JP5995523B2 - グラフェンシート水分散体及びその製造方法並びにグラフェン含有構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、グラフェンシート水分散体及びその製造方法並びにグラフェン含有構造体に関する。
グラフェンシートは、炭素原子がハニカム格子状に並んだ2次元単層シートで、グラファイト、フラーレン、カーボンナノチューブ等の構成単位でもある。このグラフェンシートは、その特異な諸物性(ヤング率1.0 TPa、キャリア移動度200000 cm2V-1s-1、電気伝導性30Ω□-1、熱伝導率5000 Wm-1K-1等)から新たなる材料として注目を浴びている。特に単層グラフェンは透光性が高い(97.7%)ことから、透明電極への応用が期待されている。
グラフェンシートの製造方法としては、
(1)金属箔上にCVDによる形成
(2)グラファイトの機械的剥離
(3)グラファイトの化学的剥離
(4)気相合成
等が知られている。
これらの内、大面積のグラフェンシートが必要になる透明電極の作製に適した方法としては、上記製造方法のうち、(1)と(2)が検討されている。
(1)の方法では、大面積の均質な単層〜複層グラフェンを形成できる利点があるが、せっかく形成したグラフェンシートを金属箔から他の基板に移す必要がある。これが困難な作業であり、現状はセンチメートルオーダーのグラフェンシートでしか成功していない。また、CVD作製((1)の方法)グラフェンシートのキャリア移動度は、機械的剥離((2)の方法)により得たグラフェンシートのそれより小さい。一方、(2)の方法は、グラファイトを酸化し、生成した酸化グラフェン(水溶性)を超音波処理等により1枚単位で剥離し、これを還元してグラフェンに戻す。大量に酸化グラフェンを作ることができ、さらに酸化グラフェンを分散液としてウェットプロセスで成膜できるため、低コストで透明電極を作製する技術として注目されている。しかしながら、酸化グラフェンを液中で還元すると凝集を起こして成膜できなくなってしまう。また、凝集したグラフェンを1枚単位で剥離することは困難である。
還元後の凝集を防ぐために、ドデシルベンゼンスルホン酸Naのような界面活性剤を共存させることも検討されている(非特許文献1)。
Adv. Funct. Mater. 2010, 20, 2893-2902
しかしながら、この非特許文献1においては、還元後にグラフェンが沈殿していることから、分散液中での分散安定化は達成されていない。
本発明は、低コストで調製でき、グラフェン同士の凝集を抑制し、グラフェンシートを高濃度に安定分散させることができるグラフェンシート水分散体及びその製造方法を提供することを目的とする。また、当該グラフェンシートを製造するための原料となる酸化グラフェン水分散体を提供することも目的とする。さらに、当該グラフェンシート水分散体から水性溶媒を除去して得られる、グラフェン含有構造体を提供することをも目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の水溶性化合物を酸化グラフェン水分散体中に含ませた後に還元処理を施すことで、グラフェンシートが凝集することなく分散したグラフェンシート水分散体が得られることを見出した。当該知見に基づきさらに研究を重ね、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は下記のグラフェンシート水分散体及びその製造方法並びにグラフェンシート含有構造体に関する。
項1.9,9−ビス(置換アリール)フルオレン骨格を有する水溶性化合物、グラフェンシート及び水性溶媒を含有する、グラフェンシート水分散体。
項2.前記9,9−ビス(置換アリール)フルオレン骨格を有する化合物が、一般式(1):
Figure 0005995523
[式中、Z及びZは同じか又は異なり、それぞれ芳香族炭化水素環;R1a及びR1bは同じか又は異なり、それぞれアルキレン基;R2a及びR2bは同じか又は異なり、それぞれ炭化水素基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基又は置換アミノ基;R3a及びR3bは同じか又は異なり、それぞれ炭化水素基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基又は置換アミノ基;m及びnは同じか又は異なり、それぞれ0以上の整数;p及びqは同じか又は異なり、それぞれ1以上の整数;h1及びh2は同じか又は異なり、それぞれ0〜4の整数;j1及びj2は同じか又は異なり、それぞれ0〜4の整数である。]
で示されるフルオレン化合物、又はその塩酸塩、アルカリ金属塩、有機アンモニウム塩、若しくはエチレンオキシド付加物である、項1に記載のグラフェンシート水分散体。
項3.前記水溶性化合物は、一般式(1)で示されるフルオレン化合物の有機アンモニウム塩である、項2に記載のグラフェンシート水分散体。
項4.前記水溶性化合物は、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン塩酸塩、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン・2アルカリ金属塩、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン・2有機アンモニウム塩、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン・2アルカリ金属塩、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン・2有機アンモニウム塩、9,9−ビス(4−ヒドロキシナフチル)フルオレン・2有機アンモニウム塩及び9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン・エチレンオキシド付加物からなる群から選択される少なくとも1種である、項1〜3のいずれかに記載のグラフェンシート水分散体。
項5.前記水溶性化合物は、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン・2有機アンモニウム塩、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン・2有機アンモニウム塩及び9,9−ビス(4−ヒドロキシナフチル)フルオレン・2有機アンモニウム塩よりなる群から選択される少なくとも1種である、項1〜4のいずれかに記載のグラフェンシート水分散体。
項6.前記グラフェンシートは、1〜10層のグラフェンを含有する、項1〜5のいずれかに記載のグラフェンシート水分散体。
項7.プラスチック基板上に形成された、項1〜6のいずれかに記載のグラフェンシート水分散体。
項8.項1〜7のいずれかに記載のグラフェンシート水分散体の製造方法であって、
(1)9,9−ビス(置換アリール)フルオレン骨格を有する水溶性化合物、酸化グラフェン及び水性溶媒を含有する酸化グラフェン水分散体を調製する工程、及び
(2)前記酸化グラフェン水分散体に、還元処理を施す工程
を備える、製造方法。
項9.前記工程(1)が、9,9−ビス(置換アリール)フルオレン骨格を有する水溶性化合物の水溶液と、酸化グラフェンの水性溶媒分散液とを混合する工程
である、項8に記載の製造方法。
項10.前記工程(2)が、還元剤による化学還元を施す工程である、項8又は9に記載の製造方法。
項11. 9,9−ビス(置換アリール)フルオレン骨格を有する水溶性化合物、酸化グラフェン及び水性溶媒を含有する酸化グラフェン水分散体。
