以下に、本発明に係る配索装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能、且つ、容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
〔実施形態1〕
図1は、実施形態1に係る配索装置の斜視図である。なお、以下の説明では、配索装置1の通常の使用状態時における上下方向を、配索装置1の上下方向として説明し、配索装置1が有する治具板12の配索面13を正面に見た際における左右方向を、配索装置1の左右方向として説明する。また、図1では、連なった2つの配索装置1が図示されているが、以下の説明では1つの配索装置1について説明する。図1に示す2つの配索装置1は、共に下記で説明する形態で構成されている。
実施形態1に係る配索装置1は、ワイヤーハーネスを構成する長尺部材である複数の電線51を仮に保持する保持部材である竿40と、竿40で保持した電線51を配索面13に移し替えることにより、電線51を所望の配置形態にする組立台10とを有している。なお、図1等では、竿40は簡略して図示している。このうち、組立台10は、当該組立台10の本体部分である組立台本体11に、治具板12が取り付けられることにより構成されている。治具板12は、ワイヤーハーネスを配索して組み立てるための治具である。
詳しくは、治具板12は、略矩形状の板状の形状で形成されており、一方の面が、概ね水平方向を向きつつ僅かに上方を向く斜めに傾斜した向きで、組立台10の表面の一部をなすように組立台10の側面に取り付けられている。治具板12は、当該治具板12における、組立台10の表面の一部をなす面が、配索面13として設けられている。配索面13は、竿40で保持した電線51を移し替えることにより、電線51を所望の配索形態にする面である。
図2は、図1のA−A矢視図である。配索面13には、電線51を受けることが可能な受け部材16が設けられており、電線51を受け部材16で受けることにより、電線51を配置して配索することが可能になっている。受け部材16としては、例えば、竿40で保持する電線51の端部に接続されるコネクタ52(図3参照)を受けるコネクタ受け部17や、電線51を結わくことにより配索面13上に電線51を保持する部材である結わき具18等が用いられる。これらのコネクタ受け部17や結わき具18等の受け部材16は、竿40で保持する電線51を、所望の配置形態で配索面13上に配索することができる位置に配設されている。
また、配索装置1は、組立台10に対して移動自在に竿40を保持する竿移動機構20を有している。この竿移動機構20は、竿40を組立台10の配索面13に対向させた状態で竿40を保持する竿保持部21を有しており、竿保持部21で保持した竿40を、組立台10に対して上下方向と左右方向とに自在に移動させることが可能になっている。
詳しくは、竿移動機構20は、左右方向に延びると共に竿保持部21を有し、竿40を左右方向に移動自在に保持する横部材22と、上下方向に延びると共に横部材22を上下方向に移動自在に保持する縦部材23と、を備えている。このうち、縦部材23は、組立台10における治具板12の左右方向の両端付近にそれぞれ配設され、上下方向に延びつつ、治具板12の傾斜に合わせて治具板12に沿って傾斜して設けられている。つまり、縦部材23は、傾斜する配索面13に沿って傾斜する上下方向に延在している。
横部材22は、治具板12の配索面13に対向する位置に設けられて左右方向に延在し、左右の両端が、治具板12の左右方向の両端付近に配設される縦部材23にそれぞれ連結されている。横部材22は、縦部材23に沿った方向に移動可能に縦部材23に対して連結されており、これにより縦部材23は、横部材22を配索面13に沿った上下方向に移動自在に保持している。即ち、縦部材23はレール状の部材として形成され、縦部材23に連結される横部材22を配索面13に沿った上下方向に移動自在に保持している。
また、横部材22には、着脱自在に竿40を保持する竿保持部21が設けられており、竿保持部21は、横部材22に沿った方向に移動可能になっている。即ち、横部材22はレール状の部材として形成され、竿保持部21は、レール状の横部材22に沿って左右方向に移動可能になっている。これにより、横部材22は、竿保持部21によって竿40を保持することにより、竿40を左右方向に移動自在に保持することができる。竿移動機構20は、これらのように竿40を横部材22によって左右方向に移動自在に保持し、この横部材22を縦部材23によって配索面13に沿った上下方向に移動自在に保持することにより、竿40を組立台10に対して配索面13に沿って平行な上下方向と左右方向とに移動自在に保持することが可能になっている。
また、組立台10には、配索面13における、竿移動機構20で保持する竿40よりも下方側を覆う保護シート30が設けられている。この保護シート30は、配索面13の左右方向において、竿移動機構20によって移動が可能な竿40が位置することができる範囲で配索面13を覆っており、上端が竿移動機構20の横部材22に連結されている。即ち、横部材22は、竿移動機構20において竿40と共に上下方向に移動する上下動部材として設けられており、保護シート30は、この上下動部材である横部材22に上端が連結されている。これにより、保護シート30は、横部材22の上下方向への移動に伴って上下移動することが可能になっている。
また、配索面13の下方、具体的には、傾斜している治具板12の下端部分の下方には、保護シート30を巻き取る巻取り機構31が配設されている。保護シート30は、この巻取り機構31から上方に露出して、上端が横部材22に連結されている。一方、巻取り機構31は、スプリング等の付勢部材(図示省略)を内設して保護シート30を巻き取ることが可能になっており、保護シート30に対して、保護シート30を下方に向かわす方向の付勢力を付与している。このため、巻取り機構31は、横部材22の上下方向への移動に伴って上下移動する保護シート30のうち、下方に移動することによって巻取り機構31に近付いた部分を巻き取ることが可能になっている。
このように、巻取り機構31によって巻き取られる保護シート30は、横部材22が上方に移動した際には、横部材22の移動分、巻取り機構31から引っ張り出され、横部材22が下方に移動した際には、横部材22の移動分、巻取り機構31によって巻き取られる。従って、保護シート30は、配索面13に沿った横部材22の上下方向の移動、即ち、竿移動機構20による竿40の上下方向への移動に伴い、配索面13を覆う領域を上下方向に増減して配索面13を覆うことが可能になっている。巻取り機構31は、このように配索面13を覆う領域が増減する保護シート30を下方に移動させることによって、配索面13を覆う領域を減少させる際に、保護シート30を巻き取る。
図3は、図1に示す竿の斜視図である。竿40は、竿本体41と挟持部材43とを備えている。竿本体41は、一方向に延びる部材になっており、竿40を竿移動機構20の横部材22に取り付けた際に、横部材22に沿って左右方向に延在する部材として設けられている。挟持部材43は、竿本体41の一面に設けられており、竿40を竿移動機構20の横部材22に取り付けた場合における竿本体41の上面に設けられている。
