JP6255454B1 - 転倒防止装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】物品の上面と天井との間から容易に取り外すことができる転倒防止装置を提供する。【解決手段】転倒防止装置1は、伸長方向に付勢力を付勢しつつ伸縮するとともに、収縮動作時に減衰力を発生する。転倒防止装置1は、第1ユニット2、第2ユニット3、ワイヤロープ30(索状物)及び巻き取りユニット40を備えている。第1ユニット2及び第2ユニット3は、一方が家具Fの上面に当接し、他方が天井Cに当接するとともに、伸縮することで互いに遠ざかったり近づいたりする。ワイヤロープ30は、第1ユニット及び第2ユニットの一方に連結され、巻き取りユニット40は他方に設けられる。巻き取りユニット40は、ハンドル部42を回転操作したときの周速度よりも小さい周速度に、ワイヤロープを巻き取るリール部41の周速度を減ずる減速機構50を有している。【選択図】図1
Description
本発明は転倒防止装置に関する。
特許文献1は従来の転倒防止装置を開示している。転倒防止装置は、床面上に設置された家具の上面と天井との間に取り付けられ、伸縮して減衰力を発生するダンパを備えている。ダンパの両端部には一対のベース部が連結されている。一方のベース部は家具の上面に当接し、他方のベース部は天井に当接している。このため、この転倒防止装置は、地震等の揺れによって家具が傾くと、ダンパが収縮して減衰力を発生させ、家具の転倒を防止することができる。
しかし、特許文献1の転倒防止装置は、家具の上面と天井との間から取り外す際には、減衰力に抗して収縮させなければならない。また、ダンパには、伸長方向に働く圧縮ガスのガス圧による付勢力も作用している。そして、これらの力に抗して、家具の上方で転倒防止装置を収縮させる作業は困難性を有する。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、物品の上面と天井との間から容易に取り外すことができる転倒防止装置を提供することを解決すべき課題としている。
本発明の転倒防止装置は、設置面上に設置された物品の上面と天井との間に取り付けられる。転倒防止装置は、伸長方向に付勢力を付勢しつつ伸縮するとともに、収縮動作時に減衰力を発生して物品の転倒を防止する。転倒防止装置は、第1ユニット、第2ユニット、索状物及び巻き取りユニットを備えている。第1ユニット及び第2ユニットは、一方が物品の上面に当接し、他方が天井に当接する。また、第1ユニット及び第2ユニットは、伸縮することで互いに遠ざかったり近づいたりする。索状物は、一端が第1ユニット及び第2ユニットの一方に連結されている。巻き取りユニットは、第1ユニット及び第2ユニットの他方に設けられている。巻き取りユニットは、リール部、ハンドル部及び減速機構を有している。リール部は索状物を巻き取る。ハンドル部はリール部を回転させる。減速機構は、ハンドル部を回転操作したときの周速度よりも小さい周速度にリール部の周速度を減ずる。
このような構成により、本発明の転倒防止装置は、物品の上面と天井との間から取り外すときには、巻き取りユニットのハンドル部を回転させるという簡易な操作で収縮させることができる。また、ハンドル部を回転させる力は、減速機構の作用により、収縮動作によって発生する減衰力に抗して巻き取る力よりも小さくて済む。このため、容易に収縮させることができる。
したがって、本発明の転倒防止装置は、物品の上面と天井との間から容易に取り外すことができる。
本発明の転倒防止装置において、巻き取りユニットは、リール部が巻き取り方向とは反対方向へ回転するのをロックするロック機構を備え得る。この場合、収縮した状態を維持することができるので、より容易に取り外し作業を行うことができる。
本発明の転倒防止装置において、ロック機構は、ハンドル部の軸方向の移動によりリール部のロックを解除し得る。この場合、簡易な操作で容易にリール部のロックを解除することができる。
本発明の転倒防止装置を具体化した実施形態1〜3について、図面を参照しつつ説明する。
<実施形態1>
実施形態1の転倒防止装置1は、図1及び図2に示すように、家具F(本発明に係る物品として例示する。)の上面と天井Cとの間に少なくとも1個以上が取り付けられる。転倒防止装置1は、地震等の揺れが生じて家具Fが傾いた際に、減衰力により家具Fの揺れを抑制して家具Fの転倒を防止する。家具Fは、設置面となる床面(図示せず)から鉛直方向に伸びた壁面Wに背面を対向させて床面上に設置されている。また、この家具Fは、直方体形状をなしており、正面(図1における右側面)に図示しない扉や引き出し等を有し、内部に衣類や装身具等を収納することができる。家具Fは、水平断面形状が左右方向(図1において奥行き方向)に長い長方形状である。この家具Fは、転倒防止装置が取り付けられていない場合、地震等の揺れによって、前方向(図1において右方向)に傾いて転倒するおそれがある。
実施形態1の転倒防止装置1は、図1及び図2に示すように、家具F(本発明に係る物品として例示する。)の上面と天井Cとの間に少なくとも1個以上が取り付けられる。転倒防止装置1は、地震等の揺れが生じて家具Fが傾いた際に、減衰力により家具Fの揺れを抑制して家具Fの転倒を防止する。家具Fは、設置面となる床面(図示せず)から鉛直方向に伸びた壁面Wに背面を対向させて床面上に設置されている。また、この家具Fは、直方体形状をなしており、正面(図1における右側面)に図示しない扉や引き出し等を有し、内部に衣類や装身具等を収納することができる。家具Fは、水平断面形状が左右方向(図1において奥行き方向)に長い長方形状である。この家具Fは、転倒防止装置が取り付けられていない場合、地震等の揺れによって、前方向(図1において右方向)に傾いて転倒するおそれがある。
