JP6271745B2 - グラフェン量子ドットの大規模な製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ナノ材料製造技術の分野、特にグラフェン量子ドットの大規模な製造方法に関する。
2004年に英国マンチェスター大学のAndre GeimとKonstantin Novoselofが初めて熱分解グラファイトを剥離してグラフェンを観察することに成功してから、学界で新型のカーボン材料に対する研究熱は衰えることがない。グラフェンの分離成功は、2次元結晶が熱力学的に安定しないという理論に基づく予言が外れたことを意味しており、多くの新たな分野に研究可能性をもたらしている。
完璧なグラフェンは、理想的な2次元構造を有し、六方格子からなるもので、各炭素原子はσ結合によって格子平面方向に他の3つの炭素原子と結合するが、σ結合とならない電子はπ電子として、格子平面に垂直なπ軌道系を構成する。π電子は平面で自由に移動可能である。しかしながら、より重要なこととして、グラフェンは特有の構造によってそのバンド構造がディラックコーンの形態となるが、グラフェンの伝導帯と価電子帯がディラックポイントに重なっているので、そのディラックポイントでは電子と空孔の有効質量がいずれもゼロであり、対応する電子と空孔の移動度もいずれも同一で、無限大に接近している。このことは、そのキャリアが空孔であっても電子であってもよく、また、そのキャリア移動度が極めて大きいことを意味している。そのため、理想的なグラフェンは極めて優れた導電性を有している筈であり、銅より6オーダー高い電流密度耐性を有すると予測される。
現在の研究では、大きなシートのグラフェンについて、人々を興奮させるような一連の研究活動が既に発表され、2次元のシートサイズがボーア半径に縛られるグラフェン及び酸化グラフェン粒子の研究も盛んに進められている。このようなグラフェン粒子は、ある程度酸化官能基又は欠陥が残り、サイズが小さくなるので、そのバンドが連続したものにならず、これによって、そのキャリアが励起される。キャリアが励起されて、励起子が形成され、励起子が当該グラフェンの3つの空間方向のバンドギャップに制限される。単層グラフェンの厚みは1nm程度で、シートサイズはボーア半径程度である。このようなグラフェンに対応するバンドギャップは大きいので、励起子が脱励起した後に形成されるレーザ励起波長もブロードになり、極めて優れたレーザ特性を備えている。このようなグラフェン粒子は、無機材料のうち半導体量子ドットと類似する特性を有するので、グラフェン量子ドットと呼ばれる。また、グラフェン量子ドットの半径はボーア半径内にあり、無毒無害で、蛍光波長がシャップでレーザス波長がブロードであるので、発光ダイオード(LED)やバイオイメージング及び光起電素子やセンサに非常によく応用することができる。
現在、グラフェン量子ドットについての研究には、主に次の4種類の製造方法が用いられている。この4種類の方法とは、それぞれ、グラフェンを再酸化する二次酸化法、有機小分子を出発原料とする有機合成法、電子ビーム又はイオンビームでエッチングする方法及びカーボン材料をミクロ
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で切断する方法である。これらのうち、二次酸化法は、その後の酸化ステップを順調に進めるため、先に高品質のグラフェン材料を製造する必要があり、コストが高く、工業化するには不利である。有機合成法は、関係するプロセスが複雑かつ煩雑で、工業的生産には不利である。電子ビーム又はイオンビームでエッチングする方法は、生産量が小さく、大量生産できないという問題がある。カーボン材料をミクロ
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で切断する方法にも、ステップが複雑で、収率が低いという欠陥がある。そのため、グラフェン量子ドットを簡単なプロセスで大規模に製造可能な方法を提供することは、量子ドットの研究の進展を促進する上で必ずなされるべきことである。
これらのことにより、グラフェン量子ドットを大規模に製造するため、プロセスが簡単で、収率が高いグラフェン量子ドットの大規模な製造方法を提供する必要がある。
すなわち、次のステップを含む、グラフェン量子ドットの大規模な製造方法である。
酸化グラフェンを第1溶剤に加え、均一に分散して第1分散液を得、還元剤を前記第1分散液に加え、均一に分散して混合液を得る。
500ワット〜800ワットのマイクロ波環境で前記混合液を10分〜60分反応させ、冷却後に固液分離させ、固体を取り出し、粗生成物を得る。
還元性ポリヒドロキシアルデヒド又は有機酸のうち1種と前記粗生成物を混合し、ルイス酸を加え、均一に混合して混合物を得、前記混合物を第2溶剤に加え、均一に分散して第2分散液を得る。
500ワット〜800ワットのマイクロ波環境で前記第2分散液を0.2時間〜1時間反応させてから、120ワット〜300ワットの超音波環境で2時間〜3時間剥離し、分離純化後に前記グラフェン量子ドットを得る。
実施例の一つにおいて、500ワット〜800ワットのマイクロ波環境で前記混合液を10分〜60分反応させるステップの前に、具体的に120ワット〜300ワットの超音波環境で前記混合液を0.5時間〜4時間撹拌する超音波撹拌ステップが含まれる。
実施例の一つにおいて、500ワット〜800のワットマイクロ波環境で前記第2分散液を0.2時間〜1時間反応させるステップの前に、さらに、具体的に120ワット〜300ワットの超音波環境で前記第2分散液を0.5時間〜2時間分散する超音波分散ステップが含まれる。
実施例の一つにおいて、前記第1溶剤と第2溶剤は、いずれも水、ジメトキシエタン、ポリビニルアルコールの水溶液、グリセロール、三縮合ジエチレングリコール又はN−メチルピロリドンから選択される少なくとも1種である。
実施例の一つにおいて、前記第1分散液における前記酸化グラフェンの濃度は2mg/ml〜10mg/mlである。
