JP2013160147A - スクロール型圧縮機 - Google Patents

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源太 慶川
So Sato
創 佐藤
Takashi Watanabe
隆史 渡辺
Toshisuke Yakushiji
俊輔 薬師寺
Hisao Mizuno
尚夫 水野
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Abstract

【課題】ラップの段差部の根元部にまでチップシールを延出させていてもチップシールの破損を防止できるスクロール型圧縮機を提供すること。
【解決手段】一対のスクロール20,30は、1以上の段差部21C,31Cを経て順次高さが低くなるラップ21,31と、相手側のラップ31,21の段差部31C,21Cに倣って立ち上がる1以上の段差側面20C,30Cが形成される端板200,300と、を備えてなる。端板200,300との間に介在する内周チップシール41,51は、段差部21C,31Cの根元部Rにまで延出するとともに、そのシール面における段差部31C,21Cの根元部R側に、当該内周チップシールの内周側から外周側に向かうにつれて次第に下る高低差Hを有する、
【選択図】図5

Description

本発明は、スクロール型圧縮機に関する。
スクロール型圧縮機は、固定スクロールと、旋回スクロールとを備えている。固定スクロールおよび旋回スクロールは、いずれも円板状の端板の一面側に、渦巻状のラップが設けられたものである。このような固定スクロールと旋回スクロールとを、ラップを噛み合わせた状態で対向させ、固定スクロールに対して旋回スクロールを公転旋回運動させる。そして、双方のスクロールの間に形成される圧縮空間の容積を旋回スクロールの旋回に伴って減少させることで、その空間内の流体(冷媒)の圧縮を行う。
このようなスクロール型圧縮機において、周方向のみならず高さ方向にも圧縮することで高圧縮比を得るために、ラップの高さを内周側では外周側よりも低くし、それに対応して、相手側の端板の内周側の部分を外周側よりも内面側に突出するように形成したものがある。この3Dスクロール(登録商標)と呼ばれるタイプのスクロール型圧縮機では、ラップおよび端板の双方に段差が形成される。
一般に、固定スクロールおよび旋回スクロールの双方のラップの先端には、チップシールが渦巻きに沿って設けられる。チップシールは、ラップの先端に形成された溝に挿入されており、溝内に流入する冷媒圧力によって発生する差圧により端板に向けて浮上することで端板との隙間を封止する。
3Dタイプのスクロール型圧縮機でも、このチップシールが設けられている。特許文献1では、ラップの内周側からラップの外周側が立ち上がる段差の根元部にまで内周側チップシールを設け、段差の上側には外周側チップシールを設けるとともに、内周チップシールと外周チップシールとの間にはL字状のチップシールを設けることにより、圧縮空間からの冷媒の漏れを防いでいる。
特開2002−303281号公報
3Dタイプのスクロール型圧縮機において、ラップの段差部の根元部にまでチップシールを設けると、旋回スクロールの旋回に伴って、その根元部のチップシールが端板の段差を超えて、戻るときに、チップシールが端板の底部との間に挟まれて破損するおそれがある。
ここで、外周側チップシールよりも、根元部に設けられる内周側チップシールの方が、圧縮の進んだ冷媒圧力を受けることで差圧が大きいので浮上し易い。根元部にまで延出した内周チップシールの端部が、端板の段差を超えたときに端板面よりも浮き上がると、戻るときに挟まれ易くなる。
特許文献1のようにすれば、圧縮空間の気密性を高めることはできるものの、L字状のチップシールの製作や組立によってコストが増加する上、端板の底部との間にチップシールが挟まれることは解決されない。
そのため、現状では、ラップの段差部の根元部にはチップシールを設けていなかった。
本発明は、上記のような課題に基づいてなされたもので、ラップの段差部の根元部にまでチップシールを延出させていてもチップシールの破損を防止できるスクロール型圧縮機を提供することを目的とする。
