JP6271772B2 - 光硬化性組成物、義歯床及び有床義歯 - Google Patents

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Description

本発明は、光硬化性組成物、義歯床及び有床義歯に関する。
従来、樹脂製の義歯床(「レジン床」と呼ばれている)は、まず、歯科的な手法により、患者の口腔内の形状に適合した石膏型を作製し、次いでこの石膏型中に硬化性樹脂を流し込み、次いで硬化性樹脂を硬化させる方法によって作製されていた。
近年では、患者の来院の回数を減らし効率的に義歯床を製造する方法として、上述の石膏型を用いる方法に代えて、患者の口腔内の形状を三次元計測によって測定し、測定結果に基づいて義歯床を製造する方法も提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。また、3Dプリンタを用いて歯科補綴物を製造する方法が開示されている(例えば、下記特許文献2参照)。
特許文献1:特開平6−78937号公報
特許文献2:特許第4160311号公報
3Dプリンタを用い、歯科補綴物、口腔内で使用される医療器具、又は歯顎モデル(以下、これらを総称し「歯科補綴物等」ともいう)を製造する方法の一つとして、光硬化性組成物を歯科補綴物等の形状に造形し、得られた造形物を光硬化させることによって歯科補綴物を製造する、「光造形」と呼ばれる方法が挙げられる。
光造形によって歯科補綴物等(特に義歯床)を作製する場合、歯科補綴物等の実用性を考慮すると、光硬化後の光硬化性組成物には、曲げ強度(曲げ強さ)及び曲げ弾性率に優れることが求められる。更に、この場合において、歯科補綴物等の耐久性を考慮すると、光硬化後の光硬化性組成物には、シャルピー衝撃強度に優れることも求められる。
本発明の実施形態の目的は、光造形による、歯科補綴物、口腔内で使用される医療器具、又は歯顎モデルの作製に用いられ、光硬化後において、曲げ強度、曲げ弾性率及びシャルピー衝撃強度に優れる光硬化性組成物を提供することである。
また、本発明の実施形態の別の目的は、上記光硬化性組成物を用いて製造され、曲げ強度、曲げ弾性率及びシャルピー衝撃強度に優れる義歯床、並びに、上記義歯床を備える有床義歯を提供することである。
本発明者等は、鋭意検討した結果、特定のモノマー種の組み合わせを含む光硬化性組成物が、光硬化後において、曲げ強度、曲げ弾性率及びシャルピー衝撃強度に優れ、光造形による歯科補綴物等(即ち、歯科補綴物、口腔内で使用される医療器具、又は歯顎モデル)の作製に特に好適であることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、前記課題を解決するための具体的手段は以下のとおりである。
<1> 光造形による、歯科補綴物、口腔内で使用される医療器具、又は歯顎モデルの作製に用いられる光硬化性組成物であって、
(メタ)アクリルモノマー成分及び光重合開始剤を含有し、
前記(メタ)アクリルモノマー成分が、
1分子中に2個の芳香環と2個のアクリロイルオキシ基とを有するジアクリルモノマーから選ばれる少なくとも1種であり、重量平均分子量が400以上580以下であるアクリルモノマー(X)と、
1分子中に芳香環を有さず1個以上のエーテル結合と2個の(メタ)アクリロイルオキシ基とを有するジ(メタ)アクリルモノマーから選ばれる少なくとも1種であり重量平均分子量が200以上400以下である(メタ)アクリルモノマー(A)、1分子中に芳香環を有さず芳香環以外の環構造と1個の(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する(メタ)アクリルモノマーから選ばれる少なくとも1種であり重量平均分子量が130以上240以下である(メタ)アクリルモノマー(B)、並びに、1分子中に芳香環及びエーテル結合を有さず炭化水素骨格と2個の(メタ)アクリロイルオキシ基とを有するジ(メタ)アクリルモノマーから選ばれる少なくとも1種であり重量平均分子量が190以上280以下である(メタ)アクリルモノマー(C)からなる群から選択される少なくとも1つと、
を含む光硬化性組成物。
<2> 前記アクリルモノマー(X)を構成するジアクリルモノマーのうちの少なくとも1種が、1分子中にエーテル結合を有する<1>に記載の光硬化性組成物。
<3> 前記アクリルモノマー(X)を構成するジアクリルモノマーのうちの少なくとも1種が、1分子中に1個以上4個以下のエーテル結合を有する<1>又は<2>に記載の光硬化性組成物。
<4> 前記アクリルモノマー(X)を構成するジアクリルモノマーのうちの少なくとも1種が、下記一般式(x−1)で表される化合物である<1>〜<3>のいずれか1つに記載の光硬化性組成物。
〔一般式(x−1)中、R1x及びR2xは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。R3x及びR4xは、それぞれ独立に、直鎖又は分岐鎖の炭素原子数2〜4のアルキレン基を表す。mx及びnxは、それぞれ独立に、0〜4を表す。但し、1≦(mx+nx)≦4を満たす。〕
<5> 前記アクリルモノマー(X)を構成するジアクリルモノマーのうちの少なくとも1種が、下記一般式(x−2)で表される化合物である<1>〜<4>のいずれか1つに記載の光硬化性組成物。
〔一般式(x−2)中、R5x、R6x、R7x、及びR8xは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。mx及びnxは、それぞれ独立に、0〜4を表す。但し、1≦(mx+nx)≦4を満たす。〕
<6> 前記(メタ)アクリルモノマー(A)を構成するジ(メタ)アクリルモノマーのうちの少なくとも1種が、下記の一般式(a−1)で表される化合物である<1>〜<5>のいずれか1つに記載の光硬化性組成物。
〔一般式(a−1)中、R1a及びR2aは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。R3aは、直鎖又は分岐鎖の炭素原子数2〜4のアルキレン基を表す。pは、2〜4を表す。〕
<7> 前記(メタ)アクリルモノマー(A)を構成するジ(メタ)アクリルモノマーのうちの少なくとも1種が、下記の一般式(a−2)で表される化合物である<1>〜<6>のいずれか1つに記載の光硬化性組成物。
〔一般式(a−2)中、R1a、R2a、R4a、R5a、R6a及びR7aは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。p、q及びrは、それぞれ独立に、0又は1を表す。但し、p+q+r≧2を満たす。〕
<8> 前記(メタ)アクリルモノマー(B)を構成する(メタ)アクリルモノマーのうちの少なくとも1種が、下記一般式(b−1)で表される化合物である<1>〜<7>のいずれか1つに記載の光硬化性組成物。
〔一般式(b−1)中、R1bは水素原子又はメチル基を表す。R2bは単結合又はメチレン基を表す。Aは芳香環以外の環構造を表す。〕
<9> 前記(メタ)アクリルモノマー(B)を構成する(メタ)アクリルモノマーのうちの少なくとも1種が、下記一般式(b−2)で表される化合物である<1>〜<8>のいずれか1つに記載の光硬化性組成物。
〔一般式(b−2)中、R1bは、水素原子又はメチル基を表す。R2bは単結合又はメチレン基を表す。Aは、ジシクロペンテニル骨格、ジシクロペンタニル骨格、シクロヘキサン骨格、テトラヒドロフラン骨格、モルホリン骨格、イソボルニル骨格、ノルボルニル骨格、ジオキソラン骨格又はジオキサン骨格を有する環構造を表す。〕
<10> 前記(メタ)アクリルモノマー(C)を構成するジ(メタ)アクリルモノマーのうちの少なくとも1種が、下記一般式(c−1)で表される化合物である<1>〜<9>のいずれか1つに記載の光硬化性組成物。
〔一般式(c−1)中、R1c及びR2cは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。R3cは、炭素原子数1〜9のアルキレン基を表す。〕
<11> 前記(メタ)アクリルモノマー(C)を構成するジ(メタ)アクリルモノマーのうちの少なくとも1種が、下記一般式(c−2)で表される化合物である<1>〜<10>のいずれか1つに記載の光硬化性組成物。
〔一般式(c−2)中、R1c及びR2cは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、R4c及びR5cは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、ncは、1〜9を表す。但し、−(CR4c5cnc−で表されるアルキレン基の炭素原子数は1〜9である。〕
<12> 前記光重合開始剤が、アルキルフェノン系化合物及びアシルフォスフィンオキサイド系化合物の少なくとも一方である<1>〜<11>のいずれか1つに記載の光硬化性組成物。
<13> 前記アクリルモノマー(X)の含有量が、前記(メタ)アクリルモノマー成分の合計含有量1000質量部に対し、550質量部〜800質量部である<1>〜<12>のいずれか1つに記載の光硬化性組成物。
<14> 前記(メタ)アクリルモノマー(A)の含有量が、前記(メタ)アクリルモノマー成分の合計含有量1000質量部に対し、100質量部〜450質量部である<1>〜<13>のいずれか1つに記載の光硬化性組成物。
<15> 前記(メタ)アクリルモノマー(B)の含有量が、前記(メタ)アクリルモノマー成分の合計含有量1000質量部に対し、100質量部〜450質量部である<1>〜<14>のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。
<16> 前記(メタ)アクリルモノマー(C)の含有量が、前記(メタ)アクリルモノマー成分の合計含有量1000質量部に対し、100質量部〜450質量部である<1>〜<15>のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。
