JP6265950B2 - 保存庫 - Google Patents

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Description

この発明は、前面扉を有する保存庫に関するものである。
前面扉を有する冷蔵庫において、従来から、右開き又は左開きに変更可能とするものが知られている(例えば特許文献1参照)。特許文献1に開示された従来の冷蔵庫では、扉の上面左右に取付孔を設け、冷蔵庫本体の上面左右に貫通孔を有するヒンジ保持部材を設け、左右一方の取付孔及び貫通孔にヒンジピンを差し込む。これにより、容易に、扉を右開き又は左開きとすることができる。
特開2006−64279号公報
しかしながら、特許文献1に開示された従来の冷蔵庫では、冷蔵庫本体に設けたヒンジ保持部材を覆うようにカバー部材が取付けられている。よって、隠蔽部品が大きく見栄えが悪いという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、従来構成に対してヒンジ機構の周りに設けられる開口及び隠蔽部品の縮小を行うことができ、見栄えを向上することができる保存庫を提供することを目的としている。
この発明に係る保存庫は、前面が開放された箱型部材であり、当該前面の上部に挿入口を有する断熱容器と、背面の上部に設けられた開口部、上面に開口部に連通して設けられた挿入穴、及び、開口部を挟んで挿入穴に対向して設けられた支持穴を有する前面扉と、前面扉を断熱容器に対して回動自在に上部で支持するヒンジ機構と、前面扉を断熱容器に対して回動自在に下部で支持する回転機構とを備え、ヒンジ機構は、挿入口に取付け可能であり、一方の面に、開口部に挿入可能な挿入部が設けられ、挿入部に貫通孔が設けられた回転軸支持部と、挿入穴から貫通孔を介して支持穴に回動自在に挿入可能な回転軸と、回転軸の一端を支持可能な支持部を有し、挿入穴に嵌め込み可能な蓋とを有するものである。
この発明によれば、上記のように構成したので、従来構成に対してヒンジ機構の周りに設けられる開口及び隠蔽部品の縮小を行うことができ、見栄えを向上することができる。
この発明の実施の形態1に係る冷蔵庫の構成例を示す図(右開きの場合)であり、(a)分解斜視図であり、(b)(a)のA部拡大図である。 この発明の実施の形態1における前面扉の構成例を示す分解斜視図(右開きの場合)である。 この発明の実施の形態1における前面扉の構成例を示す分解斜視図(左開きの場合)である。 この発明の実施の形態1における扉上蓋及び上蓋軸受け部の構成例を示す図であり、(a)表側から見た分解斜視図であり、(b)上蓋軸受け部の扉上蓋への取付けを説明する裏側から見た斜視図である。 この発明の実施の形態1における扉上蓋の金型の構成例を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1における前面扉の構成例を示す図であり、(a)斜視部であり、(b)(a)のB−B線断面図であり、(c)(b)のC部拡大図であり、(d)(b)のD部拡大図である。 この発明の実施の形態1における軸受け部、蓋、回転軸、回転軸支持部の構成例を示す図であり、(a)表側から見た斜視図であり、(b)裏側から見た斜視図である。 この発明の実施の形態1における回転軸支持部の断熱容器への取付けを説明する図であり、(a)分解斜視図であり、(b)回転軸支持部を断熱容器に取付けた状態を示す正面図であり、(c)(b)のE−E線断面図であり、(d)(b)のF−F線断面図である。 この発明の実施の形態1に係る冷蔵庫の構成例を示す図(左開きの場合)である。 この発明の実施の形態2における前面扉の構成例を示す図であり、(a)右開きの場合を示す分解斜視図であり、(b)左開きの場合を示す分解斜視図である。 この発明の実施の形態3における前面扉の構成例を示す分解斜視図(左右兼用)である。 この発明の実施の形態3における前面扉の予備組立を説明する図であり、(a)右開き用とする場合を示す分解斜視図であり、(b)左開き用とする場合を示す分解斜視図である。 この発明の実施の形態3における前面扉の予備組立(右開き用とする場合)の詳細を示す図であり、(a)分解斜視図であり、(b)(a)G部拡大図であり、(c)予備組立後の状態を示す斜視図である。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
