JP6252951B2 - 獣毛製品の製造方法、及びその製造方法により処理された獣毛製品 - Google Patents

獣毛製品の製造方法、及びその製造方法により処理された獣毛製品 Download PDF

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Description

本発明は、獣毛製品の製造方法、及びその製造方法により処理された獣毛製品に関する。
カシミアヤギの毛を原料とするカシミア製の編織物に加工を施し、カシミア繊維を立たせて、滑らかで柔らかな毛皮のような風合いと外観を生み出す、ファー加工或いはミンク加工と称する技術が知られている(非特許文献1)。このようなファー加工或いはミンク加工は、従来、セーターを有機塩素系化合物で処理して行うことが常法であった。しかし有機塩素系化合物の使用は、有害な吸収性有機ハロゲン化合物(AOX)を生成し、環境を汚染するという重大な問題がある。
吸収性有機ハロゲン化合物(AOX)を生成せず、環境に悪影響を及ぼすことがないように、有機塩素系化合物以外の化合物を使用して、ファー加工或いはミンク加工を施す技術も知られているが、カシミア繊維を十分に立たせることができず、滑らかで柔らかな毛皮のような風合いと外観を生み出すことが難しかった。
<「ヤーン・フェア」報告 糸の新潮流を見逃すな>,繊維ニュース,2015年(平成27年)2月 12日発行,紙面7頁
したがって本発明は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る獣毛製品の製造方法に関するものである。また、本発明は、その製造方法により処理された獣毛製品に関するものである。
本発明は、獣毛を含む被処理製品を、下記式(1)及び下記式(2)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも一種を用いて処理する工程を備える獣毛製品の製造方法を提供するものである。

(式(1)中、
環Z1は、ベンゼン環、ナフタレン環、又は、ベンゼン環どうしが直接結合若しくはエーテル結合を介して結合した環を表し、
Eは、水素原子、アルカリ金属原子、又は炭素数1〜15個の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表し、
nは、1〜3の整数であり、
は、水素原子、又は炭素数1〜20個の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表す。)

(式(2)中、
は、炭素数1〜15個の直鎖若しくは分岐鎖状のアルキル基、又はアリール基を表し、
は、炭素数1〜15個の直鎖若しくは分岐鎖状のアルキル基、又はアリール基を表し、
Xは、水素原子、又はアルカリ金属原子を表す。)
また、本発明は、上記記載の製造方法によって処理された獣毛製品を提供するものである。
本発明によれば、環境に悪影響を及ぼさず、繊維が十分に立ち、滑らかで柔らかな毛皮のような風合いの獣毛製品を製造することができる。
以下、本発明を、その好ましい一実施態様に基づき説明する。
本発明の獣毛製品の製造方法は、獣毛を含む被処理製品を、下記式(1)及び下記式(2)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも一種を用いて処理する工程(以下、「処理工程」とも言う。)を備えている。本実施態様の獣毛製品の製造方法は、処理工程を備え、処理工程以外に、処理工程の後の水洗工程と、水洗工程の後の乾燥工程とを備えている。
本実施態様の製造方法が適用される獣毛としては、従来公知の各種獣毛繊維が挙げられ、例えば、カシミア、ウール、アンゴラ、モヘア、キャメル又はアルパカ等が挙げられる。獣毛を含む獣毛製品としては、獣毛を紡績した獣毛糸条、該獣毛糸条を製編織してなる獣毛編織物、上記獣毛繊維を集積してなる獣毛不織布等の製品の形態であってもよく、獣毛糸条、獣毛編織物又は獣毛不織布から形成された帽子、手袋、靴下、セーター、コート、ズボン、マフラー等の衣類の製品の形態であってもよい。