本発明のスクロール型圧縮機は、一対のスクロールがいずれも、外周側から内周側に向かうにつれて1以上の段差部を経て順次高さが低くなる渦巻き状のラップと、相手側のラップの段差部に倣って立ち上がる1以上の段差側面が形成される端板と、を備えてなる。
そして、段差部よりも内周側に設けられて端板との間に介在する内周チップシールは、そのシール面における前記段差部の根元部側に、当該内周チップシールの内周側から外周側に向かうにつれて次第に下る高低差を有することを特徴とする。
この発明によれば、根元部が相手側の端板の段差側面を超えて、戻るときに、内周チップシールのシール面の高低差が相手側の端板に対する逃げとなるので、内周チップシールが段差側面に対してスムーズに退避される。このため、ラップの段差部の根元部にまで内周チップシールを延出させていても。内周チップシールが相手側の端板に干渉するのが抑制されるので、内周チップシールの破損を防止できる。
本発明における内周チップシールは、直方体と見立てたときの前記根元部に近接する一角に向けて、当該内周チップシールの幅方向および周方向の両方向に下る高低差を有することも好ましい。この内周チップシールは、直方体の一角を落とすように、面取りされている。
このような構成によれば、内周チップシールのシール面が滑らかな高低面となるので、内周チップシールが段差側面に対してよりスムーズに退避される。このため、内周チップシールの破損をより確実に防止できる。
本発明における内周チップシールの根元部側は、例えば、断面台形状または断面円弧状に形成されている。内周チップシールのシール面に幅方向に傾斜を付けると、その内周チップシールは断面台形状に形成される。
本発明における内周チップシールは、高低差を有することに伴う肉厚減少が補填されていることが好ましい。
肉厚減少が補填されていれば、内周チップシールが差圧により撓むのを抑制できる。これにより、根元部が相手側の端板の段差側面を超えたときに内周チップシールが端板面よりも浮き上がるのを抑制できるので、相手側の端板に内周チップシールが干渉するのをより確実に防止できる。
本発明における端板の段差側面の稜線部は、面取りされていることが好ましい。
面取りされていることにより、段差側面に内周チップシールが引っ掛かったり、端板との間に引き込まれて挟まれたりすることが起こり難い。
本発明の別のスクロール型圧縮機は、一対のスクロールがいずれも、外周側から内周側に向かうにつれて1以上の段差部を経て順次高さが低くなる渦巻き状のラップと、相手側のラップの段差部に倣って立ち上がる1以上の段差側面が形成される端板と、を備えてなる。
そして、段差部よりも内周側に設けられて端板との間に介在する内周チップシールは、ラップの先端に形成されたシール溝に収容され、シール溝からの浮上が一定範囲内に規制されていることを特徴とする。
この発明によれば、任意に構成できる浮上位置決め手段によってシール溝からの浮上を一定範囲内に規制することにより、根元部が相手側の端板の段差側面を超えたときに端板面よりも浮き上がるのを防止できるので、根元部が段差側面を超えて、戻るときに、内周チップシールが相手側の端板に干渉するのが抑制される。このため、内周チップシールの破損を防止できる。
そして、内周チップシールの浮上を一定範囲内に規制する浮上位置決め手段は、内周チップシールの根元部側の端部から突出する突起と、ラップに形成されて突起が隙間を有する状態で挿入される凹部と、からなり、段差部よりも外周側に設けられて端板との間に介在する外周チップシールが設けられるシール溝に、凹部に連通する流路が形成されている構成とすることもできる。
このように構成すれば、内周側ラップから外周側ラップが立ち上がる根元部ぎりぎりまで内周チップシールによる封止効果を発揮させつつ、そのことでチップシールの裏側に根元部側の端部からは取り込めない圧縮冷媒を、流路および凹部を介して外周側から取り込むことができるので、圧縮空間の気密性をより高めることができる。
本発明によれば、ラップの段差部の根元部にまでチップシールを延出させていてもチップシールの破損を防止できる。それによってスクロール間の気密性を向上させることができる。
