JP6262053B2 - 発泡シート積層体、繊維強化複合体、及び、発泡シート積層体の製造方法 - Google Patents
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前記発泡体としては、優れた剛性を有することなどから、ポリエステル系樹脂発泡体を用いることが提案されている(例えば、特許文献1等)。
また、芯材として、発泡シートを積層した発泡シート積層体を用いることも提案されている。
また、繊維強化複合体の芯材として用いられる発泡シート積層体に限らず、他の用途に用いる発泡シート積層体についても、曲げ強度及び圧縮強度がより一層優れるものが望まれている。
該発泡シートで形成された発泡層を複数備え、
下記式(1)に示す気泡のアスペクト比の平均値が0.6〜1.2である発泡シート積層体にある。
気泡のアスペクト比 = 前記発泡シートの積層面に垂直な方向の気泡径/前記発泡シートの積層面に平行な方向の気泡径 ・・・(1)
熱可塑性ポリエステル系樹脂で形成された前記発泡シートが複数枚積層されてなる積層体を、該積層体の自然状態での厚み以下に規制しつつ加熱する第1の工程と、
前記第1の工程後に、前記積層体を加熱しつつ、該積層体の厚みを増大させて前記発泡シートそれぞれについて前記第1の工程前の厚みよりも厚みを大きくする第2の工程と、を備える発泡シート積層体の製造方法にある。
また、本実施形態の発泡シート積層体において、下記式(1)に示す気泡のアスペクト比(Ac)の平均値は、0.6〜1.2であることが重要であり、0.7〜1.1であることが好ましい。
気泡のアスペクト比 = 前記発泡シートの積層面に垂直な方向の気泡径(垂直径)/前記発泡シートの積層面に平行な方向の気泡径(平行径) ・・・(1)
この平均値が0.6以上であることにより、発泡シート積層体は、積層面に垂直な方向から外圧がかかっても、気泡がクッションとなり、圧縮強度に優れたものとなり、また、曲げ強度にも優れたものとなる。
また、この平均値が1.2以下であることにより、発泡シート積層体は、圧縮時、特に、加熱状態における圧縮時に適度な反発力を発揮して賦形性に優れたものとなり、また、曲げ強度にも優れたものとなる。
すなわち、まず、発泡シートの積層面に垂直な方向で発泡シート積層体を切断して第1の切断面を形成し、走査型電子顕微鏡を用いて第1の切断面を200倍で撮影し、この写真において観察される気泡を無作為に100個選んで、それぞれの気泡の垂直径と平行径とを求め、平行径に対する垂直径の比率を個々の気泡のアスペクト比とする。次に、発泡シートの積層面に垂直な方向で、且つ、第1の切断面にも垂直な方向で発泡シート積層体を切断し第2の切断面を形成し、走査型電子顕微鏡を用いて第の切断面を200倍で撮影し、この写真において観察される気泡を無作為に100個選んで、それぞれの気泡の垂直径と平行径とを求め、平行径に対する垂直径の比率を個々の気泡のアスペクト比とする。そして、これらの気泡のアスペクト比を算術平均し、この算術平均値を発泡シート積層体の気泡のアスペクト比の平均値とする。
なお、気泡断面の外側輪郭線上において、積層面に垂直な方向で相互の距離が最大となる2点を選び、この2点間の距離を「垂直径」とする。また、この気泡断面の外側輪郭線上において、積層面に平行な方向で相互の距離が最大となる2点を選び、この2点間の距離を「平行径」とする。
また、外側輪郭線が断面にかかっている気泡は、アスペクト比の測定対象から除外する。例えば、発泡シート積層体から、積層方向に平行な面における未発泡の表皮を切断除去した場合などは、外側輪郭線が断面にかかっている気泡が存在している可能性があるからである。
前記非発泡層としては、前記発泡シートの表面部が非発泡な状態に熱溶融されてなる熱溶融層、前記発泡シート自体が有するスキン層、発泡シート積層体の最表面に設けられた非発泡な樹脂フィルム層、又は、前記発泡シート同士の間に介装された非発泡な樹脂フィルム層等が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フッ素系樹脂、ABS樹脂などが挙げられ、耐熱性、成形性、耐久性に優れていることから、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ABS樹脂が好ましい。
熱硬化性樹脂としては、特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、マレイミド樹脂、ビニルエステル樹脂、シアン酸エステル樹脂等が挙げられ、耐熱性、衝撃吸収性又は耐薬品性に優れるという観点から、エポキシ樹脂や、ビニルエステル樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂には、硬化剤、硬化促進剤などの添加剤が含有されていてもよい。なお、熱硬化性樹脂としては、1種が単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
また、樹脂フィルム層の厚み(樹脂フィルム層が複数存在する場合には、樹脂フィルム層の各層の厚み)は、5〜800μmが好ましく、10〜600μmがより好ましい。
なお、樹脂フィルム層は、後述するような、樹脂中に繊維を含む繊維強化合成樹脂シートであってもよい。
なお、見かけ密度は、JIS K 7222:2005「発泡プラスチック及びゴム−見掛け密度の求め方」記載方法に準拠して測定することができる。