実施例の一つにおいて、前記還元剤は、クエン酸、グルコン酸、蟻酸、アスコルビン酸、シュウ酸、クエン酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、蟻酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム又はシュウ酸ナトリウムから選択される少なくとも1種である。
実施例の一つにおいて、前記酸化グラフェンと前記還元剤の質量比は1:3〜10である。
実施例の一つにおいて、500ワット〜800ワットのマイクロ波環境で前記混合液を10分〜60分反応させる前記操作は、具体的に、500ワット〜800ワットのマイクロ波環境で前記混合液を5分〜30分反応させ、取り出して、前記第1溶剤の初期体積の10%〜15%の前記第1溶剤を添加した後、続いて500ワット〜800ワットのマイクロ波環境で5分〜30分反応させるものである。
実施例の一つにおいて、前記粗生成物と前記還元性ポリヒドロキシアルデヒド又は有機酸のうち1種の質量比は1:5〜10である。
実施例の一つにおいて、前記還元性ポリヒドロキシアルデヒドは、グルコース又はアジプアルデヒドである。
実施例の一つにおいて、前記ルイス酸は、塩化第二鉄、塩化アルミニウム、塩化亜鉛、三フッ化ホウ素、塩化マグネシウム、塩化第2銅又は塩化リチウムから選択される少なくとも1種である。
実施例の一つにおいて、前記有機酸は、クエン酸、グルコン酸、蟻酸、アスコルビン酸又はシュウ酸から選択される少なくとも1種である。
実施例の一つにおいて、前記第2分散液における前記混合物の濃度は0.1g/ml〜1g/mlである。
実施例の一つにおいて、前記ルイス酸の質量は前記混合物の質量の1%〜3%を占める。
実施例の一つにおいて、前記分離純化後、前記グラフェン量子ドットを得るステップは、具体的に、120ワット〜300ワットの前記超音波環境で2時間〜3時間剥離して得られる反応生成物をカラムクロマトグラフィー(ただし、前記カラムクロマトグラフィーの固定相はシリカゲル又はポリアクリルアミドであり、第1相展開溶媒はジクロロメタンとメタノールを体積比1:1〜3で混合した混合液で、第2相展開溶媒は脱イオン水である。)によって分離してから、真空ロータリーエバポレーションを行って溶剤を除去し、前記グラフェン量子ドットを得るものである。
上記グラフェン量子ドットの大規模な製造方法は、マイクロ波−ソルボサーマル法でグラフェン量子ドットの大量製造を実現するものであり、プロセスが簡単で、コストを有効に低減させられる上、反応量が大きく、グラムレベル乃至キログラムレベルのグラフェン量子ドットの製造を1回で完了させて、グラフェンを大規模に製造することができる。また、複数回の剥離をした後、原料としての酸化グラフェンが完全に利用され、極めて高い収率が得られる。
実施形態の一つにおけるグラフェン量子ドットの大規模な製造方法のフロー図。 実施例1で製造されるグラフェン量子ドットの蛍光スペクトログラム。 実施例2で製造されるグラフェン量子ドットの蛍光スペクトログラム。 実施例3で製造されるグラフェン量子ドットの蛍光スペクトログラム。 実施例4で製造されるグラフェン量子ドットの蛍光スペクトログラム。
本発明の上記の目的、特徴及び利点をより明確に分かりやすくするため、次に、図面と関連付けて本発明の具体的な実施形態について詳細に説明する。本発明が十分に理解されるように以下の説明では多くの具体的な細部について述べる。ただし、本発明はここに記載されているものとは異なる多くの他の形態で実施することも可能であり、当業者には、本発明の趣旨に反することなく類似の改良をすることができるので、本発明は、以下に開示する具体的な実施に限定されるものではない。
図1を参照すると、実施形態の一つにおけるグラフェン量子ドットの大規模な製造方法には、次のようなステップS110〜ステップS140が含まれる。
ステップS110
酸化グラフェンを第1溶剤に加え、均一に分散して第1分散液を得、還元剤を第1分散液に加え、均一に分散して混合液を得る。
好ましくは、酸化グラフェンは、改良HummerS化学法で製造される単層酸化グラフェンである。
第1溶剤は、水、ジメトキシエタン、ポリビニルアルコールの水溶液、グリセロール、三縮合ジエチレングリコール又はN−メチルピロリドンから選択される少なくとも1種である。これらのいくつかの溶剤は沸点が高く、高沸点溶剤は酸化グラフェンを脱酸素還元させるために十分高い環境温度を提供することができる。また、上記高沸点溶剤と酸化グラフェンとでは不良な反応が起こることもない。
好ましくは、第1溶剤は、ポリビニルアルコールの水溶液である。より好ましくは、ポリビニルアルコールの水溶液の質量パーセントは10%である。
好ましくは、第1分散液における酸化グラフェンの濃度は2mg/ml〜10mg/mlである。
還元剤は、クエン酸、グルコン酸、蟻酸、アスコルビン酸、シュウ酸、クエン酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、蟻酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム又はシュウ酸ナトリウムから選択される少なくとも1種である。好ましくは、還元剤はシュウ酸である。
好ましくは、酸化グラフェンと還元剤の質量比は1:3〜10である。当該質量比を選択すると、酸化グラフェンの一部が還元され、一部還元された酸化グラフェンの酸素含有量が少なくなるが、一部の酸素が残る。酸化グラフェンは、酸素の導入によってグラフェンのディラックコーンが破壊されて、グラフェンのバンドが不連続となってこそ、半導体構造を備えることができるので、その後で高品質のグラフェン量子ドットを形成するのに有利である。
還元剤を第1分散液に加えて、還元剤と第1分散液の混合物を得、酸化グラフェンと還元剤が均一に分散するように還元剤と第1分散液の混合物を超音波で分散すると、混合液が得られる。
ステップS120
500ワット〜800ワットのマイクロ波環境で混合液を10分〜60分反応させ、冷却後に固液分離させ、濾過ケーキを取り出し、粗生成物を得る。
好ましくは、マイクロ波環境で混合液を反応させる前に、さらに、超音波撹拌ステップを含む。超音波撹拌ステップは、具体的に120ワット〜300ワットの超音波環境で混合液を0.5時間〜4時間撹拌するものである。