第1実施形態に係るスクロール型圧縮機の縦断面図である。 旋回スクロールのラップを破断して固定スクロールおよび旋回スクロールのラップを示す図である。 固定スクロールおよび旋回スクロールの斜視図である。 (A)はラップおよび端板の段差部における断面図である。(B)は、(A)の4B−4B線断面図である。 (A)はラップの段差部を示す斜視図であり、(B)はラップの内周側に設けられる内周チップシールの端部を示す斜視図である。 旋回スクロールの旋回に伴って、ラップの段差部の根元部が端板の段差側面を超えて、戻る過程を示す図である。 第2実施形態を示す図であり、(A)は内周チップシールの斜視図であり、(B)は内周チップシールの縦断面図であり、(C)はラップおよび端板の段差部を示す断面図である。 第2実施形態の変形例におけるラップおよび端板の段差部である。 第3実施形態を示す図であり、(A)および(B)の2種類のチップシール浮上位置決め手段を示している。 第3実施形態の変形例を示す図であり、図9とは異なるチップシール浮上位置決め手段を示している。 第4実施形態を示す図であり、(A)はラップおよび端板の段差部における断面図であり、(B)はラップおよび端板の段差部における平面図である。 第5実施形態を示す図であり、ラップおよび端板の段差部における断面図である。
以下、添付図面に示す実施形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
なお、既に説明した構成と同様の構成については、同じ符号を付し、その説明を省略または簡略する。
〔第1実施形態〕
図1に示すように、圧縮機1は、縦型のスクロール型で、ハウジング10内に、電動モータ12と、電動モータ12により駆動されるスクロール圧縮機構2とを備えている。この圧縮機1は、例えば空気調和機や冷凍機などを構成している。
ハウジング10は、上端が開放された有底円筒状のハウジング本体101と、ハウジング本体101の上端を覆うハウジングトップ102とを備えている。
ハウジング本体101の側面には、図示しないアキュムレータからハウジング本体101内に冷媒を導入する吸入管13が設けられている。
ハウジングトップ102には、スクロール圧縮機構2によって圧縮された冷媒を吐出する吐出管14が設けられている。ハウジング10の内部は、ディスチャージカバー25によって低圧室10Aと高圧室10Bとに仕切られている。
電動モータ12は、ステータ15と、ロータ16とを備えている。
ステータ15には、ハウジング本体101の側面に取り付けられた図示しない電源ユニットによって通電される。ロータ16には、回転軸17が一体に結合されている。
電動モータ12を挟んで回転軸17の両端側には、回転軸17を回転可能に支持する下部軸受18および上部軸受19が設けられている。
上部軸受19に形成される内部空間190には、回転軸17の上端に設けられる偏心ピン17Aが突出している。
スクロール圧縮機構2は、固定スクロール20と、固定スクロール20に対して公転旋回する旋回スクロール30とを備えている。
固定スクロール20は、円板状の固定端板200と、固定端板200の内面側に立設される渦巻状のラップ21とを備えている。
旋回スクロール30も、円板状の旋回端板300と、旋回端板300の内面側に立設される渦巻状のラップ31とを備えている。
旋回スクロール30の旋回端板300の背面には、ボス34が設けられているとともに、そのボス34に軸受を介してドライブブッシュ36が組み付けられている。ドライブブッシュ36の内側には偏心ピン17Aが嵌められている。これにより、旋回スクロール30が回転軸17の軸心に偏心して結合されるので、回転軸17が回転すると、旋回スクロール30は、回転軸17の軸心からの偏心距離を旋回半径として回転(公転)する。
なお、旋回スクロール30が、公転しつつも自転はしないよう、旋回スクロール30と回転軸17との間には、自転を拘束する図示しないオルダムリングが設けられている。
互いに所定量だけ偏心し、180度位相をずらして噛み合わせられるラップ21,31は、図2に示すように、旋回スクロール30の回転角に応じて複数箇所で互いに接触する。すると、ラップ21,31の渦巻きの中心部(最内周部)に対して点対称に圧縮空間が形成されるとともに、旋回スクロール30の旋回に伴って、圧縮空間はその容積を減少させながら次第に内周側に移動される。そして、渦巻きの中心部で冷媒が最大に圧縮される。