なお、複数の前記発泡層は、最も見掛け密度が小さい最小密度領域を各層の厚み方向中央部に備えているかは、以下のようにして確認する。
すなわち、まず、複数の前記発泡層を、厚み方向(積層方向)に0.3mm間隔で、厚み方向と平行にスライスする。次に、各スライス部分の見掛け密度を、上述した発泡シート積層体の見掛け密度の求め方と同様な求め方で求め、複数の前記発泡層が、最も見掛け密度が小さい最小密度領域を各層の厚み方向中央部に備えているか確認する。
また、本実施形態の発泡シート積層体において、圧縮強度に優れるという観点から、複数の前記最小密度領域のうち最も見掛け密度が小さい領域における気泡のアスペクト比の平均値が、1.4以上であることが好ましく、1.5以上であることがより好ましい。
なお、前記最小密度領域における気泡のアスペクト比の平均値は、以下のようにして求める。
すなわち、発泡層の各層において見掛け密度が最も小さい領域を前記最小密度領域として、複数の前記最小密度領域のうち最も見掛け密度が小さい領域における気泡のアスペクト比の平均値を求める。なお、このスライス部分における気泡のアスペクト比の平均値は、上述した発泡シート積層体の気泡のアスペクト比の平均値の求め方と同様な求め方で求める。すなわち、発泡シート積層体の断面において、最も見掛け密度が小さい領域での気泡のアスペクト比の平均値を求める。なお、このときスライスによって最も見掛け密度が小さい領域と判断した部分の0.3mmの範囲に気泡の断面積の50%以上が含まれている気泡についてのみ垂直径及び平行径を測定して、気泡のアスペクト比の平均値を求めるものとする。
なお、前記最小密度領域の気泡のアスペクト比の平均値は、前記最小密度領域に当たる気泡のアスペクト比の平均値として、上述した発泡シート積層体の気泡のアスペクト比の平均値の求め方と同様な求め方で求める。
なお、前記表層部の見掛け密度、及び、各発泡層の最小密度領域の見掛け密度は、以下のようにして求める。
すなわち、発泡シート積層体の発泡層を、表面から、厚み方向0.3mm間隔で、厚み方向と平行にスライスする。次に、前記表層部に当たる第1回目のスライス部分の見掛け密度、及び、前記最小密度領域に当たるスライス部分の見掛け密度を、上述した発泡シート積層体の見掛け密度の求め方と同様な求め方で求めることにより、前記表層部の見掛け密度、及び、各発泡層の最小密度領域の見掛け密度を求める。
本実施形態の発泡シート積層体は、斯かる構成を有することにより、前記表層部が硬質なものとなり、前記表層部で高い初期荷重を発現できるという利点を有する。また、本実施形態の発泡シート積層体は、斯かる構成を有することにより、前記表層部で局所的にかかる力を面方向に分散させつつ、分散された力を発泡シート積層体全体で吸収することができ、その結果、エネルギー吸収性に優れたものとなるという利点を有する。
なお、前記表層部の結晶化熱量は、以下のようにして求める。
すなわち、発泡シート積層体の発泡層を、表面から、厚み方向0.3mmで、厚み方向と平行にスライスする。そして、前記表層部に当たる第1回目のスライス部分の結晶化熱量を測定する。
結晶化熱量は、JIS K7122:1987「プラスチックの転移熱測定方法」に記載されている方法で測定した値を意味する。
なお、具体的には、結晶化熱量の測定は、示差走査熱量計装置 DSC6220型(エスアイアイナノテクノロジー(株)製)を用いて行う。より具体的には、アルミニウム製測定容器の底にすきまのないよう試料を約6mg充てんし、該試料を該容器ごと示差走査熱量計装置 DSC6220型(エスアイアイナノテクノロジー(株)製)にセットし、窒素ガス流量20mL/minのもと30℃で2分間試料を保持する。そして、速度10℃/minで30℃から290℃まで試料を昇温した時のDSC曲線を作成する。この際、基準物質としてはアルミナを用いる。
そして、DSC曲線の結晶化ピークの面積から、結晶化熱量(mJ/mg)を求める。
なお、「比曲げ最大点応力」は、後述する実施例に記載の方法で測定したものを意味する。
なお、「比25%変形圧縮応力」は、後述する実施例に記載の方法で測定したものを意味する。
なお、IV値は、JIS K7367−5:2000に準拠して測定した値である。
本実施形態の発泡シート積層体の製造方法は、複数の発泡シートを一体化させる方法である。
また、本実施形態の発泡シート積層体の製造方法は、熱可塑性ポリエステル系樹脂で形成された前記発泡シートが複数枚積層されてなる積層体を、該積層体の自然状態での厚み以下に規制しつつ加熱する第1の工程と、前記第1の工程後に、前記積層体を加熱しつつ、該積層体の厚みを増大させて前記発泡シートそれぞれについて前記第1の工程前の厚みよりも厚みを大きくする第2の工程と、を備える。
そして、押出機の先端に取り付けたサーキュラーダイから発泡性樹脂組成物を押出して円筒状の発泡シートを形成する。
次に、該サーキュラーダイの下流側(押出方向前方)に配した冷却用マンドレルの外周面に前記発泡シートの内面を摺接させつつ該発泡シートを引き取り、該冷却用マンドレルで発泡シートを拡径するとともに発泡シートの内側からマンドレルで発泡シートを冷却し、発泡シートの外側から発泡シートに空気を吹き付けて発泡シートを冷却し、該冷却用マンドレルの下流側に設けたカッターで前記発泡シートを押出方向に向けて連続的に切断して平坦なシートとなるように展開し、長尺帯状の発泡シートを作製する。
