JP6263631B2 - 組成物、膜、光学機器、化合物 - Google Patents

組成物、膜、光学機器、化合物 Download PDF

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Description

本発明は、所定の構造を有する化合物を含む組成物、この組成物より得られる膜、この膜を含む光学機器、および、組成物に含まれる化合物に関する。
従来、光学材料等に使用される組成物(樹脂や重合性化合物を含有する組成物)より形成される膜に対して高い屈折率が求められている。また、種々の部材に応用する上でパターン形成が必要な場合があるため、上記組成物には現像性および硬化性に優れることも求められている。
このようななか、例えば、特許文献1には、アルカリ可溶性感光性樹脂組成物が開示されており、その成分として、重合性基およびフルオレン骨格を有する化合物が開示されている。
特開平10−161315号公報
近年、光学機器(固体撮像素子、表示装置など)の高機能化や小型化に伴い、光学材料として使用される組成物に対して、屈折率、現像性および硬化性のさらなる向上が求められている。
本発明者らが、特許文献1に記載の組成物について検討したところ、上記3つの性能の鼎立ができず、さらなる改良が必要であることが確認された。
本発明は、上記実情を鑑みて、高い屈折率を示す膜を形成することができ、かつ、優れた現像性および硬化性も示す組成物を提供することを課題とする。
また、本発明は、上記組成物より形成される膜、上記膜を含む光学機器、および、化合物を提供することも課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定構造の化合物を使用することで、所望の効果が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
(1) 後述する一般式(1)で表される化合物を含む組成物。
(2) 一般式(1)中、ArとArが連結している、(1)に記載の組成物。
(3) 化合物が、後述する一般式(2)で表される化合物である、(1)または(2)に記載の組成物。
(4) 一般式(2)中、ArおよびArの少なくとも1つが多環芳香族基である、(3)に記載の組成物。
(5) 酸基がカルボン酸基である、(1)〜(4)のいずれかに記載の組成物。
(6) さらに、一般式(1)で表される化合物以外の重合性化合物を含む、(1)〜(5)のいずれかに記載の組成物。
(7) さらに、酸基と重合性基とを有するポリマーを含む、(1)〜(6)のいずれかに記載の組成物。
(8) ポリマーが、さらに芳香環基を有する、(7)に記載の組成物。
(9) 酸基および重合性基を含む置換基が、一般式(X−1)で表される基である、(1)〜(8)のいずれかに記載の組成物。
(10) (1)〜(9)のいずれかに記載の組成物より形成される膜。
(11) (10)に記載の膜を含む光学機器。
(12) 後述する一般式(1)で表される化合物。
(13) 一般式(1)中、ArとArが連結している、(12)に記載の化合物。
(14) 一般式(1)が一般式(2)で表される、(12)または(13)に記載の化合物。
(15) 一般式(2)中、ArおよびArの少なくとも1つが多環芳香族基である、(14)に記載の化合物。
(16) 酸基がカルボン酸基である、(12)〜(15)のいずれかに記載の化合物。
(17) 酸基および重合性基を含む置換基が、一般式(X−1)で表される基である、(12)〜(16)のいずれかに記載の化合物。
本発明によれば、高い屈折率を示す膜を形成することができ、かつ、優れた現像性および硬化性も示す組成物を提供することができる。
また、本発明によれば、上記組成物より形成される膜、上記膜を含む光学機器、および、化合物を提供することができる。
本発明の組成物をカラーフィルタの下地剤として使用した表示装置の一態様の1画素分の断面図である。 A−2のH−NMRチャートである。
以下に、本発明の組成物等について説明する。
なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレートまたはメタクリレートを表し、(メタ)アクリロイルオキシとは、アクリロイルオキシまたはメタクリロイルオキシを表す。
さらに、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
<組成物>
本発明の組成物には、一般式(1)で表される化合物が含まれる。
一般式(1)中、Ar〜Arは、それぞれ独立に、芳香環基を表す。芳香環基は、後述するように、置換基を有していてもよい。また、Ar〜Arは、互いに単結合または2価の連結基で連結していてもよい。
芳香環基の種類は特に制限されず、芳香族炭化水素基(アリール基)、芳香族複素環基(ヘテロアリール基)、または、これらを組み合わせた基などが挙げられる。
芳香族炭化水素基を構成する環の具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環、トリフェニレン環、ピレン環、ナフタセン環、ビフェニル環(2個のフェニル基は任意の連結様式で連結してもよい)、ターフェニル環(3個のフェニル基は任意の連結様式で連結してもよい)などが挙げられる。
芳香族複素環基としては、例えば、5員、6員もしくは7員の環またはその縮合環からなる芳香族複素環基が挙げられる。芳香族複素環基に含まれるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子など挙げられる。芳香族複素環基を構成する環の具体例としては、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、オキサジアゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、フラザン環、テトラゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、テトラジン環、ベンゾフラン環、イソベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、インドール環、インドリン環、イソインドール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、インダゾール環、ベンゾイミダゾール環、キノリン環、イソキノリン環、シンノリン環、フタラジン環、キナゾリン環、キノキサリン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、カルバゾール環、アクリジン環、フェナントリジン環、フェナントロリン環、フェナジン環、ナフチリジン環、プリン環、プテリジン環などが挙げられる。
なお、Ar〜Arの少なくとも1つが多環芳香族基であり、形成される膜の屈折率がより優れる、現像性に優れる、および、硬化性に優れる、のうち少なくとも1つを満足する点(以後、単に「本発明の効果がより優れる点」とも称する)で、Ar〜Arのうち2〜4つが多環芳香族基であることがより好ましい。
多環芳香族基とは、複数の芳香環基が縮合して形成された基であり、具体的には、多環芳香族炭化水素基(多環芳香族炭化水素環基)または多環芳香族複素環基が挙げられる。
ここで、多環芳香族炭化水素基とは、2個以上の環を有する芳香族炭化水素環からなる基であり、より具体的には、2個以上の単環芳香族炭化水素環(ベンゼン環)を有する縮合環の基である。なかでも、2個以上の単環芳香族炭化水素環同士が縮環した環からなる基であるのが好ましい。
多環芳香族炭化水素基を構成する環の具体例としては、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環、アセナフチレン環、クリセン環、フルオランテン環、ピレン環、トリフェニレン環、テトラセン環、ベンゾピレン環、ピセン環、ペリレン環、ペンタセン環、ヘキサセン環、ヘプタセン環、コロネン環などが挙げられる。なかでも、ナフタレン環が好ましい。
また、多環芳香族複素環基とは、2個以上の環を有する芳香族複素環からなる基であり、より具体的には、2個以上の環を有し、かつ、1個以上の単環芳香族複素環を有する縮合環の基である。なかでも、1個以上の単環芳香族炭化水素環と1個以上の単環複素環とが縮環した環からなる基、または、2個以上の単環複素環が縮環した環からなる基であるのが好ましい。
