシに対して上下方向に移動する。これによって、エアフィルタ6の表面に付着した塵埃は、ブラシによって掻き落とされ、塵埃収納部へと収納される。
また、吹出口5には上下風向変更羽根7と左右風向変更羽根(図示せず)が備えられており、室内へ送風する際の上下及び左右方向の位置を変更することができる。また、さらに室内機本体1は、その前面に室内機本体1の前面を覆う前面パネル8が設けられており、上部の軸支部(図示せず)を中心に下方部を手前上方に回動させて開くことができるようになっていて、エアフィルタ6や制御ユニット9がメンテナンスできるようになっている。
また、室内機本体1は、吹出口5の上方であって前方側に、下面パネル10が設けられている。下面パネル10は、下部の軸支部(図示せず)を中心に上方部を手前下方に回動させて開くことができるようになっている。下面パネル10は、両端部にそれぞれ設けられた多孔部41と、長手方向の略中央部に設けられた透過部40とを備えている。また、下面パネル10の背面側は、略全体が、背面カバー42で覆われている。透過部40は、下面パネル10の前方からは内部構造を見えにくくする一方、後述する人体検知装置44が発する赤外線を透過する樹脂で形成されている。多孔部41には、下面パネル10を貫通する複数の小孔が設けられている。
下面パネル10のうち、多孔部41が設けられた位置の背面側には、音出力装置である
一対のスピーカユニット43が設けられている(図4参照)。また、透過部40が設けられた位置の背面側には、後述する人体検知装置44や、空気調和機の稼働状況を表示する液晶やLEDランプから構成された表示部(図示せず)や、リモコン11からの指示信号を受信して制御ユニット9に伝送する受信部(図示せず)が設けられている。
また、図3に示すように、スピーカユニット43は、エアフィルタ清掃装置35の前方に設けられている。また、スピーカユニット43は、エアフィルタ清掃装置35の下方に設けられている。
そして、前記制御ユニット9は上記受信部を介して伝達されるリモコン11からの指示に基づいて室外機(図示せず)に設置されている圧縮機(図示せず)や前記送風ファン3等を駆動し空調運転を制御するようになっている。
下面パネル10の背面側の部品配置について、図4を用いて説明する。図4は、下面パネル10を透視した状態での背面カバー42内の部品配置図である。図4に示すように、背面カバー42には、一対のスピーカユニット43と、人体を検知する人体検知装置44と、音出力装置基板45とを備えている。一対のスピーカユニット43は、音出力装置基板45にリード線によって電気的に接続されており、音出力装置基板45を介して供給される電力や、制御信号により、ステレオフォニック再生することができる。
左側スピーカユニット43aは、室内機本体1に向かって左側の端部に、右側スピーカユニット43bは、右側の端部にそれぞれ配置されている。人体検知装置44は、左側スピーカユニット43aと右側スピーカユニット43bとの間に配置されている。音出力装置基板45は、人体検知装置44といずれか一方のスピーカユニット43(図4の場合には、左側スピーカユニット43a)との間に配置されている。
図4に示すように、スピーカユニット43は、それぞれ、下方を背面カバー42の下壁42aによって覆われている。また、スピーカユニット43の上方と側方は、背面カバー42に設けられた略コの字状の隔壁42bによって覆われている。つまり、スピーカユニット43は、前方を下面パネル10で、後方を背面カバー42で、下方を下壁42aで、上方と側方とを隔壁42bで覆われている。そして、スピーカユニット43と音出力装置基板45とを接続するリード線は、隔壁42bの外側(スピーカユニット43が設けられていない側)に沿って、配線されている。
スピーカユニット43について、図5から図7を用いて説明する。図5は、図4におけるAA断面図であり、図6、図7は、スピーカユニット43の斜視図である。
スピーカユニット43は、略直方体の筐体50に内部に、振動板と、振動板に接続されたコイルと、コイルの周囲に設けられた磁石とを備えたスピーカ本体(図示せず)を備えている。筐体50は、両側面からそれぞれ突出するフランジ部50bを備えており、スピーカユニット43は、フランジ部50bを介して、背面カバー42にビス止めされている。筐体50の前面には、振動板と対向して開口部50aが設けられている。
音出力装置基板45からの電気がコイルに与えられると、コイル周囲に設けられた磁石の磁力と反応して、振動板が振動する。この振動はさらに空気を振動させて、それが空気圧の変化となり、開口部50a、多孔部41を通過して、音となって人に聞こえる。
筐体50の前面には、開口部50aの周囲を覆うように、ポリエチレンフォームなどの緩衝材50cが設けられている。そして、緩衝材50cの前面は、下面パネル10の内面と密着している(図5参照)。
