JP2018145980A - パーキング装置およびこれを備える動力伝達装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の意図せぬパーキングロック状態を確実に抑制すること。
【解決手段】第1パーキングギヤ52内に駒部材36を収容し、第1パーキングギヤ52の回転に伴って生じる遠心力によって当該駒部材36を第1パーキングギヤ52の径方向外方へ移動させることにより、第2パーキングギヤ62を第1パーキングギヤ52に対して相対回転させて第1パーキングギヤ52の歯部52aと第2パーキングギヤ62の歯部62aとの周方向における整合を解除させる構成とする。これにより、第1パーキングギヤ52が回転している限りは歯部52a,62aが周方向において整合されることがない。この結果、車両が悪路走行することに伴って入力軸22に回転変動が生じた場合であっても、歯部52a,62aが周方向に整合することはなく、車両の意図せぬパーキングロック状態を確実に防止することができる。
【選択図】図15
【解決手段】第1パーキングギヤ52内に駒部材36を収容し、第1パーキングギヤ52の回転に伴って生じる遠心力によって当該駒部材36を第1パーキングギヤ52の径方向外方へ移動させることにより、第2パーキングギヤ62を第1パーキングギヤ52に対して相対回転させて第1パーキングギヤ52の歯部52aと第2パーキングギヤ62の歯部62aとの周方向における整合を解除させる構成とする。これにより、第1パーキングギヤ52が回転している限りは歯部52a,62aが周方向において整合されることがない。この結果、車両が悪路走行することに伴って入力軸22に回転変動が生じた場合であっても、歯部52a,62aが周方向に整合することはなく、車両の意図せぬパーキングロック状態を確実に防止することができる。
【選択図】図15
Description
本発明は、車軸に接続された回転軸を回転不能にロックすることによって車両をパーキングロックするパーキング装置およびこれを備える動力伝達装置に関する。
特開2010−47037号公報(特許文献1)には、車両の駆動輪に動力を伝達する回転軸に固定された第1パーキングギヤと、当該回転軸の軸線方向において第1パーキングギヤと隣接する位置に配置されると共に当該回転軸に対して相対回転可能に支持された第2パーキングギヤと、第1および第2パーキングギヤの歯部に係合可能なパーキングポールと、を備えるパーキング装置が記載されている。
当該パーキング装置では、第2パーキングギヤを第1パーキングギヤに対して周方向に付勢可能なバネ部材によって第1および第2パーキングギヤを接続する構成とることによって、回転軸が回転していないとき、即ち、車両が停止しているときには、バネ部材によって第1および第2パーキングギヤの歯部が周方向に整合されてパーキングポールが第1および第2パーキングギヤの歯部に係合可能となり、当該回転軸が回転しているとき、即ち、車両が走行しているときには、第1および第2パーキングギヤの歯部が周方向にズレてパーキングポールが第1および第2パーキングギヤの歯部に係合不可能となる。これにより、車両の走行中に運転者の誤操作によって車両がパーキングロックされることを防止している。
しかしながら、上述した公報に記載のパーキング装置では、第1および第2パーキングギヤが周方向に付勢可能なバネ部材によって接続されるのみの構成であるため、回転軸に回転変動が生じた場合、例えば、当該パーキング装置を搭載した車両が悪路走行することに伴う回転軸の回転変動が生じた場合には、第2パーキングギヤの慣性モーメント(イナーシャ)に起因して第1および第2パーキングギヤの歯部が周方向において整合する場合が生じ、車両の悪路走行に伴う振動に伴うパーキングポールの揺動と相まって車両が意図せずパーキングロック状態となる可能性があり、意図しない車両のパーキングロックの確実な防止という点において、なお改良の余地がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、車両の意図せぬパーキングロック状態を確実に抑制し得る技術を提供することを目的とする。
本発明のパーキング装置は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明に係るパーキング装置の好ましい形態によれば、車軸に接続された回転軸を回転不能にロックすることによって車両をパーキングロックするパーキング装置が構成される。当該パーキング装置では、第1パーキングギヤと、第2パーキングギヤと、パーキングポールと、移動部材と、付勢部材と、回転機構と、を備えている。第1パーキングギヤは、外周面に第1歯部を有すると共に回転軸と一体回転するように当該回転軸に支持されている。第2パーキングギヤは、外周面に第2歯部を有し、回転軸の軸線方向において第1パーキングギヤに隣接配置されると共に回転軸と相対回転可能に当該回転軸に支持されている。パーキングポールは、第1および第2歯部に係合可能な係合部を有している。移動部材は、第1パーキングギヤの回転に伴って生じる遠心力に起因して当該第1パーキングギヤの径方向内方から当該第1パーキングギヤの径方向外方へ移動するように構成されている。付勢部材は、移動部材が第1パーキングギヤの径方向内方から径方向外方へ移動した際に、移動部材を第1パーキングギヤの径方向内方に戻す方向に付勢するように構成されている。そして、回転機構は、移動部材が第1パーキングギヤの径方向内方に移動することに伴って第1および第2歯部が周方向に整合するように第2パーキングギヤを回転させると共に、移動部材が第1パーキングギヤの径方向外方に移動することに伴って第1および第2歯部の周方向における整合が解除されるように第2パーキングギヤを回転させるように構成されている。ここで、「車軸に接続された」とは、車軸に直接的に接続された態様の他、車軸に間接的に接続された態様を好適に包含する。なお、車軸に間接的に接続される態様としては、回転軸がギヤ機構やベルト、チェーンなどの伝達部材を介して車軸に接続される態様や、回転軸がギヤ機構やベルト、チェーンなどの伝達部材を介して他の回転軸に接続されると共に、当該他の回転軸がギヤ機構やベルト、チェーンなどの伝達部材を介して車軸に接続される態様が考えられる。