項12.項1〜7のいずれかに記載のグラフェンシート水分散体の乾燥物である、グラフェン含有構造体。
項13.水、アルコール又はアセトンで洗浄された、項12に記載のグラフェン含有構造体。
項14.希酸又は希アルカリで洗浄された、項12に記載のグラフェン含有構造体。
項15.プラスチック基板上に形成された、項12〜14のいずれかに記載のグラフェン含有構造体。
項16.9,9−ビス(置換アリール)フルオレン骨格を有する水溶性化合物;カーボンファイバー、活性炭、カーボンブラック、黒鉛、ガラス状カーボン、カーボンマイクロコイル、フラーレン及びバイオマス系炭素材料よりなる群から選ばれる少なくとも1種の炭素材料;並びに水性溶媒を含有する、水分散体。
本発明のグラフェンシート水分散体は、9,9−ビス(置換アリール)フルオレン骨格を有する水溶性化合物を酸化グラフェン水分散体中に含ませた後に還元処理を施すことで、低コストで水性溶媒中にグラフェンシートを高濃度に孤立分散させることができる。また、グラフェンシート水分散体からグラフェンシートの分離・精製が容易であり、他材料にグラフェンシートを均一混合することも可能であるため、グラフェンシートを含むナノコンポジット等へ適用できる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のグラフェンシート水分散体は、9,9−ビス(置換アリール)フルオレン骨格を有する水溶性化合物、グラフェンシート及び水性溶媒を含有する。
従来は、湿式法にてグラフェンシートを作製する場合、酸化グラフェン及び水性溶媒を含む水分散体に還元処理を施していたが、この方法では得られるグラフェンシートが激しく凝集してしまうため、グラフェンシート水分散体を得ることは困難であった。一方、本発明においては、酸化グラフェン及び水性溶媒を含む水分散体中に9,9−ビス(置換アリール)フルオレン骨格を有する水溶性化合物を含有させておくことにより、その後還元処理を施した後にも、グラフェンが凝集することなく、均一分散したグラフェンシート水分散体が得られる。この際、従来は形成できなかったプラスチック基板上にもグラフェンシート水分散体を形成することが可能である。また、グラフェンシート水分散体からグラフェンシートの分離・精製が容易であり、他材料にグラフェンシートを均一混合することも可能であるため、グラフェンシートを含むナノコンポジット等へ適用できる。さらに、グラフェンシート水分散体の乾燥物であるグラフェン含有構造体は、十分な導電性及びガスバリア性を有するうえに、残存する9,9−ビス(置換アリール)フルオレン骨格を有する水溶性化合物を容易に除去できるため、さまざまな光・電子デバイス、構造体に適用することができる。
グラフェンシート水分散体
本発明で用いるグラフェンシートは、10層以下(つまり1〜10層)のグラフェンが積層した層状構造を持つシートであることが好ましい。なお、グラフェンシートが複数のグラフェンを有する場合には、その層間に、グラフェン以外の物質を含有することも可能である。こうしたグラフェンは、多くの凸角と凹角をもつ平面形状をしているため、その大きさは一概には規定できない。本明細書では、一枚のグラフェンにおいて最も離れている凸角間の距離をそのグラフェンの大きさとする。
グラフェンの大きさとしては、20nm以上が好ましく、30nm以上がより好ましく、50nm以上がさらに好ましい。この範囲とすることで、より十分な導電性が得られる。なお、グラフェンの大きさは、大きい方が電気的物性等の諸物性が優れていることが知られており好ましいため、大きさの上限は限定されない。なお、グラフェンの大きさは、顕微鏡(レーザー顕微鏡、電子顕微鏡、原子間力顕微鏡等)観察により測定することができる。
このようなグラフェンシートとしては、CVD法、機械的剥離法等の公知の方法で得られた単層又は多層のグラフェン等が使用できる。また、グラファイトを酸化・剥離して得られる酸化グラフェンから化学的及び/又は熱的還元処理を経て作製されたグラフェンシートを使用できる。特に、後述の本発明の製造方法により、湿式法においてもグラフェンシートが均一分散した水分散体が得られる観点から、グラファイトを酸化・剥離して得られる酸化グラフェンから化学的及び/又は熱的還元処理を経て作製されたグラフェンシートを使用する場合に特に有用である。
本発明では、後述の製造方法において、グラフェンシート水分散体を製造するために9,9−ビス(置換アリール)フルオレン骨格を有する水溶性化合物を用いるため、本発明のグラフェンシート水分散体においても含まれている。この水溶性化合物は、グラフェンシート表面に吸着して水性溶媒中でグラフェンシートを高濃度に孤立分散させることも可能であるため、本発明のグラフェンシート水分散体においては分散剤としても機能する。また、前記水溶性化合物は市販品を用いることができ、コスト及び分散性の両方で従来品より優位性がある。更に、この水溶性化合物は、グラフェンシート表面に残存しても十分な導電性を維持することができ、また、この水溶性化合物をグラフェンシートから容易に除去することができるという優位性もある。
9,9−ビス(置換アリール)フルオレン骨格を有する化合物としては限定的ではないが、例えば、一般式(1):
Figure 0005995523
[式中、Z及びZは同じか又は異なり、それぞれ芳香族炭化水素環;R1a及びR1bは同じか又は異なり、それぞれアルキレン基;R2a及びR2bは同じか又は異なり、それぞれ炭化水素基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基又は置換アミノ基;R3a及びR3bは同じか又は異なり、それぞれ炭化水素基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基又は置換アミノ基;m及びnは同じか又は異なり、それぞれ0以上の整数;p及びqは同じか又は異なり、それぞれ1以上の整数;h1及びh2は同じか又は異なり、それぞれ0〜4の整数;j1及びj2は同じか又は異なり、それぞれ0〜4の整数である。]
で示されるフルオレン化合物、又はその塩酸塩、アルカリ金属塩、有機アンモニウム塩、若しくはエチレンオキシド付加物が好ましい。なかでも、グラフェンシート作製時に、酸化グラフェンを還元しても凝集をより抑制する観点から、フルオレン化合物の塩酸塩、アルカリ金属塩、有機アンモニウム塩、又はエチレンオキシド付加物がより好ましく、フルオレン化合物の有機アンモニウム塩がさらに好ましい。
及びZは、炭素数が6〜14の芳香族炭化水素環が好ましく、炭素数が6〜14の単環又は縮合環の芳香族炭化水素環がより好ましい。具体的には、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ビフェニル環、インデン環等が挙げられ、ベンゼン環がより好ましい。Z及びZは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
1a及びR1bは、炭素数2〜4のアルキレン基が好ましく、具体的には、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等が挙げられる。R1a及びR1bは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。また、R1a同士、R1b同士が同一であっても異なっていてもよい。また、アルキレン基R1a及びR1bの種類は係数m及びnの数によっても異なっていてもよい。好ましいアルキレン基は、炭素数が2〜3のアルキレン基(特にエチレン基及びプロピレン基)であり、通常、エチレン基が好ましい。
