JP6266044B2 - ヒートシンク構造 - Google Patents

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Description

本発明は、狭小な内部空間に設置された発熱体に対する冷却性能に優れたヒートシンク構造に関するものである。
電気・電子機器に搭載されている半導体素子等の電子部品は、高機能化に伴う高密度搭載等により、発熱量が増大し、近年、その冷却がより重要となっている。また、電気・電子機器の小型化、薄型化等により、電気・電子機器の筐体の内部空間が、ますます、狭小化している。狭小化した内部空間に設置された電子部品の冷却手段として、平面型ヒートパイプが使用されることがある。
狭小化した内部空間に設置された電子部品の冷却構造として、筐体内に設けられた第1の発熱体と、筐体内に設けられたヒートシンクと、第1の押圧部材と、第1の発熱体に対向した第1の部分と第1の発熱体から外れた第2の部分とを有し、第1の押圧部材の押圧で撓む平板状の第1のヒートパイプと、第1のヒートパイプの第2の部分と、ヒートシンクとに接続された管状のコンテナを有する第2のヒートパイプを備えた冷却構造が提案されている(特許文献1)。
しかし、特許文献1では、押圧部材の押圧で平板状のヒートパイプを撓ませる、つまり、平面に対して鉛直方向に変形させるので、コンテナの厚さの薄い平板状のヒートパイプでは、その内部空間、特に、厚さ方向の空間が閉塞または狭小化して、平板状のヒートパイプとしての機能である熱輸送特性や平板全域に熱を拡散させる均熱板としての機能が損なわれることがある。従って、特許文献1では、平板状のヒートパイプから管状のコンテナを有する第2のヒートパイプへの熱伝達が十分ではないという問題があった。
また、特許文献1では、発熱体と管状のコンテナを有する第2のヒートパイプが離れて位置しているので、発熱体から管状のヒートパイプへの熱伝達が十分ではないという問題があった。
また、特許文献1では、複数の発熱体を冷却する場合に、それぞれの発熱体に、相互に別体である平板状のヒートパイプが接続され、該平板状のヒートパイプを、それぞれ、管状のコンテナを有する、メインのヒートパイプである第2のヒートパイプに接続される必要がある。よって、発熱体の位置に応じて、平板状のヒートパイプの寸法を調整しなければならず、部品点数が増大すると共に、構造が複雑化するという問題があった。
また、特許文献1では、複数の発熱体を冷却する場合に、相互に別体である平板状のヒートパイプが接続されているので、複数の発熱体の発熱量が異なると、特に、大きな発熱量を有する発熱体が十分に冷却されない場合がある、という問題があった。
特開2011−106793号公報
上記事情に鑑み、本発明は、簡易な構成にて、狭小化した内部空間に設置された発熱体に対し、優れた熱輸送特性や均熱板としての機能を有することで、優れた冷却性能を発揮するヒートシンク構造を提供することを目的とする。
本発明の態様は、平面型ヒートパイプと、該平面型ヒートパイプと熱的に接続された管状ヒートパイプと、を備えたヒートシンク構造であって、平面視において、前記平面型ヒートパイプと前記管状ヒートパイプが重なり合う位置に、発熱体が熱的に接続され、前記管状ヒートパイプの受熱部が、扁平加工されており、平面視において平面型ヒートパイプに沿って延在しているヒートシンク構造である。
上記態様では、平面型ヒートパイプまたは管状ヒートパイプに、発熱体が接続される。なお、本明細書中、「平面視」とは、平面型ヒートパイプの平面部に対して鉛直方向から視認した態様を意味する。
本発明の態様は、前記管状ヒートパイプが、前記平面型ヒートパイプよりも前記発熱体の方向に配置されるヒートシンク構造である。上記態様では、管状ヒートパイプに、発熱体が接続される。
