JP2007270419A - 繊維シート - Google Patents

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Abstract

【課題】高強度であるにもかかわらず柔軟な風合いを有する、コットン繊維を含む繊維シート及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】コットン繊維及び2種以上の合繊繊維を含む繊維シートであって、前記合成繊維は不織布を形成しており、前記不織布の繊維ネットワーク内にコットン繊維が入り込み且つ該繊維ネットワークと交絡して、該不織布の片面側に、コットン繊維層が該不織布に一部入り込んだ状態で形成されている。前記合成繊維は以下のa)の繊維とc)の繊維との組み合わせを含んでいる。繊維シートは、a)の繊維どうしが熱融着している前記不織布の片面にコットン繊維のウエブを重ね合わせ、該ウエブ側から高圧水流を噴射して製造されたものである。
a)熱融着性繊維
c)a)の熱融着性繊維と融着していない繊維
【選択図】図1

Description

本発明は、コットン繊維の層を少なくとも片面に有する繊維シート及びその製造方法に関する。本発明の繊維シートは、肌と接触するシートとして特に好適に用いられる。
コットン繊維から構成された柔軟性を有する不織布からなる表面材を有する体液吸収用当て材が知られている(特許文献1参照)。この表面材は水流交絡法によって製造されたものである。従ってこの表面材は繊維間距離が小さく目の詰まった構造となってしまい風合いが硬くなってしまう。それ故、肌に接する表面材として用いるには柔軟性に欠ける。柔軟性を高める手段として表面材の坪量を低下させることが考えられるが、この表面材はコットン繊維単独から構成されているので低坪量化は困難である。低坪量化を試みてもその下限値は35〜40g/m2程度であると考えられる。更にこの表面材は、コットン繊維のみの交絡でシート形態が保たれているので、引張強度などの機械的強度を十分に高くすることが容易でない。強度を高めることと坪量を低くすることとは一般に相反する関係にある。
コットン繊維などの天然繊維を他の繊維と複合化させて、コットン繊維の低坪量化を図る方法が提案されている(特許文献2参照)。この方法では、ネット状シートの上面に天然繊維等の短繊維のウエブを積層し、高速水流処理によって該ウエブの繊維を互いに交絡させ且つネット状シートにも交絡させている。しかし、短繊維の交絡の対象がネット状シートであることに起因して、交絡した短繊維が目詰まりを起こし、繊維間距離が短くなってしまう。その結果、得られるシートは柔軟性に欠けた硬いものとなってしまう。
特開平8−24289号公報 特開昭60−199962号公報
従って本発明は、高強度であるにもかかわらず柔軟な風合いを有する、コットン繊維を含む繊維シート及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、コットン繊維及び互いに異なる2種以上の合繊繊維を含む繊維シートであって、
2種以上の前記合成繊維は不織布を形成しており、
前記不織布の繊維ネットワーク内にコットン繊維が入り込み且つ該繊維ネットワークと交絡して、該不織布の片面側に、コットン繊維層が該不織布に一部入り込んだ状態で形成されており、
2種以上の前記合成繊維は以下のa)の繊維とb)の繊維との組み合わせ又はa)の繊維とc)の繊維との組み合わせを含んでいる繊維シートを提供することにより前記目的を達成したものである。
a)熱融着性繊維
b)a)の熱融着性繊維よりも繊維径の小さな熱融着性繊維
c)a)の熱融着性繊維と融着していない繊維
また本発明は、前記繊維シートの好ましい製造方法として、
a)の繊維とb)の繊維又はa)の繊維とc)の繊維とを含む不織布の片面にコットン繊維のウエブを重ね合わせ、該ウエブ側から高圧水流を噴射して、該不織布の繊維ネットワーク内にコットン繊維を入り込ませ且つ該繊維ネットワークと交絡させるのと同時に、該不織布中のb)の繊維又はc)の繊維を該不織布の他面側に移動させる繊維シートの製造方法を提供するものである。
