JP6252905B2 - 誘導加熱装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の加熱コイルを備えた誘導加熱装置、特に、一般家庭で使用する誘導加熱調理器に関するものである。
従来、この種の誘導加熱調理器としては、例えば、鍋および蓋を誘導加熱する2つの加熱コイルを有する炊飯器がある。このような従来の炊飯器においては、どちらか一方の加熱コイルで誘導加熱しているときには、他方の加熱コイルに高周波電流を発生させるスイッチング素子を駆動するドライバ回路の電源をオフにして、他方の動作していない加熱コイルが外部からのノイズの影響を受けないように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
図5は、特許文献1に記載された従来の誘導加熱調理器である炊飯器の主要部の一部をブロック化して示す回路図である。図5に示すように、炊飯器は、鍋51を誘導加熱する第1の加熱コイル52と、第1の加熱コイル52と共振回路を構成する第1の共振コンデンサ53と、第1の加熱コイル52に直列接続した第1のスイッチング手段54と、第1のスイッチング手段54を駆動する第1の駆動手段73とを備える。
また、図5の炊飯器は、鍋の開口部を覆う蓋に設けられた金属板55を蓋の内側から誘導加熱する第2の加熱コイル56と、第2の加熱コイル56と共振回路を構成する第2の共振コンデンサ57と、第2の加熱コイル56に直列接続した第2のスイッチング手段58と、第2のスイッチング手段58を駆動する第2の駆動手段74とを備える。
さらに、図5の炊飯器は、交流電源59を整流し、第1の加熱コイル52と第2の加熱コイル56に電力供給する直流電源70と、第1の駆動手段73と第2の駆動手段74のいずれか一方に電源を供給できるようにオンオフ制御する駆動電源制御手段72とを備える。
そして、図5の炊飯器においては、第1の駆動手段73と第2の駆動手段74のいずれか一方の駆動手段がオン状態時には、他方の駆動手段のスイッチング手段をオフ状態とするよう構成されている。このように構成することにより、外部からのノイズなどで両方の加熱コイルが同時にオン状態となることがないように構成されている。
なお、2つ以上の加熱コイルを有する従来の誘導加熱調理器としては、PWM信号のトリガ信号を発生させるため、各加熱コイルに接続されたスイッチング手段の両端電圧を検知して、その検知結果に基づいて同期信号を出力する2つの同期信号発生回路からの2つの出力信号を合わせてパルス発生器に入力する構成の炊飯器も提供されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2011−19603号公報 特許第4100333号
しかしながら、前記従来の構成では、駆動手段の電源をオフにしても、動作していない加熱コイルにノイズが誘起されると、動作していない加熱コイルを駆動するためのスイッチング素子のトリガ回路にノイズが印加されて駆動電源制御手段が誤動作し、動作している加熱コイルに誤った駆動信号を出力する可能性がある。
図6は、特許文献2に記載された従来の誘導加熱調理器である炊飯器の主要部の一部をブロック化して示す回路図である。図6に示すように、炊飯器は、第1の加熱コイル63および第2の加熱コイル64を備え、それぞれの加熱コイル63,64がスイッチング素子61,62のオンオフ駆動により誘導加熱するよう構成されている。図6に示す炊飯器には、各スイッチング素子の両端電圧をそれぞれ検知して、それらの検知結果に基づいて同期信号をパルス発生器67へ出力する第1の同期信号発生回路65および第2の同期信号発生回路66が設けられている。
図7は、図6に示した従来の誘導加熱調理器におけるパルス発生器67の出力電圧波形とその出力電圧波形を決める他の回路部分の電圧波形を示す波形図である。
図7においては、第1の加熱コイル63に負荷となる鍋があり、かつ第1の加熱コイル63が動作中であるとともに、第2の加熱コイル64に負荷となる鍋がなく、かつ動作停止中である場合の動作波形を示している。
図7の(a)は第1のスイッチング素子61のコレクタ−エミッタ間電圧Vce1を示す動作波形図である。図7の(b)は第2のスイッチング素子62のコレクタ−エミッタ間電圧Vce2を示す動作波形図である。動作停止中の第2の加熱コイル64は、動作中の第1の加熱コイル63の共振電圧により誘起されて第2の加熱コイル64に発生した電圧が第2のスイッチング素子62に加わり、図7の(b)に示すコレクタ−エミッタ間電圧Vce2が発生する。図7の(c)は第1の同期信号発生回路65が出力する出力信号Vo1を示す動作波形図である。図7の(c)に示すように、第1の同期信号発生回路65の出力信号Vo1は、第1のスイッチング素子61のコレクタ−エミッタ間電圧Vce1が所定電圧以上になるとローレベルを出力する。図7の(d)は第2の同期信号発生回路66の出力信号Vo2を示す動作波形図である。図7の(d)に示すように、第2の同期信号発生回路66は、第2のスイッチング素子62のコレクタ−エミッタ間電圧Vce2が、動作中の第1の加熱コイル63の磁界による誘起を受けてあるレベル以上になると、ローレベルとなる出力信号Vo2を出力する。図7の(e)はパルス発生器67が出力する駆動信号Vopを示す動作波形図である。図7の(e)に示すように、パルス発生器67は、第1の同期信号発生回路65から出力される第1の出力信号Vo1または第2の同期信号発生回路66から出力される第2の出力信号Vo2のいずれかの立ち上がりをトリガ信号として、所定のパルス幅の駆動パルスを出力する。
