JP6256577B2 - ジオールの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ジオールの製造方法に関する。本発明は、また、ジオールを含む組成物にも関する。
特許文献1には、酸化オレフィンを水と、適当には酸性または塩基性の触媒を使用して反応させることにより、酸化オレフィンを1,2−ジオールまたは1,2−ジオールエーテルへ転化させることが記載されている。
非特許文献1には、酢酸エチル、アセトニトリル及び水の混合溶媒中において、三塩化ルテニウム及び酸を使用して、ケイ皮酸メチル等のオレフィンを酸化させることにより、ジオールを製造したこと等が記載されている。
特表2010−527748号公報
B. Plietker, M. Niggemann, 「An Improved Protocol for the RuO4−Catalyzed Dihydroxylation of Olefins」,Org. Lett., 2003, 3353−3356.
本発明は、特定の構造を有するジオールを、高い選択性を損なうことなく、高い収率で製造できる方法を提供することを目的とする。
本発明は、ルテニウム化合物の存在下に、式(1)
Figure 0006256577
(式中、Rは電気陰性度が3.0〜5.0である基、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、シアノ基又は置換基を有していてもよいアルキル基)で示されるオレフィンを酸化させて、式(2)
Figure 0006256577
(式中、R〜Rは上記と同じ)で示されるジオールを製造することを特徴とするジオールの製造方法である。(以下、「本発明の第1の製造方法」又は「第1の製造方法」ということがある。)
本発明の第1の製造方法において、R〜Rは、いずれか1つが水素原子であることが好ましい。
本発明の第1の製造方法において、R〜Rは、いずれか2つが水素原子であることが好ましい。
本発明の第1の製造方法において、R〜Rは、いずれもが水素原子であることが好ましい。
本発明の第1の製造方法において、上記オレフィンを酸化させた後、上記ルテニウム化合物を回収することができる。
本発明はまた、ルテニウム化合物の存在下に、式(3)
Figure 0006256577
(式中、Rはシアノ基又は置換基を有していてもよいアルキル基、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、シアノ基又は置換基を有していてもよいアルキル基)で示されるオレフィンを酸化させて、式(4)
Figure 0006256577
(式中、R〜Rは上記と同じ)で示されるジオールを製造することを特徴とするジオールの製造方法でもある。(以下、「本発明の第2の製造方法」又は「第2の製造方法」ということがある。)
本発明の第2の製造方法において、R〜Rは、いずれか1つが水素原子であることが好ましい。
本発明の第2の製造方法において、R〜Rは、いずれか2つが水素原子であることが好ましい。
本発明の第2の製造方法において、R〜Rは、いずれもが水素原子であることが好ましい。
本発明の第2の製造方法において、上記オレフィンを酸化させた後、上記ルテニウム化合物を回収することができる。
本発明はまた、式(4)
Figure 0006256577
(式中、Rはシアノ基又は置換基を有していてもよいアルキル基、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、シアノ基又は置換基を有していてもよいアルキル基)で示されるジオール、並びに、式(5)
−COOH
(式中、Rは上記と同じ)で示される酸化合物を含む組成物であって、
上記組成物に対して上記酸化合物が1000〜10000ppmであることを特徴とする組成物でもある。
本発明の第1の製造方法は、上記構成を有することから、特定の構造を有するジオールを、高い選択性を損なうことなく、高い収率で製造することができる。
本発明の第2の製造方法は、上記構成を有することから、特定の構造を有するジオールを、高い選択性を損なうことなく、高い収率で製造することができる。
本発明の組成物は、上記構成を有しているので、分液操作の際、抽出しやすいという有利な効果を奏する。従って、高純度の目的物を得るに好適に利用可能である。
以下、本発明を具体的に説明する。
第1の製造方法は、ルテニウム化合物の存在下に、式(1)で示されるオレフィンを酸化させて、式(2)で示されるジオールを製造する。
上記オレフィンは、式(1)
Figure 0006256577
(式中、Rは電気陰性度が3.0〜5.0である基、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、シアノ基又は置換基を有していてもよいアルキル基)で示される。