更に本発明は、コットン繊維及び互いに異なる2種以上の合繊繊維を含む繊維シートであって、
2種以上の前記合成繊維は不織布を形成しており、
前記不織布の繊維ネットワーク内にコットン繊維が入り込み該繊維ネットワークと交絡して、該不織布の各面側に、コットン繊維層が該不織布に一部入り込んだ状態でそれぞれ形成されており、
2種以上の前記合成繊維は以下のa)の繊維とb)の繊維との組み合わせ又はa)の繊維とc)の繊維との組み合わせを含んでいる繊維シートを提供するものである。
a)熱融着性繊維
b)a)の熱融着性繊維よりも繊維径の小さな熱融着性繊維
c)a)の熱融着性繊維と融着していない繊維
更に本発明は、液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、これら両シート間に介在配置された液保持性の吸収体とを備えた吸収性物品において、該表面シートとして前記何れかの繊維シートを用いた吸収性物品を提供するものである。
本発明の繊維シートは、従来のコットンシートで起こりやすかったコットン繊維の目詰まりが防止されるので、柔軟な風合いを呈する。また本発明の繊維シートは、コットン繊維層の側からシート内部へ向かって毛管力に勾配があり液の引き込み性が高いので、繊維シートが液と接触しても、コットン繊維層の側の表面はドライな感覚を呈する。更に本発明の繊維シートにおけるコットン繊維層は、同坪量のコットン繊維単独からなるコットンシートに比べて引張強度等が高いので、コットン繊維層を低坪量にすることが可能になる。コットン繊維層を低坪量にすることは、コットン繊維層の柔軟性を高める点から有利である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には、本発明の繊維シートの一実施形態の縦断面構造が模式的に示されている。繊維シート1は、合成繊維からなる不織布2の一方の面にコットン繊維層3が一部入り込んだ複合シートから構成されている。
コットン繊維層3は、不織布2の繊維ネットワーク内にコットン繊維4が入り込み且つコットン繊維4が繊維ネットワークと交絡して、不織布2の片面側に形成されている。もちろんコットン繊維4は、それらどうしでも交絡している。図1に示すように、繊維シート1においてはコットン繊維層3が形成されている側からコットン繊維層3が形成されていない側に向かってコットン繊維の量が漸次減少している。
一方、不織布2は、2種以上の合成繊維から構成されており、コットン繊維4を交絡させるためのネットワーク構造を提供している。2種以上の合成繊維は以下のa)の繊維とb)の繊維との組み合わせ又はa)の繊維とc)の繊維との組み合わせを含んでいる。
a)熱融着性繊維
b)a)の熱融着性繊維よりも繊維径の小さな熱融着性繊維
c)a)の熱融着性繊維と融着していない繊維
a)の繊維は不織布2において主たる繊維ネットワークを形成することを目的として用いられている。従って以下ではa)の繊維をネットワーク形成繊維と呼ぶ。繊維ネットワークを安定的に且つ確実に形成する観点から、ネットワーク形成繊維はその繊維径が比較的太いことが好ましい。具体的には3〜16dtex、特に4〜10dtexであることが好ましい。同様の理由によりネットワーク形成繊維は剛性の高い合成樹脂から構成されていることが好ましい。例えば、剛性成分としてポリプロピレンやポリエステル等を含み、融着成分としてポリエチレンや低融点ポリエステル等を含む複合繊維から構成されていることが好ましい。
一方、b)及びc)の繊維は、コットン繊維層3を構成するコットン繊維4を不織布2の繊維ネットワークに交絡させる際に、繊維ネットワークの繊維空間を拡大させることを目的として用いられている(この点の詳細については後述する)。従って以下ではb)及びc)の繊維を総称して繊維空間拡大繊維という。