前記飽和脂肪族炭化水素としては、プロパン、ブタン、ペンタンなどが挙げられる。また、前記ハロゲン化炭化水素としては、テトラフルオロエタン、クロロジフルオロエタン、ジフルオロエタンが挙げられる。
前記発泡剤の使用量は、熱可塑性ポリエステル系樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましい。
前記無機系核剤としては、タルク、シリカなどが挙げられる。また、有機系核剤としては、ポリテトラフルオロエチレンなどが挙げられる。
前記気泡調整剤の使用量は、熱可塑性ポリエステル系樹脂100質量部に対して0.1〜5質量部が好ましい。
前記架橋剤の使用量は、熱可塑性ポリエステル系樹脂100質量部に対して0.05〜2質量部が好ましい。
なお、積層体は、最表面に設けられた非発泡な樹脂フィルム層、及び、前記発泡シート同士の間に介装された非発泡な樹脂フィルム層の少なくとも何れか一方の層を有してもよい。
本実施形態の繊維強化複合体は、芯材としての発泡シート積層体と、該芯材の表面に積層された繊維強化合成樹脂体とを備え、前記芯材として、本実施形態の発泡シート積層体が用いられている。
本実施形態の繊維強化複合体は、気泡のアスペクト比の平均値が0.6〜1.2であることが好ましい。なお、繊維強化合成樹脂体に積層される前の発泡シート積層体における気泡のアスペクト比の平均値が0.6〜1.2であれば、本実施形態の繊維強化複合体における気泡のアスペクト比の平均値は、0.6未満でもよく、また、1.2を超えてもよい。
強化繊維は、所望の形状に加工された強化繊維基材として用いられることが好ましい。強化繊維基材としては、繊維束(ストランド)を糸で結束(縫合)してなる面材などが挙げられる。繊維束は、強化繊維を用いてなる織物、編物、不織布、及び強化繊維を一方向に引き揃えたものである。織物の織り方としては、平織、綾織、朱子織などが挙げられる。また、糸としては、ポリアミド樹脂糸やポリエステル樹脂糸などの樹脂糸、及びガラス繊維糸などのステッチ糸が挙げられる。
前記繊維強化合成樹脂体については、一枚の繊維強化合成樹脂シートのみを積層せずに用いてもよく、複数枚の繊維強化合成樹脂シートを積層して用いてもよい。複数枚の繊維強化合成樹脂シートを積層した繊維強化合成樹脂体としては、(1)一種のみの繊維強化合成樹脂シートを複数枚用意し、これらの繊維強化合成樹脂シートを積層した繊維強化合成樹脂体、(2)複数種の繊維強化合成樹脂シートを用意し、これらの繊維強化合成樹脂シートを積層した繊維強化合成樹脂体、(3)強化繊維を一方向に引き揃えた繊維束(ストランド)を糸で結束(縫合)してなる繊維強化合成樹脂シートを複数枚用意し、これらの繊維強化合成樹脂シートを繊維束の繊維方向が互いに相違した方向を指向するように重ね合わせ、重ね合わせた繊維強化合成樹脂シート同士を糸で一体化(縫合)してなる繊維強化合成樹脂体などが用いられる。なお、糸としては、ポリアミド樹脂糸やポリエステル樹脂糸などの結束用合成樹脂糸、及びガラス繊維糸などのステッチ糸が挙げられる。
熱可塑性エポキシ樹脂としては、エポキシ化合物同士の単独重合体又は共重合体であって直鎖構造を有する重合体や、エポキシ化合物と、このエポキシ化合物と重合し得る単量体との共重合体であって直鎖構造を有する共重合体が挙げられる。具体的には、熱可塑性エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂、長鎖脂肪族型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂などが挙げられる。熱可塑性エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂や、ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂が好ましい。なお、熱可塑性エポキシ樹脂としては、1種が単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
熱可塑性ポリウレタン樹脂としては、ジオールとジイソシアネートとを重合させて得られる直鎖構造を有する重合体が挙げられる。ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオールなどが挙げられる。ジオールとしては、1種が単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。ジイソシアネートとしては、例えば、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネートが挙げられる。ジイソシアネートとしては、1種が単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。なお、熱可塑性ポリウレタン樹脂としては、1種が単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
繊維強化合成樹脂体の厚みは、20〜2000μmが好ましく、50〜1000μmがより好ましい。
連続気泡率は、ASTM D−2856−87に準拠して1−1/2−1気圧法にて測定した。
発泡シート積層体の圧縮特性の評価は、「25%変形圧縮応力」を「発泡シート積層体の見掛け密度」で除した「比25%変形圧縮応力」によって評価した。
