JP6722468B2 - ダンパ及びこのダンパを備えた転倒防止装置 - Google Patents

Description

本発明はダンパ及びこのダンパを備えた転倒防止装置に関するものである。

特許文献１は従来のダンパを備えた転倒防止装置を開示している。このダンパは、シリンダ、ロッドガイド、ピストン、及びロッドを備えている。シリンダは有底筒状である。ロッドガイドはシリンダの開口部を封鎖している。ピストンはシリンダ内に摺動自在に収納されている。ロッドは、基端部がピストンに連結され、ロッドガイドを摺動自在に挿通し、先端側がシリンダの外部へ突出している。また、ダンパはシリンダ内に作動油及び圧縮ガスを封入している。このダンパは家具の上面と天井との間に取り付けられる転倒防止装置を構成している。この転倒防止装置は、ダンパのシリンダの底部が開口部よりも下方に位置し、ロッドがシリンダから上方に突出し、シリンダ及びロッドの中心軸が水平面に対して所定の角度に傾斜した状態で、家具の上面と天井との間に取り付けられる。この転倒防止装置は、地震等の揺れによって家具が傾いた際、ダンパのピストンが作動油内で移動することによって発生する減衰力が家具に作用して、家具の傾きを抑制し、家具の転倒を防止することができる。

特開２０１５−６３３０号公報

しかし、このダンパのピストンは、作動油内のみでなく、作動油よりも上方に封入された圧縮ガス内も移動し得る。ダンパは圧縮ガス内でピストンが移動しても減衰力を発生することができない。つまり、このダンパは全ストローク範囲で減衰力を発生することができない。

また、このダンパを備えた転倒防止装置は、家具の上面と天井との間隔が広いと、ピストンが作動油よりも上方に封入された圧縮ガス内に配置された状態で、家具の上面と天井との間に取り付けられるおそれがある。転倒防止装置は、ピストンが圧縮ガス内に配置された状態で取り付けられると、地震等の揺れによって家具が傾いた際、ダンパが収縮してピストンが作動油内に移動するまでダンパが減衰力を発生しない。このため、この転倒防止装置はダンパの減衰力が家具に有効に作用せずに家具が転倒するおそれがある。

本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、全ストローク範囲で減衰力を発揮するダンパを提供するとともに、このダンパを備えることによって、物品の転倒を良好に防止することができる転倒防止装置を提供することを解決すべき課題としている。

第１発明のダンパは、シリンダ、ロッドガイド、ピストン、ロッド、及び規制部を備えている。シリンダは、有底筒状であって、シリンダは内部に作動液体及びガスを封入しており、底部が開口部よりも下方に位置する。ロッドガイドはシリンダの開口部を閉鎖している。ピストンはシリンダ内に摺動自在に収納されている。ロッドは、基端部がピストンに連結されており、ロッドガイドを摺動自在に挿通して先端側がシリンダの外部に突出している。規制部は、ロッドの中心軸が水平面に対して所定の角度に傾斜した状態で、作動液体内にピストンが浸漬されるようにピストンの位置を規制している。また、この規制部は、シリンダの側面の所定の位置に外側から内側に突出した凸部に外周縁が係止して固定され、中央に前記ロッドを挿通する挿通孔が形成された円環部材である。

このダンパは、シリンダの底部が開口部よりも下方に位置してロッドがシリンダから上方に突出し、シリンダ及びロッドの中心軸が水平面に対して所定の角度に傾斜した状態で、規制部である円環部材が作動液体内にピストンが浸漬されるようにピストンの位置を規制している。このため、このダンパは、所定の角度に傾斜させた状態で伸縮させると、常にピストンが作動液体内を移動して減衰力を発揮することができる。ここで、所定角度とは、ダンパが実際に使用される角度を想定したものであり、例えば、６５°以上、かつ９０°以下である。

したがって、第１発明のダンパは全ストローク範囲で減衰力を発揮することができる。

第２発明のダンパは、シリンダ、ロッドガイド、ピストン、ロッド、及び規制部を備えている。シリンダは、有底筒状であって、シリンダは内部に作動液体を封入しており、底部が開口部よりも下方に位置する。ロッドガイドはシリンダの開口部を閉鎖している。ピストンはシリンダ内に摺動自在に収納されている。ロッドは、基端部がピストンに連結されており、ロッドガイドを摺動自在に挿通して先端側がシリンダの外部に突出している。規制部は、シリンダ及びロッドの中心軸が水平面に対して所定の角度に傾斜した状態で、作動液体内にピストンが浸漬されるようにピストンの位置を規制している。また、シリンダは、ピストンによって、ロッドの基端部が収納されているロッド側圧力室と、反ロッド側圧力室とに内部が仕切られている。また、規制部は、ロッド側圧力室内であってピストンとロッドガイドとの間に配置され、ロッドの中心軸に沿って所定の長さを有しており、内部にガスを圧縮して充填しており、ロッドの中心軸方向の長さを保持しつつ弾性変形する袋体である。この場合、このダンパは、ピストンとロッドガイドとの間に規制部である袋体が介在し、この袋体にピストンが当接すると、それ以上にピストンがロッドガイド側に移動することができない。つまり、このダンパは袋体が作動液体内にピストンが浸漬されるような長さを有してピストンの位置を規制している。このため、このダンパは全ストローク範囲でピストンが作動液体内を移動して減衰力を発揮することができる。

