JP6261285B2 - 積層体、有機半導体製造用キットおよび有機半導体製造用レジスト組成物 - Google Patents
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Description
有機半導体のパターニングは、これまで印刷技術により行われてきたが、印刷技術によるパターニングでは微細加工に限界がある。また、有機半導体はダメージを受けやすい。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであって、良好な有機半導体パターンを形成可能な積層体およびかかる積層体を製造するための、有機半導体製造用キット、ならびに、有機半導体製造用キットに用いる有機半導体製造用レジスト組成物を提供することを目的とする。
<1>有機半導体膜と、有機半導体膜上の保護膜と、保護膜上のレジスト膜を有し、レジスト膜が、下記(1)および/または(2)を含む感光性樹脂組成物からなる、積層体;
(1)波長100〜600nmの光照射により主鎖が分解する化合物(A1)を含む;
(2)波長100〜600nmの光照射により活性種を発生する活性剤(B)と、活性剤(B)により主鎖が分解する化合物(A2)を含む。
<2>保護膜が水溶性樹脂を含む、<1>に記載の積層体。
<3>保護膜が、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールおよびプルランの少なくとも1種を含む、<1>に記載の積層体。
<4>保護膜が、ポリビニルピロリドンを含む、<1>に記載の積層体。
<5>活性剤(B)が、光酸発生剤または光塩基発生剤である、<1>〜<4>のいずれかに記載の積層体。
<6>(A1)化合物が、主鎖に直接結合したカルボニル基を有するビニル樹脂を含む、<1>〜<5>のいずれかに記載の積層体。
<7>(A2)化合物が、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂および無水(メタ)アクリル酸とポリ(メタ)アクリル酸との共重合体から選択される少なくとも1種を含む、<1>〜<6>のいずれかに記載の積層体。
<8>感光性樹脂組成物が、増感色素(C)を含む、<1>〜<7>のいずれかに記載の積層体。
<9>下記(1)および/または(2)を含む、有機半導体製造用レジスト組成物と、水溶性樹脂を含む保護膜形成用組成物を含む、有機半導体製造用キット;
(1)波長100〜600nmの光照射により主鎖が分解する化合物(A1)を含む;
(2)波長100〜600nmの光照射により活性種を発生する活性剤(B)と、活性剤(B)により主鎖が分解する化合物(A2)を含む。
<10>水溶性樹脂が、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールおよびプルランの少なくとも1種を含む、<9>に記載の有機半導体製造用キット。
<11>水溶性樹脂が、ポリビニルピロリドンを含む、<9>に記載の有機半導体製造用キット。
<12>活性剤(B)が、光酸発生剤または光塩基発生剤である、<9>〜<11>のいずれかに記載の有機半導体製造用キット。
<13>(A1)化合物が、主鎖に直接結合したカルボニル基を有するビニル樹脂を含む、<9>〜<12>のいずれかに記載の有機半導体製造用キット。
<14>(A2)化合物が、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂および無水(メタ)アクリル酸とポリ(メタ)アクリル酸との共重合体から選択される少なくとも1種を含む、<9>〜<13>のいずれかに記載の有機半導体製造用キット。
<15>感光性樹脂組成物が、増感色素(C)を含む、<9>〜<14>のいずれかに記載の有機半導体製造用キット。
<16>下記(1)および/または(2)を含む、有機半導体製造用レジスト組成物;
(1)波長100〜600nmの光照射により主鎖が分解する化合物(A1)を含む;
(2)波長100〜600nmの光照射により活性種を発生する活性剤(B)と、活性剤(B)により主鎖が分解する化合物(A2)を含む。
<17>活性剤(B)が、光酸発生剤または光塩基発生剤である、<16>に記載の有機半導体製造用レジスト組成物。
<18>(A1)化合物が、主鎖に直接結合したカルボニル基を有するビニル樹脂を含む、<16>または<17>に記載の有機半導体製造用レジスト組成物。
<19>(A2)化合物が、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂および無水(メタ)アクリル酸とポリ(メタ)アクリル酸との共重合体から選択される少なくとも1種を含む、<16>〜<18>のいずれかに記載の有機半導体製造用レジスト組成物。
<20>感光性樹脂組成物が、増感色素(C)を含む、<16>〜<19>のいずれかに記載の有機半導体製造用レジスト組成物。
また、本明細書中における「活性光線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線等を意味する。また、本発明において光とは、活性光線または放射線を意味する。本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、EUV光などによる露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線による描画も露光に含める。
本発明における主成分とは、特定の組成物・成分における最も配合量の多い成分をいい、通常は、特定の組成物・成分における70質量%以上を占める成分をいう。
本発明の積層体は、有機半導体膜と、前記有機半導体膜上の保護膜と、前記保護膜上のレジスト膜を有し、前記レジスト膜が、下記(1)および/または(2)を含む感光性樹脂組成物からなることを特徴とする。
(1)波長100〜600nmの光照射により主鎖が分解する化合物(A1)を含む;
(2)波長100〜600nmの光照射により活性種を発生する活性剤(B)と、前記活性剤(B)により主鎖が分解する化合物(A2)を含む。
また、有機半導体膜と保護膜との間、および/または保護膜とレジスト膜との間には、下塗り層を有していてもよい。
上記化合物(A1)は、活性エネルギー線照射により、主鎖が分解し、有機溶剤を含む現像液に対する溶解速度が増大し、露光部が現像液に溶解しやすくなり、非露光部によってマスクパターンを形成でき、マスクパターンを形成後ドライエッチングのマスクとして利用することが可能になる。同様に化合物(A2)も、活性エネルギー線照射により、(B)活性剤が活性種を発生し、かかる活性種により、
上記化合物(A1)は、活性エネルギー線照射により、主鎖が分解し、有機溶剤を含む現像液に対する溶解速度が増大し、露光部が現像液に溶解しやすくなり、非露光部によってマスクパターンを形成でき、マスクパターンを形成後ドライエッチングのマスクとして利用することが可能になる。
これに対し、本発明では、有機半導体上に保護膜を成膜しその上にレジスト膜を製膜している。この場合、レジスト膜と有機半導体膜が直接に接触しないため、有機半導体膜にダメージが及ぶことを抑制できる。さらに、レジスト膜は感光性樹脂組成物を用いるため、高い保存安定性と微細なパターン形成性を達成できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いる有機半導体膜は、半導体の特性を示す有機材料を含む膜のことである。無機材料からなる半導体の場合と同様に、正孔をキャリアとして伝導するp型有機半導体と、電子をキャリアとして伝導するn型有機半導体がある。有機半導体中のキャリアの流れやすさはキャリア移動度μで表される。用途にもよるが、一般に移動度は高い方がよく、10-7cm2/Vs以上であることが好ましく、10-6cm2/Vs以上であることがより好ましく、10-5cm2/Vs以上であることがさらに好ましい。移動度は電界効果トランジスタ(FET)素子を作製したときの特性や飛行時間計測(TOF)法により求めることができる。
溶剤としては、ヘキサン、オクタン、デカン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、1−メチルナフタレン、1,2−ジクロロベンゼン等の炭化水素系溶剤;例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエン等のハロゲン化炭化水素系溶剤;例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル等のエステル系溶剤;例えば、メタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコール等のアルコール系溶剤;例えば、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール等のエーテル系溶剤;例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、1−メチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキサイド等の極性溶剤などが挙げられる。これらの溶剤は1種のみを用いてもよいし、2種類以上を用いてもよい。
樹脂バインダーを配合する場合、その配合量は、有機半導体膜中、好ましくは0.1〜30質量%で用いられる。
本発明の保護膜は、有機半導体膜の上に形成され、好ましくは、有機半導体膜の表面に形成される。有機半導体膜と保護膜の間には、下塗り層等があっても良い。
保護膜は、有機半導体上に成膜する時に有機半導体にダメージを与えず、また、保護膜上にレジスト膜を塗布した時にインターミキシング(層間混合)を起こさないものが好ましい。保護膜は、水溶性樹脂を含む膜が好ましく、脂溶性樹脂を主成分とする膜であることがより好ましい。主成分とは、保護膜を構成する成分のうち最も多い成分をいい、好ましくは80質量%以上が水溶性樹脂であることをいう。
本発明における水溶性樹脂は、20°Cにおける水に対する溶解度が1%以上である樹脂をいう。
また、保護膜形成用組成物は、2種類以上の樹脂を含んでいてもよいが、この場合、2種類以上の樹脂それぞれが上記範囲を満たしていることが好ましい。
また、これらの中から、主鎖構造が相違する2種以上を選択して使用してもよく、共重合体として使用してもよい。
保護膜用樹脂の分散度(分子量分布)は、通常1.0〜3.0であり、好ましくは1.0〜2.6の範囲のものが好ましく使用される。
適用方法としては、塗布が好ましい。適用方法の例としては、キャスト法、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、ディッピング(浸漬)コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法、インクジェット法、スピンコート法、ラングミュア−ブロジェット(Langmuir−Blodgett)(LB)法などを挙げることができる。本発明においては、キャスト法、スピンコート法、およびインクジェット法を用いることがさらに好ましい。このようなプロセスにより、表面が平滑で大面積の有機半導体膜等の膜を低コストで生産することが可能となる。
