JP6245736B2 - 椅子 - Google Patents
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- A47C7/36—Support for the head or the back
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Description
このため、特許文献2に記載の椅子のように、基体の裏面側にカバー部材を配置して、張材の周縁部の締付部分をカバー部材によって覆うものは、外観体裁を改善する観点から望ましい。
骨格部を成す略矩形状の基体と、該基体の表面側に配置されるクッション材と、少なくとも前記クッション材の外側面と前記基体の外周縁部にかかる部分を覆い、周縁部が前記基体の外周縁部の裏側に折り返されて前記基体に支持される張材と、前記基体の裏面側に配置され、少なくとも前記張材の折り返し部分を覆うカバー部材と、を有する荷重支持体を備えた椅子において、前記カバー部材は、前記基体の角部を覆った前記張材の角部被覆部方向に中央側から延出して、前記角部被覆部の裏面側を覆う張り出し部と、隣接する前記張り出し部の間にあって、隣接する前記張り出し部を結ぶ仮想直線に対して中央領域側に向かって凹状に窪む凹部と、を備えていることを特徴とするものである。
この発明の場合、基体の角部を覆った張材の角部被覆部の裏面側がカバー部材の張り出し部によって覆われ、張材の角部被覆部の皺や襞がカバー部材によって確実に覆い隠されるようになる。また、カバー部材には隣接する張り出し部の間に位置して中央領域側に向かって窪む凹部が設けられているため、荷重支持体のその凹部に対応する領域では、基体の背面側にカバー部材の存在しない一重構造となる。このため、荷重支持体の凹部に対応する領域では、着座者側からの荷重入力に対して弾性変形し易くなる。
この場合、着座者の背中が様々な方向に動くことで変形荷重が作用し易い背面支持部材の側辺に凹部が設けられているため、着座者の背中の動きに背凭れ部を柔軟に追従させることが可能になる。
この場合、背面支持部材の膨出領域は、他の部位よりも早いタイミングで着座者の背部から変形荷重を受け易いため、この部位に凹部が存在することにより、この部位での背凭れ部の追従変形が容易になって、着座者の座り心地が向上する。特に、膨出領域が着座者の腰部付近を支持する高さ位置にあるときには、凹部によって着座者の腰部や腹部の側面の圧迫感が小さくなることから、座り心地がより良好となる。
この場合、ランバーサポート装置の操作部等が背面支持部材の側辺の背面側に配置し易くなるとともに、ランバーサポート装置の配置される部位における背面支持部材の側端部の剛性が過剰に高まるのを抑制することができる。
この場合、着座者が後方に反り返ることで変形荷重が作用し易い背面支持部材の上辺部に凹部が設けられているため、着座者の反り返り動作に背凭れ部を柔軟に追従させることが可能になる。
この場合、着座者の背中が様々な方向に動くことで変形荷重が作用し易い背面支持部材の側辺と、着座者が後方に反り返ることで変形荷重が作用し易い背面支持部材の上辺部とに凹部が設けられているため、着座者の様々な動作に背凭れ部を柔軟に追従させることが可能になる。
この場合、裏面側がカバー部材によって支持されない基体上の凹部に対応する部分の急激な剛性低下が補強部材によって抑制される。
なお、以下の説明においては、椅子に正規姿勢で着座した人の正面が向く図中矢印FRの指す向きを「前」と呼び、それと逆側の向きを「後」と呼ぶものとする。また、「上」,「下」と「左」,「右」については、椅子に正規姿勢で着座した人の上方の図中矢印UPの指す向きを「上」、それと逆側の向きを「下」と呼び、椅子に正規姿勢で着座した人の左側の図中矢印LHの指す向きを「左」、それと逆側の向きを「右」と呼ぶものとする。
図1は、この実施形態の椅子1の全体構成を示す側面図であり、図2は、椅子1の全体の背面図である。
これらの図に示すように、この実施形態の椅子1は、フロアF上に載置される脚部2と、脚部2の上端に設置されるボックス状の支基3と、着座者が着座する座体4と、支基3の上面に取り付けられ座体4を支持する座受部材5と、支基3から後部上方側に延出して座体4に着座した着座者の背中を支持する背凭れ部6と、を備えている。
