JP6255870B2 - 通信機及び通信方法 - Google Patents

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Description

本発明は、通信機及び通信方法に関する。
OFDM(Orthogonal Frequency-Division Multiplexing:直交周波数分割多重)方式の通信では、入力信号をサブキャリア変調し、IFFT(Inverse Fast Fourier Transformation:逆高速フーリエ変換)を行い、ベースバンド信号を生成する。そのため、サブキャリアの数が増え、FFT(Fast Fourier Transformation:高速フーリエ変換)サイズが大きくなると、大きなピークを持つベースバンド信号が生成され、PAPR(Peak-to-Average Power Ratio:ピーク対平均電力比)が高くなるという性質を持っている。PAPRが高くなると、信号を歪みなく伝送するために広範囲において線形性を有する増幅器が必要となる。そこでPAPRを低減するための技術が開発されている。
特許文献1の直交周波数分割多重通信装置では、PAPRを低減するため、IFFTを行う前に逐次決定法により算出した最適位相に基づきサブキャリア変調信号の位相を制御する。
特開2006−165781号公報
OFDM方式の通信では、PAPRを低減することが課題となっている。特許文献1の直交周波数分割多重通信装置では、PAPRを低減する最適位相を算出するために繰り返し計算処理を行い、サブキャリアごとに位相を制御する必要がある。
本発明は、上述のような事情に鑑みてなされたものであり、OFDM方式の通信において、PAPRを低減することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る通信機は、
直交周波数分割多重通信方式の無線通信により他の機器と通信を行う通信機であって、
入力信号に所定の識別データを付与し、第1信号を生成する識別付与手段と、
前記第1信号の要素数と同数のデータの集合であるデータ系列を差動符号化し、第2信号を生成する差動符号化手段と、
前記第1信号と前記第2信号とを1次変調方式でそれぞれ変調し、第1変調データと第2変調データとを生成する変調手段と、
前記第1変調データと前記第2変調データとの逆高速フーリエ変換をそれぞれ行い、第1逆変換データと第2逆変換データとを生成するIFFT手段と、
前記第1逆変換データに基づくベースバンド信号から算出されたピーク対平均電力比と、前記第2逆変換データに基づくベースバンド信号から算出されたピーク対平均電力比とを比較してピーク対平均電力比の低いベースバンド信号を選択する選択手段と、
選択された前記ベースバンド信号から送信信号を生成して送信する送信手段と、
を備え
前記識別データは、要素数が任意の第1識別データと所定の要素数の第2識別データとを備え、
前記第1信号のデータ系列は、前記第2識別データの要素数に基づいて、入力信号の要素と前記識別データの要素とを特定可能である
ことを特徴とする。
好ましくは、前記第1識別データの要素は、全て1又は全て0であり、
前記第2識別データの要素は、前記第1識別データの要素が全て1であれば全て0であり、前記第1識別データの要素が全て0であれば全てである。
好ましくは、前記識別データの要素数は、前記ベースバンド信号のピーク対平均電力比が低くなる確率に基づいて設定されている。
本発明の第2の観点に係る通信機は、
直交周波数分割多重通信方式の無線通信により他の機器と通信を行う通信機であって、
送信信号を受信し、ベースバンド信号を生成する受信手段と、
前記ベースバンド信号を直列並列変換して生成された並列信号の高速フーリエ変換を行い、変換データを生成するFFT手段と、
前記変換データを1次変調方式で復調し、復調信号を生成する復調手段と、
前記復調信号の要素数と同数のデータの集合であるデータ系列が所定の識別データの要素を含むか否かを判定する判定手段と、
前記復調信号のデータ系列が前記識別データの要素を含まない場合に、前記復調信号のデータ系列を差動復号化し、復号化信号を生成する差動復号化手段と、
前記復調信号のデータ系列が前記識別データの要素を含む場合に、前記復調信号に含まれる前記識別データの要素を除去するとともに、前記復調信号のデータ系列が前記識別データの要素を含まない場合に、前記復号化信号に含まれる前記識別データの要素を除去し、復元信号を出力する識別除去手段と、
を備え
前記識別データは、要素数が任意の第1識別データと所定の要素数の第2識別データとを備え、
前記識別除去手段は、前記第2識別データの要素数に基づいて、前記復調信号及び前記復号化信号の各データ系列に前記識別データの要素が含まれているか否かを特定する
ことを特徴とする。
本発明の第3の観点に係る通信方法は、
直交周波数分割多重通信方式の無線通信により他の機器と通信を行う通信機が行う通信方法であって、
入力信号に所定の識別データを付与し、第1信号を生成する識別付与ステップと、
前記第1信号の要素数と同数のデータの集合であるデータ系列を差動符号化し、第2信号を生成する差動符号化ステップと、
前記第1信号と前記第2信号とを1次変調方式でそれぞれ変調し、第1変調データと第2変調データとを生成する変調ステップと、
前記第1変調データと前記第2変調データとの逆高速フーリエ変換をそれぞれ行い、第1逆変換データと第2逆変換データとを生成するIFFTステップと、