2a及びR2bは、炭化水素基(アルキル基、シクロアルキル基等、アリール基、アラルキル基等)、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、置換アミノ基等が好ましい。
アルキル基としては、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜8(特に1〜6)のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基等が好ましい。
シクロアルキル基としては、炭素数5〜10(好ましくは5〜8、特に5〜6)のシクロアルキル基が好ましく、具体的には、シクロペンチル基、シクロへキシル基等が好ましい。
アリール基としては、炭素数6〜10のアリール基が好ましく、具体的には、フェニル基、アルキルフェニル基(アルキル:前述したもの;トリル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基等のメチルフェニル基等)、キシリル基等のジメチルフェニル基等)、ナフチル基等が好ましい。
アラルキル基としては、前述したアリール基と前述したアルキル基を有する炭素数7〜14のアラルキル基が好ましく、具体的には、ベンジル基、フェネチル基等が好ましい。
アルコキシ基としては、炭素数1〜8(特に1〜6)のアルコキシ基が好ましく、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基等が好ましい。
シクロアルコキシ基としては、炭素数5〜10のシクロアルコキシ基が好ましく、具体的には、シクロへキシルオキシ基等が好ましい。
アリールオキシ基としては、前述したアリール基を有する炭素数6〜10のアリールオキシ基が好ましく、具体的には、フェノキシ基等が好ましい。
アラルキルオキシ基としては、前述したアリール基と前述したアルキルオキシ基を有する炭素数7〜14のアラルキルオキシ基が好ましく、具体的には、ベンジルオキシ基等が好ましい。
アシル基としては、炭素数1〜6のアシル基が好ましく、具体的には、アセチル基等が好ましい。
アルコキシカルボニル基としては、炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基が好ましく、具体的には、メトキシカルボニル基等が好ましい。
ヒドロキシアリール基としては、前述したアリール基を有する炭素数6〜10のヒドロキシアリール基が好ましく、具体的には、ヒドロキシフェニル基(特に4−ヒドロキシフェニル基)、ヒドロキシC1−4アルキルフェニル基(特に4−ヒドロキシ−3−メチル基)、ヒドロキシナフチル基(特に4−ヒドロキシナフチル基)等が好ましい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子等が好ましい。
置換アミノ基としては、上述した官能基を置換基に有するものが好ましく、具体的には、ジアルキルアミノ基等が好ましい。
これらのなかでも、後述の本発明の製造方法において還元処理を含む観点から、還元と相性のよい置換基を採用することが好ましい。
置換基R2a及びR2bの置換数であるh1及びh2は、通常0〜4(特に0〜2)程度の整数が好ましい。置換基R2a及びR2bの置換位置も特に制限されない。好ましい置換基R2a及びR2bは、炭素数が1〜6のアルキル基(特に、メチル基等の炭素数が1〜4のアルキル基)、炭素数が6〜10のアリール基(例えば、フェニル基等の炭素数が6〜8のアリール基)等であり、好ましい置換数h1及びh2は0〜2(特に0又は1)程度の整数である。
3a及びR3bとしては、前記例示の炭化水素基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、置換アミノ基等が挙げられる。
置換基R3a及びR3bの置換数であるj1及びj2は、通常0〜4(特に0〜2(さらには0又は1))程度の整数が好ましい。置換基R3a及びR3bの置換位置も特に制限されない。好ましい置換基R3a及びR3bは、炭素数1〜6のアルキル基(特に、メチル基等の炭素数が1〜4のアルキル基)であり、好ましい置換数j1及びj2は、0又は1(特に0)である。
オキシアルキレン単位の繰り返し数であるm及びnは、0以上の整数であり、通常0〜10、好ましくは0〜7、さらに好ましくは0〜5、特に0〜3、さらには0又は1程度の整数である。また、p及びqは、1以上の整数であり、通常1〜4、好ましくは1〜3、さらに好ましくは1〜2、特に1程度の整数である。
代表的な一般式(1)で表される化合物には、m及びnが0である化合物、すなわち、9,9−ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン類が含まれる。
前記9,9−ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン類には、前記一般式(1)において、Z1及びZ2がベンゼン環であり、p及びqが1である9,9−ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン類;Z1及びZ2がナフタレン環であり、p及びqが1である9,9−ビス(ヒドロキシナフチル)フルオレン類;Z1及びZ2がベンゼン環であり、p及びqが2以上である9,9−ビス(ポリヒドロキシフェニル)フルオレン類等が含まれる。
具体的には、9,9−ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン類は、R2a及びR2bが炭化水素基であり、h1及びh2が0又は1である化合物が好適に使用される。9,9−ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン類としては、例えば、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン等の9,9−ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン;9,9−ビス(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)フルオレン等の9,9−ビス(アルキルヒドロキシフェニル)フルオレン(例えば、9,9−ビス(C1−6ルキルヒドロキシフェニル)フルオレン等);9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−2,6−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)フルオレン等の9,9−ビス(ジアルキルヒドロキシフェニル)フルオレン(例えば、9,9−ビス(ジC1−6アルキルヒドロキシフェニル)フルオレン等);9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルフェニル)フルオレン等の9,9−ビス(シクロアルキルヒドロキシフェニル)フルオレン(例えば、9,9−ビス(C5−10シクロアルキルヒドロキシフェニル)フルオレン等);9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)フルオレン等の9,9−ビス(アリールヒドロキシフェニル)フルオレン(例えば、9,9−ビス(C6−10アリールヒドロキシフェニル)フルオレン等)等が挙げられる。
また、前記9,9−ビス(ヒドロキシナフチル)フルオレン類には、前記例示の9,9−ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン類のフェニル基がナフチル基である9,9−ビス(ヒドロキシナフチル)フルオレン類、(例えば9,9−ビス[6−(2−ヒドロキシナフチル)]フルオレン、9,9−ビス[1−(5−ヒドロキシナフチル)]フルオレン等の9,9−ビス(ヒドロキシナフチル)フルオレン等)等が含まれる。
