JP6261285B2 - 積層体、有機半導体製造用キットおよび有機半導体製造用レジスト組成物 - Google Patents

積層体、有機半導体製造用キットおよび有機半導体製造用レジスト組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP6261285B2
JP6261285B2 JP2013227040A JP2013227040A JP6261285B2 JP 6261285 B2 JP6261285 B2 JP 6261285B2 JP 2013227040 A JP2013227040 A JP 2013227040A JP 2013227040 A JP2013227040 A JP 2013227040A JP 6261285 B2 JP6261285 B2 JP 6261285B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
compound
organic semiconductor
carbon atoms
preferable
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013227040A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015087612A (ja
Inventor
一郎 小山
一郎 小山
悠 岩井
悠 岩井
水谷 一良
一良 水谷
義貴 加持
義貴 加持
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2013227040A priority Critical patent/JP6261285B2/ja
Priority to TW103136951A priority patent/TWI641480B/zh
Priority to PCT/JP2014/078701 priority patent/WO2015064605A1/ja
Publication of JP2015087612A publication Critical patent/JP2015087612A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6261285B2 publication Critical patent/JP6261285B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/004Photosensitive materials
    • G03F7/039Macromolecular compounds which are photodegradable, e.g. positive electron resists
    • G03F7/0392Macromolecular compounds which are photodegradable, e.g. positive electron resists the macromolecular compound being present in a chemically amplified positive photoresist composition
    • G03F7/0395Macromolecular compounds which are photodegradable, e.g. positive electron resists the macromolecular compound being present in a chemically amplified positive photoresist composition the macromolecular compound having a backbone with alicyclic moieties
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/004Photosensitive materials
    • G03F7/0045Photosensitive materials with organic non-macromolecular light-sensitive compounds not otherwise provided for, e.g. dissolution inhibitors
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/004Photosensitive materials
    • G03F7/039Macromolecular compounds which are photodegradable, e.g. positive electron resists
    • G03F7/0392Macromolecular compounds which are photodegradable, e.g. positive electron resists the macromolecular compound being present in a chemically amplified positive photoresist composition

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)