本発明によれば、第1パーキングギヤの回転に伴って生じる遠心力に起因して第1パーキングギヤの径方向内方から径方向外方へ移動する移動部材の径方向内方への移動に伴って第1および第2歯部が周方向に整合するように第2パーキングギヤが回転されると共に、当該移動部材の径方向外方への移動に伴って第1および第2歯部の周方向における整合が解除されるように第2パーキングギヤが回転される構成であるため、回転軸が回転して移動部材に遠心力が作用している間は第1および第2歯部が周方向に整合することはない。即ち、回転軸に変動が生じた場合、例えば、当該パーキング装置を搭載した車両が悪路走行することに伴う回転軸の回転変動が生じた場合であっても、第2パーキングギヤが慣性モーメント(イナーシャ)によって第1および第2歯部が周方向に整合する方向に回転されることを良好に抑制し得て、車両がパーキングロック状態となることを抑制し得る。もとより、当該車両が走行中は当該車両を運転する運転者の誤操作による車両のパーキングロック状態を抑制することができる。これにより、車両の意図せぬパーキングロック状態を確実に抑制することができる。
本発明に係るパーキング装置の更なる形態によれば、第2パーキングギヤは、当該第2パーキングギヤの径方向に対して所定角度傾斜したカム面を有している。また、移動部材は、カム面とカム係合するように構成されている。そして、回転機構は、移動部材が第1パーキングギヤの径方向内方および径方向外方に移動することに伴うカム面とのカム作用によって第2パーキングギヤを回転させるように構成されている。
本形態によれば、カム構造を利用するのみであるため、移動部材が第1パーキングギヤの径方向内方および径方向外方へ移動することに伴って第2パーキングギヤを回転させる構造を簡易に実現することができる。
本発明に係るパーキング装置の更なる形態によれば、移動部材が第1パーキングギヤの径方向内方および径方向外方に移動することをガイドするガイド部材をさらに備えている。
本形態によれば、第1パーキングギヤの径方向内方および径方向外方に移動部材を安定して移動させることができる。これにより、第1および第2歯部の周方向での整合および整合の解除を安定して実現できるため、車両の意図せぬパーキングロック状態をより確実に抑制することができる。
本発明に係るパーキング装置の更なる形態によれば、付勢部材は、移動部材の径方向内方から径方向外方への移動に伴って伸長されることによって、移動部材を径方向内方に戻す方向のバネ力を当該移動部材に作用させる引張コイルスプリングとして構成されている。
本形態によれば、第1パーキングギヤの径方向内方から径方向外方へ移動した移動部材を径方向内方に戻す構造を簡易に確保することができる。
本発明に係るパーキング装置の更なる形態によれば、付勢部材は、移動部材の径方向内方から径方向外方への移動に伴って圧縮されることによって、前記移動部材を前記径方向内方に戻す方向のバネ力を該移動部材に作用させる圧縮コイルスプリングとして構成されている。
本形態によれば、第1パーキングギヤの径方向内方から径方向外方へ移動した移動部材を径方向内方に戻す構造を簡易に確保することができる。
本発明に係るパーキング装置の更なる形態によれば、付勢部材が伸縮する際に当該付勢部材が座屈しないように当該付勢部材の伸縮をガイドする座屈抑制部材をさらに備えている。
本形態によれば、第1パーキングギヤの径方向内方から径方向外方へ移動した移動部材を安定して径方向内方に戻すことができる。これにより、第1および第2歯部の周方向での整合および整合の解除を安定して実現できるため、車両の意図せぬパーキングロック状態をより確実に抑制することができる。
本発明に係る動力伝達装置の好ましい形態によれば、原動機からの動力を車軸に伝達する動力伝達装置が構成される。当該動力伝達装置は、動力が入力される入力軸と、車軸に接続された出力軸と、入力軸および出力軸を接続するギヤ機構と、上述したいずれかの態様の本発明に係るパーキング装置と、を備えている。
本発明によれば、上述したいずれかの態様の本発明に係るパーキング装置が奏する効果と同様の効果、例えば、車両の意図せぬパーキングロック状態を確実に抑制することができる効果などを奏することができる。これにより、動力伝達装置の品質を向上することができる。
本発明に係る動力伝達装置の更なる形態によれば、動力伝達装置は、原動機の出力を所定の減速比に応じた回転数およびトルクに変換して車軸に伝達する減速機として構成されている。そして、第1パーキングギヤは、入力軸と一体回転するように当該入力軸に支持されており、第2パーキングギヤは、入力軸の軸線方向において第1パーキングギヤに隣接配置されると共に入力軸と相対回転可能に当該入力軸に支持されている。
本形態によれば、第1および第2パーキングギヤを出力軸に配置する場合に比べて、車両がパーキングロック状態のときに、第1および第2パーキングギヤの第1および第2歯部やパーキングポールに作用する入力を小さく抑えることができる。これにより、パーキング装置の耐久性を向上することができる。
本発明によれば、車両の意図せぬパーキングロック状態を確実に抑制することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