多環芳香族複素環基を構成する環の具体例としては、アクリジン環、ベンゾキノリン環、カルバゾール環、フェナジン環、フェナントリジン環、フェナントロリン環、カルボリン環、サイクラジン環、キンドリン環、テペニジン環、キニンドリン環、トリフェノジチアジン環、トリフェノジオキサジン環、フェナントラジン環、アントラジン環、ペリミジン環、ジアザカルバゾール環(カルボリン環を構成する炭素原子の任意の1つが窒素原子で置き換わったものを表す)、フェナントロリン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、ナフトフラン環、ナフトチオフェン環、ベンゾジフラン環、ベンゾジチオフェン環、ナフトジフラン環、ナフトジチオフェン環、アントラフラン環、アントラジフラン環、アントラチオフェン環、アントラジチオフェン環、チアントレン環、フェノキサチイン環、チオファントレン環(ナフトチオフェン環)などが挙げられる。
多環芳香族複素環基を構成する単環複素環は特に制限されないが、その具体例としては、例えば、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、オキサジアゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、フラザン環、テトラゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、テトラジン環などが挙げられる。
Ar〜Arには、後述する置換基が含まれていてもよい。
置換基の種類としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アンモニオ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルまたはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルまたはアリールスルフィニル基、アルキルまたはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールまたはヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、ホスホノ基、シリル基、ヒドラジノ基、ウレイド基、ボロン酸基(−B(OH))、ホスファト基(−OPO(OH))、スルファト基(−OSOH)、または、これらの基を組み合わせた基などが挙げられる。
なお、上記化合物は、以下の要件1または要件2を満たす。
要件1:Ar〜Arの少なくとも1つが、酸基および重合性基を含む置換基を有する。
要件2:Ar〜Arの少なくとも1つが酸基を含む置換基を有し、かつ、Ar〜Arの少なくとも1つが重合性基を含む置換基を有する。
以下、各要件について詳述する。
(要件1)
要件1は、Ar〜Arの少なくとも1つが、酸基および重合性基を含む置換基(以後、単に「置換基X」とも称する)を有することを意図する。なお、置換基Xは、いわゆる1価の置換基である。
要件1においては、Ar〜Arの少なくとも1つが置換基Xを有していればよく、Ar〜Arの2つ以上に置換基Xが含まれていてもよい。また、複数の置換基Xは、Ar〜Arのいずれか1つに複数置換されていてもよい。さらに、Ar〜Arには、置換基X以外の置換基が含まれていてもよい。
置換基Xに含まれる「酸基」として、例えば、カルボン酸基、スルホン酸基、モノ硫酸エステル基、リン酸基、モノリン酸エステル基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、ホウ酸基が好ましい例として挙げられ、カルボン酸基、スルホン酸基、モノ硫酸エステル基、リン酸基、モノリン酸エステル基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基がより好ましく、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基が更に好ましく、カルボン酸基が特に好ましい。
置換基Xに含まれる「重合性基」としては、例えば、ラジカル重合性基、カチオン重合性基などが挙げられる。
ラジカル重合性基としては、一般に知られているラジカル重合性基を用いることができ、好適なものとしてラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する重合性基を挙げることができ、具体的にはビニル基、(メタ)アクリロイルオキシ基などを挙げることができる。中でも、(メタ)アクリロイルオキシ基が好ましく、アクリロイルオキシ基がより好ましい。
カチオン重合性基としては、一般に知られているカチオン重合性基を用いることができ、具体的には、脂環式エーテル基、環状アセタール基、環状ラクトン基、環状チオエーテル基、スピロオルソエステル基、ビニルオキシ基などを挙げることができる。中でも、脂環式エーテル基、ビニルオキシ基が好適であり、エポキシ基、オキセタニル基、ビニルオキシ基が特に好ましい。
置換基Xには、2つ以上の酸基が含まれていてもよく、その場合、酸基の種類は同一でも異なっていてもよい。
置換基Xには、2つ以上の重合性基が含まれていてもよく、その場合、重合性基の種類は同一でも異なっていてもよい。
置換基Xに酸基および重合性基が含まれる態様としては、鎖状飽和炭化水素基(直鎖状でも分岐状であってもよく、炭素数1〜10であることが好ましい)、環状飽和炭化水素基(炭素数3〜10であることが好ましい)、芳香族基(炭素数5〜10であることが好ましく、例えば、フェニレン基)等などの連結基を介して酸基および重合性基が結合し1価の置換基を形成する態様等が挙げられる。
置換基Xの好適態様としては、一般式(X−1)で表される基が挙げられる。なお、以下式中、「*」は結合位置を表す。
一般式(X−1)中、LX1、LX2、および、LX3は、それぞれ独立に、単結合または2価の連結基を表す。
2価の連結基としては、1から100個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、1個から200個までの水素原子、及び0個から20個までの硫黄原子から成り立つ基が含まれ、無置換でも置換基を更に有していてもよい。
より具体的には、2価の連結基としては、例えば、2価の鎖状飽和炭化水素基(直鎖状でも分岐状であってもよく、炭素数1〜20であることが好ましい)、2価の環状飽和炭化水素基(炭素数3〜20であることが好ましい)、2価の芳香族基(炭素数5〜20であることが好ましく、例えば、フェニレン基)、−O−、−S−、−SO−、−NR−、−CO−、−NH−、−COO−、−CONR−、−O−CO−O−、−SO−、−NHCOO−、−SONR−、−NH−CO−NH−、または、これらを2種以上組み合わせた基(例えば、アルキレンオキシ基、アルキレンオキシカルボニル基、アルキレンカルボニルオキシ基など)などが挙げられる。ここで、Rは、水素原子またはアルキル基(好ましくは炭素数1〜10)を表す。
2価の連結基は置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、メチル基、エチル基等の炭素数1から20までのアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6から16までのアリール基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基等の炭素数1から6までのアシルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1から6までのアルコキシ基、塩素、臭素等のハロゲン原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2から7までのアルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネート等の炭酸エステル基等が挙げられる。
一般式(X−1)中、Wは3価の連結基を表す。3価の連結基としては、上記LX1〜LX3で表される2価の連結基の上記した具体例から1個の任意の水素原子を除してなる基を好適に挙げることができる。より具体的には、−CH<、−N<などが挙げられる。
一般式(X−1)中、Vは酸基を表す。酸基の定義は、上述の通りである。
一般式(X−1)中、Vは重合性基を表す。重合性基の定義は、上述の通りである。
(要件2)
