JP6271266B2 - 産業用ロボット - Google Patents

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Description

本発明は、水平多関節ロボット等の関節部を有する産業用ロボットに関する。
従来、真空中でガラス基板等を搬送する産業用ロボットが知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の産業用ロボットは、ガラス基板等が搭載されるハンドと、ハンドが先端側に回動可能に連結されるアームと、アームの基端側が回動可能に連結される本体部とを備えている。アームは、互いに回動可能に連結される第1アーム部と第2アーム部とによって構成されている。ハンドは、第2アーム部の先端側に回動可能に連結されている。第2アーム部の基端側は、第1アーム部の先端側に回動可能に連結され、第1アーム部の基端側は、本体部に回動可能に連結されている。
また、特許文献1に記載の産業用ロボットでは、第1アーム部と第2アーム部との連結部分となる関節部は、第1アーム部の先端側に固定される筒部材と、第2アーム部の基端側に固定される軸部材および筒部材とを備えている。第2アーム部に固定される軸部材は、第1アーム部に固定される筒部材の内周側に配置され、第2アーム部に固定される筒部材は、第1アーム部に固定される筒部材の外周側に配置されている。第1アーム部に固定される筒部材の外周面と第2アーム部に固定される筒部材の内周面との間には、軸受が配置されている。
特開2013−103330号公報
特許文献1に記載の産業用ロボットのようにガラス基板等を搬送する産業用ロボットでは、ガラス基板等を搬送する際に関節部に負荷がかかりやすい。そのため、この種の産業用ロボットでは、関節部に減速機を配置して、関節部の剛性を確保することが好ましい。また、この種の産業用ロボットでは、関節部に損傷が生じたときに、関節部のメンテナンスが容易であることが好ましい。
そこで、本発明の課題は、減速機、軸受およびシール部材が関節部に配置されている産業用ロボットにおいて、関節部のメンテナンスを容易に行うことが可能な産業用ロボットを提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明の産業用ロボットは、ハンドと、ハンドが先端側に回動可能に連結されるアームとを備え、アームは、互いに相対回動可能に連結される複数のアーム部によって構成されるとともに、真空中に配置され、アーム部同士の連結部分となる関節部は、減速機と軸受とシール部材とがユニット化されたユニット部によって構成され、ユニット部は、減速機、軸受およびシール部材が取り付けられるケース体を備えるとともに、関節部で連結される2個のアーム部に一体で着脱可能に取り付けられ、ケース体は、関節部で連結される2個のアーム部の一方に固定される第1ケース体と、2個のアーム部の他方に固定される第2ケース体とを備え、関節部で連結される2個のアーム部は中空状に形成されるとともに、中空状に形成されるアーム部の内部およびケース体の内部は大気圧となっており、シール部材は、減速機および軸受よりも外周側に配置され2個のアーム部の内部およびケース体の内部からの空気の流出を防ぐ磁性流体シールであり、減速機の少なくとも一部は、軸受の内周側に配置され、アーム部の回動の軸方向における減速機の少なくとも一方側は、軸受の内周面よりも小さくなっており、減速機は、ケース体に軸受およびシール部材が取り付けられた状態で、ケース体に着脱可能となっていることを特徴とする。
また、上記の課題を解決するため、本発明の産業用ロボットは、ハンドと、ハンドが先端側に回動可能に連結されるアームとを備え、ハンドとアームとの連結部分となる関節部は、減速機と軸受とシール部材とがユニット化されたユニット部によって構成され、ユニット部は、減速機、軸受およびシール部材が取り付けられるケース体を備えるとともに、ハンドおよびアームに一体で着脱可能に取り付けられ、ケース体は、ハンドに固定される第1ケース体と、アームに固定される第2ケース体とを備え、ハンドおよびアームは、真空中に配置され、アームの先端側は中空状に形成されるとともに、中空状に形成されるアームの先端側の内部およびケース体の内部は大気圧となっており、シール部材は、減速機および軸受よりも外周側に配置されアームの先端側の内部およびケース体の内部からの空気の流出を防ぐ磁性流体シールであり、減速機の少なくとも一部は、軸受の内周側に配置され、ハンドの回動の軸方向における減速機の少なくとも一方側は、軸受の内周面よりも小さくなっており、減速機は、ケース体に軸受およびシール部材が取り付けられた状態で、ケース体に着脱可能となっていることを特徴とする。
本発明の産業用ロボットでは、アーム部同士の連結部分となる関節部は、減速機と軸受とシール部材とがユニット化されたユニット部によって構成され、ユニット部は、関節部で連結される2個のアーム部に一体で着脱可能に取り付けられている。また、本発明の産業用ロボットでは、ハンドとアームとの連結部分となる関節部は、減速機と軸受とシール部材とがユニット化されたユニット部によって構成され、ユニット部は、ハンドおよびアームに一体で着脱可能に取り付けられている。そのため、本発明では、関節部が損傷して関節部のメンテナンスを行う際に、損傷したユニット部を2個のアーム部から一体で取り外して、新しいユニット部を2個のアーム部に一体で取り付ければ良い。あるいは、関節部が損傷して関節部のメンテナンスを行う際に、損傷したユニット部をハンドおよびアームから一体で取り外して、新しいユニット部をハンドおよびアームに一体で取り付ければ良い。すなわち、本発明では、ユニット部を一体で交換することで、関節部のメンテナンスを完了させることが可能になる。したがって、本発明では、減速機、軸受およびシール部材が関節部に配置されていても、関節部のメンテナンスを容易に行うことが可能になる。