b)の繊維としては、ネットワーク形成繊維よりも繊維径が小さい繊維が用いられる。具体的にはb)の繊維の繊度(dtex)は、ネットワーク形成繊維の繊度(dtex)の5〜80%、特に10〜50%程度小さいことが、繊維ネットワークの繊維空間を拡大させ得る点から好ましい。b)の繊維はその一部が不織布2中においてネットワーク形成繊維と融着している。
c)の繊維としては、ネットワーク形成繊維と融着していない繊維が用いられる。「ネットワーク形成繊維と融着していない繊維」とは、融着性を本来的に有していないので、ネットワーク形成繊維と融着し得ない繊維、及び融着性を有しているが、不織布2の製造過程においてネットワーク形成繊維と融着する処理が施されず、その結果としてネットワーク形成繊維と融着していない状態にある繊維の双方を包含する。c)の繊維は、先に述べたb)の繊維と異なり、ネットワーク形成繊維の繊維径との間に大小関係は特に要求されない。c)の繊維としては、ネットワーク形成繊維を構成する合成樹脂よりも高融点を有する合成樹脂から構成される繊維、例えばポリエステル、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリアミドなどの合成樹脂からなる単一繊維、該合成樹脂の2種以上の組み合わせからなるサイドバイサイド型複合繊維や芯鞘型複合繊維(このような繊維は一般に熱融着性である)や、本来的に熱融着性を有していない繊維、例えばレーヨンなどが挙げられる。c)の繊維として特に好ましいものは、捲縮が発現している潜在捲縮性繊維である。この繊維を用いると、繊維の脱落が少なく、また繊維シート1に伸縮性が発現して柔軟性や使用感、使い易さに優れた繊維シート1を得ることができるという利点がある。また、不織布2の製造過程で形成される繊維ウェブの形成後に潜在捲縮性繊維の捲縮を発現するようにすると、カーディング等の繊維ウェブ形成時に、ネットワーク形成繊維と絡みつき易くなるという利点もある。捲縮が発現している潜在捲縮性繊維がネットワーク形成繊維に絡みついていると、繊維シート1の製造過程において(これについては後述する)、高圧水流が噴射されたときに、繊維の脱落が起り難くなる。しかも水流の圧力によって、捲縮が発現している潜在捲縮性繊維のコイル部分が伸びて逃げたり、或いは絡みつきの弱い部分がはずれたりするなどの現象がおこり、繊維ネットワークの繊維空間拡大を適切にコントロールすることができる。
図1に示す繊維シートでは、ネットワーク形成繊維Iと、1種類の繊維空間拡大繊維IIとの2種類の合成繊維が用いられている。もちろん繊維空間拡大繊維IIは2種類以上用いてもよい。例えばb)の繊維とc)の繊維とを併用することができる。なお図1においては、ネットワーク形成繊維Iによって嵩高な繊維ネットワークが形成されることを強調するために、ネットワーク形成繊維Iは縦長の楕円で模式的に示されている。
図1に示すように、繊維空間拡大繊維IIはコットン繊維層3が形成されている側と反対側に偏在している。この偏在によって、コットン繊維層3を構成するコットン繊維4を不織布2の繊維ネットワークに交絡させる際に、繊維ネットワークの繊維空間が拡大する(この点については更に後述する)。
本実施形態の繊維シート1が以上の構成を有していることによって、繊維シート1は以下の有利な効果(a)〜(c)を主として奏する。
(a)コットン繊維層3においては、それを構成するコットン繊維4どうしの繊維間距離が大きくなり、従来のコットンシートで起こりやすかったコットン繊維4の目詰まりが防止される。その結果、コットン繊維層3は柔軟な風合いを呈する。具体的にはコットン繊維層3は、同種のコットン繊維を用いて水流交絡によって得られたコットンシート(繊維間距離を出来るだけ大きくできるような条件下に製造されたあらゆるコットンシート)に比べて繊維間距離が大きくなっている。繊維シート1の柔軟性は次に述べる方法で評価することができる。
