JP6238667B2 - 床用目地装置 - Google Patents

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本発明は目地部を介して設けられた左右の床躯体間の目地部を、車両等の通行が可能に覆う床用目地装置に関する。
従来、この種の床用目地装置は一方の床躯体の目地部側に反目地部側が傾斜面に形成された目地プレートスライド支持凹部と、この目地プレートスライド支持凹部と対向する他方の床躯体の目地部側に形成された目地プレート支持凹部と、この目地プレート支持凹部に形成された係合ピンと係合して、該目地プレート支持凹部に後端部が支持され、先端部が前記目地プレートスライド支持凹部を覆うように支持された目地プレートで構成されている。
しかしながら、目地プレート上を車両等が走行する場所では400kg〜500kgもの目地プレートが使用されている。
このような重量のある目地プレートでは、地震で目地部が狭くなったり、広くなるように左右の床躯体が揺れ動くと、目地部が狭くなる場合には目地プレートを他方の床躯体で押すためそれほど問題が生じないが、目地部が広くなる場合、重量のある目地プレートを係合ピンで引張る状態となり、大きな荷重が係合ピンにだけかかり、損傷しやすいという欠点があった。
特許第4969551号公報 特許第4907474号公報
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、車両等が走行する場所で使用される目地プレートで、地震で左右の床躯体の目地部が狭くなったり、広くなったりするように揺れ動いても、該目地プレートを支持している係合ピンに大きな荷重が加わったり、損傷したりするのを確実に防止することができ、かつ地震時に重量のある目地プレートをスムーズに移動させることができる床用目地装置を提供することを目的としている。
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
上記目的を達成するために、本発明は目地部を介して設けられた左右の床躯体の、一方の床躯体の目地部側の床面に反目地部側が傾斜面に形成された目地プレートスライド支持凹部と、この目地プレートスライド支持凹部と対向する他方の床躯体の目地部側の床面に形成された目地プレート支持凹部と、この目地プレート支持凹部に設けられた少なくとも一対の係合ピンに後端部の係合ピン収納ボックスが係合して、該目地プレート支持凹部に支持されるとともに、先端部が前記目地プレートスライド支持凹部を覆うように支持された目地プレートと、前記他方の床躯体の目地プレート支持凹部の内底面より上面が下部に位置するように、該他方の床躯体の目地部側に固定された少なくとも一対の係合筒と、この少なくとも一対の係合筒とそれぞれ前記目地プレートの先端部が地震で目地部が狭くなって上方へ回動しても係合状態を保ち、かつ目地部が広くなるように左右の床躯体が動く場合には、前記一対の係合筒と係合し、前記目地プレートを引張ることができるように、目地プレートの後端部寄りの底面に設けられた少なくとも一対の係合片とで床用目地装置を構成している。
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
(1)請求項1により、地震で目地部が狭くなり、目地プレートの先端部が一方の床躯体上に乗り上がった後に、目地部が広くなり、元の位置に戻る場合、他方の床躯体の目地部側に固定された少なくとも一対の係合筒に係合している少なくとも一対の係合片によって、目地プレートを元の位置へ戻すことができる。
したがって、少なくとも一対の係合ピンに大きな荷重が加わることなく、目地プレートを元の位置に戻すことができ、少なくとも一対の係合ピンの損傷を効率よく阻止することができる。
(2)前記(1)により、地震で目地部が狭くなる場合には、目地プレートの後端部を目地プレート支持凹部の壁面によって押せるように、少なくとも一対の係合ピンと係合ピン収納ボックスを配置することにより、少なくとも一対の係合ピンに大きな荷重が加わるのを防止できる。
(3)前記(1)により、目地プレートを係合ピン収納ボックスと係合ピンおよび係合片と係合筒で保持しているので、一方が損傷したとしても、他方で安全に目地プレートをスライド移動させることができる。
(4)請求項2も前記(1)〜(3)と同様な効果が得られるとともに、目地プレートを元に戻す場合、少なくとも一対の係合片の下端部が少なくとも一対の係合筒の内壁面と接触するので、目地プレートの先端部を下方へ位置させるような力が作用し、安全に目地プレートをスライド移動させることができる。