さらに、図7に示すように、開口部50aの前面は、空気を透過するシート50dで覆われている。このシート50dは、空気の透過性が水の透過性より高いことが望ましい。
このように、本実施の形態では、スピーカユニット43は、エアフィルタ清掃装置35の前方かつ下方、または、前方、または、下方に設けられているので、エアフィルタ清掃装置35の駆動音(吸引装置の吸引音や、エアフィルタ6が移動する音)の影響を受けず、良質な音を使用者に届けることができる。
また、左側スピーカユニット43aと右側スピーカユニット43bとを室内機本体1の幅方向の両端部にそれぞれ設け、その間に人体検知装置44を配置することで、室内機本体1を大型化することなく、左右一対のスピーカユニットの間の距離を大きくとることができ、ステレオフォニック再生時に、空間的広がりのある音を発生させることができる。
また、スピーカユニット43は、スピーカ本体を、開口部50a以外を覆った筐体50内に収容し、さらにその周囲を、下面パネル10、背面カバー42、下壁42a、隔壁42bで覆うことで、不必要な方向に音漏れすることがなく、使用者に良質な音を届けることができる。
また、スピーカユニット43は、背面カバー42には密着固定される一方、下面パネル10とは、緩衝材50cを介して接しているのみであるため、スピーカユニット43の振動体の振動が、下面パネル10に伝わることを防止でき、下面パネル10から異音(びびり音)が発生することを防止できる。
また、スピーカユニット43と音出力装置基板45とを接続するリード線は、隔壁42bの外側に沿って配線されているので、スピーカユニット43の振動体の振動が、リード線に伝わることを防止でき、リード線から異音(びびり音)が発生することを防止できる。
さらに、空気調和機の冷房運転時に、吹出口5から吹出される冷たい空気が下面パネル10の表面に触れると、下面パネル10の内面に結露が生じることがある。しかし、本実施の形態では、開口部50aの周囲を緩衝材50cで覆っているので、下面パネル10の内面に結露した水分が、開口部50aから筐体50内部に侵入することを低減できる。
さらに、開口部50aの前方を、空気を透過するシート50dで覆うことで、吹出口5より吹出される空気に含まれる水分などが、多孔部41の複数の小孔から浸入したとしても、開口部50aから筐体50内部に侵入することは防止できる。このため、空気に含まれる水分などが、振動板で結露することを防止できる。
なお、シート50dは下面パネル10の多孔部41の背面側を覆うように設けても良いが、開口部50aの前方を覆うほうが望ましい。この理由を以下に説明する。スピーカユニット43が設けられているのは、音楽再生の専用機器(音響機器)に比較して、輸送時や設置時に乱雑に扱われる可能性が高い空気調和機である。このため、輸送時や設置時の振動などによって、緩衝材と下面パネル10の内面との密着性が弱くなってしまう場合も想定される。緩衝材と下面パネル10の内面との密着性が弱くなってしまうと、そこから水分等が浸入する可能性があるが、このような場合であっても、水分が筐体50内部に浸入することを防止できるためである。
人体検知装置44は、図4に示すように、複数(例えば、三つ)のセンサユニット44a、44b、44cで構成されている。そして、各センサユニット44a、44b、44
cのセンサ素子は、人体から放射される赤外線を検知する焦電素子型の赤外線センサにより構成しており、各センサユニット44a、44b、44cのセンサ素子が検知する赤外線量の変化により検知領域の人の存否を検出し、制御ユニット9はその赤外線量の変化に応じて出力するパルス信号に基づき人の在否を判定する。
そして、センサユニット44a、44b、44cは、室内機本体1の背面(垂直面)に対して傾斜して設けられているために、室内機本体1より前方下方の空調すべき領域を検知可能となっている。
より具体的には、図8に示すようにa〜gの複数の領域の人体検知を可能にしている。例えば、センサユニット44aは領域a、領域b、領域c、領域dを検知可能に構成し、センサユニット44bは領域b、領域c、領域e、領域fを検知可能に構成し、センサユニット44cは領域c、領域d、領域f、領域gを検知可能に構成する。このように構成することによって、センサユニット44aとセンサユニット44bで人体を検知し、センサユニット44cで人体を検知しない場合、人(使用者)は、領域bに居るとの判定ができる。なお、本実施の形態では人体検知装置44を用いて検知できる領域を七つとしたが、これに限定されることはない。
また、人体検知装置44は、図9に示すように、垂直方向の角度(俯角、水平線から下方向に測定した角度)αで、例えば、約15度から約80度の領域が検知可能に構成している。室内機本体1の取り付け位置(高さ方向)は、標準的には約2mの高さであるので、この場合には、床面における室内機本体1から距離では、約0.35mから約7.5mまでの領域が検知可能である。