挟持部材43は、開口方向が竿本体41の長手方向になると共に開口側が下を向くU字状の部材が、竿本体41の長手方向に連なって多数設けられる形状で形成されている。この挟持部材43は、合成樹脂等の材料からなることにより弾性変形が可能に設けられている。このため、挟持部材43は、コネクタ52が電線51に接続されたサブハーネス50における電線51を、挟持部材43において隣り合うU字状の部分の間に圧入することにより、サブハーネス50を挟持することが可能になっている。
また、竿本体41における挟持部材43が配設されている側の面の反対側には、竿移動機構20の横部材22に設けられる竿保持部21に対して着脱することができる取付部42が設けられている。このため、竿40は、取付部42を竿保持部21に取り付けることにより、挟持部材43が上面側に位置する向きで、竿保持部21に取り付けることが可能になっている。
本実施形態1に係る配索装置1は、以上のような構成からなり、以下、その作用について説明する。本実施形態1に係る配索装置1でワイヤーハーネスを組み立てる際には、作業者Wは、端子やコネクタ52を電線51に接続して、複数のサブハーネス50を組み立て、そのサブハーネス50の電線51を、竿40の挟持部材43で挟持させることにより、複数の電線51を竿40で仮に保持させる。詳しくは、各サブハーネス50は、電線51の両端部分付近の位置を、竿40の挟持部材43で挟持させる。これにより、各サブハーネス50は、電線51の両端部分付近が竿40で仮に保持され、電線51における両端の間の部分は、竿40から垂れ下がった状態になる。その際に、竿40で保持する複数の電線51は、竿40を上方から見た場合の幅方向において、全て同じ方向側に垂れ下がるようにする。これにより、竿40には、竿40の幅方向における一端側から各サブハーネス50の電線51が垂れ下がり、他端側に各サブハーネス50のコネクタ52が位置する向きで、複数のサブハーネス50を保持させる(図3参照)。竿40でサブハーネス50を保持させたら、作業者Wはサブハーネス50を保持している状態の竿40を配索装置1に移動させ、竿移動機構20の竿保持部21に取り付ける。
図4は、配索装置を用いてワイヤーハーネスの配索を行う際の説明図である。竿40を竿移動機構20の竿保持部21に取り付ける場合には、竿40の幅方向において電線51が垂れ下がっている側が、配索面13側に位置する向きで取り付ける。これにより、竿40で保持する電線51における竿40から垂れ下がっている部分は、竿40と配索面13との間に位置する状態になる。配索装置1の配索面13に配設されている複数の受け部材16は、配索面13上でサブハーネス50を配索することによってワイヤーハーネスを組み立てる際に、サブハーネス50のコネクタ52等と連結することにより電線51を所望の配索形態にすることができる位置に配設されている。
このため、竿40を竿移動機構20の竿保持部21に取り付けたら、作業者Wは、竿40で保持しているサブハーネス50のうち任意のサブハーネス50を配索する際に、配索面13上において当該サブハーネス50を受けてサブハーネス50を支持する受け部材16の近くの位置まで、竿移動機構20によって竿40を移動させる。即ち、横部材22に沿って竿40を左右方向に移動させたり、縦部材23に沿って横部材22を上下方向に移動させたりすることにより、横部材22の竿保持部21に取り付けられている竿40を、配索面13上の任意の位置まで移動させる。
竿40を任意の位置に移動させ、任意のサブハーネス50を、当該サブハーネス50と連結する受け部材16の近くの位置まで移動させたら、当該サブハーネス50を竿40の挟持部材43から取り外し、配索面13上の受け部材16で受けさせる。つまり、サブハーネス50が有するコネクタ52を、配索面13上のコネクタ受け部17に結合してコネクタ受け部17で受けさせたり、サブハーネス50が有する電線51を結わき具18に結わいて結わき具18で受けさせたりする。その際に、竿40で保持するサブハーネス50は、竿40から電線51における垂れ下がっている部分が竿40と配索面13との間に位置する状態になっているため、電線51を、竿40を跨がらせることなく、配索面13側に移動させて受け部材16で受けさせることができる。これにより、任意のサブハーネス50を配索面13に移し替えて、サブハーネス50を配索面13に配索する。竿40で仮に保持しているサブハーネス50を配索面13に配索する際には、このように竿40を上下左右に移動させることにより、サブハーネス50を、配索面13上における、当該サブハーネス50と連結する受け部材16の近くまで移動させてから、竿40から取り外して配索する。
このように、1つのサブハーネス50の配索が完了したら、竿40が有する複数のサブハーネス50のうち他のサブハーネス50について、当該サブハーネス50を受ける受け部材16の近くの位置まで竿40を移動させて、受け部材16で受けさせることにより、このサブハーネス50を配索面13上に配索する。これらを順に繰り返すことにより、竿40で仮に保持しているサブハーネス50を、全て配索面13上に配索する。
ワイヤーハーネスを組み立てる際には、このように複数のサブハーネス50を竿40で仮に保持した状態で行うが、竿40で保持するサブハーネス50は、電線51が竿40から垂れ下がった状態で竿40に保持されている。一方、配索装置1の配索面13における竿40よりも下方側の部分は、保護シート30によって覆われており、保護シート30は、上端が竿移動機構20の横部材22に連結され、横部材22の配索面13に沿った上下方向への移動に伴って上下移動することが可能になっている。
つまり、竿移動機構20によって竿40を上方側に移動させた際には、保護シート30は横部材22によって引っ張られることにより巻取り機構31から引き出され、配索面13における、上方に移動した竿40よりも下方側の部分を覆う状態になる。また、竿移動機構20によって竿40を下方側に移動させた際には、保護シート30は横部材22と共に下方に移動して巻取り機構31に巻き取られ、配索面13における、竿40よりも下方側の部分のみを覆う状態になる。
配索面13は、このように竿40の位置に関わらず、竿40よりも下方側の部分が保護シート30によって覆われるため、竿40で保持するサブハーネス50における、竿40から垂れ下がった部分の電線51と、配索面13との間には、保護シート30が介在する状態になる。このため、竿移動機構20によって竿40を移動させる場合、竿40は、竿40から垂れ下がった電線51を、配索面13に設けられる結わき具18等の受け部材16に接触させることなく移動させることができる。これにより、電線51が受け部材16に引っ掛かることなく竿40を移動させることができる。作業者Wは、これらのようにしてワイヤーハーネスを組み立てることのできる配索装置1を、各作業工程に沿って作業場所を巡回させ、各作業場所で作業工程に応じたワイヤーハーネスを組み立てる。