上記界面活性剤の例として、日信化学工業(株)製、サーフィノールシリーズが例示される。
保護膜形成用組成物が界面活性剤を含む場合、界面活性剤の添加量は、保護膜としたときに、好ましくは0.05〜8質量%、さらに好ましくは0.07〜5質量%、特に好ましくは0.1〜3質量%の割合で含まれていることが好ましい。
これら界面活性剤は、1種のみ用いてもよいし、2種類以上用いてもよい。
染料は、配合する場合、保護膜の0.1〜10質量%とすることができる。
染料は、1種で使用してもよいし、複数併用してもよい。
本発明で用いる感光性樹脂組成物は、有機半導体製造用レジスト組成物としての役割を果たすものであり、保護膜の上にレジスト膜を形成するのに用いられる。
本発明で用いる感光性樹脂組成物は、光照射後に、(A1)化合物および/または化合物(A2)の主鎖分解反応により有機溶剤を含む現像液への溶解速度が増大し、sp値が19(MPa)1/2未満の有機溶剤に対して溶解速度が上昇することが好ましく、18.5(MPa)1/2以下の有機溶剤に対して易溶となることがより好ましく、18.0(MPa)1/2以下の有機溶剤に対して溶解速度が上昇することがさらに好ましい。
本発明では、(A1)化合物および化合物(A2)の一方を用いても良いし、両方を用いても良い。両方を用いる場合、合計量が感光性樹脂組成物の固形分中の10〜100質量%の範囲内であることが好ましく、30〜100質量%の範囲内がより好ましい。
化合物(A1)は、波長100〜600nmの光照射により主鎖が分解する化合物である。このような化合物は、光照射により主鎖が分解し有機溶剤を含む現像液に対する溶解速度が増大する。化合物(A1)は、通常は樹脂である。分子量の低減率としては、例えば、50%以上が好ましい。
化合物(A1)は、既に公知のもの、たとえば特許文献特開2006−7675号公報、特開2006−44238号公報等に記載されているようなものを任意に用いることができる。具体的には、波長100〜600nmの光照射により開裂する結合をその構造中に含む構成単位を主成分とする樹脂が挙げられる。かかる構成単位を主成分とする樹脂は、露光により、該構成単位中の結合が開裂することにより、樹脂成分自体が分解し、現像液に対する溶解性が増大する。
好ましい樹脂としては、主鎖に直接結合したカルボニル基を有するビニル樹脂が挙げられる。このような樹脂としては、カルボニル基を有するビニル化合物のエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位が例示される。
より具体的には、(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位を主成分とするアクリル系ポリマーや、イソプロペニルケトン等のビニルケトンから誘導される構成単位を主成分とするビニルケトン系ポリマーが挙げられる。
前記光照射の光は、好ましくは紫外線(例えば波長100〜400nmから選ばれる波長帯域の光であり、より好ましくは遠紫外光〜中紫外光(例えば200nm〜350nm)である。このような光を照射すると、カルボニル基の両側の一方または両方の結合が切れて樹脂成分自体が分解することにより、現像液に対する溶解性が増大する。
特に好ましい化合物(A1)は、感度等の点から、カルボニル基を有するビニル化合物のエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位の両側の一方あるいは両方に、第3級炭素原子が結合している構成単位を含むものであり、さらにはかかる構成単位を主成分とするものである。
R11は、置換されていても良いアルキル基またはアリール基である。
R11のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜20のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数4〜23のシクロアルキル基;シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の炭素数4〜23のシクロアルケニル基;フェノキシメチル基、2−フェノキシエチル基、4−フェノキシブチル基等の炭素数7〜26のアリールオキシアルキル基(−ROAr基);ベンジル基、3−フェニルプロピル基等の炭素数7〜20のアラルキル基などが挙げられる。
R11のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、トリル基等の炭素数6〜20のアリール基、電子供与性基及び/又は電子吸引性基が置換した炭素数6〜20のアリール基などが挙げられる。
R11としては、炭素数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状の低級アルキル基または炭素数6〜15のアリール基が好ましく、中でもメチル基、tert−ブチル基、フェニル基、ナフチル基が好ましく、中でもがメチル基、フェニル基が好ましい。
構成単位(a1)としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
R12は、置換されていても良いアルキル基またはアリール基である。
R12のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜20のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数4〜23のシクロアルキル基;シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の炭素数4〜23のシクロアルケニル基;フェノキシメチル基、2−フェノキシエチル基、4−フェノキシブチル基等の炭素数7〜26のアリールオキシアルキル基(−ROAr基);ベンジル基、3−フェニルプロピル基等の炭素数7〜20のアラルキル基などが挙げられる。
R12のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、トリル基等の炭素数6〜20のアリール基、電子供与性基及び/又は電子吸引性基が置換した炭素数6〜20のアリール基などが挙げられる。
R12としては、炭素数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状の低級アルキル基または炭素数6〜15のアリール基が好ましく、中でもメチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基、ナフチル基が好ましく、中でもがメチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基が好ましい。
構成単位(a2)としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
化合物(A1)中、構成単位(a1)および(a2)の合計の割合は、化合物(A1)を構成する全構成単位の合計に対し、60モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましく、80モル%以上がさらに好ましく、90モル%以上がよりさらに好ましく、100モル%が特に好ましい。
イソプロペニルケトン系ポリマーとしては、特に、前記Rがメチル基であり、R11が低級アルキル基またはフェニル基であるものが好ましく、さらには、R11がメチル基であるものが好ましい。
好ましい例としては、アクリル酸エステル類、メタクリルエステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、ビニルエステル類、スチレン類、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、無水マレイン酸、マレイン酸イミド等の公知のモノマーものに由来する繰り返し単位などが挙げられる。
アクリル酸エステル類の具体例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、(n−又はi−)プロピルアクリレート、(n−、i−、sec−又はt−)ブチルアクリレート、アミルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート、クロロエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシペンチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、アリルアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ペンタエリスリトールモノアクリレート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、クロロベンジルアクリレート、ヒドロキシベンジルアクリレート、ヒドロキシフェネチルアクリレート、ジヒドロキシフェネチルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェニルアクリレート、ヒドロキシフェニルアクリレート、クロロフェニルアクリレート、スルファモイルフェニルアクリレート、2−(ヒドロキシフェニルカルボニルオキシ)エチルアクリレート、ポリアルキレングリコールアクリレート等が挙げられる。この中ではアルキルアクリレート、アリールアクリレートが好ましく、アルキルアクリレートがより好ましく、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレートがより好ましい。
メタクリル酸エステル類の具体例としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、(n−又はi−)プロピルメタクリレート、(n−、i−、sec−又はt−)ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、クロロエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシペンチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、アリルメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ペンタエリスリトールモノメタクリレート、ベンジルメタクリレート、メトキシベンジルメタクリレート、クロロベンジルメタクリレート、ヒドロキシベンジルメタクリレート、ヒドロキシフェネチルメタクリレート、ジヒドロキシフェネチルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ヒドロキシフェニルメタクリレート、クロロフェニルメタクリレート、スルファモイルフェニルメタクリレート、2−(ヒドロキシフェニルカルボニルオキシ)エチルメタクリレート、ポリアルキレングリコールメタクリレート等が挙げられる。この中ではアルキルメタクリレート、アリールメタクリレートが好ましく、アルキルメタクリレートがより好ましく、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレートがより好ましい。
