JP6246155B2 - 安定したナノレポーター - Google Patents

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Description

相互参照
この出願は、2008年8月14日に出願された米国仮出願第61/088,988号(この出願は、その全体が参考として本明細書に援用される)の利益を主張する。
ヒト身体中のすべての細胞は、同じ遺伝物質を含有しているが、同じ遺伝子が、それらの細胞のすべてにおいて活性なわけではない。遺伝子発現パターンの変化は、生物学的機能に対して深刻な影響を有し得る。遺伝子発現におけるこれらの変異は、変化した生理学的および病理学的プロセスの中核となり得る。そのため、細胞における遺伝子の発現の同定および定量は、新しい治療標的および診断標的の発見を支援することができる。
現在までに、複雑な試料中の複数の遺伝子の発現レベルの検出を一度に可能にする利用可能ないくつかの技術がある。これらの技術のほとんどは、このプロセスをより効率的にした、小型化された表面上に存在する何千もの固定DNA配列からなるデバイスであるDNAマイクロアレイを用いる。あいにく、この方法は、配列構成の小型化にもかかわらず、なお、著しい量の生物学的試料を必要とする。しかしながら、患部組織の生検材料または個別の細胞型の試料などのいくつかの場合において、生物学的試料は、供給が限られている。さらに、マイクロアレイの表面上のハイブリダイゼーションの反応速度は、少量の水溶液中のハイブリダイゼーションほど効率的ではない。さらに、マイクロアレイハイブリダイゼーション結果に基づいて、試料中に存在する核酸の量を評価するための方法が存在するが、マイクロアレイ技術は、これまでのところ、個々のレベルに基づく標的分子の検出を可能にせず、
したがって、複雑な混合物中の標的分子の正確で高感度の検出、同定、および定量の必要性が存在する。
本発明は、一般に、試料中の標的分子の検出、同定、および定量の分野に関する。本発明は、改善された、安定したナノレポーターおよびナノレポーターバックボーンのポリヌクレオチド配列中のある種の設計特徴に部分的に基づく、これらのナノレポーターの集団ならびにそれに付加される相補的ポリヌクレオチド配列に部分的に関する。
いくつかの実施形態では、本発明は、固有に標識されたナノレポータープローブの集団であって、それぞれのナノレポータープローブは、i)固有の標的特異的領域およびii)固有の、設計されたナノレポーターを含む領域を含み、ナノレポーターは、一本鎖核酸バックボーンを含み、バックボーンは、固有の線状の組合せにおいて共に共有結合された複数の標識結合領域を含み、標識結合領域は、設計されたポリヌクレオチド配列の集団から選択され、それぞれのポリヌクレオチド配列は、1つまたは複数の検出可能な分子をそれに付加させている相補的ポリヌクレオチド配列にハイブリダイズし、それぞれの相補的ポリヌクレオチド配列は、特異的な検出可能な分子を明示しており、それぞれのナノレポーターは、それを、上述の集団中の他のナノレポーターを区別する、検出可能なシグナルを有する、ナノレポータープローブの集団を提供する。いくつかの実施形態では、それぞれのバックボーンのそれぞれの標識結合領域は、その同じバックボーン中の他の標識結合領域とは異なる。いくつかの実施形態では、それぞれのナノレポータープローブは、定常領域をさらに含み、定常領域は、複数の繰り返しヌクレオチド配列を含む。ナノレポータープローブの集団は、2以上のナノレポータープローブを含むことができる。
いくつかの実施形態では、本発明は、試料中の少なくとも1つの標的分子の存在を決定するための方法であって、(1)(a)少なくとも1つの標的分子ならびに(b)固有の標的特異的領域および固有の設計されたナノレポーターを含む領域を含む少なくとも1つのプローブを含む、少なくとも1つの分子複合体を形成するステップであって、上述のナノレポーターは、一本鎖核酸バックボーンを含み、バックボーンは、固有の線状の組合せにおいて共に共有結合された複数の標識結合領域を含み、それぞれの標識結合領域は、1つまたは複数の検出可能な分子をそれに付加させている相補的ポリヌクレオチド配列にハイブリダイズし、それぞれの相補的ポリヌクレオチド配列は、特異的な検出可能な分子を明示するステップならびに試料中の上述の少なくとも1つの標的分子の存在を決定するために、1つまたは複数の分子複合体または少なくとも1つの分子複合体の少なくとも一部の存在を個々にカウントするステップを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、分子複合体の有効な分子カウントの百分率は、約12.5%よりも高い。いくつかの実施形態では、カウント数は、M13 DNAを含むナノレポータープローブを使用する場合に得られるカウントの少なくとも2倍である。M13 DNAを含むナノレポーターは、共に共有結合された複数のM13 DNA領域を含む一本鎖バックボーンを含むことができ、それぞれの領域は、1つまたは複数の検出可能な分子をそれに付加させている相補的ポリヌクレオチド配列にハイブリダイズする。
本発明の方法および組成物のいくつかの実施形態では、試料の標準化の後の分子複合体のそれぞれのバックグラウンドを超えるカウント数は、M13 DNAを含むナノレポータープローブと比較した場合、少なくとも2倍高い。いくつかの実施形態では、その標識結合領域にハイブリダイズした場合の相補的ポリヌクレオチド配列のTmは、約80℃以上である。いくつかの実施形態では、その標識結合領域にハイブリダイズした場合の相補的ポリヌクレオチド配列の融解温度(Tm)は、M13 DNAを含むナノレポータープローブにハイブリダイズした場合の、M13 DNAに相補的なポリヌクレオチド配列のTmよりも高い。
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、それぞれの複合体が、(a)少なくとも1つの標的分子ならびに(b)固有の標的特異的領域および固有の設計されたナノレポーターを含む領域を含む少なくとも1つのプローブを含む、複数の分子複合体を形成することを含む方法によって、複数の標的分子の存在を決定するステップをさらに含み、それぞれのナノレポーターは、一本鎖核酸バックボーンを含み、バックボーンは、固有の線状の組合せにおいて共に共有結合された複数の標識結合領域を含み、それぞれの標識結合領域は、1つまたは複数の検出可能な分子をそれに付加させている相補的ポリヌクレオチド配列にハイブリダイズし、それぞれのプローブは、異なるナノレポーター領域を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも5、10、20、30、50、100、200、300、または500の異なる標的分子の存在は、決定される。いくつかの実施形態では、標的分子は、核酸である。いくつかの実施形態では、核酸は、少なくとも1つの遺伝的突然変異、少なくとも1つの体細胞突然変異、少なくとも1つの一塩基多型(SNP)、少なくとも1つの点突然変異、少なくとも1つの欠失突然変異、少なくとも1つの挿入突然変異、少なくとも1つの染色体転座、またはその組合せを含む。いくつかの実施形態では、標的分子は、診断の指標となる。
いくつかの実施形態では、本発明は、i)固有の標的特異的領域およびii)線状の組合せにおいて共に共有結合された複数の設計された標識結合領域を含む領域を含む、固有に標識されたナノレポータープローブであって、それぞれの標識結合領域は、約800〜1300ヌクレオチド塩基を含み、約50%のG/C含量を有し、それぞれの選択される標識結合領域は、他の選択される標識結合領域とは異なり、それぞれの標識結合領域は、1つまたは複数の検出可能な分子をそれに付加させている相補的ポリヌクレオチド配列にハイブリダイズし、相補的ポリヌクレオチド配列は、少なくとも1/1のG/C比を有する、固有に標識されたナノレポータープローブを提供する。いくつかの実施形態では、相補的ポリヌクレオチド配列は、約3/2のG/C比を有する。いくつかの実施形態では、ナノレポータープローブは、定常領域をさらに含み、定常領域は、複数の繰り返しヌクレオチド配列を含む。
本発明の方法および組成物のいくつかの実施形態では、標識結合領域は、約800〜1300ヌクレオチド塩基を含み、約50%のG/C含量を有し、相補的ポリヌクレオチド配列は、約1/1のG/C比を有する。いくつかの実施形態では、相補的ポリヌクレオチド配列は、約3/2のG/C比を有する。本明細書において記載される標識結合領域を生成するために使用することができる鋳型の例は、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、および24からなる群より選択される配列を含むが、これらに限定されない。
本発明の方法および組成物のいくつかの実施形態では、標識結合領域は、同様のアデニン含量を含む。いくつかの実施形態では、アデニン塩基は、少なくとも平均8〜16ヌクレオチド塩基毎の間隔を置いて配置される。いくつかの実施形態では、標識結合領域は、アデニン塩基の規則的に繰り返されたパターンを含む。いくつかの実施形態では、アデニン塩基は、約8〜16ヌクレオチド塩基毎の間隔を置いて配置される。いくつかの実施形態では、標識結合領域は、約35〜45%のチミン含量を含む。
本発明の方法および組成物のいくつかの実施形態では、相補的ポリヌクレオチド配列は、RNAポリヌクレオチド配列を含む。RNAポリヌクレオチド配列は、少なくとも1つのアミノアリル修飾ウラシル塩基を含むことができる。いくつかの実施形態では、相補的ポリヌクレオチド配列中の検出可能な分子は、アミノアリル修飾ウラシル塩基に付加される。いくつかの実施形態では、RNAポリヌクレオチド配列は、上述のRNAポリヌクレオチド配列中で平均約8〜16塩基毎の間隔を置いて配置される、複数のアミノアリル修飾ウラシル塩基を含む。いくつかの実施形態では、検出可能な分子は、アリル修飾ウラシル塩基のそれぞれに付加される。
本発明の組成物および方法のいくつかの実施形態では、検出可能な分子は、蛍光色素である。
いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも1つの固有に標識されたナノレポーターを調製するための方法であって、i)それぞれが約800〜1300ヌクレオチド塩基および約50%のG/C含量を含む、複数の標識結合領域を組み合わせるステップであって、それぞれの選択された標識結合領域は、他の選択された標識結合領域とは異なるステップ、ii)線状の組合せにおいて複数の標識結合領域を互いに共有結合させるステップ、ならびにiii)上述の標識結合領域に相補的ポリヌクレオチド配列をハイブリダイズするステップを含み、上述の相補的ポリヌクレオチド配列は、1つまたは複数の検出可能な分子をそれに付加させている、方法を提供する。いくつかの実施形態では、方法は、標的特異的領域に標識ナノレポーターを付加させることによって、標識ナノレポータープローブを調製するステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、相補的ポリヌクレオチド配列は、少なくとも1/1のG/C比を有する。
いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも1つの固有に標識されたナノレポーターを調製するためのキットであって、a)それぞれが約800〜1300ヌクレオチド塩基、約50%のG/C含量を含む少なくとも3つの標識結合領域およびb)検出可能な分子をそれに付加させている少なくとも3つの相補的ポリヌクレオチド配列を含み、相補的ポリヌクレオチド配列は、少なくとも1/1のG/C比を有するキットを提供する。いくつかの実施形態では、キットは、少なくとも3つの標的特異的プローブをさらに含む。
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書において記載されるナノレポーターの集団およびその使用のための説明書を含むキットを提供する。
本発明はまた、以下の項目を提供する。
(項目1)
固有に標識されたナノレポータープローブの集団であって、上記ナノレポータープローブが、
i)固有の標的特異的領域および
ii)固有の、設計されたナノレポーターを含む領域
を含み、上記ナノレポーターが一本鎖核酸バックボーンを含み、上記バックボーンが固有の線状の組合せにおいて共に共有結合された複数の標識結合領域を含み、上記標識結合領域が、設計されたポリヌクレオチド配列の集団から選択され、上記ポリヌクレオチド配列が、1つまたは複数の検出可能な分子を付加した相補的ポリヌクレオチド配列にハイブリダイズし、それぞれの相補的ポリヌクレオチド配列が、特異的な検出可能な分子を明示しており、それぞれのナノレポーターが、それを上記集団中の他のナノレポーターと区別する検出可能なシグナルを有する、集団。
(項目2)
それぞれのバックボーンのそれぞれの標識結合領域がその同じバックボーン中の他の標識結合領域とは異なる、項目1に記載の集団。
(項目3)
上記標識結合領域が、約800〜1300ヌクレオチド塩基を含み、約50%のG/C含量を有し、上記相補的ポリヌクレオチド配列が約1/1のG/C比を有する、項目1に記載の集団。
(項目4)
上記相補的ポリヌクレオチド配列が約3/2のG/C比を有する、項目3に記載の集団。
(項目5)
上記標識結合領域が、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、および24からなる群より選択される鋳型配列から生成される、項目1に記載の集団。
(項目6)
上記ナノレポータープローブが定常領域をさらに含み、上記定常領域が複数の繰り返しヌクレオチド配列を含む、項目1に記載の集団。
(項目7)
上記標識結合領域が同様のアデニン含量を含む、項目1に記載の集団。
(項目8)
アデニン塩基が、少なくとも平均8〜16ヌクレオチド塩基毎の間隔を置いて配置される、項目7に記載の集団。
(項目9)
上記標識結合領域が、アデニン塩基の規則的に繰り返されたパターンを含む、項目1に記載の集団。
(項目10)
上記アデニン塩基が、約8〜16ヌクレオチド塩基毎の間隔を置いて配置される、項目9に記載の集団。
(項目11)
上記標識結合領域が約35〜45%のチミン含量を含む、項目1に記載の集団。
(項目12)
上記相補的ポリヌクレオチド配列がRNAポリヌクレオチド配列を含む、項目1に記載の集団。
(項目13)
上記RNAポリヌクレオチド配列が少なくとも1つのアミノアリル修飾ウラシル塩基を含む、項目12に記載の集団。
(項目14)
上記検出可能な分子が上記アミノアリル修飾ウラシル塩基に付加している、項目13に記載の集団。
(項目15)
上記RNAポリヌクレオチド配列が、上記RNAポリヌクレオチド配列中で平均約8〜16塩基毎の間隔を置いて配置される複数のアミノアリル修飾ウラシル塩基を含む、項目12に記載の集団。
(項目16)
上記検出可能な分子が上記アリル修飾ウラシル塩基のそれぞれに付加している、項目15に記載の集団。
(項目17)
上記検出可能な分子が蛍光色素である、項目1に記載の集団。
(項目18)
ナノレポータープローブの上記集団が、(a)少なくとも1つの標的分子および少なくとも1つのナノレポータープローブを含む、それぞれのナノレポータープローブとの少なくとも1つの分子複合体を形成するステップ、ならびに(b)試料中の上記分子複合体のそれぞれの1つまたは複数の分子の存在を個々にカウントするステップを含む方法によって、上記試料中の標的分子の集団を検出するのに使用されるとき、上記試料の標準化の後の上記分子複合体のそれぞれのバックグラウンドを超えるカウント数が、M13 DNAを含むナノレポータープローブと比較した場合、少なくとも2倍高い、項目1に記載の集団。
(項目19)
その標識結合領域にハイブリダイズした場合の上記相補的ポリヌクレオチド配列の融解温度(Tm)が約80℃以上である、項目1に記載の集団。
(項目20)
試料中の少なくとも1つの標的分子の存在を決定するための方法であって、
(1)(a)少なくとも1つの標的分子ならびに
(b)固有の標的特異的領域および固有の設計されたナノレポーターを含む領域を含む少なくとも1つのプローブを含む、少なくとも1つの分子複合体を形成するステップであって、上記ナノレポーターが一本鎖核酸バックボーンを含み、上記バックボーンが固有の線状の組合せにおいて共に共有結合された複数の標識結合領域を含み、それぞれの標識結合領域が、1つまたは複数の検出可能な分子を付加した相補的ポリヌクレオチド配列にハイブリダイズし、それぞれの相補的ポリヌクレオチド配列が、特異的な検出可能な分子を明示している、ステップと、
(2)1つまたは複数の分子複合体または上記少なくとも1つの分子複合体の少なくとも一部の存在を個々にカウントして、上記試料中の上記少なくとも1つの標的分子の存在を決定するステップとを含む、方法。
(項目21)
上記分子複合体の有効な分子カウントの百分率が約12.5%よりも高い、項目20に記載の方法。
(項目22)
上記カウント数が、M13 DNAを含むナノレポータープローブを使用する場合に得られるカウントよりも少なくとも2倍高い、項目20に記載の方法。
(項目23)
M13 DNAを含む上記ナノレポーターが、共に共有結合された複数のM13 DNA領域を含む一本鎖バックボーンを含み、それぞれの領域が、1つまたは複数の検出可能な分子を付加した相補的ポリヌクレオチド配列にハイブリダイズする、項目22に記載の方法。
(項目24)
その標識結合領域にハイブリダイズした場合の上記相補的ポリヌクレオチド配列のTmが、M13 DNAを含む上記ナノレポータープローブにハイブリダイズした場合の、M13 DNAに相補的なポリヌクレオチド配列の融解温度よりも高い、項目23に記載の方法。
(項目25)
その標識結合領域にハイブリダイズした場合の上記相補的ポリヌクレオチド配列のTmが約80℃以上である、項目20に記載の方法。
(項目26)
それぞれの標識結合領域が、約800〜1300ヌクレオチド塩基を含み、約50%のG/C含量を有し、上記相補的ポリヌクレオチド配列が少なくとも1/1のG/C比を有する、項目20に記載の方法。
(項目27)
それぞれの選択された標識結合領域が、上記バックボーン中の他の選択された標識結合領域とは異なる、項目20に記載の方法。
(項目28)
それぞれの標識結合領域が、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、および24からなる群より選択される鋳型配列から生成される、項目20に記載の方法。
(項目29)
上記プローブが定常領域をさらに含み、上記定常領域が複数の繰り返しヌクレオチド配列を含む、項目20に記載の方法。
(項目30)
上記標識結合領域が同様のアデニン含量を含む、項目20に記載の方法。
(項目31)
アデニン塩基が、少なくとも平均8〜16ヌクレオチド塩基毎の間隔を置いて配置される、項目30に記載の方法。
(項目32)
上記標識結合領域が、アデニン塩基の規則的に繰り返されたパターンを含む、項目20に記載の方法。
(項目33)
上記アデニン塩基が、約8〜16ヌクレオチド塩基毎の間隔を置いて配置される、項目32に記載の方法。
(項目34)
上記標識結合領域が約35〜45%のチミン含量を含む、項目20に記載の方法。
(項目35)
上記相補的ポリヌクレオチド配列がRNAポリヌクレオチド配列を含む、項目20に記載の方法。
(項目36)
上記RNAポリヌクレオチド配列が少なくとも1つのアミノアリル修飾ウラシル塩基を含む、項目35に記載の方法。
(項目37)
上記検出可能な分子が上記アミノアリル修飾ウラシル塩基に付加している、項目32に記載の方法。
(項目38)
上記RNAポリヌクレオチド配列が、上記RNAポリヌクレオチド配列中で少なくとも平均8塩基毎の間隔を置いて配置される複数のアミノアリル修飾ウラシル塩基を含む、項目36に記載の方法。
(項目39)
上記検出可能な分子が上記アリル修飾ウラシル塩基のそれぞれに付加している、項目37に記載の方法。
(項目40)
上記検出可能な分子が蛍光色素である、項目20に記載の方法。
(項目41)
それぞれの複合体が、(a)少なくとも1つの標的分子ならびに(b)固有の標的特異的領域および固有の設計されたナノレポーターを含む領域を含む少なくとも1つのプローブを含む、複数の分子複合体を形成することを含む方法によって、複数の標的分子の存在を決定するステップをさらに含み、上記ナノレポーターが一本鎖核酸バックボーンを含み、上記バックボーンが固有の線状の組合せにおいて共に共有結合された複数の標識結合領域を含み、それぞれの標識結合領域が1つまたは複数の検出可能な分子を付加した相補的ポリヌクレオチド配列にハイブリダイズし、それぞれのプローブが異なるナノレポーター領域を含む、項目20に記載の方法。
(項目42)
少なくとも5、10、20、30、50、100、200、300、または500の異なる標的分子の存在が決定される、項目41に記載の方法。
(項目43)
上記標的分子が核酸である、項目20に記載の方法。
(項目44)
上記核酸が、少なくとも1つの遺伝的突然変異、少なくとも1つの体細胞突然変異、少なくとも1つの一塩基多型(SNP)、少なくとも1つの点突然変異、少なくとも1つの欠失突然変異、少なくとも1つの挿入突然変異、少なくとも1つの染色体転座、またはその組合せを含む、項目43に記載の方法。
(項目45)
上記標的分子が診断の指標となる、項目20に記載の方法。
(項目46)
i)固有の標的特異的領域および
ii)線状の組合せにおいて共に共有結合された複数の設計された標識結合領域を含む領域
を含む、固有に標識されたナノレポータープローブであって、それぞれの標識結合領域が、約800〜1300ヌクレオチド塩基を含み、約50%のG/C含量を有し、それぞれの選択される標識結合領域が他の選択される標識結合領域とは異なり、
それぞれの標識結合領域が、1つまたは複数の検出可能な分子を付加した相補的ポリヌクレオチド配列にハイブリダイズし、上記相補的ポリヌクレオチド配列が少なくとも1/1のG/C比を有する、ナノレポータープローブ。
(項目47)
上記相補的ポリヌクレオチド配列が約3/2のG/C比を有する、項目46に記載のナノレポータープローブ。
(項目48)
複数の繰り返しヌクレオチド配列を含む定常領域をさらに含む、項目46に記載のナノレポータープローブ。
(項目49)
上記標識結合領域が、アデニン塩基の規則的に繰り返されたパターンを含む、項目46に記載のナノレポータープローブ。
(項目50)
上記アデニン塩基が平均約8〜16ヌクレオチド塩基毎の間隔を置いて配置される、項目49に記載のナノレポータープローブ。
(項目51)
上記標識結合領域が約35〜45%のチミン含量を含む、項目46に記載のナノレポータープローブ。
(項目52)
上記相補的ポリヌクレオチド配列がRNAポリヌクレオチド配列を含む、項目46に記載のナノレポータープローブ。
(項目53)
上記RNAポリヌクレオチド配列が少なくとも1つのアミノアリル修飾ウラシル塩基を含む、項目52に記載のナノレポータープローブ。
(項目54)
上記検出可能な分子が上記アミノアリル修飾ウラシル塩基に付加している、項目53に記載のナノレポータープローブ。
(項目55)
上記RNAポリヌクレオチド配列が、上記RNAポリヌクレオチド配列中で平均約8〜16塩基毎の間隔を置いて配置される複数のアミノアリル修飾ウラシル塩基を含む、項目52に記載のナノレポータープローブ。
(項目56)
上記検出可能な分子が上記アリル修飾ウラシル塩基のそれぞれに付加している、項目55に記載のナノレポータープローブ。
(項目57)
上記検出可能な分子が蛍光色素である、項目46に記載のナノレポータープローブ。
(項目58)
上記複数の標識結合領域が、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、および24からなる群より選択される鋳型配列から生成される、項目46に記載のナノレポータープローブ。
(項目59)
少なくとも1つの固有に標識されたナノレポーターを調製する方法であって、
i)それぞれが約800〜1300ヌクレオチド塩基および約50%のG/C含量を含む複数の標識結合領域を組み合わせるステップであって、それぞれの選択された標識結合領域が他の選択された標識結合領域とは異なるステップ、
ii)線状の組合せにおいて上記複数の標識結合領域を互いに共有結合させるステップ、ならびに
iii)上記標識結合領域に相補的ポリヌクレオチド配列をハイブリダイズさせるステップ
を含み、上記相補的ポリヌクレオチド配列が、1つまたは複数の検出可能な分子を付加している、方法。
(項目60)
標的特異的領域に上記標識されたナノレポーターを付加させることによって、標識ナノレポータープローブを調製するステップをさらに含む、項目59に記載の方法。
(項目61)
上記相補的ポリヌクレオチド配列が少なくとも1/1のG/C比を有する、項目59に記載の方法。
(項目62)
少なくとも1つの固有に標識されたナノレポーターを調製するためのキットであって、a)それぞれが約800〜1300ヌクレオチド塩基、約50%のG/C含量を含む少なくとも3つの標識結合領域、および
b)検出可能な分子を付加した、少なくとも3つの相補的ポリヌクレオチド配列
を含み、上記相補的ポリヌクレオチド配列が少なくとも1/1のG/C比を有する、キット。
(項目63)
少なくとも3つの標的特異的プローブをさらに含む、項目62に記載のキット。
参照による組込み
本明細書において言及されるすべての刊行物、特許、および特許出願は、それぞれの刊行物、特許、または特許出願が、参照によって組み込まれるように、明確に、個々に示されるのと同じ程度まで、参照によって本明細書において組み込まれる。
本発明の新規な特徴を、添付の特許請求の範囲において特殊性を用いて説明する。本発明の特徴および有利性のよりよい理解が、本発明の原理を利用する例示的実施形態を説明する下記の詳細な説明およびその添付図面の参照によって得られるであろう。
図1は、キャプチャープローブおよび単一の6位ナノレポーター成分を使用する6位ナノレポーターコードを用いるデュアルナノレポーターの略図である。矢印は親和性タグの例示であり、この親和性タグは場合により含まれ、ナノレポーターの精製または画像化目的のナノレポーター(またはナノレポーター−標的分子複合体)の固定に使用できる。 図2Aは、図2Bおよび2Cに示された実験の略図である。この場合、ひし形は、伸長の前に、複合体を1方の末端と表面とで結合するために使用されたビオチンを表す。図2Bおよび2Cは、S2−Aのキャプチャープローブ、S2−Bの標識ナノレポーターおよびS2の標的DNA(図2B)またはS2の標的RNA(図2C)をハイブリダイズさせた実験の画像を示す。図2Eは、個々にS2−Aのキャプチャープローブ、S2−Bの標識ナノレポーターおよびS2標的DNAを含有する、図2Bによるナノレポーター複合体のクローズアップを示す。図2Dは、陰性対照実験の画像を示し、この実験において、S2−Aのキャプチャープローブ、S2−Bの標識ナノレポーターをハイブリダイズさせ、S2の標的RNAはハイブリダイズさせなかった。 図3A〜3Bは、一方の末端に親和性タグA1を有する、(核酸に基づく)標識ナノレポーターを示す。図3において、標識ナノレポーターは、A1の結合を介して、固定化された親和性パートナーに固定化されている。ナノレポーターの他の末端は溶液中であるが(図3A)、ナノレポーターを固定化するために使用される別の親和性タグ(A2)を含有する相補的オリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションにより固定化できる(図3B)。アビジンまたはストレプトアビジンコーティング表面への固定化に関して、A1およびA2は同じ、たとえばビオチンであり得る。A1の固定化において、ナノレポーターコードの検出を可能にする手法において標識結合領域を分離するために、ナノレポーターは、たとえば、エレクトロストレッチングにより伸長または図3に表されるように「延長」されうる。場合により、ナノレポーターが延長された状態であると同時に、A2は、表面下のA2に相補的なナノレポーターの末端に導入され、結合される。 図4Aは、マイクロ流体素子中のDNA分子の一方の末端の固定化を例示し、図4Bは、電場におけるDNAの伸長を例示し、図4Cは、延長後に素子に導入された親和性タグによる、伸長されたDNA分子の第二の末端の選択的固定化を表す。 図5は、DV1およびM13ナノレポーター系の双方を使用する、同じ試料中のIL−8の検出を示す。データは、実施例4に従って実施された実験から収集した。 図6は、2種の試料中の40種の遺伝子の発現の測定におけるDV1およびM13系の比較を示す。データは、実施例4に従って実施された2種の代表的な実験から収集した。 図7はGusBの発現の検出を示す。この実験において、148種の同一のプローブを含有するM13およびDV1ライブラリーを使用し、26種のマウスRNA試料中の遺伝子発現レベルを測定した。M13レポーターと比較してDV1レポーターにより測定されたカウントの絶対数に関して平均6倍の増加が見られた。データは、実施例5に従って実施された代表的な実験から収集した。 図8は、「有効なレポーター」のグラフを示し、「有効なレポーター」は画像解析ソフトウェアにより「可算」レポーターとして解釈されうるスポットのストリングを指す。結果は、視野における結合事象の総数の百分率として記載している。DV1レポーターの有意に高い百分率は可算であり、この実験において、データ中で3倍の増加をもたらす(12.5%から38%)。 図9は、本発明の一本鎖ナノレポーターバックボーンをクローニング、増殖および作製するために利用できる、プラスミドベクターのポリヌクレオチド配列を示す。 図10は、一本鎖ナノレポーターバックボーンを作製するための色素最適化実験に利用された2種の鋳型のポリヌクレオチド配列を示す(実施例6を参照されたい)。これらの鋳型配列において、規則的に繰り返された塩基はチミンであり、転写においてチミンは、規則的に繰り返された塩基としてアデニンを有する相補的一本鎖ナノレポーターバックボーンを産生する。図10Aは、約8ヌクレオチド毎に規則的に繰り返された塩基を有する鋳型のポリヌクレオチド配列を示す。図10Bは、約10ヌクレオチド毎に規則的に繰り返された塩基を有する鋳型のポリヌクレオチド配列を示す。 図11は、一本鎖ナノレポーターバックボーンを作製するための色素最適化実験に利用された2種の鋳型のポリヌクレオチド配列を示す(実施例6を参照されたい)。図11Aは、約12ヌクレオチド毎に規則的に繰り返された塩基を有する鋳型のポリヌクレオチド配列を示す。図11Bは、約14ヌクレオチド毎に規則的に繰り返された塩基を有する鋳型のポリヌクレオチド配列を示す。 図12は、一本鎖ナノレポーターバックボーンを作製するための色素最適化実験に利用された2種の鋳型のポリヌクレオチド配列を示す(実施例6を参照されたい)。図12Aは、約16ヌクレオチド毎に規則的に繰り返された塩基を有する鋳型のポリヌクレオチド配列を示す。図12Bは、約24ヌクレオチド毎に規則的に繰り返された塩基を有する鋳型のポリヌクレオチド配列を示す。
本発明は、生体分子試料中の個々の標的分子の検出および定量のための組成物および方法を提供する。特に、本発明は、個々の標的分子に結合することができる、安定したナノレポーターを提供し、標的分子の改善された検出を提供する。ナノレポーターの標識コードを通して、標的分子へのナノレポータープローブの結合は、標的分子の同定をもたらす。そのようなナノレポーターを作製し、使用するための方法もまた、提供される。ナノレポーターは、診断、予後、品質管理、およびスクリーニングの適用などの様々な適用において使用することができる。
