JP6261347B2 - エンジンの摩擦損失測定方法およびエンジンの駆動状態検出方法 - Google Patents

エンジンの摩擦損失測定方法およびエンジンの駆動状態検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、ディーゼルエンジン等における摩擦損失を測定する方法、およびこれを用いたエンジンの駆動状態を検出する方法に関する。
近年においては、地球温暖化防止の観点から、カーボンニュートラルである植物油由来の燃料を用いたディーゼルエンジンが既に適用され始めている。但し、植物油由来の燃料はそのままでは粘度が高いため、ディーゼルエンジンにそのまま適用することは難しく、植物油由来の燃料の粘度を軽油並に低減させる処理をしてバイオディーゼル燃料(BDF(登録商標))として用いられている。具体的には、植物油や廃食油にNaOHとメタノールを混入し加熱する処理、すなわちメチルエステル化処理をしてバイオディーゼル燃料(BDF(登録商標))を製造していた。あるいは、植物油を加熱してエンジンに供給し、燃料噴射パイプを外側から蒸気やヒーターで加熱するといったことが必要であった(例えば、特許文献1参照)。
このようなメチルエステル化処理に要する費用、そのときの排水処理の必要性を考えると、このような処理を行わずに植物油をそのままディーゼルエンジンに燃料として供給して用いること(ニートバイオ燃料)ができるようにすることが望まれる。そのため、本願発明者らは、植物油をそのままディーゼルエンジンに供給して燃料として用いるための基礎的な研究を行っている。
特開2009−168002号公報
ところで、上記研究では燃費についても検討が行われるが、この検討においては、特にエンジンの摩擦損失を正しく評価することが重要となる。従来、比較的簡便なエンジンの摩擦損失測定方法として、シリンダ空間内の燃焼を抑制して減速させるときの減速度に基づいて、摩擦損失を測定する減速法が知られている。しかし、所定のタイミングにおいてシリンダ空間内の燃焼を完全に停止させることが難しいため、正確な摩擦損失を測定することが困難であるという課題があった。本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、ディーゼルエンジン等における摩擦損失を正確に測定できる摩擦損失測定方法、およびこの方法を用いたエンジンの駆動状態検出方法を提供することを目的とする。
第1の発明である摩擦損失測定方法は、エンジンの摩擦損失を測定する摩擦損失測定方法であって、前記エンジンは、前記エンジンにより駆動されてエンジンシリンダ空間内に燃料供給を行う燃料供給装置を備え、前記燃料供給装置により前記エンジンシリンダ空間内に供給された燃料を燃焼させて前記エンジンを駆動させる駆動状態から、前記エンジンシリンダ空間内における燃料の燃焼を抑制することにより減速させる測定状態へ切り換えた後の出力軸の角減速度dω/dtを測定し、前記エンジンの駆動系全体の慣性モーメントをItとするとき、式Tf=It×dω/dtにより求まるエンジンの摩擦トルクTf(例えば、実施形態における計測摩擦トルクTf)と、前記駆動状態から前記測定状態に切り換えた後に前記エンジンシリンダ空間内において発生する後だれ燃焼によりなされる仕事(例えば、実施形態における仕事補正量ΔW)に対応する補正トルク(例えば、実施形態における摩擦トルク補正量ΔTf)とを基にして、エンジンの摩擦損失を求めることを特徴とする。
上述の摩擦損失測定方法において、前記後だれ燃焼によりなされる仕事が、前記駆動状態から前記測定状態に切り換えた後の前記エンジンシリンダ空間の容積と圧力との関係を示すラインにより囲まれる領域の面積を基にして算出されるようになっており、前記ラインのうち前記後だれ燃焼が生じている部分(例えば、実施形態における図9の開始点Aから終了点Bに至る部分)に、前記エンジンシリンダ空間の容積に対応する圧力の測定結果を用い、前記ラインのうち前記後だれ燃焼が生じている部分以外の部分に、断熱変化を示す理論式(例えば、実施形態における式(6)および式(7))を用いることが好ましい。
上述の摩擦損失測定方法において、前記駆動状態から、前記燃料供給装置による前記エンジンシリンダ空間内への燃料供給を停止させて前記測定状態に切り換えることが好ましい。
