JP2020081757A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、保水性繊維による表面シートの肌触り、及び体液吸収性を良好に維持しつつ、リウェット防止性能に優れ、抗菌性に優れた吸収性物品を提供することを目的とする。【解決手段】本発明は、表面シート2が、肌側面を構成する第1繊維層2aと、第1繊維層の非肌側に隣接するとともに、非肌側面を構成する第2繊維層2bと、を備え、第1繊維層2a及び第2繊維層2bのそれぞれが、保水性繊維を含み、第2繊維層2bにおける、保水性繊維中の高分子フェノール化合物の含有量が、第1繊維層2aにおける、保水性繊維中の高分子フェノール化合物の含有量に比較して多い、吸収性物品を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、吸収性物品に関する。
吸収性物品の表面シートとして、コットン繊維のような、水分を吸収して保持する保水性繊維を含むシートが知られている。
例えば特許文献1には、表面シートとして用いられる、コットン繊維を含む繊維シートが開示されている。この繊維シートは、コットン繊維層と合成繊維の不織布とを含み、コットン繊維層が不織布に一部入り込んだ状態で保持されている。
特開2004−324038号公報
しかしながら、特許文献1に記載の繊維シートを用いた吸収性物品は、表面シートに保水性繊維を使用するため、肌触りが良好であり、皮膚に付着した体液を迅速に吸収するものの、保水性繊維が体液を保持しやすく、表面シートに体重等の荷重がかかる条件において、吸収体に保持された体液が、表面シートの肌側に戻って、着用者が不快感を覚えるおそれがある。
また、保水性繊維が体温に近い温度で体液を保持するため、雑菌が繁殖しやすいおそれがある。
したがって、本発明は、保水性繊維による表面シートの肌触り、及び体液吸収性を良好に維持しつつ、リウェット防止性能に優れ、抗菌性に優れた吸収性物品を提供することを目的とする。
本発明の発明者らは、上記課題にかんがみ、鋭意研究を行った。その結果、表面シートが保水性繊維を含む2層の繊維層を備え、表面シートの非肌側に位置する繊維層における保水性繊維の高分子フェノール化合物の含有量が、表面シートの肌側に位置する繊維層における保水性繊維の高分子フェノール化合物の含有量と比較して多い吸収性物品によれば、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は、以下のものを提供する。
本発明は、肌側面及び非肌側面を有する表面シートと、裏面シートと、上記表面シート及び上記裏面シートの間に位置する吸収体と、を備える吸収性物品であって、上記表面シートは、上記肌側面を構成する第1繊維層と、上記第1繊維層の非肌側に隣接するとともに、上記非肌側面を構成する第2繊維層と、を備え、上記第1繊維層及び上記第2繊維層のそれぞれが、保水性繊維を含み、上記第2繊維層における、保水性繊維中の高分子フェノール化合物の含有量が、上記第1繊維層における、保水性繊維中の高分子フェノール化合物の含有量に比較して多い、吸収性物品を提供する。
本発明の吸収性物品は、表面シートの肌触り、及び体液吸収性が良好で、リウェット防止性能に優れ、抗菌性に優れたものである。
実施形態に係る生理用ナプキンを展開した状態を示す平面図である。 (a)図1のII−II線に沿った断面図であり、(b)図2(a)の部分拡大断面図である。 実施形態に係る表面シートの平面図である。 図2(a)のIVで示される、表面シートと補助シートの部分拡大断面図である。 実施形態に係る、表面シート内部の部分拡大図である。 生理用ナプキンの製造装置の構成例を示す模式図である。 生理用ナプキンの製造方法を模式的に説明する図である。
以下、本発明の態様について説明する。
[第1の態様]
(構成)
肌側面及び非肌側面を有する表面シートと、裏面シートと、上記表面シート及び上記裏面シートの間に位置する吸収体と、を備える吸収性物品であって、
上記表面シートは、
上記肌側面を構成する第1繊維層と、上記第1繊維層の非肌側に隣接するとともに、上記非肌側面を構成する第2繊維層と、を備え、
上記第1繊維層及び上記第2繊維層のそれぞれが、保水性繊維を含み、
上記第2繊維層における、保水性繊維中の高分子フェノール化合物の含有量が、上記第1繊維層における、保水性繊維中の高分子フェノール化合物の含有量に比較して多い、吸収性物品。
(効果)
本発明の第1の態様の吸収性物品は、表面シートが保水性繊維を含むので、表面シートの肌触りを良好にすることができる。
また、本発明の第1の態様の吸収性物品は、第1繊維層及び第2繊維層を備え、非肌側に位置する第2繊維層において、保水性繊維中の高分子フェノール化合物の含有量がより多い。
ここで、高分子フェノール化合物は疎水性であるので、非肌側面に、より多くの高分子フェノール化合物が存在することにより、表面シートの非肌側に位置する体液を遮断しやすくなる。このため、吸収性物品に荷重がかかった条件下において、吸収体に含まれた体液が、表面シートの肌側に戻りにくい性質である、リウェット防止性能に優れたものとなる。
一方、第1繊維層における、保水性繊維中の高分子フェノール化合物の含有量がより少ないので、吸収性物品が、皮膚に付着した体液を迅速に吸収する性質である、体液吸収性を良好なものとすることができる。
また、高分子フェノール化合物は、それ自体が抗菌性を有するため、保水性繊維が、より多くの高分子フェノール化合物を含有することにより、表面シートにおける雑菌の繁殖が抑えられ、表面シートの抗菌性が高まる。
[第2の態様]
(構成)
上記少なくとも上記第2繊維層が、熱可塑性樹脂繊維を含み、
上記第2繊維層における、上記熱可塑性樹脂繊維の存在量が、上記第1繊維層における、上記熱可塑性樹脂繊維の存在量に比較して多い、
上記第1の態様の吸収性物品。
(効果)
本発明の第2の態様によれば、少なくとも第2繊維層が、熱可塑性樹脂繊維を含むことにより、表面シートの機械的強度を高めることができる。また、第1繊維層に比較して第2繊維層において熱可塑性樹脂繊維の存在量が多いことにより、表面シートの肌触りを良好に維持することができるとともに、第2繊維層の疎水性がより高まることにより、リウェット防止性能がより高まる。
[第3の態様]
(構成)
上記第1繊維層に含まれる少なくとも一部の上記保水性繊維が、熱可塑性樹脂の溶融物によって被覆されている、上記第2の態様の吸収性物品。
(効果)
一般に、保水性繊維は、肌触りに優れる一方で、繊維自体の機械的強度が低い傾向にあり、毛羽立ちやすい傾向がある。本発明の第3の態様によれば、第1繊維層に含まれる少なくとも一部の保水性繊維が、熱可塑性樹脂の溶融物により被覆されているので、少なくとも一部の保水性繊維の機械的強度が高まり、表面シートの機械的強度が高まる。
また、保水性繊維が、表面シート内を移動し難くなるので、表面シートの毛羽立ちを防止できる。
[第4の態様]
(構成)
少なくとも一部の上記保水性繊維は、繊維同士の交絡部分のうちの少なくとも一部の交絡部分において、熱可塑性樹脂の溶融物によって被覆されており、
上記第2繊維層における、上記熱可塑性樹脂の溶融物によって被覆された交絡部分の存在割合が、上記第1繊維層における、上記熱可塑性樹脂の溶融物によって被覆された交絡部分の存在割合に比較して大きい、上記第3の態様の吸収性物品。
(効果)
本発明の第4の態様によれば、熱可塑性樹脂繊維が熱可塑性樹脂を含み、保水性繊維が、繊維同士の交絡部分のうち少なくとも一部の、熱可塑性樹脂繊維との交絡部分において、熱可塑性樹脂の溶融物により被覆されているので、表面シートの機械的強度が高まる。
また、保水性繊維が、表面シート内を移動し難くなるので、表面シートの毛羽立ちを防止できる。
さらに、繊維同士の交絡部分のうち、第2繊維層における、熱可塑性樹脂の溶融物によって被覆された交絡部分の存在割合が、第1繊維層における、熱可塑性樹脂の溶融物によって被覆された交絡部分の存在割合に比較して大きいので、表面シートの肌触りが悪化し難い。
[第5の態様]
(構成)
上記熱可塑性樹脂繊維の繊維長が、上記保水性繊維の繊維長よりも長い、上記第2から第4の態様の吸収性物品。
(効果)
本発明の第5の態様によれば、熱可塑性樹脂繊維の繊維長が、保水性繊維の繊維長よりも長いので、熱可塑性樹脂繊維が、複数の保水性繊維と交絡しつつ、交絡部分が熱可塑性樹脂の溶融物により被覆される。
これにより、熱可塑性樹脂繊維と、複数の保水性繊維が、複雑な架橋構造を形成するため、表面シートの機械的強度が高まる。
[第6の態様]
(構成)
上記熱可塑性樹脂繊維が、複合繊維であり、前記複合繊維は、融点の低い樹脂成分が前記複合繊維の表面に露出している、上記第2から第5の態様の吸収性物品。
(効果)
本発明の第6の態様によれば、熱可塑性樹脂繊維が、融点の低い樹脂成分が前記複合繊維の表面に露出している、複合繊維であるので、表面に露出した一方の樹脂成分が溶融しても、他方の樹脂成分が繊維の構造を維持することができ、表面に露出した一方の樹脂成分が溶融した条件において、表面シートの機械的強度を高めつつも、表面シートの嵩高さを維持しやすい。
[第7の態様]
(構成)
上記第2繊維層の繊維密度は、上記第1繊維層の繊維密度に比較して高い、
上記第1から第6の態様の吸収性物品。
(効果)
本発明の第7の態様によれば、第2繊維層の繊維密度が、第1繊維層の繊維密度に比較して高いので、毛細管力により、表面シートの内部に浸透した体液を第2の繊維層に迅速に引き込むことができ、表面シートの肌側に、体液が保持されにくい性質である、ドライ性をより高められるとともに、表面シートの内部に含まれる体液の厚さ方向への浸透性である体液浸透性を高めることができる。
[第8の態様]
(構成)
第2繊維層の繊維間の平均距離が、第1繊維層の繊維間の平均距離と比較して短い、上記第1から第7の態様の吸収性物品。
(効果)
本発明の第8の態様によれば、第2繊維層の繊維間の平均距離が、第1繊維層の繊維間の平均距離と比較して短いので、毛細管力により、表面シートの内部に浸透した体液を第2の繊維層に迅速に引き込むことができ、表面シートの肌側のドライ性をより高められるとともに、表面シートの体液浸透性を高めることができる。
[第9の態様]