繊維シート1の柔軟性の評価は、KES圧縮試験装置(KES−FB3、カトーテック製)を用いて行う。前記装置による最大荷重値を49cN/cm2(50gf/cm2)とした評価における初期厚みT0(0.5gf/cm2荷重下の厚み)、最大荷重時における厚みをTとしたとき、式(T0−T)/T0による値が0.5から0.9となることが、繊維の目詰まりが生じていないことに起因して柔軟性(クッション性)が向上する観点から好ましい。
(b)コットン繊維4が不織布2の内部にまで入り込んでいるので、繊維シート1全体としてみると、コットン繊維層が形成されている側から繊維シート1の厚み方向中央に向かって繊維量が漸次多くなっている。つまり、コットン繊維層が形成されている側から繊維シート1の厚み方向中央に向かって繊維間距離が漸次小さくなっている。その結果、コットン繊維層が形成されている側から繊維シート1の厚み方向中央に向かって毛管力が漸次高くなっている。即ち毛管力に勾配が生じている。これによってコットン繊維層が形成されている側からシート内部への液の引き込み性が高くなり、繊維シート1が液と接触しても、コットン繊維層が形成されている側の表面はドライな感覚を呈する。従来のコットンシートが液と接触すると、コットンに特有の吸液性や吸湿性に起因してその表面がウエットな感覚を呈していたが、本発明の繊維シートではそのような不都合は生じない。
(c)コットン繊維層3が不織布2に一部入り込んだ状態になっているので、コットン繊維層3は、同坪量のコットン繊維単独からなるコットンシートに比べて引張強度を始めとする機械的強度が高くなる。このことは特にコットン繊維層3が低坪量である場合に有利である。コットン繊維層3を低坪量にすることは、コットン繊維層3の柔軟性を高めることに寄与するからである。
不織布2においては、ネットワーク形成繊維を30〜70質量%、特に40〜60質量%含み、また繊維空間拡大繊維を70〜30質量%、特に60〜40質量%含むことが、不織布2の引張強度などの機械的強度を十分に高くすることができ、またネットワークを十分に維持することができる点から好ましい。且つコットン繊維が不織布2内へ入りこみ易くなる点からも好ましい。不織布2はネットワーク形成繊維I及び繊維空間拡大繊維IIに加えて他の繊維を含んでいてもよい。そのような繊維の例としては、ポリエステル、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリアミドなどの合成樹脂からなる分割型複合繊維、レーヨンやパルプなど、不織布2の毛管力を向上させる繊維が挙げられる。毛管力は、不織布2の空間径や親水性などの要因に左右される。
コットン繊維層3は、当業界において通常用いられているコットン繊維を原料とするものである。コットン繊維層3はコットン繊維のみから構成されていてもよく、或いは他の繊維を少量含んでいてもよい。そのような繊維の例としては、レーヨン繊維、パルプ繊維、熱融着性繊維などが挙げられる。
繊維シート1における不織布2の坪量は15〜80g/m2、特に25〜60g/m2であることが、コットン繊維4を交絡させる繊維ネットワークを十分に形成し得る点及び繊維シート1全体の強度を確保する点から好ましい。一方コットン繊維層3の坪量は、十分な柔軟性を確保する点及び製造経費の点から、5〜30g/m2、特に10〜20g/m2であることが好ましい。繊維シート1全体の坪量は、取り扱い性や風合いの点から、25〜100g/m2、特に35〜80g/m2であることが好ましい。
繊維シート1は肌と接触する用途、例えば吸収性物品の表面シート、メーク落とし用のシート、タオル、湿式の清拭シート、食器洗浄用シートなどとして好適に用いられる。なお、人の肌と触れる用途に用いられる場合、繊維シート1はそのコットン繊維層3の側が肌と接触するように用いられる。
