JP6256916B2 - マイクロホン - Google Patents

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Description

本発明は、マイクロホンに関するものである。
エレクトレットコンデンサマイクロホンは、構成を小型化することができるため、ピンマイクや会議室用のグースネックマイクロホンなどに利用されている。
このようなグースネックマイクロホンには、マイクロホンユニットの近傍に回路基板を内蔵しているものがよく知られている。前記回路基板は、インピーダンス変換器、音質調整回路、平衡出力回路などの電子回路を構成する。
マイクロホンユニットの近傍に電子回路を内蔵しているグースネックマイクロホンは、各回路間の配線が短いため外部の電磁波によるノイズを受けにくい。
しかし、従来のグースネックマイクロホンでは、回路基板を収納するケースを小型化しようとすると、ケースに回路基板を固定する構造を設けることが難しかった。
そのため、小型化された従来のグースネックマイクロホンにおいて、回路基板は、単にケース内部に収められるだけか、あるいは、防振用のスポンジなどを介してケース内部に入れられるだけである。つまり、小型化された従来のグースネックマイクロホンにおいて、そのケース内部での回路基板の固定が不十分であった。
また、回路基板とケースの間を配線することが困難であり、回路基板とケースの間の電気的接続が不十分であった。このため、従来のグースネックマイクロホンでは、接点のインピーダンスを十分に低くできず、回路基板の接地が不十分であった。その結果、従来のグースネックマイクロホンには、高周波電流による雑音の発生、外来ノイズの影響を排除しきれていないという問題があった。
また、従来のグースネックマイクロホンではケース内における回路基板の固定強度が不十分であったことから、ケース内における回路基板の安定性が低いことや生産性が悪いこと、などの問題があった。
なお、グースネックマイクロホンにおいて、外乱電磁波に起因する雑音の発生を抑制する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に開示された技術は、出力モジュール部にシールドを形成するものであり、ケースに対する回路基板の固定強度を向上することにより回路基板とケースとの電気的接続を高めるものではなかった。
特開2012−222774号公報
本発明は、回路基板を収容するケースと回路基板との固定強度を向上することができるマイクロホンを提供することを目的とする。
本発明は、電子回路を実装する回路基板と、この回路基板とマイクロホンユニットとを収容するケースと、を有してなるマイクロホンであって、ケースは、弾性を有する筒であって、回路基板は、短手方向の寸法がケースの内径と略同寸の略矩形であり、長手方向の辺がケース内に接触する接触部を備える、ことを特徴とする。
本発明によれば、回路基板を収容するケースと回路基板との固定強度を向上することができる。
本発明に係るマイクロホンの実施の形態を示す側面図である。 図1のマイクロホンのマイクロホン本体を示す側断面図である。 図2のマイクロホン本体の正面図である。 図2のマイクロホン本体のケースを示す側断面図である。 図4のケースの横断面図である。 図2のマイクロホン本体の回路基板を示す側面図である。 図6の回路基板の横断面図である。 図2のマイクロホン本体のテールピースを示す側断面図である。 図2のマイクロホン本体の組み立て工程を示す分解側断面図である。 図4のケースに図6の回路基板を組み付ける際の横断面図である。 図4のケースに図6の回路基板を組み付けた際の横断面図である。 図11のケースと回路基板との接触部分を拡大した状態を示す横断面図である。
以下、本発明に係るマイクロホンの実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係るマイクロホンの実施の形態を示す側面図である。図1はグースネックマイクロホンを例に示している。同図に示すように、マイクロホン1は、後述するマイクロホンユニットや回路基板などを有するマイクロホン本体20と、マイクロホン本体20を支持する支持パイプ40とを有する。
また、マイクロホン1は、支持パイプ40を支持するフレキシブルパイプ30と、不図示の出力コネクタを有しフレキシブルパイプ30を支持する基部筐体10とを有する。