(構成)
上記表面シートが、上記保水性繊維に比較して高分子フェノール化合物の含有量が多い、粒子状材料を備える、上記第1から第8の態様の吸収性物品。
(効果)
本発明の第9の態様によれば、表面シートが、高分子フェノール化合物に富んだ粒子状材料を備えることにより、表面シートのリウェット防止性能が高まる。
[第10の態様]
(構成)
上記第1繊維層及び上記第2繊維層のそれぞれが、保水性繊維として、第1保水性繊維及び第2保水性繊維を含み、
上記第1保水性繊維の高分子フェノール化合物の含有量が、上記第2保水性繊維の高分子フェノール化合物の含有量に比較して多く、
上記第1繊維層における、上記第2保水性繊維の存在量が、上記第2繊維層における、上記第2保水性繊維の存在量に比較して多く、
上記第2繊維層における、上記第1保水性繊維の存在量が、上記第1繊維層における、上記第1保水性繊維の存在量に比較して多い、
上記第1から第9の態様の吸収性物品。
(効果)
本発明の第10の態様によれば、表面シートの非肌側面を構成する第2繊維層に、より多くの高分子フェノール化合物を含有する、第1保水性繊維を多く含むので、吸収性物品がリウェット防止性能に優れる。
また、表面シートの非肌側面を構成する第1繊維層に、高分子フェノール化合物の含有量が、より少ない第2保水性繊維を多く含むので、吸収性物品における表面シートの体液吸収性が維持される。
[第11の態様]
(構成)
上記表面シート及び上記吸収体の間に、補助シートを有し、
上記表面シート及び上記補助シートは、
上記吸収性物品の長手方向に沿って延び、上記吸収性物品の幅方向に間隔を空けて位置する複数の凸部と、
上記吸収性物品の長手方向に沿って延び、互いに隣接する凸部間に位置する複数の凹部と、
を有するとともに、上記表面シートの上記複数の凸部の非肌面に、上記補助シートの上記複数の凸部が篏合している、上記第1から第10の態様の吸収性物品。
(効果)
本発明の第11の態様によれば、表面シートに凸部及び凹部が存在し、表面シートの凸部が補助シートに支えられているので、表面シート自体の曲げ剛性が低下しやすい状況でも、表面シートの凹凸構造が維持される。これにより、表面シートと肌との接触面積が低下するので、表面シートの肌触りが改善する。
[第12の態様]
(構成)
上記表面シートの幅方向の寸法が、上記補助シートの幅方向の寸法よりも小さく、
上記表面シートの幅方向の端縁が、上記補助シートに接合されていない、第11の態様の吸収性物品。
(効果)
本発明の第12の態様によれば、表面シートの幅方向の寸法が、補助シートの幅方向の寸法よりも小さく、表面シートの幅方向の両端縁が、補助シートに接合されていないので、表面シートの両端縁が僅かに立ち上がって壁面を構成することにより、体液の幅方向への伝い漏れを効果的に防止できる。
<生理用ナプキン>
実施形態に係る吸収性物品について生理用ナプキンを例に説明する。ただし本発明の吸収性物品の種類及び用途はその例に限定されるものではなく、本発明の主題の範囲を逸脱しない限り、他の吸収性物品に対しても適用可能である。他の吸収性物品としては、例えばパンティライナー、軽失禁パッド、使い捨ておむつが挙げられる。
図1及び図2は実施形態に係る生理用ナプキン1の構成例を示す図である。図1は生理用ナプキン1を展開した状態を示す平面図であり、図2(a)は図1のII−II線に沿った断面図であり、図2(b)は図2(a)の部分拡大断面図である。本実施形態の生理用ナプキン1は、互いに直交する長手方向L、幅方向W及び厚さ方向Tを有する。図1に描かれた生理用ナプキン1では、図の上側及び下側をそれぞれ長手方向Lの前側及び後側とし、左側及び右側をそれぞれ幅方向Wの左側及び右側とし、紙面に対して手前側及び奥側をそれぞれ厚さ方向Tの上側及び下側とする。生理用ナプキン1は、幅方向Wの中心を通り長手方向Lに延びる長手方向中心線C(仮想線)と、長手方向Lの中心を通り幅方向Wに延びる幅方向中心線C(仮想線)とを有する。長手方向中心線Cに向かう向き及び側をそれぞれ幅方向Wの内向き及び内側とし、遠ざかる向き及び側をそれぞれ幅方向Wの外向き及び外側とする。一方、幅方向中心線Cに向かう向き及び側をそれぞれ長手方向Lの内向き及び内側とし、遠ざかる向き及び側をそれぞれ長手方向Lの外向き及び外側とする。長手方向L及び幅方向Wを含む平面上に置いた生理用ナプキン1を厚さ方向Tの上側から見ることを「平面視」といい、平面視で把握される形状を「平面形状」という。長手方向L及び幅方向Wを含む平面内の任意の方向を「平面方向」という。装着者が生理用ナプキン1を装着したとき、厚さ方向Tにて相対的に装着者の肌面に近い側及び遠い側となる側を「肌側」及び「非肌側」という。これら定義は、生理用ナプキン1の各資材にも共通に用いられる。
本実施形態において、生理用ナプキン1(ウイング部を除く)は、平面視にて、長手方向Lに長く幅方向Wに短い略矩形で、長手方向Lの両端縁が略半円形の形状を有する。ただし、その形状は、長手方向Lに長く幅方向Wに短ければ特に制限されず、例えば角丸長方形、楕円形、砂時計型又はそれらに類似の形状が挙げられる。生理用ナプキン1は略矩形の部分から幅方向Wの外側に延出するウイング部9を備えており、ウイング部9は略台形の形状を有する。ただし、ウイング部9の形状は、例えば半円形や半楕円形でもよい。
本実施形態において、生理用ナプキン1は、生理用ナプキン1の肌側の表面を構成する表面シート2と、生理用ナプキン1の非肌側の表面を構成する裏面シート3と、表面シート2及び裏面シート3の間に配置された吸収体4と、を備えている。また、本実施形態では、生理用ナプキン1は、更に、補助シート5と、一対のサイドシート6、6と、を備えている。補助シート5は、表面シート2の非肌側に重なるように配置されている。一対のサイドシート6、6の各々は、補助シート5における非肌側の幅方向Wの両端部の各々に、幅方向Wの内側の端部が重なるように接合され、幅方向Wの外側に延出している。したがって、本実施形態では、表面シート2、補助シート5及び一対のサイドシート6、6と裏面シート3との間に吸収体4が位置している。ただし、裏面シート3の非肌側に外装シートを備えてもよい。
[第1繊維層及び第2繊維層]
表面シート2は、液透過性のシートであり、第1繊維層2aと第2繊維層2bとを備える。第1繊維層2aの肌側面は、表面シート2の肌側面を構成している。第2繊維層2bは、第1繊維層2aの非肌側に隣接している。本実施形態では、第2繊維層2bの非肌側の表面は、表面シート2の非肌側の表面を構成しており、したがって表面シート2は二層構造を有する。なお、本実施形態において、第1繊維層2aとは、表面シート2の幅方向中心線Cにおける厚さ方向Tの中心を通る、平面方向に平行な面よりも肌側の繊維層を指し、第2繊維層2bとは、上記厚さ方向Tの中心を通る、平面方向に平行な面よりも非肌側の繊維層を指すものとする。
(保水性繊維)
第1繊維層2a及び第2繊維層2bは、保水性繊維を含んでいる。第1繊維層2a及び第2繊維層2bが保水性繊維を含むことにより、少なくとも、表面シート2の肌触りを良好にすることができる。
保水性繊維は、水分を吸収し、保持する性質(保水性)を有する繊維であれば、特に制限されない。保水性繊維としては、例えば、セルロース系繊維が挙げられる。セルロース系繊維としては、セルロースを含む繊維であれば、特に制限はなく、例えば、天然セルロース繊維、再生セルロース繊維、精製セルロース繊維及び半合成セルロース繊維が挙げられる。天然セルロース繊維としては、植物繊維、例えば、種子毛繊維(例示:コットン)、じん皮繊維(例示:麻)、葉脈繊維(例示:マニラ麻)、果実繊維(例示:やし)が挙げられる。コットンとしては、例えば、ヒルスツム種コットン(例示:アップランドコットン)、バルバデンセ種コットン、アルボレウム種コットン及びヘルバケウム種コットンが挙げられる。また、コットンとしては、オーガニックコットン、プレオーガニックコットン(商標)でもよい。ただし、オーガニックコットンは、GOTS(Global Organic Textile Standard)の認証を受けたコットンを意味する。再生セルロース繊維としては、レーヨン、例えば、ビスコースから得られるビスコースレーヨン、ポリノジック及びモダール、セルロースの銅アンモニア塩溶液から得られる銅アンモニアレーヨン(「キュプラ」とも称される)等の繊維が挙げられる。精製セルロース繊維としては、リヨセル、具体的には、パルプを、N−メチルモルホリンN−オキシドの水溶液に溶解させて紡糸原液(ドープ)とし、N−メチルモルホリンN−オキシドの希薄溶液中に押出して繊維としたものが挙げられる。精製セルロースは、例えば、テンセル(商標)として市販されている。半合成セルロース繊維としては、半合成セルロース、例えば、アセテート繊維、例えば、トリアセテート及びジアセテート等の繊維が挙げられる。中でも、保水性及び肌触りの観点から、天然セルロース繊維が好ましく、コットンがより好ましく、ヒルスツム種コットンが更に好ましい。本実施形態では、保水性繊維としてはヒルスツム種コットンである(以下、単に「コットン繊維」ともいう。)。
(高分子フェノール化合物)
本実施形態において、保水性繊維は、高分子フェノール化合物を含み、第1繊維層2aにおける、保水性繊維中の高分子フェノール化合物の含有量に比較して、第2繊維層2bにおける、保水性繊維中の、高分子フェノール化合物の含有量が多い。
高分子フェノール化合物は疎水性であるので、非肌側面に、より多くの高分子フェノール化合物が存在することにより、表面シート2の非肌側に位置する体液を遮断しやすくなる。このため、生理用ナプキン1がリウェット防止性能に優れたものとなる。
一方、第1繊維層2aにける、保水性繊維中の高分子フェノール化合物の含有量がより少ないので、生理用ナプキン1の体液吸収性を良好なものとすることができる。
