JP6245505B2 - 脱線復旧装置、保守用車両、及び脱線復旧方法 - Google Patents
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Description
即ち、本発明に係る脱線復旧装置は、車体に設けられた車輪が転動する一対のレール上に跨るように配置可能な支持体と、前記支持体に対して前記車体の幅方向に移動可能な移動体と、前記車体における前記幅方向の両側に設けられ、該車体に対して前記移動体及び前記支持体を上下方向に相対変位させる一対の昇降シリンダと、を備え、前記車体及び前記移動体のうちの一方は、前記支持体に対して前記幅方向に移動可能に設けられた本体部と、該本体部に対して前記幅方向に移動可能に設けられたスライダと、を有し、前記一対の昇降シリンダは、一端が前記車体及び前記移動体のうちの他方に剛結されるとともに、他端が前記車体及び前記移動体のうちの一方に対して回転可能に取り付けられ、かつ、前記一対の昇降シリンダのうちの一方の該昇降シリンダにおける他端は前記スライダを介して前記車体及び前記移動体のうちの一方に取り付けられていることを特徴とする。
そして、上昇した車体は移動体によって幅方向に移動された後に、上昇時と同様にレールから反力を受けるようにして車体が昇降シリンダによって下降させられ、車輪がレール上に載置される。
ここで、一対の昇降シリンダのうちの一方はスライダを介して移動体(又は車体)に取り付けられ、また一対の昇降シリンダがともに移動体(又は車体)に回転可能に取り付けられている。このため、この一方の昇降シリンダと、他方の昇降シリンダとの伸縮量を異なるように動作させたとしても、スライダが幅方向に移動することでこのような昇降シリンダを円滑に動作させることができる。従って、軌道にカントが設けられた位置で脱線した際には、支持体がレール上に配置されると車体は鉛直方向に対して傾斜した状態となるが、このように一対の昇降シリンダの伸び量を異なるようにして動作させることで、車体を鉛直方向に上昇させることができる。この結果、脱線復旧作業中に車体を上昇させる際、車体が転倒することを防ぐことができる。
さらに、筋交い部材、昇降シリンダ、移動体がトラス構造を構成しており、脱線復旧装置全体が高い剛性を有し、脱線復旧装置の耐久性の向上が可能となる。
また、前記上昇工程において、前記一対の昇降シリンダのうちの一方の該昇降シリンダの前記上端または前記下端を、前記支持体に対して前記幅方向に移動可能に設けられた本体部に対して前記幅方向に移動可能に設けられたスライダによって、前記車体及び前記移動体のうち一方に対して前記幅方向に移動させてもよい。
以下、本発明の第一実施形態に係る保守用車両1について説明する。
保守用車両1は、軌道100の軌道面100a上に設けられたレール101上を走行しながら、レール101や架線の点検、保守を行うものである。以下、保守用車両1を単に車両1とする。
図1に示すように、車両1は、レール101上を走行する走行装置3と、走行装置3を支持する車体2と、車体2の走行方向の前後の端部に一つずつ設けられた脱線復旧装置5とを備えている。
なお、図1は、車両1が軌道100上の分岐位置を走行している様子を示しており、レール101は、軌道100の幅方向となる車両1の幅方向(以下、単に幅方向とする)に互いに離間して、二対が設けられている。
以下、図1、図2、図3の紙面に向かって左側を幅方向の左側とし、紙面に向かって右側を幅方向の右側とする。
図1及び図2に示すように、各々の脱線復旧装置5は、レール101上に配置可能な支持体10と、支持体10の上部に設けられた移動体11と、支持体10と移動体11との間に設けられた横行シリンダ13と、移動体11と車体2の下部との間に設けられた一対の昇降シリンダ12とを備えている。
具体的には、車体2の下部の左右両端部の位置に剛結された昇降シリンダ本体12aと、昇降シリンダ本体12aに対して上下方向に伸縮可能に取り付けられた昇降シリンダロッド12bとを有している。昇降シリンダロッド12bは、走行方向に延在するピン20によって移動体11にピン結合されることで、走行方向に延びる軸線回りに回転可能に移動体11に取り付けられている。
なお図2では、図1に示す分岐位置とは異なり、通常の走行軌道に車両1が位置している様子を示しており、レール101は一対のみが設けられているが、図1に示す分岐位置に車両1が位置している場合であっても同様の手順で脱線復旧作業が行われる。
この状態から図2(b)に示すように、支持体10が一対のレール101にわたって配されるように、かつ、支持体10のフランジ部10aが各々のレール101に対して幅方向の外側から接触可能となるように、横行シリンダ13の横行シリンダロッド13bを伸ばし、移動体11に対して支持体10を幅方向の右側に向かって移動させる。
この状態から図3(c)に示すように、横行シリンダ13の横行シリンダロッド13bを伸ばして、移動体11に対して支持体10を幅方向の右側に向かって移動させる。
さらにこの際、一対の昇降シリンダ12における昇降シリンダロッド12bが移動体11との間で回転しつつ、移動体11におけるローラー17が本体部21の長孔16内で、幅方向右側から左側に向かって転動する。
