特許文献1に記載のフロントアンダーランプロテクタのブラケットでは、車両等の物体(相手車両)が衝突してフロントアンダーランプロテクタビームが下方へ移動してエネルギー吸収部材が圧壊する。エネルギー吸収部材が圧壊した状態で相手車両からフロントアンダーランプロテクタビームに入力する荷重が増大すると、シャシフレーム(車体フレーム)を下方へ引き下げる力がブラケットから作用するとともに、シャシフレームを上方へ押圧する力がフロントアンダーランプロテクタステーから作用する。このため、相手車両からフロントアンダーランプロテクタビームに入力する荷重の増大時に、ブラケットから作用する力によってシャシフレームが損傷するおそれがある。
そこで、本発明は、車両が衝突して相手車両から入力する荷重が増大しても、該荷重による車体フレームの損傷を防止することが可能なバンパ一体型アンダーランプロテクタの支持構造の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様のバンパ一体型アンダーランプロテクタの支持構造は、バンパ一体型アンダーランプロテクタとブラケットと落下許容手段とを備える。バンパ一体型アンダーランプロテクタは、アンダーランプロテクタ部とバンパ部とを一体的に有し、衝突時に他の車両から荷重の入力を受ける。アンダーランプロテクタ部は、車両の車体フレームの前部下方で車幅方向に延びて車両と他の車両との衝突時に車両の下方への他の車両の潜り込みを防止する。バンパ部は、アンダーランプロテクタ部の上方に配置される。ブラケットは、バンパ一体型アンダーランプロテクタ及び車体フレームに連結され、バンパ一体型アンダーランプロテクタを車体フレームに支持する。落下許容手段は、バンパ一体型アンダーランプロテクタと車体フレームとの間に設けられ、バンパ一体型アンダーランプロテクタに入力する荷重の増大時に車体フレーム側からバンパ一体型アンダーランプロテクタを切り離して、路面へのバンパ一体型アンダーランプロテクタの落下を許容する。
上記構成では、バンパ一体型アンダーランプロテクタに入力する荷重の増大時に車体フレーム側からのバンパ一体型アンダーランプロテクタの落下を落下許容手段が許容するので、入力する荷重の増大時にバンパ一体型アンダーランプロテクタから車体フレームへの荷重の入力を抑えることができ、車体フレームの損傷を防止することができる。
また、バンパ部とアンダーランプロテクタ部とが一体化されている比較的大型なバンパ一体型アンダーランプロテクタが落下するので、落下したバンパ一体型アンダーランプロテクタが車体と路面との間の空間を前方から塞ぎ易く、落下したバンパ一体型アンダーランプロテクタによって車両の下方への他の車両の潜り込みを防止することができる。
また、アンダーランプロテクタ部とバンパ部とを一体的に備えるバンパ一体型アンダーランプロテクタを車体フレーム側に支持すればよいので、アンダーランプロテクタとバンパとを個別に車体フレーム側に支持する場合に比べて、車体フレーム側に広い取付スペースを確保することができ、ブラケット等の取付部品の設計の自由度を向上させることができる。
また、アンダーランプロテクタ部とバンパ部とを一体的に備えるバンパ一体型アンダーランプロテクタを車体フレーム側に支持すればよいので、車体フレームへの取付け作業や整備作業等の作業性を向上させることができる。
本発明の第2の態様のバンパ一体型アンダーランプロテクタの支持構造は、上記第1の態様のバンパ一体型アンダーランプロテクタの支持構造であって、支持ボルトを備える。支持ボルトは、ボルト軸を有し、バンパ一体型アンダーランプロテクタ又は車体フレームに支持され、ブラケットをバンパ一体型アンダーランプロテクタ又は車体フレームに締結固定する。落下許容手段は、ブラケットに形成されて支持ボルトのボルト軸が挿通し、ブラケットの一端縁又は他端縁の開口からブラケットの前記他端縁側又は前記一端縁側へ直線状に延びるブラケットの支持ボルト挿通溝と、ブラケットに固定的に設けられ、ボルト軸よりも開口側の支持ボルト挿通溝内に配置される抵抗部とを含む。抵抗部は、バンパ一体型アンダーランプロテクタに入力する荷重の増大時にボルト軸との当接によって破断して、開口へ向かうボルト軸の移動を許容する。支持ボルト挿通溝は、バンパ一体型アンダーランプロテクタに入力する荷重の増大時のバンパ一体型アンダーランプロテクタの移動方向を支持ボルト挿通溝に沿った方向に規制する。
上記構成では、抵抗部はボルト軸との当接によって破断する。すなわち、ボルト軸が抵抗部の破断を助長するので、支持ボルト等の他の部品との当接を伴わずに抵抗部を破断させる場合に比べて、入力する荷重の増大に応じて、抵抗部の破断を確実に発生させてバンパ一体型アンダーランプロテクタを落下させることができ、車体フレームの損傷を確実に防止することができる。
また、バンパ一体型アンダーランプロテクタに入力する荷重の増大時に抵抗部が破断するので、入力する荷重から車体フレームが受ける衝突エネルギを抵抗部の破断によって吸収することができる。
また、支持ボルトがバンパ一体型アンダーランプロテクタ又は車体フレームに支持される。支持ボルトがバンパ一体型アンダーランプロテクタに支持される場合には、ブラケットを車体フレーム側に残した状態で、バンパ一体型アンダーランプロテクタを車体フレーム側から落下させることができる。また、支持ボルトが車体フレームに支持される場合には、バンパ一体型アンダーランプロテクタ及びブラケットを車体フレームから落下させることができる。いずれの場合であっても、バンパ一体型アンダーランプロテクタから車体フレームへの荷重の入力を抑えることができ、車体フレームの損傷を防止することができる。
