JP2017169854A - 連結部材及び転倒防止装置 - Google Patents

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雅一 中里
景太 阿部
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景太 阿部
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Abstract

【課題】揺れ方向が複合的な地震等に対して、取り付け状態を維持し、物品の転倒を防止することができる転倒防止装置を構成する連結部材を提供する。
【解決手段】連結部材50は一対のダンパ10を連結する。この連結部材50によって連結された一対のダンパ10を床面B上に設置された家具Fの上面と天井Cとの間に取り付けると、水平面に沿って一方向から見た正面視において、各ダンパ10の下端部の間隔よりも上端部の間隔が狭くなるように各ダンパ10が傾斜し、かつ正面視から水平面上で90°異なる方向から見た側面視において、一方のダンパ10が上端から下端に向けて右方向に傾斜し、他方のダンパ10が上端から下端に向けて左方向に傾斜した状態になる。
【選択図】図1

Description

本発明は連結部材及び転倒防止装置に関するものである。
特許文献1は従来の転倒防止装置を開示している。この転倒防止装置はダンパと一対のベース部とを備えている。ダンパは床面上に設置された家具の上面と天井との間に取り付けられている。一対のベース部はダンパの両端部の夫々を回動軸周りに回動自在に軸支している。一方のベース部は家具の上面に当接し、他方のベース部は天井に当接している。このため、この転倒防止装置は、地震等の揺れによってダンパの回動方向と平行な方向に家具が傾いた場合、各ベース部に対してダンパが回動軸周りに回動し、各ベース部が家具の上面と天井とに当接した状態を維持することができる。よって、この転倒防止装置は、ダンパの減衰力を家具に作用させることができ、家具の傾きを抑制して家具の転倒を防止することができる。
特開2015−6330号公報
しかし、特許文献1の転倒防止装置は、ダンパの減衰力を家具に良好に作用させることができるのは、ダンパの回動方向と平行な方向に家具が傾いた場合である。つまり、この転倒防止装置は、ダンパの回動方向と交差する方向の揺れに対して、その方向の家具の傾きをダンパの減衰力で抑制することができず、家具の上面又は天井からベース部が外れてしまうおそれがある。この転倒防止装置は、ベース部が家具の上面又は天井から外れて取り付け状態を維持することができないと、家具の転倒を防止することができない。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、揺れ方向が複合的な地震等に対して、取り付け状態を維持し、物品の転倒を防止することができる転倒防止装置を構成する連結部材と、その転倒防止装置を提供することを解決すべき課題としている。
本発明の連結部材は一対のダンパを連結する。この連結部材によって連結された一対のダンパを設置面上に設置された物品の上面と天井との間に取り付けると、水平面に沿って一方向から見た正面視において、各ダンパの下端部の間隔よりも上端部の間隔が狭くなるように各ダンパが傾斜し、かつ正面視から水平面上で90°異なる方向から見た側面視において、一方のダンパが上端から下端に向けて右方向に傾斜し、他方のダンパが上端から下端に向けて左方向に傾斜した状態になる。
この連結部材によって連結された一対のダンパを物品の上面と天井との間に取り付けると、正面視において、各ダンパの下端部の間隔よりも上端部の間隔が狭くなるように各ダンパが傾斜する。つまり、正面視において、左側に位置するダンパが上端から下端に向けて左方向に傾斜し、右側に位置するダンパが上端から下端に向けて右方向に傾斜する。このため、正面視における左右方向の物品の傾きに対して、各ダンパの減衰力を作用させて物品の正面視における左右方向の傾きを抑制することができる。さらに、これらダンパは、側面視において、一方のダンパが上端から下端に向けて右方向に傾斜し、他方のダンパが上端から下端に向けて左方向に傾斜する。このため、側面視における左右方向の物品の傾きに対しても、各ダンパの減衰力を作用させて物品の側面視における左右方向の傾きを抑制することができる。つまり、この連結部材によって連結された一対のダンパを物品の上面と天井との間に取り付けると、物品の複数方向の傾きを抑制し、ダンパの取り付け状態を維持することができる。
したがって、本発明の連結部材は、一対のダンパを連結して物品の上面と天井との間に取り付けると、揺れ方向が複合的な地震等に対して、取り付け状態を維持し、物品の転倒を防止する転倒防止装置を構成することができる。
本発明の連結部材は取付部と連結部本体とを備え得る。各ダンパは、シリンダと、シリンダから先端側が突出し、突出長さが変化するロッドを有している。取付部は各シリンダに取り付けられる。連結部本体は、一方のシリンダに取り付けられた取付部と他方のシリンダに取り付けられた取付部とを連結する。この場合、連結部材は、一対のダンパを各ダンパのシリンダで連結するため、各ダンパが伸縮動作をする際、連結部材がロッドの動きの邪魔にならず、各ダンパが良好に伸縮動作することができる。
本発明の取付部は第1取付部と第2取付部とを有し得る。第1取付部は各シリンダのロッドが突出している側に取り付けられる。第2取付部は各シリンダの底部側に取り付けられる。また、本発明の連結部本体は第1連結部本体と第2連結部本体とを有し得る。第1連結部本体は一方のシリンダに取り付けられた第1取付部と他方のシリンダに取り付けられた第2取付部とを連結する。第2連結部本体は一方のシリンダに取り付けられた第2取付部と他方のシリンダに取り付けられた第1取付部とを連結する。この場合、連結部材は一対のシリンダを所定の傾斜方向に傾斜させた状態に確実に連結することができる。
本発明の転倒防止装置は一対のダンパが連結部材によって連結されている。この場合、この転倒防止装置は、連結部材を利用して一対のシリンダを所定の傾斜方向に傾斜させた状態に容易に連結し、物品の上面と天井との間に取り付けることができる。このため、この転倒防止装置は、揺れ方向が複合的な地震等に対して、取り付け状態を維持し、物品の転倒を防止することができる。
ここで、物品は、家具、書棚、冷蔵庫、ショーケース、サーバーラック、複数の寝台を上下方向に連結したベッド、大型テレビ等、地震等の揺れによって転倒するおそれのあるものが含まれる。
実施形態1の転倒防止装置を家具の上面と天井との間に取り付けた状態を示す正面図である。 実施形態1の転倒防止装置を家具の上面と天井との間に取り付けた状態を拡大した正面図である。 実施形態1の転倒防止装置を家具の上面と天井との間に取り付けた状態を示す側面図である。 実施形態1の転倒防止装置を家具の上面と天井との間に取り付けた状態を拡大した側面図である。 実施形態1及びの転倒防止装置のダンパとベース部とを示す部分断面図である。 実施形態2の転倒防止装置を家具の上面と天井との間に取り付けた状態を拡大した正面図である。
本発明の連結部材を利用して構成された転倒防止装置を具体化した実施形態1及び2について、図面を参照しつつ説明する。
<実施形態1>
実施形態1の転倒防止装置は、図1〜図4に示すように、家具Fの上面と天井Cとの間に取り付けられる。家具Fは床面B上に設置されている。また、この家具Fは、直方体形状であり、前後面(図3における左右側面)に図示しない扉や引き出し等を有し、内部に食器等を収納することができる。また、この家具Fは、水平断面形状が左右方向(図1において左右方向)に長い長方形状である。この家具Fは、転倒防止装置が取り付けられていない場合、地震等の揺れによって、前後方向(図3において左右方向)に傾いて転倒するおそれがある。
この転倒防止装置は、一対のダンパ10、2個の第1ベース部30A、2個の第2ベース部30B、及び連結部材50を備えている。
各ダンパ10は、シリンダ11、図示しないロッドガイド、図示しないピストン、ロッド13、及び両端に設けられた一対のジョイント部15を有している。各ダンパ10は、同一形態であり、同一性能である。シリンダ11は有底の円筒状である。ロッドガイドはシリンダ11の開口部を封鎖している。ピストンはシリンダ11内に摺動自在に挿入されている。ロッド13は基端部がピストンに連結されている。また、ロッド13はロッドガイドを挿通して先端側がシリンダ11の外部へ突出している。さらに、ロッド13はシリンダ11から突出する先端側の突出長さが変化する。シリンダ11は作動油及び圧縮ガスを封入している。
各ジョイント部15は平板状の金具を折り曲げて形成されている。また、各ジョイント部15はシリンダ11の底部とロッド13の先端部に接続されている。つまり、各ジョイント部15はダンパ10の両端部に接続されている。各ジョイント部15は、図5に示すように、連結孔15Aが形成されている。連結孔15Aは、ダンパ10の伸縮方向に伸びた軸線に直交する方向に貫通しており、円形状である。連結孔15Aの内周面はジョイント部15の厚み方向の中央部が連結孔15Aの中心方向に突出するように膨らんだ湾曲面で形成されている。連結孔15Aの内径は後述するボルト35Aの軸部36Bの外径よりも大きい。
ダンパ10は伸長動作時に発生する減衰力が収縮動作時に発生する減衰力よりも小さい圧効きダンパである。ここで、ダンパ10の伸長動作とは、シリンダ11からロッド13の突出長さ及びダンパ10の長さが長くなっていく動作を意味する。また、ダンパ10の収縮動作とは、シリンダ11からロッド13の突出長さ及びダンパ10の長さが短くなっていく動作を意味する。また、ダンパ10はシリンダ11に封入した圧縮ガスの膨張力が伸長方向に働いている。
ダンパ10の減衰力が発生するメカニズムは、周知の構造であるため、図示を省略して説明する。シリンダ11は、内部がピストンによって、ロッド13の基端部が収納されているロッド側圧力室と、反ロッド側圧力室とに仕切られている。ピストンは両圧力室間を連通させる絞り弁であるオリフィスが形成されている。オリフィスは、ダンパ10の伸縮動作に伴うロッド側圧力室と反ロッド側圧力室との間の作動油の流れに抵抗を付与して減衰力を発生する減衰力発生部として機能する。また、ピストンは逆止弁を介して両圧力室間を連通する連通路が形成されている。逆止弁は、ロッド側圧力室から反ロッド側圧力室への作動油の流れを許容し、その逆の流れを阻止する。このため、ダンパ10は、伸長動作時、ロッド側圧力室から反ロッド側圧力室への作動油の流路経路が、オリフィスと連通路の経路になる。一方、ダンパ10は、収縮動作時、反ロッド側圧力室からロッド側圧力室への作動油の流路経路がオリフィスのみとなる。このため、ダンパ10は伸長動作時に発生する減衰力が収縮動作時に発生する減衰力よりも小さくなる。
第1ベース部30Aと第2ベース部30Bは、図1〜図4に示すように、各ダンパ10の両端部の夫々を揺動自在に連結している。第1ベース部30Aは各ダンパ10のシリンダ11の底部に接続されたジョイント部15を連結している。第2ベース部30Bは各ダンパ10のロッド13の先端部に接続されたジョイント部15を連結している。第1ベース部30Aは家具Fの上面に当接して載置され、第2ベース部30Bは天井Cに当接されている。つまり、この転倒防止装置は、家具Fの上面と天井Cとの間に取り付けられた状態で、各ロッド13の先端側が各シリンダ11から上方に突出している。
第1ベース部30A及び第2ベース部30Bは同じ形態及び構造である。各ベース部30A,30Bは、図2及び図5に示すように、ベース部本体31、滑り止め部33、及び軸部材35であるボルト35Aとナット35Bとを有している。
家具Fの上面に当接して載置された状態で第1ベース部30Aを上方から見た平面視において、ベース部本体31は長方形状の外形である(以下、この平面視におけるベース部本体31の外形において長辺が延びている方向を「長辺方向」と言い、短辺が延びている方向を「短辺方向」と言う。)。また、家具Fの上面に当接して載置された状態で第1ベース部30Aを短辺方向に見た側面視において、ベース部本体31は、下端縁が家具Fの上面に平行に直線状に伸びており、上端縁が下端縁の両側から上方に膨らんだ円弧状の外形である(図3及び図4参照)。また、家具Fの上面に当接して載置された状態で第1ベース部30Aを長辺方向に見た側面視において、ベース部本体31は下端縁よりも上端縁が短い略台形状の外形である(図1、図2、及び図5参照)。
家具Fの上面に当接して載置された状態の第1ベース部30Aにおいて、図5に示すように、ベース部本体31は上面に長辺方向(図3及び図4における左右方向であり、図1,図2及び図5における奥行き方向)に伸びた溝部37が形成されている。家具Fの上面に当接して載置された状態で第1ベース部30Aを長辺方向に見た側面視において、溝部37は左右中央に形成されている。溝部37は、底面37Aが水平面上に広がり、内壁面37Bが底面37Aの両側に略鉛直方向に立ち上がっている。溝部37の底面37Aはベース部本体31の上下方向の略中央に伸びている。溝部37の両側に立ち上がった内壁面37Bの夫々は、長辺方向の中央部に後述するボルト35Aの軸部36Bが挿通する挿通孔38が短辺方向に貫通している。
家具Fの上面に当接して載置された状態の第1ベース部30Aにおいて、ベース部本体31は、図3〜図5に示すように、長辺方向の中央部であって、溝部37の両側に窪み部39が形成されている。これら窪み部39は上方向と短辺方向の外方向に開口している。また、これら窪み部39は挿通孔38が開口している。また、この窪み部39は、一方が後述するボルト35Aの頭部36Aを収納し、他方がこのボルト35Aの軸部36Bの先端部にねじ込まれたナット35Bを収納している。また、この窪み部39は、ボルト35Aの頭部36Aとナット35Bに上方から工具が嵌合することができるように、長辺方向において上方に広がるように形成されている。
ベース部本体31は、図5に示すように、空洞である。また、このベース部本体31は、家具Fの上面に当接して載置された状態の第1ベース部30Aにおいて、下方に開口している。このベース部本体31は、内部に短辺方向に平行に伸びた複数条のリブと、長辺方向に平行に伸びた2条のリブRとが交差して形成されている。
滑り止め部33は、図1〜図5に示すように、外形がベース部本体31の外形より僅かに大きい相似形(長方形状)である。滑り止め部33は弾性体である。また、滑り止め部33は、家具Fの上面に当接して載置された状態の第1ベース部30Aにおいて、ベース部本体31の下端開口に嵌合される。また、滑り止め部33は略平板である。詳しくは、滑り止め部33は、図5に示すように、家具Fの上面又は天井Cに当接する面が平坦であり、その反対側を向いた面(ベース部本体31に対向する面)は、ベース部本体31の外周壁及びリブRに合わせた嵌合溝が形成されている。滑り止め部33はその弾性力によってベース部本体31に着脱自在に取り付けられている。
軸部材35は、図2及び図5に示すように、ボルト35Aとナット35Bとから構成されている。ボルト35Aは、ベース部本体31の挿通孔38の一方から軸部36Bを挿入し、軸部36Bの先端部が他方から突出している。ナット35Bは、ボルト35Aの軸部36Bの先端部にねじ込まれている。また、軸部材35であるボルト35Aの軸部36Bがダンパ10のジョイント部15の連結孔15Aを挿通している。ボルト35Aの軸部36Bは外形が円柱形状である。つまり、軸部材35は連結孔15Aに挿通した部分が円柱形状の外形である。前述したように、ボルト35Aの軸部36Bの外径よりも連結孔15Aの内径が大きいため、図5に示すように、連結孔15Aとボルト35Aの軸部36Bとの間に隙間Sが存在する。この転倒防止装置は、この隙間Sを利用して、各ダンパ10がボルト35Aの中心軸方向にも揺動することができる。つまり、この転倒防止装置は、各第1ベース部30A及び各第2ベース部30Bが各ダンパ10の両端部の夫々を多方向に揺動自在に連結している。
連結部材50は、図1〜図4に示すように、取付部である2個の第1取付部51Aと2個の第2取付部52B、連結部本体である第1連結部本体53Aと第2連結部本体53B、及び1本の回動ピン55を備えている。各連結部本体53A,53Bは一直線上に延びた円柱形状の棒材である。各連結部本体53A,53Bは同じ長さである。各連結部本体53A,53Bは中心軸方向の中心から離れた位置に中心軸に直交する貫通孔が設けられている。つまり、各連結部本体53A,53Bは、貫通孔から一方の端部まで延びた第1連結部57Aの長さより、他方の端部まで延びた第2連結部57Bの長さの方が長い。各連結部本体53A,53Bは夫々の貫通孔を挿通する一本の回動ピン55によって回動自在に連結されている。
各連結部本体53A,53Bは両端部に第1取付部51Aと第2取付部51Bを固定している。各取付部51A,51Bは円筒形状である。各取付部51A,51Bは内径が各ダンパ10のシリンダ11の外径よりも僅かに大きい。各連結部本体53A,53Bは、交差した状態で、両端部に固定された各取付部51A,51Bを各ダンパ10のシリンダ11に挿通して固定する。これによって、連結部材50は一対のダンパ10を連結している。
詳しくは、各連結部本体53A,53Bは、第2連結部57Bよりも短い第1連結部57Aの端部に固定された第1取付部51Aをシリンダ11のロッド13が突出している側に固定し、第1連結部57Aよりも長い第2連結部57Bの端部に固定された第2取付部51Bをシリンダ11の底部側に固定している。このため、一対のダンパ10をこの連結部材50で連結した転倒防止装置は、図1及び図2に示すように、家具Fの上面と天井Cとの間に取り付けられると、一対のダンパ10を左右に見た正面視において、各ダンパ10の下端部の間隔よりも上端部の間隔が狭くなるように各ダンパ10が傾斜した状態になる。
また、各連結部本体53A,53Bの両端(第1連結部57Aの端部及び第2連結部57Bの端部)に取り付けられた第1取付部51A及び第2取付部51Bは、図3及び図4に示すように、正面視から水平面上で90°異なる方向から見た側面視において、夫々の中心軸が交差した状態に固定されている。このため、一対のダンパ10をこの連結部材50で連結した転倒防止装置は、家具Fの上面と天井Cとの間に取り付けると、側面視において、一方のダンパ10が上端から下端に向けて右方向に傾斜し、他方のダンパ10が上端から下端に向けて左方向に傾斜した状態になる。
次に、床面B上に載置された家具Fの上面と天井Cとの間にこの転倒防止装置を取り付ける際の取付方法について説明する。
まず、図1及び図2に示すように、2個の第1ベース部30Aの夫々を家具Fの上面の左右両端部に載置する。家具Fの上面の左右両端部は長方形状である家具Fの上面の長辺方向の両端部である。この際、各第1ベース部30Aは家具Fの上面の左右側縁に対して長辺方向が平行になるように載置する。また、家具Fの上面の左端部に載置された第1ベース部30Aと家具Fの上面の右端部に載置された第1ベース部30Aとは、図3及び図4に示すように、前後方向にずれて載置される。前後方向は長方形状である家具Fの上面の短辺方向である。
そして、各シリンダ11に封入した圧縮ガスの膨張力によって各ダンパ10を伸長させて2個の第2ベース部30Bを天井Cに当接させる。この際、各第2ベース部30Bの長辺方向は各第1ベース部30Aの長辺方向と平行になるように当接させる。また、各ダンパ10は、連結部材50によって連結されているため、図1及び図2に示すように、家具Fの上面の短辺方向に見た正面視おいて、各ダンパ10の下端部よりも上端部の間隔が狭く取り付けられる。また、各ダンパ10は、図3及び図4に示すように、家具Fの上面の長辺方向に見た側面視において、一方のダンパ10が上端から下端に向けて右方向に傾斜し、他方のダンパ10が上端から下端に向けて左方向に傾斜した状態に取り付けられる。
この転倒防止装置は、各第1ベース部30A及び各第2ベース部30Bが各ダンパ10の両端部の夫々を多方向に揺動自在に連結しているため、このように各ダンパ10を傾斜させた状態で家具Fの上面と天井Cとの間に取り付けることができる。このため、この転倒防止装置は、家具Fの前後左右方向の傾きに対して、各ダンパ10の減衰力を作用させて家具Fの傾きを抑制することができる。よって、この転倒防止装置は、家具Fの上面又は天井Cから各ベース部30A,30Bが外れ難く、ダンパ10の減衰力を家具Fに作用させることができ、家具Fの転倒を防止することができる。
このように、実施形態1の転倒防止装置を構成する連結部材50は、一対のダンパ10を連結する。この連結部材50によって連結された一対のダンパ10を床面B上に設置された家具Fの上面と天井Cとの間に取り付けると、水平面に沿って一方向から見た正面視(家具Fの上面の短辺方向に見た正面視)において、各ダンパ10の下端部の間隔よりも上端部の間隔が狭くなるように各ダンパ10が傾斜し、かつ正面視から水平面上で90°異なる方向から見た側面視(家具Fの上面の長辺方向に見た側面視)において、一方のダンパ10が上端から下端に向けて右方向に傾斜し、他方のダンパ10が上端から下端に向けて左方向に傾斜した状態になる。
この連結部材50によって連結された一対のダンパ10を家具Fの上面と天井Cとの間に取り付けると、正面視において、各ダンパ10の下端部の間隔よりも上端部の間隔が狭くなるように各ダンパ10が傾斜する。つまり、正面視において、左側に位置するダンパ10が上端から下端に向けて左方向に傾斜し、右側に位置するダンパ10が上端から下端に向けて右方向に傾斜する。このため、正面視における左右方向の家具Fの傾きに対して、各ダンパ10の減衰力を作用させて家具Fの正面視における左右方向の傾きを抑制することができる。さらに、これらダンパ10は、側面視において、一方のダンパ10が上端から下端に向けて右方向に傾斜し、他方のダンパ10が上端から下端に向けて左方向に傾斜する。このため、側面視における左右方向の家具Fの傾きに対しても、各ダンパ10の減衰力を作用させて家具Fの側面視における左右方向の傾きを抑制することができる。つまり、この連結部材50によって連結された一対のダンパ10を家具Fの上面と天井Cとの間に取り付けると、家具Fの複数方向の傾きを抑制し、ダンパ10の取り付け状態を維持することができる。
したがって、実施形態1の転倒防止装置を構成する連結部材50は、一対のダンパ10を連結して家具Fの上面と天井Cとの間に取り付けると、揺れ方向が複合的な地震等に対して、取り付け状態を維持し、家具Fの転倒を防止する転倒防止装置を構成することができる。
また、実施形態1の連結部材50は、第1取付部51A、第2取付部51B、第1連結部本体53A及び第2連結部本体53Bを備えている。各ダンパ10は、シリンダ11と、シリンダ11から先端側が突出し、突出長さが変化するロッド13を有している。各取付部51A,51Bは各シリンダ11に取り付けられる。各連結部本体53A,53Bは、一方のシリンダ11に取り付けられた第1取付部51Aと他方のシリンダ11に取り付けられた第2取付部51Bとを連結し、一方のシリンダ11に取り付けられた第2取付部51Bと他方のシリンダ11に取り付けられた第1取付部51Aとを連結する。このため、連結部材50は、一対のダンパ10を各ダンパ10のシリンダ11で連結するため、各ダンパ10が伸縮動作をする際、連結部材50がロッド13の動きの邪魔にならず、各ダンパ10が良好に伸縮動作することができる。
また、実施形態1の連結部材50は、第1取付部51Aと第2取付部51Bとを有している。第1取付部51Aは各シリンダ11のロッド13が突出している側に取り付けられる。第2取付部51Bは各シリンダ11の底部側に取り付けられる。また、実施形態1の連結部材50は第1連結部本体53Aと第2連結部本体53Bとを有している。第1連結部本体53Aは一方のシリンダ11に取り付けられた第1取付部51Aと他方のシリンダ11に取り付けられた第2取付部51Bとを連結する。第2連結部本体53Bは一方のシリンダ11に取り付けられた第2取付部51Bと他方のシリンダ11に取り付けられた第1取付部51Aとを連結する。このため、連結部材50は一対のシリンダ11を所定の傾斜方向に傾斜させた状態に確実に連結することができる。
また、実施形態1の転倒防止装置は一対のダンパ10が連結部材50によって連結されている。このため、この転倒防止装置は、連結部材50を利用して一対のシリンダ11を所定の傾斜方向に傾斜させた状態に容易に連結し、家具Fの上面と天井Cとの間に取り付けることができる。このため、この転倒防止装置は、揺れ方向が複合的な地震等に対して、取り付け状態を維持し、家具Fの転倒を防止することができる。
<実施形態2>
実施形態2の転倒防止装置は連結部材150の形態が実施形態1と相違する。他の構成は実施形態1と同様であり、同一の構成は同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
実施形態2の連結部材150は、図6に示すように、2個の取付部151、一本の連結部本体153を備えている。連結部本体153は一直線上に伸びた円柱形状の棒材である。連結部本体153は両端に取付部151を固定している。各取付部151は円筒形状である。各取付部151は内径が各ダンパ10のシリンダ11の外径よりも僅かに大きい。連結部本体153は、両端部に固定された各取付部151を各ダンパ10のシリンダ11に挿通して各シリンダ11の中央部に固定し、一対のダンパ10を連結している。
詳しくは、連結部本体153は、転倒防止装置を家具Fの上面と天井Cとの間に取り付けた状態であって一対のダンパ10を左右に見た正面視において、両端に固定された各取付部151の上端部同士の間隔が下端部同士の間隔よりも狭い。このため、一対のダンパ10をこの連結部材150で連結した転倒防止装置は、家具Fの上面と天井Cとの間に取り付けられると、正面視において、各ダンパ10の下端部の間隔よりも上端部の間隔が狭くなるように各ダンパ10が傾斜した状態になる。
また、この連結部本体153の両端に取り付けられた2個の取付部151は、正面視から水平面上で90°異なる方向から見た側面視において、夫々の中心軸が交差した状態に固定されている。このため、一対のダンパ10をこの連結部材150で連結した転倒防止装置は、家具Fの上面と天井Cとの間に取り付けると、側面視において、一方のダンパ10が上端から下端に向けて右方向に傾斜し、他方のダンパ10が上端から下端に向けて左方向に傾斜した状態になる。
このように、実施形態2の転倒防止装置を構成する連結部材150は、一対のダンパ10を連結する。この連結部材150によって連結された一対のダンパ10を床面B上に設置された家具Fの上面と天井Cとの間に取り付けると、水平面に沿って一方向から見た正面視(家具Fの上面の短辺方向に見た正面視)において、各ダンパ10の下端部の間隔よりも上端部の間隔が狭くなるように各ダンパ10が傾斜し、かつ正面視から水平面上で90°異なる方向から見た側面視(家具Fの上面の長辺方向に見た側面視)において、一方のダンパ10が上端から下端に向けて右方向に傾斜し、他方のダンパ10が上端から下端に向けて左方向に傾斜した状態になる。
この連結部材150によって連結された一対のダンパ10を家具Fの上面と天井Cとの間に取り付けると、正面視において、各ダンパ10の下端部の間隔よりも上端部の間隔が狭くなるように各ダンパ10が傾斜する。つまり、正面視において、左側に位置するダンパ10が上端から下端に向けて左方向に傾斜し、右側に位置するダンパ10が上端から下端に向けて右方向に傾斜する。このため、正面視における左右方向の家具Fの傾きに対して、各ダンパ10の減衰力を作用させて家具Fの正面視における左右方向の傾きを抑制することができる。さらに、これらダンパ10は、側面視において、一方のダンパ10が上端から下端に向けて右方向に傾斜し、他方のダンパ10が上端から下端に向けて左方向に傾斜する。このため、側面視における左右方向の家具Fの傾きに対しても、各ダンパ10の減衰力を作用させて家具Fの側面視における左右方向の傾きを抑制することができる。つまり、この連結部材150によって連結された一対のダンパ10を家具Fの上面と天井Cとの間に取り付けると、家具Fの複数方向の傾きを抑制し、ダンパ10の取り付け状態を維持することができる。
したがって、実施形態2の転倒防止装置を構成する連結部材150は、一対のダンパ10を連結して家具Fの上面と天井Cとの間に取り付けると、揺れ方向が複合的な地震等に対して、取り付け状態を維持し、家具Fの転倒を防止する転倒防止装置を構成することができる。
また、実施形態2の連結部材150は取付部151と連結部本体153とを備えている。各ダンパ10は、シリンダ11と、シリンダ11から先端側が突出し、突出長さが変化するロッド13を有している。取付部151は各シリンダ11に取り付けられる。連結部本体153は、一方のシリンダ11に取り付けられた取付部151と他方のシリンダ11に取り付けられた取付部151とを連結する。このため、連結部材150は、一対のダンパ10を各ダンパ10のシリンダ11で連結するため、各ダンパ10が伸縮動作をする際、連結部材150がロッド13の動きの邪魔にならず、各ダンパ10が良好に伸縮動作することができる。
また、実施形態2の転倒防止装置は一対のダンパ10が連結部材150によって連結されている。このため、この転倒防止装置は、連結部材150を利用して一対のシリンダ11を所定の傾斜方向に傾斜させた状態に容易に連結することができる。また、この転倒防止装置は、家具Fの上面と天井Cとの間に取り付けると、揺れ方向が複合的な地震等に対して、取り付け状態を維持し、家具Fの転倒を防止することができる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態1及び2に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)実施形態1及び2では、転倒防止装置を家具に対して取り付けたが、地震等の揺れによって転倒するおそれのある、書棚、冷蔵庫等の物品に対して取り付けてもよい。
(2)実施形態1及び2では、床面上に載置された状態において前後方向に空間がある家具に対して転倒防止装置を取り付けたが、壁面に背面を対向させて床面上に載置された家具等に取り付けてもよい。
(3)実施形態1及び2では、連結部材の連結部本体が円柱形状の棒材であったが、両端に取付部を設けることができれば、連結部本体が他の形態であってもよい。
(4)実施形態1では、各シリンダに対して2個の取付部が固定されたが、1個のシリンダに対して、軸線方向に長い1個の取付部を固定するようにしてもよい。この場合、2本の連結部本体の同じ側の端部に一個の取付部が固定される。
10…ダンパ、11…シリンダ、13…ロッド、50,150…連結部材、51A,51B,151…取付部(51A…第1取付部、51B…第2取付部)、53A,53B,153…連結部本体(53A…第1連結部本体、53B…第2連結部本体)、B…床面、C…天井、F…家具(物品)

Claims (4)

  1. 設置面上に設置された物品の上面と天井との間に取り付けられた一対のダンパを水平面に沿って一方向から見た正面視において、各前記ダンパの下端部の間隔よりも上端部の間隔が狭くなるように各前記ダンパが傾斜し、かつ前記正面視から水平面上で90°異なる方向から見た側面視において、一方の前記ダンパが上端から下端に向けて右方向に傾斜し、他方の前記ダンパが上端から下端に向けて左方向に傾斜した状態に前記一対のダンパを連結することを特徴とする連結部材。
  2. 各前記ダンパは、シリンダと、前記シリンダから先端側が突出し、突出長さが変化するロッドを有しており、
    各前記シリンダに取り付けられる取付部と、
    一方の前記シリンダに取り付けられた前記取付部と他方の前記シリンダに取り付けられた前記取付部とを連結する連結部本体と、
    を備えていることを特徴とする請求項1記載の連結部材。
  3. 前記取付部は、各前記シリンダの前記ロッドが突出している側に取り付けられる第1取付部と、各前記シリンダの底部側に取り付けられる第2取付部とを有しており、
    前記連結部本体は、一方の前記シリンダに取り付けられた前記第1取付部と他方の前記シリンダに取り付けられた前記第2取付部とを連結する第1連結部本体と、一方の前記シリンダに取り付けられた前記第2取付部と他方の前記シリンダに取り付けられた前記第1取付部とを連結する第2連結部本体とを有していることを特徴とする請求項2記載の連結部材。
  4. 一対のダンパが請求項1乃至3のいずれか1項記載の連結部材によって連結されていることを特徴とする転倒防止装置。
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