Description

本発明は、積層体、有機半導体製造用キットおよび有機半導体製造用レジスト組成物に関する。具体的には、有機半導体製造における、有機半導体膜、保護膜およびレジスト膜の積層体、かかる積層体を製造するための、有機半導体製造用キット、ならびに、有機半導体製造用キットに用いる有機半導体製造用レジスト組成物に関する。
近年、有機半導体を用いた電子デバイスが広く用いられている。有機半導体は、従来のシリコンなどの無機半導体を用いたデバイスと比べて簡単なプロセスにより製造できるというメリットがある。さらに、分子構造を変化させることで容易に材料特性を変化させることが可能であり、材料のバリエーションが豊富であり、無機半導体では成し得なかったような機能や素子を実現することが可能になると考えられている。有機半導体は、例えば、有機太陽電池、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ、有機光ディテクター、有機電界効果トランジスタ、有機電界発光素子、ガスセンサ、有機整流素子、有機インバータ、情報記録素子等の電子機器に適用される可能性がある。
有機半導体のパターニングは、これまで印刷技術により行われてきたが、印刷技術によるパターニングでは微細加工に限界がある。また、有機半導体はダメージを受けやすい。
ここで、特許文献1には、有機半導体層を形成する工程と、前記有機半導体層をマスク層から保護する保護層を前記有機半導体層に積層して形成する工程と、所定のパターンを有する前記マスク層を前記保護層に積層して形成する工程と、前記マスク層をマスクとするエッチングによって前記保護層、さらには前記有機半導体層を同一形状にパターニングする工程とを有する、有機半導体層のパターニング方法において、前記マスク層とは材質が異なり、かつ、親水性を有する有機高分子化合物または絶縁性 無機化合物によって前記保護層を形成することを特徴とする、有機半導体層のパターニング方法が開示されている。
特開2006−41317号公報
ここで、特許文献1(特開2006−41317号公報)について検討したところ、この方法では、パターニング終了後もマスク層が保護膜として残ってしまうことが分かった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであって、良好な有機半導体パターンを形成可能な積層体およびかかる積層体を製造するための、有機半導体製造用キット、ならびに、有機半導体製造用キットに用いる有機半導体製造用レジスト組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは詳細に検討した結果、有機半導体膜の一方の表面に保護膜、感光性樹脂組成物からなるレジスト膜の順で成膜し、レジスト膜をパターニング後にドライエッチングすることにより、有機半導体にダメージを与えずにパターニングできることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には、下記手段<1>により、好ましくは、<2>〜<20>により、上記課題は解決された。
<1>有機半導体膜と、有機半導体膜上の保護膜と、保護膜上のレジスト膜を有し、レジスト膜が、下記(1)および/または(2)を含む感光性樹脂組成物からなる、積層体;
(1)波長100〜600nmの光照射により主鎖が分解する化合物(A1)を含む;
(2)波長100〜600nmの光照射により活性種を発生する活性剤(B)と、活性剤(B)により主鎖が分解する化合物(A2)を含む。
<2>保護膜が水溶性樹脂を含む、<1>に記載の積層体。
<3>保護膜が、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールおよびプルランの少なくとも1種を含む、<1>に記載の積層体。
<4>保護膜が、ポリビニルピロリドンを含む、<1>に記載の積層体。
<5>活性剤(B)が、光酸発生剤または光塩基発生剤である、<1>〜<4>のいずれかに記載の積層体。
<6>(A1)化合物が、主鎖に直接結合したカルボニル基を有するビニル樹脂を含む、<1>〜<5>のいずれかに記載の積層体。
<7>(A2)化合物が、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂および無水(メタ)アクリル酸とポリ(メタ)アクリル酸との共重合体から選択される少なくとも1種を含む、<1>〜<6>のいずれかに記載の積層体。
<8>感光性樹脂組成物が、増感色素(C)を含む、<1>〜<7>のいずれかに記載の積層体。
<9>下記(1)および/または(2)を含む、有機半導体製造用レジスト組成物と、水溶性樹脂を含む保護膜形成用組成物を含む、有機半導体製造用キット;
(1)波長100〜600nmの光照射により主鎖が分解する化合物(A1)を含む;
(2)波長100〜600nmの光照射により活性種を発生する活性剤(B)と、活性剤(B)により主鎖が分解する化合物(A2)を含む。
<10>水溶性樹脂が、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールおよびプルランの少なくとも1種を含む、<9>に記載の有機半導体製造用キット。
<11>水溶性樹脂が、ポリビニルピロリドンを含む、<9>に記載の有機半導体製造用キット。
<12>活性剤(B)が、光酸発生剤または光塩基発生剤である、<9>〜<11>のいずれかに記載の有機半導体製造用キット。
<13>(A1)化合物が、主鎖に直接結合したカルボニル基を有するビニル樹脂を含む、<9>〜<12>のいずれかに記載の有機半導体製造用キット。
<14>(A2)化合物が、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂および無水(メタ)アクリル酸とポリ(メタ)アクリル酸との共重合体から選択される少なくとも1種を含む、<9>〜<13>のいずれかに記載の有機半導体製造用キット。
<15>感光性樹脂組成物が、増感色素(C)を含む、<9>〜<14>のいずれかに記載の有機半導体製造用キット。
<16>下記(1)および/または(2)を含む、有機半導体製造用レジスト組成物;
(1)波長100〜600nmの光照射により主鎖が分解する化合物(A1)を含む;
(2)波長100〜600nmの光照射により活性種を発生する活性剤(B)と、活性剤(B)により主鎖が分解する化合物(A2)を含む。
<17>活性剤(B)が、光酸発生剤または光塩基発生剤である、<16>に記載の有機半導体製造用レジスト組成物。
<18>(A1)化合物が、主鎖に直接結合したカルボニル基を有するビニル樹脂を含む、<16>または<17>に記載の有機半導体製造用レジスト組成物。
<19>(A2)化合物が、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂および無水(メタ)アクリル酸とポリ(メタ)アクリル酸との共重合体から選択される少なくとも1種を含む、<16>〜<18>のいずれかに記載の有機半導体製造用レジスト組成物。
<20>感光性樹脂組成物が、増感色素(C)を含む、<16>〜<19>のいずれかに記載の有機半導体製造用レジスト組成物。
本発明により、良好な有機半導体パターンを形成可能な積層体、およびかかる積層体を製造するための、有機半導体製造用キット、ならびに、有機半導体製造用キットに用いる有機半導体製造用レジスト組成物を提供可能になった。
以下に記載する本発明における構成要素の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
本明細書における基(原子団)の表記に於いて、置換および無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
また、本明細書中における「活性光線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線等を意味する。また、本発明において光とは、活性光線または放射線を意味する。本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、EUV光などによる露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線による描画も露光に含める。
本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、“(メタ)アクリレート”はアクリレートおよびメタクリレートの双方、または、いずれかを表し、“(メタ)アクリル”はアクリルおよびメタクリルの双方、または、いずれかを表し、“(メタ)アクリロイル”はアクリロイルおよびメタクリロイルの双方、または、いずれかを表す。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書において固形分濃度とは、組成物の総質量に対する、溶剤を除く他の成分の質量の質量百分率である。また、固形分濃度は、特に述べない限り25℃における濃度をいう。
本発明における主成分とは、特定の組成物・成分における最も配合量の多い成分をいい、通常は、特定の組成物・成分における70質量%以上を占める成分をいう。
本明細書において、重量平均分子量は、GPC測定によるポリスチレン換算値として定義される。本明細書において、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、例えば、HLC−8220(東ソー(株)製)を用い、カラムとしてTSKgel Super AWM―H(東ソー(株)製、6.0mmID×15.0cmを用いることによって求めることができる。溶離液は特に述べない限り、10mmol/L リチウムブロミドNMP(N−メチルピロリジノン)溶液を用いて測定したものとする。
<積層体>
本発明の積層体は、有機半導体膜と、前記有機半導体膜上の保護膜と、前記保護膜上のレジスト膜を有し、前記レジスト膜が、下記(1)および/または(2)を含む感光性樹脂組成物からなることを特徴とする。
(1)波長100〜600nmの光照射により主鎖が分解する化合物(A1)を含む;
(2)波長100〜600nmの光照射により活性種を発生する活性剤(B)と、前記活性剤(B)により主鎖が分解する化合物(A2)を含む。
また、有機半導体膜と保護膜との間、および/または保護膜とレジスト膜との間には、下塗り層を有していてもよい。
上記化合物(A1)は、活性エネルギー線照射により、主鎖が分解し、有機溶剤を含む現像液に対する溶解速度が増大し、露光部が現像液に溶解しやすくなり、非露光部によってマスクパターンを形成でき、マスクパターンを形成後ドライエッチングのマスクとして利用することが可能になる。同様に化合物(A2)も、活性エネルギー線照射により、(B)活性剤が活性種を発生し、かかる活性種により、
上記化合物(A1)は、活性エネルギー線照射により、主鎖が分解し、有機溶剤を含む現像液に対する溶解速度が増大し、露光部が現像液に溶解しやすくなり、非露光部によってマスクパターンを形成でき、マスクパターンを形成後ドライエッチングのマスクとして利用することが可能になる。
有機半導体膜上に、通常のレジスト膜を成膜し、パターニングすると、有機半導体はレジストに含まれる有機溶剤に容易に溶解してしまい、有機半導体膜にダメージを与えてしまう。
これに対し、本発明では、有機半導体上に保護膜を成膜しその上にレジスト膜を製膜している。この場合、レジスト膜と有機半導体膜が直接に接触しないため、有機半導体膜にダメージが及ぶことを抑制できる。さらに、レジスト膜は感光性樹脂組成物を用いるため、高い保存安定性と微細なパターン形成性を達成できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
<有機半導体膜>
本発明で用いる有機半導体膜は、半導体の特性を示す有機材料を含む膜のことである。無機材料からなる半導体の場合と同様に、正孔をキャリアとして伝導するp型有機半導体と、電子をキャリアとして伝導するn型有機半導体がある。有機半導体中のキャリアの流れやすさはキャリア移動度μで表される。用途にもよるが、一般に移動度は高い方がよく、10-7cm2/Vs以上であることが好ましく、10-6cm2/Vs以上であることがより好ましく、10-5cm2/Vs以上であることがさらに好ましい。移動度は電界効果トランジスタ(FET)素子を作製したときの特性や飛行時間計測(TOF)法により求めることができる。
有機半導体膜は、通常、基板に成膜して用いることが好ましい。すなわち、有機半導体膜の水溶性樹脂膜が積層している側の反対側の面に基板を有することが好ましい。本発明で用いることができる基板としては、例えば、シリコン、石英、セラミック、ガラスポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステルフィルム、ポリイミドフィルムなどの種々の材料を基板として用いることができ、用途に応じていかなる基板を選択してもよい。例えば、フレキシブルな素子の用途の場合にはフレキシブル基板を用いることができる。また、基板の厚さは特に限定されない。
使用し得るp型半導体材料としては、ホール輸送性を示す材料であれば有機半導体材料、無機半導体材料のうちいかなる材料を用いてもよいが、好ましくはp型π共役高分子(例えば、置換または無置換のポリチオフェン(例えば、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)(P3HT)など)、ポリセレノフェン、ポリピロール、ポリパラフェニレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリチオフェンビニレン、ポリアニリンなど)、縮合多環化合物(例えば、置換または無置換のアントラセン、テトラセン、ペンタセン、アントラジチオフェン、ヘキサベンゾコロネンなど)、トリアリールアミン化合物(例えば、m−MTDATA、2−TNATA、NPD、TPD、mCP、CBPなど)、ヘテロ5員環化合物(例えば、置換または無置換のオリゴチオフェン、TTFなど)、フタロシアニン化合物(置換または無置換の各種中心金属のフタロシアニン、ナフタロシアニン、アントラシアニン、テトラピラジノポルフィラジン)、ポルフィリン化合物(置換または無置換の各種中心金属のポルフィリン)、カーボンナノチューブ、半導体ポリマーを修飾したカーボンナノチューブ、グラフェンのいずれかであり、より好ましくはp型π共役高分子、縮合多環化合物、トリアリールアミン化合物、ヘテロ5員環化合物、フタロシアニン化合物、ポルフィリン化合物のいずれかであり、さらに好ましくは、p型π共役高分子である。
半導体材料が使用し得るn型半導体材料としては、ホール輸送性を有するものであれば有機半導体材料、無機半導体材料のうち、いかなるものでもよいが、好ましくはフラーレン化合物、電子欠乏性フタロシアニン化合物、ナフタレンテトラカルボニル化合物、ペリレンテトラカルボニル化合物、TCNQ化合物、n型π共役高分子、n型無機半導体であり、より好ましくはフラーレン化合物、電子欠乏性フタロシアニン化合物、ナフタレンテトラカルボニル化合物、ペリレンテトラカルボニル化合物、π共役高分子であり、特に好ましくはフラーレン化合物、π共役高分子である。本発明において、フラーレン化合物とは、置換または無置換のフラーレンを指し、フラーレンとしてはC60、C70、C76、C78、C80、C82、C84、C86、C88、C90、C96、C116、C180、C240、C540などのいずれでもよいが、好ましくは置換または無置換のC60、C70、C86であり、特に好ましくはPCBM([6,6]−フェニル−C61−酪酸メチルエステル)およびその類縁体(C60部分をC70、C86等に置換したもの、置換基のベンゼン環を他の芳香環またはヘテロ環に置換したもの、メチルエステルをn−ブチルエステル、i−ブチルエステル等に置換したもの)である。電子欠乏性フタロシアニン類とは、電子求引基が4つ以上結合した各種中心金属のフタロシアニン(F16MPc、FPc−S8など)、ナフタロシアニン、アントラシアニン、置換または無置換のテトラピラジノポルフィラジンなどである。ナフタレンテトラカルボニル化合物としてはいかなるものでもよいが、好ましくはナフタレンテトラカルボン酸無水物(NTCDA)、ナフタレンビスイミド化合物(NTCDI)、ペリノン顔料(Pigment Orange 43、Pigment Red 194など)である。ペリレンテトラカルボニル化合物としてはいかなるものでもよいが、好ましくはペリレンテトラカルボン酸無水物(PTCDA)、ペリレンビスイミド化合物(PTCDI)、ベンゾイミダゾール縮環体(PV)である。TCNQ化合物とは、置換または無置換のTCNQおよび、TCNQのベンゼン環部分を別の芳香環やヘテロ環に置き換えたものであり、例えば、TCNQ、TCAQ、TCN3Tなどである。さらにグラフェンも挙げられる。型有機半導体材料の特に好ましい例を以下に示す。
なお、式中のRとしては、いかなるものでも構わないが、水素原子、置換基または無置換で分岐または直鎖のアルキル基(好ましくは炭素数1〜18、より好ましくは1〜12、さらに好ましくは1〜8のもの)、置換または無置換のアリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは6〜20、より好ましくは6〜14のもの)のいずれかであることが好ましい。
Figure 0006261285
上記材料は、通常、溶剤に配合し、層状に適用して乾燥し、製膜する。適用方法としては、後述する保護膜の記載を参酌できる。
溶剤としては、ヘキサン、オクタン、デカン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、1−メチルナフタレン、1,2−ジクロロベンゼン等の炭化水素系溶剤;例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエン等のハロゲン化炭化水素系溶剤;例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル等のエステル系溶剤;例えば、メタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコール等のアルコール系溶剤;例えば、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール等のエーテル系溶剤;例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、1−メチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキサイド等の極性溶剤などが挙げられる。これらの溶剤は1種のみを用いてもよいし、2種類以上を用いてもよい。
有機半導体膜を形成する組成物(有機半導体形成用組成物)における有機半導体の割合は、好ましくは0.1〜80質量%、より好ましくは0.1〜10質量%であり、これにより任意の厚さの膜を形成できる。
また、有機半導体形成用組成物には、樹脂バインダーを配合してもよい。この場合、膜を形成する材料とバインダー樹脂とを前述の適当な溶剤に溶解させ、または分散させて塗布液とし、各種の塗布法により薄膜を形成することができる。樹脂バインダーとしては、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリシロキサン、ポリスルホン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、セルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン等の絶縁性ポリマー、およびこれらの共重合体、ポリビニルカルバゾール、ポリシラン等の光伝導性ポリマー、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリパラフェニレンビニレン等の導電性ポリマーなどを挙げることができる。樹脂バインダーは、単独で使用してもよく、あるいは複数併用しても良い。薄膜の機械的強度を考慮するとガラス転移温度の高い樹脂バインダーが好ましく、電荷移動度を考慮すると極性基を含まない構造の樹脂バインダーや光伝導性ポリマー、導電性ポリマーが好ましい。
樹脂バインダーを配合する場合、その配合量は、有機半導体膜中、好ましくは0.1〜30質量%で用いられる。
用途によっては単独および種々の半導体材料や添加剤を添加した混合溶液を塗布し、複数の材料種からなるブレンド膜としてもよい。例えば、光電変換層を作製する場合、別の半導体材料との混合溶液を用いることなどができる。
また、成膜の際、基板を加熱または冷却してもよく、基板の温度を変化させることで膜質や膜中での分子のパッキングを制御することが可能である。基板の温度としては特に制限はないが、好ましくは−200℃〜400℃、より好ましくは−100℃〜300℃、さらに好ましくは0℃〜200℃である。
形成された有機半導体膜は、後処理により特性を調整することができる。例えば、加熱処理や溶剤蒸気への暴露により膜のモルホロジーや膜中での分子のパッキングを変化させることで特性を向上させることが可能である。また、酸化性または還元性のガスや溶剤、物質などにさらす、あるいはこれらを混合することで酸化あるいは還元反応を起こし、膜中でのキャリア密度を調整することができる。
有機半導体膜の膜厚は、特に制限されず、用いられる電子デバイスの種類などにより異なるが、好ましくは5nm〜50μm、より好ましくは10nm〜5μm、さらに好ましくは20nm〜500nmである。
<保護膜>
本発明の保護膜は、有機半導体膜の上に形成され、好ましくは、有機半導体膜の表面に形成される。有機半導体膜と保護膜の間には、下塗り層等があっても良い。
保護膜は、有機半導体上に成膜する時に有機半導体にダメージを与えず、また、保護膜上にレジスト膜を塗布した時にインターミキシング(層間混合)を起こさないものが好ましい。保護膜は、水溶性樹脂を含む膜が好ましく、脂溶性樹脂を主成分とする膜であることがより好ましい。主成分とは、保護膜を構成する成分のうち最も多い成分をいい、好ましくは80質量%以上が水溶性樹脂であることをいう。
本発明における水溶性樹脂は、20°Cにおける水に対する溶解度が1%以上である樹脂をいう。
保護膜は、有機溶剤を含む現像液に溶解しにくく、水に対して溶解することが好ましい。このため、保護膜に水溶性樹脂を用いる場合、そのsp値(溶解パラメータ)は、18(MPa)1/2以上25(MPa)1/2未満であることが好ましく、20〜24(MPa)1/2であることがより好ましく、21〜24(MPa)1/2であることがさらに好ましい。sp値は、Hoy法によって算出した値であり、Hoy法は、POLYMER HANDBOOK FOURTH EDITIONに記載がある。
また、保護膜形成用組成物は、2種類以上の樹脂を含んでいてもよいが、この場合、2種類以上の樹脂それぞれが上記範囲を満たしていることが好ましい。
本発明で用いる水溶性樹脂は、ポリビニルピロリドン、水溶性多糖類(水溶性のセルロース(メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等)、プルランまたはプルラン誘導体、デンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、カルボキシメチルデンプン、キトサン、シクロデキストリン)、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリエチルオキサゾリン等を挙げることができ、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、プルランが好ましい。中でも、塗布面状が良く、水での溶解除去のしやすいポリビニルピロリドンがより好ましい。
また、これらの中から、主鎖構造が相違する2種以上を選択して使用してもよく、共重合体として使用してもよい。
本発明で用いる保護膜を形成する樹脂の重量平均分子量は、GPC法によりポリスチレン換算値として、好ましくは500〜400,000であり、より好ましくは2,000〜300,000、さらに好ましくは3,000〜200,000である。
保護膜用樹脂の分散度(分子量分布)は、通常1.0〜3.0であり、好ましくは1.0〜2.6の範囲のものが好ましく使用される。
本発明では、保護膜は、例えば、保護膜形成用組成物を有機半導体膜の上に適用し、乾燥させることよって形成される。
適用方法としては、塗布が好ましい。適用方法の例としては、キャスト法、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、ディッピング(浸漬)コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法、インクジェット法、スピンコート法、ラングミュア−ブロジェット(Langmuir−Blodgett)(LB)法などを挙げることができる。本発明においては、キャスト法、スピンコート法、およびインクジェット法を用いることがさらに好ましい。このようなプロセスにより、表面が平滑で大面積の有機半導体膜等の膜を低コストで生産することが可能となる。
保護膜形成用組成物の固形分濃度は、0.5〜30質量%であることが好ましく、1.0〜20質量%であることがより好ましく、2.0〜14質量%であることがさらに好ましい。固形分濃度を前記範囲とすることでより均一に塗布することができる。
保護膜形成用組成物にはさらに塗布性を向上させるための界面活性剤を含有させることが好ましい。
界面活性剤としては、表面張力を低下させるものであれば、ノニオン系、アニオン系、両性フッ素系など、どのようなものでもかまわない。界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレンステアレート等のポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート等のソルビタンアルキルエステル類、グリセロールモノステアレート、グリセロールモノオレート等のモノグリセリドアルキルエステル類等、フッ素あるいはシリコンを含むオリゴマー等、アセチレングリコール、アセチレングリコールのエチレンオキシド付加物等のノニオン界面活性剤;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩類、ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ペンチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ヘキシルナフタレンスルホン酸ナトリウム、オクチルナフタレンスルホン酸ナトリウム等のアルキルナフタレンスルホン酸塩類、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩類、ドデシルスルホン酸ナトリウム等のアルキルスルホン酸塩類、ジラウリルスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸エステル塩類等のアニオン界面活性剤;ラウリルベタイン、ステアリルベタイン等のアルキルベタイン類、アミノ酸類等の両性界面活性剤が使用可能であるが、特に好ましいのは、有機半導体の電気特性に影響を及ぼす金属イオンの含有量が少なく、かつ消泡性にも優れる、下記式(1)で示されるアセチレン骨格を有するノニオン界面活性剤である。
Figure 0006261285
式(1)中、R1、R2はお互い独立に、置換基を有してもよい炭素数3〜15のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数6〜15の芳香族炭化水素基、または置換基を有してもよい炭素数4〜15の複素芳香族環基(置換基としては炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15の芳香族炭化水素基、炭素数7〜17のアラルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアルコキシ−カルボニル基、炭素数2〜15のアシル基が挙げられる。)を示す。
上記界面活性剤の例として、日信化学工業(株)製、サーフィノールシリーズが例示される。
保護膜形成用組成物が界面活性剤を含む場合、界面活性剤の添加量は、保護膜としたときに、好ましくは0.05〜8質量%、さらに好ましくは0.07〜5質量%、特に好ましくは0.1〜3質量%の割合で含まれていることが好ましい。
これら界面活性剤は、1種のみ用いてもよいし、2種類以上用いてもよい。
保護膜は、膜厚20nm〜5μmであることが好ましく、膜厚100nm〜1μmであることがより好ましい。保護組成物中の固形分濃度を適切な範囲に設定して適度な粘度をもたせ、塗布性、成膜性を向上させることにより、上記のような膜厚とすることができる。
保護膜には、染料を配合してもよい。染料を配合することで、露光光源の波長に合わせて吸収波長を調整することが可能であるため、有機半導体材料の露光によるダメージを効果的に防止することができる。
染料としては、アゾ染料、ニトロ染料、ニトソロ染料、スチルベンアゾ染料、ケトイミン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、アクリジン染料、キノリン染料、メチン・ポリメチン染料、チアゾール染料、インダミン・インドフェノール染料、アジン染料、オキサジン染料、チアジン染料、硫化染料、アミノケトン染料、オキシケトン染料、アントラキノン染料、インジゴイド染料、フタロシアニン染料などを挙げることができる。
染料は、配合する場合、保護膜の0.1〜10質量%とすることができる。
染料は、1種で使用してもよいし、複数併用してもよい。
<感光性樹脂組成物>
本発明で用いる感光性樹脂組成物は、有機半導体製造用レジスト組成物としての役割を果たすものであり、保護膜の上にレジスト膜を形成するのに用いられる。
本発明で用いる感光性樹脂組成物は、光照射後に、(A1)化合物および/または化合物(A2)の主鎖分解反応により有機溶剤を含む現像液への溶解速度が増大し、sp値が19(MPa)1/2未満の有機溶剤に対して溶解速度が上昇することが好ましく、18.5(MPa)1/2以下の有機溶剤に対して易溶となることがより好ましく、18.0(MPa)1/2以下の有機溶剤に対して溶解速度が上昇することがさらに好ましい。
本発明では、(A1)化合物および化合物(A2)の一方を用いても良いし、両方を用いても良い。両方を用いる場合、合計量が感光性樹脂組成物の固形分中の10〜100質量%の範囲内であることが好ましく、30〜100質量%の範囲内がより好ましい。
<<(A1)化合物>>
化合物(A1)は、波長100〜600nmの光照射により主鎖が分解する化合物である。このような化合物は、光照射により主鎖が分解し有機溶剤を含む現像液に対する溶解速度が増大する。化合物(A1)は、通常は樹脂である。分子量の低減率としては、例えば、50%以上が好ましい。
化合物(A1)は、既に公知のもの、たとえば特許文献特開2006−7675号公報、特開2006−44238号公報等に記載されているようなものを任意に用いることができる。具体的には、波長100〜600nmの光照射により開裂する結合をその構造中に含む構成単位を主成分とする樹脂が挙げられる。かかる構成単位を主成分とする樹脂は、露光により、該構成単位中の結合が開裂することにより、樹脂成分自体が分解し、現像液に対する溶解性が増大する。
好ましい樹脂としては、主鎖に直接結合したカルボニル基を有するビニル樹脂が挙げられる。このような樹脂としては、カルボニル基を有するビニル化合物のエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位が例示される。
より具体的には、(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位を主成分とするアクリル系ポリマーや、イソプロペニルケトン等のビニルケトンから誘導される構成単位を主成分とするビニルケトン系ポリマーが挙げられる。
前記光照射の光は、好ましくは紫外線(例えば波長100〜400nmから選ばれる波長帯域の光であり、より好ましくは遠紫外光〜中紫外光(例えば200nm〜350nm)である。このような光を照射すると、カルボニル基の両側の一方または両方の結合が切れて樹脂成分自体が分解することにより、現像液に対する溶解性が増大する。
特に好ましい化合物(A1)は、感度等の点から、カルボニル基を有するビニル化合物のエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位の両側の一方あるいは両方に、第3級炭素原子が結合している構成単位を含むものであり、さらにはかかる構成単位を主成分とするものである。
化合物(A1)としては、特に、下記一般式(a−1)で表される構成単位および下記一般式(a−2)で表される構成単位からなる群から選択される繰り返し単位を主成分とするものが好ましい。
Figure 0006261285
前記一般式(a−1)において、Rは水素原子またはメチル基であり、感度の点からメチル基であることが好ましい。
11は、置換されていても良いアルキル基またはアリール基である。
11のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜20のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数4〜23のシクロアルキル基;シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の炭素数4〜23のシクロアルケニル基;フェノキシメチル基、2−フェノキシエチル基、4−フェノキシブチル基等の炭素数7〜26のアリールオキシアルキル基(−ROAr基);ベンジル基、3−フェニルプロピル基等の炭素数7〜20のアラルキル基などが挙げられる。
11のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、トリル基等の炭素数6〜20のアリール基、電子供与性基及び/又は電子吸引性基が置換した炭素数6〜20のアリール基などが挙げられる。
11としては、炭素数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状の低級アルキル基または炭素数6〜15のアリール基が好ましく、中でもメチル基、tert−ブチル基、フェニル基、ナフチル基が好ましく、中でもがメチル基、フェニル基が好ましい。