図2は、図1のマイクロホン1のマイクロホン本体20を示す側断面図である。同図に示すように、マイクロホン本体20は、両端に開口部を備え、マイクロホン本体20の外形形状を定める円筒形のケース21を有する。マイクロホン本体20のケース21の内部には、マイクロホン1の電気回路を構成する回路基板22が収容されている。
マイクロホン本体20のケース21の支持パイプ40側の開口部には、この開口部を塞ぐようにテールピース23が取り付けられている。また、ケース21のテールピース23が取り付けられている側の反対側(先端側)には、マイクロホンユニット26を覆うユニットケース24が取り付けられている。
図3は、図2のマイクロホン本体20の正面図である。図2,3に示すように、ユニットケース24には、マイクロホンユニット26への音波の導入を行うための前部音響端子27と後部音響端子28が設けられている。
次に、以上説明したマイクロホン本体20を構成する部品について具体的に説明する。
図4は、図2のマイクロホン本体20のケース21を示す側断面図である。同図に示すように、ケース21は、長手方向の両端に開口部を有する略円筒形の中空の部材である。ケース21は、例えば厚さ0.5mm程度の真鍮などの弾性変形可能な導電性部材以下「弾性を有する部材」ともいう。)により形成されている。ケース21の支持パイプ40側の開口部付近の側面には、テールピース23を固定する不図示のネジを挿入する孔211が設けられている。
また、ケース21を構成する弾性を有する部材は、金属に限定されず、プラスティックなどの樹脂であってもよい。樹脂で構成されるケース21は、少なくともその内壁が鍍金(メッキ)により導電性である必要がある。さらに、ケース21の外壁も鍍金され、外壁と内壁が導通していることで、静電シールドの効果が向上する。このようなケース21を用いることで、軽いマイクロホンを提供できる。
図5は、図4のケース21の横断面図である。同図に示すように、ケース21は、静的な状態(ケース21の短手方向に外力が加えられていない状態)における内面の直径(内径)Dが、回路基板22の短手方向の寸法と同寸または略同寸の略円形である。
図6は、図2のマイクロホン本体の回路基板22を示す側面図である。同図に示すように、回路基板22は、例えばPCB(Printed Circuit Board)などの矩形または略矩形の基板である。回路基板22は、ケース21内に収容することができるように、短手方向の寸法Wがケース21の内径Dに対応した値(同寸または略同寸)である。
回路基板22の平面部には、導電パターン形成部221が形成されている。導電パターン形成部221には、不図示の電子部品が実装されることにより、インピーダンス変換器、音質調整回路、平衡出力回路などの電子回路が構成される。ここで、導電パターン形成部221は、回路基板22の片面または両面に形成されている。導電パターン形成部221が回路基板22の両面に形成されている場合には、片面の導電パターン形成部221をベタパターンとすることで、グランドパターンを形成することもできる。
図7は、図6の回路基板22の横断面図である。図6,7に示すように、回路基板22の長手方向の側面付近の端部には、導電性を有する接触部222が形成されている。接触部222は、回路基板22の導電パターン形成部221のグランドと接続している。また、接触部222は、回路基板22がケース21内に収容されたときにケース21の内面に接触するように、回路基板22の厚さ方向の端縁部に設けられている。
回路基板22の接触部222とケース21の内面とが接触することにより、回路基板22のグランドがケース21と電気的に接続される。その結果、回路基板22のグランドとケース21が同電位になり、回路基板22のグランドが基準電位と同じになる。
接触部222は、回路基板22の長手方向の側面全体に対して連続的に形成してもよいし、あるいは断続的に形成してもよい。また、接触部222は図7の例に限らない。例えば、銅箔テープなどによって接触部222が構成され、銅箔テープ等が回路基板22のグランドと半田で導通していてもよい。