上記のように、パルス発生器67においては、動作停止中で負荷が存在しない第2の加熱コイル64の電圧を検知して、トリガ信号を出力する第2の同期信号発生回路66の出力信号Vo2が入力されてしまい、パルス幅が正常動作時のパルス幅以上に長くなった誤った駆動信号を動作中の第1のスイッチング素子61に出力するおそれがあった。
本発明は、前記従来の課題を解決するものであり、パルス発生器が誤った駆動信号を出力することなく、確実にかつ安全にスイッチング素子を動作させことができる誘導加熱装置の提供を目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の誘導加熱装置は、
直流電源と、
第1の被加熱物を誘導加熱する第1の加熱コイルと、
前記第1の加熱コイルと第1の共振回路を構成する第1の共振コンデンサと、
導通と遮断を繰り返すことにより、前記直流電源から入力した直流電流を高周波電流に変換し前記第1の被加熱物に高周波電力を供給する第1のスイッチング素子と、
前記第1の共振回路に発生する共振電圧を検知して第1のトリガ信号を出力する第1の同期信号発生回路と、
前記第1のスイッチング素子を駆動する第1の駆動回路と、
第2の被加熱物を誘導加熱する第2の加熱コイルと、
前記第2の加熱コイルと第2の共振回路を構成する第2の共振コンデンサと、
導通と遮断を繰り返すことにより、前記直流電源から入力した直流電流を高周波電流に変換し前記第2の被加熱物に高周波電力を供給する第2のスイッチング素子と、
前記第2の共振回路に発生する共振電圧を検知して第2のトリガ信号を出力する第2の同期信号発生回路と、
前記第2のスイッチング素子を駆動する第2の駆動回路と、
前記第1の駆動回路と前記第2の駆動回路のいずれかを選択する切り替え部と、
前記第1のトリガ信号または前記第2のトリガ信号が入力されたとき、前記切り替え部において選択された前記第1の駆動回路または前記第2の駆動回路に対して第1の駆動パルスまたは第2の駆動パルスの出力を開始し、当該出力が開始された前記第1の駆動パルスまたは前記第2の駆動パルスのパルス幅を制御するパルス発生器と、
前記パルス発生器が前記第2の駆動回路に第2の駆動パルスを出力しているとき、前記第1の同期信号発生回路から前記第1のトリガ信号が出力されるのを禁止する第1の同期信号ブロック回路、または前記パルス発生器が前記第1の駆動回路に前記第1の駆動パルスを出力しているとき、前記第2の同期信号発生回路から前記第2のトリガ信号が出力されるのを禁止する第2の同期信号ブロック回路の少なくともいずれか一方の同期信号ブロック回路と、を具備する。
上記のように構成された本発明の誘導加熱装置においては、第1の駆動回路および第2の駆動回路が同時に第1の駆動パルスおよび第2の駆動パルスを出力することを禁止する構成を有している。このように構成されているため、本発明の誘導加熱装置は、例えば、第1の加熱コイルが加熱動作をしているときに、加熱を停止している第2の加熱コイルに第1の加熱コイルの磁界により電圧が誘起され、第2の同期信号発生回路が誤って第2のトリガ信号を出力しない構成が可能となる。若しくは、逆に、第2の加熱コイルが加熱動作をしているときに、加熱を停止している第1の加熱コイルに第2の加熱コイルの磁界により電圧が誘起され、第1の同期信号発生回路が誤って第1のトリガ信号を出力しない構成が可能となる。したがって、本発明においては、一方の加熱コイルが加熱動作をしているときには外部ノイズとなるトリガ信号により、他方の加熱コイルを駆動する第1のスイッチング素子が誤動作しない構成となる。
本発明の誘導加熱装置は、排他的に動作する複数の加熱コイルを備え、加熱をしている加熱コイルから、加熱をしていない加熱コイルに誘導されたノイズにより、加熱をしているスイッチング素子が誤動作することを確実に防止して、安定した信頼性の高い加熱出力を制御することができる。
本発明に係る実施の形態1の誘導加熱調理器の主要部の一部をブロックで示す回路図 実施の形態1の誘導加熱調理器における同期信号発生回路および同期信号ブロック回路を示す回路図 (a)実施の形態1の誘導加熱調理器における第1の同期信号発生回路のコンパレータのマイナス比較入力端子への入力信号Vi1を示す動作波形図(b)実施の形態1の誘導加熱調理器における第2の同期信号発生回路におけるコンパレータのマイナス比較入力端子への入力信号を示す動作波形図(c)実施の形態1の誘導加熱調理器における第1の同期信号発生回路が出力する第1の出力信号を示す動作波形図(d)実施の形態1の誘導加熱調理器における第2の同期信号発生回路の第2の出力信号を示す動作波形図(e)実施の形態1の誘導加熱調理器におけるパルス発生器の第1の出力端子から出力する駆動信号の動作波形図 本発明に係る実施の形態2の誘導加熱調理器の主要部を示すブロック図 従来の誘導加熱調理器の主要部の一部をブロックで示す回路図 従来の誘導加熱調理器の主要部の一部をブロックで示す回路図 (a)従来の誘導加熱調理器における第1のスイッチング素子のコレクタ−エミッタ間電圧Vce1を示す動作波形図(b)従来の誘導加熱調理器における第2のスイッチング素子のコレクタ−エミッタ間電圧を示す動作波形図(c)従来の誘導加熱調理器における第1の同期信号発生回路が出力する第1の出力信号を示す動作波形図(d)従来の誘導加熱調理器における第2の同期信号発生回路の第2の出力信号を示す動作波形図(e)従来の誘導加熱調理器におけるパルス発生器の出力信号を示す動作波形図
本発明に係る第1の観点の誘導加熱装置は、
直流電源と、
第1の被加熱物を誘導加熱する第1の加熱コイルと、
前記第1の加熱コイルと第1の共振回路を構成する第1の共振コンデンサと、
導通と遮断を繰り返すことにより、前記直流電源から入力した直流電流を高周波電流に変換し前記第1の被加熱物に高周波電力を供給する第1のスイッチング素子と、