ここで、高分子フェノール化合物とは、一般に、ポリフェノールと呼称される化合物を指し、カテキン、アントシアニン、タンニン、ルチン、イソフラボン、リグナン、クマリン、リグニン等が挙げられるが、これらの中でも、体液により、保水繊維から容易に脱離することのない、非水溶性/難溶性の高分子フェノール化合物が好ましい。とりわけ、保水性繊維として、天然セルロース繊維を採用する場合、高分子フェノール化合物としては、植物体中においてセルロース繊維と共存する、リグニンが挙げられる。リグニンは、それ自体が非水溶性/難溶性であることに加え、天然セルロース繊維において、セルロース繊維と共存して強固に結合しているため、表面シート2が体液と接触しても、天然セルロース繊維から容易に脱落しない。よって、高分子フェノール化合物として、リグニンを採用することにより、体液が繰り返し排せつされた場合においても、表面シート2の、リウェット防止性能及び抗菌性を長時間にわたって維持することができる。
高分子フェノール化合物は、それ自体が抗菌性を有するため、保水性繊維が、高分子フェノール化合物を含有することにより、表面シート2における雑菌の繁殖が抑えられ、表面シート2の抗菌性が高まる。
保水性繊維において、高分子フェノール化合物の含有量を調整するにあたっては、例えば、高分子フェノール化合物を含有する保水性繊維から、高分子フェノール化合物を除去するにあたっての反応条件を調整する方法を採用すればよい。より具体的に、保水性繊維が天然セルロース繊維の場合、水酸化ナトリウム等のアルカリによる脱脂/脱リグニン工程や、次亜塩素酸ナトリウム、過酸化水素等の漂白剤による漂白工程の、反応温度、反応時間、pH、漂白剤の濃度等を調整することにより、天然セルロース繊維中のリグニン量を調整すればよい。
第1繊維層2aにおける保水性繊維中の高分子フェノール化合物の含有量は、例えば、0質量%以上40質量%以下が挙げられる。40質量%を超える場合、第1繊維層2aの高分子フェノール化合物の存在量が多すぎるために、第1繊維層2aの体液吸収性が低下して、着用者が排せつした体液や着用者の肌に付着した体液を吸収し難くなるおそれがある。第1繊維層2aにおける保水性繊維中の高分子フェノール化合物の含有量は、0質量%以上30質量%以下が好ましく、0質量%以上20質量%以下がより好ましい。
なお、第1繊維層2aにおける、単位面積あたりの高分子フェノール化合物の含有量は、例えば、0g/cm以上16g/cm以下が挙げられ、0g/cm以上13g/cm以下が好ましく、0g/cm以上10g/cm以下がより好ましい。
また、第2繊維層2bにおける保水性繊維中の高分子フェノール化合物の含有量は、例えば、0.1質量%以上75質量%以下が挙げられる。0.1質量%未満である場合、第2繊維層2bの撥水性が不十分となり、表面シート2のリウェット防止性能が低下するおそれがある。75質量%を超える場合、第2繊維層2bの体液透過性が低下するおそれがある。第2保水性繊維における保水性繊維中の高分子フェノール化合物の含有量は、0.3質量%以上40質量%以下が好ましく、0.5質量%以上30質量%以下がより好ましい。
なお、第2繊維層2bにおける、単位面積あたりの高分子フェノール化合物の含有量は、例えば、0.001g/cm以上20g/cm以下が挙げられ、0.005g/cm以上15g/cm以下が好ましく、0.01g/cm以上10g/cm以下がより好ましい。
(第1保水性繊維及び第2保水性繊維)
また、第1繊維層2a及び第2繊維層2bにおいて、保水性繊維中の高分子フェノール化合物の含有量を調整するにあたっては、上記のように、高分子フェノール化合物の含有量を調整し、高分子フェノール化合物の含有量が異なる、2種類の保水性繊維(例えば、第1保水性繊維及び第2保水性繊維)を用い、これら2種類の保水性繊維のそれぞれが、表面シート2中において、異なる勾配をもって存在するように調整することにより、第1繊維層2a及び第2繊維層2bのそれぞれにおける、保水性繊維中の高分子フェノール化合物の含有量を調整すればよい。
この場合、第1保水性繊維及び第2保水性繊維の組み合わせは、例えば、第1保水性繊維が、脱脂/脱リグニン工程や、漂白工程を全く経ていない天然セルロース繊維であり、第2保水性繊維が、脱脂/脱リグニン工程を経たものの、漂白工程を経ていない天然セルロース繊維である組み合わせであってもよいし、第1保水性繊維が、脱脂/脱リグニン工程を経たものの、漂白工程を経ていない天然セルロース繊維であり、第2保水性繊維が、脱脂/脱リグニン工程、及び漂白工程を経た天然セルロース繊維である組み合わせであってもよい。
本実施形態において、第1繊維層2a及び第2繊維層2bは、保水性繊維として、第1保水性繊維及び第2保水性繊維を含むが、第1保水性繊維に含まれる高分子フェノール化合物の含有量は、第2保水性繊維に含まれる高分子フェノール化合物の含有量に比較して多くなっている。ただし、第1繊維層及び第2繊維層における、保水性繊維中の高分子フェノール化合物の含有量を調整するにあたっては、高分子フェノール化合物の含有量が異なる複数種類の保水性繊維を使用する態様以外の態様で、保水性繊維中の高分子フェノール化合物の含有量を調整してもよい。
本実施形態において、第2繊維層2bにおける、第1保水性繊維の存在量が、第1繊維層2aにおける、第1保水性繊維の存在量に比較して多く、第1繊維層2aにおける、第2保水性繊維の存在量が、第2繊維層2bにおける、第2保水性繊維の存在量に比較して多い。保水性繊維が含む、高分子フェノール化合物は疎水性であるので、非肌側面に、より多くの高分子フェノール化合物が存在することにより、表面シート2の非肌側に位置する体液を遮断しやすくなる。このため、体液吸収性を損なうことなく、リウェット防止性能に優れる。
なお、本実施形態において、第1保水性繊維及び第2保水性繊維の存在量は、表面シート2の肌側面において、第2保水性繊維の存在量が、第1保水性繊維の存在量に比較して多く、表面シート2の非肌側面において、第1保水性繊維の存在量が、第2保水性繊維の存在量に比較して多い。
第2保水性繊維の繊維長は、例えば10mm以上80mm以下が挙げられる。10mm未満の場合、繊維長が短過ぎて繊維同士が交絡し難くなり、十分な強度が得られないおそれがある。80mmを超える場合、そのような繊維のいく本かが幅方向Wに延出して、着用者の大腿部の縁から他方の大腿部の縁まで繊維の架け渡しが生じる可能性があり、その場合、第2保水性繊維の体液の拡散効果により、生理用ナプキン1の幅方向Wの中央部に付着した体液が、両大腿部まで拡散し、着用者に不快感を与えるおそれがある。繊維長は、15mm以上60mm以下が好ましく、20mm以上40mm以下がより好ましい。それに対応して、第2保水性繊維の平均繊維長は、例えば15mm以上50mm以下が挙げられ、20mm以上45mm以下が好ましく、25mm以上40mm以下がより好ましい。
なお、第1繊維層2aにおける保水性繊維以外の繊維における繊度、繊維長、平均繊維長も、保水性繊維の肌触りに悪影響を与えない観点から、保水性繊維と同程度(0.5倍から2倍の範囲内)が好ましい。ただし、本実施形態では保水性繊維以外の繊維は用いない。
また、第1保水性繊維の繊維長は、例えば10mm以上80mm以下が挙げられるが、その平均繊維長が第2保水性繊維の平均繊維長よりも短いことが好ましく、その場合、第1保水性繊維の繊維長は、例えば3mm以上40mm以下が挙げられる。10mm未満の場合、繊維長が短過ぎて繊維同士が交絡し難くなり、十分な強度が得られないおそれがある。80mmを超える場合、そのような繊維のいく本かが幅方向Wに延出して、着用者の大腿部の縁から他方の大腿部の縁まで繊維の架け渡しが生じる可能性があり、その場合、第1保水性繊維の体液の拡散効果により、生理用ナプキン1の幅方向Wの中央部に付着した体液が、両大腿部まで拡散し、着用者に不快感を与えるおそれがある。第1保水性繊維の繊維長としては、5mm以上35mm以下が好ましく、10mm以上35mm以下がより好ましい。第1保水性繊維の平均繊維長は、それに対応して、例えば5mm以上30mmが挙げられ、10mm以上25mm以下が好ましく、15mm以上20mm以下がより好ましい。
なお、第1繊維層2a及び第2繊維層2bにおいて、第2保水性繊維の平均繊維長よりも、第1保水性繊維の平均繊維長が短い場合、それにより、少なくとも第1保水性繊維の存在量が多い、第2繊維層2bを構成する繊維を互いにより接近させ、第1繊維層2aを構成する繊維と比較して、繊維間距離が短くなることにより、第2繊維層2bの繊維密度が、第1繊維層2aの繊維密度よりも高まる。これらにより、毛細管力をより強く生じさせて体液を強く引き込むことができ、表面シート2の肌側のドライ性をより高められるとともに、表面シート2の体液浸透性を高めることができる。
(熱可塑性樹脂繊維)
少なくとも第2繊維層2bは、熱可塑性樹脂繊維を含んでいる。
熱可塑性樹脂繊維は、熱可塑性樹脂を含む繊維であれば、特に制限されない。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ乳酸(PLA)等のポリエステル系樹脂、6−ナイロン等のポリアミド系樹脂などの公知の樹脂が挙げられ、これらの樹脂は単独で使用しても、二種類以上の樹脂を併用してもよい。また、このような熱可塑性樹脂からなる繊維の構造は、特に制限されず、例えば、芯鞘型繊維、サイド・バイ・サイド型繊維、島/海型繊維等の複合繊維;中空タイプの繊維;扁平、Y字形、C字形等の異形断面型繊維;潜在捲縮又は顕在捲縮の立体捲縮繊維;水流、熱、エンボス加工等の物理的負荷により分割する分割繊維などが挙げられ、これらの構造を有する繊維は単独で使用しても、二種類以上の繊維を併用してもよい。本実施形態では、熱可塑性樹脂繊維としては、PP/PE芯鞘型複合繊維である。なお、熱可塑性樹脂繊維は、疎水性を示すことがあるが、ここでいう「疎水性」とは、水と馴染み難い、又は、水分を保持し難い性質をいい、例えば、イオン交換水(例示:比抵抗値10MΩ・cm)との接触角が80°から100°程度となるものをいう。
少なくとも第2繊維層2bが熱可塑性樹脂繊維を含むことにより、表面シート2の機械的強度を高めることができる。なお、第2繊維層2bに加えて、第1繊維層2aも、熱可塑性樹脂繊維を含んでいてもよい。