このスクロール圧縮機構2では、双方のスクロール20,30間に形成される圧縮空間の容積を渦巻きの途中でラップの高さ方向にも減少させている。そのために、図3に示すように、固定スクロール20および旋回スクロール30の双方において、ラップの高さを外周側よりも内周側で低めているとともに、その段差状のラップに対向する相手側の端板を外周側よりも内周側で、端板内面側に突出するようにしている。
固定スクロール20の内周側ラップ21A(内周側ラップ)と外周側ラップ21B(外周側ラップ)との間には、段差部21Cが形成されている。段差部21Cでは、内周側ラップ21Aから外周側ラップ21Bが立ち上がっている。その立ち上がりの基端部を根元部Rと称する。ラップ21とラップ31とが噛み合わせられると、図4に示すように、根元部Rの上方に位置する外周側ラップ21Bの外周始端部Sが外周底部30Bの端部に対向する。
なお、ここでいう上下は、固定スクロール20および旋回スクロール30のいずれか一方を基準とする相対的な方向である。
旋回端板300の外周底部30Bと、それよりも内面側に突出した内周底部30Aとの間に形成される段差側面30Cは、図2および図3に示すように、平面円弧状に形成されている。その段差側面30Cに対して、旋回スクロール30の旋回角度に応じて接触、離間する外周始端部Sは、平面視でラウンドした形状に形成されている(図5(A))。
また、段差側面30Cにおける内周底部30A側の稜線部30R(縁)はR状あるいは直線状に面取りされている。
旋回スクロール30のラップ31においても、固定スクロール20のラップ21と同様に、内周側ラップ31Aと外周側ラップ31Bとの間に段差部31Cが形成されている。そして、根元部Rの上方に位置する外周側ラップ31Bの外周始端部Sが固定端板200の外周底部20Bの端部に対向する。
また、固定端板200の内周底部20Aと外周底部20Bとの間に形成される段差側面20Cも段差側面30Cと同様に形成されており、その稜線部(図示せず)も面取りされている。
以下、上記のラップ21およびラップ31の先端に設けられるチップシールについて説明する。
図3に示すように、固定スクロール20のラップ21には、その巻き始めの始端から段差部21Cの根元部Rまで延びる内周チップシール41と、外周側ラップ21Bの外周始端部Sから巻き終わりの手前まで延びる外周チップシール42とが設けられている。
一方、旋回スクロール30のラップ31にも、巻き始めの始端から段差部31Cの根元部Rまで延びる内周チップシール51と、外周側ラップ31Bの外周始端部Sから巻き終わりの手前まで延びる外周チップシール52とが設けられている。
これらのチップシール41,42,51,52は、図4に示すように、それらが設けられるラップ先端に形成されたシール溝Dに収容されている。シール溝Dの一端部の内壁とチップシールとの間には、空隙Gが形成されている。その空隙Gから圧縮冷媒が導入されることでチップシールの表面側の圧力が裏面側よりも負圧となるので、図4に示すようにチップシールはシール溝Dから浮上する。すると、チップシールと相手側の端板との隙間が封止され、これによって圧縮空間が気密に保たれる。
チップシール41,42,51,52の材質は、本実施形態では、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、変性ポリフェニレンエーテル(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の樹脂材料が用いられており、これらのチップシールは、樹脂成形されている。但し、鉄、アルミニウム等の金属材料からチップシールを形成することもできる。
図5(A)にラップ21の段差部21Cを示すように、内周チップシール41は、根元部Rまで延びているとともに、外周チップシール42は、外周側ラップ21Bの外周始端部Sまで延びている。図5(A)は、差圧が生じていない状態を示しており、チップシール41,42はシール溝D内に収まり、ラップの先端面21Sからは突出していない。
外周チップシール42は、全体に亘り、外周側ラップ21Bの先端面と平行に、平面状とされているのに対して、内周チップシール41は、根元部Rおよびその近傍の範囲410において、その表面(シール面)に高低差が付けられている。
