JP6242568B2 - 高周波用圧粉体、及びそれを用いた電子部品 - Google Patents

高周波用圧粉体、及びそれを用いた電子部品 Download PDF

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Description

本発明は、GHz帯の高周波領域で用いる高周波用圧粉体、及びそれを用いた電子部品に関する。
近年、携帯電話機や携帯情報端末等の無線通信機器の利用周波数帯域の高周波化が進行し、使用される無線信号周波数はGHz帯となっている。そこで、そのようなGHz帯の高周波領域で使用される電子部品、例えば、電子機器の高周波ノイズ対策用として用いられるEMIフィルタやコモンモードノイズフィルタ、あるいは無線通信機器に用いられるアンテナなどに対して、GHz帯の高周波領域においても透磁率が比較的大きい磁性材料を適用することで、フィルタ特性の改善やアンテナ寸法の小型化を図る試みがなされている。
以下、無線通信機器に用いられるアンテナを例にGHz帯の高周波領域で磁性材料に求められる特性を説明する。無線通信機器に用いられるアンテナは、無線通信機器の多機能化に伴い、GPS、Bluetooth(登録商標)、無線LAN等の複数の無線方式に対応したマルチバンド・モード化が進展している。すなわち、無線通信機器に用いられるアンテナに対しては、GHz帯において広帯域で使用可能であることが要求されている。一方、無線通信機器の小型化に伴い、アンテナ自体の更なる小型化も喫緊の課題となっている。このように、近年の無線通信機器に用いられるアンテナには、GHz帯において広帯域で使用可能であること、及び小型化の両立が熱望されている。
GHz帯の広帯域でアンテナを使用することを想定した場合、材料の磁気損失tanδμが放射効率低下の原因となるため、放射効率の低下を防ぐためには、磁気損失tanδμは使用周波数範囲内で十分に小さい値、好ましくは0.01以下とすることが望まれる。一方、アンテナに用いる磁性材料の比誘電率をε、比透磁率をμとすると、真空中を伝播する電磁波の波長λに対して前記磁性材料内を伝播する電磁波の波長λはλ=λ/√(ε×μ)で表される(波長短縮効果)ため、比誘電率εと比透磁率μとの少なくとも一方を1.0よりも大きくすることにより、λを小さくすることができ、前記磁性材料を用いたアンテナの寸法を小型化することが可能となる。
アンテナ用材料として、金属、または合金製の磁性材料を用いた場合、それらの抵抗率は比較的低いため、GHz帯の高周波領域において渦電流損失に起因する磁気損失tanδμが過大となり、実用に適さない。一方、抵抗率が高い磁性材料として、例えばスピネルフェライトを用いた場合、共鳴周波数fと初透磁率μの積が飽和磁化Mに比例し、f(μ−1)=γM/(3πμ)と表される(γはジャイロ磁気定数、μは真空の透磁率)、いわゆるスネークの限界があるため、共鳴周波数をGHz帯まで高周波化して低磁気損失を得ることはできない。
かかる技術に関し、例えば、特許文献1には、絶縁材料中に扁平状の微粒子が分散した複合磁性材料が記載されている。また、特許文献2には、本出願人らにより、Co置換型W型六方晶フェライトを主相とする磁性酸化物が、樹脂に分散されて複合化されたことを特徴とする複合磁性材料、及びそれを用いたアンテナが記載されている。
特開2009−249673号公報 特開2010−238748号公報
特許文献1には、パーマロイ粉末をポリオレフィン樹脂中に分散させた複合磁性材料が、1GHzにおいて比透磁率μ=2.71、磁気損失tanδμ=0.027となることが記載されている。これは、パーマロイ粉末を樹脂中に均一に分散させることで、パーマロイ粉末の接触を抑制して、渦電流損失を低減させたものであるが、1GHzよりも高い周波数については磁気損失tanδμの値は過大な値を取り、例えば2GHzにおいては0.1以上の値となる。
一方、特許文献2においては、Co置換型W型六方晶フェライトを主相とする磁性酸化物が樹脂中に分散されて複合化されたことを特徴とする複合磁性材料は、六方晶フェライトの高い結晶磁気異方性を利用することで共鳴周波数が高周波化され、さらに粒子径1μm以下の単磁区粒子とすることで磁壁共鳴に伴う磁気損失tanδμが抑制されて、2GHzにおける磁気損失tanδμの値が0.01と十分に小さい値となる複合磁性材料となることが開示されている。しかしながら、透磁率μ´(複素透磁率の実部)については1.4程度の小さい値であり、上述したアンテナ寸法の小型化を考慮した場合、透磁率の値としてより大きい値が望まれる。