要件2は、Ar〜Arの少なくとも1つが酸基を含む置換基(以後、単に「置換基Y」とも称する)を有し、かつ、Ar〜Arの少なくとも1つが重合性基を含む置換基(以後、単に「置換基Z」とも称する)を有することを意図する。なお、置換基Yおよび置換基Zは、いわゆる1価の置換基である。
要件2においては、Ar〜Arの少なくとも1つが置換基Yを有していればよく、Ar〜Arの2つ以上に置換基Yが含まれていてもよい。また、複数の置換基Yは、Ar〜Arのいずれか1つに複数置換されていてもよい。
要件2においては、Ar〜Arの少なくとも1つが置換基Zを有していればよく、Ar〜Arの2つ以上に置換基Zが含まれていてもよい。また、複数の置換基Zは、Ar〜Arのいずれか1つに複数置換されていてもよい。
さらに、Ar〜Arのいずれか1つに、置換基Yおよび置換基Zが共に置換していてもよい。
なお、Ar〜Arには、置換基Yおよび置換基Z以外の置換基が含まれていてもよい。
置換基Yに含まれる酸基の定義は、上述の通りである。置換基Yには、少なくとも1つの酸基が含まれ、2つ以上の酸基が含まれていてもよい。2つ以上の酸基が含まれる場合、酸基の種類は同一でも異なっていてもよい。
置換基Zに含まれる重合性基の定義は、上述の通りである。置換基Zには、少なくとも1つの重合性基が含まれ、2つ以上の重合性基が含まれていてもよい。2つ以上の重合性基が含まれる場合、重合性基の種類は同一でも異なっていてもよい。
置換基Yの好適態様としては、一般式(Y−1)で表される基が挙げられる。なお、以下式中、「*」は結合位置を表す。
一般式(Y−1) *−LY1−V
上記一般式(Y−1)中、LY1は、単結合または2価の連結基を表す。2価の連結基の具体例および好適な態様は、上述したLX1〜LX3で表される2価の連結基と同じである。なお、LY1には、Vがさらに置換していてもよい。
一般式(Y−1)中、Vは、酸基を表す。
置換基Zの好適態様としては、一般式(Z−1)で表される基が挙げられる。なお、以下式中、「*」は結合位置を表す。
一般式(Z−1) *−LZ1−V
上記一般式(Z−1)中、LZ1は、単結合または2価の連結基を表す。2価の連結基の具体例および好適な態様は、上述したLX1〜LX3で表される2価の連結基と同じである。なお、LZ1には、Vがさらに置換していてもよい。
一般式(Z−1)中、Vは、重合性基を表す。
(好適態様)
上記一般式(1)で表される化合物の好適態様の一つとしては、本発明の効果がより優れる点で、ArとArとが連結していることが挙げられる。ここで、「ArとArとが連結している」とは、ArとArとが単結合または2価の連結基を介して連結していることを表す。2価の連結基の具体例および好適な態様は、上述したLX1〜LX3で表される2価の連結基と同じである。
上記一般式(1)で表される化合物の最好適態様としては、本発明の効果がより優れる点で、一般式(2)で表される化合物が挙げられる。
一般式(2)中、Ar〜Ar、および、Ar〜Arは、それぞれ独立に、芳香環基を表す。芳香環基の定義は、上述の通りである。なお、芳香環基は、置換基を有していてもよい。また、Ar〜Arは、それぞれ一般式(2)中の2つの炭素原子を含む形で芳香環基を構成する。
なお、Ar〜Ar、および、Ar〜Arの少なくとも1つが多環芳香族基であり、本発明の効果がより優れる点で、Ar〜Ar、および、Ar〜Arのうち2〜4つが多環芳香族基であることがより好ましい。なかでも、本発明の効果がより優れる点で、Ar〜Arの少なくとも1つが多環芳香族基であることが好ましい。なお、Ar〜Arの少なくとも1つが多環芳香族基である場合、Ar〜Arは、それぞれ一般式(2)中の2つの炭素原子を含む形で多環芳香環基を構成する。
なお、上記化合物は、以下の要件3または要件4を満たす。
要件3:Ar〜Ar、および、Ar〜Arの少なくとも1つが、酸基および重合性基(上記置換基X)を含む置換基を有する。
要件4:Ar〜Ar、および、Ar〜Arの少なくとも1つが酸基を含む置換基(上記置換基Y)を有し、かつ、Ar〜Ar、および、Ar〜Arの少なくとも1つが重合性基を含む置換基(上記置換基Z)を有する。
要件3においては、Ar〜Ar、および、Ar〜Arの少なくとも1つが置換基Xを有していればよく、Ar〜Ar、および、Ar〜Arの2つ以上に置換基Xが含まれていてもよい。また、複数の置換基Xは、Ar〜Ar、および、Ar〜Arのいずれか1つに複数置換されていてもよい。さらに、Ar〜Ar、および、Ar〜Arには、置換基X以外の置換基が含まれていてもよい。
なお、置換基Xの定義および好適態様は、上述の通りである。
要件4においては、Ar〜Ar、および、Ar〜Arの少なくとも1つが置換基Y(または、置換基Z)を有していればよく、Ar〜Ar、および、Ar〜Arの2つ以上に置換基Y(または、置換基Z)が含まれていてもよい。また、複数の置換基Y(または、複数の置換基Z)は、Ar〜Ar、および、Ar〜Arのいずれか1つに複数置換されていてもよい。さらに、Ar〜Ar、および、Ar〜Arには、置換基Y(または、置換基Z)以外の置換基が含まれていてもよい。さらに、Ar〜Ar、および、Ar〜Arのいずれか1つに、置換基Yおよび置換基Zが共に置換していてもよい。
なお、置換基Yおよび置換基Zの定義および好適態様は、上述の通りである。
一般式(1)で表される化合物の合成方法は、特に制限されないが、公知の方法を組み合わせて合成することができる。
<組成物>
本発明の組成物は、上記一般式(1)で表される化合物を含む。なお、組成物中においては、一般式(1)で表される化合物は1種のみを使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の組成物より形成される膜を高屈折率膜として使用する場合、組成物中に含まれる一般式(1)で表される化合物の含有量としては、本発明の効果がより優れる点で、組成物中の全固形分に対して、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、30質量%以上がさらに好ましい。上限は特に制限されないが、100質量%が挙げられ、後述する他の任意成分が含まれる場合、80質量%以下の場合が多く、60質量%以下の場合が多い。
なお、固形分とは、後述する膜を形成する成分を意図し、溶剤は含まれない。
<その他任意成分>
組成物には、上記一般式(1)で表される化合物以外の他の化合物が含まれていてもよく、例えば、重合性化合物、ポリマー、重合開始剤、界面活性剤、シランカップリング剤、無機粒子、溶剤、重合禁止剤などが含まれていてもよい。
以下、組成物に含まれていてもよい任意成分の代表例について詳述する。
(重合性化合物)
組成物中には、一般式(1)で表される化合物とは異なる、重合性化合物が含まれていてよい。重合性化合物が使用され、かつ、硬化処理が施されることにより、形成される膜の強度が向上する。
重合性化合物の種類は特に制限されず、公知の重合性化合物を使用することができる。重合性化合物に含まれる重合性基の種類は特に制限されず、例えば、置換基Xに含まれる重合性基が挙げられる。
重合性化合物中における重合性基の数は特に制限されないが、形成される膜の強度がより優れる点で、2つ以上の重合性基が含まれることが好ましい。言い換えると、多官能重合性化合物であることが好ましい。
なお、組成物中には、1種の重合性化合物のみを含有させても、2種以上の重合性化合物を含有させてもよい。
重合性化合物としては特に制限されないが、例えば、エチレン性不飽和結合を含む化合物が挙げられる。エチレン性不飽和結合を含む化合物の例としては、特開2013−253224号公報の段落0033〜0034の記載を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
エチレン性不飽和結合を含む化合物としては、エチレンオキシ変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート(市販品としてはNKエステルATM−35E;新中村化学社製)、ジペンタエリスリトールトリアクリレート(市販品としては KAYARAD D−330;日本化薬株式会社製)、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート(市販品としては KAYARAD D−320;日本化薬株式会社製)、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート(市販品としては KAYARAD D−310;日本化薬株式会社製)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(市販品としては KAYARAD DPHA ;日本化薬株式会社製)、およびこれらの(メタ)アクリロイル基がエチレングリコール、プロピレングリコール残基を介している構造が好ましい。またこれらのオリゴマータイプも使用できる。