本発明の実施の形態に係るパーキング装置30を備える減速機1は、図1に示すように、モータ2の回転軸2aに接続された入力軸22と、減速ギヤ機構RGMを介して入力軸22に接続された出力軸24と、出力ギヤ機構OGMを介して出力軸24に接続されたディファレンシャル装置26と、入力軸22を回転不能にロック可能な本発明の実施の形態に係るパーキング装置30と、これらを収容する減速機ケース40と、を備えている。減速機1は、本発明における「動力伝達装置」に対応し、モータ2は、本発明における「原動機」に対応する実施構成の一例である。また、減速ギヤ機構RGMは、本発明における「ギヤ機構」に対応する実施構成の一例である。
入力軸22は、図1に示すように、モータ2の回転軸2aに同軸上にスプライン嵌合によって接続されており、ベアリングB1,B1を介して減速機ケース40に回転可能に支持されている。入力軸22は、本発明における「回転軸」に対応する実施構成の一例である。
出力軸24は、図1に示すように、入力軸22に平行となるようにベアリングB2,B2を介して減速機ケース40に回転可能に支持されている。
減速ギヤ機構RGMは、図1に示すように、入力軸22に一体成形された駆動ギヤGと、駆動ギヤGと噛合うように出力軸24にスプライン嵌合などによって固定された被駆動ギヤG’と、を備えている。駆動ギヤGは、被駆動ギヤG’よりも小径かつ歯数が少なくなるように構成されている。即ち、減速ギヤ機構RGMは、入力軸22の回転数を所定の減速比で減速して出力軸24に伝達するように構成されている。
出力ギヤ機構OGMは、図1に示すように、出力軸24に一体成形された出力ギヤOGと、当該出力ギヤOGと噛合うようにディファレンシャル装置26に取り付けられたリングギヤRGと、を備えている。出力ギヤOGは、リングギヤRGよりも小径かつ歯数が少なくなるように構成されている。即ち、出力ギヤ機構OGMは、出力軸24の回転数を所定の減速比で減速してディファレンシャル装置26に伝達するように構成されている。これにより、モータ2の出力が減速ギヤ機構RGMおよび出力ギヤ機構OGMによる減速比に応じた回転数およびトルクに変換されて車軸WSに伝達される。
ディファレンシャル装置26は、左右の車軸WS,WSに生ずる速度差(回転数差)を吸収しつつ動力を分配して伝達するように構成されている。
本発明の実施の形態に係るパーキング装置30は、図1に示すように、入力軸22に配置されたパーキングギヤ32と、当該パーキングギヤ32に係合可能に構成されたパーキングポール34と、パーキングギヤ32内に配置された駒部材36と、を備えている。駒部材36は、本発明における「移動部材」に対応する実施構成の一例である。
パーキングギヤ32は、図1に示すように、第1パーキングギヤ52および第2パーキングギヤ62から構成されている。第1パーキングギヤ52は、入力軸22に一体形成されており、外周面には複数の歯部52aが形成されている。また、第1パーキングギヤ52には、図3に示すように、一方の側面(図3の左側の面、入力軸22の回転軸中心線に直交する主面の一方)から他方の側面(図3の右側の面、入力軸22の回転軸中心線に直交する主面の他方)まで貫通する段付き穴53が形成されている。当該段付き穴53は、駒部材36が収容される収容室を構成する。歯部52aは、本発明における「第1歯部」に対応し、歯部62aは、本発明における「第2歯部」に対応する実施構成の一例である。
段付き穴53は、図2および図3に示すように、径方向に沿って延在する長穴状に形成されており、周方向に均等に3か所設けられている。また、段付き穴53は、第1パーキングギヤ52の一方の側面に開口する凹状部53aと、当該凹状部53aの底面および第1パーキングギヤ52の他方の側面に開口する貫通部53bと、から構成されている。凹状部53aの幅(径方向に直交する方向の寸法)および長さ(径方向の寸法)は、貫通部53bのそれらよりも大きく設定されている。なお、凹状部53aの幅は、駒部材36の後述する円板部37a,37bの直径よりも若干小さくなるように設定されており、貫通部53bの幅は、駒部材36の後述する軸部38(突出部38b)の直径よりも若干大きくなるように設定されている。
凹状部53aの径方向内側の端部には、図2および図3に示すように、第1パーキングギヤ52の中心側に向かって凹み状に凹部54aが形成されている。凹部54aは、後述するガイド部材70を支持する支持部を構成する。
また、第1パーキングギヤ52の中心側の位置であって段付き穴53の径方向内側の端部と入力軸22との間の位置には、図2および図3に示すように、袋小路穴54bが形成されている。当該袋小路穴54bは、凹部54aを第1パーキングギヤ52の厚み方向(図3の左右方向)に貫通している。袋小路穴54bの直径は後述する支持ピンPの直径とほぼ同じか若干小さくなるように設定されている。
第2パーキングギヤ62は、外周面に複数の歯部62aが形成されていると共に、中心部には入力軸22が挿通される挿通孔62bが形成されている。また、第2パーキングギヤ62の一方の側面(図5の左側の面、入力軸22の回転軸中心線に直交する主面の一方)には、図5に示すように、当該一方の側面側に開口する袋小路状の凹部63が形成されている。
当該凹部63は、基本的には、段付き穴53の貫通部53bと同じ形状、具体的には、駒部材36の後述する軸部38(突出部38a)の直径と同じか若干大きめに設定された幅を有する長穴状に形成されており、周方向に均等に3か所設けられている。また、凹部63は、図4に示すように、径方向に対して所定角度傾斜した方向(以下、単に「傾斜方向」という)に沿って延在するように形成されている。凹部63は、当該凹部63の傾斜方向の内側(第2パーキングギヤ62の中心側)の端部の位置が、段付き穴53の貫通部53bの径方向内側(第1パーキングギヤ52の中心側)の端部の位置と同じとなるように形成されている。
