JP6254476B2 - 工程フィルム、積層シート、及び樹脂シートの製造方法 - Google Patents

工程フィルム、積層シート、及び樹脂シートの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、樹脂シートの製膜に用いられる工程フィルム、積層シート、及び樹脂シートの製造方法に関し、詳しくは、ポリエステルフィルムを基材フィルムとする工程フィルム、積層シート、及び樹脂シートの製造方法に関する。
従来、回路基板に用いられる絶縁接着シート及び放熱接着シートなど樹脂シートの製膜に用いられる工程フィルム(キャスティングシート)が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この工程フィルムは、ポリエステルフィルムなどの基材フィルムの表面上に離型層が設けられたものであり、離型層上に樹脂シートが製膜される。樹脂シートは、工程フィルムの離型層上にキャスト法などにより樹脂溶液を塗布して塗布層を設けた後、塗布層を加熱乾燥して形成される。そして、形成された樹脂シートは、工程フィルムから剥離分離されて回路基板の接着工程などに用いられる。
特開2004−82370号公報
ところで、近年、樹脂シートに様々な機能を付加するため、特殊な化合物が使用されるケースが増えている。このような特殊な化合物は汎用の有機溶剤に対し溶解性が低いことが多く、塗液化を行うために高極性で高沸点の溶媒が用いられる。樹脂シートの形成に高沸点溶媒を使用すると、工程フィルム上に設けた樹脂溶液の塗布層を高温で加熱乾燥する必要がある。一方で、従来の工程フィルムを高温(例えば、180℃)に加熱すると、耐熱性があるとされるポリエステルフィルムを基材フィルムとして用いている場合であっても、基材フィルムのポリエステルフィルム中に含まれるモノマー、ダイマー及びトリマーなどのオリゴマーが工程フィルムの外面に析出する場合がある。工程フィルムの外面にオリゴマーが析出した状態で、樹脂シートと工程フィルムの積層シートをロール状に巻回すると、工程フィルムからオリゴマーが樹脂シートの表面に転着し、異物混入の原因となる。また、樹脂シートを製膜装置に通過させると、製膜装置のパスラインを汚染し、続いて当該製膜装置で生産される製品に異物として混入したり、表面を傷つけるたりする可能性がある。このため、工程フィルム外面へのオリゴマーの析出を抑制できるオリゴマー封止性に優れた工程フィルムが望まれている。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、加熱プロセスを経ても、オリゴマーの漏出に基づく不具合を低減できる工程フィルム、積層シート、及び樹脂シートの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の工程フィルムは、ポリエステルフィルムからなる基材フィルムと、前記基材フィルムの一方の表面上に設けられ、前記基材フィルム中のオリゴマーを封止する封止層と、前記基材フィルムの他方の表面上に設けられ、多官能アミノ化合物を含む架橋剤を含有する離型層とを具備し、前記封止層は、(A)50質量%以上80質量%以下のビスフェノールA型エポキシ化合物、(B)5質量%以上30質量%以下のポリエステル化合物、及び(C)10質量%以上40質量%以下の多官能アミノ化合物を含有する樹脂組成物を硬化させてなることを特徴とする。
この構成によれば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂化合物、ポリエステル化合物及び多官能アミノ化合物を含む樹脂組成物を硬化して基材フィルムの一方の表面上に封止層を設けるので、封止層の架橋密度が適度な範囲となる。これにより、工程フィルムは、ポリエステルフィルムからの工程フィルムの表面側へのオリゴマーの析出を防ぐことが可能となると共に、工程フィルムに圧力や衝撃が加えられても、封止層にクラックが発生することを防ぎ、クラックからオリゴマーが漏出してしまうことを防止できる。また、ポリエステルフィルムの他方の表面上に多官能アミノ化合物を含む離型層を設けるので、離型層の架橋密度が適度な範囲となり、ポリエステルフィルムからの離型層表面側へのオリゴマーの析出を防ぐことが可能となる。したがって、両面がともにオリゴマー封止性に優れた工程フィルムを実現できる。
本発明の工程フィルムにおいては、前記ビスフェノールA型エポキシ化合物の質量平均分子量が、10000以上50000以下であることが好ましい。
本発明の工程フィルムにおいては、前記ポリエステル化合物のガラス転移温度(Tg)が、0℃以上50℃以下であることが好ましい。
本発明の工程フィルムにおいては、前記封止層が、前記樹脂組成物の溶液を前記基材フィルム上に塗布して形成した塗布層を加熱して硬化皮膜としたものであることが好ましい。
本発明の工程フィルムにおいては、前記封止層の膜厚が、50nm以上500nm以下であることが好ましい。
本発明の積層シートは、上記工程フィルムと、前記離型層上に設けられ、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、及びウレタン樹脂からなる群から選択された少なくとも1種を含む機能層とを備えたことを特徴とする。