また、本発明では、アームは、真空中に配置され、関節部で連結される2個のアーム部は中空状に形成されるとともに、中空状に形成されるアーム部の内部およびケース体の内部は大気圧となっており、シール部材は、減速機および軸受よりも外周側に配置され2個のアーム部の内部およびケース体の内部からの空気の流出を防ぐ磁性流体シールであるまた、本発明では、ハンドおよびアームは、真空中に配置され、アームの先端側は中空状に形成されるとともに、中空状に形成されるアームの先端側の内部およびケース体の内部は大気圧となっており、シール部材は、減速機および軸受よりも外周側に配置されアームの先端側の内部およびケース体の内部からの空気の流出を防ぐ磁性流体シールである。そのため、ハンドやアームが真空中に配置されていても、減速機および軸受を大気圧中に配置することが可能になり、減速機や軸受の潤滑剤として、高価な真空グリースを使用する必要がなくなる。したがって、産業用ロボットのランニングコストを低減することが可能になる。
また、本発明では、減速機、軸受およびシール部材は、ケース体に取り付けられ、減速機の少なくとも一部は、軸受の内周側に配置され、アーム部の回動の軸方向における減速機の少なくとも一方側は、軸受の内周面よりも小さくなっており、減速機は、ケース体に軸受およびシール部材が取り付けられた状態で、ケース体に着脱可能となっているまた、本発明では、減速機、軸受およびシール部材は、ケース体に取り付けられ、減速機の少なくとも一部は、軸受の内周側に配置され、ハンドの回動の軸方向における減速機の少なくとも一方側は、軸受の内周面よりも小さくなっており、減速機は、ケース体に軸受およびシール部材が取り付けられた状態で、ケース体に着脱可能となっている。また、本発明では、たとえば、第1ケース体に、減速機の入力軸と、軸受の外輪とが固定され、第2ケース体に、減速機の出力軸と、軸受の内輪と、シール部材とが固定されている。
磁性流体シールであるシール部材が、たとえば、第2ケース体に取り付けられている場合、磁性流体シールを適切に機能させてケース体等の内部からの空気の流出を防ぐためには、関節部の径方向における磁性流体シールと第1ケース体との隙間を精度良く調整する必要があり、この調整作業は煩雑である。しかし、ケース体に軸受およびシール部材が取り付けられた状態で減速機がケース体に着脱可能となっていれば、関節部の径方向において、第1ケース体に対するシール部材の相対位置を維持したまま、減速機を交換することが可能になる。したがって、ケース体に軸受およびシール部材が取り付けられた状態で、減速機がケース体に着脱可能となっていると、減速機を交換しても、関節部の径方向における磁性流体シールと第1ケース体との隙間を再調整する必要がない。その結果、減速機の交換作業が容易になる。なお、関節部においては、軸受やシール部材に比べて、減速機に損傷が生じやすいため、軸受やシール部材の交換頻度と比べて、減速機の交換頻度は高い。
以上のように、本発明では、減速機、軸受およびシール部材が関節部に配置されている産業用ロボットにおいて、関節部のメンテナンスを容易に行うことが可能になる。
(A)は、本発明の実施の形態にかかる産業用ロボットの平面図であり、(B)は、(A)に示す産業用ロボットの側面図である。 図1に示す関節部の構成を説明するための断面図である。 図1に示す関節部の構成を説明するための断面図である。 本発明の他の実施の形態にかかる関節部の構成を説明するための断面図である。 本発明の他の実施の形態にかかる関節部の構成を説明するための断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
(産業用ロボットの概略構成)
図1(A)は、本発明の実施の形態にかかる産業用ロボット1の平面図であり、図1(B)は、図1(A)に示す産業用ロボット1の側面図である。
本形態の産業用ロボット1(以下、「ロボット1」とする。)は、たとえば、ガラス基板等の搬送対象物を搬送するための水平多関節ロボットである。このロボット1は、たとえば、液晶ディスプレイ等の製造システムに組み込まれて使用される。ロボット1は、搬送対象物が搭載されるハンド3と、ハンド3が先端側に回動可能に連結されるアーム4と、アーム4の基端側が回動可能に連結される本体部5とを備えている。ハンド3およびアーム4は、本体部5の上側に配置されている。
ハンド3、アーム4および本体部5の上端側は、液晶ディスプレイ等の製造システムを構成する真空チャンバーの内部に配置されている。すなわち、ハンド3、アーム4および本体部5の上端側は、真空領域VRの中(真空中)に配置され、本体部5の上端側を除いた部分は、大気領域ARの中(大気中)に配置されている。ロボット1は、ハンド3に搭載された搬送対象物を真空中で搬送する。
ハンド3は、アーム4に連結される基部7と、搬送対象物が搭載される2本のフォーク部8とを備えている。フォーク部8は、直線状に形成されている。また、2本のフォーク部8は、互いに所定の間隔をあけた状態で平行に配置されている。
本体部5は、中空状に形成されるケース体9と、アーム4の基端側の下面に固定される回転軸(図示省略)とを備えている。回転軸は、その軸方向と上下方向とが一致するように配置されている。ケース体9の内部には、回転軸を回転させるための回転駆動機構と、回転軸を昇降させるための昇降機構とが配置されている。ケース体9の上端側部分は、真空領域VRの中に配置され、ケース体9の、上端側部分を除いた部分は、大気領域ARの中に配置されている。ケース体9の内部は、大気圧となっており、アーム4の基端側の下面に固定される回転軸の外周側には、真空領域VRへの空気の流出を防ぐための磁性流体シールおよびベローズ(図示省略)が配置されている。
アーム4は、互いに相対回動可能に連結される第1アーム部11と第2アーム部12との2個のアーム部によって構成されている。第1アーム部11の基端側は、本体部5を構成する回転軸に固定されており、本体部5に回動可能に連結されている。第1アーム部11の先端側には、第2アーム部12の基端側が回動可能に連結されている。第2アーム部12の先端側には、ハンド3が回動可能に連結されている。