転倒防止装置1は、図1及び図2に示すように、ダンパ10、一対のベース部21,22、ワイヤロープ(本発明に係る索状物として例示する)30及び巻き取りユニット40を備えている。ダンパ10は油圧ダンパであり、伸縮自在に設けられている。ダンパ10は、収縮動作時に発生する減衰力が伸長動作時に発生する減衰力よりも大きい圧効きダンパである。一対のベース部21,22は、一方のベース部21(第1ベース部)がダンパ10の下端部に連結されて家具Fの上面に当接し、他方のベース部22(第2ベース部)がダンパ10の上端部に連結されて天井Cに当接する。
ダンパ10は、シリンダ11、及びロッド12を有している。また、ダンパ10は、2個のジョイント部13,14を有している。シリンダ11は有底筒状に形成されている。シリンダ11には作動油及び圧縮ガスが封入されている。ロッド12は、シリンダ11の開口部側の一端から突出し、中心軸方向に往復移動自在にシリンダ11に挿入されている。ロッド12の基端側は、シリンダ11内に摺動自在に収納された図示しないピストンに接続されている。ジョイント部13,14は、一方のジョイント部13がダンパ10のシリンダ11側の端部(シリンダ11の底部)に設けられており、もう一方のジョイント部14はロッド12側の端部(ロッド12の先端部)に設けられている。各ジョイント部13,14には、第1ベース部21と第2ベース部22が接続される。各ジョイント部13,14は、図1及び図2に示すように、平板状の金具を折り曲げて形成されている。
ダンパ10は収縮動作時に発生する減衰力が伸長動作時に発生する減衰力よりも大きい圧効きダンパである。ダンパ10の収縮動作とは、シリンダ11からロッド12の突出長さが短くなっていく動作を意味する。また、ダンパ10の伸長動作とは、シリンダ11からロッド12の突出長さが長くなっていく動作を意味する。ダンパ10は、シリンダ11に封入した圧縮ガスのガス圧により、ダンパ10が伸長する方向に付勢力を作用させている。そして、この圧縮ガスの作用により、ダンパ10は、家具F側の端部であるシリンダ11の下端部と天井C側の端部であるロッド12の上端部とが互いに遠ざかる方向に付勢力を付与する。すなわち、ダンパ10は、伸長方向に付勢力を付与して伸縮する。
ダンパ10の減衰力が発生するメカニズムは、周知の構造であるため、図示を省略して説明する。シリンダ11は、ピストンによって、ロッド12の基端部が収納されているロッド側圧力室と、反ロッド側圧力室とにその内部が仕切られている。ピストンは両圧力室間を連通させる絞り弁であるオリフィスが形成されている。オリフィスは、ダンパ10の伸縮動作に伴うロッド側圧力室と反ロッド側圧力室との間の作動油の流れに抵抗を付与して減衰力を発生する減衰力発生部として機能する。また、ピストンは逆止弁を介して両圧力室間を連通する連通路が形成されている。逆止弁は、ロッド側圧力室から反ロッド側圧力室への作動油の流れを許容し、その逆の流れを阻止する。このため、ダンパ10は、伸長動作時、ロッド側圧力室から反ロッド側圧力室への作動油の流路経路が、オリフィスと連通路の経路になる。一方、ダンパ10は、収縮動作時、反ロッド側圧力室からロッド側圧力室への作動油の流路経路がオリフィスのみとなる。このため、ダンパ10は収縮動作時に発生する減衰力が伸長動作時に発生する減衰力よりも大きくなる。
第1ベース部21及び第2ベース部22は、ダンパ10に対して夫々回動自在に設けられている。第1ベース部21は、ダンパ10のシリンダ11側のジョイント部13にピン21Aを介して連結されている。このピン21Aの中心軸は第1ベース部21におけるダンパ10の回動軸となる。また、第2ベース部22は、ダンパ10のロッド12側のジョイント部14にピン22Aを介して連結されている。このピン22Aの中心軸は第2ベース部22におけるダンパ10の回動軸となる。
本実施形態1において、ダンパ10のシリンダ11、ジョイント部13及び第1ベース部21(ピン21Aも含む)は、第1ユニット2を構成する。また、ダンパ10のロッド12、ジョイント部14及び第2ベース部22(ピン22Aも含む)は、第2ユニット3を構成する。そして、これらシリンダ11、ジョイント部13及び第1ベース部21を有して構成される第1ユニット2と、ロッド12、ジョイント部14及び第2ベース部22を有して構成される第2ユニット3は、ダンパ10の伸縮に応じて互いに離隔・近接する。すなわち、転倒防止装置1は、伸縮することで、第1ユニット2及び第2ユニット3が互いに遠ざかったり近づいたりする。第1ユニット2及び第2ユニット3は、一方にワイヤロープ30の一端が連結されており、他方に巻き取りユニット40が設けられている。