また、摩擦損失測定方法において、前記駆動状態から、前記燃料供給装置による前記エンジンシリンダ空間内への燃料供給を継続しつつ不燃性ガス(例えば、実施形態における窒素Nガス)を前記エンジンシリンダ空間内に供給して前記測定状態に切り換えても良い。
第2の発明である駆動状態検出方法は、エンジンの駆動状態を検出する駆動状態検出方法であって、前記エンジンは、前記エンジンにより駆動されてエンジンシリンダ空間内に燃料供給を行う燃料供給装置を備え、前記燃料供給装置により前記エンジンシリンダ空間内に供給された燃料を燃焼させて前記エンジンを駆動させる駆動状態から、前記エンジンシリンダ空間内における燃料の燃焼を抑制することにより減速させる測定状態へ切り換えた後の出力軸の角減速度dω/dtを測定し、前記エンジンの駆動系全体の慣性モーメントをItとするとき、式Tf=It×dω/dtにより求まるエンジンの摩擦トルクTf、および前記駆動状態から前記測定状態に切り換えた後に前記エンジンシリンダ空間内において発生する後だれ燃焼によりなされる仕事に対応する補正トルクを基にして、エンジンの摩擦損失を求める摩擦損失算出ステップと、前記算出されたエンジンの摩擦損失を、前記エンジンを正常な状態で駆動させたときに測定される摩擦損失と比較する摩擦損失比較ステップと、前記比較の結果に基づいて、前記エンジンの駆動状態を検出する駆動状態検出ステップとを備えることを特徴とする。
ディーゼルエンジン等において、シリンダ空間への燃料供給を停止させて燃焼を停止させようとしても、シリンダ空間を形成する壁部にしみ込んだ僅かな燃料が燃焼(後だれ燃焼)することにより、その分仕事がなされて正確な摩擦損失の測定が困難になることがある。そこで、本発明においては、減速法によって得られる摩擦トルクTfと、後だれ燃焼によりなされる仕事に対応する補正トルクとを基にして、エンジンの摩擦損失を求めるようになっている。このため、後だれ燃焼を考慮した正確なエンジンの摩擦損失が算出可能となり、これにより、ニートバイオ燃料を用いた場合、および通常のディーゼル燃料(軽油)を用いた場合それぞれのディーゼルエンジンの性能評価を精度良く行うことができる。
ニートバイオ燃料の一例であるアマニ油および軽油等の温度変化に対応する粘度変化特性を示すグラフである。 ディーゼルエンジンを用いたテストベンチ構成を示す説明図である。 エンジン負荷(%)に対する、NOx、排煙濃度、正味燃料消費率BSFC(Brake Specific Fuel Consumption) および図示燃料消費率ISFC(Indicated Specific Fuel Consumption) の値を、アマニ油および軽油について示すグラフである。 減速法の測定について示す説明図である。 減速法Aによる実験装置構成を示す説明図である。 エンジン負荷が3種類(0%,25%および50%)の場合について、減速法Aにより、エンジン摩擦損失と燃料噴射のための駆動トルクとを求めた結果を示すグラフである。 減速法BおよびCを実施するための実験装置構成を示す説明図である。 減速法Bにより測定した結果を示すグラフであり、(a)および(b)は3000rpmでのエンジン摩擦トルクと燃料噴射駆動トルクとの測定結果を示すグラフであり、(c)および(d)は2400rpmでの測定結果を示すグラフである。 筒内容積と筒内圧との関係を示すグラフである。 クランク角度とポリトロープ指数κとの関係を示すグラフである。 エンジン回転数およびクランク軸の角減速度の計算結果の一例を示すグラフであって、(a)は角減速度を360°(1回転)毎に計算した場合のグラフであって、(b)は角減速度を720°(2回転)毎に計算した場合のグラフである。 クランク軸における軸のねじり振動が生じていない中立点を算出するための算出方法を説明するための説明図であって、(a)は2点での計測値の外挿による算出方法を、(b)は2点での計測値の内挿による算出方法を説明するための説明図である。 摩擦損失測定方法を用いたエンジンの駆動状態検出方法を説明するための図であって、(a)は装置構成を示すブロック図であり、(b)はメモリに記憶されたデータを概念的に示す図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。本発明に係るエンジンの摩擦損失計測法(以下に説明する減速法CおよびD)について説明をする前に、本出願人が本願発明に至るまでに検討を行った内容について説明する。
