JP6244599B2 - 有機電解合成装置及び有機電解合成方法 - Google Patents
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Description
この点、上記の有機電解合成装置では、複数の電解セルのうちの上流側電解セルにおける電解液を酸化分解させる第1電極の電解液の流通方向下流側に、複数の電解セルのうちの下流側電解セルの第2電極が設けられている。また、ハロゲン化物イオンと有機化合物とを含む電解液は、第1電極と第2電極との間を層流状態となって流通する。このため、上流側電解セルの第1電極で発生した副生物は、層流状態の電解液の流通によって下流側電解セルの第2電極へと誘導される。第2電極へ誘導された副生物は、第2電極で還元されて消失する。このため、目的有機化合物と副生物との反応を抑制することができるので、目的有機化合物の収率の低下を抑制することができる。
なお、上流側電解セルの第2電極における電解液の流通方向下流側に下流側電解セルの第1電極が設けられている場合には、上流側電解セルの第2電極と下流側電解セルの第1電極との間にスペーサが配置されていてもよい。この場合も安定した層流の維持に寄与できるとともに、上流側電解セルの電極と下流側電解セルの電極との短絡を抑制することができる。
さらに、互いに平行に隣り合う電極群同士の第1電極及び第2電極が対向していることから、これら第1電極及び第2電極の間に通電することで、電極間を流通する電解液に対して効率的に電気分解を施すことが可能となる。また、二極電極は、整流板としても機能させることができる。
図1は、本発明の第1の実施形態における有機電解合成装置を模式的に示す図である。
図1に示すように、第1の実施形態の有機電解合成装置1は、電解槽2と、流入配管3Aと、流出配管3Bと、ポンプ4と、熱交換器5と、電源装置7と、制御装置8と、を備えている。電解槽2は、電解セル10と、ケーシング25を備えており、ケーシング25には、複数の電解セル10として、上流側電解セルである下側電解セル10D及び下流側電解セルである上側電解セル10Uが設けられている。上側電解セル10Uは、下側電解セル10Dの上側に並設されている。また、下側電解セル10D及び上側電解セル10Uは、箱形のケーシング25に収容されている。
ケーシング25には、流入口26及び流出口27が形成されている。流入口26は、ケーシング25の下側に形成され、流出口27は、ケーシング25の上側に形成されている。流入口26と流出口27との間に下側電解セル10D及び上側電解セル10Uが配置されている。
流入口26には、流入配管3Aの一端が接続されている。流入配管3Aの他端は、流通装置及び流速制御装置であるポンプ4に接続されている。流出口27には、流出配管3Bの一端が接続されている。流出配管3Bの他端は、図示しない貯留槽に接続されている。
ポンプ4は、下側電解セル10Dの下側陽極11Dと下側陰極12Dとの間、及び上側電解セル10Uの上側陽極11Uと上側陰極12Uとの間で、電解液の乱流状態を抑制し、電解液を層流状態として流通させる。下側電解セル10Dの下側陽極11Dにおける電解液の流通方向下流側に、上側電解セル10Uの上側陰極12Uが配置される。また、下側電解セル10Dの下側陰極12Dにおける電解液の流通方向下流側に、上側電解セル10Uの上側陽極11Uが配置される。また、電解液の流通方向は、鉛直上向き方向とされており、下側陽極11Dと上側陰極12U、下側陰極12Dと上側陽極11Uとは、それぞれ電解液の流通方向に並設されている。なお、「層流状態」とは、乱流が抑制された状態であり、例えば乱流が最小限とされた状態をいう。また、乱流と層流とは、液体(電解液)の流速、粘度、流路寸法(電解セルにおける向かい合って配置された電極間距離、電極幅によって求められる相当長さ)によって定まるレイノルズ数を境界値として変化するが、ここでの「層流状態」とは、通常流体力学で定義されるレイノルズ数2000以下の状態をいう。