また、特開2012−251125号公報(対応する国際公開第2012/153826号)の段落[0107]〜[0118]や特開2012−255148号公報(対応する国際公開第2012−157784号)の段落[0114]〜[0128]等に記載の重合性化合物が援用でき、これらの内容は本願明細書に取り込まれる。
重合性化合物の他の好適態様としては、下記一般式(M1)で表される重合性化合物が挙げられる。
上記一般式(M1)中、Ar11〜Ar14は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香環基を表し、Ar11〜Ar14のうち1つ以上は重合性基を有する置換基を含む。また、Ar11〜Ar14は、それぞれ互いに連結していてもよく、Ar13とAr14とが連結していることが好ましい。
Ar11〜Ar14で表される芳香環基の定義は、一般式(1)中のAr〜Arで表される芳香環基の定義と同義であり、好適態様も同じである。
また、Ar11〜Ar14が含む置換基が有する上記重合性基は、ラジカル重合性基であることが好ましい。
Ar11〜Ar14のうち1つ以上は重合性基を有する置換基を含む。なかでも、形成される膜の強度がより優れる点で、Ar11〜Ar14のうち2〜4個が重合性基を有する置換基を含むことが好ましく、Ar11〜Ar14のうち2または3個が重合性基を有する置換基を含むことがより好ましく、Ar11〜Ar14のうち2個が重合性基を有する置換基を含むことが特に好ましい。
なお、重合性基を有する置換基の構造は特に限定されないが、本発明の効果がより優れる点で、以下一般式(M2)で表される基が好ましい。
一般式(M2) *−L−V
は、単結合または2価の連結基を表す。2価の連結基の具体例および好適な態様は、上述したLX1〜LX3で表される2価の連結基と同じである。
は、重合性基を表す。重合性基の定義は、上述の通りである。
上記一般式(M1)中、Ar11〜Ar14は、それぞれ互いに連結していてもよい。Ar11〜Ar14がそれぞれ互いに連結したときに形成されることとなる環は、脂環であることが好ましい。Ar11〜Ar14がそれぞれ互いに連結するときの連結基としては、単結合、−O−などを挙げることができ、単結合であることが好ましい。Ar11〜Ar14がそれぞれ互いに連結するときに形成される環(Ar11〜Ar14がそれぞれ互いに連結するときの連結基を含む1つの環を意味し、Ar11〜Ar14がそれぞれ互いに連結した結果として形成された縮合環全体ではない)の環員数は5または6であることが好ましく、5であることがより好ましい。
Ar11〜Ar14がそれぞれ互いに連結している場合、Ar11〜Ar14のうち互いに隣り合う2つが連結していることが好ましく、Ar13およびAr14が連結していることがより好ましく、Ar11〜Ar14のうちAr13およびAr14のみが連結していることが特に好ましい。
組成物に重合性化合物が含まれる場合、組成物中に含まれる重合性化合物の含有量としては、本発明の効果がより優れる点で、組成物中の全固形分に対して、20〜95質量%が好ましく、30〜80質量%がより好ましく、35〜60質量%がさらに好ましい。
また、一般式(1)で表される化合物と重合性化合物との質量比は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、一般式(1)で表される化合物100質量部に対して、重合性化合物の含有量が10〜120質量部であることが好ましく、30〜90質量部であることがより好ましい。
なお、組成物中においては、重合性化合物は1種のみを使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(ポリマー)
組成物には、ポリマーが含まれていてもよく、本発明の効果がより優れる点で、酸基と重合性基とを有するポリマーが好ましい。
酸基および重合性基の具体例および好適な態様は、一般式(1)で表される化合物中の酸基および重合性基とそれぞれ同じである。
ポリマー中での酸基および重合性基の位置は特に制限されないが、側鎖または末端が挙げられる。また、ポリマーには、酸基を有する繰り返し単位、および、重合性基を有する繰り返し単位が含まれることが好ましい。
さらに、形成される膜の屈折率がより優れる点で、ポリマーには芳香環基が含まれることが好ましい。芳香環基の具体例および好適な態様は、一般式(1)で表される化合物中の芳香環基と同じである。なお、ポリマーには、芳香環基を有する繰り返し単位が含まれることが好ましい。
ポリマーの主骨格は特に制限されないが、例えば、アクリルポリマー、ポリエーテル、アクリルアミド、ポリアミド、ポリイミド、アクリルポリマー、ポリエステル等が好ましいが、アクリルポリマーであることがより好ましい。
ポリマーの重量平均分子量は特に制限されないが、1,000〜100,000であることが好ましく、1,000〜30,000であることがより好ましく、5,000〜30,000であることがさらに好ましく、7,000〜20,000であることがよりさらに好ましい。
なお、本明細書において重量平均分子量は、以下条件にてGPC(Gel Permeation Chromatography)(溶媒:THF(tetrahydrofuran))により測定されたポリスチレン換算値である。
・本体:HLC−8220GPC(東ソー製)
・カラム:ガードカラム(HZ−L)、TSK gel Super(HZM−M)、TSK gel Super(HZ4000)、TSK gel Super(HZ3000)、TSK gel Super(HZ2000)を連結したもの
・溶離液:テトラヒドロフラン
・送液条件:サンプルポンプ 0.35mL/min、リファレンスポンプ 0.2mL/min
・カラム温調:40℃
・測定サンプル:0.1wt%濃度(0.5μmメンプレンフィルターろ過実施)
・注入量:10μm
・測定時間:26分
上記ポリマーの好適態様としては、本発明の効果がより優れる点で、一般式(A)で表される繰り返し単位、一般式(B)で表される繰り返し単位、および、一般式(C)で表される繰り返し単位を含むポリマーが挙げられる。
一般式(A)〜(C)中、R1A、R1B、および、R1Cは、それぞれ独立に、水素原子、または、アルキル基(好ましくは、炭素数1〜3のアルキル基)を表す。
一般式(A)〜(C)中、L1A、L1B、および、L1Cは、それぞれ独立に、単結合または2価の連結基を表す。2価の連結基の具体例および好適な態様は、上述したLX1〜LX3で表される2価の連結基と同じである。
一般式(A)中、R2Aは、酸基を表す。
一般式(B)中、R2Bは、重合性基を表す。
一般式(C)中、R2Cは、芳香環基を表す。
組成物にポリマーが含まれる場合、組成物中に含まれるポリマーの含有量としては、本発明の効果がより優れる点で、組成物中の全固形分に対して、10〜95質量%が好ましく、20〜80質量%がより好ましい。
また、一般式(1)で表される化合物とポリマーとの質量比は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、一般式(1)で表される化合物100質量部に対して、ポリマーの含有量が10〜200質量部であることが好ましく、20〜150質量部であることがより好ましい。
なお、組成物中においては、ポリマーは1種のみを使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(重合開始剤)
重合開始剤としては、光、熱のいずれか、または、その双方により重合性化合物の重合を開始する能力を有する限り、特に制限はないが、光重合開始剤であることが好ましい。光で重合を開始させる場合、紫外線領域から可視の光線に対して感光性を有するものが好ましい。
また、熱で重合を開始させる場合には、150〜250℃で分解する重合開始剤が好ましい。