さらに、前記9,9−ビス(ポリヒドロキシフェニル)フルオレン類には、前記9,9−ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン類(9,9−ビス(モノヒドロキシフェニル)フルオレン類)に対応するフルオレン類、例えば、9,9−ビス(ジヒドロキシフェニル)フルオレン(9,9−ビス(3,4−ジヒドロキシフェニル)フルオレン(ビスカテコールフルオレン)等);9,9−ビス(3,4−ジヒドロキシ−5−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3,4−ジヒドロキシ−6−メチルフェニル)フルオレン等の9,9−ビス(アルキル−ジヒドロキシフェニル)フルオレン(例えば、9,9−ビス(C1−4アルキル−ジヒドロキシフェニル)フルオレン等)等の9,9−ビス(ジ又はトリヒドロキシフェニル)フルオレン類が含まれる。
なお、前記9,9−ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン類には、例えば、前記フルオレン類(すなわち、9,9−ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン類、9,9−ビス(ヒドロキシナフチル)フルオレン類、9,9−ビス(ジヒドロキシフェニル)フルオレン類等)において、m及びnが1以上である化合物、例えば、9,9−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)フルオレン(ビスフェノキシエタノールフルオレン、BPEF)等の9,9−ビス[4−(ヒドロキシC2−3アルコキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−3−メチルフェニル)フルオレン(ビスクレゾールエタノールフルオレン、BCEF)等の9,9−ビス(アルキルヒドロキシC2−3アルコキシフェニル)フルオレン等も含まれる。
これらの前記一般式(1)で表される化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて用いてもよい。前記式(1)で表される化合物のうち、グラフェンシート作製時に、酸化グラフェンを還元しても凝集をより抑制する観点から、例えば、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン塩酸塩、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン・2アルカリ金属塩、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン・2有機アンモニウム塩、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン・2アルカリ金属塩、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン・2有機アンモニウム塩、9,9−ビス(4−ヒドロキシナフチル)フルオレン・2アルカリ金属塩、9,9−ビス(4−ヒドロキシナフチル)フルオレン・2有機アンモニウム塩及び9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン・エチレンオキシド付加物からなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン・2有機アンモニウム塩、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン・2有機アンモニウム塩及び9,9−ビス(4−ヒドロキシナフチル)フルオレン・2有機アンモニウム塩からなる群から選択される少なくとも1種がより好ましい。
上記アルカリ金属塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等が挙げられる。
上記有機アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩等が挙げられる。
グラフェンシート水分散体における上記水溶性化合物の含有量は限定的ではないが、0.01〜50重量%が好ましく、0.1〜20重量%がより好ましい。また、グラフェンシート100重量部に対して1〜1000重量部が好ましく、10〜100重量部がより好ましい。また、グラフェンシート水分散体における上記グラフェンシートの含有量は限定的ではないが、本発明では5重量%程度まで高濃度分散させることができ、好ましくは0.01〜2重量%である。
本発明では、グラフェンシート水分散体のグラフェンシートの分散媒として水性溶媒を用いる。また、この水性溶媒は、グラフェンシートを作製する際の溶媒としても使用する。
水性溶媒としては、例えば、水、エタノール、メタノール、エチレングリコール、グリセリン、2−メトキシエタノール等が使用できる。グラフェンシート水分散体における上記水性溶媒の含有量は限定的ではないが、上記グラフェンシート及び水溶性化合物の含有量となるように調整すればよい。
上記本発明のグラフェンシート水分散体は、グラフェンシート製造時に凝集を抑制するために使用する9,9−ビス(置換アリール)フルオレン骨格を有する水溶性化合物が、分散剤としても働き、グラフェンシート表面に吸着しており、水性溶媒中でグラフェンシートを高濃度に孤立分散させることができる。また、グラフェンシート水分散体からグラフェンシートの分離・精製が容易である。また、詳細には後述するが、グラフェンシート表面に吸着した9,9−ビス(置換アリール)フルオレン骨格を有する水溶性化合物は、容易に除去することができる。
また、この本発明のグラフェンシート水分散体は、従来は還元処理の際にプラスチック基板が加水分解されること、還元処理を施すとグラフェンが凝集するため水分散体として存在し得ないこと等から、プラスチック基板上に形成することは不可能であったが、本発明においては、上記水溶性化合物を含ませることで、プラスチック基板が加水分解を受けることがないため、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のプラスチック基板上に本発明のグラフェンシート水分散体を形成することも可能である。
このように、本発明のグラフェンシート水分散体においては、9,9−ビス(置換アリール)フルオレン骨格を有する水溶性化合物の存在下、水性溶媒中にグラフェンシートを分散させているが、グラフェンシートに加えて、又はグラフェンシートの替わりに、カーボンファイバー(特に繊維径500nm以下のカーボンナノファイバー)、活性炭、カーボンブラック(アセチレンブラック、オイルファーネスブラック等;特に導電性が高く、比表面積が大きいケッチェンブラック)、黒鉛(グラファイト;特に微粉化したもの)、ガラス状カーボン、カーボンマイクロコイル、フラーレン、バイオマス系炭素材料(バガス、ソルガム、木くず、おがくず、竹、木皮、稲ワラ、籾殻、コーヒーかす、茶殻、おからかす、米糠、パルプくず等を原料としたもの;リグニンから製造したカーボンファイバー等)を分散させてもよい。この際の各成分の濃度や条件等は、上記にて説明したグラフェンシートの濃度や条件等に相当するものとすることができる。また、その他の成分の濃度や条件等も同様である。
グラフェンシート水分散体の製造方法