一方、スピーカユニット43は、水平方向においては、室内機本体1の背面(垂直面)に対して並行に設けられている。具体的には、図8中の一点鎖線で示すように、左側スピーカユニット43a、右側スピーカユニット43bの音軸は、それぞれ略平行で、室内機本体1から正面に向かうように、スピーカユニット43が設けられている。ここで、音軸とは、音が伝播する領域の中心軸であり、通常、振動板の振動方向である。
また、垂直方向においては、音軸が、図9中の斜線領域で示す領域に含まれるように、スピーカユニット43は、室内機本体1の背面(垂直面)に対して傾斜して設けられている。具体的には、スピーカユニット43の音軸は、人体検知装置の上下方向の検知範囲のうち中心より下方の領域に含まれるように設けられている。そして、望ましくは、人体検知装置44の検知範囲を、室内機本体1からの距離に応じて、近距離領域(領域a)、中距離領域(領域b〜d)、遠距離領域(領域e〜g)の3つの領域に区分した場合に、近距離領域のうち遠方の略半分の領域と中距離領域のうち近方の略半分の領域と合わせた領域に含まれるように設けられている。また、より望ましくは、近距離領域と中距離領域とが接する面に含まれるように設けられている。
これによれば、室内機本体1から発生される音楽等を積極的に聴く可能性の高い、近距離領域(領域a)に座っている使用者や横になっている使用者の頭部に向けて、スピーカユニット43から音楽等を発することができるので、使用者に良質な音楽等を届けることができる。なお、近距離領域は、人が存在する可能性の高い領域であって、特に室内機本体1からの冷風や温風が快適に感じられる領域でもある。
特に、空気調和機は、その冷房能力や暖房能力に応じて、設置される部屋に最適な大きさがあるが、人体検知装置44の検知範囲に応じて、スピーカユニット43の設置角度を設定することで、冷房能力や暖房能力が異なる様々な機種について、使用者に最適な音楽等を届けられる構成とすることができる。
なお、本実施の形態では、人体検知装置44は、三つのセンサユニット44a、44b、44cで構成されているとして説明したが、中央のセンサユニット44aを省略して、二つのセンサユニット44b、44cで構成してもよい。この場合には、センサユニット44bは、領域bと領域eとを合わせた領域と、領域cと領域fとを合わせた領域とが、検知可能となる。また、センサユニット44cは、領域cと領域fとを合わせた領域と、領域dと領域gとを合わせた領域とが、検知可能となる。この場合には、スピーカユニット43の音軸は、領域b〜dに含まれるように、スピーカユニット43が設けられていることが望ましい。
以上のような構成の空気調和機では、制御ユニット9は、人体検知装置44で出力される信号に基づいて、検知範囲を複数に分割した領域に、人が存在するか否かを判断する。例えば、人体検知装置44で所定の検出時間(例えば、2分間)に人体検出される回数が所定の回数より多ければ、人が存在すると判断し、所定の回数より少なければ、人は存在していないと判断する。
また、制御ユニット9は、人体検知装置44で出力される信号に基づいて、人体の活動量(動き)の大小を判断してもよい。ここで、活動量が大と判断される場合は、人体の動きが激しい状態であり、活動量が小と判断される場合は、人体の動きが静かな状態であることを意味する。人体検知装置44で所定の検出時間(例えば、2分間)に人体検出される回数に応じて活動量を三段階で判断し、人体検出の回数が所定の回数Xよりも少ない場合に活動量が小と判断し、人体検出の回数が所定の回数Yよりも多い場合に活動量が大と判断してもよい(所定の回数X<所定の回数Yとする)。
そして、本実施の形態の空気調和機では、人の存在する領域に応じて、上下風向変更羽根7と左右風向変更羽根の向きを調整する。例えば、人の存在する領域を空調領域と判定し、人の存在する領域が1つの場合は、その空調領域にいる人の上半身に気流が当たるように、上下風向変更羽根7及び左右風向変更羽根を固定する。また、人の存在する場所が複数存在する場合は、複数の空調領域を1つずつ空調していく。1つの空調領域を空調する時間は活動量により異なり、活動量の大きい領域を長く、活動量の小さい領域は小さく空調し、使用者の体感温度に合わせた空調を行ってもよい。
また、送風ファン3の回転数は、室内機本体1と空調領域が遠くなるほど気流の到達性が悪化するので、室内機本体1と空調領域が遠いほど、高い回転数を設定するようにしてある。そして空調領域での室内温度がリモコン11で設定した基準室内設定温度となるように圧縮機や減圧装置などの冷凍サイクル構成部品を制御することによって、室内の空調運転を行う。
また、本実施の形態の空気調和機では、人の存在する領域に応じて、左側スピーカユニット43a、右側スピーカユニット43bの出力(音量)のバランスを調整する。より具体的には、室内機本体1からみて右側領域(領域b、e)に人が存在すると判断された場合には、右側スピーカユニット43bの出力(音量)を左側スピーカユニット43aより大きくする。または、室内機本体1からみて左側領域(領域d、g)に人が存在すると判断された場合には、左側スピーカユニット43aの出力(音量)を右側スピーカユニット43bより大きくする。