<17> 前記光重合開始剤の含有量が、前記(メタ)アクリルモノマー成分の合計含有量1000質量部に対し、1質量部〜50質量部である<1>〜<16>のいずれか1つに記載の光硬化性組成物。
<18> E型粘度計を用いて測定された、25℃、50rpmにおける粘度が、20mPa・s〜1500mPa・sである<1>〜<17>のいずれか1つに記載の光硬化性組成物。
<19> 光造形による、義歯床又はマウスピースの作製に用いられる<1>〜<18>のいずれか1つに記載の光硬化性組成物。
<20> 光造形による義歯床の作製に用いられる<1>〜<19>のいずれか1つに記載の光硬化性組成物。
<21> <20>に記載の光硬化性組成物の硬化物である義歯床。
<22> <21>に記載の義歯床と、前記義歯床に固定された人工歯と、を備える有床義歯。
本発明の実施形態によれば、光造形による、歯科補綴物、口腔内で使用される医療器具、又は歯顎モデルの作製に用いられ、光硬化後において、曲げ強度、曲げ弾性率及びシャルピー衝撃強度に優れる光硬化性組成物が提供される。
また、本発明の実施形態によれば、上記光硬化性組成物を用いて光造形によって製造され、曲げ強度、曲げ弾性率及びシャルピー衝撃強度に優れる義歯床、並びに、上記義歯床を備える有床義歯が提供される。
以下、本発明の実施形態(以下、「本実施形態」ともいう)について説明する。
本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
なお、本明細書において「エーテル結合」とは、通常定義されるとおり、2つの炭化水素基間を酸素原子によって結ぶ結合(−O−で表される結合)を示す。従って、エステル結合(−C(=O)−O−)中の「−O−」は、「エーテル結合」には該当しない。
また、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタクリレートを表し、「(メタ)アクリロイルオキシ基」は、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を表す。
〔光硬化性組成物〕
本実施形態の光硬化性組成物は、
光造形による、歯科補綴物、口腔内で使用される医療器具、又は歯顎モデルの作製に用いられる光硬化性組成物であって、
(メタ)アクリルモノマー成分及び光重合開始剤を含有し、
前記(メタ)アクリルモノマー成分が、
1分子中に2個の芳香環と2個のアクリロイルオキシ基とを有するジアクリルモノマーから選ばれる少なくとも1種であり、重量平均分子量が400以上580以下であるアクリルモノマー(X)と、
1分子中に芳香環を有さず1個以上のエーテル結合と2個の(メタ)アクリロイルオキシ基とを有するジ(メタ)アクリルモノマーから選ばれる少なくとも1種であり重量平均分子量が200以上400以下である(メタ)アクリルモノマー(A)、1分子中に芳香環を有さず芳香環以外の環構造と1個の(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する(メタ)アクリルモノマーから選ばれる少なくとも1種であり重量平均分子量が130以上240以下である(メタ)アクリルモノマー(B)、並びに、1分子中に芳香環及びエーテル結合を有さず炭化水素骨格と2個の(メタ)アクリロイルオキシ基とを有するジ(メタ)アクリルモノマーから選ばれる少なくとも1種であり重量平均分子量が190以上280以下である(メタ)アクリルモノマー(C)からなる群から選択される少なくとも1つと、
を含む。
本実施形態の光硬化性組成物は、アクリルモノマー(X)と、(メタ)アクリルモノマー(A)、(メタ)アクリルモノマー(B)及び(メタ)アクリルモノマー(C)からなる群から選択される少なくとも1つ(以下、「(メタ)アクリルモノマー(A)〜(C)のうちの少なくとも1つ」ともいう)と、の組み合わせを含むことにより、光硬化後において、曲げ強度、曲げ弾性率及びシャルピー衝撃強度に優れる。
従って、本実施形態の光硬化性組成物を用い、光造形によって作製された歯科補綴物等(特に義歯床)も、曲げ強度、曲げ弾性率及びシャルピー衝撃強度に優れる。
更に、本実施形態の光硬化性組成物は、光造形による歯科補綴物等の作製に適した粘度を有する。
本実施形態において、「(メタ)アクリルモノマー成分」とは、本実施形態の光硬化性組成物に含まれる(メタ)アクリルモノマー全体を指す。
「(メタ)アクリルモノマー成分」には、少なくとも、アクリルモノマー(X)と、(メタ)アクリルモノマー(A)〜(C)のうちの少なくとも1つと、が含まれる。
「(メタ)アクリルモノマー成分」には、必要に応じ、これらアクリルモノマー(X)及び(メタ)アクリルモノマー(A)〜(C)以外のその他の(メタ)アクリルモノマーが含まれていてもよい。
本実施形態の光硬化性組成物には、以下の第1〜第3態様が包含される。
第1態様は、本実施形態における(メタ)アクリルモノマー成分が、少なくとも、アクリルモノマー(X)と(メタ)アクリルモノマー(A)とを含む態様である。
第2態様は、本実施形態における(メタ)アクリルモノマー成分が、少なくとも、アクリルモノマー(X)と(メタ)アクリルモノマー(B)とを含む態様である。
第3態様は、本実施形態における(メタ)アクリルモノマー成分が、少なくとも、アクリルモノマー(X)と(メタ)アクリルモノマー(C)とを含む態様である。
第1態様の範囲、第2態様の範囲、及び第3態様の範囲のうちの少なくとも2つには、重複部分が存在していてもよい。例えば、(メタ)アクリルモノマー成分が、アクリルモノマー(X)と(メタ)アクリルモノマー(A)と(メタ)アクリルモノマー(B)と(メタ)アクリルモノマー(C)とを含む態様は、第1態様〜第3態様のいずれにも該当する。
本実施形態(即ち、本実施形態の第1〜第3態様。以下同じ。)の光硬化性組成物では、アクリルモノマー(X)を含むことにより、アクリルモノマー(X)に代えて、1分子中に2個の芳香環と2個のメタクリロイルオキシ基とを有するジメタクリルモノマーを含む場合と比較して、光硬化後のシャルピー衝撃強度が向上する。
本実施形態の光硬化性組成物では、アクリルモノマー(X)を含むことにより、アクリルモノマー(X)に代えて、1分子中に1個の芳香環と1個のアクリロイルオキシ基とを有するアクリルモノマーを含む場合と比較して、光硬化後の曲げ強度及び曲げ弾性率が向上する。
本実施形態の光硬化性組成物では、アクリルモノマー(X)を含むことにより、アクリルモノマー(X)に代えて、1分子中に1個の芳香環と2個のアクリロイルオキシ基とを有するジアクリルモノマーを含む場合と比較して、モノマーの結晶性が高くなりすぎる現象が抑制され、光硬化性組成物の粘度が低減される。
本実施形態の光硬化性組成物では、アクリルモノマー(X)を含むことにより、アクリルモノマー(X)に代えて、1分子中に3個以上の芳香環を有するアクリルモノマーを用いた場合と比較して、光硬化性組成物の粘度が低減される。
本実施形態の光硬化性組成物では、アクリルモノマー(X)を含むことにより、アクリルモノマー(X)に代えて、1分子中に3個以上のアクリロイルオキシ基を有するアクリルモノマーを用いた場合と比較して、光硬化後のシャルピー衝撃強度が向上する。
また、本実施形態の光硬化性組成物では、アクリルモノマー(X)を含むことにより、アクリルモノマー(X)に代えて、1分子中に2個の芳香環と2個のアクリロイルオキシ基とを有するジアクリルモノマーから選ばれる少なくとも1種であり、重量平均分子量が580超であるアクリルモノマーを含む場合と比較して、光硬化後の曲げ強度及び曲げ弾性率が向上する。
なお、アクリルモノマー(X)の重量平均分子量の下限である400は、モノマーの製造容易性又は入手容易性を考慮して設けられた下限である。
また、本実施形態の光硬化性組成物では、アクリルモノマー(X)に加えて、(メタ)アクリルモノマー(A)〜(C)のうちの少なくとも1つを含むことにより、光硬化後の曲げ強度及び曲げ弾性率が更に向上する。
より具体的には、本実施形態の第1態様の光硬化性組成物は、前述のとおり、(メタ)アクリルモノマー成分が、少なくとも、アクリルモノマー(X)と(メタ)アクリルモノマー(A)とを含む態様の光硬化性組成物である。
ここで、(メタ)アクリルモノマー(A)は、前述のとおり、1分子中に芳香環を有さず1個以上のエーテル結合と2個の(メタ)アクリロイルオキシ基とを有するジ(メタ)アクリルモノマーから選ばれる少なくとも1種であり重量平均分子量が200以上400以下である(メタ)アクリルモノマーである。
第1態様の光硬化性組成物によれば、第1態様における(メタ)アクリルモノマー(A)が、1分子中に芳香環を有さず1個以上のエーテル結合と2個の(メタ)アクリロイルオキシ基とを有し重量平均分子量が400超である(メタ)アクリルモノマーに変更された光硬化性組成物であって第1〜第3態様のいずれにも該当しない光硬化性組成物と比較して、光硬化後の曲げ強度及び曲げ弾性率が向上する。
なお、(メタ)アクリルモノマー(A)の重量平均分子量の下限である200は、モノマーの製造容易性又は入手容易性を考慮して設けられた下限である。
また、本実施形態の第2態様の光硬化性組成物は、前述のとおり、(メタ)アクリルモノマー成分が、少なくとも、アクリルモノマー(X)と(メタ)アクリルモノマー(B)とを含む態様の光硬化性組成物である。
ここで、(メタ)アクリルモノマー(B)は、前述のとおり、1分子中に芳香環を有さず芳香環以外の環構造と1個の(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する(メタ)アクリルモノマーから選ばれる少なくとも1種であり重量平均分子量が130以上240以下である(メタ)アクリルモノマーである。
第2態様の光硬化性組成物によれば、第2態様における(メタ)アクリルモノマー(B)が、1分子中に芳香環以外の環構造と1個の(メタ)アクリロイルオキシ基とを有し重量平均分子量が240超である(メタ)アクリルモノマーに変更された光硬化性組成物であって第1〜第3態様のいずれにも該当しない光硬化性組成物と比較して、光硬化後の曲げ強度及び曲げ弾性率が向上する。