流入配管3Aには、温度制御装置である熱交換器5が設けられている。熱交換器5は、流入配管3A内を流通する電解液の温度を制御する。ケーシング25内の電解液の粘度は、流入配管3Aから導入される電解液の温度に伴って変動する。
電流制御回路72は、下側陽極11D、下側陰極12D、上側陽極11U、上側陰極12Uに対してそれぞれ電気的に接続されている。電流制御回路72は、下側陽極11D及び上側陽極11Uに電流を供給し、下側陰極12D及び上側陰極12Uから流出する電流を受け入れる。こうして、電源装置7は、下側陽極11Dと下側陰極12Dとの間、及び上側陽極11Uと上側陰極12Uとの間に、極性が逆となる電圧を印加する。
電流制御回路72は、電源71から供給された定圧電流の電圧を、下側陽極11D及び上側陽極11Uに電流を供給する際の適切な電圧に調節している。
このとき、電源装置7は、電流制御回路72から下側陽極11D及び上側陽極11Uに電流を供給する。下側電解セル10Dの下側陽極11Dは、ハロゲン化物と有機化合物とが含まれる電解液を陽極酸化によって電解し、有機合成の反応が開始される。この有機合成によってアゾジカルボンアミドが製造される。
さらに、上側電解セル10Uの上側陽極11Uは、ハロゲン化物と有機化合物とが含まれる電解液を陽極酸化によって電解し、アゾジカルボンアミドが製造される。こうして製造されたアゾジカルボンアミドを含む原料容器は、ケーシング25の流出口27から流出して、貯留槽に貯留される。
電解液中に拡散した副生物が残存していると、電解液中の未反応の有機化合物や製造されたアゾジカルボンアミドが副生物によって酸化分解され、アゾジカルボンアミドの収率の悪化の原因となりえる。ここで、電解液中の副生物が消失すると、収率の悪化が抑制される。電解液中の副生物を消失させるためには、電解液にハロゲン単体や過酸化物を中和する薬剤を投入する方法がある。
ところが、このような薬剤を投入して副生物を消失させる方法では、電解液の性状の変質や使用薬剤の増加などの不具合をもたらすこととなる。また、副生物を消失させる方法として、副生物を陰極で還元する方法がある。ハロゲン化物は、例えばハロゲンが塩素である場合には、下記(1)式によって塩化物イオンに還元され、過酸化イオンは、下記(2)式によって塩化物イオンに還元される。
Cl2+2e−→2Cl− ・・・(1)
ClO−+H2O+2e−→Cl−+2OH− ・・・(2)
また、電解液は、ハロゲン化物イオンや有機化合物を、飽和状態に近い高濃度まで含有するため、自然な物質拡散をほとんど期待できない。これに対して、電解液を対流させて副生物18を陰極表面へ移動・拡散させれば、副生物18と有機化合物との接触時間の短縮を図ることができる。
ところが、陽極11Xと陰極12Xとの離間方向に直交した方向に電解液が流通する。このため、電解液を層流状態で流通させると、副生物18が陰極12Xの方向へ拡散しにくくなる。
また、電解液を乱流で流通させると、陽極11Xから陰極12Xへ副生物18を移動させた際の陰極12Xと副生物18との接触効率が向上し、副生物18の消失効果が向上する。しかし、電解液を乱流で流通させると、陽極11Xの反応場が乱され、副生物18の離脱が促進されてしまい、電解液中に残存する副生物18の減少に対する寄与が小さくなってしまう。
さらに、下側陽極11D、下側陰極12D、上側陽極11U、上側陰極12Uは、いずれもケーシング25の側壁に近接し、ケーシング25の側壁に沿って配設されている。このため、下側陽極11Dと上側陰極12Uとの間、及び下側陽極11Dと上側陰極12Uとの間の隙間による乱流の発生をさらに抑制し、さらに安定した層流の維持に寄与することができる。
有機電解合成装置1は、ケーシング25に電解液を流通させるポンプ4を備えており、ポンプ4の出力によってケーシング25内の電解液の速度が制御可能とされている。このため、有機電解合成装置1は、安定した層流を維持することができる。