これによって、室内機本体1の正面に使用者が居ない場合であっても、使用者にとって左右バランスの良いステレオフォニック再生とすることができる。
そして更に、この壁掛け式空気調和機は、図3、図10に示すように、その室内機本体
1上面の吸込口4より前方部分に、前方にいくほど下方に位置する前下がり状の傾斜面12を形成し、この傾斜面12に間接照明を行うための光源ユニット14を設けてある。
この光源ユニット14は図10に示すように短冊状に形成し、室内機本体1の上面長手方向ほぼ全域にわたって位置するように設置してある。より詳細には、光源ユニット14は、上方の吸込口4の開口のほぼ全幅にわたって配置されることが望ましい。
図11〜図14は上記光源ユニット14を示し、この光源ユニット14は図12に示すように、光源ユニット14の両側部に位置する光源体15と、この光源体15からの光を拡散してそれ自身が光源となる導光板16を有し、これら光源体15と導光板16とを短冊状筐体17で保持してユニット化してある。
上記短冊状筐体17は、光源体15と導光板16を支持する支持基台18と、前記導光板16及び光源体15の上方から前記支持基台18に被せ装着してこれら光源体15と導光板16を固定するカバー19とで構成してある。導光板16と支持基台18とは、それぞれ長手方向に2つの部品で構成されている。2つの導光板16はそれぞれ平面(光源体15が設けられた面と垂直な面)に微細加工が施されている。
前記光源体15は、図14に示すように例えばLEDで構成した発光素子20とこれを装着したプリント基板からなる光源体基板21とからなり、図11、図12に示すように光源ユニット14の両側部に位置していてそれぞれの発光素子20が向かい合いそれぞれが中心方向に向かって互いに光を照射するように配置してある。
導光板16と発光素子20とは、0.2mm以上0.8mm以下の隙間を設けて配置されている。これによれば、導光板16と発光素子20が接触することによる発光素子の破損の防止と、発光素子20からの光漏れ(発光素子20からの光のうち導光板16に入射されない光が生じること)の防止を両立できる。
そして、上記発光素子20は発光色が異なる少なくとも二種類の発光素子20a、20bからなっていて、例えばこの実施の形態ではその一方の発光素子20aは白色系の発光、他方の発光素子20bは暖色系の発光を行う。より詳細には、発光素子20aの色温度は、6020〜7040Kであり、発光素子20bの色温度は、3220〜3710Kであることが望ましい。
また、2つの導光板16はそれぞれの一端面を前記発光素子20a、20bに対向させ他端面を互いに突き合わせて配置してあり、発光素子20a或いは20bからの光を拡散して短冊状の長細い光源ユニット14の全域を発光状態とし、天井面に向けて光を照射する。この時この導光板16は導光板16を中心に周囲に光を拡散放射し、少なくとも壁掛け式空気調和機本体の横幅よりも広い範囲の天井を照射可能となっている。つまり、2つの導光板16は、ぞれぞれ、光源体15を設けた側の端面から入射した光を、導光板16の内面で全反射する際の光の反射角度を変え、平面から出射させることで、面発光を行うようになっている。さらに、図11中に矢印Bで示すように、導光板16から出射される光の中心軸は、平面の垂直方向から光源体15を設けた側に向かって傾斜した方向になっている。
さらに2つの導光板16は、0.7mm以上1.3mm以下の隙間を設けて、互いに突き合わせて配置されている。これによれば、2つの導光板16が、熱膨張によって長手方向に伸びて互いに衝突することによる導光板16の変形防止と、突き合わせ部の隙間を目立ちにくくすることを両立できる。これによって、導光板16を2つに分割しても、むらの少ない均一な面発光が実現できる。
また、短冊状筐体17の支持基台18は長手方向に複数の壁板部22a、22b、22c、22d(図13参照)を設けて構成してあり、後方側に位置する一対の壁板部22a、22bにより構成する凹部23に前記導光板16を嵌合装着してある。また、前方側に位置する一対の壁板部22c、22dにより構成する空間部24(図13参照)に前記光源体15の発光素子20に繋がるリード線25を通し、二つある支持基台18のうちの一方の端部に設けたリード線引出部26(図12参照)まで引き出し、他方の光源体15の発光素子20からのリード線(図示せず)とともに引き出して前記した制御ユニット9に接続し給電するようにしてある。
