JP2012526923A - リヨセルとセルロース系低重合度パルプとのフィブリル化ブレンド - Google Patents
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Abstract
【選択図】なし
Description
ブレンドは、種々の材料〔例えば、ゴム、ポリビニルアルコール、他のエラストマー材料、セルロースエーテル、ポリウレタン、ポリ乳酸、およびラテックス(例えば、ポリスチレン−co−ブチルアクリレートを水溶性ポリマー中に分散させたもの)〕中に組み込むことができる。ブレンドは、生分解性だけでなく、高い最大強度、高い弾性率、および高い破断強度が必要とされる材料中に組み込むことができる。ブレンドは、熱的クリープをもたらすよう接着剤中に組み込むことができる。ブレンドは、水性塗料におけるレオロジー改質剤として使用することができる。ブレンドはさらに、澱粉ベースの材料において使用することができる。
1つの実施態様では、リヨセルと低DPパルプとのブレンドを、ブレンド1トン当たり500kwh未満のエネルギーにてフィブリル化することができ、適切に機能する、ということを出願者らは見出した。1つの実施態様では、リヨセルと低DPパルプとのブレンドを、ブレンド1トン当たり100kwh未満のエネルギーにてフィブリル化することができ、適切に機能する、ということを出願者らは見出した。1つの実施態様では、リヨセルと低DPパルプとのブレンドを、ブレンド1トン当たり10kwh未満のエネルギーにてフィブリル化することができ、適切に機能する、ということを出願者らは見出した。
リヨセルと低DPパルプは、セルロースを、そして場合によってはヘミセルロースおよびリグニンを主成分として含有する。リヨセルと低DPパルプに対する通常の出発物質としては、樹木、草、および再生紙などがあるが、これらに限定されない。いかなる供給源からの出発物質も、最初はパルプに転化される。パルプは、クラフト木材パルプ等の化学木材パルプであり、漂白してもよいし、軽く漂白してもよいし、あるいは無漂白であってもよい。軽く漂白したパルプと無漂白のパルプはリグニンを含有する。パルプ用原材料は、セルロース、ヘミセルロース、およびリグニンの供給源であり、「木材」または「樹木」という用語は、セルロース、ヘミセルロース、およびリグニンの全ての供給源を総称的に表わすのに使用される。木材パルプ工業においては、樹木は従来、硬材または軟材として分類されている。リヨセルや低DPパルプに対する出発物質として有用な軟材種の例としては、ダグラスファーやバルサムファー等のモミ;イースタンホワイトパインやロブロリーパイン等のマツ;ホワイトスプルース等のトウヒ;イースタンラーチ等のカラマツ;ヒマラヤスギ;およびイースタンヘムロックやウエタンヘムロック等のツガ;などがあるが、これらに限定されない。リヨセルや低DPパルプに対する出発物質として有用な硬材種の例としては、アカシア;レッドアルダーやヨーロピアンブラックアルダー等のハンノキ;アメリカヤマナラシ等のヤマナラシ;ブナ;カバノキ;ホワイトオーク等のオーク;ユーカリやモミジバフウ等のゴムの木;バルサムポプラ、イースタンコットンウッド、ブラックコットンウッド、およびイエローポプラ等のポプラ;ならびに、サトウカエデ、レッドメープル、シルバーメープル、およびビッグリーフメープル等のアエデ;などがあるが、これらに限定されない。
パルプ業界では、セルロースをリファイニングするために、木材主成分の化学的性質の違いが利用されている。例えば、蒸気の形態の加熱水が、ヘミセルロースからのアセチル基の除去を引き起こし、これに応じて、酢酸が形成されることでpHが低下する。次いで木材の炭水化物成分の酸加水分解が起こり、このときリグニンの加水分解はより少ない。ヘミセルロースは、酸加水分解を特に受けやすく、溶解パルプセクションまたは酸性亜硫酸塩蒸解プロセスにおいて説明するように、クラフトパルプ化工程において使用される場合は、初期の蒸気による前加水分解工程によって殆どを分解させることができる。