このダンパは、規制部である袋体がロッドの中心軸方向の長さを保持しつつ弾性変形するため、ピストンとロッドガイドとの間に袋体が介在し、この袋体にピストンが当接すると、それ以上にピストンがロッドガイド側に移動することができない。つまり、このダンパは規制部である袋体が作動液体内にピストンが浸漬されるような長さを有してピストンの位置を規制している。このため、このダンパは全ストローク範囲でピストンが作動液体内を移動して減衰力を発揮することができる。また、規制部である袋体はダンパの伸長動作時のストッパとしても機能し、ピストンが袋体に当接するとそれ以上ダンパは伸長しない。このダンパは、袋体がストッパとして機能し、ピストンが袋体に当接した際の接触音の発生を抑えることができる。また、このダンパは、ピストンが袋体に当接するため、作動液体中にピストンから金属片等のごみが発生することを抑えることができる。また、このダンパは、収縮してピストンが反ロッド側圧力室側に移動し、反ロッド側圧力室内の作動液体がロッド側圧力室内に流入すると、ロッド側圧力室内に収納された規制部である袋体が圧縮されロッドの中心軸方向の長さを保持しつつ縮小する。このダンパは、袋体が縮小するにつれて袋体の膨張力が増加し、この膨張力が伸長方向に作用する。また、このダンパは、袋体にガスを圧縮して充填し作動油と分離しているため、伸縮動作による気泡の発生を抑えることができる。

第３発明のダンパは、シリンダ、ロッドガイド、ピストン、ロッド、及び規制部を備えている。シリンダは、有底筒状であって、シリンダは内部に作動液体及びガスを封入しており、底部が開口部よりも下方に位置する。ロッドガイドはシリンダの開口部を閉鎖している。ピストンはシリンダ内に摺動自在に収納されている。ロッドは、基端部がピストンに連結されており、ロッドガイドを摺動自在に挿通して先端側がシリンダの外部に突出している。規制部は、ロッドの中心軸が水平面に対して所定の角度に傾斜した状態で、作動液体内にピストンが浸漬されるようにピストンの位置を規制している。また、規制部は、ロッドの外周面から外方向に突出し、ロッドガイドのピストン側の底面に係止するＣ型ワッシャである。この場合、ダンパは、ロッドの外周面から外方向に突出したＣ型ワッシャがロッドガイドのピストン側の底面に係止すると、ピストンがロッドガイド側に移動することができない。つまり、このダンパは、規制部であるＣ型ワッシャが作動液体内にピストンが浸漬される位置に設けられ、ピストンの位置を規制している。このため、このダンパは全ストローク範囲でピストンが作動液体内を移動して減衰力を発揮することができる。

本発明の転倒防止装置は、前記ダンパ、第１ベース部、及び第２ベース部を備えている。第１ベース部はシリンダの底部に接続されたジョイント部を連結している。第２ベース部はロッドの先端部に接続されたジョイント部を連結している。また、転倒防止装置は、ロッドの中心軸が水平面に対して所定の角度に傾斜した状態で第１ベース部は物品の上面に当接して載置され、第２ベース部は天井に当接する。

この転倒防止装置は、ダンパが全ストローク範囲で減衰力を発揮するため、地震等の揺れによって物品が傾いた際、常にダンパの減衰力が物品に作用し、物品の転倒を防止することができる。ここで、所定角度とは、物品の転倒を良好に防止することができる６５°〜８５°である。また、物品は、家具、複数の寝台を上下方向に連結したベッド、大型テレビ、冷蔵庫、書棚、ショーケース、サーバーラック等、地震の揺れ等によって転倒するおそれのあるものが含まれる。

したがって、本発明の転倒防止装置は物品の転倒を良好に防止することができる。

参考形態１の転倒防止装置を家具の上面と天井との間に取り付けた状態を示す側面図である。 参考形態１の転倒防止装置を家具の上面と天井との間に取り付けた状態を示す正面図である。 参考形態１の転倒防止装置に備えられたダンパの伸長状態を示す断面図である。 参考形態１の転倒防止装置に備えられたダンパの収縮状態を示す断面図である。 実施形態１の転倒防止装置に備えられたダンパの伸長状態を示す断面図である。 実施形態１の転倒防止装置に備えられたダンパの収縮状態を示す断面図である。 実施形態２の転倒防止装置に備えられたダンパの伸長状態を示す断面図である。 実施形態３の転倒防止装置に備えられたダンパの伸長状態を示す断面図である。 実施形態４の転倒防止装置に備えられたダンパの伸長状態を示す断面図である。 実施形態４の転倒防止装置に備えられたダンパの収縮状態を示す断面図である。

本発明のダンパを備えた転倒防止装置を具体化した実施形態１〜４について、図面を参照しつつ説明する。

＜参考形態１＞
参考形態１の転倒防止装置は、図１及び図２に示すように、ダンパ１０、一対のベース部３０Ａ、３０Ｂを備えている。この転倒防止装置は、家具Ｆの上面と天井Ｃとの間に少なくとも１個以上が取り付けられる。この家具Ｆは、床面（図示せず）から鉛直方向に伸びた壁面Ｗに背面を対向させて床面上に設置されている。また、この家具Ｆは、直方体形状であり、正面（図１における右側面）に図示しない扉や引き出し等を有し、内部に衣類や装身具等を収納することができる。家具Ｆは、水平断面形状が左右方向（図１において奥行き方向）に長い長方形状である。この家具Ｆは、転倒防止装置が取り付けられていない場合、地震等の揺れによって、前方向（図１において右方向）に傾いて転倒するおそれがある。