本発明の態様は、前記平面型ヒートパイプが、前記管状ヒートパイプよりも前記発熱体の方向に配置されるヒートシンク構造である。上記態様では、平面型ヒートパイプに、発熱体が接続される。
本発明の態様は、前記管状ヒートパイプの放熱部に、熱交換手段が設けられているヒートシンク構造である。
本発明の態様は、前記熱交換手段が、放熱フィンを有するヒートシンク構造である。
本発明の態様は、前記熱交換手段及び/または管状ヒートパイプの放熱部が、送風ファンの冷却風により冷却されるヒートシンク構造である。
本発明の態様によれば、平面型ヒートパイプと管状ヒートパイプとが熱的に接続されているので、平面型ヒートパイプにより、発熱体からの熱が面上に拡散し、放熱面積が増大した状態にて、管状ヒートパイプが稼働する。また、平面型ヒートパイプと管状ヒートパイプが重なり合う位置に発熱体が熱的に接続されるので、発熱体から管状ヒートパイプへ円滑に熱伝達される。従って、本発明のヒートシンク構造は、優れた熱輸送特性や均熱板としての機能を有することで、発熱体に対して優れた冷却性能を発揮できる。
また、本発明の態様によれば、複数の発熱体を冷却する場合であって、各発熱体の発熱量が相違する場合に、相対的に発熱量の少ない発熱体は、均熱板としての機能を有する平面型ヒートパイプにて冷却できるので、その分、管状ヒートパイプの熱輸送量を低減できる。
本発明の態様によれば、平面型ヒートパイプを用い、また、熱的に接続される発熱体の数量は、特に制限されないので、簡易な構成にて、狭小化した内部空間に設置された発熱体に対して優れた冷却性能を発揮できる。
本発明の態様によれば、管状ヒートパイプが平面型ヒートパイプよりも発熱体の方向に配置されることにより、発熱体の熱が管状ヒートパイプに円滑に伝達されつつ、管状ヒートパイプを介して平面型ヒートパイプに伝達された発熱体からの熱が、平面型ヒートパイプの均熱板としての機能により面上に拡散することで放熱面積が増大する。従って、上記態様では、管状ヒートパイプの熱輸送量を低減でき、ひいては、管状ヒートパイプを扁平化(薄型化)、細管化できる。このように、管状ヒートパイプを扁平化、細管化できるので、ヒートシンク構造をより小型化できる。
本発明の態様によれば、平面型ヒートパイプが管状ヒートパイプよりも発熱体の方向に配置されることにより、発熱体の熱が、まず、平面型ヒートパイプの均熱板としての機能により面上に拡散してから、管状ヒートパイプに伝達されるので、平面型ヒートパイプにホットスポットが生じるのを防止できる。このように、平面型ヒートパイプにホットスポットが生じるのを防止できるので、発熱体に対して優れた冷却性能を発揮できる。
本発明の態様によれば、管状ヒートパイプの放熱部に熱交換手段が設けられていることにより、管状ヒートパイプの放熱特性が向上し、狭小な内部空間に設置された発熱体でも確実に冷却できる。
本発明の第1実施形態例に係るヒートシンク構造の側面視の説明図である。 本発明の第1実施形態例に係るヒートシンク構造の平面視の説明図である。 (a)図は、本発明の第2実施形態例に係るヒートシンク構造の側面視の説明図、(b)図は、本発明の第2実施形態例に係るヒートシンク構造の平面視の説明図である。 (a)図は、本発明の第3実施形態例に係るヒートシンク構造の側面視の説明図、(b)図は、本発明の第3実施形態例に係るヒートシンク構造の平面視の説明図である。 本発明の第4実施形態例に係るヒートシンク構造の平面視の説明図である。