再生セルロース繊維は、種々のアミンオキシドまたはイオン性液体を溶剤として使用して製造することができる。約12%の水が存在する状態のN−メチルモルホリン−N−オキシド(NMMO)が、特に有用な溶剤であることが分かっている。セルロースを、加熱条件下(通常は90℃〜130℃の範囲)にて溶剤中に溶解し、多数の細孔付き紡糸口金から空気中に押し出す。セルロースドープのフィラメントを、約3〜10倍の範囲のファクターで機械的に連続的に空気中に延伸して分子配向を起こさせる。次いで、これらのフィラメントを非溶剤(通常は、水または水/NMMO)中に導いて、セルロースを再生させる。低級脂肪族アルコール等の他の再生溶剤も提唱されている。
前述したように、リヨセル繊維の1つの製造方法は乾燥ジェット/湿潤法である。この方法では、紡糸口金のオリフィスを出るフィラメントを、空隙を通して機械的に引っ張り、次いで液体浴中に沈め、凝固させ、そして機械的に延伸してから乾燥する。乾燥リヨセル繊維は、2〜12mmの種々の長さにカットすることができる。乾燥リヨセルは、2〜12mmより長くカットすることができず、またフィブリル化に直接使用することができない。
現在最も入手しやすいリヨセル繊維は、非セルロース成分(特にヘミセルロース)を除去するよう広範囲にわたって処理されている高品質木材パルプから製造される。高度に処理されたこれらのパルプは、溶解グレードパルプもしくは高アルファ(または高α)パルプと呼ばれ、アルファ(またはα)という用語は、セルロースの比率を表わしている(Tappi,T203 CM−99)。したがって高αパルプは、高率のセルロースを〔これに応じて、低率の他の成分(特にヘミセルロース)を〕含有する。高アルファパルプを生成させるのに必要なプロセシング、および高アルファパルプにおいては出発原材料の含量がより少ないのでパルプ収率がより低くなるという事実が、リヨセル繊維およびリヨセル繊維から製造される製品のコストを大幅に高める。
パルプを製造するのにクラフト法を使用するときは、硫化ナトリウムと水酸化ナトリウムとの混合物を使用して木材をパルプにする。従来のクラフト法は、残留ヘミセルロースをさらなるアルカリ攻撃に対して安定化させ、したがって、パルプ中にヘミセルロースが残留するので、漂白段階におけるその後のクラフトパルプの処理を通して、許容しうる品質の溶解パルプ(すなわち高アルファパルプ)を得ることができない。溶解型のパルプをクラフト法によって得るためには、アルカリパルプ化段階の前に、酸による前処理を原材料に施す必要がある。原材料のうちの相当量(最初の木材物質の10%以上程度の主としてヘミセルロース)を、この酸性相の前処理において可溶化させる(したがってプロセス収率が低下する)。前加水分解条件下では、セルロースは、攻撃に対して大いに抵抗性があるが、残留ヘミセルロースは、はるかに短い鎖長に分解され、したがって後続するクラフト蒸解において、種々のヘミセルロース加水分解反応によって、もしくは溶解によって、残留ヘミセルロースをかなりの程度まで除去することができる。
「重合度」(DPと略記する)という用語は、セルロース分子中のD−グルコースモノマーの数を表わす。したがって、「平均重合度」または「平均DP」という用語は、セルロースポリマーの集合体におけるのセルロースポリマー1つ当たりのD−グルコース分子の平均数を表わす。
Sixtaはさらに、異なる種に対するDP、パルプ化システム、および漂白システムも示している。Sixtaは以下のようなDPを報告しており、Cuam法はCuene法より高いDPを有することがわかる。
・ECF漂白を施したパインクラフト:2207のCueneDPと2827のCuamDP