図1及び図2に示すように、本実施形態1において、ワイヤロープ30は第2ユニット3に連結されており、巻き取りユニット40は第1ユニット2に設けられている。詳細には、ワイヤロープ30の一端は第2ベース部22のピン22Aに連結されており、巻き取りユニット40は第1ベース部21に取り付けられている。ワイヤロープ30は金属線を撚り合わせてなるロープである。巻き取りユニット40は、図3〜図6に示すように、リール部41及びハンドル部42を有している。リール部41はワイヤロープ30を巻き取る。リール部41は、ワイヤロープ30の巻き取り面41Aの両端がフランジ状に拡径した円筒状に形成されており、その中心軸回りに回転自在にハウジング43内に収納されている。ハンドル部42はリール部41を回転させる。ハンドル部42は、リール部41の巻き取り面41Aの外径D1よりも大きい外径D2の円板状に形成されている。ハンドル部42は、一方の面から延びる回転軸42Aをハウジング43に挿通している。回転軸42Aはハウジング43に回転自在に軸支されている。ハンドル部42は、回転軸42Aの中心軸方向に移動自在に設けられている。すなわち、ハンドル部42は、ハウジング43に対して、回転軸42Aの軸方向に相対移動する。
また、巻き取りユニット40は減速機構を有している。減速機構は、ハンドル部42を回転操作したときの周速度よりも小さい周速度にリール部41の周速度を減ずる。これにより、ハンドル部42を回転する力よりも大きな力でリール部41を回転させてワイヤロープ30を巻き取る。本実施形態1において、減速機構は、リール部41とハンドル部42の外径の違いにより実現されている。具体的には、図3に示すように、リール部41には外径D1を有するワイヤロープ30の巻き取り面41Aが設けられており、ハンドル部42には回転操作の操作部位となる外径D2を有する外周面42Bが設けられている。ハンドル部42を回転させたとき、リール部41の巻き取り面41Aの外径D1はハンドル部42の外周面42Bの外径D2よりも小さいので、巻き取り面41Aの周速度は、ハンドル部42の外周面42Bの周速度よりも小さくなる。すなわち、ハンドル部42の外周面42Bを所定の周速度で回転操作したとき、リール部41の外周面の周速度はそれよりも減速される。
また、巻き取りユニット40はロック機構44を有している。図3〜図6に示すように、ロック機構44は、ラチェットギヤ44A、係止爪44B、ロックギヤ44C及びロック孔44Dを具備している。ロック機構44は、リール部41が巻き取り方向とは反対方向へ回転するのをロックする。また、ロック機構44によるロックは、ハンドル部42を軸方向に移動することにより解除される。
ラチェットギヤ44Aは、図6に示すように、各歯の歯先が一方に傾いた丸鋸形状をなす歯車である。係止爪44Bは、ラチェットギヤ44Aに向かって突出して設けられており、その先端部は歯溝内に位置している。係止爪44Bは、ラチェットギヤ44Aの一方への回転に対しては歯先を乗り越えて隣の歯溝へ移動可能であるが、反対方向への回転に対してはラチェットギヤ44Aの歯の側面に係止して噛み合う。すなわち、係止爪44Bは、ラチェットギヤ44Aの一方への回転を許容し、他方への回転を阻止する。本実施形態1において、ラチェットギヤ44Aは、歯先が巻き取り方向と反対の方向に傾斜する形態でハンドル部42の回転軸42Aに形成されており、係止爪44Bはハウジング43に形成されている。したがって、ハンドル部42は、巻き取り方向への回転は許容されるが、その反対方向へは回転不能である。
ロックギヤ44Cは星形の歯車である。ロック孔44Dは、ロックギヤ44Cが係脱自在に嵌め込まれて噛み合う星形の孔である。ロックギヤ44Cはハンドル部42の回転軸42Aに固定的に配されおり、ハンドル部42の軸方向への移動に伴って移動する。ロック孔44Dは、軸方向へ移動不能なリール部41に形成されている。ロックギヤ44Cとロック孔44Dは、ロックギヤ44Cの軸方向への移動により係脱する。ロックギヤ44Cとロック孔44Dが係合している場合、リール部41はハンドル部42の回転操作に伴って回転する。一方、ハンドル部42を軸方向に移動させ、ロックギヤ44Cとロック孔44Dの噛み合いを解除して係合を解除したときには、リール部41はフリー回転可能な状態となる。
ロック機構44は、上述のラチェットギヤ44A及び係止爪44Bの作用により、ワイヤロープ30を巻き取る方向へのハンドル部42の回転を許容する一方、ワイヤロープ30を巻き取る方向とは反対の方向へのハンドル部42の回転は阻止する。したがって、ロックギヤ44Cがロック孔44Dと噛み合った状態においては、リール部41も同様に、巻き取り方向へは回転可能であり、巻き取り方向の反対方向へは回転することができない。このように、ロック機構44は、これらラチェットギヤ44A、係止爪44B、ロックギヤ44C及びロック孔44Dの作用により、リール部41が巻き取り方向とは反対の方向へ回転するのをロックする。
ロック機構44によるリール部41のロックは、ハンドル部42を押し込んで軸方向に移動させることにより解除される。上述のように、ロックギヤ44Cはハンドル部42の回転軸42Aに取り付けられている。このロックギヤ44Cは、通常はロック孔44Dに嵌め込まれてロック孔44Dに噛み合っている。ロックギヤ44Cは、ハンドル部42を押し込んで軸方向に移動させることにより、ロック孔44Dとの噛み合いが解除される。これにより、リール部41はハンドル部42との連結が解除されてフリー回転可能となり、ワイヤロープ30を巻き取る方向の回転とは反対の方向へ回転可能となる。