ダンパ１０は、図１〜図４に示すように、シリンダ１１、ロッドガイド１２、ピストン１３、ロッド１４、規制部である筒部材１５、及び両端に設けられた２個のジョイント部１６を有している。シリンダ１１は有底筒状である。ロッドガイド１２はシリンダ１１の開口部を封鎖している。ピストン１３はシリンダ１１内に摺動自在に挿入されている。ロッド１４は基端部がピストン１３に連結されている。また、ロッド１４はロッドガイド１２を挿通して先端側がシリンダ１１の外部へ突出している。ピストン１３は、シリンダ１１内をロッド１４の基端部が収納されているロッド側圧力室１１Ｂと、反ロッド側圧力室１１Ａとに仕切っている。ダンパ１０はシリンダ１１内に所定量の作動油Ｙ及び所定量の圧縮ガスＧを封入している。

規制部である筒部材１５は、図３及び図４に示すように、略円筒状である。筒部材１５は、円筒部１５Ａと、円筒部１５Ａの一方の端部に設けられた当接部１５Ｂと、円筒部１５Ａの他方の端部に設けられた連結部１５Ｃとを有している。円筒部１５Ａの内径はロッド１４の外径よりも大きい。当接部１５Ｂは円筒部１５Ａの一方の端部が内側に折れ曲がり形成されている。当接部１５Ｂは中心にロッド１４の外径よりも僅かに大きい内径を有する開口が形成された円環形状である。連結部１５Ｃは、円筒部１５Ａの他方の端部が外側に折れ曲がり形成されている。連結部１５Ｃは、シリンダ１１の内径と略等しい外径を有した円環部１５Ｄと、円環部１５Ｄの外周縁から円筒部１５Ａと反対方向に伸びた円筒状の挟持部１５Ｅとを具備している。筒部材１５は、ロッド１４を挿通した状態で、挟持部１５Ｅがシリンダ１１の内周面とロッドガイド１２の外周面との間に挟持され、シリンダ１１内に固定されている。つまり、規制部である筒部材１５は、ロッド側圧力室１１Ｂ内であって、ピストン１３とロッドガイド１２との間に配置されている。

このダンパ１０を備えた転倒防止装置は、後述するように、シリンダ１１の底部が開口部よりも下方に位置し、ロッド１４がシリンダ１１から上方に突出し、シリンダ１１及びロッド１４の中心軸が水平面に対して６５°〜７５°の間の角度に傾斜した状態で、家具Ｆの上面と天井Ｃとの間に取り付けられる。シリンダ１１及びロッド１４の中心軸が水平面に対して６５°〜７５°の間の角度に傾斜した状態で、圧縮ガスＧよりも下方に封入された作動油Ｙ内にピストン１３が浸漬されるように、筒部材１５はロッド１４の中心軸に沿って所定の長さを有し、ピストン１３の位置を規制している。つまり、このダンパ１０は、ピストン１３とロッドガイド１２との間に介在する筒部材１５の当接部１５Ｂにピストン１３が当接すると、それ以上にピストン１３がロッドガイド１２側に移動することができない。また、このダンパ１０は、ピストン１３が筒部材１５の当接部１５Ｂに当接した状態で、ピストン１３は作動油Ｙ内に浸漬した状態になる。このため、このダンパ１０は全ストローク範囲でピストン１３が作動油Ｙ内を移動して減衰力を発揮することができる。

このダンパ１０は伸長動作時に発生する減衰力が収縮動作時に発生する減衰力よりも小さい圧効きダンパである。ここで、ダンパ１０の伸長動作とは、シリンダ１１からロッド１４の突出長さ及びダンパ１０の長さが長くなっていく動作を意味する。また、ダンパ１０の収縮動作とは、シリンダ１１からロッド１４の突出長さ及びダンパ１０の長さが短くなっていく動作を意味する。また、ダンパ１０はシリンダ１１に封入した圧縮ガスＧの膨張力が伸長方向に作用している。

ダンパ１０の減衰力が発生するメカニズムは、周知の構造であるため、図示を省略して説明する。シリンダ１１は、内部がピストン１３によって、ロッド１４の基端部が収納されているロッド側圧力室１１Ｂと、反ロッド側圧力室１１Ａとに仕切られている。ピストン１３は両圧力室間を連通させるオリフィスが形成されている。オリフィスは、ダンパ１０の伸縮動作に伴うロッド側圧力室１１Ｂと反ロッド側圧力室１１Ａとの間の作動油Ｙの流れに抵抗を付与して減衰力を発生する減衰力発生部として機能する。また、ピストン１３は逆止弁を介して両圧力室間を連通する連通路が形成されている。逆止弁は、ロッド側圧力室１１Ｂから反ロッド側圧力室１１Ａへの作動油Ｙの流れを許容し、その逆の流れを阻止する。このため、ダンパ１０は、伸長動作時、ロッド側圧力室１１Ｂから反ロッド側圧力室１１Ａへの作動油Ｙの流路経路が、オリフィスと連通路の経路になる。一方、ダンパ１０は、収縮動作時、反ロッド側圧力室１１Ａからロッド側圧力室１１Ｂへの作動油Ｙの流路経路がオリフィスのみとなる。このため、ダンパ１０は伸長動作時に発生する減衰力が収縮動作時に発生する減衰力よりも小さくなる。

各ジョイント部１６は、図１〜図４に示すように、平板状の金具を折り曲げて形成されている。また、各ジョイント部１６はシリンダ１１の底部とロッド１４の先端部に接続されている。各ジョイント部１６はダンパ１０の軸線に直交する方向に貫通した貫通孔が形成されている。