また、第2態様の光硬化性組成物によれば、第2態様における(メタ)アクリルモノマー(B)が、1分子中に環構造を持たない(メタ)アクリルモノマーに変更された光硬化性組成物であって第1〜第3態様のいずれにも該当しない光硬化性組成物と比較して、光硬化後の曲げ強度及び曲げ弾性率が向上する。
なお、(メタ)アクリルモノマー(B)の重量平均分子量の下限である130は、モノマーの製造容易性又は入手容易性を考慮して設けられた下限である。
また、本実施形態の第3態様の光硬化性組成物は、前述のとおり、(メタ)アクリルモノマー成分が、少なくとも、アクリルモノマー(X)と(メタ)アクリルモノマー(C)とを含む態様の光硬化性組成物である。
ここで、(メタ)アクリルモノマー(C)は、前述のとおり、1分子中に芳香環及びエーテル結合を有さず炭化水素骨格と2個の(メタ)アクリロイルオキシ基とを有するジ(メタ)アクリルモノマーから選ばれる少なくとも1種であり重量平均分子量が190以上280以下である(メタ)アクリルモノマーである。
第3態様の光硬化性組成物によれば、第3態様における(メタ)アクリルモノマー(C)が、1分子中に芳香環及びエーテル結合を有さず炭化水素骨格及び2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有し重量平均分子量が280超である(メタ)アクリルモノマーに変更された光硬化性組成物であって第1〜第3態様のいずれにも該当しない光硬化性組成物と比較して、光硬化後の曲げ強度及び曲げ弾性率が向上する。
なお、(メタ)アクリルモノマー(C)の重量平均分子量の下限である190は、モノマーの製造容易性又は入手容易性を考慮して設けられた下限である。
本実施形態の光硬化性組成物は、得られる歯科補綴物等(特に義歯床)の実用性の観点から、光硬化後において、以下の曲げ強度(曲げ強さ)及び以下の曲げ弾性率を満たすことが好ましい。
即ち、本実施形態の光硬化性組成物は、64mm×10mm×厚さ3.3mmの大きさに造形して造形物とし、得られた造形物に対し5J/cmの条件で紫外線照射して光硬化させて光造形物(即ち、硬化物。以下同じ。)とし、得られた光造形物を37±1℃の恒温水槽にて50±2時間保管し、保管後にISO20795−1:2008(又は、JIS T 6501:2012)に準拠して曲げ強度(曲げ強さ)を測定したときに、この曲げ強度が、60MPa以上を満たすことが好ましく、65MPa以上を満たすことがより好ましい。
また、本実施形態の光硬化性組成物は、64mm×10mm×厚さ3.3mmの大きさに造形して造形物とし、得られた造形物に対し5J/cmの条件で紫外線照射して光硬化させて光造形物とし、得られた光造形物を37±1℃の恒温水槽にて50±2時間保管し、保管後にISO20795−1:2008(又は、JIS T 6501:2012)に準拠して曲げ弾性率を測定したときに、この曲げ弾性率が、1500MPa以上を満たすことが好ましく、2000MPa以上を満たすことがより好ましい。
また、本実施形態の光硬化性組成物は、得られる歯科補綴物等(特に義歯床)の耐久性の観点から、以下のシャルピー衝撃強度を満たすことが好ましい。
即ち、本実施形態の光硬化性組成物は、80mm×10mm×厚さ4mmの大きさに造形して造形物とし、得られた造形物に対し5J/cmの条件で紫外線照射して光硬化させて光造形物とし、得られた光造形物を37±1℃の恒温水槽にて50±2時間保管し、保管後の光造形物の長手方向中央部に深さ2mmの形状Aのノッチを設けてシングルノッチ付き試験片とし、得られたシングルノッチ付き試験片のシャルピー衝撃強度を、ISO179−1:2010(又は、JIS K 7111−1:2012)に準拠し、ハンマー容量0.5J、空振り角度148度、試験温度23℃、エッジワイズ衝撃の条件で測定したときに、このシャルピー衝撃強度が、1.0kJ/m以上を満たすことが好ましい。
本実施形態の光硬化性組成物は、歯科補綴物等(即ち、歯科補綴物、口腔内で使用される医療器具、又は歯顎モデル)の光造形による作製に用いられる。
本実施形態において、歯科補綴物としては、義歯床、義歯、インレー、クラウン、ブリッジ、テンポラリークラウン、テンポラリーブリッジ等が挙げられる。中でも、義歯床が好ましい。
また、本実施形態において、口腔内で使用される医療器具としては、歯科矯正器具(例えば、マウスピース、歯列矯正器具)、咬合用スプリント、印象採得用トレイ、手術用ガイド等が挙げられる。中でも、歯科矯正器具が好ましく、マウスピースがより好ましい。
歯科補綴物等(即ち、歯科補綴物、口腔内で使用される医療器具、又は歯顎モデル)としては、歯科補綴物又は歯科矯正器具が好ましく、義歯床又はマウスピースがより好ましく、義歯床が特に好ましい。
本実施形態において、「光造形」は、3Dプリンタを用いた三次元造形方法のうちの1種である。
光造形の方式としては、SLA(Stereo Lithography Apparatus)方式、DLP(Digital Light Processing)方式、インクジェット方式などが挙げられる。
本実施形態の光硬化性組成物は、SLA方式又はDLP方式の光造形に特に好適である。
SLA方式としては、スポット状の紫外線レーザー光を光硬化性組成物に照射することにより立体造形物を得る方式が挙げられる。
SLA方式によって歯科補綴物等を作製する場合、例えば、本実施形態の光硬化性組成物を容器に貯留し、光硬化性組成物の液面に所望のパターンが得られるようにスポット状の紫外線レーザー光を選択的に照射して光硬化性組成物を硬化させ、所望の厚みの硬化層を造形テーブル上に形成し、次いで、造形テーブルを降下させ、硬化層の上に1層分の液状光硬化性組成物を供給し、同様に硬化させ、連続した硬化層を得る積層操作を繰り返せばよい。これにより、歯科補綴物等を作製することができる。
DLP方式としては、面状の光を光硬化性組成物に照射することにより立体造形物を得る方式が挙げられる。
DLP方式によって立体造形物を得る方法については、例えば、特許第5111880号公報及び特許第5235056号公報の記載を適宜参照することができる。
DLP方式によって歯科補綴物等を作製する場合、例えば、光源として高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプなどのレーザー光以外の光を発射するランプ、LEDなどを用い、光源と光硬化性組成物の造形面との間に、複数のデジタルマイクロミラーシャッターを面状に配置した面状描画マスクを配置し、前記面状描画マスクを介して光硬化性組成物の造形面に光を照射して所定の形状パターンを有する硬化層を順次積層させればよい。これにより、歯科補綴物等を作製することができる。
インクジェット方式としては、インクジェットノズルから光硬化性組成物の液滴を基材に連続的に吐出し、基材に付着した液滴に光を照射することにより立体造形物を得る方式が挙げられる。
インクジェット方式によって歯科補綴物等を作製する場合、例えば、インクジェットノズルおよび光源を備えるヘッドを平面内で走査させつつ、インクジェットノズルから光硬化性組成物を基材に吐出し、かつ吐出された光硬化性組成物に光を照射して硬化層を形成し、これらの操作を繰り返して、硬化層を順次積層させればよい。これにより、歯科補綴物等を作製することができる。
本実施形態の光硬化性組成物は、光造形による歯科補綴物等の作製に対する適性の観点から、E型粘度計を用いて測定された、25℃、50rpmにおける粘度が、20mPa・s〜1500mPa・sであることが好ましい。前記粘度の下限は、50mPa・sであることがより好ましい。前記粘度の上限は、1000mPa・sであることがより好ましく、500mPa・sであることがより好ましい。
また、光造形の方式に応じて、本実施形態の光硬化性組成物の、25℃、50rpmにおける粘度を調整してもよい。
例えば、SLA方式により歯科補綴物等を作製する場合、前記粘度は、50mPa・s〜1500mPa・sであることが好ましく、50mPa・s〜1000mPa・sであることがより好ましい。
例えば、DLP方式により歯科補綴物等を作製する場合、前記粘度は、50mPa・s〜500mPa・sであることが好ましく、50mPa・s〜250mPa・sであることがより好ましい。
例えば、インクジェット方式により歯科補綴物等を作製する場合、前記粘度は、20mPa・s〜500mPa・sであることが好ましく、20mPa・s〜100mPa・sであることが好ましい。
次に、本実施形態(即ち、第1〜第3態様)の光硬化性組成物の成分について説明する。
<アクリルモノマー(X)>
本実施形態における(メタ)アクリルモノマー成分は、1分子中に2個の芳香環と2個のアクリロイルオキシ基とを有するジアクリルモノマーから選ばれる少なくとも1種であり、重量平均分子量が400以上580以下であるアクリルモノマー(X)を含む。
アクリルモノマー(X)は、1分子中に2個の芳香環と2個のアクリロイルオキシ基とを有するジアクリルモノマーの1種のみからなるものであってもよいし、このジアクリルモノマーの2種以上からなる混合物であってもよい。
アクリルモノマー(X)を構成するジアクリルモノマーのうちの少なくとも1種は、光硬化後のシャルピー衝撃強度をより向上させる観点から、1分子中にエーテル結合を有することが好ましい。
詳細には、アクリルモノマー(X)を構成するジアクリルモノマーのうちの少なくとも1種が1分子中にエーテル結合を有することにより、分子運動の自由度が増し、光硬化後の硬化物に柔軟性が付与されることで靱性が向上し、その結果、上記硬化物のシャルピー衝撃強度(即ち、光硬化性組成物の光硬化後のシャルピー衝撃強度)が向上する。
上記ジアクリルモノマーのうちの少なくとも1種は、1分子中に1個以上4個以下のエーテル結合を有することがより好ましい。
上記ジアクリルモノマーのうちの少なくとも1種において、1分子中のエーテル結合の数が4個以下であると、光硬化後の曲げ強度及び曲げ弾性率がより向上する。
1分子中のエーテル結合の数は、光硬化後の曲げ強度及び曲げ弾性率をより向上させる観点から、2個以上4個以下であることが更に好ましく、2個以上3個以下であることが特に好ましい。