発泡シート積層体の25%変形圧縮応力は、JIS K7220:2006「硬質発泡プラスチック−圧縮特性の求め方」記載の方法により測定した。
すなわち、試験片のサイズは、縦50mm×横50mm×発泡シート積層体の厚み(mm)とした。そして、テンシロン万能試験機UCT−10T((株)オリエンテック製)、万能試験機データ処理(UTPS−237ソフトブレーン(株)製)を用い、圧縮速度を1分当たり発泡シート積層体の厚みの10%厚み(mm)として、この試験片の25%変形圧縮応力を求めた。試験片の数は最少5個とし、試験片を温度23±2℃、湿度50±5%の環境下に16時間以上置いた後、温度23±2℃、湿度50±5%の環境下で試験片の25%変形圧縮応力を求めた。
なお、25%変形圧縮応力は次式により算出した。
(25%変形圧縮応力)
σ25=F25/A0
σ25:25%変形圧縮応力(MPa)
F25:25%変形時の力(N)
A0:試験片の初めの断面積(mm2)
また、比25%変形圧縮応力は次式により算出した。
(比25%変形圧縮応力)
C25=σ25/ρ
C25:比25%変形圧縮応力(MPa/(g/cm3))
σ25:25%変形圧縮応力(MPa)
ρ:試験片の見掛け密度(g/cm3)
そして、以下の基準で評価した。
○:6.5MPa/(g/cm3)以上
×:6.5MPa/(g/cm3)未満
発泡シート積層体の曲げ特性の評価は、「曲げ最大点応力」を「発泡シート積層体の見掛け密度」で除した「比曲げ最大点応力」によって評価した。
発泡シート積層体の曲げ最大点応力は、JIS K7221−1:2006「硬質発泡プラスチック−曲げ試験−第1部:たわみ特性の求め方」記載の方法により測定した。
すなわち、試験片のサイズは、幅25mm×長さ120mm×発泡シート積層体の厚み(mm)とした。そして、テンシロン万能試験機UCT−10T((株)オリエンテック製)、万能試験機データ処理(UTPS−237ソフトブレーン(株)製)を用い、試験速度を10mm/minとし、加圧くさびを5Rとし、支持台を5Rとし、支点間距離を100mmとして、試験片の曲げ最大点応力を求めた。試験片の数は5個とし、試験片を温度23±2℃、湿度50±5%の環境下に16時間以上置いた後、温度23±2℃、湿度50±5%の環境下で試験片の曲げ最大点応力を求めた。
なお、曲げ最大点応力は次式により算出した。
(曲げ最大点応力)
R=1.5FR×L/bd2
R:曲げ最大点応力(MPa)
FR:最大点荷重(N)
L:支点間距離(mm)
b:試験片の幅(mm)
d:試験片の厚さ(mm)
また、比曲げ最大点応力は次式により算出した。
(比曲げ最大点応力)
FL=R/ρ
FL:比曲げ最大点応力(MPa/(g/cm3))
R:曲げ最大点応力(MPa)
ρ:試験片の見掛け密度(g/cm3)
そして、以下の基準で評価した。
○:20MPa/(g/cm3)以上
△:15MPa/(g/cm3)以上20MPa/(g/cm3)未満
×:15MPa/(g/cm3)未満
発泡シート積層体を芯材として備える繊維強化複合体の比吸収エネルギーは、JIS K7221−1:2006「硬質発泡プラスチック−曲げ試験−第1部:たわみ特性の求め方」記載の方法により測定した。
すなわち、試験片サイズは、幅25mm×長さ150mm×繊維強化複合体の厚み(mm)とした。そして、テンシロン万能試験機UCT−10T((株)オリエンテック製)、万能試験機データ処理(UTPS−237ソフトブレーン(株)製)を用い、試験速度を10mm/min、加圧くさびを10Rとし、支持台を10Rとし、支点間距離を100mmして、試験片の比吸収エネルギーを求めた。試験片の数は5個とし、試験片を温度23±2℃、湿度50±5%の環境下に16時間以上置いた後、温度23±2℃、湿度50±5%の環境下で試験片の吸収エネルギーを求めた。
なお、比吸収エネルギーは、試験開始から最大点荷重を示した変位までの荷重−変位グラフの積分値を吸収エネルギーとし、該吸収エネルギーを繊維強化複合体の見掛け密度で除することで求めた。
比吸収エネルギーは次式により算出した。
EC=E/ρ×103
EC:比吸収エネルギー(mJ/(g/cm3))
E:吸収エネルギー(J)
ρ:試験片の見掛け密度(g/cm3)
熱可塑性ポリエステル系樹脂としてのポリエチレンテレフタレート(The Far Eastern Industry社製、商品名「CH611」、融点:251℃、ガラス転移温度:78.1℃、結晶化温度:132℃、IV値1.04)96.4質量部、ポリエチレンテレフタレートに気泡調整剤としてのタルクを含有させてなるマスターバッチ(ポリエチレンテレフタレート含有量:60質量%、タルク含有量:40質量%)3.6質量部および無水ピロメリット酸0.20質量部を、発泡シートを形成させるための樹脂原料として用意した。
すなわち、結晶化熱量を求める際に用いたDSC曲線と同様にしてDSC曲線を求め、DSC曲線から得られる融解ピーク温度を融点とし、DSC曲線から得られる結晶化ピーク温度を結晶化温度とした。