また、巻き取りユニット40は減速機構50を有している。減速機構50は、ハンドル部42を回転操作したときの周速度よりも小さい周速度にリール部41の周速度を減ずる。本実施形態1において、減速機構50は、リール部41とハンドル部42の外径の違いにより実現されている。具体的には、図3に示すように、リール部41には外径D1を有するワイヤロープ30の巻き取り面41Aが設けられており、ハンドル部42には回転操作の操作部位となる外径D2を有する外周面42Bが設けられている。ハンドル部42を回転させたとき、リール部41の巻き取り面41Aの外径D1は、ハンドル部42の外周面42Bの外径D2よりも小さいので、巻き取り面41Aの周速度は、ハンドル部42の外周面42Bの周速度よりも小さくなる。すなわち、ハンドル部42の外周面42Bを所定の周速度で回転操作したとき、リール部41の外周面の周速度はそれよりも減速される。
また、本実施形態1に係る転倒防止装置1はワイヤガイド60を備えている。ワイヤガイド60は、巻き取りによる力が転倒防止装置1を収縮させる力として効果的に作用するように、ワイヤロープ30をダンパ10の軸芯に沿うように案内する。図1及び図2に示すように、実施形態1において、ワイヤガイド60は、シリンダ11側のジョイント部13からダンパ11の軸芯に交差する方向に突出して設けられている。
このような構成を有する転倒防止装置1は、次に示すようにして家具Fの上面と天井Cとの間から取り外される。取り外し前の状態の転倒防止装置1は、図1に示すように、第1ベース部21及び第2ベース部22が家具Fの上面及び天井Cに当接しており、圧縮ガスのガス圧によるダンパ10の付勢力が家具Fの上面及び天井Cに作用している。
最初に、ハンドル部42を回転操作する。この時、ハンドル部42を回す力は、減速機構50の作用により、収縮動作によって発生する減衰力に抗して巻き取る力よりも小さくて済む。また、減速機構50の作用により、ハンドル部42の外周面42Bの周速度よりも遅い周速度でリール部41が回転する。このため、リール部41がハンドル部42の外周面42Bの周速度と同じ周速度で回転する場合と比較して、ワイヤロープ30の巻き取り速度が減じられる。一般的に、油圧ダンパ等の液体の粘性により減衰力を発生するダンパでは、伸縮速度が大きくなるのに応じて減衰力も大きくなる。本実施形態1の場合、ワイヤロープ30の巻き取り速度を減じられることにより、油圧ダンパであるダンパ10の収縮速度は、リール部41がハンドル部42の外周面42Bの周速度と同じ周速度で回転する場合よりも減じられる。このため、ダンパ10の収縮時に発生する減衰力は、リール部41がハンドル部42の外周面42Bの周速度と同じ周速度で回転する場合よりも小さくなる。したがって、ハンドル部42を回転操作する力はより小さくて済む。
また、ハンドル部42を回転操作する時、ハンドル部42は、ロック機構44のラチェットギヤ44A及び係止爪44Bの作用により一方向にのみ回転可能である。この回転可能な方向とは、リール部41によるワイヤロープ30の巻き取り方向と同じ方向である。そして、リール部41は、ロック機構44のロックギヤ44C及びロック孔44Dが係合していることにより、ハンドル部42の回転操作に伴って回転する。これにより、巻き取り方向に回転するリール部41がワイヤロープ30を巻き取り、ダンパ10が収縮する。これにより、転倒防止装置1の全長が短くなり、天井Cと家具Fの上面に作用するダンパ10の付勢力が解除された状態となる。転倒防止装置1は、このようにして家具Fの上面と天井Cの間から取り外される。
また、この時、リール部41は、ロック機構44の作用により、ワイヤロープ30の巻き取り方向とは反対の方向への回転がロックされている。このため、ハンドル部42を把持する手を放してもリール部41が逆転することはなく、ダンパ10を収縮させて転倒防止装置1の全長を短くした状態が保持される。
なお、転倒防止装置1を家具Fの上面と天井Cの間に取り付けた状態のときには、家具Fが揺れたときの伸縮の妨げにならないように、ワイヤロープ30を十分に弛ませておいたり、ピン22Aから外して巻き取りユニット40に巻き取っておいたりなどしておくとよい。
以上説明したように、転倒防止装置1は、設置面上に設置された家具Fの上面と天井Cとの間に取り付けられる。転倒防止装置1は、伸長方向に付勢力を付勢しつつ伸縮するとともに、収縮動作時に減衰力を発生して家具Fの転倒を防止する装置である。転倒防止装置1は、第1ユニット2、第2ユニット3、ワイヤロープ30及び巻き取りユニット40を備えている。第1ユニット2は、家具Fの上面に当接し、第2ユニット3は、天井Cに当接する。また、第1ユニット2及び第2ユニット3は、伸縮することで互いに遠ざかったり近づいたりする。ワイヤロープ30は、一端が第2ユニット3に連結されている。巻き取りユニット40は、第1ユニットに設けられている。巻き取りユニット40は、リール部41、ハンドル部42及び減速機構50を有している。リール部41はワイヤロープ30を巻き取る。ハンドル部42はリール部41を回転させる。減速機構50は、ハンドル部42を回転操作したときの外周面42Bの周速度よりも小さい周速度にリール部41の巻き取り面41Aの周速度を減ずる。
このような構成により、転倒防止装置1は、家具Fの上面と天井Cとの間から取り外すときには、巻き取りユニット40のハンドル部42を回転させるという簡易な操作で収縮させることができる。また、ハンドル部42を回転させる力は、減速機構50の作用により、収縮動作によって発生する減衰力に抗して巻き取る力よりも小さくて済む。すなわち、ハンドル部42を回転させる力は、巻き取り面41Aの外径D1を有するリール部41と外周面42Bの外径D2を有するハンドル部42の作用により、リール部41によりワイヤロープ30を巻き取る力の約D1/D2倍で済む。このため、容易に収縮させることができる。