上記ジアクリルモノマーのうちの少なくとも1種は、光硬化性組成物の粘度を低減させ、光硬化後の、シャルピー衝撃強度、曲げ強度、及び曲げ弾性率をより向上させる観点から、下記一般式(x−1)で表される化合物であることが更に好ましい。
一般式(x−1)中、R1x及びR2xは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。R3x及びR4xは、それぞれ独立に、直鎖又は分岐鎖の炭素原子数2〜4のアルキレン基を表す。mx及びnxは、それぞれ独立に、0〜4を表す。但し、1≦(mx+nx)≦4を満たす。
一般式(x−1)中にR3xが複数存在する場合、複数のR3xは同一であっても異なっていてもよい。R4xについても同様である。
一般式(x−1)では、R1x及びR2xは、メチル基であることが好ましい。
また、R3x及びR4xは、それぞれ独立に、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、1−メチルエチレン基、1−エチルエチレン基又は2−メチルトリメチレン基であることが好ましく、エチレン基又は1−メチルエチレン基であることがより好ましい。
さらに、R3x及びR4xは、共にエチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、1−メチルエチレン基又は2−メチルトリメチレン基であることが好ましく、共にエチレン基又は1−メチルエチレン基であることがより好ましい。
また、mx+nxは1〜4であるが、光硬化後の曲げ強度及び曲げ弾性率をより向上させる観点から、2〜3であることが特に好ましい。
アクリルモノマー(X)を構成するジアクリルモノマーのうちの少なくとも1種は、光硬化性組成物の粘度を低減させ、光硬化後の、シャルピー衝撃強度、曲げ強度、及び曲げ弾性率をより向上させる観点から、下記一般式(x−2)で表される化合物であることが更に好ましい。
一般式(x−2)中、R5x、R6x、R7x、及びR8xは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。mx及びnxは、それぞれ独立に、0〜4を表す。但し、1≦(mx+nx)≦4を満たす。
一般式(x−2)中にR5xが複数存在する場合、複数のR5xは、同一であっても異なっていてもよい。R6x、R7x、及びR8xの各々についても同様である。
一般式(x−2)において、R5x及びR6xのうちの一方がメチル基であって他方が水素原子であり、かつ、R7x及びR8xのうちの一方がメチル基であって他方が水素原子であることが好ましい。
一般式(x−2)において、特に好ましくは、R5x及びR8xが共にメチル基であって、R6x及びR7xが共に水素原子であることである。
また、mx+nxは1〜4であるが、光硬化後の曲げ強度及び曲げ弾性率をより向上させる観点から、2〜3であることが好ましい。
アクリルモノマー(X)の具体例としては、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(EO=2mol、2.2mol、2.6mol、3mol、4mol)、プロポキシ化ビスフェノールAジアクリレート(PO=2mol、3mol、4mol)、エトキシ化ビスフェノールFジアクリレート(EO=2mol、2.2mol、2.6mol、3mol、4mol)、等が挙げられる。
本実施形態の光硬化性組成物において、アクリルモノマー(X)の含有量は、(メタ)アクリルモノマー成分の合計含有量1000質量部に対し、550質量部〜800質量部であることが好ましく、600質量部〜800質量部であることがより好ましく、620質量部〜800質量部であることが更に好ましい。
<(メタ)アクリルモノマー(A)>
本実施形態の第1態様における(メタ)アクリルモノマー成分は、1分子中に芳香環を有さず、1個以上のエーテル結合と2個の(メタ)アクリロイルオキシ基とを有するジ(メタ)アクリルモノマーから選ばれる少なくとも1種であり、重量平均分子量が200以上400以下である(メタ)アクリルモノマー(A)を含む。
(メタ)アクリルモノマー(A)は、第2態様における(メタ)アクリルモノマー成分及び第3態様における(メタ)アクリルモノマー成分の各々に含まれていてもよい。
(メタ)アクリルモノマー(A)は、1分子中に芳香環を有さず、1個以上のエーテル結合と2個の(メタ)アクリロイルオキシ基とを有するジ(メタ)アクリルモノマーの1種のみからなるものであってもよいし、このジ(メタ)アクリルモノマーの2種以上からなる混合物であってもよい。
(メタ)アクリルモノマー(A)を構成するジ(メタ)アクリルモノマーのうちの少なくとも1種は、光硬化後のシャルピー衝撃強度をより向上させる観点から、1分子中におけるエーテル結合の数が、1個又は2個であることが好ましい。
(メタ)アクリルモノマー(A)を構成するジ(メタ)アクリルモノマーのうちの少なくとも1種は、光硬化後のシャルピー衝撃強度をより向上させる観点から、下記一般式(a−1)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(a−1)中、R1a及びR2aは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。R3aは、直鎖又は分岐鎖の炭素原子数2〜4のアルキレン基を表す。pは、2〜4を表す。
一般式(a−1)では、複数のR3aは、同一であっても異なっていてもよい。
一般式(a−1)では、pは、2又は3が好ましい。
一般式(a−1)では、R1a及びR2aは、共に水素原子又はメチル基であることが好ましい。
また、R3aは、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、1−メチルエチレン基、1−エチルエチレン基、2−メチルトリメチレン基、又は2,2−ジメチルトリメチレン基であることが好ましく、エチレン基、1−メチルエチレン基又は2,2−ジメチルトリメチレン基であることがより好ましい。
(メタ)アクリルモノマー(A)を構成するジ(メタ)アクリルモノマーのうちの少なくとも1種は、下記の一般式(a−2)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(a−2)中、R1a、R2a、R4a、R5a、R6a及びR7aは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。p、q及びrは、それぞれ独立に、0又は1を表す。但し、p+q+r≧2を満たす。
一般式(a−2)では、R1a及びR2aは、共に水素原子又はメチル基であることが好ましい。R4a及びR7aは、共に水素原子又はメチル基であることが好ましく、R5a及びR6aは、共に水素原子又はメチル基であることが好ましい。
また、p及びrは、共に1であることが好ましい。
(メタ)アクリルモノマー(A)の重量平均分子量は200以上400以下である。
第1態様における(メタ)アクリルモノマー(A)の重量平均分子量は、200以上350以下であることが好ましい。
また、第2態様又は第3態様における(メタ)アクリルモノマー成分が(メタ)アクリルモノマー(A)を含む場合、第2態様又は第3態様における(メタ)アクリルモノマー(A)の重量平均分子量は、200以上350以下であることが好ましく、200以上300以下であることがより好ましく、200以上250以下であることが特に好ましい。
(メタ)アクリルモノマー(A)としては、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本実施形態の光硬化性組成物において、(メタ)アクリルモノマー(A)の含有量は、(メタ)アクリルモノマー成分の合計含有量1000質量部に対し、100質量部〜450質量部であることが好ましく、100質量部〜400質量部であることがより好ましく、120質量部〜380質量部であることが特に好ましい。
また、第1態様における(メタ)アクリルモノマー成分が、後述する(メタ)アクリルモノマー(B)及び(メタ)アクリルモノマー(C)の少なくとも一方を含む場合、(メタ)アクリルモノマー(A)、(メタ)アクリルモノマー(B)、及び(メタ)アクリルモノマー(C)の合計含有量に対する(メタ)アクリルモノマー(A)の含有量は、51質量%以上であることが好ましい。
<(メタ)アクリルモノマー(B)>
本実施形態の第2態様における(メタ)アクリルモノマー成分は、1分子中に芳香環を有さず芳香環以外の環構造と1個の(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する(メタ)アクリルモノマーから選ばれる少なくとも1種であり、重量平均分子量が130以上240以下である(メタ)アクリルモノマー(B)を含む。
(メタ)アクリルモノマー(B)は、第1態様における(メタ)アクリルモノマー成分及び第3態様における(メタ)アクリルモノマー成分の各々に含まれていてもよい。
(メタ)アクリルモノマー(B)は、1分子中に芳香環以外の環構造と1個の(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する(メタ)アクリルモノマーの1種からなるものであってもよいし、前記(メタ)アクリルモノマーの2種以上からなる混合物であってもよい。
(メタ)アクリルモノマー(B)において、芳香環以外の環構造としては、脂環構造又はヘテロ環構造が好ましい。
芳香環以外の環構造として、より好ましくは、ジシクロペンテニル骨格、ジシクロペンタニル骨格、シクロヘキサン骨格、テトラヒドロフラン骨格、モルホリン骨格、イソボルニル骨格、ノルボルニル骨格、ジオキソラン骨格、又はジオキサン骨格を有する環構造である。これらの骨格を有する環構造は、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等)等の置換基によって置換されていてもよい。
(メタ)アクリルモノマー(B)において、芳香環以外の環構造は、光硬化後の曲げ強度及び曲げ弾性率をより向上させる観点から、多環構造であることが好ましく、ジシクロペンテニル骨格、ジシクロペンタニル骨格、イソボルニル骨格、又はノルボルニル骨格を有する環構造であることがより好ましい。