すなわち、JIS K7121:1987「プラスチックの転移温度測定方法」に記載されている方法で測定した。但し、サンプリング方法・温度条件に関しては以下のように行った。示差走査熱量計装置 DSC6220型(エスアイアイナノテクノロジー(株)製)を用いアルミニウム製測定容器の底にすきまのないよう試料を約6mg充てんして、窒素ガス流量20mL/minのもと10℃/minの昇温速度で30℃から290℃まで昇温し、10分間保持後速やかに取出し、25±10℃の環境下にて放冷させた後、10℃/minの昇温速度で30℃から290℃まで昇温した時に得られたDSC曲線より中間点ガラス転移温度を算出した。この時に基準物質としてアルミナを用いた。この中間点ガラス転移温度は該規格(9.3「ガラス転移温度の求め方」)より求めた。
その後、前記樹脂原料100質量部に対する割合が0.38質量部となる割合で発泡剤としてのブタン(イソブタン:35質量%、ノルマルブタン:65質量%)をこの押出機の途中において圧入し、樹脂組成物と発泡剤とを溶融混練させることにより、発泡性樹脂組成物を得た。
次に、該サーキュラーダイの下流側(押出方向前方)に配した直径210mmの冷却用マンドレルの外周面に前記発泡シートの内面を摺接させつつ該発泡シートを引き取り、該冷却用マンドレルで発泡シートを拡径するとともに発泡シートの内側からマンドレルで発泡シートを冷却し、発泡シートの外側から発泡シートに空気を吹き付けて発泡シートを冷却し、該冷却用マンドレルの下流側に設けたカッターで前記発泡シートを押出方向に向けて連続的に切断して平坦なシートとなるように展開し、長尺帯状のポリエステル系樹脂発泡シート(以下、単に「発泡シート」ともいう。)を作製した。
なお、発泡シートの気泡のアスペクト比の平均値は、発泡シート積層体の気泡のアスペクト比の平均値を求める際の「積層方向」を「厚み方向」に変えて測定した。
また、シート表面の結晶化度は、表面から、厚み方向に0.3mm、厚み方向と平行に発泡シートをスライスし、前記したJIS K7122:1987に従って測定した。
そして、前記熱板の熱によって、前記熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度以上の温度(145℃)で、積層した発泡シートを加熱しつつ、前記熱板同士の間の距離が、積層した発泡シートの合計の厚みよりも0.4mm小さくなるように(積層した発泡シートの合計の厚みの11%分小さくなるように)(熱板同士の間の距離:3.2mm)、積層した発泡シートを前記熱板で加圧した。
次に、前記熱板の熱によって、前記熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度以上の温度(145℃)で、積層した発泡シートを加熱しつつ、熱板間の距離を3.2mmから7.0mmまで1分かけて徐々に広げて前記発泡シートを膨らませた。
そして、前記熱板の熱によって、前記熱可塑性ポリエステル系樹脂の結晶化温度以上の温度(145℃)で、積層した発泡シートをさらに14分間加熱することにより、前記発泡シートを合計15分間加熱圧着させた。
次に、加熱プレス機の熱板の内部を水冷することで該熱板を60℃まで冷却した後、発泡シート積層体を得た。
繊維強化合成樹脂体としての繊維強化合成樹脂シート(厚み300μm、目付:200g/m2、三菱レイヨン社製 商品名「パイロフィルプリプレグ TR3523 381KMP」)を2枚用意した。繊維強化合成樹脂シートは、炭素繊維からなる綾織の織物からなる強化繊維基材に、未硬化のエポキシ樹脂が40質量%含浸されているシートである。繊維強化合成樹脂シートは、縦180mm×横180mmの平面正方形状とした。
そして、2枚の繊維強化合成樹脂シートを、互いに隣接する繊維強化合成樹脂シートの強化繊維基材の経糸の長さ方向が直交するように重ね合わせた。
リリースフィルム5は、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体フィルムで形成されたものである。また、リリースフィルム5は、両面間に亘って貫通し且つ繊維強化合成樹脂シート2中のエポキシ樹脂が通過可能な貫通孔が多数形成されたものである。
ブリーザークロス6は、ポリエステル樹脂繊維で構成された不織布から形成されており、エポキシ樹脂を含浸可能に構成されたものである。
バギングフィルム7は、ナイロンフィルムから構成されたものである。バギングフィルム7の一部にバックバルブ9(AIRTECH社製 商品名「VAC VALVE 402A」)を配置して積層構造体を作製した。
なお、繊維強化積層体Aへの加圧によって繊維強化合成樹脂シート2、2中の余分なエポキシ樹脂の一部は、リリースフィルム5の貫通孔を介してブリーザークロス6に吸収され、他の一部は、リリースフィルム5の貫通孔を介さずにブリーザークロス6に吸収されていた。
試験例1と同様にして発泡シートを得た。
次に、2枚の熱板(180mm×180mm)を備える加熱プレス機において、145℃に加熱した2枚の熱板の間に、3枚積層した発泡シート(縦180mm×横180mm×厚み1.8mm)(3枚の合計厚み:5.4mm)を挟んだ。
そして、前記熱板の熱によって、前記熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度以上の温度(145℃)で、積層した発泡シートを加熱しつつ、前記熱板同士の間の距離が、積層した発泡シートの合計の厚みよりも0.6mm小さくなるように(積層した発泡シートの合計の厚みの11%分小さくなるように)(熱板同士の間の距離:4.8mm)、積層した発泡シートを前記熱板で加圧した。