超音波撹拌は、集合可能な還元後の酸化グラフェンを剥離し、さらに、還元後の酸化グラフェンの破壊を促進することで量子ドットを形成させるためのものである。120ワット〜300ワットの超音波環境で0.5時間〜4時間撹拌することで、集合した還元後の酸化グラフェンが確実に完全に剥離し、還元後の酸化グラフェンを破壊することで、グラフェン量子ドットが確実に生成される。
酸化グラフェンにマイクロ波−ソルボサーマル還元分解をするため、超音波撹拌した後の混合液をマイクロ波環境に放置して反応させる。マイクロ波−ソルボサーマルの条件で還元して、酸化グラフェンを有効に還元分解させることで、グラフェンシートのサイズが低減され、後の工程でグラフェン量子ドットのサイズを制御しやすくなる。
好ましくは、500ワット〜800ワットのマイクロ波環境で混合液を10分〜60分反応させる操作は、具体的には、混合液を密閉した反応容器に入れて、500ワット〜800ワットのマイクロ波環境で5分〜30分反応させ、取り出して、第1溶剤を添加した後に、続いて500ワット〜800ワットのマイクロ波環境で5分〜30分反応させるものである。添加する第1溶剤の体積は第1溶剤の初期体積の10%〜15%である。
密閉した反応容器の中で500ワット〜800ワットのマイクロ波環境で5分〜30分反応させた後、第1溶剤の一部がマイクロ波−ソルボサーマルの反応過程で直接分解して反応物に沈下するので、蒸気圧を維持して反応が進行しやすくなるように第1溶剤を添加する必要がある。そのため、混合液を2段階でマイクロ波−ソルボサーマル反応させる。1段階目の反応が完了した後、第1溶剤を添加して2段階目の反応を行う。
反応が終了した後、固液分離させ、固体を取り出し、粗生成物を得る。固液分離の操作は、具体的には、反応液が冷却するのを待って、反応液に脱イオン水を加えて反応物分散液を得、反応物分散液を120ワット〜300ワットの超音波環境で5分〜30分超音波分散してから、吸引濾過し、濾液と濾過ケーキを得、濾過ケーキを取り出し粗生成物を得るものである。さらに分離するため、濾液はこの後のステップS140まで残される。
反応液に加えられる脱イオン水と第1溶剤の初期の体積比は1:10〜20である。
濾液は、サイズが小さいグラフェン量子ドットの溶液である。濾過ケーキ、すなわち粗生成物は、サイズが大きいグラフェン量子ドットである。グラフェン量子ドットのサイズをさらに制御して必要なサイズのグラフェン量子ドットを得るため、この後のステップS130とステップS140を行う。
ステップS130
還元性ポリヒドロキシアルデヒド又は有機酸のうち1種と粗生成物を混合し、ルイス酸を加え、均一に混合して混合物を得て、混合物を第2溶剤に加え、均一に分散して第2分散液を得る。
還元性ポリヒドロキシアルデヒドは、六員環の炭水化物であることが好ましく、グルコース又はアジプアルデヒドであることがさらに好ましい。グルコースとアジプアルデヒドは、還元剤となる一方、他方では、炭素源としてグラフェン量子ドットに炭素環の補充をするものである。
グルコース又はアジプアルデヒドのような六員環を有する炭水化物を選択すると、その六員環構造とグラフェンの構造が互いにマッチングして、グラフェン構造にStone−WaleS位相欠陥を導入することがなく、最終的に製造されるグラフェン量子ドットが確実に高い品質を備えることができる。
有機酸は、クエン酸、グルコン酸、蟻酸、アスコルビン酸又はシュウ酸から選択される少なくとも1種である。
第2溶剤は、水、ジメトキシエタン、ポリビニルアルコールの水溶液、グリセロール、三縮合ジエチレングリコール又はN−メチルピロリドンから選択される少なくとも1種である。
ルイス酸は、塩化第二鉄、塩化アルミニウム、塩化亜鉛、三フッ化ホウ素、塩化マグネシウム、塩化第2銅又は塩化リチウムから選択される少なくとも1種である。
量子ドットのサイズを増大させようとする場合、還元性ポリヒドロキシアルデヒドと粗生成物を混合して、ルイス酸を加え、均一に混合して混合物を得て、混合物を第2溶剤に加え、均一に分散すると、第2分散液が得られる。
好ましくは、粗生成物と還元性ポリヒドロキシアルデヒドの質量比は1:5〜10である。好ましくは、ルイス酸の質量は、還元性ポリヒドロキシアルデヒド、粗生成物とルイス酸の混合物の質量の1%〜3%である。
量子ドットのサイズを低減しようとする場合、有機酸と粗生成物を混合して、ルイス酸を加え、均一に混合して混合物を得て、混合物を第2溶剤に加え、均一に分散すると、第2分散液が得られる。
好ましくは、粗生成物と有機酸の質量比は1:5〜10である。好ましくは、ルイス酸の質量は、有機酸、粗生成物とルイス酸の混合物の質量の1%〜3%である。
還元性ポリヒドロキシアルデヒド又は有機酸のうち1種と粗生成物を混合して、ルイス酸を加え、均一に混合して混合物を得て、混合物を第2溶剤に加え、超音波環境で均一に分散すると、第2分散液が得られる。
好ましくは、第2分散液における還元性ポリヒドロキシアルデヒド又は有機酸のうち1種と粗生成物とルイス酸の混合物の濃度は0.1g/mL〜1g/mLである。
ステップS140
500ワット〜800ワットのマイクロ波環境で第2分散液を0.2時間〜1時間反応させてから、120ワット〜300ワットの超音波環境で2時間〜3時間剥離し、分離純化すると、グラフェン量子ドットが得られる。
好ましくは、マイクロ波環境で第2分散液を反応させる前に、さらに、超音波分散ステップを含む。超音波分散ステップは、具体的には、第2分散液における還元性ポリヒドロキシアルデヒド又は有機酸のうち1種、粗生成物とルイス酸を均一に分散して、反応しやすくなるように120ワット〜300ワットの超音波環境で第2分散液を0.5時間〜2時間分散するものである。
500ワット〜800ワットのマイクロ波環境で超音波分散した第2分散液を0.2時間〜1時間反応させてから、120ワット〜300ワットの超音波環境で2時間〜3時間分散して剥離し、分離純化すると、必要なサイズのグラフェン量子ドットが得られる。
好ましくは、500ワット〜800ワットのマイクロ波環境で第2分散液を0.2時間〜1時間反応させた後、その後の分散や剥離をしやすくするため、先に脱イオン水を加えて、マイクロ波反応で得られる反応液を希釈してから、120ワット〜300ワットの超音波環境で2時間〜3時間分散して剥離して、グラフェン量子ドットの水溶液を得る。