また、(メタ)アクリルモノマー(B)を構成する(メタ)アクリルモノマーのうちの少なくとも1種は、吸水を抑制する観点から、イミド構造を含まない化合物であることが好ましい。
(メタ)アクリルモノマー(B)を構成する(メタ)アクリルモノマーのうちの少なくとも1種は、下記の一般式(b−1)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(b−1)中、R1bは水素原子又はメチル基を表す。R2bは単結合又はメチレン基を表す。Aは芳香環以外の環構造を表す。
一般式(b−1)中、Aで表される「芳香環以外の環構造」の好ましい範囲は前述のとおりである。
即ち、(メタ)アクリルモノマー(B)を構成する(メタ)アクリルモノマーのうちの少なくとも1種は、下記の一般式(b−2)で表される化合物であることがより好ましい。
一般式(b−2)中、R1bは、水素原子又はメチル基を表す。R2bは単結合又はメチレン基を表す。Aは、ジシクロペンテニル骨格、ジシクロペンタニル骨格、シクロヘキサン骨格、テトラヒドロフラン骨格、モルホリン骨格、イソボルニル骨格、ノルボルニル骨格、ジオキソラン骨格又はジオキサン骨格を有する環構造を表す。
(メタ)アクリルモノマー(B)の重量平均分子量は130以上240以下である。
第2態様における(メタ)アクリルモノマー(B)の重量平均分子量は、140以上220以下であることが好ましい。
また、第1態様又は第3態様における(メタ)アクリルモノマー成分が(メタ)アクリルモノマー(B)を含む場合、第1態様又は第3態様における(メタ)アクリルモノマー(B)の重量平均分子量は、150以上240以下であることが好ましく、180以上230以下であることがより好ましい。
(メタ)アクリルモノマー(B)としては、例えば、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルフォリン、4−tert−ブチルシクロヘキサノール(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルアクリレート、環状トリメチロールプロパンフォルマルアクリレート、等が挙げられる。
本実施形態の光硬化性組成物において、(メタ)アクリルモノマー(B)の含有量は、(メタ)アクリルモノマー成分の合計含有量1000質量部に対し、100質量部〜450質量部であることが好ましく、130質量部〜420質量部であることがより好ましく、150質量部〜400質量部であることが特に好ましい。
また、第2態様における(メタ)アクリルモノマー成分が、前述した(メタ)アクリルモノマー(A)及び後述する(メタ)アクリルモノマー(C)の少なくとも一方を含む場合、(メタ)アクリルモノマー(A)、(メタ)アクリルモノマー(B)、及び(メタ)アクリルモノマー(C)の合計含有量に対する(メタ)アクリルモノマー(B)の含有量は、51質量%以上であることが好ましい。
<(メタ)アクリルモノマー(C)>
本実施形態の第3態様における(メタ)アクリルモノマー成分は、1分子中に芳香環及びエーテル結合を有さず炭化水素骨格と2個の(メタ)アクリロイルオキシ基とを有するジ(メタ)アクリルモノマーから選ばれる少なくとも1種であり重量平均分子量が190以上280以下である(メタ)アクリルモノマー(C)を含む。
(メタ)アクリルモノマー(C)は、第1態様における(メタ)アクリルモノマー成分及び第2態様における(メタ)アクリルモノマー成分の各々に含まれていてもよい。
(メタ)アクリルモノマー(C)は、1分子中に芳香環及びエーテル結合を有さず炭化水素骨格と2個の(メタ)アクリロイルオキシ基とを有するジ(メタ)アクリルモノマーの1種のみからなるものであってもよいし、前記ジ(メタ)アクリルモノマーの2種以上からなる混合物であってもよい。
(メタ)アクリルモノマー(C)を構成するジ(メタ)アクリルモノマーのうちの少なくとも1種は、光硬化後の曲げ強度及び曲げ弾性率をより向上させる観点から、下記一般式(c−1)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(c−1)中、R1c及びR2cは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。R3cは、炭素原子数1〜9のアルキレン基を表す。
3cで表されるアルキレン基は、直鎖のアルキレン基であってもよいし、分岐鎖のアルキレン基であってもよい。
(メタ)アクリルモノマー(C)を構成するジ(メタ)アクリルモノマーのうちの少なくとも1種は、光硬化後の曲げ強度及び曲げ弾性率をより向上させる観点から、下記一般式(c−2)で表される化合物であることがより好ましい。
一般式(c−2)中、R1c及びR2cは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、R4c及びR5cは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、ncは、1〜9を表す。但し、−(CR4c5cnc−で表されるアルキレン基の炭素原子数は1〜9である。
一般式(c−2)中にR4cが複数存在する場合、複数のR4cは、同一であっても異なっていてもよい。R5cについても同様である。
(メタ)アクリルモノマー(C)の具体例としては、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、等が挙げられる。
本実施形態の光硬化性組成物において、(メタ)アクリルモノマー(C)の含有量は、(メタ)アクリルモノマー成分の合計含有量1000質量部に対し、100質量部〜450質量部であることが好ましく、100質量部〜400質量部であることがより好ましく、100質量部〜350質量部であることが特に好ましい。
また、第3態様における(メタ)アクリルモノマー成分が、前述した(メタ)アクリルモノマー(A)及び(メタ)アクリルモノマー(B)の少なくとも一方を含む場合、(メタ)アクリルモノマー(A)、(メタ)アクリルモノマー(B)、及び(メタ)アクリルモノマー(C)の合計含有量に対する(メタ)アクリルモノマー(C)の含有量は、51質量%以上であることが好ましい。
(メタ)アクリルモノマー成分は、アクリルモノマー(X)、(メタ)アクリルモノマー(A)、(メタ)アクリルモノマー(B)、及び(メタ)アクリルモノマー(C)以外のその他の(メタ)アクリルモノマーを含んでいてもよい。
但し、(メタ)アクリルモノマー成分中における、アクリルモノマー(X)、(メタ)アクリルモノマー(A)、(メタ)アクリルモノマー(B)、及び(メタ)アクリルモノマー(C)の合計含有量は、(メタ)アクリルモノマー成分の全量に対し、60質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが更に好ましい。
<光重合開始剤>
本実施形態の光硬化性組成物は、光重合開始剤を含む。
光重合開始剤は、光を照射することでラジカルを発生するものであれば特に限定されないが、光造形の際に用いる光の波長でラジカルを発生するものであることが好ましい。
光造形の際に用いる光の波長としては、一般的には365nm〜500nmが挙げられるが、実用上好ましくは365nm〜430nmであり、より好ましくは365nm〜420nmである。
光造形の際に用いる光の波長でラジカルを発生する光重合開始剤としては、例えば、アルキルフェノン系化合物、アシルフォスフィンオキサイド系化合物、チタノセン系化合物、オキシムエステル系化合物、ベンゾイン系化合物、アセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、α−アシロキシムエステル系化合物、フェニルグリオキシレート系化合物、ベンジル系化合物、アゾ系化合物、ジフェニルスルフィド系化合物、有機色素系化合物、鉄−フタロシアニン系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、アントラキノン系化合物等が挙げられる。
これらのうち、反応性等の観点から、アルキルフェノン系化合物、アシルフォスフィンオキサイド系化合物が好ましい。
アルキルフェノン系化合物としては、例えば、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(Irgacure184:BASF社製)が挙げられる。
アシルフォスフィンオキサイド系化合物としては、例えば、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(Irgacure819:BASF社製)、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(IrgacureTPO:BASF社製)などが挙げられる。
本実施形態の光硬化性組成物は、光重合開始剤を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。
本実施形態の光硬化性組成物中における光重合開始剤の含有量(2種以上である場合には総含有量)は、(メタ)アクリルモノマー成分の合計含有量1000質量部に対し、1質量部〜50質量部であることが好ましく、2質量部〜30質量部であることがより好ましく、3質量部〜25質量部であることが更に好ましく、3質量部〜15質量部であることが特に好ましい。
<その他の成分>
本実施形態の光硬化性組成物は、必要に応じ、上記以外のその他の成分を少なくとも1種含んでいてもよい。
但し、(メタ)アクリルモノマー成分及び光重合開始剤の総含有量は、光硬化性組成物の全量に対し、60質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが更に好ましい。
その他の成分としては、色材が挙げられる。
例えば、本実施形態の光硬化性組成物を義歯床の作製に用いる場合、審美性の観点から、光硬化性組成物に色材を含有させることにより、歯肉に近い色調に着色してもよい。