構成単位(a1)としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記一般式(a−2)において、Rは水素原子またはメチル基であり、感度の点からメチル基であることが好ましい。
12は、置換されていても良いアルキル基またはアリール基である。
12のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜20のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数4〜23のシクロアルキル基;シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の炭素数4〜23のシクロアルケニル基;フェノキシメチル基、2−フェノキシエチル基、4−フェノキシブチル基等の炭素数7〜26のアリールオキシアルキル基(−ROAr基);ベンジル基、3−フェニルプロピル基等の炭素数7〜20のアラルキル基などが挙げられる。
12のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、トリル基等の炭素数6〜20のアリール基、電子供与性基及び/又は電子吸引性基が置換した炭素数6〜20のアリール基などが挙げられる。
12としては、炭素数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状の低級アルキル基または炭素数6〜15のアリール基が好ましく、中でもメチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基、ナフチル基が好ましく、中でもがメチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基が好ましい。
構成単位(a2)としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
化合物(A1)において、構成単位(a1)および(a2)は、いずれか一方が用いられてもよく、両方が併用されてもよい。本発明の効果に優れることから、少なくとも構成単位(a1)が用いられることが好ましい。
化合物(A1)中、構成単位(a1)および(a2)の合計の割合は、化合物(A1)を構成する全構成単位の合計に対し、60モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましく、80モル%以上がさらに好ましく、90モル%以上がよりさらに好ましく、100モル%が特に好ましい。
本発明においては、特に、本発明の効果、感度等に優れることから、化合物(A1)が、前記一般式(a−1)におけるRがメチル基であり、R11が炭素数1〜5の低級アルキル基またはフェニル基である構成単位を主成分とするイソプロペニルケトン系ポリマーであることが好ましい。
イソプロペニルケトン系ポリマーとしては、特に、前記Rがメチル基であり、R11が低級アルキル基またはフェニル基であるものが好ましく、さらには、R11がメチル基であるものが好ましい。
化合物(A1)は、前記構成単位のほかに、他の繰り返し単位を有していても良い。ここで、他の繰り返し単位としては、既知の種々のモノマーに由来する繰り返し単位を挙げることができる。
好ましい例としては、アクリル酸エステル類、メタクリルエステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、ビニルエステル類、スチレン類、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、無水マレイン酸、マレイン酸イミド等の公知のモノマーものに由来する繰り返し単位などが挙げられる。
アクリル酸エステル類の具体例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、(n−又はi−)プロピルアクリレート、(n−、i−、sec−又はt−)ブチルアクリレート、アミルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート、クロロエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシペンチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、アリルアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ペンタエリスリトールモノアクリレート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、クロロベンジルアクリレート、ヒドロキシベンジルアクリレート、ヒドロキシフェネチルアクリレート、ジヒドロキシフェネチルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェニルアクリレート、ヒドロキシフェニルアクリレート、クロロフェニルアクリレート、スルファモイルフェニルアクリレート、2−(ヒドロキシフェニルカルボニルオキシ)エチルアクリレート、ポリアルキレングリコールアクリレート等が挙げられる。この中ではアルキルアクリレート、アリールアクリレートが好ましく、アルキルアクリレートがより好ましく、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレートがより好ましい。
メタクリル酸エステル類の具体例としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、(n−又はi−)プロピルメタクリレート、(n−、i−、sec−又はt−)ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、クロロエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシペンチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、アリルメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ペンタエリスリトールモノメタクリレート、ベンジルメタクリレート、メトキシベンジルメタクリレート、クロロベンジルメタクリレート、ヒドロキシベンジルメタクリレート、ヒドロキシフェネチルメタクリレート、ジヒドロキシフェネチルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ヒドロキシフェニルメタクリレート、クロロフェニルメタクリレート、スルファモイルフェニルメタクリレート、2−(ヒドロキシフェニルカルボニルオキシ)エチルメタクリレート、ポリアルキレングリコールメタクリレート等が挙げられる。この中ではアルキルメタクリレート、アリールメタクリレートが好ましく、アルキルメタクリレートがより好ましく、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレートがより好ましい。
アクリルアミド類の具体例としては、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−トリルアクリルアミド、N−(ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(スルファモイルフェニル)アクリルアミド、N−(フェニルスルホニル)アクリルアミド、N−(トリルスルホニル)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチル−N−フェニルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルアクリルアミド、ポリアルキレングリコールアクリルアミド等が挙げられる。
メタクリルアミド類の具体例としては、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−プロピルメタクリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、N−ベンジルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド、N−トリルメタクリルアミド、N−(ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、N−(スルファモイルフェニル)メタクリルアミド、N−(フェニルスルホニル)メタクリルアミド、N−(トリルスルホニル)メタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−メチル−N−フェニルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルメタクリルアミド、ポリアルキレングリコールメタクリルアミド等が挙げられる。
ビニルエステル類の具体例としては、ビニルアセテート、ビニルブチレート、ビニルベンゾエート等が挙げられる。スチレン類の具体例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、プロピルスチレン、シクロヘキシルスチレン、クロロメチルスチレン、トリフルオロメチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチルスチレン、メトキシスチレン、ジメトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、ヨードスチレン、フルオロスチレン、カルボキシスチレン等が挙げられる。
化合物(A1)の、分解前の重量平均分子量(Mw)は、特に限定するものではないが、1,000〜1,000,000の範囲内であることが好ましく、10,000〜100,000がより好ましく、30,000〜80,000が特に好ましい。上記範囲の上限以下であると、露光部の現像液への溶解性がより向上する傾向にある。上記範囲の下限以上であると、未露光部の膜減りがより生じにくくなる。
化合物(A1)の、主鎖分解後の重量平均分子量(Mw)は、特に限定するものではないが、主鎖分解前の0.1%〜90%の範囲内であることが好ましく、0.5%〜70%がより好ましく、1%〜50%が特に好ましい。上記範囲の上限以下であると、露光部と未露光部の現像液への溶解性の差が顕著であり良好なパターンが得やすい。
上記の他、化合物(A1)としては、特開2006−11181号公報に記載の化合物も好ましく採用でき、これらの文献は本願明細書に組み込まれる。
以下に、化合物(A1)の具体例を挙げるが、本発明がこれらに限定されるものではないことは言うまでもない。尚、重量平均分子量(Mw)は一例であり、適宜調整することができる。また、2種類以上の繰り返し単位を含む場合、それぞれの繰り返し単位の割合はモル%を示している。これらの繰り返し単位の割合も適宜調整することができる。
Figure 0006261285
Figure 0006261285
化合物(A1)は1種または2種以上混合して用いることができる。
本発明で用いる感光性樹脂組成物中、化合物(A1)の濃度は、感光性樹脂組成物を基板等に適用可能な範囲であれば特に限定されず、形成しようとするレジスト膜厚に応じて適宜設定すればよい。感光性樹脂組成物の固形分中の化合物(A1)の濃度としては、10〜100質量%の範囲内であることが好ましく、30〜100質量%の範囲内がより好ましい。
<<(A2)化合物>>
化合物(A2)は、波長100〜600nmの光照射により活性種を発生する活性剤(B)により主鎖が分解する化合物である。このような化合物は、光照射により主鎖が分解し有機溶剤を含む現像液に対する溶解速度が増大する。化合物(A2)は、通常は樹脂である。
(A2)化合物としては、酸または塩基の存在下において加熱することにより主鎖が分解し分子量が低下するものを特に好ましく用いることができる。分子量の低減率としては、例えば、50%以上が好ましい。このような樹脂としては特に限定されるものではないが、例えば、ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、(メタ)アクリレート系樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、ポリカーボネート系樹脂、ビニル系樹脂および(メタ)アクリル系樹脂であるのが好ましく、特に、ポリカーボネート系樹脂であるのが好ましい。これらのものは、酸または塩基の存在下において加熱することにより、その分子量がより顕著に低下するものであるため、樹脂成分としてより好適に選択される。
<<<ビニル系樹脂>>>
ビニル系樹脂としては、特に制限されないが、例えば、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレンのようなスチレン誘導体の重合体、ポリ(エチルビニルエーテル)、ポリ(ブチルビニルエーテル)、ポリビニルホルマールのようなポリビニルエーテル類やその誘導体等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、ポリ−α−メチルスチレンであるのが好ましい。かかる樹脂成分は、作業性に優れるという点から、特に好適に用いられる。
<<<ポリカーボネート樹脂>>>
さらに、ポリカーボネート系樹脂としては、特に制限されないが、ポリプロピレンカーボネート、ポリエチレンカーボネート、ポリブチレンカーボネートのような直鎖状の化学構造をカーボネート構成単位に含んでなるものや、環状の化学構造をカーボネート構造単位に含んでなるものが挙げられるが、これらの中でも、環状の化学構造をカーボネート構造単位に含んでなるものであるのが好ましい。かかる樹脂成分は、作業性に優れるという点から、特に好適に用いられる。
以下、この環状の化学構造をカーボネート構造単位に含んでなるポリカーボネート系樹脂について、詳述する。
環状の化学構造を含むポリカーボネート系樹脂は、その構造単位に、環状の化学構造(以下、「環状体」と言うこともある。)を有するものであれば如何なる構成のものであってよいが、少なくとも2つの環状体を有するものであるのが好ましい。かかるポリカーボネート系樹脂における環状体の数および種類を適宜選択することにより、活性エネルギー線の照射により活性剤から発生した酸または塩基存在下において加熱することにより、このものの分子量を容易低下させることが可能となる。
また、環状体の数は、2〜5であるのが好ましく、2または3であるのがより好ましく、2であるのがさらに好ましい。カーボネート構成単位としてこのような数の環状体が含まれることにより、仮固定剤は、活性エネルギー線の照射前において、優れた耐エッチング性を得るものとなる。
また、複数の環状体は、それぞれの頂点同士が互いに連結することで形成される連結多環系構造をなしていてもよいが、それぞれが有する一辺を互いに縮合することで形成される縮合多環系構造をなしているのが好ましい。これにより、カーボネート構造単位の平面性が向上するため、活性エネルギー線の照射前後における、現像液への溶解速度の差をより大きく設定することが可能となる。
さらに、複数の環状体は、それぞれ、5員環または6員環であるあるのが好ましい。これにより、カーボネート構成単位の平面性がより保たれることから、活性エネルギー線の照射前後における、現像液への溶解速度の差をさらに大きく設定することが可能となるとともに、溶媒に対する溶解性をより安定させることができる。
このような複数の環状体は、脂環式化合物であるのが好ましい。各環状体が脂環式化合物である場合に、前述したような効果がより顕著に発揮されることになる。
これらのことを考慮すると、ポリカーボネート(樹脂成分)において、カーボネート構成単位としては、例えば、下記化学式(1)で表わされるものが特に好ましい構造である。
Figure 0006261285
なお、上記化学式(1)で表わされるカーボネート構成単位を有するポリカーボネートは、デカリンジオールと、炭酸ジフェニルのような炭酸ジエステルとの重縮合反応により得ることができる。
また、上記化学式(1)で表わされるカーボネート構成単位において、デカリンジオールが有する水酸基由来の炭素原子は、それぞれ、デカリン(すなわち、縮合多環系構造を形成する2つの環状体)を構成する炭素原子に結合し、かつ、これら炭素原子の間に3つ以上の原子が介在しているのが好ましい。
これにより、ポリカーボネートの直線性が保たれ、その結果、活性エネルギー線の照射前後における、現像液への溶解速度の差をより確実に大きく設定することが可能となる。さらに、溶媒に対する溶解性をより安定させることができる。
このようなカーボネート構成単位としては、例えば、下記化学式(1A)、(1B)で表わされるものが挙げられる。
Figure 0006261285
さらに、複数の環状体は、脂環式化合物である他、複素脂環式化合物であってもよい。各環状体が複素脂環式化合物である場合であっても、前述したような効果がより顕著に発揮されることになる。
この場合、ポリカーボネート(樹脂成分)において、カーボネート構成単位としては、例えば、下記化学式(2)で表わされるものが特に好ましい構造である。
Figure 0006261285
なお、上記化学式(2)で表わされるカーボネート構成単位を有するポリカーボネートは、下記化学式(2a)で表わされるエーテルジオールと、炭酸ジフェニルのような炭酸ジエステルとの重縮合反応により得ることができる。
Figure 0006261285
また、上記化学式(2)で表わされるカーボネート構成単位において、上記化学式(2a)で表わされる環状エーテルジオールが有する水酸基由来の炭素原子は、それぞれ、上記環状エーテル(すなわち、縮合多環系構造を形成する2つの環状体)を構成する炭素原子に結合し、かつ、これら炭素原子の間に3つ以上の原子が介在しているのが好ましい。これにより、ポリカーボネートの直線性が保たれ、その結果、活性エネルギー線の照射前後における、現像液への溶解速度の差をより確実に大きく設定することが可能となる。さらに、溶媒に対する溶解性をより安定させることができる。
このようなカーボネート構成単位としては、例えば、下記化学式(2A)で表わされる1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−ソルビトール(イソソルビド)型のものや、下記化学式(2B)で表わされる1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−マンニトール(イソマンニド)型ものが挙げられる。
Figure 0006261285
ポリカーボネート系樹脂は、前記構成単位のほかに、繰り返し単位を有していても良い。ここで、他の繰り返し単位としては、既知の種々のヒドロキシ化合物に由来する繰り返し単位を挙げることができる。
好ましい例としては、脂肪族ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位や脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位が挙げられる。その脂肪族ジヒドロキシ化合物、脂環式ジヒドロキシ化合物としては、具体的には、次のようなものが挙げられる。
脂肪族ジヒドロキシ化合物として、例えば、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、水素化ジリノレイルグリコール、水素化ジオレイルグリコール等が挙げられる。
尚、前記例示化合物は、本発明に使用し得る脂肪族ジヒドロキシ化合物の一例であって、何らこれらに限定されるものではない。これらの脂肪族ジヒドロキシ化合物は、1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
脂環式ジヒドロキシ化合物としては、特に限定されないが、通常、5員環構造又は6員環構造を含む化合物が挙げられる。脂環式ジヒドロキシ化合物が5員環構造又は6員環構造であることにより、得られるポリカーボネート樹脂の耐熱性が高くなる傾向がある。6員環構造は共有結合によって椅子形もしくは舟形に固定されていてもよい。脂環式ジヒドロキシ化合物に含まれる炭素数は通常70以下であり、好ましくは50以下、さらに好ましくは30以下である。炭素数が70以下の脂環式ジヒドロキシ化合物であれば、合成・精製しやすく、また安価で入手しやすいため好ましい。
5員環構造又は6員環構造を含む脂環式ジヒドロキシ化合物としては、具体的には、下記一般式(I)又は(II)で表される脂環式ジヒドロキシ化合物が挙げられる。
HOCH2−R9−CH2OH (I)
HO−R10−OH (II)
但し、式(I)、式(II)中、R9及びR10は、それぞれ独立に、置換若しくは無置換の炭素数4〜炭素数20のシクロアルキル構造を含む二価の基を表す。)
前記一般式(I)で表される脂環式ジヒドロキシ化合物であるシクロヘキサンジメタノールとしては、一般式(I)において、R9が下記一般式(Ia)(式中、R11は水素原子、又は、置換若しくは無置換の炭素数1〜炭素数12のアルキル基を表す。)で示される種々の異性体を包含する。このようなものとしては、具体的には、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
Figure 0006261285
前記一般式(I)で表される脂環式ジヒドロキシ化合物であるトリシクロデカンジメタノール、ペンタシクロペンタデカンジメタノールとしては、一般式(I)において、R9が下記一般式(Ib)(式中、nは0又は1を表す。)で表される種々の異性体を包含する。
Figure 0006261285
前記一般式(I)で表される脂環式ジヒドロキシ化合物であるデカリンジメタノール又は、トリシクロテトラデカンジメタノールとしては、一般式(I)において、R9が下記一般式(Ic)(式中、mは0、又は1を表す。)で表される種々の異性体を包含する。このようなものとしては、具体的には、2,6−デカリンジメタノール、1,5−デカリンジメタノール、2,3−デカリンジメタノール等が挙げられる。
Figure 0006261285
また、前記一般式(I)で表される脂環式ジヒドロキシ化合物であるノルボルナンジメタノールとしては、一般式(I)において、R9が下記一般式(Id)で表される種々の異性体を包含する。このようなものとしては、具体的には、2,3−ノルボルナンジメタノール、2,5−ノルボルナンジメタノール等が挙げられる。
Figure 0006261285
一般式(I)で表される脂環式ジヒドロキシ化合物であるアダマンタンジメタノールとしては、一般式(I)において、R9が下記一般式(Ie)で表される種々の異性体を包含する。このようなものとしては、具体的には、1,3−アダマンタンジメタノール等が挙げられる。
Figure 0006261285
また、前記一般式(II)で表される脂環式ジヒドロキシ化合物であるシクロヘキサンジオールは、一般式(II)において、R10が下記一般式(IIa)(式中、R11は水素原子、置換又は無置換の炭素数1〜炭素数12のアルキル基を表す。)で表される種々の異性体を包含する。このようなものとしては、具体的には、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、2−メチル−1,4−シクロヘキサンジオール等が挙げられる。
Figure 0006261285
前記一般式(II)で表される脂環式ジヒドロキシ化合物であるトリシクロデカンジオール、ペンタシクロペンタデカンジオールとしては、一般式(II)において、R10が下記一般式(IIb)(式中、nは0又は1を表す。)で表される種々の異性体を包含する。
Figure 0006261285
前記一般式(II)で表される脂環式ジヒドロキシ化合物であるデカリンジオール又は、トリシクロテトラデカンジオールとしては、一般式(II)において、R10が下記一般式(IIc)(式中、mは0、又は1を表す。)で表される種々の異性体を包含する。このようなものとしては、具体的には、2,6−デカリンジオール、1,5−デカリンジオール、2,3−デカリンジオール等が用いられる。
Figure 0006261285
前記一般式(II)で表される脂環式ジヒドロキシ化合物であるノルボルナンジオールとしては、一般式(II)において、R10が下記一般式(IId)で表される種々の異性体を包含する。このようなものとしては、具体的には、2,3−ノルボルナンジオール、2,5−ノルボルナンジオール等が用いられる。
Figure 0006261285
前記一般式(II)で表される脂環式ジヒドロキシ化合物であるアダマンタンジオールとしては、一般式(II)において、R10が下記一般式(IIe)で表される種々の異性体を包含する。このようなものとしては具体的には、1,3−アダマンタンジオール等が用いられる。
Figure 0006261285
上述した脂環式ジヒドロキシ化合物の具体例のうち、シクロヘキサンジメタノール類、トリシクロデカンジメタノール類、アダマンタンジオール類、ペンタシクロペンタデカンジメタノール類が好ましく、入手のしやすさ、取り扱いのしやすさという観点から、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノールが特に好ましい。
尚、前記例示化合物は、本発明に使用し得る脂環式ジヒドロキシ化合物の一例であって、何らこれらに限定されるものではない。これらの脂環式ジヒドロキシ化合物は、1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
化合物(A2)の、分解前の重量平均分子量(Mw)は、樹脂成分の種類等によっても若干異なるが、1,000〜1,000,000であることが好ましく、10,000〜80,000であることがより好ましい。記範囲の上限以下であると、露光部の現像液への溶解性がより向上する傾向にある。上記範囲の下限以上であると、未露光部の膜減りがより生じにくくなる。
(A2)成分の、主鎖分解後の重量平均分子量(Mw)は、特に限定するものではないが、主鎖分解前の0.1%〜90%の範囲内であることが好ましく、0.5%〜70%がより好ましく、1%〜50%が特に好ましい。上記範囲の上限以下であると、露光部と未露光部の現像液への溶解性の差が顕著であり良好なパターンが得やすい。
以下に、ポリカーボネート系樹脂の好ましい例を挙げるが本発明はこれらに限定されるものではないことは言うまでもない。
Figure 0006261285
<<<(メタ)アクリレート系樹脂>>>
(メタ)アクリル系樹脂としては、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのような各種(メタ)アクリル系モノマーから選択される共重合体等が挙げられる。これらの中でも、ポリメタクリル酸メチルまたはポリメタクリル酸エチルであるのが好ましい。かかる樹脂成分は、作業性に優れるという点から、特に好適に用いられる。
化合物(A2)は1種または2種以上混合して用いることができる。
本発明で用いる感光性樹脂組成物中、化合物(A2)の濃度は、感光性樹脂組成物を基板等に適用可能な範囲であれば特に限定されず、形成しようとするレジスト膜厚に応じて適宜設定すればよい。感光性樹脂組成物の固形分中の化合物(A2)の濃度としては、10〜100質量%の範囲内であることが好ましく、30〜100質量%の範囲内がより好ましい。
<<活性剤(B)>>
活性剤は波長100〜600nmの光照射により活性種を発生する活性剤であり、活性種は、酸であっても、塩基であってもよい。この活性種の存在下で加熱することにより、前記化合物(A2)の分子量を低減させる機能を有するものである。
すなわち、本発明における活性剤としては、波長100〜600nmの光照射により酸を発生する光酸発生剤や塩基を発生する光塩基発生剤が挙げられる。本発明では、酸発生剤がより好ましい。
<<<酸発生剤>>>
酸発生剤としては、有機酸を発生するもの、無機酸を発生するものいずれも好ましく使用できる。
有機酸としては、スルホン酸、トリアルキルスルホニルメチド酸およびジアルキルスルホニルイミド酸から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明で用いる有機酸を発生する光酸発生剤は、
(i)オキシムスルホネート基を有する化合物(以下、オキシムスルホネート化合物ともいう)およびイミドスルホネート基を有する化合物(以下、イミドスルホネート基ともいう)、
(ii)スルホニウムカチオンを有する化合物(以下、スルホニウム塩ともいう)およびヨードニウムカチオンを有する化合物(以下、ヨードニウム塩ともいう)
(iii)ジアゾジスルホン化合物およびジスルホン化合物(より好ましくは、ジアゾジスルホン化合物)
からなる群の何れかに該当するものが好ましい。
(i)オキシムスルホネート基を有する化合物、イミドスルホネート基を有する化合物
オキシムスルホネート化合物は、オキシムスルホネート基を有していれば特に制限はないが、下記式(2)、後述する式(OS−103)、式(OS−104)、または、式(OS−105)で表されるオキシムスルホネート化合物であることが好ましい。
Figure 0006261285
式(2)におけるXはそれぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、または、ハロゲン原子を表す。
前記Xにおけるアルキル基およびアルコキシ基は、置換基を有していてもよい。前記Xにおけるアルキル基としては、炭素数1〜4の、直鎖状または分岐状アルキル基が好ましい。前記Xにおけるアルコキシ基としては、炭素数1〜4の直鎖状または分岐状アルコキシ基が好ましい。前記Xにおけるハロゲン原子としては、塩素原子またはフッ素原子が好ましい。
式(2)におけるmは、0〜3の整数を表し、0または1が好ましい。mが2または3であるとき、複数のXは同一でも異なっていてもよい。
式(2)におけるR4は、アルキル基またはアリール基を表し、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜5のハロゲン化アルコキシ基、Wで置換されていてもよいフェニル基、Wで置換されていてもよいナフチル基またはWで置換されていてもよいアントラニル基であることが好ましい。Wは、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基または炭素数1〜5のハロゲン化アルコキシ基を表す。
前記R4における炭素数1〜10のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、tert−ブチル基、n−アミル基、i−アミル基、s−アミル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
前記R4における炭素数1〜10のアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−アミルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−デシルオキシ基等が挙げられる。
前記R4における炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基の具体例としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロ−n−プロピル基、パーフルオロ−n−ブチル基、パーフルオロ−n−アミル基等が挙げられる。
前記R4における炭素数1〜5のハロゲン化アルコキシ基の具体例としては、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、パーフルオロ−n−プロポキシ基、パーフルオロ−n−ブトキシ基、パーフルオロ−n−アミルオキシ基等が挙げられる。
前記R4におけるWで置換されていてもよいフェニル基の具体例としては、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、o−エチルフェニル基、m−エチルフェニル基、p−エチルフェニル基、p−(n−プロピル)フェニル基、p−(i−プロピル)フェニル基、p−(n−ブチル)フェニル基、p−(i−ブチル)フェニル基、p−(s−ブチル)フェニル基、p−(tert−ブチル)フェニル基、p−(n−アミル)フェニル基、p−(i−アミル)フェニル基、p−(tert−アミル)フェニル基、o−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、p−メトキシフェニル基、o−エトキシフェニル基、m−エトキシフェニル基、p−エトキシフェニル基、p−(n−プロポキシ)フェニル基、p−(i−プロポキシ)フェニル基、p−(n−ブトキシ)フェニル基、p−(i−ブトキシ)フェニル基、p−(s−ブトキシ)フェニル基、p−(tert−ブトキシ)フェニル基、p−(n−アミルオキシ)フェニル基、p−(i−アミルオキシ)フェニル基、p−(tert−アミルオキシ)フェニル基、p−クロロフェニル基、p−ブロモフェニル基、p−フルオロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,4−ジブロモフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,4,6−ジクロロフェニル基、2,4,6−トリブロモフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、ペンタクロロフェニル基、ペンタブロモフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、p−ビフェニリル基等が挙げられる。
前記R4におけるWで置換されていてもよいナフチル基の具体例としては、2−メチル−1−ナフチル基、3−メチル−1−ナフチル基、4−メチル−1−ナフチル基、5−メチル−1−ナフチル基、6−メチル−1−ナフチル基、7−メチル−1−ナフチル基、8−メチル−1−ナフチル基、1−メチル−2−ナフチル基、3−メチル−2−ナフチル基、4−メチル−2−ナフチル基、5−メチル−2−ナフチル基、6−メチル−2−ナフチル基、7−メチル−2−ナフチル基、8−メチル−2−ナフチル基等が挙げられる。