図8は、図2のマイクロホン本体のテールピース23を示す側断面図である。同図に示すように、テールピース23の一端には、ケース21の開口部に嵌めこまれる嵌合部231が設けられている。また、テールピース23には、嵌合部231から反対側のテールピース23の長手方向端部までを貫く中空部232が設けられている。テールピース23は、嵌合部231の形状が円筒形であり、残りの部分の外形は、端部に向かって連続的に径が小さくなるテーパー形である。
中空部232には、不図示のワイヤなどを通過させることができる。中空部232には段部233が形成されている。中空部232は、段部233を境にケース21側が大径部、支持パイプ40側が小径部になっている。テールピース23の嵌合部231の側面には、ケース21の孔211から挿入されたネジがねじ込まれるネジ孔234が設けられている。
テールピース23の嵌合部231横断面の形状は、ケース21の開口部の形状に対応した真円または真円に近い楕円形などの略円形である。具体的には、嵌合部231の短手方向の形状は、短軸と長軸を持った楕円であり、この楕円の長軸の径はケース21の内径Dよりわずかに大きい。テールピース23は、ケース21に嵌合しやすいように、硬質プラスティックなどの弾性体により形成されている。
テールピース23の嵌合部231のケース21側の端部には、回路基板22が嵌るように溝235が切られていてもよい。溝235は、テールピース23の横断面の中心線を通る線分に沿って設けられている。溝235に回路基板22を嵌めることによって、回路基板22のケース21内における位置決めをすることができる。
●マイクロホン本体の組み立て工程
次に、マイクロホン本体20の組み立て工程について説明する。
図9は、図2のマイクロホン本体20の組み立て工程を示す分解側断面図である。同図に示すように、マイクロホン本体20のケース21の開口部の一方には、ユニットケース24が嵌め込まれている。ケース21の他方の開口部からは、回路基板22をケース21内部に挿入し、その後にテールピース23を嵌め込む。
図10は、図4に示すケース21に図6に示す回路基板22を組み付ける際の横断面図である。同図に示すように、回路基板22をケース21の内部に挿入する際には、ケース21の両側方から外力を加えることにより、ケース21の横断面形状を楕円形に変形させる。
図10において、ケース21の横断面形状は、回路基板22の短手方向に対応する方向の径がD2(D2>W、D2>D)で楕円の長軸となり、回路基板22の短手方向に垂直の方向の径がD1(D1<W、D1<D)で楕円の短軸となる。ケース21は、塑性変形しない(降伏点を超えない)程度に弾性変形させることができる。
図11は、図4のケースに図6の回路基板を組み付けた後の横断面図である。同図に示すように、回路基板22をケース21に挿入後、側方からの外力を除去することにより、ケース21の横断面形状は、内径Dの円形に復元する。
図12は、図11の部分拡大図である。同図に示すように、マイクロホン本体20において、回路基板22が円筒形のケース21の中心点を通る仮想の直線(直径)上に配置されている。回路基板22の接触部222は、円形のケース21の内面と接触して、ケース21内における位置が固定される。
ケース21の内部に回路基板22を挿入後、開口部に略円形のテールピース23を嵌め込む。このようにテールピース23を開口部に嵌め込むことにより、回路基板22の挿入によって楕円形となっているケース21の形状を変形させる力が加えられる。
テールピース23の嵌合部231は、横断面における外周の形状がわずかに楕円形になっていてもよい。ケース21の開口部に嵌合部231を嵌め込むとき、テールピース23は、嵌合部231の長軸方向を回路基板22と直交する方向にする。嵌合部231の短軸方向に回路基板22があることにより、回路基板22は十分大きな強度でケース21内に固定される。
なお、本発明に係るマイクロホンは、以上説明した本実施の形態に示された具体的手段や構造等に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において変更が可能である。
●実施の形態の効果●
以上説明したように、本実施の形態に係るマイクロホン本体20によれば、以下の効果を得ることができる。
すなわち、マイクロホン本体20によれば、弾性を有する材質により形状されているケース21を変形させて回路基板22を挿入することで、ケース21と回路基板22との固定強度を向上させることができる。
