JP2015063501A - 5−X(X=F,Cl,Br)−1,2−ベンズヨードキソール−3−(1H)−オン部位を有する新規超原子価ヨウ素化合物 - Google Patents

5−X(X=F,Cl,Br)−1,2−ベンズヨードキソール−3−(1H)−オン部位を有する新規超原子価ヨウ素化合物 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、3価の超原子価ヨウ素化合物を用いる酸化反応において、反応性に優れ、かつ副生する1価のヨウ素化合物を抽出操作により容易に除去、回収することができる新規3価超原子価ヨウ素化合物の開発にある。
【解決手段】上記課題解決のため、5−X(X=ふっ素原子、塩素原子、または臭素原子)−1,2−ベンズヨードキソール−3−(1H)−オン部位を有する新規3価超原子価ヨウ素化合物を開発した。このことにより従来の3価の超原子価ヨウ素化合物では酸化できなかった化合物も酸化できるようになり、また酸化反応終了後に副生する1価のヨウ素化合物は洗浄と抽出操作により除去、回収されることになり、課題を解決した。
【選択図】なし

Description

本発明は5−X(X=F,Cl,Br)−1,2−ベンズヨードキソール−3−(1H)−オン部位を有する新規超原子価ヨウ素化合物に関するものであって、有機合成の属する分野、および他の分野で要求される反応試剤に供するものである。
第一級アルコールをアルデヒドに、第二級アルコールをケトンに酸化する反応は有機合成上最も重要な反応の一つであり、古くはJones試薬、Sarett試薬、Collins試薬など酸化クロムを利用する酸化剤が用いられてきた。このアルコールからアルデヒドあるいはケトンへの酸化反応は、より効率的な酸化法の開発を志向して活発な研究が行われ、数多くの優れた方法が次々と開発されている。例えば、E.J.Coreyらはジクロロメタン中、ピリジニウムクロロクロマート(以下、PCC)を用いてアルコールを酸化し、高収率でアルデヒドあるいはケトンを得ている。同じくE.J.Coreyらはジクロロメタン中、ピリジニウムジクロマート(以下、PDC)を用いてデカノールを酸化し、収率98%でデカナールを得ている(非特許文献1、2)。しかしながら、これらの酸化剤は、いずれも毒性の強い重金属酸化物を酸化剤として利用している。しかも、反応終了後、重金属副生物を目的物から完全に除く操作が繁雑になると言う問題点も有している。近年、3価の超原子価ヨウ素化合物であるビス(アセトキシ)ヨードベンゼンと触媒量の2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジン1−オキシル(以下、TEMPO)を用いた系で、アリルアルコールや糖類の水酸基をアルデヒドあるいはケトンに収率よく酸化できることが報告されている(特許文献1、非特許文献3)。しかも3価の超原子価ヨウ素化合物は毒性が低い。そのため、有用な酸化剤として有機合成化学において広く用いられるようになった。3価の超原子価ヨウ素化合物の例としては、以下の構造を持つビス(アセトキシ)ヨードベンゼン、4−ニトロ−[ビス(アセトキシ)]ヨードベンゼン、および1−アセトキシ−1,2−ベンズヨードキソール−3−(1H)−オンを挙げることができる。
Figure 2015063501
特開2002−20322号公報
E.J.Corey,J.W.Suggs,Tetrahedron Lett.1975,2647. E.J.Corey,G.Schmidt,Tetrahedron Lett.1979,399. A.D.Mico,R.Margarita,L.Parlanti,A.Vescovi,G.Piancatelli,J.Org.Chem.1997,62,6974.