保存庫は、保冷又は保温を行う小型(収容量が10〜40リットル程度)の装置である。以下では、保存庫として、保冷を行う小型の冷蔵庫を例に説明を行う。なお実施の形態1では、主に、右開き用の冷蔵庫を例にして説明を行う。
この冷蔵庫は、図1等に示すように、断熱容器1、前面扉2、ヒンジ機構3及び回転機構4を備えている。
断熱容器1は、前面が開放された箱型部材であり、内部に収納物(食品、飲料等)が収容されるものである。ここでは、2リットルのペットボトルを収納可能な庫内寸法のものを想定している。
また、断熱容器1の前面上部には、左右に、ヒンジ機構3の後述する回転軸支持部31の取付け部311を取付け可能とする挿入口11が設けられている。また、挿入口11には、図8に示すように、回転軸支持部31の後述するリブ挿入筒部313を嵌め込み可能とするリブ111と、回転軸支持部31を固定する際に用いるネジ穴112とが設けられている。また、図1に示すように、回転軸支持部31が取付けられない挿入口11にはカバー12が被せられて隠蔽される。
また、図1に示すように、断熱容器1の左右の前脚部13には、回転機構4の後述する回転軸42を挿入可能とする挿入穴14が設けられている。なお、回転軸42が挿入されない挿入穴14にはキャップ15が被せられて隠蔽される。
前面扉2は、左右いずれか一方に取付けられたヒンジ機構3及び回転機構4を介して断熱容器1に取付けられることで、断熱容器1の前面を開閉するものである。この前面扉2の詳細構成例については後述する。
ヒンジ機構3は、前面扉2を断熱容器1に対して回動自在に上部で支持するものである。このヒンジ機構3の詳細構成例については後述する。
回転機構4は、前面扉2を断熱容器1に対して回動自在に下部で支持するものである。この回転機構4の詳細構成例については後述する。
次に、前面扉2の構成例について説明する。
前面扉2は、図2に示すように、扉外郭板21、扉背面板22、扉下蓋23及び扉上蓋24を有している。なお、扉外郭板21、扉背面板22及び扉下蓋23から成る部位は、本発明の扉本体部に相当する。
扉外郭板21は、前面扉2の表面の外郭を構成する板状部材である。
扉背面板22は、樹脂部材(例えばポリプロピレン)から成り、前面扉2の裏面の外郭を構成する板状部材である。この扉背面板22の両側面には、扉外郭板21の側面と係合する係合溝221が設けられている。また、扉背面板22には注入口222が設けられている。そして、前面扉2の筐体部分が組立てられた後、注入口222から内部に発泡ウレタン等の断熱材(不図示)が注入される。
扉下蓋23は、樹脂部材から成り、係合した扉外郭板21と扉背面板22の下端に取付けられる板状部材である。この扉下蓋23の一方の面には、係合した扉外郭板21と扉背面板22の下端に取付け可能とする溝部231が設けられている。また、図6(d)に示すように、扉下蓋23の他方の面(底面)には、左右に、回転機構4の後述する軸受け部41を挿入可能な挿入穴232が設けられている。
図2に示すように、扉上蓋24は、樹脂部材から成り、係合した扉外郭板21と扉背面板22の上端に取付けられる箱型部材である。この扉上蓋24は、上蓋本体部25及び2つの上蓋軸受け部26a,26bを有している。
図4に示すように、上蓋本体部25は、裏面が開放された箱型部材である。この上蓋本体部25には、左右のうち一方の背面に、回転軸支持部31の後述する挿入部314を挿入可能な開口部251が設けられている。また、上蓋本体部25の上面には、上面に開口部251に連通した挿入穴252が設けられている。この挿入穴252は、最小でも、ヒンジ機構3の後述する回転軸32を挿入可能とする寸法を有する。また、意匠としての対称性を持たせるため、上蓋本体部25の開口部251が設けられていない側の端部(図4(a)では右側)にも挿入穴252が設けられている。
