JP6271688B1 - 乗客コンベア - Google Patents
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Abstract
【課題】踏段の後輪が破損した場合でも、踏段の姿勢が変化しない乗客コンベアを提供する。【解決手段】踏段30の後輪302は、踏段30の後部から突出した中心軸308にベアリング309を介してローラ312が設けられ、ベアリング309が円板固定部313によって外れないように固定され、この円板固定部313が、後輪302が走行する後案内レール200の外壁204の上方に隙間を介して配されている。【選択図】 図6
Description
本発明の実施形態は、乗客コンベアに関するものである。
エスカレータや動く歩道などの乗客コンベアは、乗客が乗る踏段に前輪と後輪が設けられ、前輪が前案内レールを走行し、後輪が後案内レールを走行する。前輪には、無端状の踏段チェーンが取り付けられ、この踏段チェーンを駆動装置が駆動させることにより踏段が移動する。
上記のような踏段において、後輪が破損した場合に、踏段の後部が下って水平な姿勢が斜めの姿勢となり、踏段の前部が乗降板の先端に設けられた櫛歯状のコムに衝突するという問題点があった。
そこで本発明の実施形態は、上記問題点に鑑み、踏段の後輪が破損した場合でも、踏段の姿勢が変化しない乗客コンベアを提供することを目的とする。
本発明の実施形態は、前後方向に配されたトラスと、前記トラスに沿って走行し、かつ、無端状に連結された複数の踏段と、前記踏段に設けられた左右一対の前輪と後輪と、前記トラスに固定され、前記前輪が走行する前案内レールと、前記トラスに固定され、前記後輪が走行する後案内レールと、前記トラスに固定され、前記後案内レールの上方に設けられた上後案内レールと、を有し、前記後輪は、前記踏段から突出した中心軸と、前記中心軸に内輪部が固定されたベアリングと、前記ベアリングの外輪部に固定されたローラと、前記ベアリングの前記内輪部を前記中心軸に固定するために前記ローラの外方に設けられた円板状の円板固定部と、を有し、前記円板固定部の直径が、前記ローラの直径より小さく形成され、前記後案内レールは、前記ローラが載置される水平部と、前記水平部の外側部から上方に立設された外壁と、を有し、前記円板固定部が、前記外壁の上方まで突出し、前記後輪が、前記後案内レールと前記上後案内レールとの間を走行し、前記ローラが、前記中心軸から外れた場合に、前記円板固定部が、前記外壁に載置され、かつ、前記上後案内レールと前記後案内レールの前記外壁が前記後輪の脱輪を防止する、乗客コンベアである。
以下、本発明の一実施形態のエスカレータ10について、図1〜図7を参照して説明する。
(1)エスカレータ10
エスカレータ10の構造について、図1を参照して説明する。図1はエスカレータ10を側面から見た説明図である。
エスカレータ10の構造について、図1を参照して説明する。図1はエスカレータ10を側面から見た説明図である。
エスカレータ10の枠組みであるトラス12が、建屋1の上階と下階に跨がって支持アングル2,3を用いて支持されている。
トラス12の上端部にある上階側の機械室14内部には、踏段30を走行させる駆動装置18、左右一対の駆動スプロケット24,24、左右一対の手摺りベルトスプロケット27,27が設けられている。駆動装置18は、誘導電動機(インダクションモータ)よりなるモータ20と、減速機と、この減速機の出力軸に取り付けられた出力スプロケットと、この出力スプロケットにより駆動する駆動チェーン22と、モータ20の回転を停止させ、かつ、停止状態を保持するディスクブレーキとを有している。この駆動チェーン22により駆動スプロケット24が回転する。左右一対の駆動スプロケット24,24と左右一対の手摺りベルトスプロケット27,27とは、不図示の連結ベルトにより連結されて同期して回転する。また、上階側の機械室14内部には、モータ20やディスクブレーキなどを制御する制御部50が設けられている。
トラス12の下端部にある下階側の機械室16内部には、従動スプロケット26が設けられている。上階側の駆動スプロケット24と下階側の従動スプロケット26との間には、左右一対の無端の踏段チェーン28,28が掛け渡されている。すなわち、左右一対の踏段チェーン28,28には、複数の踏段30の前輪301が等間隔に取り付けられている。踏段30の前輪301はトラス12に固定された前案内レール100(図3、図4参照)に沿って走行すると共に、駆動スプロケット24の外周部にある凹部と従動スプロケット26の外周部にある凹部に係合して、踏段30が上下に反転する。また、後輪302はトラス12に固定された後案内レール200を走行する。