図5は、実施形態に係る、表面シート2内部の部分拡大図である。本実施形態において、熱可塑性樹脂繊維は、熱可塑性樹脂を含む複合繊維であり、融点の低い樹脂成分が複合繊維の表面に露出している。より具体的には、熱可塑性樹脂繊維は、芯鞘型複合繊維であって、鞘成分の融点が、芯成分の融点よりも低いものである。熱可塑性樹脂繊維Fが、熱可塑性樹脂を含む芯鞘型複合繊維であることにより、第1繊維層2aに含まれる少なくとも一部の保水性繊維Fが、熱可塑性樹脂の溶融物F2Mによって被覆されており、より具体的には、第1保水性繊維及び第2保水性繊維等の保水性繊維Fの少なくとも一部は、繊維同士の交絡部分Pの少なくとも一部において、熱可塑性樹脂繊維Fに含まれる熱可塑性樹脂の溶融物F2Mにより被覆される。一般に、保水性繊維Fは、肌触りに優れる一方で、繊維自体の機械的強度が低い傾向にあり、毛羽立ちやすい傾向があるが、上記の繊維同士の交絡部分Pが、熱可塑性樹脂の溶融物F2Mにより被覆されていることにより、表面シート2の機械的強度が高まるとともに、保水性繊維が、表面シート2内を移動し難くなるので、表面シート2の毛羽立ちを防止できる。また、鞘成分の融点が、芯成分の融点よりも低いことにより、鞘成分が溶融しても、芯成分が繊維の構造を維持することができ、鞘成分が溶融した条件において、表面シート2の機械的強度を高めつつも、表面シート2の嵩高さを維持しやすい。
本実施形態において、熱可塑性樹脂繊維Fの平均繊維長は、上述の保水性繊維の平均繊維長よりも長いものである。これにより、熱可塑性樹脂繊維Fが、複数の保水性繊維F(第1保水性繊維及び第2保水性繊維)と交絡しつつ、交絡部分Pが熱可塑性樹脂の溶融物F2Mにより被覆される。よって、熱可塑性樹脂繊維Fと、複数の保水性繊維が、複雑な架橋構造を形成するため、表面シート2の機械的強度が高まる。
すなわち、熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹脂繊維Fにおいては、熱融着により熱可塑性樹脂繊維F同士/熱可塑性樹脂繊維F及び保水性繊維Fが、交絡部分Pにおいて互いに接合(融着)する。このような、繊維同士が融着した熱可塑性樹脂繊維Fは、第1繊維層2a及び第2繊維層2b内での一種の熱可塑性樹脂繊維のマトリックスを形成すると見ることができる。
そのような構成を有する生理用ナプキン1では、第2繊維層2bにて、熱融着した熱可塑性樹脂繊維Fにより、第1繊維層2a及び第2繊維層2bの形状を安定的に保持できる。それゆえ、第1繊維層2a及び第2繊維層2bに含まれる保水性繊維Fの平均繊維長が相対的に短くても、保水性繊維Fを熱可塑性樹脂繊維(のマトリックス内)に偏りなく安定的に保持できる。それにより、第1繊維層2a及び第2繊維層2bに引き込まれた体液を偏りなく安定的に吸収体4(及び補助シート5)へ移行させることができ、体液透過性を高めることができる。なお、生理用ナプキンの熱可塑性樹脂繊維は、このような熱可塑性樹脂を含んでいなくてもよい。
本実施形態においては、第2繊維層2bにおける、熱可塑性樹脂の溶融物F2Mによって被覆された交絡部分Pの存在割合が、第1繊維層2aにおける、熱可塑性樹脂の溶融物F2Mによって被覆された交絡部分Pの存在割合に比較して大きいものである。これにより、肌触りを悪化させるおそれがある溶融物F2Mにより被覆された交絡部分Pの存在割合が、第1繊維層2aにおいて小さいものとなるので、表面シート2の機械的強度を高めつつも、表面シート2の肌触りが悪化し難い。
第1繊維層2a及び第2繊維層2bでは、第2繊維層2bにおける熱可塑性樹脂繊維の存在量が、第1繊維層2aにおける熱可塑性樹脂繊維の存在量よりも多く、第1繊維層2aを構成する繊維における保水性繊維の存在量が、第2繊維層2bにおける保水性繊維の存在量よりも多い。それにより、少なくとも表面シート2の肌触りを良好にすることができるとともに、第1保水性繊維の存在量がより多い第2繊維層2bが介在する、リウェット防止性能がより高まる。
第1繊維層2aを構成する繊維のうちの熱可塑性樹脂繊維の割合は、表面シート2の肌触りを高める観点から、0質量%以上30質量%未満が好ましく、0質量%以上20質量%以下がより好ましく、0質量%以上10質量%以下が更に好ましい。30質量%未満にすることで、着用者が第1繊維層2aを、保水性繊維が含まれる層として認識し易くなるので、触り心地の良さを担保できる。なお、本実施形態では保水性繊維の割合が100質量%である。
第2繊維層2bを構成する繊維のうちの熱可塑性樹脂繊維の割合は、第1繊維層2aの熱可塑性樹脂繊維の割合よりも多ければ、特に制限されない。熱可塑性樹脂繊維の割合としては、例えば5質量%以上60質量%未満が挙げられる。60質量%以上である場合、厚さ方向に圧力がかかった状態での触り心地が低下するおそれがある。5質量%未満の場合、熱可塑性樹脂繊維による毛羽立ちを防止する効果が低下するおそれがある。熱可塑性樹脂繊維の割合は、10質量%以上40質量%以下が好ましく、20質量%以上30質量%以下がより好ましい。なお第2繊維層2bは保水性繊維及び熱可塑性樹脂繊維の他、第3の繊維を含んでもよい。
第2繊維層2bの熱可塑性樹脂繊維と第1繊維層2aの主要な繊維である保水性繊維との絡み合いの容易性、すなわち第1繊維層2aからの体液の移行の容易性や、第1繊維層2aと第2繊維層2bとの間での剥離防止性の観点から、熱可塑性樹脂繊維の繊度は、保水性繊維の繊度よりも小さい(細い繊維径である)ことが好ましい。
また、熱可塑性樹脂繊維の繊維長は、特に制限されず、例えば10mm以上80mm以下が挙げられる。ただし、第2繊維層2bの熱可塑性樹脂繊維と第1繊維層2aの主要な繊維である保水性繊維との絡み合いの容易性、すなわち第1繊維層2aからの体液の移行の容易性や、第1繊維層2aと第2繊維層2bとの間の剥離防止性の観点から、熱可塑性樹脂繊維の繊維長は、保水性繊維の繊維長と比較して長いことが好ましい。熱可塑性樹脂繊維の平均繊維長は、それに対応して、例えば、15mm以上50mm以下が挙げられる。
第1繊維層2a及び第2繊維層2bの各々の厚さは、特に制限されず、例えば0.05mm以上4mm以下が挙げられ、0.1mm以上3mm以下が好ましく、0.2mm以上2mm以下がより好ましい。ただし、肌触りを良好にする観点、並びに表面シート2のリウェット防止性能及び体液吸収性を良好にする観点から、第1繊維層2a及び第2繊維層2bの厚さがより厚いことが好ましい。また、表面シート2の厚みは、特に制限されず、例えば0.1mm以上5mm以下が挙げられ、0.4mm以上4mm以下が好ましく、0.8mm以上3mm以下がより好ましい。0.1mm未満の場合、風合いが損なわれるおそれがある。5mmを超える場合、体液保持性が高まりすぎ、保水性繊維内に体液が残りやすく、ドライ感が損なわれるおそれがある。
本発明は、不織布にも関する。
本発明の不織布は、上面及び下面を有し、
上面を構成する第1繊維層と、上記第1繊維層の下面側に隣接するとともに、上記下面を構成する第2繊維層と、を備え、
上記第1繊維層及び上記第2繊維層のそれぞれが、保水性繊維を含み、
上記第2繊維層における、保水性繊維中の高分子フェノール化合物の含有量が、上記第1繊維層における、保水性繊維中の高分子フェノール化合物の含有量に比較して多いものである。
このような不織布は、吸収性物品用の表面シートとして使用できるほか、吸収性物品における、補助シート、サイドシート、コアラップシート、キャリアシート、外装シート等の任意のシートとして使用できる。本発明の不織布は、フェイスマスクを構成する不織布や、ウェットティッシュ、パフとして使用してもよい。
[各種測定方法]
保水性繊維及び第1保水性繊維/第2保水性繊維における、高分子フェノール化合物の含有量については、特に言及のない限り、これらの繊維の単位質量あたりの高分子フェノール化合物の含有量を意味する。
繊維層のようなシートでの、第1繊維層及び第2繊維層における保水性繊維中の高分子フェノール化合物の含有量は、以下のようにして測定される。例えば、繊維層を、必要に応じて液体窒素等で凍結するとともに、厚さ方向Tの中心から、第1繊維層と第2繊維層に分離する。それぞれの繊維層の重量を測定するとともに、それぞれの繊維層を構成する繊維から、高分子フェノール化合物の検出に用いられる任意の手法を用いて、高分子フェノール化合物を定量する。例えば、保水性繊維において、リグニン等に代表される、高分子フェノール化合物の含有量を定量する場合、界面活性剤を用いた公知のディタージェント繊維分析法を利用/応用して、保水性繊維中の高分子フェノール化合物の含有量を測定すればよい。
なお、保水性繊維中の高分子フェノール化合物の含有量を定量するにあたり、混在する熱可塑性樹脂繊維を除去する必要がある場合、例えば、任意の有機溶剤(例えば、デカヒドロナフタレン)に第1繊維層又は第2繊維層を溶解し、必要に応じて加熱・攪拌すればよい。
また、染色法により高分子フェノール化合物を染色し、比色定量する場合、例えば、高分子フェノール化合物の1つであるリグニンの染色方法としては、フロログルシノール・塩酸法等を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
さらに、保水性繊維がコットン繊維であり、高分子フェノール化合物がリグニンである場合、L*a*b*表色系による色差により、コットン繊維中の高分子フェノール化合物の含有量の多寡を推定できる。例えば、100%コットン繊維からなる坪量30g/cmの不織布1枚を、白色ボードの上におき、コニカミノルタ株式会社製、色彩式差計CR−300で式差を測定した場合、コットン繊維が漂白コットン繊維の場合、表裏両面の式差は0.06(n=20)であり、コットン繊維が無漂白コットン繊維の場合、表裏両面の式差は0.18(n=20)である。一方、表面側に漂白コットン繊維30質量部を配置し、裏面側に無漂白コットン繊維40質量部を配置して、水流交絡により形成したスパンレース不織布では、表裏の式差が0.55(n=20)となる。このため、同様の条件で、肌側面及び非肌側面の式差が0.3以上であれば、一方面において高分子フェノール化合物の含有量が多いことが推定できる。