一対のベース部３０Ａ，３０Ｂは、図１及び図２に示すように、シリンダ１１の底部に接続されたジョイント部１６を連結した第１ベース部３０Ａであり、ロッド１４の先端部に接続されたジョイント部１６を連結した第２ベース部３０Ｂである。第１ベース部３０Ａは家具Ｆの上面に当接して載置され、第２ベース部３０Ｂは天井Ｃに当接する。第１ベース部３０Ａ及び第２ベース部３０Ｂは同じ形態及び構造である。各ベース部３０Ａ，３０Ｂは、ベース部本体３１、回動軸部材であるボルト５１及びナット５２、ブッシュ５５、及び滑り止め部３７を有している。

家具Ｆの上面に当接して載置された状態で第１ベース部３０Ａを上方から見た平面視において、ベース部本体３１は長方形状の外形である（以下、この平面視におけるベース部本体３１の外形において長辺が延びている方向を「長辺方向」と言い、短辺が延びている方向を「短辺方向」と言う。）。また、家具Ｆの上面に当接して載置された状態で第１ベース部３０Ａを短辺方向に見た側面視において、ベース部本体３１は、下端縁が家具Ｆの上面に平行に直線状に伸びており、上端縁が下端縁の両側から上方に膨らんだ円弧状の外形である（図１参照）。また、家具Ｆの上面に当接して載置された状態で第１ベース部３０Ａを長辺方向に見た側面視において、ベース部本体３１は下端縁よりも上端縁が短い略台形状の外形である（図２参照）。

家具Ｆの上面に当接して載置された状態の第１ベース部３０Ａにおいて、図２に示すように、ベース部本体３１は上面に長辺方向（図１における左右方向であり、図２における奥行き方向）に伸びた溝部３２が形成されている。

家具Ｆの上面に当接して載置された状態の第１ベース部３０Ａにおいて、図１〜図４に示すように、ベース部本体３１は、長辺方向の中央部であって、溝部３２の両側に窪み部３３が形成されている。この窪み部３３は上方向と短辺方向の外方向に開口している。また、この窪み部３３は短辺方向に貫通した挿通孔３５が側面に開口している。また、この窪み部３３は後述するボルト５１の頭部５１Ａと、このボルト５１にねじ込まれたナット５２の夫々が配置される。また、この窪み部３３は、ボルト５１の頭部５１Ａとナット５２に上方から工具が嵌合することができるように、長辺方向において上方に広がるように形成されている。

回動軸部材は、図２に示すように、ベース部本体３１の挿通孔３５の一方から挿入されたボルト５１と、このボルト５１の軸部５１Ｂにねじ込まれたナット５２とから構成されている。ボルト５１の中心軸が各ベース部３０Ａ，３０Ｂにおけるダンパ１０の回動軸になる。

ブッシュ５５は、図２に示すように、ダンパ１０のジョイント部１６に形成された貫通孔に取り付けられている。ブッシュ５５はボルト５１の軸部５１Ｂ周りに回動自在である。また、このブッシュ５５はボルト５１の軸部５１Ｂに対して傾くことができる。つまり、ブッシュ５５をジョイント部１５に取り付けたダンパ１０は、ボルト５１の軸部５１Ｂ周りに回動自在であり、回動方向に交差する方向に揺動自在である。

滑り止め部３７は、図１及び図２に示すように、ベース部本体３１の外形に僅かに大きい相似形（長方形状）の外形である。滑り止め部３７は弾性体である。また、滑り止め部３７は、家具Ｆの上面に当接して載置された状態の第１ベース部３０Ａにおいて、ベース部本体３１の下端開口に嵌合されている。また、滑り止め部３７は略平板である。詳しくは、滑り止め部３７は、家具Ｆの上面又は天井Ｃに当接する面が平坦である。滑り止め部３７はその弾性力によってベース部本体３１に着脱自在に取り付けられている。

このような構成を有する転倒防止装置は、シリンダ１１の底部が開口部よりも下方に位置し、ロッド１４がシリンダ１１から上方に突出し、シリンダ１１及びロッド１４の中心軸が水平面に対して６５°〜７５°の間の角度に傾斜するように、家具Ｆの上面と天井Ｃとの間に取り付けられる。このように転倒防止装置を家具Ｆの上面と天井Ｃとの間に取り付けると、ダンパ１０のピストン１３が作動油Ｙ内に浸漬された状態になるため、地震等の揺れによって家具Ｆが傾いた際、この転倒防止装置は、ダンパ１０が全ストローク範囲で減衰力を発揮し、常にダンパ１０の減衰力が家具Ｆに作用して、家具Ｆの転倒を防止することができる。

したがって、参考形態１の転倒防止装置は家具の転倒を良好に防止することができる。

以上説明したように、この転倒防止装置を構成するダンパ１０は、シリンダ１１、ロッドガイド１２、ピストン１３、ロッド１４、及び筒部材１５を備えている。シリンダ１１は有底筒状である。ロッドガイド１２はシリンダ１１の開口部を閉鎖している。ピストン１３はシリンダ１１内に摺動自在に収納されている。ロッド１４は、基端部がピストン１３に連結されており、ロッドガイド１２を摺動自在に挿通して先端側がシリンダ１１の外部に突出している。このダンパ１０は、作動油Ｙ及び圧縮ガスＧをシリンダ１１内に封入している。筒部材１５は、シリンダ１１の底部が開口部よりも下方に位置し、ロッド１４がシリンダ１１から上方に突出し、シリンダ１１及びロッド１４の中心軸が水平面に対して６５°〜７５°の間の角度に傾斜した状態で、筒部材１５が圧縮ガスＧよりも下方に封入された作動油Ｙ内にピストン１３が浸漬されるようにピストン１３の位置を規制している。