獣毛製品は、獣毛のみから構成されたものであっても、獣毛と他の繊維とが混合されたものであってもよい。獣毛のみから構成されたものである場合、カシミア、ウール、アンゴラ、モヘア、キャメル又はアルパカの中の一種を単独で、或いは2種以上を混合したものであってもよい。獣毛と他の繊維とが混合されたものである場合、他の繊維としては、従来公知の各種繊維が挙げられ、例えば、セルロース繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維等が挙げられる。獣毛と他の繊維とを混合した獣毛製品の場合、獣毛製品における獣毛の割合は、特に限定されるものではないが、獣毛を十分に立たせて毛皮のような風合いを生み出す観点から、獣毛製品全重量の少なくとも10重量%以上であることが好ましく、獣毛製品全重量の20重量%以上30重量%以下であることが更に好ましく、獣毛製品全重量の30重量%以上50重量%以下であることが特に好ましい。
先ず、本実施態様の獣毛製品の製造方法では、獣毛を含む被処理製品を、下記式(1)及び下記式(2)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも一種を用いて処理する(処理工程)。本実施態様において、処理工程は、下記式(1)及び下記式(2)で表される化合物からなる群から選択される化合物を一種単独で使用して処理してもよいし、2種以上を混合して使用して処理してもよい。
上記式(1)で表される化合物において、環Z1は、ベンゼン環、ナフタレン環、又は、ベンゼン環どうしが直接結合若しくはエーテル結合を介して結合した環を表している。ここで、ベンゼン環どうしが直接結合した環とは、ビフェニルを意味し、ベンゼン環どうしがエーテル結合を介して結合した環とは、ジフェニルエーテルを意味している。
上記式(1)で表される化合物において、Eは、水素原子、アルカリ金属原子、又は炭素数1〜15個の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表している。該アルキル基は、その水素原子の1又は2以上が、フェニル基及びスチリル基等のアリル基、エポキシ基、アミノ基、カルボキシル基、ビニル基等で置換されていてもよい。また、アルカリ金属原子としては、例えばナトリウム、カリウム、リチウム等が挙げられる。
上記式(1)で表される化合物において、nは、1〜3の整数であり、Rは、水素原子、又は炭素数1〜20個の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表している。該アルキル基は、その水素原子の1又は2以上が、フェニル基及びスチリル基等のアリル基、エポキシ基、アミノ基、カルボキシル基、ビニル基等で置換されていてもよい。尚、Rは、炭素数1〜20個の直鎖状のアルキル基であることが好ましい。
上記式(2)で表される化合物において、Rは、炭素数1〜15個の直鎖若しくは分岐鎖状のアルキル基、又はアリール基を表し、Rは、炭素数1〜15個の直鎖若しくは分岐鎖状のアルキル基、又はアリール基を表している。Rの基及びRの基は、同じ基であってもよく、異なる基であってもよい。炭素数1〜15個の直鎖若しくは分岐鎖状のアルキル基は、その水素原子の1又は2以上が、フェニル基及びスチリル基等のアリル基、エポキシ基、アミノ基、カルボキシル基、ビニル基等で置換されていてもよい。上記式(2)で表される化合物において、Xは、水素原子、又はアルカリ金属原子を表している。アルカリ金属原子としては、例えばナトリウム、カリウム、リチウム等が挙げられる。
上記式(2)で表される化合物の具体例としては、例えば、スルホこはく酸ビス(2‐エチルヘキシル)ナトリウム塩(分子式:C20H37NaO7S)、スルホこはく酸ジヘキシルナトリウム塩(分子式:C16H29NaO7S)、スルホこはく酸ジオクチルナトリウム塩(分子式:C20H37NaO7S)、スルホこはく酸ジドデシルナトリウム塩(分子式:C28H53NaO7S)、スルホこはく酸ジシクロヘキシルナトリウム塩(分子式:C16H25NaO7S)等が挙げられる。
上記式(1)で表される化合物は、下記式(3)、下記式(4)及び下記式(5)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも一種であることが好ましい。本実施態様において、処理工程は、上記式(2)、下記式(3)、下記式(4)及び下記式(5)で表される化合物からなる群から選択される化合物を一種単独で使用して処理してもよいし、2種以上を混合して使用して処理してもよい。
上記式(3)で表される化合物において、Rは、スルホン酸塩、又は下記式(6)で示される有機基を表している。Rは、エーテル結合に対して、メタ位又はパラ位に位置していることが好ましい。