複合磁性材料の透磁率μ´は、複合磁性材料中に含まれる磁性粉の割合を増加させることで大きくすることが可能であるが、特許文献2に記載されているような、シート成形したものを積層、圧着して作製する従来の工法では、シート成形の段階で、保形性の観点からある程度の量の樹脂を含有させる必要があるため、磁性粉の割合を十分に高めることができず、複合磁性材料の透磁率μ´を大きくすることが出来なかった。
そこで、本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、複合磁性材料の透磁率μ´を高めるため、圧粉体を作製し、GHz帯の広帯域に渡って0.01程度の十分小さい磁気損失を維持しつつ、透磁率が、1.4よりも大きい高周波用圧粉体を提供する。さらに、GHz帯の高周波領域で低磁気損失tanδμ、且つ高透磁率μ´であることを要求される電子部品において、この高周波用圧粉体を用いることにより、より高特性な電子部品(例えば、より高放射効率、且つ小型なアンテナ等)を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、Fe及びCoを主成分とし、無機酸化膜で被覆された、特定の粒子形状を有する合金粒子を樹脂と混合し、成形して圧粉体とすることで、上記課題に対する有効な解決手段を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明による高周波用圧粉体は、無機酸化膜で被覆された合金粒子、及び樹脂を混合し、成形して得られる、高周波用圧粉体であって、該無機酸化膜で被覆された合金粒子は、Fe及びCoを主成分とし、3以上60未満の平均アスペクト比を有することを特徴とする。
本発明の高周波用圧粉体においては、合金粒子はFe及びCoを主成分とするため他の金属磁性粒子と比較して飽和磁化を大きくすることができ、自然共鳴周波数を高周波化することが可能となる。さらに、無機酸化膜で被覆された合金粒子の平均アスペクト比は、3以上60未満であり、合金粒子は長軸方向を磁化容易方向とする形状異方性があるため、異方性磁界が増大し、自然共鳴周波数は高周波側へシフトする。自然共鳴周波数以下の周波数においては磁気損失tanδμが十分に抑制されるため、自然共鳴周波数の高周波化は、磁気損失tanδμが小さい値となる周波数範囲の拡大に寄与する。またさらに、合金粒子は無機酸化膜で被覆され、且つ該無機酸化膜で被覆された合金粒子は樹脂によっても被覆されるため、成形した後においても、合金粒子間の直接的な接触が絶たれ、高周波用圧粉体の抵抗率は高い値に保持されるので、渦電流発生に伴う磁気損失tanδμの増加も抑制される。以上の理由から、自然共鳴周波数以下のGHz帯の広帯域に渡って磁気損失tanδμを十分小さい値に保つことが可能となる。
本発明に係る高周波用圧粉体の作製においては、無機酸化膜で被覆された合金粒子と樹脂を混合したものを、成形して圧粉体とするため、従来の複合磁性材料、例えば、シート成形したものを積層、圧着して作製する複合磁性材料と比較して、複合磁性材料中に含まれる合金粒子の割合を高めることができ、その結果、透磁率μ´の値を大きくすることができる。
また、前記高周波用圧粉体においては、無機酸化膜で被覆された合金粒子の平均短軸長は、80nm未満であることが好ましい。無機酸化膜で被覆された合金粒子の平均短軸長を80nm未満とすることで、前記高周波用圧粉体の2GHzにおける磁気損失tanδμを0.01以下の値とすることができ、且つ磁気損失tanδμが小さく低減された周波数範囲をGHz帯のより広帯域に拡大させることが可能となる。
また、前記高周波用圧粉体においては、含有される樹脂の量は、前記無機酸化膜で被覆された合金粒子の質量に対して1.0質量%〜10質量%であることが好ましい。樹脂の量を前記無機酸化膜で被覆された合金粒子に対して1.0質量%〜10質量%とすることで、前記高周波用圧粉体に占める無機酸化膜で被覆された合金粒子の割合を高め、前記高周波用圧粉体の2GHzにおける透磁率μ´を1.7以上の値とすることができる。