第1保水性繊維、及び第2保水性繊維における、高分子フェノール化合物の含有量を測定する場合、原料としての第1保水性繊維、及び第2保水性繊維が入手できる場合には、各原料から、上記の方法に準じて、単位質量あたりの高分子フェノール化合物の含有量を測定すればよい。また、不織布の状態にある、第1保水性繊維、及び第2保水性繊維における高分子フェノール化合物の含有量を測定するにあたっては、高分子フェノール化合物の含有量の違いに応じた物性の違いに着目して、第1保水性繊維及び第2保水性繊維をそれぞれ不織布から分離し、集められた第1保水性繊維、及び第2保水性繊維における高分子フェノール化合物の含有量を、それぞれ測定すればよい。例示的には、第1保水性繊維、及び第2保水性繊維を、必要に応じて染色し、顕微鏡下で、保水性繊維の色の違いに基づいて分離して、第1保水性繊維及び第2保水性繊維における、単位質量あたりの高分子フェノール化合物の含有量を測定する方法が挙げられる。
第1繊維層及び第2繊維層における、保水性繊維中の高分子フェノール化合物の含有量を、第1繊維層及び第2繊維層の単位面積あたりの高分子フェノール化合物の含有量として算出する場合、単位重量当たりの高分子フェノール化合物の含有量に対して、後述の手法により測定される坪量を積算し、単位面積当たりの坪量に換算すればよい。その際、第1繊維層及び第2繊維層に、後述する粒子状材料等の材料が含まれる場合、必要に応じて、保水性繊維を一定の繊維長以下に切断するとともに、遠心分離法や篩分け法等、公知の分離・分級法により、保水性繊維とその他の材料とを、重量、密度、大きさ、アスペクト比等により分離・分級して、高分子フェノール化合物の含有量を測定し、各繊維層全体における高分子フェノール化合物の含有量や、各繊維層に含まれる保水性繊維中の高分子フェノール化合物の含有量を測定することもできる。
高分子フェノール化合物の含有量の測定方法については、保水性繊維の性状や素材の違い、含まれる高分子フェノール化合物の種類やその保水性繊維の結合態様、共存する他の繊維/材料や不純物の種類や量に応じて、複数の測定方法を選択的に採用することができる。高分子フェノール化合物の測定方法の違いにより、保水性繊維中の高分子フェノール化合物の含有量や、繊維層中の単位面積当たりの高分子フェノール化合物の含有量は、その絶対値が異なる可能性はあるが、第1繊維層及び第2繊維層で、同一の測定方法を採用する限り、含有量の大小関係が逆転することはない。
繊維層のようなシートでの保水性繊維/熱可塑性樹脂繊維の割合は以下のようにして測定される。
すなわち、保水性繊維及び熱可塑性樹脂繊維をそれぞれ別の色で着色することで、繊維の種類の割合を測定する。(1)表面シート2を70mm×70mmの大きさに切り出して試料とする。(2)試薬カヤステインQ(KayastainQ)(株式会社色染社)にて着色処理を行うことにより、保水性繊維のみ青色に染め、熱可塑性樹脂繊維のみ黄色に着色する。(3)株式会社キーエンス製のデジタルマイクロスコープVHX−100にて、試料の肌側面(第1繊維層2a)から見たときの青色と黄色の割合を50mm×50mmの範囲で測定することで、第1繊維層2aにおける繊維の種類の割合とする。一方、非肌側面(第2繊維層2b)から見たときの青色と黄色の割合を50mm×50mmの範囲で測定することで、第2繊維層2bにおける繊維の種類の割合とする。
なお、繊維の種類の割合の大小関係の判断に当たっては、上記青色と黄色の割合の大小関係が見た目で明らかな場合は、その見た目で判断することができるが、上記青色と黄色の割合の大小関係が見た目だけで判断できない場合は、それぞれの色に着色された繊維の本数を数えて、その本数と各繊維の構造特性(例えば、繊維長や比重等)とからそれぞれの繊維の合計質量を算出し、その合計質量を比較することにより判断することもできる。
また、繊維層のようなシートでの繊維間の距離は以下の測定方法に従って測定される。(1)表面シート2を10mm×10mmの大きさに切り出して試料とする。(2)株式会社キーエンス製のデジタルマイクロスコープVHX−100(レンズVH−Z20R+可変照明アタッチメントVH−K20)を使用して、撮影倍率:200倍、測定面積:縦1300μm×横1735μmにて、表面シート2の表面(第1繊維層2a)、裏面(第2繊維層2b)それぞれから画像を撮影する。そのとき、表面・裏面それぞれにつき、深さ0μmから100μmの範囲で、深さ20μm毎に合計五回、画像を撮影する。(3)得られた各画像から、繊維の存在しない部位の面積を求める。そのとき、得られた各画像における各画素での輝度が所定の輝度(閾値)よりも低いか高いかにより当該画素での繊維の有無を判定し、各画像での撮影領域内の繊維の有無を判定する。ただし、繊維が存在しない部位のみ光が透過して明るい、すなわち輝度が高くなる。それにより、撮影領域内の繊維の存在しない部位の面積を求める。(4)求めた繊維の存在しない部位の面積を撮影領域の面積(測定面積)から減算し、撮影領域の面積(測定面積)で除算することで、空隙率を算出する。その計算を深さ20μm毎の画像で行い、五つの空隙率を算出する。(5)五つの空隙率の平均を算出することで、表面シート2の表面(第1繊維層2a)、裏面(第2繊維層2b)それぞれの空隙率を決定する。空隙率の大小を比較することで、繊維間距離の大小を判断することができる。すなわち、空隙率が大きい場合、繊維間距離が大きいと見ることができる。例えば、表面シート2の表面、すなわち肌側(第1繊維層2a:例えばCotton100%の面)では空隙率25.4%であり、裏面、すなわち非肌側面(第2繊維層2b:例えばCotton60%+熱可塑性樹脂繊維40%の面)では空隙率24.5%であった。
また、繊維層のようなシートの繊維の繊維長及び平均繊維長は、JIS L 1015:2010の附属書Aの「A7.1 繊維長の測定」の「A7.1.1 A法(標準法)目盛りが付いたガラス板上で個々の繊維の長さを測定する方法」に従って測定される。なお、上記方法は、1981年に発行されたISO 6989に相当する試験方法である。
また、保水性繊維がパルプ繊維等である場合の保水性繊維の平均繊維長は、重さ加重平均繊維長を意味し、メッツォオートメーション(metso automation)社製のカヤーニファイバーラボファイバープロパティーズ(オフライン)[kajaaniFiberLab fiber properties(off−line)]により測定されるL(w)値を意味する。
また、繊維層のようなシートの坪量は以下の測定方法に従って測定される。一層分の繊維層を作製し、その繊維層を5cm×5cmの大きさに切り出して試料とし、100℃以上の雰囲気での乾燥処理後に質量を測定する。次いで、測定した質量を試料の面積で割り算して試料の坪量を算出する。10個の試料の坪量を平均した値をシートの坪量とする。
また、繊維層のようなシートの厚さは以下の測定方法に従って測定される。株式会社キーエンス製のデジタルマイクロスコープVHX−100を使用して、表面シート2の切断面に対して垂直の方向からの拡大画像を撮影する。拡大画像は、表面シート2の厚さ方向Tの全体が撮影可能となるような倍率に拡大された画像であり、拡大倍率は、例えば20から50倍である。得られた3D画像から変換された2D画像において各繊維層の厚さを測定する。別々の3か所の切断面で測定した厚さの平均値を表面シート2の厚さとする。
また、繊維層のようなシートの繊維密度は、例えば以下の測定方法で測定される。
(1)表面シート2を10mm×10mmの大きさに切り出して試料とする。(2)試料の厚さ方向Tに平行な切断面を、走査電子顕微鏡(日本電子株式会社製:JCM−5100)を用いて、拡大観察する。倍率は、30〜60本の繊維の断面が一画面内に計測できる倍率(例示:150〜500倍)とする。(3)観察領域を厚さ方向Tに肌側の層、中間の層、非肌側の層に三等分し、肌側の層を第1繊維層2aとし、非肌側の層を第2繊維層2bとした上で、各繊維層における繊維の断面の数を測定する。すなわち、所定面積の切断面において、切断されている繊維の断面の数を数える。(4)得られた繊維の断面の数を1mm当たりの繊維の断面の数に換算し、これを繊維密度(本/mm)とする。測定は3ヶ所行い、測定値の平均値をその試料の繊維密度とする。すなわち、繊維密度として、繊維本数の密度を用いている。言い換えると、繊維密度として、厚さ方向Tに平行な断面における単位面積当たりの繊維の本数を用いている。なお、繊維密度として、単位体積当たりの繊維の本数を用いてもよい。単位体積当たりの繊維の本数は、例えばX線CTによる解析で求めることができる。単位面積当たりの繊維密度と、単位体積当たりの繊維密度とでは、数値は異なるが、繊維層間での繊維密度の相対的な比較(例示:大小の比較)では同じになる。
本実施形態では、第2繊維層2bの熱可塑性樹脂繊維の少なくとも一部は、第1繊維層2aの肌側の表面の近傍にまで到達している。すなわち、第2繊維層2bの熱可塑性樹脂繊維は、第2繊維層2bの形状を安定的に保持しつつ、その少なくとも一部が第2繊維層2bから連続的に第1繊維層2aに入り込み、更にそれらが第1繊維層2aの肌側の表面の近傍にまで達している。
そのような構成を有する生理用ナプキン1では、第2繊維層2bの熱可塑性樹脂繊維が第1繊維層2a内にまで連続的に延在することにより、第1繊維層2aの保水性繊維を熱可塑性樹脂繊維に安定的に保持することができる。それにより、第1繊維層2aの強度が相対的に弱くてもへたることを抑制することができる。また、第1繊維層2aの保水性繊維を熱可塑性樹脂繊維間に保持することにより、毛羽立ちを抑制することも可能となる。それらにより、第1繊維層2aの肌触りをよりよくすることができる。また、第2繊維層2bにおける保水性を有さない熱可塑性樹脂繊維の一部が第1繊維層2a内に存在することで、熱可塑性樹脂繊維を介した第1繊維層2aから第2繊維層2bへの体液の移行を促進することができる。それにより、体液を吸収体4(及び補助シート5)へ安定的に移行させることができる。
なお、本実施形態において、第1繊維層2aの肌側の表層は、保水性繊維のみからなり、好ましくは、肌側の表面がオーガニックコットン繊維100%となっている。
本実施形態では、表面シート2を構成する繊維は、表面シート2の幅方向Wの両端部の方が、表面シート2の幅方向Wの中央部よりも、表面シート2の長手方向Lに配向している。すなわち、幅方向Wにて、表面シート2では、中央部の繊維は長手方向Lの配向が相対的に小さく、両端部の繊維は長手方向Lの配向が相対的に大きい。