上記本発明のナノカーボン水分散体の製造方法は限定的ではなく、上記各成分を混合することにより製造してもよいが、酸化グラフェン水分散液を利用してもよい。グラフェンシートを製造する際にできるグラフェンシートの分散液をそのままグラフェンシート水分散体とすることもできる。特に、従来はグラフェンシート作製時にグラフェンが凝集し、分散液を作製するのが困難であった湿式法においても、グラフェンシートを製造する際にグラフェンシート水分散体を製造できる点で有用である。
本発明によれば、本発明のグラフェンシート水分散体は、
(1)9,9−ビス(置換アリール)フルオレン骨格を有する水溶性化合物、酸化グラフェン及び水性溶媒を含有する酸化グラフェン水分散体を調製する工程、及び
(2)前記酸化グラフェン水分散体に、還元処理を施す工程
を有する製造方法により好適に製造することができる。
9,9−ビス(置換アリール)フルオレン骨格を有する水溶性化合物及び水性溶媒の種類については前記の通りである。
また、酸化グラフェンは、従来公知の方法により、分散液として製造できる。例えば、ハマーズ法により酸化グラファイトを作製し、これを溶媒に展開して超音波を照射することで、酸化グラファイトが層方向に剥離され、酸化グラフェンの水性溶媒分散液が得られる。
具体的には、グラファイトを濃硫酸中に浸し、過マンガン酸カリウムを加えて酸化させた後、反応物を希硫酸/過酸化水素でクエンチした後、蒸留水で洗浄して酸化グラファイトを得ることができる。グラファイトを濃硫酸中で過マンガン酸カリウムを加えて反応させることで、炭素原子に酸素原子が結合し、層間に酸素原子が導入されて酸化グラファイトが得られる。次いで、このようにして得られる酸化グラファイトを上記説明した水性溶媒に分散することで、層間に溶媒分子が挿入され、層方向にのみ剥離させることができ、面方向のサイズが大きい酸化グラフェンを高い収率で回収できる。必要に応じて、水性溶媒に分散後の溶液を遠心分離し、上澄み液を回収してもよい。水性溶媒としては、上記説明した水性溶媒であれば特に限定はない。
酸化グラフェン水性溶媒分散液中の酸化グラフェンの濃度は、0.01〜20mg/mlが好ましく、0.05〜10mg/mlがより好ましい。酸化グラフェンの濃度をこの範囲とすることで、安定な分散液とすることができる。
工程(1)では、この酸化グラフェン水性溶媒分散液と、9,9−ビス(置換アリール)フルオレン骨格を有する水溶性化合物の水溶液とを混合することにより、本発明において原料として使用する、9,9−ビス(置換アリール)フルオレン骨格を有する水溶性化合物、酸化グラフェン及び水性溶媒を含有する酸化グラフェン水分散体が得られる。
この際、酸化グラフェン水分散体における上記水溶性化合物の含有量は限定的ではないが、0.01〜50重量%が好ましく、0.1〜20重量%がより好ましい。また、酸化グラフェン100重量部に対して1〜1000重量部が好ましく、10〜100重量部がより好ましい。また、酸化グラフェン水分散体における上記酸化グラフェンの含有量は限定的ではないが、本発明では5重量%程度まで高濃度分散させることができ、好ましくは0.01〜2重量%である。
この酸化グラフェン水分散体は、分散液として形成してもよいし、基板上に塗膜として形成してもよい。特に、従来は還元処理の際にプラスチック基板が加水分解されること、還元処理を施すとグラフェンが凝集するため水分散体として存在し得ないこと等から、プラスチック基板上に形成することは不可能であったが、本発明においては、上記水溶性化合物を含ませることで、プラスチック基板が加水分解を受けることがないため、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のプラスチック基板上に本発明のグラフェンシート水分散体を形成することも可能である。
上記工程(2)における還元処理としては、化学還元、電気化学還元等、種々の方法が採用できるが、化学還元が好ましい。なかでも、ヒドラジン、水素化ホウ素Na等のような還元剤による化学還元が好ましい。還元剤量は、酸化グラフェン100重量部に対して、1〜1000重量部が好ましく、10〜500重量部がより好ましく、50〜300重量部がさらに好ましい。また、還元時に加熱を行うとより還元しやすくなる。加熱温度は、40〜200℃が好ましく、50〜150℃がより好ましく、60〜120℃がさらに好ましい。還元時間は10分〜64時間が好ましく、30分〜48時間がより好ましく、1〜24時間がさらに好ましい。
グラフェン含有構造体
本発明のグラフェン含有構造体は、上記グラフェンシート水分散体の乾燥物である。こうして得られる構造体の形状としては、塗膜、シート、塊状体等を挙げることができる。
乾燥物を得るためには、基板上に水分散体をスピンコートや 塗布後に乾燥、通常の固液分離によりグラフェン含有構造体を回収等により実施することができる。この分離を行う方法としては、例えば、通常の固液分離に使用されている方法、例えば、濾紙、ガラスフィルター等を用いて濾過する方法;遠心分離後に濾過する方法;減圧濾過器を使用する方法を例示できる。次に、乾燥方法としては、特に限定されず、例えば、温風乾燥機等を用いて50〜200℃程度で1〜24時間程度乾燥させる方法を例示できる。
このようにして得られる本発明のグラフェン含有構造体は、水性溶媒中で均一分散させることが容易であり、十分な導電性を有するだけではなく、優れたガスバリア性も有する。
本発明のグラフェン含有構造体は、グラフェンシート表面に9,9−ビス(置換アリール)フルオレン骨格を有する水溶性化合物が残存していても十分な電気伝導性が得られるが、必要に応じて、当該水溶性化合物を除去することができる。9,9−ビス(置換アリール)フルオレン骨格を有する水溶性化合物は、グラフェン含有構造体を洗浄することにより除去することができる。9,9−ビス(置換アリール)フルオレン骨格を有する水溶性化合物が塩の場合には、グラフェン含有構造体を希酸又は希アルカリで洗浄することによっても除去できる。特に有機アンモニウム塩系の場合は、乾燥処理150〜400℃、好ましくは200〜350℃の熱処理により有機アンモニウム塩が分解されるため、熱処理によっても塩を除去することができる。
従来の分散剤は、いわゆる洗剤に使われる界面活性剤のタイプが多く、これらは分散剤分子とグラフェンシートとの疎水性相互作用を利用して吸着していると考えられ、また分子量が比較的大きいため、その吸着力も大きいと考えられる。他方、本発明で用いる9,9−ビス(置換アリール)フルオレン骨格を有する水溶性化合物はグラフェンシートとπ−π相互作用を利用して吸着しているため、水性媒体中でしか吸着を維持できず、また分子量が小さいため従来品と比べて吸着力も弱い。よって、本発明で用いる9,9−ビス(置換アリール)フルオレン骨格を有する水溶性化合物は従来品よりもグラフェン含有構造体から除去し易いという利点がある。
9,9−ビス(置換アリール)フルオレン骨格を有する水溶性化合物を除去するための洗浄は、グラフェン含有構造体と洗浄液とを接触させることにより行うことができる。洗浄液としては、9,9−ビス(置換アリール)フルオレン骨格を有する水溶性化合物を溶解できるものであれば、水、各種の有機溶媒等が使用できる。かかる有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)等のアルコール(特に炭素数1〜6の低級アルコール)、アセトン等が使用できる。これらは1種単独で或いは2種以上を混合して使用される。
これらの中でも、洗浄後にグラフェン含有構造体から短時間で蒸発する低沸点有機溶媒が好ましい。かかる低沸点溶媒としては、常圧における沸点が30〜100℃程度、特に30〜80℃程度のもの、例えば、メタノール、エタノール、アセトン等が例示できる。