色材としては、3Dプリンタでの成形を妨げず、変色しにくいものであれば限定されず、顔料、染料、色素等が挙げられる。より具体的には、色材として、合成タール色素、合成タール色素のアルミニウムレーキ、無機顔料、天然色素などが挙げられる。
また、その他の成分としては、上記(メタ)アクリルモノマー成分以外のその他の硬化性樹脂(例えば、上記(メタ)アクリルモノマー成分以外のその他の硬化性モノマー等)も挙げられる。
また、その他の成分としては、熱重合開始剤も挙げられる。
本実施形態の光硬化性組成物が熱重合開始剤を含有する場合には、光硬化と熱硬化との併用が可能となる。熱重合開始剤としては、例えば、熱ラジカル発生剤やアミン化合物などが挙げられる。
また、その他の成分としては、シランカップリング剤(例えば3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン)等のカップリング剤、ゴム剤、イオントラップ剤、イオン交換剤、レベリング剤、可塑剤、消泡剤等の添加剤が挙げられる。
本実施形態の光硬化性組成物の調製方法は特に制限されず、アクリルモノマー(X)、(メタ)アクリルモノマー(A)〜(C)の少なくとも1つ、及び光重合開始剤(及び必要に応じその他の成分)を混合する方法が挙げられる。
各成分を混合する手段は特に限定されず、例えば、超音波による溶解、双腕式攪拌機、ロール混練機、2軸押出機、ボールミル混練機、および遊星式撹拌機等の手段が含まれる。
本実施形態の光硬化性組成物は、各成分を混合した後、フィルタでろ過して不純物を取り除き、さらに真空脱泡処理を施すことによって調製してもよい。
また、本実施形態の光硬化性組成物の光硬化後のガラス転移温度(Tg)は特に制限はないが、曲げ強度及び曲げ弾性率の観点から、光硬化後のガラス転移温度(Tg)は、70℃以上であることが好ましく、80℃以上であることがより好ましい。
また、シャルピー衝撃強度の観点から、光硬化後のガラス転移温度(Tg)は、140℃以下であることが好ましい。
〔義歯床、有床義歯〕
本実施形態の光硬化性組成物の硬化物(即ち、光造形物)である歯科補綴物等としては、義歯床が特に好ましい。本実施形態の光硬化性組成物の硬化物である義歯床は、曲げ強度、曲げ弾性率及びシャルピー衝撃強度に優れる。
本実施形態の義歯床は、全部床義歯(いわゆる総入れ歯)用の義歯床であってもよいし、局部床義歯(いわゆる部分入れ歯)用の義歯床であってもよい。
また、本実施形態の義歯床は、上顎用義歯の義歯床(以下、「上顎用義歯床」ともいう)であってもよいし、下顎用義歯の義歯床(以下、「下顎用義歯床」ともいう)であってもよいし、上顎用義歯床と下顎用義歯床とのセットであってもよい。
また、本実施形態の義歯床は、一部分のみが本実施形態の光硬化性組成物を用いて作製されていてもよく、全体が本実施形態の光硬化性組成物を用いて作製されていてもよい。
一部分のみが本実施形態の光硬化性組成物を用いて作製されている義歯床の例としては、金属部分と樹脂部分とを含む義歯床(いわゆる金属床)のうちの樹脂部分の少なくとも一部が本実施形態の光硬化性組成物を用いて作製されている義歯床;樹脂部分のみからなる義歯床(いわゆるレジン床)のうちの一部分のみが本実施形態の光硬化性組成物を用いて作製されている義歯床;等が挙げられる。
全体が本実施形態の光硬化性組成物を用いて作製されている義歯床の例としては、樹脂部分のみからなる義歯床が挙げられる。
本実施形態の有床義歯は、上記本実施形態の義歯床と、前記義歯床に固定された人工歯と、を備える。
従って本実施形態の有床義歯は、義歯床の曲げ強度、曲げ弾性率及びシャルピー衝撃強度に優れる。
本実施形態の有床義歯は、局部床義歯であってもよいし、全部床義歯であってもよい。即ち、本実施形態の有床義歯は、人工歯を少なくとも1本備えていればよい。
また、本実施形態の有床義歯は、上顎用義歯であってもよいし、下顎用義歯であってもよいし、上顎用義歯と下顎用義歯とのセットであってもよい。
人工歯の材質としては、アクリル系樹脂が挙げられる。
また、人工歯は、アクリル系樹脂に加え、フィラー等を含有していてもよい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
≪第1態様の実施例≫
以下、第1態様の実施例(実施例1A〜26A)及び比較例(比較例1A〜11A)を示す。
〔実施例1A〜26A、比較例1A〜11A〕
<光硬化性組成物の調製>
下記表1〜3に示す成分を混合し、光硬化性組成物を得た。
<測定及び評価>
得られた光硬化性組成物を用い、以下の測定及び評価を行った。結果を表1〜3に示す。
(光硬化性組成物の粘度の測定)
光硬化性組成物の粘度を、E型粘度計により、25℃、50rpmの条件で測定した。
(光造形物の曲げ強度及び曲げ弾性率)
得られた光硬化性組成物を、3Dプリンタ(Carima社MasterPlusS2011)を用い、64mm×10mm×厚さ3.3mmの大きさに造形し、造形物を得た。得られた造形物に対し、波長365nmの紫外線を5J/cmの条件で照射して本硬化させることにより、光造形物を得た。
得られた光造形物(以下「試験片」という)を、37±1℃の恒温水槽にて50±2時間保管した。
その後、試験片を恒温水槽から取り出し、取り出した試験片の曲げ強度及び曲げ弾性率を、それぞれ、ISO20795−1:2008に準拠して測定した。これらの測定は、引張り試験装置((株)インテスコ製)を用い、引張り速度5±1mm/分の条件で行った。
上記光硬化性組成物を歯科補綴物等(特に義歯床)の作製に用いる場合、上記曲げ強度は、好ましくは60MPa以上であり、より好ましくは65MPa以上である。
また、この場合、上記曲げ弾性率は、好ましくは1500MPa以上であり、より好ましくは2000MPa以上である。
(シャルピー衝撃強度)
得られた光硬化性組成物を3Dプリンタ(Carima社MasterPlusS2011)を用い、80mm×10mm×厚さ4mmの大きさに造形し、造形物を得た。得られた造形物に対し、波長365nmの紫外線を5J/cmの条件で照射して造形物を本硬化させることにより、光造形物を得た。
得られた光造形物(以下「試験片」という)を、37±1℃の恒温水槽にて50±2時間保管した。
その後、試験片を恒温水槽から取り出し、取り出した試験片の長手方向中央部に深さ2mmの形状Aのノッチを設けてシングルノッチ付き試験片とした。
得られたシングルノッチ付き試験片のシャルピー衝撃強度を、ISO179−1:2010(又は、JIS K 7111−1:2012)に準拠して測定した。このシャルピー衝撃強度の測定は、ハンマー容量0.5J、空振り角度148度、試験温度23℃、エッジワイズ衝撃の条件で行った。
上記光硬化性組成物を歯科補綴物等(特に義歯床)の作製に用いる場合、上記シャルピー衝撃強度は、耐久性の観点から、好ましくは1.0kJ/m以上である。
−表1〜3の説明−
表1〜3中、
各実施例及び各比較例における各成分の量(数字)は「質量部」を示し、
「(X)」はアクリルモノマー(X)を示し、
「(A)」は(メタ)アクリルモノマー(A)を示し、
「(B)」は(メタ)アクリルモノマー(B)を示し、
「(C)」は(メタ)アクリルモノマー(C)を示し、
「その他のモノマー」は、(メタ)アクリルモノマー(A)〜(C)以外のその他の(メタ)アクリルモノマーを示し、
「開始剤」は光重合開始剤を示す。
後述する表4〜9についても同様である。
表1〜3中、アクリルモノマー(X)の各々の構造は以下のとおりである。
ここで、A−BPE−2、A−BPE−2.2、ABE−300、A−BPE−4、及びA−BPP−3は、新中村化学工業(株)製のアクリルモノマーであり、BP−4PAは、共栄社化学(株)製のアクリルモノマーであり、M−208は、東亜合成(株)製のアクリルモノマーである。後述する表4〜9についても同様である。
表1〜3中、(メタ)アクリルモノマー(A)の各々の構造は以下のとおりである。
ここで、2EGは、共栄社化学(株)製のメタクリルモノマーであり、3PGは、新中村化学工業(株)製のメタクリルモノマーであり、FA−222Aは、日立化成(株)製のアクリルモノマーであり、3EG−Aは、共栄社化学(株)製のアクリルモノマーであり、APG−100及びAPG−200は、新中村化学工業(株)製のアクリルモノマーであり、SR9003はアルケマ(株)製のアクリルモノマーである。
表1〜3中、(メタ)アクリルモノマー(B)であるIB−XAは、共栄社化学(株)製のアクリルモノマーであり、(メタ)アクリルモノマー(C)であるFA−124ASは、日立化成(株)製のアクリルモノマーであり、これらの構造は以下のとおりである。
表3中、その他のモノマーの構造は以下のとおりである。
ここで、A−BPE−10、A−BPE−20、APG−400、及び9PGは、新中村化学工業(株)製のアクリルモノマーであり、FA−240A及びFA−PTG9Aは、日立化成(株)製のアクリルモノマーであり、CD9043は、アルケマ(株)製のアクリルモノマーであり、BP−2EMは、共栄社化学(株)製のメタクリルモノマーである。
表1〜3中、「開始剤」は光重合開始剤を示す。
表1〜3中の開始剤(即ち、光重合開始剤)のうち、Irg819は、BASF社製の「Irgacure819」(アシルフォスフィンオキサイド系化合物)であり、Irg184は、BASF社製の「Irgacure184」(アルキルフェノン系化合物)であり、TPOは、BASF社製の「IrgacureTPO」(アシルフォスフィンオキサイド系化合物)である。これらの光重合開始剤の各々の構造は以下のとおりである。
表1〜3に示すように、1分子中に2個の芳香環と2個のアクリロイルオキシ基とを有し、重量平均分子量が400以上580以下であるジアクリルモノマーであるアクリルモノマー(X)と、1分子中に芳香環を有さず、1個以上のエーテル結合と2個の(メタ)アクリロイルオキシ基とを有し、重量平均分子量が200以上400以下であるジ(メタ)アクリルモノマーである(メタ)アクリルモノマー(A)と、光重合開始剤と、を含む光硬化性組成物を用いた実施例1A〜26Aでは、曲げ強度60MPa以上、曲げ弾性率1500MPa以上、及びシャルピー衝撃強度1.0kJ/m以上の全てを満足する光造形物を得ることができた。また、実施例1A〜26Aの光硬化性組成物の粘度は、光造形に適した粘度であった。