上蓋軸受け部26a,26bは、上蓋本体部25の裏面から左右に取付け可能に構成されたものである。なお、上蓋本体部25の一端側に取付けられる上蓋軸受け部26aと、他端側に取付けられる上蓋軸受け部26bは、左右反転した形状に構成されている。この上蓋軸受け部26a,26bには、上蓋本体部25に取付けられた状態において開口部251を挟んで挿入穴252に対向する、支持穴261が設けられている。この支持穴261は、挿入穴252から回転軸支持部31の後述する貫通孔315を介して挿入された回転軸32を回動自在に支持するものである。
なお本発明では、扉上蓋24を、上蓋本体部25と上蓋軸受け部26a,26bに分けて構成している。これは、冷蔵庫を開閉する際に前面扉2とヒンジ機構3が干渉することがない空間を確保し、断熱容器1と前面扉2との取付け間隔を考慮した上で、ヒンジ機構3周りの開口面積を最小とする場合には、扉上蓋24を一体で樹脂成形することができないためである。
また、図4(b)に示すように、扉上蓋24では、上蓋本体部25の裏面の両端に上蓋軸受け部26a,26bが取付けられることで、係合した扉外郭板21と扉背面板22の上端に取付け可能とする溝部241が構成される。これは、樹脂成形で扉上蓋24の端部に開口部251を形成し、断熱容器1と前面扉2との取付け間隔を狭めるためである。また、右開き用と左開き用とに関わらず、上蓋本体部25に2つの上蓋軸受け部26a,26bを取付けることで、上蓋本体部25を共通の金型6で樹脂成形することができる。
また、前面扉2を左開き用とする場合には、図3に示すような構成となる。すなわち、図2に示す構成に対して、上蓋本体部25の開口部251の位置を反対側に変えている。それ他の構成は同じである。また、図2,3に示す上蓋本体部25は、共通の金型6を用いて樹脂成形することができる。以下、その金型6の構成例について示す。
図5はこの発明の実施の形態1における上蓋本体部25の金型6の構成例を示す図である。なお図5では、下側の金型のみを示している。
図5に示すように、金型6は、ベースコア61及びスライドコア62a〜62dを有している。
ベースコア61は、上蓋本体部25の開口部251を除く部位を成形する金型である。
スライドコア62a〜62dは、上蓋本体部25の開口部251を成形する位置にスライド可能に対向配置された金型である。図5では、スライドコア62a,62bはベースコア61の右端に配置され、スライドコア62c,62dはベースコア61の左側に配置されている。このスライドコア62a〜62dは、スライド可能な台座部621と、台座部621の型割面に着脱可能な第1,2の入れ子622,623とを有している。第1の入れ子622には、開口部251を成形する突出面624が設けられている。一方、第2の入れ子623には、突出面624が設けられていない。また、台座部621は、金型6を閉じた状態において、ベースコア61に突出面624を接触させる位置までスライド可能に構成されている。
そして、図5に示すように、スライドコア62c,62dに第1の入れ子622を取付け、スライドコア62a,62bに第2の入れ子623を取付けた場合、金型6を閉じると、スライドコア62c,62d側では突出面624がベースコア61に接触し、スライドコア62a,62b側ではベースコア61との間に空間が設けられることになる。よって、この状態で射出成形を行うと、スライドコア62c,62d側では、突出面624の部分には樹脂が流れ込まないため、開口部251が形成される。一方、スライドコア62a,62b側では、上記空間部分に樹脂が流れ込むため、開口部251は形成されない。これにより図3に示すような左開き用の上蓋本体部25が成形される。
また、図2に示すような右開き用の上蓋本体部25を成形する場合には、スライドコア62a,62bに突出面624を有する第1の入れ子622を取付け、スライドコア62c,62dに突出面624を有しない第2の入れ子623を取付ければよい。
図6に示すような金型6を用いることで、本発明の構成を得るための金型6の数を減らすことができ、初期投資額を抑えることができる。
次に、前面扉2の組立て例について説明する。
前面扉2の組立て例では、図2に示すように、まず、扉外郭板21に係合溝221を嵌め込むことで、扉外郭板21と扉背面板22とを係合させる。その後、係合した扉外郭板21と扉背面板22の下端に溝部231を嵌め込むことで、扉下蓋23を取付ける。