本出願人は最初に、ニートバイオ燃料を通常のディーゼルエンジンに用いるために、ニートバイオ燃料の粘度を、如何にして通常のディーゼルエンジン燃料(軽油)のレベルまで下げるかを検討した。ニートバイオ燃料としてアマニ油を用いたが、アマニ油および通常のディーゼルエンジン燃料の特性を表1に示している。このようにアマニ油の粘度は高い。
このように高い粘度を低減させるには、上述したような化学処理による方法もあるが、もう一つの方法は、船舶用の大型ディーゼルエンジンに用いられているように、燃料を加熱する方法がある。図1に、アマニ油と従来のディーゼル燃料の温度変化に対応する粘度変化特性を示している。上述した粘度を低減させるための化学処理や加熱装置はコストの増加に繋がるため、メチルエステル化処理や、燃料の加熱を行うことなく、高粘度のニートバイオ燃料をそのまま用いて正味燃料消費率BSFCを向上させる検討を行った。
正味燃料消費率BSFCを向上させるための検討に際し、表2に示す特性の単気筒空冷小型エンジンを用いてテストを行った。このエンジンは表3に示す燃料噴射システムを備える。定格出力時での最大燃料噴射圧は25MPaであり、最近の自動車用エンジンより低圧である。なお、燃料噴射開始タイミングは、クランク角度で23°BTDCに固定されている。
図2に、テストベンチ構成を示している。エンジンEにはエアフィルタ1およびサージタンク2を通って吸気が供給され、燃料タンク5から所定の燃料がエンジンEに供給される。このとき燃料供給量はビュレット4により測定される。エンジンEには、シリンダ内圧を検出する圧力検出器3、排気温度を検出する温度計6,クランク角検出器7が取り付けられている。さらにエンジンEの出力軸にはダイナモメータ8が取り付けられており、エンジン出力が測定される。圧力検出器3の出力値はストレインゲージアンプ11を介してデータアナライザー12に入力され、クランク角検出器7の出力値もデータアナライザー12に入力される。
図3には、エンジン負荷(%)に対する、NOx、排煙濃度、BSFCおよび図示燃料消費率ISFCの値が、アマニ油および通常のディーゼル油について示されている。この図において、破線がアマニ油を、実線が通常のディーゼル油の特性を示している。この図から分かるように、BSFCはアマニ油の方が通常のディーゼル油より大きく、ISFCは通常のディーゼル油の方がアマニ油より大きい。ニートバイオ燃料(アマニ油)のBSFCが高いのは、高粘度のために燃料の噴霧化が劣るためであると考えられてきた。しかしながら、ニートバイオ燃料はISFCが低く、これは、ニートバイオ燃料は含酸素燃料であることにより燃焼速度が高いためである。これにより、排煙濃度が低くなるという利点もある。
アマニ油を燃料とするとBSFCが高く、ISFCが低い。以上のことから、アマニ油を用いると、粘度が高いことに起因してエンジンの摩擦損失が大きくなると想定される。この点について以下に記載のテストを行って確認した。
エンジンの摩擦損失を測定するために、減速法を用いた。この方法は、図4に示すように、エンジンの燃焼無しでの減速と、燃焼無しにして減速が始まる寸前までのエンジンの速度および負荷に応じた摩擦トルクとの関係に基づいて摩擦損失を計測する方法である。なお、ここで規定するエンジンの摩擦損失もしくは摩擦トルクというのは、機械的な損失のみならず、吸排気行程でのポンピングロスも含む広い意味を有する。
エンジンが燃料カットされてエンジン摩擦トルクTfだけになって、図4に示すように角減速度dω/dtで減速されるときには下記式(2)の関係となる。
Tf = It × dω/dt ・・・(2)
Itは、エンジンに繋がるダイナモメータ8およびカップリング部材などを含めたエンジンのトータル慣性モーメントである。エンジンの設計値を基にして計算によりItを求めることも可能であるが、ここでは以下のようにしてItを実験的に求めた。
ダイナモメータ8に負荷「ΔT」を加えながらエンジンへの燃料供給を停止させて減速させたときの角減速度をdω/dt(d)とすると、エンジンの減速関係は下記式(3)で表される。さらに、式(2)および(3)からItは下記式(4)で求められる。
(Tf+ΔT)= It × dω/dt(d) ・・・(3)
It = ΔT/(dω/dt(d) − dω/dt) ・・・(4)
この式(4)から分かるように、Itはダイナモメータ8により加える負荷ΔTを適宜設定して減速度を実測することにより求まる。この実験結果はかなり安定しており、本装置ではItは0.354kgm2であった。そして、これに基づいて式(2)からアマニ油を燃料として用いたときおよび通常のディーゼル燃料を用いたときでのエンジン摩擦損失もしくは摩擦トルクを実験的に求めた。