以下に、本発明の第1実施形態例に係るヒートシンク構造について、図面を用いながら説明する。図1、2に示すように、第1実施形態例に係るヒートシンク構造1は、平面型ヒートパイプ10と、平面型ヒートパイプ10と熱的に接続された管状ヒートパイプ12と、を備えている。ヒートシンク構造1では、平面型ヒートパイプ10の平面型コンテナ11と管状ヒートパイプ12の管状コンテナ13とが直接接することで、平面型ヒートパイプ10と管状ヒートパイプ12とが、熱的に接続されている。
ヒートシンク構造1では、管状ヒートパイプ12が、平面型ヒートパイプ10よりも発熱体の方向に配置されている。管状ヒートパイプ12には、基板102に実装された第1の発熱体100が熱的に接続され、平面型ヒートパイプ10には、基板102に実装された第2の発熱体101が熱的に接続されている。従って、第1の発熱体100は、管状ヒートパイプ12を介して平面型ヒートパイプ10と熱的に接続され、第2の発熱体101は、平面型ヒートパイプ10を介して管状ヒートパイプ12と熱的に接続されている。従って、平面型ヒートパイプ10は、均熱板としての機能を有する。
なお、ヒートシンク構造1では、管状ヒートパイプ12は第1の発熱体100と直接接することで、第1の発熱体100と熱的に接続され、平面型ヒートパイプ10は第2の発熱体101と直接接することで、第2の発熱体101と熱的に接続されていてもよく、図示しない熱伝導グリースを、管状ヒートパイプ12と第1の発熱体100、平面型ヒートパイプ10と第2の発熱体101との間に挿入して、熱的に接続してもよい。
図1、2に示すように、平面型ヒートパイプ10に管状ヒートパイプ12の一方の端部14が熱的に接続され、管状ヒートパイプ12の一方の端部14に第1の発熱体100が熱的に接続されている。つまり、図2に示すように、平面型ヒートパイプ10と管状ヒートパイプ12が平面視において重なり合う位置に、第1の発熱体100が熱的に接続される。一方で、第2の発熱体101は、管状ヒートパイプ12とは平面視において重なり合わない位置にて、平面型ヒートパイプ10と熱的に接続される。ヒートシンク構造1では、1つの管状ヒートパイプ12が、平面型ヒートパイプ10に熱的に接続されている。
平面型ヒートパイプ10と管状ヒートパイプ12とを熱的に接続する方法は、特に限定されず、例えば、平面型ヒートパイプ10の平面型コンテナ11に、管状ヒートパイプ12の管状コンテナ13を、はんだ付け、かしめ等により固定することで、平面型ヒートパイプ10と管状ヒートパイプ12とを熱的に接続することができる。
平面型ヒートパイプ10及び第1の発熱体100と熱的に接続された管状ヒートパイプ12の一方の端部14が、管状ヒートパイプ12の受熱部として機能する。一方で、管状ヒートパイプ12のうち、一方の端部14以外の部位、すなわち、中央部15と他方の端部16は、平面型ヒートパイプ10と接していない。このうち、管状ヒートパイプ12の他方の端部16が、管状ヒートパイプ12の放熱部として機能する。なお、管状ヒートパイプ12は、図1、2に示すように、曲げ加工してもよく、直線状の形状にて使用してもよい。また、管状ヒートパイプ12は、熱的接続性を向上させるために、一部または全体を扁平加工してもよい。
ヒートシンク構造1では、管状ヒートパイプ12の他方の端部16(すなわち、管状ヒートパイプ12の放熱部)に、熱交換手段として、放熱フィン17が取り付けられている。また、放熱フィン17と平面型ヒートパイプ10との間には、送風ファン103が配置されている。送風ファン103からの冷却風が放熱フィン17へ供給される。
ヒートシンク構造1では、複数の放熱フィン17が管状ヒートパイプ12の他方の端部16に取り付けられることで、管状ヒートパイプ12の放熱部から外部環境へ、円滑に熱が放出される。また、送風ファン103の設置位置は特に限定されないが、放熱フィン17と平面型ヒートパイプ10との間に送風ファン103が配置されると、送風ファン103が稼働することで、放熱フィン17へ冷却風が供給されるだけでなく、平面型ヒートパイプ10から放熱フィン17の方向へ気流が生じて、この気流が、平面型ヒートパイプ10を冷却する冷却風としても機能する。