前記第1の共振回路に発生する共振電圧を検知して第1のトリガ信号を出力する第1の同期信号発生回路と、
前記第1のスイッチング素子を駆動する第1の駆動回路と、
第2の被加熱物を誘導加熱する第2の加熱コイルと、
前記第2の加熱コイルと第2の共振回路を構成する第2の共振コンデンサと、
導通と遮断を繰り返すことにより、前記直流電源から入力した直流電流を高周波電流に変換し前記第2の被加熱物に高周波電力を供給する第2のスイッチング素子と、
前記第2の共振回路に発生する共振電圧を検知して第2のトリガ信号を出力する第2の同期信号発生回路と、
前記第2のスイッチング素子を駆動する第2の駆動回路と、
前記第1の駆動回路と前記第2の駆動回路のいずれかを選択する切り替え部と、
前記第1のトリガ信号または前記第2のトリガ信号が入力されたとき、前記切り替え部において選択された前記第1の駆動回路または前記第2の駆動回路に対して第1の駆動パルスまたは第2の駆動パルスの出力を開始し、当該出力が開始された前記第1の駆動パルスまたは前記第2の駆動パルスのパルス幅を制御するパルス発生器と、
前記パルス発生器が前記第2の駆動回路に第2の駆動パルスを出力しているとき、前記第1の同期信号発生回路から前記第1のトリガ信号が出力されるのを禁止する第1の同期信号ブロック回路、または前記パルス発生器が前記第1の駆動回路に前記第1の駆動パルスを出力しているとき、前記第2の同期信号発生回路から前記第2のトリガ信号が出力されるのを禁止する第2の同期信号ブロック回路の少なくともいずれか一方の同期信号ブロック回路と、を具備する。
上記のように構成された本発明に係る第1の観点の誘導加熱装置は、第1の駆動回路および第2の駆動回路が同時に第1の駆動パルスおよび第2の駆動パルスを出力することを禁止する構成を有している。このように構成されているため、本発明の誘導加熱装置は、例えば、第1の加熱コイルが加熱動作をしているときに、加熱を停止している第2の加熱コイルに第1の加熱コイルの磁界により電圧が誘起され、第2の同期信号発生回路が誤って第2のトリガ信号を出力しない構成が可能となる。若しくは、逆に、第2の加熱コイルが加熱動作をしているときに、加熱を停止している第1の加熱コイルに第2の加熱コイルの磁界により電圧が誘起され、第1の同期信号発生回路が誤って第1のトリガ信号を出力しない構成が可能となる。したがって、本発明においては、一方の加熱コイルが加熱動作をしているときには外部ノイズとなるトリガ信号により、他方の加熱コイルを駆動する第1のスイッチング素子が誤動作しない構成となる。
本発明に係る第2の観点の誘導加熱装置は、前記の第1の観点において、第1の同期信号ブロック回路が、前記第2の駆動パルスが入力されたときの充電電圧によりトランジスタを駆動して前記第1の同期信号発生回路に対して第1のトリガ信号の出力を禁止する禁止信号を出力し、
第2の同期信号ブロック回路が、前記第1の駆動パルスが入力されたときの充電電圧によりトランジスタを駆動して前記第2の同期信号発生回路に対して第2のトリガ信号の出力を禁止する禁止信号を出力するよう構成してもよい。



上記のように構成された本発明に係る第2の観点の誘導加熱装置は、加熱をしている加熱コイルから、加熱をしていない加熱コイルに誘導されたノイズにより、加熱をしているスイッチング素子が誤動作することを確実に防止して、安定した信頼性の高い加熱出力を制御することができる。
本発明に係る第3の観点の誘導加熱装置は、前記の第1の観点または第2の観点において、前記第1の被加熱物である鍋を収納する本体を備え、
前記本体は前記第1の被加熱物の開口部を覆う蓋を備え、
前記蓋は前記第2の被加熱物である金属板を備え、
前記第2の加熱コイルは、前記蓋を閉めたとき前記金属板の上方に位置するように設けられ、前記第1の加熱コイルが前記鍋の底面を誘導加熱し、前記第2の加熱コイルが前記金属板を誘導加熱することにより炊飯を行う炊飯器を構成してもよい。
第1の加熱コイルと第2の加熱コイルは対向して配置された誘導加熱装置である炊飯器においては、使用者が誤って鍋を外して第2の加熱コイルを動作させた場合において、第2の加熱コイルからの誘導磁界により第1の加熱コイルに高周波電圧が誘起されることがあり、また、逆に金属板を外して第1の加熱コイルを動作させた場合において、第1の加熱コイルからの誘導磁界により第2の加熱コイルに高周波電圧が誘起されることがある。しかし、本発明に係る第3の観点の炊飯器においては、動作していない加熱コイルに高周波電圧が誘起されても、動作していない加熱コイルの側の同期信号発生回路から不要なトリガ信号が出力されるのを禁止する構成であるため、誤動作を確実に防ぐことができ、前述の第1の観点および第2の観点の誘導加熱装置における効果を得ることができる。
以下、本発明の誘導加熱装置に係る実施の形態として誘導加熱調理器について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、本発明の誘導加熱装置は、以下の実施の形態に記載した誘導加熱調理器の構成に限定されるものではなく、以下の実施の形態において説明する技術的思想と同等の技術的思想に基づいて構成される誘導加熱装置を含むものである。
(実施の形態1)
図1は、本発明に係る実施の形態1の誘導加熱装置である誘導加熱調理器の主要部を一部ブロック化して示す回路図である。
図1において、第1の被加熱物である第1の鍋15は、特に図示していないが、磁性金属や非磁性金属を複数用いた積層体で構成されている。第1の加熱コイル1は、特に図示していないが、渦巻き状の形状をしており、第1の鍋15の底面中央部に対向して配置され、第1の鍋15の底面に対して一定の距離を隔てて配設される。第1の加熱コイル1は、複数の銅線を束ねた撚り線で構成されており、高周波電流が流れた時の撚り線内の電流分布を均一にしている。
