以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る積層コンデンサを示す斜視図である。図2は、図1に示す積層コンデンサのII−II線での断面構成を示す図である。図3は、図1に示す積層コンデンサのIII−III線での断面構成を示す図である。図4は、図1に示す積層コンデンサの素体の分解斜視図である。
図1に示すように、積層コンデンサ1は、略直方体形状に構成された素体2と、素体2内に配置された第1及び第2内部電極3,4と、素体2の両端部側に配置された第1及び第2端子電極5,6と、を備えている。積層コンデンサ1は、例えば、長さLが0.4mm〜1.6mm程度に設定され、幅Wが0.2mm〜0.8mm程度に設定され、高さHが0.10mm〜035mm程度に設定されている。積層コンデンサ1は、いわゆる低背型コンデンサとして構成されている。
素体2は、素体2の長手方向に向かい合って互いに平行をなす一対の第1及び第2端面2a,2bと、第1及び第2端面2a,2b間を連結するように伸び且つ互いに対向する一対の第1及び第2主面2c,2dと、第1及び第2主面2c,2dを連結するように伸び且つ互いに対向する一対の第1及び第2側面2e,2fと、を有する。素体2は、第1及び第2主面2c,2dの間の寸法が、第1及び第2端面2a,2bの間の寸法、及び、第1及び第2側面2e,2fの間の寸法よりも小さい。
素体2は、図4に示すように、複数の長方形板状の誘電体層7と、複数(ここではそれぞれ3つ)の第1内部電極3及び第2内部電極4とが積層された積層体として構成されている。第1内部電極3と第2内部電極4とは、素体2内において誘電体層7の積層方向、すなわち素体2の第1主面2cと第2主面2dとが対向する方向に沿ってそれぞれ一層ずつ配置されている。第1内部電極3と第2内部電極4とは、少なくとも一層の誘電体層7を挟むように対向配置されている。実際の積層コンデンサ1では、複数の誘電体層7は、互いの間の境界が視認できない程度に一体化されている。
第1内部電極3は、主電極部3aと、引き出し部3bと、を有している。主電極部3aは、第2内部電極4(主電極部4a)と対向配置されている。主電極部3aは、略矩形形状を呈している。引き出し部3bは、主電極部3aから第1端子電極5の配置された素体2の第1端面2aに伸び、第1端面2aに露出して第1端子電極5(第1焼付電極層5a)と直接的に接続されている。これにより、第1内部電極3と第1端子電極5とは、電気的に接続されることとなる。引き出し部3bは、主電極部3aと同等の幅を有している。これにより、第1内部電極3は、全体として略矩形形状を呈している。
第2内部電極4は、主電極部4aと、引き出し部4bと、を有している。主電極部4aは、第1内部電極3(主電極部3a)と対向配置されている。主電極部4aは、略矩形形状を呈している。引き出し部4bは、主電極部4aから第2端子電極6の配置された素体2の第2端面2bに伸び、第2端面2bに露出して第2端子電極6(第1焼付電極層6a)と直接的に接続されている。これにより、第2内部電極4と第2端子電極6とは、電気的に接続されることとなる。引き出し部4bは、主電極部4aと同等の幅を有している。これにより、第2内部電極4は、全体として略矩形形状を呈している。
図2に示すように、積層コンデンサ1の素体2において、最上部(第1主面2cに最も近い位置)に配置された第1内部電極3と、最下部(第2主面2dに最も近い位置)に配置された第1内部電極3との間の内層寸法を「D1」とする。また、素体2において、素体2の第1主面2cを構成する誘電体層7の最上層(保護層)と、最上部に配置された第1内部電極3との間の外層寸法を「D2」とする。素体2における外層寸法D2の部分は、複数の誘電体層7が積層されて構成されている。素体2の主面2dを構成する誘電体層7の最下層と、最下部に配置された第1内部電極3との間の外層寸法を「D3」とする。素体2における外層寸法D3の部分は、複数の誘電体層7が積層されて構成されている。
積層コンデンサ1の素体2では、内層寸法D1と外層寸法D2及び外層寸法D3とが以下の関係を満たしている。
D1≒D2,D3
すなわち、内層寸法D1と外層寸法D2,D3とは略同等であり、内層の厚みと、それを挟む一対の外層の厚みとは略同等である。なお、ここで言う略同等とは、例えば5μm程度の誤差を含む。
第1端子電極5は、第1端面2a、第2主面2c,2d、及び、第1及び第2側面2e,2fを覆うように配置されている。第1端子電極5は、第1端面2a、第1及び第2主面2c,2d、及び、第1及び第2側面2e,2fにわたって連続して配置されている。第1端子電極5は、第1焼付電極層5aと、第2焼付電極層5bと、めっき層5cと、を有している。
第1焼付電極層5aは、内部電極3の引き出し部3bが引き出される素体2の第1端面2aと、第1及び第2主面2c,2d、及び、第1及び第2側面2e,2fとに配置されている。第2主面2c,2d、及び、第1及び第2側面2e,2fに配置された第1焼付電極層5aは、第2端面2b側に延在している。第1焼付電極層5aは、金属(例えば、Cu,Ni,Ag、Pd、Au、又はPtなど)を含有する導電性ペースト、あるいは金属とガラス成分(例えば、ホウケイ酸ガラスなど)とを含有する導電性ペーストを例えばディップ工法により素体2に付与し、その導電性ペーストを所定の温度で焼き付けて形成されている。第1焼付電極層5aのガラス成分の含有比率は、例えば0〜5%、好ましくは1〜5%である。