まず、エンジンの摩擦損失を、第1の方法である減速法Aにより求めた。減速法Aによる実験装置構成を図5に示している。減速法Aを用いる装置は、エンジンEにより駆動されて燃料噴射パイプ22およびエンジンシリンダ23内に燃料を供給する燃料供給装置20と、燃料噴射パイプ22の途中に設けられた切換弁21を備える。燃料供給装置20は、燃料噴射パイプ22に燃料を供給する供給状態と、燃料噴射パイプ22への燃料供給を停止させる停止状態とに切り換え可能に構成される。切換弁21は、エンジンシリンダ23内への燃料噴射を行う燃料噴射ノズル25と、外部に燃料噴射を行う燃料噴射ノズル26とに燃料供給を切り換えるようになっている。これにより、燃料噴射をしない場合と燃料噴射をしながらのエンジン摩擦損失が各々測定できる。両者の差から燃料噴射のための駆動トルクが求められる。
図6に、エンジン負荷が3種類(0%,25%および50%)の場合について、エンジン摩擦損失と燃料噴射のための駆動トルクとを求めた結果を示している。通常のディーゼル燃料での燃料噴射のための駆動トルクは、エンジン負荷に対応して0.1−0.3Nmであった。一般的に通常の燃料噴射システムでは、最大エンジントルクの約1%が燃料噴射のための駆動トルクであり、本エンジンの最大トルクは表2に示すように19.6Nmである。減速法Aにより測定された燃料噴射駆動トルク0.1−0.3Nmは、最大トルクの約0.5−1.5%であり、適切な測定結果であると考えられる。
しかし、このように切換弁21を設け、付加的な燃料供給パイプを設けると、無駄な容積が増加するので燃料噴射圧を減少させる結果となると考えられる。燃料噴射駆動トルクは燃料噴射圧力の影響を受けて変動するため、測定結果に影響があると考えられる。このため、下記に説明する第2の方法である減速法Bにより、エンジンの摩擦損失を測定した。
図7に減速法Bを用いる装置構成を示している。この装置ではエンジン吸気通路内に窒素Nガスを供給して、燃料噴射しながらエンジンシリンダ内の燃焼を抑えるようになっている。これにより、エンジン運転状態を変えることなく、エンジン性能試験状態からエンジン摩擦損失測定状態に切換えて、エンジン摩擦損失を測定できるという利点がある。なお、エンジン性能試験状態およびエンジン摩擦損失測定状態が、それぞれ特許請求の範囲における「駆動状態」および「測定状態」に対応している。
このときのエンジン摩擦損失の測定について具体的に説明すると、まず、燃料供給装置によりエンジンシリンダ内に供給された燃料を燃焼させて、エンジンを駆動状態(性能試験状態)とする。この状態から、エンジンシリンダ内への燃料供給を継続しつつエンジンシリンダ内に窒素Nガスを供給して、エンジンシリンダ内での燃料の燃焼を抑制してエンジンを減速させる(摩擦損失測定状態とする)。ここで、窒素Nガスの供給によりエンジンシリンダ内での燃料の燃焼抑制が開始された時点での角減速度dω/dtを算出する。上記式(2)を用いて、算出された角減速度dω/dtと、予め実験的に求められて記憶されているエンジンのトータル慣性モーメントItとから、エンジン摩擦トルクTfを求める。なお、角減速度dω/dtは、性能試験状態から摩擦損失測定状態に切り換えた時点の状態に基づいて算出する代わりに、摩擦損失測定状態に切り換えた後の減速途中の状態に基づいて算出しても良い。また、摩擦損失測定状態に切り換えた後の複数の時点における角減速度dω/dtを算出し、それらを平均して求めても良い。
図8に、この減速法Bにより測定した結果を示している。図8(a)および(b)に3000rpmでのエンジン摩擦トルクと燃料噴射駆動トルクとの測定結果を示しており、通常のディーゼル燃料(軽油)の場合には、燃料噴射駆動トルクは0−0.2Nmと小さいが、アマニ油の場合には、燃料噴射駆動トルクは0.5−0.8Nmと大きな値となっていることが分かる。図8(c)および(d)に2400rpmでの測定結果を示しているが、同様な傾向を有している。
通常のディーゼル燃料(軽油)を用いる場合は、燃料噴射トルクはほぼ無視できる程度の大きさであるが、アマニ油を用いる場合は、その粘度が高いため、燃料噴射トルクが大きくなることが分かる。すなわち、アマニ油を用いると燃料噴射トルクの増加の影響により、燃料消費率BSFCを増加させているということが分かる。