前記R4におけるWで置換されていてもよいアントラニル基の具体例としては、2−メチル−1−アントラニル基、3−メチル−1−アントラニル基、4−メチル−1−アントラニル基、5−メチル−1−アントラニル基、6−メチル−1−アントラニル基、7−メチル−1−アントラニル基、8−メチル−1−アントラニル基、9−メチル−1−アントラニル基、10−メチル−1−アントラニル基、1−メチル−2−アントラニル基、3−メチル−2−アントラニル基、4−メチル−2−アントラニル基、5−メチル−2−アントラニル基、6−メチル−2−アントラニル基、7−メチル−2−アントラニル基、8−メチル−2−アントラニル基、9−メチル−2−アントラニル基、10−メチル−2−アントラニル基等が挙げられる。
式(2)中、mが1であり、Xがメチル基であり、Xの置換位置がオルト位であり、R4が炭素数1〜10の直鎖状アルキル基、7,7−ジメチル−2−オキソノルボルニルメチル基、または、p−トルイル基である化合物が特に好ましい。
式(2)で表されるオキシムスルホネート化合物の具体例としては、下記化合物(i)、化合物(ii)、化合物(iii)、化合物(iv)等が挙げられ、これらの化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種類以上を併用することもできる。化合物(i)〜(iv)は、市販品として、入手することができる。また、その他の式(2)で表されるオキシムスルホネート化合物の具体例を以下に挙げる。
Figure 0006261285
Figure 0006261285
Figure 0006261285
Figure 0006261285
Figure 0006261285
(式(OS−103)〜(OS−105)中、R11はアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、複数存在するR12はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基またはハロゲン原子を表し、複数存在するR16はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、スルホン酸基、アミノスルホニル基またはアルコキシスルホニル基を表し、XはOまたはSを表し、nは1または2を表し、mは0〜6の整数を表す。)
前記式(OS−103)〜(OS−105)中、R11で表されるアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基は、置換基を有していてもよい。
前記式(OS−103)〜(OS−105)中、R11で表されるアルキル基としては、置換基を有していてもよい総炭素数1〜30のアルキル基であることが好ましい。
11で表されるアルキル基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基が挙げられる。
前記式(OS−103)〜(OS−105)中、R11で表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、トリフルオロメチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロヘキシル基、ベンジル基などが挙げられる。
また、前記式(OS−103)〜(OS−105)中、R11で表されるアリール基としては、置換基を有してもよい総炭素数6〜30のアリール基が好ましい。
11で表されるアリール基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、スルホン酸基、アミノスルホニル基、アルコキシスルホニル基が挙げられる。
11で表されるアリール基としては、フェニル基、p−メチルフェニル基、トリメチルフェニル基、p−クロロフェニル基、ペンタクロロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、o−メトキシフェニル基、p−フェノキシフェニル基が好ましい。
また、前記式(OS−103)〜(OS−105)中、R11で表されるヘテロアリール基としては、置換基を有してもよい総炭素数4〜30のヘテロアリール基が好ましい。
11で表されるヘテロアリール基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、スルホン酸基、アミノスルホニル基、アルコキシスルホニル基が挙げられる。
前記式(OS−103)〜(OS−105)中、R11で表されるヘテロアリール基は、少なくとも1つの複素芳香環を有していればよく、例えば、複素芳香環とベンゼン環とが縮環していてもよい。
11で表されるヘテロアリール基としては、置換基を有していてもよい、チオフェン環、ピロール環、チアゾール環、イミダゾール環、フラン環、ベンゾチオフェン環、ベンゾチアゾール環、および、ベンゾイミダゾール環よりなる群から選ばれた環から1つの水素原子を除いた基が挙げられる。
前記式(OS−103)〜(OS−105)中、R12は、水素原子、アルキル基またはアリール基であることが好ましく、水素原子またはアルキル基であることがより好ましい。
前記式(OS−103)〜(OS−105)中、化合物中に2以上存在するR12のうち、1つまたは2つがアルキル基、アリール基またはハロゲン原子であることが好ましく、1つがアルキル基、アリール基またはハロゲン原子であることがより好ましく、1つがアルキル基であり、かつ残りが水素原子であることが特に好ましい。
前記式(OS−103)〜(OS−105)中、R12で表されるアルキル基またはアリール基は、置換基を有していてもよい。
12で表されるアルキル基またはアリール基が有していてもよい置換基としては、前記R1におけるアルキル基またはアリール基が有していてもよい置換基と同様の基が例示できる。
前記式(OS−103)〜(OS−105)中、R12で表されるアルキル基としては、置換基を有してもよい総炭素数1〜12のアルキル基であることが好ましく、置換基を有してもよい総炭素数1〜6のアルキル基であることがより好ましい。
12で表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、n−ヘキシル基、アリル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、メトキシメチル基、ベンジル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、n−ヘキシル基がより好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基がさらに好ましく、メチル基が特に好ましい。
前記式(OS−103)〜(OS−105)中、R12で表されるアリール基としては、置換基を有してもよい総炭素数6〜30のアリール基であることが好ましい。
12で表されるアリール基としてフェニル基、p−メチルフェニル基、o−クロロフェニル基、p−クロロフェニル基、o−メトキシフェニル基、p−フェノキシフェニル基が好ましい。
12で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。これらの中でも、塩素原子、臭素原子が好ましい。
前記式(OS−103)〜(OS−105)中、XはOまたはSを表し、Oであることが好ましい。前記式(OS−103)〜(OS−105)において、Xを環員として含む環は、5員環または6員環である。
前記式(OS−103)〜(OS−105)中、nは1または2を表し、XがOである場合、nは1であることが好ましく、また、XがSである場合、nは2であることが好ましい。
前記式(OS−103)〜(OS−105)中、R16で表されるアルキル基およびアルキルオキシ基は、置換基を有していてもよい。
前記式(OS−103)〜(OS−105)中、R16で表されるアルキル基としては、置換基を有していてもよい総炭素数1〜30のアルキル基であることが好ましい。
16で表されるアルキル基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基が挙げられる。
前記式(OS−103)〜(OS−105)中、R16で表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、トリフルオロメチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロヘキシル基、ベンジル基が好ましい。
前記式(OS−103)〜(OS−105)中、R16で表されるアルキルオキシ基としては、置換基を有してもよい総炭素数1〜30のアルキルオキシ基であることが好ましい。
16で表されるアルキルオキシ基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基が挙げられる。
前記式(OS−103)〜(OS−105)中、R16で表されるアルキルオキシ基としては、メチルオキシ基、エチルオキシ基、ブチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、フェノキシエチルオキシ基、トリクロロメチルオキシ基、または、エトキシエチルオキシ基が好ましい。
16におけるアミノスルホニル基としては、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、メチルフェニルアミノスルホニル基、アミノスルホニル基が挙げられる。
16で表されるアルコキシスルホニル基としては、メトキシスルホニル基、エトキシスルホニル基、プロピルオキシスルホニル基、ブチルオキシスルホニル基が挙げられる。
また、前記式(OS−103)〜(OS−105)中、mは0〜6の整数を表し、0〜2の整数であることが好ましく、0または1であることがより好ましく、0であることが特に好ましい。
また、前記式(OS−103)で表される化合物は、下記式(OS−106)、(OS−110)または(OS−111)で表される化合物であることが特に好ましく、前記式(OS−104)で表される化合物は、下記式(OS−107)で表される化合物であることが特に好ましく、前記式(OS−105)で表される化合物は、下記式(OS−108)または(OS−109)で表される化合物であることが特に好ましい。
Figure 0006261285
(式(OS−106)〜(OS−111)中、R11はアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、R17は、水素原子または臭素原子を表し、R18は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン原子、クロロメチル基、ブロモメチル基、ブロモエチル基、メトキシメチル基、フェニル基またはクロロフェニル基を表し、R19は水素原子、ハロゲン原子、メチル基またはメトキシ基を表し、R20は水素原子またはメチル基を表す。)
前記式(OS−106)〜(OS−111)におけるR11は、前記式(OS−103)〜(OS−105)におけるR11と同義であり、好ましい態様も同様である。
前記式(OS−106)におけるR17は、水素原子または臭素原子を表し、水素原子であることが好ましい。
前記式(OS−106)〜(OS−111)におけるR18は、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン原子、クロロメチル基、ブロモメチル基、ブロモエチル基、メトキシメチル基、フェニル基またはクロロフェニル基を表し、炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン原子またはフェニル基であることが好ましく、炭素数1〜8のアルキル基であることがより好ましく、炭素数1〜6のアルキル基であることがさらに好ましく、メチル基であることが特に好ましい。
前記式(OS−108)および(OS−109)におけるR19は、水素原子、ハロゲン原子、メチル基またはメトキシ基を表し、水素原子であることが好ましい。
前記式(OS−108)〜(OS−111)におけるR20は、水素原子またはメチル基を表し、水素原子であることが好ましい。
また、前記オキシムスルホネート化合物において、オキシムの立体構造(E,Z)については、どちらか一方であっても、混合物であってもよい。
前記式(OS−103)〜(OS−105)で表されるオキシムスルホネート化合物の具体例としては、下記例示化合物が挙げられるが、本発明は、これらに限定されるものではない。
Figure 0006261285
Figure 0006261285
Figure 0006261285
Figure 0006261285
Figure 0006261285
Figure 0006261285
Figure 0006261285
オキシムスルホネート基を少なくとも1つを有するオキシムスルホネート化合物の好適な他の態様としては、下記式(OS−101)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006261285
前記式(OS−101)中、R11は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホ基、シアノ基、アリール基またはヘテロアリール基を表す。R12は、アルキル基またはアリール基を表す。
Xは−O−、−S−、−NH−、−NR15−、−CH2−、−CR16H−または−CR1617−を表し、R15〜R17はそれぞれ独立に、アルキル基またはアリール基を表す。
21〜R24はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アミノ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アミド基、スルホ基、シアノ基またはアリール基を表す。R21〜R24のうち2つは、それぞれ互いに結合して環を形成してもよい。
21〜R24としては、水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基が好ましく、また、R21〜R24のうち少なくとも2つが互いに結合してアリール基を形成する態様もまた、好ましく挙げられる。中でも、R21〜R24がいずれも水素原子である態様が、感度の観点から好ましい。
前記した置換基は、いずれも、さらに置換基を有していてもよい。
前記式(OS−101)で表される化合物は、下記式(OS−102)で表される化合物であることがより好ましい。
Figure 0006261285
前記式(OS−102)中、R11、R12およびR21〜R24は、それぞれ式(OS−101)におけるR11、R12およびR21〜R24と同義であり、好ましい例もまた同様である。
これらの中でも、式(OS−101)および式(OS−102)におけるR11がシアノ基またはアリール基である態様がより好ましく、式(OS−102)で表され、R11がシアノ基、フェニル基またはナフチル基である態様が最も好ましい。
また、前記オキシムスルホネート化合物において、オキシムやベンゾチアゾール環の立体構造(E,Z等)についてはそれぞれ、どちらか一方であっても、混合物であってもよい。
以下に、本発明に好適に用いることができる式(OS−101)で表される化合物の具体例(例示化合物b−1〜b−34)を示すが、本発明はこれに限定されない。なお、具体例中、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表し、Bnはベンジル基を表し、Phはフェニル基を表す。
Figure 0006261285
Figure 0006261285
Figure 0006261285
Figure 0006261285
上記化合物の中でも、感度と安定性との両立の観点から、b−9、b−16、b−31、b−33が好ましい。
市販品としては、WPAG−336(和光純薬工業(株)製)、WPAG−443(下記構造、和光純薬工業(株)製)、MBZ−101(下記構造、みどり化学(株)製)等をあげることができる。
イミドスルホネート化合物としては、一般式(ZV)で示される化合物が挙げられる。
Figure 0006261285
一般式(ZV)中、R208は、アルキル基またはアリール基を表す。Aは、アルキレン基、アルケニレン基またはアリーレン基を表す。アルキル基が環状アルキル基の場合、カルボニル基を介して環を形成していてもよい。
208のアルキル基は、直鎖アルキル基または環状アルキル基が好ましい。R208は、直鎖または分岐のアルキル基、またはアリール基が好ましい。これらの基は、置換されていてもよく、置換されていなくてもよい。また、アルキル基が環状アルキル基の場合、カルボニル基を介して環を形成していてもよく、環状アルキル基は、多環式であってもよい。好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基又はペンチル基)及び炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基又はノルボニル基)が挙げられる。R208のアルキル基は、例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5)、水酸基、シアノ基及び/又はニトロ基によって更に置換されていてもよい。
208のアリール基は、フェニル基、ナフチル基が好ましい。
208ノアリール基は、例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5)、水酸基、シアノ基及び/又はニトロ基によって更に置換されていてもよいが、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基又はペンチル基)及び炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基又はノルボニル基)が挙げられる。
Aのアルキレン基としては、炭素数1〜12のアルキレン基(例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基など)を、Aのアルケニレン基としては、炭素数2〜12のアルケニレン基(例えば、エテニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基など)を、Aのアリーレン基としては、炭素数6〜10のアリーレン基(例えば、フェニレン基、トリレン基、ナフチレン基など)を、それぞれ挙げることができる。なかでもナフチレン基はi線を露光波長とする場合の好ましい例である。
以下に、イミドスルホネート化合物の例を挙げるが本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0006261285
Figure 0006261285
Figure 0006261285
Figure 0006261285
(ii)スルホニウム塩、ヨードニウム塩スルホニウム塩またはヨードニウム塩
(ii)スルホニウム塩、ヨードニウム塩スルホニウム塩またはヨードニウム塩は、アニオンが非求核性であり、光分解してpKaが−1以下の有機酸を発生する化合物であれば特に制限はないが、アニオンとしてスルホン酸アニオン、スルホニルイミドアニオン、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチルアニオンを有しているものが好適である。
より好ましくは下記一般式(ZI)、(ZII)、(ZIII)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 0006261285
上記一般式(ZI)において、
201、R202およびR203は、各々独立に、有機基を表す。
201、R202およびR203としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1〜20である。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
-は、スルホン酸アニオン(脂肪族スルホン酸アニオン、芳香族スルホン酸アニオン、カンファースルホン酸アニオンなど)、カルボン酸アニオン(脂肪族カルボン酸アニオン、芳香族カルボン酸アニオン、アラルキルカルボン酸アニオンなど)、スルホニルイミドアニオン、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオン等を挙げられる。
脂肪族スルホン酸アニオンおよび脂肪族カルボン酸アニオンにおける脂肪族部位は、アルキル基であってもシクロアルキル基であってもよく、好ましくは炭素数1〜30の直鎖または分岐のアルキル基および炭素数3〜30のシクロアルキル基が挙げられる。
芳香族スルホン酸アニオンおよび芳香族カルボン酸アニオンにおける芳香族基としては、好ましくは炭素数6〜14のアリール基、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基等を挙げることができる。
上記で挙げたアルキル基およびアリール基は、置換基を有していてもよい。この具体例としては、ニトロ基、フッ素原子などのハロゲン原子、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜15)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜7)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜15)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜15)、アルキルイミノスルホニル基(好ましくは炭素数1〜15)、アリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数6〜20)、アルキルアリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数7〜20)、シクロアルキルアリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数10〜20)、アルキルオキシアルキルオキシ基(好ましくは炭素数5〜20)、シクロアルキルアルキルオキシアルキルオキシ基(好ましくは炭素数8〜20)等を挙げることができる。各基が有するアリール基および環構造については、置換基としてさらにアルキル基(好ましくは炭素数1〜15)を挙げることができる。
アラルキルカルボン酸アニオンにおけるアラルキル基としては、好ましくは炭素数7〜12のアラルキル基、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、ナフチルブチル基等を挙げることができる。
スルホニルイミドアニオンとしては、例えば、サッカリンアニオンを挙げることができる。
ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンにおけるアルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。これらのアルキル基の置換基としてはハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルオキシスルホニル基、アリールオキシスルホニル基、シクロアルキルアリールオキシスルホニル基等を挙げることができ、フッ素原子またはフッ素原子で置換されたアルキル基が好ましい。
また、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオンにおけるアルキル基は、互いに結合して環構造を形成してもよい。これにより、酸強度が増加する。
-としては、保護膜層の上に感光性樹脂組成物を塗布する際のインターミキシング(保護膜中へのスルホニウム塩、ヨードニウム塩の層間混入)を抑制する観点から、カチオン中に、炭素数3以上のアルキル基を置換基として有する芳香環基を含むことが好ましい。該アルキル基としては炭素数6以上が好ましく、さらに好ましくは8以上である。アルキル基としては、直鎖、分岐、環状いずれであってもよく、具体的には、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、tert−ブチル、n−アミル、i−アミル、tert−アミル、n−ヘキシル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、n−オクチル、2−エチルヘキシルといった基が挙げられる。
同様にアニオンについても、炭素数6以上のアルキル基を含むスルホネート、もしくは炭素数3以上のアルキル基を置換基として有する芳香環を含むスルホネートであることが好ましい。
-としては、特に好ましくは、以下の一般式(AN1)で表されるアニオンである。このような構成とすることにより、保護膜として、水溶性樹脂を含む膜を用いた場合に、光酸発生剤が保護膜へ侵入しにくくなり、好ましい。特に、保護膜の表面にレジスト膜を設ける場合に効果的である。
Figure 0006261285
式中、
Xfは、それぞれ独立に、フッ素原子、または少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。
1、R2は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、または、アルキル基を表し、複数存在する場合のR1、R2は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
Lは、二価の連結基を表し、複数存在する場合のLは同一でも異なっていてもよい。
Aは、環状の有機基を表す。
xは0〜20の整数を表し、yは0〜10の整数を表し、zは0〜10の整数を表す。
一般式(AN1)について、さらに詳細に説明する。
Xfのフッ素原子で置換されたアルキル基におけるアルキル基としては、好ましくは炭素数1〜10であり、より好ましくは炭素数1〜4である。また、Xfのフッ素原子で置換されたアルキル基は、パーフルオロアルキル基であることが好ましい。Xfとして好ましくは、フッ素原子または炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基である。Xfの具体的としては、フッ素原子、CF3、C25、C37、C49、CH2CF3、CH2CH2CF3、CH225、CH2CH225、CH237、CH2CH237、CH249、CH2CH249が挙げられ、中でもフッ素原子、CF3が好ましい。特に、双方のXfがフッ素原子であることが好ましい。
1、R2のアルキル基は、置換基(好ましくはフッ素原子)を有していてもよく、炭素数1〜4のものが好ましい。さらに好ましくは炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基である。R1、R2の置換基を有するアルキル基の具体例としては、CF3、C25、C37、C49、C511、C613、C715、C817、CH2CF3、CH2CH2CF3、CH225、CH2CH225、CH237、CH2CH237、CH249、CH2CH249が挙げられ、中でもCF3が好ましい。
1、R2としては、好ましくはフッ素原子またはCF3である。
xは0〜10が好ましく、0〜2がより好ましい。
yは0〜8が好ましく、0〜6がより好ましい。
zは0〜5が好ましく、0〜3がより好ましい。
Lの2価の連結基としては特に限定されず、―COO−、−OCO−、−CO−、−O−、−S―、−SO―、―SO2−、アルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニレン基またはこれらの複数が連結した連結基などを挙げることができ、総炭素数12以下の連結基が好ましい。このなかでも―COO−、−OCO−、−CO−、−O−が好ましく、―COO−、−OCO−がより好ましい。
Aの環状の有機基としては、環状構造を有するものであれば特に限定されず、脂環基、アリール基、複素環基(芳香族性を有するものだけでなく、芳香族性を有さないものも含む)等が挙げられる。
脂環基としては、単環でも多環でもよく、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基などの単環のシクロアルキル基、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が好ましい。中でも、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基等の炭素数7以上のかさ高い構造を有する脂環基が、露光後加熱工程での膜中拡散性を抑制でき、MEEF向上の観点から好ましい。
アリール基としては、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナンスレン環、アントラセン環が挙げられる。
複素環基としては、フラン環、チオフェン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、ピリジン環由来のものが挙げられる。中でもフラン環、チオフェン環、ピリジン環由来のものが好ましい。
また、環状の有機基としては、ラクトン構造も挙げることができる。
上記環状の有機基は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、直鎖または分岐のアルキル基(直鎖、分岐、環状のいずれであっても良く、炭素数1〜12が好ましい)、シクロアルキル基(単環、多環、スピロ環のいずれであっても良く、炭素数3〜20が好ましい)、アリール基(炭素数6〜14が好ましい)、ヒドロキシ基、アルコキシ基、エステル基、アミド基、ウレタン基、ウレイド基、チオエーテル基、スルホンアミド基、スルホン酸エステル基等が挙げられる。なお、環状の有機基を構成する炭素(環形成に寄与する炭素)はカルボニル炭素であっても良い。
201、R202およびR203の有機基としては、アリール基、アルキル基、シクロアルキル基などが挙げられる。
201、R202およびR203のうち、少なくとも1つがアリール基であることが好ましく、三つ全てがアリール基であることがより好ましい。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基などの他に、インドール残基、ピロール残基などのヘテロアリール基も可能である。R201〜R203のアルキル基およびシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖または分岐アルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基を挙げることができる。アルキル基として、より好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基等を挙げることができる。シクロアルキル基として、より好ましくは、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基等を挙げることができる。これらの基はさらに置換基を有していてもよい。その置換基としては、ニトロ基、フッ素原子などのハロゲン原子、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜15)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜7)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成する場合、以下の一般式(A1)で表される構造であることが好ましい。
Figure 0006261285
一般式(A1)中、
1a〜R13aは、各々独立に、水素原子または置換基を表す。
1a〜R13aのうち、1〜3つが水素原子でないことが好ましく、R9a〜R13aのいずれか1つが水素原子でないことがより好ましい。
Zaは、単結合または2価の連結基である。
-は、一般式(ZI)におけるZ-と同義である。
1a〜R13aが水素原子でない場合の具体例としては、ハロゲン原子、直鎖、分岐、環状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アンモニオ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルおよびアリールスルフィニル基、アルキルおよびアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールおよびヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、ホスホノ基、シリル基、ヒドラジノ基、ウレイド基、ボロン酸基(−B(OH)2)、ホスファト基(−OPO(OH)2)、スルファト基(−OSO3H)、その他の公知の置換基が例として挙げられる。
1a〜R13aが水素原子でない場合としては、水酸基で置換された直鎖、分岐、環状のアルキル基であることが好ましい。
Zaの2価の連結基としては、アルキレン基、アリーレン基、カルボニル基、スルホニル基、カルボニルオキシ基、カルボニルアミノ基、スルホニルアミド基、エーテル結合、チオエーテル結合、アミノ基、ジスルフィド基、−(CH2n−CO−、−(CH2n−SO2−、−CH=CH−、アミノカルボニルアミノ基、アミノスルホニルアミノ基等が挙げられる(nは1〜3の整数)。
なお、R201、R202およびR203のうち、少なくとも1つがアリール基でない場合の好ましい構造としては、特開2004−233661号公報の段落0046〜0048、特開2003−35948号公報の段落0040〜0046、米国特許出願公開第2003/0224288A1号明細書に式(I−1)〜(I−70)として例示されている化合物、米国特許出願公開第2003/0077540A1号明細書に式(IA−1)〜(IA−54)、式(IB−1)〜(IB−24)として例示されている化合物等のカチオン構造を挙げることができる。
一般式(ZII)中、R204〜R205は、アリール基を表す。
204〜R205のアリール基としては、前述の化合物(ZI)におけるR201〜R203のアリール基として説明したアリール基と同様である。
204〜R205のアリール基は、置換基を有していてもよい。この置換基としても、前述の化合物(ZI)におけるR201〜R203のアリール基が有していてもよいものが挙げられる。
以下に、スルホニウム塩、ヨードニウムスルホニル塩またはヨードニウム塩の好ましい例を述べる。本発明がこれらに限定されるものではないことは言うまでもない。また、特開2013−214053号公報に記載の化合物も好ましく採用できる。
