JP6246596B2 - 柱梁架構の構築方法 - Google Patents
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Description
ここに、現場でのコンクリート打設作業を必要としないPCa製の柱梁架構が提案されている(特許文献1)。
具体的には、第1工程で、PCa製の柱を鉛直方向下方へ移動させて、先行配置された一方の梁の端面と接する位置に設置する。続いて第2工程で、端面から横方向へ梁用接続鉄筋が突出されたPCa製の他方の梁を、水平方向へ移動させ、柱に形成された柱仕口部の貫通孔に、梁用接続鉄筋を貫通させ、一方の梁に埋設された梁継手部材と接合させる。この、第1工程と第2工程を順次繰り返して柱梁架構を構築する。
これにより、仕口部を第2柱と第1梁に分散させることができる。このとき、仕口部を貫通する接続鉄筋の接合方向を、縦方向と横方向にそれぞれ異ならせることができる。また、第1柱と第2柱、及び第1梁と第2梁の構成を、それぞれ異ならせることができる。この結果、柱梁架構の、多様な架構形式や施工方法への対応を容易とすることができる。
これにより、仕口部を第2柱と第1梁に分散させることができる。このとき、仕口部を貫通する接続鉄筋の接合方向を、縦方向と横方向にそれぞれ異ならせることができる。また、第1柱と第2柱、及び第1梁と第2梁の構成を、それぞれ異ならせることができる。この結果、柱梁架構の、多様な架構形式や施工方法への対応を容易とすることができる。
これにより、仕口部は、いずれも第1柱と第2柱に設けられるものの、仕口部を貫通する接続鉄筋の接合方向を、正面視において、右方向からと左方向からにそれぞれ異ならせることができる。また、第1柱と第2柱、及び第1梁と第2梁の構成を、それぞれ異ならせることができる。この結果、柱梁架構の、多様な架構形式や施工方法への対応を容易とすることができる。
これにより、仕口部は、いずれも第1柱と第2柱に設けられるものの、仕口部における接続鉄筋の配筋方法をそれぞれ異ならせることができる。また、第1柱と第2柱、及び第1梁と第2梁の構成を、それぞれ異ならせることができる。この結果、柱梁架構の多様な架構形式や施工方法への対応を容易とすることができる。
これにより、仕口部は、いずれも第1柱と第2柱に設けられ、同じ構成になるものの、仕口部における接続鉄筋の配筋方法をそれぞれ異ならせることができる。また、第1梁と第2梁の構成を、それぞれ異ならせることができる。この結果、柱梁架構の多様な架構形式や施工方法への対応を容易とすることができる。
本発明の第1実施形態に係る柱梁架構10の構築方法について、図1〜図4を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係る構築方法で構築された柱梁架構10を示す正面から見た断面図であり、図2〜図4は各構築段階を示している。
柱梁架構12(12A、12B、…)は、いずれも同じ構成であり、以後、柱梁架構12として説明する。
柱梁架構26は、プレキャストコンクリート製(以下PCa製)の柱22と、PCa製の梁24で構築される。
図2(A)に示すように、最初に、柱22が所定の位置に建て込まれる。ここに、柱22は、階高分(以下、本実施形態では上下階の梁間の高さHをいう。)の柱長Hを有し、柱22の上部には、仕口部23が一体的に形成されている。柱22の下面には、柱用のスリーブ30が埋め込まれており、仕口部23の上面からは、柱用の接続鉄筋34が突出されている。また、仕口部23の一方の側面からは、梁用の接続鉄筋36が突出されている。
以上の手順で、柱梁架構26が構築される(図2(B)参照)。
ここに、柱梁架構28は、PCa製の柱14、16と、PCa製の梁18、20で構築される。
なお、柱14は、後述するように、先行配置された下階の柱梁架構12Dの構築時に、鉛直方向下方(矢印D方向)へ移動させ、下階のPCa製の梁18Dの貫通孔44Dを貫通して、柱14Dのスリーブ30と接合されている。