上記電気陰性度は、3.3以上が好ましく、4.6以下が好ましい。
上記電気陰性度は、J.Phys.Chem.,1965,69,3284−3291に記載の方法により算出できる。
としては、シアノ基又はフッ素原子を有するアルキル基が好ましく、フッ素原子を有するアルキル基がより好ましい。上記フッ素原子を有するアルキル基の炭素数としては、1〜10が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3が更に好ましく、1又は2が特に好ましい。Rとしては、−CF、−CN、−C、−CHCF、−CHCF、−CHCF−CHCFH、−CH(CF、及び、−CF(CFからなる群より選択される少なくとも1種が更に好ましい。
いくつかの基の電気陰性度を参考として記載する。
−CF:3.46
−CFCF:3.4
−CF(CF:3.38
−CN:3.84
−CH:2.27
上記置換基としては、ヘテロ原子を含んでいてもよい、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、エーテル基、エステル基、アミド基等が挙げられ、シアノ基、アリール基、フッ素原子又は塩素原子が好ましく、シアノ基又はフッ素原子がより好ましく、フッ素原子が更に好ましい。
〜Rとしては、水素原子、シアノ基又はフッ素原子を有するアルキル基が好ましく、水素原子又はフッ素原子を有するアルキル基がより好ましい。上記フッ素原子を有するアルキル基の炭素数としては、1〜10が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3が更に好ましく、1又は2が特に好ましい。
〜Rは、いずれか1つが水素原子であることが好ましく、いずれか2つが水素原子であることがより好ましく、いずれもが水素原子であることが更に好ましい。
上記ジオールは、式(2)
Figure 0006256577
(式中、R〜Rは上記と同じ)で示される。
上記ジオールとしては、具体的には、CF−CHOH−CHOH、CFH−CHOH−CHOH、CFH−CHOH−CHOH、CFCF−CHOH−CHOH、CFHCH−CHOH−CHOH、CFHCH−CHOH−CHOH、NC−CHOH−CHOH、CHOH−CHOH−CHCN、CFCH−CHOH−CHOH、(CFCF−CHOH−CHOH等が挙げられる。
第1の製造方法は、CF−CHOH−CHOH、NC−CHOH−CHOH、CFCF−CHOH−CHOH、CFCH−CHOH−CHOH、(CFCF−CHOH−CHOH等のジオールを製造する方法として、特に好適である。
第2の製造方法は、ルテニウム化合物の存在下に、式(3)で示されるオレフィンを酸化させて、式(4)で示されるジオールを製造する。
上記オレフィンは、式(3)
Figure 0006256577
(式中、Rはシアノ基又は置換基を有していてもよいアルキル基、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、シアノ基又は置換基を有していてもよいアルキル基)で示される。
としては、フッ素原子を有するアルキル基が好ましい。上記フッ素原子を有するアルキル基の炭素数としては、10以下が好ましく、5以下がより好ましく、3以下が更に好ましく、2以下が更により好ましく、1以上であってよい。
は、直鎖状又は分岐鎖状のフッ素原子を有するアルキル基であってよい。
特に、高い選択性を損なうことなく、高い収率が実現できることから、Rとしては、−CF、−CFH、−CFH、−CHCF、−CFCF、−CH(CF、−CF(CF、−CH、−CFCFH、−CFCFH、−CFHCF、−CFHCFH、−CFHCFH、−CHCFCF、−CHCFCFH、及び、−CFCFCFからなる群より選択される少なくとも1種がより好ましく、−CFが更に好ましい。
上記置換基としては、ヘテロ原子を含んでいてもよい、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、エーテル基、エステル基、アミド基等が挙げられ、シアノ基、アリール基、フッ素原子又は塩素原子が好ましく、シアノ基又はフッ素原子がより好ましく、フッ素原子が更に好ましい。
〜Rとしては、水素原子、シアノ基又はフッ素原子を有するアルキル基が好ましく、水素原子又はフッ素原子を有するアルキル基がより好ましい。上記フッ素原子を有するアルキル基の炭素数としては、1〜10が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3が更に好ましく、1又は2が特に好ましい。
〜Rは、いずれか1つが水素原子であることが好ましく、いずれか2つが水素原子であることがより好ましく、いずれもが水素原子であることが更に好ましい。
上記ジオールは、式(4)
Figure 0006256577
