JP6266561B2 - インクジェットヘッド、及びプリンタ - Google Patents

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Description

本発明の実施態様は、インクジェットヘッド、及びプリンタに関する。
インクの循環経路に設けられた圧力室の壁(以下、圧力室壁という。)をせん断変形させることによりノズル孔からインクを射出するシェアモード型のインクジェットヘッドが知られている。シェアモード型のインクジェットヘッドの場合、圧力室壁は表面に電極が形成された圧電素子で構成されており、圧電素子の表面の電極がインクにさらされる構造となっている。シェアモード型のインクジェットヘッドに電気伝導性や極性を有するインクを使用する場合、電極がインクの影響を受けないように、絶縁性を有する保護膜で電極表面を被覆する必要がある。
インクジェットヘッドの製造過程でパーティクルは不可避に発生する。パーティクルが電極表面に付着した場合、パーティクルが付着した場所にピンホールが発生しやすい。ピンホールは、保護膜の絶縁性を低くする。
特開2002−160364号公報
本発明が解決しようとする課題は、圧力室壁の電極表面に形成する保護膜に絶縁性を設けた場合に、ピンホールが発生するのを防止することである。
実施形態のインクジェットヘッドは、壁状の圧電素子と、電極と、保護膜と、圧力室壁と、を備える。電極は、圧電素子の表面に形成され、圧電素子を変形させる。保護膜は、電極の表面に形成され、電極側から、電極の表面を平坦化する無機材料で構成される平坦化層、パーティクルステップを被覆する無機材料で構成されるパーティクルステップ被覆層、電極を他の電極から絶縁する無機材料で構成される絶縁層、有機溶剤が含まれるインクに対する耐薬特性を有する無機材料で構成されるインク層の順番で積層され構成されている。圧力室壁は、圧電素子と電極と保護膜とを有する。
本実施形態のインクジェットヘッドを備えるプリンタを示す図である。 本実施形態のインクジェットヘッドの斜視図である。 インクジェットヘッドの展開斜視図である。 駆動ユニットの部分拡大図である。 (A)は変形前の圧力室壁を示す図、(B)は変形後の圧力室壁を示す図である。 インクジェットヘッドの断面図である。 表面に保護膜が形成された駆動ユニットの拡大断面図である。 保護膜の積層構造を示す図である。 保護膜の積層構造を示す図である。 (A)はパーティクルが付着した様子を示す図、(B)はパーティクルによってピンホールが発生した様子を示す図である。 (A)はパーティクルステップ被覆層によりパーティクルステップが被覆された様子を示す図、(B)はピンホールなく絶縁膜が形成された様子を示す図である。 保護膜の積層構造の変形例を示す図である。 保護膜の積層構造の変形例を示す図である。 ピンホールが形成されたパーティクルステップがパーティクルステップ被覆層により被覆された様子を示す図である。
以下、発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または同等の部分には同一の符号を付す。
図1は、本実施形態のインクジェットヘッドを備えるプリンタ100を示す図である。プリンタ100は、筐体110と、給紙カセット120と、排紙トレイ130と、搬送装置140と、保持ローラ150と、画像形成装置160と、を備える。
搬送装置140は、搬送路A1に沿って用紙Sを搬送する装置である。搬送路A1は、給紙カセット120から保持ローラ150を経由し、排紙トレイ130にわたって形成されている。搬送路A1には、用紙Sを反転させる反転装置171や用紙Sの先端位置を検知する用紙位置センサ172が設けられている。また、搬送装置140は、搬送路A1に沿って設けられた複数のガイド部材141〜143と、複数の第1の搬送用ローラと、複数の第2の搬送ローラと、を備える。
搬送装置140は、第1の搬送用ローラとして、ピックアップローラ144と、給紙ローラ対145と、を有している。第1の搬送用ローラにより、用紙Sは、保持ローラ150へ搬送される。また、搬送装置140は、第2の搬送用ローラとして、レジストローラ対146、分離ローラ対147、搬送ローラ対148、排出ローラ対149を有している。第2の搬送用ローラにより、用紙Sは、プリンタ100の外部へ搬送される。
保持ローラ150は、用紙Sを保持して回転するローラである。保持ローラ150の周面には、画像形成装置160が設置されている。保持ローラ150は、搬送装置140で搬送された用紙Sを吸着して回転することで、用紙Sを画像形成装置160まで搬送する。