第1のインバータ回路2は、第1の共振コンデンサ11と第1のスイッチング素子12の直列回路で構成されている。第1の共振コンデンサ11は、第1の加熱コイル1に並列接続されている。実施の形態1では、第1の共振コンデンサ11は、高周波電流が流れても損失の少ないポリプロピレンコンデンサを使用している。第1のスイッチング素子12は、MOSFETやIGBTなどの半導体素子と、この半導体素子に逆接続した逆接続ダイオードで構成されている。MOSFETやIGBTは耐圧が高く、高周波のスイッチングが可能で、ゲート端子に電圧を印加することで大電流を流すことができるので、パワートランジスタに比べ省電力で大電流を流すことができるという利点がある。なお、実施の形態1においては、この半導体素子にIGBTを使用している。一般的にこのようなインバータ回路の構成は、第1の加熱コイル1と第1の共振コンデンサ11で並列共振回路を構成しているため、1石電圧共振形インバータと言われている。
第2の被加熱物である第2の鍋16は、特に図示していないが、磁性金属や非磁性金属を複数用いた積層体で構成されている。第2の加熱コイル5は、特に図示していないが、渦巻き状の形状をしており、第2の鍋16の底面中央部に対向して配置され、第2の鍋16の底面と一定の距離を隔てて配設される。第2の加熱コイル5は、複数の銅線を束ねた撚り線で構成されており、高周波電流が流れた時の撚り線内の電流分布を均一にしている。
第2のインバータ回路6は、第2の共振コンデンサ13と第2のスイッチング素子14の直列回路で構成されている。第2の共振コンデンサ13は、第2の加熱コイル5に並列接続されている。実施の形態1では、第1の共振コンデンサ11は、高周波電流が流れても損失の少ないポリプロピレンコンデンサを使用している。第2のスイッチング素子14は、MOSFETやIGBTなどの半導体素子と、この半導体素子に逆接続した逆接続ダイオードで構成されている。MOSFETやIGBTは耐圧が高く、高周波のスイッチングが可能で、ゲート端子に電圧を印加することで大電流を流すことができるので、パワートランジスタに比べ省電力で大電流を流すことができるという利点がある。なお、実施の形態1においては、半導体素子にIGBTを使用している。一般的にこのようなインバータ回路の構成は、第2の加熱コイル5と第2の共振コンデンサ13で並列共振回路を構成しているため、1石電圧共振形インバータと言われている。
図1において、符号17は誘導加熱調理器に電力を供給する交流電源である。交流電源17の電源周波数は、東日本地域では50Hz、西日本地域では60Hzとなっている。符号18は直流電源であり、全波整流器であるダイオードブリッジ21と、ダイオードブリッジ21の出力端間に接続されたチョークコイル22とコンデンサ23の直列回路とにより構成されている。ここで、コンデンサ23の容量は数μFと小さく、第1の加熱コイル1および第2の加熱コイル5に電流を流すとリプルが生じる。実施の形態1では、このリプル電圧波形は交流電源17を全波整流した時の電圧波形と略同じとなる。
制御回路19は、特に図示していないが、マイクロコンピュータを含む構成となっている。マイクロコンピュータには、パルス発生器20が構成されている。パルス発生器20は、第1の同期信号発生回路3から出力される第1のトリガ信号及び第2の同期信号発生回路7から出力される第2のトリガ信号が入力されて、第1の出力端子20aから第1の駆動回路4に対して、そして第2出力端子20bから第2の駆動回路8に対して、排他的な動作(一方から駆動パルスを出力している場合には他方に駆動パルスを出力しない動作)により、それぞれを駆動信号(以下、駆動パルスともいう)としてPWM信号を出力する。
制御回路19は、第1の駆動回路4と第2の駆動回路8のいずれかを選択する切り替え部24を備えており、パルス発生器20に第1のトリガ信号または第2のトリガ信号が入力されると、切り替え部24で選択された第1の駆動回路4または第2の駆動回路8に対して駆動パルスの出力を開始する。切り替え部24への選択命令は、制御回路19に記憶された制御シーケンスに従って入力される。パルス発生器20は、マイクロコンピュータのPWM発生器を利用することによっても実現することができる。ただし、実施の形態1のパルス発生器20は一例であり、例えば、パルス発生器20を備えた専用ICを作成し、この専用ICを利用することにより構成してもよく、本発明においては上記の構成に限定されるものではない。
第1の駆動回路4は、特に図示しないが、NPNトランジスタとPNPトランジスタで構成されたプッシュプル回路で構成され、第1の駆動回路4の出力がハイの間、第1のスイッチング素子12を構成するIGBTのゲート端子に電圧を印加して、IGBTをオン状態とする。一方、第1の駆動回路4がローを出力しているときは、IGBTのゲート端子の電圧を零Vにして、IGBTをオフ状態にする。なお、これは一例であり、プッシュプル回路を構成する部品としてはMOSFETなどで構成しても構わない。
第2の駆動回路8は、第1の駆動回路4と同様に、特に図示しないが、NPNトランジスタとPNPトランジスタで構成されたプッシュプル回路で構成され、第2の駆動回路8の出力がハイの間、第2のスイッチング素子14を構成するIGBTのゲート端子に電圧を印加して、IGBTをオン状態とする。一方、第2の駆動回路8がローを出力しているときは、IGBTのゲート端子の電圧を零Vにして、IGBTをオフ状態にする。なお、これは一例であり、プッシュプル回路を構成する部品としてはMOSFETなどで構成しても構わない。
