JP6333311B2 - ブラケット、及び転倒防止装置 - Google Patents
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Description
支持部の係合部を、中間部における位置の異なる被係合部と係合させることで、支持部を上下方向の複数位置に移動させることができる。よって、物品の高さが異なり、天井との間隔が異なっても、同じ長さの付勢部材を取り付けることができる。
ブラケットを物品の上面に設置すると、物品の上面と天井との間で作業する必要が生じて、作業性が低い。一方、ブラケットが、物品の側板の内外を挟持するようにすると、物品の上面と天井との間で作業する必要がなく、作業性が高い。
前記ブラケットの前記支持部に支持される前記付勢部材と、を備えたことを特徴とする。
この転倒防止装置では、物品の上面と天井とのスペースが狭い場合であっても、転倒防止装置を設置することができる。また、上面と天井とのスペースが狭い場合であっても、上面と天井との間で作業する必要はないから、作業性が高く、容易に設置できる。
第1態様の転倒防止装置において、前記ブラケットは、前記支持部と前記中間部とが着脱自在に構成され、前記支持部は、係合部を有し、前記中間部は、上下方向の複数位置に前記係合部と係合可能な複数の被係合部を有することができる。
本発明の第2態様の転倒防止装置は、転倒防止対象の物品に取り付けられ、前記物品と天井との間に取り付けられる転倒防止用の付勢部材の下端部を、前記物品の上面より下方の位置にて支持する支持部を備えたブラケットであって、前記物品の側板の内外を前方から挟持して前記物品に固定するための挟持部と、前記挟持部に連続して後方に延びる本体部と、を備え、前記本体部に前記支持部が取り付けられている前記ブラケットと、
前記ブラケットの前記支持部に支持される前記付勢部材と、を備えたことを特徴とする。
本発明の転倒防止装置において、前記付勢部材の前記下端部は、前記物品の側方の位置にて前記ブラケットにより支持される構成とすることができる。
実施形態1の転倒防止装置1は、図1に示すように、金属製のブラケット3と、ブラケット3の下部21(本発明の支持部に相当)に支持されるダンパ5(本発明の付勢部材に相当)と、を備える。転倒防止装置1は、図1に示すように、家具Fに取り付けられるものである。家具Fは床面(図示せず)から鉛直方向に伸びた壁面Wに背面FBを対向させて床面上に設置されている(図2参照)。また、この家具Fは、直方体形状であり、正面に扉や引き出し等を有し、内部に衣類や装身具等を収納することができる。また、この家具Fは奥行きよりも幅の寸法が長い直方体形状とされている。この家具Fは、転倒防止装置1が取り付けられていない場合、地震等の揺れによって、前方向(図2において左方向)に傾いて転倒するおそれがある。
ダンパ5は、シリンダ11、図示しないロッドガイド、図示しないピストン、及びロッド13を有している。シリンダ11は有底筒状である。ロッドガイドはシリンダ11の開口部を封鎖している。ピストンはシリンダ11内に摺動自在に設けられている。ロッド13は基端部がピストンに連結されている。また、ロッド13はロッドガイドを挿通して先端側がシリンダ11の外部へ突出している。シリンダ11は作動油及び圧縮ガスを封入している。
まず、家具Fの上面6の側端の角部にブラケット3を取り付ける。この際ブラケット3の上部17の下面を、家具Fの上面6に当接するように取り付ける。ブラケット3の中腹部19は、家具Fの側面に沿って垂下するように取り付ける。すると、ブラケット3の下部21は、家具Fの側面から水平方向に延びるようになる。
なお、転倒防止装置1は、図1に示すように、左右一対を取り付けることが好ましい。この場合には、一対の転倒防止装置1により2カ所で家具Fを支えるから、揺れに対して、家具Fがより転倒しにくくなる。
また、家具Fに取り付けられた一対のブラケット3,3が互いに連結されている態様を採用してもよい。
また、中腹部19と、側板35との間に摩擦係数が高い滑り止め部材を設けてもよい。このようにすると、ブラケット3が家具Fに対して滑りにくくなり、ブラケット3の家具Fに対する位置ずれが生じにくくなる。
次に、実施形態2に係る転倒防止装置を図4〜図5を参照しつつ説明する。なお、実施形態2に係る転倒防止装置において、上記実施形態1の転倒防止装置と略同じ構成部位には同符号を付けて、構造、作用及び効果の説明は省略する。実施形態2では、次の点が、実施形態1と相違している。