アクリルアミド類の具体例としては、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−トリルアクリルアミド、N−(ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(スルファモイルフェニル)アクリルアミド、N−(フェニルスルホニル)アクリルアミド、N−(トリルスルホニル)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチル−N−フェニルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルアクリルアミド、ポリアルキレングリコールアクリルアミド等が挙げられる。
メタクリルアミド類の具体例としては、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−プロピルメタクリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、N−ベンジルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド、N−トリルメタクリルアミド、N−(ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、N−(スルファモイルフェニル)メタクリルアミド、N−(フェニルスルホニル)メタクリルアミド、N−(トリルスルホニル)メタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−メチル−N−フェニルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルメタクリルアミド、ポリアルキレングリコールメタクリルアミド等が挙げられる。
ビニルエステル類の具体例としては、ビニルアセテート、ビニルブチレート、ビニルベンゾエート等が挙げられる。スチレン類の具体例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、プロピルスチレン、シクロヘキシルスチレン、クロロメチルスチレン、トリフルオロメチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチルスチレン、メトキシスチレン、ジメトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、ヨードスチレン、フルオロスチレン、カルボキシスチレン等が挙げられる。
化合物(A1)の、主鎖分解後の重量平均分子量(Mw)は、特に限定するものではないが、主鎖分解前の0.1%〜90%の範囲内であることが好ましく、0.5%〜70%がより好ましく、1%〜50%が特に好ましい。上記範囲の上限以下であると、露光部と未露光部の現像液への溶解性の差が顕著であり良好なパターンが得やすい。
本発明で用いる感光性樹脂組成物中、化合物(A1)の濃度は、感光性樹脂組成物を基板等に適用可能な範囲であれば特に限定されず、形成しようとするレジスト膜厚に応じて適宜設定すればよい。感光性樹脂組成物の固形分中の化合物(A1)の濃度としては、10〜100質量%の範囲内であることが好ましく、30〜100質量%の範囲内がより好ましい。
化合物(A2)は、波長100〜600nmの光照射により活性種を発生する活性剤(B)により主鎖が分解する化合物である。このような化合物は、光照射により主鎖が分解し有機溶剤を含む現像液に対する溶解速度が増大する。化合物(A2)は、通常は樹脂である。
(A2)化合物としては、酸または塩基の存在下において加熱することにより主鎖が分解し分子量が低下するものを特に好ましく用いることができる。分子量の低減率としては、例えば、50%以上が好ましい。このような樹脂としては特に限定されるものではないが、例えば、ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、(メタ)アクリレート系樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、ポリカーボネート系樹脂、ビニル系樹脂および(メタ)アクリル系樹脂であるのが好ましく、特に、ポリカーボネート系樹脂であるのが好ましい。これらのものは、酸または塩基の存在下において加熱することにより、その分子量がより顕著に低下するものであるため、樹脂成分としてより好適に選択される。
ビニル系樹脂としては、特に制限されないが、例えば、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレンのようなスチレン誘導体の重合体、ポリ(エチルビニルエーテル)、ポリ(ブチルビニルエーテル)、ポリビニルホルマールのようなポリビニルエーテル類やその誘導体等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、ポリ−α−メチルスチレンであるのが好ましい。かかる樹脂成分は、作業性に優れるという点から、特に好適に用いられる。
さらに、ポリカーボネート系樹脂としては、特に制限されないが、ポリプロピレンカーボネート、ポリエチレンカーボネート、ポリブチレンカーボネートのような直鎖状の化学構造をカーボネート構成単位に含んでなるものや、環状の化学構造をカーボネート構造単位に含んでなるものが挙げられるが、これらの中でも、環状の化学構造をカーボネート構造単位に含んでなるものであるのが好ましい。かかる樹脂成分は、作業性に優れるという点から、特に好適に用いられる。
好ましい例としては、脂肪族ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位や脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位が挙げられる。その脂肪族ジヒドロキシ化合物、脂環式ジヒドロキシ化合物としては、具体的には、次のようなものが挙げられる。
HOCH2−R9−CH2OH (I)
HO−R10−OH (II)
但し、式(I)、式(II)中、R9及びR10は、それぞれ独立に、置換若しくは無置換の炭素数4〜炭素数20のシクロアルキル構造を含む二価の基を表す。)
(A2)成分の、主鎖分解後の重量平均分子量(Mw)は、特に限定するものではないが、主鎖分解前の0.1%〜90%の範囲内であることが好ましく、0.5%〜70%がより好ましく、1%〜50%が特に好ましい。上記範囲の上限以下であると、露光部と未露光部の現像液への溶解性の差が顕著であり良好なパターンが得やすい。
(メタ)アクリル系樹脂としては、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのような各種(メタ)アクリル系モノマーから選択される共重合体等が挙げられる。これらの中でも、ポリメタクリル酸メチルまたはポリメタクリル酸エチルであるのが好ましい。かかる樹脂成分は、作業性に優れるという点から、特に好適に用いられる。
本発明で用いる感光性樹脂組成物中、化合物(A2)の濃度は、感光性樹脂組成物を基板等に適用可能な範囲であれば特に限定されず、形成しようとするレジスト膜厚に応じて適宜設定すればよい。感光性樹脂組成物の固形分中の化合物(A2)の濃度としては、10〜100質量%の範囲内であることが好ましく、30〜100質量%の範囲内がより好ましい。
活性剤は波長100〜600nmの光照射により活性種を発生する活性剤であり、活性種は、酸であっても、塩基であってもよい。この活性種の存在下で加熱することにより、前記化合物(A2)の分子量を低減させる機能を有するものである。
すなわち、本発明における活性剤としては、波長100〜600nmの光照射により酸を発生する光酸発生剤や塩基を発生する光塩基発生剤が挙げられる。本発明では、酸発生剤がより好ましい。
酸発生剤としては、有機酸を発生するもの、無機酸を発生するものいずれも好ましく使用できる。
本発明で用いる有機酸を発生する光酸発生剤は、
(i)オキシムスルホネート基を有する化合物(以下、オキシムスルホネート化合物ともいう)およびイミドスルホネート基を有する化合物(以下、イミドスルホネート基ともいう)、
(ii)スルホニウムカチオンを有する化合物(以下、スルホニウム塩ともいう)およびヨードニウムカチオンを有する化合物(以下、ヨードニウム塩ともいう)
(iii)ジアゾジスルホン化合物およびジスルホン化合物(より好ましくは、ジアゾジスルホン化合物)
からなる群の何れかに該当するものが好ましい。
オキシムスルホネート化合物は、オキシムスルホネート基を有していれば特に制限はないが、下記式(2)、後述する式(OS−103)、式(OS−104)、または、式(OS−105)で表されるオキシムスルホネート化合物であることが好ましい。
前記Xにおけるアルキル基およびアルコキシ基は、置換基を有していてもよい。前記Xにおけるアルキル基としては、炭素数1〜4の、直鎖状または分岐状アルキル基が好ましい。前記Xにおけるアルコキシ基としては、炭素数1〜4の直鎖状または分岐状アルコキシ基が好ましい。前記Xにおけるハロゲン原子としては、塩素原子またはフッ素原子が好ましい。
式(2)におけるmは、0〜3の整数を表し、0または1が好ましい。mが2または3であるとき、複数のXは同一でも異なっていてもよい。
前記R4における炭素数1〜10のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、tert−ブチル基、n−アミル基、i−アミル基、s−アミル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
前記R4における炭素数1〜10のアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−アミルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−デシルオキシ基等が挙げられる。
前記R4における炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基の具体例としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロ−n−プロピル基、パーフルオロ−n−ブチル基、パーフルオロ−n−アミル基等が挙げられる。