さらに前記短冊状筐体17のカバー19は、図12に示すように前記した導光板16の上面と対向する部分を切除した形の略コ字状に形成し、その両端部分に前記光源体15の外面側を覆う側面カバー部27が設けてある。図13に示すように、前記カバー19の前方は、長手方向に垂直な断面が略円弧状の平板で形成されている。一方、その平板の後方、すなわち、前記カバー19の導光板16の前端面側に位置する部分は階段状に隆起させてカバー壁板部28を形成している。カバー壁板部28の上端は後述するように前下がり上に設置される導光板16の後方端Xよりも上方に位置するようにして前方水平方向への光を遮る遮光部の機能を果たすようにしてある。そして前記カバー壁板部28の下端数カ所に係合爪片29を形成し、この係合爪片29を前記各支持基台18の壁板部22bと22cとの間に形成した係合孔30に嵌合弾着させて、支持基台18を連結保持し、これらと一体になって短冊状筐体17を構成している。
以上のように構成した上記光源ユニット14は、この実施の形態では図13に示すようにその導光板16が室内機本体1上面の傾斜面12に沿って前下がり状態になるように傾斜設置してある。なお、この光源ユニット14の設置は前記前下がり状態の傾斜設置に限られるものではなく、例えば略水平状態や後ろ下がり傾斜設置等してもよいものである。
そして、上記光源ユニット14は、図1に示すリモコン11に設けた、光源ユニットを「入」「切」するスイッチである照明スイッチ31によってその通電回路を開・閉可能なようにしてある。更に、前記リモコン11に設けた運転スイッチ32をオン操作、或いは同リモコン11に設けた所定時刻もしくは所定時間後に空調運転を開始するように指示する「入」タイマースイッチ33を操作することによって、当該指示した時間に点灯させることができるようにしてある。
また、同リモコン11に設けた「切」タイマースイッチ34を操作することによって所定時刻もしくは運転停止する所定時間前に点灯させ、所定時間後に消灯させることができるようにしてある。
なお、この実施の形態では、光源ユニット14の発光素子20が既に述べたように白色系と暖色系の二種類としてあって、運転スイッチ32或いは「入」タイマースイッチ33を操作した場合は白色系の発光素子20aを点灯させ、「切」タイマースイッチ34を操作した場合は暖色系の発光素子20bを点灯する構成としてある。
以上のように構成した空気調和機の動作について以下説明する。
まず、この空気調和機は一般的な空気調和機と同様、運転スイッチ32によるオン/オフ指示、「入」タイマースイッチ33及び「切」タイマースイッチ34の操作による指示によって、それぞれの指示に応じた空気調和運転を行う。
そして、この空気調和機は、その室内機本体1の前面にスピーカユニット43が設けて
あるので、運転スイッチ32をオンして通常の空調運転を開始、もしくは「入」タイマースイッチ33或いは「切」タイマースイッチ34を操作してタイマー運転を行うと、音楽や音声を出力することが可能となる。出力される音楽などは、制御ユニット9や音出力装置基板45に設けられたメモリ内に予め保存しておいたものでも良いし、音出力装置基板45に設けられた近距離無線通信手段を介して通信される、この空気調和機以外に存在する音楽再生装置(デジタル・オーディオ・プレーヤー)等に保存された音楽等であってもよい。
この音楽などの再生は、リモコン11に設けた、スピーカユニット43を「入」「切」するスイッチであるスピーカ・スイッチを、オンしておけば実施でき、オフしておけば音楽再生なしの空調運転だけを行うことができる。すなわち、使用者の好みに応じて音楽再生をするかしないかの選択ができる。
また、この空気調和機は、その室内機本体1の上面に光源ユニット14が設けてあるので、運転スイッチ32をオンして通常の空調運転を開始、もしくは「入」タイマースイッチ33或いは「切」タイマースイッチ34を操作してタイマー運転を行うと、間接照明を行うことが可能となる。
この間接照明は、照明スイッチ31をオンしてその給電回路を閉じておけば実施でき、オフしておけば間接照明なしの空調運転だけを行うことができる。すなわち、使用者の好みに応じて間接照明をするかしないかの選択ができる。
上記照明スイッチ31をオンした状態で運転スイッチ32をオンすると、空調運転とともに光源ユニット14の発光素子20が点灯し、間接照明を行うことができる。
また、照明スイッチ31をオンした状態で「入」タイマースイッチ33或いは「切」タイマースイッチ34を操作してタイマー運転すると、そのタイマー運転内容に応じて光源ユニット14の発光素子20が点灯し、間接照明を行うことができる。
このタイマー運転時における光源ユニット14の点灯制御を図15の制御フロー図を用いて以下説明する。
図15において、この光源ユニット制御は、まず運転指示有か否かを確認する(ステップS1)。
運転指示有の場合(ステップS1のY)、その運転指示が運転スイッチ32オンによる通常運転指示か、「入」タイマースイッチ33或いは「切」タイマースイッチ34のいずれかの操作によるタイマー運転指示かを判定する(ステップS2)。