ここに、柱16は、階高分の柱長さHを有し、上部に仕口部17が一体成型されている。また、仕口部17には、横方向に貫通孔(第1横貫通孔)40が形成され、仕口部17の上面からは、柱用の接続鉄筋34が突出されている。また、下面には、縦方向に柱用のスリーブ(第1縦継手部材)30が埋め込まれている。
ここに、梁18は、1スパン分の梁長Sを有し、一方の端部には仕口部19が設けられている。梁18の仕口部19には、縦方向に貫通孔(第1貫通孔)44が形成されている。また、梁18の柱16側の端部からは、横方向へ、梁用の接続鉄筋46が突出されている。
ここに、梁20は、上述した梁24と同じ構成であり、1スパン分の梁長Sを有し、長手方向の両端部には、梁用のスリーブ32が埋め込まれている。梁20を、矢印HVの方向へ移動させることにより、仕口部19から突出された接続鉄筋36が、仕口部19側のスリーブ32内に挿入されて接合される。梁20は、必要に応じて、サポート38で支持される。
なお、以上説明した柱梁接合部は、目地、貫通孔40、44、及びスリーブ30、32にグラウトが注入され、または圧入充填されて固定される。
以上の工程を、X軸方向、及びX軸と直交するY軸方向へ方向繰り返すことで、柱梁架構28が構築される。
この結果、柱梁架構10の、多様な架構形式や施工方法への対応を容易とすることができる。
これに対し、本実施形態では、PCa製の梁の一部をPCa製の柱に載置させることができ、従来に比べてサポート38の数を少なくすることができる。
本発明の第2実施形態に係る柱梁架構50の構築方法について、図5、図6を用いて説明する。柱梁架構50は、梁52と梁54の構成を第1実施形態に係る柱梁架構10と異ならせた構成である。相違点を中心に説明する。
ここに、図5は、本実施形態に係る構築方法で構築された柱梁架構50を正面から見た断面図であり、図6(A)、(B)は各構築段階を示している。
柱梁架構48(48A、48B、…)は、いずれも同じ構成であり、以後、柱梁架構48として説明する。
ここに、梁52は、1スパン分の梁長Sを有し、一方の端部には、仕口部53が一体的に形成されている。また、梁52の仕口部53には、縦方向に貫通孔(第1貫通孔)44が形成され、梁52の柱54側の側面には、スリーブ32が埋め込まれている。
なお、以上説明した柱梁接合部は、目地、貫通孔40、44、及びスリーブ30、32にグラウトを注入、または圧入充填して固定される。他の工程は、第1実施形態と同じであり説明は省略する。
この結果、柱梁架構50の、多様な架構形式や施工方法への対応を容易とすることができる。
本発明の第3実施形態に係る柱梁架構60の構築方法について、図7〜図9を用いて説明する。ここに、図7は、本実施形態に係る構築方法で構築された柱梁架構60を正面から見た断面図であり、図8、図9は、各構築段階を示す図である。
図8(A)に示すように、PCa製の柱(第2柱)16を、梁24の隣であり、PCa製の柱16Dの上に建て込む。柱16は、建て込まれた状態で、仕口部17の貫通孔(第1横貫通孔)40が、梁24のスリーブ32と横方向に一致されている。
ここに、梁64は、1スパン分の梁長Sを有し、両端部から接続鉄筋36が突出た構成であり、接続鉄筋36を柱16の貫通孔40を貫通させて梁24のスリーブ32と接合させる。このとき、梁64は、必要に応じてサポート38で支持される。
これにより、柱梁架構66が構築される。
図8(B)に示すように、先ず、柱78を横方向(矢印HV方向)へ移動させる。このとき、貫通孔40へ接続鉄筋36を貫通させ、移動後、下階のPCa製の柱78Dと接合させる。
ここに、柱78は、階高分の柱長Hを有し、上端部には、仕口部79が一体的に形成されている。仕口部79には、横方向へ貫通孔40が形成され、柱78の下端部にはスリーブ80が移動可能に取り付けられている。また、上端部にはスリーブ受け部82が設けられている。
図9(A)に示すように、柱78の下端部には上部柱継手100が設けられている。上部柱継手100は保護管84を有し、保護管84は、下端を柱78の下端部に開放して埋め込まれている。保護管84は、柱鉄筋88の周囲に、柱鉄筋88の方向に所定の深さに埋め込まれ、保護管84の内部には空間が形成されている。保護管84内部の空間には、スリーブ80が移動可能に挿入されている。柱鉄筋88は、柱78の下端からは突き出さない長さとされている。また、スリーブ80は、重力で落下しないように、吊紐92で空間に吊るされている。