前記R4における炭素数1〜5のハロゲン化アルコキシ基の具体例としては、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、パーフルオロ−n−プロポキシ基、パーフルオロ−n−ブトキシ基、パーフルオロ−n−アミルオキシ基等が挙げられる。
式(2)で表されるオキシムスルホネート化合物の具体例としては、下記化合物(i)、化合物(ii)、化合物(iii)、化合物(iv)等が挙げられ、これらの化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種類以上を併用することもできる。化合物(i)〜(iv)は、市販品として、入手することができる。また、その他の式(2)で表されるオキシムスルホネート化合物の具体例を以下に挙げる。
前記式(OS−103)〜(OS−105)中、R11で表されるアルキル基としては、置換基を有していてもよい総炭素数1〜30のアルキル基であることが好ましい。
R11で表されるアルキル基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基が挙げられる。
R11で表されるアリール基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、スルホン酸基、アミノスルホニル基、アルコキシスルホニル基が挙げられる。
R11で表されるヘテロアリール基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、スルホン酸基、アミノスルホニル基、アルコキシスルホニル基が挙げられる。
R11で表されるヘテロアリール基としては、置換基を有していてもよい、チオフェン環、ピロール環、チアゾール環、イミダゾール環、フラン環、ベンゾチオフェン環、ベンゾチアゾール環、および、ベンゾイミダゾール環よりなる群から選ばれた環から1つの水素原子を除いた基が挙げられる。
前記式(OS−103)〜(OS−105)中、化合物中に2以上存在するR12のうち、1つまたは2つがアルキル基、アリール基またはハロゲン原子であることが好ましく、1つがアルキル基、アリール基またはハロゲン原子であることがより好ましく、1つがアルキル基であり、かつ残りが水素原子であることが特に好ましい。
前記式(OS−103)〜(OS−105)中、R12で表されるアルキル基またはアリール基は、置換基を有していてもよい。
R12で表されるアルキル基またはアリール基が有していてもよい置換基としては、前記R1におけるアルキル基またはアリール基が有していてもよい置換基と同様の基が例示できる。
R12で表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、n−ヘキシル基、アリル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、メトキシメチル基、ベンジル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、n−ヘキシル基がより好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基がさらに好ましく、メチル基が特に好ましい。
R12で表されるアリール基としてフェニル基、p−メチルフェニル基、o−クロロフェニル基、p−クロロフェニル基、o−メトキシフェニル基、p−フェノキシフェニル基が好ましい。
R12で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。これらの中でも、塩素原子、臭素原子が好ましい。
前記式(OS−103)〜(OS−105)中、nは1または2を表し、XがOである場合、nは1であることが好ましく、また、XがSである場合、nは2であることが好ましい。
前記式(OS−103)〜(OS−105)中、R16で表されるアルキル基としては、置換基を有していてもよい総炭素数1〜30のアルキル基であることが好ましい。
R16で表されるアルキル基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基が挙げられる。
R16で表されるアルキルオキシ基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基が挙げられる。
R16におけるアミノスルホニル基としては、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、メチルフェニルアミノスルホニル基、アミノスルホニル基が挙げられる。
R16で表されるアルコキシスルホニル基としては、メトキシスルホニル基、エトキシスルホニル基、プロピルオキシスルホニル基、ブチルオキシスルホニル基が挙げられる。
前記式(OS−106)におけるR17は、水素原子または臭素原子を表し、水素原子であることが好ましい。
前記式(OS−106)〜(OS−111)におけるR18は、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン原子、クロロメチル基、ブロモメチル基、ブロモエチル基、メトキシメチル基、フェニル基またはクロロフェニル基を表し、炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン原子またはフェニル基であることが好ましく、炭素数1〜8のアルキル基であることがより好ましく、炭素数1〜6のアルキル基であることがさらに好ましく、メチル基であることが特に好ましい。
前記式(OS−108)および(OS−109)におけるR19は、水素原子、ハロゲン原子、メチル基またはメトキシ基を表し、水素原子であることが好ましい。
前記式(OS−108)〜(OS−111)におけるR20は、水素原子またはメチル基を表し、水素原子であることが好ましい。
また、前記オキシムスルホネート化合物において、オキシムの立体構造(E,Z)については、どちらか一方であっても、混合物であってもよい。
Xは−O−、−S−、−NH−、−NR15−、−CH2−、−CR16H−または−CR16R17−を表し、R15〜R17はそれぞれ独立に、アルキル基またはアリール基を表す。
R21〜R24はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アミノ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アミド基、スルホ基、シアノ基またはアリール基を表す。R21〜R24のうち2つは、それぞれ互いに結合して環を形成してもよい。
R21〜R24としては、水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基が好ましく、また、R21〜R24のうち少なくとも2つが互いに結合してアリール基を形成する態様もまた、好ましく挙げられる。中でも、R21〜R24がいずれも水素原子である態様が、感度の観点から好ましい。
前記した置換基は、いずれも、さらに置換基を有していてもよい。
これらの中でも、式(OS−101)および式(OS−102)におけるR11がシアノ基またはアリール基である態様がより好ましく、式(OS−102)で表され、R11がシアノ基、フェニル基またはナフチル基である態様が最も好ましい。
市販品としては、WPAG−336(和光純薬工業(株)製)、WPAG−443(下記構造、和光純薬工業(株)製)、MBZ−101(下記構造、みどり化学(株)製)等をあげることができる。
R208のアルキル基は、直鎖アルキル基または環状アルキル基が好ましい。R208は、直鎖または分岐のアルキル基、またはアリール基が好ましい。これらの基は、置換されていてもよく、置換されていなくてもよい。また、アルキル基が環状アルキル基の場合、カルボニル基を介して環を形成していてもよく、環状アルキル基は、多環式であってもよい。好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基又はペンチル基)及び炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基又はノルボニル基)が挙げられる。R208のアルキル基は、例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5)、水酸基、シアノ基及び/又はニトロ基によって更に置換されていてもよい。
R208ノアリール基は、例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5)、水酸基、シアノ基及び/又はニトロ基によって更に置換されていてもよいが、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基又はペンチル基)及び炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基又はノルボニル基)が挙げられる。
以下に、イミドスルホネート化合物の例を挙げるが本発明はこれらに限定されるものではない。
(ii)スルホニウム塩、ヨードニウム塩スルホニウム塩またはヨードニウム塩は、アニオンが非求核性であり、光分解してpKaが−1以下の有機酸を発生する化合物であれば特に制限はないが、アニオンとしてスルホン酸アニオン、スルホニルイミドアニオン、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチルアニオンを有しているものが好適である。
より好ましくは下記一般式(ZI)、(ZII)、(ZIII)で表される化合物を挙げることができる。
R201、R202およびR203は、各々独立に、有機基を表す。
R201、R202およびR203としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1〜20である。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
Z-は、スルホン酸アニオン(脂肪族スルホン酸アニオン、芳香族スルホン酸アニオン、カンファースルホン酸アニオンなど)、カルボン酸アニオン(脂肪族カルボン酸アニオン、芳香族カルボン酸アニオン、アラルキルカルボン酸アニオンなど)、スルホニルイミドアニオン、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオン等を挙げられる。
また、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオンにおけるアルキル基は、互いに結合して環構造を形成してもよい。これにより、酸強度が増加する。