タイマー運転指示であれば(ステップS2のタイマー運転)、それがタイマー運転「入」指示かを確認する(ステップS3)。
タイマー運転「入」指示であれば(ステップS3のY)、タイマー時刻に到達したかを確認し(ステップS4)、到達した時点で空調運転を開始する(ステップS5)。そして照明スイッチ31がオンされて照明点灯指示があるか否かを確認し(ステップS6)、照明点灯指示があれば(ステップS6のY)白色系の発光素子20aを点灯させて(ステップS7)間接照明を行う。
一方、前記タイマー運転指示がタイマー運転「切」の場合(ステップS3のN)、照明スイッチ31がオンされて照明点灯指示があるか否かを確認し(ステップS9)し、照明
点灯指示があれば(ステップS9のY)、暖色系の発光素子20bを点灯させて(ステップS10)間接照明を行う。そして、所定時間、例えば使用者が眠りにつく程度の時間が経過すると(ステップ11のY)、前記発光素子20bを消灯させて(ステップS12)間接照明を停止する。その後「切」タイマー設定時刻に到達すると、空調運転を停止する(ステップ14)。
なお、前記タイマー運転指示か否かの判定(ステップS2)において、タイマー運転指示ではなく通常運転指示であれば(ステップS2の通常運転)、そのまま空調運転を開始し(ステップS5)、更に照明スイッチ31がオンされて照明点灯指示があるか否かを確認し(ステップS6)、照明点灯指示があれば(ステップS6のY)白色系の発光素子20aを点灯させて(ステップS7)間接照明を行う。
図16(a)(b)は前記光源ユニット14による間接照明例を示すタイムチャートで、以下これを用いて上記制御による空調運転の状況と発光素子20の点灯状況を説明する。
まず、図16(a)に示すように「入」タイマーを操作して予約時刻をt5に設定した場合は、t5の所定時間前であるt5aに予備運転を開始し、予約時刻t5に到達すると空調運転を開始するとともに、暖色系の発光素子20bを点灯させて間接照明を開始する。ここで、予備運転とは、予約時刻に室温がリモコン11で設定された温度となるように、早めに空調運転を開始するものである。
一方、図16(b)に示すように空調運転中に「切」タイマーを操作して時刻t15に空調運転を停止するように設定した場合は、「切」タイマー設定とともに白色系の発光素子20aが消灯等して暖色系の発光素子20bを点灯し、暖色系の間接照明を行う。そして、この間接照明を行っている暖色系の発光素子20bは、「切」タイマーを設定した時刻t12から所定時間経過した時刻t13で消灯し、間接照明を停止する。その後、「切」タイマー時刻t15に到達すると、空調運転も停止する。なお、この例では前記発光素子20bを消灯する所定時間前、例えば数十秒前に発光素子20bの明るさを最小にし、時刻t15aに到達すると消灯するようにしてある。
以上のように構成した空気調和機について、次にその間接照明付空気調和機としての作用効果を説明すると、この空気調和機は、室内機本体1上面に光源ユニット14を設けてあるから、室内機本体1そのものが遮壁となって光源ユニット14による間接照明が可能となる。
すなわち、使用者はこの空気調和機の室内機本体1を部屋の壁面に据え付けるだけで空気調和とともに間接照明が可能となる。したがって部屋の壁面に遮壁を新たに敷設して照明装置を付設するような必要がなく、既築住宅であっても容易かつ安価に間接照明を実現することができる。
また、上記空気調和機の室内機本体1は、部屋の壁面に遮壁を設けることなく据え付けることができる。したがって、従来と同様部屋の壁面の上部に据え付けることができ、その設置位置が低くなって使用者に圧迫感を与えたり、気流が遠くまで届かなくなるなどによって空調性能が低下するなどのことがなく、快適な空調が可能となる。 また、上記光源ユニット14は短冊状に形成し、室内機本体1の上面長手方向に沿って設置してあるから、室内機本体1の長手方向略全域上方を光源ユニット14で照射して明るくすることができる。
すなわち、壁掛式空気調和機に間接照明用の照明ユニットを付設する場合、室内機本体
1の一部、例えば本体長手方向の一方端部分に間接照明用の照明ユニットを付設する等のことが考えられるが、このような形で付設した場合に生じる問題点、すなわち室内機本体1の一方端部分の上方のみが明るくなるようなアンバランスさや貧弱さを解消し、室内機本体1の上方略全域を明るくして、形だけの間接照明ではなくゴージャスで本格的な間接照明とすることができる。
しかも、この実施の形態では、前記光源ユニット14は室内機本体1上面の傾斜面12に当該傾斜面12と同様前下がり状態に傾斜設置してあるから、室内機本体1の前端上方もしくは前方上方の天井面を確実に明るくすることができる。すなわち、光源ユニット14の光源となる導光板16は前下がり傾斜していることによって室内機本体1の前端上方もしくは前方上方の天井面を照らし間接照明機能を確実に発揮させる。したがって、壁掛け式空気調和機の奥行き寸法が大きなものであっても良好な間接照明を実現することができる。