また、上蓋本体部25の裏面の両端に上蓋軸受け部26a,26bを取付けることで扉上蓋24を構成する。その後、係合した扉外郭板21と扉背面板22の上端に溝部241(図4(b))を嵌め込むことで、扉上蓋24を取付ける。その後、扉背面板22の注入口222から内部に断熱材を注入する。これにより、図6に示すような前面扉2を構成することができる。なお、注入口222は化粧ラベル(不図示)で隠蔽される。
なお図2において、上蓋本体部25の開口部251が形成されていない側(図2では右側)に取付けられた上蓋軸受け部26bは、使用上では機能しない。しかしながら、上蓋本体部25と2つの上蓋軸受け部26a,26bで扉上蓋24の溝部241を構成しており、また、前面扉2の内部に注入した断熱材が流出してしまう恐れがあるため、機能しない上蓋軸受け部26bについても取付ける必要がある。
また、断熱材として発泡ウレタンを用いた場合には接着力があるが、扉背面板22は樹脂製のため、接着はできない。しかしながら、扉背面板22の左右は係合溝221により扉外郭板21に嵌め込まれ、上下は扉下蓋23と扉上蓋24の溝部231,241が嵌め込まれるように構成しているため、充填発泡後の断熱材の剥離を防ぐことができる。
次に、ヒンジ機構3の構成例について説明する。
ヒンジ機構3は、前面扉2を断熱容器1に対して回動自在に上部で支持するものである。このヒンジ機構3は、図1,7に示すように、回転軸支持部31、回転軸32及び蓋33を有している。
回転軸支持部31は、樹脂部材(例えばABS樹脂)から成り、回転軸32を介して断熱容器1に前面扉2を接続するものである。図7に示すように、この回転軸支持部31には、断熱容器1の挿入口11に取付け可能な取付け部311が設けられている。この取付け部311には、回転軸支持部31を固定する際に用いるネジ穴312が設けられている。また、取付け部311の一方の面には、挿入口11のリブ111に嵌め込み可能なリブ挿入筒部313が挿入方向に延びて設けられている。また、取付け部311の他方の面には、前面扉2の開口部251に挿入可能な挿入部314が設けられている。また、この挿入部314には、前面扉2の開口部251に挿入された後、回転軸32が通される貫通孔315が設けられている。なお、回転軸支持部31は、表裏が対称に構成され、右開き用と左開き用とで兼用に構成されている。
回転軸32は、図1(b)に示すように、前面扉2の挿入穴252から貫通孔315を介して支持穴261に回動自在に挿入可能なものである。この回転軸32は金属製(鉄棒)である。
蓋33は、図7に示すように、樹脂部材から成り、回転軸32を支持可能な支持部331を有し、前面扉2の挿入穴252に嵌め込み可能なものである。なお、図1(a)に示すように、ヒンジ機構3が取付けられない側(図1(a)では右側)の挿入穴252にも同一の蓋33が嵌め込まれ、意匠としての対称性を持たせている。また、ヒンジ機構3が取付けられた側の蓋33の色を周囲の部位と変えることで、扉の開閉方向を使用者に認識させ易くすることもできる。
次に、回転機構4の構成例について説明する。
回転機構4は、前面扉2を断熱容器1に対して回動自在に下部で支持するものである。この回転機構4は、図1,7に示すように、軸受け部41及び回転軸42を有している。
軸受け部41は、樹脂部材(例えばナイロン樹脂)から成り、前面扉2の挿入穴232に挿入可能なものである。
回転軸42は、樹脂部材(例えばPOM樹脂)から成り、前面扉2と断熱容器1とを回動自在に接続するものである。この回転軸42の一端には、前脚部13の挿入穴14に挿入可能な挿入部421が設けられ、他端には、軸受け部41に取付け可能な挿入部422が設けられている。
なお、軸受け部41及び回転軸42は、右開き用と左開き用とで兼用である。
また本発明では、ヒンジ機構3の回転軸32を金属製としており、上蓋軸受け部26a,26bをABS樹脂製としても回動時に異音が出にくい。一方、回転機構4の回転軸42をPOM樹脂製とし、軸受け部41をABS樹脂製とすると、回動時に異音が出やすいことが経験的に判明している。一方、POM樹脂製の部材とナイロン樹脂製の部材の組み合わせは異音が出にくいことも判明している。そこで本発明では、扉下蓋23に、ナイロン樹脂製の軸受け部41を取付け可能な構造を採用している。なお、回転機構4の回転軸42をPOM樹脂製とすることで、前面扉2が閉じる手前約10°の辺りで自動的に閉じる機能(自動閉鎖機能)を付加することができる。