本発明を実施するための第1の形態の平面図。 図1の2−2線に沿う断面図。 図1の3−3線に沿う断面図。 本発明を実施するための第1の形態の目地プレートの説明図。 本発明を実施するための第1の形態の地震で目地部が狭くなった状態の動作説明図。 本発明を実施するための第1の形態の地震で目地部が狭くなった状態から広くなる動作説明図。 本発明を実施するための第1の形態の地震で目地部が広くなった状態の動作説明図。 本発明を実施するための第2の形態の平面図。 図8の9−9線に沿う断面図。 図8の10−10線に沿う断面図。 本発明を実施するための第3の形態の平面図。 図11の12−12線に沿う断面図。 本発明を実施するための第3の形態の下地レールの説明図。
以下、図面に示す本発明を実施するための形態により、本発明を詳細に説明する。
図1ないし図7に示す本発明を実施するための第1の形態において、1は目地部2を介して設けられた左右の床躯体3、3間を車両が走行できるように覆う本発明の床用目地装置で、この床用目地装置1は前記左右の床躯体3、3の、一方の床躯体3の目地部2側の床面3aに反目地部側が傾斜面4に形成された目地プレートスライド支持凹部5と、この目地プレートスライド支持凹部5を必要に応じて覆うアルミ、アルミ合金、ステンレス合金等の金属材で形成された下地カバー6と、前記目地プレートスライド支持凹部5と対向する他方の床躯体3の目地部2側の床面3aに形成された目地プレート支持凹部7と、この目地プレート支持凹部7を必要に応じて覆うアルミ、アルミ合金、ステンレス合金等の金属材で形成された下地レール8と、前記目地プレート支持凹部7あるいは下地レール8に後端部が支持され、先端部が前記目地プレートスライド支持凹部5あるいは前記下地カバー6を覆うように取付けられた目地プレート9と、この目地プレート9の後部両側に設けられた下端部が開口する係合ピン収納ボックス10、10と、この係合ピン収納ボックス10、10内に、通常の前記目地プレート9の移動時には接触しないように前記目地プレート支持凹部7あるいは前記下地レール8に固定された係合ピン11、11と、前記他方の床躯体3の目地プレート支持凹部7あるいは下地レール8の内底面8aより上面13aが下部に位置するように、該他方の床躯体3の目地部2側に複数本のタッピングビス12等で固定された少なくとも一対の係合筒13、13と、この少なくとも一対の係合筒13、13とそれぞれ前記目地プレート9の先端部が、地震で目地部2が狭くなって上方へ回動しても係合状態を保ち、目地部2が広くなるように左右の床躯体3、3が動く場合には、該目地プレート9を引張ることができるように、目地プレート9の後端部寄りの底面に設けられた少なくとも一対の係合片14、14とで構成されている。
前記目地プレート9は図3に示すように、金属材で浅皿状に形成された目地プレート本体15と、この目地プレート本体15の後端両側部内に設けられた係合ピン収納ボックス10、10と、この係合ピン収納ボックス10、10内に係合ピン11、11を挿入できるように、前記目地プレート本体15に形成された開口16、16と、前記目地プレート本体15内に充填されたモルタルあるいはコンクリート17と、このモルタルあるいはコンクリート17の上面を覆うように設けられた床タイルやレンガ等の床化粧板18と、前記目地プレート本体15の前端上部にヒンジ部材19を介して設けられたカバープレート20と、前記目地プレート本体15の後端部寄りの底面に溶接等で固定された先端部が円弧状で、下部側で前記係合筒13の内壁面13bと接触できるこぶ21に形成された一対の係合片14、14とで構成されている。
上記構成の床用目地装置1は、通常時には図1および図2に示すように左右の床躯体3、3の床面3a、3aと目地プレート9の上面9aとはほぼ同一面で、車両等の走行をスムーズに行なうことができる。
地震で左右の床躯体3、3が揺れ動き、目地部2が広くなると少なくとも一対の係合片14、14が少なくとも一対の係合筒13、13と係合して目地プレート9が他方の床躯体3と一体となって、目地プレート9の先端部側を目地プレートスライド支持凹部5あるいは下地カバー6上をスライド移動して、その揺れ動きを吸収する。
この時、少なくとも一対の係合ピン11、11は係合ピン収納ボックス10、10とは接触しない状態になっている。
また、地震で左右の床躯体3、3が揺れ動き、目地部2が狭くなると、目地プレート9の後端部は目地プレート支持凹部7の壁面7aと接触して、目地プレート9の先端部を傾斜面4に沿って上方へ回動しながら前方へ押し出される。