本実施形態は、内周チップシールの根元部R側に高低差が付けられていることに特徴を有している。内周チップシール41は、図5(B)に示すように、根元部Rに近接する一角Lが面取りされている。内周チップシール41の根元部R側の端部形状は、図5(A)に示すように丸いが、図5(B)ではそれを略している。
面取りされた内周チップシール41は、根元部Rおよびその近傍(範囲410)において、根元部Rに近接する一角Lに向けて、当該内周チップシールの幅方向および周方向の両方向に下る高低差を有している。面取りによって形成された傾斜面41Aは、内周チップシール41の内周側から外周側に向かうにつれて次第に下るように、幅方向に傾斜している。
なお、内周チップシール41の表面に傾斜が付けられるのは、上記範囲のみであり、他の部分は、外周チップシール42と同様に形成されている。
図4(B)に示すように、内周チップシール41の根元部Rにおける高低差Hは、シール溝Dからチップシールが浮上する高さHと同様に決められている。なお、各図では、高低差を誇張しており、実際は数十μm程度の高低差である。
なお、旋回スクロール30のラップ31に設けられる内周チップシール51も、上記の内周チップシール41と同様に形成されている。
以上のような構成の圧縮機1を起動するには、電動モータ12を励磁するとともに、吸入管13を通じてハウジング10内に冷媒を導入する。
電動モータ12が励磁されると回転軸17が回転し、それに伴って旋回スクロール30が固定スクロール20に対して公転旋回運動する。すると、旋回スクロール30と固定スクロール20との間の圧縮空間で冷媒が圧縮されるとともに、吸入管13からハウジング10内の低圧室10Aに導入された冷媒が旋回スクロール30と固定スクロール20との間に吸い込まれる。そして、圧縮空間内で圧縮された冷媒は、ディスチャージカバー25の吐出ポート251から高圧室10Bに吐出され、さらに吐出管14から外部へと吐出される。こうして、冷媒の吸入、圧縮、および吐出が連続して行われる。
旋回スクロール30が旋回するのに伴って、図6に示すように、外周側ラップ21Bの外周先端部Sが、旋回半径の円軌道上またはほぼ円軌道上を変位すると、根元部Rは、旋回スクロール30の段差側面30Cに対して出入りを繰り返す。図6の(A)および図4(A)は、根元部Rが、内周底部30Aに対向する側から段差側面30Cを越えたときの状態を示している。
その後、順次、図6の(B)、(C)に示すように変位する過程で、段差側面30Cの内側に内周側ラップ21Aが最大に挿入されるのを経て、根元部Rは内周底部30A側に向けて戻り始める。
根元部Rが内周底部30A側に向けて後退すると、それに伴って内周チップシール41も内周底部30Aへと抜けていく。図6(D)のように外周始端部Sが段差側面30Cのほぼ中央に接触するとき、内周チップシール41は、段差側面30Cから脱した位置に戻る。
上記のように内周チップシール41に形成される傾斜面41Aは、根元部Rの変位の向きに対応している。内周チップシール41は差圧によって内周底部30Aの表面にまで浮上しているが、内周チップシール41はその内周側から外周側へと幅方向に、根元部Rの変位の進行方向前方に向かうにつれて次第に下るように傾斜しているため、内周チップシール41が段差側面30Cを超え、また戻るときに内周チップシール41が段差側面30Cの縁に引っ掛かったり、内周底部30Aとの間に引き込まれて挟まれることが起こり難い。
本実施形態の傾斜面41Aは、内周チップシール41の一角が面取りされて形成されるため、内周チップシール41の表面が滑らかなガイド面となって、根元部Rが内周底部30A側にスムーズに戻る。
しかも、段差側面30Cの稜線部30Rが面取りされていることにより、内周チップシール41が引っ掛かったり挟まれたりすることがより起こり難い。
以上のように、本実施形態においては、内周チップシール41が根元部Rまで延出していても、内周チップシール41が相手側の旋回端板300に干渉しないので、内周チップシール41を設ける区間の延長によって圧縮空間の気密性を高めながら、内周チップシール41の破損を避けられる。
