JP2016063992A - 転倒防止装置用取付け具及び転倒防止装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】転倒防止装置を適切な位置に簡単にセットできるようにする。【解決手段】転倒防止装置は、転倒防止具であるダンパ8と、これとは別個に設けられた取付け具4、5とを備えている。取付け具4、5は、ダンパ8との連結の前に、家具1側および天井壁3側において適切な場所が選択されて固定される。取付け具はダンパ8側の係止部14、15を着脱可能な着脱位置において内部に嵌め入れることができ、係止位置へと移動させることで、抜け止め状態で連結される。【選択図】図1
Description
本発明は転倒防止装置用取付け具及び転倒防止装置に関するものである。
下記特許文献1に開示されている転倒防止装置は、家具と天井壁との間で突っ張るように取り付けられることで、家具の転倒を防止するようにしている。転倒防止装置は、上部台板と、下部台板と、これら上下の台板の間に取付けられた支柱とを備えて構成されている。
上記の転倒防止装置は家具および天井壁に対して共に固定するのでなく、突き当てる方式であるため、任意の位置にセットすることができる。このことは、逆に、家具の転倒防止の目的からして必ずしも適切でない位置にセットされてしまうことを意味している。また、地震が発生したときには、転倒防止装置が家具と天井壁との間で突っ張るため、家具や天井壁の突っ張り部位には大きな力が作用するが、転倒防止装置が強度的に十分でない部位にセットされてしまい、突っ張り部位を変形させてしまう虞もある、という問題もある。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、転倒防止装置を適切な位置に簡単にセットできる取付け具、及びそのような取付け具を備えた転倒防止装置を提供することを目的とする。
本発明に係る転倒防止装置は、転倒防止対象物である物品と、物品の周辺で対向する壁面との間に介在されて物品の転倒を防止する転倒防止具を備えている。この転倒防止装置に用いられる取付け具は、転倒防止具とは別個に設けられ、物品と壁面の少なくともいずれか一方に固着されて転倒防止具の対応する端部を連結可能である。取付け具は、壁面側及び/又は物品側に固定されるベース部と、ベース部に装着され、転倒防止具の少なくとも一方の端部に取り付けられた係止部を連結させる連結部とを備えて構成されている。連結部は、着脱位置において、係止部を組み込むことができる。組み込み後に、係止部を係止位置へ変位させると、係止部は連結部に対して抜け止め状態で組付けられる。
ここで、物品の語には、家具、ベッド、大型テレビ、冷蔵庫、書棚、ショーケース、サーバラック等、地震等の発生によって転倒する虞のあるものが含まれる。
本発明の取付け具は、転倒防止具とは分離された構成であるため、一般ユーザが転倒防止具をセットする前に、物品及び/又は壁面に事前に取付けておくことができる。したがって、強度的に十分な部位であったり、転倒防止に有効に機能する部位を熟知する、物品の販売店あるいは壁の施工業者において、取付け具を固定しておくことができる。
また、一般ユーザが転倒防止具をセットするに際しても、転倒防止具の少なくとも一方の端部に形成された係止部を、取付け具の連結部に対し着脱位置において仮に装着し、その状態で係止部を係止位置へと変位させれば、係止部は連結部に対し抜け止めされた状態で装着される。この作業を転倒防止具の他方の端部においても同様に行うか、あるいは他方の端部については物品あるいは壁面の取付け位置に当接させることで、転倒防止具のセット作業を簡単に完了させることができる。
また、取付け具は物品の上面と壁面の双方に取り付けるとともに、物品側の取付け具と壁面側の取付け具とは、物品の転倒が想定される方向に関して離間して配置されるようにするとよい。
本出願人は、転倒防止具をセットする場合に物品の転倒が想定される方向に関して物品の上面と壁面との間で所定の傾斜姿勢でセットされることが好ましい、との知見を得ている。物品の上面と壁面のそれぞれに、取付け具を上記のように配置しておけば、転倒防止具を自動的に所定の傾斜姿勢でセットすることができる。
本出願人は、転倒防止具をセットする場合に物品の転倒が想定される方向に関して物品の上面と壁面との間で所定の傾斜姿勢でセットされることが好ましい、との知見を得ている。物品の上面と壁面のそれぞれに、取付け具を上記のように配置しておけば、転倒防止具を自動的に所定の傾斜姿勢でセットすることができる。
次に、本発明を具体化した実施形態1及び2について、図面を参照しつつ説明する。