次に、前記熱板の熱によって、前記熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度以上の温度(145℃)で、積層した発泡シートを加熱しつつ、熱板間の距離を4.8mmから10.0mmまで1分かけて徐々に広げて前記発泡シートを膨らませた。
そして、前記熱板の熱によって、前記熱可塑性ポリエステル系樹脂の結晶化温度以上の温度(145℃)で、積層した発泡シートをさらに14分間加熱することにより、前記発泡シートを合計15分間加熱圧着させた。
次に、加熱プレス機の熱板の内部を水冷することで該熱板を60℃まで冷却した後、発泡シート積層体を得た。
また、この発泡シート積層体を用いたこと、及び、高さ11.0mmのスペーサを用いたこと以外は、試験例1と同様にして繊維強化複合体を得た。
試験例1と同様にして発泡シートを得た。
次に、2枚の熱板(180mm×180mm)を備える加熱プレス機において、145℃に加熱した2枚の熱板の間に、4枚積層した発泡シート(縦180mm×横180mm×厚み1.8mm)(4枚の合計厚み:7.2mm)を挟んだ。
そして、前記熱板の熱によって、前記熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度以上の温度(145℃)で、積層した発泡シートを加熱しつつ、前記熱板同士の間の距離が、積層した発泡シートの合計の厚みよりも0.8mm小さくなるように(積層した発泡シートの合計の厚みの11%分小さくなるように)(熱板同士の間の距離:6.4mm)、積層した発泡シートを前記熱板で加圧した。
次に、前記熱板の熱によって、前記熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度以上の温度(145℃)で、積層した発泡シートを加熱しつつ、熱板間の距離を6.4mmから14.0mmまで1分かけて徐々に広げて前記発泡シートを膨らませた。
そして、前記熱板の熱によって、前記熱可塑性ポリエステル系樹脂の結晶化温度以上の温度(145℃)で、積層した発泡シートをさらに14分間加熱することにより、前記発泡シートを合計15分間加熱圧着させた。
次に、加熱プレス機の熱板の内部を水冷することで該熱板を60℃まで冷却した後、発泡シート積層体を得た。
また、この発泡シート積層体を用いたこと、及び、高さ15.0mmのスペーサを用いたこと以外は、試験例1と同様にして繊維強化複合体を得た。
試験例1と同様にして発泡シートを得た。
次に、2枚の熱板(180mm×180mm)を備える加熱プレス機において、145℃に加熱した2枚の熱板の間に、2枚積層した発泡シート(縦180mm×横180mm×厚み1.8mm)(2枚の合計厚み:3.6mm)を挟んだ。
そして、前記熱板の熱によって、前記熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度以上の温度(145℃)で、積層した発泡シートを加熱しつつ、前記熱板同士の間の距離が、積層した発泡シートの合計の厚みよりも0.4mm小さくなるように(積層した発泡シートの合計の厚みの11%分小さくなるように)(熱板同士の間の距離:3.2mm)、積層した発泡シートを前記熱板で加圧した。
次に、前記熱板の熱によって、前記熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度以上の温度(145℃)で、積層した発泡シートを加熱しつつ、熱板間の距離を3.2mmから9.5mmまで1分かけて徐々に広げて前記発泡シートを膨らませた。
そして、前記熱板の熱によって、前記熱可塑性ポリエステル系樹脂の結晶化温度以上の温度(145℃)で、積層した発泡シートをさらに14分間加熱することにより、前記発泡シートを合計15分間加熱圧着させた。
次に、加熱プレス機の熱板の内部を水冷することで該熱板を60℃まで冷却した後、発泡シート積層体を得た。
また、この発泡シート積層体を用いたこと、及び、高さ10.5mmのスペーサを用いたこと以外は、試験例1と同様にして繊維強化複合体を得た。
試験例1と同様にして発泡シートを得た。
次に、2枚の熱板(180mm×180mm)を備える加熱プレス機において、145℃に加熱した2枚の熱板の間に、発泡シート(縦180mm×横180mm×厚み1.8mm)、PETフィルム(東レ社製、商品名「ルミラー U34#50」、縦180mm×横180mm×厚み50μm)及び発泡シート(縦180mm×横180mm×厚み1.8mm)をこの順で積層したものを挟んだ。
そして、前記熱板の熱によって、前記熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度以上の温度(145℃)で、積層した発泡シートを加熱しつつ、前記熱板同士の間の距離が、積層した発泡シートとPETフィルムの合計の厚みよりも0.4mm小さくなるように(積層した発泡シートとPETフィルムの合計の厚みの11%分小さくなるように)(熱板同士の間の距離:3.2mm)、積層した発泡シートを前記熱板で加圧した。
次に、前記熱板の熱によって、前記熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度以上の温度(145℃)で、積層した発泡シートを加熱しつつ、熱板間の距離を3.2mmから7.0mmまで1分かけて徐々に広げて前記発泡シートを膨らませた。