また、有機電解合成装置1は、熱交換器5を備えており、ケーシング25に供給される電解液の温度が制御される。電解液の温度が高いと電解液の粘度は低くなり、電解液の温度が低いと電解液の粘度は高くなる。このように、電解液の粘度は、電解液の温度によって制御することができる。したがって、有機電解合成装置1は、熱交換器5によって電解液の温度を制御することができ、温度の制御によって電解液の粘度を制御することができる。よって、有機電解合成装置1は、安定した層流を維持することができる。
例えば、アゾ化合物を電解合成する際には、カルボアミド化合物とハロゲン化物イオン(例えば塩素イオン)を含む電解液が電解され、ハロゲン化合物の中間体が製造される。製造されたハロゲン化合物の一部は目的有機化合物(アゾ化合物)として取り出され、他のハロゲン化合物は循環しながら反応する。ここでのアゾ化合物には、アゾジカルボンアミドやアゾジカルボン酸エステルが含まれる。これらのアゾ化合物の用途は、例えば発泡剤や重合開始材である。
この場合、向かい合う陰極と陽極とで電解セルが構成され、複数の電解セルが電解液の流通方向に沿って直列状に並設された状態となる。また、以後の実施形態でも同様に、電解液の流通方向に沿って陽極と陰極とを直列状として交互に並設し、これらの複数の陽極と陰極とに向い合う陰極と陽極とを直列状として交互に並設してもよい。また、上側電解セル10Uと下側電解セル10Dは、ケーシング25に収容されているが、ケーシング25に収容されていないようにしてもよい。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図3は、第2の実施形態における有機電解合成装置の要部を模式的に示す図である。第2の実施形態における有機電解合成装置は、第1の実施形態における有機電解合成装置と比較して、電解槽の構成が主に相違している。そこで、図3では、有機電解合成装置の要部として電解槽を中心に示して、第2の実施形態について説明する。
下側左陽極21DL、上側中陽極21UC、下側右陽極21DRには、電流制御回路72から電流が供給される。上側左陰極22UL、下側中陰極22DC、上側右陰極22URからは、電流制御回路72に電流が流出される。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図4は、第3の実施形態における有機電解合成装置の要部を模式的に示す図である。第3の実施形態における有機電解合成装置は、第1の実施形態における有機電解合成装置と比較して、電解槽の構成が主に相違している。図4では、有機電解合成装置の要部として電解槽を中心に示して、第3の実施形態について説明する。
また、左スペーサ33L及び右スペーサ33Rはいずれも絶縁体である。このため、下側陽極31Dと上側陰極32Uとの短絡及び下側陰極32Dと上側陽極31Uとの短絡を電気的に絶縁することで抑制することができる。
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。図5は、第4の実施形態における有機電解合成装置の要部を模式的に示す図である。第4の実施形態における有機電解合成装置は、第1の実施形態における有機電解合成装置と比較して、電解槽及び電源装置と電極との接続関係が主に相違している。図5では、有機電解合成装置の要部として電解槽及び電源と電極との接続関係を中心に示して、第4の実施形態について説明する。
有機電解合成装置1Dは、複数の二極電極43を電解液の流通方向に間隔をあけて設けられてなる中電極群44Cを備えている。また、接続陽極41と、接続陰極42と、複数の二極電極43と、を電解液の流通方向に間隔をあけて設けられてなる左電極群44L、右電極群44Rを備えている。
同様に、中電極群44Cにおける二極電極43と、右電極群44Rにおける二極電極43とは、電解液の流通方向に二極電極43の約2分の1ピッチ分だけずれた状態で配置されている。また、右電極群44Rでは、電解液の流通方向の最上流側に接続陰極42が配置され、電解液の流通方向の最下流側に接続陽極41が配置されている。有機電解合成装置1Dでは、このように陽極部43Aと陰極部43Bとが配置され、電源装置7が接続陽極41及び接続陰極42に接続されている。