本発明の樹脂シートの製造方法は、上記工程フィルム上に樹脂溶液を塗布して塗布層を形成する塗布工程と、前記塗布層を加熱乾燥して前記工程フィルム上に樹脂シートを形成する乾燥工程と、前記工程フィルムを巻き取る巻取工程とを含むことを特徴とする。
本発明によれば、加熱プロセスを経ても、オリゴマーの漏出に基づく不具合を低減できる工程フィルム、積層シート、及び樹脂シートの製造方法を提供することを実現できる。
図1は、本発明の実施の形態に係る工程フィルムの模式断面図である。 図2は、本発明の実施の形態に係る積層シートの断面模式図である。 図3は、ロール・ツー・ロール方式のキャスト法を用いた製膜装置の模式図である。
以下、本発明の一実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、適宜変更して実施可能である。また、以下の実施の形態は適宜組み合わせて実施可能である。また、以下の実施の形態において共通する構成要素には同一の符号を付し、説明の重複を避ける。
図1は、本発明の実施の形態に係る工程フィルム1の模式断面図である。図1に示すように、本実施の形態に係る工程フィルム1は、ポリエステルフィルムからなる基材フィルム11と、この基材フィルム11の一方の表面上に設けられ、封止層形成用組成物を硬化してなる封止層12と、基材フィルム11の他方の表面上に設けられ、多官能アミノ化合物を含む離型層形成用組成物を硬化してなる離型層13とを備える。すなわち、この工程フィルム1においては、封止層12、基材フィルム11、及び離型層13がこの順に積層されている。封止層12は、基材フィルム11のポリエステルフィルム中のオリゴマーを封止する機能を有する。この工程フィルム1は、基材フィルム11の一方の主面上に設けられた離型層13上への各種接着樹脂シートなどの形成に用いられるキャリアフィルムとして用いられるものである。
本実施の形態に係る工程フィルム1においては、基材フィルム11の一方の表面上の封止層12が、(A)50質量%以上80質量%以下のビスフェノールA型エポキシ化合物、(B)5質量%以上30質量%以下のポリエステル化合物、及び(C)10質量%以上40質量%以下の多官能アミノ化合物を含む樹脂組成物を硬化させて設けられる。これにより、封止層12は、基材フィルム11を構成するポリエステルフィルム中に残存するモノマー、ダイマー及びトリマーなどのオリゴマーの透過を効率よく防ぐことができる架橋密度となるので、工程フィルム1の一方の表面へのオリゴマーのブリードアウトを防ぐことができる。さらに、この工程フィルム1においては、基材フィルム11の他方の表面上の離型層13が、メラミン系架橋剤を含有する離型層形成用組成物を硬化させて設けられる。これにより、離型層13は、基材フィルム11を構成するポリエステルフィルム中に残存するモノマー、ダイマー及びトリマーなどのオリゴマーの透過を効率よく防ぐことができる架橋密度となるので、工程フィルムの他方の表面へのオリゴマーのブリードアウトを防ぐことも可能となる。この結果、工程フィルム1は、初期ヘイズ値と、当該工程フィルム1を150℃で2時間加熱した後の加熱後ヘイズ値との差の絶対値であるΔヘイズ値が0.15%以下とすることが可能となる。また、封止層12は、例えば、適度な柔軟性が得られる架橋密度となるので、工程フィルム1が、単独で、または樹脂シート21に積層された状態でコア材に巻き取られる際、巻き圧によるクラックの発生を防ぐことができる。以下、本実施の工程フィルム1の各種構成要素について詳細に説明する。
(基材フィルム11)
基材フィルム11としては、ポリエステルフィルムが使用される。ポリエステルフィルムは、大量生産される汎用のフィルムの中では比較的耐熱性に優れており、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン及びγ‐カプロラクトンなどの高沸点で高極性の溶媒に対しても耐性を持っている。ポリエステルフィルムは、このような溶剤で希釈された封止層形成用組成物が塗布される工程フィルムの基材フィルムに適している。ポリエステルフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、及びポリエチレンナフタレートなどのポリエステルフィルムが好ましい。また、ポリエステルフィルムとしては、平面性及び耐熱性に優れる観点から、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムがより好ましい。さらに、ポリエステルフィルムとしては、樹脂シートから工程フィルムを剥離する際の剥離帯電を回避するなどの目的のため、帯電防止性を有するポリエステルフィルムが好ましい。
基材フィルム11の厚さは、用途に応じて適宜変更可能である。基材フィルム11の厚さは、工程フィルムの強度を維持する観点、及びロール・ツー・ロール方式による透明導電性フィルムなどの製造時の柔軟性を確保する観点から、10μm以上が好ましく、20μm以上がより好ましく、30μm以上が更に好ましく、また150μm以下が好ましく、125μm以下がより好ましく、100μm以下が更に好ましい。以上を考慮すると、基材フィルム11の厚さは、10μm以上150μm以下が好ましく、20μm以上125μm以下がより好ましく、30μm以上100μm以下が更に好ましい。
(封止層12)