またさらに、本発明による電子部品は、本発明による前述の高周波用圧粉体を用いることを特徴とし、例えば、電子機器の高周波ノイズ対策用として用いられるEMIフィルタやコモンモードノイズフィルタ、あるいは無線通信機器に用いられるアンテナ等として電子機器あるいは無線通信機器内で使用される。
本発明によれば、GHz帯の広帯域に渡って十分小さい磁気損失を維持しつつ、透磁率が大きい高周波用圧粉体を提供することができる。したがって、本発明の高周波用圧粉体を高周波用電子部品、例えばアンテナの材料として適用することにより、GHz帯の広い周波数帯域、特に2GHzを使用周波数帯としたアンテナの小型化を実現することが可能となる。
図1は、実施例と比較例における高周波用圧粉体の複素透磁率の実部μ´と磁気損失tanδμの周波数特性を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態(以下実施形態という)について詳細に説明する。なお、下記の実施形態により本発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。
《合金粒子》
本実施形態の合金粒子は、Fe及びCoを主成分とする磁性相を有する粒子である。合金粒子中のCoの含有量は、0より大きく70質量%未満とし、好ましくは3質量%以上60質量%未満とする。合金粒子は、Coを含まない場合容易に酸化するため、安定した磁気特性が得られない。一方、Coの含有量が70質量%以上の場合、合金粒子の透磁率μ´は低下する。この合金粒子に他の元素、例えばV、Cr、Mn、Ni、Cu、Zn、Mg、Ca、Sr、Ba、希土類元素、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Zn、Al、Ga、及びSiなどが含まれていてもよいが、多すぎると飽和磁化が低減され、GHz帯での磁気損失tanδμが増加するため、Fe及びCo以外の元素の含有量は10原子%以下、好ましくは5原子%以下である。
本実施形態の合金粒子は、その表面が無機酸化膜で被覆されたものとする。前記無機酸化膜は、Mg、Ca、Sr、Ba、希土類元素、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Zn、Al、Ga、及びSiから選ばれる少なくとも1つの非磁性金属を含む酸化物であり、無機酸化膜の被覆層の厚さは、0.1nm以上10nm以下とし、好ましくは0.1nm以上4nm以下とする。このような範囲で無機酸化膜を被覆することにより、合金粒子の過剰な酸化を防止でき、飽和磁化の低減を抑制できる。そのような酸化の防止は、大気中での粒子形状の保持に対しても効果的に作用する。
本実施形態の無機酸化膜で被覆された合金粒子の平均アスペクト比は、3以上60未満とする。合金粒子の平均アスペクト比が3未満の場合、異方性磁界低減に伴って、GHz帯以下の低周波から磁気損失tanδμが増加する。一方、合金粒子の平均アスペクト比が60以上の場合についても、GHz帯での磁気損失は増加する。
本実施形態の無機酸化膜で被覆された合金粒子の平均短軸径は、80nm未満であることが好ましい。平均短軸径が80nm以上の場合、それを用いて作製される高周波用圧粉体の自然共鳴周波数が低周波側にシフトし、GHz帯での磁気損失が増加する。
上記合金粒子の製法は、特に限定されず、公知の方法により製造することができる。例えば、オキシ水酸化鉄、または酸化鉄に所定量のCo及び酸化膜被覆用に、Al、希土類等を含有させ、これを加熱還元する方法が好適である。この方法を用いることにより、上述した好ましい組成、無機酸化膜の被覆、平均アスペクト比、及び平均短軸長を有する合金粒子を簡易、且つ低コストで得ることができる。
《高周波用圧粉体》
本実施形態の高周波用圧粉体は、無機酸化膜で被覆された合金粒子の表面がさらに絶縁性樹脂によって被覆されているものとする。かかる無機酸化膜で被覆された合金粒子を用いることにより、粒子間の絶縁性を高め、前記高周波用圧粉体の抵抗率を高い値に保つことができる。そのため、前記高周波用圧粉体の渦電流発生に伴う磁気損失tanδμの増加が抑制され、GHz帯の磁気損失tanδμを低減させることができる。絶縁性樹脂の材料は、特に限定されず、必要とされる特性に応じて適宜選択される。その具体例としては、例えば、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、及びエポキシ樹脂などの絶縁性樹脂が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