塩を除去するための洗浄は、ナノカーボン含有構造体と希酸又は希アルカリとを接触させ、次いで水洗することにより行う。希酸は、0.1〜5%塩酸が好ましく、希アルカリは0.1〜3%アンモニア水が好ましい。
洗浄操作は、洗浄液とグラフェン含有構造体とを接触させればよい。例えば、グラフェンシート水分散体から回収されたグラフェン含有構造体又はその乾燥物を、洗浄液中に室温で静かに浸漬させるのが好ましい。浸漬時間は、構造体の形状を維持するために、30分以内が好ましく、20分以内がより好ましい。
洗浄液の使用量は、洗浄を行うに有効な量であれば特に限定されず、広い範囲から適宜選択できるが、一般には、グラフェン含有構造体100重量部に対して、洗浄液を100〜100000重量部程度、特に1000〜5000重量部程度使用すると良好な結果が得られる。
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明する。但し本発明は実施例に限定されない。
製造例1
硝酸ナトリウム1.5g及び過マンガン酸カリウム9gを濃硫酸100mlに溶解させた液を用意し、日本黒鉛工業(株)製のUP20(高純度グラファイト)を1g加えて室温で攪拌した。7日間攪拌後、反応液を冷却して5%硫酸水50mlをゆっくりと加え、さらに30%過酸化水素水10mlを加えて1時間室温で攪拌した。これにより、グラファイトを酸化した。次いで、過酸化水素濃度0.5%及び硫酸濃度3%となるように調整した混合液100mlで液を希釈して、上記のように酸化したグラファイトを遠心沈降させた。それぞれの沈殿物を再び0.5%の過酸化水素と3%の硫酸を含む混合液100mlに分散させ、次いで遠心沈降させた。
次いで、遠心沈降物を0.5%の過酸化水素と3%の硫酸を含む混合液100mlに分散させ、これを透析膜に入れてイオン交換水に漬け、イオン交換水を交換しながら7日間透析を行った。
透析後、透析液を遠心沈降させて剥離した酸化グラフェンが分散している上澄みを回収し、酸化グラフェン分散液とした(0.0018g/ml)。
得られた上澄みをシリコン基板上にスピンコートしてAFM観察を行った。UP20から最大径2μm程度の大きな酸化グラフェン(U20ox)が得られた。AFM観察から単層グラフェンと考えられる。
製造例2
硝酸ナトリウム1.5g及び過マンガン酸カリウム9gを濃硫酸100mlに溶解させた液を用意し、日本黒鉛工業(株)製のACB157(高純度グラファイト)を1gを加えて室温で攪拌した。7日間攪拌後、反応液を冷却して5%硫酸水50mlをゆっくりと加え、さらに30%過酸化水素水10mlを加えて1時間室温で攪拌した。これにより、グラファイトを酸化した。次いで、過酸化水素濃度0.5%及び硫酸濃度3%となるように調整した混合液100mlでそれぞれの液を希釈して、上記のように酸化したグラファイトを遠心沈降させた。それぞれの沈殿物を再び0.5%の過酸化水素と3%の硫酸を含む混合液100mlに分散させ、次いで遠心沈降させた。
次いで、遠心沈降物を0.5%の過酸化水素と3%の硫酸を含む混合液100mlに分散させ、これを透析膜に入れてイオン交換水に漬け、イオン交換水を交換しながら7日間透析を行った。
透析後、透析液を遠心沈降させて剥離した酸化グラフェンが分散している上澄みを回収し、酸化グラフェン分散液とした(0.0013g/ml)。
得られた上澄みをシリコン基板上にスピンコートしてAFM観察を行った。最大径0.5μm程度の酸化グラフェン(157ox)が得られた。AFM観察から単層〜2層グラフェンと考えられる。
実施例1
0.0361gの9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(BPF)を0.2mlのメタノールに溶解させ、これに10% 水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液0.5mlを加えて析出物を再溶解させた後、蒸留水0.5mlで希釈してフルオレン化合物水溶液を調製した。
上記フルオレン化合物水溶液に製造例1の酸化グラフェン分散液1mlを加えた後、ヒドラジン1水和物を0.5ml加えて60℃で5時間還元を行った。
実施例2
0.0270gの9,9−ビス(4−ヒドロキシナフチル)フルオレン(BNF)を0.2mlのメタノールに溶解させ、これに10% 水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液0.5mlを加えて析出物を再溶解させた後、蒸留水0.5mlで希釈してフルオレン化合物水溶液を調製した。
上記フルオレン化合物水溶液に製造例1の酸化グラフェン分散液1mlを加えた後、ヒドラジン1水和物を0.5ml加えて60℃で5時間還元を行った。
実施例3
0.0359gの9,9−ビス(4−ヒドロキシナフチル)フルオレン(BNF)を0.2mlのメタノールに溶解させ、これに10% 水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液0.5mlを加えて析出物を再溶解させた後、蒸留水0.5mlで希釈してフルオレン化合物水溶液を調製した。
上記フルオレン化合物水溶液に製造例1の酸化グラフェン分散液1mlを加えた後、ヒドラジン1水和物を0.5ml加えて60℃で5時間還元を行った。
比較例1
0.2mlのメタノールに10% 水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液0.2mlを加え、蒸留水0.5mlで希釈した。
ここに製造例2の酸化グラフェン分散液1mlを加えた後、ヒドラジン1水和物を0.5ml加えて60℃で5時間還元を行った。
実施例4
0.0007gの9,9−ビス(4−ヒドロキシナフチル)フルオレン(BNF)を0.2mlのメタノールに溶解させ、これに10% 水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液0.2mlを加えて析出物を再溶解させた後、蒸留水0.8mlで希釈してフルオレン化合物水溶液を調製した。
上記フルオレン化合物水溶液に製造例2の酸化グラフェン分散液1mlを加えた後、ヒドラジン1水和物を0.2ml加えて60℃で5時間還元を行った。
実施例5
0.0013gの9,9−ビス(4−ヒドロキシナフチル)フルオレン(BNF)を0.2mlのメタノールに溶解させ、これに10% 水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液0.2mlを加えて析出物を再溶解させた後、蒸留水0.8mlで希釈してフルオレン化合物水溶液を調製した。
上記フルオレン化合物水溶液に製造例2の酸化グラフェン分散液1mlを加えた後、ヒドラジン1水和物を0.2ml加えて60℃で5時間還元を行った。
実施例6
0.0066gの9,9−ビス(4−ヒドロキシナフチル)フルオレン(BNF)を0.2mlのメタノールに溶解させ、これに10% 水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液0.2mlを加えて析出物を再溶解させた後、蒸留水0.8mlで希釈してフルオレン化合物水溶液を調製した。
上記フルオレン化合物水溶液に製造例2の酸化グラフェン分散液1mlを加えた後、ヒドラジン1水和物を0.2ml加えて60℃で5時間還元を行った。
表1に実施例1〜6及び比較例1の結果を示す。U20oxの場合、BPF及びBNFは、その添加量に応じて還元グラフェンの分散がよくなっていき、BPFでは酸化グラフェンの20倍量、BNFでは酸化グラフェンの15倍量用いると安定分散に至った。ACB157oxの場合は、BNFでは酸化グラフェンの0.5倍量で安定分散に至った。これらの添加量の違いは、酸化グラフェンの大きさに依存していると考えられる。