・TCF漂白を施したトウヒクラフト:1648のCueneDPと2251のCuamDP
・ECF漂白を施したユーカリクラフト:2355のCueneDPと2847のCuamDP
・ECF漂白を施したブナノキ亜硫酸パルプ:2240のCueneDPと2636のCuamDP
・TCF漂白を施したトウヒ亜硫酸パルプ:3074のCueneDPと3648のCuamDP
・ECF漂白を施したトウヒ亜硫酸パルプ:2486のCueneDPと3144のCuamDP
・TCF漂白を施したブナノキ亜硫酸パルプ:3489のCueneDPと4050のCuamDP
DPの分布は、単峰形(すなわち、モードDP値が、分布内にて最も頻繁に生じるDP値である)であっても、多峰形(すなわち、幾つかの相対的最大値を有するセルロースDP値の分布)であってもよい。多峰形の処理パルプは、例えば、2種以上の単峰形の処理パルプ(それぞれが異なるモードDP値を有する)を混合することによって作製することができる。セルロースDP値の分布は、GPC法によって決定することができる(Sixtaによる「Handbook of pulp, vol. 2, Wiley-VCH2006」)。
前加水分解処理なしのクラフトパルプのDPを、200〜1000の範囲のDP、または300〜850の範囲のDP、または400〜750の範囲のDPに低下させるための種々の方法がある。DPの低下は、ヘミセルロースの含量を実質的に減らすことなく行うことができる。パルプは、漂白パルプであっても、半漂白パルプであっても、あるいは未漂白パルプであってもよい。低DPのおがくずパルプ、リヨセルパルプ、またはビスコースグレードパルプを、これらの方法を使用して製造することができる。
ヘミセルロースの含量を実質的に減らすことなくセルロースの平均DPを低下させるようパルプを処理する手段は、パルプを酸で処理することである。単に酸性化溶液のpHを制御することができるという条件にて、塩酸、リン酸、硫酸、酢酸、および硝酸(これらに限定されない)を含めた任意の酸を使用することができる。工業規模のプロセスにて使用されるときに重大な腐食問題を引き起こさない強酸であることから、硫酸が使用される。さらに、酸の代わりに、あるいは酸と併用する形で酸代替物を使用することができる。酸代替物は、パルプを含有する溶液中に溶解したときに酸を形成する化合物である。酸代替物の例としては、二酸化硫黄ガス、二酸化窒素ガス、二酸化炭素ガス、および塩素ガスなどがある。
前加水分解処理していないクラフトパルプをリヨセル用に使用する場合は、そのDPを上記のように低下させる必要があり、そして銅価を、「Tappi T430 cm−99」による測定にて2.0未満(さらに好ましくは約1.1未満、最も好ましくは約0.7未満)に下げるよう該クラフトパルプをさらに処理する。銅価が高いと、溶解時および溶解後にセルロースの分解を引き起こす、と一般に考えられているので、銅価は低いことが望ましい。銅価は、セルロースの還元値(reducing value)を測定するのに使用される経験的試験である。銅価は、アルカリ性媒体中において特定重量のセルロース材料によって水酸化第二銅から酸化第一銅に還元される金属銅のミリグラム数に関して表示される。処理したパルプの銅価は、例えば、パルプをホウ水素化ナトリウムまたは水酸化ナトリウムで処理することによって、あるいはパルプを、次亜塩素酸ナトリウム、二酸化塩素、過酸化物(例えば過酸化水素)、および過酸(例えば過酢酸)(これらに限定されない)を含む1種以上の漂白剤で処理することによって下げることができる。
低重合度(DP)を有するパルプとリヨセルとのフィブリル化ブレンドは、分散し、適切に濾過し、そして良好な弾性率と靱性と強度を有する材料を提供する、ということを本出願者らは見出した。どのような物理的特性がもたらされるか、そしてどの程度にもたらされるかは、リヨセル/パルプブレンドと組み合わせる材料に依存する。