前記第1逆変換データに基づくベースバンド信号から算出されたピーク対平均電力比と、前記第2逆変換データに基づくベースバンド信号から算出されたピーク対平均電力比とを比較してピーク対平均電力比の低いベースバンド信号を選択する選択ステップと、
選択された前記ベースバンド信号から送信信号を生成して送信する送信ステップと、
を備え
前記識別データは、要素数が任意の第1識別データと所定の要素数の第2識別データとを備え、
前記第1信号のデータ系列は、前記第2識別データの要素数に基づいて、入力信号の要素と前記識別データの要素とを特定可能である
ことを特徴とする。
本発明の第4の観点に係る通信方法は、
直交周波数分割多重通信方式の無線通信により他の機器と通信を行う通信機が行う通信方法であって、
送信信号を受信し、ベースバンド信号を生成する受信ステップと、
前記ベースバンド信号を直列並列変換して生成された並列信号の高速フーリエ変換を行い、変換データを生成するFFTステップと、
前記変換データを1次変調方式で復調し、復調信号を生成する復調ステップと、
前記復調信号の要素数と同数のデータの集合であるデータ系列が所定の識別データの要素を含むか否かを判定する判定ステップと、
前記復調信号のデータ系列が前記識別データの要素を含まない場合に、前記復調信号のデータ系列を差動復号化し、復号化信号を生成する差動復号化ステップと、
前記復調信号のデータ系列が前記識別データの要素を含む場合に、前記復調信号に含まれる前記識別データの要素を除去するとともに、前記復調信号のデータ系列が前記識別データの要素を含まない場合に、前記復号化信号に含まれる前記識別データの要素を除去し、復元信号を出力する識別除去ステップと、
を備え
前記識別データは、要素数が任意の第1識別データと所定の要素数の第2識別データとを備え、
前記識別除去ステップでは、前記第2識別データの要素数に基づいて、前記復調信号及び前記復号化信号の各データ系列に前記識別データの要素が含まれているか否かを特定する
ことを特徴とする。
本発明によれば、OFDM方式の通信において、PAPRを低減することが可能になる。
本発明の実施の形態に係る通信機の構成例を示すブロック図である。 実施の形態に係る通信機の異なる構成例を示すブロック図である。 実施の形態に係る通信機の差動符号化部及び差動復号化部の一例を示す図である。 実施の形態に係る通信機が行う送信制御の動作の一例を示すフローチャートである。 実施の形態に係る通信機が行う受信制御の動作の一例を示すフローチャートである。 実施の形態に係る通信機におけるPAPRのCCDF特性の一例を示す図である。 実施の形態に係る通信機におけるヘッダ部とPAPRとの関係の一例を示す図である。 実施の形態に係る通信機におけるヘッダ部と最小のPAPRの発生確率との関係の一例を示す図である。 実施の形態に係る通信機における最小のPAPRのCCDF特性の一例を示す図である。 実施の形態に係る通信機におけるBER特性の一例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお図中、同一または同等の部分には同一の符号を付す。以下の説明において、IFFT(Inverse Fast Fourier Transformation:逆高速フーリエ変換)は、IFFTとIDFT(Inverse Discrete Fourier Transformation:逆離散フーリエ変換)を含む概念とする。したがって本発明の実施の形態においては、IFFTの代わりに、IDFTを行うよう構成してもよい。同様にFFT(Fast Fourier Transformation:高速フーリエ変換)は、FFTとDFT(Discrete Fourier Transformation:離散フーリエ変換)を含む概念とする。またIDFT及びDFTを行う場合は、以下の説明におけるFFTサイズとは、DFTサイズを意味する。
図1は、本発明の実施の形態に係る通信機の構成例を示すブロック図である。通信機1は、OFDM(Orthogonal Frequency-Division Multiplexing:直交周波数分割多重)方式の無線通信により他の機器と通信を行う。通信機1は、アンテナ10、ヘッダ付与部(識別付与部)11、差動符号化部12、変調部13、IFFT部14、選択部15、送信部16及びコントローラ20を備える。
コントローラ20は、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)21、RAM(Random Access Memory)23、及びROM(Read-Only Memory)24を備える。複雑化を避け、理解を容易にするために、コントローラ20から各部への信号線が省略されているが、コントローラ20は通信機1の各部にI/O(Input/Output)22を介して接続しており、それらの処理の開始、終了、処理内容の制御を行う。
RAM23には、例えば、後述する所定のヘッダ部(識別データ)等の送信信号を生成するためのデータが記憶されている。ROM24は、コントローラ20が通信機1の動作を制御するための制御プログラムを格納する。コントローラ20は、制御プログラムに基づいて、通信機1を制御する。
図2は、実施の形態に係る通信機の異なる構成例を示すブロック図である。上述の通信機1に受信機能をもたせるため、図2に示す通信機1はさらにヘッダ除去部(識別除去部)31、差動復号化部32、判定部33、復調部34、FFT部35、受信部36及び送受信切替部37を備える。送信機能及び受信機能を備える図2に示す通信機1を用いて、通信機1が行う通信方法について以下に説明する。