従来の3価の超原子価ヨウ素化合物は、毒性の低い優れた酸化剤である。しかしながら、これらの3価の超原子価ヨウ素化合物の反応性は一般に低いため、第二級アルコールの酸化には適用できないか、できたとしても収率が低くなることがある。また、これらの3価の超原子価ヨウ素化合物を用いる酸化反応では副生する1価のヨードベンゼンを目的物から除去するために、クロマトグラフィーなどの煩雑な手段を伴う場合がある。反応性が良く、かつ後処理の容易な酸化剤が求められている。
そこで、発明者は鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は構造式(1)で示される5−X(Xはふっ素原子、塩素原子、または臭素原子)−1,2−ベンズヨードキソール−3−(1H)−オン部位を有する新規超原子価ヨウ素化合物(以下、AXBX)に関するものである。
Figure 2015063501
(式中、Xはふっ素原子、塩素原子、または臭素原子。R、R、Rはそれぞれ独立した水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、iso−プロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、フェニル基、またはふっ素原子。)で示される新規超原子価ヨウ素化合物。
本発明の実施形態について説明する。本発明化合物をアルコールの酸化反応に用いると、従来の3価の超原子価ヨウ素化合物では酸化できなかった化合物でも酸化することができる。さらに、本発明化合物はクロロホルムなどの有機溶媒に容易に溶解するために扱い易い。また、参考例1−3で示すように、副生する1価の2−ヨード−5−X(Xはふっ素原子、塩素原子、または臭素原子)安息香酸は洗浄と抽出操作により容易に回収することができ、後処理が容易である。なお、AXBXは、文献未掲載の新規化合物である。以下に、AXBXの代表例として構造式(2)(以下,AFBX)、(3)(以下,ACBX)および(4)(以下,ABBX)でそれぞれ示される1−アセトキシ−5−X(Xはふっ素原子、塩素原子、または臭素原子)−1,2−ベンズヨードキソール−3−(1H)−オンの合成法を明らかにするが、これは例示であり、これに限定されるものではない。
Figure 2015063501
AFBX(2)、ACBX(3)およびABBX(4)はそれぞれ下記反応式に従って1段階で合成される。
Figure 2015063501
2−ヨード−5−X(Xはふっ素原子、塩素原子、または臭素原子)安息香酸(A)に酢酸を3−クロロ過安息香酸(mCPBA)存在下で反応させることで、AFBX(2),ACBX(3)およびABBX(4)をそれぞれ得る工程である。反応温度は、反応を進行させることができる限りにおいて限定されるものではないが、例えば室温から80℃の範囲が好ましい。反応時間は反応温度により異なるが、3時間から72時間の間で適宜選択される。
以下に、本発明の代表的例としてAFBX(2)、ACBX(3)およびABBX(4)を取り上げ、アルコール類からアルデヒドあるいはケトンへの酸化反応への応用を参考例として示し、従来の3価の超原子価ヨウ素化合物の酸化反応への応用を比較例として示すことで、本発明の有用性を明らかにする。
反応は、下記反応式に従って進行する。すなわちAXBXが酸化剤として働き、アルコール類をアルデヒドあるいはケトンに収率よく変換する。反応温度は、反応を進行させることができる限りにおいて限定されるものではないが、例えば−20℃から80℃の範囲が好ましい。反応時間は、使用する溶媒の種類、反応温度により異なるが、30分から72時間の間で適宜選択される。
Figure 2015063501
参考例1−1
4−メチルベンジルアルコール122mg(1mmol)のクロロホルム4mL溶液にAFBX(2)648mg(2mmol)を加えて60℃で24時間撹拌した。反応終了後に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液10mLを加え,クロロホルム10mLで3回抽出する。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、有機層を濃縮することで4−メチルベンズアルデヒド101mgを得た(収率84%、純度84%)。
参考例1−2
AFBX(2)の代わりにACBX(3)681mg(2mmol)を加えて参考例1−1と同様の反応操作を行い、有機層を濃縮することで4−メチルベンズアルデヒド101mgを得た(収率84%、純度83%)。
参考例1−3
AFBX(2)の代わりにABBX(4)770mg(2mmol)を加えて参考例1−1と同様の反応操作を行い,有機層を濃縮することで4−メチルベンズアルデヒド108mgを得た(収率90%、純度90%)。水層のpHを、1M塩酸15mLを用いて約2に調整する。析出した沈殿物をろ過し、減圧乾燥することで2−ヨード−5−ブロモ安息香酸593mg(収率91%)を回収した。この2−ヨード−5−ブロモ安息香酸を用いて実施例1−3と同様の反応操作を行い、析出した沈殿物をろ過し、減圧乾燥することで1−アセトキシ−5−ブロモ−1,2−ベンズヨードキソール−3−(1H)−オン(ABBX(4))649mgを得た(収率93%)。
比較例1−1
AFBX(2)の代わりにビス(アセトキシ)ヨードベンゼン322mg(1mmol)を用いて参考例1−1と同様の反応操作を行い、シルカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで4−メチルベンズアルデヒド19mgを得た(収率16%)。
比較例1−2
AFBX(2)の代わりに4−ニトロ−ビス(アセトキシ)ヨードベンゼン367mg(1mmol)を用いて参考例1−1と同様の反応操作を行い、シルカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで4−メチルベンズアルデヒド42mgを得た(収率35%)。
参考例2