Figure 0005995523
それぞれの分散液をシリコン基板上にスピンコートしてAFM観察したところ、グラフェンの大きさは変わっていないが厚みが増していた。厚みが増しているのはフルオレン化合物吸着層の影響と考えられる。
以上より、フルオレン化合物により、還元グラフェンをほぼ元の形状を維持しながら分散安定化できると考えられる。
実施例7
2.2%水酸化アンモニウム水溶液9gとエタノール1gの混合液に9,9−ビス(ヒドロキシナフチル)フルオレン(BNF)0.5gを加えて溶解してBNF溶液を調製した。
この溶液1gに10%エタノール水溶液9g加えて希釈し、これに0.1gのケッチェンブラック(ライオン(株)製のEC600JD)を加えて超音波ホモジナイザーで分散(300mA、5分)した。
得られた分散液(ケッチェンブラック濃度1.0wt% BNF重量:CNT重量= 0.5:1)は24時間放置しても沈殿が生じなかった。
比較例2
10%エタノール水溶液に分散剤トリトンX-100を0.5g加えて溶解して分散剤溶液を調製した。
この溶液1gに10%エタノール水溶液9g加えて希釈し、これに0.1gのケッチェンブラック(ライオンEC600JD)を加えて超音波ホモジナイザーで分散(300mA、5分)した。
しかし、分散液は得られず、ムラのあるペースト状となった(ケッチェンブラック濃度1.0wt% トリトンX-100重量:CNT重量= 0.5:1)。
比較例3
10%エタノール水溶液に分散剤トリトンX-100を0.5g加えて溶解して分散剤溶液を調製した。
この溶液1gに10%エタノール水溶液49g加えて希釈し、これに0.1gのケッチェンブラック(ライオンEC600JD)を加えて超音波ホモジナイザーで分散(300mA、5分)した。
得られた液(ケッチェンブラック濃度0.2wt% トリトンX-100重量:CNT重量= 0.5:1)は流動性があったが均一に分散しておらず、目視でケッチェンブラックの凝集、沈殿が見られる状態であった。
以上より、グラフェンシートの代わりにケッチェンブラックを使用した場合にも、フルオレン化合物により、分散安定化できることが示唆された。
試験例1
実施例2及び4の分散液のそれぞれ0.1mlを、ガラス板上に約1.5cmの円を描くように載せ、36℃で1時間乾燥後、さらに60℃の熱風乾燥機で3時間乾燥させた。この後、乾燥サンプルをメタノールに軽く浸して再度乾燥させた。その結果、メタノールに浸す前は赤茶色の半透明膜であったが、メタノールに浸すことにより黒色半透明膜となり、剥がれにくくなったことから、フルオレン化合物であるBNFが除去されたことが示唆された。
実施例8
0.0270gの9,9−ビス(4−ヒドロキシナフチル)フルオレン(BNF)を0.2mlのメタノールに溶解させ、これに10% 水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液0.5mlを加えて析出物を再溶解させた後、蒸留水0.5mlで希釈してフルオレン化合物水溶液を調製した。
上記フルオレン化合物水溶液に製造例1の酸化グラフェン分散液1mlを加えた後、そのうち1mlを、水1.7mlと混合後、各0.1mlをポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に約1.5cmの円を描くように載せ、36℃で1時間乾燥後、ヒドラジン蒸気で、60℃で4時間還元した。
その後、膜をレーザー顕微鏡を用いて分析した結果、PETフィルムはその形状を維持していた。このことから、PETフィルムが加水分解を受けることなく、その形状を維持していた。
比較例4
0.2mlのメタノールに10% 水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液0.2mlを加え、蒸留水0.5mlで希釈した。
ここに製造例2の酸化グラフェン分散液1mlを加えた後、そのうち1mlを、水1.7mlと混合後、各0.1mlをポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に約1.5cmの円を描くように載せ、36℃で1時間乾燥後、ヒドラジン蒸気で、60℃で4時間還元した。
その後、膜をレーザー顕微鏡を用いて分析した結果、PETフィルムは加水分解を受けたためか、その形状をまったく維持していなかった。
以上より、フルオレン化合物を存在させることで、PETフィルム上でグラフェンシート水分散体が形成可能であることが示唆された。

Claims (15)

  1. 9,9−ビス(置換アリール)フルオレン骨格を有する水溶性化合物、グラフェンシート及び水性溶媒を含有する、グラフェンシート水分散体であって、
    前記9,9−ビス(置換アリール)フルオレン骨格を有する化合物が、一般式(1):
    Figure 0005995523
    [式中、Z 及びZ は同じか又は異なり、それぞれ芳香族炭化水素環;R 1a 及びR 1b は同じか又は異なり、それぞれアルキレン基;R 2a 及びR 2b は同じか又は異なり、それぞれ炭化水素基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基又は置換アミノ基;R 3a 及びR 3b は同じか又は異なり、それぞれ炭化水素基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基又は置換アミノ基;m及びnは同じか又は異なり、それぞれ0以上の整数;p及びqは同じか又は異なり、それぞれ1以上の整数;h1及びh2は同じか又は異なり、それぞれ0〜4の整数;j1及びj2は同じか又は異なり、それぞれ0〜4の整数である。]
    で示されるフルオレン化合物、又はその塩酸塩、アルカリ金属塩、有機アンモニウム塩、若しくはエチレンオキシド付加物である、グラフェンシート水分散体
  2. 前記水溶性化合物は、一般式(1)で示されるフルオレン化合物の有機アンモニウム塩である、請求項に記載のグラフェンシート水分散体。
  3. 前記水溶性化合物は、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン塩酸塩、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン・2アルカリ金属塩、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン・2有機アンモニウム塩、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン・2アルカリ金属塩、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン・2有機アンモニウム塩、9,9−ビス(4−ヒドロキシナフチル)フルオレン・2有機アンモニウム塩及び9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン・エチレンオキシド付加物からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載のグラフェンシート水分散体。
  4. 前記水溶性化合物は、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン・2有機アンモニウム塩、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン・2有機アンモニウム塩及び9,9−ビス(4−ヒドロキシナフチル)フルオレン・2有機アンモニウム塩よりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1〜のいずれかに記載のグラフェンシート水分散体。