脚部2は、キャスタ7a付きの多岐脚7と、多岐脚7の中央部より起立し昇降機構であるガススプリングを内蔵する脚柱8と、を備え、脚柱8の上端部に支基3が水平方向に回転可能に取り付けられている。支基3には、脚柱8の昇降調整機構と背凭れ部6の傾動調整機構が内蔵されている。背凭れ部6は、側面視略L字状の背凭れ支持フレーム9と、背凭れ支持フレーム9の後上部に取り付けられ座体4に着座した着座者の背部を直接支持する背凭れ本体10と、を備え、背凭れ支持フレーム9の前部下端が支基3内の傾動調整機構に連結されている。
背凭れ部6の背凭れ本体10は、骨格部を成す背面支持部材である背板11(基体)と、背板11の前面側に配置されるウレタン等から成るクッション材12(図5参照)と、クッション材12の外側面と背板11の外周縁部にかかる部分を覆うシート状の張材13と、背板11の裏面側(後面側)を覆うカバー部材14と、を備えている。この実施形態の場合、クッション材12は、張材13の裏面に熱溶着によって一体に接合されている。
背板11は、弾性を有する合成樹脂によって形成されている。背板11は、正面視では四隅が丸みを帯びた縦長の略長方形状に形成され、その前面側で着座者の腰部から背部に亘る部位を支持し得るようになっている。背板11は、高さ方向の下から3分の1程度の高さ位置で着座者の腰部付近を支持し、それよりも上方側の領域で着座者の背部付近を支持する。なお、以下では、背板11のうちの着座者の腰部付近を支持する領域を「腰部支持領域11a」と呼び、それよりも上方側で着座者の背部付近を支持する領域を「背部支持領域11b」と呼ぶものとする。
なお、図3,図4中の符号90は、背板11の腰部支持領域11aの上下方向の略中央位置から背部支持領域11bに跨る領域に、背板11の柔軟な撓み変形を得るために形成されたスリットがある。
また、背板11の裏面のうちの、背板11の左右の側辺と、その側辺に対向する外側壁部15bの間の領域には、背板幅方向に延出して背板11の側辺と外側壁部15bを連結する複数の補強リブ17が設けられている。なお、背板11の水平断面は、腰部支持領域11aが最も大きく凹状に窪んでいるため、この凹形状の窪み深さに応じて腰部支持領域11aに配置される補強リブ17の前後方向の突出高さが他の補強リブ17の突出高さよりも高くなっている。
具体的には、張材13の周縁部13aには、図5に示すように、樹脂製の糸の縫い付けによって連続したリング状の挿通部19が設けられ、その挿通部19に締付紐条18が通されるようになっている。そして、張材13の周縁部13aを背板11の裏面側に固定する場合には、張材13の周縁部13aを背板11の裏側に折り返し、その状態で締付紐条18を内側のループを狭めるように締め込み、図4に示すように、締付紐条18と張材13の周縁部13aとを、係止溝15内に入れ込んだ状態で締付紐条18の端部同士を結束する。こうして、締付紐条18が結束されると、張材13の周縁部13aが係止溝15内に固定され、締付紐条18と周縁部13aの係止溝15からの抜けが抜け止め突起16によって規制される。
この結果、背板11の前面と外周縁部を覆った張材13は、周縁部13aが背板11の裏面側に引き込まれて背板11の前面側の張力を高められるとともに、背板11に対する相対位置を固定される。そして、こうして張材13が背板11に固定されると、係止溝15が背板11の外周形状に略沿って形成されていることから、張材13の周縁部13aは、図4に示すように、背板11の外周形状と略相似形状をなした状態で固定される。なお、張材13のうちの背板11の各角部を覆う部分については、以下、「角部被覆部13b」と呼ぶものとする。
なお、カバー部材14は必ずしも強度部材でなくても良く、その場合には、背板11を直接背凭れ支持フレーム9に連結すれば良い。
なお、背板11上のカバー部材14の凹部21に対応する部位には、前述のように突出高さの高い補強リブ17が配置されている。
この第2の実施形態は、基本的な構成は第1の実施形態と同様であるが、背凭れ本体10にランバーサポート装置30が組み込まれている点が大きく異なっている。
