JP6246012B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、スクロール圧縮機に関する。
スクロール圧縮機は、固定スクロールと、旋回スクロールとを備えている。固定スクロールおよび旋回スクロールは、いずれも円板状の端板の一方の面側に、渦巻状のラップが設けられたものである。この固定スクロールと旋回スクロールとを、ラップを噛み合わせた状態で対向させ、固定スクロールに対して旋回スクロールを公転旋回運動させる。そして、双方のスクロールの間に形成される圧縮空間の容積を旋回スクロールの旋回に伴って減少させることで、その空間内の流体(冷媒)の圧縮を行う。
スクロール圧縮機において、周方向のみならず高さ方向にも圧縮することで高圧縮比を得るために、ラップの高さを内周側では外周側よりも低くし、それに対応して、相手側の端板の内周側の部分を外周側よりも内面側に突出するように形成したものがある。この3Dスクロール(登録商標)と呼ばれるタイプのスクロール圧縮機では、ラップおよび端板の双方に段差が形成される。
一般に、固定スクロールおよび旋回スクロールの双方のラップの先端には、チップシールが渦巻きに沿って設けられる。チップシールは、ラップの先端に形成された溝に挿入されており、溝内に流入する冷媒圧力によって発生する差圧(背圧)により相手側のスクロールの端板に向けて浮上、接触することで相手側の端板との隙間を封止する。
3Dタイプのスクロール圧縮機でも、このチップシールが設けられている。特許文献1では、ラップの内周側からラップの外周側が立ち上がる段差の根元部にまで内周側チップシールを設け、段差の上側には外周側チップシールを設けるとともに、内周側チップシールと外周チップシールとの間にはL字状のチップシールを設けることにより、圧縮空間からの冷媒の漏れを防いでいる。
特開2002−303281号公報
特許文献1において、内周側チップシールは比較的に高い背圧を受けるものの、外周側チップシールは受ける背圧が十分でないおそれがある。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、外周側チップシールに十分な背圧を作用させることのできるスクロール圧縮機を提供すること目的とする。
かかる目的のもと、本発明のスクロール圧縮機は、一対のスクロールがいずれも、外周側から内周側にかけて一つ以上の段差部を経て順次高さが低くなる渦巻き状のラップと、相手側のラップの段差部に倣って立ち上がる一つ以上の段差側面が形成される端板と、段差部よりも内周側のラップに設けられ、内周側チップシールを収容する内周側シール溝と、段差部よりも外周側のラップに設けられ、外周側チップシールを収容する周側シール溝と、を有し、内周側シール溝と外周側シール溝は、ラップの内部に形成される背圧導入通路を介して連通している、ことを特徴とする。
本発明のスクロール圧縮機は、内周側シール溝と外周側シール溝を背圧導入路により連通させているので、内周側シール溝から外周側シール溝に向けて圧力の高い冷媒を導入させることができる。したがって、外周側チップシールに高い背圧が作用するので、外周側チップシールを相手側端板に向けて確実に浮上させることができる。
本発明のスクロール圧縮機において、内周側シール溝に連なり、段差部を超えて外周側に向けて形成された窪みがラップに形成されるとともに、内周側チップシールの外周側の先端がこの窪みに挿入される場合には、背圧導入通路は、その一方端が、窪みを介して内周側シール溝に連通することが好ましい。
このように窪みを介して背圧導入通路を内周側シール溝に連通させれば、外周側シール溝からラップの高さ方向に沿って穿孔するだけで背圧導入通路を形成できるので、背圧導入孔を形成するのが容易である。
本発明の好ましいスクロール圧縮機において、内周側チップシールが外周側に向けて移動するのを規制する係止機構を備えることが好ましい。内周側チップシールが外周側に向けて移動してしまうことにより、背圧導入路を閉塞するのを防止するためである。
同様の目的のために、内周側チップシールが、外周側の先端に、内周側に向けて後退する切欠きを備えることもできる。
本発明によれば、背圧導入路を介して内周側シール溝から外周側シール溝に向けて圧力の高い冷媒を導入させるので、外周側チップシールに高い背圧が作用する結果、外周側チップシールを相手側端板に向けて確実に浮上させることができる。
