JP6238405B2 - 吸収性物品の製造方法 - Google Patents
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Description
吸収体の良否判定を実施する従来方法としては、吸収体を撮像した吸収体画像を二値化して形状を検査する方法(例えば、特許文献1参照。)がある。また、吸収性物品を構成する部材に含まれる蛍光物質の蛍光発光を利用して検査する技術(例えば、特許文献2参照。)が提案されている。さらに、吸収体の撮影画像を画像処理して、吸収性本体の角部の折れ曲がりや、弾性部材の配置の偏り、よれ、切断等の不良を判定する方法(例えば、特許文献3参照。)が提案されている。これらの方法は、吸収体の有無の判定や形状の検査を行う検査方法である。
本発明は、吸収体の坪量をインライン上で測定することが可能な吸収性物品の製造方法に関する。
上記照明部121と撮像部122を設置する位置は、例えば、コンベア(例えば、バキュームコンベア)111上に供給された台紙50上に積繊機101から吸収体10を供給した後から、吸収体10を包むように台紙50を折る台紙折り部112に達する前までの間が好ましい。例えば、吸収体10の照明にコンベア111の影響を受けないコンベア111と台紙折り部112との間に配することが好ましい。この間は、照明光Lで1枚の台紙50と1枚の吸収体10を透過照明した吸収体10(台紙50も含む)以外は撮像部122に撮影されない領域となっている。台紙折り部112より下流側では、台紙50が折られるため、吸収体10を透過した光に台紙50を折った部分が影となって影響がでる可能性があるため、好ましくない。一方コンベア111上ではコンベア111が撮像され、好ましくない。
そして得られた吸収体の画像に上記検査領域11を当てはめて、得られた画像の検査領域11F、11C、11R毎に吸収体10の濃度を測定する(S4)。
このようにして、吸収体坪量をインライン上で測定することが可能になる。
判定の結果、基準平均濃度値Xが上限値Yより大きい、X>Yなる関係、または下限値Z未満である、X<Zなる関係の場合、その吸収体は不良品として製品を排出し、次の吸収体の検査を指示する(S7)。製品の排出については、排出する製品の吸収体を登録しておき、後の工程の不良製品排出時に排出登録しておいた吸収体を含む製品を排出することができる。
判定の結果、基準平均濃度値Xが、上限値Y以下であり下限値Z以上であるZ≦X≦Yなる関係の場合、その吸収体を次の工程に送り、次の吸収体の検査を指示する(S8)。
次の吸収体の検査を指示した場合、再び、次の吸収体を撮像(S3)し、以下、上記同様に検査を行う。なお、図示はしていないが、次の吸収体の検査に移行する際に、次に検査する吸収体の有無の判定を行うのが好ましい。そして検査をする次の吸収体がない場合には、検査フローを終了する。
図6に示すように、検査する吸収体のマスター画像を登録する(S1)。すなわち、検査する吸収体の基準となる吸収体の形状や溝部の位置等を登録する。
そして得られた吸収体の画像に上記検査領域11を当てはめて、検査領域11F1、11F2、11C1、11C2、11R1、11R2毎に吸収体10の濃度を測定する(S4)。
図8(a)に示すように、非溝部12は、吸収体10の肉厚が溝底部の溝部13より厚くなっているので透過照明光が溝部13より弱く受光されるため、暗く撮像される。したがって、図8(b)に示すように、基準平均濃度値Xより暗い領域が非溝部12となる。そして、図8(b)の左側部分の拡大図(d)に示すように、基準平均濃度値Xよい暗い領域の平均濃度を非溝部の基準平均濃度値Xaとして求める(S12)。