本発明のある態様は、設計された(たとえば合成配列)ナノレポーターのライブラリーまたは集団の選択に関する。より具体的には、ある種の最適化された配列特徴は、ナノレポーターの改善された分子安定性およびナノレポーターが標的特異的配列と結合する場合に、改善された検出を提供する。たとえば、本発明の方法および組成物は、二次構造をもたらさず、一貫した明るさをもたらす、固有の合成バックボーンを含むナノレポーターを提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、設計された(たとえば合成)ナノレポーターの集団であって、上述のナノレポーターは、複数の異なる検出可能な分子を含み、それぞれのナノレポーター中の複数の異なる検出可能な分子は、それと、上述の集団中の他のナノレポーターを区別する、検出可能なシグナルを有する、設計された(たとえば合成)ナノレポーターの集団を提供する。したがって、いくつかの実施形態では、本発明は、改善された分子安定性を有する、設計されたナノレポーターの集団を提供し、集団中のそれぞれのナノレポーターは、それを、上述の集団中の他のナノレポーターと区別する、検出可能なシグナルを有する。
いくつかの実施形態では、本発明は、検出可能な標識をそれに付加させている固有の相補的ポリヌクレオチド配列にハイブリダイズする、固有の設計されたバックボーン(たとえば合成)を含むナノレポーターを提供する。それぞれのナノレポーターは、検出アッセイの過程の間に変化しないであろう、固有のシグナルを生成するであろう。すなわち、ナノレポーターと関連する、固有で区別可能なシグナルまたはシグナルコードは、検出アッセイの過程の間、同じままであろう。いくつかの実施形態では、検出可能な標識をそれに付加させている相補的ポリヌクレオチド配列は、一貫した明るさを有するin vitro転写色素結合RNAセグメントとすることができる。本明細書において記載される一貫した明るさは、色素結合RNAセグメントによって産生されるシグナルの強度、サイズ、および/または輝度を指す。すなわち、いくつかの実施形態では、色素のシグナルの強度、サイズ、および/または輝度は、それに付加された同じ色素を有する色素結合RNAセグメントの中で同様であろう。たとえば、それに付加された緑色色素を有する色素結合RNAセグメントは、同様のシグナルまたは同じ輝度および/もしくは明るさを有するシグナルを有するであろう。それは、画像分析ソフトウェア/アルゴリズムまたはユーザーが、特定の色のスポットが明るさおよびサイズに関してどのように見えるかを確定すること可能にするので、これは、とりわけ、有用である。さらに、いくつかの色素は、他の色素のチャネルににじむかもしれず、シグナルの強度が一貫している場合、シグナルを通してのにじみもまた、一貫しており、したがって、にじみを無視することを可能にするであろう。さらに、スポットパラメーター内にない画像中のノイズを無視することができる。その結果として、たとえば、ナノレポーターのシグナルと関連するパラメーターを厳密に確定することができ、ソフトウェア/アルゴリズムまたはユーザーがより高い百分率のノイズを無視することを可能にする。これらは、より強く、より信頼できる読取りを提供する。
いくつかの実施形態では、ナノレポーターは、ヌクレオチドベースの標識結合領域の配置を有するバックボーンを含み、それぞれの標識結合領域は、特異的な標識について明示される特異的配列を有する。この系では、バックボーンの固有の配列は、ナノレポーターのカラーコードを規定する。それぞれのバックボーンは、それぞれが特異的な明示される標識(たとえば色)を有する、その配列に相補的なポリヌクレオチド配列にのみアニールするであろう。したがって、たとえば、ポリヌクレオチド配列が、検出プロセスの間にバックボーンから分離しても、それぞれのバックボーンは、明示されるコードのみを生成するであろう。ナノレポーター中のポリヌクレオチド配列が、合成またはハイブリダイゼーション手順の間に分離する場合、それらは、同じ色のポリヌクレオチド配列とのみ交換することができ、共有される標識または取り換えられる標識の可能性を排除する。検出可能な標識をそれに付加させている相補的ポリヌクレオチド配列は、in vitro転写色素結合RNAセグメントとすることができる。いくつかの実施形態では、個々に固有のポリヌクレオチドベースの標識結合領域鋳型のライブラリーから所与のナノレポーターバックボーンを構築する際に、それぞれの標識結合領域は、検出可能な標識(たとえば検出可能な分子)を割り当てられ、所与のバックボーン内のそれぞれの標識結合領域は、その同じバックボーン中の他の標識結合領域とは異なるように選択される。
いくつかの実施形態では、配列は、ある塩基が修飾ヌクレオチドとしてin vitro重合RNAまたはDNAの中に導入される場合、この塩基の一様な分布を有するように設計され、結合された標識(たとえば蛍光)の一様な分布を可能にする。いくつかの実施形態では、配列は、できるだけ不定形で固有のものとしてナノレポーターを作製するために、直列または逆向き反復配列を伴わないで、設計される。いくつかの実施形態では、配列は、長さが1100塩基対の配列にわたって9以上のヌクレオチドのいかなる直列または逆向き反復配列をも伴わないで設計される。いくつかの実施形態では、配列は、任意の100塩基対領域にわたって7以上のヌクレオチドのいかなる直列または逆向き反復配列をも伴わないで設計される。いくつかの実施形態では、標識結合領域および/または相補的ポリヌクレオチド配列は、特定のG/C含量および比を含む。
これらの設計された標識結合領域を生成するために利用されてもよいポリヌクレオチド鋳型の例は、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、および24のポリヌクレオチド配列中に記載される。
したがって、本発明のある態様は、固有のナノレポーターまたはナノレポータープローブの集団を提供し、それぞれ、固有のポリヌクレオチドベースのバックボーンから成り、集団中のそれぞれのナノレポーターは、集団中の他のナノレポーターと異なるだけではなく、改善された分子安定性およびそれを、上述の集団中の他のナノレポーターと区別する検出可能なシグナルもまた有する。いくつかの実施形態では、それぞれのナノレポータープローブは、複数の個々の設計された標識結合領域を含む。いくつかの実施形態では、それぞれの標識結合領域は、その同じナノレポーター中の他の標識結合領域とは異なる。したがって、ある態様では、本発明は、改善された検出特性を有する固有のナノレポーターのより安定した集団を提供する。そのような特徴を有する例示的なナノレポーターは、本明細書において記載され、DV1ナノレポーターと呼ばれる。
ナノレポーター
完全に構築され、標識されたナノレポータープローブは、2つの主な部分、標的分子に結合することができる標的特異的配列および標的特異的配列と関連するシグナルの「コード」(「ナノレポーターコード」)を提供する標識ナノレポーターを含む。標的分子へのナノレポータープローブの結合に際して、ナノレポーターコードは、ナノレポーターが結合する標的分子を同定する。
ナノレポーターは、モジュール構造である。いくつかの実施形態では、ナノレポーターは、複数の異なる検出可能な分子を含む。いくつかの実施形態では、標識ナノレポーターは、ある種の基本的なエレメント:(i)特定の固有の線状の組合せにおいて付加された複数の固有の標識結合領域および(ii)バックボーンの標識結合領域に付加された相補的ポリヌクレオチド配列を含有する分子の実体である。いくつかの実施形態では、標識ナノレポーターは、特定の固有の線状の組合せにおいて付加された2、3、4、5、6、7、8、9、10以上の固有の標識結合領域およびバックボーンの標識結合領域に付加された相補的ポリヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、標識ナノレポーターは、特定の固有の線状の組合せにおいて付加された3以上の固有の標識結合領域およびバックボーンの標識結合領域に付加された相補的ポリヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、標識ナノレポーターは、特定の固有の線状の組合せにおいて付加された6以上の固有の標識結合領域およびバックボーンの標識結合領域に付加された相補的ポリヌクレオチド配列を含む。ナノレポータープローブは、これもまたバックボーンに付加された標的特異的配列をさらに含む。
標識結合領域という用語は、検出可能な分子に対する個々の結合ポイントとして果たしてもよい、所与のバックボーン内の規定されたポリヌクレオチド配列の領域を含む。いくつかの実施形態では、標識結合領域は、設計された配列を含む。一本鎖標識結合領域を生成するために利用されてもよい規定されるポリヌクレオチド鋳型配列の特定の例は、その適した変異体に加えて、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、および24において記載される鋳型配列を含む(すべての中間の整数を含む60%、70%、80%、90%、95%、98%以上の配列同一性を有する配列)。配列番号1〜24の鋳型配列の転写は、配列番号1〜24の配列に相補的なポリヌクレオチド配列を有する一本鎖標識結合領域を生成する。
いくつかの実施形態では、標識ナノレポーターはまた、定常領域を含有するバックボーンをも含む。定常領域という用語は、ナノレポーターに共有結合した約10〜約25ヌクレオチドの縦列反復配列を含む。定常領域は、ナノレポーターの5’領域または3’領域のいずれかに付加することができ、定常領域に相補的な配列を固体基質に付加させることによってなどのように、画像処理または検出のためのナノレポーターの捕捉および固定のために利用されてもよい。ある態様では、定常領域は、2、3、4、5、6、7、8、9、10以上の縦列反復配列を含有し、反復配列は、それぞれ、約12〜18、13〜17、または約14〜16ヌクレオチドを含む、約8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30以上のヌクレオチドを含む。
本明細書において記載されるナノレポーターは、合成の設計された配列を含む。いくつかの実施形態では、本明細書において記載されるナノレポーターは、標識の明るさの改善された一貫性を提供する。本明細書において記載される一貫した明るさは、標識セグメントによって産生されるシグナルの強度、サイズ、および/または輝度を指す。すなわち、いくつかの実施形態では、標識セグメントのシグナルの強度、サイズ、および/または輝度は、それに付加した同じ標識を有するセグメントの中で同様であろう。上記に記載されるように、この改善された一貫性は、より強いデータに至る。いくつかの実施形態では、ヌクレオチドは、少なくとも平均8、9、10、12、15、16、20、30、または50塩基の間隔を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチドは、少なくとも平均8〜16塩基の間隔を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチドは、少なくとも平均8塩基の間隔を有する。いくつかの実施形態では、配列は、バックボーン中に適正に規則的に間隔を有するパターンのヌクレオチド(たとえばアデニン)残基を含有する。これは、検出可能な分子をそれに付加させている相補的ポリヌクレオチド配列中の規則的に間隔を有する相補的ヌクレオチドを可能にする。たとえば、いくつかの実施形態では、ナノレポーター配列が、バックボーン中に適正に規則的に間隔を有するパターンのアデニン残基を含有する場合、その相補体は、相補的RNAセグメント中の規則的に間隔を有するパターンのウリジン(U)残基となり、セグメントのin vitro転写は、アミノアリル修飾ウリジン塩基を使用して行うことができ、これは、セグメントに沿って規則的な間隔で色素分子の共有結合によるアミン結合を可能にする。いくつかの実施形態では、配列は、配列中に、少なくとも平均8、9、10、12、15、16、20、30、または50塩基の間隔を有する、約同じ数または百分率のヌクレオチド(たとえばアデニン)を含有する。これは、検出可能な分子をそれに付加させている相補的ポリヌクレオチド配列中の同様の数または百分率を可能にする。したがって、いくつかの実施形態では、配列は、規則的に間隔を有していないが、少なくとも平均8、9、10、12、15、16、20、30、または50塩基の間隔を有するヌクレオチドを含有し、配列中のヌクレオチドの数は、ナノレポーターについての所望の明るさに依存して変化することができる。いくつかの実施形態では、相補的ヌクレオチドの20%、30%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%は、検出可能な分子に結合する。たとえば、いくつかの実施形態では、ナノレポーター配列が、バックボーン中に同様の百分率のアデニン残基を含有する場合、相補的セグメントのin vitro転写は、アミノアリル修飾ウリジン塩基を使用して行われ、アミノアリル修飾ウリジン塩基の20%、30%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%は、検出可能な分子に結合することができる。その代わりに、アミノアリル修飾ウリジン塩基およびウリジン塩基の比は、所望の明るさを達成するためにin vitro転写プロセスの間に変化させることができる。たとえば、in vitro転写プロセスは、いくつかのまたはすべてのアミノアリル修飾ウリジン塩基を検出可能な分子に結合することができる場合、アミノアリル修飾ウリジン塩基に対するウリジンの1/1の比を有する混合物の存在下において行うことができる。したがって、当業者は、ナノレポーターの中で一貫した明るさを達成することができるいくつかの方法があることを理解するであろう。
いくつかの実施形態では、本明細書において記載されるナノレポーターは、適正に一貫した融解温度(Tm)を有する。いくつかの実施形態において、本明細書において記載されるナノレポーター中のその標識結合領域にハイブリダイズする場合の相補的ポリヌクレオチド配列のTmは、M13 DNAを含むナノレポータープローブにハイブリダイズした場合のM13 DNA鋳型に相補的なポリヌクレオチド配列のTmよりも高い。あらゆる理論に制限されることを意図するものではないが、本明細書において記載されるナノレポーターのTmは、ナノレポーターバックボーンおよび検出可能な分子をそれに付加させている相補的ポリヌクレオチド配列の間のより強い結合を提供し、そのため、合成およびハイブリダイゼーション手順の間の解離を予防する。さらに、ナノレポーターの集団の中の一貫したTmは、最適条件がすべてのスポットおよび位置について同じとなるように、合成およびハイブリダイゼーション手順が厳重に最適化されることを可能にする。いくつかの実施形態では、ナノレポーターの配列は、50%のグアニン/シトシン(G/C)を有し、連続して多くとも3つのGを有する。したがって、いくつかの実施形態では、本発明は、集団中のナノレポーターの中のTmが適正に一貫しているナノレポーターの集団を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、その標識結合領域にハイブリダイズした場合の相補的ポリヌクレオチド配列のTmが、約80℃、85℃、90℃、100℃以上である、ナノレポーターの集団を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、その標識結合領域にハイブリダイズした場合の相補的ポリヌクレオチド配列のTmが約80℃以上である、ナノレポーターの集団を提供する。
いくつかの実施形態では、本明細書において記載されるナノレポーターは、任意の安定した分子内塩基対形成相互作用(たとえばヘアピン)などの、最小限の二次構造を有するまたは二次構造を有していない。あらゆる理論に制限されることを意図するものではないが、ナノレポーター中の最小限の二次構造は、ナノレポーターバックボーンおよび検出可能な分子をそれに付加させているポリヌクレオチド配列の間のよりよいハイブリダイゼーションを提供する。さらに、ナノレポーター中の最小限の二次構造は、ナノレポーター中の検出可能な分子のよりよい検出を提供する。いくつかの実施形態では、本明細書において記載されるナノレポーターは、75℃、1×SSPEのアニール条件下で著しい分子内対形成を有しない。二次構造は、MFOLDなどの、当技術分野で公知のプログラムによって予測することができる。いくつかの実施形態では、本明細書において記載されるナノレポーターは、それぞれの鎖中に1%未満の逆向き反復配列を含有し、逆向き反復配列は、9塩基以上である。いくつかの実施形態では、本明細書において記載されるナノレポーターは、それぞれの鎖中に逆向き反復配列を含有していない。いくつかの実施形態では、ナノレポーターは、長さが1100塩基対である配列にわたって9以上のヌクレオチドのいかなる逆向き反復配列をも含有していない。いくつかの実施形態では、ナノレポーターは、任意の100塩基対領域にわたって7以上のいかなるヌクレオチドの逆向き反復配列をも含有していない。いくつかの実施形態では、本明細書において記載されるナノレポーターは、それぞれの鎖中に1%未満の逆向き反復配列を含有し、逆向き反復配列は、長さが1100塩基対である配列にわたって9以上のヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、本明細書において記載されるナノレポーターは、それぞれの鎖中に1%未満の逆向き反復配列を含有し、逆向き反復配列は、任意の100塩基対領域にわたって7以上のヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、本明細書において記載されるナノレポーターは、一方の鎖がCTリッチとなり、他方がGAリッチとなるように、偏った鎖特異的含量を含有する。
本発明は、固有のナノレポーターを提供する。いくつかの実施形態では、本明細書において記載されるナノレポーターは、1%未満の直列反復配列を含有する。いくつかの実施形態では、本明細書において記載されるナノレポーターは、直列反復配列を含有していない。いくつかの実施形態では、ナノレポーターは、長さが1100塩基対である配列にわたって9以上のヌクレオチドのいかなる直列反復配列をも含有していない。いくつかの実施形態では、標識ナノレポーターは、任意の100塩基対領域にわたって7以上のヌクレオチドのいかなる直列反復配列をも含有していない。いくつかの実施形態では、本明細書において記載されるナノレポーターは、それぞれの鎖中に1%未満の直列反復配列を含有し、直列反復配列は、長さが1100塩基対である配列にわたって9以上のヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、本明細書において記載されるナノレポーターは、それぞれの鎖中に1%未満の直列反復配列を含有し、直列反復配列は、任意の100塩基対領域にわたって7以上のヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、本明細書において記載されるナノレポーターは、バックボーンにおいて使用される任意の他の配列に対してまたはREFSEQ公的データベースにおいて記載される任意の配列に対して、85、80、70、60、50、40、30、20、10、または5%未満の相同性を含有する。いくつかの実施形態では、本明細書において記載されるナノレポーターは、バックボーンにおいて使用される任意の他の配列に対してまたはREFSEQ公的データベースにおいて記載される任意の配列に対して、85%未満の相同性を含有する。いくつかの実施形態では、本明細書において記載されるナノレポーターは、バックボーンにおいて使用される任意の他の配列に対してまたはREFSEQ公的データベースにおいて記載される任意の配列に対して相同性の20、16、15、10、9、7、5、3、2未満の隣接する塩基を含有する。いくつかの実施形態では、本明細書において記載されるナノレポーターは、バックボーンにおいて使用される任意の他の配列に対してまたはREFSEQ公的データベースにおいて記載される任意の配列に対して相同性の多くとも15の隣接する塩基およびナノレポーターの全長にわたって多くとも85%の同一性を有する。
いくつかの実施形態では、本明細書において記載されるナノレポータープローブの配列特徴は、標的分子の改善された検出を提供する。たとえば、標的分子の同定をもたらす、標的分子へのナノレポータープローブの結合は、ナノレポーターの存在を個々に検出することによって実行することができる。これは、試料中の1つまたは複数のナノレポーター分子の存在を個々にカウントすることによって実行することができる。そのようなカウント法が使用されるいくつかの実施形態では、本明細書において記載されるナノレポータープローブは、カウント数の増加を可能にする。いくつかの実施形態では、試料の標準化の後の上述の分子複合体のバックグラウンドを超える分子カウント数は、300、400、450、500、600、700、800、900、または1000分子カウントよりも高い。いくつかの実施形態では、試料の標準化の後の上述の分子複合体のバックグラウンドを超える分子カウント数は、400分子カウントよりも高い。いくつかの実施形態では、本明細書において記載されるナノレポータープローブの有効な分子カウントの百分率は、約10、11、12、12.5、14、15、20、25、30、35、40、50、60、70、80、または90%よりも高い。いくつかの実施形態では、本明細書において記載されるナノレポータープローブの有効な分子カウントの百分率は、約10%よりも高い。いくつかの実施形態では、本明細書において記載されるナノレポータープローブの有効な分子カウントの百分率は、約12.5%よりも高い。いくつかの実施形態では、上述の試料の標準化の後の本明細書において記載されるナノレポーターのバックグラウンドを超える分子カウントの数は、M13 DNAを含む、比較可能なナノレポータープローブよりも、少なくとも2、3、5、6、10、20、30、40、50、60、70、80、90、または100倍高い。M13 DNAを含む比較可能なナノレポーターは、M13 DNAバックボーンに付加される、同じ標的特異的領域を含むナノレポーターである。M13 DNAを含む比較可能なナノレポータープローブの例は、実施例の部において記載される。いくつかの実施形態では、上述の試料の標準化の後の本明細書において記載されるナノレポーターのバックグラウンドを超える分子カウントの数は、M13 DNAを含む、比較可能なナノレポーターよりも、少なくとも2倍高い。いくつかの実施形態では、上述の試料の標準化の後の本明細書において記載されるナノレポーターのバックグラウンドを超える分子カウントの数は、M13 DNAを含む、比較可能なナノレポーターよりも、少なくとも6倍高い。いくつかの実施形態では、上述の試料の標準化の後の本明細書において記載されるナノレポーターのバックグラウンドを超える分子カウントの数は、M13 DNAを含む、比較可能なナノレポーターよりも、少なくとも20倍高い。いくつかの実施形態では、上述の試料の標準化の後の本明細書において記載されるナノレポーターのバックグラウンドを超える分子カウントの数は、M13 DNAを含む、比較可能なナノレポーターよりも、少なくとも100倍高い。
ナノレポーターのエレメントは、単一分子の実体(「単一」ナノレポーター)または2つの異なる分子の実体(「二重」ナノレポーター)で見つけることができる。それぞれの分子の実体は、1つの分子または共有結合もしくは非共有結合の手段によって互いに付加される1つを超える分子から構成されてもよい。いくつかの実施形態では、二重ナノレポーターのそれぞれの成分は、同じ標的分子上の異なる部位に結合する標的特異的配列を有する。これは、標的分子へのナノレポーターの結合のより効率的な反応速度を有する、より小さなナノレポーター成分およびより大きな結合特異性に起因する、よりよいシグナル:ノイズ比を可能にする。二重ナノレポーター系を使用する場合、ナノレポータープローブの1つは、非標識であってもよい。いくつかの実施形態では、非標識ナノレポータープローブは、捕捉領域を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、非標識ナノレポータープローブは、標的特異的領域および一本鎖であってもよいバックボーンを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、非標識ナノレポータープローブは、標的特異的領域および二本鎖であってもよいバックボーンを含んでいてもよい。
ナノレポーターバックボーンに付加される相補的ポリヌクレオチド配列は、ナノレポーターバックボーンに検出可能な分子または標識モノマーを付加させるための役目をする。相補的ポリヌクレオチド配列は、たとえば、相補的ポリヌクレオチド配列の中への1つまたは複数の検出可能な分子の共有結合による組込みによって直接、標識されてもよい。その代わりに、相補的ポリヌクレオチド配列は、相補的ポリヌクレオチド配列の中への、ビオチンまたは特異的リガンド相互作用が可能な他の分子の組込みによってなどのように、間接的に標識されてもよい。そのような実例では、リガンド(たとえば相補的ポリヌクレオチド配列の中へのビオチン組込みの場合のストレプトアビジン)は、検出可能な分子に共有結合されてもよい。標識結合領域に付加される検出可能な分子が、相補的ポリヌクレオチド配列の中に直接組み込まれない場合、この配列は、検出可能な分子および標識結合領域の間のブリッジとして果たし、ブリッジ分子、たとえばブリッジ核酸と呼ばれてもよい。
本発明の核酸ベースのナノレポーターおよびナノレポーター標的複合体は、定常領域またはナノレポーターまたは標的核酸に対して相補的である、オリゴヌクレオチドなどの核酸を使用してアフィニティー精製されてもよいまたは固定されてもよい核酸を含む。上記に述べられるように、いくつかの実施形態では、ナノレポーターは、精製のためのおよび/または固定(たとえば固体表面への)のためのアフィニティータグとして果たしてもよい、少なくとも1つの定常領域を含む。定常領域は、典型的には、一連の15塩基反復配列などの反復ヌクレオチドの2以上の縦列反復領域を含む。そのような例示的な実施形態では、ナノレポーターは、標的分子と複合体を形成するかどうかに関わらず、反復単位のリバース相補体である15塩基オリゴヌクレオチドを用いてコートされるアフィニティー試薬によって精製するまたは固定することができる。
ナノレポーターまたはナノレポーター標的分子複合体は、2以上のアフィニティー選択ステップにおいて精製することができる。たとえば、二重ナノレポーターでは、一方のプローブは、第1のアフィニティータグを含むことができ、他方のプローブは、第2の(異なる)アフィニティータグを含むことができる。プローブは、標的分子と混合され、二重ナノレポーターの2つのプローブを含む複合体は、一方または両方の個々のアフィニティータグに対するアフィニティー精製によって、非結合物質から分離される(たとえば標的またはナノレポーターの個々のプローブ)。第1のステップで、混合物は、第1のアフィニティータグに対するアフィニティー試薬に結合することができ、第1のアフィニティータグおよび所望の複合体を含むプローブのみが精製される。結合物質は、第1のアフィニティー試薬から放出され、任意選択で、第2のアフィニティータグに対するアフィニティー試薬に結合され、第1のアフィニティータグを含むプローブからの複合体の分離を可能にする。このポイントでは、完全な複合体のみが結合するであろう。複合体は、最後に、第2のアフィニティータグに対するアフィニティー試薬から放出され、次いで、好ましくは伸長され、画像化される。アフィニティー試薬は、結合パートナーを用いてコートされるカラム、ビーズ(たとえばラテックスビーズもしくは磁気ビーズ)、またはスライドなどの、アフィニティータグに対する結合パートナーを用いてコートされる、任意の固体表面とすることができる。アフィニティー試薬を使用するナノレポーターの固定および伸長は、その全体が本明細書において参照によって組み込まれる、2005年12月23日に提出された、「Compositions Comprising Oriented,Immobilized Macromolecules and Methods for Their Preparation」と題する、Sean M.FerreeおよびDwayne L.Dunawayによる米国仮特許出願第60/753,816号において十分に記載される。
所与のナノレポーターのバックボーンの様々な標識結合領域と関連する標識モノマーによって提供されるシグナルの配列は、ナノレポーターの固有の同定を可能にする。たとえば、蛍光標識を使用する場合、固有の同一性または固有のスペクトル識別特性を有するナノレポーターは、特異的標的分子またはその部分を認識する標的特異的配列と関連する。ナノレポーターが、標的分子へのナノレポーターの標的特異的配列(複数可)の結合を可能にする条件下で、標的分子を含有する混合物に曝露される場合、標的特異的配列(複数可)は、優先的に標的分子に結合する。ナノレポーターと関連する蛍光標識ナノレポーターのスペクトルコードなどのナノレポーターシグナルの検出は、混合物中の標的分子の存在の検出を可能にする(定性分析)。所与のスペクトルコードまたは識別特性と関連するすべての標識モノマーのカウントは、ナノレポーターに結合された標的特異的配列と関連する、混合物中のすべての分子のカウントを可能にする(定量分析)。ナノレポーターは、したがって、公知の生物学的マーカーの定量分析によって異なる生物学的状態(たとえば疾患対健康)の診断または予後に有用である。さらに、本発明のナノレポーターによって提供される単一分子の検出および定量の鋭い感度は、異なる生物学的状態の間のその変動がわずかすぎるので従来の分子の方法を使用して特定の生物学的状態との相関を検出することができないものを含む、新しい診断マーカーおよび予後マーカーの同定を可能にする。ナノレポーターベースの分子の検出の感度は、少量の生物学的試料における治療剤および診断剤の詳細な薬物動態学的分析を可能にする。
単一ナノレポーターと呼ばれる多くのナノレポーターは、1つの分子の実体から構成される。しかしながら、ナノレポーターの特異性を増加させるためにおよび/または標的分子へのその結合の反応速度を改善するために、ナノレポーターは、それぞれが同じ標的分子の異なる領域に結合する異なる標的特異的配列を含有する2つの分子の実体から構成される二重ナノレポーターとすることができる。二重ナノレポーターでは、2つの分子の実体の少なくとも一方は、標識される。他方の分子の実体は、必ずしも標識される必要はない。二重ナノレポーターのそのような非標識成分は、捕捉プローブとして使用されてもよく(図1および2を参照されたい)、複合体の視覚化および/または画像化を可能にするために、二重ナノレポーターおよび標的分子を含有する複合体を固定するおよび/または伸長するのに有用である、ビオチンなどの付加されるアフィニティータグを任意選択で有する。たとえば、いくつかの実施形態では、1つの6位コードナノレポーターおよび捕捉プローブを使用する、6位ナノレポーターコードを有する二重ナノレポーター。いくつかの実施形態では、7位ナノレポーターコードを有する二重ナノレポーターは、1つの8位ナノレポーター成分および1つの1位ナノレポーター成分を使用して使用することができる。いくつかの実施形態では、アフィニティータグを有する1つの捕捉プローブおよび1つの6位ナノレポーター成分を使用する、6位ナノレポーターコードを有する二重ナノレポーター。いくつかの実施形態では、アフィニティータグは、任意選択で含まれ、画像化の目的のためにナノレポーターを精製するまたはナノレポーター(もしくはナノレポーター標的分子複合体)を固定するために使用することができる。
それらのモジュール構造のために、ナノレポーターは様々な異なる方法において構築され、標識されてもよい。たとえば、ナノレポーターバックボーンは、標的特異的配列に付加させることができ(たとえばハイブリダイゼーションおよび任意選択でライゲーションによって)、バックボーンおよび標的特異的配列を含む構造は、検出可能な分子をそれに直接または間接的に結合させている1つまたは複数の相補的ポリヌクレオチド配列に付加させることができる。その代わりに、ナノレポーターバックボーンは、最初に、1つまたは複数の相補的ポリヌクレオチド配列に付加させることができ、次いで、バックボーン構造は、標的特異的配列に付加させることができる。したがって、他に述べられない限り、ナノレポーター構築のステップの議論または列挙は、構築の特異的な経路に従わなければならないことを示唆するものではない。