以上の実施形態1に係る配索装置1は、電線51を仮に保持する保持部材である竿40と、電線51を受ける受け部材16が設けられて電線51を受け部材16で受けることにより電線51を配置する配索面13を有し、竿40で保持した電線51を配索面13に移し替えることにより、電線51を所望の配置形態にする組立台10と、竿40を組立台10の配索面13に対向させ、組立台10に対して上下方向と左右方向とに移動自在に竿40を保持する保持部材移動機構である竿移動機構20と、組立台10の配索面13における、竿移動機構20で保持する竿40よりも下方側を覆い、竿移動機構20による竿40の上下方向への移動に伴い、配索面13を覆う領域を上下方向に増減して配索面13を覆う保護シート30と、を備えている。これにより、電線51を配索面13に移し替える際に、電線51を仮に保持している竿40を、竿移動機構20によって受け部材16の近くまで移動させることができ、電線51を配索面13に移し替える際に、遠い距離を移動させることに起因して、他の電線51を引っ掛けてしまうことを抑制できる。また、配索面13における、竿40よりも下方側を保護シート30で覆うため、竿40から垂れ下がっている電線51が、配索面13に設けられる受け部材16に引っ掛かり、他の電線51に絡んでしまうことを抑制できる。これらの結果、電線51の絡まりを抑制することができる。
また、竿40で保持する長尺部材は電線51であるため、竿40を竿移動機構20によって受け部材16の近くまで移動させることにより、電線51を受け部材16に近い位置で、竿40から配索面13に移し替えることができる。この結果、電線51を配索面13に移し替える際に、他の電線51を引っ掛けてしまうことを抑制することができ、電線51の絡まりを、より確実に抑制することができる。
また、竿移動機構20は、さらに、組立台10に対して左右方向に移動自在に竿40を保持し、保護シート30は、配索面13の左右方向において竿40が位置することができる範囲で配索面13を覆うため、竿40の位置に関わらず、より確実に竿40よりも下方側を保護シート30で覆うことができる。この結果、竿40から垂れ下がっている電線51が、配索面13に設けられる受け部材16に引っ掛かることを、より確実に抑制でき、電線51の絡まりを抑制することができる。
また、保護シート30で配索面13を覆う領域を減少させる際に保護シート30を巻き取る巻取り機構31を備えるため、保護シート30において配索面13を覆うことに用いない部分を、巻取り機構31によって巻き取ることができる。これにより、竿40が比較的下方に位置する場合でも、保護シート30が床面に接触することを防止でき、床面の埃等が配索面13上の電線51等に付着することを防止することができる。この結果、保護シート30で配索面13を覆う場合における使い勝手を向上させることができる。
また、保護シート30は、竿移動機構20において竿40と共に上下方向に移動する横部材22に上端が連結されているため、竿40の上下方向への移動に伴って、配索面13を覆う領域をより確実に上下方向に増減することができる。これにより、竿40から配索面13への電線51の移動作業を妨げることなく、竿40から垂れ下がっている電線51が配索面13に設けられる受け部材16に引っ掛かって、他の電線51に絡んでしまうことを、より確実に抑制することができる。この結果、電線51の絡まりを、より確実に抑制することができる。
また、竿移動機構20は、左右方向に延びると共に竿40を左右方向に移動自在に保持する横部材22と、上下方向に延びると共に横部材22を上下方向に移動自在に保持する縦部材23と、を備えるため、竿40を所望の位置に移動させることのできる構造を容易に実現できる。この結果、電線51を仮に保持している竿40を、受け部材16の近くまで容易に移動させることが可能になり、電線51の絡まりを、容易に抑制することができる。
また、竿40を竿移動機構20の竿保持部21に取り付ける際には、電線51が垂れ下がっている側が配索面13側に位置する向きで取り付けることにより、竿40を跨がらせることなく、電線51を配索面13側に移動させることができるため、電線51を配索面13に移動させる際の作業性を向上させることができる。この結果、電線51の絡まりを、より確実に抑制することができ、また、サブハーネス50の配索作業時における作業性を向上させることができる。
〔実施形態2〕
実施形態2に係る配索装置70は、実施形態1に係る配索装置1と略同様の構成であるが、竿移動機構71が枠状に構成されている点に特徴がある。他の構成は実施形態1と同様なので、その説明を省略すると共に、同一の符号を付す。
図5は、実施形態2に係る配索装置の斜視図である。実施形態2に係る配索装置70は、実施形態1に係る配索装置1と同様に、竿40を竿移動機構71に取り付けることにより、組立台10が有する配索面13に対して竿40を配索面13に沿った上下方向と左右方向とに自在に移動させることが可能になっている。この実施形態2に係る配索装置70では、竿移動機構71は、外枠72と内枠75との2つの枠状の部材を組み合わせることにより構成されている。
このうち、外枠72は、略矩形状に形成される治具板12の外周部と同等な形状の枠状に形成されており、治具板12における配索面13側に、配索面13の外周に沿って配設されている。即ち、外枠72は、左右方向に延びる2本の外枠横部材73が、配索面13の上下の辺に沿って配設され、配索面13に沿った上下方向に延びる2本の外枠縦部材74が、配索面13の左右の辺に沿って配設されると共に、両端が2本の外枠横部材73の端部に接続されている。
また、内枠75は、左右方向に延びて平行に配設される2本の内枠横部材76と、配索面13に沿った上下方向に延びる2本の内枠縦部材77とより、略矩形の枠状の形状で形成されている。このうち、内枠縦部材77は、外枠縦部材74とほぼ同じ長さで形成されているのに対し、内枠横部材76は、外枠横部材73よりも長さが大幅に短くなっており、内枠横部材76は、竿40の長さと同程度の長さになっている。このように構成される内枠75は、内枠横部材76が外枠横部材73の延在方向に沿って左右方向に移動自在に外枠横部材73に取り付けられている。このため、内枠75は、内枠75全体が外枠72に対して左右方向に移動自在に外枠72に取り付けられている。
また、内枠75には、竿40を着脱自在に保持する竿保持部78が設けられている。竿保持部78は、内枠横部材76と同程度の長さで左右方向に延び、内枠横部材76と平行な向きに配設されて両端が内枠縦部材77に取り付けられている。また、竿保持部78は、内枠縦部材77に沿って上下方向に移動自在に内枠縦部材77に取り付けられている。これにより、竿保持部78に竿40を取り付けた際には、内枠75は、竿40を配索面13に沿った上下方向に移動自在に保持する状態になる。このため、換言すると、内枠75の内枠縦部材77は、上下方向に延びると共に竿40を上下方向に移動自在に保持する縦部材として設けられている。
また、内枠75は、左右方向に移動自在に外枠横部材73に取り付けられているため、換言すると、竿保持部78に竿40を取り付けて内枠75で竿40を保持する状態では、外枠横部材73は、左右方向に延びると共に内枠縦部材77を左右方向に移動自在に保持する横部材として設けられている。竿移動機構71は、これらのように竿40を配索面13に沿った上下方向に移動自在に保持する内枠縦部材77と、内枠縦部材77を左右方向に移動自在に保持する外枠横部材73とを備えることにより、竿40を組立台10に対して配索面13に沿った上下方向と左右方向とに移動自在に保持することが可能になっている。
また、実施形態2に係る配索装置70では、保護シート30は、左右方向における幅が竿保持部78の左右方向における幅と同程度の幅になっており、上端が竿保持部78に連結されている。即ち、竿保持部78は、竿移動機構71において竿40と共に上下方向に移動する上下動部材として設けられており、保護シート30は、この上下動部材である竿保持部78に、上端が連結されている。また、巻取り機構31も保護シート30と同様に、左右方向における幅が竿保持部78の左右方向における幅と同程度の幅になっており、竿保持部78の下方に配設されている。詳しくは、巻取り機構31は、内枠75の下方に配設されており、内枠75に取り付けられている。