封止層12は、(A)50質量%以上、好ましくは60質量%以上、また80質量%以下、好ましくは70質量%以下のビスフェノールA型エポキシ化合物(以下、単に「(A)成分」ともいう)と、(B)5質量%以上、好ましくは10質量%以上、また30質量%以下、好ましくは20質量%以下のポリエステル化合物(以下、単に「(B)成分」ともいう)と、(C)10質量%以上、好ましくは20質量%以上、また40質量%以下、好ましくは30質量%以下の多官能アミノ化合物(以下、単に「(C)成分」ともいう)と、を含む封止層形成用の樹脂組成物を硬化させた硬化皮膜である。以下、樹脂組成物を構成する各成分について詳細に説明する。
<(A)ビスフェノールA型エポキシ化合物>
ビスフェノールA型エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの共重合体であるビスフェノールA型エポキシ樹脂などが挙げられる。
(A)成分は、適度な架橋密度の硬化皮膜を得ることができる観点から、質量平均分子量(Mw)が10000以上50000以下であることが好ましい。(A)成分の質量平均分子量(Mw)が10000以上であれば、硬化皮膜として十分な架橋密度が得られてオリゴマーの析出を十分に防ぐことが可能となる。また、(A)成分の質量平均分子量(Mw)が50000以下であれば、硬化皮膜に適度な柔軟性を付与することができ、工程フィルム1を変形させた際の封止層12のクラックを防ぐことができる。
<(B)ポリエステル化合物>
(B)ポリエステル化合物としては、本発明の効果を奏する範囲で公知の各種ポリエステル化合物を用いることができる。ポリエステル化合物としては、例えば、多価アルコールと多塩基酸との縮合反応によって得られる樹脂が挙げられる。このような樹脂としては、二塩基酸と二価アルコールとの縮合物又は不乾性油脂肪酸などで縮合物を変性した不転化性ポリエステル化合物、及び二塩基酸と三価以上のアルコールとの縮合物である転化性ポリエステル化合物などが挙げられる。ポリエステル化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、及びネオペンチルグリコールなどの二価アルコール、グリセリン、トリメチロールエタン、及びトリメチロールプロパンなどの三価アルコール、ジグリセリン、トリグリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、マンニット、及びソルビットなどの四価以上の多価アルコールが挙げられる。これらの多価アルコールは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
多塩基酸としては、例えば、無水フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、及び無水トリメット酸などの芳香族多塩基酸、コハク酸、アジピン酸、及びセバシン酸などの脂肪族飽和多塩基酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、及び無水シトラコン酸などの脂肪族不飽和多塩基酸、シクロペンタジエン−無水マレイン酸付加物、テルペン−無水マレイン酸付加物、及びロジン−無水マレイン酸付加物などのディールズ・アルダー反応によって得られる多塩基酸などを挙げることができる。これらの多塩基酸は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(B)ポリエステル化合物としては、架橋反応の反応点となる水酸基、カルボキシル基、及びアミノ基などの活性水素基を有するものが好ましく、水酸基を有していることがより好ましい。(B)ポリエステル化合物は、水酸基価が5mgKOH/g以上であることが好ましく、10mgKOH/g以上であることがより好ましく、また500mgKOH/g以下であることが好ましく、300mgKOH/g以下であることがより好ましい。
(B)ポリエステル化合物は、封止層12に適度な柔軟性を付与することができる観点から、数平均分子量(Mn)が500以上であることが好ましく、1000以上であることがより好ましく、また10000以下であることが好ましく、5000以下であることがより好ましい。(B)ポリエステル化合物は、封止層12に適度な柔軟性を付与することができる観点から、ガラス転移温度Tgが0℃以上であることが好ましく、10℃以上であることが好ましく、また50℃以下であることが好ましく、60℃以下であることがより好ましい。
樹脂組成物における(B)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して、(B)成分が5質量部以上であることが好ましく、10質量部以上であることがより好ましく、また50質量部以下であることが好ましく、45質量部以下であることがより好ましい。
<(C)多官能アミノ化合物>
(C)多官能アミノ化合物としては、例えば、ヘキサメトキシメチルメラミン、メチル化メラミン化合物、及びブチル化メラミン化合物などのメラミン化合物、メチル化尿素化合物、及びブチル化尿素化合物などの尿素化合物、メチル化ベンゾグアナミン樹脂、及びブチル化ベンゾグアナミン化合物などのベンゾグアナミン化合物、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、N,N’−ジフェニルエチレンジアミン、及びp−キシリレンジアミンなどのジアミン類などを挙げることができる。これらの中でも、硬化性の観点から、ヘキサメトキシメチルメラミンが好ましい。
