JP6192219B2 - 椅子 - Google Patents
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Description
また、張材の周縁部の端末を基板の裏面に係止する手段としては、張材の周縁部に剛性を有する縁材を予め取り付けておき、その縁材を、基板の裏面側に形成された係止溝に挿入して係止させるようにしたものが知られている(特許文献1〜3参照)。
この発明の場合、張材の周縁部の縁材を係止溝に取り付ける際には、縁材の第2の当接部側を先にして縁材を係止溝内に挿入する。こうして縁材の第2の当接部側が係止溝内に挿入されると、縁材の第1の当接部が係止溝の端縁に当接し、縁材が張材の張力を受けて第1の当接部を支点として回動する。こうして縁材が回転すると、嵌合手段による嵌合によって係止溝からの縁材の抜け方向の変位が規制される。
この場合、縁材の第2の当接部側が係止溝内に挿入されて当該縁材が第1の当接部を支点として回動すると、係止溝の内側面に突設された突起部に縁材の嵌合孔が嵌合し、その嵌合によって係止溝からの縁材の抜けが規制される。
この場合、縁材の第2の当接部側が係止溝内に挿入されて当該縁材が第1の当接部を支点として回動すると、基体の裏面の係止溝から外れた位置に設けられた係止凹部に、縁材の係止突起が嵌合し、その嵌合によって係止溝からの縁材の抜けが規制される。また、こうして係止溝に係止突起が嵌合されると、縁材の基体外周側方向への位置ずれも規制されることになる。
を連結する補強壁が設けられ、前記係止凹部は、前記補強壁上に形成されることが望ましい。
この場合、係止溝に係止突起が嵌合されることによって基体外周側方向に向く荷重が縁材の係止突起から係止溝に作用するが、係止溝は基体の外周縁部と係止溝の外側寄りの端縁とを連結する補強壁に形成されていることから、基体外周側方向に向く縁材の荷重を補強壁によって確実に受け止めることができる。
この場合、張材の周縁部を基材の裏面側に引き込むことで基材の外周縁部の前面側のクッション材が押し潰されると、その弾性反力が張材の周縁部の縁材にストレートに作用し易くなる。このため、その弾性反力に起因する張材の張力が縁材に効率良く回転力として付与されるようになる。
また、この発明によれば、係止溝に対する縁材の取り付け時に、嵌合手段による嵌合によって縁材の抜け方向の変位が規制されるため、縁材が確実に係止溝内に係止されたことを作業者が感触や音で知ることができる。このため、張材の取付作業の確実性をより高めることができる。
なお、以下の説明においては、椅子に正規姿勢で着座した人の正面が向く図中矢印FRの指す向きを「前」と呼び、それと逆側の向きを「後」と呼ぶものとする。また、「上」,「下」と「左」,「右」については、椅子に正規姿勢で着座した人の上方の図中矢印UPの指す向きを「上」、それと逆側の向きを「下」と呼び、椅子に正規姿勢で着座した人の左側の図中矢印LHの指す向きを「左」、それと逆側の向きを「右」と呼ぶものとする。
これらの図に示すように、この実施形態の椅子1は、フロアF上に載置される脚部2と、脚部2の上端に設置されるボックス状の支基3と、着座者が着座する座体4と、支基3の上面に取り付けられ座体4を支持する座受部材5と、支基3から後部上方側に延出して座体4に着座した着座者の背中を支持する背凭れ部6と、を備えている。
脚部2は、キャスタ7a付きの多岐脚7と、多岐脚7の中央部より起立し昇降機構であるガススプリングを内蔵する脚柱8と、を備え、脚柱8の上端部に支基3が水平方向に回転可能に取り付けられている。支基3には、脚柱8の昇降調整機構と背凭れ部6の傾動調整機構が内蔵されている。背凭れ部6は、側面視略L字状の背凭れ支持フレーム9と、背凭れ支持フレーム9の後上部に取り付けられ座体4に着座した着座者の背部を直接支持する背凭れ本体10と、を備え、背凭れ支持フレーム9の前部下端が支基3内の傾動調整機構に連結されている。
また、この実施形態においては、背凭れ部6の背凭れ本体10が荷重支持体を構成している。
背板11は、弾性を有する合成樹脂によって形成されている。背板11は、正面視では四隅が丸みを帯びた縦長の略長方形状に形成され、その前面側で着座者の腰部から背部に亘る部位を支持し得るようになっている。背板11は、高さ方向の下から3分の1程度の高さ位置で着座者の腰部付近を支持し、それよりも上方側の領域で着座者の背部付近を支持する。なお、以下では、背板11のうちの着座者の腰部付近を支持する領域を「腰部支持領域11a」と呼び、それよりも上方側で着座者の背部付近を支持する領域を「背部支持領域11b」と呼ぶものとする。
なお、図3,図4中の符号90は、背板11の腰部支持領域11aの上下方向の略中央位置から背部支持領域11bに跨る領域に、背板11の柔軟な撓み変形を得るために形成されたスリットがある。
なお、カバー部材14は必ずしも強度部材でなくても良く、その場合には、背板11を直接背凭れ支持フレーム9に連結すれば良い。