脱イオン水と第2分散液の第2溶剤の体積比は1:10〜20であることが好ましい。
ステップS130とステップS140で、還元性ポリヒドロキシアルデヒドを炭素源とする水熱法でグラフェン量子ドットを製造し、さらに、グラフェン粒子を量子ドットの核生成源として使用すると、グラフェン量子ドットのサイズが有効に増大し、それに対応する蛍光スベクトルがレッドシフトする。これによって、黄色から赤色のグラフェン量子ドットを得ることができる。
或いは、ステップS130とステップS140で、有機酸環境下における第2溶剤のソルボサーマルと高周波数超音波を炭素層分解の方法として酸化グラフェン量子ドットを製造し、さらに、グラフェン粒子を量子ドットの核生成源として使用して、第2溶剤で量子ドットを保護すると、グラフェン量子ドットのサイズが有効に低減し、それに対応する蛍光スベクトルがブルーシフトする。これによって、緑色と青色のグラフェン量子ドットを得ることができる。
分離純化の操作は、具体的には、グラフェン量子ドットの水溶液にカラムクロマトグラフィーを行って、粒子径の大きさが異なるグラフェン量子ドットの水溶液を順次得て、それぞれ得られた粒子径の大きさが異なるグラフェン量子ドットの水溶液に真空ロータリーエバポレーションを行って溶剤を蒸発除去することで、それぞれ粒子径の大きさが異なる乾燥したグラフェン量子ドット粉末を得るものである。
好ましくは、溶剤の蒸発除去をしやすくするため、水相におけるグラファイト量子ドットの溶液を、まず、ジクロロメタンとメタノールが体積比1:1〜3:1である混合溶剤によって抽出し、さらにロータリーエバポレーションによって溶剤を蒸発除去して、サイズが小さいグラフェン量子ドット粉末を得る。
好ましくは、カラムクロマトグラフィーの固定相はシリカゲル又はポリアクリルアミドである。第1相展開溶媒はジクロロメタンとメタノールを体積比1:1〜3で混合した混合液で、第2相展開溶媒は脱イオン水である。
透析でなく、カラムクロマトグラフィーによって分離純化を行えば、収率が有効に向上するとともに、反応速度も速くなる。同様に、クロマトグラフィックカラムは、カラムにおけるグラフェン量子ドットの移動が紫外線によって観察できるので、グラフェン量子ドット粒子を有効に得ることができる。
好ましくは、収率を向上させるためには、ステップS120で製造される濾液、すなわちグラフェン量子ドットの溶液も上記カラムクロマトグラフィー分離の方法を用いて分離し、真空ロータリーエバポレーションを行って溶剤を蒸発除去して、乾燥したグラフェン量子ドット粉末を得る。
上記グラフェン量子ドットの大規模な製造方法は、マイクロ波−ソルボサーマル法によってグラフェン量子ドットの大量製造を実現するものであり、プロセスが簡単で、コストを有効に低減させられる上、反応量が大きく、グラムレベル乃至キログラムレベルのグラフェン量子ドットの製造を1回で完了させて、グラフェンを大規模に製造することができる。また、複数回の剥離とサイズ減少をした後、原料としての酸化グラフェンが完全に利用され、極めて高い収率が得られる。
上記グラフェン量子ドットの大規模な製造方法は、還元性ポリヒドロキシアルデヒドを炭素源とする水熱法、又は有機酸の環境におけるソルボサーマル法を使用してグラフェン量子ドットのサイズを制御することで、グラフェン量子ドットのサイズをよく制御することができるものである。制御性に優れ、連続的な大量生産に有利である。
次に、具体的な実施例によってさらに説明する。
グラフェン量子ドットの製造
1.改良Hummers化学法で製造された単層酸化グラフェンを用意して、均一となるように単層酸化グラフェンをジメトキシエタンに分散し、単層酸化グラフェン濃度が2mg/mLである第1分散液を得て、単層酸化グラフェンとシュウ酸の質量比が1:3となるようにシュウ酸を第1分散液に加え、均一に分散すると、混合液が得られる。
2.120Wの超音波環境で当該混合液を4時間超音波分散した後、密閉した反応容器に入れて、500Wのマイクロ波環境で30分反応させ、取り出して、第1分散液における初期のジメトキシエタンの体積の15%のジメトキシエタンを添加し、続いて500Wのマイクロ波環境で10min反応させて、反応が終了した後、反応液が冷却するのを待って、反応液に脱イオン水(脱イオン水と第1分散液における初期のジメトキシエタンの体積比は1:10)を加えて、反応物分散液を得、120Wの超音波環境で反応物分散液を30分超音波分散してから、吸引濾過し濾液を取り出し、グラフェン量子ドットの溶液を得て、この後で使用する。濾過ケーキを取り出し、粗生成物を得る。
3.粗生成物とクエン酸の質量比が1:5となるようにクエン酸と粗生成物を混合し、さらに、塩化第二鉄の質量が粗生成物、クエン酸と塩化第二鉄の混合物の質量の3%を占めるように塩化第二鉄を加え、均一に混合して混合物を得て、当該混合物をN−メチルピロリドンに加え、均一に分散すると、混合物の濃度が0.5g/mLである第2分散液が得られる。
4.120Wの超音波環境で第2分散液を2時間分散した後、密閉した反応容器に入れて、500Wのマイクロ波環境で1時間反応させ、脱イオン水を加えて、マイクロ波反応で得られた反応液を希釈した後(脱イオン水と第2分散液におけるN−メチルピロリドンの体積比は1:15)、300Wの超音波環境で分散と剥離を2時間行って、グラフェン量子ドットの水溶液を得て、グラフェン量子ドットの水溶液と上記ステップ2で得られたグラフェンの溶液にカラムクロマトグラフィーを行う。カラムクロマトグラフィーの固定相はシリカゲルであり、第1相展開溶媒はジクロロメタンとメタノールを体積比1:3で混合した混合液であり、第2相展開溶媒は脱イオン水である。カラムクロマトグラフィーを行って、粒子径の大きさが異なるグラフェン量子ドットの溶液を順次得る。溶剤がジクロロメタンとメタノールを体積比1:3で混合した混合液であるグラフェン量子ドットの溶液を、真空でロータリーエバポレーションして溶剤を蒸発除去すると、乾燥したグラフェン量子ドット粉末が得られる。溶剤が脱イオン水であるグラフェン量子ドットの溶液を、ジクロロメタンとメタノールが体積比1:1である混合溶剤によって抽出し、さらにロータリーエバポレーションして溶剤を蒸発除去すると、乾燥したグラフェン量子ドット粉末が得られる。