つまり、本実施例に係るマイクロホン本体20によれば、ケース21の振動を回路基板22が抑えることができるので、ケース21から生じる振動による雑音を抑制することができる。言い換えれば、本実施例に係るマイクロホン本体20は、ケース21の固有振動を防止することができる。
また、本実施例に係るマイクロホン本体20によれば、従来のマイクロホン本体において回路基板の固定に用いられていたスポンジなどの振動吸収材を不要とすることができる。
また、本実施例に係るマイクロホン本体20によれば、ケース21に回路基板22を容易に固定することができる。つまり、マイクロホン本体20によれば、回路基板22を挿入することにより、ケース21の内部の径方向に骨組みを入れたのと同等の剛性の向上効果を得ることができる。マイクロホン本体20によれば、剛性の向上により、電気的容量成分が安定するため、静電容量変化による雑音を低減させることができる。
また、マイクロホン本体20によれば、ケース21は、横断面形状が略円形であるため、外力により変形させることにより矩形の回路基板22を容易に挿入することができる。
また、マイクロホン本体20によれば、導電性を有するケース21と、導電パターンを有する回路基板22の接触部222とが接触することにより、電磁シールド性を向上させることができる。
また、マイクロホン本体20によれば、ケース21の横断面形状に対応した形状(円形または楕円形)のテールピース23をケース21の長手方向の一端に取り付けることにより、ケース21の横断面形状を変形させることができる。
また、マイクロホン本体20によれば、テールピース23には、回路基板22が嵌め込まれる溝があるため、回路基板22を確実に保持することができる。
1 マイクロホン
10 基部筐体
20 マイクロホン本体
21 ケース
22 回路基板
23 テールピース
26 マイクロホンユニット
24 ユニットケース
27 前部音響端子
28 後部音響端子
30 フレキシブルパイプ
40 支持パイプ
211 孔
221 導電パターン形成部
222 接触部
231 嵌合部
232 中空部
233 段部
234 ネジ孔

Claims (12)

  1. 電子回路を実装する回路基板と、
    前記回路基板とマイクロホンユニットとを収容するケースと、
    を有してなるマイクロホンであって、
    前記ケースは、弾性を有する筒であって、
    前記回路基板は、短手方向の寸法が前記ケースの内径と略同寸の略矩形であり、長手方向の辺に前記ケース内に接触させる接触部を備える、
    ことを特徴とするマイクロホン。
  2. 前記ケースは、横断面形状が略円形である、
    請求項1記載のマイクロホン。
  3. 前記ケースの内壁は、導電性を有し、
    前記回路基板は、前記接触部に導電パターンを有する、
    請求項1または2記載のマイクロホン。
  4. 前記導電パターンは、前記接触部に連続的に形成されている、
    請求項3記載のマイクロホン。
  5. 前記導電パターンは、前記接触部に断続的に形成されている、
    請求項3記載のマイクロホン。
  6. 前記ケースは、金属製の筒である、
    請求項1乃至5のいずれかに記載のマイクロホン。
  7. 前記ケースは、樹脂製の筒であり、
    前記ケースの内壁はメッキによる導電性を有している、
    請求項1乃至5のいずれかに記載のマイクロホン。
  8. 前記ケースの長手方向の一端に取り付けられ、前記ケースの横断面形状に対応した形状のテールピースを有する、
    請求項1乃至7のいずれかに記載のマイクロホン。
  9. 前記テールピースは、楕円形である、
    請求項8記載のマイクロホン。
  10. 前記テールピースは、前記ケースに取り付けられる部分の長軸方向の長さが前記ケースの内径よりわずかに大きい、
    請求項8記載のマイクロホン。
  11. 前記テールピースは、弾性体である、
    請求項8乃至10のいずれかに記載のマイクロホン。
  12. 前記テールピースは、前記ケースに取り付けられる部分の断面の中心線を通る線分に沿って溝が形成されていて、
    前記溝には、前記回路基板が嵌め込まれる、
    請求項8乃至11のいずれかに記載のマイクロホン。
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