第1アーム部11と第2アーム部12との連結部分は、関節部14となっている。関節部14は、上下方向を回動の軸方向とする第1アーム部11および第2アーム部12の相対回動が可能となるように、第1アーム部11と第2アーム部12とを連結している。アーム4とハンド3との連結部(すなわち、第2アーム部12とハンド3との連結部)は、関節部15となっている。関節部15は、上下方向を回動の軸方向とする第2アーム部12およびハンド3の相対回動が可能となるように、第2アーム部12とハンド3とを連結している。
第2アーム部12は、第1アーム部11よりも上側に配置され、ハンド3は、第2アーム部12よりも上側に配置されている。また、第1アーム部11および第2アーム部12は、中空状に形成されている。すなわち、アーム4の全体は、中空状に形成されている。第1アーム部11の内部および第2アーム部12の内部は、大気圧となっている。すなわち、アーム4の内部は大気圧となっている。
(関節部の構成)
図2は、図1に示す関節部14の構成を説明するための断面図である。図3は、図1に示す関節部15の構成を説明するための断面図である。
関節部14は、減速機17と軸受18とシール部材19とがユニット化されたユニット部20によって構成されている。ユニット部20は、減速機17、軸受18およびシール部材19に加えて、減速機17、軸受18およびシール部材19を保持するケース体21を備えている。ケース体21は、第1アーム部11に固定される第1ケース体22と、第2アーム部12に固定される第2ケース体23とを備えている。ケース体21の内部は、第1アーム部11の内部および第2アーム部12の内部と繋がっている。すなわち、ケース体21の内部は、大気圧となっている。
第1ケース体22は、底部22aと筒部22bとを有する略有底円筒状に形成されている。底部22aは、ケース体21の下面部分を構成している。この底部22aは、略円板状に形成される第1底部22cと第1底部22cの外周端に繋がる略円環状の第2底部22dとから構成されている。第2底部22dは、第1底部22cよりも上側に配置されており、底部22aは、段付きの略円板状に形成されている。第1底部22cの中心には、上下方向に貫通する円形状の貫通孔が形成されている。筒部22bは、円筒状に形成されており、第2底部22dの外周端から上側に向かって突出するように形成されている。
第1ケース体22は、第1アーム部11の先端側の上面に固定されている。具体的には、第1アーム部11の先端側の上面部分に形成される円形状の孔に第1底部22cが嵌まり込んだ状態で、かつ、第2底部22dの下面が第1アーム部11の先端側の上面に当接した状態で、第1ケース体22は、第1アーム部11の先端側の上面に固定されている。また、第1ケース体22は、円環状に配列される複数のネジ24等によって第1アーム部11に固定されている。なお、第1アーム部11の先端側および第2底部22dには、ネジ24が挿通される挿通孔が形成され、軸受18を構成する外輪18aに、ネジ24が係合するネジ孔が形成されている。
第2ケース体23は、底部23aと筒部23bとを有する略有底円筒状に形成されている。また、第2ケース体23は、シール部材19を固定するための固定部23cを備えている。底部23aと筒部23bとは、一体で形成されている。一方、固定部23cは、底部23aおよび筒部23bと別体で形成されている。底部23aは、略円板状に形成されており、ケース体21の上面部分を構成している。底部23aの中心には、上下方向に貫通する円形状の貫通孔が形成されている。筒部23bは、略円筒状に形成されており、底部23aの外周端から下側に向かって突出するように形成されている。この筒部23bは、筒部22bよりも外周側に配置されている。筒部23bの外周面には、径方向の外側へ突出する円環状の突出部23dが形成されている。固定部23cは、円環状に形成されており、筒部23bの下端に固定されている。固定部23cの外径は、筒部23bの外径と略等しくなっており、固定部23cの内径は、筒部22bの外径よりもわずかに大きくなっている。
第2ケース体23は、第2アーム部12の基端側の下面に固定されている。具体的には、第2アーム部12の基端側の下面部分に形成される円形状の孔に底部23aおよび筒部23bの上端側部分が嵌まり込んだ状態で、かつ、突出部23dの上面が第2アーム部12の基端側の下面に当接した状態で、第2ケース体23は、第2アーム部12の基端側の下面に固定されている。また、第2ケース体23は、円環状に配列される複数のネジ25によって第2アーム部12に固定されている。なお、突出部23dには、ネジ25が挿通される挿通孔が形成され、第2アーム部12の基端側には、ネジ25が係合するネジ孔が形成されている。
減速機17は、その径方向の中心に貫通孔が形成された中空減速機である。本形態の減速機17は、波動歯車装置であるハーモニックドライブ(登録商標)である。この減速機17は、ウェーブジェネレータ28と、サーキュラスプライン29と、フレクスプライン30とを備えている。フレクスプライン30は、第1アーム部11の内部に配置されるモータ(図示省略)からの動力が入力される入力軸を構成している。サーキュラスプライン29は、フレクスプライン30に入力される動力を減速して出力する出力軸を構成している。
ウェーブジェネレータ28は、第2アーム部12の基端側の内部に配置されている。ウェーブジェネレータ28の下端には、略円筒状に形成される筒部材32の上端が固定されている。筒部材32は、第1ケース体22の第1底部22cに形成される貫通孔に挿通されており、筒部材32の下端側は、軸受を介して第1底部22cに回転可能に保持されている。筒部材32の下端には、プーリ33が固定されている。プーリ33は、第1アーム部11の先端側の内部に配置されている。プーリ33は、ベルト34を介して、第1アーム部11の内部に配置されるモータに連結されている。また、ウェーブジェネレータ28の上端には、プーリ35が固定されている。