ヘッダ付与部11は、入力信号(入力デジタル信号、送信データ)に所定のヘッダ部を付与し、第1信号(ヘッダ付き入力信号)を生成し、差動符号化部12及び変調部13に送る。なお、実施の形態における入力信号は、各要素(各成分)の値が0又は1のいずれかであるデータ系列である。また、実施の形態におけるヘッダ部は、第1ヘッダ部(第1識別データ)と第2ヘッダ部(第2識別データ)とを備えている。また、実施の形態においては、第1ヘッダ部は、自然数s個の要素が全て1のデータ系列であり、第2ヘッダ部は、自然数t個の要素が全て0のデータ系列である。さらに、実施の形態における第1信号は、IFFT部14によるIFFT及び変調部13による1次変調を行うため、要素数が自然数N(FFTサイズ)及びM(1次変調方式によって同時送信可能なビット数)を乗算した(N×M)個に設定されている。このため、実施の形態における入力信号は、(N×M−s−t)個に設定されている。
よって、実施の形態においては、例えば、入力信号をd=[d…dN×M−s−t]とし、第1ヘッダ部をx=[11…1]とし、第2ヘッダ部をz=[00…0]とし、第1信号をa=[a…aN×M]とした場合、a=a=…=a=1、as+1=as+2=as+t=0、as+t+1=d、as+t+2=d、…、aN×M=dN×M−s−tが成立する。すなわち、第1信号aは以下の式(1)で表される。
a=[xd]=[11…100…0d…dN×M−s−t]…(1)
差動符号化部12は、第1信号aの要素数と同数のデータの集合であるデータ系列を差動符号化して第2信号(差動符号化信号)を生成し、変調部13に送る。
具体的には、実施の形態における差動符号化部12は、図3(A)に示すように、第1信号aの1ビット目の要素(a=1)から(N×M)ビット目の要素(aN×M=dN×M−s−t)要素まで順番に、1ビット前の排他的論理和がなされた各要素との排他的論理和を要素とする第2信号を生成する。例えば、第1信号をa=[a…aN×M]とし、第2信号をb=[b…bN×M]とした場合、まず、第2信号bの1ビット目の要素bについては、第1信号aの1ビット目の要素aと初期値0との排他的論理和とする。そして、第2信号bの2ビット目以降の要素b〜bN×Mについては、第1信号aの2ビット目以降の要素a〜aN×Mと第2信号bの1ビット前の要素b〜bN×M−1との排他的論理和とし、第2信号bを生成する。
すなわち、b=XOR(a,0)、b=XOR(a,b)、…、bN×M=XOR(aN×M,bN×M−1)が成立し、第2信号bは以下の式(2)で表される。
b=[XOR(a,0)XOR(a,b)…XOR(aN×M,bN×M−1)]…(2)
よって、例えば、図3(B)に示すように、s=t=3、N×M=16、a=[1110001011010001]とした場合、b=XOR(1,0)=1、b=XOR(1,1)=0、…、b16=XOR(1,1)=0が成立し、b=[1011110010011110]となる。
変調部13は、第1信号aと第2信号bとを1次変調方式でそれぞれ変調し、第1変調データと第2変調データとを生成し、IFFT部14に送る。実施の形態における1次変調方式は、例えば、QPSK(Quadrature Phase-Shift Keying:四位相偏移変調)が採用される。この場合、2ビットのデータを同時送信可能であるため、M=2が成立する。
IFFT部14は、第1変調データと第2変調データとを直並列変換し、直並列変換した第1変調データと第2変調データのIFFTを行い、第1逆変換データと第2逆変換データとを生成し、選択部15に送る。実施の形態におけるFFTサイズは、例えば、2048に設定される。この場合、N=2048が成立する。
選択部15は、第1逆変換データに基づくベースバンド信号のPAPRと、第2逆変換データに基づくベースバンド信号のPAPRとを算出し、PAPRが低いベースバンド信号を選択し、送信部16に送る。
送信部16は、選択部15によって選択されたベースバンド信号から送信信号を生成し、アンテナ10を介して、他の機器に送信信号を送信する。なお、送信部16は、通信機1が受信機能を備える場合、図2に示すように、生成した送信信号を送受信切替部37及びアンテナ10を介して、他の機器に送信信号を送信する。
図4は、実施の形態に係る通信機が行う送信制御の動作の一例を示すフローチャートである。ヘッダ付与部11は、入力信号(入力デジタル信号、送信データ)に所定のヘッダ部を付与し、第1信号を生成する(ステップS110)。差動符号化部12は、第1信号aのデータ系列を差動符号化して第2信号bを生成する(ステップS120)。変調部13は、第1信号aと第2信号bとを1次変調方式でそれぞれ変調し、第1変調データと第2変調データとを生成する(ステップS130)。IFFT部14は、第1変調データと第2変調データを直並列変換してIFFTを行って、第1逆変換データと第2逆変換データとを生成する(ステップS140)。選択部15は、第1逆変換データに基づくベースバンド信号のPAPRが、第2逆変換データに基づくベースバンド信号のPAPRよりも低いか否かを判定する(ステップS150)。
選択部15は、第1逆変換データに基づくベースバンド信号のPAPRが、第2逆変換データに基づくベースバンド信号のPAPRよりも低い場合(ステップS150;Y)、第1逆変換データに基づくベースバンド信号を選択し、送信部16は、選択された第1逆変換データに基づくベースバンド信号から送信信号を生成して他の機器に送信し(ステップS160)、処理を終了する。