重合開始剤としては、少なくとも芳香族基を有する化合物であることが好ましく、例えば、アシルホスフィン化合物、アセトフェノン化合物、α−アミノケトン化合物、ベンゾフェノン化合物、ベンゾインエーテル化合物、ケタール誘導体化合物、チオキサントン化合物、オキシム化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、トリハロメチル化合物、アゾ化合物、有機過酸化物、ジアゾニウム化合物、ヨードニウム化合物、スルホニウム化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物等のオニウム塩化合物、有機硼素塩化合物、ジスルホン化合物、チオール化合物などが挙げられる。
上記重合開始剤としては、特開2013−253224号公報の段落0217〜0228の記載を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
オキシム化合物としては、市販品であるIRGACURE−OXE01(BASF社製)、IRGACURE−OXE02(BASF社製)を用いることができる。アセトフェノン系開始剤としては、市販品であるIRGACURE−907、IRGACURE−369、および、IRGACURE−379(商品名:いずれもBASFジャパン社製)を用いることができる。また、アシルホスフィン系開始剤としては、市販品であるIRGACURE−819やDAROCUR−TPO(商品名:いずれもBASFジャパン社製)を用いることができる。
また、特開2012−251125号公報(対応する国際公開第2012/153826号)の段落[0119]〜[0215]や特開2012−255148号公報(対応する国際公開第2012−157784号)の段落[0129]〜[0226]等に記載の重合開始剤が援用でき、これらの内容は本願明細書に取り込まれる。
組成物に重合開始剤が含まれる場合、組成物中に含まれる重合開始剤の含有量としては、本発明の効果がより優れる点で、組成物中の全固形分に対して、0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。
(界面活性剤)
界面活性剤としては特に制限されないが、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などの各種界面活性剤を使用できる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、メガファックF171、同F172、同F173、同F176、同F177、同F141、同F142、同F143、同F144、同R30、同F437、同F475、同F479、同F482、同F554、同F780、同F781(以上、DIC(株)製)、フロラードFC430、同FC431、同FC171(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC1068、同SC−381、同SC−383、同S393、同KH−40(以上、旭硝子(株)製)、PF636、PF656、PF6320、PF6520、PF7002(OMNOVA社製)等が挙げられる。
界面活性剤としては、特開2012−251125号公報(対応する国際公開第2012/153826号)の段落[0256]〜[0264]や特開2012−255148号公報(対応する国際公開第2012−157784号)の段落[0295]〜[0303]等に記載の界面活性剤が援用でき、これらの内容は本願明細書に取り込まれる。
組成物に界面活性剤が含まれる場合、組成物中に含まれる界面活性剤の含有量としては、本発明の効果がより優れる点で、組成物中の全固形分に対して、0.01〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましい。
(シランカップリング剤)
シランカップリング剤としては特に制限されないが、例えば、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピル−メチルジメトキシシラン(信越化学工業社製商品名 KBM−602)、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピル−トリメトキシシラン(信越化学工業社製商品名 KBM−603)、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピル−トリエトキシシラン(信越化学工業社製商品名 KBE−602)、γ−アミノプロピル−トリメトキシシラン(信越化学工業社製商品名 KBM−903)、γ−アミノプロピル−トリエトキシシラン(信越化学工業社製商品名 KBE−903)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製商品名 KBM−503)などが挙げられる。
組成物にシランカップリング剤が含まれる場合、組成物中に含まれるシランカップリング剤の含有量としては、本発明の効果がより優れる点で、組成物中の全固形分に対して、0.01〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましい。
(重合禁止剤)
本発明の組成物の製造中あるいは保存中において重合性化合物の不要な重合を阻止するために、組成物には重合禁止剤が含まれていてもよい。
重合禁止剤としては、フェノール系水酸基含有化合物、N−オキシド化合物類、ピペリジン1−オキシルフリーラジカル化合物類、ピロリジン1−オキシルフリーラジカル化合物類、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン類、ジアゾニウム化合物類、カチオン染料類、スルフィド基含有化合物類、ニトロ基含有化合物類、FeCl、CuCl等の遷移金属化合物類が挙げられる。
組成物に重合禁止剤が含まれる場合、組成物中に含まれる重合禁止剤の含有量としては、本発明の効果がより優れる点で、組成物中の全固形分に対して、0.001〜1質量%が好ましく、0.001〜0.5質量%がより好ましい。
(無機粒子)
無機粒子としては、屈折率が高く、無色、白色または透明な無機粒子であることが好ましく、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、亜鉛(Zn)またはマグネシウム(Mg)の酸化物粒子が挙げられ、二酸化チタン(TiO2)粒子、酸化ジルコニウム(ZrO2)粒子または二酸化珪素(SiO2)粒子であることがより好ましい。
無機粒子の一次粒子径は特に制限されず、1〜100nmが好ましく、1〜80nmがより好ましく、1〜50nmが特に好ましい。無機粒子の一次粒子径が上記範囲内であれば、分散性が優れると共に、屈折率及び透過率が向上する。
無機粒子の屈折率は特に制限はないが、高屈折率を得る観点から、1.75〜2.70であることが好ましく、1.90〜2.70であることがより好ましい。
無機粒子の比表面積は特に制限はないが、10〜400m2/gが好ましく、20〜200m2/gがより好ましく、30〜150m2/gがさらに好ましい。
また、無機粒子の形状には特に制限はなく、例えば、米粒状、球形状、立方体状、紡錘形状または不定形状などが挙げられる。
無機粒子は、有機化合物により表面処理されたものであってもよい。表面処理に用いる有機化合物の例には、ポリオール、アルカノールアミン、ステアリン酸、シランカップリング剤またはチタネートカップリング剤が含まれる。なかでも、ステアリン酸またはシランカップリング剤が好ましい。
また、無機粒子の表面は、耐候性がより向上する点で、アルミニウム、ケイ素、ジルコニアなどの酸化物により覆われていることも好ましい。
無機粒子としては、市販されているものを好ましく用いることができる。
無機粒子は、1種単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の組成物は、異物の除去や欠陥の低減などの目的で、フィルタで濾過することが好ましい。フィルタとしては、従来からろ過用途等に用いられているものであれば特に限定されることなく用いることができる。例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂(高密度、超高分子量を含む)等によるフィルタが挙げられる。これら素材の中でもポリプロピレン(高密度ポリプロピレンを含む)およびナイロンが好ましい。