画像形成装置160は、用紙Sに画像を形成する装置である。画像形成装置160は、保持ローラ150の上方に配置された4つのインクジェットヘッド10C、10M、10Y、10Kを備える。4色のインクジェットヘッド10C、10M、10Y、10Kそれぞれが、本実施形態のインクジェットヘッド10である。インクジェットヘッド10が用紙Sにインクを吐出することで、用紙Sに画像が形成される。
図2は、本実施形態のインクジェットヘッド10の斜視図である。本実施形態のインクジェットヘッド10は、シェアモードシェアードウォールのサイドシュータ型のインクジェットヘッドである。なお、以下の説明には、X軸、Y軸、Z軸からなる直交座標系を用いる。図中、矢印の指し示す方向がプラス方向である。以下の説明では、Z軸プラス方向を上方、その反対方向を下方とする。
図3は、インクジェットヘッド10の展開斜視図である。インクジェットヘッド10は、インクジェットヘッド基板20と、フレーム30と、ノズルプレート40と、を備える。
インクジェットヘッド基板20は、ベース基板21と、ベース基板21上に配置された2つの駆動ユニット50(駆動ユニット50及び駆動ユニット50)と、を備える。
ベース基板21は、圧力室に圧力を加えるアクチュエータ(圧力室壁)を配置するための基板である。本実施形態では、アクチュエータは、駆動ユニット50の一部であり、駆動ユニット50を介してベース基板21に配置されている。ベース基板21は、X軸方向を長手方向とする長方形の板状体である。ベース基板21は、例えば、アルミナ(Al)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ケイ素(Si)、炭化ケイ素(SiC)、チタン酸バリウム(BaTiO)等のセラミックから構成される。
ベース基板21のY軸方向中央部には、X軸方向に沿って一列に複数の開口22が形成されている。また、開口22のY軸マイナス方向側には、X軸方向に沿って一列に複数の開口23が形成されている。また、開口22のY軸プラス方向側には、X軸方向に沿って一列に複数の開口23が形成されている。本実施形態の場合、開口22の内径は、開口23(開口23及び開口23)の内径よりもやや大きい。開口22及び開口23には、インクの循環系が接続される。開口22は、インクの吸入口として機能し、開口23は、インクの排出口として機能する。
ベース基板21の上面には、2つの駆動ユニット50(駆動ユニット50及び駆動ユニット50)が配置されている。駆動ユニット50は、開口22と開口23の間に配置されており、駆動ユニット50は、開口22と開口23の間に配置されている。
図4は、駆動ユニット50の部分拡大図である。駆動ユニット50は、ベース基板21の上面に接着されるベース材51と、ベース材51に支持される複数の圧電素子である複数の圧電体52と、電極パターン53と、から構成される。
ベース材51は、X軸方向を長手方向とする細長の部材である。ベース材51は、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする圧電材料から構成される。ベース材51の上面には、上方に突出する突出部51aが形成されている。突出部51aは、X軸に沿って等間隔に形成されている。ベース材51の下面は、ベース基板21の上面に接着されている。
圧電体52は、ZY断面が台形の圧電部材である。圧電体52は、圧電材料で構成される。例えば、圧電体52は、チタン酸ジルコン酸鉛を主成分とするピエゾ素子から構成される。圧電体52の下面は、突出部51aの上面に接着されている。
圧電体52と突出部51aは、圧力室壁50aの一部である。圧力室壁50aは、圧電体52と、突出部51aと、電極53aと、で構成される。電極53aは、電極パターン53の一部であり、圧電体52及び突出部51aのX軸方向両面(以下、電極面という。)に配置されている。圧力室壁50aは、電極面が対向するように、X軸方向に一列に配置されている。上述したように、圧電体52と突出部51aは、ともに圧電材料で構成されている。圧電体52と突出部51aの分極方向はZ軸に平行であり、圧電体52と突出部51aとは、極性が逆になっている。
本実施形態の場合、圧力室壁50aと圧力室壁50aの間が圧力室Sとなっている。各圧力室Sの内壁面には、電極パターン53が形成されている。電極パターン53は、ニッケル膜等の金属膜から構成される。電極パターン53の表面は、金メッキ等のメッキが施されている。電極パターン53の一部は、ベース基板21まで延伸している。延伸部分の端部は、ベース基板21上に形成された配線パターン24と接続されている。電極パターン53には、配線パターン24を介して、不図示の駆動回路(例えば、ドライバIC)が接続される。