以上ここまで、減速法Bについて説明した。ところで、図4に示す減速法は基本的に、エンジンシリンダ23内での燃焼を抑えて燃料燃焼による仕事が行われない状態を作り出し、その状態でのエンジンの減速過程を計測してエンジン摩擦トルクを測定する方法である。しかし実際には、エンジンシリンダ23内への燃料噴射を止めたり窒素Nガスの供給を行って燃焼を抑えようとしても、エンジンシリンダ23内の壁面に付着した燃料が僅かながら燃焼する場合がある(以下、これを「後だれ燃焼」と称する)。この後だれ燃焼が発生して仕事がなされると、その分だけ角減速度が低下するので、後だれ燃焼の分だけ小さなエンジン摩擦トルクが実際に計測されることになる。このため、正確なエンジン摩擦トルクを得ることが困難になる。
そこで、以下に説明する減速法Cでは、まず、後だれ燃焼によってなされる仕事量Wを算出する。そして、この仕事量Wに対応する摩擦トルク補正量ΔTfを求めて、実際に計測して得られる計測摩擦トルクTfに加える。このようにして、後だれ燃焼を考慮した正確な補正摩擦トルクTf*(エンジン摩擦トルク)を算出する。この減速法Cについて、以下に詳細に説明する。
図7に減速法Cを用いる装置構成を示している。この装置は、エンジン性能試験状態からエンジン摩擦損失測定状態への切換えは、燃料供給装置によるエンジンシリンダ内への燃料供給を停止させることにより行われ、このとき、エンジンシリンダ内への窒素Nガスの供給は原則として行わない。このように燃料供給を停止させても、後だれ燃焼が生じ得る。そこで、圧力検出器3により得られる筒内圧と、これに対応する筒内容積との関係から、後だれ燃焼による仕事量Wを算出することを検討する。なお、減速法Cにおいて、エンジン摩擦損失測定状態への切換時に、燃料供給装置によるエンジンシリンダ内への燃料供給停止とともに、エンジンシリンダ内へ窒素Nガスを供給することも可能であるが、このようにしても後だれ燃焼が生じ得る。
圧力検出器3は一般に、最大筒内圧を検出可能なものを用いる必要があるため、比較的高い筒内圧を精度良く検出できても、比較的低い筒内圧を精度良く検出することが難しい。このため、圧力検出器3により得られた筒内圧は、特に低圧領域で不安定になりやすい。よって、筒内容積と筒内圧との関係を示すラインによって囲まれる面積として、後だれ燃焼の仕事量Wを正確に算出することは難しい。
後だれ燃焼は、図9に示すように、圧縮行程の比較的高圧領域(開始点A)において発生した後、膨張行程の比較的高圧領域(終了点B)まで継続する。そこで、減速法Cにおいては、図9のようなエンジン摩擦損失測定状態へ切換えた後の筒内容積と筒内圧との関係を示すグラフを作成する際、後だれ燃焼が発生している開始点Aから終了点Bに至る高圧領域のラインについては、圧力検出器3により実際に測定して得られた筒内圧を適用する。
後だれ燃焼の開始点Aおよび終了点Bは、筒内圧および筒内容積を用いて下記式(5)により得られる、クランク角度毎のポリトロープ指数κに基づいて特定される。
(dP/P)/(dV/V) = −κ ・・・(5)
図10に、上記式(5)により求められたポリトロープ指数κとクランク角度との関係の一例を示す。ポリトロープ指数κは、エンジンシリンダ23内において燃焼が発生していない状態では1.4近傍で安定するが、燃焼が発生すると1.4近傍から外れることが知られている。このため、図10に示す例においては、ポリトロープ指数κが1.4近傍から急激に立ち上がるクランク角度1°BTDCを、後だれ燃焼の開始点Aと特定することができる。この開始点Aよりも後の行程において、ポリトロープ指数κを滑らかな曲線で近似し、この近似曲線とポリトロープ指数κ=1.4の直線とが交差する点を、後だれ燃焼の終了点Bと特定することができる。図10の例では、クランク角度10°ATDCが終了点Bとして特定される。
一方、図9において、開始点Aから終了点Bに至る範囲以外のライン、比較的低圧の圧縮行程および膨張行程は、燃焼が発生していないので断熱圧縮および断熱膨張とみなすことができる。よって、図9において、後だれ燃焼の開始点Aを通る断熱圧縮曲線は、下記式(6)により求められる。
P = P ×(V/V)^κ ・・・(6)
ここで、Pは開始点Aにおける筒内圧、Vは開始点Aにおける筒内容積、κはポリトロープ指数である。なお、ここでは空気の断熱変化に相当するので、κ=1.4である。