加えて、前記光源ユニット14は発光素子20の光を導光板16によって拡散するから、室内機本体1の本体横幅よりも広い範囲を照射することもできる。したがって、使用者は壁掛け式空気調和機本体の下方付近に位置していても、室内機本体1の両側部照射及び光源ユニット14の傾斜設置による前部照射により形成される室内機本体1周りの間接光によってほのかな間接照明を得ることができ、間接照明効果をより効果的かつ確実に発揮させることができる。
以上によれば、標準的な設置状態を想定し、室内機本体1と天井面との間の間隔を100mmであるとすると、光源ユニット14の真上(例えば、室内機本体1が設置された壁面からの距離が200mmの位置)の天井面では、150lux程度の照度とできる。そして、室内機本体1の前方(例えば、室内機本体1が設置された壁面からの距離が350mmの位置)の天井面でも、50lux以上の照度が確保できる。また、室内機本体1の本体横幅より外側(例えば、室内機本体1の中心から左右に400mmの位置)の天井面でも、50lux以上の照度が確保できる。つまり、室内機本体1の前面や側面の上部であっても、光源ユニット14の真上と比較して、約1/3以上の照度(lux値)を確保できる。
また、前記室内機本体1の上面に取付ける光源ユニット14は、短冊状筐体17と、短冊状筐体17の両端部から中央方向に向かって光を照射する光源体15と、この光源体15の照射光を短冊状筐体17の長手方向に沿って導光する導光板16とで構成してあるから、光源ユニット14自体の高さを低くすることができ、壁掛け式空気調和機を正面遠方から見た場合であっても、間接照明の雰囲気を損なうことがないようにすることができる。
そして、前記光源ユニット14は、その短冊状筐体17となる支持基台18に導光板16と光源体15を支持させ、この導光板16及び光源体15の上から前記支持基台18にカバー19を被せ装着してユニット化してあるから、導光板16及び光源体15を確実に保持しユニット化して室内機本体1に装着でき、その取り付けも容易に行うことができる。
更に、上記光源ユニット14は、導光板16を保持した短冊状筐体17の両端部に光源体15を設け、この光源体15の発光素子20から中央方向に向かって互いに向かい合うように光を照射させ導光板16で拡散するようにしてあるから、光源ユニット14が室内機本体1の長手方向に沿った長いものであっても少ない数の発光素子20で室内機本体1の上方略全域を照射することができる。
更にまた、上記光源ユニット14による光の照射は導光板16による光の拡散効果によってむらの少ない均一なものとすることができ、良質な間接照明を実現することができる。
加えて、上記導光板16によって既述したようにその光を室内機本体1の本体横幅よりも広い範囲を照射可能となり、光源ユニット14を室内機本体1の横幅一杯の長さに形成しなくても、前記したように室内機本体1の本体横幅よりも広い範囲を照射することができる。
一方、前記光源ユニット14を設けた室内機本体1は、その上面の光源ユニット14よりも前方部分が前下がり状態に傾斜する形となっているため、光源ユニット14の導光板16からの光によって室内機本体1上面の傾斜面12前部が薄明るく照らされる可能性がある。特にこの実施の形態では、前記光源ユニット14自体も前下がり状態に傾斜設置しているので、室内機本体1上面の傾斜面12前部は薄明るく照らされやすいことになる。そして、このように室内機本体1の前部上面が薄明るくなると光源ユニット14で照射している天井面の明るさがぼやけた形となる。
しかしながら、本実施の形態では、光源ユニット14の前方部分に光源となる導光板16から前方へと放射される光を遮る遮光部、すなわち多重の壁板部22あるいはリード線25あるいはカバー19およびそのカバー壁板部28が設けてあるから、良質な間接照明を得ることができる。
すなわち、短冊状筐体17の支持基台18の前部に設けた多重の壁板部22b、22c、22dは、導光板16の前端面から室内機本体1の前方上面へと放射される光を遮断し、光源ユニット14よりも前方の室内機本体1上面部分が薄明るくなるのを防止する。
また、上記多重の壁板部22b、22c、22dのうちの前部の壁板部22c、22dで形成した空間部24に設けたリード線25も、導光板16の前端面から前方へと放射される光を遮断し、壁板部22b、22c、22dによる遮効果と合わさってより確実に導光板16の前端面から室内機本体1の前方上面へと放射される光を遮断することになる。そして、上記リード線25は導光板16の前端面から前方へと放射される光を遮断する多重の壁板部22c、22dの間に形成した空間部24を利用して引き出し配線することができ、構成の合理化が図れる。