図2は、実施の形態1の誘導加熱調理器における第1及び第2の同期信号発生回路3,7および第1および第2の同期信号ブロック回路9,10を示す回路図である。
第1の同期信号発生回路3は、第1の加熱コイル1と第1の共振コンデンサ11で構成される第1の共振回路に発生する共振電圧を検知して、第1の出力信号Vo1を出力する。実施の形態1における第1の同期信号発生回路3は、コンパレータ3eと、4つの抵抗(抵抗3a,3b,3c,3d)で構成されている(図2参照)。第1の同期信号発生回路3は、直流電源18の出力電圧Vdcを抵抗3cと抵抗3dの直列回路で分圧した電圧Vs1と、第1のスイッチング素子12のコレクタ−エミッタ間電圧Vce1を抵抗3aと抵抗3bの直列回路で分圧した電圧Vi1とを比較する。電圧Vs1をコンパレータ3eのプラス比較入力端子に入力し、電圧Vi1をコンパレータ3eのマイナス比較入力端子に入力している。このため、コンパレータ3eは、直流電源18の出力電圧Vdcの分圧電圧Vs1の方が、第1のスイッチング素子12のコレクタ−エミッタ間電圧Vce1の分圧電圧Vi1よりも低い場合には、第1の出力信号Vo1としてローレベルを出力し、直流電源18の出力電圧Vdcの分圧電圧Vs1の方が、第1のスイッチング素子12のコレクタ−エミッタ間電圧Vce1の分圧電圧Vi1よりも高い場合には、ハイレベルを出力する。なお、これは一例であり、実施の形態1における第1の同期信号発生回路3ではコンパレータ3eを使用しているが、トランジスタなどで構成しても構わない。
第2の同期信号発生回路7は、第2の加熱コイル5と第2の共振コンデンサ13で構成される第2の共振回路に発生する共振電圧を検知して、第2の出力信号Vo2を出力する。実施の形態1における第2の同期信号発生回路7は、コンパレータ7eと、4つの抵抗(抵抗7a,7b,7c,7d)で構成されている(図2参照)。第2の同期信号発生回路7は、直流電源18の出力電圧Vdcを抵抗7cと抵抗7dの直列回路で分圧した電圧Vs2と、第2のスイッチング素子14のコレクタ−エミッタ間電圧Vce2を抵抗7aと抵抗7bの直列回路で分圧した電圧Vi2とを比較する。電圧Vs2をコンパレータ7eのプラス比較入力端子に入力し、電圧Vi2をコンパレータ7eのマイナス比較入力端子に入力している。このため、コンパレータ7eは、直流電源18の出力電圧Vdcの分圧電圧Vs2の方が、第2のスイッチング素子14のコレクタ−エミッタ間電圧Vce2の分圧電圧Vi2よりも低い場合には、第2の出力信号Vo2としてローレベルを出力し、直流電源18の出力電圧Vdcの分圧電圧Vs2の方が、第2のスイッチング素子14のコレクタ−エミッタ間電圧Vce2の分圧電圧Vi2よりも高い場合には、ハイレベルを出力する。なお、これは一例であり、実施の形態1における第2の同期信号発生回路7ではコンパレータ7eを使用しているが、トランジスタなどで構成しても構わない。
実施の形態1における第1の同期信号ブロック回路9は、第2の駆動回路8に供給される第2の駆動パルスであるPWM信号がパルス発生器20の第2の出力端子20bから出力されたことを検知したとき、第1の同期信号発生回路3からパルス発生器20に入力される信号(Vo1)をブロック(無効化)するよう構成されている。このように、第1の同期信号ブロック回路9は、第2の駆動回路8に供給される第2の駆動パルスを検知したとき、第1の同期信号発生回路3からパルス発生器20へ出力される第1の出力信号Vo1が、パルス発生器20において有効な第1のトリガ信号を形成しないように構成されている。すなわち、第1の同期信号ブロック回路9は、第2の駆動パルスを検知したとき、第1の同期信号発生回路3が第1のトリガ信号を出力しないように構成されている。
実施の形態1における第2の同期信号ブロック回路10は、第1の駆動回路4に供給される第1の駆動パルスであるPWM信号がパルス発生器20の第1の出力端子20aから出力されたことを検知したとき、第2の同期信号発生回路7からパルス発生器20に入力される信号(Vo2)をブロック(無効化)する。このように、第2の同期信号ブロック回路10は、第1の駆動回路4に供給される第1の駆動パルスを検知したとき、第2の同期信号発生回路7からパルス発生器20へ出力される第2の出力信号Vo2が、パルス発生器20において有効な第2のトリガ信号を形成しないように構成されている。すなわち、第2の同期信号ブロック回路10は、第1の駆動パルスを検知したとき、第2の同期信号発生回路7が第2のトリガ信号を出力しないように構成されている。
図2に示すように、第1の同期信号ブロック回路9は、トランジスタダイオード9b、コンデンサ9c、および2個の抵抗9d,9eにより構成されている。第1の同期信号ブロック回路9のトランジスタ9aのコレクタは、第1のスイッチング素子12のコレクタ−エミッタ間電圧Vce1を抵抗3aと抵抗3bの直列回路で分圧した電圧Vi1が入力されるコンパレータ3eのマイナス比較入力端子に接続されており、トランジスタ9aのエミッタは接地されている。トランジスタ9aのベースは抵抗9dの一端に接続されている。抵抗9dの他端はダイオード9bのカソードに接続されている。ダイオード9bのアノードは、パルス発生器20における第2の駆動回路8への出力端子である第2の出力端子20bに接続されている。トランジスタ9aのベース−エミッタ間には抵抗9eが接続されており、抵抗9eおよびコンデンサ9cにより並列回路が構成されている。