フィルタの孔径は、0.1〜7.0μm程度が適しており、好ましくは0.2〜2.5μm程度、より好ましくは0.2〜1.5μm程度、さらに好ましくは0.3〜0.7μmである。この範囲とすることにより、ろ過詰まりを抑えつつ、組成物に含まれる不純物や凝集物など、微細な異物を確実に除去することが可能となる。
フィルタを使用する際、異なるフィルタを組み合わせてもよい。その際、第1のフィルタでのフィルタリングは、1回のみでもよいし、2回以上行ってもよい。異なるフィルタを組み合わせて2回以上フィルタリングを行う場合は1回目のフィルタリングの孔径より2回目以降の孔径が同じ、または、大きい方が好ましい。また、上述した範囲内で異なる孔径の第1のフィルタを組み合わせてもよい。ここでの孔径は、フィルタメーカーの公称値を参照することができる。市販のフィルタとしては、例えば、日本ポール株式会社、アドバンテック東洋株式会社、日本インテグリス株式会社(旧日本マイクロリス株式会社)、または、株式会社キッツマイクロフィルタ等が提供する各種フィルタの中から選択することができる。
第2のフィルタは、上述した第1のフィルタと同様の材料等で形成されたものを使用することができる。第2のフィルタの孔径は、0.2〜10.0μm程度が適しており、好ましくは0.2〜7.0μm程度、さらに好ましくは0.3〜6.0μm程度である。この範囲とすることにより、組成物に含有されている成分粒子を残存させたまま、組成物に混入している異物を除去することができる。
例えば、第1のフィルタでのフィルタリングは、分散液のみで行い、他の成分を混合した後で、第2のフィルタリングを行ってもよい。
<用途>
本発明の化合物および組成物の用途は特に制限されないが、例えば、表示装置や固体撮像素子の高屈折部材(マイクロレンズ、カラーフィルタの下地層や隣接層などの透明膜、カラーフィルタのホワイトピクセル)、レンズ(眼鏡レンズ、デジタルカメラ用レンズ、フレネルレンズ、プリズムレンズなど)、光学用オーバーコート剤、ハードコート剤、反射防止膜、光ファイバー、光導波路、LED(Light Emitting Diode)用封止材料、LED用平坦化材料、太陽光電池用コーティング材として有用である。
<膜>
本発明の膜は、本発明の組成物から得られる膜である。組成物に硬化処理を施すことにより、硬化膜を得ることができる。
本発明の膜の屈折率は特に制限されないが、1.55以上であることが好ましく、1.6〜2.0であることがより好ましい。
本発明の膜の光透過率は特に制限されないが、400〜700nmの波長領域全域に渡って90%以上であることが好ましく、95%以上であることがより好ましく、100%であることがさらに好ましい。
本発明の膜の厚みは特に制限されないが、0.1〜20μmであることが好ましく、0.1〜10μmであることがより好ましく、0.5〜4μmであることがさらに好ましい。
本発明の組成物を硬化させる方法は特に制限されず、加熱や露光などが挙げられる。加熱に使用する装置は特に制限されず、送風乾燥機、オーブン、赤外線乾燥機、加熱ドラムなどを用いることができる。露光に使用装置は特に制限されず、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノン(Xe)ランプ、ケミカルランプ、カーボンアーク灯などを用いることができる。
上記膜は、各種用途に適用でき、例えば、固体撮像素子や表示装置などの光学機器に適用できる。
<固体撮像素子>
本発明の膜は、固体撮像素子に好適に適用できる。
例えば、基板上に、固体撮像素子(CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、CMOS(Complementary MOS)イメージセンサ等)の受光エリアを構成する複数のフォトダイオード及びポリシリコン等からなる受光素子を有すると共に、カラーフィルタの下に本発明の膜である下塗り膜を備えた構成などが挙げられる。
<表示装置>
本発明の膜は、表示装置に好適に適用できる。
本発明の表示装置は、デジタル一眼レフカメラのビューファインダやヘッドマウント形ディスプレイなどに用いられる小型・高精細有機EL表示装置(例えば、マイクロOLED(Organic Light Emitting Diode))であることが好ましく、例えば、ガラスなどの基板の上に、各画素がマトリクス状に配置されてなる表示領域が設けられたものであることが好ましい。
以下に図面を参照して、本発明の表示装置の一実施態様について説明する。
図1は、本発明の組成物をカラーフィルタの下地剤として使用した表示装置の一態様であり、その1画素分の断面図である。表示装置100において、各画素は、例えば、白色光を発生する複数の有機EL素子20と、カラーフィルタ50(50R、50G、50B)との組み合わせにより三原色(赤,緑および青)のいずれかの光を発生するものである。複数の有機EL素子20のピッチ(中心間距離)pは、例えば30μm以下、具体的には例えば約2μmないし3μmである。すなわち、この表示装置100は、有機EL素子20の寸法が極めて小さい、いわゆるマイクロディスプレイと呼ばれるものである。なお、この表示装置100上には接眼レンズ(図示せず)が設けられており、使用者は、表示装置100に表示された画像を、接眼レンズを通して拡大して見るようになっている。そのため、使用者が見ることができるのは、表示装置100に表示された画像のうち、接眼レンズの取り込み角の範囲内の部分のみである。
有機EL素子20は、基板10上に行列状に配置されると共に、保護膜30により被覆されている。保護膜30上には、接着層(図示せず)を間にして、ガラスなどよりなる封止用基板(図示せず)が全面にわたって貼り合わせられている。この封止用基板の基板10側の表面にカラーフィルタ50が設けられている。
カラーフィルタ50は、複数の有機EL素子20に対向する透過赤色領域(図示せず)を有している。透過色領域の一部には、半透過領域(図示せず)が設けられている。これにより、この表示装置100では、有機EL素子20の寸法が小さい場合にも、隣接する透過色領域を通過した光の回折による混色を抑えることが可能となっている。
カラーフィルタ50の下には、本発明の膜である下地層40が設けられている。
以下、実施例により、本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、本実施例に関しては組成物の調製後に、全て日本ポール製DFA4201NXEY(0.45μmナイロンフィルター)を用いてろ過を行った。
<化合物の合成>
公知の方法により下記A−1〜A−3を合成した。なお、各化合物の同定はNMR(nuclear magnetic resonance)により行った。図2にA−2のH−NMRチャートを示す。
<合成例1:A−1の合成法>
5−ブロモ−1−インダノン50g(和光純薬製)とo−フタルアルデヒド32gのメタノール1500mL溶液を40℃に加熱し完溶させた。そこに水酸化カリウム(和光純薬製)40gのメタノール100mLを30℃以下に保持しながら滴下した。滴下後55℃で2時間加熱した後、0℃に冷却した。ろ過することで目的のフルオレノンを37g得た。
窒素雰囲気下、得られたフルオレノン30gと2−ナフタレンボロン酸(東京化成製)20gのTHF500mL溶液に炭酸カリウム35g(和光純薬製)の水250mL溶液を加え65℃に加熱した。そこにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(東京化成製)1.1gを添加した。5時間加熱攪拌した後、分液し得られた有機層にメタノールを500mL加えた。析出してきた目的物Yをろ過により得た(31g、90%)。
マグネシウム,削り状(和光純薬(株)製)15.8g(0.2171mol)を含むテトラヒドロフラン200mLを攪拌しているところに、2−(4−ブロモフェニル)−ベンゾチアゾール(東京化成製)189.0g(0.6514mol)のテトラヒドロフラン溶液2000mLを滴下し、Grignard試薬を作製した。その後、0℃に冷却し、目的物Y80gを発熱に注意しながらGrignard試薬を添加した。滴下後、30分攪拌した後に飽和塩化アンモニウム水溶液を滴下し、反応を停止した。分液、濃縮して得られたオイルをカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/1)による精製を行い、目的の三級アルコール98g(収率:77.2%)を得た。