即ち、凹部63は、第2パーキングギヤ62が入力軸22に挿通されて第1パーキングギヤ52に対して隣接配置された際に、図9に示すように、凹部63の傾斜方向の内側(第2パーキングギヤ62の中心側)の端部の位置と、段付き穴53の貫通部53bの径方向内側(第1パーキングギヤ52の中心側)の端部の位置とが、入力軸22の回転軸中心線の延在方向の一方側から見た場合に重なって(図5も併せて参照)、略V字状となるように形成されている。
パーキングポール34は、図6に示すように、長尺板状部材として構成されており、長手方向の略中央部において、減速機ケース40に固定された支持軸35に回転可能に支持されている。また、パーキングポール34は、第1および第2パーキングギヤ52,62の歯部52a,62aと係合可能な爪部34aを有している。パーキングポール34は、作動機構80によって作動される。なお、パーキングポール34は、図1に示すように、支持軸35に支持されたリターンスプリングRSPRによって爪部34aが歯部52a,62aに対して遠ざかる方向に付勢されている。また、パーキングポール34は、図6ないし図8に示すように、ストッパーピンSP(減速機ケース40に固定)によって爪部34aが歯部52a,62aに対して遠ざかる方向への回転が規制されている。
作動機構80は、図6ないし図8に示すように、減速機ケース40(図6にのみ記載)に回転可能に支持されたマニュアルシャフト82と、マニュアルシャフト82に一体にされ当該マニュアルシャフト82と共に回転するマニュアルプレート84と、当該マニュアルプレート84に揺動可能に接続されたパーキングロッド86(図6および図7にのみ記載)と、から構成されており、減速機1を搭載した車両を運転する運転者のチェンジレバー(図示せず)のパーキングポジションへのシフト操作に基づいて、マニュアルシャフト82およびマニュアルプレート84が回転され、当該マニュアルシャフト82およびマニュアルプレート84の回転によってパーキングロッド86が軸線方向に移動される。当該パーキングロッド86の軸線方向移動によって、爪部34aが歯部52a,62aに対して近づく方向にパーキングポール34が回転される。
駒部材36は、図9および図10に示すように、軸部38と、当該軸部38の軸線方向に互いに離間して配置された二つの円板部37a,37bと、を備えている。軸部38は、円板部37a,37bの側面(軸部38の軸線方向に直交する面)のうち互いに対向する一方の側面と対をなす(反対側の)他方の側面から突出する突出部38a,38bを有している。なお、二つの円板部37a,37bの他方の側面間の寸法は、第1パーキングギヤ52に形成された段付き穴53の凹状部53aの深さ寸法よりも若干小さくなるように形成されている。
ここで、駒部材36は、図11に示すように、円板部37aを有する第1駒部36aと、円板部37bを有する第2駒部36bと、をそれぞれ別体で成形した後、これらを結合することによって構成される。これにより、後述する引張コイルスプリング90の取り付け性の向上を図っている。なお、第1駒部36aと第2駒部36bとの結合は、第1駒部36aの他方の側面に形成した有底穴39に第2駒部36bの一方の側面に一体に突出形成した接続部38cを嵌合することにより行う構成とした。突出部38a,38bと接続部38cとによって軸部38が構成される。
こうして構成された駒部材36は、図14ないし図17に示すように、第1パーキングギヤ52の段付き穴53の凹状部53a内に収容される。このとき、図15および図16に示すように、駒部材36の突出部38bは、第1パーキングギヤ52の段付き穴53の貫通部53bに係合される。ここで、駒部材36は、引張コイルスプリング90によって第1パーキングギヤ52に弾性的に接続される。
より具体的には、第1パーキングギヤ52の袋小路穴54bに嵌合された支持ピンPに一端が掛止された引張コイルスプリング90の他端を駒部材36の軸部38(接続部38c)に掛止することによって駒部材36が第1パーキングギヤ52に弾性的に接続される。支持ピンPは、駒部材36の軸部38(特に、突出部38a,38b)と同じ直径を有するように構成されている。
引張コイルスプリング90は、伸縮されていない状態において、駒部材36を凹状部53aの径方向内側の端部寄りの位置に保持可能な自然長を有するように構成されており、駒部材36の自重では伸縮されないが、第1パーキングギヤ52の回転に伴い生じる遠心力によって伸長するバネ定数に設定されている。
また、引張コイルスプリング90は、図9に示すように、伸縮する際に座屈が生じないようにガイド部材70によってガイドされている。ガイド部材70は、図9に示すように、上側ガイド72と、下側ガイド74と、から構成されている。
上側および下側ガイド72,74は、サイズが異なる点を除いて基本的には同一の構成をしており、それぞれ図12および図13に示すように、側面視略U字状に構成されている。具体的には、上側および下側ガイド72,74は、一方の小口面側から他方の小口面側に向かって延在する切欠き72a,74aを有する略直方体状のブロック部材として構成されており、他方の小口面には円形穴72b,74bが形成されている。
上側ガイド72に形成された切欠き72aは、駒部材36の軸部38の突出部38a,38bおよび支持ピンPの直径よりも若干大きい幅寸法となるように構成されている。下側ガイド74に形成された切欠き74aは、上側ガイド72の厚さ寸法よりも若干大きい幅寸法となるように構成されている。上側ガイド72は、図9に示すように、引張コイルスプリング90の一端が掛止された軸部38および引張コイルスプリング90が切欠き72a内に収容されるように駒部材36に対して上方から設置される。また、下側ガイド74は、図9に示すように、引張コイルスプリング90の他端が掛止された支持ピンP、引張コイルスプリング90および上側ガイド72の先端部(切欠き72aが開口する小口面側の部分)が収容されるように駒部材36に対して下方側から設置される。