そのような構成の生理用ナプキン1では、表面シート2の繊維配向が中央部で比較的ランダムなため、体液を略同心円状に拡散させることができ、繊維配向が両端部で長手方向Lなため、両端部に達した体液を長手方向Lに拡散させることができる。すなわち、生理用ナプキン1を全体的に使用でき、吸収性能を高められる。また、表面シート2の幅方向Wの両端部では、端縁から露出する繊維本数が少なくなるため、肌への摩擦が低減され、肌触りの低下を抑制できる。なお、生理用ナプキンの表面シートの繊維配向は、幅方向Wの両端部で長手方向Lの配向が相対的に大きくなくてもよい。
[生理用ナプキンの構成]
生理用ナプキン1では、平面視で、長手方向Lの中央やや前方寄りで幅方向Wの中央に排泄口当接域XAが設定される。排泄口当接域XAは、生理用ナプキン1の着用時に、着用者の排泄口に対向又は当接する領域である。排泄口当接域XAは、吸収性物品の種類や用途に応じて設定される。排泄口当接域XAは、例えば長手方向Lにて吸収体4の中央やや前方寄りに、吸収体4の長手方向Lの全長の約1/4から1/2の長さで、幅方向Wにて吸収体4の略中央に、吸収体4の幅方向Wの全長の約1/2から1/3の幅で設定される。生理用ナプキン1にウイング部9が設けられる場合、排泄口当接域XAは、長手方向Lにおけるウイング部9の設置領域と、幅方向Wに重複していてもよい。また、排泄口当接域XAの長手方向Lの中心及び幅方向Wの中心は、ウイング部9設置領域の長手方向Lにおける中心及び2つのウイング部9の幅方向外縁部に対する幅方向Wの中心線と、それぞれ重複していてもよい。
本実施形態では、生理用ナプキン1は、排泄口当接域XAの幅方向Wの両外側に連続的又は間欠的に位置する一対の圧搾部(圧搾溝)12、12を備える。本実施の形態では、生理用ナプキン1は、更に、一対の圧搾部12、12の長手方向Lの後方に一対の圧搾部(圧搾溝)13、13を備え、排泄口当接域XAの長手方向Lの前方及び後方にそれぞれ圧搾部(圧搾溝)11、14を備え、排泄口当接域XA内に点状の複数の圧搾部15を備える。それら圧搾部11〜15は、表面シート2及び吸収体4が厚さ方向Tに圧縮されて形成される。すなわち、表面シート2と補助シート5と吸収体4(肌側のコアラップ4b及び吸収性コア4a)とが厚さ方向Tに圧搾されて形成される。そのとき、各圧搾部は、弱く圧搾されて、浅い位置に形成され、繊維密度が相対的に低い低密度部LPAと、強く圧搾されて、深い位置に形成され、繊維密度が相対的に高い高密度部HPAとを有する。ただし、「浅い」及び「深い」の基準は、表面シート2の肌側の表面とする。低密度部LPA及び高密度部HPAは、各圧搾部における浅い位置の底部及び深い位置の底部、ということができる。圧搾部11〜15の低密度部LPA及び高密度部HPAは、吸収性コア4a内に位置する。ただし、高密度部HPは非肌側のコアラップ4bに達してもよい。なお、圧搾部11〜15の形状は任意である。なお、生理用ナプキンは、圧搾部11〜15少なくとも一つを備えていなくてもよい。
本実施形態では、第2繊維層2bの熱可塑性樹脂繊維の少なくとも一部は、圧搾部11〜15の少なくとも一つにおいて、その圧搾部の内側の表面に露出している。
そのような構成の生理用ナプキン1では、熱可塑性樹脂繊維が圧搾部の内側の表面に露出するように第1繊維層2a内に存在することにより、圧搾部内においても第1繊維層2aの保水性繊維を熱可塑性樹脂繊維間に安定的に保持することができる。それにより、圧搾部内においても第1繊維層2aの強度が相対的に弱くてもへたることや毛羽立つことを抑制することができ、圧搾部内の第1繊維層2aの肌触りをよりよくすることができる。また、第2繊維層2bにおける保水性を有さない熱可塑性樹脂繊維の一部が圧搾部内の第1繊維層2a内に存在することにより、熱可塑性樹脂繊維を介した圧搾部内の第1繊維層2aから第2繊維層2bへの体液の移行を促進することができる。それにより、体液を吸収体4(及び補助シート5)へより安定的に移行させることができる。なお、生理用ナプキンは、熱可塑性樹脂繊維が圧搾部の内側の表面に露出しなくてもよい。
本実施形態では、第2繊維層2bの熱可塑性樹脂繊維の少なくとも一部は、圧搾部11〜15の少なくとも一つにおいて、その圧搾部の低密度部LPAの表面に露出している。
そのような構成の生理用ナプキン1では、熱可塑性樹脂繊維が低密度部LPAの表面に露出するように第1繊維層2a内に存在することで、低密度部LPA内の第1繊維層2aの保水性繊維を熱可塑性樹脂繊維に安定的に保持できる。それにより、低密度部LPA内の第1繊維層2aの強度が相対的に弱くてもへたることや毛羽立つことを抑制でき、低密度部LPA内の第1繊維層2aの肌触りをよりよくすることができる。また、第2繊維層2bにおける保水性を有さない熱可塑性樹脂繊維の一部が低密度部LPA内の第1繊維層2a内に存在することで、熱可塑性樹脂繊維を介した低密度部LPA内の第1繊維層2aから第2繊維層2bへの体液の移行を促進できる。それにより、体液を最終的に吸収体4(及び補助シート5)へより安定的に移行させることができる。なお、生理用ナプキンは、熱可塑性樹脂繊維が低密度部の表面に露出しなくてもよい。
(表面シート及び補助シート)
本実施形態では、表面シート2は凹凸構造を有し、かつ補助シート5と一体化されている。図3は実施形態に係る表面シート2の平面図であり、図4は図2(a)のIVで示される、表面シート2と補助シート5の部分拡大断面図である。第1繊維層2aは厚さ方向Tの上側の第1上面2aEと下側の第1下面2aFとを有し、第2繊維層2bは厚さ方向Tの上側の第2上面2bEと下側の第2下面2bFとを有している。第1下面2aFと第2上面2bEとは両繊維層間の仮想的な境界であるが、両繊維層の繊維の一部は交絡により互いに他の繊維層へ入り込んでいるため厳密な境界ではない。第1繊維層2aは、第1上面2aEに、長手方向Lに沿って連続的に延び、幅方向Wに間隔を空けて位置する複数の凸部21と、長手方向Lに沿って連続的に延び、互いに隣り合う凸部21間に位置する複数の凹部22と、を有する。表面シート2が凸部21及び凹部22を有することにより、表面シート2と肌との接触面積が低下するので、表面シート2の肌触りが改善する。本実施形態において、複数の凸部21の各々は中実に形成されている。このように複数の凸部21の各々が中実に形成されていることから、各凸部21が潰れ難くなると共に、着用者の身体と接し易い各凸部21から吸収体4への体液の移行性に優れるため、各凸部21の表面のドライ性を高めることが出来る。
第2繊維層2bは、第2上面2bEの凸部21に対応する位置において厚さ方向Tの上向きにやや盛り上がっており、第2下面2bFの凸部21に対応する位置において厚さ方向Tの上向きにやや窪んでいる。そして、後述する補助シート5が、接着剤を介して、第2下面2bFに沿うようにして接着されており、補助シート5の上面が、凸部21に対応する位置において、厚さ方向Tの上向きにやや盛り上がった状態となっている。すなわち、本実施形態においては、表面シート2の複数の凸部21の非肌側面に、補助シート5の複数の凸部が篏合したような構成で、表面シート2と補助シート5とが一体化している。このため、表面シート2の凸部21が補助シート5に支えられることとなるので、表面シート2自体の曲げ剛性が低下しやすい状況でも、表面シート2の凹凸構造が維持される。なお、生理用ナプキンにおいて、第2繊維層は圧搾で形成される窪み部(後述)を除き略平坦な形状であってもよい。また、第2繊維層2bは、第1繊維層2aと同様に(ただし厚さ方向T逆向きに)、第2下面2bFに、長手方向Lに沿って連続的に延び、幅方向Wに間隔を空けて位置する複数の凸部と、長手方向Lに沿って連続的に延び、互いに隣り合う凸部間に位置する複数の凹部と、を有してもよい。その場合、平面視で、第1繊維層2aの凸部21及び凹部22の位置と、第2繊維層2bの凸部及び凹部の位置とは同じであることが好ましい。
第1繊維層2aと第2繊維層2bとは、交絡により互いに接合されている。交絡方法としては、例えば、スパンレース法又はウォータージェット法が挙げられる。ただし、交絡方法はこの例に制限されず、他の交絡方法、例えばエアスルー法を用いてもよい。
本実施形態では、表面シート2は、複数の凹部22の各々において、厚さ方向Tに、第1繊維層2aと第2繊維層2bとが圧縮された複数の窪み部23を有する。複数の窪み部23は、各凹部22において長手方向Lに沿って間欠的に、かつ、等間隔、又は、非等間隔に配置される。窪み部23は、幅方向Wに隣り合う凹部22において、長手方向Lに同じ位置でもよいし、同じ位置でなくてもよい。本実施形態では、凹部22に関して市松模様状に配置される。また、窪み部23の平面視の形状は楕円状など任意である。
そのような構成の生理用ナプキン1では、複数の窪み部23において、厚さ方向Tに、第1繊維層2と第2繊維層2bとが圧搾により固定され、したがって、第1繊維層の保水性繊維が圧縮されている。それにより、保水性繊維の毛羽立ちを抑制でき、表面シートの肌触りを良好に維持することができる。なお、生理用ナプキンは、表面シートに窪み部23を備えなくてもよい。
本実施形態においては、表面シート2が、保水性繊維に比較して高分子フェノール化合物の含有量が多い、粒子状材料を備えている。表面シート2が、このような、高分子フェノール化合物に富んだ粒子状材料を備えることにより、表面シート2の撥水性が、少なくとも部分的に高まることにより、表面シートのドライ性が高まる。高分子フェノール化合物に富んだ粒子状材料としては、リグニンに富んだ植物体の断片を挙げることができる。例えば、保水性繊維として、コットン繊維を使用する場合、高分子フェノール化合物に富んだ粒子状材料としては、綿実の種子殻を挙げることができる。
なお、生理用ナプキンは、高分子フェノール化合物に富んだ粒子状材料を備えていなくてもよい。
本実施形態では、補助シート5は、液透過性のシートである。補助シート5としては、例えば、液透過性の不織布や織布、これらの複合シートが挙げられる。補助シート5の幅方向Wの寸法は、表面シート2の幅方向Wの寸法よりも大きくなっている。すなわち、補助シート5は、表面シート2と比べて幅方向Wにやや大きい形状を有する。補助シート5は、幅方向Wの両端部に一対のループ部5L、5Lを有する。一対のループ部5L、5Lは、補助シート5における幅方向Wの両側部が、それぞれ補助シート5の幅方向Wの内側かつ非肌側(厚さ方向Tの下側)にループ状に折り返されることで形成される。折り返された補助シート5の両側部の端部は、一対のサイドシート6、6の向かい合う一対の内側端部に、長手方向Lに沿って間欠的又は連続的に延びる一対の接着部(図示されず)で互いに接合される。なお、ループ部5Lは弾性部材を含んでいない。また、折り返された補助シート5の両側部の端部は、補助シート5の非肌側の表面に、長手方向Lに沿って間欠的又は連続的に延びる一対の接着部で互いに接合される。