図2は、本実施例1で製造されたグラフェン量子ドットの蛍光スペクトログラムである。図2から視認できるように、本実施例1で製造されたグラフェン量子ドットの蛍光励起波長は435nm程度である。
グラフェン量子ドットの製造
1.改良Hummers化学法で製造された単層酸化グラフェンを用意して、均一となるように単層酸化グラフェンを、体積比1:1である三縮合ジエチレングリコールとN−メチルピロリドンの混合溶剤に分散し、単層酸化グラフェン濃度が6mg/mLである第1分散液を得て、単層酸化グラフェンとシュウ酸ナトリウムの質量比が1:8となるようにシュウ酸ナトリウムを第1分散液に加え、均一に分散すると、混合液が得られる。
2.150Wの超音波環境で当該混合液を1時間超音波分散した後、密閉した反応容器に入れて、700Wのマイクロ波環境で20min反応させ、取り出して、第1分散液における初期の体積比1:1である三縮合ジエチレングリコールとN−メチルピロリドンの混合溶剤の体積の12%の、体積比1:1である三縮合ジエチレングリコールとN−メチルピロリドンの混合溶剤を添加し、続いて700Wのマイクロ波環境で20min反応させて、反応が終了した後、反応液が冷却するのを待って、反応液に脱イオン水(脱イオン水と、第1分散液における初期の体積比1:1である三縮合ジエチレングリコールとN−メチルピロリドンの混合溶剤の体積比は1:20)を加えて、反応物分散液を得、300Wの超音波環境で反応物分散液を15分超音波分散してから、吸引濾過し濾液を取り出し、グラフェン量子ドットの溶液を得て、この後で使用する。濾過ケーキを取り出し、粗生成物を得る。
3.粗生成物と蟻酸とアスコルビン酸の質量比が1:4:4となるように蟻酸、アスコルビン酸と粗生成物を混合し、さらに、塩化マグネシウムと塩化第2銅の質量比が1:1となり塩化マグネシウムと塩化第2銅の合計質量が粗生成物、蟻酸、アスコルビン酸、塩化マグネシウムと塩化第2銅の混合物の質量の2.5%を占めるように塩化マグネシウムと塩化第2銅を加え、均一に混合して混合物を得て、当該混合物を体積比1:1である三縮合ジエチレングリコールとN−メチルピロリドンの混合溶剤に加え、均一に分散すると、混合物の濃度が0.6g/mLであるの第2分散液が得られる。
4.180Wの超音波環境で第2分散液を1.5時間分散した後、密閉した反応容器に入れて、550Wのマイクロ波環境で0.5時間反応させ、脱イオン水を加えて、マイクロ波反応で得られた反応液を希釈した後(脱イオン水と第2分散液におけるジメトキシエタンの体積比は1:15)、180Wの超音波環境で分散と剥離を3時間行って、グラフェン量子ドットの水溶液を得て、グラフェン量子ドットの水溶液と上記ステップ2で得られたグラフェンの溶液にカラムクロマトグラフィーを行う。カラムクロマトグラフィーの固定相はシリカゲルであり、第1相展開溶媒はジクロロメタンとメタノールを体積比1:2で混合した混合液であり、第2相展開溶媒は脱イオン水である。カラムクロマトグラフィーを行って、粒子径の大きさが異なるグラフェン量子ドットの溶液を順次得る。溶剤がジクロロメタンとメタノールを体積比1:2で混合した混合液であるグラフェン量子ドットの溶液を、真空でロータリーエバポレーションして溶剤を蒸発除去すると、乾燥したグラフェン量子ドット粉末が得られる。溶剤が脱イオン水であるグラフェン量子ドットの溶液を、ジクロロメタンとメタノールが体積比2:1である混合溶剤によって抽出し、さらにロータリーエバポレーションして溶剤を蒸発除去すると、乾燥したグラフェン量子ドット粉末が得られる。
図3は、本実施例2で製造されたグラフェン量子ドットの蛍光スペクトログラムである。図3から視認できるように、本実施例2で製造されたグラフェン量子ドットの蛍光励起波長は380nm程度である。
グラフェン量子ドットの製造
1.改良Hummers化学法で製造された単層酸化グラフェンを用意して、均一となるように単層酸化グラフェンを水に分散し、単層酸化グラフェン濃度が3mg/mLである第1分散液を得て、単層酸化グラフェンとアスコルビン酸の質量比が1:4となるようにアスコルビン酸を第1分散液に加え、均一に分散すると、混合液が得られる。
2.200Wの超音波環境で当該混合液を3時間超音波分散した後、密閉した反応容器に入れて、650Wのマイクロ波環境で8min反応させ、取り出して、第1分散液における初期の水の体積の10%の水を添加し、続いて650Wのマイクロ波環境で8min反応させて、反応が終了した後、反応液が冷却するのを待って、反応液に脱イオン水(脱イオン水と第1分散液における初期の水の体積比は1:10)を加えて、反応物分散液を得、150Wの超音波環境で反応物分散液を18分超音波分散してから、吸引濾過し濾液を取り出し、グラフェン量子ドットの溶液を得て、この後で使用する。濾過ケーキを取り出し、粗生成物を得る。
3.粗生成物とアスコルビン酸の質量比が1:9となるようにアスコルビン酸と粗生成物を混合し、さらに、三フッ化ホウ素の質量がアスコルビン酸、粗生成物と三フッ化ホウ素の混合物の質量の1.5%を占めるように三フッ化ホウ素を加え、均一に混合して混合物を得て、当該混合物を水に加え、均一に分散すると、混合物の濃度が0.2g/mLである第2分散液が得られる。
4.250Wの超音波環境で第2分散液を1時間分散した後、密閉した反応容器に入れて、650Wのマイクロ波環境で0.5時間反応させ、脱イオン水を加えて、マイクロ波反応で得られた反応液を希釈した後(脱イオン水と第2分散液におけるジメトキシエタンの体積比は1:10)、270Wの超音波環境で分散と剥離を3時間行って、グラフェン量子ドットの水溶液を得て、グラフェン量子ドットの水溶液と上記ステップ2で得られたグラフェンの溶液にカラムクロマトグラフィーを行う。カラムクロマトグラフィーの固定相はシリカゲルであり、第1相展開溶媒はジクロロメタンとメタノールを体積比1:2で混合した混合液であり、第2相展開溶媒は脱イオン水である。カラムクロマトグラフィーを行って、粒子径の大きさが異なるグラフェン量子ドットの溶液を順次得る。溶剤がジクロロメタンとメタノールを体積比1:2で混合した混合液であるグラフェン量子ドットの溶液を、真空でロータリーエバポレーションして溶剤を蒸発除去すると、乾燥したグラフェン量子ドット粉末が得られる。溶剤が脱イオン水であるグラフェン量子ドットの溶液を、ジクロロメタンとメタノールが体積比2:1である混合溶剤によって抽出し、さらにロータリーエバポレーションして溶剤を蒸発除去すると、乾燥したグラフェン量子ドット粉末が得られる。