こうした状態で第1パーキングギヤ52の段付き穴53の凹状部53a内に駒部材36が収容された後に、図16および図17に示すように、第2パーキングギヤ62が入力軸22に挿通される。このとき、突出部38aが第2パーキングギヤ62の凹部63(凹部63の傾斜方向の内側(第2パーキングギヤ62の中心側)の端部)に係合される。ここで、突出部38a,38bを含む軸部38、貫通部53bおよび凹部63は、本発明における「回転機構」に対応し、突出部38aが第2パーキングギヤ62の凹部63に係合される態様は、本発明における「移動部材は、カム面とカム係合する」態様に対応する実施構成の一例である。
減速機ケース40は、図1に示すように、ハウジング部40aと、ハウジング部40aに接続されるケース本体部40bと、を備えている。ハウジング部40aには、ボルト(図示せず)などによって原動機であるモータ2が締結される。ケース本体部40bがボルト(図示せず)などによってハウジング部40aに締結されることにより、ケース本体部40bとハウジング部40aとの間に入力軸22、出力軸24、減速ギヤ機構RGM、出力ギヤ機構OGM、ディファレンシャル装置26およびパーキング装置30を収容するための収容室が構成される。
次に、こうして構成された本発明の実施の形態に係るパーキング装置30の動作について説明する。減速機1を搭載した車両が停車しているときには、入力軸22が回転しておらず、第1パーキングギヤ52も回転していないため、駒部材36には遠心力が作用しない。したがって、引張コイルスプリング90によって駒部材36は、図14および図16に示すように、凹状部53aの径方向内側の端部寄りの位置(第1パーキングギヤ52の中心寄りの位置)に保持される。
これにより、第1および第2パーキングギヤ52,62の歯部52a,62aが周方向に整合された状態となる。当該状態で車両の運転者が図示しないチェンジレバーをパーキングポジションにシフト操作すると、パーキングポール34が支持軸35を中心に回転してパーキングポール34の爪部34aが第1および第2パーキングギヤ52,62の歯部52a,62aに係合してパーキングロック状態が確立される(図14の二点鎖線)。
一方、減速機1を搭載した車両が走行しているときには、入力軸22と共に第1パーキングギヤ52が回転するため、駒部材36に遠心力が作用する。これにより、駒部材36は、図15および図17に示すように、引張コイルスプリング90のバネ力に抗して凹状部53aの径方向外側の端部寄りの位置(第1パーキングギヤ52の歯部52a寄りの位置)に移動する。これにより、引張コイルスプリング90は伸長され、駒部材36を凹状部53aの径方向内側の端部寄りの位置(第1パーキングギヤ52の中心寄りの位置)に戻す方向のバネ力を駒部材36に付勢する。
ここで、駒部材36が凹状部53aの径方向外側の端部寄りの位置に移動する際に、図17に示すように、駒部材36の軸部38の突出部38bは第1パーキングギヤ52の貫通部53b内を摺動し、駒部材36の軸部38の突出部38aは第2パーキングギヤ62の凹部63内を摺動する。凹部63は、図15に示すように、第2パーキングギヤ62の径方向に対して所定角度傾斜している(これにより、第1パーキングギヤ52の貫通部53bに対して所定角度傾斜している)ため、駒部材36の径方向外方への移動に伴って、突出部38aと凹部63との所謂カム作用が生じ、第2パーキングギヤ62が第1パーキングギヤ52に対して相対回転する。
これにより、第1および第2パーキングギヤ52,62の歯部52a,62aの周方向における整合が解除される。当該状態で車両の運転者が図示しないチェンジレバーを誤ってパーキングポジションにシフト操作してパーキングポール34が支持軸35を中心に回転しても、パーキングポール34の爪部34aが第1および第2パーキングギヤ52,62の歯部52a,62aに係合することが規制され、パーキングロック状態となることが防止される(図15の二点鎖線)。
また、仮に減速機1を搭載した車両が悪路走行することに伴って入力軸22に回転変動が生じた場合であっても、入力軸22および第1パーキングギヤ52が回転している限りは駒部材36に遠心力が作用して、当該駒部材36が凹状部53aの径方向外側の端部寄りの位置に保持され得ると共に、突出部38aと凹部63とのカム作用が維持され得るため、第2パーキングギヤ62のイナーシャに起因して第1および第2パーキングギヤ52,62の歯部52a,62aが周方向に整合する方向に第2パーキングギヤ62が回転されることを良好に抑制し得る。これにより、車両の意図せぬパーキングロック状態を確実に抑制することができる。
なお、車両が停車された際には、入力軸22および第1パーキングギヤ52の回転が停止されるため、駒部材36が引張コイルスプリング90のバネ力によって凹状部53aの径方向内側の端部寄りの位置(第1パーキングギヤ52の中心寄りの位置)に戻される。このとき、突出部38aと凹部63とのカム作用によって、第1および第2パーキングギヤ52,62の歯部52a,62aが周方向に整合する方向に第2パーキングギヤ62が回転される。
これにより、パーキングポール34の爪部34aが第1および第2パーキングギヤ52,62の歯部52a,62aに係合可能な状態となり、運転者がチェンジレバー(図示せず)をパーキングポジションにシフト操作することによって、車両のパーキングロック状態が確立される。