ブレンドは、リヨセルと低DPパルプを一緒にフィブイル化することによって作製される。1つの実施態様では、リヨセルと低DPパルプを、ディスインデグレーター(離解機)またはハイドロパルパー中にて20〜240分混合することができる。他の実施態様では、リヨセルと低DPパルプを、ディスインデグレーターまたはハイドロパルパー中にて60〜180分混合することができる。ディスインデグレーターは2700〜3300rpmにて作動し、ハイドロパルパーは約500〜900rpmにて作動する。ミキサー中におけるブレンドの濃度(コンシステンシー)は、重量基準にて0.5〜5%である。ディスインテグレーター中におけるブレンドの濃度(コンシステンシー)は、重量基準にて約1〜2%であり、ハイドロパルパー中におけるブレンドの濃度(コンシステンシー)は、重量基準にて2〜4%である。1つの実施態様では、フィブリル化に必要なエネルギーは、ブレンド1トン当たり0.5〜500kwhである。1つの実施態様では、フィブリル化に必要なエネルギーは、ブレンド1トン当たり0.5〜100kwhである。1つの実施態様では、フィブリル化に必要なエネルギーは、ブレンド1トン当たり0.5〜10kwhである。1つの実施態様では、ディスインテグレーターにおけるエネルギーは、ブレンド1トン当たり160〜190kwh(キロワット時)であって、他の実施態様では、ディスインテグレーターにおけるエネルギーは、ブレンド1トン当たり170〜180kwhであり、1つの実施態様では、ハイドロパルパーにおけるエネルギーは、ブレンド1トン当たり50kwh未満であって、他の実施態様では、ハイドロパルパーにおけるエネルギーは、ブレンド1トン当たり0.5〜25kwhである。ブレンドの濃度(コンシステンシー)を0.05〜50%の濃度(コンシステンシー)に変えることができ、こうしたブレンドを、補強もしくは濾過しようとする材料に加えることができる。濾過したブレンドを、1〜80%の濃度(コンシステンシー)での水スラリーにて出荷することができる。
200〜1000のDPを有する低DPパルプとフィブリル化リヨセルとを組み合わせると、良好な分散性を有する材料が得られる、ということを本出願者は見出した。より高いDPのパルプとフィブリル化リヨセルとの組み合わせ物は分散せず、より低いDPのパルプとフィブリル化リヨセルとの組み合わせ物も分散しない。より高いDPのパルプとフィブリル化リヨセルとの組み合わせ物は、より低いDPのパルプとフィブリル化リヨセルとの組み合わせ物ほどには、良好な弾性率、靱性、または強度をもたない。
1つの方法は、EPA法180.1を使用して、水中におけるブレンドの濁り安定性を示すことである。この試験では、Nephelometric濁度計でブレンドスラリーの濁りを、30秒〜1分で10〜30回測定してばらつきをチェックする。容易に分散しうる材料は、安定なスラリーを有する。大きなばらつきはない。スラリー中に塊スポットや空スポットはない。濁度の標準偏差は小さい。
疎水性繊維が必要とされる多くの用途がある。フィブリル化ブレンドを添加剤で処理して、種々の材料(例えば、ゴム、熱可塑性樹脂、および組み合わせることのできる他の材料)とのブレンディングをより良好にすることができる。疎水性を付与するために使用することができる添加剤は、AKDもしくはASAもしくはカチオン界面活性剤、低レベルの置換の酢酸セルロース、および分散剤(Hydropalat 1080等)等のサイズ剤であり、サイズ剤は、シランをセルロースに結びつけ、セルロース上のカルボキシル基に対する疎水性末端とモノアミンとを反応させる。