サーキュラスプライン29は、第2アーム部12の基端側の内部に配置されている。このサーキュラスプライン29は、減速機17のケース体37に固定されている。ケース体37は、サーキュラスプライン29の上側に配置されており、サーキュラスプライン29の上面は、ケース体37の下面に当接している。また、サーキュラスプライン29は、第2ケース体23の底部23aに固定されている。具体的には、サーキュラスプライン29の下面が底部23aの上面に当接した状態で、サーキュラスプライン29は、底部23aに固定されている。また、サーキュラスプライン29は、円環状に配列される複数のネジ38、39によって底部23aに固定されている。なお、サーキュラスプライン29および底部23aには、ネジ38が挿通される挿通孔が形成され、軸受18を構成する内輪18bに、ネジ38が係合するネジ孔が形成されている。また、サーキュラスプライン29には、ネジ39が挿通される挿通孔が形成され、底部23aには、ネジ39が係合するネジ孔が形成されている。
フレクスプライン30の上端側は、減速機17の径方向において、ウェーブジェネレータ28とサーキュラスプライン29との間に配置されている。フレクスプライン30の下端側は、筒部材32よりも外周側に配置されている。また、フレクスプライン30は、第2ケース体23の底部23aに形成される貫通孔および第1ケース体22の第2底部22dよりも内周側に配置されている。すなわち、フレクスプライン30によって構成される減速機17の下端側部分は、底部23aに形成される貫通孔および第2底部22dよりも小さくなっている。
フレクスプライン30の下端側は、第1ケース体22の第1底部22cの上面に固定されている。具体的には、フレクスプライン30の下端面が第1底部22cの上面に当接した状態で、フレクスプライン30の下端側は、第1底部22cの上面に固定されている。また、フレクスプライン30は、円環状に配列される複数のネジ40によって第1底部22cに固定されている。なお、第1底部22cには、ネジ40が挿通される挿通孔が形成され、フレクスプライン30には、ネジ40が係合するネジ孔が形成されている。また、本形態では、第1底部22cに対してフレクスプライン30を位置決めするための位置決めピン41が設けられている。
軸受18は、たとえば、クロスローラベアリングであり、円環状に形成されている。この軸受18は、減速機17と同心状に配置されている。また、軸受18は、減速機17の径方向において、第1ケース体22の筒部22bとフレクスプライン30との間に配置されている。すなわち、フレクスプライン30の外径は、軸受18の内径よりも小さくなっており、フレクスプライン30によって構成される減速機17の下端側部分は、軸受18の内周面よりも小さくなっている。一方、サーキュラスプライン29の外径は、軸受18の内径よりも大きくなっており、サーキュラスプライン29を有する減速機17の上端側部分は、軸受18の内周面よりも大きくなっている。また、軸受18は、上下方向において、第1ケース体22の第2底部22dと第2ケース体23の底部23aとの間に配置されている。
軸受18の外輪18aは、円環状に配列されるネジ42およびネジ24によって、第1ケース体22の第2底部22dに固定されている。外輪18aの下面は、第2底部22dの上面に当接しており、外輪18aは、第2底部22dに直接、固定されている。軸受18の内輪18bは、円環状に配列されるネジ43およびネジ38によって、第2ケース体23の底部23aに固定されている。内輪18bの上面は、底部23aの下面に当接しており、内輪18bは、底部23aに直接、固定されている。なお、第2底部22dには、ネジ42が挿通される挿通孔が形成され、外輪18aには、ネジ24、42が係合するネジ孔が形成されている。また、底部23aには、ネジ43が挿通される挿通孔が形成され、内輪18bには、ネジ38、43が係合するネジ孔が形成されている。
シール部材19は、円環状に形成されており、減速機17および軸受18と同心状に配置されている。また、シール部材19は、減速機17および軸受18よりも外周側に配置されている。具体的には、シール部材19は、減速機17の径方向において、第1ケース体22の筒部22bと第2ケース体23の筒部23bとの間に配置されている。このシール部材19は、大気圧となっている第1アーム部11の内部、第2アーム部12の内部およびケース体21の内部からの空気の流出を防ぐ磁性流体シールである。
シール部材19は、第2ケース体23に固定されている。具体的には、シール部材19は、筒部23bの内周面の上端側に形成される段差部と固定部23cとの間に上下方向で挟まれた状態で第2ケース体23に固定されている。シール部材19は、たとえば、シール部材19の外周面を構成するケース体の内周面から径方向の内側へ突出する複数の円環状の永久磁石と、永久磁石の内周面と筒部22bの外周面との間に配置される磁性流体とを備えている。複数の永久磁石は、上下方向において所定の間隔をあけた状態で配置されている。
関節部15は、減速機47と軸受48とシール部材49とがユニット化されたユニット部50によって構成されている。ユニット部50は、減速機47、軸受48およびシール部材49に加えて、減速機47、軸受48およびシール部材49を保持するケース体51を備えている。ケース体51は、ハンド3に固定される第1ケース体52と、第2アーム部12に固定される(すなわち、アーム4に固定される)第2ケース体53とを備えている。ケース体51の内部は、第2アーム部12の内部と繋がっている。すなわち、ケース体51の内部は、大気圧となっている。
第1ケース体52は、底部52aと筒部52bとを有する略有底円筒状に形成されている。底部52aは、ケース体51の上面部分を構成している。この底部52aは、略円板状に形成される第1底部52cと第1底部52cの外周端に繋がる略円環状の第2底部52dとから構成されている。上下方向における第2底部52dの厚みは、第1底部52cの厚みよりも厚くなっている。また、第1底部52cの上面と第2底部52dの上面とは同一平面上に配置されており、底部52aは、段付きの略円板状に形成されている。第1底部52cの中心には、上下方向に貫通する円形状の貫通孔が形成されている。筒部52bは、円筒状に形成されており、第2底部52dの外周端から下側に向かって突出するように形成されている。