Figure 0006261285
Figure 0006261285
Figure 0006261285
Figure 0006261285
Figure 0006261285
Figure 0006261285
Figure 0006261285
Figure 0006261285
(iii)ジアゾジスルホン化合物、ジスルホン化合物
ジアゾジスルホン化合物としては、下記一般式(ZIII)で示される化合物が挙げられる。
Figure 0006261285
一般式(ZIII)中、
206〜R207は、各々独立に、アリール基またはアルキル基を表す。
206〜R207のアリール基、アルキル基としては、前述の化合物(ZI)におけるR201〜R203のアリール基、アルキル基として説明したアリール基、アルキル基と同様である。
206〜R207のアリール基、アルキル基、は、置換基を有していてもよい。この置換基としても、前述の化合物(ZI)におけるR201〜R203のアリール基、アルキル基が有していてもよいものが挙げられる。
ジスルホン化合物としては、下記一般式(ZIV)で示される化合物が挙げられる。
Figure 0006261285
一般式(ZIV)〜(ZVI)中、Ar3およびAr4は、各々独立に、アリール基を表す。
Ar3、Ar4のアリール基の具体例としては、上記一般式(ZI)におけるR201、R202およびR203としてのアリール基の具体例と同様のものを挙げることができる。
Figure 0006261285
本発明で用いる無機酸を発生する酸発生剤は、特に限定されないが、例えば、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート−4−メチルフェニル[4−(1−メチルエチル)フェニル]ヨードニウム(DPI−TPFPB)、トリス(4−tert−ブチルフェニル)スルホニウムテトラキス−(ペンタフルオロフェニル)ボレート(TTBPS−TPFPB)、トリス(4−tert−ブチルフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスフェート(TTBPS−HFP)、トリフェニルスルホニウムトリフレート(TPS−Tf)、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフレート(DTBPI−Tf)、トリアジン(TAZ−101)、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(TPS−103)、トリフェニルスルホニウムビス(パーフルオロメタンスルホニル)イミド(TPS−N1)、ジ−(p−tert−ブチル)フェニルヨードニウム、ビス(パーフルオロメタンスルホニル)イミド(DTBPI−N1)、トリフェニルスルホニウム、トリス(パーフルオロメタンスルホニル)メチド(TPS−C1)、ジ−(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリス(パーフルオロメタンスルホニル)メチド(DTBPI−C1)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組合せて用いることができる。これらの中でも、特に、樹脂成分の分子量を効率的に下げることができるという観点から、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート−4−メチルフェニル[4−(1−メチルエチル)フェニル]ヨードニウム(DPI−TPFPB)が好ましい。
<<<光塩基発生剤>>>
光塩基発生剤としては、特に限定されないが、例えば、5−ベンジル−1,5−ジアザビシクロ(4.3.0)ノナン、1−(2−ニトロベンゾイルカルバモイル)イミダゾール等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組合せて用いることができる。これらの中でも、特に、樹脂成分の分子量を効率的に下げることができるという観点から、5−ベンジル−1,5−ジアザビシクロ(4.3.0)ノナンおよびこの誘導体が好ましい。
また、本発明においては、光塩基発生剤として公知のものを用いることが出来る。例えば、M. Shirai, and M Tsunooka, Prog. Polym. Sci., 21, 1 (1996); 角岡正弘, 高分子加工, 46, 2 (1997); C. Kutal, Coord. Chem. Rev., 211, 353 (2001); Y. Kaneko, A. Sarker, and D. Neckers, Chem. Mater., 11, 170 (1999); H. Tachi, M. Shirai, and M. Tsunooka, J. Photopolym. Sci. Technol., 13, 153 (2000); M. Winkle, and K. Graziano, J. Photopolym. Sci. Technol., 3, 419 (1990); M. Tsunooka, H. Tachi, and S. Yoshitaka, J. Photopolym. Sci. Technol., 9, 13 (1996); K. Suyama, H. Araki, M. Shirai, J. Photopolym. Sci. Technol., 19, 81 (2006)に記載されているように、遷移金属化合物錯体や、アンモニウム塩などの構造を有するものや、アミジン部分がカルボン酸と塩形成することで潜在化されたもののように、塩基成分が塩を形成することにより中和されたイオン性の化合物や、カルバマート誘導体、オキシムエステル誘導体、アシル化合物などのウレタン結合やオキシム結合などにより塩基成分が潜在化された非イオン性の化合物を挙げることができる。
光塩基発生剤としては、1種単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。光塩基発生剤として用いられるイオン性化合物としては、具体的には、下記構造式で示されるものを挙げることができる。本発明はこれらに限定されるものではないことは言うまでもない。
Figure 0006261285
また、光塩基発生剤としてのオキシムエステル誘導体としては、例えば、下記構造式で示されるものを挙げることができる。
Figure 0006261285
アシル化合物としては、例えば、下記構造式で示されるものを挙げることができる。
Figure 0006261285
また、光塩基発生剤としてのカルバメート化合物としては、下記化合物が挙げられる。
Figure 0006261285
Figure 0006261285
また、本発明において好適に用いられる光塩基発生剤としては、下記式(5)に示すような化合物が挙げられる。
Figure 0006261285
(式(5)中、RCは、それぞれ独立に、水素又は1価の有機基であり、同一であっても異なっていても良い。RCは、それらが結合して環状構造を形成していても良く、ヘテロ原子の結合を含んでいても良い。但し、RCの少なくとも1つは1価の有機基である。また、化17における、R5、R6、R7及びR8は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、水酸基、ニトロ基、ニトロソ基、メルカプト基、シリル基、シラノール基又は1価の有機基であり、同一であっても異なっていても良い。R5、R6、R7及びR8は、それらの2つ以上が結合して環状構造を形成していても良く、ヘテロ原子の結合を含んでいても良い。)
本発明に係る光塩基発生剤において発生する塩基性物質としては、下記式(A)で表されるアミンや下記式(B)で表されるアミジンが挙げられる。
Figure 0006261285
(RCは、それぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基であり、同一であっても異なっていても良い。RCは、それらが結合して環状構造を形成していても良く、ヘテロ原子の結合を含んでいても良い。但し、RCの少なくとも1つは1価の有機基である。また、Rdは、それぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基であり、同一であっても異なっていても良い。Rdは、それらが結合して環状構造を形成していても良く、ヘテロ原子の結合を含んでいても良い。)
なお、上記式(A)のRCにおいて、式(B)に含まれるようなアミジン構造を有していている場合は、発生塩基としては上記式(A)のアミンではなく、上記式(B)のアミジンに属することとする。
上記のような触媒効果等の、発生した塩基性物質が与える効果が大きい点から、発生する塩基性物質が脂肪族アミンもしくはアミジンであることが、塩基性の高いアミンである点から好ましい。その中でも、塩基性の観点からは、2級や3級の脂肪族アミンもしくはアミジンが好ましい。
本発明においては、上記脂肪族アミンを発生させ、高感度を達成し、さらには、露光部未露光部の溶解性コントラストを大きくする観点から、式(A)中のRcの窒素原子などの、発生するアミンのアミノ基を構成する窒素原子と直接結合している全ての原子が、水素原子もしくはSP3軌道を有する炭素原子である(但し、Rcの全てが水素原子である場合を除く。)ことが好ましい。
このような窒素原子と直接結合している原子がSP3軌道を有する炭素原子となるような置換基としては、直鎖脂肪族炭化水素基、分岐脂肪族炭化水素基、及び、環状脂肪族炭化水素基、又はこれらの組み合わせからなる脂肪族炭化水素基が挙げられる。なお、当該脂肪族炭化水素基は、芳香族基等の置換基を有していても良く、或いは、炭化水素鎖中にヘテロ原子等の炭化水素以外の結合を含んでいても良い。好適なものとして、炭素数1〜20の直鎖又は分岐の飽和又は不飽和アルキル基、炭素数4〜13のシクロアルキル基、炭素数7〜26のフェノキシアルキル基、炭素数7〜26のアリールアルキル基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基が挙げられる。
ここでRcが上記環状脂肪族炭化水素基又は上記シクロアルキル基を有する場合には、Rcの2つが連結して環状になって、Rcが結合している窒素原子を含む複素環構造を形成している場合を含む。
上記脂肪族炭化水素基としては、具体的には、メチル基、エチル基、エチニル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基、イソボルニル基、ノルボルニル基、アダマンチル基、ベンジル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、Rcの2つが連結して環状になって、Rcが結合している窒素原子を含む複素環構造を形成している場合の複素環構造としては、例えば、アジリジン(3員環)、アゼチジン(4員環)、ピロリジン(5員環)、ピペリジン(6員環)、アゼパン(7員環)、アゾカン(8員環)等が挙げられる。これら複素環構造には直鎖又は分岐のアルキル基等の置換基を有していても良く、例えば、アルキル置換体として、メチルアジリジンなどのモノアルキルアジリジン、ジメチルアジリジンなどのジアルキルアジリジン、メチルアゼチジンなどのモノアルキルアゼチジン、ジメチルアゼチジンなどのジアルキルアゼチジン、トリメチルアゼチジンなどのトリアルキルアゼチジン、メチルピロリジンなどのモノアルキルピロリジン、ジメチルピロリジンなどのジアルキルピロリジン、トリメチルピロリジンなどのトリアルキルピロリジン、テトラメチルピロリジンなどのテトラアルキルピロリジン、メチルピペリジンなどのモノアルキルピペリジン、ジメチルピペリジンなどのジアルキルピペリジン、トリメチルピペリジンなどのトリアルキルピペリジン、テトラメチルピペリジンなどのテトラアルキルピペリジン、ペンタメチルピペリジンなどのペンタアルキルピペリジン等が挙げられる。
式(A)で表される化合物としては、以下の化合物が例示される。また、特開2008−247747号公報に記載の光塩基発生剤も好ましく用いられ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
Figure 0006261285
本発明に係る光塩基発生剤の分解時に発生するアミンとしては、具体的には、n−ブチルアミン、アミルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、オクチルアミン、ベンジルアミンなどの第1級アミン類、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、などの直鎖状2級アミン類、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、アゼパン、アゾカンなどの環状2級アミンおよびこれらのアルキル置換体のような第2級アミン類、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリエチレンジアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、キヌクリジンおよび、3−キヌクリジノールのような脂肪族第3級アミン、ジメチルアニリンなどの芳香族第3級アミン、およびイソキノリン、ピリジン、コリジン、ベータピコリンなどの複素環第3級アミンなどが挙げられる。
本発明に係る光塩基発生剤の分解時に発生するアミジンとしては、具体的には、イミダゾール、プリン、トリアゾール、グアニジンなどの2級アミジン及びこれらの誘導体、ピリミジン、トリアジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)及び1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)などの3級アミジンおよびこれらの誘導体などが挙げられる。
上記式(5)で表される塩基発生剤は、電磁波が照射されるだけでも塩基を発生するが、適宜加熱をすることにより、塩基の発生が促進される。そのため、電磁波の照射と加熱を組み合わせることにより、少ない電磁波照射量で、効率的に塩基を発生することが可能であり、従来の所謂光塩基発生剤と比べて高い感度を有する。
上記式(5)で表される塩基発生剤は、上記特定構造を有するため、電磁波が照射されることにより、下記式で示されるように、式(5)中の(−CH=CH−C(=O)−)部分がシス体へと異性化し、さらに加熱によって環化し、塩基(NHRcc)を生成する。アミンの触媒作用によって、上記ポリイミド前駆体が最終生成物となる際の反応が開始される温度を下げたり、上記ポリイミド前駆体が最終生成物となる硬化反応を開始することができる。
Figure 0006261285
式(5)で表される塩基発生剤は、環化することで、フェノール性水酸基を消失し、溶解性が変化し、塩基性水溶液等の場合には溶解性が低下する。これにより、上記ポリイミド前駆体の最終生成物への反応による溶解性の低下を更に補助する機能を有し、露光部と未露光部の溶解性コントラストを大きくすることが可能となる。
式(5)中、Rcは、上記式(A)のRcと同様であって良いのでここでの説明を省略する。発生する塩基(NHRcc)は、上述の塩基のうち、NH基を含む1級、2級アミン、NH基を含むアミジンが挙げられる。
中でも、発生する塩基が、2級アミン、及び/又は、アミジンである場合には、塩基発生剤としての感度が高くなる点から好ましい。これは、2級アミンやアミジンを用いることで、アミド結合部位の活性水素がなくなり、このことにより、電子密度が変化し、異性化の感度が向上するからではないかと推定される。
5、R6、R7及びR8は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、アミノ基、アンモニオ基又は1価の有機基であり、同一であっても異なっていても良い。R5、R6、R7及びR8は、それらの2つ以上が結合して環状構造を形成していても良く、ヘテロ原子の結合を含んでいても良い。
ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素などが挙げられる。
1価の有機基としては、特に制限がなく、飽和又は不飽和アルキル基、飽和又は不飽和シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、及び飽和又は不飽和ハロゲン化アルキル基、シアノ基、イソシアノ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、チオカルバモイル基、カルボキシル基、カルボキシラート基、アシル基、アシルオキシ基、ヒドロキシイミノ基等が挙げられる。これらの有機基は、当該有機基中にヘテロ原子等の炭化水素基以外の結合や置換基を含んでよく、これらは、直鎖状でも分岐状でも良い。
上記R5〜R8の有機基中の炭化水素基以外の結合としては、本発明の効果が損なわれない限り、特に限定されず、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、チオカルボニル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、カーボネート結合、スルホニル結合、スルフィニル結合、アゾ結合等が挙げられる。
耐熱性の点から、有機基中の炭化水素基以外の結合としては、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、チオカルボニル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、イミノ結合(−N=C(−R)−、−C(=NR)−:ここでRは水素原子又は1価の有機基)、カーボネート結合、スルホニル結合、スルフィニル結合が好ましい。
上記R5〜R8の有機基中の炭化水素基以外の置換基としては、本発明の効果が損なわれない限り、特に限定されず、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シアノ基、イソシアノ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、シリル基、シラノール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、チオカルバモイル基、ニトロ基、ニトロソ基、カルボキシル基、カルボキシラート基、アシル基、アシルオキシ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、ヒドロキシイミノ基、飽和又は不飽和アルキルエーテル基、飽和又は不飽和アルキルチオエーテル基、アリールエーテル基、及びアリールチオエーテル基、アミノ基(−NH2, −NHR, −NRR':ここで、R及びR'はそれぞれ独立に炭化水素基)、アンモニオ基等が挙げられる。上記置換基に含まれる水素は、炭化水素基によって置換されていても良い。また、上記置換基に含まれる炭化水素基は、直鎖、分岐、及び環状のいずれでも良い。
中でも、R5〜R8の有機基中の炭化水素基以外の置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シアノ基、イソシアノ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、シリル基、シラノール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、チオカルバモイル基、ニトロ基、ニトロソ基、カルボキシル基、カルボキシラート基、アシル基、アシルオキシ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、ヒドロキシイミノ基、飽和又は不飽和アルキルエーテル基、飽和又は不飽和アルキルチオエーテル基、アリールエーテル基、及びアリールチオエーテル基が好ましい。
1価の有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜20のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数4〜23のシクロアルキル基;シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の炭素数4〜23のシクロアルケニル基;フェノキシメチル基、2−フェノキシエチル基、4−フェノキシブチル基等の炭素数7〜26のアリールオキシアルキル基(−ROAr基);ベンジル基、3−フェニルプロピル基等の炭素数7〜20のアラルキル基;シアノメチル基、β−シアノエチル基等のシアノ基をもつ炭素数2〜21のアルキル基;ヒドロキシメチル基等の水酸基をもつ炭素数1〜20のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜20のアルコキシ基、アセトアミド基、ベンゼンスルホナミド基(C6H5SO2NH2−)等の炭素数2〜21のアミド基、メチルチオ基、エチルチオ基等の炭素数1〜20のアルキルチオ基(−SR基)、アセチル基、ベンゾイル基等の炭素数1〜20のアシル基、メトキシカルボニル基、アセトキシ基等の炭素数2〜21のエステル基(−COOR基及び−OCOR基)、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、トリル基等の炭素数6〜20のアリール基、電子供与性基及び/又は電子吸引性基が置換した炭素数6〜20のアリール基、電子供与性基及び/又は電子吸引性基が置換したベンジル基、シアノ基、及びメチルチオ基(−SCH3)であることが好ましい。また、上記のアルキル部分は直鎖でも分岐状でも環状でも良い。
また、R5〜R8は、それらのうち2つ以上が結合して環状構造になっていても良い。
環状構造は、飽和又は不飽和の脂環式炭化水素、複素環、及び縮合環、並びに当該脂環式炭化水素、複素環、及び縮合環よりなる群から選ばれる2種以上が組み合されてなる構造であっても良い。例えば、R5〜R8は、それらの2つ以上が結合して、R5〜R8が結合しているベンゼン環の原子を共有してナフタレン、アントラセン、フェナントレン、インデン等の縮合環を形成している場合も、吸収波長が長波長化する点から好ましい。
本発明においては、R5、R6、R7及びR8の少なくとも1つが、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、アミノ基、又はアンモニオ基であることが望ましい。置換基R5〜R8に、上記のような置換基を少なくとも1つ導入することにより、吸収する光の波長を調整することが可能であり、置換基を導入することで所望の波長を吸収させるようにすることもできる。また、溶解性や組み合わせる高分子前駆体との相溶性が向上するようにすることもできる。これにより、組み合わせる上記ポリイミド前駆体の吸収波長も考慮しながら、感度を向上させることが可能である。
所望の波長に対して吸収波長をシフトさせる為に、どのような置換基を導入したら良いかという指針として、Interpretation of the Ultraviolet Spectra of Natural Products(A.I.Scott 1964)や、有機化合物のスペクトルによる同定法第5版(R.M.Silverstein 1993)に記載の表を参考にすることができる。
中でも、本発明における塩基発生剤において、R5、R6、R7及びR8の少なくとも1つが水酸基である場合、R5、R6、R7及びR8に水酸基を含まない化合物と比べ、塩基性水溶液等に対する溶解性の向上、および吸収波長の長波長化が可能な点から好ましい。また、特にR8がフェノール性水酸基である場合、シス体に異性化した化合物が環化する際の反応サイトが増えるため、環化しやすくなる点から好ましい。
化学式(5)で表される構造は、(−CH=CH−C(=O)−)部分で幾何異性体が存在するが、トランス体のみを用いることが好ましい。しかし、合成および精製工程および保管時などにおいて幾何異性体であるシス体が混ざる可能性もあり、この場合トランス体とシス体の混合物を用いても良いが、溶解性コントラストを高められる点から、シス体の割合が10%未満であることが好ましい。
本発明で用いる感光性樹脂組成物において、活性剤(B)は、感光性樹脂組成物の固形分の0.01〜50質量%であるのが好ましく、0.1〜30質量%であるのがより好ましい。かかる範囲内とすることにより、化合物(A2)の分子量を安定的に目的とする範囲内に下げることが可能となる。
このような活性剤の添加により、活性エネルギー線を照射することで、酸または塩基のような活性種が発生し、この活性種の存在下で加熱することで樹脂成分の主鎖を分解しその分子量が低下すると推察される。
<<増感色素(C)>>
感光性樹脂組成物は、活性剤(B)の反応性を発現あるいは増大させる機能を有する成分である増感色素(C)を含んでいても良い。増感色素(C)は活性剤(B)を活性化することが可能な波長の範囲を広げることが可能で、最適な増感色素としては、使用される光源近くに最大吸光係数を持ち、吸収したエネルギーを効率的に活性剤に渡すことができる化合物である。
増感色素としては、特に限定されるものではないが、光酸発生剤を含む場合、例えば、多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、アントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン,3,7−ジメトキシアントラセン、9,10−ジプロピルオキシアントラセン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、キサントン類(例えば、キサントン、チオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、ローダシアニン類、オキソノール類、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アクリドン類(例えば、アクリドン、10−ブチル−2−クロロアクリドン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、スチリル類、ベーススチリル類(例えば、2−[2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル]ベンゾオキサゾール)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ4−メチルクマリン、7−ヒドロキシ4−メチルクマリン、2,3,6,7−テトラヒドロ−9−メチル−1H,5H,11H−[1]ベンゾピラノ[6,7,8−ij]キノリジン−11−ノン、下記化合物)またはそれらの組み合わせ等が挙げられる。
Figure 0006261285
このような増感色素は、樹脂の光熱反応に直接影響を与えない範囲で加えられる。増感色素の含有量は、配合する場合、光酸発生剤の活性剤の総量100質量部に対して、100質量部以下であるのが好ましく、75質量部以下であることが好ましい。下限値としては、20質量部以上が好ましい。
<<バインダーポリマー>>
感度と現像性とドライエッチング耐性をバランスよく向上させるために、バインダーポリマーを添加しても良い。このようなバインダーポリマーとしては、特開2010−169810号公報の段落番号0012〜0027に記載のような半導体レジスト材料が例示され、これらの内容は本願明細書に組み込まれる(但し、化合物(A1)および化合物(A2)に該当するものを除く。)。
バインダーポリマーの配合量は、配合する場合、感光性樹脂組成物の固形分の1〜40質量%の割合で配合することが好ましい。
<<溶剤>>
本発明における感光性樹脂組成物は、溶剤を含むことが好ましい。
本発明における感光性樹脂組成物は、必須成分である特定樹脂および特定光酸発生剤、並びに、各種添加剤の任意成分を、溶剤に溶解した溶液として調製されることが好ましい。
本発明における感光性樹脂組成物に使用される溶剤としては、公知の溶剤を用いることができ、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、エステル類、ケトン類、アミド類、ラクトン類等が例示できる。
本発明における感光性樹脂組成物に使用される溶剤としては、例えば、(1)エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類;(2)エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル等のエチレングリコールジアルキルエーテル類;(3)エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;(4)プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;(5)プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のプロピレングリコールジアルキルエーテル類;
(6)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;(7)ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル等のジエチレングリコールジアルキルエーテル類;(8)ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;(9)ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等のジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;(10)ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルメチルエーテル等のジプロピレングリコールジアルキルエーテル類;
(11)ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;(12)乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸イソプロピル、乳酸n−ブチル、乳酸イソブチル、乳酸n−アミル、乳酸イソアミル等の乳酸エステル類;(13)酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミル、酢酸n−ヘキシル、酢酸2−エチルヘキシル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−プロピル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸イソブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸イソプロピル、酪酸n−ブチル、酪酸イソブチル等の脂肪族カルボン酸エステル類;(14)ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸エチル、メトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルブチレート、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類;
(15)メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;(16)N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;(17)γ−ブチロラクトン等のラクトン類等を挙げることができる。
また、これらの溶剤にさらに必要に応じて、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナール、ベンジルアルコール、アニソール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等の溶剤を添加することもできる。
上記した溶剤のうち、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、および/または、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類が好ましく、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、および/または、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが特に好ましい。
これら溶剤は、1種単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明における感光性樹脂組成物が溶剤を含む場合、溶剤の含有量は、樹脂(B)100質量部当たり、1〜3,000質量部であることが好ましく、5〜2,000質量部であることがより好ましく、10〜1,500質量部であることがさらに好ましい。
溶剤は、1種類のみ用いても良く、2種類以上用いても良い。2種類以上用いる場合は、合計量が上記範囲となる。
<塩基性化合物>
塩基性化合物としては、化学増幅レジストで用いられるものの中から任意に選択して使用することができる。例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン、複素環式アミン、第四級アンモニウムヒドロキシド、および、カルボン酸の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
脂肪族アミンとしては、例えば、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミンなどが挙げられる。
芳香族アミンとしては、例えば、アニリン、ベンジルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ジフェニルアミンなどが挙げられる。
複素環式アミンとしては、例えば、ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−本発明で用いる感光性樹脂組成物は、(成分I)塩基性化合物を含むことが好ましい。