図4は、本実施例3で製造されたグラフェン量子ドットの蛍光スペクトログラムである。図4から視認できるように、この方法で製造されたグラフェン量子ドットの蛍光励起波長は390nm程度である。
グラフェン量子ドットの製造
1.改良Hummers化学法で製造された単層酸化グラフェンを用意して、均一となるように単層酸化グラフェンをグリセロールに分散し、単層酸化グラフェン濃度が5mg/mLである第1分散液を得て、単層酸化グラフェンとグルコン酸ナトリウムの質量比が1:6となるようにグルコン酸ナトリウムを第1分散液に加え、均一に分散すると、混合液が得られる。
2.200Wの超音波環境で当該混合液を2時間超音波分散した後、密閉した反応容器に入れて、600Wのマイクロ波環境で10min反応させ、取り出して、第1分散液における初期のグリセロールの体積の10%のグリセロールを添加し、続いて600Wのマイクロ波環境で10min反応させて、反応が終了した後、反応液が冷却するのを待って、反応液に脱イオン水(脱イオン水と第1分散液における初期のグリセロールの体積比は1:15)を加えて、反応物分散液を得、180Wの超音波環境で反応物分散液を20分超音波分散してから、吸引濾過し濾液を取り出し、グラフェン量子ドットの溶液を得て、この後で使用する。濾過ケーキを取り出し、粗生成物を得る。
3.粗生成物とクエン酸の質量比が1:7となるようにクエン酸と粗生成物を混合し、さらに、塩化亜鉛の質量がクエン酸、粗生成物と塩化亜鉛の混合物の質量の2%となるように塩化亜鉛を加え、均一に混合して混合物を得て、当該混合物をグリセロールに加え、均一に分散すると、混合物の濃度が0.5g/mLである第2分散液が得られる。
4.250Wの超音波環境で第2分散液を1時間分散した後、密閉した反応容器に入れて、700Wのマイクロ波環境で0.5時間反応させ、脱イオン水を加えて、マイクロ波反応で得られた反応液を希釈した後(脱イオン水と第2分散液におけるジメトキシエタンの体積比は1:15)、180Wの超音波環境で分散と剥離を3時間行って、グラフェン量子ドットの水溶液を得て、グラフェン量子ドットの水溶液と上記ステップ2で得られたグラフェンの溶液にカラムクロマトグラフィーを行う。カラムクロマトグラフィーの固定相はシリカゲルであり、第1相展開溶媒はジクロロメタンとメタノールを体積比1:2で混合した混合液であり、第2相展開溶媒は脱イオン水である。カラムクロマトグラフィーを行って、粒子径の大きさが異なるグラフェン量子ドットの溶液を順次得る。溶剤がジクロロメタンとメタノールを体積比1:2で混合した混合液であるグラフェン量子ドットの溶液を、真空でロータリーエバポレーションして溶剤を蒸発除去すると、乾燥したグラフェン量子ドット粉末が得られる。溶剤が脱イオン水であるグラフェン量子ドットの溶液を、ジクロロメタンとメタノールが体積比2:1である混合溶剤によって抽出し、さらにロータリーエバポレーションして溶剤を蒸発除去すると、乾燥したグラフェン量子ドット粉末が得られる。
図5は、本実施例4で製造されたグラフェン量子ドットの蛍光スペクトログラムである。図5から視認できるように、この方法で製造されたグラフェン量子ドットの蛍光励起波長は410nm程度である。
グラフェン量子ドットの製造
1.改良Hummers化学法で製造された単層酸化グラフェンを用意して、均一となるように単層酸化グラフェンをジメトキシエタンに分散し、単層酸化グラフェン濃度が2mg/mLである第1分散液を得て、単層酸化グラフェンとシュウ酸の質量比が1:3となるようにシュウ酸を第1分散液に加え、均一に分散すると、混合液が得られる。
2.120Wの超音波環境で当該混合液を4時間超音波分散した後、密閉した反応容器に入れて、500Wのマイクロ波環境で30min反応させ、取り出して、第1分散液における初期のジメトキシエタンの体積の15%のジメトキシエタンを添加し、続いて500Wのマイクロ波環境で10min反応させて、反応が終了した後、反応液が冷却するのを待って、反応液に脱イオン水(脱イオン水と第1分散液における初期のジメトキシエタンの体積比は1:10)を加えて、反応物分散液を得、280Wの超音波環境で反応物分散液を5分超音波分散してから、吸引濾過し濾液を取り出し、グラフェン量子ドットの溶液を得て、この後で使用する。濾過ケーキを取り出し、粗生成物を得る。
3.粗生成物とグルコースの質量比が1:5となるようにグルコースと粗生成物を混合し、さらに、塩化第二鉄の質量がグルコース、粗生成物と塩化第二鉄の混合物の質量の1%を占めるように塩化第二鉄を加え、均一に混合して混合物を得て、当該混合物をジメトキシエタンに加え、均一に分散すると、混合物の濃度が0.1g/mLである第2分散液が得られる。
4.120Wの超音波環境で第2分散液を2時間分散した後、密閉した反応容器に入れて、500Wのマイクロ波環境で1時間反応させ、脱イオン水を加えて、マイクロ波反応で得られた反応液を希釈した後(脱イオン水と第2分散液におけるジメトキシエタンとの体積比は1:20)、300Wの超音波環境で分散と剥離を2時間行って、グラフェン量子ドットの水溶液を得て、グラフェン量子ドットの水溶液と上記ステップ2で得られたグラフェンの溶液にカラムクロマトグラフィーを行う。カラムクロマトグラフィーの固定相はシリカゲルであり、第1相展開溶媒はジクロロメタンとメタノールを体積比1:3で混合した混合液であり、第2相展開溶媒は脱イオン水である。カラムクロマトグラフィーを行って、粒子径の大きさが異なるグラフェン量子ドットの溶液を順次得る。溶剤がジクロロメタンとメタノールを体積比1:3で混合した混合液であるグラフェン量子ドットの溶液を、真空でロータリーエバポレーションして溶剤を蒸発除去すると、乾燥したグラフェン量子ドット粉末が得られる。溶剤が脱イオン水であるグラフェン量子ドットの溶液を、ジクロロメタンとメタノールが体積比1:1である混合溶剤によって抽出し、さらにロータリーエバポレーションして溶剤を蒸発除去すると、乾燥したグラフェン量子ドット粉末が得られる。