−SO4a (6)
上記式(6)で示される有機基において、R4aは、炭素数1〜15個の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表している。該アルキル基は、その水素原子の1又は2以上が、フェニル基及びスチリル基等のアリル基、エポキシ基、アミノ基、カルボキシル基、ビニル基等で置換されていてもよい。尚、R4aは、炭素数1〜15個の直鎖状のアルキル基であることが好ましく、炭素数3〜13個の直鎖状のアルキル基であることが更に好ましい。
上記式(3)で表される化合物において、Rは、水素原子、又は炭素数1〜20個の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表している。該アルキル基は、その水素原子の1又は2以上が、フェニル基及びスチリル基等のアリル基、エポキシ基、アミノ基、カルボキシル基、ビニル基等で置換されていてもよい。尚、Rは、炭素数1〜20個の直鎖状のアルキル基であることが好ましく、炭素数3〜16個の直鎖状のアルキル基であることが更に好ましい。上記式(3)で表される化合物において、Xは、水素原子、又はアルカリ金属原子を表している。アルカリ金属原子としては、例えばナトリウム、カリウム、リチウム等が挙げられる。
上記式(3)で表される化合物は、更に下記式(3a)で表される化合物であることが好ましい。尚、下記式(3a)で表される化合物において、R及びXは、上述した通りの意味である。Rは、スルホ基がエーテル結合に対してメタ位に位置している場合、エーテル結合に対してパラ位に位置していることが好ましく、スルホ基がエーテル結合に対してパラ位に位置している場合、エーテル結合に対してメタ位に位置していることが好ましい。
上記式(4)で表される化合物において、Rは、炭素数1〜10個の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり、炭素数1〜10個の直鎖状のアルキル基であることが好ましく、炭素数2〜8個の直鎖状のアルキル基であることが更に好ましい。また、上記式(4)で表される化合物において、Rは、炭素数1〜10個の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり、炭素数1〜10個の直鎖状のアルキル基であることが好ましく、炭素数2〜8個の直鎖状のアルキル基であることが更に好ましい。また、上記式(4)で表される化合物において、Rは、炭素数1〜10個の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり、炭素数1〜10個の直鎖状のアルキル基であることが好ましく、炭素数2〜8個の直鎖状のアルキル基であることが更に好ましい。また、上記式(4)で表される化合物において、Rは、炭素数1〜10個の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり、炭素数1〜10個の直鎖状のアルキル基であることが好ましく、炭素数2〜8個の直鎖状のアルキル基であることが更に好ましい。炭素数1〜10個の直鎖若しくは分岐鎖状のアルキル基は、その水素原子の1又は2以上が、フェニル基及びスチリル基等のアリル基、エポキシ基、アミノ基、カルボキシル基、ビニル基等で置換されていてもよい。尚、Rの基、Rの基、Rの基、及びRの基は、同じ基であってもよく、異なる基であってもよい。上記式(4)で表される化合物において、Xは、水素原子、又はアルカリ金属原子を表している。アルカリ金属原子としては、例えばナトリウム、カリウム、リチウム等が挙げられる。
上記式(5)で表される化合物において、R10は、炭素数1〜10個の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表している。該アルキル基は、その水素原子の1又は2以上が、フェニル基及びスチリル基等のアリル基、エポキシ基、アミノ基、カルボキシル基、ビニル基等で置換されていてもよい。尚、R10は、炭素数1〜10個の直鎖状のアルキル基であることが好ましく、炭素数2〜8個の直鎖状のアルキル基であることが更に好ましい。R10は、スルホ基に対してメタ位、パラ位、アナ位又はエビ位に位置していることが好ましく、パラ位に位置していることが更に好ましい。上記式(5)で表される化合物において、Xは、水素原子、又はアルカリ金属原子を表している。アルカリ金属原子としては、例えばナトリウム、カリウム、リチウム等が挙げられる。