次に、前面扉2の断熱容器1への取付け例について説明する。
前面扉2の断熱容器1への取付け例では、図1(a)に示すように、まず、前面扉2の下面の挿入穴232(図6(d))に軸受け部41を取付ける。また、断熱容器1の挿入穴14に回転軸42を取付ける。
また、図8に示すように、断熱容器1の挿入口11に回転軸支持部31の取付け部311を取付ける。この際、回転軸支持部31のリブ挿入筒部313をリブ111に嵌め込むようにして取付けを行う。そして、タッピングネジ5を用いて、ネジ穴112,312を介して断熱容器1に回転軸支持部31を固定する。
そして、図1に示すように、前面扉2に取付けた軸受け部41を断熱容器1に取付けた回転軸42に嵌め込む。また、断熱容器1に取付けた回転軸支持部31の挿入部314を前面扉2の開口部251に挿入する。そして、回転軸32を挿入穴252から貫通孔315を介して支持穴261まで差し込む。その後、蓋33を挿入穴252に嵌め込む。
以上により、前面扉2を断熱容器1へ組付けることができる。なお左開き用とする場合には、図9に示すような取付けとなる。
なお、図に示す断熱容器1では、回転軸支持部31を取付けるための空間は、意匠上設けられた面取り形状と、断熱容器1の外郭板金を挿入する溝形状との制約を受け、狭い空間しか得られない。そのため、回転軸支持部31を取付けるためのタッピングネジ5は小さいもの(M3等)しか用いることができない。よって、例えば前面扉2を開いた状態で物が落下した場合等、前面扉2の回転動作以外の応力に対して、ネジ固定だけでは十分な強度が得られない。そこで、本発明では、断熱容器1の挿入口11にリブ111を設け、回転軸支持部31にリブ111に嵌め込み可能なリブ挿入筒部313を設けた。ここで、リブ挿入筒部313とリブ111との隙間は0.05mm程度に設定する。これにより、タッピングネジ5が変形してしまうような応力に対して、タッピングネジ5が破損するより小さな変形の時点で、挿入口11の内壁とリブ挿入筒部313の外壁あるいはリブ挿入筒部313とリブ111が当接する。その結果、小さいタッピングネジ5を用いた場合であっても、荷重をリブ111とリブ挿入筒部313で受けることができる。
なお上記では、保存庫として、保冷を行う冷蔵庫を用いて説明を行った。しかしながら、これに限るものではなく、保温を行う温蔵庫に対しても本発明の構成を同様に適用することが可能である。
以上のように、この実施の形態1によれば、前面が開放された箱型部材であり、当該前面の上部に挿入口11を有する断熱容器1と、背面の上部に設けられた開口部251、上面に開口部251に連通して設けられた挿入穴252、及び、開口部251を挟んで挿入穴252に対向して設けられた支持穴261を有する前面扉2と、前面扉2を断熱容器1に対して回動自在に上部で支持するヒンジ機構3と、前面扉2を断熱容器1に対して回動自在に下部で支持する回転機構4とを備え、ヒンジ機構3は、挿入口11に取付け可能であり、一方の面に、開口部251に挿入可能な挿入部314が設けられ、挿入部314に貫通孔315が設けられた回転軸支持部31と、挿入穴252から貫通孔315を介して支持穴261に回動自在に挿入可能な回転軸32と、回転軸32の一端を支持可能な支持部331を有し、挿入穴252に嵌め込み可能な蓋33とを有するので、従来構成に対してヒンジ機構3の周りに設けられる開口及び隠蔽部品の縮小を行うことができ、見栄えを向上することができる。
また、ヒンジ機構3として、回転軸支持部31と回転軸32を分離することで、右開き用と左開き用の両方に兼用可能な構成とすることができる。また、分離構造とすることで、前面扉2の上面の挿入穴252に必要な開口面積は、最小としては回転軸32を差し込むのに必要な面積であり、最大でも軸交換用の工具を挿入するのに必要な面積でよく、従来構成よりも大幅に小型化することができる。また、左右対称の外観としても従来構成よりも安価となる。また、分離構造とすることで、前面扉2の開口部251に必要な開口面積は、回転軸支持部31を挿入するのに必要な面積と、前面扉2の回転を妨げないために必要な面積となる。