(式中、R〜Rは上記と同じ)で示される。
上記ジオールとしては、具体的には、CF−CHOH−CHOH、CFH−CHOH−CHOH、CFH−CHOH−CHOH、CFCF−CHOH−CHOH、CFHCH−CHOH−CHOH、CFHCH−CHOH−CHOH、NC−CHOH−CHOH、CHOH−CHOH−CHCN、CFCH−CHOH−CHOH、(CFCF−CHOH−CHOH、CF−CHOH−CH(OH)CF3、CF−CHOH−CH(OH)CH等が挙げられる。
第2の製造方法は、CF−CHOH−CHOH、CFCF−CHOH−CHOH、CFCH−CHOH−CHOH、(CFCF−CHOH−CHOH、CF−CHOH−CH(OH)CF3、CF−CHOH−CH(OH)CH等のジオールを製造する方法として、特に好適である。
ルテニウム化合物は強力な酸化剤であり、アルケンを酸化してケトンやカルボン酸を生成させることが知られている。また、ジオールを酸化して、カルボン酸などを生成させることが知られている。従って、高い選択性を求めてジオールを生成しようとした場合、三塩化ルテニウムを使用することは避けるべきと信じられた。しかしながら、本発明者らが特定の構造を有するジオールを製造するための製造方法を鋭意検討したところ、特定のオレフィンをルテニウム化合物を使用して酸化させると、予想に反して、ケトンやカルボン酸への酸化が進行しにくく、ジオールが高収率で得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記ルテニウム化合物としては、ビス(シクロペンタジエニル)ルテニウム(0)、ビス(エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)、カルボニルクロロヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム(II)、カルボニル(ジヒドリド)トリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム(II)、クロロ(1,5−シクロオクタジエン)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II)、クロロ(シクロペンタジエニル)ビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム(II)、ジクロロ(ベンゼン)ルテニウム(II)ダイマー、ジクロロ(p−シメン)ルテニウム(II)ダイマー、ジクロロ(p−シメン)トリシクロヘキシルホスフィンルテニウム(II)、ジクロロジカルボニルビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム(II)、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム(II)、ルテニウム(III)アセチルアセトナート、塩化ルテニウム(III)、沃化ルテニウム(III)、酸化ルテニウム(II)、酸化ルテニウム(IV)等が挙げられる。中でも、塩化ルテニウム(III)、酸化ルテニウム(II)、酸化ルテニウム(IV)が好ましく、塩化ルテニウム(III)がより好ましい。
上記ルテニウム化合物の使用量は、ジオール化が進行する適切な量であればよいが、例えば、オレフィン1モルに対して、通常、0.00001〜2.0モルであり、0.0001〜1モルであることが好ましく、0.001〜0.1モルであることがより好ましい。
上記酸化は、−50℃〜50℃で行うことが好ましく、より好ましくは−40〜40℃、更に好ましくは−30℃〜30℃、特に好ましくは−20℃〜20℃、最も好ましくは−10〜10℃である。
上記酸化に要する時間は特に限定されないが、通常、0.1〜120分であり、1〜20分であることが好ましい。
上記ルテニウム化合物のルテニウムは、反応中に価数が変わってもよい。上記オレフィンを酸化することによってルテニウムが還元され、ルテニウムの酸化価数が減少した場合は、上記ルテニウム化合物を酸化させる酸化剤を使用したり、上記ルテニウム化合物を電気分解したりすることにより、上記ルテニウム化合物のルテニウムの酸化価数を元に戻すことができる。ルテニウムの酸化価数を戻すことによって、上記ルテニウム化合物の使用量を削減できる。
上記ジオールを得る工程では、上記ルテニウム化合物の使用量を低減するため、上記ルテニウム化合物とは異なる酸化剤を使用してもよい。上記酸化剤は、上記ルテニウム化合物とは異なる酸化剤であれば、上記ルテニウム化合物を酸化させる酸化剤(再酸化剤)であってもよいし、上記オレフィンを酸化させる酸化剤であってもよい。
上記ルテニウム化合物とは異なる上記酸化剤を使用する場合、上記ルテニウム化合物の使用量は、0.0001〜1モルであることが好ましく、0.001〜0.1モルであることがより好ましい。