平面型ヒートパイプ10は、平面型コンテナ11と、平面型コンテナ11の内部空間に封入された作動流体(図示せず)と、平面型コンテナ11の内部空間に設けられたウィック構造体(図示せず)とを有している。また、管状ヒートパイプ12は、管状コンテナ13と、管状コンテナ13の内部空間に封入された作動流体(図示せず)と、管状コンテナ13の内部空間に設けられたウィック構造体(図示せず)とを有している。
平面型コンテナ11及び管状コンテナ13の材料としては、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ニッケル合金、ステンレス、チタン等を挙げることができる。また、作動流体としては、平面型コンテナ11及び管状コンテナ13の材料との適合性に応じて、適宜選択可能であり、例えば、水、代替フロン、フロリナート等のフルオロカーボン類、シクロペンタン等を挙げることができる。
ウィック構造体としては、銅粉等の金属粉の焼結体、金属メッシュ、ワイヤ、平面型コンテナ11及び管状コンテナ13の内面に形成されたグルーブ等を挙げることができる。
冷却対象である発熱体としては、特に限定されないが、基板102(例えば、電子機器に内蔵された回路基板)に実装された中央演算処理装置、グラフィックチップ(GPU、VGA)、メモリー、コンデンサ、電源等を挙げることができる。
次に、ヒートシンク構造1の冷却作用の仕組みについて説明する。管状ヒートパイプ12の一方の端部14(受熱部)が、第1の発熱体100から受熱すると、第1の発熱体100から管状ヒートパイプ12の受熱部へ伝達された熱は、管状ヒートパイプ12の他方の端部16、すなわち、管状ヒートパイプ12の放熱部へ輸送され、管状ヒートパイプ12の放熱部から放熱フィン17を介して外部環境へ放出される。
また、管状ヒートパイプ12の受熱部へ伝達された熱の一部は、管状ヒートパイプ12の放熱部へは輸送されずに、管状ヒートパイプ12の一方の端部14と熱的に接続された平面型ヒートパイプ10へ伝達される。管状ヒートパイプ12の受熱部から平面型ヒートパイプ10へ伝達された熱は、平面型ヒートパイプ10の平面に沿って拡散しつつ、平面型ヒートパイプ10から放出される。一方で、平面型ヒートパイプ10が第2の発熱体101から受熱すると、第2の発熱体101から平面型ヒートパイプ10へ伝達された熱は、第1の発熱体100から伝達された熱と同様、平面型ヒートパイプ10の平面に沿って拡散しつつ、平面型ヒートパイプ10から放出される。
また、第2の発熱体101の発熱量によっては、第2の発熱体101から平面型ヒートパイプ10へ伝達された熱は、平面型ヒートパイプ10の平面に沿って拡散しつつ、その一部は管状ヒートパイプ12の一方の端部14へ輸送され、管状ヒートパイプ12の放熱部から放熱フィン17を介して外部環境へ放出される。従って、平面型ヒートパイプ10は、均熱板としての機能を有する。
つまり、ヒートシンク構造1が受熱した第1の発熱体100と第2の発熱体101の熱は、管状ヒートパイプ12によって放熱フィン17の部位まで輸送されることで外部環境へ円滑に放出されつつ、平面型ヒートパイプ10の平面に沿って拡散して、平面型ヒートパイプ10からも放出される。