なお、スリーブ80は、保護管86の埋め込み深さより長く形成されている。
次に、梁64を横方向へ移動させ、接続鉄筋36を柱16の貫通孔40を貫通させて、梁20のスリーブ32と接合させる。
以上の工程を、X軸方向、及びX軸と直交するY軸方向へ方向繰り返すことで、柱梁架構68が構築される。
この結果、柱梁架構60の、多様な架構形式や施工方法への対応を容易とすることができる。
本発明の第4実施形態に係る柱梁架構70の構築方法について、図10〜12を用いて説明する。図10は、本実施形態に係る構築方法で構築された柱梁架構70を示す正面から見た断面図であり、図11、図12は、いずれも各構築段階を示す図である。
図11(A)に示すように、柱16が、梁24の隣であり、下階の柱16Dの上に建て込まれる。柱16は、建て込まれた状態で、仕口部17の貫通孔40が、梁24のスリーブ32と横方向に一致されている。
これにより、柱梁架構78が構築される。
図11(B)に示すように、先ず、PCa製の柱74が横方向(矢印HV方向)へ移動され、下階のPCa製の柱74Dと接合させられる。
ここに、柱74は、階高分の柱長Hを有し、上端部には、仕口部75が一体的に形成されている。柱74の下端部には、上部柱継手100が取り付けられ、柱74の上端部には下部柱継手102が設けられている。柱74の両側面からは、接続鉄筋98が突出されている。なお、上部柱継手100と上部柱継手100を用いた、柱74と、柱74Dの接合方法については、第3実施形態と同じであり、説明は省略する。
次に、梁76が横方向へ移動され、柱16と接合される。このとき、梁76の接続鉄筋36が、貫通孔40を貫通して、梁20のスリーブ32内に挿入されて接合される。
以上の工程を、X軸方向、及びX軸と直交するY軸方向へ方向繰り返すことで、柱梁架構72が構築される。他は、第3実施形態と同じであり、説明は省略する。
この結果、柱梁架構70の、多様な架構形式や施工方法への対応を容易とすることができる。
本発明の第5実施形態に係る柱梁架構80の構築方法について、図13、14を用いて説明する。ここに、図13は、本実施形態に係る構築方法で構築された柱梁架構80を正面から見た断面図であり、図14(A)、(B)は、いずれも構築段階を示す図である。
なお、柱梁架構26、78の構築方法は、第4実施形態に係る柱梁架構60と同じであり、説明は省略し、柱梁架構81の構築方法について説明する。
以上の工程を、X軸方向、及びX軸と直交するY軸方向へ方向繰り返すことで、柱梁架構82が構築される。他は、第4実施形態と同じであり説明は省略する。
この結果、柱梁架構82の、多様な架構形式や施工方法への対応を容易とすることができる。
12、48、62、71、81柱梁架構(繰り返し構築される柱梁架構)
14 柱(第1柱)
14D 下階の柱
14U 上階の柱
16 柱(第2柱)
16D 下階の柱
17、19 仕口部
18 梁(第1梁)
20 梁(第2梁)
30 スリーブ(第1縦継手部材)
32 スリーブ(第1横継手部材)
34 接続鉄筋(柱鉄筋)
40 貫通孔(第1横貫通孔)
42 接続鉄筋(柱鉄筋)
42U 下階の接続鉄筋(柱鉄筋)
44 貫通孔(第1縦貫通孔)
46 接続鉄筋(梁鉄筋)
99 接続鉄筋(梁接続鉄筋)
S 1スパン分の距離
H 階高分の高さ
HV 移動方向(水平方向)
DV 移動方向(鉛直方向)
Claims (5)
- 仕口部がなく、上面に縦方向に第1縦継手部材が埋め込まれたプレキャストコンクリート製の第1柱を建て込む工程と、
横方向に第1横貫通孔が形成された仕口部を有するプレキャストコンクリート製の第2柱を、前記第1柱の隣に建て込む工程と、
縦方向に第1縦貫通孔が形成された仕口部と、1スパン分の梁長を備え、両端部から梁鉄筋が突出されたプレキャストコンクリート製の第1梁を横方向へ移動させ、前記梁鉄筋を、前記第2柱の前記第1横貫通孔を貫通させて接合する工程と、