さらに、リヨセル、低DPパルプ、またはこれらの両方中にリグニルンを使用することによって、リヨセルと低DPパルプとのフィブリル化ブレンドのそれぞれを疎水性にすることができる。リヨセルのための出発物質は、軽度漂白パルプまたは未漂白パルプである。低DPパルプは、未漂白であっても、あるいは軽度漂白であってもよい。リグニンの量は、リヨセル、パルプ、または両方とリグニンを加えた重量の90%という多量であってよい。リグニンを含んだ繊維(木材繊維またはリヨセル)は、より疎水性が高く、ゴム等の疎水性ポリマーとの結合を高めることができる。
実施例1:ハイドロパルパーの使用(90分)
水(56.5kg)、6mm長さのリヨセル繊維(92%ソリッドにて0.91kg)、およびネバードライド(never-dried)Peach(登録商標)パルプ(23%ソリッドにて3.65kg)を含む溶液(濃度:2.75重量%)を40ガロンの実験用ハイドロパルパーに加えた。ハイドロパルパーのスイッチを入れ、90分作動させた。「典型的な」ハイドロパルパーは、約700rpmにて作動する。ハイドロパルパーにおけるエネルギーは、ブレンド1トン当たり25キロワット時である。Dried Peach(登録商標)も使用することができる。
水(1.94kg)、6mm長さのリヨセル繊維(92%ソリッドにて13.2g)、およびネバードライドPeach(登録商標)パルプ(23%ソリッドにて52.2g)を含む溶液(濃度:1.2重量%)を標準的なブリティッシュ・ディスインテグレーター(Tappi T227 om−94)に加えた。ディスインテグレーターのスイッチを入れ、3000rpmにて90分と180分作動させた。ディスインテグレーターにおけるエネルギーは、ブレンド1トン当たり175キロワット時である。パルプは、乾燥していても、非乾燥(never dry)であってもよい。乾燥木材パルプとしては、フラフNB416、FR416、Peach(登録商標)パルプ、および未漂白パルプ(UB)などがある。表1は、6mm長さのリヨセルとPeach(登録商標)パルプからの高度にフィブリル化されたセルロースブレンドが、同じリファイニング条件にて作製された、同じリヨセル/パルプブレンド比を有するリヨセル/NB416ブレンドもしくはリヨセル/FR416ブレンドより低いフリーネスを有する、ということを示している。760のDPと1.9%のリグニン含量を有する未漂白パルプと6mm長さのリヨセルからの高度にフィブリル化されたセルロースブレンドも、低いフリーネスを有する。フリーネスが低いということは、より微細な粒子であるということを示している、と考えられる。微細物は、250ミクロン未満の粒径を有する粒子である。
実施例3は、リファイニングされたPeach(登録商標)/リヨセルブレンドまたはリファイニングされた未漂白低DPパルプ/リヨセルブレンドが、リファイニング時において、リファイニング高DPパルプ/リヨセルブレンドより微細な粒子を生成する、ということを示す(表2に示す)。高DPパルプは、漂白処理したLVおよびNB416である。リヨセルとのブレンド中の、パルプからの余分の微細物、より多くの個体群、およびより短い低DP繊維が、ブレンド中へのリヨセルフィブリルの分散性を高め、必要以上の希釈と長いリヨセルフィブリル間の間隔により、リヨセルフィブリル間の機械的な絡み合いを少なくする。ブレンドは、25〜75重量%のリヨセルと75〜25重量%の低DPパルプを含有してよい。リヨセルの含量が高いと(95/5 リヨセル/NB416)、このブレンドは、同じ条件のリヨセル/Peachと比較して、微細物がより多くなって個体群がより少なくなるが、リヨセル/NB416からのこの余分の微細物は、おそらく過剰にフィブリル化されたリヨセル繊維からのものであろう。このことは、リヨセルフィブリルを複合材料用途に利用するうえで好ましくない。さらに、95/5比のリヨセル/Peachは、75/25比のリヨセル/Peachより微細物が多かった。この場合も、リヨセルからの微細物のために、良好な分散が得られないと考えられる。ブレンド中のリヨセル比が高いと、それが高度に微細物であっても、絡み合い有する。このことは、適切なリヨセル/パルプ比が重要であって、パルプからの微細物だけがブレンドの分散に役立つ、ということを示している。