(成分I)塩基性化合物としては、化学増幅レジストで用いられるものの中から任意に選択して使用することができる。例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン、複素環式アミン、第四級アンモニウムヒドロキシド、および、カルボン酸の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
脂肪族アミンとしては、例えば、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミンなどが挙げられる。
芳香族アミンとしては、例えば、アニリン、ベンジルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ジフェニルアミンなどが挙げられる。
複素環式アミンとしては、例えば、ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、N−メチル−4−フェニルピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、イミダゾール、ベンズイミダゾール、4−メチルイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、8−オキシキノリン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、シクロヘキシルモルホリノエチルチオウレア、ピペラジン、モルホリン、4−メチルモルホリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.3.0]−7−ウンデセンなどが挙げられる。
第四級アンモニウムヒドロキシドとしては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムヒドロキシドなどが挙げられる。
カルボン酸の第四級アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウムアセテート、テトラメチルアンモニウムベンゾエート、テトラ−n−ブチルアンモニウムアセテート、テトラ−n−ブチルアンモニウムベンゾエートなどが挙げられる。
本発明に用いることができる塩基性化合物は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよいが、2種以上を併用することが好ましく、2種を併用することがより好ましく、複素環式アミンを2種併用することがさらに好ましい。
本発明における感光性樹脂組成物が塩基性化合物を含む場合、塩基性化合物の含有量は、特定樹脂100質量部に対して、0.001〜1質量部であることが好ましく、0.002〜0.2質量部であることがより好ましい。
<界面活性剤>
本発明で用いる感光性樹脂組成物は、塗布性をより向上させる観点から界面活性剤を含むことが好ましい。
界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、または、両性のいずれでも使用することができるが、好ましい界面活性剤はノニオン系界面活性剤である。
ノニオン系界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレン高級アルキルエーテル類、ポリオキシエチレン高級アルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレングリコールの高級脂肪酸ジエステル類、フッ素系、シリコーン系界面活性剤を挙げることができる。
本発明における感光性樹脂組成物は、界面活性剤として、フッ素系界面活性剤、および/または、シリコーン系界面活性剤を含むことがより好ましい。
これらのフッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤として、例えば、特開昭62−36663号、特開昭61−226746号、特開昭61−226745号、特開昭62−170950号、特開昭63−34540号、特開平7−230165号、特開平8−62834号、特開平9−54432号、特開平9−5988号、特開2001−330953号各公報記載の界面活性剤を挙げることができ、市販の界面活性剤を用いることもできる。
使用できる市販の界面活性剤として、例えば、エフトップEF301、EF303、(以上、新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431(以上、住友スリーエム(株)製)、メガファックF171、F173、F176、F189、R08(以上、DIC(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(以上、旭硝子(株)製)、PF−6320等のPolyFoxシリーズ(OMNOVA社製)等のフッ素系界面活性剤またはシリコーン系界面活性剤を挙げることができる。また、ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)も、シリコーン系界面活性剤として用いることができる。
また、界面活性剤として、下記式(1)で表される構成単位Aおよび構成単位Bを含み、テトラヒドロフラン(THF)を溶剤とした場合のゲルパーミエーションクロマトグラフィで測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が1,000以上10,000以下である共重合体を好ましい例として挙げることができる。
Figure 0006261285
(式(1)中、R1およびR3はそれぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表し、R2は炭素数1以上4以下の直鎖アルキレン基を表し、R4は水素原子または炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、Lは炭素数3以上6以下のアルキレン基を表し、pおよびqは重合比を表す質量百分率であり、pは10質量%以上80質量%以下の数値を表し、qは20質量%以上90質量%以下の数値を表し、rは1以上18以下の整数を表し、nは1以上10以下の整数を表す。)
前記Lは、下記式(2)で表される分岐アルキレン基であることが好ましい。式(2)におけるR5は、炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、相溶性と被塗布面に対する濡れ性の点で、炭素数1以上3以下のアルキル基が好ましく、炭素数2または3のアルキル基がより好ましい。
Figure 0006261285
前記共重合体の重量平均分子量(Mw)は、1,500以上5,000以下がより好ましい。
これら界面活性剤は、1種単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明における感光性樹脂組成物が界面活性剤を含む場合、界面活性剤の添加量は、特定樹脂100質量部に対して、10質量部以下であることが好ましく、0.01〜10質量部であることがより好ましく、0.01〜1質量部であることがさらに好ましい。
さらに、必要に応じて、本発明における感光性樹脂組成物には、酸化防止剤、可塑剤、熱ラジカル発生剤、熱酸発生剤、酸増殖剤、紫外線吸収剤、増粘剤、および、有機または無機の沈殿防止剤などの、公知の添加剤を加えることができる。これらの詳細は、特開2011−209692号公報の段落番号0143〜0148の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
レジスト膜の膜厚は、解像力向上の観点から、100〜1000nmで使用されることが好ましく、より好ましくは、300〜850nmで使用されることが好ましい。感光性樹脂組成物中の固形分濃度を適切な範囲に設定して適度な粘度をもたせ、塗布性、製膜性を向上させることにより、このような膜厚とすることができる。
以下、本発明を用いた有機半導体膜のパターニング方法について説明する。
<有機半導体膜のパターニング方法>
本発明における有機半導体膜のパターニング方法は、
(1)有機半導体膜の上に、保護膜を成膜する工程、
(2)保護膜の前記有機半導体膜と反対側の上に、下記(1)および/または(2)を含む感光性樹脂組成物からなるレジスト膜を成膜する工程;
(1)波長100〜600nmの光照射により主鎖が分解する化合物(A1)を含む;
(2)波長100〜600nmの光照射により活性種を発生する活性剤(B)と、前記活性剤(B)により主鎖が分解する化合物(A2)を含む;
(3)前記レジスト膜を露光する工程;
(4)有機溶剤を含む現像液を用いて現像しマスクパターンを作製する工程;
(5)ドライエッチング処理にて少なくとも非マスク部の前記保護膜および前記有機半導体膜を除去する工程;
(6)前記保護膜を水で溶解する工程;
を含むことを特徴とする。
<(1)有機半導体膜の上に、保護膜を成膜する工程>
本発明の有機半導体膜のパターニング方法は、有機半導体膜の上に保護膜を成膜する工程を含む。通常は、基板の上に有機半導体膜を製膜した後に、本工程を行う。この場合、保護膜は、有機半導体の基板側の面と反対側の面に成膜する。保護膜は、通常、有機半導体膜の表面に設けられるが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で他の層を設けてもよい。具体的には、水溶性の下塗り層等が挙げられる。また、保護膜は1枚のみ設けられていてもよいし、2枚以上設けられていてもよい。
<(2)保護膜の前記有機半導体膜と反対側の上に、感光性樹脂組成物からなるレジスト膜を成膜する工程>
前記(1)の工程後、(2)保護膜の有機半導体側の面と反対側の上に、感光性樹脂組成物からなるレジスト膜を形成する。レジスト膜は好ましくは保護膜の表面に感光性樹脂組成物を適用して形成されるが、下塗り層等の膜を介していてもよい。感光性樹脂組成物の適用方法は、上記保護膜の記載を参酌できる。
感光性樹脂組成物の固形分濃度は、通常1.0〜20質量%であり、好ましくは、1.5〜17質量%、さらに好ましくは2.0〜15質量%である。固形分濃度を前記範囲とすることで、レジスト溶液を水溶性樹脂膜上に均一に塗布することができ、さらには高解像性および矩形なプロファイルを有するレジストパターンを形成することが可能になる。固形分濃度とは、樹脂組成物の総質量に対する、溶剤を除く他のレジスト成分の質量の質量百分率である。
<(3)レジスト膜を露光する工程>
(2)工程でレジスト膜を成膜後、前記レジスト膜を露光する。具体的には、レジスト膜に所定のパターンを有するマスクを介して、活性光線を照射する。露光は1回のみ行ってもよく、複数回行ってもよい。
具体的には、感光性樹脂組成物の乾燥塗膜を設けた基板に所定のパターンの活性光線を照射する。露光はマスクを介して行ってもよいし、所定のパターンを直接描画してもよい。波長300nm以上450nm以下の波長、好ましくは365nmを有する活性光線が好ましく使用できる。この工程の後、必要に応じて露光後加熱工程(PEB)を行ってもよい。
活性光線による露光には、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、レーザ発生装置、LED光源などを用いることができる。
水銀灯を用いる場合にはg線(436nm)、i線(365nm)、h線(405nm)などの波長を有する活性光線が好ましく使用できる。水銀灯はレーザに比べると、大面積の露光に適するという点で好ましい。
レーザを用いる場合には固体(YAG)レーザでは343nm、355nmが好適に用いられ、エキシマレーザでは351nm(XeF)が好適に用いられ、さらに半導体レーザでは375nm、405nmが好適に用いられる。この中でも、安定性、コスト等の点から355nm、405nmがより好ましい。レーザは1回あるいは複数回に分けて、塗膜に照射することができる。
レーザの1パルス当たりのエネルギー密度は0.1mJ/cm2以上10,000mJ/cm2以下であることが好ましい。塗膜を十分に硬化させるには、0.3mJ/cm2以上がより好ましく、0.5mJ/cm2以上が最も好ましく、アブレーション現象により塗膜を分解させないようにするには、1,000mJ/cm2以下がより好ましく、100mJ/cm2以下が最も好ましい。
また、パルス幅は、0.1nsec以上30,000nsec以下であることが好ましい。アブレーション現象により色塗膜を分解させないようにするには、0.5nsec以上がより好ましく、1nsec以上が最も好ましく、スキャン露光の際に合わせ精度を向上させるには、1,000nsec以下がより好ましく、50nsec以下が最も好ましい。
さらに、レーザの周波数は、1Hz以上50,000Hz以下が好ましく、10Hz以上1,000Hz以下がより好ましい。
さらに、レーザの周波数は、露光処理時間を短くするには、10Hz以上がより好ましく、100Hz以上が最も好ましく、スキャン露光の際に合わせ精度を向上させるには、10,000Hz以下がより好ましく、1,000Hz以下が最も好ましい。
レーザは水銀灯と比べると、焦点を絞ることが容易であり、露光工程でのパターン形成のマスクが不要でコストダウンできるという点で好ましい。
本発明に使用可能な露光装置としては、特に制限はないが市販されているものとしては、Callisto((株)ブイ・テクノロジー製)やAEGIS((株)ブイ・テクノロジー製)やDF2200G(大日本スクリーン製造(株)製)などが使用可能である。また上記以外の装置も好適に用いられる。
また、必要に応じて長波長カットフィルタ、短波長カットフィルタ、バンドパスフィルタのような分光フィルタを通して照射光を調整することもできる。
<(4)有機溶剤を含む現像液を用いて現像しマスクパターンを作製する工程>
(3)工程でレジスト膜を露光後、有機溶剤を含む現像液を用いて現像する。現像はネガ型が好ましい。現像液に含まれる溶剤のsp値は、19MPa1/2未満であることが好ましく、18MPa1/2以下であることがより好ましい。
本発明で用いる現像液が含む有機溶剤としては、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アミド系溶剤等の極性溶剤および炭化水素系溶剤を用いることができる。
ケトン系溶剤としては、例えば、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、2−ヘプタノン(メチルアミルケトン)、4−ヘプタノン、1−ヘキサノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、アセトニルアセトン、イオノン、ジアセトニルアルコール、アセチルカービノール、アセトフェノン、メチルナフチルケトン、イソホロン、プロピレンカーボネート等を挙げることができる。
エステル系溶剤としては、例えば、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、酢酸アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル等を挙げることができる。
アミド系溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が使用できる。
炭化水素系溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられる。
上記の溶剤は、1種類のみでも、2種以上用いてもよい。また、上記以外の溶剤と混合し使用してもよい。但し、本発明の効果を十二分に奏するためには、現像液全体としての含水率が10質量%未満であることが好ましく、実質的に水分を含有しないことがより好ましい。ここでの実質的とは、例えば、現像液全体としての含水率が3質量%以下であり、より好ましくは測定限界以下であることをいう。
すなわち、有機系現像液に対する有機溶剤の使用量は、現像液の全量に対して、90質量%以上100質量%以下であることが好ましく、95質量%以上100質量%以下であることが好ましい。
特に、有機系現像液は、ケトン系溶剤、エステル系溶剤およびアミド系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種類の有機溶剤を含む現像液であるのが好ましい。
また、有機系現像液は、必要に応じて塩基性化合物を適当量含有していてもよい。塩基性化合物の例としては、塩基性化合物の項で前述したものを挙げることができる。
有機系現像液の蒸気圧は、20℃に於いて、5kPa以下が好ましく、3kPa以下がさらに好ましく、2kPa以下が特に好ましい。有機系現像液の蒸気圧を5kPa以下にすることにより、現像液の基板上あるいは現像カップ内での蒸発が抑制され、ウェハ面内の温度均一性が向上し、結果としてウェハ面内の寸法均一性が良化する。
5kPa以下の蒸気圧を有する具体的な例としては、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、2−ヘプタノン(メチルアミルケトン)、4−ヘプタノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、酢酸アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル等のエステル系溶剤、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドのアミド系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられる。
特に好ましい範囲である2kPa以下の蒸気圧を有する具体的な例としては、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、4−ヘプタノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン等のケトン系溶剤、酢酸ブチル、酢酸アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル等のエステル系溶剤、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドのアミド系溶剤、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられる。
現像液には、必要に応じて界面活性剤を適当量添加することができる。
界面活性剤としては特に限定されないが、例えば、上記水溶性樹脂組成物の欄で述べた界面活性剤が好ましく用いられる。
現像液に界面化成剤を配合する場合、その配合量は現像液の全量に対して、通常0.001〜5質量%、好ましくは0.005〜2質量%、さらに好ましくは0.01〜0.5質量%である。
現像方法としては、例えば、現像液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止することで現像する方法(パドル法)、基板表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している基板上に一定速度で現像液吐出ノズルをスキャンしながら現像液を吐出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)などを適用することができる。
上記各種の現像方法が、現像装置の現像ノズルから現像液をレジスト膜に向けて吐出する工程を含む場合、吐出される現像液の吐出圧(吐出される現像液の単位面積あたりの流速)は好ましくは2mL/sec/mm2以下、より好ましくは1.5mL/sec/mm2以下、さらに好ましくは1mL/sec/mm2以下である。流速の下限は特に無いが、スループットを考慮すると0.2mL/sec/mm2以上が好ましい。
吐出される現像液の吐出圧を上記の範囲とすることにより、現像後のレジスト残渣に由来するパターンの欠陥を著しく低減することができる。
このメカニズムの詳細は定かではないが、恐らくは、吐出圧を上記範囲とすることで、現像液がレジスト膜に与える圧力が小さくなり、レジスト膜・レジストパターンが不用意に削られたり崩れたりすることが抑制されるためと考えられる。
なお、現像液の吐出圧(mL/sec/mm2)は、現像装置中の現像ノズル出口における値である。
現像液の吐出圧を調整する方法としては、例えば、ポンプなどで吐出圧を調整する方法や、加圧タンクからの供給で圧力を調整することで変える方法などを挙げることができる。
また、有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程の後に、他の溶剤に置換しながら、現像を停止する工程を実施してもよい。
<(5)ドライエッチング処理にて少なくとも非マスク部の保護膜および有機半導体を除去する工程>
レジスト膜を現像しマスクパターンを作製後、エッチング処理にて少なくとも非マスク部の前記水溶性樹脂膜および前記有機半導体を除去する。非マスク部とは、レジスト膜を露光してマスクパターンを作製する際のマスクにより露光されていない箇所を表す。
具体的には、ドライエッチングは、レジストパターンをエッチングマスクとして、少なくとも保護膜および有機半導体をドライエッチングする。ドライエッチングの代表的な例としては、特開昭59−126506号、特開昭59−46628号、同58−9108号、同58−2809号、同57−148706号、同61−41102号などの公報に記載の方法がある。
ドライエッチングとしては、パターン断面をより矩形に近く形成する観点や有機半導体へのダメージをより低減する観点から、以下の形態で行なうのが好ましい。
フッ素系ガスと酸素ガス(O2)との混合ガスを用い、有機半導体が露出しない領域(深さ)までエッチングを行なう第1段階のエッチングと、この第1段階のエッチングの後に、窒素ガス(N2)と酸素ガス(O2)との混合ガスを用い、好ましくは有機半導体が露出する領域(深さ)付近までエッチングを行なう第2段階のエッチングと、有機半導体が露出した後に行なうオーバーエッチングとを含む形態が好ましい。以下、ドライエッチングの具体的手法、並びに第1段階のエッチング、第2段階のエッチング、およびオーバーエッチングについて説明する。
ドライエッチングは、下記手法により事前にエッチング条件を求めて行なう。
(1)第1段階のエッチングにおけるエッチングレート(nm/min)と、第2段階のエッチングにおけるエッチングレート(nm/min)とをそれぞれ算出する。(2)第1段階のエッチングで所望の厚さをエッチングする時間と、第2段階のエッチングで所望の厚さをエッチングする時間とをそれぞれ算出する。(3)前記(2)で算出したエッチング時間に従って第1段階のエッチングを実施する。(4)前記(2)で算出したエッチング時間に従って第2段階のエッチングを実施する。あるいはエンドポイント検出でエッチング時間を決定し、決定したエッチング時間に従って第2段階のエッチングを実施してもよい。(5)前記(3)、(4)の合計時間に対してオーバーエッチング時間を算出し、オーバーエッチングを実施する。
前記第1段階のエッチング工程で用いる混合ガスとしては、被エッチング膜である有機材料を矩形に加工する観点から、フッ素系ガスおよび酸素ガス(O2)を含むことが好ましい。また、第1段階のエッチング工程は、有機半導体が露出しない領域までエッチングする形態にすることで、有機半導体のダメージを回避することができる。また、前記第2段階のエッチング工程および前記オーバーエッチング工程は、第1段階のエッチング工程でフッ素系ガスおよび酸素ガスの混合ガスにより有機半導体が露出しない領域までエッチングを実施した後、有機半導体のダメージ回避の観点から、窒素ガスおよび酸素ガスの混合ガスを用いてエッチング処理を行なうのが好ましい。
第1段階のエッチング工程でのエッチング量と、第2段階のエッチング工程でのエッチング量との比率は、第1段階のエッチング工程でのエッチング処理による矩形性を損なわないように決定することが重要である。なお、全エッチング量(第1段階のエッチング工程でのエッチング量と第2段階のエッチング工程でのエッチング量との総和)中における後者の比率は、0%より大きく50%以下である範囲が好ましく、10〜20%がより好ましい。エッチング量とは、被エッチング膜の残存する膜厚とエッチング前の膜厚との差から算出される量のことをいう。
また、エッチングは、オーバーエッチング処理を含むことが好ましい。オーバーエッチング処理は、オーバーエッチング比率を設定して行なうことが好ましい。また、オーバーエッチング比率は、初めに行なうエッチング処理時間より算出することが好ましい。オーバーエッチング比率は任意に設定できるが、フォトレジストのエッチング耐性と被エッチングパターンの矩形性維持の点で、エッチング工程におけるエッチング処理時間の30%以下であることが好ましく、5〜25%であることがより好ましく、10〜15%であることが特に好ましい。
<(6)保護膜を水で溶解除去する工程>
エッチング後、溶剤または水を用いて保護膜を除去する。水溶性樹脂の場合は、水が好ましい。
水溶性樹脂膜を水で除去する方法としては、例えば、スプレー式またはシャワー式の噴射ノズルからレジストパターンに洗浄水を噴射して、保護膜を除去する方法を挙げることができる。洗浄水としては、純水を好ましく用いることができる。また、噴射ノズルとしては、その噴射範囲内に支持体全体が包含される噴射ノズルや、可動式の噴射ノズルであってその可動範囲が支持体全体を包含する噴射ノズルを挙げることができる。噴射ノズルが可動式の場合、水溶性樹脂膜を除去する工程中に支持体中心部から支持体端部までを2回以上移動して洗浄水を噴射することで、より効果的にレジストパターンを除去することができる。
水を除去した後、乾燥等の工程を行うことも好ましい。乾燥温度としては、80〜120℃とすることが好ましい。
<産業上の利用可能性>
本発明は、有機半導体を利用した電子デバイスの製造に用いることができる。ここで、電子デバイスとは、半導体を含有しかつ2つ以上の電極を有し、その電極間に流れる電流や生じる電圧を、電気、光、磁気、化学物質などにより制御するデバイス、あるいは、印加した電圧や電流により、光や電場、磁場などを発生させるデバイスである。例としては、有機光電変換素子、有機電界効果トランジスタ、有機電界発光素子、ガスセンサ、有機整流素子、有機インバータ、情報記録素子などが挙げられる。有機光電変換素子は光センサ用途、エネルギー変換用途(太陽電池)のいずれにも用いることができる。これらの中で、好ましくは有機電界効果トランジスタ、有機光電変換素子、有機電界発光素子であり、より好ましくは有機電界効果トランジスタ、有機光電変換素子であり、特に好ましくは有機電界効果トランジスタである。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」および「部」は質量基準である。
保護膜形成用組成物および感光性樹脂組成物の調製
下記表に示す各成分を溶剤F1(PGMEA)と共に混合して均一な溶液とした後、0.1μmのポアサイズを有するポリテトラフルオロエチレン製フィルタを用いてろ過して、実施例および比較例の保護膜形成用組成物および感光性樹脂組成物をそれぞれ調製した。固形分濃度は15質量%であった。
Figure 0006261285
Figure 0006261285
表中の略号は以下の通りである。
X1:ポリビニルピロリドン(ピッツコール K−30、第一工業製薬(株)製)
X2:ポリビニルアルコール(PXP−05、日本酢ビ・ポバール株(株)製)
X3:プルラン((株)林原製
X4:メチルセルロース(メトローズ SM−4 信越化学工業(株)製
Y1:サーフィノール440(日信化学工業(株)製)
A1:下記構造、合成品
A2:下記構造、合成品
A3:下記構造、合成品
A4:下記構造、合成品
A5:下記構造、合成品
A6:下記構造、合成品
A7:下記構造、合成品
A8:下記構造、合成品
AC1:UltrasonE6020(BASF製、ポリテーテルスルホン樹脂)
AC2:TOPAS5013(ポリプラスチック製、シクロオレフィンコポリマー)
B1:下記構造、Rhodorsil Speedcure2074(Rhodia製)
B2:下記構造、Irgacure250(BASF製)
B3:下記構造、CPI−101A(サンアプロ製)
B4:下記構造、Aldrich社製
B5:下記構造、特許文献WO03/033500に記載の方法により合成
C1:下記構造、ITX(LAMBSON製)
C2:下記構造、アントラキュアー UVS−1331(川崎化成工業製)
C3:下記構造、DETX-S(日本化薬製)
E1:PF−6320(OMNOVA Solutions Inc.製)
F1:PGMEA メトキシプロピルアセテート(ダイセル化学工業(株)製)
以下、カッコの数字はモル比である。
A1:Mw=50,000
Figure 0006261285
A2:Mw=60,000
Figure 0006261285
A3:Mw=40,000
Figure 0006261285
Etはエチル基である。
A4:Mw=100,000
Figure 0006261285
Meはメチル基である。
A5:Mw=40,000
Figure 0006261285
A6:Mw=60,000
Figure 0006261285
A7:Mw=55,000
Figure 0006261285
A8:Mw=70,000
Figure 0006261285
B1:光酸発生剤
Figure 0006261285
B2:光酸発生剤
Figure 0006261285
B3:光酸発生剤
Figure 0006261285
B4:光酸発生剤
Figure 0006261285
B5:光塩基発生剤
Figure 0006261285
C1:増感色素
Figure 0006261285
C2:増感色素
Figure 0006261285
C3:増感色素
Figure 0006261285
<A1〜A4、およびA8の合成例>
窒素置換された攪拌器・還流管付き3口フラスコに、各モノマーの混合物合計40質量部、1−メトキシ−2−プロパノール60質量部、V−601(和光純薬工業社製)1質量部を混合し、80℃に昇温した。3時間で加熱を終了し、室温まで冷却した後、500質量部の純水へ反応物を攪拌しながら滴下した。得られた白色の粉末をろ過により取り出し、送風乾燥してポリマーを得た。
<A5〜A7の合成例>
窒素置換された攪拌器・還流管付き3口フラスコに、各モノマージオールの混合物合計40質量部、炭酸ジエチル60質量部、20%ナトリウムエトキシドエタノール溶液60質量部を混合し、120℃に昇温した。その後、反応器内を30kPa程度減圧し、さらに1時間攪拌した。その後、されに0.1kPaの真空下、3時間攪拌した。室温まで冷却した後、500質量部の純水へ反応物を攪拌しながら滴下した。得られた白色の粉末をろ過により取り出し、送風乾燥してポリマーを得た。
<有機半導体膜上への保護膜の形成>
有機半導体として濃度20g/LのP3HT(Merck社製)クロロベンゼン溶液10mLと濃度14g/Lの[60]PCBM(Solenne社製)クロルベンゼン溶液10mLとを混合し、4インチベアシリコン基板上にスピンコーター(1200rpm、30秒)にて塗布し、ホットプレートにて140℃/15分乾燥し、膜厚100nmの有機半導体膜を形成した。該有機半導体膜を基板上に形成したウエハをウエハ1とした。ウエハ1上に表1に記載した樹脂組成物をスピンコーター(1200rpm、30秒)により塗布したのち、100℃で60秒ベークし、有機半導体膜上に膜厚700nmの保護膜が設けられたウエハ2を形成した。
<感光性樹脂組成物用いたパターン形成と形状評価>
前記記載の4インチのウエハ2に下記表1に示す感光性組成物をスピンコーター(1200rpm,30秒)により塗布したのち、110℃で60秒ベークし、ウエハ2上に膜厚500nmのレジスト膜を形成したウエハ3を形成した。
次にウエハ3をi線投影露光装置NSR2005i9C(ニコン社製)で、NA:0.57、シグマ:0.60の光学条件にて露光(活性剤を用いない実施例・比較例に対しては露光量3000mJ/cm2、活性剤を用いる実施例・比較例に対しては露光量500mJ/cm2)を行ない、線幅10μmの1:1ラインアンドスペースパターンのバイナリーマスクを通して露光した。その後110℃で、60秒間加熱した後、酢酸ブチルで15秒間現像し、スピン乾燥して線幅10μmの1:1ラインアンドスペースのレジストパターンを得た。走査型電子顕微鏡を用いて断面観察を行うことで感光性組成物のパターン形状を評価した。
A:感光性樹脂組成物のボトム部分のアンダーカットがなく、パターンのテーパー角が85°〜95°の範囲。
なく矩形プロファイル
B:感光性樹脂組成物のボトム部分にアンダーカットが0.5μm以下であり、パターンのテーパー角が85°〜95°の範囲。
僅かに認められるが矩形プロファイル
C:感光性樹脂組成物のボトム部分にアンダーカットが0.5μm以下であり、パターンのテーパー角が95°〜105°の範囲(逆テーパー)。
D:パターン形状劣悪もしくはパターン形成せず。
<ドライエッチングでの非マスク部の保護膜および有機半導体除去>
以下の条件で基板のドライエッチングを行い、非マスクパターン部の保護膜および非マスクパターン部の有機半導体1を除去した。
ガス:CF4(流量200ml/min)、Ar(流量800ml/min)、O2(流量50ml/min)
ソースパワー:800W
ウェハバイアス:600W
アンテナバイアス:100W
ESC電圧:400V
時間:60sec
<残った保護膜樹脂の溶解除去>
得られた基板を水洗し、保護膜からなるパターンを除去したのち、100℃で10分加熱し前記有機半導体1に残存する水分の除去と、乾燥によりプロセスにおけるダメージを修復することで、有機半導体膜がパターニングされた基板を得た。
<有機半導体膜パターンの評価>
ドライエッチングおよび、保護膜除去後の有機半導体のパターンを、走査型電子顕微鏡を用いて観察を行うことより有機半導体の線幅を評価した。
A:感光性樹脂組成物の10μm(L/Sパターン)下における有機半導体の線幅が9μm〜10μm
B:感光性樹脂組成物の1μmのL/Sパターン下における、有機半導体の線幅が8μm以上9μm未満
C:感光性樹脂組成物の1μmのL/Sパターン下における、有機半導体の線幅が8μm未満
Figure 0006261285
上記表から、本発明の積層体は、レジストパターン形状に優れ、また、有機半導体の微細なパターン形成に有用な技術であることが認められた。
また、有機半導体パターンの加工後の線幅評価について、ドライエッチングガスの種類を塩素/Arに変更しても、同様の傾向が得られることを確認した。
本発明を用いることで特開2012−216501号公報の図2に記載の表示装置を容易に製造することができた。