したがって、転倒防止装置1は、家具Fの上面と天井Cとの間から容易に取り外すことができる。
また、巻き取りユニット40は、リール部41が巻き取り方向とは反対方向へ回転するのをロックするロック機構44を備えている。このため、ワイヤロープ30を巻き取ってダンパ10を収縮させた状態を維持することができるので、より容易に取り外し作業を行うことができる。
また、ロック機構44は、ハンドル部42を軸方向に押し込むことによりリール部41のロックを解除する。このため、簡易な操作で容易にリール部のロックを解除することができる。
また、転倒防止装置1は、ハンドル部42を回転操作した際の操作面となる外周面42Bの速度(周速度)よりも遅い速度でワイヤロープ30を巻き取る。転倒防止装置1は、ワイヤロープ30が巻き取られる速度で収縮する。また、転倒防止装置1の伸縮機構であるダンパ10は液体圧ダンパであり、収縮速度が小さくなれば発生する減衰力も小さくなる。このため、より遅い速度で収縮させることにより発生する減衰力を小さくすることができる。したがって、容易に収縮させることができる。
<実施形態2>
次に、図7などを参照し、実施形態2について説明する。
図7に示す実施形態2の転倒防止装置201は、減速機構の構成の点において、実施形態1の転倒防止装置1とは異なる。その他の部分は、実施形態1と略同一の構成をなし、同一の機能を有する。よって、他の部分については実施形態1と同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。また、以下の説明でも、物品の例として、設置面上に設置された家具Fを例示するが、家具以外の物品に適用してもよい。
次に、図7などを参照し、実施形態2について説明する。
図7に示す実施形態2の転倒防止装置201は、減速機構の構成の点において、実施形態1の転倒防止装置1とは異なる。その他の部分は、実施形態1と略同一の構成をなし、同一の機能を有する。よって、他の部分については実施形態1と同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。また、以下の説明でも、物品の例として、設置面上に設置された家具Fを例示するが、家具以外の物品に適用してもよい。
図7に示すように、転倒防止装置201は、巻き取りユニット240を備えている。巻き取りユニット240は、リール部241及びハンドル部242を有している。リール部241の巻き取り面の外径及びハンドル部242の外径は、実施形態1と略同様で夫々D1、D2であり、実施形態1の減速機構50と同様である。しかし、リール部241及びハンドル部242は、別々の回転軸241A及び242Aを夫々具備しており、これら回転軸241A及び242A同士は、ドリブンギヤ251及びドライブギヤ252を介して回転を伝達する。ドリブンギヤ251はリール部241の回転軸241Aに固定されており、ドライブギヤ252はハンドル部242の回転軸242Aに固定されている。そして、ドリブンギヤ251の歯数Z1はドライブギヤ252の歯数Z2よりも多く設定されている。これらドリブンギヤ251及びドライブギヤ252は、減速機構250を構成している。すなわち、リール部241及びハンドル部242は、減速機構250を介して連結されている。
また、実施形態2に係る転倒防止装置201は、巻き取りユニット240がロック機構244を有している。ロック機構244は、実施形態1のロック機構44と同様のラチェットギヤ244A及び係止爪244Bを具備している。また、ドリブンギヤ251及びドライブギヤ252は、ハンドル部242を軸方向に移動することによりドライブギヤ252も移動し、噛み合いが解除される。これにより、リール部241のロックが解除され、フリー回転可能となる。すなわち、実施形態2に係るロック機構244は、ラチェットギヤ244A、係止爪244B、ドリブンギヤ251及びドライブギヤ252を具備して構成されている。そして、ロック機構244によるロックは、ハンドル部242を軸方向に移動することによりドライブギヤ252とドリブンギヤ251の噛み合いを解除することで、解除される。
このような構成の転倒防止装置201は、実施形態1の転倒防止装置1と同様の作用効果を奏する。これに加えて、転倒防止装置201は、減速機構250の作用によってより小さな力で収縮させることができる。すなわち、ハンドル部242を回転させる力は、歯数Z2のドライブギヤ252と、歯数Z1のドリブンギヤ251の作用により、減速機構50により減少した力を更に約Z1/Z2倍した大きさとなる。したがって、家具Fの上面と天井Cとの間からより容易に取り外すことができる。
<実施形態3>
次に、図8及び図9などを参照し、実施形態3について説明する。
図8及び図9に示す実施形態3の転倒防止装置301は、巻き取りユニットの構成の点において、実施形態1の転倒防止装置1とは異なる。その他の部分は、実施形態1と略同一の構成をなし、同一の機能を有する。よって、他の部分については実施形態1と同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。また、以下の説明でも、物品の例として、設置面上に設置された家具Fを例示するが、家具以外の物品に適用してもよい。