1スパン分の梁長を備え、両端部に横方向へ第1横継手部材が埋め込まれたプレキャストコンクリート製の第2梁を横方向へ移動させ、前記第1横継手部材へ前記第1梁の前記梁鉄筋を挿入させて接合する工程と、
下面から柱鉄筋を突出させた上階の柱を下方へ移動させ、前記柱鉄筋を、前記第1梁の前記第1縦貫通孔を貫通させて前記第1柱の前記第1縦継手部材と接合する工程と、
を有する柱梁架構の構築方法。 - 仕口部がなく、上面に縦方向に第1縦継手部材が埋め込まれたプレキャストコンクリート製の第1柱を建て込む工程と、
横方向に第1横貫通孔が形成された仕口部を有するプレキャストコンクリート製の第2柱を、前記第1柱の隣に建て込む工程と、
縦方向に第1縦貫通孔が形成された仕口部と、1スパン分の梁長を備え、前記仕口部側端部には横方向へ第1横継手部材が埋め込まれ、前記第2柱側端部からは梁鉄筋が突出されたプレキャストコンクリート製の第1梁を横方向へ移動させ、前記梁鉄筋を、前記第2柱の前記第1横貫通孔を貫通させて接合する工程と、
1スパン分の梁長を備え、前記第1梁側の端部から梁鉄筋が突出されたプレキャストコンクリート製の第2梁を横移動させ、前記第1梁の前記第1横継手部材に前記梁鉄筋を挿入させて接合する工程と、
下面から柱鉄筋を突出させた上階の柱を下方へ移動させ、前記柱鉄筋を、前記第1梁の前記第1縦貫通孔を貫通させて前記第1柱の前記第1縦継手部材と接合する工程と、
を有する柱梁架構の構築方法。 - 横方向に第1横貫通孔が形成された仕口部を有するプレキャストコンクリート製の第1柱を、先行配置された梁から突出された梁鉄筋を前記第1貫通孔に貫通させながら、横方向へ移動させて建て込む工程と、
1スパン分の梁長を備え、両端部に横方向へ第1横継手部材が埋め込まれたプレキャストコンクリート製の第1梁を横移動させ、前記第1横貫通孔から突出された梁鉄筋と前記第1横継手部材を接合する工程と、
横方向に第2横貫通孔が形成された仕口部を有するプレキャストコンクリート製の第2柱を、前記第1柱の隣に建て込む工程と、
1スパン分の梁長を備え、両端部から梁鉄筋が突出されたプレキャストコンクリート製の第2梁を横方向へ移動させ、前記梁鉄筋を、前記第2横貫通孔を貫通させて前記第1梁の前記第1横継手部材と接合する工程と、
を有する柱梁架構の構築方法。 - 両側面から横方向に梁鉄筋が突出された仕口部を有するプレキャストコンクリート製の第1柱を、横方向へ移動させて、先行配置された梁の端部に埋め込まれた横継手部材に前記梁鉄筋を挿入しながら建て込む工程と、
1スパン分の梁長を備え、両端部に横方向へ第1横継手部材が埋め込まれたプレキャストコンクリート製の第1梁を横移動させ、前記第1梁から突出された梁鉄筋と前記第1横継手部材を接合する工程と、
横方向に第1横貫通孔が形成された仕口部を有するプレキャストコンクリート製の第2柱を、前記第1柱の隣に建て込む工程と、
1スパン分の梁長を備え、前記第2柱側の端部から梁鉄筋が突出されたプレキャストコンクリート製の第2梁を横方向へ移動させ、前記梁鉄筋を、前記第2柱の前記第1横貫通孔を貫通させて前記第1梁の前記第1横継手部材と接合する工程と、
を有する柱梁架構の構築方法。 - 横方向に第1横貫通孔が形成された仕口部を有するプレキャストコンクリート製の第1柱を建て込み、前記第1横貫通孔へ梁接続鉄筋を貫通させ、先行配置された梁の端部に埋め込まれた横継手部材に、前記梁鉄筋を挿入する工程と、
1スパン分の梁長を備え、両端部に横方向へ第1横継手部材が埋め込まれたプレキャストコンクリート製の第1梁を横移動させ、前記第1横貫通孔から突出された前記梁接続鉄筋を前記第1横継手部材へ挿入して接合する工程と、
横方向に第2横貫通孔が形成された仕口部を有するプレキャストコンクリート製の第2柱を、前記第1柱の隣に建て込む工程と、
1スパン分の梁長を備え、前記第2柱側の端部から梁鉄筋が突出されたプレキャストコンクリート製の第2梁を横方向へ移動させ、前記梁鉄筋を、前記第2柱の前記第2横貫通孔に貫通させて前記第1梁の前記第1横継手部材と接合する工程と、
を有する柱梁架構の構築方法。
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