本実施形態の保水性繊維を多く含む表面シート2では、その端縁が擦れると、その端縁から保水性繊維が解れて脱落し易い。ここで、本実施形態では、補助シート5の幅方向Wの寸法が、表面シート2の幅方向Wの寸法よりも大きい。すなわち、平面視で、補助シート5における、表面シート2の幅方向Wの両端縁よりも外側の部分が幅方向Wの外側に延出して、一対の延出部を形成している。本実施形態では、その一対の延出部として、補助シート5の幅方向Wの両端部に一対のループ部5L、5Lが形成されている。それにより、生理用ナプキン1が着用者の大腿部から受ける力を一対のループ部5L、5L(一対の延出部)で受け止めることができ、表面シート2の幅方向Wの両端縁と大腿部とを擦れ難くすることができる。それにより、表面シート2の幅方向Wの両端縁が擦れて保水性繊維が表面シート2の幅方向Wの両端縁から解れて脱落することを抑制でき、肌触りの低下を抑制できる。特に、一対の延出部として一対のループ部5L、5Lを用いる場合には、生理用ナプキン1が着用者の大腿部から受ける力を、一対のループ部5L、5Lのクッション作用で柔らかく受け止めることができ、着用者の感じる肌触りをより良好にすることができる。特に、保水性繊維がコットン繊維の場合、それらの効果は顕著である。
本実施形態では、補助シート5は、第2繊維層2bの繊維密度よりも高い繊維密度を有する。そのような構成の生理用ナプキン1では、第2繊維層2bに引き込まれた体液を、毛細管力により、補助シート5により安定的に移行させることができる。それにより、表面シート2から補助シート5を介して吸収体4へ体液をより安定的に移行させることができ、表面シート2の肌触りを良好にしつつ、吸収性能を向上させることができる。また、第1繊維層2aの繊維密度<第2繊維層2bの繊維密度<補助シート5の繊維密度、となっている場合には、毛細管力により、体液を補助シート5に更により安定的に移行させることができ、好ましい。なお、生理用ナプキンは補助シートの繊維密度が、第2繊維層の繊維密度と同じ、又は第2繊維層の繊維密度よりも低い繊維密度を有していてもよく、補助シート5又はループ部5Lを備えなくてもよい。
本実施形態においては、表面シート2の幅方向Wの両端縁が、補助シート5に接合されておらず、表面シート2の幅方向Wの両端縁が、補助シート5と離間して、わずかに立ち上がった状態となっている。これにより、表面シート2の両端縁を含む部分が、壁面を構成することにより、体液の幅方向への伝い漏れを効果的に防止できる。なお、生理用ナプキンは、表面シートの幅方向Wの両端縁が、補助シートに接合されていてもよい。
本実施形態では、補助シート5は、表面シート2に対応して保水性繊維を含み、表面シート2がセルロース系繊維(好ましくはコットン繊維)を含む場合には、セルロース系繊維(好ましくはコットン繊維)を含むことが好ましい。そのような構成の生理用ナプキン1では、液拡散性の高い保水性繊維、好ましくはセルロース系繊維、更に好ましくはコットン繊維が表面シート2の第1繊維層から第2繊維層を介して補助シート5まで連通している。そのため、それら繊維による体液の液拡散を利用することで、表面シート2から補助シート5を介して吸収体4へ体液をより安定的に移行させることができ、表面シート2の肌触りを良好にしつつ、吸収性能を向上させることができる。なお、生理用ナプキンは、補助シートが保水性繊維、セルロース系繊維又はコットン繊維を含まなくてもよい。その場合、補助シートとしては、例えば疎水性繊維の不織布が挙げられ、中でも熱可塑性樹脂繊維の不織布が好適に用いられる。
吸収体4は、液吸収性能及び液保持性能を有する層であり、本実施形態では、平面視で長手方向Lに長く、長手方向Lの両端部が略半円形の形状を有する。本実施形態では、吸収体4は、吸収性コア4aとそれを被覆するコアラップ4bとを含む。吸収性コア4aとしては、例えば、パルプ繊維のような吸水性繊維を含む液保持性物質、高吸収性ポリマー(SAP)のような吸水材が挙げられる。コアラップ4bとしては、例えば、ティッシュのような親水性不織布を含む液透過性のシートが挙げられる。
本実施形態では、表面シート2がセルロース系繊維(好ましくはコットン繊維)を含む場合には、吸収体4は、表面シート2に対応してセルロース系繊維(好ましくはコットン繊維)を含むことが好ましい。その場合、表面シート2に含まれるセルロース系繊維の一部は、吸収体4に含まれるセルロース系繊維と接触していることが好ましい。
そのような構成の生理用ナプキン1では、液拡散性の高いセルロース系繊維が表面シート2の第1繊維層2aから第2繊維層2bを介して(場合によっては、補助シート5を介して)吸収体4まで連通している。そのため、セルロース系繊維による体液の液拡散を利用することで、表面シート2から吸収体4へ体液を直接拡散させることができる。それにより、吸収性能を高めることができる。なお、生理用ナプキンは、吸収体がセルロース系繊維又はコットン繊維を含まなくてもよい。
(サイドシート、裏面シート)
本実施形態では、サイドシート6は親水性のシートである。サイドシート6としては、例えば、親水性の不織布や通気性を有する合成樹脂フィルムが挙げられる。また、本実施形態では、裏面シート3は液不透過性のシートである。裏面シート3としては、例えば、液不透過性の不織布や合成樹脂フィルム、これらの複合シートが挙げられる。本実施形態では、ウイング部9は、サイドシート6及び裏面シート3で形成されている。
本実施形態の生理用ナプキン1では、上述のとおり、表面シート2は補助シート5に接着剤(例示:ホットメルト接着剤)で接合され、補助シート5及び一対のサイドシート6、6における吸収体4に対向する部分は吸収体4に接着剤で接合される。一対のサイドシート6、6及び吸収体4における裏面シート3に対向する部分は裏面シート3に接着剤等で接合される。
本実施形態では、生理用ナプキン1は、更に、複数の粘着部7及び一対の粘着部8、8を備える。複数の粘着部7は、例えば略矩形状を有し、平面視で、吸収体4と重なるように裏面シート3の非肌側の面に配置され、長手方向Lに連続的に延び、幅方向Wに間欠的に並ぶ。一対の粘着部8、8は、例えば略矩形状を有し、平面視で、一対のウイング部9、9と重なるように裏面シート3の非肌側の面に配置され、長手方向Lに連続的に延びている。粘着部7、8としては、例えばホットメルト接着剤が挙げられる。
<生理用ナプキンの製造方法>
次に、本実施の形態に係る生理用ナプキン1の製造方法の一例につき説明する。
図6は生理用ナプキン1の製造装置300の構成例を示す模式図である。また、図7は生理用ナプキン1の製造方法を模式的に説明する図である。製造装置300は、シート等の資材や半製品の搬送に関し、搬送方向MD、横断方向CD、及び上下方向TDを有する。本実施形態では、資材や半製品の長手方向、幅方向及び厚さ方向はいずれも搬送方向MD、横断方向CD及び上下方向TDと同じである。
まず、第1カード機110により、第2繊維層2bに対応する第2繊維ウェブP11が形成される。第1カード機110は、繊維ウェブの形成に一般的に用いられるシングルカード又はダブルカードを使用した乾式のローラーカードである。第2繊維ウェブP11は第2保水性繊維及び熱可塑性樹脂繊維を含んでいる。第2繊維ウェブP11は搬送装置(図示されず)により搬送方向MDに搬送される。
次に、第2カード機120により、第1繊維層2aに対応する第1繊維ウェブP12が形成される。第2カード機120も第1カード機110と同様の乾式のローラーカードである。第1繊維ウェブP12は第1保水性繊維を含んでいる。第1繊維ウェブP12は、搬送装置で搬送中の第2繊維ウェブP11上に積層される。それにより、第1繊維ウェブP12と第2繊維ウェブP11とが積層された二層構造の複合繊維ウェブP13が形成され、搬送装置により搬送方向MDに搬送される。なお、各繊維ウェブにおける各繊維の比率は各カード機に供給する原料繊維の比率で制御可能である。
次に、二層構造を有する複合繊維ウェブP13は、ウォータージェット処理機130によりウォータージェット処理を施され、繊維同士を交絡される。それにより、第1連続シート(スパンレース不織布)P14が形成される。ここで、ウォータージェット処理は、複合繊維ウェブP13を連続して移動するメッシュベルト上に載せ、複合繊維ウェブP13の上面側から高圧ジェット水流を噴射させて繊維同士を交絡させるものである。ウォータージェット処理によって得られる第1連続シートP14の性質は、各繊維ウェブの質量、噴射ノズルの孔径、噴射ノズルの孔数(ピッチ)、繊維ウェッブの通過速度等によって適宜調整、変更することができる。その後、ウォータージェット処理機130を通過した第1連続シートP14は、乾燥機140により乾燥される。乾燥された第1連続シートP15は、搬送装置により搬送方向MDに搬送される。
なお、各繊維層に対応する繊維ウェブの形成方法は、上述の方法に限定されず、例えば、湿式法などを採用してもよい。また、ウェブの結合方法は、上述の方法に限定されず、例えば、水流交絡法やニードルパンチ法などを採用してもよい。また、第1連続シートP15は、生理用ナプキン1の製造工場とは別の製造工場で製造されて、ロールに巻き取られた後、ロールの状態で生理用ナプキン1の製造工場に供給されてもよい。
次に、搬送装置(図示されず)により搬送された又はロール(図示されず)から巻き戻された第1連続シートP15である第1連続シートP16は、搬送方向MDに搬送されつつ、賦形装置210に供給される。ここで、賦形装置210は、外周面に、周方向に延設され、互いに噛み合う凹凸部を有する賦形ロール210a、210bを備える。そして、第1連続シートP16は、賦形ロール210a、210bの凹凸部に挟持されて、搬送方向MDに延びる凹凸構造を賦形される。その後、第1連続シートP16は搬送方向MDに搬送される。それにより、表面シート2用の連続表面シートP16が形成される。