上記は、旋回スクロール30のラップ31の段差部31Cの根元部Rに設けられた内周チップシール51についても同様である。
以上により、圧縮空間内の気密を安定して保つことができるので、圧縮機1の効率および信頼性を向上させることができる。
なお、上記の内周チップシール41に代えて、幅方向向のみに傾斜が付けられた内周チップシールを用いることもできる。
また、直線状の傾斜が付けられた内周チップシール41は、断面台形状に形成されるが(図5(B)参照)、内周チップシール41は、その幅方向の一端側から他端側にかけて次第に下る断面円弧状に形成されていてもよい。要するに、根元部Rが段差側面30Cの内側から内周底部30A側に戻るとき、その進行方向の後方側となる内周側から、前方側となる外周側に向けて次第に下る高低差が付けられている限り、内周チップシール41の具体的形状は問わない。以上は、内周チップシール51についても同様である。
そして、上記実施形態では、ラップ21,31の渦巻きの途上に1つだけ、段差部21C,31Cが設けられるとともに、その段差部21C,31Cの両側で端板200,300の底部高さが切り替わっていたが、ラップ21,31がいずれも2以上の段差部を有して階段状に形成されるとともに、相手側の端板の底部も階段状に形成されていてもよい。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について、図7を参照して説明する。
第2実施形態では、内周チップシールの根元部R側の肉厚が薄くなるのを回避する。そのため、本実施形態の内周チップシール45は、図7(B)に示すように、傾斜面41Aの面取り形状に対応して次第に肉厚を増加させてなる。この内周チップシール45は、図7(C)に示すようにシール溝D内に挿入され、内周側ラップ21Aと内周底部30Aとの間を封止する。
本実施形態によれば、内周チップシール45の傾斜による肉厚減少が、厚み調整によって補填されるので、内周チップシール41が差圧により撓むのを抑制できる。これにより、根元部Rが段差側面30Cを超えたときに内周チップシール41が内周底部30Aの面以上に浮き上がるのを抑制できるので、段差側面30Cおよび内周底部30Aに内周チップシール41が干渉するのをより確実に防止できる。
なお、上記では、固定スクロール20のラップ21に設けられる内周チップシール45を例にとって説明したが、旋回スクロール30のラップ31に設けられる内周チップシールも内周チップシール45と同様に形成することができ、それによって同様の作用効果が得られる。以降の各実施形態においても同様である。
図8は、図7とは異なる手段によって、内周チップシール45が必要以上に浮上するのを規制している。図8に示す内周チップシール45は、根元部R側の端部に突起451を有している。この突起451は、外周側ラップ21Bの側面に形成された凹部211に挿入される。内周チップシール45に差圧が作用しないとき、凹部211の上壁と内周チップシール45との間には隙間があいている。そして、差圧によって内周チップシール41が内周底部30Aの表面の位置まで浮上すると、凹部211の上壁に突起451が係止される。このため、根元部Rが戻るときに内周チップシール45が相手側の旋回端板300に干渉するのを防止できる。
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態について図9を参照して説明する。
以下、内周側ラップ21Aおよび内周チップシール48について説明する。ここで説明する構成も、第1実施形態で説明したスクロール型の圧縮機1に適用されるものである。
本実施形態は、第1実施形態と同様に、ラップの段差部における根元部Rが段差側面に対して相対変位するときに、段差側面や内周底部に干渉することで破損のおそれがあるという課題を解決する。内周チップシールは、高い冷媒圧力による差圧が作用するので外周チップシールよりも浮上し易く、そのために相手側端板と干渉し易いので、内周チップシールの浮上を一定範囲内に規制することが特に有効となる。
そのために、図9(A)に示すように、内周チップシール48を貫通するピン49によって、内周チップシール48の浮上高さがシール溝Dの底部から一定の範囲内となるようにしている。ピン49は、その頭部491と内周チップシール48との間に、内周チップシール48の浮上によって内周側ラップ21Aと内周底部30Aとの間を封止するのに必要な隙間をあけて、シール溝Dの底部に固定されている。このピン49に代えて、ボルト、リベット等を用いることもできる。