第1実施形態に係るスクロール圧縮機の縦断面図である。 旋回スクロールのラップを破断して固定スクロールおよび旋回スクロールのラップを示す図である。 固定スクロールおよび旋回スクロールの斜視図である。 固定スクロールのラップの先端領域の一部を示す断面図である。 固定スクロールのラップの段差部の近傍を示す斜視図である。 旋回スクロールの旋回に伴うラップの段差部の近傍の動作を示す図である。 第2実施形態を示し、(A)は固定スクロールのラップの先端領域の一部を示す断面図であり、(B)は固定スクロールのラップの段差部の近傍を示す斜視図である。 第3実施形態を示し、(A)〜(C)は固定スクロールのラップの先端領域の一部を示す断面図であり、(D)は固定スクロールのラップの段差部の近傍を示す平面図である。
以下、添付図面に示す実施形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
第1実施形態に係る圧縮機1は、図1に示すように、縦型のスクロール型で、ハウジング10内に、電動モータ12と、電動モータ12により駆動されるスクロール圧縮機構2とを備えている。この圧縮機1は、例えば空気調和機や冷凍機などを構成している。
ハウジング10は、上端が開放された有底円筒状のハウジング本体101と、ハウジング本体101の上端を覆うハウジングトップ102とを備えている。
ハウジング本体101の側面には、図示しないアキュムレータからハウジング本体101内に冷媒を導入する吸入管13が設けられている。
ハウジングトップ102には、スクロール圧縮機構2によって圧縮された冷媒を吐出する吐出管14が設けられている。ハウジング10の内部は、ディスチャージカバー25によって低圧室10Aと高圧室10Bとに仕切られている。
電動モータ12は、ステータ15と、ロータ16とを備えている。
ステータ15には、ハウジング本体101の側面に取り付けられた図示しない電源ユニットによって通電される。ロータ16には、回転軸17が一体に結合されている。
電動モータ12を挟んで回転軸17の両端側には、回転軸17を回転可能に支持する上部軸受18および下部軸受19が設けられている。
上部軸受18に形成される内部空間190には、回転軸17の上端に設けられる偏心ピン17Aが突出している。
スクロール圧縮機構2は、固定スクロール20と、固定スクロール20に対して公転旋回する旋回スクロール30とを備えている。
固定スクロール20は、円板状の固定端板200と、固定端板200の内面側に立設される渦巻状のラップ21とを備えている。
旋回スクロール30も、円板状の旋回端板300と、旋回端板300の内面側に立設される渦巻状のラップ31とを備えている。
旋回スクロール30の旋回端板300の背面には、ボス34が設けられているとともに、そのボス34に軸受(図示を省略)を介してドライブブッシュ36が組み付けられている。ドライブブッシュ36の内側には偏心ピン17Aが嵌められている。これにより、旋回スクロール30が回転軸17の軸心に偏心して結合されるので、回転軸17が回転すると、旋回スクロール30は、回転軸17の軸心からの偏心距離を旋回半径として回転(公転)する。
なお、旋回スクロール30が、公転しつつも自転はしないよう、旋回スクロール30と回転軸17との間には、自転を拘束するオルダムリング(図示を省略)が設けられている。
互いに所定量だけ偏心し、180度位相をずらして噛み合わせられるラップ21,31は、図2に示すように、旋回スクロール30の回転角に応じて複数箇所で互いに接触する。すると、ラップ21,31の渦巻きの中心部(最内周部)に対して点対称に圧縮空間が形成されるとともに、旋回スクロール30の旋回に伴って、圧縮空間はその容積を減少させながら次第に内周側に移動される。そして、渦巻きの中心部で冷媒の圧縮が最大になる。
このスクロール圧縮機構2では、双方のスクロール20,30間に形成される圧縮空間の容積を渦巻きの途中でラップの高さ方向にも減少させている。そのために、図3に示すように、固定スクロール20および旋回スクロール30の双方において、ラップの高さを外周側よりも内周側で低めているとともに、その段差状のラップに対向する相手側の端板を外周側よりも内周側で、端板内面側に突出するようにしている。
図2及び図3に示すように、固定スクロール20の内周側ラップ21Aと外周側ラップ21Bとの間には、段差部21Cが形成されている。段差部21Cでは、内周側ラップ21Aから外周側ラップ21Bが立ち上がっている。その立ち上がりの基端部を根元部Rと称する。ラップ21とラップ31とが噛み合わせられると、根元部Rの上方に位置する外周側ラップ21Bの外周始端部Sが外周底部30Bの端部に対向する。