絶縁性樹脂の配合量は、使用する無機酸化膜で被覆された合金粒子に対して0.1質量%〜15質量%とし、好ましくは1.0質量%〜10質量%とする。絶縁性樹脂の配合量を上記範囲とすることにより、適度な絶縁性が保たれ、GHz帯での磁気損失tanδμを好適な値とすることができる。
無機酸化膜で被覆された合金粒子と絶縁性樹脂との混合は、加圧ニーダやボールミル等の攪拌機・混合機を用いて行うことが好ましい。混合条件は特に限定されないが、室温で20〜60分間混合することが好ましい。かかる混合条件とすることにより、無機酸化膜で被覆された合金粒子がより効率よく絶縁性樹脂によって被覆される。
無機酸化膜で被覆された合金粒子と絶縁性樹脂との分散性を高める観点から、有機溶媒の存在下で上記の混合工程を行うことが好ましい。具体的な混合条件としては、室温で20〜60分間混合して混合物とし、得られた混合物を50〜100℃程度で10分間〜10時間乾燥し、その後に有機溶媒を揮発又は除去することが好ましい。これにより、無機酸化膜で被覆された合金粒子がより一層効率よく絶縁性樹脂によって被覆される。有機溶媒としては、例えば、鉱物油、合成油、植物油等の油や、アセトン、アルコールといった有機溶媒等が挙げられるが、これらに特に限定されない。
成形工程では、プレス機械の成形金型内に上記の無機酸化膜で被覆された合金粒子と絶縁性樹脂との混合物を充填し、その後、前記混合物に圧縮成形を施すことにより、成形体を得る。この圧縮成形における成形条件は特に限定されず、嵩密度や粘性、所望する高周波用圧粉体の形状、寸法、及び密度等に応じて適宜決定することができる。高周波用圧粉体の成形圧は、特に限定されず、例えば、通常、0.5〜10tonf/cm程度、好ましくは1〜6tonf/cm程度であり、最大圧力に保持する時間は0.1秒間〜1分間程度である。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。表1に、実施例及び比較例に係る磁性粉の種類、Fe及びCoを主成分とする合金粒子中のCoの含有量(原子%)、平均短軸長(nm)、平均アスペクト比、無機酸化膜の厚さ(nm)、無機酸化膜で被覆された合金粒子に対して被覆される樹脂の量(質量%)、無機酸化膜で被覆された合金粒子と樹脂により構成される複合磁性材料の形態、2GHzにおける複素透磁率の実部μ´、及び磁気損失tanδμを示す。
Figure 0006242568
(実施例1〜実施例11、及び比較例1〜比較例6)
合金粒子は、Coを含む針状のα−FeOOHをH中で加熱還元して作製する公知の方法により得た。実施例、及び比較例の中で無機酸化膜を被覆させるものについては、最初にAl(SOの水溶液中にCoを含むα−FeOOHを混合させ、pH調整した後、濾過、乾燥させたものを加熱し、次にそのようにして得られたものをY(NOの水溶液中で混合、乾燥させることで、Al、及びYを無機酸化膜として被覆させた。表1に示したCo量、無機酸化膜で被覆された合金粒子の平均短軸長、及び平均アスペクト比の違いは、表1に示した原子%のCoを含み、且つ平均短軸長、及び平均アスペクト比の異なるα−FeOOHを用いることで得た。
表1に示す磁性粉に対し、アセトン、及び絶縁性樹脂としてエポキシ樹脂を表1に示す質量%添加し、これらをボールミルで60分間混合した後、90℃で60分間乾燥させて混合粉末を得た。
次に、得られた混合粉末を、外径7mm、内径3mm、厚さ2mmのトロイダル形状の成形金型に充填し、2tonf/cmの圧力にて成形して、トロイダル成形体を得た。
(平均短軸長、及び平均アスペクト比)
透過型電子顕微鏡(日本電子(株)製、JEM2000FX)を用いて無機酸化膜で被覆された合金粒子を観察し、粒子の短軸長、及び長軸長を測定した。N=100個について短軸長、及び長軸長の平均値をそれぞれ求めて平均短軸長、及び平均長軸長とし、それを元に平均アスペクト比を計算した。
(複素透磁率測定)