張材13は、背板11よりも一回り大きく裁断され、背板11の裏面側に折り返される周縁部13aの複数箇所には、樹脂製の縁材20が取り付けられている。縁材20は、図5に示すように断面略L字状の板状に形成されている。縁材20は、係止溝15内に挿入される挿入片20aと、挿入片20aの基端から略L字状に屈曲して延出する外側係止片20bと、を有し、張材13の周縁部13aは、挿入片20aと外側係止片20bの連接部の近傍の外側面側に接合されている。この実施形態の場合、張材13の周縁部13aの裏面にはクッション材12が薄く被着され、その肉薄のクッション材12部分に縁材20が接合されている。なお、張材13と縁材20の接合態様は、この実施形態の態様に限らず、張材13の裏面に縁材20を直接接合するようにしても良い。
係止溝15内の縁材20の挿入される箇所は、図3,図4に示すように、係止溝15の左右の側辺部のうちの、補強リブ17に隣接する各箇所と、係止溝15の上辺部及び下辺部の延出方向に離間した3箇所と、四隅の各角部に対応する箇所とされている。背板11の各補強リブ17の端面(背板11の裏面方向の面)上には、縁材20の係止突起23と嵌合可能な係止凹部26が形成されている。図5に示すように、係止凹部26は、補強リブ17の端面のうちの係止溝15の外側壁部15bとの連接位置から、背板11の外周端部方向に向かって略三角形状に窪んで形成されている。
なお、この実施形態においては、縁材20の挿入片20aの嵌合孔21と係止溝15内の突起部22、縁材20の外側係止片20bの係止突起23と補強リブ17上の係止凹部26が、それぞれ縁材20の係止溝15からの抜け方向の変位を規制する嵌合手段を構成している。
縁材20は、こうして挿入片20aが係止溝15内に挿入された後に、張材13から張力を受けて第1の当接部24を支点として回動する。これにより、挿入片20aの先端側の第2の当接部25が係止溝15の内側壁部15aの内面に当接するとともに、挿入片20aの嵌合孔21が係止溝15内の突起部22に嵌合される。これにより、縁材20の挿入片20aは係止溝15内に係止されるとともに、嵌合孔21と突起部22との嵌合によって係止溝15からの脱落が防止される。
なお、図5において、符号28は、背板11の外周縁部でのクッション材12の滑りを規制するために設けられた凸部である。
さらに、この椅子1の場合、係止溝15に対する縁部20の取り付け時に、嵌合孔21と突起部22の嵌合や、係止突起23と係止凹部26の嵌合によって、縁材20が確実に係止溝15内に係止されたことを作業者が感触や音で容易に把握することができる。したがって、張材13の取付作業をより確実なものとすることができる。
さらに、この実施形態の場合、背板11の左右の側辺部側では内側壁部15aの突起部22と挿入片20aの嵌合孔21とによる嵌合手段と、背板11の裏面の係止凹部26と外側係止片20bの係止突起23とによる嵌合手段が併設されているため、縁材20が第1の当接部24を挟んだ一端側と他端側の間の広い範囲で背板11に安定して支持されるようになる。
13 張材
15 係止溝
17 補強リブ(補強壁)
20 縁材
21 嵌合孔(嵌合手段)
22 突起部(嵌合手段)
23 係止突起(嵌合手段)
24 第1の当接部
25 第2の当接部
26 係止凹部(嵌合手段)
Claims (5)
- 裏面側に係止溝が設けられた基体と、
該基体の表面と外周縁部にかかる部分を覆い、周縁部が前記基体の外周縁部の裏側に折り返される張材と、
該張材の前記周縁部に取り付けられ、前記基体の裏側で前記係止溝に挿入されて係止される縁材と、を有する荷重支持体を備えた椅子において、
前記縁材は、前記係止溝の前記基体の外周縁部寄りの端縁に当接する第1の当接部と、当該縁材が前記張材の張力を受けて前記第1の当接部を支点として回動して、前記係止溝の前記基体の内側寄りの内側面に当接する第2の当接部と、を有し、
前記縁材と前記基体の間には、前記縁材が前記張材の張力を受けて前記第1の当接部を支点として回動することによって嵌合し、前記縁材の前記係止溝からの抜け方向の変位を規制する嵌合手段が設けられていることを特徴とする椅子。 - 前記嵌合手段は、前記係止溝の前記基体の内側寄りの内側面に突設された突起部と、前記縁材の前記係止溝への挿入領域に形成され、前記突起部と嵌合可能な嵌合孔と、を備えてなることを特徴とする請求項1に記載の椅子。
- 前記嵌合手段は、前記基体の裏面のうちの前記係止溝の前記基体の外周側の外側位置に設けられた係止凹部と、前記縁材のうちの前記第1の当接部を挟んで前記係止溝への挿入領域と反対側に設けられ、前記係止凹部と嵌合可能な係止突起と、を備えてなることを特徴とする請求項1または2に記載の椅子。
- 前記基体の裏側には、当該基体の外周縁部と前記係止溝の前記基体の外側寄りの端縁
を連結する補強壁が設けられ、前記係止凹部は、前記補強壁上に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の椅子。 - 前記係止溝の端縁は、前記基体の外周縁部よりも当該基体の裏面側に突出していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の椅子。
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