本発明の第3の態様のバンパ一体型アンダーランプロテクタの支持構造は、上記第2の態様のバンパ一体型アンダーランプロテクタの支持構造であって、落下許容手段は、ブラケットに固定的に設けられ、抵抗部よりも開口側の支持ボルト挿通溝内に配置される2次抵抗部を含む。ボルト軸は、抵抗部の破断後の開口側への移動によって2次抵抗部に当接する。2次抵抗部は、ボルト軸と当接した状態でバンパ一体型アンダーランプロテクタに入力する荷重の増大によって破断して、開口へ向かうボルト軸の移動を許容する。
上記構成では、抵抗部に加えて2次抵抗部を有するので、バンパ一体型アンダーランプロテクタに入力する荷重の増大時にボルト軸は、抵抗部に当接することによって抵抗部を破断して、その後、開口へ向かって移動し、2次抵抗部に当接することによって2次抵抗部を破断する。このため、バンパ一体型アンダーランプロテクタに入力する荷重から車体フレームが受ける衝突エネルギを、抵抗部と2次抵抗部とによって段階的に吸収することができる。
本発明の第4の態様のバンパ一体型アンダーランプロテクタの支持構造は、上記第2または第3の態様のバンパ一体型アンダーランプロテクタの支持構造であって、第2支持ボルトを備える。第2支持ボルトは、ボルト軸を有し、バンパ一体型アンダーランプロテクタ又は車体フレームに支持され、ブラケットをバンパ一体型アンダーランプロテクタ又は車体フレームに締結固定する。落下許容手段は、ブラケットに形成されて第2支持ボルトのボルト軸が挿通し、支持ボルト挿通溝が延びる方向に沿ってブラケットの前記一端縁又は前記他端縁の第2開口からブラケットの前記他端縁側又は前記一端縁側へ直線状に延びるブラケットの第2支持ボルト挿通溝と、ブラケットに固定的に設けられ、第2支持ボルトのボルト軸よりも第2開口側の第2支持ボルト挿通溝内に配置される第2抵抗部とを含む。第2抵抗部と第2支持ボルトのボルト軸との距離は、抵抗部と支持ボルトのボルト軸との間の距離よりも長い距離に設定される。第2支持ボルトのボルト軸は、抵抗部の破断後に第2抵抗部に当接する。第2抵抗部は、第2支持ボルトのボルト軸と当接した状態でバンパ一体型アンダーランプロテクタに入力する荷重の増大によって破断して、第2開口へ向かう第2支持ボルトのボルト軸の移動を許容する。第2支持ボルト挿通溝は、バンパ一体型アンダーランプロテクタに入力する荷重の増大時のバンパ一体型アンダーランプロテクタの移動方向を第2支持ボルト挿通溝に沿った方向に規制する。
上記構成では、抵抗部に加えて第2抵抗部を有するので、入力する荷重から車体フレームが受ける衝突エネルギを第2抵抗部の破断によってさらに吸収することができる。
また、第2抵抗部と第2支持ボルトのボルト軸との距離が抵抗部と支持ボルトのボルト軸との間の距離よりも長い距離に設定され、抵抗部が破断した後に第2抵抗部が破断するので、バンパ一体型アンダーランプロテクタに入力する荷重から車体フレームが受ける衝突エネルギを、抵抗部と第2抵抗部とによって段階的に吸収することができる。
本発明の第5の態様のバンパ一体型アンダーランプロテクタの支持構造は、上記第2〜第4の態様のいずれかのバンパ一体型アンダーランプロテクタの支持構造であって、ボルト軸は、ブラケットの前記一端縁側又は前記他端縁側へ突出して先細りする突起部を有する。
上記構成では、ボルト軸がブラケットの一端縁側又は他端縁側へ突出する突起部を有するので、ボルト軸がブラケットの開口や第2開口へ向かう際にボルト軸の突起部が支持ボルト挿通溝や第2支持ボルト挿通溝内の抵抗部や2次抵抗部や第2抵抗部に当接する。ボルト軸の突起部がブラケットの一端縁側又は他端縁側へ突出して先細りするので、突起部を備えないボルト軸が抵抗部等(2次抵抗部や第2抵抗部を含む)を破断させる場合に比べて、入力する荷重の増大に応じて、抵抗部等の破断をさらに確実に発生させてバンパ一体型アンダーランプロテクタを落下させることができ、車体フレームの損傷を確実に防止することができる。
本発明の第6の態様のバンパ一体型アンダーランプロテクタの支持構造は、上記第1〜第5の態様のいずれかのバンパ一体型アンダーランプロテクタの支持構造であって、バンパ一体型アンダーランプロテクタは、路面に落下した際に路面と相対向し、路面に対する少なくとも後方へのバンパ一体型アンダーランプロテクタの移動を防止するような摩擦力を路面との間に生じる摩擦面を有する。
上記構成では、路面に落下した際に路面に対する少なくとも後方へのバンパ一体型アンダーランプロテクタの移動を摩擦面が防止するので、路面に落下した後のバンパ一体型アンダーランプロテクタによる車両の下方への他の車両の潜りこみ防止機能を高めることができる。
本発明の第7の態様のバンパ一体型アンダーランプロテクタの支持構造は、上記第1〜第6の態様のいずれかのバンパ一体型アンダーランプロテクタの支持構造であって、バンパ一体型アンダーランプロテクタは、内側に閉空間を区画形成する板状の外装材と、閉空間の略全域に配置されて多数の空洞部分を内在するとともに外装材の変形を抑制する補強材とによって構成される。補強材は、衝撃緩衝材である。
上記構成では、バンパ一体型アンダーランプロテクタは、バンパ部とアンダーランプロテクタ部とが一体化されているため大型な部材となるが、多数の空洞部分を内在する補強材を外装材の内側の閉空間の略全域に配置してバンパ一体型アンダーランプロテクタを構成しているので、板状の外装材を薄肉化することによってバンパ一体型アンダーランプロテクタの軽量化を図ることができる。また、補強材が外装材の変形を抑制するので、板状の外装材を薄肉化しても、バンパ一体型アンダーランプロテクタの剛性を確保することができる。従って、バンパ一体型アンダーランプロテクタの剛性の確保と軽量化とを両立して図ることができる。