第2焼付電極層5bは、第1焼付電極層5a上に配置されている。第2焼付電極層5bは、第1焼付電極層5a上において、素体2の第1端面2aに対応する位置と、第1及び第2主面2c,2d、及び、第1及び第2側面2e,2fに対応する位置の縁部とに配置されている。第1及び第2主面2c,2d、及び、第1及び第2側面2e,2fに配置された第2焼付電極層5bの長さ寸法は、第1焼付電極層5aの長さ寸法よりも小さい。
第2焼付電極層5bは、金属とガラス成分とを含有する導電性ペーストを例えばディップ工法により第1焼付電極層5a上に付与し、その導電性ペーストを所定の温度で焼き付けて形成されている。第2焼付電極層5bのガラス成分の含有比率は、例えば5〜10%である。すなわち、第1焼付電極層5aのガラス成分の含有比率は、第2焼付電極層5bのガラス成分の含有比率よりも低い。
めっき層5cは、第1焼付電極層5a及び第2焼付電極層5bの全体を覆って配置されている。めっき層5cは、例えば、Cuめっき、Niめっき、Snめっきなどの単層構造又はこれらを組み合わせた多層構造である。また、最外層は、Snめっき、もしくは、Cuめっきであることが好ましい。
第2端子電極6は、第2端面2b、第1及び第2主面2c,2d、及び、第1及び第2側面2e,2fを覆うように配置されている。第2端子電極6は、第2端面2b、第1及び第2主面2c,2d、及び、第1及び第2側面2e,2fにわたって連続して配置されている。図2に示す第1端子電極5と第2端子電極6との離間距離Gは、図2に示す第1及び第2端子電極5,6の第1及び第2端面2a,2bの対向方向の長さ(幅)H1、及び、図3に示す第1及び第2端子電極5,6の第1及び第2側面2e,2fの対向方向の長さ(幅)H2よりも小さい。
第2端子電極6は、第1焼付電極層6aと、第2焼付電極層6bと、めっき層6cと、を有している。第1焼付電極層6aは、内部電極4の引き出し部4bが引き出される素体2の第1端面2bと、第1及び第2主面2c,2d、及び、第1及び第2側面2e,2fとに配置されている。第1及び第2主面2c,2d、及び、第1及び第2側面2e,2fに配置された第1焼付電極層6aは、第2端面2a側に延在している。第1焼付電極層6aは、第1焼付電極層5aと同様に形成されている。
第2焼付電極層6bは、第1焼付電極層6a上に配置されている。第2焼付電極層6bは、第1焼付電極層6a上において、素体2の第1端面2bに対応する位置と、第1及び第2主面2c,2d、及び、第1及び第2側面2e,2fに対応する位置の縁部とに配置されている。第1及び第2主面2c,2d、及び、第1及び第2側面2e,2fに配置された第2焼付電極層6bの長さ寸法は、第1焼付電極層6aの長さ寸法よりも小さい。第2焼付電極層6bは、第1焼付電極層6bと同様に形成されている。第1焼付電極層6aのガラス成分の含有比率は、第2焼付電極層6bのガラス成分の含有比率よりも低い。
めっき層6cは、第1焼付電極層6a及び第2焼付電極層6bの全体を覆って配置されている。めっき層6cは、例えば、Cuめっき、Niめっき、Snめっきなどの単層構造又はこれらを組み合わせた多層構造である。
図5は、図1に示す積層コンデンサの実装構造の断面構成を示す図である。図5に示すように、積層コンデンサ1は、基板(回路基板)10に埋め込まれて実装される。基板10は、絶縁性の複数の樹脂シート11が積層されて構成されている。積層コンデンサ1は、基板10の表面に形成された電極13,14とビア導体15,16により電気的に接続されている。
積層コンデンサ1の実装構造では、基板10に積層コンデンサ1を埋め込んだ後、レーザでビアホールHを形成し、そのビアホールHに無電解めっきでビア導体15,16が形成される。積層コンデンサ1の実装構造では、ビア導体15,16が形成された後、ビア導体15,16と物理的且つ電気的に接続されるように基板10上に電極13,14が形成される。
第1端子電極5には、ビア導体15が物理的且つ電気的に接続されている。このとき、第1端子電極5が素体2の主面2cに配置されているため、第1端子電極5とビア導体15との接続を確実に行うことができる。これにより、第1端子電極5と電極13とが電気的に接続されている。第2端子電極6には、ビア導体16が物理的且つ電気的に接続されている。このとき、第2端子電極6が素体2の主面2cに配置されているため、第2端子電極6とビア導体16との接続を確実に行うことができる。これにより、第2端子電極6と電極14とが電気的に接続されている。
以上説明したように、本実施形態の積層コンデンサ1では、第1焼付電極層5a,6aのガラス成分の含有比率は、第2焼付電極層5b,6bのガラス成分の含有比率よりも低い。これにより、積層コンデンサ1では、第1焼付電極層5a,5bの金属の含有比率が比較的高いため、第1及び第2端子電極5,6と第1及び第2内部電極3,4との接続性を維持できる。また、積層コンデンサ1では、第2焼付電極層5b,6bのガラス成分の含有比率が比較的高いため、素体2や第1焼付電極層5a,6aとの密着性が確保される。したがって、第1及び第2端子電極5,6の密着性の向上が図れる。