次に、図8及び図9などを参照し、実施形態3について説明する。
図8及び図9に示す実施形態3の転倒防止装置301は、巻き取りユニットの構成の点において、実施形態1の転倒防止装置1とは異なる。その他の部分は、実施形態1と略同一の構成をなし、同一の機能を有する。よって、他の部分については実施形態1と同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。また、以下の説明でも、物品の例として、設置面上に設置された家具Fを例示するが、家具以外の物品に適用してもよい。
図8及び図9に示すように、転倒防止装置301は、巻き取りユニット340を備えている。巻き取りユニット340は、リール部341及びハンドル部342を有している。リール部341は、第1ベース部321に回転自在に挿通された外径d1の丸棒形状の部材である。リール部341の両端部にはワイヤロープ330が夫々連結されている。ハンドル部342は、d1よりも小さい外径の丸棒をL字状に屈曲して形成されている。ハンドル部342は、L字の2辺に相当する第1アーム342Aと第2アーム342Bとを具備している。ハンドル部342は第1アーム342Aがリール部341の一端部に回動自在に挿通されている。
リール部341は、第1ベース部321の下面から高さHの位置に挿通されている。ハンドル部342は、第1アーム342Aがリール部341の軸中心から長さL1で突出してリール部341に挿通されている。この長さL1は、リール部341の軸中心から第1ベース部321の下面までの高さHよりも小さく設けられている。また、第2アーム342Bは、第1アーム342Aの軸中心から長さL2で設けられている。この長さL2は、リール部341の軸中心から第1ベース部21の下面までの高さHよりも十分に長く設けられている。
巻き取りユニット340は、リール部341によりワイヤロープ330を巻き取るときには、第1アーム342Aの軸中心を回動軸としてハンドル部342を回動して、第2アーム342Bの先端をリール部341の軸中心から最も遠い位置となる方向に向ける(図8参照)。これにより、巻き取りユニット340は、ハンドル部342を回転操作したときの操作部位の周速度よりも小さい周速度に、リール部341の巻き取り面(外周面)341Aの周速度を減ずる。すなわち、ハンドル部342を回転させる力は、長さL2の第2アーム342Bを有するハンドル部342と、外径d1の外周面を有するリール部341の作用により、リール部341によりワイヤロープ330を巻き取る力の約(d1/2)/L2倍で済む。このため、転倒防止装置301は、実施形態1の転倒防止装置1と同様に、より小さな力でリール部341を回転させることができ、容易にワイヤロープ330を巻き取ることができる。
また、巻き取りユニット340は、ハンドル部342の第2アーム342Bを回転操作してリール部341を回転させてワイヤロープ330を巻き取るが、第2アーム342Bが家具Fの上面に干渉するまで回転させたら、第1アーム342Aの軸中心を回動軸として、第2アーム342Bを約180°回動させる。これを繰り返すことで、所望の長さまで収縮させることができる。
により、更に巻き取ることができるようになる。
により、更に巻き取ることができるようになる。
なお、この状態でハンドル部342を操作する手を放すと、リール部341は、伸長方向に作用する付勢力によりワイヤロープ330が引き出される方向に回転しようとするが、ハンドル部342の第2アーム342Bが家具Fの上面に干渉するため回転不能である。すなわち、ハンドル部342は、リール部341が巻き取り方向とは反対の方向へ回転するのをロックするロック機構としても機能する。
さらに、ハンドル部342は、第2アーム342Bをリール部の軸中心に平行な方向に向けることにより、第2アーム342Bが家具Fの上面に干渉しない状態とすることができる。このとき、リール部341は、巻き取り方向とは反対の方向へ回転することも可能である。すなわち、本実施形態3において、ロック機構としてのハンドル部342によるロックは、第2アーム342Bを回動して第2アーム342Bの中心軸がリール部341の中心軸に略平行な方向を向けることにより解除される。
このように、転倒防止装置301は、実施形態1の転倒防止装置1と同様の作用効果を奏する。これに加えて、転倒防止装置301は、実施形態1及び2と比較してより簡易な構成の転倒防止装置を実現できる。また、2本のワイヤロープ330を用いたので、バランス良く安定的に収縮させることができる。
<実施形態4>
次に、図10及び図11などを参照し、実施形態4について説明する。
図10に示す実施形態4の転倒防止装置401は、巻き取りユニットの構成の点において、実施形態1の転倒防止装置1とは異なる。その他の部分は、実施形態1と略同一の構成をなし、同一の機能を有する。よって、他の部分については実施形態1と同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。また、以下の説明でも、物品の例として、設置面上に設置された家具Fを例示するが、家具以外の物品に適用してもよい。
次に、図10及び図11などを参照し、実施形態4について説明する。