ナノレポーターの合成は、当技術分野において公知の任意の適した方法によって実行することができる。ナノレポーター配列(たとえばDV1配列)を運搬する二本鎖プラスミドは、低温(34℃以下)の条件下でいくつかの細菌株中で成長することができる。ナノレポーター線状一本鎖バックボーンは、制限酵素を用いる線状化、熱不安定性のホスファターゼを用いる脱リン酸化、バックボーン配列からクローニングベクターを分離するための第2の制限酵素を用いる消化、および完全なバックボーン断片の一方の鎖のみを残す鎖特異的ラムダエキソヌクレアーゼ消化を含む4ステップのプロトコールを使用して、二本鎖プラスミドDNAから作製することができる。図9は、ナノレポーターの合成に使用されるベクターの例を示す。
ナノレポーターの構築および使用は、大部分は、様々な核酸ベースのナノレポーターの記載によって本明細書において例示される。部分的におよび完全に構築されたナノレポーターの例証となる実施形態は、下記に列挙される。
端的に言えば、本発明は、標識され、分析することができる複数(たとえば3つ)の標識結合領域を有する核酸バックボーンを提供し、これらのそれぞれは、合理的に設計されたヌクレオチド配列から作製される。これらの配列は、ナノレポーターをより安定にする、本明細書において記載される1つもしくは複数のまたはすべての特徴を包含する。これらの設計された標識結合領域を生成するために利用されてもよいポリヌクレオチド鋳型の例は、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、および24のポリヌクレオチド配列中に記載される。それぞれの個々のバックボーンの標識結合領域は、固有の線状の順序または組合せで配置され、それぞれの個々のバックボーンを、集団中の他のバックボーンと比較して固有にする。集団中の個々のナノレポーターは、それぞれ、固有のバックボーンから作製されるので、それぞれのナノレポーターは、集団中の他のナノレポーターと比較して、同様に固有である。いくつかの実施形態では、それぞれの標識結合領域は、バックボーン中の他の標識ナノレポーター領域と比較した場合、固有である。
いくつかの実施形態では、それぞれのナノレポーター内の個々の標識結合領域のヌクレオチド配列は、そのナノレポーター内の他の標識結合領域のヌクレオチド配列とは異なり、再配列、そのような組換え、標識ポリヌクレオチド配列の共有または取換えを防止し、それによって分子の安定性を改善する。バックボーン上に形成されることとなる標識結合領域の数は、バックボーンの長さおよび性質、ナノレポーターを標識する手段、ならびにバックボーンの標識結合領域に付加されることとなる、シグナルを提供する標識モノマーのタイプに基づく。いくつかの実施形態では、それぞれの標識結合領域の相補的ヌクレオチド配列は、特異的な検出可能な分子を割り当てられる。
本発明はまた、1つまたは複数の標識結合領域が、それぞれの検出可能な分子がシグナルを提供する対応する検出可能な分子に付加される標識ナノレポーターをも提供する。たとえば、いくつかの実施形態では、本発明による標識ナノレポーターは、これらの標識された標識結合領域またはスポットがそれらの固有の線状の配置に基づいて区別可能となるように、少なくとも3つの検出可能な分子が、バックボーンの3つの対応する標識結合領域に付加された場合に得られる。ナノレポーター検出との関連における「スポット」は、ナノレポーター上の標識結合部位に付加される標識モノマーから検出される、集合したシグナルであり、これは、標識結合領域のサイズおよび標識モノマーの性質(たとえば一次発光波長)に依存して、顕微鏡下で視覚化された場合、単一の点光源として現れてもよい。ナノレポーターに由来するスポットは、重複していてもよいまたは重複していなくてもよい。その標的分子を同定するナノレポーターコードは、スポットの長さの任意の順列、他のスポットと比較したその位置、および/またはそのシグナルの性質(たとえば一次発光波長(複数可))を含むことができる。一般に、本発明のそれぞれのプローブまたはプローブ対について、近接する標識結合領域は、非重複であるならびに/または近接する標識結合領域に由来するスポットは、少なくとも検出条件下で(たとえば、参照によって本明細書において組み込まれる米国特許出願第61/029,220号において記載されるように、ナノレポーターが固定され、伸長され、顕微鏡下で観察される場合)、空間的におよび/もしくはスペクトル的に区別可能である。
時々、スポットサイズは、一定の数の塩基またはヌクレオチドとして言及される。当業者によって容易に理解されるように、これは、対応する標識結合領域における塩基またはヌクレオチドの数を指す。
ナノレポーターに由来するスポットの順序および性質(たとえば一次発光波長(複数可)、また任意選択で長さ)は、ナノレポーターの標的特異的配列(複数可)を通してナノレポーターが結合することが可能な標的分子を同定するナノレポーターコードとして働く。ナノレポーターが標的分子に結合した場合、ナノレポーターコードもまた、標的分子を同定する。任意選択で、スポットの長さは、ナノレポーターコードの成分となり得る。
バックボーンの異なる標識結合領域と関連するシグナルを提供する検出可能な分子は、検出条件下で区別不可能であるシグナルを提供することができる(「類似の」シグナル)または少なくとも検出条件下で(たとえば、ナノレポーターが固定され、伸長され、顕微鏡下で観察される場合)、区別可能なシグナルを提供することができる。
本発明はまた、2つ以上の検出可能な分子が標識結合領域に付加されるナノレポーターを提供する。上述の標識結合領域と関連する、検出可能な分子によって提供されるシグナルは、検出される、集合したシグナルを産生する。産生される集合したシグナルは、類似のシグナルから構成されてもよいまたは少なくとも2つの区別可能なシグナル(たとえばスペクトル的に区別可能なシグナル)から構成されてもよい。
一実施形態では、本発明は、類似のシグナルを提供する少なくとも3つの検出可能な分子が、バックボーンの3つの対応する標識結合領域に付加され、上述の3つの検出可能な分子が空間的に区別可能であるナノレポーターを提供する。他の実施形態では、本発明は、3つの区別可能なシグナルを提供する少なくとも3つの検出可能な分子が、3つの近隣の標識結合領域、たとえば3つの近接する標識結合領域に付加され、それによって、上述の少なくとも3つの標識モノマーがスペクトル的に区別可能であるナノレポーターを提供する。
本発明はまた、類似または非類似のシグナルを提供するスポットが、スペーサー領域によって分離され、それによって、スペーサー領域を間に置くことにより、ダークスポットの生成を可能にし、これによって、固有に検出可能なシグナルの可能な組合せを広げるナノレポーターをも提供する。用語「ダークスポット」は、ナノレポーター上の標識結合部位に由来するシグナルの欠如を指す。ダークスポットは、より多くのコード順列を追加し、ナノレポーター集団中のより大きなナノレポーター多様性を生成するためにナノレポーターコードの中に組み込むことができる。一実施形態では、スペーサー領域は、ナノレポーターを検出するために用いられる機器の分析によって決定される長さを有する。
本発明は、1つまたは複数の「ダブルスポット」を有するナノレポーターを提供する。それぞれのダブルスポットは、スペーサー領域によって分離されない、類似のシグナルを提供する、2以上(たとえば3、4、または5)の近接するスポットを含有する。ダブルスポットは、それらのサイズによって同定することができる。
本発明によるシグナルを提供する検出可能な分子は、標識結合領域に付加される相補的ポリヌクレオチド配列に共有結合または非共有結合されてもよい(たとえばハイブリダイゼーションを介して)。標識モノマーはまた、相補的ポリヌクレオチド配列の中に組み込まれる分子(たとえば相補的ポリヌクレオチド配列の中に組み込まれるビオチン)とのその相互作用を通して付加されるリガンド分子(たとえばストレプトアビジン)に共有結合することなどによって、相補的ポリヌクレオチド配列に間接的に付加されてもよく、これは、引き続いて、ハイブリダイゼーションを介してバックボーンに付加される。
本発明のある態様はまた、ナノレポーターのバックボーン上の標識結合領域に付加される(たとえば間接的に)標識モノマーによって提供されるシグナルの配列によって決定される、スペクトルコードなどの、固有に検出可能なシグナルと関連するナノレポーターであって、それによって、シグナルの検出は、ナノレポーターの同定を可能にするナノレポーターをも提供する。
一実施形態では、本発明は、ナノレポーターバックボーンに付加されるアフィニティータグをさらに含むナノレポーターを提供し、支持体へのアフィニティータグの結合は、バックボーン伸長およびバックボーン上の異なる標識結合領域に対応する標識モノマーによって提供されるシグナルの分析を可能にする。ナノレポーター伸長は、物理的、流体力学的、または電気的手段を含む手段を含むが、これらに限定されない、当技術分野において公知の任意の伸長手段を含んでいてもよい。アフィニティータグは、定常領域を含んでいてもよい。
本発明によるナノレポーターは、バックボーンに結合される標的特異的配列をさらに含むことができる。標的特異的配列は、ナノレポーターが標的分子を認識する、それに結合するまたは付加することを可能にするように選択される。本発明のナノレポーターは、すべてのタイプの標的分子の同定に適している。たとえば、適切な標的特異的配列は、標的分子の検出を可能にするためにナノレポーターのバックボーンに結合することができる。好ましくは、標的分子は、DNA(cDNAを含む)、RNA(mRNAおよびcRNAを含む)、ペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質である。
本発明の一実施形態は、本発明による標識モノマーを用いる標的分子検出における増加した柔軟性を提供する。この実施形態では、それぞれが個別の標的特異的領域を有し、この少なくとも一方が標識される、2つの異なる分子の実体を含む二重ナノレポーターは、同じ標的分子に結合する。したがって、二重ナノレポーターの2つの成分の標的特異的配列は、選択される標的分子の異なる部分に結合し、それによって、二重ナノレポーターと関連するスペクトルコードの検出は、上述の二重ナノレポーターと接触させた生体分子試料中で、選択される標的分子の検出を提供する。
本発明はまた、生体分子試料中の特異的な標的分子の存在を検出するための方法であって、(i)二重ナノレポーター中の標的特異的配列の標的分子への結合を可能にする条件下で、本明細書において記載されるナノレポーター(たとえば単一または二重ナノレポーター)と上述の試料を接触させるステップおよび(ii)二重ナノレポーターと関連するスペクトルコードを検出するステップを含む方法をも提供する。ナノレポーターアーキテクチャーに依存して、二重ナノレポーターは、標的分子に結合する前にまたはその後に標識されてもよい。
プローブの集団中のそれぞれのナノレポータープローブの固有性は、複数の標的分子の多重分析を可能にする。たとえば、いくつかの実施形態では、それぞれのナノレポータープローブは、6つの標識結合領域を含有し、それぞれのバックボーンのそれぞれの標識結合領域は、その同じバックボーン中の他の標識結合領域とは異なる。標識結合領域が、4つの色の1つを用いて標識され、標識結合領域についての24の可能な固有の配列があり、それぞれの標識結合領域が特異的な色を割り当てられる場合、それぞれのバックボーン中のそれぞれの標識結合領域は、4つの配列の1つからなるであろう。この例において4096の可能なナノレポーターがあるであろう。可能なナノレポーターの数は、たとえば、色の数を増加させることによって、標識結合領域についての固有の配列の数を増加させることによって、および/またはバックボーン当たりの標識結合領域の数を増加させることによって増加させることができる。同様に、可能なナノレポーターの数は、色の数を減少させることによって、標識結合領域についての固有の配列の数を減少させることによって、および/またはバックボーン当たりの標識結合領域の数を減少させることによって減少させることができる。
ある実施形態では、検出の方法は、多重アッセイにおいて実行され、それによって、複数の標的分子は、同じアッセイ(単一反応混合物)において検出される。好ましい実施形態では、アッセイは、複数の標的分子が同時に検出されるハイブリダイゼーションアッセイである。ある実施形態では、同じアッセイにおいて検出される複数の標的分子は、少なくとも2、少なくとも5の異なる標的分子、少なくとも10の異なる標的分子、少なくとも20の異なる標的分子、少なくとも50の異なる標的分子、少なくとも75の異なる標的分子、少なくとも100の異なる標的分子、少なくとも200の異なる標的分子、少なくとも500の異なる標的分子、もしくは少なくとも750の異なる標的分子、または少なくとも1000の異なる標的分子である。他の実施形態では、同じアッセイにおいて検出される複数の標的分子は、50までの異なる標的分子、100までの異なる標的分子、150までの異なる標的分子、200までの異なる標的分子、300までの異なる標的分子、500までの異なる標的分子、750までの異なる標的分子、1000までの異なる標的分子、2000までの異なる標的分子、または5000までの異なる標的分子である。他の実施形態では、検出される複数の標的分子は、これらに限定されないが、20〜50の異なる標的分子、50〜200の異なる標的分子、100〜1000の異なる標的分子、500〜5000の異なる標的分子などの、異なる標的分子の先の数の中間の任意の範囲のものである。
ある実施形態では、本発明は、同じRNAの異なるスプライス形態の検出に関する。異なるスプライス形態は、それぞれが、同じ遺伝子の異なるエクソンに相補的である異なる標的特異的配列を有する、複数のナノレポータープローブを使用して検出することができる。
本発明のナノレポーターによって提供される定性分析能力およびそれに基づく分析技術に加えて、本発明のナノレポーターは、定量分析を行うのに固有に適している。本発明のナノレポーター(単一または二重ナノレポーターに関わらず)および生体分子試料中のそれらの標的分子の間の1対1の結合を提供することによって、試料中に存在する標的分子のすべてのまたは代表的な部分は、同定し、カウントすることができる。様々な分子種のこの個々のカウントは、生体分子試料中の標的分子の絶対的または相対的濃度を決定するための正確なおよび直接的な方法を提供する。さらに、混合物中のそれぞれの分子を処理する能力は、高感度、最小限のサンプル量必要量、少量の容量の溶液相反応速度によって与えられる高反応速度、および最終的に非常に低い試薬費用を含む、小型化の有益性を個々に高める。
下記に提供される説明および実施例から理解されるように、本発明は、多数の有利性を提供する。たとえば、本発明によるナノレポーターを形成する際の複雑なモジュール性は、非常に高度の多様性を有する固有のナノレポーターのライブラリーの体系的な生成を可能にする(たとえば何百万もの固有に認識可能なナノレポーター)。このモジュール性は、引き続いて著しい生産効率を提供する特定の適用にナノレポーター集団をカスタマイズする際の柔軟性を可能にする。以下の説明を通して理解される他の有利性は、本発明のナノレポーターを構築する際の柔軟性に由来する。すなわち、それらのモジュール構造により、本発明のナノレポーターは、使用のポイントに対する出荷前に構築することができるまたは使用のポイントで構築することができる。
二重ナノレポーター
図1および2は、二重ナノレポーターに関する本発明のある実施形態を示す。いくつかの実施形態では、ナノレポーターの2つの成分のそれぞれは、標識され、その結果、ナノレポーターのスペクトルコードは、ナノレポーターの2つの成分がその標的分子に対する二重ナノレポーターの結合に際して集合する場合にのみ形成される。しかしながら、二重ナノレポーターでは、両方の成分が標識される必要はない。たとえば、図1および2において表されるように、二重ナノレポーターの一方の成分は、ナノレポーターコードを用いて標識され、他方の成分は、伸長および視覚化のために、ナノレポーターを固定するのに有用なアフィニティータグ(矢印)に付加される。
定義
他に定義されない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する当業者らによって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書において記載されるものと同様なまたはそれに等価な任意の方法および物質は、本発明の実施または試験において使用することができるが、好ましい方法および物質が記載される。本発明の目的のために、以下の用語が、下記に定義される。
冠詞「1つの(a)」および「1つの(an)」は、1または1を超える(たとえば少なくとも1)、冠詞の文法的な目的語を指すために本明細書において使用される。例として、「エレメント」は、1つのエレメントまたは1を超えるエレメントを意味する。
ポリヌクレオチドに関しての用語「相補的」は、塩基対形成の法則によって関係するポリヌクレオチドを指す。たとえば、配列「A−G−T」は、配列「T−C−A」に相補的である。相補性は、部分的なものであってもよく、核酸の塩基のいくつかのみが塩基対合則に従ってマッチする。または、核酸の間に完全なもしくは絶対的な相補性があってもよい。核酸鎖の間の相補性の程度は、核酸鎖の間のハイブリダイゼーションの効率および強度に対して著しい影響を有する。
用語「ポリヌクレオチド」、「核酸」、「ヌクレオチド」、および「オリゴヌクレオチド」は、区別なく使用される。それらは、デオキシリボヌクレオチドもしくはリボヌクレオチドまたはそのアナログのいずれかの、任意の長さのヌクレオチドのポリマー形態を指す。以下は、ポリヌクレオチドの非限定的な例である:遺伝子または遺伝子断片のコード領域または非コード領域、連鎖分析から確定される座(複数の座)、エクソン、イントロン、メッセンジャーRNA(mRNA)、転移RNA、リボソームRNA、リボザイム、cDNA、組換えポリヌクレオチド、分岐ポリヌクレオチド、プラスミド、ベクター、任意の配列の単離DNA、任意の配列の単離RNA、核酸プローブ、およびプライマー。ポリヌクレオチドは、メチル化ヌクレオチドおよびヌクレオチドアナログなどの修飾ヌクレオチドを含んでいてもよい。存在する場合、ヌクレオチド構造に対する修飾は、ポリマーの構築の前にまたはその後に与えられてもよい。ヌクレオチドの配列は、非ヌクレオチド成分によって中断されてもよい。ポリヌクレオチドは、標識成分との抱合などによって重合の後にさらに修飾されてもよい。
記述「配列同一性」またはたとえば、「に対して50%同一の配列」を含むは、本明細書において使用されるように、比較のウィンドウにわたって、ヌクレオチド毎に配列が同一である程度を指す。したがって、「配列同一性の百分率」は、比較のウィンドウにわたって2つの最適にアライメントされた配列を比較し、マッチした位置の数を得るために、同一の核酸塩基(たとえばA、T、C、G、I)が両方の配列中に生じる位置の数を決定し、マッチした位置の数を、比較のウィンドウにおける位置の総数(たとえばウィンドウサイズ)で割り、配列同一性の百分率を得るために結果に100を掛けることによって計算されてもよい。
2以上のポリヌクレオチドの間の配列関係を記載するために使用される用語は、「相同性」、「比較ウィンドウ」、「配列同一性」、「配列同一性の百分率」、および「実質的な同一性」を含む。2つのポリヌクレオチドは、それぞれ、(1)2つのポリヌクレオチドの間で同様の配列(たとえば完全なポリヌクレオチド配列の一部のみ)および(2)2つのポリヌクレオチドの間で相違する配列を含んでいてもよく、2つ(以上)のポリヌクレオチドの間の配列比較は、配列類似性の局部領域を同定し、比較するために、「比較ウィンドウ」にわたって2つのポリヌクレオチドの配列を比較することによって典型的に実行される。「比較ウィンドウ」は、通常では約50〜約100、より通常では約100〜約150の、少なくとも6つの隣接する位置の概念的なセグメントを指し、2つの配列が最適にアライメントされた後に、配列は、同数の隣接する位置の参照配列と比較される。比較ウィンドウは、2つの配列の最適なアライメントについて、参照配列(これは追加または欠失を含まない)と比較して、約20%以下の追加または欠失(つまりギャップ)を含んでいてもよい。比較ウィンドウをアライメントするための配列の最適なアライメントは、アルゴリズム(Wisconsin Genetics Software Package Release 7.0中のGAP、BESTFIT、FASTA、およびTFASTA、Genetics Computer Group、575 Science Drive Madison、WI、USA)のコンピューター化された実装によってまたは検査および選択される様々な方法のいずれかによって生成される最良のアライメント(つまり比較ウィンドウにわたって最も高い百分率の相同性をもたらす)によって行われてもよい。たとえば、Altschulら、1997年、Nucl.Acids Res. 25巻:3389頁によって開示される、プログラムのBLASTファミリーもまた言及されてもよい。配列分析の詳細な議論は、Ausubelら、「CurrentProtocolsin Molecular Biology」、John Wiley & Sons Inc、1994〜1998頁、15章のユニット19.3において見出すことができる。
バックボーン構造
本発明のナノレポーターバックボーンは、標識モノマーを直接または間接的に付加することができる、線状の組合せにおいて配置された複数の標識結合領域(たとえば少なくとも3つの標識結合領域)を含有する核酸分子である。一実施形態では、ナノレポーターバックボーンは、標識結合領域が、相補的オリゴヌクレオチド、相補的RNA配列、または相補的DNA配列などの他の核酸をハイブリダイゼーションによって付加することができる一本鎖領域である核酸バックボーンである。特定の実施形態では、ナノレポーターバックボーンは、一本鎖核酸分子である。
いくつかの実施形態では、本発明のバックボーンは、DNAである。DNAベースの構造は、少なくとも部分的に、DNA構築物の操作を可能にする既存の技術および方法論の幅広い分野により、本発明との関連において多数の有利性を提供する。上記に示されるように、バックボーンは、一本鎖であってもよい。
それぞれのバックボーンは、固有の配置の標識結合領域からなる。ナノレポーターバックボーンの標識結合領域は、標識の方法に依存してサイズが変化するであろう。様々な実施形態では、標識結合領域は、10nm〜10,000nmあたりの長さを有することができるが、より好ましくは、50nm〜5,000nm、より好ましくは、100nm〜1,000nmである。様々な実施形態では、標識結合領域は、約100nm〜約500nm、約150nm〜約450nm、約200nm〜約400nm、または250〜約350nmである。好ましい実施形態では、標識結合領域は、回折限界のスポットのサイズ、たとえば、約300nmである、標準の光学装置を用いて検出することができる最も小さなスポットに厳密に対応する。
いくつかの実施形態では、本発明の標識結合領域は、ポリヌクレオチド配列から作製される。本発明の核酸バックボーンについて、1nmは、約3つのヌクレオチドに対応し、したがって、約300nmの標識結合領域は、約900塩基のヌクレオチド配列に対応する。ある実施形態では、標識結合領域は、約300ヌクレオチド〜約1.5kb、約450ヌクレオチド〜約1.35kb、約0.6kb〜約1.2kb、または0.75kb〜約1.05kbである。ある態様では、標識結合領域は、すべての中間の整数を含む、約300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、1200、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000以上のヌクレオチドである。ある好ましい実施形態では、標識結合領域は、長さが約1100ヌクレオチドのヌクレオチド配列である。
バックボーンは、すべての中間の整数を含む、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24〜100以上の標識結合領域を有することができる。ある実施形態では、バックボーンは、6つの標識結合領域を有する。いくつかの実施形態では、個々のバックボーンは、それぞれが、その同じバックボーン中の他の標識結合領域の配列とは異なるポリヌクレオチド配列を有する、異なる標識結合領域のセットを有する。
いくつかの実施形態では、バックボーンは、6つの固有の標識結合領域を有する。いくつかの実施形態では、それぞれのバックボーンは、複数の異なる検出可能な分子を含み、それぞれのバックボーン中の上述の複数の異なる検出可能な分子は、集団中の他のバックボーンをそれと区別する検出可能なシグナルを有する。
本発明によれば、バックボーンの集団中のそれぞれのバックボーンは、標識結合領域の固有の線状の組合せ、順序、または配置を有することによって、他のものと区別可能である。さらに、本発明の一態様として、所与のバックボーン中のそれぞれの標識結合領域のポリヌクレオチド配列は、その同じバックボーン中の他の標識結合領域のポリヌクレオチド配列とは異なる。同じバックボーン上の多重標識結合領域の線状の配置において、1を超える同じ標識結合領域を繰り返すことにより、バックボーンが生成されるプラスミドを、大腸菌における複製の間、不安定にし、そのため増殖することを困難にすることができる。さらに、そのようなバックボーンへのリバース相補体RNAセグメントの導入は、RNAセグメントが2つの同一の標識結合領域を架橋し、まとめ、レポーターの線状の配列を妨害し、他の問題の中でもレポーターコードの正確さおよび読みやすさに干渉する、「もつれた」レポーターの形成を引き起こす場合がある。プラスミド不安定性および可能性として貧しいレポーターの読みやすさが問題である実施形態では、これらの問題は、それぞれがその同じバックボーン中の他の標識結合領域の配列とは異なるポリヌクレオチド配列を有する、異なる標識結合領域のセットを有するようにそれぞれの個々のバックボーンを構築することによって、回避される。
さらに、本発明のさらなる態様として、これらの標識結合領域は、それぞれが、本明細書において詳述されるようにある種の特徴(たとえば、G/C含量およびG/C比、アデニン反復配列)によって表される固有のポリヌクレオチド配列を有し、それぞれが、所与の検出可能な分子を明示する、固有の、合理的に設計された(たとえば合成配列)ヌクレオチド配列の集団から選択される。これらの合理的に設計された配列は、二次構造形成を防止すること(たとえば、レポーターコードの正確さおよび読みやすさを維持するためにレポーターの線状の配列を保つこと)によって安定性を改善するだけではなく、それぞれの標識結合領域に付加される検出可能な分子の濃度および間隔を最適化し、それによって、固有に標識されたバックボーンの集団の中で所与の標識されたバックボーンの読みやすさを改善する。
標識結合領域
本発明は、ナノレポーターの標識および検出を最適化し、二次構造形成を防止する特徴を有するように合理的に設計された合成核酸分子(DNA、RNA、またはDNA/RNAハイブリッド)であるナノレポーターバックボーンを提供する。本発明のいくつかの実施形態では、ナノレポーターバックボーンは、50〜50,000塩基長の1つまたは複数の配列を含む、設計されたポリヌクレオチド配列である。
いくつかの実施形態では、ナノレポーターバックボーンは、予測可能な二次構造を最小限にするように設計される。いくつかの実施形態では、ナノレポーターバックボーンは、あらゆる二次構造が欠けている。推定上の二次構造(たとえばヘアピン、フォールディング、または内部塩基対形成)は、MFOLDなどの当技術分野において公知の方法によって予測することができる。あらゆる理論に制限されることを意図するものではないが、ナノレポーター構造における予測可能な二次構造は、逆向き反復配列を回避することによっておよびバックボーンがCTまたはGAリッチとなるようにバックボーン特異的含量を偏らせることによって最小限にすることができる。いくつかの実施形態では、ナノレポーターバックボーンは、75℃、1×SSPEのアニール条件下でいかなる著しい分子内対形成をも有しない。いくつかの実施形態では、ナノレポーターバックボーンは、約20、15、10、5、4、3、2、または1%未満の逆向き反復配列を有し、逆向き反復配列は、9ヌクレオチド以上である。いくつかの実施形態では、バックボーンは、約1%未満の逆向き反復配列を有し、逆向き反復配列は、9ヌクレオチド以上である。いくつかの実施形態では、ナノレポーターは、長さが1100塩基対である配列にわたって9以上のヌクレオチドのいかなる逆向き反復配列をも含有していない。いくつかの実施形態では、ナノレポーターは、任意の100塩基対領域にわたって7以上のヌクレオチドのいかなる逆向き反復配列をも含有していない。いくつかの実施形態では、ナノレポーターバックボーンは、バックボーンがCTまたはGAリッチとなるように、バックボーンの鎖特異的含量を偏らせるように設計される。CTまたはGA領域は、ヌクレオチドCおよびTまたはGおよびAの任意の組合せによって構成される領域である。たとえば、最も小さなCT領域は、2つのヌクレオチドがCおよびTである2つのヌクレオチドの領域である。領域は、長さが2、3、4、5、6、7、8以上のヌクレオチドとすることができる。いくつかの実施形態では、約30、35、40、45、50、55、60、または70%のナノレポーターバックボーンは、CTまたはGA領域から構成される。いくつかの実施形態では、約50〜65%のナノレポーターバックボーンは、CTまたはGA領域から構成される。いくつかの実施形態では、約60%のナノレポーターバックボーンは、CTまたはGA領域から構成される。いくつかの実施形態では、ナノレポーターバックボーンは、バックボーンがCTリッチとなるように、バックボーンの鎖特異的含量を偏らせるように設計される。いくつかの実施形態では、約60%のナノレポーターバックボーンは、CT領域から構成される。
いくつかの実施形態では、ナノレポーターバックボーンは、直列反復配列を回避すること、およびナノレポーターの集団中の他のバックボーンにおいて使用される任意の他の配列に対してまたはREFSEQ公的データベースにおいて記載される任意の配列に対して任意の著しい相同性を有したすべての配列をスクリーニングすることによって、ナノレポーター集団中の配列のすべての固有性を最大限にするように設計される。いくつかの実施形態では、ナノレポーターバックボーンは、約20、15、10、5、4、3、2、または1%未満の直列反復配列を有する。いくつかの実施形態では、ナノレポーターバックボーンは、約1%未満の直列反復配列を有し、直列反復配列は、長さが1100塩基対の配列中で9ヌクレオチド以上であるまたは任意の100塩基対領域にわたって7ヌクレオチド以上である。いくつかの実施形態では、本明細書において記載されるナノレポーターは、ナノレポーターの集団中の他のバックボーンにおいて使用される任意の他の配列に対してまたはREFSEQ公的データベースにおいて記載される任意の配列に対して、85、80、70、60、50、40、30、20、10または5%未満の相同性を含有する。いくつかの実施形態では、本明細書において記載されるナノレポーターは、ナノレポーターの集団中の他のバックボーンにおいて使用される任意の他の配列に対してまたはREFSEQ公的データベースにおいて記載される任意の配列に対して、60%未満の相同性を含有する。いくつかの実施形態では、本明細書において記載されるナノレポーターは、ナノレポーターの集団中の他のバックボーンにおいて使用される任意の他の配列に対してまたはREFSEQ公的データベースにおいて記載される任意の配列に対して、50%未満の相同性を含有する。いくつかの実施形態では、ナノレポーターのバックボーンは、バックボーンにおいて使用される任意の他の配列に対してまたはREFSEQ公的データベースにおいて記載される任意の配列に対して、85%未満の相同性を含有するように設計される。いくつかの実施形態では、ナノレポーターバックボーンは、バックボーンにおいて使用される任意の他の配列に対してまたはREFSEQ公的データベースにおいて記載される任意の配列に対して、相同性の20、16、15、10、9、7、5、3、2未満の隣接する塩基を含有するように設計される。いくつかの実施形態では、ナノレポーターバックボーンは、バックボーンにおいて使用される任意の他の配列に対してまたはREFSEQ公的データベースにおいて記載される任意の配列に対して、相同性の多くとも15の隣接する塩基およびナノレポーターの全長にわたって多くとも85%の同一性を有するように設計される。