本実施形態の積層コンデンサ1では、第1焼付電極層5a,6aは、素体2の第1、第2端面2a,2b、第1及び第2主面2c,2d、及び、第1及び第2側面2e,2fに配置されており、第2焼付電極層5b,6bは、素体2の第1、第2端面2a,2b側の縁部に配置されている。このような構成により、積層コンデンサ1では、第1及び第2主面2c,2dに第1焼付電極層5a,5bが配置されるため、第1及び第2端子電極5,6の第1及び第2主面2c,2d側の平滑性を確保できる。また、積層コンデンサ1では、素体2の第1及び第2主面2c,2dに第2焼付電極層5b,6bがほとんど配置されないため、第1及び第2端子電極5,6の第1及び第2主面2c,2d側の厚みを小さくできる。
本実施形態の積層コンデンサ1では、第1及び第2主面2c,2dに配置される第1及び第2端子電極5,6の幅H1,H2は,第1端子電極5と第2端子電極6との離間距離Gよりも大きい。これにより、積層コンデンサ1では、第1及び第2端子電極5,6の面積が確保されている。そのため、積層コンデンサ1では、基板10に実装する際に、ビア導体15,16との接触領域を大きくできるため、ビア導体15,16との接続をより確実に行うことができる。
本実施形態の積層コンデンサ1では、D1≒D2,D3の関係を満たしている。これにより、積層コンデンサ1では、第1内部電極3と第1及び第2主面2c,2dとの間の厚みを比較的大きくしているため、この厚み部分が保護層として機能し、積層コンデンサ1において構造欠陥を抑制できる。また、この構成の積層コンデンサ1では、静電容量を確保できる。
上記実施形態では、第1端子電極5及び第2端子電極6がめっき層5c,6cをそれぞれ有している構成を一例に説明したが、めっき層5c,6cは設けられなくてもよい。図6は、積層コンデンサの変形例の断面構成を示す図である。図6に示すように、積層コンデンサ1Aは、素体2と、第1及び第2内部電極3,4と、第1及び第2端子電極5A,6Aと、を備えている。
第1端子電極5Aは、第1焼付電極層5Aaと、第2焼付電極層5Abと、を有している。第2端子電極6Aは、第1焼付電極層6Aaと、第2焼付電極層6Abと、を有している。
図7は、積層コンデンサの実装構造の断面構成を示す図である。図7に示すように、第1端子電極5Aの第1焼付電極層5Aaには、ビア導体15が物理的且つ電気的に直接接続されている。このとき、第1焼付電極層5Aaは、ガラス成分の含有比率が比較的低い(金属の含有量が多い)ため、ビア導体15と確実にめっき等で接続される。第2端子電極6Aの第1焼付電極層6Aaには、ビア導体16が物理的且つ電気的に直接接続されている。このとき、第1焼付電極層6Aaは、ガラス成分の含有比率が比較的低いため、ビア導体16と確実にめっき等で接続される。これにより、第2端子電極6Aと電極14とが電気的に接続されている。
[第2実施形態]
続いて、第2実施形態について説明する。図8は、第2実施形態に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。図8に示すように、積層コンデンサ20は、略直方体形状に構成された素体2と、素体2内に配置された第1及び第2内部電極3,4と、素体2の両端部側に配置された第1及び第2端子電極21,22と、を備えている。
第1端子電極21は、第1焼付電極層21aと、第2焼付電極層21bと、めっき層21cと、を有している。第1焼付電極層21aは、第1内部電極3の引き出し部3bが引き出される第1端面2aと、第1及び第2主面2c,2d、及び、第1及び第2側面2e,2fの縁部とを覆うように配置されている。第1焼付電極層21aは、第1端面2a、第1及び第2主面2c,2d、及び、第1及び第2側面2e,2fにわたって連続して配置されている。
第1焼付電極層21aは、金属を含有する導電性ペースト、あるいは金属とガラス成分とを含有する導電性ペーストを例えばディップ工法により素体2に付与し、その導電性ペーストを所定の温度で焼き付けて形成されている。第1焼付電極層21aのガラス成分の含有比率は、例えば0〜5%、好ましくは1〜5%である。
第2焼付電極層21bは、第1焼付電極層21a上に配置されていると共に、素体2の第1及び第2主面2c,2d、及び、第1及び第2側面2e,2f上に配置されている。第2焼付電極層21bは、第1焼付電極層21aを覆うと共に、第2主面2c,2d、及び、第1及び第2側面2e,2fにおいて、第2端面2b側に延在している。第1及び第2主面2c,2d、及び、第1及び第2側面2e,2fに配置された第2焼付電極層21bの長さ寸法は、第1焼付電極層21aの長さ寸法よりも大きい。
第2焼付電極層21bは、金属とガラス成分とを含有する導電性ペーストを例えばディップ工法により第1焼付電極層21a上及び素体2の第1及び第2主面2c,2d、及び、第1及び第2側面2e,2f上に付与し、その導電性ペーストを所定の温度で焼き付けて形成されている。第2焼付電極層21bのガラス成分の含有比率は、例えば5〜10%である。すなわち、第1焼付電極層21aのガラス成分の含有比率は、第2焼付電極層21bのガラス成分の含有比率よりも低い。