以上により、実施例1A〜26Aの光硬化性組成物は、歯科補綴物等(特に義歯床)の光造形による作製に特に適していることが確認された。
実施例1A〜26Aに対し、アクリルモノマー(X)に代えて、1分子中に2個の芳香環と2個のアクリロイルオキシ基とを有するが、重量平均分子量が580超であるジアクリルモノマー(A−BPE−10、A−BPE−20)を用いた比較例1A及び2Aでは、光造形物の曲げ強度及び曲げ弾性率が不足していた。
また、アクリルモノマー(X)に代えて、1分子中に2個の芳香環と2個のアクリロイルオキシ基とを有し、重量平均分子量が400以上580以下であるが、アクリルモノマーではなくメタクリルモノマーであるBP−2EMを用いた比較例3A〜5Aでは、光造形物のシャルピー衝撃強度が不足していた。
また、(メタ)アクリルモノマー(A)に代えて、1分子中に芳香環を有さず、1個以上のエーテル結合と2個の(メタ)アクリロイルオキシ基とを有し、重量平均分子量が400超であるジ(メタ)アクリルモノマー(FA−240A、APG−400、CD9043、FA−PTG9A、及び9PG)を用いた比較例6A〜9A及び11Aでは、光造形物の曲げ強度及び曲げ弾性率が不足していた。
また、(メタ)アクリルモノマー(A)に代えて、1分子中に芳香環を有さず、1個以上のエーテル結合と2個の(メタ)アクリロイルオキシ基とを有し、重量平均分子量が200未満であるジ(メタ)アクリルモノマー(DMGDA)を用いた比較例10Aでは、光造形物のシャルピー衝撃強度が不足していた。
≪第2態様の実施例≫
以下、第2態様の実施例(実施例1B〜26B)及び比較例(比較例1B〜12B)を示す。
〔実施例1B〜26B、比較例1B〜12B〕
<光硬化性組成物の調製>
下記表4〜6に示す成分を混合し、光硬化性組成物を得た。
<測定及び評価>
得られた光硬化性組成物を用い、前述の実施例1Aについて行った測定及び評価と同様の測定及び評価を行った。結果を表4〜6に示す。
−表4〜6の説明−
表4〜6中、アクリルモノマー(X)の各々は、前述の「表1〜3の説明」中に示したとおりである。
表4〜6中、(メタ)アクリルモノマー(B)のうち、FA−513AS及びFA−511ASは、日立化成(株)製のアクリルモノマーであり、CHA及びTHFAは、大阪有機化学工業(株)製のアクリルモノマーであり、SR217は、アルケマ(株)製のアクリルモノマーであり、ACMOは、KJケミカルズ(株)製のアクリルモノマーである。これらのモノマーの構造は以下のとおりである。
表4〜6中、(メタ)アクリルモノマー(B)のうち、IB−XAは、前述の「表1〜3の説明」中に示したとおりである。
表4〜6中、(メタ)アクリルモノマー(A)であるFA−222A及び(メタ)アクリルモノマー(C)であるFA−124ASは、それぞれ、前述の「表1〜3の説明」中に示したとおりである。
表4〜6中、その他の(メタ)アクリルモノマーのうち、A−BPE−10、A−BPE−20、及びBP−2EMについては、前述の「表1〜3の説明」中に示したとおりである。
表4〜6中、その他の(メタ)アクリルモノマーのうちの残りの構造は、以下のとおりである。
ここで、SR611は、アルケマ(株)製のアクリルモノマーであり、M−140は、東亞合成(株)製のアクリルモノマーであり、AIB、NOAA及びLAは、大阪有機化学工業(株)製のアクリルモノマーである。
表4〜6中、「開始剤」は光重合開始剤を示す。
表4〜6中の開始剤(即ち、光重合開始剤)の各々は、前述の「表1〜3の説明」中で示したとおりである。
表4〜6に示すように、1分子中に2個の芳香環と2個のアクリロイルオキシ基とを有し、重量平均分子量が400以上580以下であるジアクリルモノマーであるアクリルモノマー(X)と、1分子中に芳香環以外の環構造と1個の(メタ)アクリロイルオキシ基とを有し、重量平均分子量が130以上240以下である(メタ)アクリルモノマーである(メタ)アクリルモノマー(B)と、光重合開始剤と、を含む光硬化性組成物を用いた実施例1B〜26Bでは、曲げ強度60MPa以上、曲げ弾性率1500MPa以上、及びシャルピー衝撃強度1.0kJ/m以上の全てを満足する光造形物を得ることができた。また、実施例1B〜26Bの光硬化性組成物の粘度は、光造形に適した粘度であった。
以上により、実施例1B〜26Bの光硬化性組成物は、歯科補綴物等(特に義歯床)の光造形による作製に特に適していることが確認された。
実施例1B〜26Bに対し、アクリルモノマー(X)に代えて、1分子中に2個の芳香環と2個のアクリロイルオキシ基とを有するが、重量平均分子量が580超であるジアクリルモノマー(A−BPE−10、A−BPE−20)を用いた比較例1B及び2Bでは、光造形物の曲げ強度及び曲げ弾性率が不足していた。
また、アクリルモノマー(X)に代えて、1分子中に2個の芳香環と2個のアクリロイルオキシ基とを有し、重量平均分子量が400以上580以下であるが、アクリルモノマーではなくメタクリルモノマーであるBP−2EMを用いた比較例3B〜5Bでは、光造形物のシャルピー衝撃強度が不足していた。
また、(メタ)アクリルモノマー(B)に代えて、1分子中に芳香環以外の環構造と1個の(メタ)アクリロイルオキシ基とを有し、重量平均分子量が240超である(メタ)アクリルモノマー(SR611及びM−140)を用いた比較例6B及び7Bでは、光造形物の曲げ強度が及び曲げ弾性率が不足していた。
また、(メタ)アクリルモノマー(B)に代えて、1分子中に環構造を持たない(メタ)アクリルモノマー(AIB、NOAA及びLA)を用いた比較例8B〜10Bでも、光造形物の曲げ強度が及び曲げ弾性率が不足していた。
また、(メタ)アクリルモノマー(B)に代えて、1分子中に芳香環以外の環構造と1個の(メタ)アクリロイルオキシ基とを有し、重量平均分子量が130未満である(メタ)アクリルモノマー(CPA及びCBA)を用いた比較例11B及び12Bでは、光造形物のシャルピー衝撃強度が不足していた。
≪第3態様の実施例≫
以下、第3態様の実施例(実施例1C〜26C)及び比較例(比較例1C〜9C)を示す。
〔実施例1C〜26C、比較例1C〜9C〕
<光硬化性組成物の調製>
下記表7〜9に示す各成分を混合し、光硬化性組成物を得た。
<測定及び評価>
得られた光硬化性組成物を用い、前述の実施例1Aについて行った測定及び評価と同様の測定及び評価を行った。結果を表7〜9に示す。
−表7〜9の説明−
表7〜9中、アクリルモノマー(X)の各々は、前述の「表1〜3の説明」中に示したとおりである。
表7〜9中、(メタ)アクリルモノマー(C)の各々の構造は以下のとおりである。
ここで、EG、BG及びNP−Aは、共栄社化学(株)製のメタクリルモノマーであり、SR212は、アルケマ(株)製のアクリルモノマーであり、FA−124ASは、日立化成(株)製のアクリルモノマーであり、1,6HX−A及び1,9ND−Aは、共栄社化学(株)製のアクリルモノマーである。
表7〜9中、(メタ)アクリルモノマー(A)であるFA−222A及び(メタ)アクリルモノマー(B)であるIB−XAの各々は、前述の「表1〜3の説明」中に示したとおりである。
表7〜9中、その他の(メタ)アクリルモノマーのうち、A−BPE−10、A−BPE−20、及びBP−2EMについては、前述の「表1〜3の説明」中に示したとおりである。
表7〜9中、その他の(メタ)アクリルモノマーのうちの残りの構造は、以下のとおりである。
ここで、1,10DD及び1,10DDMAは、それぞれ、新中村化学工業(株)製のアクリルモノマー「A−DOD−N」及び新中村化学工業(株)製のメタクリルモノマー「DOD−N」である。
表7〜9中、「開始剤」は光重合開始剤を示す。
表7〜9中の開始剤(即ち、光重合開始剤)の各々は、前述の「表1〜3の説明」中で示したとおりである。
表7〜9に示すように、1分子中に2個の芳香環と2個のアクリロイルオキシ基とを有し、重量平均分子量が400以上580以下であるジアクリルモノマーであるアクリルモノマー(X)と、1分子中に芳香環を有さず炭化水素骨格及び2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有し、重量平均分子量が190以上280以下であるジ(メタ)アクリルモノマーである(メタ)アクリルモノマー(C)と、光重合開始剤と、を含む光硬化性組成物を用いた実施例1C〜26Cでは、曲げ強度60MPa以上、曲げ弾性率1500MPa以上、及びシャルピー衝撃強度1.0kJ/m以上の全てを満足する光造形物を得ることができた。また、実施例1C〜26Cの光硬化性組成物の粘度は、光造形に適した粘度であった。
以上により、実施例1C〜26Cの光硬化性組成物は、歯科補綴物等(特に義歯床)の光造形による作製に特に適していることが確認された。
実施例1C〜26Cに対し、アクリルモノマー(X)に代えて、1分子中に2個の芳香環と2個のアクリロイルオキシ基とを有するが、重量平均分子量が580超であるジアクリルモノマー(A−BPE−10、A−BPE−20)を用いた比較例1C及び2Cでは、光造形物の曲げ強度及び曲げ弾性率が不足していた。
また、アクリルモノマー(X)に代えて、1分子中に2個の芳香環と2個のメタクリロイルオキシ基とを有し、重量平均分子量が400以上580以下である、アクリルモノマーではなくメタクリルモノマーであるBP−2EMを用いた比較例3C〜5Cでは、光造形物のシャルピー衝撃強度が不足していた。
また、(メタ)アクリルモノマー(C)に代えて、1分子中に芳香環を有さず炭化水素骨格及び2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するが、重量平均分子量が280超であるジ(メタ)アクリルモノマー(1,10DD、 1,12DDDA、 1,10DDMA)を用いた比較例6C、8C及び9Cでは、実施例1C〜26Cと比較して、光造形物の曲げ強度及び曲げ弾性率が低下した。比較例9Cでは、実施例1C〜26Cと比較して、光造形物のシャルピー衝撃強度も低下した。