また、図9において、後だれ燃焼の終了点Bを通る断熱膨張曲線は、下記式(7)により求められる。
P = P ×(V/V)^κ ・・・(7)
ここで、Pは終了点Bにおける筒内圧、Vは終了点Bにおける筒内容積である。
このようにして、図9に示すような筒内容積と筒内圧との関係を示すグラフを求める。エンジンシリンダ23内において燃焼が行われていない状態では、理論上、このグラフ中のラインによって囲まれる領域の面積、すなわち仕事量Wは零となる。しかし、実際には後だれ燃焼は発生しているため、これに対応する仕事量Wがハッチング部の面積として表される。
そこで、この仕事量Wを補正すべきWとして仕事補正量ΔWとすると、仕事補正量ΔWと摩擦平均有効圧補正量ΔPmfとの関係は、下記式(8)で定義される。
ΔW = ΔPmf ×Vh ・・・(8)
上記式(8)において、VhはエンジンEの排気量である。また、摩擦平均有効圧補正量ΔPmfと摩擦トルク補正量ΔTfとの関係は、下記式(9)で定義される。
ΔPmf = 4π×(ΔTf/Vh) ・・・(9)
このため、仕事補正量ΔWが求まると、上記式(8)から摩擦平均有効圧補正量ΔPmfが求まる。この摩擦平均有効圧補正量ΔPmfと上記式(9)とから、摩擦トルク補正量ΔTfが求まる。この摩擦トルク補正量ΔTfを計測摩擦トルクTfに加えれば、後だれ燃焼を考慮した正確な補正摩擦トルクTf*を求めることができる。
なお、エンジンEは、吸気、圧縮、膨張および排気の各行程を順番に繰り返して駆動力を出力するが、図9には、吸気行程および排気行程に対応するラインの図示を省略している。これは、吸気行程および排気行程においてなされる仕事が、後だれ燃焼とは無関係であるためであり、当然ながら補正摩擦トルクTf*の算出においてこの仕事を考慮しない。
上述の減速法A,BおよびCを実行するときに、以下のようにクランク角検出器7によりクランク角度を検出することが好ましい。まず、クランク角検出器7は、所定角度(例えば1°)毎にスリットを設けたスリット円盤(図示せず)、このスリット円盤を挟持するように配置された発光素子および受光素子(いずれも図示せず)を備えて構成される。表2に示されるように、この実験で用いられるエンジンは4サイクルエンジンであるため、クランク軸が360°回転する間(1回転する間)の角減速度を計算した場合、図11(a)に示すように、隣合う角減速度同士が大きく変動することとなる。そこで、クランク軸が720°回転する間(2回転する間)の角減速度を計算することで、図11(b)に示すように、隣合う角減速度同士が大きく変動せず安定する。このため、この角減速度を用いて行う摩擦損失計測法の計測精度が向上する。
上述の減速法A,BおよびCにおいて、エンジンシリンダ23内において燃焼が発生しない状態を作り出してエンジンを減速させるときに、クランク軸に捩り振動が生じる場合がある。捩り振動する部分の回転角度に基づいて角減速度を求めても、正確な角減速度を得ることは難しい。そこで、捩り振動の振幅もしくは位相が互いに異なる複数箇所に、それぞれスリット円盤を設ける。これら複数のスリット円盤において得られるクランク角信号を、外挿(図12(a)参照)もしくは内挿(図12(b)参照)して、捩り振動が生じていない中立点を求める。そして、この中立点におけるクランク角信号を算出し、このクランク角信号を基にして角減速度を求める。これにより、クランク軸に生じる捩り振動の影響を排除した正確な角減速度を検出することができる。
上述の減速法Cに代えて、エンジン摩擦損失測定状態への切換時に、燃料供給装置によるエンジンシリンダ内への燃料供給を継続して行いながら、エンジンシリンダ内へ窒素Nガスを供給して燃焼を抑制することも可能である(以下、この方法を減速法Dと称する)。
この減速法Dにおいても、後だれ燃焼が生じ得るため、上述のようにして後だれ燃焼によってなされる仕事量Wを算出することにより、正確な補正摩擦トルクTf*を求めることができる。また、減速法Dによって算出される補正摩擦トルクTf*と、減速法Cによって算出される補正摩擦トルクTf*との差を求めることにより、燃料噴射のための駆動トルクを求めることができる。なお、燃料噴射のためのトルクは一般的に、減速法Dによって算出される補正摩擦トルクTf*の数%程度でしかないため、無視をしても支障はない。