本発明の核酸標識結合領域は、長さが12塩基を超える直列または逆向き反復配列を好ましくは有していない。他の実施形態では、核酸標識結合領域は、長さが約7、8、9、10、11、12、13、14、15、16以上のヌクレオチド塩基を超える直列または逆向き反復配列を有していない。いくつかの実施形態では、核酸標識結合領域は、長さが1100塩基対である配列にわたって9以上のヌクレオチドのいかなる逆向き反復配列をも含有していない。いくつかの実施形態では、核酸標識結合領域は、任意の100塩基対領域にわたって7以上のヌクレオチドのいかなる逆向き反復配列をも含有していない。
配列はまた、一般的な6塩基カッター制限酵素認識部位を回避するためにスクリーニングされてもよい。選択される配列は、予測される二次構造分析にさらにかけられてもよく、最小の二次構造を有するものはさらなる評価のために選ばれてもよい。MFOLDプログラムなどの、当技術分野において公知の任意のプログラムは、二次構造を予測するために使用することができる(Zuker、2003年、NucleicAcids Res. 31巻(13号):3406〜15頁;Mathewsら、1999年、J.Mol. Biol. 288巻:911〜940頁)。
ナノレポーターバックボーンは、いくつかの実施形態では一本鎖核酸分子であるが、特定の塩基の規則的なパターン(「規則的に繰り返された塩基」)を含む、1つまたは複数の標識結合領域を有するように設計される。そのような領域において、規則的に繰り返された塩基は、典型的に、約n番目の残基毎の最小限の周期性で生じ、nは、任意の数とし、好ましくは4〜25とする。好ましくは、標識結合領域における25%以下の規則的に繰り返された塩基は、上述の規則的な間隔以外で現れる。たとえば、100ヌクレオチドの標識結合領域において、12のチミン塩基があり、チミンが、規則的に繰り返された塩基である場合、本発明のこの態様では、これらの25%以下、つまり3チミン塩基は、規則的なパターンのチミンの外側に現れる。同様に、100ヌクレオチドの標識結合領域において、12のアデニン塩基があり、アデニンが、規則的に繰り返された塩基である場合、本発明のこの態様では、これらの25%以下、つまり3アデニン塩基は、規則的なパターンのアデニンの外側に現れる。特定の実施形態では、20%以下、15%以下、10%以下、9%以下、8%以下、7%以下、6%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、または1%以下の上述の塩基は、上述の領域の上述の規則的な間隔以外で現れる。いくつかの実施形態では、塩基は、規則的に間隔を有さないが、塩基は、少なくとも平均8、9、10、12、15、16、18、20、30、または50ヌクレオチド離れている。いくつかの実施形態では、塩基は、規則的に間隔を有さないが、塩基は、少なくとも平均8ヌクレオチド離れている。
ある実施形態では、所与の標識結合領域における規則的に繰り返された塩基は、少なくとも約4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25以上のヌクレオチド塩基の間隔を有する。ある態様では、規則的に繰り返された塩基は、約5〜15ヌクレオチド塩基毎の、約6〜12ヌクレオチド塩基毎の、約7〜10ヌクレオチド塩基毎の、または約8〜10ヌクレオチド塩基毎の間隔を置いて配置される。ある態様では、規則的に繰り返された塩基は、約8ヌクレオチド塩基毎の間隔を置いて配置される。ある特定の実施形態では、アデニン塩基は、約8ヌクレオチド塩基毎に繰り返される。ある特定の実施形態では、アデニン塩基は、約15〜20ヌクレオチド塩基毎に繰り返される。ある特定の実施形態では、アデニン塩基は、約16ヌクレオチド塩基毎に繰り返される。
規則的に繰り返された塩基は、約5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%のヌクレオチド含量で所与の標識結合領域のポリヌクレオチド配列中に存在してもよい。標識結合領域において平均約8〜16ヌクレオチド毎に規則的に繰り返された塩基の存在は、約12.5%のヌクレオチド含量を表す。ある実施形態では、規則的に繰り返された塩基のヌクレオチド含量は、約12.5%であってもよい。ある態様では、標識結合領域は、選択される数または選択される百分率の、領域当たりの規則的に繰り返された塩基を含み、これらは、それらが、少なくとも約8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24塩基以上離れているように、少なくとも一定の最小限の距離離れていなければならないという点を除いて無作為に分布する。
規則的に繰り返された塩基は、アデニン、チミン、グアニン、シトシン、またはウラシルの任意のヌクレオチド塩基とすることができる。ある実施形態では、一本鎖標識結合領域における規則的に繰り返された塩基は、アデニンである。
ある態様では、標識結合領域のポリヌクレオチド配列はまた、一定のグアニン/シトシン(G/C)含量を有するようにも設計される。たとえば、ある標識結合領域は、これが標識結合領域の多数の固有のポリヌクレオチド配列の中で適正に一貫したTを提供するように、約45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、より好ましくは約50%の全体的なG/C含量を有するように設計される。ある態様では、ポリヌクレオチド配列は、合成問題を最小限にするためには多くとも連続して3つのグアニンを有する。全体的なGC含有率はまた、好ましくは、局所的なTmを同様にするために、比較的短いストレッチにわたって一貫している。あらゆる理論に制限されることを意図するものではないが、ナノレポーターが二本鎖核酸である場合、本明細書において記載されるナノレポーターのTmは、ナノレポーターバックボーンおよび検出可能な分子をそれに付加させている相補的ポリヌクレオチド配列の間のより強い結合を提供し、そのため、合成およびハイブリダイゼーション手順の間の解離を防止する。さらに、ナノレポーターの集団の中の一貫したTmは、最適条件がすべてのスポットおよび位置について同じとなるように、合成およびハイブリダイゼーション手順が厳重に最適化されることを可能にする。いくつかの実施形態では、ナノレポーターの配列は、約50%のグアニン/シトシン(G/C)を有し、連続して多くとも3つのGを有する。
ある態様では、標識結合領域のポリヌクレオチド配列はまた、所与の鎖において一定のG/C比を有するように設計される。たとえば、ある実施形態では、標識結合領域のポリヌクレオチド配列は、相補的ポリヌクレオチド配列が約1/1、2/1、3/2、約5/3、または約7/5のG/C比を有するように設計される。ある態様では、G/C比は、少なくとも1/1である。ある態様では、G/C比は、所与の鎖において約1/1、2/1、3/2、5/3、または約7/5である。ある態様では、G/C比は、相補的ポリヌクレオチド配列中で少なくとも1/1である。ある態様では、G/C比は、相補的ポリヌクレオチド配列中で約3/2である。
アデニンが規則的に繰り返された塩基であり、少なくとも約8ヌクレオチド毎の間隔を有し(約12.5%のアデニン含量)、G/C含量が約50%である、ある特定の実施形態では、チミン含量は、約37〜38%または約37.5%であってもよい。アデニンが規則的に繰り返された塩基であり、G/C含量が約50%である、ある特定の実施形態では、チミン含量は、約35〜45%であってもよい。規則的に繰り返されたヌクレオチドがアデニンであり、約50%のGC含有率である例示的な標識結合領域において、超過アデニンは、Tの存在率の減少を補うために利用されてもよい。選択される配列を生成するために、4塩基毎〜25塩基毎の範囲の固定パターンのAを有する無作為の配列が、作製され、逆向きおよび直列反復配列の存在を最小限にするためにスクリーニングされてもよい。
いくつかの実施形態では、本発明は、ナノレポーターまたはナノレポーター標識ユニット集団、たとえば、少なくとも3、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも750、または少なくとも1,000の固有のナノレポーター、固有のナノレポーター標識ユニット、または固有の標識ナノレポーターを含有するナノレポーターまたはナノレポーター標識ユニットライブラリーを提供する。本明細書において使用されるように、集団内のナノレポーターまたはナノレポーター標識ユニットに関して使用される場合の「固有の」は、それを同じ集団中の他のナノレポーターと区別するコードを有するナノレポーターを意味するように意図され、たとえば、それぞれのナノレポーターは、それを上述の集団中の他のナノレポーターと区別する検出可能なシグナルを有する。典型的に、ナノレポーターは、それぞれが選択される標識モノマーをそれに付加させている標識結合領域の特定の線状の組合せによって「固有」とされる。
特定の実施形態では、本発明は、少なくとも1,000、5,000、少なくとも10,000、少なくとも20,000、または少なくとも50,000の固有のナノレポーターまたはナノレポーター標識ユニットを有するナノレポーター集団を提供する。
ナノレポーターの集団中のナノレポーターは、単一ナノレポーター、二重ナノレポーター、またはその組合せとすることができる。ナノレポーターは、標識または非標識とすることができる。本明細書において記載されるナノレポーターの集団は、2つ以上のナノレポーターを含むことができる。
いくつかの実施形態では、本発明は、塩基(たとえばアデニン)が規則的に間隔を有するナノレポーターバックボーンの集団を提供し、ナノレポーターは、二次構造の任意の著しい形成を有さず、集団中のナノレポーターの中でTmは、適正に一貫している。いくつかの実施形態では、本発明は、その標識結合領域にハイブリダイズした場合の相補的ポリヌクレオチド配列のTmが約80℃以上である、ナノレポーターの集団を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、それぞれのナノレポーターバックボーンが、線状の組合せにおいて共に共有結合された複数の標識結合領域を含む領域を含み、それぞれの標識結合領域が、約800〜1300ヌクレオチド塩基を含み、約50%のG/C含量を有し、それぞれの選択される標識結合領域が他の選択される標識結合領域とは異なり、それぞれの標識結合領域が、1つまたは複数の検出可能な分子をそれに付加させている相補的ポリヌクレオチド配列にハイブリダイズし、相補的ポリヌクレオチド配列が少なくとも1/1のG/C比を有する、ナノレポーターバックボーンの集団を提供する。いくつかの実施形態では、相補的ポリヌクレオチド配列は、約3/2のG/C比を有する。いくつかの実施形態では、ナノレポーターバックボーンは、バックボーンがCTリッチとなるように、バックボーンの鎖特異的含量を偏らせるように設計される。いくつかの実施形態では、約60%のナノレポーターバックボーンは、CT領域から構成される。
いくつかの実施形態では、本発明は、それぞれのナノレポーターバックボーンが、一本鎖核酸バックボーンを含み、上述のバックボーンが固有の線状の組合せにおいて共に共有結合された複数の標識結合領域を含み、上述のナノレポーターバックボーンが、規則的に間隔を有する塩基(たとえばアデニン)を含み、ナノレポーターバックボーンは、二次構造の著しい形成を有さず、集団中の他のバックボーンにおいて使用される任意の他の配列に対してまたはREFSEQ公的データベースにおいて記載される任意の配列に対して、85%未満の相同性を含有するナノレポーターバックボーンの集団を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、それぞれのナノレポーターバックボーンが、一本鎖核酸バックボーンを含み、上述のバックボーンが固有の線状の組合せにおいて共に共有結合された複数の標識結合領域を含み、上述のナノレポーターバックボーンが、約50%のG/C含量を有し、ナノレポーターバックボーンは、二次構造の著しい形成を有さず、集団中の他のバックボーンにおいて使用される任意の他の配列に対してまたはREFSEQ公的データベースにおいて記載される任意の配列に対して、85%未満の相同性を含有するナノレポーターバックボーンの集団を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、それぞれのナノレポーターバックボーンが、一本鎖核酸バックボーンを含み、上述のバックボーンが固有の線状の組合せにおいて共に共有結合された複数の標識結合領域を含み、上述のナノレポーターバックボーンが、約50%のG/C含量を有し、ナノレポーターバックボーンは、二次構造の著しい形成を有さず、1%未満の直列反復配列を含有するナノレポーターバックボーンの集団を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、それぞれのナノレポーターバックボーンが、一本鎖核酸バックボーンを含み、上述のバックボーンが固有の線状の組合せにおいて共に共有結合された複数の標識結合領域を含み、標識結合領域は、固有の設計されたポリヌクレオチド配列の集団から選択され、それぞれのポリヌクレオチド配列が、1つまたは複数の検出可能な分子をそれに付加させている固有の相補的ポリヌクレオチド配列にハイブリダイズし、それぞれのナノレポーターが、それを上述の集団中の他のナノレポーターと区別する検出可能なシグナルを有し、それぞれのナノレポーターが、M13 DNAを含む比較可能なナノレポーターよりも安定している、ナノレポーターバックボーンの集団を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、それぞれのナノレポーターバックボーンが、一本鎖核酸バックボーンを含み、上述のバックボーンが固有の線状の組合せにおいて共に共有結合された複数の標識結合領域を含み、標識結合領域は、固有の設計されたポリヌクレオチド配列の集団から選択され、それぞれのポリヌクレオチド配列が、1つまたは複数の検出可能な分子をそれに付加させている固有の相補的ポリヌクレオチド配列にハイブリダイズし、それぞれのナノレポーターが、それを上述の集団中の他のナノレポーターと区別する検出可能なシグナルを有し、本明細書において記載されるナノレポーター中のその標識結合領域にハイブリダイズする場合の相補的ポリヌクレオチド配列のTmは、M13 DNAを含むナノレポータープローブにハイブリダイズした場合のM13 DNA鋳型に相補的なポリヌクレオチド配列のTmよりも高い、ナノレポーターバックボーンの集団を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書において記載されるナノレポータープローブの配列特徴が、標的分子の改善された検出を提供する、ナノレポーターバックボーンの集団を提供する。たとえば、標的分子へのナノレポータープローブの結合が、試料中のナノレポーターの1つまたは複数の分子の存在を個々にカウントすることによって実行される場合、本明細書において記載されるナノレポータープローブは、カウント数の増加を可能にする。いくつかの実施形態では、試料の標準化の後の上述の分子複合体のバックグラウンドを超える分子カウント数は、300、400、450、500、600、700、800、900、または1000分子カウントよりも高い。いくつかの実施形態では、本明細書において記載されるナノレポータープローブは、カウント数の増加を可能にする。いくつかの実施形態では、試料の標準化の後の上述の分子複合体のバックグラウンドを超える分子カウント数は、400分子カウントよりも高い。いくつかの実施形態では、本明細書において記載されるナノレポータープローブの有効な分子カウントの百分率は、約10、11、12、12.5、14、15、20、25、30、35、40、50、60、70、80、または90%よりも高い。いくつかの実施形態では、本明細書において記載されるナノレポータープローブの有効な分子カウントの百分率は、約12.5%よりも高い。いくつかの実施形態では、上述の試料の標準化の後の本明細書において記載されるナノレポータープローブのバックグラウンドを超える分子カウントの数は、M13 DNAを含む、比較可能なナノレポーターよりも、少なくとも2、5、6、10、15、20、30、40、50、60、70、80、または90倍高い。いくつかの実施形態では、上述の試料の標準化の後の本明細書において記載されるナノレポータープローブのバックグラウンドを超える分子カウントの数は、M13 DNAを含む、比較可能なナノレポーターよりも、少なくとも6倍高い。いくつかの実施形態では、上述の試料の標準化の後の本明細書において記載されるナノレポータープローブのバックグラウンドを超える分子カウントの数は、M13 DNAを含む、比較可能なナノレポーターよりも、少なくとも2倍高い。
比較可能なM13ナノレポータープローブは、共に共有結合された複数のM13 DNA領域を含む一本鎖バックボーンに付加される、本明細書において記載されるナノレポータープローブと同じ標的特異的領域を含むナノレポーターであり、それぞれの領域は、1つまたは複数の検出可能な分子をそれに付加させている相補的ポリヌクレオチド配列にハイブリダイズする。
ナノレポータープローブ集団のサイズ、およびその内部のナノレポーターの標的特異的配列の性質は、ナノレポーターの意図される使用に依存するであろう。標的特異的配列が、病気の細胞型を含む所与の細胞型のマーカーに対応するナノレポータープローブ集団を作製することができる。特定の実施形態では、細胞または組織は、哺乳動物細胞または組織、より好ましくはヒト細胞または組織である。
いくつかの実施形態では、適切な配列は、50塩基〜2キロベース長の範囲の標識結合領域に分けられる(より長くすることができる)。標識結合領域はまた、これらの例示的な範囲の組合せおよび中間のすべての整数(たとえば850、950など)を含む、約200塩基〜約1800塩基、約400塩基〜約1600塩基、約600塩基〜約1500塩基、約800塩基〜約1300塩基、約900塩基〜約1200塩基、約1000塩基〜約1150塩基、約1050塩基〜約1150塩基の範囲とすることができる。ある実施形態では、標識結合領域は、約1100塩基である。
いくつかの実施形態では、それぞれの標識結合領域は、所与のレポーター配列中の他の標識結合領域に関して、固有の配列であるが、アデニンまたは他の選択される塩基の一貫した最小限の数および間隔を含有する。これらの標識結合領域は、配列が重要でない他の領域を用いて散在させることができる。ナノレポーターバックボーン中の標識結合領域は、異なる長さとすることができるおよび/または異なる規則的に繰り返された塩基を有することができる。
一本鎖標識結合領域を合成するために鋳型として利用されてもよいポリヌクレオチド配列の特定の例は、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、および24において記載されるポリヌクレオチド配列を含む。これらの配列については、記述される、規則的に繰り返された塩基は、チミンであり、これは、典型的にナノレポーターバックボーンの形態をした一本鎖標識結合領域の合成に基づいて、規則的に繰り返されたものとしてアデニンを産生する。配列番号1〜24において記載されるポリヌクレオチド配列に対して、少なくとも60%、70%、80%、90%、95%、98%以上の配列同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むこれらのポリヌクレオチド配列の変異体もまた企図され、そのような変異体は、より詳細に本明細書において記載されるように、標識結合領域の所望のまたは適した特徴を保持する(たとえば、所与の鎖における規則的に繰り返された塩基、G/C含量、G/C比、Tm、逆向き反復配列の欠如)。当業者によって理解されるように、他の配列は、本明細書において記載される標識結合領域の所望のまたは適した特徴を有するように設計することができる。
RNAポリメラーゼT7、T3、またはSP6による転写(転写物の+1位で始まる)のための最適化された開始配列は、それぞれの標識結合領域の5’末端に追加することができる。制限部位は、従来のクローニング技術を使用して、配列に個々の標識結合領域の特異的な追加または欠失を可能にするために、それぞれの標識結合領域の境界に任意選択で追加される。
ナノレポーターバックボーン中の標識結合領域の数は、好ましくは1〜50の範囲である。さらに他の実施形態では、ナノレポーターバックボーン中の合成標識結合領域の数は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10の合理的に設計された標識結合領域〜15、20、30、40、もしくは50の標識結合領域の範囲または中間の任意の範囲である。ある実施形態では、バックボーン中の標識結合領域の数は、6である。
いくつかの実施形態では、ナノレポーターバックボーン中の標識結合領域における規則的に繰り返された塩基またはアニールされた相補的ポリヌクレオチド配列(もしくはセグメント)におけるその相補的規則的に繰り返された塩基は、ナノレポーターシグナルのよりよい分布のために、規則的な一様に間隔を有するパターンで、標識モノマー、好ましくは光放射標識モノマーをナノレポーターに付加させるために使用することができる。好ましくは、標識結合領域が標識される場合、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%の発生率の規則的に繰り返された塩基は、塩基への標識モノマーの共有結合によってまたは規則的に繰り返された塩基の相補体がそのように標識される核酸へのハイブリダイゼーションによって、少なくとも1つの光放射標識モノマーに付加される。
発生率のこの百分率は、当技術分野において公知の任意の手段によって測定することができる。ある方法では、標識反応において産生される核酸の量は、精製され(たとえば、RNAは、Qiagen RNeasyキットを使用して精製することができる)、UV分光光度法にかけられる。適切な波長での吸光度(「A」)は、それぞれの核酸(260nm)およびその発生率が測定されることとなる標識モノマー(たとえばAlexa Fluor 488について495nm;Alexa Fluor 594について590nm;Alexa Fluor 647について650;およびCy3について550nm)について測定される。核酸の吸光度は、標識モノマーから「ノイズ」の寄与を除去するために260nm(「A260」)での吸光度の値を調整し、標識モノマー(ALM)についてのピーク波長での吸光度からその標識モノマーについての補正係数を引くことによって補正される。核酸がRNAである場合、1000ヌクレオチド当たりの標識モノマーの数は、式に従って計算される。
ECLMは、標識モノマーについての消衰係数である。この式から、光放射標識モノマーに付加される、規則的に繰り返された塩基の発生率の百分率を計算することができる。
いくつかの実施形態では、標識結合領域における好ましい規則的に繰り返された塩基は、領域が、規則的に繰り返された塩基がウラシルである1つまたは複数の相補的ポリヌクレオチド配列(たとえばRNAセグメント)に対するハイブリダイゼーションによって標識することができるように、アデニンである。いくつかの実施形態では、アデニンは、規則的に繰り返されていないが、少なくとも平均8塩基の間隔を有する。これは、他の場合には無作為の配列中で、標識モノマー結合部位として、容易に市販で入手可能であるアミノアリル修飾UTPの使用を可能にする。好ましくは、標識結合領域の規則的な周期性に加えて、領域(およびそれらを含む核酸)は、最小限の二次構造および適正に一貫したTmを含有する。
本発明の核酸は、自然発生のヌクレオチドまたは分子の生物学的安定性を増加させるようにもしくは標識結合領域およびアニールされた相補的ポリヌクレオチド配列またはセグメントの間で形成される二重鎖の物理的安定性を増加させるように設計された様々に修飾されたヌクレオチドを使用して化学的に合成することができ、たとえば、ホスホロチオエート誘導体およびアクリジン置換ヌクレオチドを使用することができる。合成核酸を生成するために使用することができる修飾ヌクレオチドの例は、5−フルオロウラシル、5−ブロムウラシル、5−クロロウラシル、5−ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4−アセチルシトシン、5−(カルボキシヒドロキシルメチル)ウラシル、5−カルボキシメチルアミノメチル−2−チオウリジン、5−カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、ベータ−D−ガラクトシルキューオシン(queosine)、イノシン、N6−イソペンテニルアデニン、1−メチルグアニン、1−メチルイノシン、2,2−ジメチルグアニン、2−メチルアデニン、2−メチルグアニン、3−メチルシトシン、5−メチルシトシン、N6−アデニン、7−メチルグアニン、5−メチルアミノメチルウラシル、5−メトキシアミノメチル−2−チオウラシル、ベータ−D−マンノシルキューオシン、5’−メトキシカルボキシメチルウラシル、5−メトキシウラシル、2−メチルチオ−N6−イソペンテニルアデニン、ウラシル−5−オキシ酢酸(v)、ワイブトキソシン、偽ウラシル、キューオシン、2−チオシトシン、5−メチル−2−チオウラシル、2−チオウラシル、4−チオウラシル、5−メチルウラシル、ウラシル−5−オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル−5−オキシ酢酸(v)、5−メチル−2−チオウラシル、3−(3−アミノ−3−N−2−カルボキシプロピル)ウラシル、(acp3)w、および2,6−ジアミノプリンを含む。
その代わりに、合成核酸は、核酸がサブクローニングされたベクターを使用して生物学的に産生することができる。一例として、線状の一本鎖DNAバックボーンは、(i)制限酵素を用いるdsDNAの線状化、(ii)熱不安定性のホスファターゼを用いる脱リン酸化、(iii)バックボーン配列からクローニングベクターを分離するための第2の制限酵素を用いる消化、および(iv)完全なバックボーン断片の一方の鎖のみを残す鎖特異的ラムダエキソヌクレアーゼを用いる消化を含む4ステップのプロトコールを使用して、二本鎖プラスミドDNAから作製することができる。
様々な実施形態では、本発明の核酸分子は、たとえば、分子の安定性、ハイブリダイゼーション、または溶解性を改善するために、塩基成分、砂糖成分、またはリン酸バックボーンで修飾することができる。たとえば、核酸のデオキシリボースリン酸バックボーンは、ペプチド核酸を生成するために修飾することができる(Hyrupら、1996年、Bioorganic& Medicinal Chemistry 40巻:5〜23頁を参照されたい)。本明細書において使用されるように、用語「ペプチド核酸」または「PNA」は、核酸模倣物、たとえば、デオキシリボースリン酸バックボーンが偽ペプチドバックボーンと交換され、4つの自然な核酸塩基のみが保持されるDNA模倣物を指す。PNAの中性のバックボーンは、低イオン強度の条件下で、DNAおよびRNAに対する特異的なハイブリダイゼーションを可能にすることが示された。PNAオリゴマーの合成は、Hyrupら、1996年、Bioorganic&
Medicinal Chemistry 4巻(1号):5〜23頁;Perry-O'Keefeら、1996年、Proc. Natl. Acad.Sci. USA 93巻:14670〜675頁において記載される標準の固相ペプチド合成プロトコールを使用して実行することができる。
例示的な実施形態では、選択される新規な配列は、民間の遺伝子合成会社によって二本鎖DNAとして合成的に構築することができ、pUC119などの、DNA複製およびファージキャプシド形成に必要なシス作用配列を含有するM13またはf1ファージ遺伝子間(Ig)領域を含有するプラスミドベクターである「ファージミド」の中に方向づけられた様式でクローニングすることができる。ファージ複製開始点に関連するクローニング挿入物の適切な方向づけは、それぞれの標識結合領域についてin vitro転写によって生成されるRNA分子のリバース相補体である一本鎖DNAバックボーンの生成を可能にする。
新規なレポーターの一本鎖DNAバックボーンを生成するために、ファージミドは、F’エピソームを含有する大腸菌株の中に形質転換される。M13突然変異体K07などのヘルパーファージを用いて形質転換された細菌の続く感染は、環状一本鎖DNAが標準プロトコールを使用して調製される一本鎖パッケージファージとして新規なレポーター配列を運搬するファージミドの分泌をもたらす。このDNAは、線状化され、ベクター部分は、二本鎖制限部位を生成するために新規なレポーター配列のいずれかの末端に短い相補的オリゴヌクレオチドをアニールし、その後に続いて適切な制限酵素を用いて処理することによって切り取られる。図9は、本明細書において記載されるナノレポーターをクローニングし、増殖し、生成するために使用されてもよいプラスミドベクターの例を示す。
相補的ポリヌクレオチド配列
いくつかの実施形態では、ナノレポーターコードのすべてまたは一部を構成する、シグナルを提供するまたは放射する検出可能な分子または標識モノマーは、本明細書において相補的ポリヌクレオチド配列と呼ばれる構造を通してナノレポーターバックボーンの標識結合領域(複数可)に付加される。検出可能な分子は、直接(たとえば共有結合もしくは非共有結合で)相補的ポリヌクレオチド配列に付加されるまたは間接的にそのような配列に付加される(たとえば、リガンドなどの介在成分を通して)。
いくつかの実施形態では、相補的ポリヌクレオチド配列は、長さが25ヌクレオチド〜数キロベース(たとえば5kb)とすることができ、好ましくは、長さが50ヌクレオチド〜2kbとする。特定の実施形態では、相補的ポリヌクレオチド配列は、長さが約25〜250、50〜200、50〜150、または50〜100ヌクレオチドである。他の実施形態では、相補的ポリヌクレオチド配列は、長さが約500〜2,000、500〜1,500、500〜1,000、750〜1,250、または750〜1,000ヌクレオチドである。ある態様では、相補的ポリヌクレオチド配列は、中間のすべての整数を含む、長さが約800、850、900、950、1100、1150、または1100ヌクレオチドである。相補的ポリヌクレオチド配列は、相補的RNAポリヌクレオチドまたは相補的DNAポリヌクレオチドとすることができる。好ましい実施形態では、相補的ポリヌクレオチド配列は、相補的RNAポリヌクレオチドである。
検出可能な分子または標識モノマーは、配列がナノレポーターバックボーンの標識結合領域に付加される前にまたはその後に、相補的ポリヌクレオチド配列に共有結合させることができる。たとえば、相補的ポリヌクレオチド配列に検出可能な分子を付加させる際に、標識は、その合成の間に、核酸の中への、検出可能な分子を含有するヌクレオチドの組込みによって共有結合させることができるが、それが、バックボーンの標識結合領域にハイブリダイズする前である。その代わりに、相補的ポリヌクレオチド配列の合成の間に、検出可能な分子アクセプター群を含有するヌクレオチドを含むことができ、検出可能な分子は、その合成の後に、それがバックボーンの標識結合領域にハイブリダイズする前にまたはその後に、相補的ポリヌクレオチド配列に追加される。その代わりに、標識モノマーは、たとえば、合成の間に相補的ポリヌクレオチド配列の中にリガンド結合分子(たとえばビオチン)を含有するヌクレオチドを組み込むこと、および検出可能な分子に共有結合されるリガンド(たとえばストレプトアビジン)を追加することによって、相補的ポリヌクレオチド配列に間接的に付加させることができる。