一方、溝部13は、吸収体の肉厚が薄くなっているので透過照明光が強く受光されるため、明るく撮像される。したがって、基準平均濃度値Xより明るい領域が溝部13となる。ここで、非溝部12と溝部13とを明確に区画するため、基準平均濃度(階調)値Xにα階調を加算する。この加算処理を行わない場合は、図8(a)に示すように、溝部13の輪郭がぼやけた状態になり、非溝部12と溝部13とを区画することが困難になる。そこでぼやけた部分を明確化するために5階調から10階調分のαを加算する。αの値は、実験等によって、予め求めておくことが好ましい。その結果、図8(c)に示すように、非溝部12と溝部13とが明確になる。そして、図8(b)の右側部分の拡大図(e)に示すように、X+αより明るい領域の平均濃度を溝部の基準平均濃度値Xbとして求める(S13)。
例えば、図9に示すように、試料1から試料6の順に、吸収体坪量を多くした試料を用意し、上記検査方法によって各吸収体坪量を求めた。その結果を表1に示す。
判定の結果、基準平均濃度値Xaが、上限値Yaより大きいまたは下限値Zaより小さい場合、その吸収体は不良品として製品を排出し、次の吸収体の検査を指示する(S16)。製品の排出については、排出する製品(吸収体)を登録しておき、後の工程の不良製品排出時に排出登録しておいた吸収体を含む製品を排出することができる。
判定の結果、基準平均濃度値Xaが、上限値Y以下、下限値Z以上の場合、その吸収体を次の工程に送り、次の吸収体の検査を指示する(S17)。
次の吸収体の検査を指示した場合、再び、吸収体を撮像する(S3)で、次の吸収体を撮像し、以下、上記同様に検査を行う。なお、図示はしていないが、次の吸収体の検査に移行する際に、次に検査する吸収体の有無の判定を行うのが好ましい。そして検査をする次の吸収体がない場合には、検査フローを終了する。
判定の結果、基準平均濃度値Xbが、上限値Ybより大きいまたは下限値Zbより小さい場合、その吸収体は不良品として製品を排出し、次の吸収体の検査に移行する(S16)。製品の排出については、排出する製品(吸収体)を登録しておき、後の工程の不良製品排出時に排出登録しておいた吸収体を含む製品を排出することができる。
判定の結果、基準平均濃度値Xbが、上限値Yb以下で下限値Zb以上の場合、その吸収体を次の工程に送り、次の吸収体の検査に移行する(S19)。
次の吸収体の検査に移行した場合、再び、吸収体を撮像する(S3)で、次の吸収体を撮像し、以下、上記同様に検査を行う。なお、図示はしていないが、次の吸収体の検査に移行する際に、次に検査する吸収体の有無の判定を行うのが好ましい。そして検査をする次の吸収体がない場合には、検査フローを終了する。
このようにして、吸収体坪量をインライン上で測定することが可能になる。
上記低坪量部、中坪量部、高坪量部は相対的な坪量の差であり、各坪量部が、それぞれある一定の範囲の坪量でなくともよい。あくまでも、各坪量部間における坪量が多いか、少ないかの相対的な関係である。
上記検査領域11aから11kの設定は、上記区分に限定されることはなく、区分数を少なくしても、さらに細分化してもよい。なお、坪量が同等の領域が隣り合っている場合は隣り合う検査領域の一部が重なり、隣の領域の坪量が異なる坪量領域の場合は隣り合う検査領域が重ならない。
なお、検査領域の吸収体に溝部を有する場合には、前記図6によって説明した検査フローに基づいて、対象となる検査領域の検査を行えばよい。
このようにして、吸収体坪量をインライン上で測定することが可能になる。
溝14の深さDが100%未満の場合には溝14の側部に複数の吸収体ブロック15が分立され、その溝14の底部に吸収体10の一部が残される。この場合、複数の吸収体ブロック15同士は、溝14の底部に存する吸収体10B(溝部12)によって繋がっている。一方、溝14の深さDが吸収体10の厚さTの100%の場合には吸収体10は溝14によって複数の吸収体ブロックに分離される。
このようにして、吸収体坪量をインライン上で測定することが可能になる。