樹脂組成物における(C)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して、(C)成分が20質量部以上であることが好ましく、25質量部以上であることがより好ましく、また60質量部以下であることが好ましく、55質量部以下であることがより好ましい。
<(D)酸性触媒>
樹脂組成物としては、硬化反応を促進するために、必要に応じて塩酸、p−トルエンスルホン酸などの公知の酸性触媒(D)(以下、単に「(D)成分」ともいう)を含むものを用いてもよい。(D)成分を配合する場合は、樹脂組成物の全質量に対して(D)成分の配合量を1質量%以上5質量%以下とすることが好ましい。
封止層12は、上記樹脂組成物を有機溶媒で溶解させた溶液を基材フィルム11上に塗布して塗布層を形成し、形成した塗布層を温度100℃以上170℃以下で5秒間以上5分間以下加熱硬化させることにより得られる。
有機溶媒としては、樹脂組成物を溶解できるものであれば特に制限はない。有機溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、及びキシレンなどの芳香族系溶媒、ノルマルヘキサン、及びノルマルヘプタンなどの脂肪族系溶媒、酢酸エチル、及び酢酸ブチルなどのエステル系溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、及びシクロペンタノンなどのケトン系溶媒、イソプロピルアルコール、及びメタノールなどのアルコール系溶媒などを挙げることができる。
封止層12の膜厚は、オリゴマー析出を効果的に抑制する観点から、50nm以上が好ましく、80nm以上がより好ましく、100nm以上が更に好ましく、また500nm以下が好ましく、300nm以下がより好ましく、250nm以下が更に好ましい。封止層12の膜厚が、50nm以上であれば、オリゴマー析出を十分に抑制することが可能となり、500nm以下であれば、基材フィルム11上に封止層12を塗布形成する際の、封止層12の架橋に伴う硬化収縮によるカールを防ぐことができる。以上を考慮すると、封止層12の膜厚は、50nm以上500nm以下が好ましく、80nm以上300nm以下がより好ましく、100nm以上250nm以下が更に好ましい。
(離型層13)
離型層13は、多官能アミノ化合物を架橋剤として含む離型層形成用組成物の熱硬化物である。多官能アミノ化合物としては、封止層12における前記(C)成分として例示されたものと同じ架橋剤が挙げられる。これらの中でもメラミン系架橋剤が好ましく、メラミン系架橋剤としては、例えば、メラミンとホルムアルデヒドを縮合して得られるメチロールメラミン誘導体に低級アルコールとしてメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどを反応させてエーテル化した化合物及びそれらの混合物が挙げられる。メチロールメラミン誘導体としては、例えば、モノメチロールメラミン、ジメチロールメラミン、トリメチロールメラミン、テトラメチロールメラミン、ペンタメチロールメラミン、及びヘキサメチロールメラミンなどが挙げられる。
また、離型層形成用組成物は、アルキド樹脂、アクリル樹脂、及びエポキシ樹脂からなる群から選択された少なくとも1種の離型性を有する樹脂成分を含むことが好ましい。また、離型層形成用組成物は、前記の離型性を有する樹脂成分の他に、軽剥離性を付与する目的でポリジメチルシロキサンを含有してもよい。ポリジメチルシロキサン化合物としては、末端カルビトール変性ポリジメチルシロキサンが好ましい。
アルキド樹脂としては特に制限はなく、従来アルキド樹脂として知られている公知のものの中から適宜選択して用いることができる。アルキド樹脂としては、多価アルコールと多塩基酸との縮合反応によって得られる樹脂であって、二塩基酸と二価アルコールとの縮合物又は不乾性油脂肪酸などで変性した不転化性アルキド樹脂、及び二塩基酸と三価以上のアルコールとの縮合物である転化性アルキド樹脂等が挙げられる。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、及びネオペンチルグリコールなどの二価アルコール、グリセリン、トリメチロールエタン、及びトリメチロールプロパンなどの三価アルコール、ジグリセリン、トリグリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、マンニット、及びソルビットなどの四価以上の多価アルコールを用いることができる。これらの多価アルコールは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
多塩基酸としては、例えば、無水フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水トリメット酸等の芳香族多塩基酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族飽和多塩基酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水シトラコン酸等の脂肪族不飽和多塩基酸、シクロペンタジエン−無水マレイン酸付加物、テルペン−無水マレイン酸付加物、ロジン−無水マレイン酸付加物等のディールズ・アルダー反応による多塩基酸等を挙げることができる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