いくつかの実施形態では、相補的ポリヌクレオチド配列は、ナノレポーターの構築の方法に依存して、長さが20ヌクレオチド〜5kbを超えるあたりの範囲とすることができる。たとえば、相補的ポリヌクレオチド配列が、その中に、標識ナノレポーターとの関連におけるナノレポーターコードの一部であるシグナルを提供する1つまたは複数の標識モノマーを共有結合で組み込む場合、相補的ポリヌクレオチド配列は、好ましくは長さが約100〜約10,000塩基、より好ましくは200〜約2000塩基、およびより好ましくは700〜約1200ヌクレオチドまたは長さが約1100塩基対であり、一般に、本明細書において、セグメント、標識モノマーの組込み前の、相補的ポリヌクレオチド配列であるダークセグメント(しかし、好ましい実施形態では、アミノアリルヌクレオチドなどの標識モノマーアクセプター部位を含有する)および所望の1つまたは複数の標識モノマーを含有するものである有色のセグメントと呼ばれる。その標識結合領域にハイブリダイズする場合のセグメントのTは、825mM Na(5×SSC)において、好ましくは>80℃、より好ましくは>90℃である。
標識結合領域と同様に、相補的ポリヌクレオチド配列は、規則的に繰り返された塩基のパターンを含んでいてもよいまたはそれは、同様の百分率の、グアニン、アデニン、チミン、シトシン、もしくはウラシル反復塩基などの塩基を含んでいてもよい。一本鎖標識結合領域における反復塩基がアデニンである場合、相補的ポリヌクレオチド配列中の反復塩基は、相補的ポリヌクレオチド配列が相補的DNAポリヌクレオチドである場合、チミンであってもよいまたは相補的ポリヌクレオチド配列が相補的RNAポリヌクレオチドである場合、ウラシルであってもよい。
所与の相補的ポリヌクレオチド配列中の規則的に繰り返された塩基は、約4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25以上のヌクレオチド塩基毎の間隔を有していてもよい。ある態様では、規則的に繰り返された塩基は、約5〜15ヌクレオチド塩基毎の、約6〜12ヌクレオチド塩基毎の、約7〜10ヌクレオチド塩基毎の、または約8〜10ヌクレオチド塩基毎の間隔を置いて配置される。ある態様では、規則的に繰り返された塩基は、約8ヌクレオチド塩基毎の間隔を置いて配置される。ある態様では、規則的に繰り返された塩基は、約15〜20ヌクレオチド塩基毎の間隔を置いて配置される。ある態様では、規則的に繰り返された塩基は、約16ヌクレオチド塩基毎の間隔を置いて配置される。
ある態様では、規則的に繰り返された塩基は、アミノアリル修飾されている。この修飾は、規則的に繰り返された塩基への検出可能な分子または標識モノマーの素早い付加(たとえば上記のように直接的なまたは間接的な)を可能にする。アミノアリル修飾塩基は、グアニン、アデニン、チミン、シトシン、またはウラシル塩基であってもよい。ある実施形態では、規則的に繰り返された塩基は、アミノアリル修飾ウラシル塩基である。
ある態様では、検出可能な分子または標識モノマーは、その塩基のアミノアリル修飾を介してなどのように規則的に繰り返された塩基に付加される。ある態様では、検出可能な分子は、所与のポリヌクレオチド相補的ポリヌクレオチド配列中の規則的に繰り返された塩基のすべてまたはほとんどすべてに付加される。ある実施形態では、検出可能な分子は、所与の相補的ポリヌクレオチド配列中の規則的に繰り返された塩基の約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%に付加される。
ある態様では、検出可能な分子または標識モノマーは、その塩基のアミノアリル修飾を介してなどのように、規則的に繰り返されないが、少なくとも8塩基離れた塩基に付加される。相補的ポリヌクレオチド配列の明るさは、配列中の塩基の数または配列中の標識塩基の数に従って変化し得る。
特定の一例として、アデニンが一本鎖標識結合領域において規則的に繰り返され、約8ヌクレオチド塩基毎に存在する場合、アミノアリル(amino-ally)修飾ウラシルもまた、相補的RNAポリヌクレオチドにおいて約8ヌクレオチド塩基毎に存在してもよい。また、アミノアリル修飾ウラシルは、合成反応において修飾ウラシル塩基に対するウラシル塩基の比を調整することなどによって相補的ポリヌクレオチド配列の中に無作為に組み込んでもよい。これらの実例では、蛍光色素などの検出可能な分子は、アミノアリル修飾ウラシルのすべてもしくはほとんどすべての中に組み込まれてもよい(たとえば、約8塩基毎に)またはそれは、無作為にアミノアリル修飾ウラシル塩基の中に組み込まれてもよい。
規則的に繰り返された塩基の数を変更し(たとえば5、6、7、8、9、10以上の塩基毎に)、規則的に繰り返された塩基毎に、他の規則的に繰り返された塩基毎に、3つに1つの規則的に繰り返された塩基毎に、もしくは無作為になど、またはその組合せで検出可能な分子を組み込むことによって、検出可能な分子は、検出可能なシグナルの所望のレベルに依存して、約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20以上のヌクレオチド塩基毎に組み込むことができる。
ある実施形態では、相補的ポリヌクレオチド配列は、配列番号1〜24において記載されるポリヌクレオチド鋳型配列によって生成される一本鎖標識結合領域に対して相補的な配列を含むRNAポリヌクレオチドである。相補的RNAポリヌクレオチドは、配列番号1〜24の鋳型配列から生成される標識結合領域のいずれかの完全長配列に対して相補的であってもよいまたはそれは、中間のすべての整数を含む100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000以上のヌクレオチド塩基を含む領域などの、そのポリヌクレオチド配列内の領域に相補的であってもよい。
相補的ポリヌクレオチド配列がRNAポリヌクレオチドである実施形態では、それぞれの標識結合領域についての相補的RNAヌクレオチド(たとえばセグメント)は、標準のin vitro転写(IVT)プロトコールなどの、当技術分野において公知の方法を使用して作製されてもよい。相補的RNAヌクレオチドを合成するために、ポリメラーゼ連鎖反応(「PCR」)プライマーは、転写開始部位のすぐ上流(5’)のRNAポリメラーゼプロモーター(T7、T3、またはSP6)から始まり、3’制限酵素部位の後に終了する二本鎖鋳型を生成するように設計されてもよい。ある態様では、これらのIVT反応のための鋳型は、T7、T3、またはSP6 RNAポリメラーゼプロモーターの下流にクローニングされた、配列番号1〜24において記載される鋳型の合成DNA産物またはその変異体配列を含んでいてもよい。そのような鋳型を使用して、RNA分子のin
vitro転写は、RNAにおけるアミノアリル修飾の規則的に繰り返された塩基(たとえばUTP)ならびに非修飾の他の塩基(たとえばATP、CTP、およびGTP)の存在下において実行されてもよい。これは、すべての規則的に繰り返された塩基(たとえばU)が、RNA分子におけるその位置に標識モノマーの共有結合を可能にするように修飾されるRNA産物に至る。
次いで、結果として生じるアミノアリル修飾転写物(aaセグメント)は、様々な蛍光体(たとえばAlexa 488(青)、Alexa 546(緑)、Alexa 594(黄)、およびAlexa 647(赤)−他の色素もまた使用することができる)に結合されてもよい。Alexa蛍光体は、サクシニミジルエステルまたはTFPエステル(Invitrogen(商標))として購入されてもよく、標準プロトコールを使用して、アミド結合の形成を介して転写物に結合されてもよい。セグメントにおける色素組込みのレベルは、可能な付加部位(アミノアリル(aa)部分)の数と相互に関連する。できるだけ明るい有色のセグメントを作製するために、100%のaaUTPが使用される。明るさを変化させるために、任意の比のaaUTPおよび非修飾UTPの混合物は、aaセグメント上に存在するaa部位の数を修飾するために、IVT反応において使用することができる。所望の明るさは、検出システムの光学装置で変化する。
検出可能な分子または標識モノマー
本発明のナノレポーターは、直接(たとえば光発光によって)または間接的に(たとえば蛍光標識抗体の結合によって)検出することができる、放射性同位体、蛍光色素、色素、酵素、ナノ粒子、化学発光マーカー、ビオチン、または当技術分野において公知の他のモノマーなどの様々な標識モノマーのいずれかを用いて標識することができる。一般に、ナノレポーターにおける、1つまたは複数の標識結合領域は、1つまたは複数の標識モノマーを用いて標識され、ナノレポーターの標識結合領域に付加された標識モノマーによって提供されるシグナルは、ナノレポーターの標的特異的領域が結合する標的を同定する検出可能なコードを構成する。ある実施形態では、標識結合領域に由来する所与のシグナルの欠如(たとえばダークスポット)もまた、ナノレポーターコードの一部を構成することができる。
ある実施形態では、ナノレポーターバックボーンがライブラリー(たとえば配列番号1〜24の例示的な標識結合領域鋳型)から構築される場合など、それぞれの固有の標識結合領域は、所与の検出可能な分子を割り当てられてもよい。単に、特定の実例として、24の固有の標識結合領域、たとえば鋳型配列番号1〜24についての産物のライブラリーにおいて、鋳型配列番号1、5、9、13、17、および21の産物は、青い蛍光体などの第1の検出可能な分子を割り当てられてもよく、鋳型配列番号2、6、10、14、18、および22の産物は、緑の蛍光体などの第2の検出可能な分子を割り当てられてもよく、鋳型配列番号3、7、11、19、および23の産物は、黄色の蛍光体などの第3の検出可能な分子を割り当てられてもよく、鋳型配列番号4、8、12、20、および24の産物は、赤の蛍光体などの第4の検出可能な分子を割り当てられてもよい。当業者は、この例が単に例証となり、異なるサイズのおよび配列番号1〜24において記載されるもの以外の配列を有するライブラリーの使用を含む、多数の組合せまたは代案が、固有に検出可能なナノレポーターの集団を作製する目標を達成するために利用されてもよいことを理解するであろう。
本発明によって利用することができる標識モノマーの他の例は、蛍光体である。いくつかの蛍光体は、たとえばフルオレセイン、テトラメチルローダミン、およびTexas Redを含む、ヌクレオチドを標識するための標識モノマーとして使用することができる。全スペクトルにわたる、いくつかの異なる蛍光体は、公知であり、さらに産生され続けている。また、同じ蛍光体の異なる配合物が、異なる適用のために産生されてきた。たとえば、フルオレセインは、そのイソチオシアネート(isothiocynanate)形態(FITC
)で、カルボキシフルオレスセインサクシニミジルエステル(FAM)の混合異性体形態もしくは単一異性体形態として、またはフルオレセイン(DTAF)の異性体ジクロロトリアジン形態として使用することができる。これらのモノマーは、化学的に異なるが、すべて、515〜520nmの間のピークを有する光を放射し、それによって、同様のシグナルを生成する。フルオレセインの化学的修飾に加えて、フルオレセインと同じかまたは非常に類似している発光ピークを有する、完全に異なる蛍光体が合成された。たとえば、Oregon Green色素は、事実上、フルオレセインと比較して重ねることができる励起および発光スペクトルを有する。Rhodol GreenおよびRhodamine Greenなどの他の蛍光体は、それらの発光ピークがわずかだけシフトし、そのため、また、フルオレセインの代わりとしても機能的に役立つ。さらに、異なる配合物または関連する色素が、スペクトルの他の部分の光を放射する他の蛍光体を中心にして開発されてきた。
非放射性および非蛍光標識モノマーもまた、利用可能である。たとえば、ビオチンは、ヌクレオチドに直接、付加させることができ、比色分析反応を触媒する酵素(ホスファターゼ、ルシフェラーゼ、またはペルオキシダーゼなど)に化学的に結合されたアビジンまたはストレプトアビジンへの特異的な高アフィニティー結合によって検出することができる。ジゴキシゲニン標識ヌクレオチドは、同様に、核酸の非同位体検出に使用することができる。ビオチン化ジゴキシゲニン標識ヌクレオチドは、市販で入手可能である。
ナノ粒子と名付けられる非常に小さな粒子もまた、核酸を標識するための標識モノマーとして使用することができる。これらの粒子は、サイズが1〜1000nmの範囲であり、金および銀の粒子などの種々の化学構造ならびに量子ドットを含む。
角度のある入射白色光を用いて照射された場合、40〜120nmの範囲の銀または金のナノ粒子は、高輝度を有する単色光を散乱するであろう。散乱光の波長は、粒子のサイズに依存する。非常に近接した異なる4〜5の粒子は、それぞれ、重ねられた場合に、特異的な固有色を発するであろう単色光を散乱するであろう。粒子は、Genicon Sciencesなどの会社によって製造されている。誘導体化された銀または金の粒子は、タンパク質、抗体、小分子、受容体リガンド、および核酸を含む、広範囲の分子に付加させることができる。たとえば、粒子の表面は、ヌクレオチドへの付加を可能にするために化学的に誘導体化することができる。
標識モノマーとして使用することができる他のタイプのナノ粒子は、量子ドットである。量子ドットは、光の広い範囲の波長によって励起性となる、直径が1〜5nmの蛍光性の結晶である。これらの結晶は、それらの化学組成およびサイズに依存する波長を有する、単色光などの光を放射する。CdSe、ZnSe、InP、またはInAsなどの量子ドットは、固有の光学的性質を有する。
粒子の多数のクラスは、量子ドット結晶のサイズクラスの数に従って作製することができる。結晶のサイズクラスは、1)それぞれの所望のサイズクラスの粒子を作製するための結晶形成パラメーターの厳しい制御によってまたは2)緩く制御された結晶形成パラメーター下で結晶のバッチを生成し、その後に続いて所望のサイズおよび/または発光波長に従ってソートすることによって作製される。本発明との関連において粒子を標識するための量子ドットの使用は新しいが、半導体の技術分野において古い。量子ドットが半導体光放射/検出デバイスの真性シリコンエピタキシャル層内に埋め込まれる、前の参考文献の2つの例は、Chapple Sokolらに対する米国特許第5,293,050号および第5,354,707号である。
特定の実施形態では、ナノレポーターにおける1つまたは複数の標識結合領域は、1つまたは複数の光放射色素を用いて標識され、それぞれの標識結合領域は、直接または間接的に、1つまたは複数の検出可能な分子または標識モノマーを含有する。色素によって放射された光は、可視光線または紫外線もしくは赤外線などの不可視光線とすることができる。例示的な実施形態では、色素は、蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)色素;フルオレセインおよびローダミンなどのキサンテン色素;アルファまたはベータ位置においてアミノ基を有する色素(ナフチルアミン色素、1−ジメチルアミノナフチル−5−スルホネート、1−アニリノ−8−ナフタレン(naphthalenede)スルホネート、および2−p−トルイジニル−6−ナフタレンスルホネートなど);3−フェニル−7−イソシアナトクマリンを有する色素;9−イソチオシアナトアクリジンおよびアクリジンオレンジなどのアクリジン;ピレン、ベンゾオキサジアゾールおよびスチルベン;3−(ε−カルボキシペンチル)−3’−エチル−5,5’−ジメチルオキサカルボシアニン(CYA)を有する色素;6−カルボキシフルオレセイン(FAM);5&6−カルボキシローダミン−110(R110);6−カルボキシローダミン−6G(R6G);N,N,N’,N’−テトラメチル−6−カルボキシローダミン(TAMRA);6−カルボキシ−X−ローダミン(ROX);6−カルボキシ−4’,5’−ジクロロ−2’,7’−ジメトキシフルオレセイン(JOE);ALEXA Fluor(商標);Cy2;Texas RedおよびRhodamine Red;6−カルボキシ−2’,4,7,7’−テトラクロロフルオレセイン(TET);6−カルボキシ−2’,4,4’,5’,7,7’−ヘキサクロロフルオレセイン(HEX);5−カルボキシ−2’,4’,5’,7’−テトラクロロフルオレセイン(ZOE);NAN;NED;Cy3;Cy3.5;Cy5;Cy5.5;Cy7;およびCy7.5;Alexa Fluor 350;Alexa Fluor 488;Alexa Fluor 532;Alexa Fluor 546;Alexa Fluor 568;Alexa Fluor 594;またはAlexa Fluor 647である。
標識モノマーは、その構築の異なるステージでナノレポーターの中にまたは成分(たとえば、ナノレポーターの中へのその構築前のナノレポーターの相補的RNAヌクレオチド)の中に組み込むことができる。
標識モノマーは、当技術分野において周知の方法を使用して、ヌクレオチドに直接、付加させることができる。ヌクレオチドはまた、標識モノマーを付加させるために化学的に修飾するまたは誘導体化することができる。たとえば、フルオレセイン分子などの蛍光モノマーは、4原子アミノアルキニル基を使用して、dUTP(デオキシウリジン三リン酸)に付加させることができる。それぞれの標識モノマーは、ヌクレオチドに付加され、標識モノマー:ヌクレオチド複合体を作製する。
この標識モノマー/ヌクレオチド複合体は、様々な方法において核酸(たとえばDNAパッチまたは検出オリゴヌクレオチド)の中に組み込むことができる。たとえば、標識モノマー/ヌクレオチド複合体は、核酸内のたった1つの位置または核酸内の2つ以上の位置に組み込むことができる。
アミン反応性およびチオール反応性蛍光体は、入手可能であり、ヌクレオチドおよび生体分子を標識するために使用される。一般に、ヌクレオチドは、化学合成の間に蛍光標識され、たとえば、ヌクレオチド合成の間のアミンまたはチオールの組込みは、蛍光体の追加を可能にする。蛍光標識ヌクレオチドは、市販で入手可能である。たとえば、スペクトルをカバーする10の異なる蛍光体にコンジュゲートされたウリジンおよびデオキシウリジン三リン酸は、入手可能である。
ヌクレオチドは、最初に標識モノマーに付加され、次いで、核酸の中に組み込むことができる。その代わりに、既存の核酸は、核酸内のヌクレオチドに標識モノマーを付加させることによって標識することができる。たとえばアミノアリル−(「AA−」)修飾UTPヌクレオチドは、転写の間にRNA産物の中に組み込むことができる。様々な実施形態では、相補的RNAヌクレオチドを生成するための転写反応における20%以上のUTPヌクレオチドは、AA修飾される。様々な実施形態では、転写反応における約10%または約20%〜100%、20%〜80%、30%〜80%、40%〜60%、もしくは50%〜75%のUTPは、AA修飾され、好ましい実施形態では、転写反応における約40%または約50%のUTPは、AA修飾される。
さらに、たとえば、異なるタイプの標識モノマー:ヌクレオチド複合体は、単一の酸核酸の中に組み込むことができ、ナノレポーターコードの1つの成分は、1を超えるタイプのシグナルを含む。
ヌクレオチドに直接、結合することができる蛍光色素もまた、標識モノマーとして利用することができる。たとえば、FAM、JOE、TAMRA、およびROXは、ヌクレオチドに付加させられており、自動DNA配列決定において使用されるアミン反応性蛍光色素である。これらの蛍光標識ヌクレオチド、たとえばROX−ddATP、ROX−ddCTP、ROX−ddGTP、およびROX−ddUTPは、市販で入手可能である。
ナノレポーターを標識するために使用されてもよい他のタイプの標識モノマーは、量子ドットである。それらの非常に小さなサイズにより、量子ドットは、オリゴヌクレオチドの溶解性や使用に影響することなく、オリゴヌクレオチドの中に直接、結合することができる。好ましい実施形態では、1つのオリゴヌクレオチド分子だけが、それぞれのナノ粒子に結合される。従来のバッチ化学によって1:1の比のオリゴヌクレオチドナノ粒子複合体を合成するために、オリゴヌクレオチドおよびナノ粒子の両方は、互いに反応することができる、異なる種類の単一の反応性基を必要とする。たとえば、オリゴヌクレオチドがアミノ基を有し、ナノ粒子がアルデヒド基を有する場合、これらの基は、反応して、シッフ塩基を形成することができる。オリゴヌクレオチドは、当技術分野において周知の化学作用を使用して単一のアミノ基または他の官能基を付加させるために誘導体化することができる。しかしながら、ナノ粒子が誘導体化される場合、それは、いくつかの官能基でのナノ粒子の全表面のコートをもたらす化学試薬で覆われる。
アフィニティータグ
当技術分野において公知の様々なアフィニティータグは、ナノレポーターを精製するおよび/または固定するために使用されてもよい。
アフィニティータグが検出または画像化の目的のためにナノレポーターを固定するために使用される場合、それは、本明細書において「アンカー」と呼ばれてもよい。(図3を参照されたい)。いくつかの実施形態では、ビオチンアンカーは、ナノレポーターに付加され、ストレプトアビジンコートスライド上へのナノレポーターの固定を可能にする。
いくつかの実施形態では、標識ナノレポーターは、それぞれの末端、A1およびA2にアフィニティータグを含有するであろう。標識ナノレポーターは、固定されたアフィニティーパートナーへのA1の結合を通して表面に固定することができる。A2についてのアフィニティー結合パートナーの非存在下において、ナノレポーターのA2末端は、溶液中に残るが、アフィニティー結合パートナー(A2’)の存在下において、ナノレポーターのA2末端もまた、固定される。いくつかの実施形態では、標識ナノレポーターは、単一のアフィニティータグ(A1)を含有するであろう。他のアフィニティータグ(A2)は、A2を含有する分子にナノレポーターを直接、結合することによって、ナノレポーターに付加させることができる(たとえば、ナノレポーターが核酸であるまたはそれを含む場合、それはA2が付加される他の核酸と直接、ハイブリダイズすることができる)。その代わりに、いずれかのアフィニティータグは、ブリッジ核酸などのブリッジ分子を介して標識ナノレポーターに付加させることができる。図3は、標識された(核酸ベースの)ナノレポーターが、一方の末端にアフィニティータグ(A1)を含有するさらに他の実施形態を示す。図3では、標識ナノレポーターは、固定アフィニティーパートナーへのA1の結合を通して固定される。ナノレポーターの他方の末端は、溶液中にある(図3A)が、ナノレポーターを固定するために使用される他のアフィニティータグ(A2)を含有する相補的オリゴヌクレオチドへのハイブリダイゼーションによって固定することができる(図3B)。A1の固定に際して、ナノレポーターは、ナノレポーターコードの検出を可能にする方法で、標識結合領域の分離のために、たとえばエレクトロストレッチングによって、図3において表されるように伸長するまたは「伸ばす」ことができる。任意選択で、ナノレポーターが伸ばされた状態にある間に、A2は、導入され、A2に相補的なナノレポーターの末端に結合し、表面に至る。
アフィニティータグは、精製を含むが、これに限定されない様々な有用な適用のために、ビーズまたは他のマトリックスへの付加に使用することができる。
適したアフィニティータグの非限定的な例は、下記に提供される。ほとんどのアフィニティータグは、ナノレポーターの固定のためのアンカーおよびナノレポーター(完全にもしくは部分的にのみ構築された)またはそれらの成分の精製のためのタグの両方として二重の目的を果たすことができることを理解されたい。
ある実施形態では、アフィニティータグは、タンパク質モノマーである。タンパク質モノマーの例は、免疫グロブリン定常領域(Petty、1996年、Metal-chelateaffinity chromatography、Current Protocolsin Molecular Biology、2号、Ausubelら編、GreenePublish.Assoc. & WileyInterscience中を参照されたい)、グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST;Smith、1993年、MethodsMol. Cell Bio. 4巻:220〜229頁)、大腸菌マルトース結合タンパク質(Guanら、1987年、Gene 67巻:21〜30頁)、および様々なセルロース結合ドメイン(米国特許第5,496,934号;第5,202,247号;第5,137,819号;Tommeら、1994年、ProteinEng. 7巻:117〜123頁)などを含むが、これらに限定されない。
他のアフィニティータグは、特異的な結合パートナーによって認識され、したがって、固体担体上に固定することができる結合パートナーへのアフィニティー結合によって、単離および固定を促進する。たとえば、アフィニティータグはエピトープとし、結合パートナーは抗体とすることができる。そのようなエピトープの例は、FLAGエピトープ、アミノ酸408〜439のmycエピトープ、インフルエンザウイルス赤血球凝集素(HA)エピトープ、またはジゴキシゲニン(「DIG」)を含むが、これらに限定されない。他の実施形態では、アフィニティータグは、他のタンパク質またはアミノ酸、たとえばアビジン/ストレプトアビジンおよびビオチンによって認識されるタンパク質またはアミノ酸配列である。
本発明のある態様では、アフィニティータグは、ヌクレオチド配列である。約8〜約30塩基、より好ましくは約10〜約20塩基の様々な配列は、ナノレポーターの精製および固定に使用することができ、配列は、縦列反復とすることができる(たとえば1〜10の縦列反復配列)。そのような配列は、好ましくは、アッセイされている試料において広く占めず(すなわち、遺伝子の5%未満で存在する、より好ましくは遺伝子の3%未満で存在する、最も好ましくは遺伝子の1%未満において存在する)(たとえば、ナノレポーターがヒト細胞RNAの検出に使用される場合、配列は、好ましくは、ヒトゲノムにおいて広く占めない);内部にまたはマルチマーになった場合のそれ自体のコピーと二次構造または自己相補性をほとんどまたはまったく有さず(すなわち、マルチマーになったタグのすべての二次構造は、好ましくは、1M NaClで25℃未満のTmを有する);バックボーンまたはセグメント配列との著しい同一性または相補性を有さず(すなわち、相補的配列のTmは、好ましくは、0.2M NaClで25℃未満である);50mM Naにおいて、約35〜65℃、より好ましくは約40〜50℃のTmを有する。
ある実施形態では、異なる配列は、精製および固定タグとして使用される。この場合、たとえば、精製タグは、上記に記載されるとおりとすることができるが、固定タグは、50mM Naにおいて95℃までのTmを有する10〜100塩基の範囲とすることができる。代替の実施形態は、固定タグ内に入れ子にされた精製タグを有するであろう(たとえば、アフィニティータグは、15塩基が精製タグとして使用され、全25塩基が固定タグとして使用される25塩基の配列を含むであろう)。
ある実例では、アフィニティータグは、ナノレポーターの精製または固定に加えて、ナノレポーターを標識するために使用することができる。
当業者によって理解されるように、DNAクローニング、DNA増幅、および合成法を含むが、これらに限定されない多くの方法は、アフィニティータグのコード領域を得るために使用することができる。それらの検出および単離のためのアフィニティータグおよび試薬のいくつかは、市販で入手可能である。
定常領域
本発明のナノレポーターは、少なくとも1つの定常領域を含んでいてもよい。定常領域は、ポリヌクレオチド配列を含んでいてもよい。ある態様では、定常領域のポリヌクレオチド配列は、反復配列の2、3、4、5、6、7、8、9、10以上のコピーなどの複数の個々の反復ヌクレオチド配列を含む。ある態様では、定常領域は、反復配列の4つのコピーを含む。
ある実施形態では、個々の反復配列は、約4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30以上のヌクレオチド塩基を含む。ある実施形態では、個々の反復配列は、約15のヌクレオチド塩基を含む。
15塩基反復配列の1つの例は、5’−GGTOTGTGTGATGTT−3’(配列番号25)である。ある実施形態では、定常領域は、配列番号25の反復配列などのように、15塩基反復配列の4つのコピーを含有する。
ある態様では、定常領域は、本明細書において記載されるように、バックボーンポリヌクレオチド配列の単離および調製の後にナノレポーターバックボーンにライゲーションされてもよい。いくつかの実施形態では、定常領域は、あたかもそれがバックボーンの「コード」配列に融合されるかのように、ポリヌクレオチドバックボーンの永続的な部分を占める(つまり、定常領域はバックボーンの中にクローニングされる)。ある実施形態では、定常領域は、選択される標識結合領域の素早い組込みのために制限酵素部位に近接している。
標的特異的領域
用語「標的特異的配列」は、標的分子に結合することができる分子の実体を指す。ナノレポーターとの関連において、標的特異的配列は、ナノレポーターバックボーンに付加される。
標的特異的配列は、一般に、アミノ酸配列(つまりポリペプチドもしくはペプチド配列)または核酸配列である。
標的特異的配列がアミノ酸配列である特定の実施形態では、標的特異的配列は、抗体Fab’断片、単鎖Fv抗体などの抗体断片を含んでいてもよい。
標的特異的配列は、好ましくは、核酸配列であり、最も好ましくは、ナノレポーターバックボーンに共有結合される(たとえばライゲーションによって)または非共有結合される(たとえばハイブリダイゼーションによって)オリゴヌクレオチド内にある。標的特異的核酸配列は、好ましくは、長さが少なくとも15ヌクレオチド、より好ましくは、長さが少なくとも20ヌクレオチドである。特定の実施形態では、標的特異的配列は、長さが約10〜500、20〜400、30〜300、40〜200、または50〜100のヌクレオチドである。他の実施形態では、標的特異的配列は、長さが約30〜70、40〜80、50〜90、もしくは60〜100、30〜120、40〜140、または50〜150のヌクレオチドである。
標的特異的ヌクレオチド配列は、好ましくは、825mM Na(5×SSC)においてそれぞれのプローブについて約65〜90℃、最も好ましくは約78〜83℃のTmを有する。
ある好ましい実施形態では、二重ナノレポーターのそれぞれのプローブの標的特異的配列は、約35〜100のヌクレオチド(2つのプローブによってカバーされる、約70〜200のヌクレオチドの完全な標的配列について)、最も好ましくは、それぞれのプローブについて約40〜50のヌクレオチド(合計約80〜100のヌクレオチドについて)である。
標的分子
用語「標的分子」は、その標的特異的配列(複数可)が認識する(つまり、特異的な結合パートナーである)、標識ナノレポーターのそれに対する結合によって検出されるまたは測定される分子である。好ましくは、標的分子は、以下のいずれかとすることができるが、これらに限定されない:核酸、ペプチド、ポリペプチド/タンパク質(たとえば細菌もしくはウイルスタンパク質または抗体)、脂質、炭水化物、糖タンパク質、糖脂質、小分子、有機モノマー、または薬剤。本明細書における方法によって分析することができる核酸は、二本鎖DNA、一本鎖DNA、一本鎖DNAヘアピン、DNA/RNAハイブリッド、RNA(たとえばmRNAまたはmiRNA)、およびRNAヘアピンを含む。一般に、標的分子は、自然発生の分子または自然発生の分子のcDNAまたは上述のcDNAの相補体である。
標的分子は、他の成分を含有する生体分子試料の一部とすることができるまたは試料のただ1つのもしくは主な成分とすることができる。標的分子は、全細胞もしくは全組織の成分、細胞もしくは組織抽出物、その分画された溶解物、または実質的に精製された分子とすることができる。標的分子は、たとえば、チップ、マイクロアレイ、またはビーズなどの固体表面を含む、溶液または固相において付加させることができる。また、標的分子は、公知か未知の構造または配列のいずれかを有することができる。