このため、巻取り機構31は、外枠72に対して内枠75が左右方向に移動した際には、内枠75と共に左右方向に移動可能になっている。これらにより、巻取り機構31と保護シート30は、竿保持部78で竿40を保持した際には、竿40の左右方向における移動と共に左右方向に移動可能になっている。従って、保護シート30は、竿40の位置に関わらず、配索面13における竿40の下方側を覆うことができ、竿40の左右方向における幅と同じ幅で、配索面13を覆う。
本実施形態2に係る配索装置70は、以上のような構成からなり、以下、その作用について説明する。本実施形態2に係る配索装置70でワイヤーハーネスを組み立てる際には、実施形態1に係る配索装置1でワイヤーハーネスを組み立てる場合と同様に、電線51にコネクタ52等が接続された複数のサブハーネス50を保持する竿40を、竿移動機構71の竿保持部78に取り付ける。
作業者Wは、竿40で保持しているサブハーネス50に合わせて、竿移動機構71によって竿40を配索面13に沿った上下方向や左右方向に移動させることにより、竿40を配索面13上の任意の位置まで移動させる。即ち、竿40を配索面13に沿った上下方向に移動させる際には、竿40が取り付けられている竿保持部78を、内枠縦部材77に沿って上下方向に移動させる。また、竿40を左右方向に移動させる際には、竿40が取り付けられている内枠75を、外枠横部材73に沿って左右方向に移動させる。作業者Wは、このように竿移動機構71を動作させることにより、竿40を配索面13上の任意の位置に移動させる。
竿40を任意の位置に移動させたら、竿40で保持する複数のサブハーネス50のうち、竿40を移動させる際の目的となっていたサブハーネス50を竿40から取り外して配索面13に移し替え、配索面13上の受け部材16で受けさせる。これにより、配索面13に配索するサブハーネス50は、配索面13上における、当該サブハーネス50を受ける受け部材16の近くに位置させた状態で、竿40から取り外して配索する。サブハーネス50を配索面13に配索する際には、これらを順に繰り返すことにより、竿40で仮に保持しているサブハーネス50を、全て配索面13上に配索する。
また、配索装置70の配索面13における竿40よりも下方側の部分は、竿40の左右方向における幅と同じ幅で保護シート30によって覆われている。この保護シート30は、上端が竿移動機構71の竿保持部78に連結され、竿保持部78の上下方向への移動に伴って上下移動することが可能になっており、また、竿保持部78の左右方向への移動に伴って左右移動することが可能になっている。
このため、配索面13は、竿40の位置に関わらず、竿40よりも下方側の部分が保護シート30によって覆われることになり、竿40で保持するサブハーネス50における、竿40から垂れ下がった部分の電線51と、配索面13との間には、竿40の位置に関わらず保護シート30が介在する状態になる。これにより、竿移動機構71によって竿40を移動させる場合、竿40は、竿40から垂れ下がった電線51を、配索面13に設けられる結わき具18等の受け部材16に接触させることなく移動させることができる。
以上の実施形態2に係る配索装置70では、竿移動機構71は、さらに、組立台10に対して左右方向に移動自在に竿40を保持し、保護シート30は、竿40の左右方向における幅と同じ幅で配索面13を覆うため、保護シート30の使用量を少なくすることができ、製造コストを低減することができる。また、保護シート30の使用量が少ないため、竿40を上方に移動させる場合でも、上方に引っ張り上げる保護シート30の重量を少なくすることができ、竿40を移動させる際に必要な操作力を軽減することができる。これらの結果、製造コストの上昇を抑え、ワイヤーハーネスの配索時に必要な操作力を抑えつつ、電線51の絡まりを抑制することができる。
また、竿移動機構71は、上下方向に延びると共に竿40を上下方向に移動自在に保持する内枠縦部材77と、左右方向に延びると共に内枠縦部材77を左右方向に移動自在に保持する外枠横部材73と、を備えるため、竿40を所望の位置に移動させることのできる構造を容易に実現できる。この結果、電線51を仮に保持している竿40を、受け部材16の近くまで容易に移動させることが可能になり、電線51の絡まりを、容易に抑制することができる。
〔実施形態3〕
実施形態3に係る配索装置80は、実施形態1に係る配索装置1と略同様の構成であるが、竿移動機構81を構成する移動部材が、片持ちである点に特徴がある。他の構成は実施形態1と同様なので、その説明を省略すると共に、同一の符号を付す。
図6は、実施形態3に係る配索装置の斜視図である。実施形態3に係る配索装置80は、実施形態1に係る配索装置1と同様に、竿40を竿移動機構81に取り付けることにより、組立台10が有する配索面13に対して竿40を配索面13に沿った上下方向と左右方向とに自在に移動させることが可能になっている。この実施形態3に係る配索装置80では、竿移動機構81は、配索面13に沿った上下方向に延びると共に竿40を配索面13に沿った上下方向に移動自在に保持する縦部材84と、左右方向に延びると共に縦部材84を左右方向に移動自在に保持する横部材83と、を備えている。
具体的には、横部材83は、略矩形状の治具板12の上方に配設され、治具板12の左右方向の長さよりも若干長い長さで、矩形の上側の辺に沿って左右方向に延在している。また、縦部材84は、治具板12の配索面13側に位置し、配索面13の傾斜に沿った略上下方向に延在し、横部材83に沿って左右方向に移動可能に上端が横部材83に連結されている。この縦部材84は、治具板12の上下方向の長さよりも長く形成されて治具板12の下方側にまで延び、下端部には保護シート30の巻取り機構31が連結されている。
また、縦部材84には、竿40を着脱することができる竿保持部82が、当該縦部材84に沿って上下方向に移動可能に連結されている。竿保持部82は、縦部材84から左右方向における一方向に延びて形成されており、換言すると、竿保持部82は、左右方向に延在すると共に、左右方向の一端が、縦部材84に沿って上下方向に移動可能に縦部材84に連結されている。この竿保持部82の左右方向における長さは、竿40の長さと同程度の長さになっている。竿移動機構81は、竿40を保持する竿保持部82が、このように配索面13に沿った上下方向に移動自在に縦部材84に連結され、縦部材84が左右方向に移動自在に横部材83に連結されることにより、竿40を組立台10に対して配索面13に沿った上下方向と左右方向とに移動自在に保持することが可能になっている。