<実施形態1>
図1から図4は本発明の実施形態1を示している。本実施形態1の転倒防止装置は、地震等により家具1(物品)を転倒させないようにすることを目的としている。図示されている家具1は、全体として高さ方向よりも前後の奥行寸法(図1等では左右方向の寸法)の方が小さい直方体形状をなしている。したがって、図1においてP矢印で示す方向が家具1の転倒が想定される方向ということになる。以下の説明では、図1における左方(家具1の転倒が想定される方向)を「前」、右方を「後」と呼ぶものとする。
図1から図4は本発明の実施形態1を示している。本実施形態1の転倒防止装置は、地震等により家具1(物品)を転倒させないようにすることを目的としている。図示されている家具1は、全体として高さ方向よりも前後の奥行寸法(図1等では左右方向の寸法)の方が小さい直方体形状をなしている。したがって、図1においてP矢印で示す方向が家具1の転倒が想定される方向ということになる。以下の説明では、図1における左方(家具1の転倒が想定される方向)を「前」、右方を「後」と呼ぶものとする。
家具1は家屋の室内において、側壁2を背にしつつ側壁2とは小さな隙間を空けて設置されている。また、家具1の上面と室内の天井壁3(壁面)との間にも間隔が設定されている。家具1の上面側と天井壁3側との間には転倒防止具であるダンパ8が介在されている。
ダンパ8は、作動油(作動流体)が封入された有底筒状のシリンダ9と、シリンダ9内に摺動自在に挿入されたピストン(図示しない)と、基端部がピストンに連結されて先端側がシリンダ9の外部へ突出したロッド10とを備えている。ダンパ8は、さらに、シリンダ9の先端側の開口部を封止するロッドガイド(図示しない)と、ロッドガイドの内周とロッド10の外周との間をシールするシール部材(図示しない)とを備えている。
ダンパ8は、収縮動作するのに伴って減衰力を発生させる。ここで、ダンパ8の収縮動作とは、シリンダ9からのロッド10の突出長さ及びダンパ8の全長が短くなっていく動作を意味する。ダンパ8の減衰力発生のメカニズムは、周知の構造であるため、図示を省略して説明する。シリンダ9の内部は、ピストンによりロッド10の基端部を収容するロッド側圧力室(図示省略)と、反ロッド側圧力室とに仕切られている。ピストンには、両圧力室間を連通させる絞り弁であるオリフィス(図示省略)が形成されている。オリフィスは、ダンパ8の伸縮動作に伴うロッド側圧力室と反ロッド側圧力室との間の作動油の流れに抵抗を付与して減衰力を発生する減衰力発生部として機能する。
ピストンには、逆止弁(図示省略)が設けられている。ダンパ8が収縮動作する際には、逆止弁が閉弁し、逆止弁における反ロッド側圧力室からロッド側圧力室への作動油の流動を阻止する。したがって、収縮動作の際には、反ロッド側圧力室からロッド側圧力室への作動油の流動経路が、オリフィスのみとなる。また、逆止弁は、ダンパ8が伸長する際に開弁し、ロッド側圧力室から反ロッド側圧力室への作動油の流動を許容する。ここで、ダンパ8の伸長動作とは、シリンダ9からのロッド10の突出長さ及びダンパ8の全長が長くなっていく動作を意味する。また、ロッド側圧力室内には、ダンパ8が伸長するのに伴って伸長動作に抵抗する弾力を発生させるバネ(図示省略)が設けられている。
ダンパ8におけるロッド10の突出端側(家具1側)には略球状に形成された係止部14が設けられている。この係止部14は、図2等に示すように、家具1側に固定された取付け具4に連結されている。
取付け具4は家具1の上面への取付けのためのベース部6を有している。家具1側の取付け具4は、家具1の上面における後端部寄り(側壁寄り)であって、図示の紙面と直交する方向に関する中央部に配置される。なお、この設置部位としては、家具1の上面のうち強度が十分に確保された部位が選択されている。
図2に示すように、ベース部6は方形の平板状に形成され、四隅においてねじ止めによって家具1へ固定されている。ベース部6の上面の中心部には連結部11が一体に突設されている。連結部11は略半球形状に形成されており、内部は中空の軸受室13(図3(A)、(B)参照)となっている。軸受室13は係止部14を略同心で収容可能であり、軸受室13においては、その内壁面が、係止部14の外周面に適合するように形成され、かつ係止部14が軸受室13において回動して変位できるようにしてある。
連結部11の側面には係止部14を嵌め入れ可能な大きさを持った差し込み口16が開口している。この差し込み口16は、取付け具4が家具1の上面に固定されたときに、図1に示すように、前方を向くように開口している。差し込み口16の前後方向に関する開口範囲は、図3(A)に示すように、ベース部6の上面から略90度の角度範囲に設定されている。これにより、係止部14はベース部6の上面に沿いつつ差し込み口16と正対させ、そのまま軸受室13内に嵌め入れることができる。