さらに、変性剤である上記不乾性油脂肪酸などとしては、例えば、オクチル酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、エレオステアリン酸、リシノレイン酸、脱水リシノレイン酸、あるいはヤシ油、アマニ油、キリ油、ヒマシ油、脱水ヒマシ油、大豆油、サフラワー油、及びこれらの脂肪酸などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、離型層13において、アルキド樹脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂エステルなどが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、さらには、分子内に開環反応により生じる水酸基を有しているエポキシ樹脂を用いることがより好ましい。水酸基を有するエポキシ樹脂を用いることより、アミノ樹脂などの架橋剤との反応性を向上させることができ、架橋後の皮膜硬度が上昇し、基材フィルム11と離型層13との密着性を向上させることができる。
架橋剤と離型性を有する樹脂成分との硬化反応を促進するために必要に応じて、塩酸、p−トルエンスルホン酸などの公知の酸性触媒を用いてもよい。樹脂成分100質量部に対する架橋剤の配合割合としては、5質量部以上200質量部以下が好ましく、10質量部以上150質量部以下がより好ましい。
離型層13の厚さは、30nm以上が好ましく、50nm以上が好ましく、70nm以上が更に好ましく、また500nm以下が好ましく、400nm以下がより好ましく、300nm以下が更に好ましい。離型層13の厚さがこのような範囲にあれば、工程フィルム1と剥離フィルム21などの樹脂シートとの間で均一な離型性能を得やすく、また、工程フィルムをロール状に巻き取った時に接触する工程フィルムの面どうしのブロッキングを防ぐことができる。
離型層13は、例えば、離型層形成用の樹脂組成物を基材フィルム11の一方の面に従来公知の塗工方法で塗工した後、所定の温度で加熱して乾燥及び硬化させることによって形成する。ここでは、離型層形成用組成物は、有機溶媒で希釈したものを基材フィルム11上に塗工してもよい。有機溶媒としては、トルエン及びキシレンなどの芳香族炭化水素、酢酸エチル及び酢酸ブチルなどの脂肪酸エステル、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトンなどのケトン、ヘキサン、及びヘプタンなどの脂肪族炭化水素などが挙げられる。
離型層形成用の樹脂組成物の塗工方法としては、例えば、グラビアコート法、バーコート法、スプレーコート法、スピンコート法、エアーナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ゲートロールコート法、及びダイコート法などが挙げられる。これらの中でも、グラビアコート法及びバーコート法が好ましく、バーコート法がより好ましい。また、離型層形成用の樹脂組成物の加熱・乾燥方法としては、例えば、熱風乾燥炉などで熱乾燥する方法などが挙げられる。乾燥温度は、例えば、100℃以上170℃以下である。また、乾燥時間は、例えば、10秒間〜5分間であることが好ましい。
本発明者らは、従来技術では、目視による外観評価のみであったオリゴマー析出の評価について、工程フィルムのヘイズ値を測定することによりオリゴマー析出の程度を定量的に評価できることに着目した。そして、本発明者らは、工程フィルムのヘイズ値の測定によるオリゴマー析出の定量評価により、透明電極層の白化を防止し、透明電極層の損傷や異物混入を効果的に防止することができることを見出した。
<オリゴマー封止性>
本実施の形態に係る工程フィルム1においては、工程フィルム1に析出したオリゴマーが基材フィルム11(ポリエステルフィルム)をくもらせ工程フィルム1のヘイズ値を変化させる。そこで、本実施の形態では、工程フィルム1の初期ヘイズ値と、当該工程フィルム1を150℃で2時間加熱した後の加熱後ヘイズ値との差の絶対値であるΔヘイズ値を測定することにより封止層12におけるオリゴマー封止性を確認できる。
本実施の形態においては、上記樹脂組成物を用いて封止層12を形成するので、(A)〜(C)成分の組成が基材フィルム11からのオリゴマー析出を防ぐために適度な範囲となり、Δヘイズ値を0.15%以下とすることができる。なお、工程フィルム1の初期ヘイズ値とは、工程フィルム1を150℃で2時間加熱する前のヘイズ値である。Δヘイズ値は、0.1%以下が好ましく、0.08%以下がより好ましく、0.04%以下が更に好ましい。
なお、本実施の形態においては、Δヘイズ値は、以下のようにして算出することができる。まず、ヘイズメーター(商品名:NDH2000、日本電色工業社製)を用いてJIS K7105に準拠して工程フィルム1の初期ヘイズ値(%)を測定する(N=5の平均値)。次に、工程フィルム1を150℃の乾燥機内に吊るし、2時間加熱した後、JIS K7105に準拠して加熱後のヘイズ値(%)を測定する(N=5の平均値)。そして、加熱後のヘイズ値から初期ヘイズ値を差し引いた値の絶対値をΔヘイズ値とする。