Z-としては、保護膜層の上に感光性樹脂組成物を塗布する際のインターミキシング(保護膜中へのスルホニウム塩、ヨードニウム塩の層間混入)を抑制する観点から、カチオン中に、炭素数3以上のアルキル基を置換基として有する芳香環基を含むことが好ましい。該アルキル基としては炭素数6以上が好ましく、さらに好ましくは8以上である。アルキル基としては、直鎖、分岐、環状いずれであってもよく、具体的には、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、tert−ブチル、n−アミル、i−アミル、tert−アミル、n−ヘキシル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、n−オクチル、2−エチルヘキシルといった基が挙げられる。
同様にアニオンについても、炭素数6以上のアルキル基を含むスルホネート、もしくは炭素数3以上のアルキル基を置換基として有する芳香環を含むスルホネートであることが好ましい。
Xfは、それぞれ独立に、フッ素原子、または少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。
R1、R2は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、または、アルキル基を表し、複数存在する場合のR1、R2は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
Lは、二価の連結基を表し、複数存在する場合のLは同一でも異なっていてもよい。
Aは、環状の有機基を表す。
xは0〜20の整数を表し、yは0〜10の整数を表し、zは0〜10の整数を表す。
Xfのフッ素原子で置換されたアルキル基におけるアルキル基としては、好ましくは炭素数1〜10であり、より好ましくは炭素数1〜4である。また、Xfのフッ素原子で置換されたアルキル基は、パーフルオロアルキル基であることが好ましい。Xfとして好ましくは、フッ素原子または炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基である。Xfの具体的としては、フッ素原子、CF3、C2F5、C3F7、C4F9、CH2CF3、CH2CH2CF3、CH2C2F5、CH2CH2C2F5、CH2C3F7、CH2CH2C3F7、CH2C4F9、CH2CH2C4F9が挙げられ、中でもフッ素原子、CF3が好ましい。特に、双方のXfがフッ素原子であることが好ましい。
R1、R2としては、好ましくはフッ素原子またはCF3である。
yは0〜8が好ましく、0〜6がより好ましい。
zは0〜5が好ましく、0〜3がより好ましい。
Lの2価の連結基としては特に限定されず、―COO−、−OCO−、−CO−、−O−、−S―、−SO―、―SO2−、アルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニレン基またはこれらの複数が連結した連結基などを挙げることができ、総炭素数12以下の連結基が好ましい。このなかでも―COO−、−OCO−、−CO−、−O−が好ましく、―COO−、−OCO−がより好ましい。
脂環基としては、単環でも多環でもよく、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基などの単環のシクロアルキル基、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が好ましい。中でも、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基等の炭素数7以上のかさ高い構造を有する脂環基が、露光後加熱工程での膜中拡散性を抑制でき、MEEF向上の観点から好ましい。
アリール基としては、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナンスレン環、アントラセン環が挙げられる。
複素環基としては、フラン環、チオフェン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、ピリジン環由来のものが挙げられる。中でもフラン環、チオフェン環、ピリジン環由来のものが好ましい。
R201、R202およびR203のうち、少なくとも1つがアリール基であることが好ましく、三つ全てがアリール基であることがより好ましい。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基などの他に、インドール残基、ピロール残基などのヘテロアリール基も可能である。R201〜R203のアルキル基およびシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖または分岐アルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基を挙げることができる。アルキル基として、より好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基等を挙げることができる。シクロアルキル基として、より好ましくは、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基等を挙げることができる。これらの基はさらに置換基を有していてもよい。その置換基としては、ニトロ基、フッ素原子などのハロゲン原子、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜15)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜7)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
R1a〜R13aは、各々独立に、水素原子または置換基を表す。
R1a〜R13aのうち、1〜3つが水素原子でないことが好ましく、R9a〜R13aのいずれか1つが水素原子でないことがより好ましい。
Zaは、単結合または2価の連結基である。
X-は、一般式(ZI)におけるZ-と同義である。
R1a〜R13aが水素原子でない場合としては、水酸基で置換された直鎖、分岐、環状のアルキル基であることが好ましい。
R204〜R205のアリール基としては、前述の化合物(ZI)におけるR201〜R203のアリール基として説明したアリール基と同様である。
R204〜R205のアリール基は、置換基を有していてもよい。この置換基としても、前述の化合物(ZI)におけるR201〜R203のアリール基が有していてもよいものが挙げられる。
R206〜R207は、各々独立に、アリール基またはアルキル基を表す。
R206〜R207のアリール基、アルキル基としては、前述の化合物(ZI)におけるR201〜R203のアリール基、アルキル基として説明したアリール基、アルキル基と同様である。
R206〜R207のアリール基、アルキル基、は、置換基を有していてもよい。この置換基としても、前述の化合物(ZI)におけるR201〜R203のアリール基、アルキル基が有していてもよいものが挙げられる。
ジスルホン化合物としては、下記一般式(ZIV)で示される化合物が挙げられる。
Ar3、Ar4のアリール基の具体例としては、上記一般式(ZI)におけるR201、R202およびR203としてのアリール基の具体例と同様のものを挙げることができる。
光塩基発生剤としては、特に限定されないが、例えば、5−ベンジル−1,5−ジアザビシクロ(4.3.0)ノナン、1−(2−ニトロベンゾイルカルバモイル)イミダゾール等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組合せて用いることができる。これらの中でも、特に、樹脂成分の分子量を効率的に下げることができるという観点から、5−ベンジル−1,5−ジアザビシクロ(4.3.0)ノナンおよびこの誘導体が好ましい。
このような窒素原子と直接結合している原子がSP3軌道を有する炭素原子となるような置換基としては、直鎖脂肪族炭化水素基、分岐脂肪族炭化水素基、及び、環状脂肪族炭化水素基、又はこれらの組み合わせからなる脂肪族炭化水素基が挙げられる。なお、当該脂肪族炭化水素基は、芳香族基等の置換基を有していても良く、或いは、炭化水素鎖中にヘテロ原子等の炭化水素以外の結合を含んでいても良い。好適なものとして、炭素数1〜20の直鎖又は分岐の飽和又は不飽和アルキル基、炭素数4〜13のシクロアルキル基、炭素数7〜26のフェノキシアルキル基、炭素数7〜26のアリールアルキル基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基が挙げられる。
ここでRcが上記環状脂肪族炭化水素基又は上記シクロアルキル基を有する場合には、Rcの2つが連結して環状になって、Rcが結合している窒素原子を含む複素環構造を形成している場合を含む。
また、Rcの2つが連結して環状になって、Rcが結合している窒素原子を含む複素環構造を形成している場合の複素環構造としては、例えば、アジリジン(3員環)、アゼチジン(4員環)、ピロリジン(5員環)、ピペリジン(6員環)、アゼパン(7員環)、アゾカン(8員環)等が挙げられる。これら複素環構造には直鎖又は分岐のアルキル基等の置換基を有していても良く、例えば、アルキル置換体として、メチルアジリジンなどのモノアルキルアジリジン、ジメチルアジリジンなどのジアルキルアジリジン、メチルアゼチジンなどのモノアルキルアゼチジン、ジメチルアゼチジンなどのジアルキルアゼチジン、トリメチルアゼチジンなどのトリアルキルアゼチジン、メチルピロリジンなどのモノアルキルピロリジン、ジメチルピロリジンなどのジアルキルピロリジン、トリメチルピロリジンなどのトリアルキルピロリジン、テトラメチルピロリジンなどのテトラアルキルピロリジン、メチルピペリジンなどのモノアルキルピペリジン、ジメチルピペリジンなどのジアルキルピペリジン、トリメチルピペリジンなどのトリアルキルピペリジン、テトラメチルピペリジンなどのテトラアルキルピペリジン、ペンタメチルピペリジンなどのペンタアルキルピペリジン等が挙げられる。
上記式(5)で表される塩基発生剤は、上記特定構造を有するため、電磁波が照射されることにより、下記式で示されるように、式(5)中の(−CH=CH−C(=O)−)部分がシス体へと異性化し、さらに加熱によって環化し、塩基(NHRcRc)を生成する。アミンの触媒作用によって、上記ポリイミド前駆体が最終生成物となる際の反応が開始される温度を下げたり、上記ポリイミド前駆体が最終生成物となる硬化反応を開始することができる。
中でも、発生する塩基が、2級アミン、及び/又は、アミジンである場合には、塩基発生剤としての感度が高くなる点から好ましい。これは、2級アミンやアミジンを用いることで、アミド結合部位の活性水素がなくなり、このことにより、電子密度が変化し、異性化の感度が向上するからではないかと推定される。
ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素などが挙げられる。