連結部11の周面には、一端部がこの差し込み口16に連通するようにして逃がし溝18が貫通して形成されている。逃がし溝18は差し込み口16の頂点部から連結部11の周面に沿いつつ後方へ向かって所定角度範囲に亘っており、均一な開口幅にて形成されている。逃がし溝18の開口幅は、ロッド10の外径より僅かに幅広であるが、係止部14の外径よりは十分に幅狭に形成されている。これにより、係止部14が軸受室13内で回動変位することに伴い、ロッド10は差し込み口16から逃がし溝18内へと変位させることができ、ロッド10が逃がし溝18に変位したときに係止部14がロッド10の延出方向に関して抜け止めされる。
上記したように、連結部11において、係止部14が内部へ嵌め入れ可能となる位置(図3(A)に示す位置)が着脱位置である。また、係止部14が連結部11内において同心の状態を保持したまま回動変位してロッド10が逃がし溝18に入り込んだ位置では、係止部14はロッド10の延出方向への抜けが規制される。この位置が、図3(B)に示す係止位置である。
天井壁3において家具1の上方にはレール部材20が前後方向に沿って取付けられている。図示はしないが、レール部材20は天井壁3の裏面に梁が設けられた部位、つまり天井壁3のうち補強がされた部位に沿って取付けられている。
レール部材20は、例えばアルミニウム合金等の金属製であり、図4に示すように、断面が略C字形状をなすチャンネル状に形成されている。レール部材20は、長手方向に沿ってチャンネル溝23が開口しており、レール部材20が天井壁3に取付けられた状態では、チャンネル溝23は下方へ向いている。レール部材20における両側片20Aには一対のスリット21が設けられ、これらは前後方向に沿って所定長さ範囲に亘って貫通して形成されている。
レール部材20の内部にはスライダー22が組込まれ、レール部材20の長手方向に沿ってスライドすることができる。スライダー22において、レール部材20の両側片20Aと対向する両面にはねじ穴22Aが形成されている。スライダー22に対しては、両スリット21を通して止めねじ24が締め込まれるようにしてあり、止めねじ24の頭部24Aがレール部材20の両側片の外面に圧接するまで締め込まれることで、スライダー22はレール部材20の任意の位置に固定される。スライダー22には取付け具5が連結されている。天井壁3側の取付け具5の基本的構成は、家具1側の取付け具4と同様であるが、ベース部7の裏面にスライダー22へねじ込まれる連結ねじ部25が設けられている点で相違している。このことにより、天井壁3側の取付け具5はスライダー22と共にレール部材20に沿って前後方向変位することができる。
図1に示すように、天井壁3側の取付け具5は、レール部材20に装着された状態で差し込み口17が後方へ向くように開口しており、つまり家具1側の取付け具4における差し込み口16とは反対向きに開口している。
一方、ダンパ8のシリンダ9の端部にもロッド10と同径の接続軸部26が同軸で延出し、その先端部には前記した家具1側の係止部14と同一構成の係止部15が形成されている。天井壁3側の係止部15も、家具1側の係止部14と同様、着脱位置において取付け具5の軸受室33へ差し込み可能であり、接続軸部26が差し込み口17から逃がし溝19側へと変位することで、係止部15が抜け止め状態となる係止位置へと変位しうる。
本実施形態1においては、ダンパ8がセットされる際に、天井壁3側の取付け具5と家具1側の取付け具4とは前後方向に関して所定距離だけ離間した位置に配されるようにしてある。具体的には、図1に示すように、天井壁3側の取付け具5が前方に、家具1側の取付け具4が後方に位置するように配されている。これによって、ダンパ8が両取付け具4、5に連結されたときには、ダンパ8の姿勢が鉛直方向に対して所定の傾斜角度範囲(15度以上25度以下)となるようにしてある。
次に、上記のように構成された転倒防止装置において、ダンパ8をセットする作業の一例を説明する。ダンパ8のセット作業に先立って、家具1側及び天井壁3側の双方に取付け具4、5の固定作業を行う。家具1側については、家具1の上面の所定位置(第1の取付け位置:補強された部位である)に、ベース部6をねじ締めすることによって固定する。その場合、差し込み口16が前方を向いて開口するようにしておく。