1つの圧力室Sには1つの電極パターン53が配置される。各電極パターン53に選択的に電圧を印加することで、図5(A)に示されるように直線状になっている圧力室壁50aを、図5(B)に示されるように屈曲させることができる。圧力室壁aが屈曲すると、圧力室S内の圧力が高まり、ノズル孔41からインクが吐出される。
ベース基板21の上面には、図3及び図4に示すように、配線パターン24(配線パターン24、及び配線パターン24)が形成されている。配線パターン24は、圧力室壁50aと、圧力室壁50aを駆動する不図示の駆動回路(例えば、ドライバIC)と、を接続するための電極パターンである。配線パターン24は、ニッケル膜等の金属膜から構成される。1つの圧力室Sには、1つの配線パターン24が配置される。なお、配線パターン24がインクにさらされないようにするため、配線パターン24をベース基板21の内層に配置してもよい。
図2に戻り、フレーム30は、長手方向をX軸方向とする枠状体である。フレーム30は、例えば、セラミックから構成される。フレーム30の大きさは、ベース基板21よりも一回り小さな大きさである。フレーム30は、ベース基板21の上面に接着される。フレーム30の中央には、開口31が形成されている。フレーム30は、ベース基板21の開口23がフレーム30の開口31の中に位置するよう接着される。
ノズルプレート40は、X軸方向を長手方向とする長方形のシートである。ノズルプレート40は、ポリイミドフィルム等の樹脂フィルムで構成される。ノズルプレート40のXY平面上の大きさは、フレーム30のXY平面上の大きさと同じである。
ノズルプレート40には、円形のノズル孔41がX軸に沿って等間隔に形成されている。また、ノズル孔41のY軸プラス方向側には、円形のノズル孔41がX軸に沿って等間隔に形成されている。ノズル孔41(ノズル孔41及び41)の配列ピッチは、圧力室壁50aのX軸方向の配列ピッチと同じである。
ノズルプレート40は、フレーム30の上面、及び圧力室壁50aの上方の端面に接着される。図5(A)を参照するとわかるように、ノズルプレート40がフレーム30に接着されたとき、ノズル孔41は、圧力室Sそれぞれの上方に位置する。
図6は、図1に示されるインクジェットヘッド10のA−A線断面図である。インクジェットヘッド基板20、フレーム30、及びノズルプレート40が一体化されたとき、圧力室Sの上方がノズルプレート40によって塞がれた状態になり、開口22及び23と圧力室Sとの間にインクの流路が形成される。実線矢印で示されるように、開口22から流入したインクは、圧力室Sを通過して、インクジェットヘッド基板20の開口23から流出する。
インクが循環しているときに、電極パターン53に選択的に電圧を印加することにより、圧力室壁50aが、図5(A)に示される状態から、図5(B)に示される状態に変形する。圧力室壁50aが変形することにより、図6の白抜き矢印に示されるように、ノズル孔41からインクが吐出される。
シェアモード型のインクジェットヘッドの場合、圧力室壁50aを駆動する電極パターン53がインクにさらされる。インクを電気伝導性や極性を有する液体とした場合、電極パターン53が、他の圧力室Sの電極パターン53とインクを介して導通する。図7は、駆動ユニット50の拡大断面図である。本実施形態のインクジェットヘッド10は、インクが電極パターン53の電気信号に影響を与えることを回避するため、電極パターン53の表面を含めた駆動ユニット50の露出面全体が、絶縁性を有する保護膜54で覆われている。
本実施形態の場合、配線パターン24はベース基板21の上面に形成されており、電極パターン53のみならず、配線パターン24もインクにさらされる構造となっている。インクが配線パターン24に流れる電気信号に影響を与えることを回避するため、保護膜54は、駆動ユニット50の表面のみならず、ベース基板21の上面全体も覆っている。なお、配線パターン24がベース基板21の内層に設けられる場合、ベース基板21には必ずしも保護膜54を設ける必要はない。以下の説明では、電極パターン53と配線パターン24とを単に電極という。
図8(A)は、電極(図の例では電極パターン53)の表面に形成された保護膜54の断面図である。保護膜54は、電極側から順番に、平坦化層54a、パーティクルステップ被覆層54b、絶縁層54c、及び耐インク層54dの4層が積層されて構成されている。平坦化層54a、パーティクルステップ被覆層54b、絶縁層54c、及び耐インク層54dは、いずれも無機材料から構成される。