グラフェン量子ドットの製造
1.改良Hummers化学法で製造された単層酸化グラフェンを用意して、均一となるように単層酸化グラフェンを質量濃度10%のポリビニルアルコールの水溶液に分散し、単層酸化グラフェン濃度が10mg/mLである第1分散液を得て、単層酸化グラフェンの質量とクエン酸及びクエン酸ナトリウムの合計質量の割合が1:10となるように質量比1:1であるクエン酸とクエン酸ナトリウムを第1分散液に加え、均一に分散すると、混合液が得られる。
2.300Wの超音波環境で当該混合液を0.4時間超音波分散した後、密閉した反応容器に入れて、800Wのマイクロ波環境で5min反応させ、取り出して、第1分散液における初期の質量濃度10%のポリビニルアルコールの水溶液の体積の10%の質量濃度10%のポリビニルアルコールの水溶液を添加し、続いて800Wのマイクロ波環境で5min反応させて、反応が終了した後、反応液が冷却するのを待って、反応液に脱イオン水(脱イオン水と第1分散液における初期の質量濃度10%のポリビニルアルコールの水溶液の体積比は1:12)を加えて、反応物分散液を得、200Wの超音波環境で反応物分散液を30分超音波分散してから、吸引濾過し濾液を取り出し、グラフェン量子ドットの溶液を得て、この後で使用する。濾過ケーキを取り出し、粗生成物を得る。
3.粗生成物とグルコースの質量比が1:10となるようにグルコースと粗生成物を混合し、さらに、塩化アルミニウムの質量がグルコース、粗生成物と塩化アルミニウムの混合物の質量の3%を占めるように塩化アルミニウムを加え、均一に混合して混合物を得て、当該混合物を質量濃度10%のポリビニルアルコールの水溶液に加え、均一に分散すると、混合物の濃度が1g/mLである第2分散液が得られる。
4.300Wの超音波環境で第2分散液を0.5時間分散した後、密閉した反応容器に入れて、800Wのマイクロ波環境で0.2時間反応させ、脱イオン水を加えて、マイクロ波反応で得られた反応液を希釈した後(脱イオン水と第2分散液におけるジメトキシエタンの体積比は1:15)、120Wの超音波環境で分散と剥離を3時間行って、グラフェン量子ドットの水溶液を得て、グラフェン量子ドットの水溶液と上記ステップ2で得られたグラフェンの溶液にカラムクロマトグラフィーを行う。カラムクロマトグラフィーの固定相はシリカゲルであり、第1相展開溶媒はジクロロメタンとメタノールを体積比1:1で混合した混合液であり、第2相展開溶媒は脱イオン水である。カラムクロマトグラフィーを行って、粒子径の大きさが異なるグラフェン量子ドットの溶液を順次得る。溶剤がジクロロメタンとメタノールを体積比1:1で混合した混合液であるグラフェン量子ドットの溶液を、真空でロータリーエバポレーションして溶剤を蒸発除去すると、乾燥したグラフェン量子ドット粉末が得られる。溶剤が脱イオン水であるグラフェン量子ドットの溶液を、ジクロロメタンとメタノールが体積比1:1である混合溶剤によって抽出し、さらにロータリーエバポレーションして溶剤を蒸発除去すると、乾燥したグラフェン量子ドット粉末が得られる。
グラフェン量子ドットの製造
1.改良Hummers化学法で製造された単層酸化グラフェンを用意して、均一となるように単層酸化グラフェンを三縮合ジエチレングリコールに分散し、単層酸化グラフェン濃度が4mg/mLである第1分散液を得て、単層酸化グラフェンとシュウ酸ナトリウムの質量比が1:7となるようにシュウ酸ナトリウムを第1分散液に加え、均一に分散すると、混合液が得られる。
2.250Wの超音波環境で当該混合液を2.5時間超音波分散した後、密閉した反応容器に入れて、550Wのマイクロ波環境で25min反応させ、取り出して、第1分散液における初期の三縮合ジエチレングリコールの体積の13%の三縮合ジエチレングリコールを添加し、続いて550Wのマイクロ波環境で25min反応させて、反応が終了した後、反応液が冷却するのを待って、反応液に脱イオン水(脱イオン水と第1分散液における初期の三縮合ジエチレングリコールの体積比は1:18)を加えて、反応物分散液を得、220Wの超音波環境で反応物分散液を10分超音波分散してから、吸引濾過し濾液を取り出し、グラフェン量子ドットの溶液を得て、この後で使用する。濾過ケーキを取り出し、粗生成物を得る。
3.粗生成物とアジプアルデヒドの質量比が1:6となるようにアジプアルデヒドと粗生成物を混合し、さらに、塩化リチウムの質量がアジプアルデヒド、粗生成物と塩化リチウムの混合物の質量の2.5%となるように塩化リチウムを加え、均一に混合して混合物を得て、当該混合物を三縮合ジエチレングリコールに加え、均一に分散すると、混合物の濃度が0.3g/mLである第2分散液が得られる。
4.150Wの超音波環境で第2分散液を1.8時間分散した後、密閉した反応容器に入れて、750Wのマイクロ波環境で0.4時間反応させ、脱イオン水を加えて、マイクロ波反応で得られた反応液を希釈した後(脱イオン水と第2分散液におけるジメトキシエタンの体積比は1:15)、250Wの超音波環境で分散と剥離を2.5時間行って、グラフェン量子ドットの水溶液を得て、グラフェン量子ドットの水溶液と上記ステップ2で得られたグラフェンの溶液にカラムクロマトグラフィーを行う。カラムクロマトグラフィーの固定相はシリカゲルであり、第1相展開溶媒はジクロロメタンとメタノールを体積比1:2で混合した混合液であり、第2相展開溶媒は脱イオン水である。カラムクロマトグラフィーを行って、粒子径の大きさが異なるグラフェン量子ドットの溶液を順次得る。溶剤がジクロロメタンとメタノールを体積比1:2で混合した混合液であるグラフェン量子ドットの溶液を、真空でロータリーエバポレーションして溶剤を蒸発除去すると、乾燥したグラフェン量子ドット粉末が得られる。溶剤が脱イオン水であるグラフェン量子ドットの溶液を、ジクロロメタンとメタノールが体積比2:1である混合溶剤によって抽出し、さらにロータリーエバポレーションして溶剤を蒸発除去すると、乾燥したグラフェン量子ドット粉末が得られる。