また、保護シート30は、左右方向における幅が、竿保持部82の左右方向における長さと同程度の長さになっており、上端が竿保持部82に連結されている。即ち、竿保持部82は、竿移動機構81において竿40と共に上下方向に移動する上下動部材として設けられており、保護シート30は、この上下動部材である竿保持部82に、上端が連結されている。縦部材84の下端に連結される巻取り機構31は、左右方向において竿保持部82が縦部材84から延びる方向と同じ方向に縦部材84から延びて配設されており、巻取り機構31によって巻き取られる保護シート30は、巻取り機構31と竿保持部82との間にかけて設けられている。これにより、保護シート30は、配索面13における、竿移動機構81で保持する竿40よりも下方側を、竿40の左右方向における幅とほぼ同じ幅で覆っている。また、保護シート30は、竿保持部82が上下方向に移動することにより、巻取り機構31からの引き出し量が変化するため、保護シート30は、竿保持部82による竿40の上下方向への移動に伴い、配索面13を覆う領域が上下方向に増減するように配索面13を覆っている。
本実施形態3に係る配索装置80は、以上のような構成からなり、以下、その作用について説明する。本実施形態3に係る配索装置80でワイヤーハーネスを組み立てる際には、実施形態1に係る配索装置1でワイヤーハーネスを組み立てる場合と同様に、電線51にコネクタ52等が接続された複数のサブハーネス50を保持する竿40を、竿移動機構81の竿保持部82に取り付ける。
作業者Wは、竿40で保持しているサブハーネス50に合わせて、竿移動機構81によって竿40を配索面13に沿った上下方向や左右方向に移動させることにより、竿40を配索面13上の任意の位置まで移動させる。即ち、竿40を配索面13に沿って上下方向に移動させる際には、竿40が取り付けられている竿保持部82を、縦部材84に沿って上下方向に移動させる。また、竿40を左右方向に移動させる際には、竿保持部82と共に縦部材84を横部材83に沿って左右方向に移動させる。作業者Wは、このように竿移動機構81をさせることにより、竿40を配索面13上の任意の位置に移動させる。
竿40を任意の位置に移動させたら、竿40で保持する複数のサブハーネス50のうち、竿40を移動させる際の目的となっていたサブハーネス50を竿40から取り外して配索面13に移し替え、配索面13上の受け部材16で受けさせる。これにより、配索面13に配索するサブハーネス50は、配索面13上における、当該サブハーネス50を受ける受け部材16の近くに位置させた状態で、竿40から取り外して配索する。サブハーネス50を配索面13に配索する際には、これらを順に繰り返すことにより、竿40で仮に保持しているサブハーネス50を、全て配索面13上に配索する。
また、配索装置80の配索面13における竿40よりも下方側の部分は、竿40の左右方向における幅とほぼ同じ幅で保護シート30によって覆われている。この保護シート30は、上端が竿移動機構81の竿保持部82に連結され、竿保持部82の配索面13に沿った上下方向への移動に伴って上下移動することが可能になっており、また、竿保持部82の左右方向への移動に伴って左右移動することが可能になっている。
このため、配索面13は、竿40の位置に関わらず、竿40よりも下方側の部分が保護シート30によって覆われることになり、竿40で保持するサブハーネス50における、竿40から垂れ下がった部分の電線51と、配索面13との間には、竿40の位置に関わらず保護シート30が介在する状態になる。これにより、竿移動機構81によって竿40を移動させる場合、竿40は、竿40から垂れ下がった電線51を、配索面13に設けられる結わき具18等の受け部材16に接触させることなく移動させることができる。
以上の実施形態3に係る配索装置80では、竿移動機構81は、縦部材84に対して配索面13に沿った上下方向に移動する竿保持部82は、一端のみが縦部材84に連結され、横部材83に対して左右方向に移動する縦部材84は、一端のみが横部材83に連結されている。即ち、上下方向や左右方向に移動する部材は、片持ちとなって設けられている。このため、配索装置80を構成する部材の数を少なくすることができ、製造工程も少なくすることができる。この結果、製造コストの低減を図ることができる。
〔変形例〕
なお、実施形態1に係る配索装置1では、竿移動機構20は組立台10に取り付けられているが、竿移動機構20は、組立台10とは分離して設けられていてもよい。図7は、実施形態1に係る配索装置の変形例であり、架台を用いて竿移動機構を設ける場合の斜視図である。配索装置1に竿移動機構20を設ける際には、例えば、図7に示すように、竿移動機構20を配設するための架台90を使用して、配索装置1に設けてもよい。この架台90は、組立台10の周囲を覆うフレーム状の形状で形成し、配索面13の左右両端付近の位置に、竿移動機構20を構成する縦部材23を設ける。左右の縦部材23同士の間には、両端がそれぞれ縦部材23に連結されて縦部材23に対して配索面13に沿った上下方向に移動する横部材22を配設する。また、保護シート30の巻取り機構31は、配索面13の下方の位置で、架台90に取り付ける。これらのように、組立台10とは別体の架台90を用いて竿移動機構20を構成することにより、竿移動機構20が設けられていない配索装置1に対して、容易に竿移動機構20を組み込むことができる。
同様に、実施形態2に係る配索装置70においても、竿移動機構71は、組立台10とは分離して設けられていてもよい。図8は、実施形態2に係る配索装置の変形例であり、架台を用いて竿移動機構を設ける場合の斜視図である。実施形態2に係る配索装置70のような、外枠72と内枠75とを有する竿移動機構71を架台90に組み込む場合には、配索面13の左右両端付近の位置に、外枠72の外枠縦部材74を設け、配索面13の上下両端付近の位置に、外枠72の外枠横部材73を設ける。内枠75は、実施形態2に係る配索装置70と同様に、この外枠72が有する外枠横部材73に対して左右方向に移動可能に、外枠横部材73に連結する。このように、組立台10とは別体の架台90を用いて外枠72を構成し、架台90によって竿移動機構71を構成することにより、竿移動機構71が設けられていない配索装置70に対して、容易に竿移動機構71を組み込むことができる。
また、複数の電線51を仮に保持する竿40は、伸縮自在に構成されていてもよい。竿40は、例えば竿本体41を、竿40の長さ方向に分割された複数の部材より構成してそれぞれの部材に挟持部材43を設け、これらの部材を、竿40の長さ方向にスライド自在に別の部材に連結してもよい。これにより、挟持部材43が設けられている複数の部材同士の間隔を、竿40の長さ方向に変化させることを可能にすることができる。このように、竿40を伸縮できるようにすることにより、竿40で保持するサブハーネス50における配索面13への配置位置が、サブハーネス50の両端で離れている場合でも、サブハーネス50の両端を、配索面13における配置位置に、より近付けることができ、電線51の絡まりをより確実に抑制することができる。
なお、竿40を伸縮可能にする場合には、実施形態1に係る配索装置1が有する竿移動機構20の竿保持部21は、竿40の長さが最大のときにおける長さに合わせて設けられるのが好ましい。同様に、実施形態2に係る配索装置70が有する内枠75や保護シート30、巻取り機構31や、実施形態3に係る配索装置80が有する竿保持部82や保護シート30、巻取り機構31も、竿40の長さが最大のときにおける長さに合わせて設けられるのが好ましい。また、竿40を伸縮させるための構造は、上述した構造以外でもよい。