1価の有機基としては、特に制限がなく、飽和又は不飽和アルキル基、飽和又は不飽和シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、及び飽和又は不飽和ハロゲン化アルキル基、シアノ基、イソシアノ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、チオカルバモイル基、カルボキシル基、カルボキシラート基、アシル基、アシルオキシ基、ヒドロキシイミノ基等が挙げられる。これらの有機基は、当該有機基中にヘテロ原子等の炭化水素基以外の結合や置換基を含んでよく、これらは、直鎖状でも分岐状でも良い。
耐熱性の点から、有機基中の炭化水素基以外の結合としては、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、チオカルボニル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、イミノ結合(−N=C(−R)−、−C(=NR)−:ここでRは水素原子又は1価の有機基)、カーボネート結合、スルホニル結合、スルフィニル結合が好ましい。
中でも、R5〜R8の有機基中の炭化水素基以外の置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シアノ基、イソシアノ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、シリル基、シラノール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、チオカルバモイル基、ニトロ基、ニトロソ基、カルボキシル基、カルボキシラート基、アシル基、アシルオキシ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、ヒドロキシイミノ基、飽和又は不飽和アルキルエーテル基、飽和又は不飽和アルキルチオエーテル基、アリールエーテル基、及びアリールチオエーテル基が好ましい。
環状構造は、飽和又は不飽和の脂環式炭化水素、複素環、及び縮合環、並びに当該脂環式炭化水素、複素環、及び縮合環よりなる群から選ばれる2種以上が組み合されてなる構造であっても良い。例えば、R5〜R8は、それらの2つ以上が結合して、R5〜R8が結合しているベンゼン環の原子を共有してナフタレン、アントラセン、フェナントレン、インデン等の縮合環を形成している場合も、吸収波長が長波長化する点から好ましい。
このような活性剤の添加により、活性エネルギー線を照射することで、酸または塩基のような活性種が発生し、この活性種の存在下で加熱することで樹脂成分の主鎖を分解しその分子量が低下すると推察される。
感光性樹脂組成物は、活性剤(B)の反応性を発現あるいは増大させる機能を有する成分である増感色素(C)を含んでいても良い。増感色素(C)は活性剤(B)を活性化することが可能な波長の範囲を広げることが可能で、最適な増感色素としては、使用される光源近くに最大吸光係数を持ち、吸収したエネルギーを効率的に活性剤に渡すことができる化合物である。
増感色素としては、特に限定されるものではないが、光酸発生剤を含む場合、例えば、多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、アントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン,3,7−ジメトキシアントラセン、9,10−ジプロピルオキシアントラセン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、キサントン類(例えば、キサントン、チオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、ローダシアニン類、オキソノール類、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アクリドン類(例えば、アクリドン、10−ブチル−2−クロロアクリドン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、スチリル類、ベーススチリル類(例えば、2−[2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル]ベンゾオキサゾール)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ4−メチルクマリン、7−ヒドロキシ4−メチルクマリン、2,3,6,7−テトラヒドロ−9−メチル−1H,5H,11H−[1]ベンゾピラノ[6,7,8−ij]キノリジン−11−ノン、下記化合物)またはそれらの組み合わせ等が挙げられる。
感度と現像性とドライエッチング耐性をバランスよく向上させるために、バインダーポリマーを添加しても良い。このようなバインダーポリマーとしては、特開2010−169810号公報の段落番号0012〜0027に記載のような半導体レジスト材料が例示され、これらの内容は本願明細書に組み込まれる(但し、化合物(A1)および化合物(A2)に該当するものを除く。)。
バインダーポリマーの配合量は、配合する場合、感光性樹脂組成物の固形分の1〜40質量%の割合で配合することが好ましい。
本発明における感光性樹脂組成物は、溶剤を含むことが好ましい。
本発明における感光性樹脂組成物は、必須成分である特定樹脂および特定光酸発生剤、並びに、各種添加剤の任意成分を、溶剤に溶解した溶液として調製されることが好ましい。
また、これらの溶剤にさらに必要に応じて、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナール、ベンジルアルコール、アニソール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等の溶剤を添加することもできる。
上記した溶剤のうち、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、および/または、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類が好ましく、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、および/または、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが特に好ましい。
これら溶剤は、1種単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
溶剤は、1種類のみ用いても良く、2種類以上用いても良い。2種類以上用いる場合は、合計量が上記範囲となる。
塩基性化合物としては、化学増幅レジストで用いられるものの中から任意に選択して使用することができる。例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン、複素環式アミン、第四級アンモニウムヒドロキシド、および、カルボン酸の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
芳香族アミンとしては、例えば、アニリン、ベンジルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ジフェニルアミンなどが挙げられる。
複素環式アミンとしては、例えば、ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−本発明で用いる感光性樹脂組成物は、(成分I)塩基性化合物を含むことが好ましい。
(成分I)塩基性化合物としては、化学増幅レジストで用いられるものの中から任意に選択して使用することができる。例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン、複素環式アミン、第四級アンモニウムヒドロキシド、および、カルボン酸の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
芳香族アミンとしては、例えば、アニリン、ベンジルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ジフェニルアミンなどが挙げられる。
複素環式アミンとしては、例えば、ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、N−メチル−4−フェニルピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、イミダゾール、ベンズイミダゾール、4−メチルイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、8−オキシキノリン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、シクロヘキシルモルホリノエチルチオウレア、ピペラジン、モルホリン、4−メチルモルホリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.3.0]−7−ウンデセンなどが挙げられる。
カルボン酸の第四級アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウムアセテート、テトラメチルアンモニウムベンゾエート、テトラ−n−ブチルアンモニウムアセテート、テトラ−n−ブチルアンモニウムベンゾエートなどが挙げられる。
本発明における感光性樹脂組成物が塩基性化合物を含む場合、塩基性化合物の含有量は、特定樹脂100質量部に対して、0.001〜1質量部であることが好ましく、0.002〜0.2質量部であることがより好ましい。
本発明で用いる感光性樹脂組成物は、塗布性をより向上させる観点から界面活性剤を含むことが好ましい。
界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、または、両性のいずれでも使用することができるが、好ましい界面活性剤はノニオン系界面活性剤である。
ノニオン系界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレン高級アルキルエーテル類、ポリオキシエチレン高級アルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレングリコールの高級脂肪酸ジエステル類、フッ素系、シリコーン系界面活性剤を挙げることができる。
これらのフッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤として、例えば、特開昭62−36663号、特開昭61−226746号、特開昭61−226745号、特開昭62−170950号、特開昭63−34540号、特開平7−230165号、特開平8−62834号、特開平9−54432号、特開平9−5988号、特開2001−330953号各公報記載の界面活性剤を挙げることができ、市販の界面活性剤を用いることもできる。