なお、絶縁層54cが絶縁性に加えて耐インク性を兼ね備えているのであれば、保護膜54は、耐インク層54dを備えていなくてもよい。例えば、保護膜54は、図8(B)に示すように、平坦化層54a、パーティクルステップ被覆層54b、及び絶縁層54cの3層構造であってもよい。また、電極パターン53が、銅等、表面の平坦性が確保しやすい材料で構成され、電極パターン53の表面の平坦性が確保されているのであれば、保護膜54は、平坦化層54aを備えていなくてもよい。例えば、保護膜54は、図9(A)に示すように、パーティクルステップ被覆層54b、絶縁層54c、及び耐インク層54dの3層構造であってもよいし、図9(B)に示すように、パーティクルステップ被覆層54b、及び絶縁層54cの2層構造であってもよい。
以下、平坦化層54a、パーティクルステップ被覆層54b、絶縁層54c、及び耐インク層54dの各層について説明する。
平坦化層54aは、電極の表面を平坦化するための層である。平坦化層54aは、平坦化特性の高い無機材料で構成される。例えば、平坦化層54aは、常温ガラスコーティング材や二酸化シリコン等を使用した平坦化膜で構成される。
耐インク層54dは、インクを有機溶剤とした場合に、絶縁層54c等がインクに溶けてしまうことを防ぐための層である。耐インク層54dは、耐薬性の高い無機材料で構成される。例えば、耐インク層54dは、酸化ハウニウムや五酸化タンタル等を使用した耐インク膜で構成される。
絶縁層54cは、電極の表面を絶縁するための層である。絶縁層54cは、電気絶縁性を高めた無機材料で構成される。例えば、絶縁層54cは、二酸化シリコンや窒化シリコン等を使用した絶縁膜で構成される。
パーティクルステップ被覆層54bは、電極の表面に付着したパーティクルにより形成されるピンホールを抑制するための層である。パーティクルは、大きさが数ミクロンの小片や粒子のことであり、インクジェットヘッドの製造過程で不可避に発生する。電極表面に絶縁膜を形成する前に部品を洗浄したり、絶縁膜形成場所をクリーンルーム化したりしたとしても、ある一定の大きさより小さいパーティクルは取り除くことは困難である。以下の説明では、製造過程で取り除けないと想定されるパーティクルのうち、最大のものの粒径を除去困難パーティクル最大粒径Rと表現する。粒径は、例えば、パーティクルに外接する球体の直径である。一例として、除去困難パーティクル最大粒径Rは3μmである。
図10(A)は、電極表面にパーティクルPが付着した様子を示している。図の例では、電極は電極パターン53となっている。電極表面にパーティクルPが付着した場合、電極表面とパーティクルPの間には鋭角のステップが形成される。以下の説明では、電極表面とパーティクルPの間に形成されるステップのことをパーティクルステップPSと呼ぶ。
図10(A)に示す状態のまま、電極表面に絶縁層54cを成膜した場合、図10(B)に示すように、パーティクルステップPSの部分にピンホールHが形成される。絶縁層54cをステップガバレッジ性の高いものにすれば、ピンホールHが形成される可能性は低くなる。しかし、この場合、絶縁層54cの材料や成膜方法の選択肢が狭くなる。結果として、絶縁層54cの絶縁性が低くなり、或いは、インクジェットヘッド10のコストが上昇する。
本実施形態では、絶縁層54cを電極表面に成膜する前に、図11(A)に示すように、パーティクルステップ被覆層54bを成膜する。パーティクルステップ被覆層54bは、例えば、ステップガバレッジ性の高い無機材料で構成される。例えば、絶縁層54cは、液体ソースのTEOS(Tetra Ethyl Ortho Silicate)を原料とした二酸化シリコンのPECVD(Plasma Chemical Vapor Deposition)膜である。パーティクルステップ被覆層54bの成膜方法は、減圧CVDや大気圧CVDあってもよい。パーティクルステップ被覆層54bのステップガバレッジ性を高めることができる。
パーティクルステップ被覆層54bの膜厚dは、ピンホールの発生とクラック(ひび割れ)の発生のバランスを考えて決定される。膜厚dが薄すぎるとパーティクルステップPSが十分に埋まらず、ピンホール発生の原因となり、一方で、膜厚dが厚すぎるとクラックが発生し、やはりピンホール発生の原因となるためである。膜厚dは、除去困難パーティクル最大粒径Rの10%〜100%、望ましくは15%〜50%である。除去困難パーティクル最大粒径Rが3μmの場合、膜厚dは0.3μm〜3μm、望ましくは0.45μm〜1.5μmである。一例として、膜厚dは0.5μmである。