このように、ヒートシンク構造1では、平面型ヒートパイプ10と管状ヒートパイプ12とが熱的に接続されているので、平面型ヒートパイプ10により、第1の発熱体100からの熱と第2の発熱体101からの熱が、面上に拡散し、放熱面積が増大した状態にて、管状ヒートパイプ12が熱輸送機能を発揮する。また、平面型ヒートパイプ10と管状ヒートパイプ12が重なり合う位置に、複数の発熱体(第1の発熱体100と第2の発熱体101)のうちの少なくとも一部の発熱体(第1の発熱体100)が熱的に接続されるので、第1の発熱体100から管状ヒートパイプ12へ円滑に熱伝達される。従って、ヒートシンク構造1は、優れた熱輸送特性と均熱板としての機能を有することで、発熱体に対して優れた冷却性能を発揮できる。
また、ヒートシンク構造1では、複数の発熱体(第1の発熱体100と第2の発熱体101)を冷却する場合であって、各発熱体の発熱量が相違する場合に、相対的に発熱量の小さい発熱体(例えば、第2の発熱体101)は、均熱板としての機能を有する平面型ヒートパイプ10にて冷却できるので、その分、管状ヒートパイプ12の熱輸送量を低減できる。
さらに、ヒートシンク構造1では、平面型ヒートパイプ10を用い、また、熱的に接続される発熱体の数量は、特に制限されないので、簡易な構成にて、狭小化した内部空間に設置された発熱体に対して優れた冷却性能を発揮できる。
ヒートシンク構造1では、管状ヒートパイプ12が平面型ヒートパイプ10よりも発熱体(第1の発熱体100と第2の発熱体101)の方向(基板102の方向)に配置されることにより、発熱体(図1、2では、第1の発熱体100)の熱が管状ヒートパイプ12に円滑に伝達される。また、各発熱体(第1の発熱体100と第2の発熱体101)から伝達された熱は、平面型ヒートパイプ10の均熱板としての機能により、平面型ヒートパイプ10の面上を拡散していくことで、放熱面積が増大する。従って、管状ヒートパイプ12の熱輸送量を低減でき、ひいては、管状ヒートパイプ12を扁平化、細管化できる。このように、管状ヒートパイプ12を扁平化、細管化できるので、ヒートシンク構造1をより小型化できる。
次に、本発明の第2実施形態例に係るヒートシンク構造について、図面を用いながら説明する。本発明の第1実施形態例に係るヒートシンク構造と同じ構成要素については同じ符号を用いて説明する。
第1実施形態例に係るヒートシンク構造1では、管状ヒートパイプ12には、基板102に実装された第1の発熱体100が接続され、平面型ヒートパイプ10には、基板102に実装された第2の発熱体101が接続されていたが、これに代えて、第2実施形態例に係るヒートシンク構造2では、図3(a)、(b)に示すように、平面型ヒートパイプ10には、発熱体が接続されていない。
つまり、図3に示すように、平面型ヒートパイプ10と管状ヒートパイプ12が平面視において重なり合う位置に、第1の発熱体100が熱的に接続される。一方で、管状ヒートパイプ12及び平面型ヒートパイプ10とは平面視において重なり合わない位置には、発熱体は接続されていない。
ヒートシンク構造2でも、平面型ヒートパイプ10と管状ヒートパイプ12とが熱的に接続されているので、平面型ヒートパイプ10により、第1の発熱体100からの熱が、平面型ヒートパイプ10の平面に沿って拡散していき、放熱面積が増大した状態にて、管状ヒートパイプ12が熱輸送機能を発揮する。また、平面型ヒートパイプ10と管状ヒートパイプ12が重なり合う位置に、発熱体(第1の発熱体100)が熱的に接続されるので、第1の発熱体100から管状ヒートパイプ12へ円滑に熱伝達される。従って、ヒートシンク構造2でも、ヒートシンク構造1と同様、優れた熱輸送特性と均熱板としての機能を有することで、発熱体に対して優れた冷却性能を発揮できる。
次に、本発明の第3実施形態例に係るヒートシンク構造について、図面を用いながら説明する。本発明の第1、第2実施形態例に係るヒートシンク構造と同じ構成要素については同じ符号を用いて説明する。