この時、少なくとも一対の係合筒13、13の内壁面13b、13bに接触することなく、少なくとも一対の係合片14、14は上方へ回動しながら移動するが、該係合片14、14が係合筒13、13より外れることがない
このような状態から目地部2が広くなると、他方の床躯体3側へ目地プレート9を引張るようになるが、この時、一対の係合筒13、13の内壁面13a、13aに一対の係合片14、14が当接して、目地プレート9を他方の床躯体3方向へ先端部をスライド移動させる。
この時には、前述と同様に一対の係合ピン11、11は係合ピン収納ボックス10、10とは接触しない状態になっている。
[発明を実施するための異なる形態]
次に、図8ないし図13に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
図8ないし図10に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、目地プレート9の後端部寄りの底面へ中央部と両側部寄りの部位とに3個の係合片14、14、14を固定するとともに、該係合片14、14、14と係合する係合筒13、13、13を他方の床躯体3の目地部側に固定した点で、このように構成した床用目地装置1Aにしても、前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られる。
図11ないし図13に示す本発明を実施するための第3の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、下地レール8に一体あるいは固定状態で係合筒13、13を固定したものを用いた点で、このように構成した床用目地装置1Bにしても、前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られる。
なお、前記本発明を実施するための各形態では、2個の係合ピンと係合ピン収納ボックスを用いたものについて説明したが、本発明はこれに限らず、3個、4個の係合ピンと係合ピン収納ボックスを用いてもよい。
また、2個あるいは3個の係合筒と係合片を用いるものについて説明したが、本発明はこれに限らず、4個の係合筒と係合片を用いたものであってもよい。
本発明は目地部を介して設けられた左右の床躯体間の目地部を、車両等の通行が可能に覆う床用目地装置を製造する産業で利用される。
1、1A、1B:床用目地装置、2:目地部、
3:床躯体、 4:傾斜面、
5:目地プレートスライド支持凹部、
6:下地カバー、 7:目地プレート支持凹部、
8:下地レール、 9:目地プレート、
10:係合ピン収納ボックス、 11:係合ピン、
12:タッピングビス 13:係合筒、
14:係合片、 15:目地プレート本体、
16:開口、
17:モルタルあるいはコンクリート、
18:床化粧板、 19:ヒンジ部材、
20:カバープレート、 21:こぶ。

Claims (2)

  1. 目地部を介して設けられた左右の床躯体の、一方の床躯体の目地部側の床面に反目地部側が傾斜面に形成された目地プレートスライド支持凹部と、この目地プレートスライド支持凹部と対向する他方の床躯体の目地部側の床面に形成された目地プレート支持凹部と、この目地プレート支持凹部に設けられた少なくとも一対の係合ピンに後端部の係合ピン収納ボックスが係合して、該目地プレート支持凹部に支持されるとともに、先端部が前記目地プレートスライド支持凹部を覆うように支持された目地プレートと、前記他方の床躯体の目地プレート支持凹部の内底面より上面が下部に位置するように、該他方の床躯体の目地部側に固定された少なくとも一対の係合筒と、この少なくとも一対の係合筒とそれぞれ前記目地プレートの先端部が地震で目地部が狭くなって上方へ回動しても係合状態を保ち、かつ目地部が広くなるように左右の床躯体が動く場合には、前記一対の係合筒と係合し、前記目地プレートを引張ることができるように、目地プレートの後端部寄りの底面に設けられた少なくとも一対の係合片とからなることを特徴とする床用目地装置。
  2. 少なくとも一対の係合片は先端部の下端部が、少なくとも一対の係合筒の内壁面と通常時には接触しない円弧形状に形成され、目地部が狭くなると先端部の下部側が、該少なくとも一対の係合筒の上部側の内壁面と接触するように形成されていることを特徴とする請求項1記載の床用目地装置。
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