使用できる市販の界面活性剤として、例えば、エフトップEF301、EF303、(以上、新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431(以上、住友スリーエム(株)製)、メガファックF171、F173、F176、F189、R08(以上、DIC(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(以上、旭硝子(株)製)、PF−6320等のPolyFoxシリーズ(OMNOVA社製)等のフッ素系界面活性剤またはシリコーン系界面活性剤を挙げることができる。また、ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)も、シリコーン系界面活性剤として用いることができる。
これら界面活性剤は、1種単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明における感光性樹脂組成物が界面活性剤を含む場合、界面活性剤の添加量は、特定樹脂100質量部に対して、10質量部以下であることが好ましく、0.01〜10質量部であることがより好ましく、0.01〜1質量部であることがさらに好ましい。
<有機半導体膜のパターニング方法>
本発明における有機半導体膜のパターニング方法は、
(1)有機半導体膜の上に、保護膜を成膜する工程、
(2)保護膜の前記有機半導体膜と反対側の上に、下記(1)および/または(2)を含む感光性樹脂組成物からなるレジスト膜を成膜する工程;
(1)波長100〜600nmの光照射により主鎖が分解する化合物(A1)を含む;
(2)波長100〜600nmの光照射により活性種を発生する活性剤(B)と、前記活性剤(B)により主鎖が分解する化合物(A2)を含む;
(3)前記レジスト膜を露光する工程;
(4)有機溶剤を含む現像液を用いて現像しマスクパターンを作製する工程;
(5)ドライエッチング処理にて少なくとも非マスク部の前記保護膜および前記有機半導体膜を除去する工程;
(6)前記保護膜を水で溶解する工程;
を含むことを特徴とする。
本発明の有機半導体膜のパターニング方法は、有機半導体膜の上に保護膜を成膜する工程を含む。通常は、基板の上に有機半導体膜を製膜した後に、本工程を行う。この場合、保護膜は、有機半導体の基板側の面と反対側の面に成膜する。保護膜は、通常、有機半導体膜の表面に設けられるが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で他の層を設けてもよい。具体的には、水溶性の下塗り層等が挙げられる。また、保護膜は1枚のみ設けられていてもよいし、2枚以上設けられていてもよい。
前記(1)の工程後、(2)保護膜の有機半導体側の面と反対側の上に、感光性樹脂組成物からなるレジスト膜を形成する。レジスト膜は好ましくは保護膜の表面に感光性樹脂組成物を適用して形成されるが、下塗り層等の膜を介していてもよい。感光性樹脂組成物の適用方法は、上記保護膜の記載を参酌できる。
(2)工程でレジスト膜を成膜後、前記レジスト膜を露光する。具体的には、レジスト膜に所定のパターンを有するマスクを介して、活性光線を照射する。露光は1回のみ行ってもよく、複数回行ってもよい。
具体的には、感光性樹脂組成物の乾燥塗膜を設けた基板に所定のパターンの活性光線を照射する。露光はマスクを介して行ってもよいし、所定のパターンを直接描画してもよい。波長300nm以上450nm以下の波長、好ましくは365nmを有する活性光線が好ましく使用できる。この工程の後、必要に応じて露光後加熱工程(PEB)を行ってもよい。
水銀灯を用いる場合にはg線(436nm)、i線(365nm)、h線(405nm)などの波長を有する活性光線が好ましく使用できる。水銀灯はレーザに比べると、大面積の露光に適するという点で好ましい。
また、パルス幅は、0.1nsec以上30,000nsec以下であることが好ましい。アブレーション現象により色塗膜を分解させないようにするには、0.5nsec以上がより好ましく、1nsec以上が最も好ましく、スキャン露光の際に合わせ精度を向上させるには、1,000nsec以下がより好ましく、50nsec以下が最も好ましい。
さらに、レーザの周波数は、1Hz以上50,000Hz以下が好ましく、10Hz以上1,000Hz以下がより好ましい。
さらに、レーザの周波数は、露光処理時間を短くするには、10Hz以上がより好ましく、100Hz以上が最も好ましく、スキャン露光の際に合わせ精度を向上させるには、10,000Hz以下がより好ましく、1,000Hz以下が最も好ましい。
本発明に使用可能な露光装置としては、特に制限はないが市販されているものとしては、Callisto((株)ブイ・テクノロジー製)やAEGIS((株)ブイ・テクノロジー製)やDF2200G(大日本スクリーン製造(株)製)などが使用可能である。また上記以外の装置も好適に用いられる。
また、必要に応じて長波長カットフィルタ、短波長カットフィルタ、バンドパスフィルタのような分光フィルタを通して照射光を調整することもできる。
(3)工程でレジスト膜を露光後、有機溶剤を含む現像液を用いて現像する。現像はネガ型が好ましい。現像液に含まれる溶剤のsp値は、19MPa1/2未満であることが好ましく、18MPa1/2以下であることがより好ましい。
ケトン系溶剤としては、例えば、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、2−ヘプタノン(メチルアミルケトン)、4−ヘプタノン、1−ヘキサノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、アセトニルアセトン、イオノン、ジアセトニルアルコール、アセチルカービノール、アセトフェノン、メチルナフチルケトン、イソホロン、プロピレンカーボネート等を挙げることができる。
エステル系溶剤としては、例えば、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、酢酸アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル等を挙げることができる。
アミド系溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が使用できる。
炭化水素系溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられる。
上記の溶剤は、1種類のみでも、2種以上用いてもよい。また、上記以外の溶剤と混合し使用してもよい。但し、本発明の効果を十二分に奏するためには、現像液全体としての含水率が10質量%未満であることが好ましく、実質的に水分を含有しないことがより好ましい。ここでの実質的とは、例えば、現像液全体としての含水率が3質量%以下であり、より好ましくは測定限界以下であることをいう。
すなわち、有機系現像液に対する有機溶剤の使用量は、現像液の全量に対して、90質量%以上100質量%以下であることが好ましく、95質量%以上100質量%以下であることが好ましい。
特に、有機系現像液は、ケトン系溶剤、エステル系溶剤およびアミド系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種類の有機溶剤を含む現像液であるのが好ましい。
また、有機系現像液は、必要に応じて塩基性化合物を適当量含有していてもよい。塩基性化合物の例としては、塩基性化合物の項で前述したものを挙げることができる。
5kPa以下の蒸気圧を有する具体的な例としては、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、2−ヘプタノン(メチルアミルケトン)、4−ヘプタノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、酢酸アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル等のエステル系溶剤、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドのアミド系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられる。
特に好ましい範囲である2kPa以下の蒸気圧を有する具体的な例としては、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、4−ヘプタノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン等のケトン系溶剤、酢酸ブチル、酢酸アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル等のエステル系溶剤、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドのアミド系溶剤、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられる。
界面活性剤としては特に限定されないが、例えば、上記水溶性樹脂組成物の欄で述べた界面活性剤が好ましく用いられる。
現像液に界面化成剤を配合する場合、その配合量は現像液の全量に対して、通常0.001〜5質量%、好ましくは0.005〜2質量%、さらに好ましくは0.01〜0.5質量%である。
上記各種の現像方法が、現像装置の現像ノズルから現像液をレジスト膜に向けて吐出する工程を含む場合、吐出される現像液の吐出圧(吐出される現像液の単位面積あたりの流速)は好ましくは2mL/sec/mm2以下、より好ましくは1.5mL/sec/mm2以下、さらに好ましくは1mL/sec/mm2以下である。流速の下限は特に無いが、スループットを考慮すると0.2mL/sec/mm2以上が好ましい。
吐出される現像液の吐出圧を上記の範囲とすることにより、現像後のレジスト残渣に由来するパターンの欠陥を著しく低減することができる。
このメカニズムの詳細は定かではないが、恐らくは、吐出圧を上記範囲とすることで、現像液がレジスト膜に与える圧力が小さくなり、レジスト膜・レジストパターンが不用意に削られたり崩れたりすることが抑制されるためと考えられる。
なお、現像液の吐出圧(mL/sec/mm2)は、現像装置中の現像ノズル出口における値である。
レジスト膜を現像しマスクパターンを作製後、エッチング処理にて少なくとも非マスク部の前記水溶性樹脂膜および前記有機半導体を除去する。非マスク部とは、レジスト膜を露光してマスクパターンを作製する際のマスクにより露光されていない箇所を表す。