また、図9(B)に示すように、ピン49を内周チップシール48の端部に掛かるように設けてもよい。このようにすると、内周チップシール48の幅が狭い場合にピン49に内周チップシール48を貫通させることが難しくても、ピン49を用いて内周チップシール48の浮上位置を規制できる。
さらに、図10は、上記とは異なる浮上位置決め手段を示す。図10では、内周チップシール48の端部がラップ先端面21Sよりも一段低められており、シール溝Dの端部の土手がかしめられている。そのかしめ部D1は、内周チップシール48との間に高さ方向の隙間を有するため、内周チップシール48を一定範囲内で浮上するように規制する。図10の構成では図9に示したようなピン49や締結部材が用いられないので、低コスト化できる。
なお、図9および図10を参照して説明した構成は、第1実施形態および第2実施形態に示した内周チップシールに適用することもできる。但し、ピン49やかしめ部D1によって内周チップシールの浮上位置を規定することにより、内周チップシールの破損を防止できるので、内周チップシールに高低差を付けなくても足りる。
〔第4実施形態〕
次に、第4実施形態を図11を参照して説明する。本実施形態も、第1実施形態と同様に、ラップの段差部における根元部Rが段差側面に対して相対変位するときに、相手側の端板に干渉することで破損のおそれがあるという課題を解決する。
図11(A)に示すように、内周チップシール61は、その厚みTinが外周チップシール62の厚みToutよりも厚い。厚みTinは、段差側面30Cに内周チップシール61が衝突しても容易には撓まない剛性を満足するように決められる。このため、根元部Rが段差側面30Cを超え、そして戻るときに内周チップシール61が段差側面30Cに引っ掛かったり、内周底部30Aとの間に挟まれたりし難い。このようにして内周チップシール61の破損を防止する一方、外周チップシール62の厚みToutをシールに足りる程度の厚みに維持することでコストを抑えている。
あるいは、図11(B)に示すように、内周チップシール61の幅Winを外周チップシール62の幅Woutよりも広くしてもよい。その幅Winは、段差側面30Cに内周チップシール61が衝突しても容易に撓まない剛性を満足するように決められるので、図10に示す構成と同様に、内周チップシール61の破損を防止できる。
内周チップシール61の厚みを増やすこと、および幅を増やすことは、いずれか一方または両方を任意に選択できる。
上記のように内周チップシール61の厚みや幅を大きくするほかに、内周チップシールにのみ、耐摩耗性や曲げ強度に優れる硬い材料を用いることによっても、信頼性向上およびコスト節約を両立できる。
なお、図11を参照して説明した構成は、第1実施形態および第2実施形態に示した内周チップシールに適用することもできる。但し、上記の特有の構成によって、内周チップシール48の破損を防止できるので、第1実施形態および第2実施形態を前提とする必要はない。
〔第5実施形態〕
図12に示す第5実施形態では、内周チップシール63の端部に突起631が設けられ、その突起631が外周側ラップ21Bの側面に穿孔された凹部215に挿入されている。突起631は、本実施形態では内周チップシール63の一部であり、内周チップシール63の幅と同じ幅で形成されている。
そして、凹部215には、外周側ラップ21Bの先端面にあるシール溝Dの底部から穿孔された孔217が連通している。
本実施形態では、根元部Rを超える位置まで内周チップシール63を延出させているため、根元部Rにめり込んだ内周チップシール63の端部からは、圧縮空間内の冷媒を内周チップシール63の裏面側に取り込むことができない。
しかし、圧縮空間内の圧縮冷媒は、外周側ラップ21Bのシール溝Dと外周チップシール42との間の空隙Gから、孔217および凹部215を介して、内周チップシール61の裏側に導入される。これによって内周チップシール61は、浮上した状態において、凹部215の上壁によって係止される。