ある特定の実施形態では、その標的分子は、染色体ではない。他の特定の実施形態では、標的分子は、サイズが1,000kb(または1mb)以下、サイズが500kb以下、サイズが250kb以下、サイズが175kb以下、サイズが100kb以下、サイズが50kb以下、サイズが20kb以下、サイズが10kb以下である。さらに他の特定の実施形態では、標的分子は、その細胞環境から単離される。
生体分子試料
本発明のナノレポーター系は、任意の生体分子試料中の標的分子を検出するために使用することができる。当業者らによって理解されるように、試料は、細胞(初代細胞および培養細胞株の両方を含む)、細胞溶解物、または抽出物(RNA抽出物、精製mRNAを含むが、これらに限定されない)、組織および組織抽出物(RNA抽出物、精製mRNAを含むが、これらに限定されない);体液(哺乳動物試料が好ましく、ヒト試料が特に好ましい事実上任意の生物の血液、尿、血清、リンパ液、胆汁、脳脊髄液、間質液、眼房水または硝子体液、初乳、痰、羊水、唾液、肛門分泌物および膣分泌物、汗、ならびに精液、漏出液、滲出液(たとえば、感染もしくは炎症の膿瘍もしくは任意の他の部位から得られる体液)、または関節(たとえば、正常な関節または関節リウマチ、変形性関節症、痛風、もしくは化膿性関節炎などの疾患によって影響を受けた関節)から得られる体液を含むがこれらに限定されない)などの生物学的試料;環境試料(空気、農業、水、および土壌試料を含むが、これらに限定されない);生物兵器剤試料;細胞外液、細胞培養物に由来する細胞外上清、細菌における封入体、細胞コンパートメント、細胞周辺質、ミトコンドリアコンパートメントを含む研究試料などを含むが、これらに限定されない、任意の数の物体を含んでいてもよい。
生体分子試料は、生物標本に間接的に由来し得る。たとえば、対象の標的分子が細胞転写物、たとえばメッセンジャーRNAである場合、本発明の生体分子試料は、メッセンジャーRNAの逆転写によって産生されるcDNAを含有する試料とすることができる。他の実施例では、本発明の生体分子試料は、生物標本を分画、たとえばサイズ分画または膜分画にかけることによって生成される。
本発明の生体分子試料は、天然のものであってもよい、たとえば操作もしくは処理にかけられなくてもよいまたは処理されてもよく、薬剤を含む候補作用物質への曝露、遺伝子操作(たとえば遺伝子の追加もしくは欠失)などを含む任意の数の処理を含むことができる。
生体分子試料はまた、ある種の海洋または土壌ベースの試料などにおいて、細菌またはとりわけ珪藻類、渦鞭毛藻類、藻類などの他の生物を含有するものなどの環境試料を含んでいてもよい。
方法
ある態様では、本発明は、1つまたは複数の標的分子の検出および/または定量のための方法を提供する。特に、本発明は、個々の標的分子に結合することができる、安定したナノレポーターを提供し、標的分子の改善された検出を提供する。ナノレポーターの標識コードを通して、標的分子へのナノレポータープローブの結合は、標的分子の同定をもたらす。検出および/または定量は、本明細書において記載される単一ナノレポータープローブ系または二重ナノレポータープローブ系を使用して実行することができる。
いくつかの実施形態では、本発明は、生体分子試料中の特定の標的分子の存在を検出するための方法であって、試料中の標的分子へのプローブにおける標的特異的配列の結合を可能にする条件下で本明細書において記載されるナノレポータープローブと試料を接触させるステップおよび固有に標識されたナノレポータープローブと関連するシグナルを検出するステップを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、生体分子試料は、生物学的試料である。いくつかの実施形態では、生物学的試料は、細胞、細胞溶解物、組織試料、組織抽出物、または体液から選択される。いくつかの実施形態では、生体分子試料は、環境試料である。
いくつかの実施形態では、本発明は、生体分子試料中の複数の特定の標的分子の存在を検出するための方法であって、試料中の標的分子へのプローブにおける標的特異的配列の結合を可能にする条件下で本明細書において記載される複数のナノレポータープローブと試料を接触させるステップおよび固有に標識されたナノレポータープローブと関連するシグナルを検出するステップを含む方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、試料中の少なくとも1つの標的分子の存在を決定するための方法であって、(a)少なくとも1つの標的分子ならびに(b)固有の標的特異的領域および固有の設計されたナノレポーターを含む領域を含む少なくとも1つのナノレポータープローブを含む、少なくとも1つの分子複合体を形成するステップであって、上述のナノレポーターは、複数の異なる検出可能な分子を含むステップならびに1つまたは複数のナノレポーター分子の存在を個々にカウントすることを含む方法によって、上述の少なくとも1つの分子複合体または上述の少なくとも1つの分子複合体の少なくとも一部を個々に検出して、試料中の少なくとも1つの標的分子の存在を決定するステップを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、それぞれの複合体が、(a)少なくとも1つの標的分子ならびに(b)固有の標的特異的領域および固有の設計されたナノレポーターを含む領域を含む少なくとも1つのナノレポータープローブを含む、複数の分子複合体を形成することを含み、それぞれのナノレポーターは、複数の異なる検出可能な分子を含み、それぞれのナノレポータープローブは、異なるナノレポーター領域を含む方法によって複数の標的分子の存在を決定することを提供する。いくつかの実施形態では、試料の標準化の後の上述の分子複合体のバックグラウンドを超える分子カウント数は、300、400、450、500、600、700、800、900、または1000分子カウントよりも高い。いくつかの実施形態では、試料の標準化の後の分子複合体のバックグラウンドを超える分子カウント数は、400分子カウントよりも高い。いくつかの実施形態では、ナノレポータープローブの有効な分子カウントの百分率は、約10、11、12、12.5、14、15、20、25、30、35、40、50、60、70、80、または90%よりも高い。いくつかの実施形態では、ナノレポータープローブの有効な分子カウントの百分率は、約12.5%よりも高い。いくつかの実施形態では、上述の試料の標準化の後の本明細書において記載されるナノレポーターのバックグラウンドを超える分子カウントの数は、M13 DNAを含む、比較可能なナノレポーターよりも、少なくとも6倍高い。いくつかの実施形態では、上述の試料の標準化の後の本明細書において記載されるナノレポーターのバックグラウンドを超える分子カウントの数は、M13 DNAを含む、比較可能なナノレポーターよりも、少なくとも2倍高い。
いくつかの実施形態では、本発明は、試料中の少なくとも1つの標的分子の存在を決定するための方法であって、(1)(a)少なくとも1つの標的分子ならびに(b)固有の標的特異的領域および固有の設計されたナノレポーターを含む領域を含む少なくとも1つのプローブを含む、少なくとも1つの分子複合体を形成するステップであって、上述のナノレポーターは、一本鎖核酸バックボーンを含み、上述のバックボーンは、固有の線状の組合せにおいて共に共有結合された複数の標識結合領域を含み、それぞれの標識結合領域は、1つまたは複数の検出可能な分子をそれに付加させている固有の相補的ポリヌクレオチド配列にハイブリダイズするステップならびに(2)少なくとも1つの分子複合体または上述の少なくとも1つの分子複合体の少なくとも一部を個々に検出して、試料中の少なくとも1つの標的分子の存在を決定するステップを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、ナノレポータープローブの有効な分子カウントの百分率は、約10、11、12、12.5、14、15、20、25、30、35、40、50、60、70、80、または90%よりも高い。いくつかの実施形態では、ナノレポータープローブの有効な分子カウントの百分率は、約12.5%よりも高い。
いくつかの実施形態では、上述の試料の標準化の後の本明細書において記載されるナノレポーターのバックグラウンドを超える分子カウントの数は、M13 DNAを含む、ナノレポーターよりも、少なくとも2倍高い。いくつかの実施形態では、その標識結合領域にハイブリダイズする場合の相補的ポリヌクレオチド配列のTmは、M13 DNAを含むナノレポータープローブにハイブリダイズした場合のM13 DNA鋳型に相補的なポリヌクレオチド配列のTmよりも高い。M13ナノレポータープローブは、ナノレポータープローブの同じ標的特異的配列を含み、共に共有結合された複数のM13 DNA領域を含む一本鎖バックボーンを含み、それぞれの領域は、1つまたは複数の検出可能な分子をそれに付加させている相補的ポリヌクレオチド配列にハイブリダイズする。いくつかの実施形態では、本発明は、それぞれの複合体が(a)少なくとも1つの標的分子および(b)少なくとも1つのナノレポータープローブを含む、複数の分子複合体を形成することを含む方法によって、複数の標的分子の存在を決定するための方法であって、それぞれのナノレポータープローブが、M13 DNAを含む比較可能なナノレポーターよりも高い融解温度を有する方法を提供する。
本発明の特定の実施形態の例は、図1および2において示される。
標識ナノレポーターから生成される全体的なシグナルの検出に加えて、本発明は、ナノレポーター上の標識モノマーから発されるシグナル(たとえばスポット)の空間的な位置の決定であって、それぞれのスポットが、所与の標識結合領域に付加された標識モノマーに由来する集合したシグナルを表す決定を提供する。スポットは、同じ波長または異なる波長のシグナルを含有していてもよい。したがって、ナノレポーター上のスポットの性質およびそれらの位置は、ナノレポーターコードを構成する。
いくつかの実施形態では、標識ナノレポーターは、ある位置において捕捉され、伸長される(図4を参照されたい)。いくつかの実施形態では、ナノレポーターを伸長する前に、ナノレポーターは、上記に記載されるように、アフィニティータグを使用して固体表面に固定される(図3を参照されたい)。本発明のある態様では、ナノレポーターの一方の末端は、固体表面への特異的または非特異的結合を通して固定され、ナノレポーターは伸長され、次いで、レポーターの他方の末端は、また、固体表面への特異的または非特異的結合を通して固定される(図3を参照されたい)。核酸の捕捉、伸長および固定のための方法は、当技術分野において周知である。本明細書において記載される方法において使用することができる方法の例は、「Methods for detection and quantification of analytes in complex mixtures」と題する米国特許第7,473,767号、「Methods for detection and quantification of analytes in complex mixtures」と題する米国特許公開第2007/0166708号、「Compositions comprising oriented,immobilized macromolecules and methods for their preparation」と題する米国特許出願第11/645,270号、「Nanoreporters and methods of manufacturing and use thereof」と題するPCT出願US06/049274、および「Stable nanoreporter」と題する米国仮特許出願第60/088,988号において記載されており、これらのすべては、その全体が本明細書において参照によって組み込まれる。
したがって、いくつかの実施形態では、ナノレポーターは、ナノレポーターに付加された標識モノマーによって提供される(たとえば放射される)シグナルおよび互いに関連したそれらの位置を検出するおよび/または画像化することによって、ナノレポーターコードの分析を促進するために、その伸長されたまたは拡張された状態において「凍結される」。本発明のこれらの態様は、「Methods for detection and quantification of analytes in complex mixtures」と題する米国特許第7,473,767号、「Methods for detection and quantification of analytes in complex mixtures」と題する米国特許公開第2007/0166708号、「Compositions comprising oriented,immobilized macromolecules and methods for their preparation」と題する米国特許出願第11/645,270号、「Nanoreporters and methods of manufacturing and use thereof」と題するPCT出願US06/049274、および「Stable nanoreporter」と題する米国仮特許出願第60/088,988号において記載されており、これらのすべては、その全体が本明細書において参照によって組み込まれる。
いくつかの実施形態では、ナノレポーターは、基質に固定することができる。本発明の方法では、固定のための基質は、当業者に明らかなナノレポーターに選択的に結合することができる任意の基質とすることができる。いくつかの実施形態では、ナノレポーターの第1の部分は、アビジン−ビオチン結合対を介して基質に固定することができる。ある実施形態では、ナノレポーターは、その第1の部分においてビオチン部分を含むことができる。たとえば、ポリヌクレオチドナノレポーターは、ビオチン化ヌクレオチド残基を含むことができる。二重ナノレポータープローブ系では、ナノレポータープローブの一方(たとえば、捕捉ナノレポータープローブ)は、ビオチン部分を含むことができる。このプローブは、標識または非標識であってもよい。好ましい実施形態では、二重ナノレポーター系が使用される場合、ビオチン部分を含むナノレポータープローブは、非標識である。アビジンを含む基質は、当業者に公知のアビジンを含む任意の基質とすることができる。TB0200(Accelr8)、SAD6、SAD20、SAD100、SAD500、SAD2000(Xantec)、SuperAvidin(Array−It)、ストレプトアビジンスライド(カタログ#MPC 000、Xenopore)、およびSTREPTAVIDINnslide(カタログ#439003、Greiner Bio−one)を含むアビジンを含む有用な基質は、市販で入手可能である。
ある実施形態では、ナノレポーターの第1の部分は、基質(たとえばビオチン)上のヌクレオチド配列に選択的に結合することができるヌクレオチド配列を含むことができる。ある態様では、ナノレポーターの定常領域(たとえば15塩基反復配列の複数のコピー)は、基質上で固定される相補的ポリヌクレオチド配列に選択的に結合することができる。特定の実施形態では、ナノレポーターが、5’−GGTCTGTGTGATGTT−3’(配列番号25)の例示的な15塩基反復配列の4つのコピーを含む場合、配列5’−AACATCACACAGACC AACATCACACAGACC AACATCACACAGACC AACATCACACAGACC AGCCCTTTG−3’(配列番号26)を有するオリゴヌクレオチドは、基質にナノレポーターを固定するために利用されてもよい。
二重ナノレポータープローブ系が使用されるいくつかの実施形態では、ビオチンを含む第1の非標識の捕捉ナノレポータープローブおよび定常領域を含む第2の標識ナノレポータープローブは、標的分子の検出および/または定量に使用される(図1および2を参照されたい)。両方のナノレポータープローブは、それらの標的特異的配列を介して標的分子に結合し、標的分子およびナノレポータープローブを含む複合体を形成する。次いで、複合体は、本明細書において記載されるものなどの、アビジンを含有する基質の中に捕捉され、固定される。次いで、複合体は、本明細書において記載されるように伸長し、拡張することができる。次いで、ナノレポータープローブにおける定常領域は、基質上に固定される相補的ポリヌクレオチド配列に結合することができる。二重ナノレポーター系に関して本明細書において記載される方法において使用することができる方法の例は、「Nanoreporters and methods of manufacturing and use thereof」と題するPCT出願US06/049274および「Stable nanoreporter」と題する米国仮特許出願第60/088,988号において記載されており、これらのすべては、その全体が本明細書において参照によって組み込まれる。
本発明の特定の実施形態の例は、図2〜4において示される。
ある態様では、本発明は、固有の核酸バックボーンの適した集団を調製するための方法であって、(a)固有の設計された標識結合領域のライブラリーから標識結合領域のセットを選択するステップおよび(b)集団中の他のバックボーンとは異なる線状の組合せにおいて標識結合領域のセットを互いに共有結合させるステップおよび固有の核酸バックボーンの適した集団が調製されるまでステップ(a)〜(b)を繰り返すステップを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、標識結合領域は、約800〜1300ヌクレオチド塩基を含む。いくつかの実施形態では、標識結合領域は、約50%のG/C含量を有する。いくつかの実施形態では、アデニン塩基は、標識結合領域において平均約8〜16塩基毎の間隔を置いて配置される。いくつかの実施形態では、標識結合領域は、二次構造を欠く。いくつかの実施形態では、それぞれの選択された標識結合領域は、セットにおける他の選択された標識結合領域とは異なる。いくつかの実施形態では、選択するステップ(a)は、3、4、5、6、7、8の標識結合領域のセットを選択することを含む。いくつかの実施形態では、選択するステップ(a)は、6の標識結合領域のセットを選択することを含む。いくつかの実施形態では、標識結合領域は、検出可能な分子をそれに付加させている相補的RNAポリヌクレオチドにハイブリダイズする。いくつかの実施形態では、相補的RNAポリヌクレオチドは、少なくとも1/1のG/C比を有する。いくつかの実施形態では、相補的RNAポリヌクレオチドは、約3/2のG/C比を有する。
ある態様では、本発明は、固有の核酸バックボーンの適した集団を調製するための方法であって、(a)固有の設計された標識結合領域のライブラリーから標識結合領域のセットを選択するステップであって、それぞれの標識結合領域は、約800〜1300ヌクレオチド塩基を含み、約50%のG/C含量を有し、それぞれの標識結合領域は、規則的に間隔を有するパターンのアデニン塩基を含むステップおよび(b)集団中の他のバックボーンとは異なる線状の組合せにおいて標識結合領域のセットを互いに共有結合させるステップおよび固有の核酸バックボーンの適した集団が調製されるまでステップ(a)〜(b)を繰り返すステップを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、アデニン塩基は、標識結合領域において約8〜16塩基毎の間隔を置いて配置される。いくつかの実施形態では、標識結合領域は、二次構造を欠く。いくつかの実施形態では、それぞれの選択された標識結合領域は、セットにおける他の選択された標識結合領域とは異なる。いくつかの実施形態では、選択するステップ(a)は、3、4、5、6、7、8の標識結合領域のセットを選択することを含む。いくつかの実施形態では、選択するステップ(a)は、6の標識結合領域のセットを選択することを含む。いくつかの実施形態では、標識結合領域は、検出可能な分子をそれに付加させている相補的RNAポリヌクレオチドにハイブリダイズする。いくつかの実施形態では、相補的RNAポリヌクレオチドは、約3/2のG/C比を有する。
固定された、拡張された、または方向づけられたナノレポーターを選択的に使用するための方法
ある実施形態では、本発明は、標識の分離および連続的な検出のために高分子バーコードを作製するために使用することができる選択的に固定され、伸ばされたナノレポーターを提供する。分子に沿って間隔を有するこれらの標識は、ナノレポーターが拡張され、固定される場合に読み取ることができる固有のコードを提供する。拡張および選択的な固定は、高分子バーコードの解読を促進することができる。
選択的に固定され、伸ばされるナノレポーターは、ナノレポーターの検出または画像化が有用であり得るあらゆる状況において使用することができる。それらは、診断、予後、治療、およびスクリーニングの目的に使用することができる。たとえば、それらは、病気の細胞型が試料中に存在するかどうかを決定するためにおよび/または疾患を段階づけるために、患者から得られるまたはそれに由来する生体分子試料の分析に適用することができる。それらは、試料中の細菌またはウイルスのマーカーの存在および/または量をそれぞれ決定することによって、病原体感染、たとえば細胞内細菌およびウイルスによる感染を診断するために使用することができる。本発明の組成物および方法は、その存在量が生物学的状態または疾患状態を示す標的分子、たとえば、疾患状態の結果として上方制御されるまたは下方制御される血液マーカーを定量するために使用することができる。さらに、本発明の組成物および方法は、患者のための治療の過程を決定するのを支援する予後情報を提供するために使用することができる。
ナノレポーターの検出
ナノレポーターは、所与のナノレポーター上の特異的なシグナルを検出することができる、当技術分野において入手可能な任意の手段によって検出される。ナノレポーターが蛍光標識される場合、適切な励起源の適した検討が調査されてもよい。可能な源は、ランプ、キセノンランプ、レーザー、発光ダイオード、またはそのいくつかの組合せを含むが、これらに限定されない。適切な励起源は、適切な光学検出システム、たとえば倒立蛍光顕微鏡、エピ蛍光顕微鏡、または共焦点顕微鏡と共に使用される。好ましくは、ナノレポーター上のスポットの配列を決定するのに十分な空間的分析を用いる検出を可能にすることができる顕微鏡が使用される。たとえば、一実施形態では、標的分子にハイブリダイズした二重ナノレポーターの画像を得ることができる。たとえば、ナノレポーターが、3つの異なる色、Alexa 488、Cy3、およびAlexa 647(それぞれ標識1、2、および3)を用いて標識される場合。色1、2、および3は、それぞれ、異なるチャネルにおいて得られ、第1および第2のレジスターは、スポットの列として見ることができるが、それぞれのレジスターを個々に示すことができるように、数ピクセル、シフトされる。
本発明の方法において使用することができるナノレポーターの検出のための方法の例は、「Methods for detection and quantification of analytes in complex mixtures」と題する米国特許第7,473,767号、「Methods for detection and quantification of analytes in complex mixtures」と題する米国特許公開第2007/0166708号、「Compositions comprising oriented,immobilized macromolecules and methods for their preparation」と題する米国特許出願第11/645,270号、「Nanoreporters and methods of manufacturing and use thereof」と題するPCT出願US06/049274、および「Stable nanoreporter」と題する米国仮特許出願第60/088,988号において記載されており、これらのすべては、その全体が本明細書において参照によって組み込まれる。
顕微鏡および対物レンズの選択
顕微鏡対物レンズに関する主な検討は、その開口数(NA)によって決定される光学分解能を用いる。一般に、NAが大きいほど、光学分解能はよくなる。必要とされるNAは、δ=0.61λ/NAの関係に基づいて(δ=光学分解能およびλ=波長)、好ましくは、少なくとも1.07である。対物レンズによって集められる光量は、NA/Magによって決定される(Mag=対物レンズの倍率)。そのため、できるだけ光を集めるために、高NAおよび低倍率を有する対物レンズが選択されるべきである。
CCDカメラ選択および画像捕捉技術
CCDカメラを選択する場合、第1の検討は、ピクセルサイズであり、これは、画像システムの最終的な分解能を部分的に決定する。最適には、光学分解能は、CCDカメラによって損なわれるべきでない。たとえば、光学分解能が210〜300nmである場合、これは、60×倍率の後にCCDチップ上で12.6〜18μmに対応するが、分解し、光学分解能を維持するために、それぞれのスポットをサンプリングするための少なくとも2ピクセルがあるべきである。またはCCDチップのピクセルサイズは、せいぜい6.3〜9μmとするべきである。
第2の検討は、ピクセルサイズ、量子収量、リードアウトノイズ、およびダークノイズを含むが、これらに限定されない多くの因子によって決定することができる検出感度である。高感度を達成するために、大きなピクセルサイズ(これは大きな収集エリアを与えることができる)、高量子収量、および低ノイズを有する定性的なカメラを選択されたい。これらの基準を有する例示的なカメラは、Hamamatsu Inc.からのOrca−Agカメラである。チップサイズは、1344×1024ピクセルであり、60×対物レンズを使用する場合、視野は、144×110μmである。
ナノレポーター技術の適用
本発明の組成物および方法は、診断、予後、治療、およびスクリーニングの目的に使用することができる。本発明は、本発明の方法を使用して、単一の生体分子試料から一度に様々な標的分子を分析することができるという有利性を提供する。これは、たとえば、いくつかの診断試験が1つの試料に対して実行されることを可能にする。
本明細書において記載される方法は、ヌクレオチド配列を区別する。標的ヌクレオチド配列の間の差異は、たとえば単一の核酸塩基差異、核酸欠失、核酸挿入、または再配列とすることができる。1を超える塩基に関するそのような配列差異もまた、検出することができる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドプローブセットは、それらが実質的に類似したハイブリダイゼーション条件で標的ヌクレオチド配列にハイブリダイズするように、同じ長さを実質的に有する。その結果として、本発明のプロセスは、感染症、遺伝子疾患、および癌を検出することができる。それはまた、環境モニタリング、法医学、および食品科学においても有用である。核酸に対して実行することができる遺伝子分析の例は、たとえば、SNP検出、STR検出、RNA発現分析、プロモーターメチル化、遺伝子発現、ウイルス検出、ウイルスサブ分類、および薬剤抵抗性を含む。
環境モニタリングのエリアでは、本発明は、都市廃水浄化システムおよび貯水器においてまたはバイオレメディエーションを受けている汚染エリアなどにおける、自然ならびに操作された生態系およびミクロコスムにおける病原性および常在性微生物の検出、同定、およびモニタリングに使用することができる。それはまた、集団動的研究において特定の標的微生物をモニターするためにまたは環境および工業用植物において遺伝的に修飾された微生物を検出する、同定する、またはモニターするために生体異物を代謝することができる遺伝子を含有するプラスミドを検出することも可能である。
本発明はまた、軍関係者および犯罪捜査、親子鑑別および家族関係分析、HLA適合分類、ならびに血液、精子、または汚染についての移植器官のスクリーニングのためのヒト同定用を含む、様々な法医学のエリアにおいて使用することもできる。
食品および飼料産業では、本発明は、様々な適用を有する。たとえば、それは、ビール、ワイン、チーズ、ヨーグルト、パンなどの生産のための酵母などの生産生物の同定および特徴づけに使用することができる。使用の他のエリアは、汚染物質についての産物およびプロセス(たとえば家畜、低温殺菌、および食肉加工)の品質管理および検証に関してのものである。他の使用は、育種目的のための植物、球根、および種子の特徴づけ、植物特異的病原体の存在の同定、ならびに獣医学的感染の検出および同定を含む。
診断/予後方法
本発明の方法は、病気の細胞型が試料中に存在するかどうかを決定するためにおよび/または疾患を段階づけるために、患者から得られるまたはそれに由来する生体分子試料の分析に適用することができる。
いくつかの実施形態では、本明細書において記載される方法は、状態の診断において使用される。本明細書において使用されるように、用語「診断する」または状態の「診断」は、状態の予測または診断、状態に対する素因の決定、状態の治療のモニタリング、疾患の治療応答の診断、ならびに状態、状態進行、および状態の特定の治療に対する応答の予後を含む。たとえば、血液試料は、試料中の癌細胞型のマーカーの存在および/または量を決定し、それによって癌を診断するまたは段階づけるために、本明細書において記載される方法のいずれかに従ってアッセイすることができる。
本発明のプロセスによって検出することができる癌は、一般に、癌遺伝子、腫瘍抑制遺伝子、またはDNA増幅、複製、組換え、もしくは修復に関与する遺伝子を含む。これらの例は、BRCA1遺伝子、p53遺伝子、APC遺伝子、Her2/Neu増幅、Bcr/Ab1、K−ras遺伝子、ならびにヒトパピローマウイルス16および18型を含む。本発明の様々な態様は、以下の一般的なヒト癌における上記の遺伝子の増幅、大きな欠失、ならびに点突然変異および小さな欠失/挿入を同定するために使用することができる:白血病、結腸癌、乳癌、肺癌、前立腺癌、脳腫瘍、中枢神経系腫瘍、膀胱腫瘍、黒色腫、肝臓癌、骨肉腫、ならびに他の骨癌、睾丸および卵巣癌、頭部および頚部腫瘤、ならびに頚部新生物。
遺伝子疾患もまた、本発明のプロセスによって検出することができる。これは、染色体および遺伝子異常または遺伝子疾患についての出生前または出生後のスクリーニングによって実行することができる。検出可能な遺伝子疾患の例は、21ヒドロキシラーゼ欠失、嚢胞性繊維症、脆弱X症候群、ターナー症候群、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、ダウン症候群または他の3染色体性、心疾患、単一の遺伝子疾患、HLA型判定、フェニルケトン尿症、鎌状赤血球貧血、テイ・サックス病、サラセミア、クラインフェルター症候群、ハンチントン病、自己免疫性疾患、リピドーシス、肥満欠損症、血友病、先天性代謝異常、および糖尿病を含む。
その代わりに、本明細書において記載される方法は、試料中の細菌またはウイルスのマーカーの存在および/または量をそれぞれ決定することによって、病原体感染、たとえば細胞内細菌およびウイルスによる感染を診断するために使用することができる。
様々な感染症は、本発明のプロセスによって検出することができる。典型的に、これらは、細菌、ウイルス、寄生生物、および菌の病原菌によって引き起こされる。薬剤に対する様々な病原菌の抵抗性もまた、本発明を使用して決定することができる。
本発明によって検出することができる細菌の病原菌は、Escherichia coli、Salmonella、Shigella、Klebsiella、Pseudomonas、Listeria monocytogenes、Mycobacterium tuberculosis、Mycobacterium aviumintracellulare、Yersinia、Francisella、Pasteurella、Brucella、Clostridia、Bordetella pertussis、Bacteroides、Staphylococcus aureus、Streptococcus pneumonia、B−Hemolytic strep.、Corynebacteria、Legionella、Mycoplasma、Ureaplasma、Chlamydia、Neisseria gonorrhea、Neisseria meningitides、Hemophilus influenza、Enterococcus faecalis、Proteus vulgaris、Proteus mirabilis、Helicobacter pylori、Treponema palladium、Borrelia burgdorferi、Borrelia recurrentis、リケッチア属の病原体、Nocardia、およびAcitnomycetesを含む。