  5. 前記グラフェンシートは、1〜10層のグラフェンを含有する、請求項1〜のいずれかに記載のグラフェンシート水分散体。
  6. プラスチック基板上に形成された、請求項1〜のいずれかに記載のグラフェンシート水分散体。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載のグラフェンシート水分散体の製造方法であって、
    (1)9,9−ビス(置換アリール)フルオレン骨格を有する水溶性化合物、酸化グラフェン及び水性溶媒を含有する酸化グラフェン水分散体を調製する工程、及び
    (2)前記酸化グラフェン水分散体に、還元処理を施す工程
    を備える、製造方法。
  8. 前記工程(1)が、9,9−ビス(置換アリール)フルオレン骨格を有する水溶性化合物の水溶液と、酸化グラフェンの水性溶媒分散液とを混合する工程
    である、請求項に記載の製造方法。
  9. 前記工程(2)が、還元剤による化学還元を施す工程である、請求項又はに記載の製造方法。
  10. 9,9−ビス(置換アリール)フルオレン骨格を有する水溶性化合物、酸化グラフェン及び水性溶媒を含有する酸化グラフェン水分散体であって、
    前記9,9−ビス(置換アリール)フルオレン骨格を有する化合物が、一般式(1):
    Figure 0005995523
    [式中、Z 及びZ は同じか又は異なり、それぞれ芳香族炭化水素環;R 1a 及びR 1b は同じか又は異なり、それぞれアルキレン基;R 2a 及びR 2b は同じか又は異なり、それぞれ炭化水素基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基又は置換アミノ基;R 3a 及びR 3b は同じか又は異なり、それぞれ炭化水素基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基又は置換アミノ基;m及びnは同じか又は異なり、それぞれ0以上の整数;p及びqは同じか又は異なり、それぞれ1以上の整数;h1及びh2は同じか又は異なり、それぞれ0〜4の整数;j1及びj2は同じか又は異なり、それぞれ0〜4の整数である。]
    で示されるフルオレン化合物、又はその塩酸塩、アルカリ金属塩、有機アンモニウム塩、若しくはエチレンオキシド付加物である、酸化グラフェン水分散体
  11. 請求項1〜のいずれかに記載のグラフェンシート水分散体の乾燥物である、グラフェン含有構造体。
  12. グラフェン含有構造体の製造方法であって、
    (1)9,9−ビス(置換アリール)フルオレン骨格を有する水溶性化合物、酸化グラフェン及び水性溶媒を含有する酸化グラフェン水分散体を調製する工程、
    (2)前記酸化グラフェン水分散体に、還元処理を施す工程
    (3)前記還元処理によって得られたグラフェンシート水分散体に、乾燥処理を施す工程、及び
    (4)前記グラフェンシート水分散体を水、アルコール又はアセトンで洗浄する工程
    を備え、
    前記9,9−ビス(置換アリール)フルオレン骨格を有する化合物が、一般式(1):
    Figure 0005995523
    [式中、Z 及びZ は同じか又は異なり、それぞれ芳香族炭化水素環;R 1a 及びR 1b は同じか又は異なり、それぞれアルキレン基;R 2a 及びR 2b は同じか又は異なり、それぞれ炭化水素基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基又は置換アミノ基;R 3a 及びR 3b は同じか又は異なり、それぞれ炭化水素基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基又は置換アミノ基;m及びnは同じか又は異なり、それぞれ0以上の整数;p及びqは同じか又は異なり、それぞれ1以上の整数;h1及びh2は同じか又は異なり、それぞれ0〜4の整数;j1及びj2は同じか又は異なり、それぞれ0〜4の整数である。]
    で示されるフルオレン化合物、又はその塩酸塩、アルカリ金属塩、有機アンモニウム塩、若しくはエチレンオキシド付加物である、グラフェン含有構造体の製造方法
  13. グラフェン含有構造体の製造方法であって、
    (1)9,9−ビス(置換アリール)フルオレン骨格を有する水溶性化合物、酸化グラフェン及び水性溶媒を含有する酸化グラフェン水分散体を調製する工程、
    (2)前記酸化グラフェン水分散体に、還元処理を施す工程
    (3)前記還元処理によって得られたグラフェンシート水分散体に、乾燥処理を施す工程、及び
    (4)前記グラフェンシート水分散体を希酸又は希アルカリで洗浄する工程
    を備え、
    前記9,9−ビス(置換アリール)フルオレン骨格を有する化合物が、一般式(1):
    Figure 0005995523
    [式中、Z 及びZ は同じか又は異なり、それぞれ芳香族炭化水素環;R 1a 及びR 1b は同じか又は異なり、それぞれアルキレン基;R 2a 及びR 2b は同じか又は異なり、それぞれ炭化水素基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基又は置換アミノ基;R 3a 及びR 3b は同じか又は異なり、それぞれ炭化水素基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基又は置換アミノ基;m及びnは同じか又は異なり、それぞれ0以上の整数;p及びqは同じか又は異なり、それぞれ1以上の整数;h1及びh2は同じか又は異なり、それぞれ0〜4の整数;j1及びj2は同じか又は異なり、それぞれ0〜4の整数である。]
    で示されるフルオレン化合物、又はその塩酸塩、アルカリ金属塩、有機アンモニウム塩、若しくはエチレンオキシド付加物である、グラフェン含有構造体の製造方法
  14. プラスチック基板上に形成された、請求項11に記載のグラフェン含有構造体。
  15. 9,9−ビス(置換アリール)フルオレン骨格を有する水溶性化合物;カーボンファイバー、活性炭、カーボンブラック、黒鉛、ガラス状カーボン、カーボンマイクロコイル、フラーレン及びバイオマス系炭素材料よりなる群から選ばれる少なくとも1種の炭素材料;並びに水性溶媒を含有する、水分散体であって、
    前記9,9−ビス(置換アリール)フルオレン骨格を有する化合物が、一般式(1):
    Figure 0005995523
    [式中、Z 及びZ は同じか又は異なり、それぞれ芳香族炭化水素環;R 1a 及びR 1b は同じか又は異なり、それぞれアルキレン基;R 2a 及びR 2b は同じか又は異なり、それぞれ炭化水素基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基又は置換アミノ基;R 3a 及びR 3b は同じか又は異なり、それぞれ炭化水素基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基又は置換アミノ基;m及びnは同じか又は異なり、それぞれ0以上の整数;p及びqは同じか又は異なり、それぞれ1以上の整数;h1及びh2は同じか又は異なり、それぞれ0〜4の整数;j1及びj2は同じか又は異なり、それぞれ0〜4の整数である。]
    で示されるフルオレン化合物、又はその塩酸塩、アルカリ金属塩、有機アンモニウム塩、若しくはエチレンオキシド付加物である、水分散体
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