以上に述べた実施例は、本発明のいくかの実施形態のみを示して具体的かつ詳細に説明したものであるが、その故に本発明の保護範囲を限定するものと解すべきではない。指摘されるべきこととして、当業者には、本発明の構想から逸脱しない限りにおいて、若干の変形と改良をすることが可能であり、これらも本発明の保護範囲内に属する。そのため、本発明の特許の保護範囲は、添付した請求項によるべきである。

Claims (15)

  1. グラフェン量子ドットの大規模な製造方法であって、
    酸化グラフェンを第1溶剤に加え、均一に分散させて第1分散液を得、還元剤を前記第1分散液に加え、均一に分散させて混合液を得るステップと、
    500ワット〜800ワットのマイクロ波環境で前記混合液を10分間〜60分間反応させ、冷却後に固液分離させ、固体を取り出し、粗生成物を得るステップと、
    還元性ポリヒドロキシアルデヒド及び有機酸のうち1種と前記粗生成物を混合し、ルイス酸を加え、均一に混合させて混合物を得、前記混合物を第2溶剤に加え、均一に分散させて第2分散液を得るステップと、
    500ワット〜800ワットのマイクロ波環境で前記第2分散液を0.2時間〜1時間反応させてから、120ワット〜300ワットの超音波環境で2時間〜3時間剥離し、分離純化後に、前記グラフェン量子ドットを得るステップと、
    を含むことを特徴とするグラフェン量子ドットの大規模な製造方法。
  2. 500ワット〜800ワットのマイクロ波環境で前記混合液を10分間〜60分間反応させるステップの前に、具体的には120ワット〜300ワットの超音波環境で前記混合液を0.5時間〜4時間撹拌する、超音波撹拌ステップが含まれることを特徴とする、請求項1に記載のグラフェン量子ドットの大規模な製造方法。
  3. 500ワット〜800ワットのマイクロ波環境で前記第2分散液を0.2時間〜1時間反応させるステップの前に、さらに、具体的には120ワット〜300ワットの超音波環境で前記第2分散液を0.5時間〜2時間分散させる、超音波分散ステップが含まれることを特徴とする、請求項1に記載のグラフェン量子ドットの大規模な製造方法。
  4. 前記第1溶剤と第2溶剤が、いずれも水、ジメトキシエタン、ポリビニルアルコールの水溶液、グリセロール、三縮合ジエチレングリコール及びN−メチルピロリドンから選択される少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1に記載のグラフェン量子ドットの大規模な製造方法。
  5. 前記第1分散液における前記酸化グラフェンの濃度が2mg/ml〜10mg/mlであることを特徴とする、請求項1に記載のグラフェン量子ドットの大規模な製造方法。
  6. 前記還元剤が、クエン酸、グルコン酸、蟻酸、アスコルビン酸、シュウ酸、クエン酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、蟻酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム又はシュウ酸ナトリウムから選択される少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1に記載のグラフェン量子ドットの大規模な製造方法。
  7. 前記酸化グラフェンと前記還元剤との質量比が1:3〜10であることを特徴とする、請求項1に記載のグラフェン量子ドットの大規模な製造方法。
  8. 500ワット〜800ワットのマイクロ波環境で前記混合液を10分間〜60分間反応させる前記操作が、具体的には、500ワット〜800ワットのマイクロ波環境で前記混合液を5分間〜30分間反応させ、取り出して、前記第1溶剤の初期体積の10%〜15%の前記第1溶剤を添加した後、500ワット〜800ワットのマイクロ波環境で継続して5分間〜30分間反応させるものであることを特徴とする、請求項1に記載のグラフェン量子ドットの大規模な製造方法。
  9. 前記粗生成物と前記還元性ポリヒドロキシアルデヒド及び有機酸のうち1種との質量比が1:5〜10であることを特徴とする、請求項1に記載のグラフェン量子ドットの大規模な製造方法。
  10. 前記還元性ポリヒドロキシアルデヒドが、グルコース又はアジプアルデヒドであることを特徴とする、請求項1又は9に記載のグラフェン量子ドットの大規模な製造方法。
  11. 前記ルイス酸が、塩化第二鉄、塩化アルミニウム、塩化亜鉛、三フッ化ホウ素、塩化マグネシウム、塩化第2銅又は塩化リチウムから選択される少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1に記載のグラフェン量子ドットの大規模な製造方法。
  12. 前記有機酸が、クエン酸、グルコン酸、蟻酸、アスコルビン酸又はシュウ酸から選択される少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1に記載のグラフェン量子ドットの大規模な製造方法。
  13. 前記第2分散液における前記混合物の濃度が0.1g/ml〜1g/mlであることを特徴とする、請求項1に記載のグラフェン量子ドットの大規模な製造方法。
  14. 前記ルイス酸の質量が前記混合物の質量の1%〜3%を占めることを特徴とする、請求項1に記載のグラフェン量子ドットの大規模な製造方法。
  15. 前記分離純化後に前記グラフェン量子ドットを得るステップが、具体的には、120ワット〜300ワットの前記超音波環境で2時間〜3時間剥離して得られる反応生成物をカラムクロマトグラフィー(前記カラムクロマトグラフィーの固定相はシリカゲル又はポリアクリルアミドであり、第1相展開溶媒はジクロロメタンとメタノールを体積比1:1〜3で混合した混合液であり、第2相展開溶媒は脱イオン水である)によって分離してから、真空ロータリーエバポレーションを行って溶剤を除去し、前記グラフェン量子ドットを得るものであることを特徴とする、請求項1に記載のグラフェン量子ドットの大規模な製造方法。
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