以上ここまでは、エンジン摩擦トルクの測定方法について説明したが、以下においては、このエンジン摩擦トルクの測定方法を用いたエンジンの駆動状態検出方法について、図13を参照しながら説明する。図13(a)は、エンジンEの駆動状態を検出するための駆動状態検出装置30のブロック図であり、まず、この図を参照しながら駆動状態検出装置30の装置構成について説明する。
駆動状態検出装置30は、発電機、油圧ポンプもしくは船舶のプロペラ等の駆動対象装置MをエンジンEにより駆動する場合のエンジンEの駆動状態を検出する装置であって、クランク角検出器7と、油温検出器31と、コントローラ32とを備えて構成される。クランク角検出器7は、エンジンEの回転数(rpm)を検出し、その検出結果に対応する検出信号をコントローラ32に出力する。油温検出器31は、エンジンEの潤滑油温度(℃)を検出し、その検出結果に対応する検出信号をコントローラ32に出力する。駆動対象装置Mが例えば発電機の場合、この発電機による発電量に基づいてエンジンEの負荷(Nm)が検出される。コントローラ32は、演算処理を行うCPU33と、エンジンEの燃料供給制御に関するプログラムやデータが記憶されたメモリ34とを備えて構成される。コントローラ32は、エンジンEによって駆動される燃料供給ポンプ27に指令信号を出力して、燃料噴射ノズル25からエンジンシリンダ内に燃料を噴射させる供給状態と、燃料噴射ノズル25からエンジンシリンダ内への燃料噴射を停止させる停止状態とに切り換える制御を行う。なお、エンジンEの負荷(Nm)は、エンジンEにおける燃料噴射量(燃料消費量)を基にして検出することも可能である。
図13(b)は、コントローラ32のメモリ34に予め記憶されたデータ(正常状態データ34a〜34e)の一例であり、この例では潤滑油温度毎(40℃、60℃、80℃、100℃および120℃毎)に、エンジン回転数(rpm)と、エンジン負荷(Nm)と、エンジン回転数およびエンジン負荷に対応する摩擦損失とが記憶されている。このデータは、エンジンEが正常に駆動する状態、具体的には潤滑油の循環が正常に行われていて、いわゆる「焼き付き」の虞がない状態で、また、潤滑油の劣化が進行しておらず潤滑油の粘度が低い状態で、さらに、エンジンEの摺動部分(ベアリング等)に異常がない状態で、エンジンEを駆動させて得られた実測値を記憶したものである。例えば潤滑油温度40℃に対応する正常状態データ34aは、潤滑油温度を40℃に維持しながらエンジンEの回転数および負荷を変化させて、後だれ燃焼を考慮した摩擦損失を算出し、その摩擦損失を記憶したものである。
エンジンEの燃料供給ポンプ27は、エンジンEが駆動を開始した後所定時間経過毎に、コントローラ32により供給状態から停止状態に切り換えられ、駆動対象装置Mの駆動に支障とならない短い間停止状態とされた後、再び供給状態に戻される。コントローラ32は、停止状態毎に、その直前のエンジン負荷状態での摩擦損失(後だれ燃焼を考慮した摩擦損失)を上述の減速法Cにより算出する。ここで、エンジンEに何らかの異常(潤滑油の循環不良、潤滑油の劣化、摺動部分の異常等)が生じている場合には、メモリ34に記憶された対応する摩擦損失を大きく超える摩擦損失が算出され、エンジンEに異常が生じていない場合には、対応する摩擦損失に近い摩擦損失が算出される。一方で、コントローラ32は、このときクランク角検出器7および油温検出器31から入力される検出信号、並びに検出されたエンジン負荷に対応する摩擦損失を、メモリ34から読み出す。そして、算出した摩擦損失を、メモリ34から読み出した対応する摩擦損失と比較する。
比較の結果、算出された摩擦損失が、メモリ34から読み出された対応する摩擦損失に対して所定値以上大きい場合には、エンジンEに何らかの異常(潤滑油の循環不良、潤滑油の劣化、摺動部分の異常等)が生じていると判断される。この判断に基づいて、エンジンEに異常が生じていることの報知を行うことにより、エンジンEが受けるダメージを抑えることができる。一方、算出された摩擦損失と、メモリ34から読み出された対応する摩擦損失との差が所定値未満である場合には、エンジンEに駆動の支障となる異常は生じていないと判断される。