第1実施形態例に係るヒートシンク構造1では、管状ヒートパイプ12が、平面型ヒートパイプ10よりも発熱体の方向に配置されていたが、これに代えて、第3実施形態例に係るヒートシンク構造3では、図4(a)、(b)に示すように、平面型ヒートパイプ10が、管状ヒートパイプ12よりも発熱体の方向に配置されている。
平面型ヒートパイプ10には、基板102に実装された発熱体(図4では、複数の発熱体、すなわち、第1の発熱体100と第2の発熱体101)が接続されている。一方で、管状ヒートパイプ12には、発熱体が接続されていない。従って、いずれの発熱体も、すなわち、第1の発熱体100も第2の発熱体101も、平面型ヒートパイプ10を介して管状ヒートパイプ12と熱的に接続されている。従って、平面型ヒートパイプ10は、均熱板としての機能を有する。
図4(b)に示すように、平面型ヒートパイプ10と管状ヒートパイプ12が平面視において重なり合う位置に、複数の発熱体のうちの一部の発熱体(図4(b)では、第1の発熱体100)が、平面型ヒートパイプ10と熱的に接続される。一方で、他の一部の発熱体(図4(b)では、第2の発熱体101)は、管状ヒートパイプ12とは平面視において重なり合わない位置にて、平面型ヒートパイプ10と熱的に接続される。
なお、図4(a)に示すように、ヒートシンク構造3では、第1の発熱体100は平面型ヒートパイプ10と直接接する、または熱伝導グリース(図示せず)を介して接することで、平面型ヒートパイプ10と熱的に接続されている。一方で、平面型ヒートパイプ10と第2の発熱体101との間には、熱伝導シート等の熱伝導性部材18が挿入されており、第2の発熱体101は、熱伝導性部材18を介して、平面型ヒートパイプ10と熱的に接続されている。
このように、高さ方向の寸法が異なる発熱体が、ヒートシンク構造3と熱的に接続される場合、高さ方向の寸法が小さい発熱体(図4(a)では、第2の発熱体101)と平面型ヒートパイプ10との間に熱伝導性部材18を挿入することで、熱抵抗の増大を防止しつつ、高さ方向の寸法が異なる発熱体間の高さ調整ができる。従って、平面型ヒートパイプ10の撓み等の変形を防止できるので、平面型ヒートパイプ10の内部空間を維持でき、結果、ヒートシンク構造3の冷却性能の低下を防止できる。
次に、ヒートシンク構造3の冷却作用の仕組みについて説明する。平面型ヒートパイプ10が、第1の発熱体100と第2の発熱体101から受熱すると、第1の発熱体100からの熱と第2の発熱体101からの熱は、ともに、平面型ヒートパイプ10の平面に沿って平面型ヒートパイプ10上を拡散しながら、平面型ヒートパイプ10から放出される。また、管状ヒートパイプ12は、第1の発熱体100と平面視において重なり合う位置に設けられ、管状ヒートパイプ12の一方の端部14(受熱部)が、平面型ヒートパイプ10と直接接している。従って、平面型ヒートパイプ10から放出されなかった熱は、管状ヒートパイプ12の受熱部へ伝達される。管状ヒートパイプ12の受熱部へ伝達された熱は、管状ヒートパイプ12の受熱部から管状ヒートパイプ12の他方の端部16(放熱部)へ輸送され、放熱部に設けられた放熱フィン17から外部環境へ放出される。従って、管状ヒートパイプ12は、平面型ヒートパイプ10から放出されなかった熱を放熱フィンの部位へ輸送する機能を有する。
平面型ヒートパイプ10が管状ヒートパイプ12よりも発熱体(第1の発熱体100、第2の発熱体101)の方向に配置されることにより、発熱体の熱が、平面型ヒートパイプ10の均熱板としての機能により、まず、平面型ヒートパイプ10の平面に沿って拡散してから、管状ヒートパイプ12に伝達される。従って、平面型ヒートパイプ10にホットスポットが生じるのを防止できる。このように、ヒートシンク構造3は、平面型ヒートパイプ10にホットスポットが生じるのを防止できるので、発熱体に対して優れた冷却性能を発揮できる。また、平面型ヒートパイプ10は、平面視において、平面型ヒートパイプ10と接続されている発熱体(第1の発熱体100、第2の発熱体101)の全体を覆うことができるので、発熱体からヒートシンク構造3への熱伝達性が向上する。