第1の同期信号ブロック回路9において、パルス発生器20の第2の出力端子20bからPWM信号(第2の駆動パルス)が出力されているとき、そのPWM信号はダイオード9bを介して抵抗9dとコンデンサ9cの時定数でコンデンサ9cに充電される。コンデンサ9cが充電されるとトランジスタ9aのベース電位(充電電圧)が上がるため、トランジスタ9aはオン状態となり、第1の同期信号ブロック回路9は、ローレベルの信号、すなわち、第1の同期信号発生回路3からパルス発生器20に第1のトリガ信号の出力を禁止する禁止信号、を出力する。
一方、パルス発生器20の第2の出力端子20bからPWM信号(第2の駆動パルス)が出力されていないとき、コンデンサ9cが充電されていれば、抵抗9eを介して放電され、トランジスタ9aのベース電位が下がるため、トランジスタ9aはオフ状態となる。その結果、トランジスタ9aのコレクタ−エミッタ間はハイインピーダンスとなり、第1の同期信号ブロック回路9は、禁止信号の出力を解除する。
第2の同期信号ブロック回路10は、上記の第1の同期信号ブロック回路9と同様の構成を有しており、パルス発生器20の第1の出力端子20aからPWM信号(第1の駆動パルス)が入力されたとき、第2の同期信号発生回路7からパルス発生器20に第2のトリガ信号が出力されることを禁止する禁止信号を出力するよう構成されている。
第2の同期信号ブロック回路10において、パルス発生器20の第1の出力端子20aからPWM信号(第1の駆動パルス)が出力されているとき、そのPWM信号はダイオード10bを介して抵抗10dとコンデンサ10cの時定数でコンデンサ10cに充電される。コンデンサ10cが充電されるとトランジスタ10aのベース電位(充電電圧)が上がるため、トランジスタ10aはオン状態となり、第2の同期信号ブロック回路10は、ローレベルの信号、すなわち、第2の同期信号発生回路7からパルス発生器20に第2のトリガ信号の出力を禁止する禁止信号、を出力する。
一方、パルス発生器20の第1の出力端子20aからPWM信号(第1の駆動パルス)が出力されていないとき、コンデンサ10cが充電されていれば、抵抗10eを介して放電され、トランジスタ10aのベース電位が下がるため、トランジスタ10aはオフ状態となる。その結果、トランジスタ10aのコレクタ−エミッタ間はハイインピーダンスとなり、第2の同期信号ブロック回路10は禁止信号の出力を解除する。
以上のように構成された実施の形態1の誘導加熱調理器について、その動作および作用について以下に説明する。
まず、第1の加熱コイル1の上方に第1の鍋15を配置し、第2の加熱コイル5の上方には何も配置しない状態において、第1のスイッチング素子12を動作させる。動作シーケンスは制御回路19を構成しているマイクロコンピュータのROMに記憶されたデータに基づいて動作を開始する。
以下の説明においては、特に、第1のスイッチング素子12、第2のスイッチング素子14、第1の同期信号発生回路3、第2の同期信号発生回路7およびパルス発生器20の動作について、図3を参照しながら説明する。
図3は、本発明に係る実施の形態1の誘導加熱調理器におけるパルス発生器20の出力電圧波形とその出力電圧波形を決める第1および第2の同期信号発生回路3,7の電圧波形を示す波形図である。図3においては、第1の加熱コイル1により負荷である第1の鍋15を加熱中であり、第2の加熱コイル5には負荷がなく動作停止中である場合の動作波形を示している。
図3の(a)は、第1の同期信号発生回路3のコンパレータ3eにおけるマイナス比較入力端子への入力信号Vi1を示す動作波形図である。図3の(b)は、第2の同期信号発生回路7のコンパレータ7eにおけるマイナス比較入力端子への入力信号Vi2を示す動作波形図である。動作停止中の第2の加熱コイル5が動作中の第1の加熱コイル1の共振電圧により誘起されて第2のスイッチング素子14のコレクタ−エミッタ間電圧Vce2が発生した場合であっても(図7の(b)参照)、図3の(b)に示すように、第2の同期信号ブロック回路10がローレベルを出力し、コンパレータ7eのマイナス比較入力端子への入力信号Vi2は零Vとなっている。
図3の(c)は第1の同期信号発生回路3が出力する第1の出力信号Vo1を示す動作波形図である。図3の(c)に示すように、第1の同期信号発生回路3の第1の出力信号Vo1は、第1のスイッチング素子12のコレクタ−エミッタ間電圧Vce1が所定電圧以上になるとローレベルを出力する。図3の(d)は第2の同期信号発生回路7の第2の出力信号Vo2を示す動作波形図である。図3の(d)に示すように、第2の同期信号発生回路7は、第2のスイッチング素子14のコレクタ−エミッタ間電圧Vce2が動作中の第1の加熱コイル1の磁界による誘起を受けて、あるレベル以上になっても、コンパレータ7eのマイナス比較入力端子は図3の(b)に示すように零となっている。このため、第2の同期信号発生回路7の第2の出力信号Vo2がハイインピーダンスに固定される。
図3の(e)はパルス発生器20の第1の出力端子20aから出力する駆動信号Vopの動作波形図である。パルス発生器20は、第1の同期信号発生回路3から出力される出力信号Vo1の立ち上がり(第1のトリガ信号と呼ぶ)または第2の同期信号発生回路7から出力される第2の出力信号Vo2の立ち上がり(第2のトリガ信号と呼ぶ)をトリガ信号として受け付け、所定のパルス幅の駆動信号Vopを出力する。
パルス発生器20は、第2の同期信号発生回路7の第2の出力信号Vo2が第2のトリガ信号とならないので、すなわち、第2の同期信号発生回路7が第2のトリガ信号を出力しないため、第1の同期信号発生回路3の第1の出力信号Vo1として出力された第1のトリガ信号のみを受けて、パルス発生器20が第1の出力端子20aから図3の(e)に示す駆動信号Vopを出力する。このように動作停止中の第2の加熱コイル5に動作中の第1の加熱コイル1の磁界が及んでも、第2の同期信号発生回路7から第2のトリガ信号の出力が禁止されているため、パルス発生器20の第1の出力端子20aは所定の駆動信号を出力することができる。