第1ケース体52は、ハンド3の基部7の下面に固定されている。具体的には、基部7の基端側の下面部分に形成される凹部に底部52aの上端側部分が嵌まり込んだ状態で、かつ、この凹部の底面に底部52aの上面が当接した状態で、第1ケース体52は、基部7に固定されている。また、第1ケース体52は、円環状に配列される複数のネジ54によって基部7に固定されている。なお、基部7には、ネジ54が挿通される挿通孔が形成され、第2底部52dには、ネジ54が係合するネジ孔が形成されている。
第2ケース体53は、底部53aと筒部53bとを有する略有底円筒状に形成されている。また、第2ケース体53は、シール部材49を固定するための固定部53cを備えている。底部53aと筒部53bとは、一体で形成されている。一方、固定部53cは、底部53aおよび筒部53bと別体で形成されている。底部53aは、ケース体51の下面部分を構成している。この底部53aは、略円板状に形成される第1底部53dと第1底部53dの外周端に繋がる略円環状の第2底部53eとから構成されている。上下方向における第2底部53eの厚みは、第1底部53dの厚みよりも薄くなっている。第1底部53dの下面と第2底部53eの下面とは同一平面上に配置されており、底部53aは、段付きの略円板状に形成されている。底部53aの中心には、上下方向に貫通する円形状の貫通孔が形成されている。
筒部53bは、略円筒状に形成されており、第2底部53eの外周端から上側に向かって突出するように形成されている。この筒部53bは、筒部52bよりも外周側に配置されている。筒部53bの外周面には、径方向の外側へ突出する円環状の突出部53fが形成されている。固定部53cは、円環状に形成されており、筒部53bの上端に固定されている。固定部53cの外径は、筒部53bの外径と略等しくなっており、固定部53cの内径は、筒部52bの外径よりもわずかに大きくなっている。
第2ケース体53は、第2アーム部12の先端側の上面に固定されている。具体的には、第2アーム部12の先端側の上面部分に形成される円形状の孔に筒部53bの下端側部分が嵌まり込んだ状態で、かつ、突出部53fの下面が第2アーム部12の先端側の上面に当接した状態で、第2ケース体53は、第2アーム部12の先端側の上面に固定されている。また、第2ケース体53は、円環状に配列される複数のネジ55によって第2アーム部12に固定されている。なお、突出部53fには、ネジ55が挿通される挿通孔が形成され、第2アーム部12の先端側には、ネジ55が係合するネジ孔が形成されている。
減速機47は、減速機17と同様の中空減速機である。また、減速機47は、ハーモニックドライブ(登録商標)であり、ウェーブジェネレータ58と、減速機47の出力軸を構成するサーキュラスプライン59と、減速機47の入力軸を構成するフレクスプライン60とを備えている。ウェーブジェネレータ58の下端には、プーリ63が固定されている。プーリ63は、第2アーム部12の先端側の内部に配置されている。プーリ35とプーリ63とには、ベルト64が架け渡されている。ウェーブジェネレータ58の上端側は、第1ケース体52の第1底部52cに形成される貫通孔の中に配置されており、軸受を介して第1底部52cに回転可能に保持されている。
サーキュラスプライン59は、第2アーム部12の先端側の内部に配置されている。このサーキュラスプライン59は、減速機47のケース体67に固定されている。ケース体67は、サーキュラスプライン59の下側に配置されており、サーキュラスプライン59の下面は、ケース体67の上面に当接している。また、サーキュラスプライン59は、第2ケース体53の底部53aに固定されている。具体的には、サーキュラスプライン59の上面が第1底部53dの下面に当接した状態で、サーキュラスプライン59は、第1底部53dに固定されている。また、サーキュラスプライン59は、円環状に配列される複数のネジ68等によって第1底部53dに固定されている。なお、サーキュラスプライン59、ケース体67および第1底部53dには、ネジ68が挿通される挿通孔が形成され、軸受48を構成する内輪48bに、ネジ68が係合するネジ孔が形成される。
フレクスプライン60の下端側は、減速機47の径方向において、ウェーブジェネレータ58とサーキュラスプライン59との間に配置されている。また、フレクスプライン60は、第2ケース体53の第1底部53dに形成される貫通孔および第1ケース体52の第2底部52dよりも内周側に配置されている。すなわち、フレクスプライン60によって構成される減速機47の上端側部分は、第1底部53dに形成される貫通孔および第2底部52dよりも小さくなっている。
フレクスプライン60の上端側は、第1ケース体52の第1底部52cの下面に固定されている。具体的には、フレクスプライン60の上端面が第1底部52cの下面に当接した状態で、フレクスプライン60の上端側は、第1底部52cの下面に固定されている。また、フレクスプライン60は、円環状に配列される複数のネジ70によって第1底部52cに固定されている。なお、第1底部52cには、ネジ70が挿通される挿通孔が形成され、フレクスプライン60には、ネジ70が係合するネジ孔が形成されている。
軸受48は、軸受18と同様に、クロスローラベアリングであり、円環状に形成されている。この軸受48は、減速機47と同心状に配置されている。また、軸受48は、減速機47の径方向において、第1ケース体52の筒部52bとフレクスプライン60との間に配置されている。すなわち、フレクスプライン60の外径は、軸受48の内径よりも小さくなっており、フレクスプライン60によって構成される減速機47の上端側部分は、軸受48の内周面よりも小さくなっている。一方、サーキュラスプライン59の外径は、軸受48の内径よりも大きくなっており、サーキュラスプライン59を有する減速機47の下端側部分は、軸受48の内周面よりも大きくなっている。また、軸受48は、上下方向において、第1ケース体52の底部52aと第2ケース体53の底部53aとの間に配置されている。