一方、選択部15は、第1逆変換データに基づくベースバンド信号のPAPRが、第2逆変換データに基づくベースバンド信号のPAPR以上の場合(ステップS150;N)、第2逆変換データに基づくベースバンド信号を選択し、送信部16は、選択された第2逆変換データに基づくベースバンド信号から送信信号を生成して他の機器に送信し(ステップS170)、処理を終了する。
受信側での処理を以下に説明する。受信部36は、アンテナ10及び送受信切替部37を介して送信信号を受信し、ベースバンド信号を生成し、FFT部35に送る。
FFT部35は、ベースバンド信号を直列並列変換して生成された並列信号のFFTを行い、変換データを生成し、復調部34に送る。
復調部34は、変換データを1次変調方式で復調し、復調信号を生成し、判定部33に送る。
判定部33は、復調信号のデータ系列がヘッダ部(第1ヘッダ部x、第2ヘッダ部をz)の要素を含むか否かを判定する。
具体的には、実施の形態におけるRAM23には第1ヘッダ部の要素数s及び第2ヘッダ部の要素数tが記憶されており、実施の形態における判定部33は、復調信号のデータ系列のうちの第1ヘッダ部に該当するs個の要素が全て1であるか否かを判定することにより、復調信号のデータ系列がヘッダ部の要素を含むか否かを判定する。
よって、実施の形態においては、例えば、復調信号をv=[v…vN×M]とし、復調信号vの1ビット目の要素vからsビット目の要素vまでをw=[v…v]とし、復調信号vの(s+1)ビット目の要素vs+1から(s+t)ビット目の要素vs+tまでをy=[vs+1s+2…vs+t]とし、復調信号vの(s+t+1)ビット目の要素vs+t+1から(N×M)ビット目の要素vN×Mまでをc=[vs+t+1s+t+2…vN×M]とした場合、v=[wc]が成立する。このため、実施の形態における判定部33は、v=v=…=v=1が成立するか否かを判定する。
この結果、実施の形態における判定部33は、復調信号のデータ系列がヘッダ部の要素を含むと判定した場合、復調信号をヘッダ除去部31に送り、復調信号のデータ系列がヘッダ部の要素を含まないと判定した場合、復調信号を差動復号化部32に送る。
差動復号化部32は、復調信号vのデータ系列がヘッダ部(第1ヘッダ部x、第2ヘッダ部をz)の要素を含まない場合に、復調信号vのデータ系列を差動復号化し、復号化信号を生成し、ヘッダ除去部31に送る。
具体的には、実施の形態における差動復号化部32は、判定部33から復調信号vが送られた場合、図3(A)に示すように、復調信号vの1ビット目の要素vから(N×M)ビット目の要素vN×M要素まで順番に、1ビット前の各要素との排他的論理和を要素とする復号化信号を生成する。例えば、復号化信号をu=[u…uN×M]とした場合、まず、復号化信号uの1ビット目の要素uについては、復調信号vの1ビット目の要素vと初期値0との排他的論理和とする。そして、復号化信号uの2ビット目以降の要素u〜uN×Mについては、復調信号vの2ビット目以降の要素v〜vN×Mと復調信号vの1ビット前の要素v〜vN×M−1との排他的論理和とし、復号化信号uを生成する。
すなわち、u=XOR(v,0)、u=XOR(v,v)、…、uN×M=XOR(vN×M,vN×M−1)が成立し、復号化信号uは以下の式(3)で表される。
u=[XOR(v,0)XOR(v,v)…XOR(vN×M,vN×M−1)]…(3)
よって、例えば、図3(B)に示すように、s=t=3、N×M=16、v=[1011110010011110]とした場合、u=XOR(1,0)=1、u=XOR(0,1)=1、…、u16=XOR(0,1)=0が成立し、u=[1110001011010001]となる。
ヘッダ除去部31は、復調信号vのデータ系列がヘッダ部の要素を含む場合に、復調信号vに含まれるヘッダ部の要素を除去するとともに、復調信号vのデータ系列がヘッダ部の要素を含まない場合に、復号化信号uに含まれるヘッダ部の要素を除去し、復元信号を出力する。
具体的には、実施の形態におけるヘッダ除去部31は、差動復号化部32から復号化信号uが送られた場合、復号化信号に含まれるヘッダ部([u…us+t])を除去して復元信号([us+t+1s+t+2…uN×M])を出力し、判定部33から復調信号vが送られた場合、復調信号vに含まれるヘッダ部([w]=[v…vs+t=x、y=z)を除去して復元信号(c=[vs+t+1s+t+2…vN×M])を出力する。
図5は、実施の形態に係る通信機が行う受信制御の動作の一例を示すフローチャートである。受信部36は、アンテナ10及び送受信切替部37を介して送信信号を受信し、ベースバンド信号を生成する(ステップS210)。FFT部35は、ベースバンド信号を直列並列変換して生成された並列信号のFFTを行い、変換データを生成する(ステップS220)。復調部34は、変換データを1次変調方式で復調し、復調信号vを生成する(ステップS230)。判定部33は、復調信号vのデータ系列がヘッダ部の要素を含むか否かを判定する(ステップS240)。
差動復号化部32は、復調信号vのデータ系列がヘッダ部の要素を含まない場合(ステップS240;N)、復調信号vのデータ系列を差動復号化し、復号化信号uを生成する(ステップS250)。ヘッダ除去部31は、復調信号vのデータ系列がヘッダ部の要素を含む場合(ステップS240;Y)、復調信号vに含まれるヘッダ部([v…vs+t])を除去して復元信号([vs+t+1s+t+2…vN×M])を出力し、復調信号vのデータ系列がヘッダ部の要素を含まない場合(ステップS240;N、ステップS250)、復号化信号uに含まれるヘッダ部([u…us+t])を除去して復元信号([us+t+1s+t+2…uN×M])を出力し(ステップS260)、処理を終了する。