分散性を示す1つの方法は、EPA法180.1を使用して水中でのブレンドの濁り安定性を明らかにすることである。下記の表は、フィブリル化リヨセル、700のDPを有するPeach(登録商標)パルプとフィブリル化リヨセルとのブレンド、および1500のDPを有するNB416パルプとフィブリル化リヨセルとのブレンド、の間の比較を示す。
Claims (20)
- ASTM試験1975−96による測定にて200〜1000の重合度を有するセルロースパルプとリヨセルとのフィブリル化ブレンドであって、リヨセル繊維の少なくとも一部が3〜12mmの長さを有する上記フィブリル化ブレンド。
- リヨセルがブレンドの25〜75重量%を構成する、請求項1に記載のフィブリル化ブレンド。
- リヨセルとセルロースパルプの少なくとも一方がリグニンを含有する、請求項1に記載のフィブリル化ブレンド。
- ブレンドが疎水性である、請求項1に記載のフィブリル化ブレンド。
- ブレンドが添加剤で処理されている、請求項1に記載のフィブリル化ブレンド。
- 添加剤が、界面活性剤、分散剤、ナノクレー、カーボンブラック、シリカ、およびリグニンもしくはリグニン誘導体から選択される、請求項5に記載のフィブリル化ブレンド。
- ASTM試験1975−96による測定にて200〜1000の重合度を有するセルロースパルプとリヨセルとのフィブリル化ブレンドを含み、リヨセルの少なくとも一部が3〜12mmの長さを有する上記材料。
- リヨセルがブレンドの25〜75重量%を構成する、請求項7に記載の材料。
- リヨセルとセルロースパルプの少なくとも一方がリグニンを含有する、請求項7に記載の材料。
- ブレンドが疎水性である、請求項7に記載の材料。
- ブレンドが添加剤で処理されている、請求項7に記載の材料。
- 添加剤が、界面活性剤、分散剤、ナノクレー、カーボンブラック、シリカ、およびリグニンもしくはリグニン誘導体から選択される、請求項11に記載の材料。
- ポリビニルアルコール、セルロースエーテル、ポリウレタン、ポリ乳酸、ポリスチレン−co−ブチルアクリレート、水溶性ポリマー、不織布、接着剤、水性塗料、または澱粉ベース材料をさらに含む、請求項7に記載の材料。
- 熱可塑性材料、熱硬化性材料、またはゲル材料をさらに含む、請求項7に記載の材料。
- エラストマー材料またはゴムをさらに含む、請求項7に記載の材料。
- ASTM試験1975−96による測定にて200〜1000の重合度を有するセルロースパルプとリヨセルとのフィブリル化ブレンドの製造方法であって、
ASTM試験1975−96による測定にて200〜1000の重合度を有するセルロースパルプを供給すること;
3〜12mmの長さを有するリヨセルを供給すること;
リヨセルとセルロースパルプを水性媒体中に入れて水性混合物を得ること;
該水性混合物を、リヨセルとセルロースパルプの1トン当たり0.5〜500キロワット時のエネルギーレベルにて20〜240分ミキシングすること;
を含み、リヨセルの少なくとも一部が3〜12mmの長さを有する上記方法。 - ミキシングが、リヨセルとセルロースパルプの1トン当たり0.5〜100キロワット時のエネルギーレベルにて行われる、請求項16に記載の製造方法。
- ミキシングが、リヨセルとセルロースパルプの1トン当たり0.5〜10キロワット時のエネルギーレベルにて行われる、請求項16に記載の製造方法。
- リヨセルとセルロースパルプが水性混合物の0.5〜5重量%を構成する、請求項16に記載の製造方法。
- ミキシングが60〜180分行われる、請求項16に記載の製造方法。
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