天井壁3側については、取付け具5が予め装着された状態のレール部材20を前後方向に沿うようにして取付けておく。この場合、レール部材20が天井壁3の図示しない梁に沿うようにしておけば、レール部材20は天井壁3のうち補強がされた部位に取付けられることになり、結果として取付け具5もまた補強された部位に取付けられていることになる。
また、両止めねじ24を緩めておき、スライダー22が取付け具5と共にレール部材20に沿って変位できるような状態としておく。そして、望ましくは、天井壁3側の取付け具5が正規の取付け位置として予定されている位置(第2の取付け位置:ダンパ8がセットされたときに前記した所定の傾斜姿勢が得られる位置)より若干前方へずらしておくと良い。
上記のようにして取付け具4、5が事前に取付けられたら、家具1側の取付け具4に対するダンパ8の連結作業がなされる。すなわち、ダンパ8全体を略横向き姿勢にしつつ、ロッド10側の係止部14が差し込み口16に対して正対させる。係止部14はこのときの着脱位置において軸受室13内に嵌め入れられる(図3(A)参照)。
次いで、係止部14を中心にしてダンパ8全体を起立方向に回動させる。そして、他側(天井壁3側)の係止部15を天井壁3側の取付け具5の差し込み口17に対して着脱位置にて正対させて軸受室33へと嵌め入れる。そして、スライダー22をレール部材20に沿って第2の取付け位置へ向けて後方へと変位させる。この変位動作に伴い、天井壁3側の取付け具5においては係止部15が係止位置へと変位するため、天井壁3側の係止部15は取付け具5に対して抜け止め状態となる。この後、両止めねじ24を締め込んでスライダー22をレール部材20に対して固定すれば、取付け具5は第2の取付け位置に固定される。
上記したように、天井壁3側の取付け具5が第2の取付け位置へ向けて変位することに伴い、ダンパ8は徐々に起立するため、家具1側においても、ロッド10が逃がし溝18に対してより深く入り込むため、係止部15が正しく係止位置に至り、係止部15の抜け止め状況がより確実なものとなる。
かくして、ダンパ8のセット作業が完了すれば、地震が発生して家具1が前方(図1のP矢視方向)へ傾こうとした場合において、ダンパ8はロッド10を収縮させるよう作用して減衰力を発生させる。このため、家具1の前方への傾き角度と傾き速度が抑制されて、家具1が側壁2から離間する方向への転倒を防止することができる。
また、本実施形態1によれば、ダンパ8のセット状態では、図1に示すような傾斜姿勢(鉛直方向に対して15度以上、25度以下の範囲で傾いた姿勢)にて家具1と天井壁3間に介在される。このようにダンパ8を傾斜姿勢でセットした場合には、直立姿勢でセットした場合よりもより効果的に家具の転倒防止を達成しうる。このことは、本出願人が出願前において得ている知見による。
ところで、本実施形態1におけるダンパ8は、従来のように家具1側及び天井壁3側に対する取付け部分を一体に設けるのではなく、取付け部分のみを切り離し、別体の取付け具としている。したがって、ダンパ8のセット作業に先立って家具1側と天井壁3側の双方において取付け具4、5を固定しておくことができる。すなわち、取付け具4、5は、一般ユーザがダンパ8をセットする前に、家具1、天井壁3において強度的に十分な部位、及び転倒防止に有効に機能する部位を熟知する、販売店あるいは壁の施工業者において固定しておくことができる。
また、一般ユーザがダンパ8をセットするに際しても、ダンパ8の家具1側及び天井壁3側の双方の端部に設けられた係止部14、15を、取付け具4、5の連結部11、12に対し着脱位置から係止位置へと変位させるだけで抜け止め状態にして連結させることができる。したがって、ダンパ8のセット作業を簡単に完了させることもできる。
既述したように、本実施形態1においては、家具1側と天井壁3側とで取付け具4、5の取付け位置(第1の取付け位置と第2の取付け位置)を前後にずらして設定しておくようにした。このため、ユーザはダンパ8は傾斜姿勢で取り付けられるべき、との認識がなくとも、両取付け具4、5の取付け位置にしたがってダンパ8を装着すれば、ユーザをしてダンパ8を自動的に所定の傾斜姿勢にてセットさせるよう導くことができる。
<実施形態2>
図5は本発明の実施形態2を示している。本実施形態2では、ダンパ30を家具1と側壁2との間に介在させるようにしている。また、実施形態1で用いられたダンパ8は収縮動作をするのに伴って減衰力を発揮する形式であったが、実施形態2で用いられるダンパ30は伸長動作に伴って減衰力を発揮する形式である。ダンパ30の伸長動作とは、シリンダ31からのロッド32の突出長さ及びダンパ30の全長が長くなっていく動作を意味する。