以上説明したとおり、本発明の実施の形態に係る通信機1によれば、入力信号にヘッダ部が付与された第1信号aと、第1信号aが差動符号化された第2信号bとに基づく2つのベースバンド信号から選択されたPAPRが低いベースバンド信号に応じた送信信号が送信される。この結果、本発明の実施の形態に係る通信機1は、OFDM通信方式において、入力信号に基づくベースバンド信号に応じた送信信号を送信する従来の通信機に比べて、PAPRを低減することができる。
(具体例)
次に、シミュレーションにより実施の形態に係る発明の効果を説明する。
(シミュレーション1)
まず、実施の形態に係る通信機1のPAPRと従来技術の通信機のPAPRとを比較するシミュレーションを行った。具体的には、まず、実施の形態に係る通信機1と従来技術の通信機とについて、1次変調方式をQPSKとし、FFTサイズを2048として、入力信号にランダム信号を用いてベースバンド信号を生成し、PAPRの算出を繰り返した。そして、実施の形態に係る通信機1と従来技術の通信機とのPAPRのCCDF(Complementary Cumulative Distribution Function:相補累積分布関数)特性、すなわち高いPAPRの発生確率の特性を比較した。なお、このシミュレーションにおいて、実施の形態に係る通信機1は、第1ヘッダ部xの要素数sを15個、第2ヘッダ部zの要素数tを5個に固定し(s=15、t=5、x=[111111111111111]z=[00000])、残りの4076(2×2048−20=4076)ビットを入力信号(ランダム信号)dとし、図4に示す送信制御の処理を行った。また、従来技術の通信機は、上述の送信制御の処理を行わずに、4096(2×2048=4096)ビットの入力信号(ランダム信号)を1次変調方式で変調した信号を直並列変換し、IFFTを行ってベースバンド信号を生成する処理を行った。
図6は、実施の形態に係る通信機におけるPAPRのCCDF特性の一例を示す図である。図6に示すシミュレーション1の結果としての折れ線グラフの横軸はPAPR(単位:dB)、縦軸はPAPRのCCDFである。実施の形態に係る通信機1のPAPRのCCDF特性を実線のグラフで示し、従来技術の通信機のPAPRのCCDF特性を破線のグラフで示す。図6に示すように、実施の形態に係る通信機1は、従来技術の通信機よりも、CCDF特性、すなわち、高いPAPRが発生する割合が低減されていることがわかる。すなわち、実施の形態に係る通信機1のPAPRは、従来技術の通信機のPAPRよりも、低減されていることがわかる。
(シミュレーション2)
次に、実施の形態に係る通信機1において入力信号を固定しつつヘッダ部の要素数を変化させてPAPRを比較するシミュレーションを行った。具体的には、4090ビットの入力信号d(d=[d…d4090])をランダムに1種類だけ予め選択しておき、第2ヘッダ部zの要素数tを5個に固定し、第1ヘッダ部xの要素数sを1個から1000個まで変化させて、1個の入力信号について1000個のヘッダ部を用いて1000個のベースバンド信号を生成し、PAPRの算出を繰り返した。なお、このシミュレーションにおいて、4096ビットの第1信号aを生成する方法として、第1ヘッダ部xの要素を1個ずつ増加させる度に入力信号を1ビット目の要素から1個ずつ減少させる方法を採用した。すなわち、s=1のときd=[d…d4090]、s=2のときd=[d…d4090]、…、s=1000のときd=[d10011002…d4090]として第1信号aを生成し、ベースバンド信号を生成した。
図7は、実施の形態に係る通信機におけるヘッダ部とPAPRとの関係の一例を示す図である。図7に示すシミュレーション2の結果としての折れ線グラフの横軸は第1ヘッダ部xの要素数s(単位:個)、縦軸はPAPR(単位:dB)である。図7に示す結果では、実施の形態に係る通信機1は、第1ヘッダ部xの要素数sがおよそ30個程度のときにPAPRが最小となっていることがわかる。さらに、上記シミュレーション2を繰り返した結果、第1ヘッダ部xの要素数sが1から200個程度のときにPAPRが減少する傾向があり、それ以降のときにPAPRが増加してゆく傾向があることがわかった。
(シミュレーション3)
次に、実施の形態に係る通信機1において入力信号を固定せずにヘッダ部の要素数を変化させて低いPAPRが発生する割合が高いヘッダ数を特定するシミュレーションを行った。具体的には、4090ビットの入力信号dを1000個だけランダムに予め選択しておき、第2ヘッダ部zの要素数tを5個に固定し、第1ヘッダ部xの要素数sを1個から300個まで変化させて、1000個の入力信号について300個のヘッダ部を用いて300個のベースバンド信号をそれぞれ生成し、PAPRの算出を繰り返し、各入力信号について最小のPAPRとなるヘッダ部を特定した。なお、このシミュレーションにおいて、4096ビットの第1信号aを生成する方法は上述したシミュレーション2の方法と同様である。