フッ素系ガスと酸素ガス(O2)との混合ガスを用い、有機半導体が露出しない領域(深さ)までエッチングを行なう第1段階のエッチングと、この第1段階のエッチングの後に、窒素ガス(N2)と酸素ガス(O2)との混合ガスを用い、好ましくは有機半導体が露出する領域(深さ)付近までエッチングを行なう第2段階のエッチングと、有機半導体が露出した後に行なうオーバーエッチングとを含む形態が好ましい。以下、ドライエッチングの具体的手法、並びに第1段階のエッチング、第2段階のエッチング、およびオーバーエッチングについて説明する。
(1)第1段階のエッチングにおけるエッチングレート(nm/min)と、第2段階のエッチングにおけるエッチングレート(nm/min)とをそれぞれ算出する。(2)第1段階のエッチングで所望の厚さをエッチングする時間と、第2段階のエッチングで所望の厚さをエッチングする時間とをそれぞれ算出する。(3)前記(2)で算出したエッチング時間に従って第1段階のエッチングを実施する。(4)前記(2)で算出したエッチング時間に従って第2段階のエッチングを実施する。あるいはエンドポイント検出でエッチング時間を決定し、決定したエッチング時間に従って第2段階のエッチングを実施してもよい。(5)前記(3)、(4)の合計時間に対してオーバーエッチング時間を算出し、オーバーエッチングを実施する。
エッチング後、溶剤または水を用いて保護膜を除去する。水溶性樹脂の場合は、水が好ましい。
水溶性樹脂膜を水で除去する方法としては、例えば、スプレー式またはシャワー式の噴射ノズルからレジストパターンに洗浄水を噴射して、保護膜を除去する方法を挙げることができる。洗浄水としては、純水を好ましく用いることができる。また、噴射ノズルとしては、その噴射範囲内に支持体全体が包含される噴射ノズルや、可動式の噴射ノズルであってその可動範囲が支持体全体を包含する噴射ノズルを挙げることができる。噴射ノズルが可動式の場合、水溶性樹脂膜を除去する工程中に支持体中心部から支持体端部までを2回以上移動して洗浄水を噴射することで、より効果的にレジストパターンを除去することができる。
水を除去した後、乾燥等の工程を行うことも好ましい。乾燥温度としては、80〜120℃とすることが好ましい。
本発明は、有機半導体を利用した電子デバイスの製造に用いることができる。ここで、電子デバイスとは、半導体を含有しかつ2つ以上の電極を有し、その電極間に流れる電流や生じる電圧を、電気、光、磁気、化学物質などにより制御するデバイス、あるいは、印加した電圧や電流により、光や電場、磁場などを発生させるデバイスである。例としては、有機光電変換素子、有機電界効果トランジスタ、有機電界発光素子、ガスセンサ、有機整流素子、有機インバータ、情報記録素子などが挙げられる。有機光電変換素子は光センサ用途、エネルギー変換用途(太陽電池)のいずれにも用いることができる。これらの中で、好ましくは有機電界効果トランジスタ、有機光電変換素子、有機電界発光素子であり、より好ましくは有機電界効果トランジスタ、有機光電変換素子であり、特に好ましくは有機電界効果トランジスタである。
下記表に示す各成分を溶剤F1(PGMEA)と共に混合して均一な溶液とした後、0.1μmのポアサイズを有するポリテトラフルオロエチレン製フィルタを用いてろ過して、実施例および比較例の保護膜形成用組成物および感光性樹脂組成物をそれぞれ調製した。固形分濃度は15質量%であった。
X1:ポリビニルピロリドン(ピッツコール K−30、第一工業製薬(株)製)
X2:ポリビニルアルコール(PXP−05、日本酢ビ・ポバール株(株)製)
X3:プルラン((株)林原製
X4:メチルセルロース(メトローズ SM−4 信越化学工業(株)製
Y1:サーフィノール440(日信化学工業(株)製)
A1:下記構造、合成品
A2:下記構造、合成品
A3:下記構造、合成品
A4:下記構造、合成品
A5:下記構造、合成品
A6:下記構造、合成品
A7:下記構造、合成品
A8:下記構造、合成品
AC1:UltrasonE6020(BASF製、ポリテーテルスルホン樹脂)
AC2:TOPAS5013(ポリプラスチック製、シクロオレフィンコポリマー)
B1:下記構造、Rhodorsil Speedcure2074(Rhodia製)
B2:下記構造、Irgacure250(BASF製)
B3:下記構造、CPI−101A(サンアプロ製)
B4:下記構造、Aldrich社製
B5:下記構造、特許文献WO03/033500に記載の方法により合成
C1:下記構造、ITX(LAMBSON製)
C2:下記構造、アントラキュアー UVS−1331(川崎化成工業製)
C3:下記構造、DETX-S(日本化薬製)
E1:PF−6320(OMNOVA Solutions Inc.製)
F1:PGMEA メトキシプロピルアセテート(ダイセル化学工業(株)製)
A1:Mw=50,000
A4:Mw=100,000
A5:Mw=40,000
窒素置換された攪拌器・還流管付き3口フラスコに、各モノマーの混合物合計40質量部、1−メトキシ−2−プロパノール60質量部、V−601(和光純薬工業社製)1質量部を混合し、80℃に昇温した。3時間で加熱を終了し、室温まで冷却した後、500質量部の純水へ反応物を攪拌しながら滴下した。得られた白色の粉末をろ過により取り出し、送風乾燥してポリマーを得た。
窒素置換された攪拌器・還流管付き3口フラスコに、各モノマージオールの混合物合計40質量部、炭酸ジエチル60質量部、20%ナトリウムエトキシドエタノール溶液60質量部を混合し、120℃に昇温した。その後、反応器内を30kPa程度減圧し、さらに1時間攪拌した。その後、されに0.1kPaの真空下、3時間攪拌した。室温まで冷却した後、500質量部の純水へ反応物を攪拌しながら滴下した。得られた白色の粉末をろ過により取り出し、送風乾燥してポリマーを得た。
有機半導体として濃度20g/LのP3HT(Merck社製)クロロベンゼン溶液10mLと濃度14g/Lの[60]PCBM(Solenne社製)クロルベンゼン溶液10mLとを混合し、4インチベアシリコン基板上にスピンコーター(1200rpm、30秒)にて塗布し、ホットプレートにて140℃/15分乾燥し、膜厚100nmの有機半導体膜を形成した。該有機半導体膜を基板上に形成したウエハをウエハ1とした。ウエハ1上に表1に記載した樹脂組成物をスピンコーター(1200rpm、30秒)により塗布したのち、100℃で60秒ベークし、有機半導体膜上に膜厚700nmの保護膜が設けられたウエハ2を形成した。
前記記載の4インチのウエハ2に下記表1に示す感光性組成物をスピンコーター(1200rpm,30秒)により塗布したのち、110℃で60秒ベークし、ウエハ2上に膜厚500nmのレジスト膜を形成したウエハ3を形成した。
次にウエハ3をi線投影露光装置NSR2005i9C(ニコン社製)で、NA:0.57、シグマ:0.60の光学条件にて露光(活性剤を用いない実施例・比較例に対しては露光量3000mJ/cm2、活性剤を用いる実施例・比較例に対しては露光量500mJ/cm2)を行ない、線幅10μmの1:1ラインアンドスペースパターンのバイナリーマスクを通して露光した。その後110℃で、60秒間加熱した後、酢酸ブチルで15秒間現像し、スピン乾燥して線幅10μmの1:1ラインアンドスペースのレジストパターンを得た。走査型電子顕微鏡を用いて断面観察を行うことで感光性組成物のパターン形状を評価した。
A:感光性樹脂組成物のボトム部分のアンダーカットがなく、パターンのテーパー角が85°〜95°の範囲。
なく矩形プロファイル
B:感光性樹脂組成物のボトム部分にアンダーカットが0.5μm以下であり、パターンのテーパー角が85°〜95°の範囲。
僅かに認められるが矩形プロファイル
C:感光性樹脂組成物のボトム部分にアンダーカットが0.5μm以下であり、パターンのテーパー角が95°〜105°の範囲(逆テーパー)。
D:パターン形状劣悪もしくはパターン形成せず。
以下の条件で基板のドライエッチングを行い、非マスクパターン部の保護膜および非マスクパターン部の有機半導体1を除去した。
ガス:CF4(流量200ml/min)、Ar(流量800ml/min)、O2(流量50ml/min)
ソースパワー:800W
ウェハバイアス:600W
アンテナバイアス:100W
ESC電圧:400V
時間:60sec
得られた基板を水洗し、保護膜からなるパターンを除去したのち、100℃で10分加熱し前記有機半導体1に残存する水分の除去と、乾燥によりプロセスにおけるダメージを修復することで、有機半導体膜がパターニングされた基板を得た。
ドライエッチングおよび、保護膜除去後の有機半導体のパターンを、走査型電子顕微鏡を用いて観察を行うことより有機半導体の線幅を評価した。
A:感光性樹脂組成物の10μm(L/Sパターン)下における有機半導体の線幅が9μm〜10μm
B:感光性樹脂組成物の1μmのL/Sパターン下における、有機半導体の線幅が8μm以上9μm未満
C:感光性樹脂組成物の1μmのL/Sパターン下における、有機半導体の線幅が8μm未満
また、有機半導体パターンの加工後の線幅評価について、ドライエッチングガスの種類を塩素/Arに変更しても、同様の傾向が得られることを確認した。
本発明を用いることで特開2012−216501号公報の図2に記載の表示装置を容易に製造することができた。
Claims (7)
- 有機半導体膜と、前記有機半導体膜上の保護膜と、前記保護膜上のレジスト膜を有し、前記レジスト膜が、下記(1)および/または(2)を含む感光性樹脂組成物からなり、
前記保護膜が水溶性樹脂を含む、積層体;
(1)波長100〜600nmの光照射により主鎖が分解する化合物(A1)を含む;
(2)波長100〜600nmの光照射により活性種を発生する活性剤(B)と、前記活性剤(B)から発生した活性種により主鎖が分解する化合物(A2)を含む。 - 保護膜が、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールおよびプルランの少なくとも1種を含む、請求項1に記載の積層体。
- 保護膜が、ポリビニルピロリドンを含む、請求項1に記載の積層体。
- 前記活性剤(B)が、光酸発生剤または光塩基発生剤である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層体。
- 前記(A1)化合物が、主鎖に直接結合したカルボニル基を有するビニル樹脂を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層体。
- 前記(A2)化合物が、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂および無水(メタ)アクリル酸とポリ(メタ)アクリル酸との共重合体から選択される少なくとも1種を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層体。
- 前記感光性樹脂組成物が、増感色素(C)を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層体。
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