また、前面扉2は、扉本体部(扉外郭板21、扉背面板22及び扉下蓋23)と、前面扉2の上部を構成し、扉本体部に取付け可能な扉上蓋24とを有し、扉上蓋24は、裏面が開放された箱型部材であり、開口部251及び挿入穴252が設けられた上蓋本体部25と、上蓋本体部25に裏面から取付け可能であり、支持穴261が設けられた上蓋軸受け部26a,26bとを有するので、保存庫を開閉する際に前面扉2とヒンジ機構3が干渉することがない空間を確保し、前面扉2と断熱容器1との取付け間隔を考慮した上で、ヒンジ機構3周りの開口面積を最小とする設計が可能となる。
また、扉上蓋24は、上蓋本体部25に上蓋軸受け部26a,26bが取付けられた状態において扉本体部に取付け可能とする溝部241が構成されるので、樹脂成形で扉上蓋24の端部に開口部251を形成し、断熱容器1と前面扉2との取付け間隔を狭めることができる。
また、上蓋本体部25は、金型6を用いて樹脂成形され、金型6は、上蓋本体部25の開口部251を除く部位を成形するベースコア61と、上蓋本体部25の開口部251を成形する位置に対向配置され、当該開口部251を成形する突出面624を有する第1の入れ子622と当該突出面624を有しない第2の入れ子623を取替え可能であり、金型6を閉じた状態において、ベースコア61に突出面624を接触させる位置までスライド可能なスライドコア62a〜62dとを有するので、上蓋本体部25を右開き用と左開き用とに関わらず、共通の金型6で樹脂成形することができ、初期投資額を抑えることができる。
また、挿入口11は内部にリブ111を有し、回転軸支持部31は、挿入部314とは反対側の面に、リブ111に嵌め込み可能なリブ挿入筒部313を有するので、回転軸支持部31の取付け空間が狭い場合であっても、リブ111とリブ挿入筒部313で荷重を受けることができる。
また、回転軸支持部31は、前面扉3が右開き用の場合と左開き用の場合とで兼用に構成されたので、共通の金型で樹脂成形が可能となる。
また、回転機構4は、前面扉2に取付け可能な軸受け部41と、一端が断熱容器1に取付けられ、他端が軸受け部41に取付け可能な回転軸42とを有するので、ナイロン樹脂製の軸受け部41とPOM樹脂製の回転軸42を用いることができ、前面扉2に自動閉鎖機能を付加することができる。
また、回転機構4は、前面扉3が右開き用の場合と左開き用の場合とで兼用に構成されたので、共通の金型で樹脂成形が可能となる。
実施の形態2.
実施の形態1では、共通の金型6を用いて、上蓋本体部25を右開き用又は左開き用として成形する場合について示した。しかしながら、この場合には、例えば図2に示すように、使用上機能しない上蓋軸受け部26bも必要となり、部品点数が多くなる。そこで、例えば図10に示すように、右開き用の上蓋本体部25と左開き用の上蓋本体部25とをそれぞれ専用部品として成形し、上蓋軸受け部26a,26bを単一としてもよい。この場合の扉上蓋24の構成以外の構成は、実施の形態1の構成と同様であり、その説明を省略する。
図10に示す専用部品である上蓋本体部25を用いて保存庫を構成した場合には、上蓋軸受け部26a,26bは単一でよいため、実施の形態1に示した保存庫に対して1台当たりの部品点数は少なくなり、安価となる。しかしながら、上蓋本体部25が専用部品となるため、実施の形態1の構成よりも上蓋本体部25の金型6が1つ増え、初期投資額が大きくなる。
また、実施の形態1では、上蓋軸受け部26a,26bは、セット取りとして1つの金型6で成形可能である。一方、概して右開きと左開きの受注数は同じにはならないので、実施の形態2の場合には、上蓋軸受け部26a,26bに対して、左右独立の金型6が必要となる。なお、右開き用の上蓋本体部25及び上蓋軸受け部26aと、左開き用の上蓋本体部25及び上蓋軸受け部26bとで、それぞれセット取りとする方法も考えられるが、製品重量に差があるため、樹脂ランナーの取り回しが複雑になることや、成形条件の設定に困難が出る場合が多いと考えられる。
以上のように、この実施の形態2によれば、上蓋本体部25は一端側に開口部251を有し、上蓋軸受け部26a,26bは1つ設けられたので、実施の形態1の構成に対して1台当たりの部品点数を少なくできる。
実施の形態3.