図5は本発明の実施形態2を示している。本実施形態2では、ダンパ30を家具1と側壁2との間に介在させるようにしている。また、実施形態1で用いられたダンパ8は収縮動作をするのに伴って減衰力を発揮する形式であったが、実施形態2で用いられるダンパ30は伸長動作に伴って減衰力を発揮する形式である。ダンパ30の伸長動作とは、シリンダ31からのロッド32の突出長さ及びダンパ30の全長が長くなっていく動作を意味する。
ダンパ30の減衰力発生のメカニズムは、周知の構造であるため、図示を省略して説明する。シリンダ31の内部は、ピストンによりロッド32の基端部を収容するロッド側圧力室(図示省略)と、反ロッド側圧力室とに仕切られている。ピストンには、両圧力室間を連通させるオリフィス(図示しない)が形成されている。オリフィスは、ダンパ30の伸縮動作に伴うロッド側圧力室と反ロッド側圧力室との間の作動油の流れに抵抗を付与して減衰力を発生する減衰力発生部として機能する。
ピストンには、逆止弁(図示省略)が設けられている。ダンパ30が伸長動作する際には逆止弁が閉弁し、逆止弁におけるロッド側圧力室から反ロッド側圧力室への作動油の流動を阻止する。したがって、伸長動作の際には、ロッド側圧力室から反ロッド側圧力室への作動油の流動経路が、オリフィスのみとなる。また、逆止弁は、ダンパ30が収縮する際に開弁し、反ロッド側圧力室からロッド側圧力室への作動油の流動を許容する。
側壁2において家具1より上位の部位には、レール部材20が上下方向に沿って取付けられている。本実施形態2においては、家具1側の取付け具4と側壁2の取付け具5とは共に前後方向に沿う位置に配される点は実施形態1と同様であるが、実施形態1とは逆に、家具1側の取付け具4が前方に位置し、側壁2側の取付け具5が後方に離間して位置するようにしてある。
また、家具1側の取付け具4は、差し込み口16が前方を向いて開口するようにして家具1の上面に取り付けられ、側壁2側の取付け具5は、差し込み口17が上方を向いて開口するようにして側壁に取付けられている。
他の構成は実施形態1と同様であるため、同一の部材については同一符合を図面中に付すことで重複した説明はしない。
上記のように構成された本実施形態2においても、ダンパ30のセット作業に際しては第1の取付け位置に固定された家具1側の取付け具4への連結が先行してなされ、その後に側壁2側の取付け具5への連結がなされる。側壁2側の取付け具5は予め下方にずらした位置にて、つまりダンパ30ができるだけ寝せた姿勢にして係止部15を差し込み口17を介して軸受室33へと嵌め入れる。その後に、取付け具5をスライダー22と共にレール部材20に沿って上方へとスライドさせて第2の取付け位置に至らせる。この状態で、止めねじ24を締め込めば、取付け具5は第2の取付け位置に固定される。側壁2側の取付け具5が第2の取付け位置へ移動することに伴って、側壁2側の係止部15は差し込み位置から係止位置へと変位するため、ダンパ30の延出方向への抜け止めがなされる。かくして、ダンパ30が家具1側及び側壁2側の取付け具4、5に連結される。
上記のように構成された本実施形態2において、地震の発生により家具1が図5に示すP矢印方向に揺れ動くと、ダンパ30が伸長動作をするため、ダンパ30は減衰力を発生させるので、家具1は傾き角度と傾き速度が抑制されて転倒防止が達成される。
上記のように構成された実施形態2によれば、実施形態1の効果に加えて、次の作用効果が得られる。すなわち、レール部材20が家具1の後方の側壁に取付けられるため、レール部材20が天井壁3に取付けられていた場合と比較して、レール部材20が家具1の前方から視認されにくく、またダンパ30自体も実施形態1とは逆に後傾姿勢となることから、ダンパ30も視認されにくい。したがって、家具1およびその周辺空間の美観保持に寄与する。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、家具1側と天井壁3あるいは側壁2側の双方に取付け具4、5を固定するようにしたが、いずれか一方にのみ取付け具を固定し、他方はダンパ8、30の端部を家具1、側壁2あるいは天井壁3に当接させるようにしてもよい。
(2)上記実施形態では、天井壁3あるいは側壁2に対してレール部材20を設け、取付け具5を間接的に天井壁3あるいは側壁2に固定するようにし、その上でこれら壁側に対するダンパ8、30の取付け位置を調整可能とした場合を示したが、レール部材20を廃して、ダンパ8、30の端部を天井壁3あるいは側壁2に対して直接取り付けるか、あるいは直接当接させるようにしてもよい。