このダンパ１０は、シリンダ１１の底部が開口部よりも下方に位置し、ロッド１４がシリンダ１１から上方に突出し、シリンダ１１及びロッド１４の中心軸が水平面に対して６５°〜７５°の間の角度に傾斜した状態で、筒部材１５が圧縮ガスＧよりも下方に封入された作動油Ｙ内にピストン１３が浸漬されるようにピストン１３の位置を規制している。つまり、このダンパ１０は、６５°〜７５°の間の角度に傾斜した状態で、作動油Ｙよりも上方に封入された圧縮ガスＧ内にピストン１３が移動しない。このため、このダンパ１０は伸縮すると常にピストン１３が作動油Ｙ内を移動して減衰力を発揮することができる。

したがって、参考形態１のダンパ１０は全ストローク範囲で減衰力を発揮することができる。

また、参考形態１のダンパ１０において、シリンダ１１は、ピストン１３によって、ロッド１４の基端部が収納されているロッド側圧力室１１Ｂと、反ロッド側圧力室１１Ａとに内部が仕切られている。また、筒部材１５は、ロッド側圧力室１１Ｂ内であってピストン１３とロッドガイド１２との間に配置され、ロッド１４の中心軸に沿って所定の長さを有している。このため、このダンパ１０は、ピストン１３とロッドガイド１２との間に筒部材１５が介在し、この筒部材１５の当接部１５Ｂにピストン１３が当接すると、それ以上にピストン１３がロッドガイド１２側に移動することができない。つまり、このダンパ１０は筒部材１５が作動油Ｙ内にピストン１３が浸漬されるような長さを有してピストン１３の位置を規制している。このため、このダンパ１０は全ストローク範囲でピストン１３が作動油Ｙ内を移動して減衰力を発揮することができる。

＜実施形態１＞
実施形態１の転倒防止装置は、図５及び図６に示すように、ダンパ１１０に備えられている規制部の形態が参考形態１と相違する。参考形態１と同じ構成は同じ符号を付し詳細な説明を省略する。

この転倒防止装置の規制部は、外形が円柱状であり、中心軸周りに中心軸方向に貫通した中心孔を有した袋体１１５である。この袋体１１５は内部にガスＧが圧縮され充填されている。また、この袋体１１５は中心軸方向の長さを保持しつつ弾性変形する。この袋体１１５は、ガスＧが圧縮され充填されているため、中心孔にロッド１４を挿通した状態で、浮力によって、一方の端面がロッドガイド１２に密着し、外周面がシリンダ１１の内周面に密着している。このように、この転倒防止装置は規制部である袋体１１５をロッド側圧力室１１Ｂに固定する手間を要しない。規制部である袋体１１５は、ロッド側圧力室１１Ｂ内であって、ピストン１３とロッドガイド１２との間に配置されている。

このダンパ１１０は、図６に示すように、ダンパ１１０が収縮してピストン１３が反ロッド側圧力室１１Ａ側に移動し、反ロッド側圧力室１１Ａ内の作動油Ｙがロッド側圧力室１１Ｂ内に流入すると、ロッド側圧力室１１Ｂ内に収納された規制部である袋体１１５が圧縮されロッド１４の中心軸方向の長さを保持しつつ縮小する。このように、この袋体１１５はダンパ１１０の伸縮によって変化するシリンダ１１内のロッド１４の体積変化に追随してロッド１４の中心軸方向の長さを保持しつつ弾性変形する。このダンパ１１０は、袋体１１５が縮小するにつれて袋体１１５の膨張力が増加し、この膨張力がダンパ１１０の伸長方向に作用する。

この転倒防止装置は、シリンダ１１の底部が開口部よりも下方に位置し、ロッド１４がシリンダ１１から上方に突出し、シリンダ１１及びロッド１４の中心軸が水平面に対して６５°〜７５°の間の角度に傾斜するように、家具Ｆの上面と天井Ｃとの間に取り付けられる。シリンダ１１及びロッド１４の中心軸が水平面に対して６５°〜７５°の間の角度に傾斜した状態で、ガスＧを圧縮して充填した袋体１１５よりも下方に封入された作動油Ｙ内にピストン１３が浸漬されるように、袋体１１５は、ロッド１４の中心軸に沿って所定の長さを有し、ピストン１３の位置を規制している。つまり、このダンパ１１０は、ピストン１３とロッドガイド１２との間に介在する袋体１１５にピストン１３が当接すると、それ以上にピストン１３がロッドガイド１２側に移動することができない。このため、規制部である袋体１１５はダンパ１１０の伸長動作時のストッパとしても機能する。このダンパ１１０は、袋体１１５がストッパとして機能し、ピストン１３が袋体１１５に当接した際の接触音の発生を抑えることができる。また、このダンパ１１０は、ピストン１３が袋体１１５に当接するため、作動油Ｙ中にピストン１３から金属片等のごみが発生することを抑えることができる。また、このダンパ１１０は、ピストン１３が袋体１１５に当接した状態で、ピストン１３は作動油Ｙ内に浸漬した状態になる。このため、このダンパ１１０は全ストローク範囲でピストン１３が作動油Ｙ内を移動して減衰力を発揮することができる。また、このダンパ１１０は、袋体１１５にガスＧを圧縮して充填し作動油Ｙと分離しているため、伸縮動作による気泡の発生を抑えることができる。