<用途>
上記実施の形態に係る工程フィルム1は、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、及びウレタン樹脂などの接着樹脂シートを積層した積層シートとすることにより各種接着樹脂ソートの製造に用いることが可能である。図2は、本実施の形態に係る積層シート2の断面模式図である。図2に示すように、この積層シート2は、上記実施の形態に係る工程フィルム1上にエポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、及びウレタン樹脂からなる群から選択された少なくとも1種を含む剥離フィルム(以下、樹脂シート「樹脂シート21」ともいう)を積層したものである。この積層シート2は、工程フィルム1の基材フィルム11から工程フィルム1の表面へのオリゴマーの析出を防ぐことができるので、樹脂シート21の製造に好適に用いることが可能である。なお、工程フィルム1上に積層するものとしては、樹脂シート21に限定されず、各種機能層を積層することが可能である。以下、工程フィルム1を用いた積層シートの製造方法について詳細に説明する。
図3は、ロール・ツー・ロール方式のキャスト法を用いた製膜装置の模式図である。この製膜装置100は、上記実施の形態に係る工程フィルム1の巻取りロールを固定する巻取軸101と、樹脂シート21及び工程フィルム1の積層シートの巻取りロールを固定する巻取軸102とを備える。巻取軸101と巻取軸102との間には、工程フィルム1の搬送方向の上流側から下流側に向けて、各種樹脂を溶解したキャスト用溶液を塗工して工程フィルム1上に塗布層を設ける塗工装置103、塗布層を加熱乾燥して樹脂シート21を形成する乾燥炉104、及び樹脂フィルム21の露出面を保護するための保護フィルム106の巻取りロールを固定する巻取軸105がこの順に備えられている。巻取軸105と巻取軸102の間には、保護フィルム106を樹脂シート21にラミネートするラミネートロール107が設けられている。巻取軸101と巻取軸102の間の各所には、複数のガイドロール108が配置され、ガイドロール108を経由して工程フィルム1及び保護フィルム106が搬送される。
この製膜装置100においては、巻取軸101から巻き出しされた上記実施の形態に係る工程フィルム1上に、樹脂シート形成用の樹脂成分を高沸点高極性溶媒に溶解させたキャスト用溶液を塗工装置103が塗工して塗工層を形成する。そして、塗工層を形成した工程フィルム1を乾燥炉104により高温(例えば、180℃)で加熱乾燥することにより、工程フィルム1上に樹脂シート21を形成した後、巻取ロール102で巻き取る。樹脂シート21の露出面にブロッキング性があるなど、工程フィルム1と樹脂シート21だけの積層では問題となる場合は、必要に応じて保護フィルム106を樹脂シートの露出面に貼付する。その場合、保護フィルム106の巻取りロールを巻取軸105に固定し、保護フィルム106をラミネートロール107まで引出し、樹脂シート21に貼合わせ、ラミネートロール107から巻取軸102まで架け渡して、工程フィルム1、樹脂シート21及び保護フィルムの順の積層シートを得る。
ここで、本実施の形態に係る工程フィルム1においては、基材フィルム11の一方の表面上に設けた封止層12及び他方の表面上に設けた離型層13により乾燥炉104で高温にて加熱乾燥する場合であっても、工程フィルム1の一方の表面上及び他方の表面上への基材フィルム11中のオリゴマーの析出を防ぐことが可能となる。これにより、工程フィルム1上に設ける製品としての接着樹脂シート21、巻取軸102に巻き取った際の保護フィルム106の表面、ガイドロール108及び巻取軸102の汚染を防ぐことが可能となる。なお、上述した実施の形態では、工程フィルム1及び樹脂シート21の積層シート2の状態で巻取軸102に巻き取った例について説明したが、積層シート1又は積層シート2から工程フィルム1を剥離して樹脂シート21及び工程フィルム1をそれぞれ別の巻取ロールとして巻き取ってもよい。
このように本実施の形態に係る工程フィルム1を用いれば、種々の樹脂シートの製造において、ポリエステルフィルムのオリゴマーにより発生する不具合を回避することができる。本実施の形態に係る工程フィルムによって製造される樹脂シートとしては、回路基板の積層に使用される接着樹脂シートや、フッ素樹脂からなる燃料電池用の固体高分子電解質膜などが挙げられる。
以下、本発明の効果を明確にするために行った実施例に基づいて本発明をより詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施例及び比較例によって何ら限定されるものではない。
<Δヘイズ値の算出>
実施例及び比較例で作製した工程フィルムをそれぞれ5cm角に切り出し、剥離フィルムを剥離させたものを試験片とした。この試験片について、ヘイズメーター(商品名:NDH2000、日本電色工業社製)を用いてJIS K7105に準拠して初期ヘイズ値(%)を測定した(N=5の平均値)。また、各試験片の片隅をクリップで止めて150℃の乾燥機内に吊るして2時間加熱した後、JIS K7105に準拠して加熱後のヘイズ値(%)を測定した(N=5の平均値)。