得られた三級アルコール98g(0.1730mol)と、ジヒドロキシナフタレン(東京化成製)33.3g(0.2076mol)、3−メルカプトプロピオン酸(東京化成工業(株)製)2.8g(0.02595mol)のトルエン600mL溶液を60℃に加熱した。その溶液にメタンスルホン酸(東京化成工業(株)製)249.9g(2.595mol)を滴下した。滴下後、1時間攪拌した後に水と酢酸エチルを添加し、分液、濃縮して得られたオイルをカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)による精製を行い、目的のジヒドロキシ体113g(収率:91.9%)を得た。
ジヒドロキシ体4gに対してブロモ酢酸メチル2.6g(東京化成製)、炭酸カリウム4.7g(和光純薬製)のジメチルホルムアミド(DMF)20mL溶液を60℃で2時間攪拌した。反応終了後、水酸化カリウム1g(和光純薬製)の水10mLを加え加水分解を行った。塩酸を加え、酸性にした後に酢酸エチルで有機層を抽出し、メタノールに滴下・ろ過することでジカルボン酸体2.5gを得た。
ジカルボン酸体のシクロヘキサノン17mLに、グリシジルメタクリレート0.43g(和光純薬製)、テトラブチルアンモニウムブロミド0.2g(和光純薬製)、p−メトキシフェノール0.01g(和光純薬製)を添加し、90℃で12時間攪拌した。
この反応液にアクリル酸クロリド1.4g(東京化成製)、トリエチルアミン3.0g(和光純薬製)を0℃で加え1時間攪拌した。反応液をメタノールに滴下・ろ過することでA−1を4g得た。
<合成例2:A−2の合成法>
(単官能フルオレンモノマーXの合成)
以下に示す合成スキームおよび合成方法(工程A〜D)に従って、単官能フルオレンモノマーXを合成した。
(工程A)
マグネシウム,削り状(和光純薬(株)製)14.6g(0.5993mol)をテトラヒドロフラン200mLで攪拌しているところに2−ブロモナフタレン(東京化成工業(株)製)124.1g(0.5993mol)のテトラヒドロフラン溶液800mLを滴下し、Grignard試薬を作製した。その後、0℃に冷却し、11H−ベンゾ[b]フルオレン−11−オン(東京化成工業製)46gのTHF溶液600mLを滴下した。滴下後、30分攪拌した後に飽和塩化アンモニウム水溶液を滴下し、反応を停止した。分液、濃縮して得られたオイルをカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=4/1)による精製を行い、目的の三級アルコール65g(収率:90.2%)を得た。
(工程B)
工程Aで得られた三級アルコール62g(0.1730mol)と2−ナフトール(東京化成工業(株)製)29.9g(0.2076mol)、3−メルカプトプロピオン酸(東京化成工業(株)製)2.8g(0.02595mol)のトルエン600mL溶液を60℃に加熱した。その溶液にメタンスルホン酸(東京化成工業(株)製)249.9g(2.595mol)を滴下した。滴下後、1時間攪拌した後に水と酢酸エチルを添加し、分液、濃縮して得られたオイルをカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/1)による精製を行い、目的のナフトール付加体77g(収率:91.9%)を得た。
(工程C)
工程Bで得られたナフトール付加体74g(0.1527mol)と炭酸エチレン(東京化成工業(株)製)26.9g(0.3054mol)、炭酸カリウム(和光純薬(株)製)42.2g(0.3054mol)のジメチルホルムアルデヒド溶液740mLを110℃で3時間攪拌した。原料の消失を確認後、水酸化カリウム18.8%水溶液91gを添加した。原料の炭酸エチレンの消失を確認後、水と酢酸エチルを添加し、分液、濃縮して、目的のアルコール68g(収率:84.3%)を得た。
(工程D)
工程Cで得られたアルコールを68g(0.1286mol)のテトラヒドロフラン1000mL溶液にトリエチルアミン(和光純薬(株)製)52.1g(0.5145mol)を加え、0℃に冷却した。次にアクリル酸クロライド(東京化成工業(株)製)23.3g(0.2573mol)を滴下し、30分攪拌した。原料が消失していることを確認後、水と酢酸エチルを添加し、分液、濃縮して得られたオイルに酢酸エチルを加え30%溶液にし、0℃に冷却したメタノールに滴下し、析出してきた目的の単官能フルオレンモノマーX(45g)(収率:60.0%)をろ過により回収した。
窒素雰囲気下、得られた単官能フルオレンモノマーX10gとチオリンゴ酸2.57g(東京化成製)のシクロヘキサノン200mL溶液にV−601を0.067g(和光純薬製)を添加し、90℃で5時間攪拌した。反応液をメタノールに滴下・ろ過することでチオリンゴ酸付加体を12g得た。得られたチオリンゴ酸付加体10gとグリシジルメタクリレート1.94g(和光純薬製)、テトラブチルアンモニウムブロミド0.88g(和光純薬製)、p−メトキシフェノール0.01gのシクロヘキサノン50mL溶液を90℃で12時間攪拌した。この反応液をメタノールに滴下・ろ過することでA−2を11.5g得た。
<合成例3:A−3の合成方法>
5−メトキシ−1−インダノン100g(和光純薬製)とo−フタルアルデヒド83gのメタノール2000mL溶液を40℃に加熱し完溶させた。そこに水酸化カリウム(和光純薬製)104gのメタノール600mLを40℃以下に保持しながら滴下した。滴下後55℃で2時間加熱した後、0℃に冷却した。ろ過することで目的のフルオレノンを59g得た。
フルオレノン50gの酢酸60mL溶液に48%臭化水素水溶液130gを加え、120℃に加熱し終夜攪拌した。反応終了後、水600mL、酢酸エチル600mLを加え、有機層を抽出した。炭酸水素ナトリウム水溶液・水による洗浄後、溶媒留去することでヒドロキシ体を7.5g得た。
ヒドロキシ体5g、ブロモ酢酸メチル4.2g(東京化成製)、炭酸カリウム8.4g(和光純薬製)のDMF100mL溶液を60℃で2時間攪拌した。反応終了後、水酸化カリウム1g(和光純薬製)の水10mLを加え加水分解を行った。塩酸を加え、酸性にした後に酢酸エチルで有機層を抽出し、目的のカルボン酸体6gを得た。
カルボン酸体6gと2−ナフトール8.1g(東京化成製)のトルエン600mL溶液を60℃に加熱した後にメタンスルホン酸を28g滴下した。2時間攪拌後、注水し酢酸エチルで有機層を抽出し、カラムクロマトグラフィーによる精製後、目的のフルオレン体9gを得た。
フルオレン体9gと炭酸エチレン5.5g(東京化成製)、炭酸カリウム8.7g(和光純薬製)のDMF90mL溶液を110℃で2時間加熱した。その後、水酸化カリウム3.5gの水20mLを加え1時間攪拌した。注水し酢酸エチルで有機層を抽出し、目的のジオール体を10g得た。
ジオール体10gのTHF100mL溶液にトリエチルアミン13.7g(和光純薬製)を加え0℃に冷却した。そこにアクリル酸クロリド7.6g(東京化成製)を加えた。1時間攪拌後、注水し酢酸エチルで有機層を抽出し、炭酸水素ナトリウム水溶液・水による洗浄を行った。有機層をメタノールに滴下・ろ過することでA−3を8g得た。
なお、上記A−2は、2つのRの内、上記構造式中の上側のRがHであり、下側が上記基である化合物と、上記構造式中の上側のRが上記基であり、下側がHである化合物との混合物であった。
(B−1)
窒素下で90℃に加熱したシクロヘキサノン7.1gに、ベンジルアクリレート10g(東京化成工業(株)製)、アクリル酸1.9g(東京化成工業(株)製)、V−601 0.81g(和光純薬(株)製)のシクロヘキサノン溶液10.7gを2時間かけて滴下した。2時間攪拌後、V−601 0.4gを追加し、さらに5時間攪拌した。そこにグリシジルメタクリレート0.56g(東京化成工業(株)製)、テトラブチルアンモニウムブロミド0.064g(東京化成工業(株)製)、p−メトキシフェノール0.005g(和光純薬(株)製)を添加し、終夜攪拌を行うことでポリマーB−1のシクロヘキサノン溶液を得た(Mw:5000、Mn:3000)。
(B−2)
窒素下で90℃に加熱したシクロヘキサノン7.5gに、イソブチルアクリレート10g(東京化成工業(株)製)、アクリル酸2.4g(東京化成工業(株)製)、V−601 1.03g(和光純薬(株)製)のシクロヘキサノン溶液11.2gを2時間かけて滴下した。2時間攪拌後、V−601 0.5gを追加し、さらに5時間攪拌した。そこにグリシジルメタクリレート0.62g(東京化成工業(株)製)、テトラブチルアンモニウムブロミド0.070g(東京化成工業(株)製)、p−メトキシフェノール0.005g(和光純薬(株)製)を添加し、終夜攪拌を行うことでポリマーB−2のシクロヘキサノン溶液を得た(Mw:5500、Mn:3200)。