本実施態様において、獣毛を含む被処理製品を処理する工程(処理工程)は、例えば、上記式(1)及び上記式(2)で表される化合物からなる群から選択される一種を含有する溶液中に被処理製品を浸漬して処理するか、或いは、上記式(1)及び上記式(2)で表される化合物からなる群から選択される一種を含有する溶液を被処理製品に塗布若しくは噴霧等して処理することができるが、獣毛を、より垂直に立たせる観点から、前記溶液中に被処理製品を浸漬して処理することが好ましい。
本実施態様の処理工程において、上記式(1)及び上記式(2)で表される化合物からなる群から選択される化合物の量は、被処理製品に対して、獣毛を十分に立たせて毛皮のような風合いを生み出す観点から、5%o.w.f.以上80%o.w.f.以下であることが好ましく、15%o.w.f.以上50%o.w.f.以下であることが更に好ましい。前記選択される化合物は、被処理製品に対して所定の%o.w.f.となるように、処理工程に用いる液(以下「処理溶液」とも言う。)に添加される。前記選択される化合物の量は、一種単独で使用する場合も、2種以上を混合して使用する場合も同じ量である。尚、「%o.w.f.」とは、被処理製品を基準にした重量%を意味する。
本実施態様において、処理溶液は、上記式(1)及び上記式(2)で表される化合物からなる群から選択される化合物以外に、前記液を酸性にする為のpH調整剤を含有していてもよい。酸性にするpH調整剤としては、燐酸、蓚酸、クエン酸、酢酸、蟻酸、プロピオン酸等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。処理工程に用いる液の適正pH域は、獣毛を十分に立たせて毛皮のような風合いを生み出す観点から、pH2以上7pH以下であることが好ましく、pH2.5以上pH5以下であることが更に好ましい。処理溶液を前記適正pH域に維持する観点から、pH調整剤の濃度は、処理溶液に対して、0.1g/L以上3.0g/L以下であることが好ましく、0.5g/L以上2.0g/L以下であることが更に好ましい。
処理工程が処理溶液中に被処理製品を浸漬して処理する場合、被処理製品と処理溶液との重量比、所謂浴比は、獣毛を十分に立たせて毛皮のような風合いを生み出す観点から、1:1〜1:200であることが好ましく、1:20〜1:150であることが更に好ましい。
処理工程が処理溶液中に被処理製品を浸漬して処理する場合、浸漬時の処理溶液の温度は、獣毛繊維の種類により適宜設定することができるが、獣毛を十分に立たせて毛皮のような風合いを生み出す観点から、40℃以上90℃以下であることが好ましく、60℃以上80℃以下であることが更に好ましい。処理溶液の温度を上昇させる場合、被処理製品を前記液中に浸漬した状態から、1分間に0.5℃〜3℃の割合で前記液の温度を上昇させることが好ましい。設定温度となった液中に被処理製品を浸漬する時間(浸漬時間)は、5分以上120分以下であることが好ましく、10分以上60分以下であることが更に好ましい。
尚、処理工程に用いるpH調整剤を含有した液中に被処理製品を浸漬して処理する場合、上記式(1)及び上記式(2)で表される化合物からなる群から選択される化合物、並びに、pH調整剤を水に添加した液中に、被処理製品を浸漬してもよいが、先にpH調整剤のみを水に添加した液中に被処理製品を浸漬して酸化処理した後に、前記選択される化合物を該液中に更に添加して被処理製品を処理してもよい。
次に、本実施態様の獣毛製品の製造方法では、処理工程で処理した処理製品(獣毛製品)を水洗いする(水洗工程)。処理工程において処理溶液中に被処理製品を浸漬して処理した場合には、水洗工程においては、該処理工程に用いた液中に水を加えながら、1分間に0.2℃〜3℃の割合で前記液の温度を10℃〜30℃程度にまで徐々に徐冷することが好ましい。このような徐冷を施すことによって、獣毛を更に十分に立たせて毛皮のような風合いを更に生み出すことができる。水洗工程では、複数回、処理工程で処理した処理製品(獣毛製品)を常法により水洗いしてもよい。