図12の構成によれば、内周側ラップ21Aから外周側ラップ21Bが立ち上がる根元部Rを超える位置まで内周チップシール63を設けつつ、孔217および凹部215を通じて外周側の圧縮冷媒を内周チップシール63の裏側に取り込むことができる。このため、根元部Rぎりぎりまで内周チップシール63による封止効果を発揮させて、ラップ21の内周側における圧縮冷媒の漏れをより確実に防ぐことができる。
なお、突起631は、本実施形態では内周チップシール63の一部であるが、内周チップシール63とは別体とされていてもよい。
図12を参照して説明した構成は、第1実施形態および第2実施形態に示した内周チップシールに適用することもできる。但し、上記の特有の構成によって、内周チップシール48の破損を防止できるので、第1実施形態および第2実施形態を前提とする必要はない。
上記以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
1 圧縮機
2 スクロール圧縮機構
10 ハウジング
12 電動モータ
13 吸入管
14 吐出管
17 回転軸
20 固定スクロール
30 旋回スクロール
20A,30A 内周底部
20B,30B 外周底部
20C,30C 段差側面
21,31 ラップ
21A,31A 内周側ラップ
21B,31B 外周側ラップ
21C,31C 段差部
21S ラップ先端面
30R 稜線部
41,45,48,51,61,63 内周チップシール
41A 傾斜面
42,52,62 外周チップシール
49 ピン
200 固定端板
300 旋回端板
211 凹部
215 凹部
217 孔(流路)
451 突起
631 突起
D シール溝
高低差
R 根元部
S 外周始端部

Claims (7)

  1. 一対のスクロールがいずれも、外周側から内周側に向かうにつれて1以上の段差部を経て順次高さが低くなる渦巻き状のラップと、相手側の前記ラップの前記段差部に倣って立ち上がる1以上の段差側面が形成される端板と、を有するスクロール型圧縮機であって、
    前記段差部よりも内周側に設けられて前記端板との間に介在する内周チップシールは、
    そのシール面における前記段差部の根元部側に、当該内周チップシールの内周側から外周側に向かうにつれて次第に下る高低差を有する、
    ことを特徴とするスクロール型圧縮機。
  2. 前記内周チップシールは、直方体と見立てたときの前記根元部に近接する一角に向けて、当該内周チップシールの幅方向および周方向の両方向に下る高低差を有する、
    請求項1に記載のスクロール型圧縮機。
  3. 前記内周チップシールの前記根元部側は、断面台形状または断面円弧状に形成される、
    請求項1または2に記載のスクロール型圧縮機。
  4. 前記内周チップシールは、前記高低差を有することに伴う肉厚減少が補填されている、
    請求項1から3のいずれか一項に記載のスクロール型圧縮機。
  5. 前記段差側面の稜線部は、面取りされている、
    請求項1から4のいずれか一項に記載のスクロール型圧縮機。
  6. 一対のスクロールがいずれも、外周側から内周側に向かうにつれて1以上の段差部を経て順次高さが低くなる渦巻き状のラップと、相手側の前記ラップの前記段差部に倣って立ち上がる1以上の段差側面が形成される端板と、を有するスクロール型圧縮機であって、
    前記段差部よりも内周側に設けられて前記端板との間に介在する内周チップシールは、
    前記ラップの先端に形成されたシール溝に収容され、
    前記シール溝からの浮上が一定範囲内に規制されている、
    ことを特徴とするスクロール型圧縮機。
  7. 前記内周チップシールの浮上を一定範囲内に規制する浮上位置決め手段は、
    前記内周チップシールの前記段差部の根元部側の端部から突出する突起と、
    前記ラップに形成されて前記突起が隙間を有する状態で挿入される凹部と、からなり、
    前記段差部よりも外周側に設けられて前記端板との間に介在する外周チップシールが設けられるシール溝には、前記凹部に連通する流路が形成されている、
    請求項6に記載のスクロール型圧縮機。
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