ランバーサポート装置30は、背凭れ本体10の幅方向に沿って延出する軸部31と、軸部31の延出方向の両端部に設けられた操作部32と、軸部31上の二ヵ所に偏心して設けられた円板状の押圧カム部33と、を備え、軸部31がカバー部材114の前面に回動可能に支持されている。ランバーサポート装置30は、背板11の前方側に膨出する腰部支持領域11aとカバー部材14の間に設けられており、軸部31の両側に突出する操作部32は、カバー部材14の両側の側辺の凹部21から外側に突出している。なお、押圧カム部33は、背板11の腰部支持領域11aの背面側に配置されている。このため、操作部32によって押圧カム部33を回動させることにより、腰部支持領域11aに対する押圧高さを調整することができる。
この実施形態の椅子201は、カバー部材214の左右の側辺に加えて、カバー部材214の上辺の略中央にも同様の凹部221設けられている。この上辺の凹部221は、上辺左右の張り出し部20を結ぶ仮想直線L2に対して背凭れ本体10の下方側に凹状に窪むように形成されている。なお、この実施形態の場合も、背板(背面支持部材)上の、カバー部材214の凹部221に対応する部位に、補強リブ等の補強部を設けるようにしても良い。
また、上記の実施形態においては、張材の周縁部を、基体(背面支持部材,背板)の裏面側で締付紐条によって締め込んで基体に固定しているが、張材の周縁部は、周縁部に剛性のある縁材を取り付けてその縁材を基体側の溝に嵌合するようにしたり、タッカー等によって基体の裏面に直接結合するようにしたりしても良い。さらに、基体は必ずしも板状構造のものに限らず、枠状のものであっても良い。
11 背板(基体,背面支持部材)
12 クッション材
13 張材
13b 角部被覆部
14,114,214 カバー部材
17 補強リブ(補強部)
20 張り出し部
21,221 凹部
30 ランバーサポート装置
L1,L2 仮想直線
Claims (7)
- 骨格部を成す略矩形状の基体と、
該基体の表面側に配置されるクッション材と、
少なくとも前記クッション材の外側面と前記基体の外周縁部にかかる部分を覆い、周縁部が前記基体の外周縁部の裏側に折り返されて前記基体に支持される張材と、
前記基体の裏面側に配置され、少なくとも前記張材の折り返し部分を覆うカバー部材と、を有する荷重支持体を備えた椅子において、
前記カバー部材は、
前記基体の角部を覆った前記張材の角部被覆部方向に中央側から延出して、前記角部被覆部の裏面側を覆う張り出し部と、
隣接する前記張り出し部の間にあって、隣接する前記張り出し部を結ぶ仮想直線に対して中央領域側に向かって凹状に窪む凹部と、を備えていることを特徴とする椅子。 - 前記基体は、背凭れ部の背面支持部材であり、前記凹部は、前記カバー部材上の前記背面支持部材の左右の側辺に対応する領域に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の椅子。
- 前記背面支持部材の上端部と下端部の間には、側面視で前方に凸状に湾曲若しくは屈曲する膨出領域が設けられ、前記凹部は、前記カバー部材上の前記背面支持部材の前記膨出領域に対応する部位に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の椅子。
- 前記背面支持部材の前記膨出領域と前記カバー部材の間には、ランバーサポート装置が設けられ、前記カバー部材の凹部には、前記ランバーサポート装置の一部が配置されていることを特徴とする請求項3に記載の椅子。
- 前記基体は、背凭れ部の背面支持部材であり、前記凹部は、前記カバー部材上の前記背面支持部材の上辺部に対応する領域に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の椅子。
- 前記基体は、背凭れ部の背面支持部材であり、前記凹部は、前記カバー部材上の前記背面支持部材の左右の側辺に対応する領域と前記背面支持部材の上辺部に対応する領域とに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の椅子。
- 前記基体における前記カバー部材の凹部に対応する部位には、剛性を高めるための補強部が設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の椅子。
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