次に、本実施態様の獣毛製品の製造方法では、水洗工程で水洗いした処理製品(獣毛製品)を柔軟処理を施した後、脱水した後に、乾燥させる(乾燥工程)。乾燥工程においては、処理製品(獣毛製品)を、自然乾燥、或いは、40℃〜70℃程度の温度で5分〜20分間乾燥させる。尚、獣毛を更に十分に立たせて毛皮のような風合いを更に生み出す観点から、水洗工程で水洗いした処理製品(獣毛製品)を自然乾燥することが好ましい。
以上説明したように、上述した処理工程を備える本実施態様の獣毛製品の製造方法によれば、獣毛製品を効率的に製造することができる。
本実施態様の獣毛製品の製造方法は、処理工程において、上記式(1)及び上記式(2)で表される化合物からなる群から選択される一種を用いて処理するため、吸収性有機ハロゲン化合物(AOX)を生成せず、環境に悪影響を及ぼすことがない。また、本実施態様の製造方法で製造された獣毛製品は、獣毛繊維のタンパク質のアミノ基に対して、上記式(1)又は上記式(2)で表される化合物が反応することによって、獣毛繊維が立ち易くなり、滑らかで柔らかな毛皮のような風合いとなり易い。
以上、本発明をその好ましい実施態様に基づき説明したが、本発明は前記実施態様に制限されるものではなく、適宜変更可能である。 例えば、本実施態様の獣毛製品の製造方法は、処理工程以外に、水洗工程及び乾燥工程を備えているが、水洗工程で処理製品を水洗いしている間に、処理製品に柔軟加工を施してもよい。柔軟加工を施す場合、水洗工程で水洗いした処理製品を、公知の例えばアミノシリコーン系の柔軟剤を用いて、常法により柔軟加工し、柔軟加工を施した処理製品を、更に1回又は複数回水洗いする。
また、本実施態様の製造方法においては、処理溶液に、上記式(1)及び上記式(2)で表される化合物からなる群から選択される化合物と、該化合物以外にpH調整剤とを添加しているが、pH調整剤を添加していなくてもよい。また、処理溶液に、pH調整剤を添加する以外に、公知の抗菌剤、防カビ剤、消臭剤、消泡剤、染料、均染剤等を更に添加していてもよい。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は斯かる実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
パドル染色機に、獣毛(カシミア30%ウール70%)からなるセーターと50℃の水とを浴比1:20で充填した。次いで、純度75%の燐酸を1g/L添加して5分間攪拌後、上記式(3)で表される化合物を含む45%溶液を30%o.w.f.添加し、これらを添加した処理溶液にセーターを浸漬した。処理溶液のpHは2.64であった。実施例1で用いた上記式(3)で表される化合物において、Rは、エーテル結合のパラ位に位置する−SO4aで示される有機基であり、該有機基において、R4aは、炭素数12個の直鎖状のアルキル基であった。また、実施例1で用いた上記式(3)で表される化合物において、Rは水素原子であり、Xはナトリウムであった。そして、処理溶液を、1分間に1℃の割合で75℃まで上昇させ、75℃の処理溶液中にセーターを30分間浸漬した。その後、処理溶液に水を加え、20分かけて30℃に徐冷し、その後、処理溶液を水に置換して水洗しながらアミノシリコーン系の柔軟剤で柔軟加工を施し、自然乾燥した。このように処理して得られたセーターを、実施例1のセーターとした。
〔実施例2〕
パドル染色機に、獣毛(カシミア30%ウール70%)からなるセーターと40℃の水とを浴比1:20で充填した。次いで、90%の酢酸を1g/L添加して5分間攪拌後、上記式(3a)で表される化合物を含む70%溶液を40%o.w.f.添加し、これらを添加した処理溶液にセーターを浸漬した。処理溶液のpHは3.62であった。実施例2で用いた上記式(3a)で表される化合物において、スルホン基が何れもエーテル結合のパラ位に位置しており、Rはエーテル結合のメタ位に位置する炭素数16個の直鎖状のアルキル基であり、Xはナトリウムであった。そして、処理溶液を、30分かけて80℃まで上昇させ、80℃の処理溶液中にセーターを10分間浸漬した。その後、実施例1と同様に処理して得られたセーターを、実施例2のセーターとした。
〔実施例3〕
純度75%の燐酸の替わりに蟻酸を用い、上記式(3)で表される化合物の替わりに上記式(4)で表される化合物を用いる以外は、実施例1と同様に処理して得られたセーターを、実施例3のセーターとした。
実施例3で用いた上記式(4)で表される化合物において、R〜Rは、何れも同じ炭素数3個の直鎖状のアルキル基であり、Xはナトリウムであった。