また、補強材は、衝撃緩衝材であるので、補強材を有さない場合に比べて外装材の変形を抑制し、且つ他の車両との衝突時に他の車両からの衝撃を緩衝することができる。
本発明によれば、車両が衝突して相手車両から入力する荷重が増大しても、該荷重による車体フレームの損傷を防止することができる。
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において、FRは車両の前方を、UPは上方を、INは車幅方向内側をそれぞれ示す。また、以下の説明において、左右方向は車両前方を向いた状態での左右方向を意味する。
図1に示すように、本実施形態に係るバンパ一体型アンダーランプロテクタの支持構造10(以下、単に支持構造と称する)が適用されるトラック(車両)1は、キャブ2が概ねエンジン(図示省略)の上方に配置されるキャブオーバー型の車両であり、車体フレーム3と、バンパ一体型フロントアンダーランプロテクタ(バンパ一体型アンダーランプロテクタ)4(以下、バンパ一体型FUPと称する)と、キャブ2の前面の車幅方向両側のヘッドランプ5(図1には左側のみ示す)と、キャブ2の車幅方向両側の下方に配置される左右のフロントタイヤ6(図1には左側のみ示す)とを有する。
図2に示すように、車体フレーム3は、トラック1の車幅方向両側で前後に亘って延びる左右1対のサイドフレーム7と、車幅方向に沿って延びて左右のサイドフレーム7を連結する複数のクロスフレーム8とを有する。左右のサイドフレーム7は、それぞれ上板部11と下板部12と側板部13とによって断面略コ字状に形成される。左右のサイドフレーム7の側板部13は、複数(本実施形態では6箇所)のボルト挿通孔9をそれぞれ有する。左右のサイドフレーム7の側板部13の車幅方向外側面には、側面視略L字状の左右1対のブラケット20が後述するボルト21及びナット22によって固定され、左右のブラケット20を介して車体フレーム3にバンパ一体型FUP4が固定される。すなわち、本実施形態に係る支持構造10は、バンパ一体型FUP4を左右のブラケット20によって車体側の車体フレーム3に支持する支持構造10である。なお、左右のブラケット20を含む支持構造10は、トラック1の左右に対称的に設けられて、ほぼ同様の構成を有するため、以下では左側について説明し、右側の説明を省略する。
バンパ一体型FUP4は、外装パネル(外装材)14の内側に発泡ウレタン(補強材)15(図3参照)が充填された箱型の構造体であって、給気孔16と左右のステップ部17と左右のヘッドランプ支持部18とを有する。バンパ一体型FUP4は、トラック1の前部下方で車幅方向に延びて他の車両(以下、相手車両と称する)19(図1参照)との衝突時にトラック1の下方への相手車両19の潜り込みを防止するフロントアンダーランプロテクタ部(アンダーランプロテクタ部)23と、フロントアンダーランプロテクタ部23の上方に配置されて車体フレーム3を前方から覆うバンパ部24とを一体的に有する。バンパ一体型FUP4には相手車両19との衝突時に相手車両19からの荷重が入力する。
外装パネル14は、スチールなどの鋼板からなる略箱状体であって、上板部25、底板部26、前板部27、後板部28、及び左右の側板部29を有し、それぞれが溶接やボルト(図示省略)等によって固定されて内側に閉空間を区画形成する。上板部25は、車幅方向に延びる前端縁と、前端縁の車幅方向両側から車幅方向外側の後方へ円弧状に延びる左右の側端縁と、車幅方向に延びて左右の側端縁の後端同士を連結する後端縁とを有する。底板部26は、側面視で略V字状の山部と谷部とが連続して前後方向に延びる断面形状を有し(図3参照)、上板部25と上下方向に離間して相対向する。底板部26の下面(摩擦面)62は、後述するバンパ一体型FUP4の落下時に路面63(図1参照)と相対向する。上板部25及び底板部26のそれぞれの後端縁の車幅方向中央部には、前方へ凹んだ切欠部30が形成され、切欠部30の車幅方向の長さは、車体フレーム3よりも僅かに広く設定される。前板部27は、底板部26の前端縁に沿って起立して車幅方向に延び、上端縁が上板部25の前端縁に固定される。前板部27の車幅方向両側には、横長矩形状のランプ開口31が形成され、前板部27の車幅方向中央部には、横長矩形状の前給気開口32が形成される。左右の側板部29は、底板部26の左右の側端縁に沿って起立し、前板部27の車幅方向両側から連続して後方へ延び、上端縁が上板部25の左右の側端縁にそれぞれ固定される。左右の側板部29には、矩形状のステップ開口33が形成される。後板部28は、底板部26の後端縁に沿って起立し、車幅方向中央部には切欠部30に沿って前方へ凹む凹部34を有する。後板部28の凹部34の上端部は、前方へ傾斜する傾斜面部35を有し、傾斜面部35の上端が上板部25の切欠部30の後端縁に固定される。傾斜面部35の後方の空間は、後述するようにバンパ一体型FUP4が車体フレーム3から落下する際に車体フレーム3の通過を許容するスペースとして機能する。後板部28の凹部34には、前板部27の前給気開口32と相対向する位置に横長矩形状の後給気開口36が形成される。なお、外装パネル14の材料は、スチールなどの鋼板に限られず、CFRP等の樹脂であってもよい。
給気孔16は、外装パネル14の車幅方向中央部で前後方向に貫通する孔であって、前板部27の前給気開口32から後板部28の後給気開口36まで直線状に延びる断面矩形状の筒状体37の内側面に区画され、エンジン(図示省略)に供給される空気の流路として機能する。前板部27の前給気開口32には、ラジエーターグリル38が固定される。