なお、引張コイルスプリング90は、図16および図17に示すよう、ガイド部材70によってガイドされているため、当該引張コイルスプリング90が伸縮する際に座屈が生じることを良好に防止され得る。これにより、駒部材36の径方向移動を円滑なものとすることができ、第2パーキングギヤ62の第1パーキングギヤ52に対する相対回転を円滑なものとすることができる。この結果、車両の意図せぬパーキングロック状態の防止を安定して実現することができる。
以上説明した本実施の形態に係るパーキング装置30によれば、第1パーキングギヤ52内に駒部材36を収容し、第1パーキングギヤ52の回転に伴って生じる遠心力によって当該駒部材36を第1パーキングギヤ52の径方向外方へ移動させることにより、第2パーキングギヤ62を第1パーキングギヤ52に対して相対回転させて第1パーキングギヤ52の歯部52aと第2パーキングギヤ62の歯部62aとの周方向における整合を解除させる構成であるため、第1パーキングギヤ52が回転している限りは歯部52a,62aが周方向において整合されることがない。これにより、車両が悪路走行することに伴って入力軸22に回転変動が生じた場合であっても、歯部52a,62aが周方向に整合することはなく、車両の意図せぬパーキングロック状態を確実に防止することができる。もとより、車両走行中に運転者がチェンジレバー(図示せず)を誤ってパーキングポジションにシフト操作した場合であってもパーキングロック状態となることを防止し得る。
本実施の形態では、ガイド部材70を上側ガイド72と下側ガイド74とのに部材により構成したが、これに限らない。例えば、図18に例示する変形例のガイド部材170に示すように、ガイド部材170を単体の部材として構成しても良い。この場合、ガイド部材170は、サイズが異なる点を除いて基本的には下側ガイド74と同一の構成とすることができる。
具体的には、ガイド部材170は、図18に示すように、一方の小口面側から他方の小口面側に向かって延在する切欠き170aを有する側面視略U字状に構成することができる。また、ガイド部材170の他方の小口面には円形穴170bが形成されている。なお、ガイド部材170の長手方向寸法は、図19および図20に示すように、凹部54aの底面(凹部54aを構成する面のうち第1パーキングギヤ52の中心に最も近接した位置に配置された面)から凹状部53aの天井面(凹状部53aを構成する面のうち第1パーキングギヤ52の歯部52aに最も近接した位置に配置された面)までの寸法に設定される。
こうした変形例のガイド部材170を用いた場合であっても、図19および図20に示すように、引張コイルスプリング90の伸縮の際に当該引張コイルスプリング90を良好にガイドすることができるため、当該引張コイルスプリング90に座屈が生じることを良好に防止し得る。
本実施の形態では、駒部材36は、軸部38の軸線方向に直交する断面形状が円形状の二つの円板部37a,37bを有する構成としたが、第1パーキングギヤ52の段付き穴53内を移動(摺動)可能な形状であれば、断面形状は円形状に限らず如何なる形状であっても良い。例えば、断面形状が円形状の円板部37a,37bに替えて断面形状が楕円形状の二つの楕円板部を有する構成や、断面形状が矩形の二つの矩形板部を有する構成とすることができる。
本実施の形態では、駒部材36は、軸部38の軸線方向に互いに離間して配置された二つの円板部37a,37bを備える構成としたが、これに限らない。例えば、図21および図22に例示する変形例の駒部材236や図23および図24に例示する変形例の駒部材336に示すように、二つの円板部37a,37bに替えて一つの円柱部237,337を備える構成としても良い。
変形例の駒部材236は、図21および図22に示すように、軸部238と、当該軸部238に支持された円柱部237と、を備えている。軸部38は、円柱部237の側面(軸部238の軸線方向に直交する面)から突出する突出部238a,238bを有している。なお、円柱部237の側面(軸部238の軸線方向に直交する面)間の寸法は、第1パーキングギヤ52に形成された段付き穴53の凹状部53aの深さ寸法よりも若干小さくなるように形成されている。
円柱部237には、図22に示すように、円柱部237の側面(軸部238の軸線方向に直交する面)を貫通する貫通孔237aと、円柱部237の周面に凹設された凹部237bと、が形成されている。貫通孔237aは、軸部238の直径より若干小さい内径を有するように形成されており、軸部238が嵌合される。なお、貫通孔237aは、円柱部237の軸中心に対して径方向にオフセットした位置に形成されている。
凹部237bは、図22に示すように、円柱部237の軸線方向に直交する方向から見た場合に円形となるように形成されており、円柱部237の軸線方向(長手方向)のほぼ中央部に設けられている。なお、凹部237bは、円柱部237の軸中心に達する深さを有している。
こうして構成された駒部材236は、図21に示すように、凹部237b内において軸部238に引張コイルスプリング90が掛止され、かつ、軸部238および引張コイルスプリング90を覆うようにガイド部材70(具体的には、上側ガイド72)が設置された状態で第1パーキングギヤ52の段付き穴53内に収容される。
こうした変形例の駒部材236を備えるパーキング装置30においても、駒部材36を備えるパーキング装置30と同様、第1パーキングギヤ52の回転に伴って生じる遠心力によって駒部材236を第1パーキングギヤ52の径方向外方に移動させて、第2パーキングギヤ62を第1パーキングギヤ52に対して相対回転させることができる。これにより、第1パーキングギヤ52が回転している限りは歯部52a,62aの周方向における整合を解除させることができ、車両の意図せぬパーキングロック状態を確実に防止することができる。