そして、前記熱板の熱によって、前記熱可塑性ポリエステル系樹脂の結晶化温度以上の温度(145℃)で、積層した発泡シートをさらに14分間加熱することにより、前記発泡シートを合計15分間加熱圧着させた。
次に、加熱プレス機の熱板の内部を水冷することで該熱板を60℃まで冷却した後、発泡シート積層体を得た。
また、この発泡シート積層体を用いたこと、及び、高さ7.0mmのスペーサを用いたこと以外は、試験例1と同様にして繊維強化複合体を得た。
試験例1と同様にして発泡シートを得た。
次に、2枚の熱板(180mm×180mm)を備える加熱プレス機において、145℃に加熱した2枚の熱板の間に、2枚積層した発泡シート(縦180mm×横180mm×厚み1.8mm)(2枚の合計厚み:3.6mm)を挟んだ。
そして、前記熱板の熱によって、前記熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度以上の温度(145℃)で、積層した発泡シートを加熱しつつ、前記熱板同士の間の距離が、積層した発泡シートの合計の厚みよりも0.4mm小さくなるように(積層した発泡シートの合計の厚みの11%分小さくなるように)(熱板同士の間の距離:3.2mm)、積層した発泡シートを前記熱板で加圧した。
次に、前記熱板の熱によって、前記熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度以上の温度(145℃)で、積層した発泡シートを加熱しつつ、熱板間の距離を3.2mmから4.0mmまで1分かけて徐々に広げて前記発泡シートを膨らませた。
そして、前記熱板の熱によって、前記熱可塑性ポリエステル系樹脂の結晶化温度以上の温度(145℃)で、積層した発泡シートをさらに14分間加熱することにより、前記発泡シートを合計15分間加熱圧着させた。
次に、加熱プレス機の熱板の内部を水冷することで該熱板を60℃まで冷却した後、発泡シート積層体を得た。
また、この発泡シート積層体を用いたこと、及び、高さ5.0mmのスペーサを用いたこと以外は、試験例1と同様にして繊維強化複合体を得た。
試験例1と同様にして発泡シートを得た。
次に、2枚の熱板(180mm×180mm)を備える加熱プレス機において、145℃に加熱した2枚の熱板の間に、2枚積層した発泡シート(縦180mm×横180mm×厚み1.8mm)(2枚の合計厚み:3.6mm)を挟んだ。
そして、前記熱板の熱によって、前記熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度以上の温度(145℃)で、積層した発泡シートを加熱しつつ、前記熱板同士の間の距離が、積層した発泡シートの合計の厚みよりも0.4mm小さくなるように(積層した発泡シートの合計の厚みの11%分小さくなるように)(熱板同士の間の距離:3.2mm)、積層した発泡シートを前記熱板で加圧した。
次に、前記熱板の熱によって、前記熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度以上の温度(145℃)で、積層した発泡シートを加熱しつつ、熱板間の距離を3.2mmから12.0mmまで1分かけて徐々に広げて前記発泡シートを膨らませた。
そして、前記熱板の熱によって、前記熱可塑性ポリエステル系樹脂の結晶化温度以上の温度(145℃)で、積層した発泡シートをさらに14分間加熱することにより、前記発泡シートを合計15分間加熱圧着させた。
次に、加熱プレス機の熱板の内部を水冷することで該熱板を60℃まで冷却した後、発泡シート積層体を得た。
また、この発泡シート積層体を用いたこと、及び、高さ13.0mmのスペーサを用いたこと以外は、試験例1と同様にして繊維強化複合体を得た。
試験例1と同様にして発泡シートを得た。
次に、2枚の発泡シート(縦180mm×横180mm×厚み1.8mm)を接着剤(HUNTSMAN社製、商品名「アラルダイト2011」)を使用して貼り合わせ、貼り合わせた発泡シートを23℃の環境下に1週間置き、発泡シート積層体を作製した。
また、この発泡シート積層体を用いたこと、及び、高さ4.7mmのスペーサを用いたこと以外は、試験例1と同様にして繊維強化複合体を得た。
試験例1と同様にして発泡シートを得た。
次に、2枚の熱板(180mm×180mm)を備える加熱プレス機において、145℃に加熱した2枚の熱板の間に、2枚積層した発泡シート(縦180mm×横180mm×厚み1.8mm)(2枚の合計厚み:3.6mm)を挟んだ。
そして、前記熱板の熱によって、前記熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度以上の温度(145℃)で、積層した発泡シートを加熱しつつ、前記熱板同士の間の距離が、積層した発泡シートの合計の厚みよりも0.4mm小さくなるように(積層した発泡シートの合計の厚みの11%分小さくなるように)(熱板同士の間の距離:3.2mm)、積層した発泡シートを前記熱板で加圧した。
次に、前記熱板の熱によって、前記熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度以上の温度(145℃)で、積層した発泡シートを加熱しつつ、熱板間の距離を3.2mmから7.0mmまで3分かけて徐々に広げて前記発泡シートを膨らませたが、熱板間距離を広げている途中、4.2mmの厚みで発泡が止まったため、熱板間の距離を4.2mmとし、熱板で発泡シートを隙間なく挟んだ。