上記ルテニウム化合物とは異なる上記酸化剤を使用しない場合、上記ルテニウム化合物の使用量は、1モル超2モル以下であることが好ましい。
上記ルテニウム化合物とは異なる上記酸化剤としては、過ハロゲン酸塩、ハロゲン酸塩、亜ハロゲン酸塩、次亜ハロゲン酸塩、過酸化水素、オゾン、過マンガン酸塩、クロム酸塩、二クロム酸塩等を用いることが好ましい。より好ましくは過ハロゲン酸塩であり、例えば、過ヨウ素酸ナトリウム、(メタ)過ヨウ素酸カリウム等の過ヨウ素酸塩が好ましい。また次亜塩素酸ナトリウムなどの次亜ハロゲン酸塩も好ましい。
上記ルテニウム化合物とは異なる上記酸化剤の使用量は、ジオール化が進行する適切な量であればよいが、例えば、オレフィン1モルに対して、通常、0.1〜5.0モルであり、0.5〜2.0モルが好ましく、1.0〜1.5モルがより好ましい。上記酸化剤の使用量が少な過ぎるとジオール化が進行しにくくなるおそれがあり、多過ぎると、酸化開裂が進行してジオールが得られにくくなるおそれがある。
上記酸化は、反応溶媒中で行うことが好ましい。上記反応溶媒としては、水、有機溶媒等が挙げられる。但し、有機溶媒としては酸化反応に影響を受けない溶媒を使用する。
上記有機溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、クロロホルム、四塩化炭素、アセトニトリル、プロピオニトリル、アニポニトリル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸ブチルなどが挙げられ、好ましくはTHF、ジクロロメタン、四塩化炭素、アセトニトリル、酢酸エチルを挙げることができる。
反応溶媒を用いる場合、その使用量は、上記オレフィンに対して、通常0.01〜10重量倍、好ましくは0.1〜2重量倍の範囲である。
上記酸化において、反応溶媒として水を用いることが好ましい。すなわち、第1及び第2の製造方法において、水及びルテニウム化合物の存在下に、上記オレフィンを酸化させることが好ましい。
上記反応溶媒は、水に加えて、水溶性溶媒を含むこともできる。水と上記水溶性溶媒との体積比としては、10:90〜90:10が好ましく、20:80〜80:20がより好ましく、30:70〜70〜30が更に好ましい。
上記反応溶媒は、水に加えて、疎水性溶媒を含むこともできる。水と上記疎水性溶媒との体積比としては、10:90〜90:10が好ましく、20:80〜80:20がより好ましく、30:70〜70〜30が更に好ましい。
また、上記酸化は、水相と油相(上記有機溶媒等)とから構成される二相系中で行うことが好ましい。二相系中で反応が行われることにより、反応が速やかに進行する。水相と油相との体積の割合は通常1:1000〜1000:1、より好ましくは1:500〜500:1、更に好ましくは1:100〜100:1、更により好ましくは1:50〜50:1、特に好ましくは1:10〜10:1であるが特にこれに限るものではない。
上記酸化では、水相と油相(上記有機溶媒等)とから構成される二相系中での反応における相間移動触媒を用いることができる。例えば、18−クラウン−6、15−クラウン5、12−クラウン−4などのクラウンエーテル類、テトラブチルアンモニウムフルオリド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムヨージドなどの4級アンモニウム塩類が挙げられる。
より高い選択性が得られることから、上記酸化を酸の存在下で行うこともできる。上記酸としては、酢酸、トリフルオロ酢酸、硫酸、塩酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、硝酸等が挙げられ、2種類以上酸を混合してもよい。なかでも、硫酸が好ましい。硫酸は濃硫酸であってよい。
第1及び第2の製造方法は、更に、酸化により得られた上記ジオールを蒸留する工程を含むものであってもよい。
第1及び第2の製造方法において、更に、上記オレフィンを酸化させた後、上記ルテニウム化合物を回収してもよい。回収した上記ルテニウム化合物は、上記オレフィンの酸化に再利用できる。上記回収は、例えば、上記ルテニウム化合物と上記ジオールとを任意の手段で分離した後、上記ルテニウム化合物及び所望により上記反応溶媒を含む組成物をろ過することにより、上記ルテニウム化合物をろ物として回収し、必要に応じて洗浄及び乾燥し、上記ルテニウム化合物を活性化させることにより実施できる。
本発明の組成物は、式(4)
Figure 0006256577
(式中、Rはシアノ基又は置換基を有していてもよいアルキル基、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、シアノ基又は置換基を有していてもよいアルキル基)で示されるジオール、並びに、式(5)
−COOH