本発明によって検出することができる菌の病原菌は、Cryptococcus neoformans、Blastomyces dermatitidis、Histoplasma capsulatum、Coccidioides immitis、Paracoccidioides brasiliensis、Candida albicans、Aspergillus fumigautus、Phycomycetes(Rhizopus)、Sporothrix schenckii、Chromomycosis、およびMaduromycosisを含む。
本発明によって検出することができるウイルスの病原菌は、ヒト免疫不全ウイルス、ヒトT細胞リンパ球向性ウイルス、肝炎ウイルス(たとえばB型肝炎ウイルスおよびC型肝炎ウイルス)、エプスタインバーウイルス、サイトメガロウイルス、ヒトパピローマウイルス、オルトミクソウイルス、パラミクソウイルス、アデノウイルス、コロナウイルス、棒状ウイルス、ポリオウイルス、トガウイルス、ブニヤウイルス、アレナウイルス、ルベラウイルス、およびレオウイルスを含む。
本発明によって検出することができる寄生病原体は、Plasmodium falciparum、Plasmodium malaria、Plasmodium vivax、Plasmodium ovale、Onchoverva volvulus、Leishmania、Trypanosoma spp.、Schistosoma spp.、Entamoeba histolytica、Cryptosporidum、Giardia spp.、Trichimonas spp.、Balatidium coli、Wuchereria bancrofti、Toxoplasma spp.、Enterobius vermicularis、Ascaris lumbricoides、Trichuris trichiura、Dracunculus medinesis、trematodes、Diphyllobothrium latum、Taenia spp.、Pneumocystis carinii、およびNecator americanisを含む。
本発明はまた、病原菌による薬剤抵抗性の検出に有用である。たとえば、バンコマイシン抵抗性Enterococcus faecium、メチシリン抵抗性Staphylococcus aureus、ペニシリン抵抗性Streptococcus pneumoniae、多重薬剤抵抗性Mycobacterium tuberculosis、およびAZT抵抗性ヒト免疫不全ウイルスは、すべて、本発明を用いて同定することができる。
したがって、本発明の組成物および方法を使用して検出される標的分子は、患者マーカー(癌マーカーなど)または細菌もしくはウイルスマーカーなどの外来因子による感染のマーカーとすることができる。
ナノレポーターの定量的性質のために、本発明の組成物および方法は、その存在量が生物学的状態または疾患状態を示す標的分子、たとえば、疾患状態の結果として上方制御されるまたは下方制御される血液マーカーを定量するために使用することができる。
さらに、本発明の組成物および方法は、患者のための治療の過程を決定するのを支援する予後情報を提供するために使用することができる。たとえば、腫瘍についての特定のマーカーの量は、患者に由来する小さな試料からさえも正確に定量することができる。乳癌のようなある種の疾患については、Her2−neuなどのある種の遺伝子の過剰発現は、治療のより攻撃的な過程が必要であろうということを示す。
病理試料の分析
ホルムアルデヒドまたはパラホルムアルデヒド固定パラフィン包埋組織試料から抽出されるRNAは、典型的に、品質が悪く(断片化)、収率が低い。これは、組織試料または保存用の病理組織における低発現遺伝子の遺伝子発現分析を非常に困難にし、多くの場合、完全に実行不可能にする。ナノレポーター技術は、非常に少数の低品質の全RNAの分析を可能にすることによって、この未解決の必要性を満たすことができる。
そのような適用においてナノレポーター技術を使用するために、全RNAは、メーカーのプロトコールに従って、RecoverAll Total Nucleic Acid Isolation Kit(Ambion)などの市販で入手可能なキットを使用して、ホルムアルデヒドまたはパラホルムアルデヒド固定パラフィン包埋組織試料(または同様のもの)から抽出することができる。そのような試料中のRNAは、小さな断片(長さが200〜500ヌクレオチド)に頻繁に分解され、多くのパラフィン包埋組織試料から、数十ナノグラムの全RNAしか得られない。少量のこの断片化した全RNA(5〜100ng)は、本明細書において記載されるアッセイ条件に従って、ナノレポーターハイブリダイゼーションにおける標的物質として直接、使用することができる。
スクリーニング方法
本発明の方法は、様々な標的分子に対する、化学化合物、突然変異、温度変化、成長ホルモン、増殖因子、疾患、または培養条件における変化を含む混乱の影響を決定するために、とりわけ使用し、それによって、その存在、欠如、またはレベルが特定の生物学的状態を示す標的分子を同定することができる。好ましい実施形態では、本発明は、疾患状態の成分および経路を解明し、発見するために使用される。たとえば、「正常な」組織との、疾患組織において存在する標的分子の量の比較は、疾患に関与する重要な標的分子の解明を可能にし、それによって、疾患を治療するために使用することができる新しい薬剤候補の発見/スクリーニングのための標的を同定する。
ナノレポーターを含むキット
本発明は、本発明の1つまたは複数の成分を含むキットをさらに提供する。キットは、たとえば、本発明による基質および基質上に選択的に固定された、1つまたは複数の拡張されたもしくは方向づけられたまたはその両方のナノレポーターを含む。キットは、上記に記載されるものを含む、当業者に明らかな任意の目的に使用することができる。
ある実施形態では、本発明は、少なくとも1つの固有に標識されたナノレポーターを調製するためのキットであって、それぞれが約800〜1300ヌクレオチド塩基、約50%のG/C含量を含む少なくとも3つの標識結合領域および検出可能な分子をそれに付加させている少なくとも3つの相補的ポリヌクレオチド配列を含み、相補的ポリヌクレオチド配列は、少なくとも1/1のG/C比を有するキットを提供する。いくつかの実施形態では、相補的ポリヌクレオチド配列は、約3/2のG/C比を有する。キットは、少なくとも3つの標的特異的プローブをさらに含むことができる。
ある実施形態では、本発明はまた、ナノレポーターの拡張および選択的な固定に有用なキットを提供する。キットは、ナノレポーターの拡張または固定を促進するために固定のための基質および1つまたは複数の結合パートナーを含むことができる。結合パートナーは、ある実施形態では、適切な力においてナノレポーターの拡張に有用な部分を含むことができる。ある実施形態では、結合パートナーは、表面へのナノレポーターの固定または選択的な固定を促進することができる。さらなる実施形態では、キットは、拡張および固定のためのナノレポーターを含むことができる。さらなる実施形態では、キットは、ナノレポーターを拡張することができるデバイスを含むことができる。
キットは、本明細書において記載されるナノレポーターの集団を含有することができる。
キットは、ナノレポーターを標識するための1つまたは複数の成分と共に標識前ナノレポーターまたは非標識のナノレポーターを含有することができる。さらに、キットにおいて提供されるナノレポーターは、標的特異的配列をあらかじめ付加させてもよいまたはあらかじめ付加させなくてもよい。一実施形態では、標的配列は、ナノレポーターバックボーンに付加されないキットにおいて提供される。
キットは、同様に、他の試薬、たとえば、ハイブリダイゼーション反応を実行するためのバッファー、リンカー、制限エンドヌクレアーゼ、およびDNA Iリガーゼを含むことができる。
キットはまた、キットの成分を使用するためのならびに/または標識ナノレポーターを作製するためのおよび/もしくは使用するための説明書を含むであろう。
本発明は、下記に提供される非限定的な実施例によってさらに理解されてもよい。
(実施例1)
De Novo1(DV1)ナノレポーターバックボーンライブラリーの設計および製造プロトコール
多様なナノレポーターバックボーンのライブラリーを構築するために、標識結合領域を、固有の、合理的に設計されたポリヌクレオチド配列のライブラリーから選択し、配列番号27で説明されるポリヌクレオチド配列を有するプラスミドベクター中に、様々な組合せでクローニングした。このベクター配列は最終レポーターバックボーンで終了せず、バックボーン配列のクローニングおよび増殖にも利用される。
具体的には、それぞれが固有の、配列番号1〜24のポリヌクレオチド配列から選択された、6種の、約1100塩基対の標識結合領域のコード特異的DV1プラスミドを構築した。これらのポリヌクレオチド配列により規定された標識結合領域を配列番号27のベクター中に様々な組合せでクローニングし、それぞれの標識結合領域は、所与のバックボーンに固定された位置、すなわち1位、2位から6位までに相当する。所与のバックボーンにおける個々の位置にある標識結合領域は、その同じバックボーン中の他の標識結合領域とは異なった。個々の6位配列の3’末端を、レポーターの精製および固定化に使用される、G−4反復配列(配列番号26)として公知の、共通の15塩基の反復配列の4コピーに隣接してクローニングした。それぞれが、標識結合領域の固有の線状の組合せを有する、972種のナノレポーターバックボーンを設計し、日常的な分子生物学的技術に従ってクローニングした。
個々の標識結合領域が4種の検出可能な分子の1つであると指定した場合、4色のレポーター系中の6つの標識結合領域の使用は、4096の固有なナノレポーター候補を提供する。この実施例において、配列番号1、5、9、13、17および21が、青の蛍光色素分子に指定され、配列番号2、6、10、14、18および22が緑の蛍光色素分子に指定され、配列番号3、7、11、15、19および23が黄色の蛍光色素分子に指定され、配列番号4、8、12、16、20および24が赤い蛍光色素分子に指定された。したがって、この実施例において、たとえ所与のバックボーンが、青の蛍光色素分子に指定された6つの標識結合領域(たとえば、1位から6位に配列番号1、5、9、13、17および21)を含むとしても、個々の個別の標識結合領域は、その同じバックボーン中の他の標識結合領域とは異なるポリヌクレオチド配列を有すると思われる。
個別のプラスミドは、細菌内で増幅され、単離され、線状の一本鎖バックボーンに変換された。具体的には、線状の一本鎖DNAバックボーンは、二本鎖プラスミドDNAから、4ステップのプロトコールを使用して作製した:(i)dsDNAを制限酵素を用いて線状化した、(ii)線状化されたDNAを、熱不安定性ホスファターゼを用いて脱リン酸化した、(iii)このDNAを、第2の制限酵素を用いて消化し、クローニングベクターをバックボーン配列から分離した、(iv)混合物を、鎖特異的ラムダエキソヌクレアーゼ消化を用いて消化し、無傷のバックボーン断片の一本鎖のみを残した。
一本鎖バックボーンを、標的特異的ヌクレオチド配列にライゲーションし、色素着色された相補的RNAヌクレオチド配列と共にインキュベートし、標識ナノレポーターを作製した。
(実施例2)
色素染色された相補的RNAポリヌクレオチドの作製
in vitro転写(IVT)反応を利用し、アミノアリル修飾相補的RNAポリヌクレオチドを、MEGAscript T3、T7またはSP6キット(Ambion(登録商標))を使用し、製造業者の指示書ならびに以下の詳述および改良に従って作製した。
RNAポリメラーゼプロモーターおよび対象のポリヌクレオチド配列を含有するプラスミドを、制限消化により線状化し、エタノール沈殿し、鋳型として使用した。この実施例において、配列番号1〜24で説明された配列を、IVT反応において鋳型として使用し、24種の固有の相補的RNAポリヌクレオチドを作製した。
アミノアリル−UTP(aaUTP)(Fermentas)を、キットに供給されたUTPと置き換え、またはaaUTPおよび供給されたUTPの混合物を使用した。相補的RNAポリヌクレオチドにおける色素組込みのレベルは、アミノアリル(aa)結合部位候補の数と相関する。最も明るい染色されたセグメント候補を作製するために、100%のaaUTPを使用するべきである。明るさを変更するために、aaUTPおよび未修飾のUTPの任意の比率の混合物をIVT反応に使用し、相補的RNAポリヌクレオチド上に存在するaa部位の数を修正できる。たとえば、規則的に繰り返された塩基の50%に色素を組み込ませるために、aaUTPおよびUTPの1:1混合物を利用した。aaUTP+UTP一緒の最終濃度は、個々の他の3種のヌクレオチド(すなわち、ATP、CTP、GTP)の最終濃度と同じであった。
IVT反応は、37℃において22時間継続できる。反応後、アミノアリル修飾RNA転写産物を、RNeasyキット(Qiagen(登録商標))を使用して、製造業者の指示書に従って精製した。
下記の色素カップリング反応は、1mgの反応用である。エタノール沈殿を、1mgのアミノアリル(aa)修飾RNAポリヌクレオチドに関して実施した。固体色素(Alexa488 TFPエステル、Alexa546スクシニミジルエステル、Alexa594スクシニミジルエステルおよびAlexa647スクシニミジルエステル;Invitrogen)を、11μg/μlで無水DMSOに再懸濁した。aa修飾RNAポリヌクレオチドを、最終容量90ulの100mMのNa、pH8.5に再懸濁し、37℃において20分間加熱した。110μlの再懸濁された色素を、90μlのaa修飾RNAポリヌクレオチドと、個別に混合した。混合物を、暗所において、室温で30分から2時間インキュベートした。
色素着色された、aa修飾RNAポリヌクレオチドを、混合物から、RNeasyキット(Qiagen(登録商標))を使用して、製造業者の指示書に従って精製した。等量の個々の24種の色素着色されたRNAポリヌクレオチドを、個々のポリヌクレオチド(「着色セグメント混合物」)が最終濃度40nMになるように混合した。この混合物を、ナノレポーターバックボーン集団と組み合わせ、以下の実施例3に記載の固有のナノレポーター集団を作製した。
(実施例3)
標識DV1ナノレポーターライブラリーの作製
標識DV1ナノレポーター分子のライブラリーを作製するために、実施例1の個々のコード特異的DNAバックボーンを、対象の特異的遺伝子のためのプローブ領域、すなわち標的特異的ヌクレオチド配列と個別にライゲーションした。プローブを、オリゴヌクレオチドを介してバックボーンとライゲーションし、オリゴヌクレオチドは、バックボーンと特異的プローブとの間の架橋として機能する。具体的には、ライゲーションの「架橋」として機能したユニバーサルオリゴヌクレオチドを含有するマスター混合物+リガーゼバッファーを、正規化された(10μM)標的特異的オリゴヌクレオチドプローブ(35〜50塩基)を含有する96ウェルプレートの個別のウェルに加えた。プローブオリゴヌクレオチドと架橋オリゴヌクレオチドの相補的部分とのアニーリングのために、37℃において短時間インキュベーション後、1.2pモルの個別の一本鎖ナノレポーターバックボーン/ウェル、追加のライゲーションバッファーおよびT4リガーゼを添加することによって、ライゲーションを開始した。プレートを、37℃で、96ウェル・サーモサイクラーにおいて2時間インキュベーションした。ライゲーション反応を、96ウェルフォーマットにおいて、遠心分離を介し、G−50Sephadexカラムを通して脱塩した。個々のライゲーションされたバックボーンをプールし、エタノール沈殿し、10mMのTris、pH8.0に20nMで再懸濁した。
色素標識ナノレポーターを作製するために、以下を混合した:2mlの20×SSPE、pH6.5、28.05mlのHO、5mlの上記のプールされたDV1ナノレポーターバックボーン、1.2mlのエタノールおよび3.75mlの実施例2の着色されたセグメント混合物。混合物を75℃において2時間インキュベートした。過剰のセグメントを取り除くために、混合物を、全バックボーン配列に共通のG−反復配列の逆相補鎖とカップリングされたオリゴヌクレオチドカラムにおいて精製した(逆相補鎖配列に関しては配列番号26を参照されたい)。未標識の「キャプチャー」プローブを作製するために、ナノレポーターバックボーンを3’領域の近くまたは3’領域においてビオチン化した。
(実施例4)
DV1およびM13のナノレポーター系の比較
40遺伝子のDV1レポーターライブラリーを、実施例1から3に記載のように作製し、比較可能なM13ライブラリーもまた、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第12/100,990号に記載のように作製した。DV1およびM13のライブラリーは、同一のプローブ(すなわち標的特異的ヌクレオチド)配列を含有し、同じ試料−36種の細胞溶解物のアッセイに使用し、3重にアッセイした。標準的ハイブリダイゼーション、精製および画像化のプロトコールを、その全体を参照により本明細書に組み込まれるGeissら、NatureBiotechnology 26巻:317〜324頁、2008年に記載のように続けて実施した。一般的に、ナノレポーターライブラリーを、RNA含有細胞溶解物とハイブリダイゼーションさせ、過剰なレポーターを洗浄によって取り除き、レポーターをレポーターが固定化され、伸長された表面に結合させ、表面を画像化し、画像を解析した。
ハイブリダイゼーション反応
細胞転写産物の検出を、多重ハイブリダイゼーション反応において実施し、標識ナノレポータープローブおよび未標識ナノレポータープローブ、すなわち「キャプチャー」プローブの両方を有するデュアルナノレポーター系を利用した。個々の試料を、以下のような最終濃度のハイブリダイゼーション試薬を用いて、3重にハイブリダイゼーションした:200pMの個々の未標識、ビオチン化キャプチャープローブ(キャプチャープローブ)、40pMの個々の標識レポータープローブ、5×SSPE(pH7.5)、5×Denhardt試薬(Sigma)、100ng/μlのせん断サケ精子DNA(Sigma)および0.1%のTween−20。個々の30μlのハイブリダイゼーション反応物もまた、100ngの全RNAを最終濃度3.3ng/μlで含有した。試薬を混合し、65℃で、サーモサイクラーにおいて、加熱された蓋で遮断し、200時間インキュベートした。
ハイブリダイゼーション後の精製
ハイブリダイズされなかったレポーターを取り除くため、反応物を、各キャプチャープローブに含有された3’反復配列に相補的なオリゴヌクレオチドにカップリングされた磁気ビーズ(Invitrogen(商標))において精製した。反応物を、まず0.1%Tween−20/TE中1×SSPEに希釈し、22.5℃において30分間連続して回転させながら、ビーズに結合させた。ビーズを、150μlの0.1×SSPE/0.1%Tween−20で3回洗浄し、ハイブリダイズされた複合体を、100μlの0.1×SSPE/0.1%Tween−20に、45℃において15分間溶出させた。溶出後、試料を、過剰なキャプチャープローブを取り除くために、各レポータープローブに含有された5’反復配列に相補的なオリゴヌクレオチドとカップリングされた磁気ビーズと結合させることによって、2度目の精製をした。抗3’反復配列ビーズからの溶出液を、50μlの3×SSPE/0.1%Tween−20を加えることによって最終濃度の1×SSPEにし、回転させながら22.5℃において15分間結合させた。ビーズを上記のように洗浄し、30μlの0.1×SSPE/0.1%Tween−20に、45℃において溶出させた。二重に精製した試料を、次いで下記のように捕捉用に調製した。
NanoStringレポーターの捕捉、伸長および画像化
1マイクロリットルの、Tetraspeck蛍光ミクロスフェア(Invitrogen(商標))の特別注文配合品の0.1%固溶体の1/5000希釈液を、個々の試料に加えた。ストレプトアビジンでコーティングされたカバーグラス(Optichem(登録商標)Accelr8 Technology Corporation)を有し、レーザーカットされた両面接着層(Fralock)を使用して、30i.tmの深さのマイクロ流体のチャネルが作製された、レーザー加工されたキャストアクリルの積層により作られたNanoString流体素子に試料を添加した。試料は、静水圧によってチャネル内を運ばれ、キャプチャープローブのビオチン化3’末端により特異的に結合される。捕捉後、表面を90μlの1×TAEを用いて1回洗浄し、40μlのTAEを各ウェルに加えることによって伸長用に調製した。レポータープローブを伸長させ、流体チャネルに沿って1分間160V/cmを印加することによってアラインさせた。次いで、伸長されたレポーターを、全レポータープローブの5’末端に存在する5’反復配列に相補的なビオチン化オリゴヌクレオチドの500nM溶液の60μlを加えることによって表面に固定化した。固定化過程の間、電流は5分間に残存した。固定化後、TAE溶液を取り除き、画像化のための抗光退色試薬Slow Fade(Invitrogen)の特別注文配合品と置き換えた。
スライドを、Perfect Focus、1.4NA Plan Apo VC 60X油浸対物レンズ(Nikon)、X−cite120メタルハライド光源(Exfo Corporation)、自動H117ステージ(Prior Scientific)およびSmartShutter(Sutter Instrument)を搭載したNikon Eclipse TE2000Eにおいて画像化した。個々の視野に関して、異なる励起波長(480、545、580および622)において4種の画像を、Metamorph(Universal Imaging Corporation)または特注ソフトウェアのどちらかの管理下で、Orca Ag CCDカメラ(Hamamatsu)を用いて獲得した。
画像処理
4種の画像(各波長に関して1種)について、視野毎に画像処理を実施した。特注のアルゴリズムは、以下の基本ステップが実施される基本的区画として個々のFOVを扱う:1)スポットの同定、2)画像登録、3)ストリングを作製するための空間クラスタリングおよび4)ストリングの分類。
アルゴリズムの第1ステップにおいて、スポットを同定した。各チャネルのバックグラウンド強度のレベルを算出し、画像をシグナルとバックグラウンドとに分けるために使用し、ここでシグナル領域は、点拡がり関数(PSF)として観察された光の特定波長の結果である。シグナルマスクを、特注のWatershedアルゴリズムを使用して分割した。分割された領域をその後標識し、パラメーター化し、ろ過し、非PSFスポットを取り除いた。残存するスポットを、登録およびレポーターの招集における使用のために、中枢のアーカイブに保管した。
画像登録を、画像化表面に結合した蛍光ビーズ(基準)に相当する、アーカイブに保管されたスポットに基づく個々のFOVについて実施した(NanoStringレポーターの捕捉、伸長および画像化を参照されたい)。アーカイブに保管されたスポットを、相互参照し、基準条件(チャネル間強度の閾値および比率)を満たすスポットのチャネル間クラスタを同定した。条件を満たしたクラスタを基準としてアーカイブに保管した。基準の最終リストは、画像獲得の間のチャネル間に起こった空間変換を表した。空間オフセットは5〜6ピクセル程度であった。空間変換は、観察された基準の重心およびそれらの変換前(推測)の一致重心(X=X*T)の使用のために解決された。次いで、逆変換を、すべての同定されたスポットに適用し、それらのもともとの重心を回復させた。
スポット同定および画像登録後、スポットを、クラスタリングを介して「ストリング」にアセンブリさせた。現段階では、個々のストリングをろ過し、ブリードスルーシグナルの原因となる任意のスポットを取り除いた。次いでろ過されたストリングを、レポーターまたは非レポーターとして分類した。レポーターとして分類するために、ストリングは、スポットの正確な数を含有し、特定のスポットとスポットとの間隔の閾値(1.2〜2.9ピクセル)を満たし、許容可能な線形性および配向の条件を満たさなければならない。レポーターとして分類されたクラスタは、次いで全FOVにわたる個々の遺伝子に関してカウントされ、合計された。
NanoStringのデータの正規化および分析
ハイブリダイゼーションおよび精製効率におけるわずかな差を解明するために、データを、個々の試料において全コントロールスパイクに関して平均カウントに正規化した。遺伝子がNanoString系によって「検出」されるかどうかを決定するために、個々の実験遺伝子に関して得られた3重の測定値を、陰性対照に関する3重の測定値と比較した。カテゴリー化され、検出されるべき遺伝子に関して、実験遺伝子に関する平均カウントは、2種の陰性対照に関する平均カウントより大きくなければならず、Student
T検定のP値は0.05未満でなければならない。
DV1系とM13系とを比較する、プロービングされた40種の遺伝子の代表的な3つに関して結果を示す。図5は1L−8に関する結果を示す(GAPDHおよびTSC22D3に関する結果は非掲載)。個々の遺伝子の発現の全プロファイルは双方の系に関して同じであり(すなわち、多くても少なくても試料間に相対的に発現する)、個々のアッセイに関するカウントの数は、DV1を使用すると100倍を超えて高い(M13およびDV1のグラフに関するスケールの差に留意されたい)。
系の間の全40種の遺伝子の発現の比較結果を、2種の代表的試料においてさらに示す(図6を参照されたい)。図6において、R値は2種の系における全遺伝子の相対発現の間でおよそ90%の相関を示すが、一方、線の勾配は、M13レポーターと比較したDV1レポーターを使用するカウントの実際の数において、100倍を超える増加を示す。
(実施例5)
DV1およびM13のナノレポーター系の比較
148種のプローブのDV1レポーターライブラリーを、実施例1から3に記載のように作製し、比較可能なM13ライブラリーも、参照により本明細書に組み込まれている、米国特許出願第12/100,990号に記載のように作製した。DVlおよびM13ライブラリーは、同一のプローブ配列(すなわち標的特異的ヌクレオチド)を含有し、同じ試料、26種のマウスRNA試料をアッセイするために使用した。標準的ハイブリダイゼーション、精製および画像化のプロトコールを、実施例4に記載のように続けて実施した。
GusB発現の検出に関する結果を、それぞれ図7に示す。Mod1、Acot4およびAtg7の発現の検出に関する結果は非掲載である。様々な試料にわたる所与の遺伝子の相対発現レベルの測定値は、2種のレポーター型の間で比較可能であった。しかし、M13レポーターと比較して、DV1レポーターにより測定されたカウントの絶対数に関して平均6倍の増加が見られた。図8は「有効なレポーター」を示すグラフを提供し、有効なレポーターは、画像解析ソフトウェアによって「可算」レポーターとして解釈されるスポットのストリングを指し、視野中の結合事象の合計の百分率として記載される。DV1レポーターの有意に高い百分率は可算であり、この実験において、データの3倍の増加をもたらす(12.5%から38%)。
M13およびDV1により測定された1種の試料において、個々の遺伝子の発現の相関を決定した。結果は、2種の系の間で77%の相関を示し、DV1を用いて平均6倍の増加を示す(データ非掲載)。
(実施例6)
相補的RNAポリヌクレオチドへの色素の組込みの最適化
所与のナノレポーター分子中の最適な蛍光色素濃度を決定するために、蛍光色素を、様々な量で相補的RNAポリヌクレオチド配列に組み込ませた。様々な量の色素を組み込まれたナノレポーター分子を、次いで標準的ナノレポーター検出アッセイにおいてシグナル強度を試験した。
具体的には、個々の組み込まれた色素分子間のヌクレオチドの間隔の最適な度合いを決定するために、蛍光色素分子を、8、10、12、16または24ヌクレオチド塩基毎に相補的RNAポリヌクレオチドに組み込んだ。これは、図9〜12に示すように、8、10、12、14、16および24塩基毎に間隔を置かれるTの規則的パターンを含有する新規な配列を作製することによって達成された。これらの配列はおよそ1100塩基長であり、単一の6600塩基のレポーターバックボーンプラスミドにアセンブリされ、一本鎖バックボーンに変換された。個々の鋳型は転写され、逆相補鎖RNAを産生し、個々のRNAのアリコートは、個別に4色:青(Alexa488)、緑(Cy3(Amersham))、黄色(Alexa594)および赤(Alexa647)にカップリングされた。様々な色を使用する、一連の標識レポーターを、標識RNAセグメントをバックボーンにアニーリングすることによって作製した。これらのレポーターは、本明細書に記載のように画像化され、各色における個々の間隔での色素のカップリングによりもたらされるスポットの明るさを決定した(データ非掲載)。スポット強度の測定値は、任意単位である。
これらの実験は、スポットの明るさが、規則的に繰り返された塩基をより多くまたはより少なく含有するように基本的配列を設計することによって操作可能であることを示す。ここで、8ヌクレオチドの間隔が最も明るいスポットをもたらす。8個未満の間隔は、より近い間隔において近隣の色素分子のステアリン酸干渉の予測から試験しなかった。しかし、一部のスポットはより近い間隔によってさらに明るくなりうると思われる。最も近い間隔の可能性は、色素毎に変わると思われるが、8個の塩基は、市販の適切な色素すべてに適合するはずの間隔を提供する。塩基は規則的に間隔を置く必要は無い。
(実施例7)
ナノレポーターハイブリダイゼーションの反応速度に関する考察
背景技術
標的より非常に過剰なプローブを用いる溶液ハイブリダイゼーションは、擬一次反応速度に従う。この状況において、反応の速度はプローブ濃度のみに依存し、標的濃度には依存しない。溶液中の標的の濃度に関する正確な情報を提供するための、2種のプローブ、1種の標的の戦略のために、プローブは、双方とも標的より過剰に存在すべきである。したがって、濃度範囲の可能性は、標的濃度の下端を境界とすることが好ましい。しかし、本明細書に記載のナノレポーター技術のための有用な濃度範囲は、実際にはハイブリダイゼーションを実施するために必要な時間の下端を境界とする。
ハイブリダイゼーションの反応速度
好ましい実施形態において、標的の検出および定量化アッセイを実施し、このアッセイにおいて、標的(T)は、検出されるべきレポータープローブ(R)およびキャプチャープローブ(G)の双方とハイブリダイゼーションしなければならない(たとえば、親和性の選択および(R)および(G)のみを含む複合体の検出により、これらは(T)の存在下で順に複合体のみを形成する)。これらの反応が不可逆的であると仮定すると、
を起こす、4つの基本的反応が可能である。
RTおよびTGは3種のうちの2種の中間複合体であるので、これらの4つの反応はR+T+G→RTGに単純化できる。
しかし、RTG(レポーター−標的−キャプチャープローブ複合体)の産生速度を定量的に計算するために、4つすべての反応を考慮しなければならない。系を説明する微分方程式は、
であり、式中、C、C、C、CRT、CTGおよびCRTGは様々な種の濃度であり、1(1−1(4は4つの基本的反応の速度定数である。プローブおよび標的が相補的一本鎖分子である場合(すなわち、キャプチャープローブ上に精製タグがなく、レポーターもない場合)、これらの反応速度定数の値は、文献(Wetmur、J.Annu. Rev. Biophys.