図10に示す実施形態4の転倒防止装置401は、巻き取りユニットの構成の点において、実施形態1の転倒防止装置1とは異なる。その他の部分は、実施形態1と略同一の構成をなし、同一の機能を有する。よって、他の部分については実施形態1と同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。また、以下の説明でも、物品の例として、設置面上に設置された家具Fを例示するが、家具以外の物品に適用してもよい。
図10に示すように、転倒防止装置401は、巻き取りユニット440を備えている。巻き取りユニット440は、ばね45とばね受46を更に有している。ばね45は圧縮コイルばねであり、ハンドル部42の回転軸42Aに挿通されている。ばね受46は、回転軸42Aに固定されているとともに、ばね45の一端が当接してばね45の付勢力を受けている。このため、回転軸42Aは、ハンドル部42を押し込む方向の軸方向に常時付勢された状態とされている。そして、これらばね45及びばね受46の作用により、巻き取りユニット440は、ハンドル部42の操作時以外は、ロック機構44によるロックが自動的に解除される。すなわち、ばね45及びばね受46は、ロック機構44によるロックをハンドル部42の操作時以外は自動的に解除する自動解除機構を構成しているといえる。
ワイヤロープ30を巻き取るときには、図10に示すように、ばね45の付勢力に抗して軸方向に引っ張りながらハンドル部42を回転操作する。このハンドル部42の操作中はロック機構44によるロックが作用しており、リール部41の巻き取り方向とは反対方向への回転が規制される。そして、ハンドル部42の操作を終えて手を放すと、ばね45の付勢力が常時作用していることにより、図11に示すように、ハンドル部42を軸方向に押し込む方向に回転軸42Aが自動的に移動して、ロック機構44によるロックが解除された状態となる。
このような構成の転倒防止装置401は、実施形態1の転倒防止装置1と同様の作用効果を奏する。これに加えて、転倒防止装置401は、ロック機構44によるロックが自動的に解除されるので、揺れが生じた場合にロック機構44によるロックが伸縮の妨げになることを確実に防止することができる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態1〜4に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)実施形態1〜4では、転倒防止装置を家具に対して取り付けたが、これに限定されず、例えば、複数の寝台を上下方向に連結したベッド、大型テレビ、冷蔵庫、書棚、ショーケース、サーバーラック等、地震等の揺れによって転倒するおそれのある他の物品に対して取り付けてもよい。
(2)実施形態1〜4では、転倒防止装置を、壁面に背面を対向させて床面上に載置された家具に対して取り付けたが、壁面に隣接させずに床面上に載置された家具等に対して取り付けてもよい。このとき、物品が、前方のみならず後方等の他の方向にも転倒するおそれがある場合には、取り付け位置や取り付け個数、ダンパの傾斜角度、傾斜方向などに注意して、物品が転倒する可能性のある方向に合わせて適切に取り付ける必要がある。
(3)実施形態1〜4では、圧縮ガスの膨張力でダンパを伸長させたが、これに限定されず、例えば、ばね等の他の手段又はそれらの組み合わせ等により付勢力を更に付与してダンパを伸長させるようにしてもよい。
(4)実施形態1〜4では、シリンダ内に封入する作動液体として作動油を採用したが、これに限定されず、所定の減衰力を発生させるものであれば、他の液体(例えば、水など)を採用してもよい。
(5)実施形態1〜4では、索状物の例として金属線を撚り合わせたワイヤロープを示したが、索状物としては金属製ロープに限定されず、例えば、化学繊維、天然繊維を用いたものや異なる種類の繊維を組み合わせて撚り合わせたものなどであってもよい。また、ロープに限らず、単一の繊維を用いたものや、環状体等を要素として長手方向に連続して鎖のように多数繋げたものなど、柔軟性を有する長尺状のものであればよい。
(6)実施形態1〜4では、巻き取りユニットを第1ユニット側の第1ベース部に設ける例を示したが、第2ユニット側に設けてもよい。この場合、索状物の一端は第1ユニットに設けられる。また、巻き取りユニットを設ける位置及び索状物の一端を連結する位置としてはベース部に限定されず、ピン、ロッド、シリンダ、ジョイント部等、第1ユニット及び第2ユニットのいずれの位置に設けられていてもよい。
(7)実施形態1〜4では、特定構成の減速機構を夫々例示したが、本発明に係る減速機構はそれらに限定されるものではない。
(8)実施形態1〜3では、巻き取りユニットがロック機構を有する例を示したが、本発明においては、巻き取りユニットがロック機構を有することは必須ではない。
(9)実施形態1、2及び4では、ロック機構によるリール部のロックの解除方法として、ハンドル部を軸方向へ移動する例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、実施形態3に示した例や、リール部を軸方向に移動させるなど、他の方法であってもよい。また、ロック機構のロックを自動的に解除する機構としての自動解除機構も、実施形態4に示したばねの付勢力を軸方向に作用させる方法のみに限定されるものではなく、他の方法により解除する機構であってもよい。
(10)実施形態1、2及び4では、ハンドル部の軸方向の移動の例として、ハンドル部を押し込む例を示したが、ハンドル部を軸方向に引っ張ることで軸方向に移動させるようにしてもよい。