めっき層21cは、第2焼付電極層21bの全体を覆って配置されている。めっき層21cは、例えば、Cuめっき、Niめっき、Snめっきなどの単層構造又はこれらを組み合わせた多層構造である。
第2端子電極22は、第1焼付電極層22aと、第2焼付電極層22bと、めっき層22cと、を有している。第1焼付電極層22aは、第2内部電極4の引き出し部4bが引き出される第1端面2bと、第1及び第2主面2c,2d、及び、第1及び第2側面2e,2fの縁部とを覆うように配置されている。第1焼付電極層22aは、第1焼付電極層22bと同様に形成されている。
第2焼付電極層22bは、第1焼付電極層21a上に配置されていると共に、素体2の第1及び第2主面2c,2d、及び、第1及び第2側面2e,2f上に配置されている。第2焼付電極層22bは、第1焼付電極層22aを覆うと共に、第2主面2c,2d、及び、第1及び第2側面2e,2fにおいて、第1端面2a側に延在している。第1及び第2主面2c,2d、及び、第1及び第2側面2e,2fに配置された第2焼付電極層22bの長さ寸法は、第1焼付電極層22aの長さ寸法よりも大きい。第2焼付電極層22bは、第2焼付電極層21bと同様に形成されている。第1焼付電極層22aのガラス成分の含有比率は、第2焼付電極層22bのガラス成分の含有比率よりも低い。
めっき層22cは、第2焼付電極層22bの全体を覆って配置されている。めっき層21cは、例えば、Cuめっき、Niめっき、Snめっきなどの単層構造又はこれらを組み合わせた多層構造である。
図9は、図8に示す積層コンデンサの実装構造の断面構成を示す図である。図9に示すように、積層コンデンサ20は、基板10に埋め込まれて実装される。第1端子電極21には、ビア導体15が物理的且つ電気的に接続されている。このとき、第1端子電極21が素体2の主面2cに配置されているため、第1端子電極21とビア導体15との接続を確実に行うことができる。これにより、第1端子電極21と電極13とが電気的に接続されている。第2端子電極22には、ビア導体16が物理的且つ電気的に接続されている。このとき、第2端子電極22が素体2の主面2cに配置されているため、第2端子電極22とビア導体16との接続を確実に行うことができる。これにより、第2端子電極22と電極14とが電気的に接続されている。
本実施形態の積層コンデンサ20では、第1焼付電極層21a,22aは、素体2の第1、第2端面2a,2b側の縁部に配置されており、第2焼付電極層21b,22bは、第1焼付電極層21a,22a上と、第1及び第2主面2c,2d、及び、第1及び第2側面2e,2fとに配置されている。このように、積層コンデンサ20では、素体2の第1及び第2主面2c,2dに第1焼付電極層21a,22aがほとんど配置されないため、第1及び第2端子電極21,22の第1及び第2主面2c,2d側の厚みを小さくできる。また、積層コンデンサ20では、ガラス成分の含有比率が比較的高い第2焼付電極層21b,22bが素体2の第1及び第2主面2c,2dに配置されるため、第1及び第2端子電極21,22の第1及び第2主面2c,2d側(ビア導体15,16とのコンタクト部分)において第1及び第2端子電極21,22と素体2との密着性を確保できる。
[第3実施形態]
続いて、第3実施形態について説明する。図10は、第3実施形態に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。図11(a)は、図10に示す積層コンデンサのa−a線での断面構成を示す図であり、図11(b)は、図10に示す積層コンデンサのb−b線での断面構成を示す図である。図12は、図10に示す積層コンデンサの素体の分解斜視図である。
図10に示すように、積層コンデンサ30は、略直方体形状に構成された素体2と、素体2内に配置された第1及び第2内部電極33,34と、素体2の両端部側に配置された第1及び第2端子電極31,32と、を備えている。
図12に示すように、第1内部電極33は、主電極部33aと、引き出し部33bと、を有している。主電極部33aは、第2内部電極34(主電極部34a)と対向配置されている。主電極部33aは、略矩形形状を呈している。引き出し部33bは、主電極部33aから第1端子電極31の配置された素体2の第1及び第2側面2e,2fのそれぞれに伸び、第1及び第2側面2e,2fに露出して第1端子電極31(第1焼付電極層31a)と直接的に接続されている。これにより、第1内部電極33と第1端子電極31とは、電気的に接続されることとなる。
第2内部電極34は、主電極部34aと、引き出し部34bと、を有している。主電極部34aは、第1内部電極33(主電極部33a)と対向配置されている。主電極部34aは、略矩形形状を呈している。引き出し部34bは、主電極部34aから第2端子電極32の配置された素体2の第1及び第2側面2e,2fのそれぞれに伸び、第1及び第2側面2e,2fに露出して第2端子電極32(第1焼付電極層32a)と直接的に接続されている。これにより、第2内部電極34と第2端子電極32とは、電気的に接続されることとなる。