実施の形態1の誘導加熱調理器においては、第1及び第2の同期信号発生回路3,7および第1および第2の同期信号ブロック回路9,10を設けた構成で説明したが、誘導加熱調理器の仕様によっては、一方の同期信号ブロック回路だけを設けた構成でも対応可能である。例えば、第1の加熱コイルからの影響を第2の加熱コイルが受けやすいが、その逆の影響がない場合には、一方の同期信号ブロック回路だけを設けた構成で対応可能である。したがって、本発明における同期信号ブロック回路には、少なくとも第1の同期信号ブロック回路9または第2の同期信号ブロック回路10のいずれか一方を含むものである。
なお、実施の形態1では、負荷がない加熱コイルに電圧が誘起された場合について記載しているが、負荷があっても他の加熱コイルの電圧により誘起されることがあり、また、例えば、加熱コイルで誘起される以外に外部ノイズによりスイッチング素子に掛かる電圧が発生することもある。実施の形態1の構成によれば、動作していない加熱コイルに誘起される電圧により、動作中のスイッチング素子の誤動作を防ぐことができる構成であり、実施の形態1において述べた構成に本発明の適用範囲が限定されるものではない。
(実施の形態2)
図4は、本発明に係る実施の形態2の誘導加熱装置としての誘導加熱調理器の主要部を示すブロック図である。図4において、前述の実施の形態1と同様の機能を有する部品および回路ブロックについては、同一の番号を付与し説明を省略する。
図4に示すように、実施の形態2の誘導加熱調理器が炊飯器を構成する点において実施の形態1と相違する。具体的な構成は以下の通りである。第1の鍋15を収納する本体32(破線で示す)を備え、本体32は第1の鍋15の開口部を覆う蓋30を備える。実施の形態2の誘導加熱調理器においては、実施の形態1における第2の鍋16に代えて蓋30を構成する金属板31を備え、第2の加熱コイル35が蓋30を閉めたとき金属板31の上方に配置されるように設けられている。第1の加熱コイル1が第1の鍋15の底面を誘導加熱し、第2の加熱コイル35が、金属板31を誘導加熱することにより炊飯を行う炊飯器を構成する。
第2の加熱コイル35は金属板31を誘導加熱するためにドーナツ状に形成されている。通常、第1の加熱コイル1と第2の加熱コイル35は、形状、ターン数、必要とする電力などが異なるため、インダクタンス、直流抵抗値も異なっている。
図4に示すように、第1の加熱コイル1と第2の加熱コイル35が互いに対向するように配置されている。炊飯器においては、例えば、第1の鍋15を洗う際に、第1の鍋15を外した状態で、使用者が誤って動作させるという誤操作を行ってしまう場合がある。この場合には、第2の加熱コイル35から発生した磁界により、対向して配置された第1の加熱コイル1に高周波電圧が誘起されることがある。また、逆に第2の加熱コイル35から金属板31を外した状態で誤って動作させるという誤操作を行ってしまうこともある。この場合には、第1の加熱コイル1から発生した磁界により第2の加熱コイル35に高周波電圧が誘起されることがある。このように、実施の形態1においては、第1の加熱コイル1と第2の加熱コイル35が対向して配置されており、動作中の一方の加熱コイルにより生じた高周波磁界が、動作停止中の他方の加熱コイルに対して高周波電圧を誘起されやすい構造を有する炊飯器を構成している。
しかしながら、実施の形態2の誘導加熱調理器(炊飯器)においては、前述の実施の形態1において説明したように、制御回路19が第1の同期信号発生回路3、第1の駆動回路4、第2の同期信号発生回路7、第2の駆動回路8、第1の同期信号ブロック回路9、第2の同期信号ブロック回路10、およびパルス発生器20を有して構成されているため、上記のように使用者が誤操作を行ったとしてもパルス発生器20の誤動作を防止することができるものとなる。
なお、パルス発生器20から第2の駆動パルスが出力されているときは、第1の同期信号発生回路から第1のトリガ信号が出力されるのを禁止し、第1の駆動パルスが出力されているときは、第2の同期信号発生回路から第2のトリガ信号が出力されるのを禁止する構成としては、第1の実施の形態の構成に限定されない。例えば、切り替え部24の選択指示命令に基づき、選択されなかった側の同期信号発生回路からトリガ信号が出力されるのを禁止するように構成してもよい。
以上のように、本発明の誘導加熱装置においては、同期信号発生回路および同期信号ブロック回路が複数の加熱コイルのそれぞれの制御に設けられており、同期信号発生回路のそれぞれが出力するトリガ信号の論理和でインバータ回路に対する駆動信号を生成する構成を有している。この構成において、本発明の誘導加熱装置は、一方の加熱コイルが動作中においては、他方の動作停止中の加熱コイルに誘起された高周波電圧によりインバータ回路のスイッチング素子が誤動作をすることを確実に防止することが可能であり、外部ノイズが動作停止中の加熱コイルに誘起されて、同期信号発生回路が誤検知しても、同期信号ブロック回路の動作によりスイッチング素子の誤動作を防止することが可能となる。
本発明の誘導加熱調理器は、動作停止中の加熱コイルに高周波電圧が誘起されて同期信号発生回路が誤検知しても、インバータ回路のスイッチング素子が誤動作することを確実に防止することができるため、複数の加熱コイルを備えた各種用途の誘導加熱装置に適用できる。
1 第1の加熱コイル
2 第1のインバータ回路
3 第1の同期信号発生回路
4 第1の駆動回路
5 第2の加熱コイル
6 第2のインバータ回路
7 第2の同期信号発生回路
8 第2の駆動回路
9 第1の同期信号ブロック回路