また、実施形態1に係る配索装置1では、竿移動機構20で保持する保持部材は、複数の電線51を仮に保持する竿40が用いられているが、竿移動機構20で保持する保持部材は、電線51を保持するもの以外であってもよい。図9は、実施形態1に係る配索装置の変形例であり、竿移動機構で保持して配索面に対して移動させる多用途竿の斜視図である。竿移動機構20で保持する保持部材は、電線51以外の部材であり、例えばコルゲートチューブや、プロテクタ、クリップ、キャップ等のワイヤーハーネスに用いる長尺部材であるワイヤーハーネス周辺部材105を保持する多用途竿100であってもよい。多用途竿100は、竿40と同様に、一方向に延びる部材である竿本体101と、竿本体101の一面に設けられて多用途竿100を挟持する挟持部材103と、多用途竿100を竿保持部21に対して着脱することができる取付部102とを有している。これにより、多用途竿100は、竿移動機構20の竿保持部21に対して着脱自在に取り付けることができ、ワイヤーハーネスの組み立て時に、ワイヤーハーネス周辺部材105を配索面13上の任意の位置に移動させながら配索面13に配置することにより、ワイヤーハーネスに容易に組み付けることができる。
また、電線51を保持する竿40は、分割可能に構成されていてもよい。図10は、実施形態1に係る配索装置の変形例であり、分割した竿によって1つの電線を保持する場合の説明図である。竿40は、例えば、図10に示すように、竿移動機構20上で左右方向に分離する第1保持部材である第1竿46と、第2保持部材である第2竿47と、に分離可能に構成されていてもよい。これらの第1竿46と第2竿47とは、ロック機構(図示省略)により、容易に連結と分離とが可能になっており、第1竿46と第2竿47とは、分離した際にはそれぞれ独立して横部材22に沿って左右方向に移動することが可能になっている。
これらのように、竿40を第1竿46と第2竿47とに分離可能にした場合には、この第1竿46と第2竿47とにより、長さが長い1つの電線51である長尺電線55の各端部を保持することができる。これにより、竿40で保持する電線51が、長さが非常に長い長尺電線55である場合でも、第1竿46と第2竿47とを分離させることにより、長尺電線55が床面に接触し、床面に擦って損傷することを防ぐことができる。
また、長尺電線55の各端部を保持する第1竿46と第2竿47とを分離させることにより、1つの長尺電線55を第1竿46と第2竿47とで保持した状態で、第1竿46と第2竿47とを、それぞれ任意の位置に移動させることができる。これにより、複数の作業者Wが、第1竿46で保持されている側の端部と、第2竿47に保持されている側の端部とを、それぞれ配索面13に移し替えることができるため、作業効率の向上を図ることができ、また、特殊なワイヤーハーネスに対応することができる。
また、竿40は、長尺部材としての電線51と共に、電線51以外の部材であるワイヤーハーネス周辺部材105を保持するようにしてもよい。図11は、実施形態1に係る配索装置の変形例であり、分割したそれぞれの竿によって電線とワイヤーハーネス周辺部材を保持する場合の説明図である。竿40で電線51とワイヤーハーネス周辺部材105とを保持する際には、例えば、竿40は第1竿46と第2竿47とに分離可能に構成し、第1竿46と第2竿47とに、電線51とワイヤーハーネス周辺部材105とを、それぞれ保持させても良い。例えば、第1竿46は電線51を保持し、第2竿47はワイヤーハーネス周辺部材105を保持するようにしてもよい。
これにより、電線51とワイヤーハーネス周辺部材105とを、それぞれ配索面13上の所定の組付け箇所まで上下左右に移動させ、配索面13に移動させて簡易に組み付けることができる。また、このように、竿40で電線51とワイヤーハーネス周辺部材105との双方を保持することができるようにすることにより、ワイヤーハーネス周辺部材105を収容するための領域を、配索面13上、またはその近辺に別途設ける必要がないため、配索装置1の簡素化を図ることができる。また、配索面13上、またはその近辺に、ワイヤーハーネス周辺部材105を収容する収容箱が設けてある場合に、予備的にワイヤーハーネス周辺部材105を第2竿47に保持しておくことができる。これにより、収容箱内のワイヤーハーネス周辺部材105が不足する状態になった場合でも、他の保管場所までワイヤーハーネス周辺部材105を取りに行くことに起因する作業効率の低下を抑制することができ、作業効率を向上させることができる。
また、竿移動機構20は、電線51を保持する保持部材としての竿40と、ワイヤーハーネス周辺部材105を保持する保持部材としての多用途竿100とを、独立して保持してもよい。図12は、実施形態1に係る配索装置の変形例であり、竿と多用途竿とをそれぞれ保持する場合の説明図である。例えば、図12に示すように、竿移動機構20は、横部材22として、第1横部材26と第2横部材27とを備え、第1横部材26で左右方向に移動自在に竿40を保持し、第2横部材27で左右方向に移動自在に多用途竿100を保持してもよい。この場合、第1横部材26と第2横部材27とは、共に左右方向に延びて上下方向に並び、それぞれ独立して配索面13に沿った上下方向に移動自在に縦部材23に連結される。また、第1横部材26と第2横部材27とは、第1横部材26が第2横部材27の下方側に位置し、保護シート30は、第1横部材26に上端が連結される。
これらのように、第1横部材26と第2横部材27とを設け、竿40と多用途竿100とをそれぞれ独立して移動自在に保持することにより、竿移動機構20は、それぞれ異なる種類の長尺部材を保持する複数の保持部材として、電線51を保持する竿40と、ワイヤーハーネス周辺部材105を保持する多用途竿100とを保持することができる。これにより、ワイヤーハーネス周辺部材105も、左右方向への多用途竿100の移動と、上下方向への第2横部材27の移動とにより、配索面13上の所定の組付け箇所まで上下動させることができ、簡易に組み付けることができる。また、竿40と多用途竿100とを、竿移動機構20でそれぞれ保持することにより、多用途竿100のワイヤーハーネス周辺部材105を、一旦、竿40上の電線51に組み付けてから、配索面13に移し替えることができる。これにより、竿40から取り外した電線51を配索面13に配索する際に、ワイヤーハーネス周辺部材105を組み付けた後の電線51を配索することができ、様々な形態の部品付き電線51を配索することができる。
また、電線51を保持する保持部材を支持する上下動部材は、2つに分割されていてもよい。図13は、実施形態1に係る配索装置の変形例であり、分割した保持部材である竿を第1上下動部材と第2上下動部材とによって支持する場合の説明図である。変形例としての配索装置は、第1上下動部材が一方の竿を保持し、第2上下動部材が他方の竿を保持する点で実施形態1と異なる。なお、実施形態1と同じ構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
配索装置60は、図13に示すように、保持部材48と、上下動部材61と、縦部材62と、ガイドレール63と、保護シート30と、巻き取り機構31とを備えている。
保持部材48は、複数のサブハーネス50を仮に保持するものである。保持部材48は、第3保持部材である竿48Lと、第4保持部材である竿48Rとがある。竿48Lと竿48Rとは、別体として構成され、竿48Lは、1つのサブハーネス50の長尺電線55の一端を保持し、竿48Rは、当該長尺電線55の他端を保持する。長尺電線55の端部の各々を保持した竿48Lと竿48Rとは、分離した状態で、それぞれ独立して配索面13上を上下左右に移動する。なお、竿48Lと竿48Rとは、連結して1つの保持部材48とすることも可能である。例えば、竿48Lと竿48Rとは、磁石などのロック機構(図示省略)により連結される。