加熱後のヘイズ値から初期ヘイズ値を差し引いた値の絶対値をΔヘイズ値とし、以下の基準で評価した。なお、Δヘイズ値が0.15%以下であれば、基材フィルムとして使用したポリエステルフィルムからのオリゴマーの析出量が十分に少なく、その後の工程への影響を低減できる。
○(良好):0.15%以下
×(不良):0.15%以上
<キャスト製膜でのオリゴマー封止性>
臭素化エポキシ樹脂(商品名「YDB400T60」、エポキシ当量:400、固形分:60%、新日鐵化学社製)100質量部と、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(商品名「AER260」、エポキシ当量:189、固形分:100%、旭化成ケミカルズ社製)10.5質量部、3−フッ化ホウ素モノエチルアミン0.5質量部、2−ウンデシルイミダゾール0.3質量部、トルエン33.5質量部、N−メチルピロリドン33.5質量部を混合して樹脂シートを形成するための塗工液を調整した。
上記塗工液を工程フィルムの離型層面に塗布し、180℃5分間の加熱処理により乾燥及び加熱硬化させた。これにより、厚みが10μmの樹脂シートと工程フィルムとの積層シートを作製し、作製した樹脂ソートをロール状に巻き取った。作製した樹脂シートから工程フィルムを剥離し、工程フィルムの表裏面(離型層の表面及び封止層の表面)及び工程フィルムと接していた樹脂シートの表面について、目視でオリゴマーの析出、付着の有無を確認した。白化が確認されないものを○とし、白化が確認されるものを×とした。
(実施例1)
(A)ビスフェノールA型エポキシ化合物(商品名:EPICLON H−360、DIC社製:固形分濃度40質量%、質量平均分子量 25000)100質量部、(B)ポリエステル化合物(商品名:バイロン GK680、東洋紡社製:数平均分子量 6000、ガラス転移温度10℃)のトルエン溶液(固形分濃度30質量%)19.0質量部、及び(C)ヘキサメトキシメチルメラミン(商品名:サイメル303、日本サイテックインダストリーズ社製)11.4質量部をトルエン/MEK=50質量%/50質量%の混合溶媒で固形分が3質量%になるように希釈して撹拌した。その後、(D)p−トルエンスルホン酸のメタノール溶液(固形分濃度50質量%)を2.9質量部添加して、封止層形成用組成物を得た。
得られた封止層形成用組成物を、ロール・ツー・ロール(Roll to Roll)方式により、基材フィルムとしての二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名:E5001、東洋紡社製:厚さ50μm)の一方の表面上にマイヤーバーコート法にて均一に塗工した。その後、樹脂形成用組成物を塗布した基材フィルムを150℃の熱風が風速8m/minで吹き出すオーブンを20秒で通過させて封止層を形成した後、封止層を形成した基材フィルムをABS製のコア材にロール状に巻き取り、幅1050mm、長さ4000mの封止層を形成したポリエステルフィルムを得た。
次に、ステアリル変性アルキド樹脂(商品名:テスラック2052−60T、日立化成社製)100質量部及びヘキサメトキシメチルメラミン(商品名:サイメル303、日本サイテックインダストリーズ社製)15質量部を、トルエン/MEK=50質量%/50質量%の混合溶媒で固形分が3質量%になるように希釈して撹拌した。その後、(D)p−トルエンスルホン酸のメタノール溶液(固形分濃度50質量%)を3.75質量部添加して、離型層形成用組成物を得た。
次に、ロール・ツー・ロール方式により、離型層形成用組成物を基材フィルムの封止層とは反対面に乾燥後の厚さが150nmとなるようにマイヤーバーコート法にて均一に塗工した。その後、離型層形成用組成物を塗布した基材フィルムを150℃の熱風が風速8m/minで吹き出すオーブンを20秒で通過するように離型層を形成した後、離型層を形成した基材フィルムをABS製のコア材にロール状に巻き取り、幅1050mm、長さ4000mの工程フィルムを得た。得られた工程フィルムについて評価した。封止層形成用組成物の組成、(A)成分の質量平均分子量、(B)成分のガラス転移温度(Tg)、乾燥後の封止層の膜厚を下記表1に示し、初期ヘイズ値、Δヘイズ値、及びオリゴマー封止性の評価結果を下記表2に示す。
(実施例2)
(B)ポリエステル化合物を22.22質量部とし、(C)ヘキサメトキシメチルメラミンを20質量部とし、(D)p−トルエンスルホン酸のメタノール溶液を3.3質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして工程フィルムを得た。封止層形成用組成物の組成などを下記表1に併記し、評価結果を下記表2に併記する。
(実施例3)
(B)ポリエステル化合物を44.4質量部とし、(C)ヘキサメトキシメチルメラミンを13.3質量部とし、(D)p−トルエンスルホン酸のメタノール溶液を3.3質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして工程フィルムを得た。封止層形成用組成物の組成などを下記表1に併記し、評価結果を下記表2に併記する。
(実施例4)
(A)ビスフェノールA型エポキシ化合物を(商品名:EPICLON EXA−123、DIC社製:固形分濃度30%、質量平均分子量45000)100質量部に変更し、(B)ポリエステル化合物を14.3質量部とし、(C)ヘキサメトキシメチルメラミンを8.6質量部とし、(D)p−トルエンスルホン酸のメタノール溶液(固形分濃度50質量%)を2.1質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして工程フィルムを得た。封止層形成用組成物の組成などを下記表1に併記し、評価結果を下記表2に併記する。