複素透磁率の実部μ‘、虚部μ“、及び磁気損失tanδμは、上述したトロイダル成形体を用いて、ネットワークアナライザ(アジレント・テクノロジー(株)製、HP8510C)を使用した同軸型Sパラメーター法により測定した。
表1の結果から分かるように、実施例1〜実施例10、参考例1に係る高周波用圧粉体は、いずれも無機酸化膜が被覆された、Fe、及びCoを主成分とする、平均アスペクト比3以上60未満の合金粒子に、10質量%〜15質量%の樹脂を含み、成形して得られた高周波用圧粉体であり、2GHzにおける磁気損失tanδμが0.02以下で、且つ2GHzにおける複素透磁率の実部μ´が1.5以上となる。
実施例1〜実施例9に係る高周波用圧粉体は、2GHzにおける磁気損失tanδμが0.01以下となり、磁気損失tanδμの値は実施例10に係る高周波用圧粉体の0.02よりも小さい値となる。これは実施例1〜実施例9の高周波用圧粉体においては、無機酸化膜で被覆された合金粒子の平均短軸長が80nm未満であり、磁気損失tanδμが、実施例4の高周波用圧粉体について図1に示したように、GHz帯の広帯域に渡って小さい値となるのに対して、参考例1の高周波用圧粉体においては、無機酸化膜で被覆された合金粒子の平均短軸長が80nm以上であるため、自然共鳴周波数がより低周波側にシフトすることに伴って、2GHzにおける磁気損失tanδμが増加したことが原因と考えられる。
さらに、実施例1〜実施例9に係る高周波用圧粉体は、2GHzにおける複素透磁率の実部μ´が1.7となり、複素透磁率の実部μ´の値は実施例10に係る高周波用圧粉体の1.5よりも大きい値となる。これは実施例1〜実施例9の高周波用圧粉体においては、混合された樹脂の割合が1.0質量%〜9.0質量%であるのに対して、実施例10の高周波用圧粉体においては、混合された樹脂の割合が15質量%と多いため、高周波用圧粉体に含有される無機酸化膜で被覆された合金粒子の割合が低下することで、2GHzにおける複素透磁率の実部μ´が減少したことが原因と考えられる。
比較例1に係る高周波用圧粉体は、2GHzにおける磁気損失tanδμが0.07となり、磁気損失tanδμの値は十分に小さいとは言えない。比較例1に係る高周波用圧粉体で磁気損失tanδμが大きくなったのは、磁性粉がFeであるため、飽和磁化の値が小さいことが原因であると考えられる。これに対して、実施例1〜実施例10、参考例1に係る高周波用圧粉体は、磁性粉として無機酸化膜で被覆されたFe、及びCoを主成分とする合金粒子を用いているため、Feと比較して飽和磁化の値が大きく、自然共鳴周波数がより高周波側にあることから、2GHzにおける磁気損失tanδμが0.02以下になったと考えられる。
比較例2に係る高周波用圧粉体は、図1に示したように、2GHzにおける磁気損失tanδμが0.05となり、磁気損失tanδμの値は十分に小さいとは言えない。比較例2に係る高周波用圧粉体で磁気損失tanδμが大きくなったのは、無機酸化膜で被覆されたFe、及びCoを主成分とする軟磁性合金粉の平均アスペクト比が、3未満であることが原因であると考えられる。これに対して、実施例1〜実施例10、参考例1に係る高周波用圧粉体の平均アスペクト比は3以上60未満であるため、平均アスペクト比3未満の場合と比較して、異方性磁界が大きく、GHz帯での磁気損失tanδμが低減され、2GHzにおける磁気損失tanδμが0.02以下になったと考えられる。
比較例3に係る高周波用圧粉体は、2GHzにおける磁気損失tanδμが0.03となり、磁気損失tanδμの値は十分に小さいとは言えない。比較例3に係る高周波用圧粉体で磁気損失tanδμが大きくなったのは、無機酸化膜で被覆されたFe、及びCoを主成分とする合金粒子の平均アスペクト比が、60以上であることが原因であると考えられる。これに対して、実施例1〜実施例10、参考例1に係る高周波用圧粉体の平均アスペクト比は3以上60未満であるため、粒子形状が自然共鳴周波数の高周波化に好適に作用することにより、2GHzにおける磁気損失tanδμが0.02以下になったと考えられる。
