JP6259250B2 - 開閉装置 - Google Patents
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Description
上記シャッター装置にあっては、例えば集中豪雨や台風等の非常時の際に、シャッターカーテンを閉鎖動作させ、開口部を閉鎖することによって水や土砂(以下、水等という。)を堰き止め、屋内側の浸水被害等を低減することが可能であるが、水等が閉鎖したシャッターカーテンの下方側に一旦滞留すると、当該水等が除去されるまでシャッターカーテンを開放することは困難となり、必要に応じて屋外の状況確認や、内外への入退出を行うことが困難であった。
本構成によれば、上側部材及び防潮板が、連結手段の解除により互いに分離可能に構成されるので、開閉体の閉鎖により水等の進入を防止しつつ、必要に応じて屋外の状況確認、或いは内外への入退出を容易に行うことが可能となる。また、防潮板をガイドレールに対して強固に固定することにより、水圧、土圧等の外部要因による防潮板の幅方向又は開閉方向への移動、これらの移動に伴う変形、或いはガイドレールからの脱落等を防止することが可能となり、水等の進入をより効果的に防止することができるようになる。
また、上記開閉装置の他の構成として、連結手段は、上側部材の操出し方向の端部に設けられた連結孔と、防潮板の巻取り方向の端部に設けられた連結孔と、各連結孔に挿通されるボルトと、各連結孔に挿通された前記ボルトの先端部に螺合されたナットとで構成されたことにより、当該連結手段による連結及び解除を行うことで、上述した効果が得られるようになる。
また、上記開閉装置の他の構成として、固定手段は、ガイドレールの屋内側の表面からガイドレール内に貫通するように形成された固定孔と、防潮板に形成されたネジ穴と、固定孔及びネジ穴に螺入されてネジ穴に締結されるボルトとで構成され、ネジ穴及びボルトが、防潮板の屋外側の表面まで達していない構成とすれば、前記構成から生じる効果に加え、当該固定手段による固定により、屋内側への水等の進入をより効果的に防止することができるとともに、ネジ穴からの漏水を回避することができる。
また、上記開閉装置の他の構成として、設置面には、前記各ガイドレール間に亘って溝が形成され、当該溝に前記防潮板の下端部が着座する構成とすれば、前記構成から生じる効果に加え、屋内側への水等の進入をより効果的に防止することができる。
本明細書中において、開閉体は巻取り又は繰出されるものに限定されるものではなく、例えばチェーン等により複数のパネルが吊持された構成のパネルシャッターのように、駆動軸が左右側板に支持され、各パネル等の開閉体構成部材が折り畳まれたり、並べられたりすることにより収容されるものを含む。
また、本明細書中において、防潮とは、潮のみならず、海水、河川水、雨水等の浸入を防止または抑制することを意味する。また、本明細書中においては、防水(防水板,止水板)と防潮(防潮板)とを同じ意味で使用することもある。さらに、防潮板とは、板状に構成されているもののみならず、周囲を金属や木材等で囲まれた枠内にシート等の軟質部材を設けたものや、シート等のみからなるものを含み、使用上において防潮の目的に適合する構成のものをいう。
上記発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となり得る。
同図において開閉装置としてのシャッター装置10は、構造物躯体11に形成された開口部12に設置される。構造物躯体11は、例えば住宅やビル、倉庫、工場等の構造物の内外を仕切る外壁や、構造物の内部において内部空間を仕切る内壁等である。開口部12は、構造物躯体11に開設され、内外を連通する空間として形成される。
なお、本明細書において「幅方向」とは、シャッターカーテン30の開閉(上下)方向と直交する方向(左右方向)を示し、「奥行方向」とは、シャッターカーテン30の厚み方向(屋内,屋外方向)を意味する。また、「巻取り方向」とは、シャッターカーテン30がガイドレール20に沿って上昇し、開口部12が開放する方向を示し、「繰出し方向」とは、シャッターカーテン30がガイドレール20に沿って降下し、開口部12が閉鎖する方向を示す。ここで、屋内,屋外とは、本発明の説明を分かりやすくするための便宜上の表現であって、屋外とは水が浸入する場合の上流側のことである。また、屋内とは上流側から水が浸入してくる可能性がある側であって、本発明においては水が浸入してくるのを阻止,抑制したい側のことを示す。さらに、後述する防潮板40やシャッター装置10(開閉装置)は、開閉扉や壁等とともに、単なる道路の防水用仕切としての使用や、外部空間における門等に取り付ける等、家屋や部屋等の概念が無い個所に設けてもよい。
図2に示すように設置面13には、ガイドレール20;20間に亘って直線的に延在する溝17が形成される。詳細については後述するが、溝17には、シャッターカーテン30の一部として構成された防潮板40の下端部が着座し、防潮板40の振れが抑制される。また、図4(b)に示すように、溝17は非常時以外の通常使用時において蓋18により閉塞され、設置面13と同一平面となる。なお、溝17及び蓋18は、必須の構成ではなく、シャッター装置10の設置場所等に応じて適宜設定すればよい。
また、収容部22の上方には、スラット支持部20Aの下端部より奥行方向中央に向かって下傾斜する傾斜面23が形成されており、スラット支持部20Aを経て防潮板支持部20B内に進入しようとする防潮板40は上記傾斜面23に沿って誘導され、防潮板支持部20Bの収容部22内に収容される。また、収容部22を形成する表面22A;22Aには、例えば防水性のシール部材が取着されており、シャッターカーテン30が全閉した状態において、防潮板40との間の水密性が確保される。