(1)実施形態1〜4では、転倒防止装置を家具に対して取り付けたが、これに限定されず、例えば、複数の寝台を上下方向に連結したベッド、大型テレビ、冷蔵庫、書棚、ショーケース、サーバーラック等、地震等の揺れによって転倒するおそれのある他の物品に対して取り付けてもよい。
(2)実施形態1〜4では、転倒防止装置を、壁面に背面を対向させて床面上に載置された家具に対して取り付けたが、壁面に隣接させずに床面上に載置された家具等に対して取り付けてもよい。このとき、物品が、前方のみならず後方等の他の方向にも転倒するおそれがある場合には、取り付け位置や取り付け個数、ダンパの傾斜角度、傾斜方向などに注意して、物品が転倒する可能性のある方向に合わせて適切に取り付ける必要がある。
(3)実施形態1〜4では、圧縮ガスの膨張力でダンパを伸長させたが、これに限定されず、例えば、ばね等の他の手段又はそれらの組み合わせ等により付勢力を更に付与してダンパを伸長させるようにしてもよい。
(4)実施形態1〜4では、シリンダ内に封入する作動液体として作動油を採用したが、これに限定されず、所定の減衰力を発生させるものであれば、他の液体(例えば、水など)を採用してもよい。
(5)実施形態1〜4では、索状物の例として金属線を撚り合わせたワイヤロープを示したが、索状物としては金属製ロープに限定されず、例えば、化学繊維、天然繊維を用いたものや異なる種類の繊維を組み合わせて撚り合わせたものなどであってもよい。また、ロープに限らず、単一の繊維を用いたものや、環状体等を要素として長手方向に連続して鎖のように多数繋げたものなど、柔軟性を有する長尺状のものであればよい。
(6)実施形態1〜4では、巻き取りユニットを第1ユニット側の第1ベース部に設ける例を示したが、第2ユニット側に設けてもよい。この場合、索状物の一端は第1ユニットに設けられる。また、巻き取りユニットを設ける位置及び索状物の一端を連結する位置としてはベース部に限定されず、ピン、ロッド、シリンダ、ジョイント部等、第1ユニット及び第2ユニットのいずれの位置に設けられていてもよい。
(7)実施形態1〜4では、特定構成の減速機構を夫々例示したが、本発明に係る減速機構はそれらに限定されるものではない。
(8)実施形態1〜3では、巻き取りユニットがロック機構を有する例を示したが、本発明においては、巻き取りユニットがロック機構を有することは必須ではない。
(9)実施形態1、2及び4では、ロック機構によるリール部のロックの解除方法として、ハンドル部を軸方向へ移動する例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、実施形態3に示した例や、リール部を軸方向に移動させるなど、他の方法であってもよい。また、ロック機構のロックを自動的に解除する機構としての自動解除機構も、実施形態4に示したばねの付勢力を軸方向に作用させる方法のみに限定されるものではなく、他の方法により解除する機構であってもよい。
(10)実施形態1、2及び4では、ハンドル部の軸方向の移動の例として、ハンドル部を押し込む例を示したが、ハンドル部を軸方向に引っ張ることで軸方向に移動させるようにしてもよい。
1,201,301,401…転倒防止装置、2…第1ユニット、3…第2ユニット、10…ダンパ、11…シリンダ、12…ロッド、13,14…ジョイント部、21,22…ベース部、21A,22A…ピン、30,330…ワイヤロープ(索状物)、40,240,340,440…巻き取りユニット、41,241,341…リール部、41A…リール部の巻き取り面、241A…リール部の回転軸、42,242,342…ハンドル部、42A,242A…ハンドル部の回転軸、42B…ハンドル部の外周面、342A…第1アーム、342B…第2アーム、43…ハウジング、44,244…ロック機構、44A,244A…ラチェットギヤ、44B,244B…係止爪、44C…ロックギヤ、44D…ロック孔、45…ばね、46…ばね受、50,250…減速機構、251…ドリブンギヤ、252…ドライブギヤ、60…ワイヤガイド、C…天井、F…家具、W…壁面
Claims (3)
- 設置面上に設置された物品の上面と天井との間に取り付けられ、伸長方向に付勢力を付勢しつつ伸縮するとともに、収縮動作時に減衰力を発生して前記物品の転倒を防止する転倒防止装置であって、
一方が前記物品の上面に当接し、他方が前記天井に当接するとともに、伸縮することで互いに遠ざかったり近づいたりする第1ユニット及び第2ユニットと、
一端が前記第1ユニット及び前記第2ユニットの一方に連結された索状物と、
前記第1ユニット及び前記第2ユニットの他方に設けられており、前記索状物を巻き取るリール部、前記リール部を回転させるハンドル部、及び前記ハンドル部を回転操作したときの周速度よりも小さい周速度に前記リール部の周速度を減ずる減速機構を有する巻き取りユニットと、
を備えていることを特徴とする転倒防止装置。 - 前記巻き取りユニットは、前記リール部が巻き取り方向とは反対方向へ回転するのをロックするロック機構を備えることを特徴とする請求項1記載の転倒防止装置。
- 前記ロック機構は、前記ハンドル部の軸方向の移動により前記リール部のロックを解除することを特徴とする請求項2記載の転倒防止装置。
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