例えば繊維シート1を吸収性物品の表面シートとして用いた場合、該吸収性物品は、表面シートとしての繊維シート1と、液不透過性の裏面シートと、これら両シート間に介在配置された液保持性の吸収体とを備えて構成される。表面シートは着用者の肌対向面となり、裏面シートは着衣対向面となる。裏面シートとしては、各種熱可塑性樹脂のフィルムや、該フィルムと不織布とのラミネートなどが用いられる。吸収体としては、高吸収性ポリマーとフラッフパルプとの積繊体や、高吸収性ポリマーを含む紙などが用いられる。このような構成の吸収性物品としては、例えば生理用ナプキン、パンティライナ、失禁パッド、使い捨ておむつなどが包含される。繊維シート1をこのような用途に用いる場合には、前述したように、そのコットン繊維層3の側が着用者の身体に対向するように吸収し物品に組み込む。繊維シート1を表面シートとして用いた吸収性物品は、繊維シート1の柔軟な風合いに起因して装着感が快適なものとなる。また、繊維シート1による液の高い引き込み性に起因して、吸収性物品の肌対向面はドライな状態が保たれ、これによっても吸収性物品の装着感が良好になる。
次に図1に示す繊維シート1の好ましい製造方法について説明する。先ず不織布2を製造する。不織布2は通常の不織布製造方法に従い製造することができる。特に好ましい製造方法は、嵩高な繊維ネットワークを形成し得る製造方法であるエアスルー法やエアレイド法である。例えばエアスルー法によって不織布2を製造する場合には、ネットワーク形成繊維と繊維空間拡大繊維とが所定の比率で配合された原料繊維をカード機を用いて開繊しウエブを製造する。次いで所定温度に加熱された熱風を該ウエブに吹き付けて繊維の交点を融着する。この場合、繊維空間拡大繊維としてb)の繊維を用いる場合には、ネットワーク形成繊維どうし、繊維空間拡大繊維どうし、及びネットワーク形成繊維と繊維空間拡大繊維とが融着する。一方、繊維空間拡大繊維としてc)の繊維を用いる場合には、ネットワーク形成繊維どうしが融着する。これによって不織布2が得られる。c)の繊維として潜在捲縮性繊維を用いる場合には、熱風の吹き付け後、潜在捲縮性繊維の捲縮発現温度以上に不織布2を加熱して潜在捲縮性繊維をコイル状に捲縮させる。この捲縮によってネットワーク形成繊維の一部が、捲縮した潜在捲縮性繊維のコイル内に取り込まれる。このようにして製造された不織布2においては、ネットワーク形成繊維及び繊維空間拡大繊維はそれぞれ均一に分布している。つまり各繊維は偏在していない。
不織布2の製造とは別に、コットン繊維のウエブを製造する。該ウエブはカード機によってコットン繊維を開繊することで得られる。
得られたコットン繊維のウエブを不織布2の上に重ね合わせる。この状態を図2に示す。図2においては、不織布2は原反2'から巻き出され、ワイヤーメッシュからなる無端縁ベルト5によって搬送される。搬送されている不織布2上に、コットン繊維のウエブ3'が重ね合わされる。両者が重ね合わされた状態下に、コットン繊維のウエブ3'の側からジェットノズル6を用いて高圧水流を噴射する。この状態を図3に模式的に示す。
図3に示すように、高圧水流の噴射によって不織布2上に重ねられていたコットン繊維のウエブ3'においては、コットン繊維4どうしが交絡し、またコットン繊維4と不織布2の構成繊維、即ち繊維ネットワークとが交絡する。この場合、不織布2においては、ネットワーク形成繊維Iは高圧水流の圧力を受けても繊維ネットワークを維持しているが、繊維空間拡大繊維IIは高圧水流の圧力を受けて下面側、即ちコットン繊維のウエブ3'のウエブが重ね合わされている面と反対側に強制的に移動させられる。つまり偏在させられる。具体的には、繊維空間拡大繊維IIがb)の繊維からなる場合、b)の繊維は細い繊維であり融着成分が少ないことから、b)の繊維とネットワーク形成繊維Iとの熱融着は弱いものであり、従って高圧水流の圧力によって両繊維の融着点は容易に破壊される。その結果、b)の繊維は強制的に移動させられる。一方、繊維空間拡大繊維IIがc)の繊維からなる場合、c)の繊維はネットワーク形成繊維Iと熱融着していないので高圧水流の圧力によって強制的に移動させられる。c)の繊維が、捲縮が発現した潜在捲縮性繊維からなる場合には、先に述べたように、捲縮した潜在捲縮性繊維のコイル内にネットワーク形成繊維Iの一部が取り込まれており、またコイル部分が伸びることから、該潜在捲縮性繊維は高圧水流の圧力を受けても過度に移動しない。