(3)上記実施例では、転倒防止装置が一般の家屋内で使用される場合を説明したが、他の使用箇所としては、例えば図書館、オフィス、書店、独自の免振装置を備えたサーバルーム等が挙げられる。
(4)実施形態では、スライダー22の両側から一対の止めねじ24を締め込んでレール部材20に対する位置決めを行ったが、スライダー22の片側のみに止めねじ24を締め込むようにしてもよい。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、家具1側と天井壁3あるいは側壁2側の双方に取付け具4、5を固定するようにしたが、いずれか一方にのみ取付け具を固定し、他方はダンパ8、30の端部を家具1、側壁2あるいは天井壁3に当接させるようにしてもよい。
(2)上記実施形態では、天井壁3あるいは側壁2に対してレール部材20を設け、取付け具5を間接的に天井壁3あるいは側壁2に固定するようにし、その上でこれら壁側に対するダンパ8、30の取付け位置を調整可能とした場合を示したが、レール部材20を廃して、ダンパ8、30の端部を天井壁3あるいは側壁2に対して直接取り付けるか、あるいは直接当接させるようにしてもよい。
(3)上記実施例では、転倒防止装置が一般の家屋内で使用される場合を説明したが、他の使用箇所としては、例えば図書館、オフィス、書店、独自の免振装置を備えたサーバルーム等が挙げられる。
(4)実施形態では、スライダー22の両側から一対の止めねじ24を締め込んでレール部材20に対する位置決めを行ったが、スライダー22の片側のみに止めねじ24を締め込むようにしてもよい。
(5)上記実施例では、転倒防止具としてダンパ8、30を用いたが、物品の転倒防止の機能を発揮し取付け具4、5によって連結可能となる如何なる形式のものも適用可能である。
(6)上記実施例ではダンパ8が傾斜姿勢でセットされる場合を示したが、直立姿勢でセットされるようにしてもよい。
(6)上記実施例ではダンパ8が傾斜姿勢でセットされる場合を示したが、直立姿勢でセットされるようにしてもよい。
1…家具(物品) 2…側壁(壁面) 3…天井壁(壁面) 4、5…取付け具 6、7…ベース部 8、30…ダンパ(転倒防止具) 11、12…連結部
14、15…係止部
14、15…係止部
Claims (3)
- 転倒防止対象物である物品と、前記物品の周辺で対向する壁面との間に介在されて前記物品の転倒を防止する転倒防止具を備えた転倒防止装置において、
前記転倒防止具とは別個に設けられ、前記物品と前記壁面の少なくともいずれか一方に固着されて前記転倒防止具の対応する端部を連結可能とする取付け具であって、
前記壁面側及び/又は前記物品側に固定されるベース部と、
前記ベース部に装着され、前記転倒防止具の少なくとも一方の端部に取り付けられた係止部を連結させる連結部とを備え、
前記連結部は、前記係止部を着脱可能とする着脱位置と前記係止部を着脱不能とする係止位置との間に亘って前記係止部の変位が許容されることを特徴とする転倒防止装置用取付け具。 - 請求項1に記載の前記取付け具と、
少なくとも一方の端部に前記取付け具の前記連結部に連結される係止部が設けられた転倒防止具とを備えることを特徴とする転倒防止装置。 - 前記取付け具は前記物品の上面と前記壁面とにそれぞれ取り付けられ、前記物品側の前記取付け具と前記壁面側の前記取付け具とは、前記物品の転倒が想定される方向に関して離間して配置されていることを特徴とする請求項2に記載の転倒防止装置。
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Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5559944U (ja) * | 1978-10-18 | 1980-04-23 | ||
JPH08252140A (ja) * | 1995-03-16 | 1996-10-01 | Doumae Shoten:Kk | 家具転倒防止器具 |
JP2011161085A (ja) * | 2010-02-12 | 2011-08-25 | Kyb Co Ltd | 家具転倒防止装置 |
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2014
- 2014-09-25 JP JP2014194690A patent/JP2016063992A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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