また、二極電極43は、整流板としても機能することができる。
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。図6は、第5の実施形態における有機電解合成装置の要部を模式的に示す斜視図である。第5の実施形態における有機電解合成装置は、第1の実施形態における有機電解合成装置と比較して、電解槽が主に相違している。また、第5の実施形態では、電解液の流通方向が第1の実施形態と異なっている。
有機電解合成装置1Eでは、左後陽極51LBと左中陰極52LCとが並んで配置されており、電解セルを構成している。同様に、中後陰極52CBと中中陽極51CC、右後陽極51RBと右中陰極52RCが並んで配置されてそれぞれ電解セルを構成する。また、左中陰極52LCと左前陽極51LF、中中陽極51CCと中前陰極52CF、右中陰極52RCと右前陽極51RFとが並んで配置されてそれぞれ電解セルを構成する。
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。第6の実施形態では、第1の実施形態で示した有機電解合成装置1を備える有機電解合成システムについて説明する。図7は、第6の実施形態における有機電解合成システムの構成図である。
図7に示すように、第6の実施形態における有機電解合成システム100は、有機電解合成装置1の電解槽2と同様の第1電解槽2Xと、第2電解槽2Yとを備えている。
中間配管104の他端は、第2電解槽2Yの流入口101Yに接続されている。第2電解槽2Yの流出口102Yには、流出配管106の一端が接続されている。流出配管106の他端は、図示しない貯留槽に接続されている。
ケーシング25内では、電解液の電解に伴い、下側陰極12D及び上側陰極12Uから水素(H2)ガスが発生する。このため、ケーシング25内には、気体が溜まることがある。特に、リサイクル電解を行う場合や電解槽2をプラグフロー式で連結した電解を行う場合などの電解時間が長時間に及ぶ場合には、H2気泡率が著しく増大する。気泡率が増大すると、気泡の蓄積によって大きな気泡が発生し、流速や圧力の変化の原因となってしまう。
このため、電解液の液流は、気泡率が高い箇所に向かって発生するため、局所的に高気泡率となる場所が生じると、予期しない方向へ電解液が流れたり、電解液の流速が早まったりすることがある。このような場合には、下側電解セル10D及び上側電解セル10Uを流通する電解液の層流を維持することが困難となる場合がある。同様の現象は、上記の第1の実施形態における有機電解合成装置1のほか、第2の実施形態から第4の実施形態における有機電解合成装置1B〜1Dにおいても生じ得る。
第1ガス抜きバルブ107を閉じているときには、中間配管104は気密状態に維持されている。第1ガス抜きバルブ107を開くと、中間配管104は、気密状態から開放され、中間配管104及び第1ケーシング25X内の気体が第1ガス抜きバルブ107を介して中間配管104及び第1ケーシング25Xの外部に排出される。こうして、第1ケーシング25X内におけるガス溜りを抑制することができるので、電解液の層流状態の維持に寄与することができる。
次に、第6実施形態の第1の変形例について説明する。図8は、第1の変形例における有機電解合成システムの構成図である。
図8に示すように、第1の変形例における有機電解合成システム200は、第6の実施形態における有機電解合成システム100と同様の第1電解槽2Xと、第2電解槽2Yとを備えている。
第1中間配管202の他端は、ガス抜き貯留槽203の流入口203Aに接続されている。ガス抜き貯留槽203には、第1中間配管202を通して搬送された電解液が貯留されている。貯留槽203の流出口203Bには、第2中間配管204の一端が接続されている。
第2中間配管204の他端は、第2電解槽2Yの流入口101Yに接続されている。第2電解槽2Yの流出口102Yには、流出配管205の一端が接続されている。流出配管205の他端は、図示しない貯留槽に接続されている。