一方、変形例の駒部材336は、軸部238を突出部338a,338bのみに替えた点、および、凹部237bを切欠き凹部337aに替えると共に当該切欠き凹部337a内にフック部339を設けた点を除いて変形例の駒部材236と同一の構成をしている。具体的には、駒部材336は、図23および図24に示すように、円柱部337と、当該円柱部337の側面(円柱部337の軸線方向に直交する面)から突出する突出部338a,338bと、を有している。なお、円柱部337の側面(円柱部337の軸線方向に直交する面)間の寸法は、第1パーキングギヤ52に形成された段付き穴53の凹状部53aの深さ寸法よりも若干小さくなるように形成されている。
円柱部337の周面には、図24に示すように、当該周面を円柱部337の軸線方向に対して直角方向に横断するように切欠き凹部337aが形成されている。切欠き凹部337aは、円柱部337の軸線方向に直交する方向から見た場合に方形(矩形)となるように形成されており、円柱部337の軸線方向(長手方向)のほぼ中央部に設けられている。なお、切欠き凹部337aは、円柱部337の軸中心に達する深さを有しており、切欠き凹部337aの底面(切欠き凹部337aを構成する三面のうち円柱部337の軸中心に最も近接した位置に配置された面)は、円柱部337の軸線を含む平面に平行となるように構成されている。
また、切欠き凹部337a内には、図23および図24に示すように、フック部339が設けられている。フック部339は、切欠き凹部337aを構成する三面のうち円柱部337の軸線方向に直交する面であって突出部338b寄りに配置された面から円柱部337の軸線方向(突出部338a,338bの延出方向)に平行な方向に突出するように設けられた軸部339aと、当該軸部339aの突出端において切欠き凹部337aの底面に向かって軸部339aに対して直角に延出する引掛け部339bと、から構成されている。
こうして構成された駒部材336は、図23に示すように、切欠き凹部337a内においてフック部339に引張コイルスプリング90が掛止され、かつ、フック部339および引張コイルスプリング90を覆うようにガイド部材70(具体的には、上側ガイド72)が設置された状態で第1パーキングギヤ52の段付き穴53内に収容される。
こうした変形例の駒部材336を備えるパーキング装置30においても、駒部材36を備えるパーキング装置30と同様、第1パーキングギヤ52の回転に伴って生じる遠心力によって駒部材336を第1パーキングギヤ52の径方向外方に移動させて、第2パーキングギヤ62を第1パーキングギヤ52に対して相対回転させることができる。これにより、第1パーキングギヤ52が回転している限りは歯部52a,62aの周方向における整合を解除させることができ、車両の意図せぬパーキングロック状態を確実に防止することができる。
上述した変形例の駒部材236,336では、長手方向(軸線方向)に直交する断面形状が円形状の円柱部237,337を有する構成としたが、第1パーキングギヤ52の段付き穴53内を移動(摺動)可能な形状であれば、断面形状は円形状に限らず如何なる形状であっても良い。例えば、断面形状が円形状の円柱部237,337に替えて断面形状が楕円形状の楕円柱部を有する構成や、断面形状が矩形の四角柱部を有する構成とすることができる。
本実施の形態および変形例では、引張コイルスプリング90を用いる構成としたが、これに限らない。例えば、引張コイルスプリング90に替えて圧縮コイルスプリングを用いる構成としても良い。この場合、圧縮コイルスプリングは、圧縮されていない状態において、駒部材36,236,336を凹状部53aの径方向内側の端部寄りの位置に保持可能な自然長を有するように構成されており、駒部材36,236,336の自重では圧縮されないが、第1パーキングギヤ52の回転に伴い生じる遠心力によって圧縮するバネ定数に設定することが望ましい。
本実施形態は、本発明を実施するための形態の一例を示すものである。したがって、本発明は、本実施形態の構成に限定されるものではない。
1 減速機(動力伝達装置、減速機)
2 モータ(原動機)
2a 回転軸
22 入力軸(回転軸、入力軸)
24 出力軸(出力軸)
26 ディファレンシャル装置
30 パーキング装置(パーキング装置)
32 パーキングギヤ
34 パーキングポール(パーキングポール)
34a 爪部
35 支持軸
36 駒部材(移動部材)
36a 第1駒部
36b 第2駒部
37a 円板部
37b 円板部
38 軸部(回転機構)
38a 突出部(回転機構)
38b 突出部(回転機構)
38c 接続部
39 有底穴
40 減速機ケース
40a ハウジング部
40b ケース本体部
52 第1パーキングギヤ(第1パーキングギヤ)
52a 歯部(第1歯部)
53 段付き穴
53a 凹状部
53b 貫通部(回転機構)
54a 凹部
54b 袋小路穴
62 第2パーキングギヤ(第2パーキングギヤ)
62a 歯部(第2歯部)
62b 挿通孔
63 凹部(回転機構、カム面)
70 ガイド部材(ガイド部材)
72 上側ガイド
72a 切欠き
72b 円形穴
74 下側ガイド
74b 円形穴
80 作動機構
82 マニュアルシャフト
84 マニュアルプレート
86 パーキングロッド
90 引張コイルスプリング
170 ガイド部材(ガイド部材)
170a 切欠き
236 駒部材(移動部材)
237 円柱部
237a 貫通孔
237b 凹部
238 軸部
238a 突出部(回転機構)
238b 突出部
336 駒部材(移動部材)
337 円柱部
337a 切欠き凹部
338a 突出部(回転機構)