図8は、実施の形態に係る通信機におけるヘッダ部と最小のPAPRの発生確率との関係の一例を示す図である。図8に示すシミュレーション3の結果としてのヒストグラムのグラフの横軸は第1ヘッダ部xの要素数s(単位:個)、縦軸は発生確率である。図8に示すように、実施の形態に係る通信機1では、第1ヘッダ部xの要素数sが1個から200個までの最小のPAPRの発生確率は高く、201個以降の最小のPAPRの発生確率は、殆ど0であることがわかる。この結果、実施の形態に係る通信機1は、第1ヘッダ部xの要素数sを201個以上に設定してもPAPRが低減される効果が小さくなることがわかる。
(シミュレーション4)
次に、実施の形態に係る通信機1のヘッダ部の要素数を変化させたときの最小のPAPRと従来技術の通信機のPAPRとを比較するシミュレーションを行った。具体的には、4096ビットの入力信号dをランダムに選択し、第2ヘッダ部zの要素数tを5個に固定し、第1ヘッダ部xの要素数sを1個から200個まで変化させて、入力信号について200個のヘッダ部を用いて200個のベースバンド信号をそれぞれ生成し、算出した最小のPAPRを特定する処理を繰り返した。なお、このシミュレーションにおいて、従来技術の通信機では、選択された4096ビットの入力信号d(d=[d…d4096])を用いてベースバンド信号を生成するのに対して、実施の形態に係る通信機1では、4096ビットの入力信号dのうちの1ビット目から4090ビット目までの要素([d…d4090])を用いて4096ビットの第1信号aを生成し、ベースバンド信号を生成した。また、4096ビットの第1信号aを生成する方法は上述したシミュレーション2、3の方法と同様である。
図9は、実施の形態に係る通信機における最小のPAPRのCCDF特性の一例を示す図である。図9に示すシミュレーション4の結果としての折れ線グラフの横軸はPAPR(単位:dB)、縦軸はPAPRのCCDFである。実施の形態に係る通信機1のPAPRのCCDF特性を実線のグラフで示し、従来技術の通信機のPAPRのCCDF特性を破線のグラフで示す。図9に示すように、実施の形態に係る通信機1は、従来技術の通信機よりも、CCDF特性が更に低減されていることがわかる。具体的には、図6の実線及び図9の実線に示すように、実施の形態に係る通信機1のPAPRは、最小のPAPRとなる第1ヘッダ部xを選択した場合、第1ヘッダ部xを15ビットに固定した場合よりも、同じ値のCCDFとなるPAPRが0.5〜1.0[dB]程度低減されていることがわかる。この結果、実施の形態に係る通信機1のPAPRは、最小のPAPRとなるように第1ヘッダ部xを選択すれば、第1ヘッダ部xを15ビットに固定するよりも、0.5〜1.0[dB]程度の低減効果があることがわかる。
(シミュレーション5)
最後に、実施の形態に係る通信機1においてヘッダ部の要素数を固定したときのBER(Bit Error Rate:符号誤り率)特性を特定するシミュレーションを行った。具体的には、上述のシミュレーション1と同様に、第1ヘッダ部xの要素数sを15個、第2ヘッダ部zの要素数tを5個に固定し、残りの4076(2×2048−20=4076)ビットを入力信号(ランダム信号)dとし、図4、図5に示す送信制御及び受信制御の処理を行った上で、BERの算出を繰り返した。
図10は、実施の形態に係る通信機におけるBER特性の一例を示す図である。図10に示すシミュレーション5の結果としての折れ線グラフの横軸はEb/No(Erectric Bit to Noise:信号対雑音比)(単位:dB)、縦軸はBERである。実施の形態に係る通信機1のBER特性を実線のグラフで示し、従来技術の通信機のBER特性を破線のグラフで示す。図10に示すように、実施の形態に係る通信機1は、従来技術の通信機よりも、同じ値のEb/NoのときのBERが増加しており、BER特性が劣化していることがわかる。
この結果ついては、実施の形態に係る通信機1が第1信号aを差動符号化して第2信号bを生成していることが原因であると考えられる。すなわち、第2信号bに基づくベースバンド信号のPAPRが低くなり送信信号が生成されて送受信された場合において、復調信号vを差動復号化して復号化信号uを生成するときに、復調信号vの1ビット誤りが差動復号化によって2ビットの誤りになるためであると考えられる。
例えば、第1信号aをa=[1110001]、第2信号bをb=[1011110]とし(式(2)参照)、第2信号bに基づくベースバンド信号のPAPRが低くなる場合について考える。このとき、復調信号vがv=b=[1011110]であれば差動復号化すると、u=XOR([1011110],[0101111])=[1110001]=aとなる。しかしながら、復調信号vの3ビット目の要素vが誤っておりv=[1001110]であれば差動復号化すると、u=XOR([1001110],[0100111])=[1101001]となる。この結果、復号化信号uと第1信号aとは3ビット目の要素uだけでなく4ビット目の要素uも誤りとなり、復調信号vの3ビット目の要素vの誤りが復号化信号uでは4ビット目の要素uにまで伝搬してしまうことがわかる。
上述のシミュレーションにより、実施の形態に係る発明においては、上述の送受信の制御を実行することで、従来技術よりもBER特性は劣化する虞はあるがPAPRを低減することができることがわかる。
なお、実施の形態に係る通信機1は、ヘッダ部を付与する必要があるため、従来技術の通信機に比べ、通信効率(伝送率)がヘッダ部の分だけ劣化することは、シミュレーションを実行しなくても明らかである。例えば、シミュレーション3、4に示す実施の形態に係る通信機1は、第1ヘッダ部xの要素数sが最大200個、第2ヘッダ部zの要素数tが5個であるため、ヘッダ部の要素数は最大205個となる。この場合、伝送率は最大で約5%劣化することがわかる((205/4096)×100≒5[%])。