実施の形態1では、共通の金型6を用いて、上蓋本体部25を右開き用又は左開き用として成形する場合について示した。しかしながら、これに限るものではなく、例えば図11に示すように、両端側に開口部251を成形した上蓋本体部25を用いて左右兼用としてもよい。この場合の上蓋本体部25の構成以外の構成は、実施の形態1の構成と同様であり、その説明を省略する。
図11に示すように、左右兼用の上蓋本体部25を構成する場合には、背面の左右に、回転軸支持部31の挿入部314を挿入可能とする開口部251を形成する。また、左右兼用の上蓋本体部25を用いる場合には、ヒンジ機構3が取付けられない側の開口部251及び挿入穴252に対して隠蔽機構7を取付けて隠蔽を行う。
隠蔽機構7は、図12,13に示すように、背面カバー71、固定軸72及び蓋73から構成される。
背面カバー71は、前面扉2の開口部251に嵌め込み可能に構成されたものである。この背面カバー71には、裏面に、開口部251に挿入可能な挿入部711が設けられている。また、この挿入部711には固定軸72が挿入される貫通孔712が設けられている。
固定軸72は、背面カバー71を固定するものである。この固定軸72は、挿入穴252から貫通孔712を介して支持穴261に挿入される。
蓋73は、固定軸72の一端を支持可能な支持部731を有し、前面扉2の挿入穴252に嵌め込み可能なものである。
そして、実施の形態3の構成では、断熱容器1に前面扉2を取付ける前に、前面扉2を右開き用又は左開き用とするための予備組立を行う。
この予備組立では、図12,13に示すように、前面扉2に対して、ヒンジ機構3を取付けない側の開口部251及び挿入穴252を隠蔽機構7で隠蔽する。この際、まず、背面カバー71を、前面扉2のヒンジ機構3を取付けない側の開口部251に嵌め込む。この際、背面カバー71の挿入部711を上記開口部251に挿入するようにして嵌め込みを行う。そして、固定軸72を、ヒンジ機構3を取付けない側の挿入穴252から貫通孔712を介して支持穴261まで差し込む。そして、蓋73を、上記挿入穴252に嵌め込む。これにより、前面扉2を右開き用又は左開き用として用いることができる。
この実施の形態3では、隠蔽機構7が、右開き用と左開き用で専用部品となるので、その金型分だけ実施の形態1よりも初期投資額が大きくなる。しかしながら、その額は実施の形態2より少ない。
また、右開きとするか左開きとするかの選択をエンドユーザに任せるものとする場合には、保存庫一台につき隠蔽機構7を2組設ける必要があるため、左右セット取りとすることが可能である。しかしながら、この場合には、部品点数が増える(固定軸72を含めて3個増える)ので実施の形態1,2に対して製造コストが大きくなる。また、軸位置を調整すれば、左右兼用も可能であるが、断熱容器1と前面扉2との間隔に制約が発生するので、意匠上の問題が残る。
以上のように、この実施の形態3によれば、上蓋本体部25は両端側に開口部251及び挿入穴252を有し、ヒンジ機構3が取付けられない開口部251及び挿入穴252に取付け可能な隠蔽機構7を備え、隠蔽機構7は、一方の面に、開口部251に挿入可能な挿入部711が設けられ、挿入部711に貫通孔712が設けられ、開口部251に嵌め込み可能な背面カバーと、挿入穴252から背面カバー71の貫通孔712を介して支持穴261に挿入可能な固定軸72と、固定軸72の一端を支持可能な支持部731を有し、挿入穴252に嵌め込み可能な蓋73とを有するので、実施の形態1に対して、前面扉2を右開きとするか左開きとするかをエンドユーザに任せることが可能となる。
また、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
1 断熱容器、2 前面扉、3 ヒンジ機構、4 回転機構、5 タッピングネジ、6 金型、7 隠蔽機構、11 挿入口、12 カバー、13 前脚部、14 挿入穴、15 キャップ、21 扉外郭板、22 扉背面板、23 扉下蓋、24 扉上蓋、25 上蓋本体部、26a,26b 上蓋軸受け部、31 回転軸支持部、32 回転軸、33 蓋、41 軸受け部、42 回転軸、61 ベースコア、62a〜62d スライドコア、71 背面カバー、72 回転軸、73 蓋、111 リブ、112 ネジ穴、221 係合溝、222 注入口、231 溝部、232 挿入穴、241 溝部、251 開口部、252 挿入穴、261 支持穴、621 台座部、622,623 第1,2の入れ子、624 突出面、311 取付け部、312 ネジ穴、313 リブ挿入筒部、314 挿入部、315 貫通孔、331 支持部、421 挿入部、422 挿入部、711 挿入部、712 貫通孔、731 支持部。