トラス12の左右両側には、左右一対のスカートガード44,44と左右一対の欄干36,36が立設されている。欄干36の上部に手摺りレール39が設けられ、この手摺りレール39に沿って手摺りベルト38が移動する。欄干36の上階側の正面下部には上階側の正面スカートガード40が設けられ、下階側の正面下部には下階側の正面スカートガード42が設けられ、正面スカートガード40,42から手摺りベルト38の出入口であるインレット部46,48がそれぞれ突出している。スカートガード44は、欄干36の側面下部に設けられ、左右一対のスカートガード44,44の間を踏段30が走行する。上下階のスカートガード44の内側面には、操作盤52,56、スピーカ54,58がそれぞれ設けられている。
手摺りベルト38は、上階側のインレット部46から正面スカートガード40内に侵入し、案内ローラ群64を介して手摺り駆動スプロケット27に掛け渡され、その後、案内ローラ群66を介してスカートガード44内を移動し、下階側のインレット部48から正面スカートガード42外に表れる。そして、手摺りベルト38は、手摺り駆動スプロケット27が主駆動スプロケット24と共に回転することにより踏段30と同期して移動する。また、回転する手摺り駆動スプロケット27に、走行する手摺りベルト38を押圧するための押圧部材68を有する。
上階側の機械室14の天井面にある乗降口には、上階側の乗降板32が水平に設けられ、下階側の機械室16の天井面にある乗降口には、下階側の乗降板34が水平に設けられている。乗降板32の先端には複数の櫛歯61が等間隔に突出した櫛歯状のコム60が設けられ、このコム60から踏段30が進出、又は、侵入する。また、乗降板34にも複数の櫛歯61が等間隔に突出した櫛歯状のコム62が設けられている(但し、櫛歯61は、図3、図4参照)。
(2)踏段30の構造
次に、踏段30の構造について図2〜図7を参照して説明する。
次に、踏段30の構造について図2〜図7を参照して説明する。
図2に示すように、踏段30は、三角形状の左右一対の踏段フレーム303,303と、この踏段フレーム303の上面に形成されたクリート面304と、踏段フレーム303の後面に形成されたライザ面305とよりなり、踏段フレーム303とクリート面304とライザ面305とは、アルミダイカストで一体に形成されている。クリート面304には、図3に示すように、前後方向に沿って延びる山部320が等間隔毎に形成され、隣接する山部320,320の間には谷部322が形成されている。
踏段フレーム303の前端部で、かつ、クリート面304の下方には、左右一対の前輪301,301が設けられている。左右一対の前輪301,301は、図3に示すように、踏段フレーム303の前端部に回動自在に設けられた回転軸306の両端部に設けられている。また、図2と図3に示すように、前輪301には、無端状の踏段チェーン28が連結され、踏段チェーン28が移動することにより、前輪301が回転しながら踏段30を移動させる。
前輪301が走行する前案内レール100は、トラス12に固定されている。図3に示すように、前案内レール100は、金属板を折曲したものであり、前輪301が載置されて走行する水平部102と、この水平部102の外側部から上方に立設された外壁104から構成されている。外壁104の高さは、前輪301に取り付けられている踏段チェーン28に接触しない高さに設定されている。外壁104は、前輪301が水平部102から脱輪しないようにするために設けられている。
踏段フレーム303の後下端部、すなわち、ライザ面305の下方には、後方に向かって左右一対の取り付け部307が突出している。取り付け部307は、踏段フレーム303を形成するときに一体に形成されている。図3と図6に示すように、左右一対の取り付け部307,307の先端部の外側には左右一対の後輪302,302が設けられている。