(式中、Rは上記と同じ)で示される酸化合物を含む組成物であって、上記組成物に対して上記酸化合物が1000〜10000ppmであることを特徴とする。
〜Rは、第2の製造方法において説明したとおりである。
上記組成物中に存在する、式(4)で示されるジオールの割合は、30〜99.99質量%が好ましく、50〜99.95質量%がより好ましく、80〜99.9質量%が更により好ましい。
上記酸化合物の量は、2000ppm以上が好ましい。
上記酸化合物の量は、19F―NMR又はH―NMRにより測定できる。
つぎに本発明を実施例をあげて説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
過ヨウ素酸ナトリウム22.5g(105mmol)、水30mLを仕込み、0〜5℃にて撹拌を行った。温度を保ち、塩化ルテニウム(III)71.5mg(0.35mmol)、酢酸エチル100mL、アセトニトリル100mLを加えた後に3,3,3−トリフルオロプロペン6.7g(70mmol)を添加し、5〜10分撹拌した。分液、蒸留操作を行い、転化率98.3%、選択性80.3%、収率78.9%でCF−CHOH−CHOH及びトリフルオロ酢酸を含む組成物を得た。上記組成物に対するトリフルオロ酢酸の含有量は合計で2500ppmであった。
実施例2
過ヨウ素酸ナトリウム22.5g(105mmol)、水30mLを仕込み、0〜5℃にて撹拌を行った。温度を保ち、塩化ルテニウム(III)71.5mg(0.35mmol)、酢酸エチル100mL、アセトニトリル100mLを加えた後に、濃硫酸1.4g(14mmol)を加え、3,3,3−トリフルオロプロペン6.7g(70mmol)を添加し、5〜10分撹拌した。分液、蒸留操作を行い、転化率97.2%、選択性97.8%、収率95.1%でCF−CHOH−CHOH及びトリフルオロ酢酸を含む組成物を得た。上記組成物に対するトリフルオロ酢酸の含有量は合計で1700ppmであった。
実施例3
過ヨウ素酸ナトリウム22.5g(105mmol)、水30mLを仕込み、0〜5℃にて撹拌を行った。温度を保ち、塩化ルテニウム(III)71.5mg(0.35mmol)、酢酸エチル100mL、アセトニトリル100mLを加えた後にアクリロニトリル3.7g(70mmol)を添加し、5〜10分撹拌した。分液、蒸留操作を行い、転化率97.6%、選択性82.3%、収率80.3%でNC−CHOH−CHOH及びシアノギ酸を含む組成物を得た。上記組成物に対するシアノギ酸の含有量は3500ppmであった。
比較例1
フェリシアン化カリウム(155mmol)、水120mL、t−ブチルアルコール120mL、オスミウム酸カリウム二水和物261mg(0.71mmol)を仕込み、0〜5℃にて撹拌を行った。そこへ3,3,3−トリフルオロプロペン6.7g(70mmol)を添加し、17時間程度撹拌した。その後抽出、蒸留を行い、転化率40.2%、選択性88.4%、収率35.5%でCF−CHOH−CHOH及びトリフルオロ酢酸を含む組成物を得た。上記組成物に対するトリフルオロ酢酸の含有量は合計で500ppmであった。
実施例1、2及び比較例1において、上記転化率は、オレフィン(例えば実施例1では3,3,3−トリフルオロプロペン)の転化率であり、19F−NMRで測定する。上記選択性は、19F−NMRにより測定する。上記転化率及び選択性の積を収率とした。結果を表1に示す。
実施例3において、上記転化率は、アクリロニトリルの転化率であり、H−NMRで測定する。上記選択性は、H−NMRにより測定する。上記転化率及び選択性の積を収率とした。結果を表2に示す。
Figure 0006256577
Figure 0006256577

Claims (5)

  1. ルテニウム化合物の存在下に、式(3)
    Figure 0006256577
    (式中、R−CF 、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、シアノ基又は置換基を有していてもよいアルキル基)で示されるオレフィンを酸化させて、式(4)
    Figure 0006256577
    (式中、R〜Rは前記と同じ)で示されるジオールを製造することを特徴とするジオールの製造方法。
  2. 〜Rは、いずれか1つが水素原子である請求項記載の製造方法。
  3. 〜Rは、いずれか2つが水素原子である請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 〜Rは、いずれもが水素原子である請求項1、2又は3記載の製造方法。
  5. 前記オレフィンを酸化させた後、前記ルテニウム化合物を回収する請求項1、2、3又は4記載の製造方法。
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