左右のステップ部17は、車幅方向外側へ向かって開口する箱体状のステップ本体39と、ステップ本体39の車幅方向外側の外周から突出する鍔状のフランジ部40とをそれぞれ有する。ステップ部17は、ステップ本体39の車幅方向内端部側から外装パネル14の側板部29のステップ開口33に挿入され、フランジ部40の車幅方向内側面が外装パネル14の側板部29の車幅方向外側面に当接した状態で、溶接やボルト(図示省略)等によって外装パネル14に固定される。左右のステップ部17は、トラック1のキャブ2に乗降する際の乗員の足場として機能する。なお、左右のステップ部は、これに限定されるものではなく、トラック1のキャブ2に乗降する際の乗員の足場として機能すればよく、例えば、外装パネル14の側板部29よりも車幅方向外側へ突出したり、上下に複数並べたりしてもよい。
左右のヘッドランプ支持部18は、前方へ向かって開口する箱体状の支持部本体41と、支持部本体41の前端部の外周から突出する鍔状のフランジ部42とをそれぞれ有する。支持部本体41は、前方へ向かって開口する矩形状の開口43と、開口43から後方へ延びるランプ収納孔44とを有し、ランプ収納孔44にヘッドランプ5が収納される(図1参照)。ヘッドランプ支持部18は、支持部本体41の後部側から外装パネル14の前板部27のランプ開口31に挿入され、フランジ部42の後面が外装パネル14の前板部27の前面に当接した状態で、溶接やボルト(図示省略)等によって外装パネル14に固定される。なお、ヘッドランプ支持部18は、これに限定されるものではなく、ヘッドランプ5を支持できればよい。
図3に示すように、発泡ウレタン15は、外装パネル14に区画形成される閉空間の全域に充填されて、外装パネル14の内側から外装パネル14の変形を抑制する。発泡ウレタン15には、空気が内包されているので、多数の空洞部分が内在する。なお、発泡ウレタン15に代えて、多数の空洞部分が内在する発泡スチロールや発泡ポリエチレン等を外装パネル14に区画形成される閉空間の全域に充填してもよい。
図4(a)に示すように、ブラケット20は、側面視略L字状の板状体であって、サイドフレーム7の側板部13の車幅方向外側面に複数組(本実施形態では6組)のボルト21及びナット22によって締結固定される。ブラケット20は、バンパ一体型FUP4の凹部34の車幅方向内側面に固定される前方領域45と、バンパ一体型FUP4よりも後方へ突出してサイドフレーム7に締結固定される後方領域46とを一体的に有する。
ブラケット20の後方領域46は、サイドフレーム7の側板部13の車幅方向外側面に重なる重複領域47に、ブラケット20の上端縁(他端縁)の複数(本実施形態では3箇所)の上方開口(開口)48から斜め後下方(ブラケット20の下端縁(一端縁)側)へ直線状に延びて車幅方向に貫通する複数(本実施形態では3箇所)のスライド溝(支持ボルト挿通溝、落下許容手段)49を有する。複数のスライド溝49の内側には、スライド溝49を前後方向に横断してスライド溝49内で前後に対向する内面同士を連結する複数(本実施形態では1箇所のスライド溝49に対して2箇所の計6箇所)の連結部(抵抗部、落下許容手段)50が溶接等によって固定される。連結部50は、バンパ一体型FUP4に入力する荷重の増大時に後述するボルト軸51に当接して破断する強さで固定されている。すなわち、バンパ一体型FUP4と車体フレーム3との間に介在するブラケット20に設けられる複数のスライド溝49と複数の連結部50とが、バンパ一体型FUP4に入力する荷重の増大時に後述するボルト軸51に当接して車体フレーム3側からのバンパ一体型FUP4の落下を許容する落下許容手段として機能する。なお、スライド溝49の数は、上記に限定されない。例えば、スライド溝49を重複領域47に1箇所または3箇所以上設けてもよい。
ブラケット20をサイドフレーム7に締結固定する複数のボルト(支持ボルト)21は、ボルト軸51をそれぞれ有する(図6参照)。複数のボルト軸51は、サイドフレーム7の側板部13の複数のボルト挿通孔9を車幅方向内側から挿通してサイドフレーム7(車体フレーム3)に支持され、側板部13から車幅方向外側へ突出して3箇所のスライド溝49の各連結部50のそれぞれの下方を挿通する。すなわち、各連結部50は、ボルト軸51よりも上方開口48側にそれぞれ配置される。
図5及び図6に示すように、スライド溝49を挿通するボルト21のボルト軸51には、連結部50側(ブラケット20の上端縁(他端縁)側)へ突出して先細りする突起部52を有する筒状の破断部材53が固定される。破断部材53は、筒状体であって、ボルト21のボルト軸51の雄ネジと螺合する雌ネジが形成された内周面(図示省略)を有し、ボルト21の雄ネジと螺合することによってボルト21に固定され、突起部52の先端が連結部50に接触している。ブラケット20よりも車幅方向外側へ突出するボルト21のボルト軸51には、ワッシャー54が取付けられた状態でナット22が螺合してブラケット20の後方領域46がサイドフレーム7に締結固定される。ブラケット20は、後方領域46がサイドフレーム7に締結固定された連結状態(図4(a)参照)から、後述するように、バンパ一体型FUP4に入力する荷重の増大時に複数の連結部50の破断によって車体フレーム3から落下する非連結状態(図4(b)参照)となる。なお、ブラケット20を所定の位置に配置した状態で、ボルト21をサイドフレーム7の複数のボルト挿通孔9に車幅方向外側から挿通してもよい。また、突起部52の先端と連結部50とが近接した状態でブラケット20の前方領域45がサイドフレーム7に締結固定されてもよい。