なお、後述する「M−1」として、東亞合成(株)製アロニックスTO−2349を用いた。
また、上記「C−1」および「C−4」は比較例化合物である。
<組成物1〜6の調製>
上記化合物A−1(1.3質量部)と、ポリマーB−1(30%PGMEA(プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセタート)溶液 3.9質量部)と、重合性化合物M−1(0.3 質量部)と、IRGACURE OXE01(BASF社製)0.16質量部と、添加剤Megafac F−781F(DIC社製)0.17質量部と、KBM−602(信越化学工業社製)0.02質量部と、p−メトキシフェノール(和光純薬製)0.01質量部と、PGMEA(13質量部)とを混合することで組成物1を調製した。
組成物2〜6に関しては、後述する表1に示すように、化合物Aおよびポリマーの種類を変更して、組成物1と同様の手順で調製した。
<屈折率の評価>
各組成物をシリコンウエハ上にスピンコート法で塗布し、その後、ホットプレート上にて100℃で2分間加熱して膜厚1μmの感光性膜を得た。次いでExecure3000(HOYA(株)社製)を用いて10mW/cmの紫外線を照射することで、硬化膜を調製した。
得られた膜について屈折率(波長:500nm)(装置:大日本スクリーン製造(株)製エリプソ式膜厚測定装置 REシリーズ、RE−3320)を用いて測定した。そして、以下の基準から屈折率を評価した。結果を表1に示す。実用上、A〜Bであることが好ましい。
・A:屈折率が1.65以上
・B:屈折率が1.60以上1.65未満
・C:屈折率が1.60未満
<現像性の評価>
各組成物をシリコンウエハ上にスピンコート法で塗布し、その後、ホットプレート上にて100℃で2分間加熱して膜厚1μmの感光性膜を得た。その膜に対して、一辺1.1μmの正方ピクセルがそれぞれ基板上の4mm×3mmの領域に配列されたマスクパターンを介して、i線ステッパーFPA−3000i5+(Canon(株)製)を使用して、365nmの波長で、露光量200mJ/cmにて露光を行った。
上記露光後の膜に対し、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドの0.2質量%水溶液を用い、23℃で60秒間パドル現像を行った。その後、スピンシャワーにて水を用いてリンスを行い、更に純水にて水洗いを行った。その後、水滴を高圧のエアーで飛ばし、シリコンウエハを自然乾燥させ、200℃で300秒間、ホットプレートでポストベークを行い、シリコンウエハ上の膜厚1μmの透明パターン(硬化膜)を得た。得られた透明パターンを測長SEM(CD-SEM:Critical Dimension-Scanning Electron Microscope、S−7800H、(株)日立製作所製)を用いてシリコンウエハ上から30000倍で観察した。そして以下の基準に基づき現像性を評価した。結果を表1に示す。実用上、A〜Bであることが好ましい。
A:画素上に残渣が全く認められなかった。
B:画素上に残渣がわずかに認められるが、許容できる範囲内であった。
C:画素上に残渣が多く観察された。
<硬化性の評価>
屈折率の評価と同様に膜を調製した。その後、得られた膜をシクロヘキサノンに5分間浸漬した後、膜の残存率(%)[{(浸漬前の膜の質量−浸漬後の膜の質量)/浸漬前の膜の質量}×100]を測定した。結果を表1に示す。実用上、A〜Bであることが好ましい。
・A:残存率が95%以上
・B:残存率が85%以上95%未満
・C:残存率が85%未満
表1に示すように、本発明の組成物を用いた実施例においては、得られた膜の屈折率が高く、現像性および硬化性にも優れることが確認された。
特に、実施例3と4との比較より、使用されるポリマーに芳香環基が含まれる場合、屈折率がより優れることが確認された。
一方、本発明の化合物を含まない組成物である比較例1〜2においては、所望の効果が得られなかった。なお、比較例2に記載の組成物は、特許文献1に記載のC−4を用いた組成物に該当する。
10 基板
20 有機EL素子
30 保護膜
40 下地層
50 カラーフィルタ
50R 赤色カラーフィルタ
50G 緑色カラーフィルタ
50B 青色カラーフィルタ
100 表示装置(マイクロOLED)
p ピッチ(中心間距離)

Claims (13)

  1. 一般式()で表される化合物を含む組成物。

    一般式(2)中、Ar およびAr は、それぞれ独立に、ナフタレン環基またはベンゼン環基であり、Ar およびAr は、一方がナフタレン環基であり、他方がベンゼン環基であり、以下の要件3または要件4を満たす。
    要件3:Ar〜Ar、および、Ar〜Arの少なくとも1つが、酸基および重合性基を含む置換基を有する。
    要件4:Ar〜Ar、および、Ar〜Arの少なくとも1つが酸基を含む置換基を有し、かつ、Ar〜Ar、および、Ar〜Arの少なくとも1つが重合性基を含む置換基を有する。
    但し、前記酸基は、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、ホスホン酸基、又はホスフィン酸基である。また、前記重合性基は、エチレン性不飽和結合を有する重合性基である。
  2. 酸基がカルボン酸基である、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記要件3を満たす、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. さらに、前記一般式()で表される化合物以外の重合性化合物を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. さらに、酸基と重合性基とを有するポリマーを含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 前記ポリマーが、さらに芳香環基を有する、請求項に記載の組成物。
  7. 前記酸基および重合性基を含む置換基が、一般式(X−1)で表される基である、請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。

    一般式(X−1)中、LX1、LX2、および、LX3は、それぞれ独立に、単結合または2価の連結基を表す。Wは3価の連結基を表す。Vは酸基を表す。Vは重合性基を表す。*は結合位置を表す。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物より形成される膜。
  9. 請求項に記載の膜を含む光学機器。
  10. 一般式(2)で表される化合物。

    一般式(2)中、Ar およびAr は、それぞれ独立に、ナフタレン環基またはベンゼン環基であり、Ar およびAr は、一方がナフタレン環基であり、他方がベンゼン環基であり、以下の要件3または要件4を満たす。
    要件3:Ar〜Ar、および、Ar〜Arの少なくとも1つが、酸基および重合性基を含む置換基を有する。
    要件4:Ar〜Ar、および、Ar〜Arの少なくとも1つが酸基を含む置換基を有し、かつ、Ar〜Ar、および、Ar〜Arの少なくとも1つが重合性基を含む置換基を有する。
    但し、前記酸基は、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、ホスホン酸基、又はホスフィン酸基である。また、前記重合性基は、エチレン性不飽和結合を有する重合性基である。
  11. 酸基がカルボン酸基である、請求項10に記載の化合物。
  12. 前記要件3を満たす、請求項10又は11に記載の化合物。
  13. 前記酸基および重合性基を含む置換基が、一般式(X−1)で表される基である、請求項9〜11のいずれか1項に記載の化合物。

    一般式(X−1)中、LX1、LX2、および、LX3は、それぞれ独立に、単結合または2価の連結基を表す。Wは3価の連結基を表す。Vは酸基を表す。Vは重合性基を表す。*は結合位置を表す。
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