図10及び図11に示すように、第1端子電極31は、第1端面2a、第1及び第2主面2c,2d、及び、第1及び第2側面2e,2fを覆うように配置されている。第1端子電極31は、第1端面2a、第1及び第2主面2c,2d、及び、第1及び第2側面2e,2fにわたって連続して配置されている。第1端子電極31は、第1焼付電極層31aと、第2焼付電極層31bと、めっき層31cと、を有している。
第1焼付電極層31aは、素体2の第1端面2aと、第1及び第2主面2c,2d、及び、第1内部電極33の引き出し部33bが引き出される第1及び第2側面2e,2fとに配置されている。第1及び第2主面2c,2d、及び、第1及び第2側面2e,2fに配置された第1焼付電極層31aは、第2端面2b側に延在している。第1焼付電極層31aは、金属を含有する導電性ペースト、あるいは金属とガラス成分とを含有する導電性ペーストを例えばディップ工法により素体2に付与し、その導電性ペーストを所定の温度で焼き付けて形成されている。第1焼付電極層31aのガラス成分の含有比率は、例えば0〜5%、好ましくは1〜5%である。
第2焼付電極層31bは、第1焼付電極層31a上に配置されている。第2焼付電極層31bは、第1焼付電極層31a上において、素体2の第1及び第2側面2e,2fに対応する位置に配置されている。なお、第2焼付電極層31bは、素体2の第1主面2cの縁部と第2主面2dの縁部に跨っていてもよい。
第2焼付電極層31bは、金属とガラス成分とを含有する導電性ペーストを例えば転写により第1焼付電極層31a上に付与し、その導電性ペーストを所定の温度で焼き付けて形成されている。第2焼付電極層31bのガラス成分の含有比率は、例えば5〜10%である。すなわち、第1焼付電極層31aのガラス成分の含有比率は、第2焼付電極層31bのガラス成分の含有比率よりも低い。
めっき層31cは、第1焼付電極層31a及び第2焼付電極層31bの全体を覆って配置されている。めっき層31cは、例えば、Cuめっき、Niめっき、Snめっきなどの単層構造又はこれらを組み合わせた多層構造である。
第2端子電極32は、第2端面2b、第1及び第2主面2c,2d、及び、第1及び第2側面2e,2fを覆うように配置されている。第2端子電極32は、第2端面2b、第1及び第2主面2c,2d、及び、第1及び第2側面2e,2fにわたって連続して配置されている。第2端子電極32は、第1焼付電極層32aと、第2焼付電極層32bと、めっき層32cと、を有している。
第1焼付電極層32aは、素体2の第2端面2bと、第1及び第2主面2c,2d、及び、第2内部電極34の引き出し部34bが引き出される第1及び第2側面2e,2fとに配置されている。第1及び第2主面2c,2d、及び、第1及び第2側面2e,2fに配置された第1焼付電極層32aは、第1端面2a側に延在している。第1焼付電極層32aは、第1焼付電極層31aと同様に形成されている。
第2焼付電極層32bは、第1焼付電極層32a上に配置されている。第2焼付電極層32bは、第1焼付電極層32a上において、素体2の第1及び第2側面2e,2fに対応する位置に配置されている。なお、第2焼付電極層31bは、素体2の第1主面2cの縁部と第2主面2dの縁部に跨っていてもよい。第2焼付電極層32bは、第2焼付電極層31bと同様に形成されている。第1焼付電極層32aのガラス成分の含有比率は、第2焼付電極層32bのガラス成分の含有比率よりも低い。
めっき層32cは、第1焼付電極層32a及び第2焼付電極層32bの全体を覆って配置されている。めっき層32cは、例えば、Cuめっき、Niめっき、Snめっきなどの単層構造又はこれらを組み合わせた多層構造である。
以上説明したように、本実施形態に係る積層コンデンサ30では、第1及び第2内部電極33,34の引き出し部33b,34bが素体2の第1及び第2側面2e,2fに引き出されている。これにより、積層コンデンサ30では、引き出し部33bと引き出し部34bとの間の距離を小さくすることができるので、低ESLとすることができる。
なお、積層コンデンサ30では、第1及び第2端子電極31,32が素体2の第1、第2端面2a,2b、第1及び第2主面2c,2d、及び、第1及び第2側面2e,2fを覆うように配置されているが、端子電極は、第1、第2端面2a,2bには形成されなくてもよいし、第1及び第2主面2c,2dのいずれか一方の主面だけに形成されてもよい。この場合、例えば印刷工法などで端子電極を形成すればよい。
[第4実施形態]
続いて、第4実施形態について説明する。図13は、第4実施形態に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。図14(a)は、図13に示す積層コンデンサのa−a線での断面構成を示す図であり、図14(b)は、図13に示す積層コンデンサのb−b線での断面構成を示す図である。図15は、図15に示す積層コンデンサの素体の分解斜視図である。
図13に示すように、積層コンデンサ40は、略直方体形状に構成された素体2と、素体2内に配置された第1及び第2内部電極43,44と、素体2の両端部側に配置された第1及び第2端子電極41,42と、を備えている。