この結果、実施の形態に係る通信機1は、従来技術の通信機に比べ、ヘッダ部の分だけ通信効率が劣化してBER特性も劣化する虞はあるがPAPRを低減することができ、より良いCCDF特性で送信信号を送受信できる。
なお、本発明の実施の形態は上述の実施の形態に限られない。
実施の形態に係る通信機1では、ヘッダ付与部11が入力信号dの最初の1ビット目の要素dの前にヘッダ部を付与し、ヘッダ除去部31がヘッダ部を除去したが、これに限定されず、例えば、ヘッダ付与部11及びヘッダ除去部31に替えて、フッタ付与部(識別付与部)が入力信号dの最後の(N×M−s−t)ビット目の要素dN×M−s−tの後にフッタ部(識別データ)を付与し、フッタ除去部(識別除去部)がフッタ部を除去してもよい。また、実施の形態に係る通信機1は、ヘッダ部のみを付与・除去しているが、例えば、ヘッダ部だけでなくフッタ部も付与・除去する構成としてもよい。
また、ヘッダ付与部11で付与するヘッダ部については、第1ヘッダ部をs個の要素が全て1のデータ系列とし、第2ヘッダ部をt個の要素が全て0のデータ系列としたが(x=[11…1]、z=[00…0])、これに限定されず、例えば、第1ヘッダ部をs個の要素が全て0のデータ系列とし、第2ヘッダ部をt個の要素が全て1のデータ系列としてもよい(x=[00…0]、z=[11…1])。また、例えば、第1ヘッダ部をs個の要素のうちの最初と最後の要素のみが1で残りの要素が全て0のデータ系列とし、第2ヘッダ部をt個の要素のうちの最初と最後の要素のみが0で残りの要素が全て1のデータ系列としてもよい(x=[10…01]、z=[01…10])。
また、ヘッダ部については、第2ヘッダ部zの要素数tの個数を送信側と受信側の通信機1で予め設定しておくことにより、ヘッダ除去部31で連続する0の個数から第2ヘッダ部zを特定してヘッダ部を全て除去できるため、第1ヘッダ部xの要素数sを任意の個数に可変することができる。このため、例えば、送信側と受信側の通信機1において第2ヘッダ部zの要素数tを5個に予め設定し、第1ヘッダ部xの要素数sを任意の個数としてもよい。この場合、第1ヘッダ部xの要素数sは、より良いCCDF特性となりPAPRが低減される可能性が高い1個から200個までの間の範囲で設定されることが好ましい。さらに、送信側の通信機1は、入力信号dが入力される度に1個から200個までの間でPAPRが最小となる第1ヘッダ部xの要素数sを特定し、特定した要素数sの第1ヘッダ部xと予め設定された要素数t(例えば、5個)の第2ヘッダ部zとからなるヘッダ部を入力信号dに付与して送信信号を生成してもよい。このようにすることで、常に最小のPAPRとなるベースバンド信号で生成した送信信号を送受信できる。
また、差動復号化部12及び差動復号化部32において、1ビット目の要素との排他的論理和を演算する初期値は0に限られず、1であってもよい。また、差動符号化部12は、第1信号aの1ビット目の要素(a=1)から(N×M)ビット目の要素(aN×M=dN×M−s−t)要素まで順番に、1ビット前の排他的論理和がなされた各要素との排他的論理和を要素とする第2信号を生成したが、第2信号の生成方法はこれに限定されず、例えば、初期値0を2つ用いて、2ビット前の排他的論理和がなされた各要素との排他的論理和を要素とする第2信号を生成してもよい。この場合、差動復号化部32は、復調信号vの1ビット目の要素vから(N×M)ビット目の要素vN×M要素まで順番に、初期値0を2つ用いて、2ビット前の各要素との排他的論理和を要素とする復号化信号を生成する必要がある。
また、変調部13及び復調部34の1次変調方式は、QPSKに限られず、QPSK以外のPSK(Phase Shift Keying:位相偏移変調)やQAM(Quadrature Amplitude Modulation:直角位相振幅変調)等を用いてもよい。
また、IFFT部14は、IFFTの代わりにIDFTを行うようにしてもよいし、FFT部35は、FFTの代わりにDFTを行うようにしてもよい。また、IFFT部14は、第1変調データと第2変調データとを直並列変換を行っているが、IFFT部14以外で行ってもよく、例えば、変調部13で行うようにしてもよい。また、FFT部35は、ベースバンド信号の直列並列変換を行っているが、FFT部35以外で行ってもよく、例えば、受信部36で行うようにしてもよい。
1 通信機
10 アンテナ
11 ヘッダ付与部
12 差動符号化部
13 変調部
14 IFFT部
15 選択部
16 送信部
20 コントローラ
21 CPU
22 I/O
23 RAM
24 ROM
31 ヘッダ除去部
32 差動復号化部
33 判定部
34 復調部
35 FFT部
36 受信部
37 送受信切替部

Claims (6)

  1. 直交周波数分割多重通信方式の無線通信により他の機器と通信を行う通信機であって、
    入力信号に所定の識別データを付与し、第1信号を生成する識別付与手段と、
    前記第1信号の要素数と同数のデータの集合であるデータ系列を差動符号化し、第2信号を生成する差動符号化手段と、
    前記第1信号と前記第2信号とを1次変調方式でそれぞれ変調し、第1変調データと第2変調データとを生成する変調手段と、
    前記第1変調データと前記第2変調データとの逆高速フーリエ変換をそれぞれ行い、第1逆変換データと第2逆変換データとを生成するIFFT手段と、