軸受48の外輪48aは、円環状に配列されるネジ72、73によって、第1ケース体52の第2底部52dに固定されている。外輪48aの上面は、第2底部52dの下面に当接しており、外輪48aは、第2底部52dに直接、固定されている。軸受48の内輪48bは、円環状に配列されるネジ74およびネジ68によって、第2ケース体53の第1底部53dに固定されている。内輪48bの下面は、第1底部53dの上面に当接しており、内輪48bは、第1底部53dに直接、固定されている。なお、外輪48aには、ネジ72が挿通される挿通孔が形成され、第2底部52dには、ネジ72が係合するネジ孔が形成されている。また、第2底部52dには、ネジ73が挿通される挿通孔が形成され、外輪48aには、ネジ73が係合するネジ孔が形成されている。また、第1底部53dには、ネジ74が挿通される挿通孔が形成され、内輪48bには、ネジ68、74が係合するネジ孔が形成されている。
シール部材49は、円環状に形成されており、減速機47および軸受48と同心状に配置されている。また、シール部材49は、減速機47および軸受48よりも外周側に配置されている。具体的には、シール部材49は、減速機47の径方向において、第1ケース体52の筒部52bと第2ケース体53の筒部53bとの間に配置されている。このシール部材49は、大気圧となっている第2アーム部12の内部およびケース体51の内部からの空気の流出を防ぐ磁性流体シールである。
シール部材49は、第2ケース体53に固定されている。具体的には、シール部材49は、筒部53bの内周面の下端側に形成される段差部と固定部53cとの間に上下方向で挟まれた状態で第2ケース体53に固定されている。シール部材49は、たとえば、シール部材49の外周面を構成するケース体の内周面から径方向の内側へ突出する複数の円環状の永久磁石と、永久磁石の内周面と筒部52bの外周面との間に配置される磁性流体とを備えている。複数の永久磁石は、上下方向において所定の間隔をあけた状態で配置されている。
本形態では、ネジ24、25を取り外すとともに、プーリ33からベルト34を外し、かつ、プーリ35からベルト64を取り外せば、第1アーム部11および第2アーム部12からユニット部20を一体で取り外すことができる。すなわち、ユニット部20は、第1アーム部11および第2アーム部12に一体で着脱可能に取り付けられている。同様に、ネジ54、55を取り外すとともに、プーリ63からベルト64を取り外せば、ハンド3および第2アーム部12からユニット部50を一体で取り外すことができる。すなわち、ユニット部50は、ハンド3およびアーム4に一体で着脱可能に取り付けられている。
また、本形態では、フレクスプライン30によって構成される減速機17の下端側部分は、第2ケース体23の底部23aに形成される貫通孔および軸受18の内周面よりも小さくなっており、かつ、軸受18およびシール部材19は、ケース体21に直接、取り付けられている。そのため、ユニット部20において、ネジ38〜40を取り外せば、ケース体21に軸受18およびシール部材19が取り付けられた状態でも、ケース体21から上側に向かって減速機17を取り外すことができる。すなわち、減速機17は、ケース体21に軸受18およびシール部材19が取り付けられた状態で、ケース体21に着脱可能となっている。
同様に、フレクスプライン60によって構成される減速機47の上端側部分は、第2ケース体53の第1底部53dに形成される貫通孔および軸受48の内周面よりも小さくなっており、かつ、軸受48およびシール部材49は、ケース体51に直接、取り付けられている。そのため、ユニット部50において、ネジ68、70を取り外せば、ケース体51に軸受48およびシール部材49が取り付けられた状態でも、ケース体51から下側に向かって減速機47を取り外すことができる。すなわち、減速機47は、ケース体51に軸受48およびシール部材49が取り付けられた状態で、ケース体51に着脱可能となっている。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、関節部14は、減速機17と軸受18とシール部材19とがユニット化されたユニット部20によって構成され、ユニット部20は、第1アーム部11および第2アーム部12に一体で着脱可能に取り付けられている。また、本形態では、関節部15は、減速機47と軸受48とシール部材49とがユニット化されたユニット部50によって構成され、ユニット部50は、ハンド3および第2アーム部12に一体で着脱可能に取り付けられている。そのため、本形態では、関節部14が損傷して関節部14のメンテナンスを行う際に、損傷したユニット部20を第1アーム部11および第2アーム部12から一体で取り外して、新しいユニット部20を第1アーム部11および第2アーム部12に一体で取り付ければ良い。また、関節部15が損傷して関節部15のメンテナンスを行う際に、損傷したユニット部50をハンド3および第2アーム部12から一体で取り外して、新しいユニット部50をハンド3および第2アーム部12に一体で取り付ければ良い。すなわち、本形態では、ユニット部20、50を一体で交換すれば、関節部14、15のメンテナンスが完了する。したがって、本形態では、関節部14、15のメンテナンスを容易に行うことが可能になる。
本形態では、シール部材19、49の作用で大気圧となっている第2アーム部12およびケース体21、51の内部に減速機17、47および軸受18、48が配置されている。そのため、本形態では、減速機17、47や軸受18、48の潤滑剤として、高価な真空グリースを使用する必要がない。したがって、本形態では、ロボット1のランニングコストを低減することが可能になる。