338b 突出部
339 フック部
339a 軸部
339b 引掛け部
RGM 減速ギヤ機構(ギヤ機構)
OGM 出力ギヤ機構
B1 ベアリング
B2 ベアリング
G 駆動ギヤ
G’ 被駆動ギヤ
OG 出力ギヤ
RG リングギヤ
WS 車軸(車軸)
P 支持ピン
SP ストッパーピン
RSPR リターンスプリング
2 モータ(原動機)
2a 回転軸
22 入力軸(回転軸、入力軸)
24 出力軸(出力軸)
26 ディファレンシャル装置
30 パーキング装置(パーキング装置)
32 パーキングギヤ
34 パーキングポール(パーキングポール)
34a 爪部
35 支持軸
36 駒部材(移動部材)
36a 第1駒部
36b 第2駒部
37a 円板部
37b 円板部
38 軸部(回転機構)
38a 突出部(回転機構)
38b 突出部(回転機構)
38c 接続部
39 有底穴
40 減速機ケース
40a ハウジング部
40b ケース本体部
52 第1パーキングギヤ(第1パーキングギヤ)
52a 歯部(第1歯部)
53 段付き穴
53a 凹状部
53b 貫通部(回転機構)
54a 凹部
54b 袋小路穴
62 第2パーキングギヤ(第2パーキングギヤ)
62a 歯部(第2歯部)
62b 挿通孔
63 凹部(回転機構、カム面)
70 ガイド部材(ガイド部材)
72 上側ガイド
72a 切欠き
72b 円形穴
74 下側ガイド
74b 円形穴
80 作動機構
82 マニュアルシャフト
84 マニュアルプレート
86 パーキングロッド
90 引張コイルスプリング
170 ガイド部材(ガイド部材)
170a 切欠き
236 駒部材(移動部材)
237 円柱部
237a 貫通孔
237b 凹部
238 軸部
238a 突出部(回転機構)
238b 突出部
336 駒部材(移動部材)
337 円柱部
337a 切欠き凹部
338a 突出部(回転機構)
338b 突出部
339 フック部
339a 軸部
339b 引掛け部
RGM 減速ギヤ機構(ギヤ機構)
OGM 出力ギヤ機構
B1 ベアリング
B2 ベアリング
G 駆動ギヤ
G’ 被駆動ギヤ
OG 出力ギヤ
RG リングギヤ
WS 車軸(車軸)
P 支持ピン
SP ストッパーピン
RSPR リターンスプリング
Claims (8)
- 車軸に接続された回転軸を回転不能にロックすることによって車両をパーキングロックするパーキング装置であって、
外周面に第1歯部を有すると共に前記回転軸と一体回転するよう該回転軸に支持された第1パーキングギヤと、
外周面に第2歯部を有し、前記回転軸の軸線方向において前記第1パーキングギヤに隣接配置されると共に前記回転軸と相対回転可能に該回転軸に支持された第2パーキングギヤと、
前記第1および第2歯部に係合可能な係合部を有するパーキングポールと、
前記第1パーキングギヤの回転に伴って生じる遠心力に起因して該第1パーキングギヤの径方向内方から該第1パーキングギヤの径方向外方へ移動するよう構成された移動部材と、
前記移動部材が前記径方向内方から前記径方向外方へ移動した際、前記移動部材を前記径方向内方に戻す方向に付勢するよう構成された付勢部材と、
前記移動部材の前記径方向内方への移動に伴って前記第1および第2歯部が周方向に整合するよう前記第2パーキングギヤを回転させると共に、前記移動部材の前記径方向外方への移動に伴って前記第1および第2歯部の周方向における整合が解除されるよう前記第2パーキングギヤを回転させる回転機構と、
を備える
パーキング装置。 - 前記第2パーキングギヤは、該第2パーキングギヤの径方向に対して所定角度傾斜したカム面を有し、
前記移動部材は、前記カム面とカム係合するよう構成されており、
前記回転機構は、前記移動部材の前記径方向内方および前記径方向外方への移動に伴う前記カム面とのカム作用によって前記第2パーキングギヤを回転させるよう構成されている
請求項1に記載のパーキング装置。 - 前記移動部材の前記径方向内方および前記径方向外方への移動をガイドするガイド部材をさらに備えている
請求項1または2に記載のパーキング装置。 - 前記付勢部材は、前記移動部材の前記径方向内方から前記径方向外方への移動に伴って伸長されることによって、前記移動部材を前記径方向内方に戻す方向のバネ力を該移動部材に作用させる引張コイルスプリングとして構成されている
請求項1ないし3のいずれか1項に記載のパーキング装置。 - 前記付勢部材は、前記移動部材の前記径方向内方から前記径方向外方への移動に伴って圧縮されることによって、前記移動部材を前記径方向内方に戻す方向のバネ力を該移動部材に作用させる圧縮コイルスプリングとして構成されている
請求項1ないし3のいずれか1項に記載のパーキング装置。 - 前記付勢部材が伸縮する際に該付勢部材が座屈しないよう該付勢部材の伸縮をガイドする座屈抑制部材をさらに備える
請求項4または5に記載のパーキング装置。 - 原動機からの動力を車軸に伝達する動力伝達装置であって、
前記動力が入力される入力軸と、
前記車軸に接続された出力軸と、
前記入力軸および前記出力軸を接続するギヤ機構と、
請求項1ないし6のいずれか1項に記載のパーキング装置と、
を備える
動力伝達装置。 - 前記動力伝達装置は、原動機の出力を所定の減速比に応じた回転数およびトルクに変換して前記車軸に伝達する減速機として構成されており、
前記第1パーキングギヤは、前記入力軸と一体回転するよう該入力軸に支持されており、
前記第2パーキングギヤは、前記入力軸の軸線方向において前記第1パーキングギヤに隣接配置されると共に前記入力軸と相対回転可能に該入力軸に支持されている
請求項7に記載の動力伝達装置。
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