〔実施例4〕
パドル染色機に、獣毛(カシミア30%ウール70%)からなるセーターと40℃の水とを浴比1:20で充填した。次いで、クエン酸を1g/L添加して5分間攪拌後、上記式(5)で表される化合物を30%o.w.f.添加し、これらを添加した処理溶液にセーターを浸漬した。処理溶液のpHは3.14であった。実施例4で用いた上記式(5)で表される化合物において、R10はスルホ基のパラ位に位置する炭素数4個の直鎖状のアルキル基であり、Xはナトリウムであった。そして、処理溶液を、30分かけて90℃まで上昇させ、90℃の処理溶液中にセーターを60分間浸漬した。その後、30分かけて30℃に徐冷した後、実施例1と同様に処理して得られたセーターを、実施例4のセーターとした。
〔実施例5〕
パドル染色機に、獣毛(カシミア30%ウール70%)からなるセーターと70℃の水とを浴比1:20で充填した。次いで、蓚酸を1g/L添加して5分間攪拌後、上記式(2)で表される化合物を50%o.w.f.添加し、これらを添加した処理溶液にセーターを浸漬した。処理溶液のpHは2.84であった。実施例5で用いた上記式(2)で表される化合物において、R〜Rは、何れも同じ炭素数8個の分岐鎖状のアルキル基であり、Xはナトリウムであった。即ち、実施例5で用いた上記式(2)で表される化合物は、スルホこはく酸ビス(2‐エチルヘキシル)ナトリウム塩であった。そして、処理溶液を、20分かけて90℃まで上昇させ、90℃の処理溶液中にセーターを60分間浸漬した。その後、実施例1と同様に処理して得られたセーターを、実施例5のセーターとした。
〔実施例6〕
スルホこはく酸ビス(2‐エチルヘキシル)ナトリウム塩の替わりに、R〜Rが、何れも同じ炭素数6個の直鎖状のアルキル基であり、Xはナトリウムである上記式(2)で表される化合物を用いる以外は、実施例5と同様に処理して得られたセーターを、実施例6のセーターとした。即ち、実施例6で用いた上記式(2)で表される化合物は、スルホこはく酸ジヘキシルナトリウム塩であった。
〔実施例7〕
スルホこはく酸ビス(2‐エチルヘキシル)ナトリウム塩の替わりに、R〜Rが、何れも同じフェニル基であり、Xはナトリウムである上記式(2)で表される化合物を用いる以外は、実施例5と同様に処理して得られたセーターを、実施例7のセーターとした。即ち、実施例7で用いた上記式(2)で表される化合物は、スルホこはく酸ジシクロヘキシルナトリウム塩であった。
〔実施例8〕
上記式(3)で表される化合物の替わりに上記式(1)で表される化合物を用いる以外は、実施例1と同様に処理して得られたセーターを、実施例8のセーターとした。
実施例8で用いた上記式(1)で表される化合物において、環Z1はベンゼン環であり、Eは水素原子であり、nは1の整数であり、Rは炭素数12個の直鎖状のアルキル基であった。即ち、実施例8で用いた上記式(1)で表される化合物は、ドデシルベンゼンスルフォン酸であった。
〔実施例9〕
純度75%の燐酸の替わりに蓚酸を用い、上記式(3)で表される化合物の替わりに上記式(1)で表される化合物を用いる以外は、実施例1と同様に処理して得られたセーターを、実施例9のセーターとした。
実施例9で用いた上記式(1)で表される化合物において、環Z1はビフェニルを表し、Eは水素原子であり、nは1の整数であり、Rは水素原子であった。即ち、実施例9で用いた上記式(1)で表される化合物は、ビフェニル‐4‐スルホン酸であった。
〔比較例1〕
パドル染色機に、獣毛(カシミア30%ウール70%)からなるセーターと70℃の水とを浴比1:20で充填した。次いで、スルファミン酸を1g/L添加して5分間攪拌後、タンニン(Tanatex社製の品番「Tannigan」)を50%o.w.f.添加し、これらを添加した処理溶液にセーターを浸漬した。そして、処理溶液を、20分かけて90℃まで上昇させ、90℃の処理溶液中にセーターを60分間浸漬した。その後、実施例1と同様に処理して得られたセーターを、比較例1のセーターとした。
〔性能評価〕
実施例1〜9及び比較例1のセーターについて、下記方法に従って、セーターの獣毛繊維の立ち具合、及びセーターの風合いについて評価した。その結果を下記表1に示す。以下に、セーターの獣毛繊維の立ち具合の評価方法、及びセーターの風合いの評価方法を説明する。
<セーターの獣毛繊維の立ち具合の評価方法>
評価環境は室温20℃、湿度60%RHであった。