複数のスラット31は、例えば、スチール,ステンレス,又はアルミニウム等から形成され、開口部12の幅方向に沿って延在する板状の部材であって、図2に示す如く断面形状が略台形状に形成される。また、各スラット31における巻取り方向の端部(上端部)と繰出し方向の端部(下端部)には、湾曲形状のカール部31A,31Bが形成される。カール部31Aは、後述するホイール52の径方向外側に向けて湾曲し、巻取り方向に隣接するスラット31に形成されたカール部31Bと係合する。カール部31Bは、ホイール52の径方向内側に湾曲し、繰出し方向に隣接するスラット31に形成されたカール部31Aと係合する。即ち、互いに隣接するスラット31同士は、それぞれカール部31A,31B同士が係合することにより回転自在に連結される。
なお、座板41は、ガイドレール20;20に飲み込まれる構成であってもよい。例えば、ガイドレール20;20に飲み込まれていない場合の部分の厚みがガイドレール20;20の溝幅よりも大きければ、厚みを小さく(薄く)してガイドレール20;20に飲み込ませるように構成すれば良い。
なお、本実施形態においては、上側部材としての複数のスラット31と、下側部材としての防潮板40とを連結するための手段として蝶ボルト33;33及びナット32;32を用いたが、これに限定されることはなく、複数のスラット31と防潮板40とを連結又は分離できるものであればその種類は問わない。また、連結手段である連結孔34;34、蝶ボルト33及びナット32の少なくとも1つは、ガイドレール20に飲み込まれることなく、ガイドレール20;20間の寸法よりも短い範囲に設けられることが好ましい。さらに、連結孔34;34、蝶ボルト33及びナット32の全てがガイドレール20に飲み込まれることなく、ガイドレール20;20間の寸法よりも短い範囲に設けられる方がより好ましい。
同図に示すように、巻取り機構50は、シャッターケース14内に設置され、シャッターカーテン30を巻取り、又は繰出す機構である。巻取り機構50は、概略、シャッターケース14の一部を構成する左右のブラケット15;15と、左右のブラケット15;15間に架設されるシャフト51と、シャフト51の回転と同期して巻取り方向及び繰出し方向に回転自在なホイール52;52と、シャフト51を巻取り方向又は繰出し方向に回転させる図外のモータとを備える。
なお、上記実施形態に係る巻取り機構50は、モータを有する電動式の巻取り機構50を例示したが、例えばシャフト51の軸周りに介挿されるコイルばね等の付勢手段を用いた手動式の巻取り機構を採用してもよい。
なお、上記説明においては、蝶ボルト33を屋内側に設け、ナット32を屋外側に設ける構成としたが、蝶ボルト33を屋外側に設け、ナット32を屋内側に設ける構成としてもよい。
すなわち、上記構成によれば、ネジ穴43は防潮板40における屋外側(言い換えれば上流側)の表面まで達しておらず、蝶ボルト24も防潮板40における屋外側の表面まで達していないため、ネジ穴43からの漏水を回避することができる。なお、ガイドレール20への固定をより強固にするために、ネジ穴43及び蝶ボルト24を防潮板40における屋外側表面まで貫通させ、さらには屋外側ガイドレールまで到達させて係合,嵌合させてもよい。またネジ穴43は、防潮板40近傍を含む上端等であって、水が到達しないと想定される高さの位置に設けることが好ましい。
20 ガイドレール、21 ガイド片、22 収容部、25 固定孔、
30 シャッターカーテン、31 スラット、32 ナット、33 蝶ボルト、
34 連結孔、40 防潮板、41 座板、42 連結孔、43 ネジ穴、
50 巻取り機構、51 シャフト、52 ホイール。
Claims (4)
- 開口部の幅方向の両側に互いに離間して対向するように設けられた各ガイドレールと、
前記各ガイドレールの長手方向に沿って移動自在に設けられ、前記開口部を開閉する開閉体と、
を備えた開閉装置であって、
前記開閉体は、
前記各ガイドレール間に延在する上側部材と、
前記各ガイドレール間に延在して、かつ、連結手段により前記上側部材と連結可能であるとともに、前記連結手段の解除により前記上側部材と分離可能に構成された下側部材とを備え、
前記下側部材が防潮板であり、当該防潮板は、前記上側部材と分離された場合に、開閉装置が設置される設置面に下端部が着座して前記ガイドレール内に存置されるように構成され、かつ、当該ガイドレール内に存置された前記防潮板と当該ガイドレールとが、当該防潮板の高さ寸法の半分よりも上方位置で屋内側から固定手段によって固定可能に構成されたことを特徴とする開閉装置。 - 前記連結手段は、前記上側部材の操出し方向の端部に設けられた連結孔と、前記防潮板の巻取り方向の端部に設けられた連結孔と、前記各連結孔に挿通されるボルトと、前記各連結孔に挿通された前記ボルトの先端部に螺合されたナットとで構成されたことを特徴とする請求項1記載の開閉装置。
- 前記固定手段は、前記ガイドレールの屋内側の表面から前記ガイドレール内に貫通するように形成された固定孔と、前記防潮板に形成されたネジ穴と、前記固定孔及び前記ネジ穴に螺入されて前記ネジ穴に締結されるボルトとで構成され、前記ネジ穴及び前記ボルトが、前記防潮板の屋外側の表面まで達していないことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の開閉装置。
- 前記設置面には、前記各ガイドレール間に亘って溝が形成され、当該溝に前記防潮板の下端部が着座することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の開閉装置。
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