なお、ここでいう上下は、固定スクロール20および旋回スクロール30のいずれか一方を基準とする相対的な位置関係である。
旋回端板300の外周底部30Bと、それよりも内面側に突出した内周底部30Aとの間に形成される段差側面30Cは、図2および図3に示すように、平面視して円弧状に窪んで形成されている。その段差側面30Cに対して、固定スクロール20には、旋回スクロール30の旋回角度に応じて接触、離間する外周始端部Sが、平面視して円弧状に突出した形状に形成されている。
旋回スクロール30のラップ31においても、固定スクロール20のラップ21と同様に、内周側ラップ31Aと外周側ラップ31Bとの間に段差部31Cが形成されている。そして、根元部Rの上方に位置する外周側ラップ31Bの外周始端部Sが固定端板200の外周底部20Bの端部に対向する。
また、固定端板200の内周底部20Aと外周底部20Bとの間に形成される段差側面20Cも段差側面30Cと同様に形成されており、その稜線部(図示せず)も面取りされている。
以下、上記のラップ21およびラップ31の先端に設けられるチップシール及びチップシールを収容するシール溝について説明する。
図2及び図3に示すように、固定スクロール20のラップ21には、その巻き始めの始端から段差部21Cの根元部Rまで延びる内周側チップシール41と、外周側ラップ21Bの外周始端部Sから巻き終わりの手前まで延びる外周側チップシール42とが設けられている。図4(A)に示すように、内周側チップシール41は内周側シール溝23に収容され、外周側チップシール42は外周側シール溝24に収容されている。
一方、旋回スクロール30のラップ31にも、図3に示すように、巻き始めの始端から段差部31Cの根元部Rまで延びる内周側チップシール51と、外周側ラップ31Bの外周始端部Sから巻き終わりの手前まで延びる外周側チップシール52とが設けられている。図示を省略するが、固定スクロール20と同様に、内周側チップシール51は内周側シール溝に収容され、外周側チップシール52は外周側シール溝に収容される。
シール溝23,24の一端部側の内壁とチップシール41,42との間には、空隙Gが形成されている。その空隙Gから圧縮冷媒が導入されることでチップシール41,42の表面側(図中、上方の面)の圧力が裏面側よりも負圧となるので、チップシール41,42は浮上する。そうすると、チップシール41,42と相手側の旋回スクロール30の旋回端板300との隙間が封止され、これによって圧縮空間が気密に保たれる。
図5にラップ21の段差部21Cを示すように、内周側チップシール41は、根元部Rまで延びているとともに、外周側チップシール42は、外周側ラップ21Bの外周始端部Sまで延びている。差圧が生じていない状態では、チップシール41,42はシール溝23,24の内部に収まり、ラップの先端面21Sからは突出しない。
チップシール41,42は、全体に亘り、外周側ラップ21Bの先端面と平行に、平面状とされている。
チップシール41,42,51,52は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、変性ポリフェニレンエーテル(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の樹脂材料から作製されるのが好ましい。但し、鉄、アルミニウム等の金属材料からチップシールを形成することもできる。
本実施形態は、図4(A)に示すように、内周側シール溝23と外周側シール溝24の間に背圧導入通路26が設けられているところに特徴を有している。背圧導入通路26は、内周側シール溝23から延びる内周側通路27と外周側シール溝24から延びる外周側通路28とからなり、内周側通路27と外周側通路28はその先端同士が連通している。したがって、背圧導入通路26を介して、内周側シール溝23から外周側シール溝24に向けて圧縮された冷媒を流入させることができる。
以上のように構成される圧縮機1を起動するには、電動モータ12を励磁して回転軸17を回転させると、旋回スクロール30が固定スクロール20に対して公転旋回運動する。そうすると、旋回スクロール30と固定スクロール20との間の圧縮空間で冷媒が圧縮されるとともに、吸入管13からハウジング10内の低圧室10Aに導入された冷媒が旋回スクロール30と固定スクロール20との間に吸い込まれる。そして、圧縮空間内で圧縮された冷媒は、ディスチャージカバー25の吐出ポート251から高圧室10Bに吐出され、さらに吐出管14から外部へと吐出される。こうして、冷媒の吸入、圧縮、および吐出が連続して行われる。