上下動部材61は、保持部材48を左右方向に移動自在に支持するものである。上下動部材61は、第1上下動部材61Lと、第2上下動部材61Rとがある。第1上下動部材61Lは、竿48Lを左右方向に移動自在に支持するものである。第1上下動部材61Lは、棒状に形成され、配索面13の左右方向に延在している。第1上下動部材61Lの上面には、凹部状の溝(図示省略)が左右方向に一端から他端まで形成されている。竿48Lは、凹部状の溝に着脱自在に嵌合され、凹部状の溝に沿って左右方向に移動可能である。第1上下動部材61Lは、縦部材62に上下動自在に連結されている。例えば、第1上下動部材61Lは、外側端部610が連結部材611を介して縦部材62に連結されている。ここで、第1上下動部材61Lの外側端部610は、第1上下動部材61Lの第2上下動部材61Rとは反対側の端部である。第1上下動部材61Lは、縦部材62に沿って上下方向に移動する。
第2上下動部材61Rは、竿48Rを左右方向に移動自在に支持するものである。第2上下動部材61Rは、棒状に形成され、配索面13の左右方向に延在している。第2上下動部材61Rの上面には、凹部状の溝(図示省略)が左右方向に一端から他端まで形成されている。竿48Rは、凹部状の溝に着脱自在に嵌合され、凹部状の溝に沿って左右方向に移動可能である。第2上下動部材61Rは、縦部材62に上下動自在に連結されている。例えば、第2上下動部材61Rは、外側端部610が連結部材611を介して縦部材62に連結されている。ここで、第2上下動部材61Rの外側端部610は、第2上下動部材61Rの第1上下動部材61Lとは反対側の端部である。第2上下動部材61Rは、縦部材62に沿って上下方向に移動する。第1上下動部材61Lの左右方向における長さと第2上下動部材61Rの左右方向における長さとを加算した長さは、組立台10の左右方向における長さよりも短く形成されている。
縦部材62は、上下動部材61を上下方向に案内すると共に、上下動部材61を左右方向に移動させるものである。縦部材62は、第1縦部材62Lと、第2縦部材62Rとがある。第1縦部材62Lは、第1上下動部材61Lを上下方向に案内すると共に、第1上下動部材61Lを左右方向に移動させる。第1縦部材62Lは、縦フレーム620と、横フレーム621と、連結フレーム622とを備えている。縦フレーム620は、棒状に形成され、配索面13の上下方向の上端から下端まで延在している。縦フレーム620は、上下方向に移動自在に第1上下動部材61Lの外側端部610を支持している。例えば、縦フレーム620は、凹部状の溝(図示省略)が上下方向に上端から下端まで形成されている。縦フレーム620に第1上下動部材61Lの外側端部610を連結する連結部材611は、縦フレーム620の凹部状の溝から脱落しないように当該溝に滑動自在に嵌合されている。縦フレーム620と第1上下動部材61Lとの角度は、略直角である。横フレーム621は、棒状に形成され、左右方向に延在している。横フレーム621は、上方側の横フレーム621aと、下方側の横フレーム621bとがある。上方側の横フレーム621aと下方側の横フレーム621bとは、左右方向において同じ方向に延在され、左右方向に略平行に形成されている。上方側及び下方側の横フレーム621は、ガイドレール63に滑動自在に取り付けられ、ガイドレール63に沿って左右方向に移動する。連結フレーム622は、棒状に形成され、治具版12の厚み方向に延在している。連結フレーム622は、上方側の連結フレーム622aと、下方側の連結フレーム622bとがある。上方側の連結フレーム622aは、治具板12の厚み方向に立設した状態で、縦フレーム620の上端と上方側の横フレーム621aの一端とを連結する。下方側の連結フレーム622bは、治具板12の厚み方向に立設した状態で、縦フレーム620の下端と下方側の横フレーム621bの一端とを連結する。上方側の連結フレーム622aと下方側の連結フレーム622bとは、治具板12の厚み方向に略平行に設置されている。縦フレーム620は、連結フレーム622の長さ分だけ治具板12の厚み方向に配索面13から離れている。第1縦部材62Lは、治具板12の厚み方向から見た場合、コの字形状に形成されている。
第2縦部材62Rは、第2上下動部材61Rを上下方向に案内すると共に、第2上下動部材61Rを左右方向に移動させるものである。第2縦部材62Rは、第1縦部材62Lと略同じ構成であり、第1縦部材62Lが左右方向に反転されたものである。第2縦部材62Rは、縦フレーム620と、横フレーム621と、連結フレーム622とを備えている。第2縦部材62Rの縦フレーム620は、上下方向に移動自在に第2上下動部材61Rの外側端部610を支持する。第2縦部材62Rと第1縦部材62Lとは、横フレーム621の他端がお互いに向き合った状態でガイドレール63に取り付けられ、左右方向に間をあけて並んで対向している。第2縦部材62Rの縦フレーム620と第1縦部材62Lの縦フレーム620との間には、第1上下動部材61Lと第2上下動部材61Rとが位置している。
ガイドレール63は、第1縦部材62Lと第2縦部材62Rとを左右方向に案内するものである。ガイドレール63は、治具板12の上下方向における上端部と下端部に設置され、治具板12の左右方向における両端部まで左右方向に延在している。
第1縦部材62Lにより支持された第1上下動部材61Lと、第2縦部材62Rにより支持された第2上下動部材61Rとは、左右方向において連結可能に構成されている。例えば、図14に示すように、第1上下動部材61Lの内側端部612と第2上下動部材61Rの内側端部612とは、連結機構613を備えている。ここで、第1上下動部材61Lの内側端部612は、第1上下動部材61Lの第2上下動部材61R側の端部である。また、第2上下動部材61Rの内側端部612は、第2上下動部材61Rの第1上下動部材61L側の端部である。第1上下動部材61Lと第2上下動部材61Rとの内側端部612には、連結機構613として機能する磁石が設けられている。第1上下動部材61Lと第2上下動部材61Rとの内側端部612に設けられた磁石が結合されることにより、第1上下動部材61Lの内側端部612と第2上下動部材61Rの内側端部612とが連結され、第1上下動部材61Lと第2上下動部材61Rとは、1本の上下動部材61として機能する。なお、連結機構613は、磁石以外に、フックや爪などを用いた連結機構を用いてもよい。
連結機構613により第1上下動部材61Lと第2上下動部材61Rとが連結された状態で、竿48Lは、第1上下動部材61Lと第2上下動部材61Rとに沿って左右方向に移動可能である。また、第1上下動部材61Lと第2上下動部材61Rとが連結された状態で、竿48Rも、第1上下動部材61Lと第2上下動部材61Rに沿って左右方向に移動可能である。なお、第1上下動部材61Lと第2上下動部材61Rとが連結された状態で、竿48Lと竿48Rとは、お互いに連結された状態、つまり1つの保持部材48として、第1上下動部材61Lと第2上下動部材61Rとに沿って左右方向に移動することも可能である。