トラック1と相手車両19(図1参照)との衝突時には、連結状態のブラケット20(図4(a)参照)に支持されたバンパ一体型FUP4に相手車両19の前端部が当接する。バンパ一体型FUP4には、相手車両19から荷重が入力し、該荷重が発泡ウレタン15の変形によって吸収される。相手車両19からバンパ一体型FUP4に入力する荷重が増大すると、バンパ一体型FUP4からブラケット20に入力する荷重が増大し、スライド溝49内で前後に対向する内面同士を連結する連結部50と、破断部材53の突起部52とが当接して連結部50が破断する。連結部50が破断すると、ボルト21のボルト軸51は、スライド溝49の上方開口48側への移動が許容される。ボルト21のボルト軸51がスライド溝49の上方開口48側への移動を開始してからボルト軸51が上方開口48からスライド溝49の外部へ出るまでの間、バンパ一体型FUP4及びブラケット20は、スライド溝49によって移動方向が斜め後下方に規制され、スライド溝49に沿って斜め後ろ下方へスライド移動する。さらに、バンパ一体型FUP4及びブラケット20が斜め後下方に移動して、ボルト軸51が上方開口48からスライド溝49の外部へ出ると、ブラケット20が非連結状態(図4(b)参照)となり、バンパ一体型FUP4及びブラケット20は、バンパ一体型FUP4の下面62が路面63と相対向する状態で左右のフロントタイヤ6の前方の路面63上に落下する(図7参照)。
上記のように構成された支持構造10では、バンパ一体型FUP4に入力する荷重が増大して連結部50が破断すると、車体フレーム3側からのバンパ一体型FUP4の落下が許容され、バンパ一体型FUP4がスライド溝49に案内されて斜め後下方に落下する。このため、入力する荷重の増大時にバンパ一体型FUP4から車体フレーム3への荷重の入力を抑えることができ、車体フレーム3の損傷を防止することができる。
また、ボルト21のボルト軸51には、ブラケット20の上端縁側へ突出して先細りする突起部52を有する破断部材53が固定される。連結部50に当接するボルト軸51の(破断部材53の)突起部52がブラケット20の上端縁側へ突出して先細りするので、突起部52を備えないボルト軸51が連結部50を破断させる場合に比べて、入力する荷重の増大に応じて、連結部50の破断を確実に発生させてバンパ一体型FUP4及びブラケット20を落下させることができ、車体フレーム3の損傷を確実に防止することができる。
また、スライド溝49は、バンパ一体型FUP4に入力する荷重の入力方向(トラック1の前方から後方)に対して傾斜する方向(斜め後下方)へ延びるので、直交する方向に延びる場合に比べて、ボルト21に入力する荷重を低減することができ、ボルト21からの荷重の入力による車体フレーム3の損傷を防止することができる。また、スライド溝49とボルト21とによって、バンパ一体型FUP4及びブラケット20を好適に斜め後下方へ移動させることができる。
また、多数の空洞部分を内在する発泡ウレタン15等の補強材を外装パネル14の内側の閉空間の略全域に配置するので、補強材を有さない場合に比べて発泡ウレタン15が外装パネル14の変形を抑制し、且つトラック1が相手車両19と衝突した際に発泡ウレタン15が変形して相手車両19からの衝撃を吸収する。これにより、バンパ一体型FUP4から車体フレーム3へ入力する荷重を低減させることができる。
従って、本実施形態によれば、トラック1が衝突して相手車両19から入力する荷重が増大しても、該荷重による車体フレーム3の損傷を防止することができる。
また、バンパ一体型FUP4に入力する荷重の増大によって連結部50が破断するので、入力する荷重から車体フレーム3が受ける衝突エネルギを連結部50の破断によって吸収することができる。
また、バンパ部24とフロントアンダーランプロテクタ部23とが一体化されている比較的大型なバンパ一体型FUP4が落下するので、落下したバンパ一体型FUP4がトラック1と路面63との間の空間を前方から塞ぎ易く、落下したバンパ一体型FUP4によってトラック1の下方への相手車両19の潜り込みを防止することができる。
また、バンパ一体型FUP4の底板部26は、側面視で略V字状の山部と谷部とが連続して前後方向に延びる断面形状を有する。このため、落下したバンパ一体型FUP4に後方への荷重が入力した際に、バンパ一体型FUP4(底板部26)の下面62と路面63との間に摩擦力が生じる。すなわち、後方へのバンパ一体型FUP4の移動をバンパ一体型FUP4の下面62によって防止することができるので、路面63に落下した後のバンパ一体型FUP4によるトラック1の下方への相手車両19の潜りこみ防止機能を下面62によって高めることができる。
また、発泡ウレタン15が充填されるバンパ一体型FUP4が左右のフロントタイヤ6の前方の路面63上に落下するので、バンパ一体型FUP4は、相手車両19とトラック1の左右のフロントタイヤ6との間に挟まれて、トラック1の下方への相手車両19の潜り込みを防止することができ、且つ左右のフロントタイヤ6と共に相手車両19が受ける衝撃を緩和することができる(図7参照)。
また、スライド溝49が延びる方向を斜め後下方に設定しているので、バンパ一体型FUP4の後下方の左右のフロントタイヤ6の前方の路面63上にバンパ一体型FUP4及びブラケット20を落下させることができる。
また、フロントアンダーランプロテクタ、バンパ、ヘッドランプ支持部材、及びステップをそれぞれ個別のブラケットによって車体フレーム3側に固定しないので、車体フレーム3の前端部の広い取付スペースをバンパ一体型FUP4のブラケット20の取付スペースとして利用することができる。このため、例えば、スライド溝(支持ボルト挿通溝)を設ける位置や数など、ブラケット20の設計自由度が高まる。