4−クロロベンジルアルコール143mg(1mmol)のクロロホルム4mL溶液にABBX(4)770mg(2mmol)を加えて60℃で24時間撹拌した。反応終了後に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液10mLを加え,クロロホルム10mLで3回抽出する。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、有機層を濃縮することで4−クロロベンズアルデヒド129mgを得た(収率92%、純度92%)。
比較例2−1
ABBX(4)の代わりにビス(アセトキシ)ヨードベンゼン322mg(1mmol)を用いて参考例2と同様の反応操作を行い、シルカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで4−クロロベンズアルデヒド32mgを得た(収率23%)。
比較例2−2
ABBX(4)の代わりに4−ニトロ−ビス(アセトキシ)ヨードベンゼン367mg(1mmol)を用いて参考例2と同様の反応操作を行い、シルカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで4−クロロベンズアルデヒド49mgを得た(収率35%)。
参考例3
1−フェニル−1−プロパノール136mg(1mmol)のクロロホルム4mL溶液にABBX(4)770mg(2mmol)を加えて60℃で24時間撹拌した。反応終了後に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液10mLを加え,クロロホルム10mLで3回抽出する。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、有機層を濃縮することでプロピオフェノン113mgを得た(収率84%、純度83%)。
比較例3−1
ABBX(4)の代わりにビス(アセトキシ)ヨードベンゼン322mg(1mmol)を用いて参考例3と同様の反応操作を行い、シルカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することでプロピオフェノン27mgを得た(収率20%)。
比較例3−2
ABBX(4)の代わりに4−ニトロ−ビス(アセトキシ)ヨードベンゼン367mg(1mmol)を用いて参考例3と同様の反応操作を行い、シルカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することでプロピオフェノン42mgを得た(収率31%)。
参考例4−1
シクロドデカノール184mg(1mmol)のクロロホルム4mL溶液にAFBX(2)648mg(1mmol)を加えて60℃で24時間撹拌した。反応終了後に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液10mLを加え,クロロホルム10mLで3回抽出する。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、有機層を濃縮することでシクロドデカノン117mgを得た(収率64%、純度63%)
参考例4−2
AFBX(2)の代わりにACBX(3)を加えて参考例4−1と同様の反応操作を行い、有機層を濃縮することでシクロドデカノン129mgを得た(収率71%、純度71%)。
参考例4−3
AFBX(2)の代わりにABBX(4)を加えて参考例4−1と同様の反応操作を行い、有機層を濃縮することでシクロドデカノン142mgを得た(収率78%、純度76%)。
比較例4−1
AFBX(2)の代わりにビス(アセトキシ)ヨードベンゼン322mg(1mmol)を用いて参考例4−1と同様の反応操作を行い、シルカゲルカラムクロマトグラフィーで精製したがシクロドデカノンは痕跡量しか得られなかった。
比較例4−2
AFBX(2)の代わりに4−ニトロ−ビス(アセトキシ)ヨードベンゼン367mg(1mmol)を用いて参考例4と同様の反応操作を行い、シルカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することでシクロドデカノン9mgを得た(収率5%)。
比較例4−3
AFBX(2)の代わりに1−アセトキシ−1,2−ベンズヨードキソール−3−(1H)−オン612mg(2mmol)を用いて参考例4−1と同様の反応操作を行い、有機層を濃縮することでシクロドデカノン35mgを得た(収率19%、純度18%)。
以上のように、本発明に係るAXBXをアルコール酸化反応に用いると、従来の3価の超原子価ヨウ素化合物では酸化できなかった化合物でも酸化することができる。また、参考例1−3で示すように、副生する1価の2−ヨード−5−X(Xはふっ素原子、塩素原子、または臭素原子)−安息香酸は洗浄と抽出操作により容易に回収することができ、後処理が容易である。
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明する。なお、これは例示の目的であり、本発明を制限するものではない。本発明の範囲内で変形が可能なことは当業者には明らかであろう。
実施例1−1
1−アセトキシ−5−フルオロ−1,2−ベンズヨードキソール−3−(1H)−オン(AFBX(2))の合成
フラスコに2−ヨード−5−フルオロ安息香酸1330mg(5mmol)、次いで酢酸40mLを加えて均一になるまで撹拌した。3−クロロ過安息香酸(純度65%)1590mg(6mmol)を加えて60℃で24時間撹拌した。反応液を0℃に冷却し、エーテルを加える。析出した沈殿物をろ過し、減圧乾燥することで1−アセトキシ−5−フルオロ−1,2−ベンズヨードキソール−3−(1H)−オン(AFBX(2))770mgを得た(収率48%)。以下に得られたAFBX(2)の物性を示す。
融点:139−142℃;IR(neat):1696,1632cm−1H−NMR(400MHz,CDCl):δ=2.27(s,3H),7.43(ddd,J=7.7Hz,J=7.7Hz,J=2.3Hz,1H),7.76(dd,J=7.5Hz,J=1.6Hz,1H),8.22(dd,J=5.2Hz,J=8.6Hz,1H);13C−NMR(100MHz,CDCl):δ=20.29,117.22,117.51,119.21,119.51,134.52,134.61,167.13,176.55;HRMS(ESI):m/z calcd for(M+H)FI=324.9368,found=324.9364.