一方で、磁性流体シールであるシール部材19を適切に機能させてケース体21の内部からの空気の流出を防ぐためには、関節部14の径方向において、シール部材19を構成する円環状の永久磁石の内周面と第1ケース体22の筒部22bの外周面との間の隙間を精度良く調整する必要があり、この調整作業は煩雑である。同様に、磁性流体シールであるシール部材49を適切に機能させてケース体51の内部からの空気の流出を防ぐためには、関節部15の径方向において、シール部材49を構成する円環状の永久磁石の内周面と第1ケース体52の筒部52bの外周面との間の隙間を精度良く調整する必要があり、この調整作業は煩雑である。
しかしながら、本形態では、減速機17は、ケース体21に軸受18およびシール部材19が取り付けられた状態で、ケース体21に着脱可能となっており、減速機47は、ケース体51に軸受48およびシール部材49が取り付けられた状態で、ケース体51に着脱可能となっている。そのため、本形態では、ユニット部20、50において、軸受18、48やシール部材19、49よりも損傷が生じやすく、交換頻度が比較的高い減速機17、47を交換しても、関節部14、15の径方向において、シール部材19、49を構成する円環状の永久磁石の内周面と筒部22b、52bの外周面との間の隙間は変動しない。したがって、本形態では、ユニット部20、50において、減速機17、47を交換しても、シール部材19、49を構成する円環状の永久磁石の内周面と筒部22b、52bの外周面との間の隙間を再調整する必要がない。その結果、本形態では、交換頻度が比較的高い減速機17、47の交換作業が容易になる。
(関節部の変形例)
図4は、本発明の他の実施の形態にかかる関節部14の構成を説明するための断面図である。図5は、本発明の他の実施の形態にかかる関節部15の構成を説明するための断面図である。
上述した形態では、軸受18の外輪18aは、第1ケース体22の底部22aに直接、固定され、軸受18の内輪18bは、第2ケース体23の底部23aに直接、固定されている。この他にもたとえば、図4に示すように、外輪18aが、フレクスプライン30および減速機17のケース体37を介して、底部23aに固定され、内輪18bが、サーキュラスプライン29および減速機17のケース体36を介して、底部22aに固定されても良い。すなわち、上下方向において外輪18aと底部23aとの間にフレクスプライン30およびケース体37を挟んだ状態で、外輪18aが底部23aに固定され、上下方向において内輪18bと底部22aとの間にサーキュラスプライン29およびケース体36を挟んだ状態で、内輪18bが底部22aに固定されても良い。
図4に示す変形例では、フレクスプライン30は、ケース体37を介して第2ケース体23に固定され、サーキュラスプライン29は、ケース体36を介して第1ケース体22に固定されている。図4に示す変形例においても、ネジ24、25を取り外すとともに、プーリ33からベルト34を外し、かつ、プーリ35からベルト64を取り外せば、第1アーム部11および第2アーム部12からユニット部20を一体で取り外すことができるため、関節部14のメンテナンスを容易に行うことが可能になる。
同様に、上述した形態では、軸受48の外輪48aは、第1ケース体52の底部52aに直接、固定され、軸受48の内輪48bは、第2ケース体53の底部53aに直接、固定されているが、図5に示すように、外輪48aが、フレクスプライン60および減速機47のケース体67を介して、底部53aに固定され、内輪48bが、サーキュラスプライン59および減速機47のケース体66を介して、底部52aに固定されても良い。すなわち、上下方向において外輪48aと底部53aとの間にフレクスプライン60およびケース体67を挟んだ状態で、外輪48aが底部53aに固定され、上下方向において内輪48bと底部52aとの間にサーキュラスプライン59およびケース体66を挟んだ状態で、内輪48bが底部52aに固定されても良い。
図5に示す変形例では、フレクスプライン60は、ケース体67を介して第2ケース体53に固定され、サーキュラスプライン59は、ケース体66を介して第1ケース体52に固定されている。図5に示す変形例においても、ネジ54、55を取り外すとともに、プーリ63からベルト64を取り外せば、ハンド3および第2アーム部12からユニット部50を一体で取り外すことができるため、関節部15のメンテナンスを容易に行うことが可能になる。
なお、図4に示す変形例では、減速機17をケース体21から取り外すと、軸受18もケース体21から取り外されてしまう。すなわち、図4に示す変形例では、軸受18およびシール部材19がケース体21に取り付けられた状態で、ケース体21から減速機17を取り外すことはできない。同様に、図5に示す変形例では、減速機47をケース体51から取り外すと、軸受48もケース体51から取り外されてしまう。すなわち、図5に示す変形例では、軸受48およびシール部材49がケース体51に取り付けられた状態で、ケース体51から減速機47を取り外すことはできない。また、図4、図5では、上述した形態で説明した構成と対応する構成に対しては同一の符号を付している。
(他の実施の形態)
上述した形態および変形例は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
上述した形態では、軸受18の外輪18aおよびフレクスプライン30は、第1ケース体22の底部22aに固定され、軸受18の内輪18bおよびサーキュラスプライン29は、第2ケース体23の底部23aに固定されている。この他にもたとえば、外輪18aおよびフレクスプライン30が底部23aに固定され、内輪18bおよびサーキュラスプライン29が底部22aに固定されても良い。同様に、上述した形態では、軸受48の外輪48aおよびフレクスプライン60が第1ケース体52の底部52aに固定され、軸受48の内輪48bおよびサーキュラスプライン59が第2ケース体53の底部53aに固定されているが、外輪48aおよびフレクスプライン60が底部53aに固定され、内輪48bおよびサーキュラスプライン59が底部52aに固定されても良い。