図15に示すように、第1内部電極43は、主電極部43aと、引き出し部43bと、を有している。主電極部43aは、第2内部電極44(主電極部44a)と対向配置されている。主電極部43aは、略矩形形状を呈している。引き出し部43bは、主電極部43aから第1端子電極41の配置された素体2の第2側面2fに伸び、第2側面2fに露出して第1端子電極41(第1焼付電極層41a)と直接的に接続されている。これにより、第1内部電極43と第1端子電極41とは、電気的に接続されることとなる。
第2内部電極44は、主電極部44aと、引き出し部44bと、を有している。主電極部44aは、第1内部電極43(主電極部43a)と対向配置されている。主電極部44aは、略矩形形状を呈している。引き出し部44bは、主電極部44aから第2端子電極42の配置された素体2の第2側面2fに伸び、第2側面2fに露出して第2端子電極42(第1焼付電極層42a)と直接的に接続されている。これにより、第2内部電極44と第2端子電極42とは、電気的に接続されることとなる。
図13及び図14に示すように、第1端子電極41は、第1端面2a、第1及び第2主面2c,2d、及び、第1及び第2側面2e,2fを覆うように配置されている。第1端子電極41は、第1端面2a、第1及び第2主面2c,2d、及び、第1及び第2側面2e,2fにわたって連続して配置されている。第1端子電極41は、第1焼付電極層41aと、第2焼付電極層41bと、めっき層41cと、を有している。
第1焼付電極層41aは、素体2の第1端面2aと、第1及び第2主面2c,2d、及び、第1及び第2側面2e,2fとに配置されている。第1及び第2主面2c,2d、及び、第1及び第2側面2e,2fに配置された第1焼付電極層41aは、第2端面2b側に延在している。第1焼付電極層41aは、金属を含有する導電性ペースト、あるいは金属とガラス成分とを含有する導電性ペーストを例えばディップ工法により素体2に付与し、その導電性ペーストを所定の温度で焼き付けて形成されている。第1焼付電極層41aのガラス成分の含有比率は、例えば0〜5%、好ましくは1〜5%である。
第2焼付電極層41bは、第1焼付電極層41a上に配置されている。第2焼付電極層41bは、第1焼付電極層41a上において、素体2の第2側面2fに対応する位置に配置されている。
第2焼付電極層41bは、金属とガラス成分とを含有する導電性ペーストを例えば転写により第1焼付電極層41a上に付与し、その導電性ペーストを所定の温度で焼き付けて形成されている。第2焼付電極層41bのガラス含有比率は、例えば5〜10%である。すなわち、第1焼付電極層41aのガラス成分の含有比率は、第2焼付電極層41bのガラス成分の含有比率よりも低い。
めっき層41cは、第1焼付電極層41a及び第2焼付電極層41bの全体を覆って配置されている。めっき層41cは、例えば、Cuめっき、Niめっき、Snめっきなどの単層構造又はこれらを組み合わせた多層構造である。
第2端子電極42は、第2端面2b、第1及び第2主面2c,2d、及び、第1及び第2側面2e,2fを覆うように配置されている。第2端子電極42は、第2端面2b、第1及び第2主面2c,2d、及び、第1及び第2側面2e,2fにわたって連続して配置されている。第2端子電極42は、第1焼付電極層42aと、第2焼付電極層42bと、めっき層42cと、を有している。
第1焼付電極層42aは、素体2の第2端面2bと、第1及び第2主面2c,2d、及び、第1及び第2側面2e,2fとに配置されている。第1及び第2主面2c,2d、及び、第1及び第2側面2e,2fに配置された第1焼付電極層42aは、第1端面2a側に延在している。第1焼付電極層42aは、第1焼付電極層41aと同様に形成されている。
第2焼付電極層42bは、第1焼付電極層42a上に配置されている。第2焼付電極層42bは、第1焼付電極層41a上において、素体2の第2側面2fに対応する位置に配置されている。第2焼付電極層42bは、第2焼付電極層41bと同様に形成されている。第1焼付電極層42aのガラス成分の含有比率は、第2焼付電極層42bのガラス成分の含有比率よりも低い。
めっき層42cは、第1焼付電極層42a及び第2焼付電極層42bの全体を覆って配置されている。めっき層42cは、例えば、Cuめっき、Niめっき、Snめっきなどの単層構造又はこれらを組み合わせた多層構造である。
以上説明したように、本実施形態に係る積層コンデンサ40では、第1及び第2内部電極43,44の引き出し部43b,44bが素体2の第2側面2fに引き出されている。これにより、積層コンデンサ30では、引き出し部43bと引き出し部44bとの間の距離を小さくすることができるので、低ESLとすることができる。
なお、積層コンデンサ40では、第1及び第2端子電極41,42が素体2の第1、第2端面2a,2b、第1及び第2主面2c,2d、及び、第1及び第2側面2e,2fを覆うように配置されているが、端子電極は、第1、第2端面2a,2bには形成されなくてもよいし、第1及び第2主面2c,2dのいずれか一方の主面だけに形成されてもよい。この場合、例えば印刷工法などで端子電極を形成すればよい。
[第5実施形態]