ガス抜き貯留槽203の上端部には、減圧機構206が設けられている。ガス抜き貯留槽203内では、貯留された電解液の上方にガス(気体)が溜められている。減圧機構206は、ガス抜き貯留槽203内の上方に貯められた気体の圧力(気圧)を調整できる。減圧機構206によってガス抜き貯留槽203内の気圧を大気圧より高くすることにより、ガス抜き貯留槽203に貯められた気体がガス抜き貯留槽203の外部に排出される。
次に、第6実施形態の第2の変形例について説明する。図9は、第2の変形例における有機電解合成システムの構成図である。
図9に示すように、第2の変形例における有機電解合成システム300は、第5の実勢形態における電解槽2Eと同様の電解槽301を備えている。電解槽301は、ケーシング302を備えており、ケーシング302には、複数の陽極及び陰極が設けられている。複数の陽極及び陰極は、ケーシング302の底板に対して、鉛直方向に沿って設けられている。
ケーシング302は、流入口303と流出口304とを備えている。流出口304は、流入口303よりも高い位置に配置されている。ケーシング302は、底板305と天板306を備え、底板305と天板306とは略平行に設けられており、底板305が水平面に対して傾斜して設けられている。このため、ケーシング302内では、電解液が斜め上方に流通する。このため、電解液の流通方向は、鉛直方向に交差する方向の斜め上方向となる。
複数の陽極及び陰極は、電解液の流通方向に沿って並設され、陽極と陰極とが交互に配置される。また、電解液の流通方向に沿って並設された陽極及び陰極に向かい合う位置には、それぞれ陰極及び陽極が設けられている。
この問題に対して、電極間のガス溜りを解消することにより、このような液面揺らぎを抑制することができる。第2の変形例における有機電解合成システムでは、ケーシング302の上面には、第1ガス溜307A〜第3ガス溜307C及び第1ガス抜きバルブ308A〜第3ガス抜きバルブ308Cが設けられているため、電極間に生じた気体を第1ガス溜307A〜第3ガス溜307Cに溜めることができる。したがって、電極間のガス溜りを解消することができ、液面揺らぎを抑制して、安定した層流の維持に寄与することができる。
次に、層流状態を形成する条件に付いて説明する。ここでの層流状態とは、レイノルズ数Reが2000以下の状態である。レイノズル数Reは相当長さL、液流速v、液密度ρ、液粘度μとすると
Re=Lvρ/μ
で表される。相当長さLは、電解セル10における陽極11と陰極12との電極間距離α、陽極11(陰極12)の電極幅β、及び液流速vで求められる。
層流状態でのレイノルズ数Reの適正値は反応によって異なる。上記の第1の実施形態の有機電解合成装置1を用いた有機電解合成方法によって、目的有機化合物としてアゾジカルボンアミドを製造する例に示した反応例について示すと高い電流効率を維持する適正レイノルズ数は1〜100である。
なお、上記の各実施形態は、互いに組み合わせてもよい。例えば、第3の実施形態で示したようなスペーサを第1の実施形態で示した下側陽極11Dと上側陰極12Uとの間や第5の実施形態で示した左後陽極51LBと中後陰極52CBの間、中後陰極52CBと右後陽極51RBの間に配置してもよい。あるいは、第6の実施形態の第1の変形例で示したような減圧機構が設けられたガス抜き貯留槽を、第2の変形例で示したような有機電解合成装置に設けてもよい。
2,2B〜2E…電解槽
4…ポンプ(流通装置,速度制御装置)
5…熱交換器(温度制御装置)
7…電源装置
8…制御装置
10D…下側電解セル(上流側電解セル)
10U…上側電解セル(下流側電解セル)
11D…下側陽極(第1電極)
11U…上側陽極(第1電極)
12D…下側陰極(第2電極)
12U…上側陰極(第2電極)
18…副生物
26…流入口
22…流出口
25,25B〜25E…ケーシング
33L…左スペーサ(スペーサ)
33R…右スペーサ(スペーサ)
41…接続陽極
42…接続陰極
43…二極電極(電極群)
43A…陽極部(第1電極)
43B…陰極部(第2電極)
81…流速制御部
82…温度制御部