旋回スクロール30が旋回するのに伴って、図6に示すように、外周側ラップ21Bの外周始端部Sが、旋回半径の円軌道上またはほぼ円軌道上を変位すると、根元部Rは、旋回スクロール30の段差側面30Cに対して出入りを繰り返す。図6の(A)および図4(A)は、根元部Rが、内周底部30Aに対向する側から段差側面30Cを越えたときの状態を示している。
その後、順次、図6の(B)、(C)に示すように変位する過程で、段差側面30Cの内側に内周側ラップ21Aが最大に挿入されるのを経て、根元部Rは内周底部30A側に向けて戻り始める。
根元部Rが内周底部30A側に向けて後退すると、それに伴って内周側チップシール41も内周底部30Aへと抜けていく。図6(D)のように外周始端部Sが段差側面30Cのほぼ中央に接触するとき、内周側チップシール41は、段差側面30Cから脱した位置に戻る。
内周側チップシール41は差圧によって内周底部30Aの表面にまで浮上するが、図4(A)に示すように、内周側シール溝23と内周側チップシール41の間の空隙G及び背圧導入通路26を介して、ガス冷媒が外周側シール溝24の内部に流入する。このガス冷媒は比較的に高圧であるから、外周側シール溝24に収容される外周側チップシール42を浮上させる。
上記は、旋回スクロール30のラップ31についても同様である。
以上により、圧縮空間内の気密を安定して保つことができるので、圧縮機1の効率および信頼性を向上させることができる。
上記実施形態では、ラップ21,31の渦巻きの途上に1つだけ、段差部21C,31Cが設けられるとともに、その段差部21C,31Cの両側で端板200,300の底部高さが切り替わっていたが、ラップ21,31がいずれも2以上の段差部を有して階段状に形成されるとともに、相手側の端板の底部も階段状に形成されていてもよい。
また、背圧導入通路26は、図4(B)に示すように形成することができる。図4(A)のように内周側通路27を内周側シール溝23の底面に平行に形成すると、内周側通路27を先行するドリルなどの工具を差し込み、かつ回転させるスペースが不足する恐れがある。これに対して、図4(B)に示すように、内周側通路27を内周側シール溝23の底面に対して傾斜させると、当該スペースを確保しやすい。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について、図7を参照して説明する。
第2実施形態では、内周側チップシール41を収容する内周側シール溝23は、渦方向の外方に延長されて段差部21Cに達し、段差部21Cから渦方向にさらに掘り進んで形成された窪み40に連なっている。内周側チップシール41は、内周側シール溝23の形状に合わせて延長され、先端が窪み40にはめ込まれている。
第2実施形態は、背圧導入通路26が、内周側シール溝23の一部である窪み40と外周側シール溝24の間に形成されている。この背圧導入通路26は、ラップ21の高さ方向に沿って形成されている。なお、旋回スクロール30にも同様の構造が設けられていることはいうまでもない。
第2実施形態によれば、窪み40に内周側チップシール41の先端が挿入されるので、段差部21Cと段差側面30Cとが離間したときでも内周側チップシール41が内周側シール溝23から浮き上がらず、信頼性が向上する。
しかも、第2実施形態においても、背圧導入通路26を介して、ガス冷媒が外周側シール溝24の内部に流入するので、外周側シール溝24に収容される外周側チップシール42を確実に浮上させることができる。
さらに、第2実施形態においては、ラップ21の高さ方向に沿って切削するだけで背圧導入通路26を形成できるので、第1実施形態に比べて背圧導入通路26の加工が格段に容易である。
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態について図8を参照して説明する。
第2実施形態のように、内周側チップシール41の先端が窪み40に挿入される場合には、差圧によって内周側チップシール41が窪み40の奥(外周側)に押し込まれることもある。そうすると、内周側チップシール41の先端が背圧導入通路26を塞いでしまう恐れがある。第3実施形態は、内周側チップシール41により背圧導入通路26が塞がれるのを防止するいくつかの例を示す。
図8(A)は、内周側チップシール41の上面側に段差41Aを設け、この段差41Aをラップ21の段差部21Cに係止させることで、内周側チップシール41が外周側に移動するのを規制する。段差41Aが段差部21Cに係止された状態において、背圧導入通路26は塞がれることなく解放されている。