ところで、エンジンは一般に、繰り返して駆動することにより、シリンダ空間を形成する壁部に燃焼堆積物(不完全燃焼成分や潤滑油成分等からなる残渣物)が堆積する。この燃焼堆積物が堆積するシリンダ空間内に燃料が噴射されると、噴射された燃料の一部が燃焼堆積物に吸着されて浸透する。このため、シリンダ空間の壁部に多くの燃焼堆積物が堆積すると、それに応じて多くの噴射燃料が燃焼堆積物に吸着され、その結果、後だれ燃焼時に燃焼する燃料が増加して後だれ燃焼によってなされる仕事量が増加する。よって、上述の駆動状態検出装置30において、摩擦損失を算出するときに求める後だれ燃焼による仕事量に基づいて、シリンダ空間内の燃焼堆積物の堆積状態を推定することも可能である。また、シリンダ空間内に堆積する燃焼堆積物が、ピストンの焼き付き等の原因になる場合があるため、例えば後だれ燃焼による仕事量として所定量以上の仕事量が算出される場合に、エンジンの分解清掃を促す報知を行うことにより、ピストンの焼き付き等を未然に防止可能となる。
上述の実施形態では、燃焼を抑制するための不燃性ガスとして窒素Nガスを用いた例について説明したが、これ以外にも例えば二酸化炭素ガス、ヘリウムガスもしくはアルゴンガス等を用いることが可能である。
E エンジン
Tf 計測摩擦トルク(摩擦トルク)
ΔW 仕事補正量(仕事)
ΔTf 摩擦トルク補正量(補正トルク)

Claims (5)

  1. エンジンの摩擦損失を測定する摩擦損失測定方法であって、
    前記エンジンは、前記エンジンにより駆動されてエンジンシリンダ空間内に燃料供給を行う燃料供給装置を備え、
    前記燃料供給装置により前記エンジンシリンダ空間内に供給された燃料を燃焼させて前記エンジンを駆動させる駆動状態から、前記エンジンシリンダ空間内における燃料の燃焼を抑制することにより減速させる測定状態へ切り換えた後の出力軸の角減速度dω/dtを測定し、前記エンジンの駆動系全体の慣性モーメントをItとするとき、式
    Tf=It×dω/dt
    により求まるエンジンの摩擦トルクTfと、前記駆動状態から前記測定状態に切り換えた後に前記エンジンシリンダ空間内において発生する後だれ燃焼によりなされる仕事に対応する補正トルクとを基にして、エンジンの摩擦損失を求めることを特徴とするエンジンの摩擦損失測定方法。
  2. 前記後だれ燃焼によりなされる仕事が、前記駆動状態から前記測定状態に切り換えた後の前記エンジンシリンダ空間の容積と圧力との関係を示すラインにより囲まれる領域の面積を基にして算出されるようになっており、
    前記ラインのうち前記後だれ燃焼が生じている部分に、前記エンジンシリンダ空間の容積に対応する圧力の測定結果を用い、
    前記ラインのうち前記後だれ燃焼が生じている部分以外の部分に、断熱変化を示す理論式を用いることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの摩擦損失測定方法。
  3. 前記駆動状態から、前記燃料供給装置による前記エンジンシリンダ空間内への燃料供給を停止させて前記測定状態に切り換えることを特徴とする請求項1もしくは2に記載のエンジンの摩擦損失測定方法。
  4. 前記駆動状態から、前記燃料供給装置による前記エンジンシリンダ空間内への燃料供給を継続しつつ不燃性ガスを前記エンジンシリンダ空間内に供給して前記測定状態に切り換えることを特徴とする請求項1もしくは2に記載のエンジンの摩擦損失測定方法。
  5. エンジンの駆動状態を検出する駆動状態検出方法であって、
    前記エンジンは、前記エンジンにより駆動されてエンジンシリンダ空間内に燃料供給を行う燃料供給装置を備え、
    前記燃料供給装置により前記エンジンシリンダ空間内に供給された燃料を燃焼させて前記エンジンを駆動させる駆動状態から、前記エンジンシリンダ空間内における燃料の燃焼を抑制することにより減速させる測定状態へ切り換えた後の出力軸の角減速度dω/dtを測定し、前記エンジンの駆動系全体の慣性モーメントをItとするとき、式
    Tf=It×dω/dt
    により求まるエンジンの摩擦トルクTf、および前記駆動状態から前記測定状態に切り換えた後に前記エンジンシリンダ空間内において発生する後だれ燃焼によりなされる仕事に対応する補正トルクを基にして、エンジンの摩擦損失を求める摩擦損失算出ステップと、
    前記算出されたエンジンの摩擦損失を、前記エンジンを正常な状態で駆動させたときに測定される摩擦損失と比較する摩擦損失比較ステップと、
    前記比較の結果に基づいて、前記エンジンの駆動状態を検出する駆動状態検出ステップとを備えることを特徴とするエンジンの駆動状態検出方法。
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