そして、前記熱板の熱によって、前記熱可塑性ポリエステル系樹脂の結晶化温度以上の温度(145℃)で、積層した発泡シートをさらに12分間加熱することにより、前記発泡シートを合計15分間加熱圧着させた。
次に、加熱プレス機の熱板の内部を水冷することで該熱板を60℃まで冷却した後、発泡シート積層体を得た。
また、この発泡シート積層体を用いたこと、及び、高さ5.2mmのスペーサを用いたこと以外は、試験例1と同様にして繊維強化複合体を得た。
試験例1と同様にして発泡シートを得た。
次に、2枚の熱板(180mm×180mm)を備える加熱プレス機において、100℃に加熱した2枚の熱板の間に、2枚積層した発泡シート(縦180mm×横180mm×厚み1.8mm)(2枚の合計厚み:3.6mm)を挟んだ。
そして、前記熱板の熱によって、前記熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度以上の温度(100℃)で、積層した発泡シートを加熱しつつ、前記熱板同士の間の距離が、積層した発泡シートの合計の厚みよりも0.4mm小さくなるように(積層した発泡シートの合計の厚みの11%分小さくなるように)(熱板同士の間の距離:3.2mm)、積層した発泡シートを前記熱板で加圧した。
次に、前記熱板の熱によって、前記熱可塑性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度以上の温度(100℃)で、積層した発泡シートを加熱しつつ、熱板間の距離を3.2mmから7.0mmまで1分かけて徐々に広げて前記発泡シートを膨らませたが、熱板間距離を広げている途中、5.3mmの厚みで発泡が止まったため、熱板間距離を5.3mmとし、熱板で発泡シートを隙間なく挟んだ。
そして、前記熱板の熱によって、前記熱可塑性ポリエステル系樹脂の結晶化温度以下の温度(100℃)で、積層した発泡シートをさらに14分間加熱することにより、前記発泡シートを合計15分間加熱圧着させた。
次に、加熱プレス機の熱板の内部を水冷することで該熱板を60℃まで冷却した後、発泡シート積層体を得た。
また、この発泡シート積層体を用いたこと、及び、高さ6.3mmのスペーサを用いたこと以外は、試験例1と同様にして繊維強化複合体を得た。
Claims (10)
- 熱可塑性ポリエステル系樹脂で形成された複数の発泡シートが積層一体化されてなり、
該発泡シートで形成された発泡層を複数備え、
下記式(1)に示す気泡のアスペクト比の平均値が0.6〜1.2である発泡シート積層体。
気泡のアスペクト比 = 前記発泡シートの積層面に垂直な方向の気泡径/前記発泡シートの積層面に平行な方向の気泡径 ・・・(1) - 非発泡層をさらに備えており、
前記非発泡層の厚みの合計に対する前記発泡層の厚みの合計の比が、30〜110である請求項1に記載の発泡シート積層体。 - 複数の前記発泡層は、最も見掛け密度が小さい最小密度領域を各層の厚み方向中央部に備えており、
複数の前記最小密度領域のうち最も見掛け密度が小さい領域における気泡のアスペクト比の平均値が1.4以上である請求項1又は2に記載の発泡シート積層体。 - 前記最小密度領域の気泡のアスペクト比の平均値が、全ての前記発泡層において、1.3以上である請求項3に記載の発泡シート積層体。
- 複数の前記発泡層は、最も見掛け密度が小さい最小密度領域を各層の厚み方向中央部に備えており、
複数の前記発泡シートのうちの一の発泡シートの一面側が熱溶融されてなる熱溶融層を最表面に備えており、
前記最表面に備えられた前記熱溶融層を含む表層部の見掛け密度は、複数の前記最小密度領域のうち最も見掛け密度が小さい領域の見掛け密度に対して1.3倍以上である請求項1〜4の何れか1項に記載の発泡シート積層体。 - 複数の前記発泡シートのうちの一の発泡シートの一面側が熱溶融されてなる熱溶融層を最表面に備えており、
前記最表面に備えられた前記熱溶融層を含む表層部の結晶化熱量が、5.0mJ/mg以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の発泡シート積層体。 - 芯材と、該芯材の表面に積層された繊維強化合成樹脂体とを備える繊維強化複合体の前記芯材として用いられる請求項1〜6のいずれか1項に記載の発泡シート積層体。
- 芯材としての発泡シート積層体と、該芯材の表面に積層された繊維強化合成樹脂体とを備えており、
前記芯材として、請求項7に記載の発泡シート積層体が用いられている繊維強化複合体。 - 複数の発泡シートを一体化させる、発泡シート積層体の製造方法であって、
熱可塑性ポリエステル系樹脂で形成された前記発泡シートが複数枚積層されてなる積層体を、該積層体の自然状態での厚み以下に規制しつつ加熱する第1の工程と、
前記第1の工程後に、前記積層体を加熱しつつ、該積層体の厚みを増大させて前記発泡シートそれぞれについて前記第1の工程前の厚みよりも厚みを大きくする第2の工程と、を備える発泡シート積層体の製造方法。 - 前記第1の工程前に、熱可塑性ポリエステル系樹脂と発泡剤とを溶融混練し、押出発泡させることにより、前記第1の工程の複数枚の前記発泡シートのうちの少なくとも1枚を得る押出発泡工程を更に備える、請求項9に記載の発泡シート積層体の製造方法。
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