このように、この転倒防止装置は、ダンパ１１０のピストン１３が作動油Ｙ内に浸漬された状態で家具Ｆの上面と天井Ｃとの間に取り付けられるため、地震等の揺れによって家具Ｆが傾いた際、ダンパ１１０が全ストローク範囲で減衰力を発揮し、常にダンパの減衰力が家具Ｆに作用して、家具Ｆの転倒を防止することができる。

したがって、実施形態１の転倒防止装置は家具Ｆの転倒を良好に防止することができる。

また、実施形態１のダンパにおいて、規制部は、内部にガスＧを圧縮して充填しており、ロッド１４の中心軸方向の長さを保持しつつ弾性変形する袋体１１５である。このため、このダンパは、ピストン１３とロッドガイド１２との間に袋体１１５が介在し、この袋体１１５にピストン１３が当接すると、それ以上にピストン１３がロッドガイド１２側に移動することができない。つまり、このダンパは規制部である袋体１１５が作動油Ｙ内にピストン１３が浸漬されるような長さを有してピストン１３の位置を規制している。このため、このダンパ１１０は全ストローク範囲でピストン１３が作動油Ｙ内を移動して減衰力を発揮することができる。

＜実施形態２＞
実施形態２の転倒防止装置は、図７に示すように、ダンパ２１０に備えられている規制部の形態が実施形態１と相違する。実施形態１と同じ構成は同じ符号を付し詳細な説明を省略する。

この転倒防止装置の規制部は、収納したピストン１３よりロッドガイド１２側のシリンダ２１１の内面から内方向に突出した凸部２１５である。この凸部２１５は、シリンダ２１１の側面の所定の位置を外側から内側に押圧して形成され、シリンダ２１１の内面を周方向に一周するように突出している。また、この凸部２１５が形成された部分のシリンダ２１１の内径は、ピストン１３の外径よりも小さい。

この転倒防止装置は、シリンダ２１１の底部が開口部よりも下方に位置し、ロッド１４がシリンダ２１１から上方に突出し、シリンダ２１１及びロッド１４の中心軸が水平面に対して６５°〜７５°の間の角度に傾斜するように、家具Ｆの上面と天井Ｃとの間に取り付けられる。シリンダ２１１及びロッド１４の中心軸が水平面に対して６５°〜７５°の間の角度に傾斜した状態で、規制部である凸部２１５は、圧縮ガスＧよりも下方に封入された作動油Ｙ内にピストン１３が浸漬されるように、シリンダ２１１の所定の位置に形成され、ピストン１３の位置を規制している。つまり、このダンパ２１０は、ピストン１３の外周縁が凸部２１５に係止すると、それ以上にピストン１３がロッドガイド１２側に移動することができない。また、このダンパ２１０は、ピストン１３の外周縁が凸部２１５に係止した状態で、ピストン１３は作動油Ｙ内に浸漬した状態になる。このため、このダンパ２１０は全ストローク範囲でピストン１３が作動油Ｙ内を移動して減衰力を発揮することができる。

このように、この転倒防止装置は、ダンパ２１０のピストン１３が作動油Ｙ内に浸漬された状態で家具Ｆの上面と天井Ｃとの間に取り付けられるため、地震等の揺れによって家具Ｆが傾いた際、ダンパ２１０が全ストローク範囲で減衰力を発揮し、常にダンパ２１０の減衰力が家具Ｆに作用して、家具Ｆの転倒を防止することができる。

したがって、実施形態２の転倒防止装置は家具Ｆの転倒を良好に防止することができる。

また、実施形態２のダンパ２１０において、規制部は、ピストン１３よりロッドガイド１２側のシリンダ２１１の内面から内方向に突出し、ピストン１３の外周縁が係止する凸部２１５である。このため、ダンパ２１０は、シリンダ２１１の内面から内方向に突出した凸部２１５よりもロッドガイド１２側にピストン１３が移動することができない。つまり、このダンパ２１０は、規制部である凸部２１５が作動液体内にピストン１３が浸漬される位置に設けられ、ピストン１３の位置を規制している。このため、このダンパ２１０は全ストローク範囲でピストン１３が作動液体Ｙ内を移動して減衰力を発揮することができる。

＜実施形態３＞
実施形態３の転倒防止装置は、図８に示すように、ダンパ３１０に備えられている規制部の形態が実施形態１及び２と相違する。実施形態１及び２と同じ構成は同じ符号を付し詳細な説明を省略する。

この転倒防止装置の規制部は、収納したピストン１３よりもロッドガイド１２側のシリンダ内に固定され、中央にロッド１４を挿通する挿通孔３１５Ａが形成された円環部材３１５である。この円環部材３１５は外径がシリンダ３１１の内径よりも僅かに小さい。この円環部材３１５は、シリンダ３１１の側面の所定の位置を外側から内側に絞って形成され、シリンダ３１１の内周面を周方向に一周するように突出した凸部３１１Ａに外周縁が係止し、固定されている。

この転倒防止装置は、シリンダ３１１の底部が開口部よりも下方に位置し、ロッド１４がシリンダ３１１から上方に突出し、シリンダ３１１及びロッド１４の中心軸が水平面に対して６５°〜７５°の間の角度に傾斜するように、家具Ｆの上面と天井Ｃとの間に取り付けられる。シリンダ３１１及びロッド１４の中心軸が水平面に対して６５°〜７５°の間の角度に傾斜した状態で、規制部である円環部材３１５は、圧縮ガスＧよりも下方に封入された作動油Ｙ内にピストン１３が浸漬されるように、シリンダ３１１の所定の位置に固定され、ピストン１３の位置を規制している。つまり、このダンパ３１０は、ピストン１３が円環部材３１５に当接すると、それ以上にピストン１３がロッドガイド１２側に移動することができない。また、このダンパ３１０は、ピストン１３が円環部材３１５に当接した状態で、ピストン１３は作動油Ｙ内に浸漬した状態なる。このため、このダンパ３１０は全ストローク範囲でピストン１３が作動油Ｙ内を移動して減衰力を発揮することができる。