次に、本発明の他の実施形態例について説明する。上記各実施形態例では、管状ヒートパイプの設置数は1本であったが、その数は特に限定されず、ヒートシンク構造の使用状況に応じて、複数設置してもよい。
例えば、第1実施形態例に係るヒートシンク構造1では、基板102に実装された第1の発熱体100に、1本の管状ヒートパイプ12が熱的に接続されていたが、これに代えて、図5に示すように、第4実施形態例に係るヒートシンク構造4では、基板102に実装された第1の発熱体100に、複数(図5では、2本)の管状ヒートパイプ12、12’が熱的に接続されてもよい。
ヒートシンク構造4では、平面視において、第1の発熱体100と重なり合う位置に、2本の管状ヒートパイプ12、12’が熱的に接続されている。なお、ヒートシンク構造4では、2本の管状ヒートパイプ12、12’のうち、平面視において第1の発熱体100と重なり合う部位では、並列に配置され、平面視において平面型ヒートパイプ10と重なり合わない部位では、一方の管状ヒートパイプ12と他方の管状ヒートパイプ12’が、平面型ヒートパイプ10の中心線を境に略対称となるように配置されている。
第1の発熱体100に、複数の管状ヒートパイプ12、12’が熱的に接続されることで、第1の発熱体100の発熱量が大きくても、第1の発熱体100を確実に冷却できる。
また、平面型ヒートパイプと管状ヒートパイプが平面視において重なり合う位置に、熱的に接続される発熱体の数は、特に限定されず、上記各実施形態例では、該位置に、1つの発熱体が熱的に接続されていたが、複数の発熱体を熱的に接続してもよい。
上記各実施形態例では、管状ヒートパイプの放熱部に熱交換手段として放熱フィンが設けられていたが、使用状況に応じて、熱交換手段を設けなくてもよい。また、上記各実施形態例では、放熱フィン近傍に送風ファンが設置されていたが、使用状況に応じて、送風ファンを設置しなくてもよい。また、必要に応じて、発熱体と平面型ヒートパイプまたは管状ヒートパイプとの間に、熱的接続性を向上させるために、熱伝導グリースを塗布してもよい。
本発明のヒートシンク構造は、簡易な構成にて、狭小化した内部空間に設置された発熱体に対し、優れた熱輸送特性や均熱板としての機能を有することで、優れた冷却性能を発揮するので、例えば、基板に実装された発熱体を冷却する分野で、利用価値が高い。
1、2、3、4 ヒートシンク構造
10 平面型ヒートパイプ
12 管状ヒートパイプ
17 放熱フィン

Claims (4)

  1. 平面型ヒートパイプと、該平面型ヒートパイプと熱的に接続された管状ヒートパイプと、を備えたヒートシンク構造であって、
    平面視において、前記平面型ヒートパイプと前記管状ヒートパイプが重なり合う位置に、発熱体が熱的に接続され、前記管状ヒートパイプの受熱部が、扁平加工されており、平面視において平面型ヒートパイプに沿って延在し、前記管状ヒートパイプが、前記平面型ヒートパイプよりも前記発熱体の方向に配置されるヒートシンク構造。
  2. 前記管状ヒートパイプの放熱部に、熱交換手段が設けられている請求項に記載のヒートシンク構造。
  3. 前記熱交換手段が、放熱フィンを有する請求項に記載のヒートシンク構造。
  4. 前記熱交換手段及び/または管状ヒートパイプの放熱部が、送風ファンの冷却風により冷却される請求項2または3に記載のヒートシンク構造。
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