10 第2の同期信号ブロック回路
11 第1の共振コンデンサ
12 第1のスイッチング素子
13 第2の共振コンデンサ
14 第2のスイッチング素子
15 第1の鍋
16 第2の鍋
17 交流電源
18 直流電源
19 制御回路
20 パルス発生器
24 切り替え部
30 蓋
31 金属板
32 本体
35 第2の加熱コイル

Claims (3)

  1. 直流電源と、
    第1の被加熱物を誘導加熱する第1の加熱コイルと、
    前記第1の加熱コイルと第1の共振回路を構成する第1の共振コンデンサと、
    導通と遮断を繰り返すことにより、前記直流電源から入力した直流電流を高周波電流に変換し前記第1の被加熱物に高周波電力を供給する第1のスイッチング素子と、
    前記第1の共振回路に発生する共振電圧を検知して第1のトリガ信号を出力する第1の同期信号発生回路と、
    前記第1のスイッチング素子を駆動する第1の駆動回路と、
    第2の被加熱物を誘導加熱する第2の加熱コイルと、
    前記第2の加熱コイルと第2の共振回路を構成する第2の共振コンデンサと、
    導通と遮断を繰り返すことにより、前記直流電源から入力した直流電流を高周波電流に変換し前記第2の被加熱物に高周波電力を供給する第2のスイッチング素子と、
    前記第2の共振回路に発生する共振電圧を検知して第2のトリガ信号を出力する第2の同期信号発生回路と、
    前記第2のスイッチング素子を駆動する第2の駆動回路と、
    前記第1の駆動回路と前記第2の駆動回路のいずれか一方を選択する切り替え部と、
    前記第1のトリガ信号または前記第2のトリガ信号が入力されたとき、前記切り替え部において選択された前記第1の駆動回路または前記第2の駆動回路に対して第1の駆動パルスまたは第2の駆動パルスの出力を開始し、当該出力が開始された前記第1の駆動パルスまたは前記第2の駆動パルスのパルス幅を制御するパルス発生器と、
    前記パルス発生器から前記第2の駆動回路に第2の駆動パルスが出力されたことを検知したとき、前記第1の同期信号発生回路から前記パルス発生器に出力する第1のトリガ信号を無効化する第1の同期信号ブロック回路、または前記パルス発生器から前記第1の駆動回路に前記第1の駆動パルスが出力されたことを検知したとき、前記第2の同期信号発生回路から前記パルス発生器に出力する第2のトリガ信号を無効化する第2の同期信号ブロック回路の少なくともいずれか一方の同期信号ブロック回路と、
    を具備する誘導加熱装置。
  2. 直流電源と、
    第1の被加熱物を誘導加熱する第1の加熱コイルと、
    前記第1の加熱コイルと第1の共振回路を構成する第1の共振コンデンサと、
    導通と遮断を繰り返すことにより、前記直流電源から入力した直流電流を高周波電流に変換し前記第1の被加熱物に高周波電力を供給する第1のスイッチング素子と、
    前記第1の共振回路に発生する共振電圧を検知して第1のトリガ信号を出力する第1の同期信号発生回路と、
    前記第1のスイッチング素子を駆動する第1の駆動回路と、
    第2の被加熱物を誘導加熱する第2の加熱コイルと、
    前記第2の加熱コイルと第2の共振回路を構成する第2の共振コンデンサと、
    導通と遮断を繰り返すことにより、前記直流電源から入力した直流電流を高周波電流に変換し前記第2の被加熱物に高周波電力を供給する第2のスイッチング素子と、
    前記第2の共振回路に発生する共振電圧を検知して第2のトリガ信号を出力する第2の同期信号発生回路と、
    前記第2のスイッチング素子を駆動する第2の駆動回路と、
    前記第1の駆動回路と前記第2の駆動回路のいずれかを選択する切り替え部と、
    前記第1のトリガ信号または前記第2のトリガ信号が入力されたとき、前記切り替え部において選択された前記第1の駆動回路または前記第2の駆動回路に対して第1の駆動パルスまたは第2の駆動パルスの出力を開始し、当該出力が開始された前記第1の駆動パルスまたは前記第2の駆動パルスのパルス幅を制御するパルス発生器と、
    前記パルス発生器が前記第2の駆動回路に第2の駆動パルスを出力しているとき、前記第1の同期信号発生回路から前記第1のトリガ信号が出力されるのを禁止する第1の同期信号ブロック回路、または前記パルス発生器が前記第1の駆動回路に前記第1の駆動パルスを出力しているとき、前記第2の同期信号発生回路から前記第2のトリガ信号が出力されるのを禁止する第2の同期信号ブロック回路の少なくともいずれか一方の同期信号ブロック回路と、を具備し、
    前記第1の同期信号ブロック回路は、前記第2の駆動パルスが入力されたときの充電電圧によりトランジスタを駆動して前記第1の同期信号発生回路に対して第1のトリガ信号の出力を禁止する禁止信号を出力し、
    前記第2の同期信号ブロック回路は、前記第1の駆動パルスが入力されたときの充電電圧によりトランジスタを駆動して前記第2の同期信号発生回路に対して第2のトリガ信号の出力を禁止する禁止信号を出力するよう構成された、誘導加熱装置。
  3. 前記第1の被加熱物である鍋を収納する本体を備え、
    前記本体は前記第1の被加熱物の開口部を覆う蓋を備え、
    前記蓋は前記第2の被加熱物である金属板を備え、
    前記第2の加熱コイルは、前記蓋を閉めたとき前記金属板の上方に位置するように設けられ、前記第1の加熱コイルが前記鍋の底面を誘導加熱し、前記第2の加熱コイルが前記金属板を誘導加熱することにより炊飯を行う炊飯器を構成する請求項1または2に記載の誘導加熱装置。
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