このように、この転倒防止装置は、ダンパ３１０のピストン１３が作動油Ｙ内に浸漬された状態で家具Ｆの上面と天井Ｃとの間に取り付けられるため、地震等の揺れによって家具Ｆが傾いた際、ダンパ３１０が全ストローク範囲で減衰力を発揮し、常にダンパ３１０の減衰力が家具Ｆに作用して、家具Ｆの転倒を防止することができる。

したがって、実施形態３の転倒防止装置は家具Ｆの転倒を良好に防止することができる。

また、実施形態３のダンパ３１０において、規制部は、ピストン１３よりもロッドガイド１２側のシリンダ３１１内に固定され、中央にロッド１４を挿通する挿通孔３１５Ａが形成された円環部材３１５である。このため、ダンパ３１０は、シリンダ３１１内に固定された円環部材３１５よりもロッドガイド１２側にピストン１３が移動することができない。つまり、このダンパ３１０は、規制部である円環部材３１５が作動油Ｙ内にピストン１３が浸漬される位置に固定されピストン１３の位置を規制している。このため、このダンパ３１０は全ストローク範囲でピストン１３が作動油Ｙ内を移動して減衰力を発揮することができる。

＜実施形態４＞
実施形態４の転倒防止装置は、図９及び図１０に示すように、ダンパ４１０に備えられている規制部の形態が参考形態１〜３と相違する。参考形態１〜３と同じ構成は同じ符号を付し詳細な説明を省略する。

この転倒防止装置の規制部は、ロッド４１４の外周面から外方向に突出した鍔部４１５である。この鍔部４１５はロッドガイド１２のピストン１３側の底面に係止する。この鍔部４１５は、ロッド４１４の中心軸方向の所定の位置の外周面を一周する溝部４１４Ａが形成され、この溝部にロッド４１４の外径よりも大きい外径を有するＣ型ワッシャ４１５Ａを嵌め込んで形成されている。

この転倒防止装置は、シリンダ１１の底部が開口部よりも下方に位置し、ロッド４１４がシリンダ１１から上方に突出し、シリンダ１１及びロッド４１４の中心軸が水平面に対して６５°〜７５°の間の角度に傾斜するように、家具Ｆの上面と天井Ｃとの間に取り付けられる。シリンダ１１及びロッド４１４の中心軸が水平面に対して６５°〜７５°の間の角度に傾斜した状態で、規制部である鍔部４１５は、圧縮ガスＧよりも下方に封入された作動油Ｙ内にピストン１３が浸漬されるように、ロッド４１４の所定の位置に形成され、ピストン１３の位置を規制している。つまり、このダンパ４１０は、図９に示すように、鍔部４１５がロッドガイド１２のピストン１３側の底面に係止すると、それ以上にピストン１３がロッドガイド１２側に移動することができない。また、このダンパ４１０は、鍔部４１５がロッドガイド１２のピストン１３側の底面に係止した状態で、ピストン１３は作動油Ｙ内に浸漬した状態になる。このため、このダンパ４１０は全ストローク範囲でピストン１３が作動油Ｙ内を移動して減衰力を発揮することができる。

このように、この転倒防止装置は、ダンパ４１０のピストン１３が作動油Ｙ内に浸漬された状態で家具Ｆの上面と天井Ｃとの間に取り付けられるため、地震等の揺れによって家具Ｆが傾いた際、ダンパ４１０が全ストローク範囲で減衰力を発揮し、常にダンパ４１０の減衰力が家具Ｆに作用して、家具Ｆの転倒を防止することができる。

したがって、実施形態４の転倒防止装置は家具Ｆの転倒を良好に防止することができる。

また、実施形態４のダンパ４１０において、規制部は、ロッド４１４の外周面から外方向に突出し、ロッドガイド１２のピストン１３側の底面に係止する鍔部である。このため、ダンパ４１０は、ロッド４１４の外周面から外方向に突出した鍔部４１５がロッドガイド１２のピストン１３側の底面に係止すると、ピストン１３がロッドガイド１２側に移動することができない。つまり、このダンパ４１０は、規制部である鍔部４１５が作動油Ｙ内にピストン１３が浸漬される位置に設けられピストン１３の位置を規制している。このため、このダンパ４１０は全ストローク範囲でピストン１３が作動油Ｙ内を移動して減衰力を発揮することができる。

本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態１〜４に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
（１）実施形態１〜４では、シリンダ内に作動油を封入したが、作動油に限らず液体であればよい。
（２）実施形態１では、規制部である筒部材又は袋体をシリンダ内に固定したが、ピストンとロッドガイドとの間に配置すれば、固定しなくてもよい。
（３）実施形態１では、規制部である袋体の外形が円柱状であり、中心孔を有していたが、ピストンとロッドガイドとの間でロッド１４に沿って伸びた複数の袋体であってもよい。
（４）実施形態２では、規制部である凸部をシリンダの側面を外側から内側に押圧して形成したが、凸部を他の方法で形成してもよい。
（５）実施形態２では、規制部である凸部をシリンダの内面を周方向に一周するように突出させたが、同一周面上に間隔をあけて凸部を形成してもよい。
（６）実施形態３では、規制部である円環部材をシリンダの内周面を周方向に一周する凸部に係止して固定したが、凸部を設けずに円環部材をシリンダ内に固定してもよい。
（７）実施形態４では、規制部である鍔部をロッドガイドに溝部を形成し、その溝部にＣ型ワッシャを嵌め込んで形成したが、他の方法で鍔部を形成してもよい。
（８）実施形態２〜４では、シリンダ内に圧縮ガスを封入したが、シリンダ内に圧縮していないガスを封入してもよい。