    前記第1逆変換データに基づくベースバンド信号から算出されたピーク対平均電力比と、前記第2逆変換データに基づくベースバンド信号から算出されたピーク対平均電力比とを比較してピーク対平均電力比の低いベースバンド信号を選択する選択手段と、
    選択された前記ベースバンド信号から送信信号を生成して送信する送信手段と、
    を備え
    前記識別データは、要素数が任意の第1識別データと所定の要素数の第2識別データとを備え、
    前記第1信号のデータ系列は、前記第2識別データの要素数に基づいて、入力信号の要素と前記識別データの要素とを特定可能である
    ことを特徴とする通信機。
  2. 前記第1識別データの要素は、全て1又は全て0であり、
    前記第2識別データの要素は、前記第1識別データの要素が全て1であれば全て0であり、前記第1識別データの要素が全て0であれば全てである
    ことを特徴とする請求項に記載の通信機。
  3. 前記識別データの要素数は、前記ベースバンド信号のピーク対平均電力比が低くなる確率に基づいて設定されている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の通信機。
  4. 直交周波数分割多重通信方式の無線通信により他の機器と通信を行う通信機であって、
    送信信号を受信し、ベースバンド信号を生成する受信手段と、
    前記ベースバンド信号を直列並列変換して生成された並列信号の高速フーリエ変換を行い、変換データを生成するFFT手段と、
    前記変換データを1次変調方式で復調し、復調信号を生成する復調手段と、
    前記復調信号の要素数と同数のデータの集合であるデータ系列が所定の識別データの要素を含むか否かを判定する判定手段と、
    前記復調信号のデータ系列が前記識別データの要素を含まない場合に、前記復調信号のデータ系列を差動復号化し、復号化信号を生成する差動復号化手段と、
    前記復調信号のデータ系列が前記識別データの要素を含む場合に、前記復調信号に含まれる前記識別データの要素を除去するとともに、前記復調信号のデータ系列が前記識別データの要素を含まない場合に、前記復号化信号に含まれる前記識別データの要素を除去し、復元信号を出力する識別除去手段と、
    を備え
    前記識別データは、要素数が任意の第1識別データと所定の要素数の第2識別データとを備え、
    前記識別除去手段は、前記第2識別データの要素数に基づいて、前記復調信号及び前記復号化信号の各データ系列に前記識別データの要素が含まれているか否かを特定する
    ことを特徴とする通信機。
  5. 直交周波数分割多重通信方式の無線通信により他の機器と通信を行う通信機が行う通信方法であって、
    入力信号に所定の識別データを付与し、第1信号を生成する識別付与ステップと、
    前記第1信号の要素数と同数のデータの集合であるデータ系列を差動符号化し、第2信号を生成する差動符号化ステップと、
    前記第1信号と前記第2信号とを1次変調方式でそれぞれ変調し、第1変調データと第2変調データとを生成する変調ステップと、
    前記第1変調データと前記第2変調データとの逆高速フーリエ変換をそれぞれ行い、第1逆変換データと第2逆変換データとを生成するIFFTステップと、
    前記第1逆変換データに基づくベースバンド信号から算出されたピーク対平均電力比と、前記第2逆変換データに基づくベースバンド信号から算出されたピーク対平均電力比とを比較してピーク対平均電力比の低いベースバンド信号を選択する選択ステップと、
    選択された前記ベースバンド信号から送信信号を生成して送信する送信ステップと、
    を備え
    前記識別データは、要素数が任意の第1識別データと所定の要素数の第2識別データとを備え、
    前記第1信号のデータ系列は、前記第2識別データの要素数に基づいて、入力信号の要素と前記識別データの要素とを特定可能である
    ことを特徴とする通信方法。
  6. 直交周波数分割多重通信方式の無線通信により他の機器と通信を行う通信機が行う通信方法であって、
    送信信号を受信し、ベースバンド信号を生成する受信ステップと、
    前記ベースバンド信号を直列並列変換して生成された並列信号の高速フーリエ変換を行い、変換データを生成するFFTステップと、
    前記変換データを1次変調方式で復調し、復調信号を生成する復調ステップと、
    前記復調信号の要素数と同数のデータの集合であるデータ系列が所定の識別データの要素を含むか否かを判定する判定ステップと、
    前記復調信号のデータ系列が前記識別データの要素を含まない場合に、前記復調信号のデータ系列を差動復号化し、復号化信号を生成する差動復号化ステップと、
    前記復調信号のデータ系列が前記識別データの要素を含む場合に、前記復調信号に含まれる前記識別データの要素を除去するとともに、前記復調信号のデータ系列が前記識別データの要素を含まない場合に、前記復号化信号に含まれる前記識別データの要素を除去し、復元信号を出力する識別除去ステップと、
    を備え
    前記識別データは、要素数が任意の第1識別データと所定の要素数の第2識別データとを備え、
    前記識別除去ステップでは、前記第2識別データの要素数に基づいて、前記復調信号及び前記復号化信号の各データ系列に前記識別データの要素が含まれているか否かを特定する
    ことを特徴とする通信方法。
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