また、バンパ一体型FUP4は、バンパ部24とフロントアンダーランプロテクタ部23とが一体化されているため大型な部材となるが、多数の空洞部分を内在する発泡ウレタン15を外装パネル14の内側の閉空間の略全域に配置してバンパ一体型FUP4を構成しているので、外装パネル14を薄肉化することによってバンパ一体型FUP4の軽量化を図ることができる。また、発泡ウレタン15が外装パネル14の変形を抑制するので、外装パネル14を薄肉化しても、バンパ一体型FUP4の剛性を確保することができる。従って、バンパ一体型FUP4の剛性の確保と軽量化とを両立して図ることができる。
また、フロントアンダーランプロテクタ部23とバンパ部24とを一体的に備えるバンパ一体型FUP4を車体フレーム3側に固定すればよいので、車体フレーム3への取付け作業や整備作業等の作業性を向上させることができる。
なお、ボルト21のボルト軸51に破断部材53を固定しなくてもよい。すなわち、破断部材53を有さないボルト軸51によって連結部50を破断してもよい。この場合であっても、ボルト21のボルト軸51が連結部50の破断を助長するので、ボルト21等の他の部品との当接を伴わずに連結部50破断させる場合に比べて、入力する荷重の増大に応じて、連結部50の破断を確実に発生させてバンパ一体型FUP4及びブラケット20を落下させることができ、車体フレーム3の損傷を確実に防止することができる。
また、本実施形態では、スライド溝49を前後方向に横断してスライド溝49内で前後に対向する内面同士を連結する連結部50を抵抗部として説明したが、これに限定されるものではなく、スライド溝49内で前後に対向する内面同士を抵抗部が連結しなくてもよい。例えば、抵抗部は、ブラケット20の上端縁とボルト21のボルト軸51との間のスライド溝49内に配置され、スライド溝49内で前後に対向する内面のうちのいずれか一側面に固定されて他側面へ延びる棒状体であって、バンパ一体型FUP4に入力する荷重の増大時にボルト21のボルト軸51との当接によって破断して、スライド溝49の上方開口48側へのボルト21のボルト軸51の移動を許容してもよい。また、連結部50をブラケット20に溶接しなくてもよく、例えば、ブラケット20に一体形成され、ブラケット20よりも薄肉状の連結部であってもよい。
また、本実施形態では、摩擦面として、側面視で略V字状の山部と谷部とが連続する断面形状のバンパ一体型FUP4の底板部26の下面62を適用したが、これに限定されるものではなく、路面63に落下した際に路面63と相対向し、路面63に対する少なくとも後方へのバンパ一体型FUP4の移動を防止するような摩擦力を路面63との間に生じる摩擦面であればよい。例えば、側面視で略V字状の山部と谷部とが連続して前後方向に延びる断面形状を有する摩擦部材を、平らに形成されたバンパ一体型FUP4の底面部26に対して固定してもよい。また、少なくとも後方へのバンパ一体型FUP4の移動を防止すればよく、バンパ一体型FUP4の底面部26から複数の金属製のスパイク状の突起等を斜め後下方へ突出させてもよい。
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。図8に示すバンパ一体型アンダーランプロテクタの支持構造70では、スライド溝55内のボルト軸57に対する連結部(抵抗部、落下許容手段)72の位置が上記第1実施形態と相違する。なお、上記第1実施形態と同様の構成には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。また、左右のブラケット71を含む支持構造70は、トラック(車両)1の左右に対称的に設けられて、ほぼ同様の構成を有するため、以下では左側について説明し、右側の説明を省略する。
ブラケット71は、上端縁(他端縁)の複数(本実施形態では3箇所)の上方開口56と、複数の上方開口56のそれぞれから斜め後下方(下端縁(一端縁)側へ)へ直線状に延びる複数(本実施形態では3箇所)のスライド溝55とを有する。複数のスライド溝55の内側には、スライド溝55を前後方向に横断してスライド溝55内で前後に対向する内面同士を連結する複数(本実施形態では2箇所)の連結部72がそれぞれ溶接等によって固定される。
3箇所のスライド溝55のうち、最も後方に配置される上方開口(開口)56aから延びるスライド溝(支持ボルト挿通溝、落下許容手段)55a内の連結部(抵抗部、落下許容手段)72aは、スライド溝55aを挿通する2本のボルト(支持ボルト)58aのボルト軸57aに接触する状態で各ボルト軸57aの上方(開口側)にそれぞれ配置されてブラケット71に固定される。3箇所のスライド溝55のうち、真ん中に配置される上方開口(第2開口)56bからスライド溝55aに沿って延びるスライド溝(第2支持ボルト挿通溝、落下許容手段)55b内の連結部(第2抵抗部、落下許容手段)72bは、スライド溝55bを挿通する2本のボルト(第2支持ボルト)58bのボルト軸57bから僅かに上方(第2開口側)へ離間した位置にそれぞれ配置されてブラケット71に固定される。3箇所のスライド溝55のうち、最も前方に配置される上方開口(第2開口)56cからスライド溝55bに沿って延びるスライド溝(第2支持ボルト挿通溝、落下許容手段)55c内の連結部(第2抵抗部、落下許容手段)72cは、スライド溝55cを挿通する2本のボルト(第2支持ボルト)58cのボルト軸57cの上方(第2開口側)に、連結部72bとボルト軸57bとの距離よりも離間した位置にそれぞれ配置されてブラケット71に固定される。すなわち、連結部72bとボルト軸57bとの距離は、連結部72aとボルト軸57aとの距離よりも長い距離に設定され、連結部72cとボルト軸57cとの距離は、連結部72b(連結部72a)とボルト軸57b(ボルト軸57a)との距離よりも長い距離に設定される。