図8(B)は、内周側チップシール41の段差41Bを設ける点では図8(A)の例と共通するが、段差41Bを内周側チップシール41の下面側に設けるとともに、窪み40に段差40Aを設ける。そして、段差41Bを段差40Aに係止させることで、内周側チップシール41が外周側に移動するのを規制する。
図8(A)及び図8(B)は、内周側チップシール41の高さ(厚さ)方向に段差41A,41Bを設ける例を示したが、図8(D)に示すように、内周側チップシール41の幅方向に段差41Dを設けるとともに、内周側シール溝23の先端側に段差23Aを設けることもできる。この例では、段差41Dに段差23Aを係止させることで、内周側チップシール41が外周側に移動するのを規制する。
ここでは、内周側チップシール41を係止する三つの例を示したが、あくまで一例であり、他の係止機構を採用することもできる。
図8(C)は、内周側チップシール41の先端に内周側に後退する切欠き41Cを設けている。したがって、仮に内周側チップシール41が窪み40の奥まで押し込まれたとしても、この切欠き41Cにより、背圧導入通路26が塞がれるのを防止できる。内周側チップシール41が窪み40の奥に押し込まれたとしても、背圧導入通路26が塞がれるのを防止できる限り、切欠き41Cの形態は任意である。
以上の通りであり、第3実施形態によると、背圧導入通路26が内周側チップシール41により塞がれるのを防止できるので、ガス冷媒を外周側シール溝24の内部に確実にかつ安定して流入させることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることができる。
例えば、本発明が適用される圧縮機は、空気調和機や冷凍機に用いられるものに限定されず、他の用途、例えば空気を圧縮する圧縮機に適用することもできる。
1 圧縮機
2 スクロール圧縮機構
10 ハウジング
10A 低圧室
10B 高圧室
12 電動モータ
13 吸入管
14 吐出管
15 ステータ
16 ロータ
17 回転軸
17A 偏心ピン
18 下部軸受
19 上部軸受
20 固定スクロール
20A 内周底部
20B 外周底部
20C 段差側面
21 ラップ
21A 内周側ラップ
21B 外周側ラップ
21C 段差部
21S 先端面
23 内周側シール溝
24 外周側シール溝
25 ディスチャージカバー
26 背圧導入通路
27 内周側通路
28 外周側通路
30 旋回スクロール
30A 内周底部
30B 外周底部
30C 段差側面
31 ラップ
31A 内周側ラップ
31B 外周側ラップ
31C 段差部
34 ボス
36 ドライブブッシュ
40 窪み
40A 段差
41,51 内周側チップシール
41A,41B,41D 段差
41C 切欠き
42,52 外周側チップシール
101 ハウジング本体
102 ハウジングトップ
190 内部空間
200 固定端板
251 吐出ポート
300 旋回端板
G 空隙
R 根元部
S 外周始端部

Claims (4)

  1. 一対のスクロールがいずれも、外周側から内周側にかけて一つ以上の段差部を経て順次高さが低くなる渦巻き状のラップと、
    相手側の前記ラップの前記段差部に倣って立ち上がる一つ以上の段差側面が形成される端板と、
    前記段差部よりも内周側の前記ラップに設けられ、内周側チップシールを収容する内周側シール溝と、
    前記段差部よりも外周側の前記ラップに設けられ、外周側チップシールを収容する周側シール溝と、を有するスクロール圧縮機であって、
    前記内周側シール溝と前記外周側シール溝は、前記ラップの内部に形成される背圧導入通路を介して連通している、
    ことを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 前記内周側シール溝に連なり、前記段差部を超えて外周側に向けて形成された窪みが前記ラップに形成されるとともに、前記内周側チップシールの先端が前記窪みに挿入され、
    前記背圧導入通路は、
    その一方端が、前記窪みを介して前記内周側シール溝に連通する、
    請求項1に記載のスクロール圧縮機。
  3. 前記内周側チップシールが前記外周側に向けて移動するのを規制する係止機構を備える、
    請求項2に記載のスクロール圧縮機。
  4. 前記内周側チップシールは、
    前記外周側の前記先端に、前記内周側に向けて後退する切欠きを備える、
    請求項2に記載のスクロール圧縮機。
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