１０，１１０，２１０，３０１，４１０…ダンパ、１１，２１１，３１１…シリンダ、１１Ａ…反ロッド側圧力室、１１Ｂ…ロッド側圧力室、１２…ロッドガイド、１３…ピストン、１４，４１４…ロッド、１５，１１５，２１５，３１５，４１５…規制部（１５…筒部材、１１５…袋体、２１５…凸部、３１５…円環部材、４１５…鍔部）、Ｃ…天井、Ｆ…家具（物品）、Ｇ…ガス（圧縮ガス）、Ｙ…作動油（作動液体）

Claims (5)

1. 有底筒状であって、内部に作動液体及びガスを封入しており、底部が開口部よりも下方に位置するシリンダと、
   前記シリンダの開口部を封鎖したロッドガイドと、
   前記シリンダ内に摺動自在に収納されたピストンと、
   基端部が前記ピストンに連結されており、前記ロッドガイドを摺動自在に挿通して先端側が前記シリンダの外部へ突出したロッドと、
   前記ロッドの中心軸が水平面に対して所定の角度に傾斜した状態で、前記作動液体内に前記ピストンが浸漬されるように前記ピストンの位置を規制する規制部と、
   を備え、
   前記規制部は、前記シリンダの側面の所定の位置に外側から内側に突出した凸部に外周縁が係止して固定され、中央に前記ロッドを挿通する挿通孔が形成された円環部材であることを特徴とするダンパ。
2. 有底筒状であって、内部に作動液体を封入しており、底部が開口部よりも下方に位置するシリンダと、
   前記シリンダの開口部を封鎖したロッドガイドと、
   前記シリンダ内に摺動自在に収納されたピストンと、
   基端部が前記ピストンに連結されており、前記ロッドガイドを摺動自在に挿通して先端側が前記シリンダの外部へ突出したロッドと、
   前記シリンダ及び前記ロッドの中心軸が水平面に対して所定の角度に傾斜した状態で、前記作動液体内に前記ピストンが浸漬されるように前記ピストンの位置を規制する規制部と、
   を備え、
   前記シリンダは、前記ピストンによって、前記ロッドの基端部が収納されているロッド側圧力室と、反ロッド側圧力室とに内部が仕切られており、
   前記規制部は、前記ロッド側圧力室内であって前記ピストンと前記ロッドガイドとの間に配置され、前記ロッドの中心軸に沿って所定の長さを有しており、内部にガスを圧縮して充填しており、前記ロッドの中心軸方向の長さを保持しつつ弾性変形する袋体であることを特徴とするダンパ。
3. 有底筒状であって、内部に作動液体及びガスを封入しており、底部が開口部よりも下方に位置するシリンダと、
   前記シリンダの開口部を封鎖したロッドガイドと、
   前記シリンダ内に摺動自在に収納されたピストンと、
   基端部が前記ピストンに連結されており、前記ロッドガイドを摺動自在に挿通して先端側が前記シリンダの外部へ突出したロッドと、
   前記ロッドの中心軸が水平面に対して所定の角度に傾斜した状態で、前記作動液体内に前記ピストンが浸漬されるように前記ピストンの位置を規制する規制部と、
   を備え、
   前記規制部は、前記ロッドの外周面から外方向に突出し、前記ロッドガイドの前記ピストン側の底面に係止するＣ型ワッシャであることを特徴とするダンパ。
4. 請求項１乃至３のいずれか１項に記載のダンパと、
   前記シリンダの底部に接続されたジョイント部を連結した第１ベース部と、
   前記ロッドの先端部に接続されたジョイント部を連結した第２ベース部と、
   を備え、
   前記ロッドの中心軸が水平面に対して所定の角度に傾斜した状態で前記第１ベース部は物品の上面に当接して載置され、前記第２ベース部は天井に当接することを特徴とする転倒防止装置。
5. 有底筒状であって、内部に作動液体及びガスを封入しており、底部が開口部よりも下方に位置するシリンダと、前記シリンダの開口部を封鎖したロッドガイドと、前記シリンダ内に摺動自在に収納されたピストンと、基端部が前記ピストンに連結されており、前記ロッドガイドを摺動自在に挿通して先端側が前記シリンダの外部へ突出したロッドと、前記ロッドの中心軸が水平面に対して所定の角度に傾斜した状態で、前記作動液体内に前記ピストンが浸漬されるように前記ピストンの位置を規制する規制部と、を有し、前記規制部は前記シリンダの側面の所定の位置に外側から内側に突出した凸部であるダンパと、
   前記シリンダの底部に接続されたジョイント部を連結した第１ベース部と、
   前記ロッドの先端部に接続されたジョイント部を連結した第２ベース部と、
   を備え、
   前記ロッドの中心軸が水平面に対して所定の角度に傾斜した状態で前記第１ベース部は物品の上面に当接して載置され、前記第２ベース部は天井に当接することを特徴とする転倒防止装置。

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