また、(メタ)アクリルモノマー(C)に代えて、1分子中に芳香環を有さず炭化水素骨格及び2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するが、重量平均分子量が190未満であるジアクリルモノマー(EGDA)を用いた比較例7Cでは、光造形物のシャルピー衝撃強度が不足していた。
日本国特許出願2015−019541、日本国特許出願2015−019542、及び日本国特許出願2015−019543の開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。

Claims (22)

  1. 光造形による、歯科補綴物、口腔内で使用される医療器具、又は歯顎モデルの作製に用いられる光硬化性組成物であって、
    (メタ)アクリルモノマー成分及び光重合開始剤を含有し、
    前記(メタ)アクリルモノマー成分が、
    1分子中に2個の芳香環と2個のアクリロイルオキシ基とを有するジアクリルモノマーから選ばれる少なくとも1種であり重量平均分子量が400以上580以下であるアクリルモノマー(X)と、
    1分子中に芳香環を有さず1個以上のエーテル結合と2個の(メタ)アクリロイルオキシ基とを有するジ(メタ)アクリルモノマーから選ばれる少なくとも1種であり重量平均分子量が200以上400以下である(メタ)アクリルモノマー(A)、1分子中に芳香環を有さず芳香環以外の環構造と1個の(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する(メタ)アクリルモノマーから選ばれる少なくとも1種であり重量平均分子量が130以上240以下である(メタ)アクリルモノマー(B)、並びに、1分子中に芳香環及びエーテル結合を有さず炭化水素骨格と2個の(メタ)アクリロイルオキシ基とを有するジ(メタ)アクリルモノマーから選ばれる少なくとも1種であり重量平均分子量が190以上280以下である(メタ)アクリルモノマー(C)からなる群から選択される少なくとも1つと、
    を含む光硬化性組成物。
  2. 前記アクリルモノマー(X)を構成するジアクリルモノマーのうちの少なくとも1種が、1分子中にエーテル結合を有する請求項1に記載の光硬化性組成物。
  3. 前記アクリルモノマー(X)を構成するジアクリルモノマーのうちの少なくとも1種が、1分子中に1個以上4個以下のエーテル結合を有する請求項1又は請求項2に記載の光硬化性組成物。
  4. 前記アクリルモノマー(X)を構成するジアクリルモノマーのうちの少なくとも1種が、下記一般式(x−1)で表される化合物である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。


    〔一般式(x−1)中、R1x及びR2xは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。R3x及びR4xは、それぞれ独立に、直鎖又は分岐鎖の炭素原子数2〜4のアルキレン基を表す。mx及びnxは、それぞれ独立に、0〜4を表す。但し、1≦(mx+nx)≦4を満たす。〕
  5. 前記アクリルモノマー(X)を構成するジアクリルモノマーのうちの少なくとも1種が、下記一般式(x−2)で表される化合物である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。


    〔一般式(x−2)中、R5x、R6x、R7x、及びR8xは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。mx及びnxは、それぞれ独立に、0〜4を表す。但し、1≦(mx+nx)≦4を満たす。〕
  6. 前記(メタ)アクリルモノマー(A)を構成するジ(メタ)アクリルモノマーのうちの少なくとも1種が、下記一般式(a−1)で表される化合物である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。


    〔一般式(a−1)中、R1a及びR2aは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。R3aは、直鎖又は分岐鎖の炭素原子数2〜4のアルキレン基を表す。pは、2〜4を表す。〕
  7. 前記(メタ)アクリルモノマー(A)を構成するジ(メタ)アクリルモノマーのうちの少なくとも1種が、下記一般式(a−2)で表される化合物である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。


    〔一般式(a−2)中、R1a、R2a、R4a、R5a、R6a及びR7aは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。p、q及びrは、それぞれ独立に、0又は1を表す。但し、p+q+r≧2を満たす。〕
  8. 前記(メタ)アクリルモノマー(B)を構成する(メタ)アクリルモノマーのうちの少なくとも1種が、下記一般式(b−1)で表される化合物である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。


    〔一般式(b−1)中、R1bは水素原子又はメチル基を表す。R2bは単結合又はメチレン基を表す。Aは芳香環以外の環構造を表す。〕
  9. 前記(メタ)アクリルモノマー(B)を構成する(メタ)アクリルモノマーのうちの少なくとも1種が、下記一般式(b−2)で表される化合物である請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。


    〔一般式(b−2)中、R1bは、水素原子又はメチル基を表す。R2bは単結合又はメチレン基を表す。Aは、ジシクロペンテニル骨格、ジシクロペンタニル骨格、シクロヘキサン骨格、テトラヒドロフラン骨格、モルホリン骨格、イソボルニル骨格、ノルボルニル骨格、ジオキソラン骨格又はジオキサン骨格を有する環構造を表す。〕
  10. 前記(メタ)アクリルモノマー(C)を構成するジ(メタ)アクリルモノマーのうちの少なくとも1種が、下記一般式(c−1)で表される化合物である請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。


    〔一般式(c−1)中、R1c及びR2cは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。R3cは、炭素原子数1〜9のアルキレン基を表す。〕
  11. 前記(メタ)アクリルモノマー(C)を構成するジ(メタ)アクリルモノマーのうちの少なくとも1種が、下記一般式(c−2)で表される化合物である請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。


    〔一般式(c−2)中、R1c及びR2cは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、R4c及びR5cは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、ncは、1〜9を表す。但し、−(CR4c5cnc−で表されるアルキレン基の炭素原子数は1〜9である。〕
  12. 前記光重合開始剤が、アルキルフェノン系化合物及びアシルフォスフィンオキサイド系化合物から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。
  13. 前記アクリルモノマー(X)の含有量が、前記(メタ)アクリルモノマー成分の合計含有量1000質量部に対し、550質量部〜800質量部である請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。
  14. 前記(メタ)アクリルモノマー(A)の含有量が、前記(メタ)アクリルモノマー成分の合計含有量1000質量部に対し、100質量部〜450質量部である請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。
  15. 前記(メタ)アクリルモノマー(B)の含有量が、前記(メタ)アクリルモノマー成分の合計含有量1000質量部に対し、100質量部〜450質量部である請求項1〜請求項14のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。
  16. 前記(メタ)アクリルモノマー(C)の含有量が、前記(メタ)アクリルモノマー成分の合計含有量1000質量部に対し、100質量部〜450質量部である請求項1〜請求項15のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。
  17. 前記光重合開始剤の含有量が、前記(メタ)アクリルモノマー成分の合計含有量1000質量部に対し、1質量部〜50質量部である請求項1〜請求項16のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。
  18. E型粘度計を用いて測定された、25℃、50rpmにおける粘度が、20mPa・s〜1500mPa・sである請求項1〜請求項17のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。
  19. 光造形による、義歯床又はマウスピースの作製に用いられる請求項1〜請求項18のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。
  20. 光造形による義歯床の作製に用いられる請求項1〜請求項19のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。
  21. 請求項20に記載の光硬化性組成物の光造形物である義歯床。
  22. 請求項21に記載の義歯床と、前記義歯床に固定された人工歯と、を備える有床義歯。
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