トラック1と相手車両19(図1参照)との衝突時には、連結状態のブラケット71に支持されたバンパ一体型FUP4に相手車両19の前端部が当接する。バンパ一体型FUP4には、相手車両19から荷重が入力し、該荷重が発泡ウレタン15によって吸収される。相手車両19からバンパ一体型FUP4に入力する荷重が増大すると、バンパ一体型FUP4からブラケット71に入力する荷重が増大し、スライド溝55a内で前後に対向する内面同士を連結する連結部72aとボルト軸57aとが当接して連結部72aが破断する。連結部72aが破断すると、スライド溝55a,55b,55cの各上方開口56a,56b,56c側への複数のボルト58a,58b,58cの各ボルト軸57a,57b,57cの移動が許容され、バンパ一体型FUP4及びブラケット71がスライド溝55に沿って斜め後ろ下方へスライド移動する。バンパ一体型FUP4及びブラケット71が斜め後ろ下方へ移動すると、スライド溝55bの連結部72bと、ボルト58bのボルト軸57bとが当接して、バンパ一体型FUP4及びブラケット71の移動が規制される。さらにバンパ一体型FUP4に入力する荷重が増大すると、連結部72bがボルト軸57bとの当接によって破断して、上方開口56b側へのボルト軸57bの移動が許容され、斜め後ろ下方へのバンパ一体型FUP4及びブラケット71の移動が再度許容される。バンパ一体型FUP4及びブラケット71がスライド溝55に沿って斜め後ろ下方へスライド移動すると、上記と同様に、斜め後ろ下方へのバンパ一体型FUP4及びブラケット71の移動が規制された後、連結部72cがボルト軸57cに当接して破断する。連結部72cが破断すると、各ボルト軸57a,57b,57cが上方開口56a,56b,56cからスライド溝55a,55b,55cの外部へ出て、ブラケット71が非連結状態となり、バンパ一体型FUP4及びブラケット71は、バンパ一体型FUP4の下面62が路面63と相対向する状態で左右のフロントタイヤ6の前方の路面63上に落下する(図7参照)。
上記構成では、バンパ一体型FUP4に入力する荷重が増大して連結部72aが破断した後に、遅れて連結部72bが破断し、さらに遅れて連結部72cが破断するので、バンパ一体型FUP4に入力する荷重から車体フレーム3が受ける衝突エネルギを各連結部72a,72b,72cによって段階的に吸収することができる。
次に、本発明の第3実施形態を図面に基づいて説明する。図9に示すバンパ一体型アンダーランプロテクタの支持構造80では、バンパ一体型フロントアンダーランプロテクタ(バンパ一体型アンダーランプロテクタ)81の構造及びブラケット82が上記第1実施形態と相違する。なお、上記第1実施形態と同様の構成には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
バンパ一体型フロントアンダーランプロテクタ(以下、バンパ一体型FUPと称する)81は、外装パネル(外装材)83と、外装パネル83の内側の略全域に配置されるハニカム構造体の補強材84とによって構成される。
外装パネル83は、スチールなどの鋼板によって上下、左右が区画される矩形筒状体の枠部85と、枠部85の後端を塞ぐ後板部86とを有する。後板部86の車幅方向中央部には、前方へ向かって凹む凹部87が形成される。凹部87の車幅方向両側の内側面98の上部には、複数(本実施形態では片側2本)のボルト(支持ボルト)のボルト軸97が車幅方向内側に向かって突出した状態で溶接等によって固定される。
補強材84は、外装パネル83の内側で前後方向に延びる複数の隔壁88と、複数の隔壁88と枠部85とによって区画される複数の内側空間89とを有するハニカム構造体であって、外装パネル83の内側の略全域に配置され、外装パネル83の変形を抑制する。複数の隔壁88は、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)で形成される板体であって、略水平に車幅方向に延びる複数(本実施形態では3枚)の横板77と、横板77と直交して上下方向に延びる複数(本実施形態では9枚)の縦板78とを有し、横板77と縦板78とが相互に交叉した状態で前後方向に延びて断面矩形状の内側空間89を複数(本実施形態では40個)区画する。
外装パネル83の枠部85の前端には、カバーパネル(外装材)90が固定され、複数の内側空間89の前方を閉止する。すなわち、外装パネル83とカバーパネル90とは、内側に閉空間を区画形成し、閉空間の全域に配置されるハニカム構造体の補強材84は、多数の空洞部分(内側空間89)を内在する。
バンパ一体型FUP81は、車体フレーム3の前部下方で車幅方向に延びて他の車両(相手車両)との衝突時にトラック1の下方への相手車両の潜り込みを防止するフロントアンダーランプロテクタ部(アンダーランプロテクタ部)99と、フロントアンダーランプロテクタ部99の上方に配置されて車体フレーム3を前方から覆うバンパ部79とを一体的に備える。なお、ハニカム構造体の補強材84の内側空間89は、断面矩形状に限られず、断面正六角形状などの断面多角形状や、断面円形状などであってよい。
図10に示すように、ブラケット82は、前後方向に延びる板状体であって、バンパ一体型FUP81を支持する前方領域91と、バンパ一体型FUP81よりも後方へ突出する後方領域92とを一体的に有する。
ブラケット82の後方領域92は、複数(本実施形態では6箇所)のボルト挿通孔93を有し、サイドフレーム7の側板部13に対してボルト等(図示省略)によって締結固定される。