(実施例5)
(B)ポリエステル化合物を(商品名:バイロンGK810、東洋紡社製:数平均分子量6000、ガラス転移温度46℃)のトルエン溶液(固形分濃度30質量%)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして工程フィルムを得た。封止層形成用組成物の組成などを下記表1に併記し、評価結果を下記表2に併記する。
(実施例6)
封止層の乾燥後の膜厚が75nmとなるように塗工量を変更したこと以外は、実施例1と同様にして工程フィルムを得た。封止層形成用組成物の組成などを下記表1に併記し、評価結果を下記表2に併記する。
(比較例1)
(B)ポリエステル化合物を使用せず、(C)ヘキサメトキシメチルメラミンを10質量部とし、(D)p−トルエンスルホン酸のメタノール溶液を2.5質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして工程フィルムを得た。封止層形成用組成物の組成などを下記表1に併記し、評価結果を下記表2に併記する。
(比較例2)
(B)ポリエステル化合物を222.2質量部とし、(C)ヘキサメトキシメチルメラミンを26.7質量部とし、(D)p−トルエンスルホン酸のメタノール溶液を6.7質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして工程フィルムを得た。封止層形成用組成物の組成などを下記表1に併記し、評価結果を下記表2に併記する。
Figure 0006254476
Figure 0006254476
表2から分かるように、実施例1〜実施例6に係る工程フィルムは、いずれもオリゴマー封止性が良好であった。この結果は、封止層が(A)成分〜(C)成分が所定量配合された封止層形成用組成物を用いて形成されたものであると共に、多官能アミノ化合物を含んでいるので、Δヘイズ値が0.15%以下となり、十分にオリゴマーを封止できたと考えられる。また、実施例1〜実施例6に係る工程フィルムは、いずれもキャスト製膜でのオリゴマー封止性が良好であった。比較例1及び比較例2係る工程フィルムにおいては、オリゴマー封止性が不良の工程フィルムしか得られなかった。また比較例1及び比較例2に係る工程フィルムは、キャスト製膜でも工程フィルムの封止層表面が析出し、オリゴマー封止性が不良であった
1 工程フィルム
11 基材フィルム
12 封止層
13 離型層
21 剥離フィルム(樹脂シート
100 製膜装置
101 巻取軸
102 巻取軸
103 塗工装置
104 乾燥炉
105 巻取軸
106 保護フィルム
107 ラミネートロール
108 ガイドロール

Claims (7)

  1. ポリエステルフィルムからなる基材フィルムと、
    前記基材フィルムの一方の表面上に設けられ、前記基材フィルム中のオリゴマーを封止する封止層と、
    前記基材フィルムの他方の表面上に設けられ、多官能アミノ化合物を含む架橋剤を含有する離型層とを具備し、
    前記封止層は、(A)50質量%以上80質量%以下のビスフェノールA型エポキシ化合物、(B)5質量%以上30質量%以下のポリエステル化合物、及び(C)10質量%以上40質量%以下の多官能アミノ化合物を含有する樹脂組成物を硬化させてなることを特徴とする、工程フィルム。
  2. 前記ビスフェノールA型エポキシ化合物の質量平均分子量が、10000以上50000以下である、請求項1に記載の工程フィルム。
  3. 前記ポリエステル化合物のガラス転移温度(Tg)が、0℃以上50℃以下である、請求項1又は請求項2に記載の工程フィルム。
  4. 前記封止層が、前記樹脂組成物の溶液を前記基材フィルム上に塗布して形成した塗布層を加熱して硬化皮膜としたものである、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の工程フィルム。
  5. 前記封止層の膜厚が、50nm以上500nm以下である、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の工程フィルム。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の工程フィルムと、前記離型層上に設けられ、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、及びウレタン樹脂からなる群から選択された少なくとも1種を含む機能層とを含むことを特徴とする、積層シート。
  7. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の工程フィルム上に樹脂溶液を塗布して塗布層を形成する塗布工程と、
    前記塗布層を加熱乾燥して前記工程フィルム上に樹脂シートを形成する乾燥工程と、
    前記工程フィルムを巻き取る巻取工程とを含むことを特徴とする、樹脂シートの製造方法。
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