専門パネラー10人により、比較例1のセーターを基準(5点)としたときの10段階の(10点に近づく程、繊維の立ち具合が良い。)の目視評価を行い、平均値を整数桁に四捨五入して求めた。それらの結果を下記表1に示す。
<セーターの風合いの評価方法>
評価環境は室温20℃、湿度60%RHであった。
専門パネラー10人により、手で握った際の比較例1のセーターを基準(5点)としたときの10段階の(10点に近づく程、風合いが良い。)の官能評価を行い、平均値を整数桁に四捨五入して求めた。官能評価では、セーターを手で握った際の滑らかで柔らかな毛皮のような風合いか否かを評価した。それらの結果を下記表1に示す。
表1に示す結果から明らかなように、実施例1〜9のセーターは、比較例1のセーターと比較して、獣毛繊維の立ち具合が良好であることがわかった。さらに、実施例1〜9のセーター、比較例1のセーターと比較して、セーターを手で握った際に、滑らかで柔らかな毛皮のような風合いであることがわかった。

Claims (4)

  1. 獣毛を含む被処理製品を、下記式(1)及び下記式(2)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも一種を用いて柔軟加工処理する工程を備える獣毛製品の製造方法であって、
    前記工程は処理溶液中に前記被処理製品を浸漬して処理する工程を含み、浸漬時の該処理溶液の温度は、40℃以上90℃以下であり、該被処理製品を該処理溶液中に浸漬した状態から、1分間に0.5℃〜3℃の割合で該処理溶液の温度を上昇させ、設定温度となった該処理溶液中に該被処理製品を5分以上120分以下浸漬し、
    前記設定温度となった前記処理溶液中に前記被処理製品を5分以上120分以下浸漬する処理をした後、該処理溶液の温度を1分間に0.2℃〜3℃の割合で10℃〜30℃まで徐冷する獣毛製品の製造方法。

    (式(1)中、
    環Z1は、ナフタレン環、又は、ベンゼン環どうしがエーテル結合を介して結合した環を表し、
    Eは、水素原子、アルカリ金属原子、又は炭素数1〜15個の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表し、
    nは、1〜3の整数であり、
    1は、水素原子、又は炭素数1〜20個の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を表す。)

    (式(2)中、
    2は、炭素数1〜15個の直鎖若しくは分岐鎖状のアルキル基を表し、
    3は、炭素数1〜15個の直鎖若しくは分岐鎖状のアルキル基を表し、
    Xは、アルカリ金属原子を表す。)
  2. 前記式(1)で表される化合物が、下記式(3)及び下記式(5)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも一種である請求項1に記載の獣毛製品の製造方法。

    (式(3)中、
    4は、スルホン酸塩、又は下記式(6)で示される有機基を表し、
    −SO34a (6)
    (式(6)中、R4aは、炭素数1〜15個の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表す。)
    5は、水素原子、又は炭素数1〜20個の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表し、
    Xは、アルカリ金属原子を表す。)

    (式(5)中、
    10は、炭素数2〜8個の直鎖状のアルキル基を表し、
    Xは、アルカリ金属原子を表す。)
  3. 前記化合物は、前記式(3)で表される化合物を含み、
    前記式(3)が、下記式(3a)で表される化合物である請求項1又は2に記載の獣毛製品の製造方法。

    (式(3a)中、
    5は、炭素数1〜20個の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表し、
    Xは、水素原子、又はアルカリ金属原子を表す。)
  4. 前記獣毛は、カシミア、ウール、アンゴラ、モヘア、キャメル又はアルパカの何れか1である請求項1〜3の何れか1項に記載の獣毛製品の製造方法。
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