Bioeng. 1976年、5巻:337〜361頁)中の利用可能なデータから計算できる
上記の方程式において、kは核生成速度定数であり、Lは核酸長(塩基対で)であり、Nは核酸の複雑性(非反復配列に関してはLに等しい)であり、asaltおよびarefは塩濃度のための補正である(Brittenら、1974年、Methodsin Enzymology 2
9E:363〜406頁)。本明細書に記載のナノレポーター系において、反応速度定数は結合されたキャプチャープローブタグおよびレポータープローブのサイズに依存すると思われる。任意の理論に縛られるものではないが、反応速度定数は長さに対して同じ依存性を有すると思われ、基本的反応は、反応物の拡散定数に同じ依存性を有するというのが本発明者らの意見である。
上記の方程式において、D1およびD2は2種の反応種の拡散定数であり(上記の反応を参照されたい)、D50は50merの一本鎖DNA分子の拡散定数である。100塩基の一本鎖標的、100塩基の一本鎖キャプチャープローブおよび7200塩基の二本鎖レポーターを仮定すると、関連反応速度定数は、
=2.64×10L/mol/s
=6.55×10L/mol/s
=3.99×10L/mol/s
=1.91×10L/mol/s
である。
これらの反応速度定数(標的より少なくとも10倍過剰であると仮定する)を含む微分方程式の系を数値的に解明すると、5pMレポーターおよび5pMキャプチャープローブは、一晩(16〜18時間)の反応においてハイブリダイゼーションを10%完了させるであろうという予測をもたらす。5pM未満の濃度において、完全にハイブリダイゼーションした分子の量は、測定不可能であると思われる。したがって、好ましい実施形態において、低濃度のナノレポーター成分(キャプチャープローブおよび/またはレポータープローブ)は5pMである。
レポーターの絡み合い
プローブ濃度が上昇した場合、理論によりハイブリダイゼーションの反応速度は限界なく加速し、唯一の制限はプローブの溶解度であることが予測される。しかし、本発明のナノレポーター系におけるレポータープローブは標的特異的配列と比較して非常に大型であってもよい。任意の理論に縛られるものではないが、本発明者らは、レポータープローブへのその結合によって、標特異的配列の反応速度は、古典的溶液ハイブリダイゼーションの反応速度により改変されると信じる。レポータープローブは大型のポリマー分子であるので、それらが接触した場合、他のナノレポーターとの長く続く相互作用(絡み合い)を有しうる。低濃度において、2種のポリマーが絡み合う可能性は低いが、溶液中のポリマーの濃度および/またはサイズが上昇した場合、これらの相互作用はますます一般的になる。非常に高濃度で非常に長い分子の極端な例において、ポリマーは、溶液中で永続的なネットワーク、すなわちゲルを形成する。溶液ハイブリダイゼーションを起こすために、プローブ(たとえば、ナノレポータープローブ)/標的対は、それらが互いに接触し、ハイブリダイゼーション核形成するまで溶液において拡散しなければならない。分子の移動拡散がハイブリダイゼーションの核生成より速いので(すなわち、プローブおよび標的は一緒に拡散し、核生成の前に何度も相互作用する)、古典的ハイブリダイゼーション反応は拡散が限定されない。希薄溶液において、その大きなサイズは、レポータープローブの移動拡散が遅くなると思われるが、反応速度に有意な影響は与えないと思われる。一部の中間体の濃度において、レポータープローブは溶液中の空間のほぼすべてを取り込み、永続的に絡み合うゲルを有効に形成し、もはや溶液中に拡散できない。しかし、キャプチャープローブおよび標的は、絡み合ったレポータープローブの間に未だ拡散すると考えられる小型分子であり、実施するハイブリダイゼーションを可能にする(しかし、おそらく低速度である)。本発明者らは、一部の高濃度において、溶液中のレポータープローブが、反応が拡散を制限する時点までキャプチャープローブおよび標的の動きを妨げるであろうと考えている。この濃度(定量的には公知ではなく、レポータープローブの構造、キャプチャープローブの構造および標的のサイズに依存する)はナノレポーター系における有用な濃度範囲の上限であり、本明細書に記載の原理により案内された当業者により実験的に決定されうる。
反応速度の長さ依存性
ハイブリダイゼーションの上限濃度は、レポーターの構造およびキャプチャープローブの構造(多くの変形候補がある)の双方に依存するので、有用な濃度範囲の並べ替えを予測する理論的フレームワークは、本発明の実践において有用である。古典的理論は、ハイブリダイゼーションの反応速度が小型プローブのサイズのみに依存することを予測する。したがって、理論は、標的分子およびキャプチャープローブの双方が有意に小型である限り、レポーターのサイズが、ハイブリダイゼーションの反応速度において役割を果たしていないことを予測する。次いで、理論は、(一定長さの標的に関する)ハイブリダイゼーションの速度が、Lがキャプチャープローブの長さである場合、ハイブリダイゼーションのステアリン酸による阻害のため1/L1/2に依存することを予測する。結果的に、ハイブリダイゼーションの反応速度は、小型のキャプチャープローブを用いるほど、より速くなると思われる。キャプチャープローブの長さが増加した場合、ハイブリダイゼーションの速度は1/L1/2に応じて減少するはずである。一定の長さのキャプチャープローブを想定する場合、その後、ハイブリダイゼーション事象の測定可能量をもたらすであろうレポーターの長さおよび濃度の範囲を定義できる。レポーターサイズが一度定義されたら、次いで、キャプチャープローブサイズのおよその範囲を決定できる。これは反復作業であるが、詳細な経験的ガイドラインを作りだすためのデータ収集のための優れた出発点をもたらすことができ、本発明者らの理論的解釈に基づく理論が、レポータープローブを用いない系におけるハイブリダイゼーションのデータから生み出されたことを示す。
絡み合いの閾値
レポータープローブは基本的に自由溶液中のポリマーであり、ランダムコイルとして機能する。単一のレポーター、Vによって占められている容積は、自由結合鎖モデル(FJC、一本鎖DNAまたはRNAなどの柔軟性ポリマー用)またはミミズ鎖モデル(WLC、二本鎖DNAまたはレポーターなどの剛性ポリマー用)に従って、ポリマーの物理理論から計算できる。どちらのモデルに関しても
式中、Rは旋回半径である。FJCに関しては
式中、bはセグメントの長さであり、Nは鎖中のセグメントの数である。WLCに関しては、
である。
絡み合いの閾値濃度は、溶液の全容量がレポーターにより占められる濃度として定義される。
式中、Nはアボガドロ数である。この濃度を上回ると、レポーターの移動拡散が厳密に制限されると想定される。絡み合いの閾値濃度はレポーターの構造により変化する。レポーターの長さが増加した場合、絡み合いの閾値は減少する(1/L1.5のように)。上
記の方程式から、異なるスポットサイズおよび異なる長さを有するレポータープローブに関する理論的絡み合いの閾値が計算できる。このような計算の結果は、それぞれ約900byの8個の標識結合領域を有する7200byのRNA/DNAハイブリッドレポータープローブに関して、絡み合いの閾値は約70nMであることを示す。
標的およびキャプチャープローブの双方がレポーターより非常に小型である場合、その結果、それらはレポーターがこれらの高濃度であっても溶液の中を最も自由に拡散できると思われる。初期データは、ハイブリダイゼーションの反応速度は、7200bpのレポータープローブ、100塩基の標的および100塩基のキャプチャープローブを用いて80nMの濃度まではそれほど遅くないことを示す。
多重化における絡み合いの閾値の効果
ハイブリダイゼーション反応におけるレポーターの最大濃度をCと仮定すると、その結果個々のレポーター(特定の標的に特異的)の濃度はC/Mに等しく、ここでMは反応の多重度である(異なる標的の数は同時に処理される)。逆に、特定のレポーター構造に関する多重化レベルの可能性は、プローブ(Cp、反応速度約10nM)および絡み合いの閾値濃度の下限から計算できる。
利用可能なナノレポーターコードの数が、レポータープローブのサイズに依存しない場合、その結果、ナノレポーターの多重化は、主にレポータープローブのサイズおよび濃度に依存する(キャプチャープローブより非常に大きいので)。キャプチャープローブはハイブリダイゼーションにおいて絡み合いにあまり寄与しないので、キャプチャープローブの濃度は、レポータープローブの濃度をはるかに超えて上昇させることができるというのが本発明者らの意見である。下記の表4において、総キャプチャープローブの最大濃度([G])を、全レポーター濃度に対して1000nMに設定する。キャプチャープローブとレポータープローブとのこの濃度の差は、調整可能なパラメーターである。予備実験は、7200byのレポーターおよび100bのキャプチャー、40pMの各レポータープローブおよび200pMの各キャプチャープローブを用いた多重度ハイブリダイゼーション反応が、一晩の反応において完全に近いハイブリダイゼーションをもたらすことを示す。
最適サイズおよび濃度範囲
下記の表4は、上記の理論により概算された、異なる多重化におけるキャプチャープローブおよびレポータープローブの最適で有用なサイズおよび濃度範囲の要約である。200塩基までのキャプチャープローブが大部分の適用に関して実用的であろうというのが本発明者らの意見である。
表4:本発明のナノレポーター系におけるレポータープローブ、キャプチャープローブおよび標的の最適サイズ濃度範囲ならびにプローブの多重度
前述より、本発明の具体的実施形態を例示目的で本明細書に記載したが、様々な改良が、本発明の精神および範囲から逸脱することなく実施可能であることが理解されるであろう。したがって、本発明は添付の特許請求の範囲によるものを除いて制限されない。
本発明の好ましい実施形態を本明細書に示し説明したが、このような実施形態が例としての目的のみで提供されることは当業者には明らかであろう。多くの変形、変更および置き換えが本発明から逸脱することなく当業者には思い付くであろう。本明細書に記載の本発明の実施形態に対する様々な改変は、本発明の実践において採用可能であると理解されるべきである。以下の特許請求の範囲が本発明の範囲を規定し、これらの特許請求の範囲内の方法および構造ならびにそれらの同等物は本発明に含まれるものと意図する。

Claims (45)

  1. プローブ対であって、
    (a)(i)標的核酸の第1の配列に選択的に結合する第1の領域と、
    (ii)設計された一本鎖核酸バックボーンを含む第2の領域と、
    を含む第1のプローブであって、該バックボーンは、線状の組合せにおいて共に共有結合された複数の標識結合領域を含み、
    ここで、
    該標識結合領域は、設計されたポリヌクレオチド配列の集団から選択され、
    各標識結合領域は、その同じバックボーン内の他の標識結合領域とは異なり、
    該ポリヌクレオチド配列は、1つまたは複数の検出可能な分子が付加された相補的ポリヌクレオチド配列にハイブリダイズされ、そして
    各相補的ポリヌクレオチド配列は、特異的な明示される検出可能な分子を有する、第1のプローブと;
    (b)該標的核酸の第2の配列に選択的に結合する領域およびアフィニティータグを含む第2のプローブと、
    を含み、ここで、該標的核酸の該第1の配列と該第2の配列とは異なり、該プローブ対は、プローブ対の集団において用いられることを特徴とし、該バックボーンは、該集団内の他のバックボーンと比較して固有であり、そして、該バックボーンの該標識結合領域の線状の組合せは、該集団における該第1のプローブの固有のシグナルを規定する、プローブ対。
  2. 前記標的結合領域が、800〜1300ヌクレオチド塩基を含み、かつ、50%のG/C含量を有し、そして、前記相補的ポリヌクレオチド配列が、1/1のG/C比を有する、請求項1に記載のプローブ対。
  3. 前記相補的ポリヌクレオチド配列が、3/2のG/C比を有する、請求項1〜2のいずれか一項に記載のプローブ対。
  4. 前記標的核酸がDNAまたはRNAである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のプローブ対。
  5. 前記第1のプローブが定常領域をさらに含み、該定常領域が、複数の繰り返しヌクレオチド配列を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のプローブ対。
  6. 各標識結合領域が同様のアデニン含量を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のプローブ対。
  7. 前記アデニン塩基が少なくとも平均8〜16ヌクレオチド塩基毎の間隔を置いて配置される、請求項6に記載のプローブ対。
  8. 前記標識結合領域が、アデニン塩基の規則的に繰り返されたパターンを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載のプローブ対。
  9. 前記アデニン塩基が8〜16ヌクレオチド塩基毎の間隔を置いて配置される、請求項8に記載のプローブ対。
  10. 前記標識結合領域が、35〜45%のチミン含量を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載のプローブ対。
  11. 前記相補的ポリヌクレオチド配列が、RNAポリヌクレオチド配列を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載のプローブ対。
  12. 前記RNAポリヌクレオチド配列が、少なくとも1つのアミノアリル修飾ウラシル塩基を含む、請求項11に記載のプローブ対。
  13. 前記検出可能な分子が、前記アミノアリル修飾ウラシル塩基に付加される、請求項12に記載のプローブ対。
  14. 前記RNAポリヌクレオチド配列が、該RNAポリヌクレオチド配列中で平均8〜16塩基毎の間隔を置いて配置される複数のアミノアリル修飾ウラシル塩基を含む、請求項11〜12のいずれか一項に記載のプローブ対。
  15. 前記検出可能な分子が、前記アリル修飾ウラシル塩基の各々に付加される、請求項14に記載のプローブ対。
  16. 前記検出可能な分子が蛍光色素である、請求項1〜15のいずれか一項に記載のプローブ対。
  17. 前記アフィニティータグが、ビオチン、アビジン/ストレプトアビジン、ジゴキシゲニン、HAエピトープ、mycエピトープ、およびFLAGエピトープからなる群より選択される、請求項に記載のプローブ対。
  18. 前記アフィニティータグがジゴキシゲニンタグである、請求項1に記載のプローブ対。
  19. 前記アフィニティータグがビオチンタグである、請求項1に記載のプローブ対。
  20. 前記第1のプローブがアフィニティータグをさらに含む、請求項1〜19のいずれか一項に記載のプローブ対。
  21. 前記アフィニティータグが、ビオチン、アビジン/ストレプトアビジン、ジゴキシゲニン、HAエピトープ、mycエピトープ、およびFLAGエピトープからなる群より選択される、請求項2に記載のプローブ対。
  22. 前記第1のプローブの前記アフィニティータグがビオチンタグである、請求項2に記載のプローブ対。
  23. 前記第1のプローブの前記アフィニティータグがジゴキシゲニンタグである、請求項2に記載のプローブ対。
  24. 前記バックボーンが少なくとも3つの標識結合領域を含む、請求項1〜2のいずれか一項に記載のプローブ対。
  25. プローブ対の集団であって、該集団における各プローブ対が、
    (a)(i)標的核酸の第1の配列に選択的に結合する第1の領域と、
    (ii)固有の、設計された一本鎖核酸バックボーンを含む第2の領域と、
    を含む第1のプローブであって、該バックボーンは、固有の線状の組合せにおいて共に共有結合された複数の標識結合領域を含み、該バックボーンの該標識結合領域の該固有の線状の組合せは、該第1のプローブのシグナルを規定し、
    ここで、
    該標識結合領域は、設計されたポリヌクレオチド配列の集団から選択され、
    各標識結合領域は、その同じバックボーン内の他の標識結合領域とは異なり、
    該ポリヌクレオチド配列は、1つまたは複数の検出可能な分子が付加された相補的ポリヌクレオチド配列にハイブリダイズされ、そして
    各相補的ポリヌクレオチド配列は、特異的な明示される検出可能な分子を有する、第1のプローブと;
    (b)該標的核酸の第2の配列に選択的に結合する領域およびアフィニティータグを含む第2のプローブと、
    を含み、ここで、該標的核酸の該第1の配列と該第2の配列とは異なる、プローブ対の集団。
  26. 前記集団における各プローブ対の前記第1のプローブが、アフィニティータグをさらに含む、請求項2に記載の集団。
  27. 前記アフィニティータグが、ビオチン、アビジン/ストレプトアビジン、ジゴキシゲニン、HAエピトープ、mycエピトープ、およびFLAGエピトープからなる群より選択される、請求項2〜2のいずれか一項に記載の集団。
  28. 前記集団が、少なくとも5、10、20、30、50、100、200、300、または、500の異なるプローブ対を含む、請求項2〜2のいずれか一項に記載の集団。
  29. 前記バックボーンの各々が少なくとも3つの標識結合領域を含む、請求項2〜2のいずれか一項に記載の集団。
  30. 試料中の少なくとも2つの標的核酸の存在を決定するための方法であって、
    (1)少なくとも2つの分子複合体を形成する工程であって、各分子複合体が、
    (a)少なくとも1つの標的核酸と、
    (b)(i)標的核酸の第1の配列に選択的に結合する第1の領域と、
    (ii)固有の、設計された一本鎖核酸バックボーンを含む第2の領域と、
    を含む少なくとも1つの第1のプローブであって、該バックボーンは、固有の線状の組合せにおいて共に共有結合された複数の標識結合領域を含み、該バックボーンの該標識結合領域の該固有の線状の組合せは、該第1のプローブのシグナルを規定し、
    ここで、
    該標識結合領域は、設計されたポリヌクレオチド配列の集団から選択され、
    各標識結合領域は、その同じバックボーン内の他の標識結合領域とは異なり、
    該ポリヌクレオチド配列は、1つまたは複数の検出可能な分子が付加された相補的ポリヌクレオチド配列にハイブリダイズされ、そして
    各相補的ポリヌクレオチド配列は、特異的な明示される検出可能な分子を有する、少なくとも1つの第1のプローブと;
    (c)該標的核酸の第2の配列に選択的に結合する領域およびアフィニティータグを含む、少なくとも1つの第2のプローブと、
    を含み、ここで、該標的核酸の該第1の配列と該第2の配列とは異なる、工程と、
    (2)該少なくとも2つの分子複合体、または、該少なくとも2つの分子複合体の少なくとも一部の存在を個々にカウントして、該試料中の該少なくとも2つの標的分子の存在を決定する工程と、
    を包含する、方法。
  31. 各標的結合領域が、800〜1300ヌクレオチド塩基を含み、かつ、50%のG/C含量を有し、そして、前記相補的ポリヌクレオチド配列が、少なくとも1/1のG/C比を有する、請求項3に記載の方法。
  32. 前記検出可能な分子が蛍光色素である、請求項3〜3のいずれか一項に記載の方法。
  33. 複数の標的核酸の存在が決定される、請求項3〜3のいずれか一項に記載の方法。
  34. 少なくとも5、10、20、30、50、100、200、300、または、500の異なる標的核酸の存在が決定される、請求項3に記載の方法。
  35. 前記標的核酸がDNAまたはRNAである、請求項3〜3のいずれか一項に記載の方法。
  36. 前記核酸が、少なくとも1つの遺伝的突然変異、少なくとも1つの体細胞突然変異、少なくとも1つの一塩基多型(SNP)、少なくとも1つの点突然変異、少なくとも1つの欠失突然変異、少なくとも1つの挿入突然変異、少なくとも1つの染色体転座、またはその組合せを含む、請求項3〜3のいずれか一項に記載の方法。
  37. 前記標的分子が診断の指標となる、請求項3〜3のいずれか一項に記載の方法。
  38. 前記アフィニティータグが、ビオチン、アビジン/ストレプトアビジン、ジゴキシゲニン、HAエピトープ、mycエピトープ、およびFLAGエピトープからなる群より選択される、請求項3に記載の方法。
  39. 前記アフィニティータグがジゴキシゲニンタグである、請求項38に記載の方法。
  40. 前記アフィニティータグがビオチンタグである、請求項38に記載の方法。
  41. 少なくとも1つの第1のプローブがアフィニティータグをさらに含む、請求項3〜4のいずれか一項に記載の方法。
  42. 前記アフィニティータグが、ビオチン、アビジン/ストレプトアビジン、ジゴキシゲニン、HAエピトープ、mycエピトープ、およびFLAGエピトープからなる群より選択される、請求項4に記載の方法。
  43. 前記第1のプローブの前記アフィニティータグがビオチンタグである、請求項4に記載の方法。
  44. 前記第1のプローブの前記アフィニティータグがジゴキシゲニンタグである、請求項4に記載の方法。
  45. 各バックボーンが少なくとも3つの標識結合領域を含む、請求項3〜4のいずれか一項に記載の方法。
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