続いて、第5実施形態について説明する。図16は、第5実施形態に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。図17(a)は、図16に示す積層コンデンサのa−a線での断面構成を示す図であり、図17(b)は、図16に示す積層コンデンサのb−b線での断面構成を示す図である。
図16に示すように、積層コンデンサ50は、略直方体形状に構成された素体2と、素体2内に配置された第1及び第2内部電極33,34と、素体2の両端部側に配置された第1及び第2端子電極51,52と、を備えている。
図16及び図17に示すように、第1端子電極51は、第1端面2a、第1及び第2主面2c,2d、及び、第1及び第2側面2e,2fを覆うように配置されている。第1端子電極51は、第1端面2a、第1及び第2主面2c,2d、及び、第1及び第2側面2e,2fにわたって連続して配置されている。第1端子電極51は、第1焼付電極層51aと、第2焼付電極層51bと、めっき層51cと、を有している。
第1焼付電極層51aは、第1内部電極33の引き出し部33bが引き出される素体2の第1及び第2側面2e,2fに配置されている。なお、第1焼付電極層51aは、素体2の第1主面2cの縁部と第2主面2dの縁部に跨っていてもよい。第1焼付電極層51aは、金属を含有する導電性ペースト、あるいは金属とガラス成分とを含有する導電性ペーストを例えば転写により第1及び第2側面2e,2fに付与し、その導電性ペーストを所定の温度で焼き付けて形成されている。第1焼付電極層51aのガラス成分の含有比率は、例えば0〜5%、好ましくは1〜5%である。
第2焼付電極層51bは、素体2の第1端面2a、及び、第1及び第2主面2c,2dと、第1焼付電極層51a上(第1及び第2側面2e,2fに対応する位置)に配置されている。第1及び第2主面2c,2d、及び、第1及び第2側面2e,2fに配置された第2焼付電極層51bは、第2端面2b側に延在している。第2焼付電極層51bは、金属とガラス成分とを含有する導電性ペーストを例えばディップ工法により素体2及び第1焼付電極層51a上に付与し、その導電性ペーストを所定の温度で焼き付けて形成されている。第2焼付電極層51bのガラス成分の含有比率は、例えば5〜10%である。すなわち、第1焼付電極層51aのガラス成分の含有比率は、第2焼付電極層51bのガラス成分の含有比率よりも低い。
めっき層51cは、第2焼付電極層51bの全体を覆って配置されている。めっき層51cは、例えば、Cuめっき、Niめっき、Snめっきなどの単層構造又はこれらを組み合わせた多層構造である。
第2端子電極52は、第2端面2b、第1及び第2主面2c,2d、及び、第1及び第2側面2e,2fを覆うように配置されている。第2端子電極52は、第2端面2b、第1及び第2主面2c,2d、及び、第1及び第2側面2e,2fにわたって連続して配置されている。第2端子電極52は、第1焼付電極層52aと、第2焼付電極層52bと、めっき層52cと、を有している。
第1焼付電極層52aは、第1内部電極34の引き出し部34bが引き出される素体2の第1及び第2側面2e,2fに配置されている。なお、第1焼付電極層52aは、素体2の第1主面2cの縁部と第2主面2dの縁部に跨っていてもよい。第1焼付電極層52aは、第1焼付電極層51aと同様に形成されている。
第2焼付電極層52bは、素体2の第1端面2b、及び、第1及び第2主面2c,2dと、第1焼付電極層52a上(第1及び第2側面2e,2fに対応する位置)に配置されている。第1及び第2主面2c,2d、及び、第1及び第2側面2e,2fに配置された第2焼付電極層52bは、第2端面2a側に延在している。第2焼付電極層52bは、第2焼付電極層51bと同様に形成されている。第1焼付電極層52aのガラス成分の含有比率は、第2焼付電極層52bのガラス成分の含有比率よりも低い。
めっき層52cは、第2焼付電極層52bの全体を覆って配置されている。めっき層52cは、例えば、Cuめっき、Niめっき、Snめっきなどの単層構造又はこれらを組み合わせた多層構造である。
以上説明したように、本実施形態に係る積層コンデンサ50では、第1及び第2内部電極33,34の引き出し部33b,34bが素体2の第1及び第2側面2e,2fに引き出されている。これにより、積層コンデンサ50では、引き出し部33bと引き出し部34bとの間の距離を小さくすることができるので、低ESLとすることができる。
なお、積層コンデンサ50では、第1及び第2端子電極51,52が素体2の第1、第2端面2a,2b、第1及び第2主面2c,2d、及び、第1及び第2側面2e,2fを覆うように配置されているが、端子電極は、第2、第2端面2a,2bには形成されなくてもよいし、第1及び第2主面2c,2dのいずれか一方の主面だけに形成されてもよい。この場合、例えば印刷工法などで端子電極を形成すればよい。
[第6実施形態]
続いて、第6実施形態について説明する。図18は、第6実施形態に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。図19(a)は、図18に示す積層コンデンサのa−a線での断面構成を示す図であり、図19(b)は、図18に示す積層コンデンサのb−b線での断面構成を示す図である。