次に、資材ロールWR3から巻き戻された、補助シート5用の連続補助シートASが、搬送方向MDに搬送されつつ、加熱装置220に供給される。次いで、連続補助シートASは、熱処理を施されて嵩回復された後、塗布装置302に供給される。そして、連続補助シートASは、一方の面に接着剤(例示:ホットメルト接着剤)を所定のパターン(例示:スパイラルパターン)で塗布される。その後、連続補助シートASと連続表面シートP16とが、搬送方向MDに搬送されつつ、接合装置230に供給され、接合装置230の一対の接合ロール230a、230b間に狭持され、接合される。それにより、図7(a)に示すように、連続表面シートP17が形成される。
なお、本実施形態において、表面シート2の複数の凸部21の非肌側面に、補助シート5の複数の凸部21が篏合する構成を実現するためには、上記の接合装置230に備えられる接合ロール230bがエンボスロールを構成するとともに、接合ロール230aがアンビルロールを構成し、連続表面シートP16の上面側と連続補助シートASの下面側から連続表面シートP16と連続補助シートASとを圧着すればよい。
次に、連続表面シートP17は、搬送方向MDに搬送されつつ、塗布装置303に供給される。そして、連続表面シートP17は、連続表面シートP17(の連続補助シートAS)の上下方向TDの下方の面かつ横断方向CDの端部において、搬送方向MDに沿って接着剤(例示:ホットメルト接着剤)を所定のパターンで塗布される。次いで、連続表面シートP17は、搬送方向MDに搬送されつつ、ループ形成装置240に供給される。そして、連続表面シートP17の連続補助シートASにおける横断方向CDの両端部分が、ループ形成装置240のセーラーのような折り畳み治具により中央部分に向かってループ状に折り返される。その結果、連続表面シートP17の横断方向CDの両側に、一対のループ部5L、5Lに対応する一対の側部ASL、ASLが形成される。それにより、図7(b)に示すように、連続表面シートP18が形成される。
次に、資材ロールWR4から巻き戻された、サイドシート6用の連続サイドシートSSが、搬送方向MDに搬送されつつ、切断装置250に供給される。そして、連続サイドシートSSは、横断方向CDの中心の位置で、搬送方向MDに沿って横断方向CDに二等分に切断され、横断方向CDに隣り合う一対の連続サイドシートSSa、SSbが形成される。その後、一対の連続サイドシートSSa、SSbが一対の塗布装置304a、304bに供給される。そして、一対の連続サイドシートSSa、SSbの各々は、横断方向CDの内側の端部に接着剤(例示:ホットメルト接着剤)を所定パターン(例示:ストライプパターン)で塗布される。次いで、一対の連続サイドシートSSa、SSbと連続表面シートP8とが、搬送方向MDに搬送されつつ、接合装置260に供給され、接合装置260の一対の接合ロール260a、260b間に狭持され、接合される。それにより、連続表面シートP18における一対の側部ASL、ASLと一対の連続サイドシートSSa、SSbとがそれぞれ接合される。それにより、図7(c)に示すように、連続表面シートP2が形成される。
次に、連続表面シートP2が、塗布装置305に供給され、一対の連続サイドシートSSa、SSbに近い側の面に、接着剤(例示:ホットメルト接着剤)を所定のパターンで塗布される。次いで、連続表面シートP2と、所定の間隔で搬送方向MDに並んだ吸収体P3とが、搬送方向MDに搬送されつつ、接合装置270に供給される。そして、連続表面シートP2と吸収体P3とが、接合装置270の一対の接合ロール270a、270b間に狭持されて、接合される。それにより、半製品P4が形成される。続いて、半製品P4は、搬送方向MDに搬送されつつ、圧搾装置280に供給される。圧搾装置280では、圧搾用の凸部を外周面に有するエンボスロール280aと、アンビルロール280bとが対面配置されている。そして、半製品P4は、エンボスロール280aとアンビルロール280bとの間に狭持され、圧搾される。その結果、上下方向TDに連続表面シートP2から吸収体P3まで延びる圧搾部11〜15が形成され、それにより、半製品P5が形成される。なお、各圧搾部は互い異なる圧搾装置で圧搾されてもよい。次いで、第4の資材ロールWR5から裏面シート3用の連続裏面シートBSが、搬送方向MDに搬送されつつ、接合装置290に供給される。連続裏面シートBSの一方の面には塗布装置306により接着剤(例示:ホットメルト接着剤)が塗布されている。一方、半製品P5が、搬送方向MDに搬送されつつ、接合装置290に供給される。そして、連続裏面シートBSと半製品P5とが、接合装置290の一対の接合ロール290a、290b間に狭持されて、接合される。それにより、図7(d)に示すように、連続裏面シートBSと半製品P5とが上下方向TDに積層された半製品P6が形成される。その後、半製品P6に粘着剤付きの剥離シートCT(粘着部7、8)が接合され、剥離シートCTが接合された半製品P6の周囲部分が生理用ナプキン1の形状に切断され、生理用ナプキン1が形成される。
以上のようにして、生理用ナプキン1が製造される。
ただし、二層構造を有する複合繊維ウェブP13を交絡する方法としては、エアスルー方式であってもよい。すなわち、複合繊維ウェブP13を加熱装置に搬送し、加熱装置内で、加熱空気により複合繊維ウェブP13の繊維同士を交絡させる方法である。
本発明の吸収性物品は、上述した各実施形態に制限されることなく、本発明の目的、趣旨を逸脱しない範囲内において、適宜組合せや変更等が可能である。
1 生理用ナプキン(吸収性物品)
2 表面シート
2a 第1繊維層
2b 第2繊維層

Claims (12)

  1. 肌側面及び非肌側面を有する表面シートと、裏面シートと、前記表面シート及び前記裏面シートの間に位置する吸収体と、を備える吸収性物品であって、
    前記表面シートは、
    前記肌側面を構成する第1繊維層と、前記第1繊維層の非肌側に隣接するとともに、前記非肌側面を構成する第2繊維層と、を備え、
    前記第1繊維層及び前記第2繊維層のそれぞれが、保水性繊維を含み、
    前記第2繊維層における、保水性繊維中の高分子フェノール化合物の含有量が、前記第1繊維層における、保水性繊維中の高分子フェノール化合物の含有量に比較して多い、吸収性物品。
  2. 少なくとも前記第2繊維層が、熱可塑性樹脂繊維を含み、
    前記第2繊維層における、熱可塑性樹脂繊維の存在量が、前記第1繊維層における、前記熱可塑性樹脂繊維の存在量に比較して多い、
    請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記第1繊維層に含まれる少なくとも一部の前記保水性繊維が、熱可塑性樹脂の溶融物によって被覆されている、請求項2に記載の吸収性物品。
  4. 少なくとも一部の前記保水性繊維は、繊維同士の交絡部分のうちの少なくとも一部の交絡部分において、前記熱可塑性樹脂の溶融物によって被覆されており、
    前記第2繊維層における、前記熱可塑性樹脂の溶融物によって被覆された交絡部分の存在割合が、前記第1繊維層における、前記熱可塑性樹脂の溶融物によって被覆された交絡部分の存在割合に比較して大きい、請求項3に記載の吸収性物品。
  5. 前記熱可塑性樹脂繊維の繊維長が、前記保水性繊維の繊維長よりも長い、請求項2から4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  6. 前記熱可塑性樹脂繊維が、芯鞘型複合繊維であり、鞘成分の融点が、芯成分の融点よりも低い、請求項2から5のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  7. 前記第2繊維層の繊維密度は、前記第1繊維層の繊維密度に比較して高い、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  8. 第2繊維層の繊維間の平均距離が、第1繊維層の繊維間の平均距離と比較して短い、請求項1から7のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  9. 前記表面シートが、前記保水性繊維に比較して高分子フェノール化合物の含有量が多い、粒子状材料を備える、請求項1から8のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  10. 前記第1繊維層及び前記第2繊維層のそれぞれが、保水性繊維として、第1保水性繊維及び第2保水性繊維を含み、
    前記第1保水性繊維の高分子フェノール化合物の含有量が、前記第2保水性繊維の高分子フェノール化合物の含有量に比較して多く、
    前記第1繊維層における、前記第2保水性繊維の存在量が、前記第2繊維層における、前記第2保水性繊維の存在量に比較して多く、
    前記第2繊維層における、前記第1保水性繊維の存在量が、前記第1繊維層における、前記第1保水性繊維の存在量に比較して多い、請求項1から9のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  11. 前記表面シート及び前記吸収体の間に、補助シートを有し、
    前記表面シート及び前記補助シートは、
    前記吸収性物品の長手方向に沿って延び、前記吸収性物品の幅方向に間隔を空けて位置する複数の凸部と、
    前記吸収性物品の長手方向に沿って延び、互いに隣接する凸部間に位置する複数の凹部と、
    を有するとともに、前記表面シートの前記複数の凸部の非肌面に、前記補助シートの前記複数の凸部が篏合している、請求項1から10のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  12. 前記表面シートの幅方向の寸法が、前記補助シートの幅方向の寸法よりも小さく、
    前記表面シートの幅方向の端縁が、前記補助シートに接合されていない、請求項11に記載の吸収性物品。
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