Claims (10)

  1. 前面が開放された箱型部材であり、当該前面の上部に挿入口を有する断熱容器と、
    背面の上部に設けられた開口部、上面に前記開口部に連通して設けられた挿入穴、及び、前記開口部を挟んで前記挿入穴に対向して設けられた支持穴を有する前面扉と、
    前記前面扉を前記断熱容器に対して回動自在に上部で支持するヒンジ機構と、
    前記前面扉を前記断熱容器に対して回動自在に下部で支持する回転機構とを備え、
    前記ヒンジ機構は、
    前記挿入口に取付け可能であり、一方の面に、前記開口部に挿入可能な挿入部が設けられ、前記挿入部に貫通孔が設けられた回転軸支持部と、
    前記挿入穴から前記貫通孔を介して前記支持穴に回動自在に挿入可能な回転軸と、
    前記回転軸の一端を支持可能な支持部を有し、前記挿入穴に嵌め込み可能な蓋とを有する
    ことを特徴とする保存庫。
  2. 前記前面扉は、
    扉本体部と、
    前記前面扉の上部を構成し、前記扉本体部に取付け可能な扉上蓋とを有し、
    前記扉上蓋は、
    裏面が開放された箱型部材であり、前記開口部及び前記挿入穴が設けられた上蓋本体部と、
    前記上蓋本体部に裏面から取付け可能であり、前記支持穴が設けられた上蓋軸受け部とを有する
    ことを特徴とする請求項1記載の保存庫。
  3. 前記扉上蓋は、前記上蓋本体部に前記上蓋軸受け部が取付けられた状態において、前記扉本体部に取付け可能とする溝部が構成される
    ことを特徴とする請求項2記載の保存庫。
  4. 前記上蓋本体部は、金型を用いて樹脂成形され、
    前記金型は、
    前記上蓋本体部の前記開口部を除く部位を成形するベースコアと、
    前記上蓋本体部の前記開口部を成形する位置に対向配置され、当該開口部を成形する突出面を有する第1の入れ子と当該突出面を有しない第2の入れ子を取替え可能であり、前記金型を閉じた状態において、前記ベースコアに前記突出面を接触させる位置までスライド可能なスライドコアとを有する
    ことを特徴とする請求項2又は請求項3記載の保存庫。
  5. 前記上蓋本体部は一端側に前記開口部を有し、
    前記上蓋軸受け部は1つ設けられた
    ことを特徴とする請求項2又は請求項3記載の保存庫。
  6. 前記上蓋本体部は両端側に前記開口部及び前記挿入穴を有し、
    前記ヒンジ機構が取付けられない前記開口部及び前記挿入穴に取付けられる隠蔽機構を備え、
    前記隠蔽機構は、
    一方の面に、前記開口部に挿入可能な挿入部が設けられ、前記挿入部に貫通孔が設けられ、前記開口部に嵌め込み可能な背面カバーと、
    前記挿入穴から前記背面カバーの貫通孔を介して前記支持穴に挿入可能な固定軸と、
    前記固定軸の一端を支持可能な支持部を有し、前記挿入穴に嵌め込み可能な蓋とを有する
    ことを特徴とする請求項2又は請求項3記載の保存庫。
  7. 前記挿入口は内部にリブを有し、
    前記回転軸支持部は、前記挿入部とは反対側の面に、前記リブに嵌め込み可能なリブ挿入筒部を有する
    ことを特徴とする請求項1から請求項6のうちのいずれか1項記載の保存庫。
  8. 前記回転軸支持部は、前記前面扉が右開き用の場合と左開き用の場合とで兼用に構成された
    ことを特徴とする請求項1から請求項7のうちのいずれか1項記載の保存庫。
  9. 前記回転機構は、
    前記前面扉に取付け可能な軸受け部と、
    一端が前記断熱容器に取付けられ、他端が前記軸受け部に取付け可能な回転軸とを有する
    ことを特徴とする請求項1から請求項8のうちのいずれか1項記載の保存庫。
  10. 前記回転機構は、前記前面扉が右開き用の場合と左開き用の場合とで兼用に構成された
    ことを特徴とする請求項1から請求項9のうちのいずれか1項記載の保存庫。
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