すなわち、実施形態2では、図4に示すように、ブラケット103は、当接部に相当する上部117、中間部に相当する中腹部119、支持部に相当する下部121を備えているが、下部121は中腹部119から着脱可能とされ、下部121の位置が上下方向の複数位置に移動可能とされている。具体的には、ブラケット103の中腹部119には、高さの異なる位置に複数の穴123(本発明の被係合部に相当)が形成される一方、これらの穴123に挿入可能な突部125(本発明の係合部に相当)が、ブラケット103の支持部に相当する下部121に備えられている。下部121の下面の両側及び幅方向の中央には、略直角三角状の補強板124が備えられている。図5に示すように、下部121を中腹部119に取り付けると、補強板124の一辺が中腹部119に当接して、下部121にかかる負荷を支えることができる。
実施形態2では、下部121を上下方向の複数位置に移動させることで、家具Fの高さが異なり、天井Cとの間隔が異なっても、同じ長さのダンパ5を取り付けることができる。家具Fの上面6と天井Cとの間隔が狭くなるほど、同じ長さのダンパ5を取り付けようとすると、第1ベース部7が家具Fの上面6からより下がった状態となるから、これに応じてより下側の穴123を選択して、突部125を差し込んで下部121を固定することで、同じ長さのダンパ5を取り付けることができるようになる。
なお、複数の穴123は、横に2つで一組とされ、上下方向に4組形成されているが、複数の穴123の一組を構成する個数は特に限定されず、1以上であればよい。また、複数の穴123の組数は特に限定されず、2以上であればよい。
次に、実施形態3に係る転倒防止装置を図6〜図7を参照しつつ説明する。なお、実施形態3に係る転倒防止装置において、上記実施形態1の転倒防止装置と略同じ構成部位には同符号を付けて、構造、作用及び効果の説明は省略する。実施形態3では、次の点が、実施形態1と相違している。
すなわち、実施形態3では、図6に示すように、ブラケット203は、上部217、中腹部219を備えているが、下部は備えていない。ブラケット203は、側面視で略L字状の形状をなしている。そして、中腹部219には、家具Fの側方へ突出する金属製の山部227が形成されている。山部227は、略長方形状の金属板が折り曲げられて形成されており、その両側の略長方形の裾227Aにて中腹部219に固定されている。山部227は、両方の裾227Aから鈍角で折り曲げられて突出方向に向けて斜めに立ち上がる一対の側壁227Bと、両側壁227Bの上端に延設された平らな頂部分227Cとを有している。頂部分227Cは、縦長の略長方形状をなし、中腹部219と略平行にされている。また、山部227は、上下方向に貫通する空間229を有している。空間229は、上下の底面が略台形とされた略四角柱状である。山部227の頂部分227Cには、上下方向に2つの穴223が形成されており、穴には、ボルト231が貫通されている。本実施形態では、ボルト231が本発明の支持部に相当する。
なお、本実施形態では、山部227の空間229から手をいれて、ボルト231の抜き差しができるから、ボルト231の位置調整が容易である。
なお、穴223は、上下方向に2つ形成されているが、穴223の個数は特に限定されず2以上であればよい。
次に、実施形態4に係る転倒防止装置を図8〜図10を参照しつつ説明する。なお、実施形態4に係る転倒防止装置において、上記実施形態1の転倒防止装置1と略同じ構成部位には同符号を付けて、構造、作用及び効果の説明は省略する。実施形態4では、次の点が、実施形態1と相違している。
すなわち、実施形態4では、図8乃至10に示すように、ブラケット303が、家具Fの側板335の内外を挟持する。詳細には、ブラケット303は、略J字状に曲げられた形態をなしている。ブラケット303の先端部337(本発明の挟持部に相当)は、2股に分かれており、この2股の間に家具Fの引き出し用のレール339が配される。ブラケット303がレール339に引っかかりブラケット303が落下することを防止することができる。2股の先端部337は先が円弧状に丸められた形態をなしている。先端部337は、側板335と引き出し341との間に差し込まれる。ブラケット本体部343(本発明の本体部に相当)は、先端部337に連続しており、側板335の外面に沿うように取り付けられている。ブラケット本体部343には、家具Fの側方に突出するボルト状部345が形成されている。また、ブラケット本体部343には、2つのつまみネジ347が取り付けられ、つまみネジ(木ネジ)347を右へ回すと、ブラケット本体部343が側板335に固定され、つまみネジ347を左へ回すと、ブラケット本体部343が側板335から外れる。
実施形態4では、家具Fの側板335の内外をブラケット303にて挟持することができる。このようにブラケット303が、家具Fの側板335の内外を挟持するようにすると、家具Fの上面6と天井Cとの間で作業する必要がなく、作業性が高い。