さらに、前記光源ユニット14のカバー19も、導光板16の前方を覆って導光板16の前端面から室内機本体1の前方上面へと放射される光を遮断し、光源ユニット14よりも前方の室内機本体1上面部分が薄明るくなるのを防止することができる。また、光源ユニット14の一部分から前方に光が漏れることを防止できる。
特に、この実施の形態では、光源ユニット14自体を前下がり状態に傾斜設置しているため、導光板16の特に上面から放射される光の一部が光源ユニット14よりも前方の室内機本体1上面部分を薄明るく照らす可能性があるが、この光も上記導光板16の前方部を覆うカバー19にカバー壁板部28を設けて遮光し、光源ユニット14よりも前方の室内機本体1上面部分が薄明るくなるのを防止することができる。すなわち、導光板16の前方部を覆うカバー19に設けたカバー壁板部28が導光板16の後端部Xよりも高位置まで立設設定してあるので、導光板16上面から前方への光を遮り、光源ユニット14よりも前方の室内機本体1上面部分が薄明るくなるのを防止することができる。
このように壁板部22あるいはリード線25あるいはカバー19及びそのカバー壁板部28からなる遮光部はそのいずれかもしくは複数が前下がり状態の光源ユニット14から
の光を遮って光源ユニット14よりも前方の室内機本体1上面部分を照らしてこの部分が薄明るくなるのを防止することができ、天井面に形成される間接光をくっきりと浮かび上がらせて良質な間接照明とすることができる。
なお、上記遮光部となる壁板部22あるいはリード線25あるいはカバー19及びそのカバー壁板部28はそのすべてを具備させることによって遮光効果を高いものとすることができるが、そのすべてを必要とするものではなく、少なくとも導光板16の前端面に位置する壁板部22bを遮光部として備えておればよいものである。
また、この実施の形態では遮光に関しては更に次のような効果も備えている。すなわち、前記光源ユニット14の短冊状筐体17を構成するカバー19には、その両端部分に光源体15を覆う側面カバー部27を設けてあるから、光源ユニット14の両側部から光源体15の発光素子20からの光もしくは導光板16両側部からの光が横方向に漏れるのを防止することができる。これにより、室内機本体1の側方部が一部明るくなって間接照明効果を低下させてしまうのを防止でき、更に良質な間接照明とすることができる。
さらにまたこの実施の形態の光源ユニット14は、その制御例で説明したように「入」タイマー設定時は白色系の発光素子20aを点灯させて間接照明を行い、「切」タイマー設定時は暖色系の発光素子20bを点灯させて間接照明を行う。したがって、「入」タイマーを設定して空調運転を開始させる起床時のようなときには、太陽光に近い白色系の間接照明を行って目覚めやすくするとともに活動的な雰囲気を創出することができる。そして、「切」タイマーを設定する夜間の休息時や就寝時等は、暖色系の光源体を点灯させて間接照明を行って安らぎを与えるとともに眠りやすい雰囲気を創出することができる。すなわち、使用者の生活シーンに応じて最適な間接照明が可能となり、空調効果と相まってより快適な空間の創出が可能となる。
しかも、上記白色系、暖色系の照明切換は「入」タイマー及び「切」タイマーに連動して自動的に行われるので、使い勝手もよい。
さらに前記光源ユニット14による間接照明は、照明スイッチ31によって間接照明有もしくは間接照明無に任意に選択することができ、好みに応じて使い分けられるので使い勝手は一段と良好なものとなる。
以上、本発明に係る空気調和機について、上記実施の形態を用いて説明してきたが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。つまり、本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
例えば、遮光部となる壁板部22あるいはリード線25あるいはカバー19及びそのカバー壁板部28はそのすべてを具備することによって遮光効果の高いものとすることができるが、既に述べたように必ずしもそのすべてを必要とするものではなく、少なくとも導光板16の前端面に位置する壁板部22bを遮光部として備えておればよいものである。
また光源ユニット14の遮光部となる壁板部22は多重でなくても導光板16の前端部に対向する壁板部22b一つであってもよいし、リード線25も必ずしも導光板16の前方に配線しなければならないというものでもない。
さらに、カバー19に隆起させて設けたカバー壁板部28も、光源ユニット14、すなわち導光板16を前下がり状に傾斜設置しなければ必ずしも必要としないものである。
また、間接照明の照明色は白色系及び暖色系の二色だけではなく暖色系から白色系の間を数段階に切り換えられるようにしてもよいし、間接照明も照明スイッチ31を設けることなく空調運転時は常に間接照明を行うようにしてもよい。
また、照明スイッチ31の操作によって、空気調和機の運転とは無関係に、光源ユニット14の点灯または消灯させる場合があってもよい、等々である。