ブラケット82の前方領域91は、ブラケット82の下端縁(一端縁)の複数(本実施形態では2箇所)の下方開口(開口)94から斜め前上方(ブラケット82の上端縁(他端縁)側)へ直線状に延びて車幅方向に貫通する複数(本実施形態では2箇所)のスライド溝(支持ボルト挿通溝、落下許容手段)95を有する。2箇所の下方開口94のうち前側の下方開口94から延びるスライド溝95の内側には、スライド溝95を前後方向に横断してスライド溝95内で前後に対向する内面同士を連結する連結部(抵抗部、落下許容手段)96aが溶接等によって固定される。2箇所の下方開口94のうち後側の下方開口94から延びるスライド溝95の内側には、スライド溝95を前後方向に横断してスライド溝95内で前後に対向する内面同士を連結する連結部(抵抗部、落下許容手段)96bと連結部(2次抵抗部、落下許容手段)96cとが溶接等によって固定される。連結部96bは、スライド溝95内の上部に配置され、連結部96cは、スライド溝95内の下部に配置される。すなわち、連結部96cは、連結部96bよりも下方開口94側に配置される。連結部96a,96b,96cは、バンパ一体型FUP81に入力する荷重の増大時にボルト軸97に当接して破断する強さで固定されている。
バンパ一体型FUP81の凹部87のボルト軸97は、ブラケット82の2箇所のスライド溝95の連結部96a,96bのそれぞれの上方(各スライド溝95の上端近傍)を挿通する。ボルト軸97にワッシャー(図示省略)が取付けられた状態でボルト軸97とナット(図示省略)とが螺合してバンパ一体型FUP81とブラケット82とが締結固定される。
トラックと他の車両(相手車両)との衝突時には、ブラケット82の前方領域91に締結固定されたバンパ一体型FUP81に相手車両の前端部が当接する。バンパ一体型FUP81には、相手車両から荷重が入力する。相手車両からバンパ一体型FUP81に入力する荷重が増大すると、連結部96a,96bがボルト軸97との当接によって破断する。連結部96a,96bが破断すると、ボルト軸97は、スライド溝95の下方開口94側への移動が許容される。ボルト軸97が下方開口94側へ移動すると、ボルト軸97が連結部96cに当接し、該当接によって下方開口94側へのボルト軸97の移動が規制される。さらにバンパ一体型FUP81に入力する荷重が増大すると、連結部96cがボルト軸97との当接によって破断して、下方開口94側へのボルト軸97の移動が再度許容される。ボルト軸97がスライド溝95の下方開口94側への移動を開始してからボルト軸97が下方開口94からスライド溝95の外部へ出るまでの間、バンパ一体型FUP81は、スライド溝95によって移動方向が斜め後下方に規制され、スライド溝95に沿って斜め後ろ下方へスライド移動する。ボルト軸97が下方開口94からスライド溝95の外部へ出ると、バンパ一体型FUP81は、ブラケット82から落下して、左右のフロントタイヤ(図示省略)の前方の路面上に落下する。
上記構成では、1箇所のスライド溝95に1本のボルト軸97と2箇所の連結部96b,96cとを有するので、バンパ一体型FUP81に入力する荷重の増大時にボルト軸97は、連結部96bに当接することによって連結部96bを破断し、その後、下方開口94へ向かって移動し、連結部96cに当接することによって連結部96cを破断する。このため、バンパ一体型FUP81に入力する荷重から車体フレーム3が受ける衝突エネルギを、2箇所の連結部96b,96cによって段階的に吸収することができる。
また、バンパ部79とフロントアンダーランプロテクタ部99とが一体化されている比較的大型なバンパ一体型FUP81が落下するので、落下したバンパ一体型FUP81がトラックと路面との間の空間を前方から塞ぎ易く、落下したバンパ一体型FUP81によってトラックの下方への相手車両の潜り込みを防止することができる。
また、ブラケット82をサイドフレーム7側に残し、バンパ一体型FUP81をサイドフレーム7から落下させるので、路面上に落下させる部品点数を抑えることができる。
なお、本実施形態では、スライド溝95がブラケット82の下端縁の下方開口94から斜め前上方へ直線状に延びたが、これに限定されるのもではない。例えば、上下方向に延びるブラケットに対して、ブラケットの後端縁(一端縁)の開口からブラケットの前端縁(他端縁)側へ直線状に延びるスライド溝であってもよい。
以上、本発明について、上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではなく、当然に本発明を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例および運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論である。
例えば、上記実施形態では、バンパ一体型アンダーランプロテクタの支持構造をトラック1に適用したが、比較的車高の高い貨物車両等に適用することも可能である。
また、上記実施形態では、スライド溝(支持ボルト挿通溝)や連結部(抵抗部)等が落下許容手段として機能したが、これに限定されるものではなく、例えば、入力する荷重の増大によって破断するボルトでバンパ一体型アンダーランプロテクタをブラケットに固定し、入力する荷重の増大時に該ボルトが破断することによって、ブラケット(車体フレーム側)からのバンパ一体型アンダーランプロテクタの落下を許容する落下許容手段であってもよい。
また、上記実施形態では、バンパ一体型アンダーランプロテクタと車体フレームとの間のうち、バンパ一体型アンダーランプロテクタとブラケットとの連結箇所や、ブラケットと車体フレームとの連結箇所に落下許容手段を設けたが、これに限定されるものではなく、例えば、入力する荷重の増大によって破断する易破断部をブラケットに設け、入力する荷重の増大時に該易破断部で破断してブラケットが前後に分離されることによって、車体フレーム側からのバンパ一体型アンダーランプロテクタの落下を許容する落下許容手段であってもよい。