Claims (7)

  1. 有機半導体膜と、前記有機半導体膜上の保護膜と、前記保護膜上のレジスト膜を有し、前記レジスト膜が、下記(1)および/または(2)を含む感光性樹脂組成物からなり、
    前記保護膜が水溶性樹脂を含む、積層体;
    (1)波長100〜600nmの光照射により主鎖が分解する化合物(A1)を含む;
    (2)波長100〜600nmの光照射により活性種を発生する活性剤(B)と、前記活性剤(B)から発生した活性種により主鎖が分解する化合物(A2)を含む。
  2. 保護膜が、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールおよびプルランの少なくとも1種を含む、請求項1に記載の積層体。
  3. 保護膜が、ポリビニルピロリドンを含む、請求項1に記載の積層体。
  4. 前記活性剤(B)が、光酸発生剤または光塩基発生剤である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層体。
  5. 前記(A1)化合物が、主鎖に直接結合したカルボニル基を有するビニル樹脂を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層体。
  6. 前記(A2)化合物が、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂および無水(メタ)アクリル酸とポリ(メタ)アクリル酸との共重合体から選択される少なくとも1種を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層体。
  7. 前記感光性樹脂組成物が、増感色素(C)を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層体。
JP2013227040A 2013-10-31 2013-10-31 積層体、有機半導体製造用キットおよび有機半導体製造用レジスト組成物 Expired - Fee Related JP6261285B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013227040A JP6261285B2 (ja) 2013-10-31 2013-10-31 積層体、有機半導体製造用キットおよび有機半導体製造用レジスト組成物
TW103136951A TWI641480B (zh) 2013-10-31 2014-10-27 積層體、有機半導體製造用套組及有機半導體膜之圖案化方法
PCT/JP2014/078701 WO2015064605A1 (ja) 2013-10-31 2014-10-29 積層体、有機半導体製造用キットおよび有機半導体製造用レジスト組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013227040A JP6261285B2 (ja) 2013-10-31 2013-10-31 積層体、有機半導体製造用キットおよび有機半導体製造用レジスト組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015087612A JP2015087612A (ja) 2015-05-07
JP6261285B2 true JP6261285B2 (ja) 2018-01-17