取り付け部307の先端部の外側には、水平に突出した中心軸308が設けられている。中心軸308の外端部には、ベアリング309の内輪部310が固定されている。内輪部310と複数の球体よりなるコロ315を挟んで設けられたベアリング309の外輪部311の外周部には、ゴム又は合成樹脂製のローラ312が固定されている。なお、本明細書では、後輪302とは、ローラ312とベアリング309から構成されているとする。
中心軸308の先端部には、円板状の円板固定部313が、ネジ314によって中心軸308に固定されている。合成樹脂製の円板固定部313の直径(外径)は、ローラ312の内径と同じ、かつ、中心軸308の直径よりも大きく形成されている。図6に示すように、円板固定部313は、ベアリング309の内輪部310の抜脱を防止する。なお、円板固定部301の直径(外径)は、ベアリング309の内輪部310より大きければ、ローラ312の内径よりも小さくてもよい。
後輪302が走行する後案内レール200は、トラス12に固定されている。後案内レール200は、金属板を折曲したものであり、後輪302が走行する水平部202と、水平部202の外側部から上方に立設された外壁204とから構成されている。
後輪302の円板固定部313が、外壁204の上方に位置するように設定されている。また、外壁204の上端部と円板固定部313との間には、図6に示すように隙間Sが設けられている。
後案内レール200の上方には、上後案内レール206が後案内レール200と平行に設けられている。上後案内レール206は、上水平部208と、その上水平部208の外側部から下方に突出した上外壁210とにより縦断面逆L字状に形成されている。後案内レール200と上後案内レール206の間の距離は、後輪302のローラ312の直径よりも若干大きく形成され、後輪302が、後案内レール200と上後案内レール206との間を走行するように設定されている。上後案内レール206、後案内レール200の外壁204が、後案内レール200の水平部202から後輪302が脱輪するのを防止している。
(3)踏段30の正常な走行状態
踏段30が正常に走行する状態について図3、図4、図6を参照して説明する。
踏段30が正常に走行する状態について図3、図4、図6を参照して説明する。
踏段チェーン28が駆動すると、踏段30の前輪301が前案内レール100の水平部102を回転しながら走行する。この場合に、外壁104があるため、前輪301が外側に脱輪しない。
踏段30の後輪302は、ベアリング309によってローラ312が水平部202を回転しながら走行する。この場合に、円板固定部313と後案内レール200の外壁204との間には隙間Sがあるため接触せず、スムーズに回転する。また、外壁204、上後案内レール206が存在するため、後輪302が外側に脱輪しない。
このような正常な走行のときに、踏段30は、クリート面304が水平な姿勢で走行し、図3及び図4に示すように、コム60の櫛歯61が、クリート面304に形成されている谷部322に進入し、クリート面304にある異物を排除する。
(4)踏段30の異常な走行状態
踏段30が異常に走行する状態について図3、図5、図7を参照して説明する。
踏段30が異常に走行する状態について図3、図5、図7を参照して説明する。
例えば、後輪302のベアリング309が破損し、図7に示すように、ローラ312が、中心軸308からコロ315と外輪311と共に外れると、円板固定部313が、後案内レール200の外壁204に載置された状態で、踏段30が走行する。この場合に、前輪301は正常な状態であるため、図5に示すように前輪301を中心に後輪302が下がり、円板固定部313が外壁204に載置される。すなわち、踏段30の後部は、隙間Sだけ下がることとなるが、その隙間Sは小さく形成されているため、ほとんど下がらない。したがって、ローラ312がなくなっても、円板固定部313が外壁204に載置されているため、従来のように踏段30の後部が大きく下がらず、踏段30の前部もほとんど上昇しない。そのため、踏段30は、水平な姿勢をほぼ維持でき、コム60に踏段30が走行してきても、櫛歯61が谷部322に正常な状態と同様に進入し、コム60が破損しない。
(5)効果
本実施形態によれば、後輪302が正常な状態においては、円板固定部313と外壁204との間には隙間Sがあるため、後輪302がスムーズに回転し、踏段30がスムーズに走行できる。
本実施形態によれば、後輪302が正常な状態においては、円板固定部313と外壁204との間には隙間Sがあるため、後輪302がスムーズに回転し、踏段30がスムーズに走行できる。
また、後輪302のローラ312が何らかの理由で外れた場合には、円板固定部313が外壁204に載置され、踏段30の後部がほとんど下方に移動しない。そのため、踏段30の前部が上昇せず、コム60の櫛歯61に衝突しない。また、踏段30のライザ面305が他の部材と衝突したりして、ライザ面305が破壊され、破壊された状態で踏段30が走行することがない。
また、円板固定部313が後案内レール200の外壁204上を走行するため、乗客の足元で異音や振動が発生するため、エスカレータ10が異常な状態であることを直ちに知ることができる。
(6)変更例
上記実施形態では、エスカレータ10に適用して説明したが、これに代えて動く歩道に適用してもよい。
上記実施形態では、エスカレータ10に適用して説明したが、これに代えて動く歩道に適用してもよい。
上記では本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の主旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10・・・エスカレータ、12・・・トラス、28・・・踏段チェーン、30・・・踏段、60・・・コム、61・・・櫛歯、62・・・コム、100・・・前案内レール、200・・・後案内レール、204・・・外壁、301・・・前輪、302・・・後輪、303・・・踏段フレーム、304・・・クリート面、305・・・ライザ面、308・・・中心軸、309・・・ベアリング、312・・・ローラ、313・・・円板固定部、314・・・ネジ
Claims (8)
- 前後方向に配されたトラスと、
前記トラスに沿って走行し、かつ、無端状に連結された複数の踏段と、
前記踏段に設けられた左右一対の前輪と後輪と、
前記トラスに固定され、前記前輪が走行する前案内レールと、
前記トラスに固定され、前記後輪が走行する後案内レールと、
前記トラスに固定され、前記後案内レールの上方に設けられた上後案内レールと、
を有し、
前記後輪は、
前記踏段から突出した中心軸と、
前記中心軸に内輪部が固定されたベアリングと、
前記ベアリングの外輪部に固定されたローラと、
前記ベアリングの前記内輪部を前記中心軸に固定するために前記ローラの外方に設けられた円板状の円板固定部と、
を有し、
前記円板固定部の直径が、前記ローラの直径より小さく形成され、
前記後案内レールは、
前記ローラが載置される水平部と、
前記水平部の外側部から上方に立設された外壁と、
を有し、
前記円板固定部が、前記外壁の上方まで突出し、
前記後輪が、前記後案内レールと前記上後案内レールとの間を走行し、
前記ローラが、前記中心軸から外れた場合に、前記円板固定部が、前記外壁に載置され、かつ、前記上後案内レールと前記後案内レールの前記外壁が前記後輪の脱輪を防止する、
乗客コンベア。 - 前記円板固定部と前記外壁との間には、隙間が形成されている、
請求項1に記載の乗客コンベア。 - 前記踏段は、三角形状の左右一対の踏段フレームと、前記踏段フレームの上面に形成されたクリート面と、前記踏段フレームの後面に形成されたライザ面とを有し、
左右一対の前記前輪は、前記踏段フレームの前端部に配され、
左右一対の前記前輪は、前記踏段フレームの後端部で、かつ、下部に配されている、
請求項1に記載の乗客コンベア。 - 前記乗客コンベアの乗降口に設けられた乗降板と、前記乗降板の先端に設けられた櫛歯状のコムとを有し、
前記コムから前記踏段が進出、又は、侵入する、
請求項1に記載の乗客コンベア。 - 前記ローラは、ゴム、又は、合成樹脂製である、
請求項1に記載の乗客コンベア。 - 前記円板固定部は、合成樹脂製である、
請求項1に記載の乗客コンベア。 - 無端状の踏段チェーンが、前記前輪に取り付けられている、
請求項1に記載の乗客コンベア。 - 前記乗客コンベアは、エスカレータ、又は、動く歩道である、
請求項1に記載の乗客コンベア。
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2017
- 2017-05-18 CN CN201720553530.8U patent/CN206985494U/zh active Active
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