さらに、この際、一対の昇降シリンダ12における昇降シリンダロッド12bが移動体11との間で回転しながら、移動体11におけるローラー17が本体部21の長孔16内で、幅方向左側から右側に向かって転動する。
以下、本発明の第二実施形態に係る車両1Aについて説明する。
図6に示すように、車両1Aは、脱線復旧装置5Aとして、支持体10、移動体11、一対の昇降シリンダ12に加え、車体2と移動体11との間にわたって配された筋交い部材31をさらに備えている点で、第一実施形態の車両1とは異なっている。また本実施形態では、移動体11の本体部21には長孔16は形成されておらず、スライダ22も設けられていない。
Claims (9)
- 車体に設けられた車輪が転動する一対のレール上に跨るように配置可能な支持体と、
前記支持体に対して前記車体の幅方向に移動可能な移動体と、
前記車体における前記幅方向の両側に設けられ、該車体に対して前記移動体及び前記支持体を上下方向に相対変位させる一対の昇降シリンダと、
を備え、
前記車体及び前記移動体のうちの一方は、前記支持体に対して前記幅方向に移動可能に設けられた本体部と、該本体部に対して前記幅方向に移動可能に設けられたスライダと、を有し、
前記一対の昇降シリンダは、一端が前記車体及び前記移動体のうちの他方に剛結されるとともに、他端が前記車体及び前記移動体のうちの一方に対して回転可能に取り付けられ、かつ、前記一対の昇降シリンダのうちの一方の該昇降シリンダにおける他端は前記スライダを介して前記車体及び前記移動体のうちの一方に取り付けられている、
ことを特徴とする脱線復旧装置。 - 前記スライダは、前記移動体に設けられ、
前記一対の昇降シリンダは、一端が前記車体に剛結されるとともに、他端が前記移動体に対して回転可能に取り付けられ、かつ、前記一対の昇降シリンダのうちの一方の該昇降シリンダにおける他端は前記スライダを介して前記移動体に取り付けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の脱線復旧装置。 - 前記スライダは、前記移動体における前記本体部に対して前記幅方向に転動可能に設けられたローラーを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の脱線復旧装置。
- 車体に設けられた車輪が転動する一対のレール上に跨るように配置可能な支持体と、
前記支持体に対して前記車体の幅方向に移動可能な移動体と、
前記車体における幅方向両側に設けられ、該車体に対して前記移動体及び前記支持体を上下方向に相対変位させる一対の昇降シリンダと、
前記一対の昇降シリンダと、前記車体及び前記移動体との間の角度を保持する筋交い部材と、
を備え、
前記一対の昇降シリンダは、上端が前記車体に対して回転可能に取り付けられているとともに、下端が前記移動体に対して回転可能に取り付けられている、
ことを特徴とする脱線復旧装置。 - 前記筋交い部材は、一方の前記昇降シリンダの上端と、他方の前記昇降シリンダの下端とを接続するとともに、これら昇降シリンダに対して回転可能に取り付けられていることを特徴とする請求項4に記載の脱線復旧装置。
- 前記支持体は、該支持体から下方に突出して前記幅方向から前記レールに接触可能に設けられたフランジ部を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の脱線復旧装置。
- 請求項1から6のいずれか一項に記載の脱線復旧装置と、
前記脱線復旧装置が設けられた車体と、
を備えることを特徴とする保守用車両。 - 車体に設けられた車輪が転動する一対のレール上に跨るように、支持体及び該支持体に設けられた移動体を配置する配置工程と、
前記車体における幅方向両側に一対設けられ、上端が前記車体に取り付けられるとともに下端が前記移動体に取り付けられ、該一対の各々において前記上端及び前記下端の少なくとも一方が回転可能である昇降シリンダによって、前記車体が鉛直方向の上方に移動するように該一対の昇降シリンダの伸縮量を設定してから、前記車体に対して前記移動体及び前記支持体を下方に相対変位させて前記車体を鉛直方向に上昇させる上昇工程と、
前記移動体を該支持体に対して前記車体の幅方向に移動させる横送り工程と、
前記車輪が前記レールの上方に位置した際に、前記一対の昇降シリンダによって前記車体に対して前記移動体及び前記支持体を上方に相対変位させて前記車体を下降させ、前記車輪を前記レールに載置する下降工程と、
を備え、
前記上昇工程では、前記車体に対して前記移動体及び前記支持体を下方に相対変位させた際に、前記車体を鉛直方向に移動させることを特徴とする脱線復旧方法。 - 前記上昇工程において、前記一対の昇降シリンダのうちの一方の該昇降シリンダの前記上端または前記下端を、前記支持体に対して前記幅方向に移動可能に設けられた本体部に対して前記幅方向に移動可能に設けられたスライダによって、前記車体及び前記移動体のうち一方に対して前記幅方向に移動させることを特徴とする請求項8に記載の脱線復旧方法。
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