Family

ID=53004206

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013227040A Expired - Fee Related JP6261285B2 (ja) 2013-10-31 2013-10-31 積層体、有機半導体製造用キットおよび有機半導体製造用レジスト組成物

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP6261285B2 (ja)
TW (1) TWI641480B (ja)
WO (1) WO2015064605A1 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6612533B2 (ja) * 2015-06-12 2019-11-27 三菱瓦斯化学株式会社 反応現像画像形成法、反応現像画像形成法に用いられる感光性樹脂組成物、および反応現像画像形成方法により製造された基板ならびに構造物
KR101977886B1 (ko) * 2018-06-18 2019-05-13 영창케미칼 주식회사 패턴 프로파일 개선용 화학증폭형 포지티브 포토레지스트 조성물
JP7170123B2 (ja) * 2019-03-27 2022-11-11 富士フイルム株式会社 積層体、組成物、及び、積層体形成用キット
US20210200092A1 (en) * 2019-12-31 2021-07-01 Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd. Method of forming photoresist pattern
DE102020130523B4 (de) * 2019-12-31 2023-08-10 Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd. Verfahren zur bildung einer fotolackstruktur
CN115244470A (zh) * 2020-03-10 2022-10-25 富士胶片株式会社 去除液、套组及半导体器件

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0766189B2 (ja) * 1986-09-26 1995-07-19 住友化学工業株式会社 レジスト材料
JPH04179956A (ja) * 1990-11-14 1992-06-26 Mitsubishi Electric Corp パターン形成用レジスト組成物及び微細パターンの形成方法
JP4299921B2 (ja) * 1999-07-05 2009-07-22 関西ペイント株式会社 ポジ型可視光感光性樹脂組成物及びそれを用いたレジストパターン形成方法
JP2001106785A (ja) * 1999-08-05 2001-04-17 Canon Inc 感光性樹脂及び該感光性樹脂を用いたレジスト組成物、該レジスト組成物を用いたパターン形成方法、該パターン形成方法により製造されるデバイス及び該感光性樹脂を有するレジストを用いた露光方法
KR100520185B1 (ko) * 1999-10-11 2005-10-10 주식회사 하이닉스반도체 신규한 포토레지스트 중합체 및 이를 함유하는 포토레지스트 조성물
JP4000836B2 (ja) * 2001-11-28 2007-10-31 セイコーエプソン株式会社 膜パターンの形成方法
KR101061845B1 (ko) * 2004-06-14 2011-09-02 삼성전자주식회사 유기 반도체를 이용한 박막 트랜지스터 표시판 및 그 제조방법
WO2006001534A2 (en) * 2004-06-28 2006-01-05 Canon Kabushiki Kaisha Method for manufacturing minute structure, method for manufacturing liquid discharge head, and liquid discharge head
JP4815765B2 (ja) * 2004-07-29 2011-11-16 ソニー株式会社 有機半導体装置の製造方法
JP4507759B2 (ja) * 2004-08-18 2010-07-21 株式会社リコー 有機材料のパターン形成方法
JP2010182732A (ja) * 2009-02-03 2010-08-19 Toshiba Corp 半導体装置の製造方法
JP4911248B2 (ja) * 2009-09-10 2012-04-04 東レ株式会社 感光性樹脂組成物および感光性樹脂膜の製造方法
JP6048303B2 (ja) * 2013-04-25 2016-12-21 株式会社デンソー 有機半導体装置の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015087612A (ja) 2015-05-07
TW201518087A (zh) 2015-05-16
TWI641480B (zh) 2018-11-21
WO2015064605A1 (ja) 2015-05-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6167016B2 (ja) 積層体、有機半導体製造用キットおよび有機半導体製造用レジスト組成物
JP6514770B2 (ja) 積層体およびキット
JP6284849B2 (ja) 積層体
JP6261285B2 (ja) 積層体、有機半導体製造用キットおよび有機半導体製造用レジスト組成物
JP6591579B2 (ja) 積層体
KR102606986B1 (ko) 적층체, 조성물, 및, 적층체 형성용 키트
JP2021110796A (ja) 感光性樹脂組成物、層状膜、感光層、積層体、キット及び半導体デバイス
WO2020184406A1 (ja) 積層体、組成物、及び、積層体形成用キット
WO2019163951A1 (ja) 感光層、積層体、感光性樹脂組成物、キット
WO2019163859A1 (ja) 感光層、積層体、感光性樹脂組成物、キットおよび感光性樹脂組成物の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160309

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170131

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170329

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170606

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170712

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171205

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171212

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6261285

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees