JP2016036444A - 転倒防止装置及び転倒防止装置付き物品 - Google Patents
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Abstract
【課題】建物や物品を破損させることなく、物品の転倒を防止する。【解決手段】転倒防止装置10は、建物1の鉛直方向の壁面3に背面4Rを対向させて配置された家具4(物品)の転倒を防止するため、建物1に取付け可能な第1ベース部11と、家具4に取付け可能な第2ベース部12と、両端部が第1ベース部11と第2ベース部12とに取り付けられ、家具4が壁面3側へ傾いたときに減衰力を発生するダンパ13とを備える。家具4が壁面3側へ傾くときの傾く速度と傾く角度が、ダンパ13の減衰力によって抑えられるので、家具4は、壁面3から離間する方向へ傾くときの振幅が抑えられ、転倒が防止される。家具4が揺れ動く動作を無理に抑え込まないので、家具4や建物1が破損する虞がない。【選択図】図2
Description
本発明は、家具等の転倒を防止する転倒防止装置、及び転倒防止装置を備えた物品に関するものである。
特許文献1に開示されている転倒防止装置は、物品である家具と天井との間に突っ張るように取り付けられることで、家具の転倒を防止するようになっている。
特許文献1に記載の転倒防止装置は、それ自体の剛性により、家具が建物に対して相対的に揺れ動かないようにしている。そのため、震度が大きい場合には、家具や天井が揺れ戻し時の慣性力に耐えきれなくなって破損する虞がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、建物や物品を破損させることなく、物品の転倒を防止することを目的とする。
第1の発明の転倒防止装置は、建物に取付け可能な第1ベース部と、物品に取付け可能な第2ベース部と、ダンパとを備える。ダンパは、その両端部が前記第1ベース部と前記第2ベース部とに取り付けられていて、前記物品が壁面側へ傾いたときに減衰力を発生する。
第2の発明の転倒防止装置付き物品は、物品と、転倒防止装置と、前記転倒防止装置を構成し、建物に取付け可能な第1ベース部と、前記転倒防止装置を構成し、前記物品に取り付けられた第2ベース部と、ダンパとを備える。ダンパは、その両端部が前記第1ベース部と前記第2ベース部とに取り付けられていて、前記物品が壁面側へ傾いたときに減衰力を発生する。
第1の発明における「物品」及び第2の発明における「転倒防止装置付き物品」の概念には、家具、多段タイプのベッド、大型の薄型テレビ、冷蔵庫等の電化製品、図書館・オフィス・書店等の書棚、サーバールームのサーバーラック、ショーケース、仏壇等、地震等が発生して転倒する虞のあるものが含まれる。また、第1の発明及び第2の発明における「建物に対する第1ベース部の取付け」の概念及び第1の発明における「物品に対する第2ベース部の取付け」の概念には、ベース部が建物側又は物品側に対して容易に移動しない状態にあることを意味し、ビス止め、ねじ止め、ボルト止め、リベット止め、フックを用いた引っ掛け等の他、建物や物品に対してベース部を単に突き当てて摩擦力によって保持する状態も含む。さらに、第2の発明における「物品に対する第2ベース部の取付け」の概念には、第2ベース部が物品側に対して容易に移動や離脱しない状態にあることを意味し、ビス止め、ねじ止め、ボルト止め、リベット止め、フックを用いた引っ掛け等によって固定する状態も含む。
第2の発明の転倒防止装置付き物品は、物品と、転倒防止装置と、前記転倒防止装置を構成し、建物に取付け可能な第1ベース部と、前記転倒防止装置を構成し、前記物品に取り付けられた第2ベース部と、ダンパとを備える。ダンパは、その両端部が前記第1ベース部と前記第2ベース部とに取り付けられていて、前記物品が壁面側へ傾いたときに減衰力を発生する。
第1の発明における「物品」及び第2の発明における「転倒防止装置付き物品」の概念には、家具、多段タイプのベッド、大型の薄型テレビ、冷蔵庫等の電化製品、図書館・オフィス・書店等の書棚、サーバールームのサーバーラック、ショーケース、仏壇等、地震等が発生して転倒する虞のあるものが含まれる。また、第1の発明及び第2の発明における「建物に対する第1ベース部の取付け」の概念及び第1の発明における「物品に対する第2ベース部の取付け」の概念には、ベース部が建物側又は物品側に対して容易に移動しない状態にあることを意味し、ビス止め、ねじ止め、ボルト止め、リベット止め、フックを用いた引っ掛け等の他、建物や物品に対してベース部を単に突き当てて摩擦力によって保持する状態も含む。さらに、第2の発明における「物品に対する第2ベース部の取付け」の概念には、第2ベース部が物品側に対して容易に移動や離脱しない状態にあることを意味し、ビス止め、ねじ止め、ボルト止め、リベット止め、フックを用いた引っ掛け等によって固定する状態も含む。
第1及び第2の発明は、物品が壁面側へ傾いたとき、その傾く速度と傾く角度をダンパの減衰力で抑え、物品が壁面から離間する方向へ傾くときの振幅を抑制するので、物品が壁面から離れる方向へ転倒することを防止できる。また、第1及び第2の発明は、物品が揺れ動く動作を無理に抑え込まないので、物品や建物を破損させる虞がない。
第1の発明において、前記ダンパが、収縮動作に伴って減衰力を発生させる場合は、前記第1ベース部と前記第2ベース部を、前記物品が前記壁面側へ傾くのに伴って接近する位置関係である2箇所に配置すればよい。また、第2の発明において、前記ダンパが、収縮動作に伴って減衰力を発生させる場合は、前記第1ベース部を、前記物品が前記壁面側へ傾くのに伴って前記第2ベース部に接近する位置に配置すればよい。このようにすれば、ダンパの減衰作用が効果的となる。
第1の発明において、前記第1ベース部が前記壁面に配置可能であり、前記第2ベース部が前記物品の前記背面に配置可能であってもよい。また、第2の発明において、前記第2ベース部が前記物品の前記背面に取り付けられており、前記第1ベース部が前記壁面に配置可能であってもよい。この構成によれば、転倒防止装置が建物の壁面と物品の背面との間の空間内に収容され、物品を正面側から見たときに転倒防止装置が視界に入らないので、美観が損なわれずに済む。
第1の発明において、前記ダンパが、伸長動作に伴って減衰力を発生させる場合は、前記第1ベース部と前記第2ベース部を、前記物品が前記壁面側へ傾くのに伴って離間する位置関係である2箇所に配置すればよい。また、第2の発明において、前記ダンパが、伸長動作に伴って減衰力を発生させる場合は、前記第1ベース部を、前記物品が前記壁面側へ傾くのに伴って前記第2ベース部から離間する位置に配置すればよい。このようにすれば、ダンパの減衰作用が効果的となる。
第1の発明において、前記第1ベース部が前記建物の床面に取付け可能であり、前記第2ベース部が、前記物品の嵩上げされた底面に取付け可能であってもよい。また、第2の発明において、前記第2ベース部が、前記物品の嵩上げされた底面に取り付けられており、前記第1ベース部が前記建物の床面に取付け可能であってもよい。この構成によれば、転倒防止装置が、物品と床面との間の空間内に収容され、物品を正面側から見下ろしたときに転倒防止装置が殆ど視界に入らないので、美観が損なわれずに済む。
第1の発明及び第2の発明において、前記壁面に固定される固定部と、前記固定部の下端から前記建物の床面に沿うように延出した支持部とを一体化させたブラケットを設け、支持部に前記第1ベース部を支持してもよい。このようにすれば、床面に穴空け等の施工をせずに、第1ベース部を床面に配置することができる。
<第1実施形態>
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図1〜図2を参照して説明する。第1実施形態の転倒防止装置10は、地震等による家具4(請求項に記載の物品)の転倒を防止する装置である。また、家具4に転倒防止装置10を取り付けることによって、転倒防止装置付き家具Aが構成される。家具4は、全体として、高さ寸法よりも前後の奥行き寸法(図1、2における左右方向)の方が小さい直方体をなす。家具4は、建物1の水平な床面2上に載置され、鉛直方向の壁面3の近くに配置されている。家具4の背面4R(後面)は、壁面3に対し間隔を空けて略平行に正対している。したがって、家具4は、地震等によって前後に揺すられると、正面4F(前面)側、つまり壁面3から遠ざかるように図1,2の右方へ倒れる虞がある。
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図1〜図2を参照して説明する。第1実施形態の転倒防止装置10は、地震等による家具4(請求項に記載の物品)の転倒を防止する装置である。また、家具4に転倒防止装置10を取り付けることによって、転倒防止装置付き家具Aが構成される。家具4は、全体として、高さ寸法よりも前後の奥行き寸法(図1、2における左右方向)の方が小さい直方体をなす。家具4は、建物1の水平な床面2上に載置され、鉛直方向の壁面3の近くに配置されている。家具4の背面4R(後面)は、壁面3に対し間隔を空けて略平行に正対している。したがって、家具4は、地震等によって前後に揺すられると、正面4F(前面)側、つまり壁面3から遠ざかるように図1,2の右方へ倒れる虞がある。
転倒防止装置10は、壁面3に取り付け可能な第1ベース部11と、家具4の背面4Rに取り付け可能な第2ベース部12と、両ベース部11,12の間に介装されたダンパ13とを備えて構成されている。第1ベース部11は、壁面3に面接触するように取り付けられる第1基部11aと、ダンパ13に連結される第1連結部11bとを備える。第2ベース部12は、家具4の背面4Rに面接触するように取り付けられる第2基部12aと、ダンパ13に連結される第2連結部12bとを備える。
ダンパ13は、作動油(作動流体)が封入された有底筒状のシリンダ14と、シリンダ14に摺動自在に挿入されたピストン(図示省略)と、基端部がピストンに連結されて先端側がシリンダ14外へ突出したロッド15とを備えている。ダンパ13は、さらに、シリンダ14の先端側の開口部を封止するロッドガイド(図示省略)と、シリンダ14の内周とロッド15の外周との間をシールするシール部材(図示省略)とを備えている。
ダンパ13は、収縮動作するのに伴って減衰力を発生させる。ここで、ダンパ13の収縮動作とは、シリンダ14からのロッド15の突出長さ及びダンパ13の全長が短くなっていく動作を意味する。ダンパ13の減衰力発生のメカニズムは、周知の構造であるため、図示を省略して説明する。シリンダ14の内部は、ピストンによりロッド15の基端部を収容するロッド側圧力室(図示省略)と、反ロッド側圧力室とに仕切られている。ピストンには、両圧力室間を連通させる絞り弁であるオリフィス(図示省略)が形成されている。オリフィスは、ダンパ13の伸縮動作に伴うロッド側圧力室と反ロッド側圧力室との間の作動油の流れに抵抗を付与して減衰力を発生する減衰力発生部として機能する。
ピストンには、逆止弁(図示省略)が設けられている。ダンパ13が収縮動作する際には、逆止弁が閉弁し、逆止弁における反ロッド側圧力室からロッド側圧力室への作動油の流動を阻止する。したがって、収縮動作の際には、反ロッド側圧力室からロッド側圧力室への作動油の流動経路が、オリフィスのみとなる。また、逆止弁は、ダンパ13が伸長する際に開弁し、ロッド側圧力室から反ロッド側圧力室への作動油の流動を許容する。ここで、ダンパ13の伸長動作とは、シリンダ14からのロッド15の突出長さ及びダンパ13の全長が長くなっていく動作を意味する。また、ロッド側圧力室内には、ダンパ13が伸長するのに伴って伸長動作に抵抗する弾力を発生させるバネ(図示省略)が設けられている。
シリンダ14の基端部と第1連結部11bは、第1軸部11cにより、相対的に回動し得るように連結されている。ロッド15の先端部(突出端部)と第2連結部12bは、第1軸部11cと平行な第2軸部12cにより、相対的に回動し得るように連結されている。このように連結されてモジュール化された転倒防止装置10は、壁面3と家具4の背面4Rとの間の空間Sr内における比較的高い位置に配置されている。両軸部11c,21cは、ほぼ同じ高さに位置し、軸線を左右方向(壁面3と背面4Rが対向する方向、及び鉛直方向の両方向に対して直交する方向)に向けている。
そして、第1ベース部11の第1基部11aは、壁面3に対し面当たりさせた状態で配置されている。第2ベース部12の第2基部12aは、家具4の背面4Rに対し面当たり状態で配置されている。これにより、ダンパ13は、そのシリンダ14とロッド15の軸線をほぼ前後方向(地震の際に家具4が揺れ易い方向)に向けた状態で、壁面3と家具4との間に配置される。ダンパ13は、家具4を正面4F側へ押圧しないようにするため、伸長方向(突っ張り方向)への付勢力を備えていない。したがって、第1ベース部11はビス(図示省略)等により壁面3に固定され、第2ベース部12もビス(図示省略)等により家具4の背面4Rに固定される。
次に、本実施形態の転倒防止装置10の動作を説明する。家具4は、建物1の鉛直方向の壁面3に対し、背面4Rを対向させて配置されている。地震等によって家具4が前後方向へ揺すられると、家具4は、その背面4Rの下端縁を支点として背面4R側(壁面3に接近する方向)へ傾く後傾動作と、正面4Fの下端縁を支点として正面4F側(壁面3から遠ざかる方向)へ傾く前傾動作を繰り返す。この前後に揺れ動く家具4の傾き角度、即ち振幅が大きくなり、家具4の前傾時の重心が傾きの支点よりも前方(正面4F側)へ移動すると、家具4は正面4F側へ転倒することになる。
その対策として本実施形態の転倒防止装置10は、建物1の壁面3に取付け可能な第1ベース部11と、家具4に取付け可能な第2ベース部12と、両端部が第1ベース部11と第2ベース部12とに取り付けられ、家具4が壁面3側へ傾いたときに減衰力を発生するダンパ13とを備える構成としている。この構成によれば、家具4が後傾すると、第1ベース部11が取り付けられている壁面3と、第2ベース部12が取り付けられている家具4の背面4Rとが接近し、ダンパ13が収縮する。これに伴い、ダンパ13が減衰力を発生させるので、家具4の背面4R側への傾き角度(振幅)と傾き速度が抑制される。これにより、家具4が後傾するときの振幅が小さく抑えられるので、家具4が壁面3から離間するように前傾するときの振幅も小さく抑えられる。
また、家具4が背面4R側へ大きく傾いたときには、家具4の上端部が壁面3に衝突し、その反動で家具4が正面4F側へ強く押されることも懸念される。しかし、本実施形態では、ダンパ13によって家具4の後傾時の振幅が抑えられるので、家具4が壁面3に衝突する虞がない。したがって、家具4が反力で壁面3によって正面4F側へ押されることを回避できる。以上により、本実施形態の転倒防止装置10によれば、家具4が壁面3から離間するように傾いて正面4F側へ転倒することを防止できる。
また、従来の転倒防止装置は、それ自体の剛性により、家具4を建物1に対して相対的に揺れ動かないしているため、震度が大きいときに、家具4や建物1の揺れ戻し時の慣性力に耐えきれなくなって破損することが懸念される。しかし、本実施形態の転倒防止装置10は、家具4が揺れ動く動作を無理に抑え込むのではなく、家具4を揺れ動かしながら、その揺れを抑制するようにしている。したがって、家具4や壁面3を破損させる虞がない。
また、ダンパ13は、収縮動作に伴って減衰力を発生させるようになっており、第1ベース部11と第2ベース部12は、家具4が壁面3側へ傾くのに伴って接近する位置関係である2箇所に配置されている。つまり、第1ベース部11は、壁面3のうち家具4の上端部と対応する位置に取り付けられ、第2ベース部12は、家具4の背面4Rのうち第1ベース部11とほぼ同じ高さで対向する位置に取り付けられている。このように、転倒防止装置10は、その全体(両ベース部11,12とダンパ13)が、壁面3と家具4の背面4Rとの間の空間Sr内に収容されていて、家具4を正面4F側から見たときに転倒防止装置10が視界に入らないので、美観が損なわれずに済む。
<第2実施形態>
次に、本発明を具体化した第2実施形態を図3〜図4を参照して説明する。本第2実施形態の転倒防止装置20は、第1実施形態と同じ建物1と家具4を適用対象としている。また、家具4に転倒防止装置20を取り付けることによって、転倒防止装置付き家具Bが構成される。
次に、本発明を具体化した第2実施形態を図3〜図4を参照して説明する。本第2実施形態の転倒防止装置20は、第1実施形態と同じ建物1と家具4を適用対象としている。また、家具4に転倒防止装置20を取り付けることによって、転倒防止装置付き家具Bが構成される。
転倒防止装置20は、金属製のブラケット26を介して建物1の床面2に取り付け可能な第1ベース部21と、家具4の背面4Fに取り付け可能な第2ベース部22と、両ベース部21,22の間に介装されたダンパ23とを備えて構成されている。ブラケット26は、上下方向に細長い板状をなして建物1の壁面3に固定される固定部27と、固定部27の下端から床面2に沿うように前方へ延出した支持部28とを一体化させて構成されている。固定部27は、ボルト締め等の手段によって壁面3に固定されている。支持部28は、その下面を床面2に面当たり状態で載置させているだけである。つまり、床面2には、ブラケット26を取り付けるための穴空け等の加工は施されていない。
第1ベース部21は、ブラケット26を介して建物1の床面2に取り付けられる第1基部21aと、ダンパ23に連結される第1連結部21bとを備える。第2ベース部22は、家具4の背面4Fに面接触するように取り付けられる第2基部22aと、ダンパ23に連結される第2連結部22bとを備える。ダンパ23は、家具4のほぼ全高さ範囲に亘る長さを有している。ダンパ23は、シリンダ24とロッド25を有し、収縮動作するのに伴って減衰力を発生させる。ダンパ23の基本構成と、減衰力を発生させるための構成は、第1実施形態のダンパ13と同じであるため、詳しい説明は省略する。
シリンダ24の基端部(下端部)と第1連結部21bは、第1軸部21cにより、相対的に回動し得るように連結されている。ロッド25の先端部(突出端部)と第2連結部22bは、第1軸部21cと平行な第2軸部22cにより、相対的に回動し得るように連結されている。このように連結されてモジュール化された転倒防止装置20は、壁面3と家具4の背面4Fとの間の空間Sr内に配置されている。両軸部21c,22cは、左右方向(壁面3と背面4Fが対向する方向、及び鉛直方向の両方向に対して直交する方向)に向けられている。
第1ベース部21は、その第1基部21aを支持部28の上面に面当たりさせてビス止め等の固定手段で固定することにより、ブラケット26に取り付けられている。第2ベース部22は、家具4の背面4Fにおける上端部に対し、第2基部22aを面当たりさせてビス止め等の固定手段で固定することにより取り付けられている。このように両ベース部21,22を取り付けることにより、両ベース部21,22の間に介装されているダンパ23は、軸線を概ね鉛直方向に向けた姿勢、詳しくは家具4側に向かって少し前傾した姿勢となる。
家具4がその背面4Fの下端部を支点として後傾すると、背面4Fのうち第2ベース部22が取り付けられている上端部が、斜め下方へ変位して第1ベース部21(床面2に配置したブラケット26の支持部28)に接近するので、ダンパ23が収縮する。これに伴い、ダンパ23が減衰力を発生させるので、家具4の背面4F側への傾き角度(振幅)と傾き速度が抑制される。これにより、家具4が後傾するときの振幅が小さく抑えられるので、家具4が壁面3から離間するように前傾するときの振幅も小さく抑えられる。したがって、第1実施形態と同様、家具4が正面4F側へ転倒することを防止できる。
本実施形態の転倒防止装置20は、家具4が揺れ動く動作を無理に抑え込まないので、家具4や壁面3を破損させる虞がない。また、転倒防止装置20は、その全体(両ベース部21,22とダンパ23)が、壁面3と家具4の背面4Fとの間の空間Sr内に収容されていて、家具4を正面4F側から見たときに転倒防止装置20が視界に入らないので、美観が損なわれずに済む。
また、第1ベース部21は床面2の上に配置されているのであるが、一般的に建物1の床面2は、壁面3に比べると、穴空け等の施工後の修復に手間がかかる。そこで、本実施形態の転倒防止装置20は、第1ベース部21を床面2上に固定する手段として、壁面3に固定される固定部27と、固定部27の下端から建物1の床面2に沿うように延出して第1ベース部21を支持する支持部28とを一体化させたブラケット26を備えている。このブラケット26を用いれば、床面2に穴空け等の施工をせずに、第1ベース部21を床面2に配置することができる。
<第3実施形態>
次に、本発明を具体化した第3実施形態を図5〜図6を参照して説明する。本第3実施形態の転倒防止装置30は、第1、第2実施形態と同じ建物1と家具4を適用対象としている。また、家具4に転倒防止装置30を取り付けることによって、転倒防止装置付き家具Cが構成される。
次に、本発明を具体化した第3実施形態を図5〜図6を参照して説明する。本第3実施形態の転倒防止装置30は、第1、第2実施形態と同じ建物1と家具4を適用対象としている。また、家具4に転倒防止装置30を取り付けることによって、転倒防止装置付き家具Cが構成される。
転倒防止装置30は、金属製のブラケット36と、ブラケット36を介して建物1の床面2に取り付け可能な第1ベース部31と、家具4の背面4Rに取り付け可能な第2ベース部32と、両ベース部31,32の間に介装されたダンパ33とを備えて構成されている。ブラケット36は、第2実施形態のブラケット36と同様、建物1の壁面3にボルト締め等で固定される固定部37と、固定部37の下端から床面2に沿うように前方へ延出した支持部38とを一体化させて構成されている。支持部38は、その下面を床面2に面当たり状態で載置させているだけであるから、床面2には、ブラケット36を取り付けるための加工は施されていない。
第1ベース部31は、ブラケット36を介して建物1の床面2に取り付けられる第1基部31aと、ダンパ33を収容した保持する保持部31bとを備える。第1ベース部31は、その第1基部31aを支持部38の上面に面当たりさせてビス止め等の固定手段で固定することにより、ブラケット36に取り付けられている。保持部31bは、軸線を鉛直方向に向けた有底筒状をなす。保持部31b内にはダンパ33の基端部(下端部)が収容されるようになっている。
第2ベース部32は、家具4の背面4Rに面接触するように取り付けられる第2基部32aと、ダンパ33に連結される連結部32bとを備える。第2ベース部32は、家具4の背面4Rのうち第1ベース部31よりも高い位置に対し、第2基部32aを面当たりさせてビス止め等の固定手段で固定することにより取り付けられている。連結部32bには、鉛直方向及び前後方向の両方向に対して斜めをなす長孔32cが形成されている。長孔32cは、壁面3から家具4の背面4Rに向かって下り勾配となるように傾斜している。
ダンパ33は、シリンダ34とロッド35を有し、収縮動作に伴って減衰力を発生させる。ダンパ33の基本構成と、減衰力を発生させるための構成は、第1、第2実施形態のダンパ13,23と同じであるため、詳しい説明は省略する。シリンダ34の基端部(下端部)は保持部31b内に収容されており、これにより、ダンパ33は、その軸線が鉛直方向に固定された状態で第1ベース部31に取り付けられている。ロッド35の先端部(突出端部)と連結部32bは、長孔32cに摺動可能に嵌合した軸部32dにより連結されている。軸部32dは、軸線を左右方向(壁面3と背面4Rが対向する方向、及び鉛直方向の両方向に対して直交する方向)に向けており、第1ベース部31とダンパ33の上端部は、軸部32dを支点として相対的に回転可能に取り付けられている。
家具4がその背面4Rの下端部を支点として後傾すると、背面4Rに取り付けられている第2ベース部32が、壁面3へ接近するように後方へ移動する。この間、ダンパ33の軸線は鉛直方向に維持されているので、軸部32dの前後方向の位置は変わらない。したがって、軸部32dは、長孔32c内を斜め下前方へ相対移動することになり、これに伴って、ロッド35が収縮する。この収縮動作により、ダンパ33が、減衰力を発生して家具4の背面4R側への傾き角度(振幅)と傾き速度を抑制する。これにより、第1実施形態と同様、家具4が正面4F側へ転倒することを防止できる。
本実施形態の転倒防止装置30は、第1、第2実施形態と同様、家具4が揺れ動く動作を無理に抑え込まないので、家具4や壁面3を破損させる虞がない。また、転倒防止装置30は、その全体が壁面3と家具4の背面4Rとの間の空間Sr内に収容されているので、美観が損なわれずに済む。さらに、第2実施形態と同様、ブラケット36を用いているので、床面2に穴空け等の施工をせずに、第1ベース部31を床面2に配置することができる。
<第4実施形態>
次に、本発明を具体化した第4実施形態を図7〜図8を参照して説明する。本第4実施形態の転倒防止装置40は、第1〜第3実施形態と同じ建物1と家具4を適用対象としている。また、家具4に転倒防止装置40を取り付けることによって、転倒防止装置付き家具Dが構成される。
次に、本発明を具体化した第4実施形態を図7〜図8を参照して説明する。本第4実施形態の転倒防止装置40は、第1〜第3実施形態と同じ建物1と家具4を適用対象としている。また、家具4に転倒防止装置40を取り付けることによって、転倒防止装置付き家具Dが構成される。
転倒防止装置40は、第1実施形態と同じ構成の第1ベース部11と、第1実施形態と同じ構成の第2ベース部12と、両ベース部11,12の間に介装されたダンパ43とを備えて構成されている。ダンパ43は、シリンダ44とロッド45を有し、収縮動作に伴って減衰力を発生させる。ダンパ43の基本構成と、減衰力を発生させるための構成、及びダンパ43と両ベース部11,12との連結構造は、第1実施形態の転倒防止装置10と同じであるため、詳しい説明は省略する。
上記第1実施形態の転倒防止装置10では、第1ベース部11が、壁面3のうち家具4の上端部とほぼ同じ高さに取り付けられていたのに対し、本第4実施形態では、第1ベース部11は、壁面3のうち家具4の概ね中間高さと対応する位置に取り付けられている。したがって、ダンパ43は、その軸線を概ね鉛直方向に向けた姿勢、詳しくは少し前傾した姿勢をとっている。その他の構成等については上記第1実施形態と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。
<第5実施形態>
次に、本発明を具体化した第5実施形態を図9〜図10を参照して説明する。本第5実施形態の転倒防止装置50が適用される建物1は、第1〜第4実施形態と同じ建物1である。しかし、本第5実施形態の転倒防止装置50が適用される家具5(請求項に記載の物品)は、第1〜第4実施形態の家具4と異なっている。本第5実施形態の家具5は、直方形をなす家具本体6と、家具本体6の底面8の四隅から下方へ延出した4本の支持脚7とを備えて構成されている。支持脚7は、建物1の床面2上に載置される。したがって、本第5実施形態の家具5は、第1〜第4実施形態の家具4に比べると、底面8が嵩上げされた形態となっている。また、家具5に転倒防止装置50を取り付けることによって、転倒防止装置付き家具Eが構成される。
次に、本発明を具体化した第5実施形態を図9〜図10を参照して説明する。本第5実施形態の転倒防止装置50が適用される建物1は、第1〜第4実施形態と同じ建物1である。しかし、本第5実施形態の転倒防止装置50が適用される家具5(請求項に記載の物品)は、第1〜第4実施形態の家具4と異なっている。本第5実施形態の家具5は、直方形をなす家具本体6と、家具本体6の底面8の四隅から下方へ延出した4本の支持脚7とを備えて構成されている。支持脚7は、建物1の床面2上に載置される。したがって、本第5実施形態の家具5は、第1〜第4実施形態の家具4に比べると、底面8が嵩上げされた形態となっている。また、家具5に転倒防止装置50を取り付けることによって、転倒防止装置付き家具Eが構成される。
転倒防止装置50は、金属製のブラケット56と、ブラケット56を介して建物1の床面2に取り付け可能な第1ベース部51と、家具5の底面8に取り付け可能な第2ベース部52と、両ベース部51,52の間に介装されたダンパ53とを備えて構成されている。ブラケット56は、第2、第3実施形態のブラケット26,36と同様、建物1の壁面3にボルト締め等で固定される固定部57と、固定部57の下端から床面2に沿うように前方へ延出した支持部58とを一体化させて構成されている。支持部58は、その下面を床面2に面当たり状態で載置させているだけであるから、床面2には、ブラケット56を取り付けるための加工は施されていない。
第1ベース部51は、支持部58に面接触するように取り付けられる第1基部51aと、ダンパ53に連結される第1連結部51bとを備える。第2ベース部52は、家具5の背面5Rに面接触するように取り付けられる第2基部52aと、ダンパ53に連結される第2連結部52bとを備える。
本第5実施形態のダンパ53は、第1〜第4実施形態のダンパ13,23,33,43と同じ基本構造を有するが、減衰力の発生の仕方と減衰力を発生させるための構成は第1〜第4実施形態のダンパ13,23,33,43と異なる。即ち、本第5実施形態のダンパ53は、第1〜第4実施形態のダンパ13,23,33,43とは逆に、伸長動作するのに伴って減衰力を発生させる。ダンパ53の伸長動作とは、シリンダ54からのロッド55の突出長さ及びダンパ53の全長が長くなっていく動作を意味する。
ダンパ53の減衰力発生のメカニズムは、周知の構造であるため、図示を省略して説明する。シリンダ54の内部は、ピストンによりロッド55の基端部を収容するロッド側圧力室(図示省略)と、反ロッド側圧力室とに仕切られている。ピストンには、両圧力室間を連通させるオリフィス(図示省略)が形成されている。オリフィスは、ダンパ53の伸縮動作に伴うロッド側圧力室と反ロッド側圧力室との間の作動油の流れに抵抗を付与して減衰力を発生する減衰力発生部として機能する。
ピストンには、逆止弁(図示省略)が設けられている。ダンパ53が伸長動作する際には、逆止弁が閉弁し、逆止弁におけるロッド側圧力室から反ロッド側圧力室への作動油の流動を阻止する。したがって、伸長動作の際には、ロッド側圧力室から反ロッド側圧力室への作動油の流動経路が、オリフィスのみとなる。また、逆止弁は、ダンパ53が収縮する際に開弁し、反ロッド側圧力室からロッド側圧力室への作動油の流動を許容する。
シリンダ54の基端部(下端部)と第1連結部51bは、第1軸部51cにより、相対的に回動し得るように連結されている。ロッド55の突出端部(上端部)と第2連結部52bは、第1軸部51cと平行な第2軸部52cにより、相対的に回動し得るように連結されている。このように連結されてモジュール化された転倒防止装置50は、床面2に沿うように配置した支持部58と家具5の底面8との間の空間Sf内に配置されている。両軸部51c,52cは、鉛直方向(上下方向)に並ぶ位置関係で、軸線を左右方向(壁面3と背面5Rが対向する方向、及び鉛直方向の両方向に対して直交する方向)に向けている。
第1ベース部51は、その第1基部51aを支持部58の上面に面当たりさせてビス止め等の固定手段で固定することにより、ブラケット56に取り付けられている。第2ベース部52は、家具5の底面8に対し、第2基部52aを面当たりさせてビス止め等の固定手段で固定することにより取り付けられている。このように両ベース部51,52を取り付けることにより、両ベース部51,52の間に介装されているダンパ53は、軸線を概ね鉛直方向に向けた姿勢となる。
次に、本第5実施形態の転倒防止装置50の動作を説明する。家具5が、その背面5R側の支持脚7の下端部を支点として後傾しながら壁面3に接近していくと、第2ベース部52が取り付けられている家具5の底面8が、ブラケット56を介して第1ベース部51が取り付けられている床面2から遠ざかるので、ダンパ53が伸長する。これに伴い、ダンパ53が減衰力を発生させるので、家具5の背面5R側への傾き角度(振幅)と傾き速度が抑制される。これにより、家具5が後傾するときの振幅が小さく抑えられるので、家具5が壁面3から離間するように前傾するときの振幅も小さく抑えられる。
また、家具5が、その正面5F側の支持脚7の下端部を支点として前傾しながら壁面3から遠ざかっていく場合も、第2ベース部52が取り付けられている家具5の底面8が、ブラケット56を介して第1ベース部51が取り付けられている床面2から遠ざかるので、ダンパ53が伸長する。したがって、この場合も、後傾動作時の同様、家具5が前傾するときの振幅も小さく抑えられる。以上のように、本第5実施形態の転倒防止装置50によれば、家具5が壁面3から離間するように傾いて正面5F側へ転倒することを防止できる。
また、本第5実施形態の転倒防止装置50は、家具5が揺れ動く動作を無理に抑え込まないので、家具5や壁面3を破損させる虞がない。また、転倒防止装置50は、第1ベース部51が建物1の床面2に取付け可能であり、第2ベース部52が、家具5の嵩上げされた底面8に取付け可能である。この構成によれば、転倒防止装置50の全体(両ベース部51,52とダンパ53)が、家具5と床面2との間の空間Sf内に収容され、家具5を正面5F側から見下ろしたときに転倒防止装置50が殆ど視界に入らないので、美観が損なわれずに済む。さらに、第2、第3実施形態と同様、ブラケット56を用いているので、床面2に穴空け等の施工をせずに、第1ベース部51を床面2に配置することができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記第1〜第4実施形態では、収縮したときにのみ減衰力を発生させるダンパ13,23,33,43を用いたが、これに限らず、収縮したときと伸長したときの両動作で減衰力を発生させるダンパを用いてもよい。この場合、ダンパの伸長動作を抑制するためのバネは不要である。
(2)上記第5実施形態では、伸長したときにのみ減衰力を発生させるダンパ53を用いたが、これに限らず、収縮したときと伸長したときの両動作で減衰力を発生させるダンパを用いてもよい。この場合、ダンパの収縮動作を抑制するためのバネは不要である。
(3)上記第1、第2、第4、第5実施形態では、ダンパ13,23,43,53のシリンダ14,24,44,54を第1ベース部11,21,41,51(建物側)に取り付け、ロッド15,25,45,55を第2ベース部12,22,42,52(物品としての家具側)に取り付けたが、これとは逆に、ロッドを第1ベース部(建物側)に取り付け、シリンダを第2ベース部(物品としての家具側)に取り付けてもよい。
(4)上記第2、第3、第5実施形態では、第1ベース部21,31,51をブラケット26,36,56を介して床面2に配置したが、これに限らず、第1ベース部を床面に直接、取り付けてもよい。
(5)上記第1〜第4実施形態では、第2ベース部12,22,32,42を家具4(物品)の背面4Rに取り付け、転倒防止装置10,20,30,40を、家具4の背面4Rと壁面3との間の空間Sr内に配置したが、これに限らず、第2ベース部を家具の側面(図1〜8の紙面と平行な面)に取り付け、転倒防止装置を、家具の背面と壁面との間の空間の外部へ露出させた位置に配置してもよい。このようにすれば、家具の背面を壁面に近づけて配置できる。
(6)上記第5実施形態では、第2ベース部52を家具5(物品)の底面8に取り付け、転倒防止装置50を、家具5の底面8と床面2との間の空間Sf内に配置したが、これに限らず、第2ベース部を家具の側面(図9,10の紙面と平行な面)に取り付け、転倒防止装置を、家具の底面と床面との間の空間の外部へ露出させた位置に配置してもよい。
(7)上記第1〜第5実施形態以外の実施形態として、建物の天井面に第1ベース部を取り付け、家具(物品)の上面のうち第1ベース部よりも壁面に近い位置に第2ベース部を取り付け、両ベース部の間に、伸長動作に伴って減衰力を発生させるダンパを設けてもよい。また、別の実施形態として、建物の天井面に第1ベース部を取り付け、家具(物品)の上面のうち第1ベース部よりも壁面から遠い位置に第2ベース部を取り付け、両ベース部の間に、収縮動作に伴って減衰力を発生させるダンパを設けてもよい。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記第1〜第4実施形態では、収縮したときにのみ減衰力を発生させるダンパ13,23,33,43を用いたが、これに限らず、収縮したときと伸長したときの両動作で減衰力を発生させるダンパを用いてもよい。この場合、ダンパの伸長動作を抑制するためのバネは不要である。
(2)上記第5実施形態では、伸長したときにのみ減衰力を発生させるダンパ53を用いたが、これに限らず、収縮したときと伸長したときの両動作で減衰力を発生させるダンパを用いてもよい。この場合、ダンパの収縮動作を抑制するためのバネは不要である。
(3)上記第1、第2、第4、第5実施形態では、ダンパ13,23,43,53のシリンダ14,24,44,54を第1ベース部11,21,41,51(建物側)に取り付け、ロッド15,25,45,55を第2ベース部12,22,42,52(物品としての家具側)に取り付けたが、これとは逆に、ロッドを第1ベース部(建物側)に取り付け、シリンダを第2ベース部(物品としての家具側)に取り付けてもよい。
(4)上記第2、第3、第5実施形態では、第1ベース部21,31,51をブラケット26,36,56を介して床面2に配置したが、これに限らず、第1ベース部を床面に直接、取り付けてもよい。
(5)上記第1〜第4実施形態では、第2ベース部12,22,32,42を家具4(物品)の背面4Rに取り付け、転倒防止装置10,20,30,40を、家具4の背面4Rと壁面3との間の空間Sr内に配置したが、これに限らず、第2ベース部を家具の側面(図1〜8の紙面と平行な面)に取り付け、転倒防止装置を、家具の背面と壁面との間の空間の外部へ露出させた位置に配置してもよい。このようにすれば、家具の背面を壁面に近づけて配置できる。
(6)上記第5実施形態では、第2ベース部52を家具5(物品)の底面8に取り付け、転倒防止装置50を、家具5の底面8と床面2との間の空間Sf内に配置したが、これに限らず、第2ベース部を家具の側面(図9,10の紙面と平行な面)に取り付け、転倒防止装置を、家具の底面と床面との間の空間の外部へ露出させた位置に配置してもよい。
(7)上記第1〜第5実施形態以外の実施形態として、建物の天井面に第1ベース部を取り付け、家具(物品)の上面のうち第1ベース部よりも壁面に近い位置に第2ベース部を取り付け、両ベース部の間に、伸長動作に伴って減衰力を発生させるダンパを設けてもよい。また、別の実施形態として、建物の天井面に第1ベース部を取り付け、家具(物品)の上面のうち第1ベース部よりも壁面から遠い位置に第2ベース部を取り付け、両ベース部の間に、収縮動作に伴って減衰力を発生させるダンパを設けてもよい。
1…建物、3…壁面、2…床面、4,5…家具(物品)、4R,5R…背面、8…底面、10,20,30,40,50…転倒防止装置、11,21,31,51…第1ベース部、12,22,32,52…第2ベース部、13,23,33,43,53…ダンパ、26,36,56…ブラケット、27,37,57…固定部、28,38,58…支持部
Claims (7)
- 建物の鉛直方向の壁面に背面を対向させて配置された物品の転倒を防止するための転倒防止装置であって、
前記建物に取付け可能な第1ベース部と、
前記物品に取付け可能な第2ベース部と、
両端部が前記第1ベース部と前記第2ベース部とに取り付けられ、前記物品が前記壁面側へ傾いたときに減衰力を発生するダンパとを備えていることを特徴とする転倒防止装置。 - 前記ダンパは、収縮動作に伴って減衰力を発生させるようになっており、
前記第1ベース部と前記第2ベース部は、前記物品が前記壁面側へ傾くのに伴って接近する位置関係である2箇所に配置可能であることを特徴とする請求項1記載の転倒防止装置。 - 前記第1ベース部が前記壁面に配置可能であり、
前記第2ベース部が前記物品の前記背面に配置可能であることを特徴とする請求項2記載の転倒防止装置。 - 前記ダンパは、伸長動作に伴って減衰力を発生させるようになっており、
前記第1ベース部と前記第2ベース部は、前記物品が前記壁面側へ傾くのに伴って離間する位置関係である2箇所に配置可能であることを特徴とする請求項1記載の転倒防止装置。 - 前記第1ベース部が前記建物の床面に取付け可能であり、
前記第2ベース部が、前記物品の嵩上げされた底面に取付け可能であることを特徴とする請求項4記載の転倒防止装置。 - 前記壁面に固定される固定部と、前記固定部の下端から前記建物の床面に沿うように延出して前記第1ベース部を支持する支持部とを一体化させたブラケットを備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の転倒防止装置。
- 建物の鉛直方向の壁面に背面を対向させて配置される転倒防止装置付き物品であって、
物品と、
転倒防止装置と、
前記転倒防止装置を構成し、前記建物に取付け可能な第1ベース部と、
前記転倒防止装置を構成し、前記物品に取り付けられた第2ベース部と、
両端部が前記第1ベース部と前記第2ベース部とに取り付けられ、前記物品が前記壁面側へ傾いたときに減衰力を発生するダンパとを備えていることを特徴とする転倒防止装置付き物品。
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---|---|---|---|
JP2014160501A JP2016036444A (ja) | 2014-08-06 | 2014-08-06 | 転倒防止装置及び転倒防止装置付き物品 |
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