また、図4に示す変形例では、外輪18aおよびフレクスプライン30が底部23aに固定され、内輪18bおよびサーキュラスプライン29が底部22aに固定されているが、外輪18aおよびフレクスプライン30が底部22aに固定され、内輪18bおよびサーキュラスプライン29が底部23aに固定されても良い。同様に、図5に示す変形例では、外輪48aおよびフレクスプライン60が底部53aに固定され、内輪48bおよびサーキュラスプライン59が底部52aに固定されているが、外輪48aおよびフレクスプライン60が底部52aに固定され、内輪48bおよびサーキュラスプライン59が底部53aに固定されても良い。
上述した形態では、減速機17、47は、ハーモニックドライブ(登録商標)であるが、減速機17、47は、ハーモニックドライブ(登録商標)以外の中空減速機であっても良い。たとえば、減速機17、47は、サイクロ減速機(登録商標)であっても良いし、RV(Rotor Vector)減速機、あるいは、遊星歯車減速機等であっても良い。また、減速機17、47は、中空減速機以外の減速機であっても良い。また、上述した形態では、シール部材19、49は、磁性流体シールであるが、シール部材19、49は、メカニカルシール等の磁性流体シール以外のものであっても良い。
上述した形態では、ロボット1は、1本のアーム4を備えているが、ロボット1は、2本のアーム4を備えていても良い。また、上述した形態では、アーム4は、第1アーム部11と第2アーム部12との2個のアーム部によって構成されているが、アーム4は、1個のアーム部によって構成されても良いし、3個以上のアーム部によって構成されても良い。
上述した形態では、ロボット1は、真空中で搬送対象物を搬送するロボットであるが、本発明が適用されるロボットは、大気中で搬送対象物を搬送するロボットであっても良い。また、上述した形態では、ロボット1は、水平多関節ロボットであるが、本発明が適用されるロボットは、垂直多関節ロボット等の水平多関節ロボット以外のロボットであっても良い。
1 ロボット(産業用ロボット)
3 ハンド
4 アーム
11 第1アーム部(アーム部)
12 第2アーム部(アーム部)
14、15 関節部
17、47 減速機
18、48 軸受
18a、48a 外輪
18b、48b 内輪
19、49 シール部材
20、50 ユニット部
21、51 ケース体
22、52 第1ケース体
23、53 第2ケース体
29、59 サーキュラスプライン(出力軸)
30、60 フレクスプライン(入力軸)

Claims (3)

  1. ハンドと、前記ハンドが先端側に回動可能に連結されるアームとを備え、
    前記アームは、互いに相対回動可能に連結される複数のアーム部によって構成されるとともに、真空中に配置され
    前記アーム部同士の連結部分となる関節部は、減速機と軸受とシール部材とがユニット化されたユニット部によって構成され、
    前記ユニット部は、前記減速機、前記軸受および前記シール部材が取り付けられるケース体を備えるとともに、前記関節部で連結される2個の前記アーム部に一体で着脱可能に取り付けられ
    前記ケース体は、前記関節部で連結される2個の前記アーム部の一方に固定される第1ケース体と、2個の前記アーム部の他方に固定される第2ケース体とを備え、
    前記関節部で連結される2個の前記アーム部は中空状に形成されるとともに、中空状に形成される前記アーム部の内部および前記ケース体の内部は大気圧となっており、
    前記シール部材は、前記減速機および前記軸受よりも外周側に配置され2個の前記アーム部の内部および前記ケース体の内部からの空気の流出を防ぐ磁性流体シールであり、
    前記減速機の少なくとも一部は、前記軸受の内周側に配置され、
    前記アーム部の回動の軸方向における前記減速機の少なくとも一方側は、前記軸受の内周面よりも小さくなっており、
    前記減速機は、前記ケース体に前記軸受および前記シール部材が取り付けられた状態で、前記ケース体に着脱可能となっていることを特徴とする産業用ロボット。
  2. ハンドと、前記ハンドが先端側に回動可能に連結されるアームとを備え、
    前記ハンドと前記アームとの連結部分となる関節部は、減速機と軸受とシール部材とがユニット化されたユニット部によって構成され、
    前記ユニット部は、前記減速機、前記軸受および前記シール部材が取り付けられるケース体を備えるとともに、前記ハンドおよび前記アームに一体で着脱可能に取り付けられ
    前記ケース体は、前記ハンドに固定される第1ケース体と、前記アームに固定される第2ケース体とを備え、
    前記ハンドおよび前記アームは、真空中に配置され、
    前記アームの先端側は中空状に形成されるとともに、中空状に形成される前記アームの先端側の内部および前記ケース体の内部は大気圧となっており、
    前記シール部材は、前記減速機および前記軸受よりも外周側に配置され前記アームの先端側の内部および前記ケース体の内部からの空気の流出を防ぐ磁性流体シールであり、
    前記減速機の少なくとも一部は、前記軸受の内周側に配置され、
    前記ハンドの回動の軸方向における前記減速機の少なくとも一方側は、前記軸受の内周面よりも小さくなっており、
    前記減速機は、前記ケース体に前記軸受および前記シール部材が取り付けられた状態で、前記ケース体に着脱可能となっていることを特徴とする産業用ロボット。
  3. 前記第1ケース体に、前記減速機の入力軸と、前記軸受の外輪とが固定され、
    前記第2ケース体に、前記減速機の出力軸と、前記軸受の内輪と、前記シール部材とが固定されていることを特徴とする請求項または記載の産業用ロボット。
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