その結果、該潜在捲縮性繊維の移動がコントロールされ、後述するようにネットワーク形成繊維Iのみから構成される繊維空間が適度に形成されるという利点がある。つまりc)の繊維として、捲縮が発現した潜在捲縮性繊維を用いた場合には、水流によって該潜在捲縮性繊維はそのコイル部分が伸びることで移動して、ネットワーク形成繊維Iによる繊維空間を適度に形成するが、その後にコイル部分が縮むことで該潜在捲縮性繊維は移動前の位置或いはその近傍の位置に戻るので過度に偏在しない。
繊維空間拡大繊維IIの移動の結果、該繊維空間拡大繊維IIが移動して存在しなくなった部分はネットワーク形成繊維Iのみから構成される繊維ネットワークを形成していることになる。つまり当該部分の繊維空間は、高圧水流の圧力を受ける前よりも大きくなる。換言すれば、当該部分の繊維空間における繊維間距離は大きくなっている。大きくなった繊維空間にはコットン繊維4が容易に入り込み易くなり、繊維ネットワークと交絡しやすくなる。繊維空間拡大繊維IIを用いずにネットワーク形成繊維Iのみから不織布2を構成して十分な繊維空間を確保することは極めて困難である。このように本発明においては、繊維ネットワークを構成するネットワーク形成繊維Iと、高圧水流の圧力によって移動可能な繊維空間拡大繊維IIとを併用することで初めて十分な繊維空間を確保することが可能になり、コットン繊維4を不織布2内に十分に入り込ませ且つ交絡させることができるようになった。
このようにして、コットン繊維4からなるコットン繊維層3が不織布の片面側に形成され、繊維シート1が得られる。
以上の通り本発明では、繊維空間拡大繊維IIとして、水流によって移動して偏在するタイプの繊維、及び捲縮した潜在捲縮性繊維のように水流によって移動するものの元の位置近くまで戻って大きくは偏在しないタイプの繊維を用いている。前者のタイプの繊維を用いると、繊維シート1に毛管勾配が形成されるという利点がある。後者のタイプの繊維を用いると、繊維の脱落が少なく、また繊維シートに伸縮性能が発現するという利点がある。
次に本発明の別の実施形態について図4を参照しながら説明する。この実施形態については、先に述べた実施形態と異なる点についてのみ説明し、特に説明しない点については、先に述べた実施形態に関して詳述した説明が適宜適用される。また、図4において、図1同じ部材に同じ符号を付してある。
図4に示すように、本実施形態の繊維シート10は、合成繊維からなる不織布12の各面にコットン繊維層13,13がそれぞれ一部入り込んだ複合シートから構成されている。繊維シート10においては、各コットン繊維層13,13が形成されている側から繊維シート10の厚み方向の中央に向かってコットン繊維4の量が漸次減少している。また繊維シート1全体でみると、各コットン繊維層13,13が形成されている側から繊維シート10の厚み方向の中央に向かって繊維量が多くなっている。つまり各コットン繊維層13,13が形成されている側から繊維シート10の厚み方向の中央に向かって繊維間距離が漸次小さくなっている。その結果、各コットン繊維層13,13が形成されている側から繊維シート10の厚み方向の中央に向かって毛管力が漸次高くなっている。即ち毛管力に勾配が生じている。これによって各コットン繊維層13,13が形成されている側からシート内部への液の引き込み性が高くなり、繊維シート1が液と接触しても、繊維シート1の表面はドライな感覚を呈する。
本実施形態の繊維シート10は、その両面にコットン繊維層13が形成されているので、どちらの側を肌に接触させるように用いてもよい。
本発明は前記実施形態に制限されない。例えば図1に示す実施形態においては、コットン繊維層3が形成されていない側の表面にはコットン繊維が存在しないように表されているが、コットン繊維層3が形成されていない側の表面にコットン繊維が存在していてもよい。