パーティクルステップ被覆層54bの上に、図11(B)に示すように、絶縁層54cを成膜する。パーティクルステップ被覆層54bがパーティクルステップPSを埋めるので、電極表面にパーティクルPが付着したとしても、絶縁層54cにピンホールは発生しない。なお、図11(A)及び図11(B)の例では、電極表面に、直接、パーティクルステップ被覆層54bを成膜しているが、電極表面に平坦化層54aを成膜し、その上にパーティクルステップ被覆層54bを成膜してもよい。
本実施形態によれば、絶縁層54cを成膜する前に、パーティクルステップ被覆層54bを成膜しているので、例えインクジェットヘッド10の製造過程で電極にパーティクルが付着しても、パーティクルステップにピンホールはほとんど形成されない。結果、保護膜54の絶縁性は高くなる。
有機材料から構成される膜と無機材料から構成される膜との密着力は弱い。しかし、本実施形態の保護膜54は、各層(平坦化層54a、パーティクルステップ被覆層54b、絶縁層54c、及び耐インク層54d)が全て無機材料から構成されている。そのため、各層の密着力が高いので、保護膜54の耐久性を高く保つことができる。
上述の実施形態は一例であり、種々の変更及び応用が可能である。
例えば、上述の実施形態では、パーティクルステップ被覆層54bは絶縁層54cの下層(電極側)に位置するものとして説明した。しかし、パーティクルステップ被覆層54bは絶縁層54cの上層に位置していてもよい。例えば、保護膜54は、図12(A)に示すように、電極側から順番に、平坦化層54a、絶縁層54c、パーティクルステップ被覆層54b、及び耐インク層54dの4層が積層された構造であってもよい。また、絶縁層54cが耐インク性を兼ね備えているのであれば、保護膜54は、図12(B)に示すように、電極側から順番に、平坦化層54a、絶縁層54c、パーティクルステップ被覆層54bの3層が積層された構造であってもよい。
また、電極表面の平坦性が確保されているのであれば、保護膜54は、平坦化層54aを備えていなくてもよい。例えば、保護膜54は、図13(A)に示すように、電極側から順番に、絶縁層54c、パーティクルステップ被覆層54b、及び耐インク層54dの3層が積層された構造であってもよいし、図13(B)に示すように、電極側から順番に、絶縁層54c、及びパーティクルステップ被覆層54bの2層が積層された構造であってもよい。
絶縁層54cの下層(電極側)にパーティクルステップ被覆層54bを配置したとしても、図14に示すように、パーティクルステップPSはパーティクルステップ被覆層54bにより埋められる。パーティクルステップ被覆層54bも絶縁性を有しているため、保護膜54の絶縁性は保たれる。
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10、10C、10K、10M、10Y…インクジェットヘッド
50、50、50…駆動ユニット
50a…圧力室壁
52…圧電体(圧電素子)
53…電極パターン(電極)
54…保護膜
54a…平坦化層
54b…パーティクルステップ被覆層
54c…絶縁層
54d…耐インク層
100…プリンタ

Claims (4)

  1. 壁状の圧電素子と、
    前記圧電素子の表面に形成され、前記圧電素子を変形させる電極と、
    前記電極の表面に形成され、前記電極側から、前記電極の表面を平坦化する無機材料で構成される平坦化層、パーティクルステップを被覆する無機材料で構成されるパーティクルステップ被覆層、前記電極を他の電極から絶縁する無機材料で構成される絶縁層、有機溶剤が含まれるインクに対する耐薬特性を有する無機材料で構成される耐インク層の順番で積層されて構成されている保護膜と、
    前記圧電素子と前記電極と前記保護膜とを有する圧力室壁と、を備える、
    インクジェットヘッド。
  2. 前記パーティクルステップ被覆層の膜厚は、除去困難なパーティクルの最大粒径の10%〜100%である、
    請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  3. 前記パーティクルステップ被覆層の膜厚は、0.3μm〜3μmである、
    請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  4. 請求項1乃至のいずれか1項に記載のインクジェットヘッドと、
    前記インクジェットヘッドへ用紙を搬送する搬送用ローラと、を備える、
    プリンタ。
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