実施例1−2
1−アセトキシ−5−クロロ−1,2−ベンズヨードキソール−3−(1H)−オン(ACBX(3))の合成
2−ヨード−5−フルオロ安息香酸の代わりに2−ヨード−5−クロロ安息香酸1412mg(5mmol)を加えて実施例1−1と同様の反応操作を行い、析出した沈殿物をろ過し、減圧乾燥することで1−アセトキシ−5−クロロ−1,2−ベンズヨードキソール−3−(1H)−オン(ACBX(3))1560mgを得た(収率92%)。以下に得られたACBX(3)の物性を示す。
融点:193−195℃;IR(neat):1703,1659,1259cm−1H−NMR(500MHz,CDCl):δ=2.28(s,3H),7.69(dd,J=1.8Hz,J=8.0Hz,1H),7.99(d,J=1.7Hz,1H),8.15(d,J=8.2Hz,1H);13C−NMR(125MHz,CDCl):δ=20.30,119.00,127.68,129.33,132.06,133.59,142.76,167.09,176.58.
実施例1−3
1−アセトキシ−5−ブロモ−1,2−ベンズヨードキソール−3−(1H)−オン(ABBX(4))の合成
2−ヨード−5−フルオロ安息香酸の代わりに2−ヨード−5−ブロモ安息香酸1635mg(5mmol)を加えて実施例1−1と同様の反応操作を行い、析出した沈殿物をろ過し、減圧乾燥することで1−アセトキシ−5−ブロモ−1,2−ベンズヨードキソール−3−(1H)−オン(ABBX(4))1800mgを得た(収率94%)。以下に得られたACBX(4)の物性を示す。
融点:176−179℃;IR(neat):1682,1668cm−1H−NMR(400MHz,CDCl):δ=2.26(s,3H),7.85(d,J=8.7Hz,1H),8.01(dd,J=2.3Hz,J=8.6Hz,1H),8.38(d,J=2.3Hz,1H);13C−NMR(100MHz,CDCl):δ=20.21,116.41,126.57,130.63,130.92,136.04,138.86,166.63,176.40;HRMS(ESI):m/z calcd for (M+H)BrI=384.8567,found=384.8560.
以上の様に本発明に関わる5−X(Xはふっ素原子、塩素原子、または臭素原子)−1,2−ベンズヨードキソール−3−(1H)−オン部位を有する新規超原子価ヨウ素化合物(AXBX)は、酸化反応に用いることができる。3価の超原子価状態を持つ超原子価ヨウ素化合物は、温和な酸化剤として有機合成化学において広く用いられているが、一般にその反応性は低いため、第二級アルコールの酸化に適用できないか、もしくは酸化収率が低くなることがある。また、これらの3価の超原子価ヨウ素化合物を用いる酸化反応では副生する1価のヨードベンゼンを目的物から除去するため、クロマトグラフィーなどの煩雑な手段を伴う場合がある。これらのことが問題点として挙げられており、その解決が強く望まれている。本発明に関わるAXBXを酸化反応に用いた場合、従来の3価の超原子価ヨウ素化合物では酸化できなかった化合物でも酸化することができる。また、副生する1価の2−ヨード−5−X(Xはふっ素原子、塩素原子、または臭素原子)安息香酸は洗浄と抽出操作により容易に回収することができ、後処理が容易である。参考例と比較例からも明らかなように、本発明に係るAXBXを用いる酸化反応は、従来の3価の超原子価ヨウ素化合物を用いる方法に比べてより反応性が高く扱い易い方法である。

Claims (1)

  1. 下記構造式(1)
    Figure 2015063501
    (式中、Xはふっ素原子、塩素原子、または臭素原子。R、R、Rはそれぞれ独立した水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、iso−プロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、フェニル基、またはふっ素原子。)で示される新規超原子価ヨウ素化合物。
JP2013212305A 2013-09-24 2013-09-24 5−X(X=F,Cl,Br)−1,2−ベンズヨードキソール−3−(1H)−オン部位を有する新規超原子価ヨウ素化合物 Pending JP2015063501A (ja)

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