図18に示すように、積層コンデンサ60は、略直方体形状に構成された素体2と、素体2内に配置された第1及び第2内部電極43,44と、素体2の両端部側に配置された第1及び第2端子電極61,62と、を備えている。
図18及び図19に示すように、第1端子電極61は、第1端面2a、第1及び第2主面2c,2d、及び、第1及び第2側面2e,2fを覆うように配置されている。第1端子電極61は、第1端面2a、第1及び第2主面2c,2d、及び、第1及び第2側面2e,2fにわたって連続して配置されている。第1端子電極61は、第1焼付電極層61aと、第2焼付電極層61bと、めっき層61cと、を有している。
第1焼付電極層61aは、第1内部電極43の引き出し部43bが引き出される素体2の第2側面2fに配置されている。なお、第1焼付電極層61aは、素体2の第1主面2cの縁部と第2主面2dの縁部に跨っていてもよい。第1焼付電極層61aは、金属を含有する導電性ペースト、あるいは金属とガラス成分とを含有する導電性ペーストを例えば転写により第2側面2fに付与し、その導電性ペーストを所定の温度で焼き付けて形成されている。第1焼付電極層61aのガラス成分の含有比率は、例えば0〜5%、好ましくは1〜5%である。
第2焼付電極層61bは、素体2の第1端面2a、第1及び第2主面2c,2d、及び第1側面2eと、第1焼付電極層61a上(第2側面2fに対応する位置)に配置されている。第1及び第2主面2c,2d、及び、第1及び第2側面2e,2fに配置された第2焼付電極層61bは、第2端面2b側に延在している。第2焼付電極層61bは、金属とガラス成分とを含有する導電性ペーストを例えばディップ工法により素体2及び第1焼付電極層61a上に付与し、その導電性ペーストを所定の温度で焼き付けて形成されている。第2焼付電極層61bのガラス成分の含有比率は、例えば5〜10%である。すなわち、第1焼付電極層61aのガラス成分の含有比率は、第2焼付電極層61bのガラス成分の含有比率よりも低い。
めっき層61cは、第2焼付電極層61bの全体を覆って配置されている。めっき層61cは、例えば、Cuめっき、Niめっき、Snめっきなどの単層構造又はこれらを組み合わせた多層構造である。
第2端子電極62は、第2端面2b、第1及び第2主面2c,2d、及び、第1及び第2側面2e,2fを覆うように配置されている。第2端子電極62は、第2端面2b、第1及び第2主面2c,2d、及び、第1及び第2側面2e,2fにわたって連続して配置されている。第2端子電極62は、第1焼付電極層62aと、第2焼付電極層62bと、めっき層62cと、を有している。
第1焼付電極層62aは、第1内部電極44の引き出し部44bが引き出される素体2の第2側面2fに配置されている。なお、第1焼付電極層62aは、素体2の第1主面2cの縁部と第2主面2dの縁部に跨っていてもよい。第1焼付電極層62aは、第1焼付電極層61aと同様に形成されている。
第2焼付電極層62bは、素体2の第1端面2b、第1及び第2主面2c,2d、及び第2側面2eと、第1焼付電極層62a上(第2側面2fに対応する位置)に配置されている。第1及び第2主面2c,2d、及び、第1及び第2側面2e,2fに配置された第2焼付電極層62bは、第2端面2a側に延在している。第2焼付電極層62bは、第2焼付電極層61bと同様に形成されている。第1焼付電極層62aのガラス成分の含有比率は、第2焼付電極層62bのガラス成分の含有比率よりも低い。
めっき層62cは、第2焼付電極層62bの全体を覆って配置されている。めっき層62cは、例えば、Cuめっき、Niめっき、Snめっきなどの単層構造又はこれらを組み合わせた多層構造である。
以上説明したように、本実施形態に係る積層コンデンサ60では、第1及び第2内部電極43,44の引き出し部43b,44bが素体2の第2側面2fに引き出されている。これにより、積層コンデンサ60では、引き出し部43bと引き出し部44bとの間の距離を小さくすることができるので、低ESLとすることができる。
なお、積層コンデンサ60では、第1及び第2端子電極61,62が素体2の第1、第2端面2a,2b、第1及び第2主面2c,2d、及び、第1及び第2側面2e,2fを覆うように配置されているが、端子電極は、第1、第2端面2a,2bには形成されなくてもよいし、第1及び第2主面2c,2dのいずれか一方の主面だけに形成されてもよい。この場合、例えば印刷工法などで端子電極を形成すればよい。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、第1実施形態では、第1及び第2端子電極5,6が第1焼付電極層5a,6aと第2焼付電極層5b,6bとをそれぞれ有し、第1焼付電極層5a,6aのガラス含有比率が第2焼付電極層5b,6bのガラス含有比率よりも低い構成を一例に説明したが、第1及び第2端子電極5,6が、ガラス成分の含有量の少ない第1の領域と、ガラス成分の含有量の多い第2の領域とを有する構成であってもよい。この構成の場合、第1の領域は、引き出し部との接合領域(接合部分)に配置されており、第2の領域は、第1及び第2の端子電極の外表面側に配置される。第2,3,4,5,6実施形態についても同様である。