本発明の繊維シートの一実施形態の縦断面構造を示す模式図である。 図1に示す繊維シートを製造する工程を示す図である。 不織布にコットン繊維のウエブを交絡させる状態を示す模式図である。 本発明の繊維シートの別の実施形態の縦断面構造を示す模式図である。
符号の説明
1 繊維シート
2 不織布
3 コットン繊維層
4 コットン繊維

Claims (11)

  1. コットン繊維及び互いに異なる2種以上の合繊繊維を含む繊維シートであって、
    2種以上の前記合成繊維は不織布を形成しており、
    前記不織布の繊維ネットワーク内にコットン繊維が入り込み且つ該繊維ネットワークと交絡して、該不織布の片面側に、コットン繊維層が該不織布に一部入り込んだ状態で形成されており、
    2種以上の前記合成繊維は以下のa)の繊維とb)の繊維との組み合わせ又はa)の繊維とc)の繊維との組み合わせを含んでいる繊維シート。
    a)熱融着性繊維
    b)a)の熱融着性繊維よりも繊維径の小さな熱融着性繊維
    c)a)の熱融着性繊維と融着していない繊維
  2. 前記不織布はa)の繊維を30〜70質量%含み、b)又はc)の繊維を70〜30質量%含む請求項1記載の繊維シート。
  3. コットン繊維層が形成されている側からコットン繊維層が形成されていない側に向かってコットン繊維の量が漸次減少している請求項1又は2記載の繊維シート。
  4. c)の繊維が捲縮が発現している潜在捲縮性繊維である請求項1〜3の何れかに記載の繊維シート。
  5. コットン繊維層が形成されている側から繊維シートの厚み方向中央に向かって繊維間距離が漸次小さくなっている請求項1〜4の何れかに記載の繊維シート。
  6. コットン繊維層は、同種のコットン繊維を用いて水流交絡によって得られたコットンシートに比べて繊維間距離が大きくなっている請求項1〜5の何れかに記載の繊維シート。
  7. b)の繊維又はc)の繊維が、コットン繊維層の形成されていない側に偏在している請求項1〜6の何れかに記載の繊維シート。
  8. 請求項1記載の繊維シートの製造方法であって、
    a)の繊維とb)の繊維又はa)の繊維とc)の繊維とを含む不織布の片面にコットン繊維のウエブを重ね合わせ、該ウエブ側から高圧水流を噴射して、該不織布の繊維ネットワーク内にコットン繊維を入り込ませ且つ該繊維ネットワークと交絡させるのと同時に、該不織布中のb)の繊維又はc)の繊維を該不織布の他面側に移動させる繊維シートの製造方法。
  9. コットン繊維及び互いに異なる2種以上の合繊繊維を含む繊維シートであって、
    2種以上の前記合成繊維は不織布を形成しており、
    前記不織布の繊維ネットワーク内にコットン繊維が入り込み該繊維ネットワークと交絡して、該不織布の各面側に、コットン繊維層が該不織布に一部入り込んだ状態でそれぞれ形成されており、
    2種以上の前記合成繊維は以下のa)の繊維とb)の繊維との組み合わせ又はa)の繊維とc)の繊維との組み合わせを含んでいる繊維シート。
    a)熱融着性繊維
    b)a)の熱融着性繊維よりも繊維径の小さな熱融着性繊維
    c)a)の熱融着性繊維と融着していない繊維
  10. 各コットン繊維層が形成されている側から繊維シートの厚み方向の中央に向かってコットン繊維の量が漸次減少している請求項9記載の繊維シート。
  11. 液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、これら両シート間に介在配置された液保持性の吸収体とを備えた吸収性物品において、該表面シートとして請求項1又は請求項9記載の繊維シートを用いた吸収性物品。
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JP2020081757A (ja) * 2018-11-30 2020-06-04 ユニ・チャーム株式会社 吸収性物品

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