保護シート30は、配索面13に設けられたコネクタ受け部17等の受け部材16(図2参照)から保持部材48に保持された電線55を保護するものである。保護シート30は、左右方向における幅が上下動部材61の左右方向における幅と同程度の幅に形成されている。保護シート30は、上端が上下動部材61に連結され、上下動部材61の上下動に応じて巻取り機構31から引き出されたり、巻き取られたりする。
巻取り機構31は、スプリング等の付勢部材(図示省略)を内設して保護シート30を巻き取るものである。巻取り機構31は、左右方向における幅が上下動部材61の左右方向における幅と同程度の幅に形成されている。巻取り機構31は、縦部材62の下方側の横フレーム621bに固定されている。巻取り機構31は、縦部材62の左右方向における移動に伴って左右方向に移動する。巻取り機構31は、床面に対して離間させた状態で左右方向に移動するようにしてもよいし、底面にローラー(図示省略)を設けて床面上を左右方向に転がるように移動してもよい。巻取り機構31は、スプリング等の付勢部材(図示省略)を内設し、保護シート30を巻き取り方向に付勢している。これにより、巻き取り機構31は、上下動部材61が上方向に移動されると保護シート30が引き出され、上下動部材61が下方向に移動されると保護シート30を巻き取る。従って、保護シート30は、上下動部材61の上下動に応じて、配索面13を覆う領域を上下方向に増減しつつ上下動部材61の下方領域を覆う。
次に、配索装置60の使用例について説明する。先ず、作業者Wは、作業台(図示省略)で複数のサブハーネス50を保持部材48に保持させる。例えば、作業者Wは、サブハーネス50の長尺電線55の一端を竿48Lに保持させ、当該長尺電線55の他端を竿48Rに保持させる。
次に、作業者Wは、サブハーネス50を保持している保持部材48を配索装置60の上下動部材61に取り付ける。例えば、作業者Wは、図13に示すように、上下動部材61が左右方向において閉じた状態で、竿48Lを第1上下動部材61Lに取り付け、竿48Rを第2上下動部材61Rに取り付ける(サブハーネス取付け状態)。
次に、作業者Wは、図14に示すように、第1縦部材62Lと第2縦部材62Rとを左右方向にお互いが離間するように移動させて、竿48Lと竿48Rとにより保持されたサブハーネス50の両端部を離間させる(サブハーネス展開状態)。そして、サブハーネス50の両端部が離間した状態で、図15に示すように、2人の作業者Wが保持部材48に保持されたサブハーネス50を配索面13に配索する。例えば、作業者W1は、竿48Lに保持されたサブハーネス50の長尺電線55の一端を配索面13に配索する。また、作業者W2は、竿48Rに保持されたサブハーネス50の長尺電線55の他端を配索面13に配索する。
サブハーネス50の配索作業が終了すると、次の作業である保護部品の取り付けやテープ巻きなどを行うために、縦部材62と上下動部材61とを配索面13の外側に退避させる。例えば、作業者Wは、図16に示すように、第1縦部材62Lの縦フレーム620を配索面13の左右方向における一方側の端部に退避させる。そして、作業者Wは、第1上下動部材61Lを配索面13の上下方向における下方側の端部に退避させる。また、作業者Wは、第2縦部材62Rの縦フレーム620を配索面13の左右方向における他方側の端部に退避させる。そして、作業者Wは、第2上下動部材61Rを配索面13の上下方向における下方側の端部に退避させる。これにより、縦部材62と上下動部材61とが配索面13の外側に退避される。
以上のように、配索装置60によれば、左右方向に移動自在に設置され、上下方向に移動自在に第1上下動部材61Lを支持する第1縦部材62Lと、左右方向に移動自在に設置され、上下方向に移動自在に第2上下動部材61Rを支持する第2縦部材62Rと、を備えるものである。これにより、第1上下動部材61Lに支持された竿48Lと第2上下動部材61Rに支持された竿48Rとは、配索面13に対し独立して任意の位置に移動することができる。従って、一方の作業者W1は、竿48Lで保持されているサブハーネス50の長尺電線55の一端を配索面13に配索することができ、他方の作業者W2は、竿48Rで保持されているサブハーネス50の長尺電線55の他端を配索面13に配索することができる。これにより、長尺電線55のサブハーネス50を配索する場合に、作業効率を向上させることができる。つまり、実施形態1の竿40を用いて長尺電線55のサブハーネス50を1人で配索すると、配索面13の左右方向に行き来する距離が長いために作業効率の悪化を招くが、任意の位置に移動可能な竿48L,48Rを用いて2人で作業することで、配索面13の左右方向に行き来する距離を短縮できる。
また、第1上下動部材61Lの左右方向における長さと第2上下動部材61Rの左右方向における長さとを加算した長さは、組立台10の左右方向における長さよりも短く形成されている。これにより、上下動部材61は、組立台10の左右方向における領域内で左右方向に移動することができる。また、上下動部材61は、短く形成されているので、保持部材48の重さにより上下動部材61が下方向に撓むことを抑制できる。
また、竿48Lと竿48Rとにより、1つのサブハーネス50の各端部を保持するので、長さが非常に長い長尺電線55である場合でも、竿48Lと竿48Rとを分離させることにより、長尺電線55が床面に接触し、床面に擦って損傷することを防ぐことができる。
また、配索装置60は、第1上下動部材61Lの第2上下動部材61R側の内側端部612と、第2上下動部材61Rの第1上下動部材61L側の内側端部612と、を連結する連結機構613を備える。これにより、連結機構613により第1上下動部材61Lと第2上下動部材61Rとが連結された状態で、竿48Lと竿48Rとは、第1上下動部材61Lと第2上下動部材61Rとに沿って左右方向に移動することができる。従って、長尺電線55でないサブハーネス50を配索する場合、第1上下動部材61Lと第2上下動部材61Rとを連結させて、1人で配索作業を行うことができる。
また、第1縦部材62Lは、配索面13の左右方向における一方側の端部に退避可能であり、第2縦部材62Rは、配索面13の左右方向における他方側の端部に退避可能であり、第1上下動部材61Lと第2上下動部材61Rとは、配索面13の上下方向における下方側の端部に退避可能である。これにより、サブハーネス50の配索作業が終了して、次の作業である保護部品の取り付けやテープ巻きなどを行う場合に、縦部材62と上下動部材61とを配索面13の外側に退避させることができる。従って、作業者Wは、配索面13上に作業を邪魔する部材がない状態で、保護部品の取り付けやテープ巻きなどの作業を行うことができる。保護部品の取り付けやテープ巻きなどの作業が終了後、再度サブハーネス50の配索作業をする必要がある場合、配索面13の外側に退避した縦部材62と上下動部材61とを任意の位置に移動させれば、容易にサブハーネス50の配索作業を再開することができる。
また、配索装置は、上述した実施形態、及び変形例で用いられている構成を適宜組み合わせてもよく、または、上述した構成以外を用いてもよい。配索装置は、複数の電線を仮に保持する保持部材を、配索面に対して上下方向と左右方向とに移動自在に保持する保持部材移動機構を備え、配索面における保持部材よりも下方側を覆い、保持部材の上下方向への移動に伴い、配索面を覆う領域を上下方向に増減して配索面を覆う保護シートを備えていれば、その構成は問わない。