100,200,300…有機電解合成システム
107,108,308A〜308C…バルブ(排気構造)
Claims (12)
- 向かい合って配置された第1電極及び第2電極をそれぞれ備える複数の電解セルと、
複数の前記電解セルにおける前記第1電極及び前記第2電極の間に電圧を印加する電源装置と、
ハロゲン化物イオンと有機化合物とを含む電解液を前記第1電極と前記第2電極との間に層流状態で流通させる流通装置と、
を備え、
前記複数の電解セルは、前記電解液の流通方向の上流側に配置された上流側電解セルと、前記電解液の流通方向下流側に配置された下流側電解セルとを有するとともに、
前記第1電極及び前記第2電極は、それぞれ前記電解液の流通方向に沿って延びる板状をなし、
前記上流側電解セルの前記第1電極と前記下流側電解セルの前記第2電極とが、前記電解液の流通方向に沿って並んで配置されており、
前記上流側電解セルの前記第2電極と前記下流側電解セルの前記第1電極とが、前記電解液の流通方向に沿って並んで配置されており、
前記電源装置は、前記上流側電解セル及び前記下流側電解セルのうち、前記上流側電解セルにおける第1電極と、前記上流側電解セルにおける前記第1電極の下流側に配置された前記下流側電解セルにおける第2電極の極性と、が逆となる電圧を印加することを特徴とする有機電解合成装置。 - 前記電解液の流通方向に交差する方向に沿って前記電解セルが複数設けられている請求項1に記載の有機電解合成装置。
- 前記電解液の流通方向に沿って並んで配置された前記上流側電解セルの前記第1電極と前記下流側電解セルの前記第2電極との間と、前記上流側電解セルの前記第2電極と前記下流側電解セルの前記第1電極との間と、のうちの少なくとも一方に絶縁体のスペーサが配置されている請求項1または2に記載の有機電解合成装置。
- 前記電解液の流通方向一方側の部分が前記第1電極とされるとともに他方側の部分が前記第2電極とされた複数の二極電極を含み、
これら二極電極を前記電解液の流通方向に間隔をあけて設けられている電極群が、互いに平行をなすように複数配置され、
互いに平行に隣り合う前記電極群同士の前記二極電極が、前記第1電極と前記第2電極とを対向させて配置されている請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の有機電解合成装置。 - 前記第1電極及び前記第2電極は、板状をなし、鉛直方向に沿って設けられており、 前記電解液の流通方向は、鉛直上向き方向である請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載の有機電解合成装置。
- 前記第1電極及び前記第2電極は、板状をなし、鉛直方向に沿って設けられており、 前記電解液の流通方向は、鉛直方向に交差する方向である請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載の有機電解合成装置。
- 複数の前記上流側電解セル及び前記下流側電解セルが、ケーシングに収容されている請求項1〜6のうちのいずれか1項に記載の有機電解合成装置。
- 前記ケーシングの上部に、前記ケーシング内の気体を排出する排気構造が設けられている請求項7に記載の有機電解合成装置。
- 前記ケーシングに接続され、前記ケーシングから電解液が排出される配管に、前記ケーシング内の気体を排出する排気構造が設けられている請求項7に記載の有機電解合成装置。
- 前記電解液の速度を制御する速度制御装置をさらに備える請求項1〜9のうちのいずれか1項に記載の有機電解合成装置。
- 前記電解液の温度を制御する温度制御装置をさらに備える請求項1〜10のうちのいずれか1項に記載の有機電解合成装置。
- 請求項1〜11のうちのいずれか1項に記載の有機電解合成装置における前記第1電極と前記第2電極との間に前記電解液を流通させて、目的有機化合物を製造することを特徴とする有機電解合成方法。
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