比較例4に係る高周波用圧粉体は、2GHzにおける磁気損失tanδμが0.73となり、磁気損失tanδμは過大な値となった。比較例4に係る高周波用圧粉体で磁気損失tanδμが過大な値となったのは、Fe、及びCoを主成分とする合金粒子に無機酸化膜が被覆されていないため、合金粒子作製時に粒子の平均アスペクト比を3以上60未満に保つことができず不定形状となり、さらに粗大化したことが原因であると考えられる。これに対して、実施例1〜実施例10、参考例1に係る高周波用圧粉体は、合金粒子に無機酸化膜が被覆されることで平均アスペクト比が3以上60未満に保たれ、自然共鳴周波数が高周波側にあることから、2GHzにおける磁気損失tanδμが0.02以下になったと考えられる。
比較例5に係る高周波用圧粉体は、2GHzにおける磁気損失tanδμが13となり、磁気損失tanδμは過大な値となった。比較例5に係る高周波用圧粉体で磁気損失tanδμが過大な値となったのは、高周波用圧粉体に樹脂が含有されていないため、無機酸化膜で被覆された合金粒子の粒子間の絶縁が確保されず、高周波用圧粉体の抵抗率が低下し、渦電流損失が増大したことが原因であると考えられる。これに対して、実施例1〜実施例10、参考例1に係る高周波用圧粉体は、無機酸化膜で被覆された合金粒子がさらに樹脂で被覆されることで粒子間の絶縁性が保たれ、高周波用圧粉体の抵抗率が高い値に保持されることから、渦電流損失の発生は抑制され、2GHzにおける磁気損失tanδμが0.02以下になったと考えられる。
比較例6に係るサンプルは、2GHzにおける磁気損失tanδμは0.01以下と十分に小さいものの、2GHzにおける複素透磁率の実部μ´が1.3と小さい値となり、複素透磁率の実部μ´は特許文献2に記載されている従来材と比較して大きいとは言えない。比較例6に係るサンプルで複素透磁率の実部μ´が小さい値となったのは、サンプルの形態が圧粉体ではなく、シート成形したものを積層、圧着して作製した複合磁性材料であるため、複合磁性材料に占める無機酸化膜で被覆された合金粒子の割合を増加させることができなかったことが原因であると考えられる。これに対して、実施例1〜実施例10、参考例1に係る高周波用圧粉体は、サンプルの形態が樹脂を含有した圧粉体であるため、高周波用圧粉体に占める無機酸化膜で被覆された合金粉の割合を増加させることができ、2GHzにおける複素透磁率の実部μ´が1.5以上になったと考えられる。
(アンテナ特性)
高周波用圧粉体を電子部品に適用する一例として、実施例2の高周波用圧粉体について、アンテナ特性を評価した。磁性体アンテナは、実施例2の高周波用圧粉体、導体、及び導体と電気的に接続される給電端子から構成される。磁性体アンテナの形状は、10mm×10mm×10mmの立方体であり、矩形形状をした基板上の短辺側端部側に配置されて、給電端子を介して導体に電気的エネルギーが供給される。磁性体アンテナの放射効率は、小型3D放射指向性測定器(SATIMO社製、STARLAB)を用いて測定した。測定の結果、2GHzを中心として放射効率が60%以上となる周波数範囲は216MHzとなり、実施例2の高周波用圧粉体が、磁性体アンテナ用の複合磁性材料として広帯域で有効に用いることができることを確認した。

Claims (4)

  1. 無機酸化膜で被覆された合金粒子、及び樹脂を有する、高周波用圧粉体において、該無機酸化膜で被覆された合金粒子は、Fe及びCoを主成分とし、3以上60未満の平均アスペクト比を有し、
    前記無機酸化膜で被覆された合金粒子の平均短軸長が、21nm以上80nm未満であり、
    前記無機酸化膜は、Mg、Ca、Sr、Ba、希土類元素、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Zn、Al、Ga、及びSiから選ばれる少なくとも1つの非磁性金属を含む酸化物であることを特徴とする、高周波用圧粉体。
  2. 請求項1に記載の高周波用圧粉体であって、2GHzにおける磁気損失tanδ μ が、0.01以下であることを特徴とする、請求項1に記載の高周波圧粉体。
  3. 前記樹脂の含有量が、前記無機酸化膜で被覆された合金粒子に対し、1.0質量%以上10質量%以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の高周波用圧粉体。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の高周波用圧粉体を有することを特徴とする電子部品。
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