そのような性能を有するシートとしては、例えば親水性を有する繊維を含むか、もしくは親水性油剤等で処理した繊維を含む不織布やフィルム、または多孔質体等が挙げられる。台紙の繊維の例として、(1)針葉樹クラフトパルプ、広葉樹クラフトパルプ等の木材パルプや木綿パルプ、ワラパルプ等の非木材パルプ等の天然セルロース繊維、(2)レーヨン、キュプラ等の再生セルロース繊維、(3)ポリビニルアルコール繊維、ポリアクリロニトリル繊維等の親水性合成繊維、(4)ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、ポリエチレン(PE)繊維、ポリプロピレン(PP)繊維、ポリエステル繊維等の合成繊維を界面活性剤により親水化処理したもの等が挙げられ、これらの1種を単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
台紙50は、図示していない表面シートと吸収体10の間のみに配されてもよいし、吸収体10と図示していない裏面シートとの間に配されていてもよく、また、吸収体10を包むように配されていてもよい。
吸収性物品の吸収体を積繊により製造する加工機から搬出された吸収体を、搬送ライン上で、前記吸収体を透過する透過照明光を照射して撮像する工程と、前記吸収体の撮影画像に少なくとも1つ以上の検査領域を設定し、該検査領域毎に吸収体濃度を測定する工程と、前記各検査領域で測定した吸収体濃度から、予め測定しておいた吸収体濃度と吸収体坪量との相関関係に基づいて各検査領域の吸収体坪量を求める工程と、前記各検査領域の吸収体坪量と当該検査領域の規定坪量とを比較して前記吸収体の良否を判断する工程とを有する吸収性物品の製造方法。
<2>
前記吸収体は溝が配された吸収体であり、前記検査領域内の前記吸収体濃度の平均を基準値として、前記基準値を境に吸収体濃度が濃い方を溝部、該基準値から一定量の吸収体濃度を加算した値を非溝部として区別し、溝部のみの吸収体濃度と、非溝部のみの吸収体濃度を求めることで、溝部の吸収体坪量と非溝部の吸収体坪量を求める<1>に記載の吸収性物品の製造方法。
<3>
前記非溝部の場合、予め、記憶装置に記憶しておいた各検査領域の規定濃度の上限値Ya、下限値Zaを参照して、基準平均濃度値Xaが規定濃度の上限値Yaと下限値Zaとの間にあるか否かを調べ、製品の良否を判定する<2>に記載の吸収性物品の製造方法。
<4>
前記溝部の場合、予め、記憶装置に記憶しておいた各検査領域の規定濃度の上限値Yb、下限値Zbをして、基準平均濃度値Xbが規定濃度の上限値Ybと下限値Zbとの間にあるか否かを調べ、製品の良否を判定する<2>または<3>に記載の吸収性物品の製造方法。
<5>
前記判定の結果、基準平均濃度値Xbが、上限値Ybより大きいまたは下限値Zbより小さい場合、その吸収体は不良品として製品を排出し、次の吸収体の検査に移行する<4>に記載の吸収性物品の製造方法。
<6>
前記吸収体は、坪量の異なる領域を有する吸収体であり、前記検査領域の設定において、前記吸収体坪量が異なる領域の形状に沿って前記検査領域を設定する<1>から<5>のいずれか1に記載の吸収性物品の製造方法。
<7>
前記吸収体の良否を判断する工程で、規定坪量から外れた吸収体を後工程の排出機構にて排除する<1>から<6>のいずれか1に記載の吸収性物品の製造方法。
<8>
前記吸収体は、透過照明光が透過する材料で作製されている<1>から<7>のいずれか1に記載の吸収性物品の製造方法。
<9>
前記吸収体は、前記積繊により製造する加工機でパルプとともに吸収性ポリマーを堆積して作製する<1>から<8>のいずれか1に記載の吸収性物品の製造方法。
<10>
前記搬送ライン上に供給されて搬送される前記吸収体に対して、前記搬送ライン上に配された照明部から照明光を照射し、前記搬送ラインを挟んで前記照明部に対向する位置に配された撮像部で、前記吸収体を透過した透過照明光を受光して撮像する<1>から<9>のいずれか1に記載の吸収性物品の製造方法。
<11>
前記照明部と前記撮像部を設置する位置は、前記搬送ライン(例えば、バキュームコンベア)上に供給された台紙上に前記積繊により製造する加工機から前記吸収体を供給した後から、前記吸収体を包むように前記台紙を折る台紙折り部に達する前までの間である<10>に記載の吸収性物品の製造方法。
<12>
前記照明部の照度は、前記吸収体および前記台紙を透過する照度である<10>または<11>に記載の吸収性物品の製造方法。