また、2股の先端部337は先が円弧状に丸められているから、先が角張ったものと比べて、側板335と引き出し341との間にスムーズに挿入することができる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)実施形態1では、付勢部材として、ダンパ5を例にして説明したが、付勢部材はダンパ5に限らず、ばね等の弾性力が伸長方向に付与された棒状部材等を適宜採用することができる。
(2)実施形態2では、ブラケット103の支持部に相当する下部121の高さが4段階に変えられる態様を示したが、2段の可変であっても、3段以上の可変であってもよい。
(4)実施形態1〜4では、転倒防止装置を家具Fに対して取り付けたが、地震等の揺れによって転倒するおそれのある、書棚、冷蔵庫等の物品に対して取り付けてもよい。
なお、一対の転倒防止装置1を取り付ける際に、実施形態1では、転倒防止装置1を壁面Wに背面FBを対向させて床面上に載置された家具に対して取り付けたが、一対の転倒防止装置1の一方をダンパ5の上端が下端に比べて前方に位置して傾斜するようにし、一対の転倒防止装置1の他方をダンパ5の上端が下端に比べて後方に位置して傾斜するようにし、ダンパ5の傾斜が逆になるようにすれば、壁面Wに隣接させずに床面上に載置された家具等に対して取り付けてもよい。
(6)実施形態1〜4では、圧効きダンパを利用したが、収縮動作時に所定の減衰力を発揮するものであれば、両効きダンパであってもよい。
(8)実施形態1〜4では、シリンダ11内に圧縮ガスを封入して伸張方向に圧縮ガスの膨張力が働くようにしたが、他の方式で伸張方向に働く力を発生させてもよい。
(9)実施形態1〜4では、特定の形状の第1ベース部7、第2ベース部9を用いて説明したが、各ベース部の形状は特に限定されない。
Claims (6)
- 転倒防止対象の物品に取り付けられ、
前記物品と天井との間に取り付けられる転倒防止用の付勢部材の下端部を、前記物品の上面より下方の位置にて支持する支持部を備えたブラケットであって、
前記支持部に結合されるとともに、前記物品の側面に沿いつつ上方に延びる形態の中間部と、
前記中間部の上端から前記物品の前記上面に延びて、前記物品の前記上面に当接する当接面を有する当接部と、を備え、
前記支持部と前記中間部とは着脱自在に構成され、
前記支持部は、係合部を有し、
前記中間部は、上下方向の複数位置に前記係合部と係合可能な複数の被係合部を有することを特徴とするブラケット。 - 転倒防止対象の物品に取り付けられ、
前記物品と天井との間に取り付けられる転倒防止用の付勢部材の下端部を、前記物品の上面より下方の位置にて支持する支持部を備えたブラケットであって、
前記物品の側板の内外を前方から挟持して前記物品に固定するための挟持部と、
前記挟持部に連続して後方に延びる本体部と、を備え、
前記本体部に前記支持部が取り付けられていることを特徴とするブラケット。 - 転倒防止対象の物品に取り付けられ、
前記物品と天井との間に取り付けられる転倒防止用の付勢部材の下端部を、前記物品の上面より下方の位置にて支持する支持部を備えたブラケットであって、
前記支持部に結合されるとともに、前記物品の側面に沿いつつ上方に延びる形態の中間部と、
前記中間部の上端から前記物品の前記上面に延びて、前記物品の前記上面に当接する当接面を有する当接部と、を備えた前記ブラケットと、
前記ブラケットの前記支持部に支持される前記付勢部材と、を備えたことを特徴とする転倒防止装置。 - 前記ブラケットは、
前記支持部と前記中間部とが着脱自在に構成され、
前記支持部は、係合部を有し、
前記中間部は、上下方向の複数位置に前記係合部と係合可能な複数の被係合部を有することを特徴とする請求項3に記載の転倒防止装置。 - 転倒防止対象の物品に取り付けられ、
前記物品と天井との間に取り付けられる転倒防止用の付勢部材の下端部を、前記物品の上面より下方の位置にて支持する支持部を備えたブラケットであって、
前記物品の側板の内外を前方から挟持して前記物品に固定するための挟持部と、
前記挟持部に連続して後方に延びる本体部と、を備え、
前記本体部に前記支持部が取り付けられている前記ブラケットと、
前記ブラケットの前記支持部に支持される前記付勢部材と、を備えたことを特徴とする転倒防止装置。 - 前記付勢部材の前記下端部は、前記物品の側方の位置にて前記ブラケットにより支持されることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の転倒防止装置。
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