<13>
前記撮像部は、画像処理しやすくするために、撮像素子を有する撮像装置を用いる<10>から<12>のいずれか1に記載の吸収性物品の製造方法。
<14>
前記吸収体の基準となる吸収体の形状を登録したマスター画像に対して複数の前記検査領域を設定する場合は、隣り合う検出領域同士が重なっている<1>から<13>のいずれか1に記載の吸収性物品の製造方法。
<15>
吸収体濃度と吸収体坪量の関係は、一次関数に近似され、濃度が高くなると吸収体坪量が減少し、濃度が低くなると吸収体坪量が増大する<1>から<14>のいずれか1に記載の吸収性物品の製造方法。
<16>
検査する吸収体の基準となる吸収体の外形状、吸収体坪量の異なる領域の形状等を吸収体のマスター画像として登録する<1>から<15>のいずれか1に記載の吸収性物品の製造方法。
<17>
前記検査領域の設定は、吸収体坪量が同等の領域が隣り合っている場合は隣り合う検査領域の一部が重なる<1>から<16>のいずれか1に記載の吸収性物品の製造方法。
<18>
前記検査領域の設定は、隣の領域の吸収体坪量が異なる坪量領域の場合は隣り合う検査領域が重ならない<1>から<16>のいずれか1に記載の吸収性物品の製造方法。
<19>
前記吸収体は、その一面側に溝を有している<1>から<17>のいずれか1に記載の吸収性物品の製造方法。
<20>
前記溝は、前記吸収体の長手方向(Y方向)に複数本の縦溝を有し、長手方向と直交する幅方向(X方向)に複数本の横溝を有する<19>に記載の吸収性物品の製造方法。
<21>
前記吸収体に吸収性ポリマーが含まれている場合、前記吸収体の質量に占める吸収性ポリマーの割合は、5質量%以上95質量%以下が好ましい<1>から<20>のいずれか1に記載の吸収性物品の製造方法。
<22>
前記吸収体の質量に占める前記吸収性ポリマーの割合は、生理用ナプキンや軽失禁などの低排せつ量の液を吸収する物品の場合では10質量%以上30質量%以下が好ましい<21>に記載の吸収性物品の製造方法
<23>
前記吸収体の質量に占める吸収性ポリマーの割合は、おむつなどの高排せつ量の液を吸収する物品の場合では50質量%以上80質量%以下である<21>に記載の吸収性物品の製造方法。
11 検査領域
12 溝部
13 非溝部
14 溝
15 吸収体ブロック
21 パルプ
22 吸収性ポリマー
101 加工機(積繊機)
102 ダクト
110 搬送ライン
111 コンベア
112 台紙折り部
121 照明部
122 撮像部
L 照明光
Lt 透過照明光
Claims (3)
- 吸収性物品の吸収体を積繊により製造する加工機から搬出された吸収体を、搬送ライン上で、前記吸収体を透過する透過照明光を照射して撮像する工程と、
前記吸収体の撮影画像に少なくとも1つ以上の検査領域を設定し、該検査領域毎に吸収体濃度を測定する工程と、
前記各検査領域で測定した吸収体濃度から、予め測定しておいた吸収体濃度と吸収体坪量との相関関係に基づいて各検査領域の吸収体坪量を求める工程と、
前記各検査領域の吸収体坪量と当該検査領域の規定坪量とを比較して前記吸収体の良否を判断する工程とを有し、
前記吸収体は溝が配された吸収体であり、
前記検査領域内の前記吸収体濃度の平均を基準値として、該基準値を境に吸収体濃度が濃い方を溝部、該基準値から一定量の吸収体濃度を加算した値を非溝部として区別し、該溝部の吸収体濃度と、該非溝部の吸収体濃度とを求めることで、該溝部の吸収体坪量と該非溝部の吸収体坪量を求める吸収性物品の製造方法。 - 前記吸収体は、吸収体坪量の異なる領域を有する吸収体であり、
前記検査領域の設定において、前記吸収体坪量が異なる領域の形状に沿って前記検査領域を設定する請求項1に記載の吸収性物品の製造方法。 - 前記吸収体の良否を判断する工程で、規定坪量から外れた吸収体を後工程の排出機構にて排除する請求項1又は2に記載の吸収性物品の製造方法。
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